JP6571322B2 - 空水熱発電システム - Google Patents
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Description
ことに、発電のエネルギー源が、太陽熱や地熱の如く自然に広く分散しているので、化石燃料の様に、単位重量当たりのエネルギー密度が高い可搬型資源を使う場合と異なり、自然分散型エネルギー源を使う空水熱発電方式は、資源消耗型ではなく、永久的資産価値を創造するものである。その意味で、資材料をセットし、ボタンを押せば自動的に大量の商品発電機が生み出される如きハイテク消耗品イメージは、空水熱発電システムには適合しない。そうした観点から、金融理財大量商品を生み出す、所謂ハイテクを可能な限り使わず、伝統的な機械・電気技術を使って生み出した空水熱発電方式は、未来志向である。
また、空水熱発電方式は、ハイテク商品志向に比して生産性は低いが、経済・技術的には廉価で、従い世界中の至るところへ普及する可能性があり、地域住民が地域振興の目的で自主的に製造保守する新たな文明的形態を内蔵している。
前記炉体の周囲に配置した加熱装置と、
前記加熱装置の外周を包囲するウォータージャケットと、を備え、
前記炉体は、収容した前記複数のゼオライトまたはシリカゲルに外部から供給された水蒸気を吸着及び脱着させる下部炉筐体と、収容した前記複数のゼオライトまたはシリカゲルに前記下部炉筐体から供給された水蒸気を吸着及び脱着させる上部炉筐体と、を備えることを特徴とする固体ボイラーである。
前記加熱用中空管の周囲に取付け、且つ高温油を循環させる油循環用管と、
前記加熱用中空管の内部に配置した電熱発熱体と、を備え、
前記加熱用中空管の断面形状は、多角形または円形であることを特徴とする固体ボイラーである。
また、本発明の一態様は、前記炉体の上面に、前記炉体と、前記加熱用中空管と、前記油循環用管及び前記電熱発熱体と、前記炉体を収容する構造物に吊り下げる中心炉制動体を設置したことを特徴とする固体ボイラーである。
また、本発明の一態様は、円錐型の内面を有するタービン気筒と、
前記内面に接触して回転する断面星形タービン翼と、を備え、
前記断面星形タービン翼の外周面に、前記断面星形タービン翼の軸方向に沿って配列した複数箇所の円環部を形成し、
前記円環部に近接し、且つ前記断面星形タービン翼に取り付けた円盤状リングを有することを特徴とする軸流型タービンである。
前記ターボ回転翼の周囲に装着した補強円筒と、
前記補強円筒の外周部に取付けた補助回転翼と、を備えることを特徴とする多段ターボガス圧縮機である。
前記取付円筒の内部に、前記ターボ回転翼と縦列多重に配列して組み合わせて配置し、且つ前記気流に対して密閉した軸受け部と、
前記軸受け部の内部へ前記取付円筒の外部から潤滑油を供給する潤滑油供給装置と、を備え、
前記潤滑油供給装置は、前記気流の圧力と、前記軸受け部の内部で発生する圧力と、の不整合によるガス漏れ及び潤滑油漏れを抑制する漏出抑制機構を備えることを特徴とする多段ターボガス圧縮機である。
また、本発明の一態様は、前記潤滑油供給装置は、前記気流の圧力を検出する圧力検出器を備え、
前記圧力検出器は、周囲に絶縁潤滑油を循環させた圧力検出素子と、前記圧力検出器の導入口に取り付けた帯電防止用フィルターと、を備えることを特徴とする多段ターボガス圧縮機である。
前記二重密閉容器のうち一方の密閉容器の内面に配置した金属薄板と、を備えることを特徴とするウォーターパネルである。
また、本発明の一態様は、前記二重密閉容器に取り付けた複数の給排水連絡口金を備えることを特徴とするウォーターパネルである。
また、本発明の一態様は、前記二重密閉容器に複数の貫通孔を形成したことを特徴とするウォーターパネルである。
また、本発明の一態様は、上述したウォータージャケットと、
前記ウォータージャケットから回収した温水を蓄積して再利用するタンクと、を備えることを特徴とするウォータージャケットシステムである。
前記噴霧ノズルの先端部へ取り付けた加熱装置と、
前記噴霧ノズルの先端部内側へ埋め込んだ星形断面の加熱フィンと、を備えることを特徴とする噴霧装置である。
また、本発明の一態様は、前記噴霧ノズルは、円錐状にミストを放出し、
格子状に組み立てた石英管で形成され、且つ前記噴霧ノズルから円錐状に放出されるミストと後段の装置との間を遮蔽する遮蔽体と、
前記石英管内に配置した赤外・遠赤外線加熱装置と、を備えることを特徴とする噴霧装置である。
また、本発明の一態様は、上述した固体ボイラーと、上述した軸流型タービンと、上述した多段ターボガス圧縮機と、上述したウォータージャケットシステムと、上述した噴霧装置と、を備えたことを特徴とする空水熱発電システムである。
空水熱発電方式は、伝統的な技術の延長で生み出されたものではあるが、従来には無い高度な技術的研究の結果生み出されたもので、所謂ハイテクではないが、高度技術の成果が込められているのが、本特許が主張する内容である。
空水熱エネルギー利用の原理を、図1中に示す。
初期稼働エネルギーは、外部補助電力によるが、装置が安定出力電力を発生するに至れば、環境空気・環境水温エネルギーの供給のみで持続的発電が始まる。装置内を、図に示す太線のループに沿ってエネルギーが蓄積され、その一部分が外部へ供給される。装置の構成技術は、図からも分かるように、数点に分かれる。その主要な部分は、固体ボイラーS、アンブレラ型蒸気タービンT、ターボ圧縮機C、ウォータージャケットW、噴霧装置Vである。
