JP6571121B2 - 適応信号処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、適応フィルタを備える適応信号処理装置に関し、特に、通信状況に応じた適切なフィルタ係数を用いる処理に関する。
通信線を用いて通信を行う有線通信装置が広く用いられている。一般に、有線通信装置は、ハイブリッド等の結合器によって通信線に接続された送信装置および受信装置を備えている。送信装置は結合器を介して通信線に信号を送信し、受信装置は通信線から結合器を介して信号を受信する。送信装置から送信された信号の一部は、結合器を介して受信装置にエコーとして回り込み、受信信号に重畳されることがある。また、エコーは、通信の相手方から送信された信号に含まれることもある。この場合、通信相手の装置で受信された信号が、通信相手の装置の結合器等を介してエコーとして通信相手の装置から送信される。エコーは、受信装置の性能に影響を及ぼす。
そこで、有線通信装置には、受信信号に含まれるエコーを抑制するエコーキャンセラが用いられる。エコーキャンセラは、送信信号に基づいてエコーのレプリカを生成し、受信信号からレプリカを減算する。以下の特許文献1には、エコーキャンセラが記載されている。
また、一般に通信線における減衰量は信号の周波数によって異なる。そのため、通信線によって伝送される信号に様々な周波数成分が含まれる場合には、有線通信装置で受信される信号の波形が劣化することがある。そこで、有線通信装置には通信線の周波数特性を補償する適応等化器が用いられる。以下の特許文献2には、適応等化器が記載されている。適応等化器は、自らが処理した信号が所定の条件を満たすように、受信信号の各周波数成分のレベルを調整する。
エコーキャンセラおよび適応等化器等の適応信号処理装置は、複数のフィルタ係数を含むフィルタ係数群(複数のフィルタ係数による組)によって特性が定まる適応フィルタを備えている。フィルタ係数群を設定するため、適応信号処理装置を搭載する有線通信装置は、通常の通信を実行する前やその合間に初期トレーニングを実行する。有線通信装置は基準信号を生成または受信し、基準信号に対して適応フィルタによる処理を施した信号が所定の条件を満たすようにフィルタ係数群を決定する。また、有線通信装置は、通常の通信と共に、適応フィルタによる処理を施した信号が所定の条件を満たすようにフィルタ係数群を修正する。
特開2000−40985号公報 特開2005−303786号公報
有線通信装置では、通信が適切に行われているときに適切なフィルタ係数群が求められ、そのフィルタ係数群に応じたフィルタ処理が実行される。したがって、通信状況が悪化した場合には適切なフィルタ係数群が求められず、フィルタ処理を引き続き実行することが困難となることがある。そこで、通信状況が悪化したときに初期シーケンスを実行し、新たにフィルタ係数群を決定し直す処理が一般に行われている。
しかし、このような初期シーケンスを頻繁に実行したのでは、適切なフィルタ係数群を得るのに長時間が要され、迅速な通信の妨げとなってしまう。
本発明は、通信状況が良好でない場合に、適切なフィルタ係数群に基づくフィルタ処理を実行することを目的とする。
本発明は、通信装置に用いられる適応信号処理装置において、フィルタ係数群に応じて特性が定まるフィルタと、前記通信装置で受信された信号に対し前記フィルタによって処理が施されたフィルタ後信号から、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求める係数演算部と、フィルタ係数群が求められる基本タイミングの時間間隔よりも長い時間間隔で、前記係数演算部によって求められたフィルタ係数群を時間的に交互に上書き記憶する第1保持部および第2保持部と、前記フィルタ後信号に基づいて、前記通信装置における受信同期が確立しているか否かを判定する同期判定部と、を備え、受信同期が確立しているときに、前記フィルタは、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、受信同期が確立しない状態となったときに、前記フィルタは、前記第1保持部および第2保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、先に記憶されたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行することを特徴とする。
望ましくは、前記適応信号処理装置は、前記フィルタ後信号を等化処理後の信号として出力する適応等化器である。
また、本発明は、通信装置に用いられる適応信号処理装置において、フィルタ係数群に応じて特性が定まるフィルタと、前記通信装置が送信する信号に対し前記フィルタによって処理が施されたフィルタ後信号、および前記通信装置で受信された信号を用いて、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求める係数演算部と、フィルタ係数群が求められる基本タイミングの時間間隔よりも長い時間間隔で、前記係数演算部によって求められたフィルタ係数群を時間的に交互に上書き記憶する第1保持部および第2保持部と、前記フィルタ後信号および前記通信装置で受信された信号に基づいて、前記通信装置における受信同期が確立しているか否かを判定する同期判定部と、を備え、受信同期が確立しているときに、前記フィルタは、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、受信同期が確立しない状態となったときに、前記フィルタは、前記第1保持部および第2保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、先に記憶されたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行することを特徴とする。
望ましくは、前記通信装置で受信された信号から前記フィルタ後信号を減算し、エコー抑制後信号を生成する減算器を備え、前記係数演算部は、前記通信装置が送信する信号および前記エコー抑制後信号を用いて、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求め、前記適応信号処理装置は、前記エコー抑制後信号を出力するエコーキャンセラである。
望ましくは、受信同期が確立しているときに、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群を順次上書き記憶する基本保持部を備え、受信同期が確立しない状態となったときは、前記第1保持部および第2保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、先に記憶されたフィルタ係数群を前記基本保持部が上書き記憶し、受信同期が再び確立するまでの間、前記フィルタは、前記基本保持部に記憶されたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、前記第1保持部および前記第2保持部は、新たなフィルタ係数群の上書き保存を中断する。
望ましくは、受信同期が確立しない状態となったときは、前記第1保持部および第2保持部のうち、先にフィルタ係数群が記憶された一方に記憶されたフィルタ係数群を、他方が上書き記憶する。
また、本発明は、通信装置に用いられる適応信号処理装置において、フィルタ係数群に応じて特性が定まるフィルタと、前記通信装置で受信された信号に対し前記フィルタによって処理が施されたフィルタ後信号から、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求める係数演算部と、フィルタ係数群が求められる基本タイミングの時間間隔よりも長い時間間隔で、前記係数演算部によって求められたフィルタ係数群を、所定の順序で上書き記憶する複数の保持部と、前記フィルタ後信号に基づいて、受信同期が確立しているか否かを判定する同期判定部と、を備え、受信同期が確立しているときに、前記フィルタは、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、受信同期が確立しない状態となったときに、前記フィルタは、前記複数の保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、最新でないフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行することを特徴とする。
また、本発明は、通信装置に用いられる適応信号処理装置において、フィルタ係数群に応じて特性が定まるフィルタと、前記通信装置が送信する信号に対し前記フィルタによって処理が施されたフィルタ後信号、および前記通信装置で受信された信号を用いて、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求める係数演算部と、フィルタ係数群が求められる基本タイミングの時間間隔よりも長い時間間隔で、前記係数演算部によって求められたフィルタ係数群を、所定の順序で上書き記憶する複数の保持部と、前記フィルタ後信号および前記通信装置で受信された信号に基づいて、受信同期が確立しているか否かを判定する同期判定部と、を備え、受信同期が確立しているときに、前記フィルタは、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、受信同期が確立しない状態となったときに、前記フィルタは、前記複数の保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、最新でないフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行することを特徴とする。