まず、固体ボイラーについて説明する。
図1中で、過熱蒸気を生成するゼオライト式SSB(固体ボイラー)は、低温エネルギーを高温エネルギーへ変換する役を演じている。
一般には、低温度の水を、化石燃料が発生する熱エネルギーにて高温度状態へ導くのであるが、本方式では化石燃料の化学変化エネルギーを用いず、状態の物理的変化で高温状態を生み出す方式になっている。その原理は、一般に云われる湿潤熱である。色々な湿潤物質が従来から知られていて、吸収冷凍機などの工業的活用などが報告されている、しかし、熱源として湿潤熱の活用例は少ない現状である。(例えば、「特開2007−300906公報」を参照)。
湿潤物質には、以前から数多なものが知られている。
例えば、鉄粉、生石灰、五酸化燐、シリカゲル、そして、ゼオライトなどが好例であり、いずれも、水分を吸収すると発熱することが知られている。
発熱の原理には、物質の酸化などによる化学変化、物理的な状態変化などがあり、様々である。しかし、その発熱量は、化石燃料である石油など分子構造の変化に伴うものに比べて小さい。その僅かな発熱量が、いろいろな生活手段に使われていることも周知の事実であり、例えば、携帯懐炉、インスタント燗酒、駅弁の瞬間加熱などがよく知られている。
湿潤物質の放出するエネルギー密度は大体同程度なので、化石燃料のおよそ2.5%である。かくの如く、小規模な発熱量ではあるが、用途に依っては充分に活用できる。
水蒸気吸着時に炉体の温度を100℃に保ち、かつ過熱水蒸気脱着時に炉体の温度を200℃以上に保つ構造を創案した。炉体の水蒸気発生量とゼオライト量は比例するので、効率の良い炉体は二段式になる。
低温時の炉体保温と加熱方法に特徴を持たせ、高温時の加熱は主に赤外線・遠赤外線を用いる方法を採用した。さらに、導入水蒸気ならびに脱着加熱水蒸気を効率良く出し入れする輸送配管の構造を採用した。
α−cageの軸に沿ってx座標をとり、原点を単結晶の表面に置く。β−cageには、イオン種原子があり、それが静電引力に寄与すると考えられる。ゼオライトは中性分子なので、遠距離では静電力は中和されると考えられるが、単結晶に近接した場所では、結晶中のイオン種原子の位置の差があるので静電力が表面に現れる。ことに表面のβ−cage中のイオンは、主要に働くと考えられる。
F(r−r‘)
=Q+/(r0−r’)+Σ(AQ+/(rA−r‘)+BQ−/(rB−r’))…(1)
式(1)中において、r,rA,rBは、イオンの原点からの距離であり、Qは、rにあるイオン電荷である。正負は+と−で区別し、r’は、水双極子の座標であり、A,Bは係数である。第二項の総和は、軸上のイオン全てについて総合する集成引力を表している。
脱着エネルギーは、環流油の温度エネルギー、並びに、補助的に添加される電気エネルギーで構成されている。高温度過熱水蒸気を得るための主要エネルギーは、発電機器が発生する廃熱であるので、廃熱を逃がさないように装置を構成することが基本的姿勢である。
なお、図4(a)は、炉体全体を示す図であり、図4(b)は、多孔ガス輸送管1e−14及びその周辺を示す図である。
蒸気発生器1e−A/Bは、同型の固体ボイラーSSBで、水蒸気発生用の化石燃料を使わない。蒸気発生器1e−A/Bへ入力される主要なガス状エネルギーは、水供給装置2eから送出される水蒸気と、搬送用の(温度約100℃)高温空気である。搬送用の高温空気は、圧縮送風機7eで断熱圧縮により発生する。
蒸気発生器1e−A/Bの外周には、エネルギータンク3eから送出される温水が、炉体の周囲を流れて基礎温度を維持している、さらに、蒸気発生器1e−A/Bの蓄積ガス内部温度が高まり、炉体から過熱蒸気を送出する時には、注入エネルギー(Heat energy inJection)を、図示の如くに注入力する。
続いて、高温油は、ポンプ12eにて炉体へ注入する。この方法で廃熱エネルギーに僅かな追加エネルギーを加えることで、所用の過熱蒸気発生用の追加エネルギーが得られる。装置の初期稼働においては、機器全体が低温度であるため、補助電熱体S/10e−7による追加電力を利用するが、廃熱が使われる段階では供給電力は軽減する。
全くの初期動作では、SSBは冷え切っているので、電熱抵抗体へ電力を供給して必要な温度を確保するが、図5に示す全発電系が作動に入れば、発電系の廃熱エネルギーがWJへ環流することと、過熱蒸気発生時にSSB内部の高温加熱炉が発生するエネルギーが炉体全体を加熱するので、炉体外部の電気抵抗加熱体は、ほとんど休止状態に入る。
炉体が初期温度を得た時点で、外部のWS(水供給装置2e)から、乾燥した飽和蒸気が供給されると、炉内温度はゼオライトの発熱で200℃近い高温になる。この高温状態を炉内で均等に維持するために、炉の中央には高温加熱体が設置され、其処へは外部から高温度のオイルを環流させる。
以下、アンブレラ型蒸気タービンについて説明する。
蒸気タービン技術の歴史は19世紀に始まるもので、以来様々な方式が提案され、代表的な軸流タービン型式もほぼ完成している(例えば、「内丸最一郎著:蒸気タービン、東京丸善、明治41年4月発行」を参照)。しかし、21世紀の現在も、依然として様々なタービン関連研究と工夫が成されている。水とその水蒸気を作動物質にする事の利点は、他の物質に比べて高いエンタルピーが得られる事と、比較的安全性が高いことなどがその理由であろう。