望ましくは、前記通信装置は、所定の時間に亘って受信同期が確立しないときに、トレーニング符号を含むトレーニング信号を前記フィルタに入力する初期シーケンス実行部を備え、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を、フィルタ後トレーニング信号であって、前記トレーニング信号に対する前記フィルタ処理によって得られるフィルタ後トレーニング信号を用いて求める処理を、前記係数演算部が実行する。
本発明によれば、通信状況が良好でない場合に、適切なフィルタ係数群に基づくフィルタ処理を実行することができる。
本発明の第1実施形態に係る適応等化器の構成を示す図である。 各保持部にフィルタ係数群が上書き記憶されるタイミングを概念的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係るエコーキャンセラの構成を示す図である。
(1)適応等化器
図1には、本発明の第1実施形態に係る適応等化器の構成が示されている。適応等化器は、適応等化部10およびバックアップ処理部16を備えており、有線通信装置に搭載されている。
適応等化部10は、適応フィルタ12および係数演算部14を備えている。適応フィルタ12および係数演算部14は、プログラムに従って信号処理を実行するプロセッサによって構成してもよい。また、これらをハードウエアによって個別に構成してもよい。
適応フィルタ12は、係数演算部14からフィルタ係数群を取得し、そのフィルタ係数群を用いて搭載先の有線通信装置(以下、搭載先装置という。)の受信信号に対してフィルタ処理を施し、受信信号に含まれる各周波数成分のレベルを等化する。係数演算部14は、このような等化処理が施された信号と受信信号に基づいて新たにフィルタ係数群を求め、バックアップ処理部16に記憶させる。係数演算部14は、バックアップ処理部16に一旦記憶されたフィルタ係数群を適宜読み込み適応フィルタ12に与える。適応フィルタ12によって処理が施された信号は、適応等化部10から出力される。
適応等化器の搭載先装置では、適応等化部10から出力された等化後信号が示すタイミングに応じて、等化後信号からデータが抽出される。搭載先装置は、等化後信号が示すタイミングに同期したタイミングで適応等化部10およびバックアップ処理部16を制御する制御部を有していてもよい。
バックアップ処理部16が実行する処理の概略について説明する。バックアップ処理部16は、適応等化部10の出力信号に対し同期判定を行う。同期判定は、受信信号に対する同期(受信同期)が確立した状態で等化処理が実行されているか否かを判定する処理である。ここで、受信信号に対する同期が確立した状態とは、受信信号が示すタイミングに応じたタイミングで搭載先装置が各処理を実行する状態をいう。通信状況が良好であるときは同期が確立しており、適切なフィルタ係数群が求められる可能性が高く、通信状況が劣悪である場合には同期が確立せず、適切なフィルタ係数群が求められない可能性が高い。
バックアップ処理部16は、後述のようにフィルタ係数群を適宜記憶しており、同期が確立していないと判定されたときは、過去に求められたフィルタ係数群を係数演算部14に与える。係数演算部14は、再び同期が確立するまでの間、そのフィルタ係数群を適応フィルタ12に与え、適応フィルタ12はそのフィルタ係数群を用いて、受信信号に対する等化処理を施す。
次に、バックアップ処理部16の構成について具体的に説明する。バックアップ処理部16は、基本保持部20、第1保持部22、第2保持部24、係数管理部18および同期判定部26を備えている。係数管理部18および同期判定部26は、プログラムに従って信号処理を実行するプロセッサによって構成してもよい。また、これらをハードウエアによって個別に構成してもよい。
同期判定部26は、適応等化部10の出力信号に含まれる符号に基づいて同期判定を行う。同期判定は、例えば、適応等化部10の出力信号に含まれる符号と、予め定められた符号との相関値を求めることで行われる。相関値は、例えば、2つの符号が近似している程大きい値を示すものとする。この場合、同期判定部26は、相関値が基準値を超えたときに同期が確立している旨の判定をし、相関値が基準値以下であるときは同期が確立していない旨の判定をする。同期判定部26は、判定結果を示す判定情報を係数管理部18に出力する。
判定情報が、同期が確立している旨を示すときは、係数管理部18は、次のような通常処理を実行する。係数管理部18は、係数演算部14から出力されるフィルタ係数群を順次、基本保持部20に上書き記憶する。さらに、係数管理部18は、係数演算部14からN組のフィルタ係数群が出力されるごとに、フィルタ係数群を第1保持部22および第2保持部24に交互に上書き記憶する。すなわち、係数管理部18は、先に第1保持部22にフィルタ係数群が上書き記憶されてからN組のフィルタ係数群が係数演算部14から出力されたときは、最新のN組目のフィルタ係数群を第2保持部24に上書き記憶する。そして、第2保持部24にフィルタ係数群が上書き記憶されてから、さらにN組のフィルタ係数群が係数演算部14から出力されたときは、最新のN組目のフィルタ係数群を第1保持部22に上書き記憶する。