また、その羽根列を蒸気流が通過する間に膨張する蒸気の熱エネルギーが、回転力となる原理である。
本発明のアンブレラ型蒸気タービンは、衝動式で軸流型ではあるが、上述の伝統的な多層回転羽根の構造を持たず、単純な水車形式の回転翼を持っている。
衝動式も反動式も、ガス入射時に吹き出す気流の圧力と速度が、タービン回転力やトルクになり、回転翼空間を通過する気流の速度変化に基づく運動量変化が、同じくトルク形成に寄与することが分かる。
t=F・R=m・R・dv…(2)
式(2)中で、Fは、タービン回転軸に直交する円周方向に働く力で、mは、可動翼に衝突するガスの質量、Rは、タービンの平均回転半径、dvは、回転翼を通過する時間内のガス速度変化量である。
また、式(2)中の回転軸トルクtは、タービン軸に沿って積分された値である。
出力軸半径Rrで毎分回転数Nのタービン原動機の出力パワーPは、以下の式(3)で示される。
P=0.1×Rr×t×N…(3)
式(3)中では、一般にR>Rrである。
K=(KS+KL)=0.5・I・ω2=0.5・(IS+IL)・ω2…(4)
負荷が電磁的な場合、その動的慣性質量は、IL=0.5・mL・ω2の形式となり、変動する電磁的負荷は、等価的に回転子の局所的質量mLに反映される。
軸流蒸気(ガス)タービンでは、回転翼と固定翼の間隙を縫って作動ガスが漏洩する問題が常に存在する(例えば、「特開2010−255542公報」、「特開2012−105626公報」、「特開2013−19381公報」を参照)。
非接触型ガスケットの原理は、気体が流通する道筋を狭隘にして流体抵抗を高めて漏洩ガスの量を抑えることにある。回転軸に装着されたラビリンスガスケットには、通常潤滑油が潤滑し、軸の回転による遠心力が働いてラビリンス円盤素子の先端部の細隙を液が封止する役割をする。また、蒸気が通る道筋では、液化した水が封止剤の役割をはたす場合がある。
本発明では、安定な高速回転を実現するために、軽量化した断面星形タービン翼T/2の強度を高めるための工夫として、断面星形タービン翼T/2の振動を防ぐ円盤状リングT/6を複数溶接して配置し、断面星形タービン翼T/2を、タービン気筒T/3に挿入設置した。
タービン気筒T/3内へノズルから吹き出されたガスの流で断面星形タービン翼T/2が回転するので、ガス流軌跡は、図8中にT/2−4に示す如く、渦巻き(トルネード)状になる。吹き出されたガス流は、断面星形タービン翼T/2で構成される梯形形(図8のA,B,C,−−−)の溝を通って、タービン気筒T/3と断面星形タービン翼T/2の型で決まる末窄まりのガス通路を流れて、出口へ集中する。溝の軸直角断面は、ノズル吹き出し口から溝出口へ長手方向に沿って徐々に小さくなる。
その結果、ガス流が星形翼に与える圧力と結果であるトルクtの値は、翼の垂直圧力成分の積分値として与えられる。積分区間は軸長手方向の長さで決まり、それは平均ガス流速度でシリンダーを通過するので、数msecの短時間であるが、ガス流の回転軌跡がシリンダー出口に至るまでの区間で決定される。ガス流の運動量を充分に吸収する長さが求められる。
したがって、傘型のシリンダーの形は、末窄まりの円錐形、すなわち、アンブレラ型となる。
一般には、高速回転軸受けとして、気体・液体を利用した浮動ベアリングが使われているのであるが、低速運転時における潤滑油の漏洩は避けがたい。また、潤滑剤としての気体や液体の循環装置の保守管理などが不可欠であるので、煩雑性が避けがたい。したがって、高速回転軸を保守管理する技術的方法のさらなる発展が求められる。
固体ボイラー1eは、水蒸気発生用の化石燃料を使わないボイラーである。
水蒸気発生装置2eは、単純に水を加熱するのではなく、簡易気化器で噴霧状に水の微粒子化した状態を実現させて蒸発を効率化する工夫が成されている。
水蒸気搬送用のターボ式空気圧縮機7e並びにターボガス圧縮機4eは、装置稼働の当初は外部電力で駆動されるが、発電システムが稼働に入れば、装置内の発電機6eの出力電力に切り替わる。この発電システムは、初動時には外部電力でエネルギーの蓄積が始まり、発熱機器であるターボガス圧縮機4eや本論の蒸気タービン5eなどが放出する廃熱を熱源とする逆釜8eの表面が高温化するので、その熱エネルギーを、ウォータージャケット9eが捕捉し、その温水をエネルギータンク3eへ蓄積する。
蒸気発生器1eの動作は、別件で詳述するので説明は省略するが、エネルギータンク3eからの低温度飽和蒸気を、空気圧縮機7eからの搬送空気で固体ボイラー1eへ入力し、固体ボイラー1e内の物理的反応で、高温度高圧気体(Hightemp.vapor & air)としてターボガス圧縮機4eへ供給する。すると、それらが総合して安定的に自立発電が持続する。
以下、多段ターボガス圧縮機について説明する。
特許文献1で提案された技術の中で、蒸気発生炉、高温高圧蒸気の発生・輸送経路、蒸気タービンなど、一連の装置を効率良く機能させる要の位置にあるガス圧縮機の技術が、重要な役割を担っている。
従来のガス圧縮方式コンプレッサーの原理・方式には、シリンダー(気筒)とその内面を摺動するピストン(活栓)の往復運動によるレシプロ方式が一般的であった(例えば、「特開2012−154317公報」を参照)。
したがって、ガス出力を、連続的・平均的な流れに近づけるための多気筒方式は、構造と動作が複雑になり、その構造から生じる摺動摩擦などが原因で、エネルギー効率が低下する。その欠点を克服する方策として、連続的なガス圧縮方式が提案されている(例えば、「特開2004−204846公報」を参照)。この連続的ガス圧縮の例は、自動車の排気ガスタービンや航空機のジェットエンジンの入力ターボ吸気圧縮機などに見られる。
一段あたりの羽根車の作動は、原理的に風力発電に使われるプロペラと同じ扱いができる(例えば、「特開平7−190364公報」を参照)。
多段に亘って結合される場合は、軸流蒸気タービンや軸流ジェットエンジンと同様な作動をする。一般に、扱うガスの流量が大きいので、羽根車の周辺部で生じる少量気体の逆流などはあまり考慮されていない。
そのため、ガス漏れを防ぎかつ摺動摩擦を軽減するために、従来から、回転と固定部分を区切る様々なガスケットが工夫されてきた(例えば、「特開2004−353629公報」を参照)。この目的を解決する手段として、ラビリンスパッキングなどが以前から使用されている。
現在でも高速電動機は市場に存在するが、その導入には、同時に高効率な冷却装置が不可欠であり、それは、新たなる技術的課題を提起するものである。従い最良の形態としての高速電動機と効率の高い冷却系の実用化が今後の課題となるだろう。
また、多段の高速回転翼を支持する回転軸受けには、潤滑油を供給することが不可欠である。多段に回転翼を結合して気体圧縮を行うと、圧縮の後段になるに従い、気体圧力と温度が高まるので、軸受けと回転翼を接合する部分の気密性、耐熱性を維持することは難しい。
このため、本発明では、高速回転軸におけるガスケットの僅かな摺動摩擦を避けるために、通常用いられる非接触式細隙のラビリンス方式とは異なり気密ではないが流体が環流しがたい非接触な隔壁を設け、高圧気体部分と軸受け部内の潤滑油圧力を等しくして気体並びに潤滑油が相互に流通することを妨げる構造を考案した。
図11に示す次段回転翼C/18は、次段以降との結合を例示する。ターボ回転翼C/2の基本構造は図12に概略を示すが、回転中心には曲面円錐体の翼支持体C/1がある。ターボ回転翼C/2は、翼支持体C/1の周囲に取り付けられている。図12では、三葉のヘリカル状に形成したターボ回転翼C/2が描かれているが、送気の風量・圧力に応じて、複数の翼面が使われる。なお、図12(a)には、ターボ回転翼C/2の前面図を示し、図12(b)には、図12(a)の矢視図断面を示す。
ターボ回転翼C/2の外周囲には、補強円筒C/4が装着される。その形は、図11に示すごとく、ターボ回転翼C/2の補強と補助回転翼C/3の支持を目的とした円筒である。ターボ回転翼C/2が高速に回ると、吸入気体C/14は、回転軸に沿って流入する。気体流を円滑にするために、整流ヘッドC/1−1を装着するが、ターボ回転翼C/2の周辺に渦流C/14−1と逆流C/14−2が現れる。圧縮機の効率を向上させるには、この渦流と逆流を減少させることが必要である。
渦流に対する対策は、翼断面の工夫が不可欠であるが、逆流C/14−2の減少を意図するには、補助回転翼C/3に依る対抗流C/14−3の創出が有効である。
図11では、ターボ回転翼C/2への回転導入に、シャフトC/7、ベアリングC/8、ギアC/9、回転導入軸C/10を経て、外部から回転動力を導入させている。さらなる高速回転では、ギアC/9を廃して、高速回転電動機の回転子をシャフトC/7へ直結する方法も考えられるが、回転軸受けには、ボールベアリング乃至は油膜を使う浮遊軸受けなどが使われる。その場合には、潤滑油C/15を、潤滑油導入軸C/6を経て、軸受け部C/5内部へ、取付円筒C/17の外部から注入することが不可欠である。
一方、潤滑油の作動圧力が圧縮気体の圧力を超えると、潤滑油の気体中への拡散が問題になる。一般には、回転軸へガスケットを装着して、流体の相互流通を阻止するのだが、高速回転軸では、作動効率の減少だけでなく、摩擦に依る温度上昇が致命的である。
本発明においても、図11に示す狭隘間隙C/12,C/13は、ラビリンスパッキングの構造が用いられている。しかし、間隙C/11の場合には、翼支持体C/1と軸受け部C/5の間隙にある非接触部分には、ラビリンス構造は使えない。
そこで、本発明では、間隙C/11の前後に於ける気体の圧力を、積極的に同じ値に保持する方法を導入した。
軸受け部C/5には、翼支持体C/1,シャフトC/7,ベアリングC/8などの要素が取り付けられており、潤滑油C/15は、狭隘間隙C/13と油通路C/15−11を経て、潤滑油タンクC/15−2へ環流する。潤滑油タンクC/15−2内部には、潤滑油C/15と、環境空気が混在する定温に維持された混合状態C/15−3が存在する。その混合潤滑油は、任意のポンプC/15−5で、油送管C/15−4を経て、油圧ポンプC/15−7へ導入される。
油圧ポンプC/15−7で加圧された混合潤滑油は、潤滑油導入軸C/6の先端に装着されたノズルC/15−8を経て、軸受け部C/5の内部の圧力空間へ噴霧状態C/15−1で給油される。軸受け部C/5の内部圧力は、圧縮気体圧力と同じに維持されるように制御される。噴霧状の潤滑油は、軸受け部内部にある軸受けや回転軸などの局部に付着して凝縮液化する。液化した潤滑油は、再び、狭隘間隙C/13などを経て、潤滑油タンクC/15−2へ環流する。
圧力検出器C/16は、図11に例示したように、ターボガス圧縮機の取付円筒内に於ける、対応する圧力段の軸受付近の、流体圧縮空間C/15−12と、軸受け部C/5の内部空間へ、それぞれ、設置される。
圧力検出器C/16の概要は、図14に示すが、その電気的出力は、検出増幅器C/15−9を経て、差動信号C/15−10となって、サーボモーターC/15−6へ伝達され、軸受け空間の噴霧圧力出力として、フィードバックされる。フィードバックの効果は、軸受け部内・外の圧力差が零になる方向へ作動するので、ターボ圧縮機が作動に入り、潤滑油循環系が作動に入れば、間隙C/11を通過する気体、潤滑油などの漏洩は抑制され、圧力漏れ潤滑油漏れはなくなる。したがって、潤滑油供給装置は、気流の圧力と、軸受け部C/5の内部で発生する圧力と、の不整合によるガス漏れ及び潤滑油漏れを抑制する漏出抑制機構を備える。
検出器容器C/16−1は、非腐食性金属である。絶縁循環油用の口金C/16−2が、入出力位置に付けられている。口金C/16−2には、帯電防止用フィルターC/16−3が装着されている。電気信号接続用フランジC/16−4には、信号端子C/16−16がある。圧力変換用の伸縮ベロウズC/16−5は、フランジC/16−6へ装着され、検出容器C/16−1へ取り付ける。圧力検出素子C/16−7には、ロッシェル塩やチタン酸バリュームなどの単結晶が使われる。圧力検出素子C/16−7の検出両面には、検出素子端子C/16−8が取り付けられている。圧力検出側には、セラミック体C/16−9が接し、軟金属座C/16−11を介して、伸縮ベロウズC/16−5に接している。
圧力検出信号は、検出素子端子C/16−8から延びるリード線C/16−15を介して、信号端子C/16−16へ接続される。不可欠なことは、容器内が絶縁循環油C/16−17で充満されることと、その絶縁循環油が帯電しないように、帯電防止用フィルターC/16−3で容器に接地されていることである。
図中(4e)が、本発明のターボガス圧縮機であるが、順に解説する。
固体ボイラー1eは、水蒸気発生用の化石燃料を使わないボイラーである。空気圧縮機2eは、水蒸気搬送用の圧縮機であり、ターボ方式が用いられる。また、空気圧縮機2eは、装置稼働の当初は外部電力7eで駆動されるが、発電システムが稼働に入れば、発電機6eの出力に切り替わり、発電機6eで単独に、自励的に駆動される。空気入力は、周囲の環境空気14eと復水器からの回収大気11eである。また、環境空気14eの持つエネルギーも、応分の入力エネルギーとなっている。
上述の説明を要約すれば、装置からの外部供給電力13eは、装置の環境水温入力エネルギー入力8eに整合したものである。そして、内部使用電力12eは、初期入力で装置内に蓄積されるエネルギーに相当するものと言える。この作動を確保するには、ことに、ターボガス圧縮機4eの性能向上が不可欠な条件である。
蒸気発生器の動作は、別件で詳述するので説明は省略するが、温水タンク3eからの低温度飽和蒸気3Eを、空気圧縮機2eからの搬送空気2Eで固体ボイラー1eへ入力し、固体ボイラー1e内の反応で、高温度高圧気体1Eとしてターボガス圧縮機4eへ供給する、そして安定的に自立発電が持続する。
以下、ウォータージャケットについて説明する。
太陽熱集光方式の洋上発電船(特許文献1を参照)に関連して創造した本発明は、化石燃料を殆ど使用せずに、低温エネルギーを高温エネルギーに転化して供給する方法に関する。
また、ウォータージャケットWJは、発電用に使われるばかりでなく、一般家屋の暖房や冷房用に使われるアクティブ壁面として、建築産業などへの応用が見込まれる。
本発明は、それら一般の機器が発熱することに注目したものである。さらに、一般機械類が、作動中に不可避的に発生する廃熱エネルギーに注目すると、直ちに再利用できないまでも、その経済的価値は無視することができないものであることが理解できる。本発明は、そこに着想した。
今回の水熱発電に組み込まれたWP,WJの例を、図解で紹介する。
図16は、枠組み中に発電機器の取付状態を示すもので、水蒸気などの気体の圧力発生用圧縮機(コンプレッサー)W/1−1、動力発生用蒸気タービンW/1−3などの回転機械などが、その構成機器である。
防水した布地で、二重板状の平面的空間(WP上部構造体W/5−1とWP底部構造体W/5−2)を有する布製の二重密閉容器を作り、その中へ水を注入する。それは、水枕や湯たんぽなどに近い構造であるが、湯の温度が高いことや比較的大型であること、外部から熱エネルギーを収集する目的などがあるので、構造が特異的である。図に見られるように、逆釜内部からの回転軸などを引き出す窓を複数付ける場合があり、かつ内部水量が多いので、平板構造を維持するための支柱を内部に複数設置すること、並びに、複数のWPとの連結をするために給排水連絡口金を複数取り付ける。その接続口は、WPの上面(温水連結接続口W/5−3)や側面(側面連絡口W/5−4)、時には、背面(背面連絡口W/5−5)にも配置する。図中に示す各部構造を、詳細に示す断面図(断面構造1W/5−6,図21参照)、(断面構造2W/5−7,図22参照)、(断面構造3W/5−8,図23参照)を用いて、以下に説明する。
WP上部構造体W/5−1は、丈夫な木綿や麻などの自然繊維を用いた布へ耐水耐熱ゴム系統の接着剤を塗り込み固定した素材を使い、その内側へ、厚み20μm程度のアルミニウムなどの赤外線反射用金属板で形成した金属薄板W/6−1を張り付ける。これは、入射赤外線W/6−8のエネルギーを、WP内部の水に吸収させるためである。
WP内部の水または熱湯を外部のWPへ輸送するための口金は、図に示すようなフランジ付きの竹の子型、温水連絡接続口W/5−3の如きものを用い、容器内部から金属用耐熱耐水接樹脂W/6−5で固定する。
まず、耐熱耐水布製連絡円筒W/7−1を製作し、その両端面に、花びら型切れ目W/7−2を施し、花びら型フランジW/7−3を作り、円筒の重ね合わせ接合部W/7−4にて固定する。なお、符号W/7−5は、円筒に沿った直線縫合糸目である。
次いで、WPの穴へ挿入して円形縫合糸目W/7−6にて固定する。縫製後、WP内外壁面と円筒を接着用耐熱耐水樹脂W/6−2で内部から固定する。さらに、WPの外面に突き出た花びら型フランジW/7−3の縫製を保護するために、耐熱耐水外部保護円環布W/7−7を、接着用耐熱耐水樹脂W/6−2で貼り付けて固定する。
逆釜の上下前後左右をWPで取り囲み、それらをWJ連結管W/9−1で連結し、WJを構成した場面を示している。このWJへの水の供給は、下面に取り付けられた給水口へ、WJへの給水管W/9−2を通じて行う。通水圧力は、約3Kpa程度である。逆釜から放散されるエネルギーで内部から加熱されて温度が高まった温水は、上面のWP排水口へ接続されるWJからの温水輸送管W/9−3にて、外部へ排出される。採取された温水エネルギーは、温水エネルギータンクW/1−13へ蓄積して再利用される。
以下、噴霧装置について説明する。
図1に示す(固体ボイラー)へ効率良く飽和水蒸気を供給する蒸発装置として、本発明を創出した。液体の水を気体にする方法は、遍く知られているごとく、水を入れた容器を外部から加熱することであり、そのエネルギー源として、一般には、化石燃料もしくは化石燃料を使って発生させた電力が使われている。
本発明では、化石燃料を極力使わないで効率良く蒸気発生を行う方法に努力した。一般には、液体から気体への変換が技術的内容で、気液分離装置や動力用気体発生装置などが、主要な産業的応用分野であった(例えば、「特開1998−286304公報」を参照)。
液体から気体へ至る相変化の過程に注目すると、液体中の原子もしくは分子が、周囲の分子との結合状態から解き放たれて、空間へ単独で飛び出す現象である。その為には、該当する分子または原子が、その外周液体部に存在する物質分子との分子間結合から相応のエネルギーを獲得し、高エネルギー状態になる必要がある。液体中に束縛されている状態で内部エネルギーが増大するにつれ高エネルギー状態になると、分子は、その重心周りに激しい熱運動状態に入るが、内部エネルギーが気化状態への閾値に至らない間は、分子温度は相変化を起こす沸点を越えない。その分子一個の運動は、液体中にある間、すなわち、分子間結合ボンドが切れない間は、重心周りの分子サイズの一定容積の空間に限定されている。
蒸気発生槽の上部に温水導入管と温風導入管を配し、その結合点に気化ノズルを設ける。ノズルの先端部には加熱装置がある。さらに、上部空間には、遠赤外線照射装置を設けている。また、装置の初動時には、補助電力、並びに低温給水装置が設けられる。
図26(a),(b)に示すように、本発明で使用する噴霧ノズルの先端部には、加熱装置が取り付けられている。通常、気化器から吹き出される噴霧(ミスト)状の液体は、噴霧ノズル先端から放出される時の断熱膨張により、温度が低下する。更に、気体が蒸発する際の気化熱の放出に伴う温度低下が加わり、霧状水塊の温度低下があり、蒸発の効率が低下することは避けがたい。従って、液温・水温を上昇させることが、蒸発効率を向上させる為には必要で、その解決の方法は、ノズル部分の温度を高めることが有効であることが分かった。蒸発能力比較の予備実験(使用電力約1kw)では、通常の湯沸かしガスコンロ式(4kw)と蒸発量比較を行った結果、約4倍の蒸気発生成績が見られた、略4倍の効率と言える。
噴霧ノズルから放出された噴霧(ミスト)状の液塊の温度を更に高めるためには、蒸発空間に赤外線・遠赤外線で充満した空間を設けることが、蒸発効率を高めるために有効であることが分かった。
本発明では、噴霧ノズルの形態が性能を左右した。現状では、比較的最良と思われたサイズと形態を使用しているが、さらなる組織的な研究が求められるであろう。ミスト加熱も重要な課題である。伝統的に、分子サイズの過熱蒸気を生成するには、高温度の加熱壁を設けて、ガス分子の壁面への衝突によるエネルギー伝達が主体であったが、その直接伝達法に比較して、赤外線・遠赤外線による電磁的な伝達の採用は、従来では少なかった。しかし、蒸発媒体が水分子の場合には、分子の回転振動エネルギーの共鳴スペクトルが、遠赤外線エネルギー領域で発生していることが知られてきた。水分子の赤外・遠赤外領域における挙動が充分に解明されているとは言えない現状なので、今後の研究に待つところが多いのだが、最適な輻射エネルギーを発生する赤外発光体の研究、その発光体を保持するために、目下は石英ガラス管を用いているが、その形態とサイズの研究が今後の課題となるであろう。さらなる発展が求められる。
装置稼働状態を順に解説する。固体ボイラー1eは、水蒸気発生用の化石燃料を使わないボイラーである。固体ボイラー1eへ入力される主要なガス状エネルギーは、水蒸気発生装置2eから送出される水蒸気と搬送用の(温度約100℃)高温空気である。搬送用の高温空気は、圧縮送風機7eで、断熱圧縮により発生する。
(1)ゼオライトは、元来絶縁性の高い酸化物であるので、フォノン熱振動による伝熱加熱よりも電磁波による共鳴加熱の割合が高いので、中央発熱体からの加熱エネルギーは主に電磁波による輻射加熱と考えられる。また、発熱体には、電熱加熱用のヒーターが組み込まれており、200℃を越える過熱蒸気脱着時には、外部から電気エネルギーの添加も可能である。
作動原理は、式(2)、式(3)で示されるが、効率を高める為の装置の大きさ,即ち、慣性質量Iは、実験的に決めねばならない。タービンの回転部分を支える軸受けの温度上昇、機械的振動による騒音と軸の共振による破損問題などが典型的な問題である。軸受け部分でのガスの漏洩などは常に問題となる。
アンブレラ型タービンの高い効率はシステム実現の要素であるため、上記の問題に対し、本発明を、上述した空水熱発電システムに応用すると、比較的小型の蒸気タービンを使用することで、化石エネルギーを極力使用しない水熱発電の実現可能性が確かめられた。
これらの問題に対し、ターボガス圧縮機の高い効率は、システム実現の要素であり、圧縮の過程で発生した圧縮機から発生する熱エネルギーは、水蒸気発生用のエネルギーとして無駄なく回収された。この特性が、水熱発電を成功させた原動力となっている。
従来も、廃熱を再利用する考案は実用化されてきた。例えば、発電所や製鉄工場の廃熱エネルギーを用いて温水として利用し、家屋の暖房や農場の温度管理に再利用する例がある。しかし、此等従来の廃熱利用は、廃棄熱が利用できる周囲環境に恵まれた場合にかぎられていた。すなわち、廃棄熱を再利用するにも、相当な設備資本が不可欠なのであるため、廃熱利用が局在化しており、廃熱利用が一般社会に広く受け入れられる状況にはなっていない。この廃熱利用の局在化を、WJの普及を通じて、普遍的な一般市民の日常生活文化にすることも、今日的な課題と言える。
初期加熱で活性化したゼオライト結晶の内部化学ポテンシャルが、周囲の環境より低い時には、外部から気体状物質分子を吸引する。特に、水分子を吸引する力が大きい。結果として、周囲環境から水を吸引すると、結晶の周囲環境を成す水蒸気圧が減少し、連結する水の供給源である蒸発装置から、急速に水蒸気が自然に発生して補給される。すなわち、蒸気発生装置に内在する水分子を加熱しなくても、常温の外部蒸気圧が下がれば、装置内の水から蒸気が自ずと供給されるのである。
従来、低温の水が化石燃料などを使わずに自分自身で高温化するのは、熱力学第二法則に反するのではないか、という疑念が持たれている。作動の初期だけ補助燃料を使い、その後は自立的に発電を持続することが出来れば、この疑問は払拭されると考えられる。
保温を完璧に行い、外部へ離散するエネルギー漏洩が皆無になれば、発電効率は限りなく1に近づくが、その場合でも、装置内を環流するフライホイールのエネルギーは、相当に大きな値を取ると思われる。したがって、装置の保温、エネルギー蓄積が不可欠である。
WJは、従来にないエネルギー創造手段として、諸問題解決への足がかりとして導入されるのであるが、結果としての応用は、かなり広範に亘る事が予測できるのである。
ここでは、まず、WJを装着する発電設備に限定して考えてみる。それは、蒸気発生装置の保温と余熱である。ゼオライトを内部へ搭載する金属製の高温高圧容器で、内部に銅管を巻いたコイル状の発熱体へ高温の油を環流する。この発熱体から、銅管金属の熱的格子振動に基づく熱伝導や、銅管表面の伝導帯に存在する自由電子ガスの励起による赤外線が放出される。ゼオライトを搭載する金属容器は、内部が100℃ないし200℃に加熱されるので、容器表面を、ウォーターパネルWPによって100℃近くに保温する事で、発生用の熱エネルギーの消耗が防がれる。すなわち、廃熱が、エネルギー発生に再生利用される。
発電装置の構成は、加圧用のコンプレッサー、蓄圧用のタンク、発電用の蒸気タービンなどである。これらの機材を、独立建て屋もしくは容器に収容し、周囲を金属壁で囲む。発電装置は、300℃程度の高温で作動させる。作業温度の上限は、高圧高温度の過熱蒸気の凝集液化温度と、潤滑油の安全使用温度で決まる。
発電機及び電動機の必要部分は、水冷して安全稼働を維持する。金属壁の外周温度を100℃程度に抑える目的で、その装置の外側に、水冷保温壁WPを設けるが、装置からの廃熱処理ではなく、エネルギー再生利用が目的の保温である。その総合する環流水容器が、WPの連結で組み立てられるWJである。
全体装置の初動時には、系全体の温度が低いので、蒸発槽には低液温の水を導入し、補助ヒーターで加温する必要がある。
本発明を図1に示す空水熱発電システムに応用すると、装置初動時には、通常の電気ヒーター加熱で蒸気を発生するが、発電系統が作動に入った時点では、逆釜とウォータージャケットから送出される約70℃の温水を入力として稼働に入るウォータージャケットシステムが形成される。したがって、蒸気発生の加熱電力は、初動時に比較して低減させることが出来た。
高速な回転力でガスを圧縮する際には、断熱的な圧縮の物理的原理でガス体の温度が上昇すると同時に、潤滑油の温度も上昇する。そのため、機器の温度を異常に高めるので、装置故障を生じやすく、適宜に空冷もしくは水冷して熱エネルギーを不可避的に外部空間へ排出しなければいけない。したがって、熱効率が低下するとともに、外部環境への温度上昇公害を生んでいる。不可避的な温度上昇を活用する工夫が求められよう。例えば、ペルチェ効果などを用い、上昇温度を利用して、局部的な冷却を行う方法などもあり得る。また、同じ圧縮容量の場合には、レシプロ式に比較してターボ方式の排出熱量は減少するので、外部環境への負荷を減少させられることは有用である。ガスの圧縮技術は、圧縮と同時に発生する温度上昇を避けるために廃熱処理問題が生じるが、この発熱は、暖房に利用することも出来る。また、圧縮したガスに注目すると、そのガスを、放出弁を介して急速に排出した際に、ガス体が瞬間的に膨張する場合に生じる断熱冷却現象が生じることは周知であり、この現象を積極的に利用した装置が、冷熱機器の原理でもある。市中で利用されている冷暖房共用の空調機は、この原理を使用するが、この場合にも、原動機をレシプロ式からターボ式に変更することで、エネルギー利用効率を高めることが可能になると思われる。
Claims (7)
- 固体ボイラーと、軸流型タービンと、多段ターボガス圧縮機と、ウォータージャケットシステムと、噴霧装置と、を備え、
前記固体ボイラーは、複数のゼオライトまたはシリカゲルを収容する炉体と、前記炉体の周囲に配置した加熱装置と、前記加熱装置の外周を包囲する第一ウォータージャケットと、を備え、
前記炉体は、収容した前記複数のゼオライトまたはシリカゲルに外部から供給された水蒸気を吸着及び脱着させる下部炉筐体と、収容した前記複数のゼオライトまたはシリカゲルに前記下部炉筐体から供給された水蒸気を吸着及び脱着させる上部炉筐体と、を備え、
前記軸流型タービンは、円錐型の内面を有するタービン気筒と、前記内面に接触して回転する断面星形タービン翼と、を備え、前記断面星形タービン翼の外周面に、前記断面星形タービン翼の軸方向に沿って配列した複数箇所の円環部を形成し、前記円環部に近接し、且つ前記断面星形タービン翼に取り付けた円盤状リングを有し、
前記多段ターボガス圧縮機は、ターボガス圧縮装置に用いるターボ回転翼と、前記ターボ回転翼の周囲に装着した補強円筒と、前記補強円筒の外周部に取付けた補助回転翼と、を備え、
前記ウォータージャケットシステムは、第二ウォータージャケットと、前記第二ウォータージャケットから回収した温水を蓄積して再利用する温水エネルギータンクと、を備え、
前記第二ウォータージャケットは、布製の二重密閉容器と、前記二重密閉容器のうち一方の密閉容器の内面に配置した金属薄板と、を備えるウォーターパネルを複合結合して構成され、
前記噴霧装置は、ミストを放出する噴霧ノズルと、前記噴霧ノズルの先端部へ取り付けた加熱装置と、前記噴霧ノズルの先端部内側へ埋め込んだ星形断面の加熱フィンと、を備えることを特徴とする空水熱発電システム。 - 前記固体ボイラーは、前記複数のゼオライトまたは前記シリカゲルの中心に配置した加熱用中空管と、前記加熱用中空管の周囲に取付け、且つ高温油を循環させる油循環用管と、
前記加熱用中空管の内部に配置した電熱発熱体と、を備え、
前記加熱用中空管の断面形状は、多角形または円形であることを特徴とする請求項1に記載した空水熱発電システム。 - 前記多段ターボガス圧縮機は、軸流で圧縮した気流を流す取付円筒と、前記取付円筒の内部に、前記ターボ回転翼と縦列多重に配列して組み合わせて配置し、且つ前記気流に対して密閉した軸受け部と、前記軸受け部の内部へ前記取付円筒の外部から潤滑油を供給する潤滑油供給装置と、を備え、
前記潤滑油供給装置は、前記気流の圧力と、前記軸受け部の内部で発生する圧力と、の不整合によるガス漏れ及び潤滑油漏れを抑制する漏出抑制機構を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した空水熱発電システム。 - 前記潤滑油供給装置は、前記気流の圧力を検出する圧力検出器を備え、
前記圧力検出器は、周囲に絶縁潤滑油を循環させた圧力検出素子と、前記圧力検出器の導入口に取り付けた帯電防止用フィルターと、を備えることを特徴とする請求項3に記載した空水熱発電システム。 - 前記ウォーターパネルは、前記二重密閉容器に取り付けた複数の給排水連絡口金を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した空水熱発電システム。
- 前記ウォーターパネルには、前記二重密閉容器に複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載した空水熱発電システム。
- 前記噴霧ノズルは、円錐状にミストを放出し、
前記噴霧装置は、格子状に組み立てた石英管で形成され、且つ前記噴霧ノズルから円錐状に放出されるミストと後段の装置との間を遮蔽する遮蔽体と、前記石英管内に配置した赤外・遠赤外線加熱装置と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載した空水熱発電システム。
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