判定情報が、同期が確立していない旨を示すときは、係数管理部18は、次のような復旧処理を実行する。係数管理部18は、第1保持部22および第2保持部24のうち、フィルタ係数群が上書き記憶された時が先である方に記憶されているフィルタ係数群を読み込み、基本保持部20に上書き記憶する。さらに、フィルタ係数群が上書き記憶された時が後である方に、そのフィルタ係数群を上書き記憶する。例えば、第1保持部22にフィルタ係数群が記憶された時が、第2保持部24にフィルタ係数群が記憶された時よりも先であるときは、係数管理部18は第1保持部22に記憶されているフィルタ係数群を読み込み、基本保持部20に上書き記憶する。係数管理部18は、さらに、第1保持部22から読み込んだフィルタ係数群を第2保持部24に上書き記憶する。
係数演算部14は、通常処理および復旧処理のいずれにおいても基本保持部20に記憶されているフィルタ係数群を読み込み、そのフィルタ係数群を適応フィルタ12に出力する。適応フィルタ12は、そのフィルタ係数群を用いて受信信号に対するフィルタ処理を実行する。
このような復旧処理によって基本保持部20に上書き記憶されたフィルタ係数群は、同期が確立しているときに求められた可能性が高く信頼性が高い。フィルタ係数群が信頼性が高いものであることによって、再び同期が確立して係数演算部14が通常処理を開始したときに、係数演算部14が求めるフィルタ係数群が適切な値に収束するまでの時間が短くなる。
また、復旧処理が実行された後、同期が確立している旨の判定がされ、通常処理が再び実行されるまで、係数演算部14は、第1保持部22および第2保持部24にフィルタ係数群を上書き記憶する処理を中断する。したがって、再び同期が確立して係数演算部14が通常処理を開始したときには、第1保持部22および第2保持部24に信頼性の高いフィルタ係数群が記憶された状態となる。
図2(a)〜(c)には、それぞれ、基本保持部20、第1保持部22および第2保持部24にフィルタ係数群が上書き記憶されるタイミングが概念的に示されている。横軸は時間を示し、横軸上に描かれたパルス状の波形はフィルタ係数群が各保持部に上書き記憶されるタイミングを概念的に示す。時間t10より前の時間において、係数演算部14は通常処理を実行している。
図2(a)に示されているように、基本保持部20には、基本タイミングTAの時間間隔で順次、係数演算部14によって求められたフィルタ係数群が上書き記憶される。
図2(b)および(c)に示されているように、時間t1には、第1保持部22にフィルタ係数群が記憶され、時間t1より時間TBが経過し4組のフィルタ係数群が求められた時間t2には、第2保持部24にフィルタ係数群が記憶される。図2(c)に示されているように、時間t2より時間TBが経過し4組のフィルタ係数群が求められた時間t3には、第1保持部22にフィルタ係数群が記憶される。以後、時間間隔TBで4組のフィルタ係数群が求められるごとに、第2保持部24、第1保持部22、第2保持部24、・・・・・というように、第1保持部22および第2保持部24に交互にフィルタ係数群が上書き記憶される。すなわち、時間t4、時間t5、時間t6、時間t7および時間t8には、それぞれ、第2保持部24、第1保持部22、第2保持部24、第1保持部22、および第2保持部24にフィルタ係数群が上書き記憶される。
図2に示されている例では、基本保持部20および第1保持部22にフィルタ係数群が上書き記憶された時間t9と、時間t9から基本タイミングTAが経過する前の時間t10に、同期が確立していない旨の判定がされている。
時間t10においては、第1保持部22および第2保持部24のうち、先にフィルタ係数群が記憶されたものは第2保持部24である。そこで、係数管理部18は、図の矢印28および矢印30に示されているように、時間t8に第2保持部24に上書き記憶され、時間t10に第2保持部24に引き続き記憶されているフィルタ係数群を、時間t11に基本保持部20および第1保持部22に上書き記憶する。
このようにして時間t11に基本保持部20および第1保持部22に上書き記憶されたフィルタ係数群は、同期が確立しているときに求められた可能性が高い。したがって、同期が確立しない状態となってから同期が確立するまでの間、適応等化部10は、信頼性の高いフィルタ係数群を用いて等化処理を実行することができる。
時間t11より後の時間において、係数管理部18は、同期が確立されるまで基本保持部20、第1保持部22、および第2保持部24に対するフィルタ係数群の上書き記憶を中断する。これによって、時間t11より後に再び同期が確立し係数演算部14が通常処理を開始したときに、第1保持部22および第2保持部24に信頼性の高いフィルタ係数群が記憶された状態となる。
(2)エコーキャンセラ
図3には、本発明の第2実施形態に係るエコーキャンセラ32の構成が示されている。この図には、エコーキャンセラ32の搭載先装置が備える送信回路42および受信処理部44が併せて示されている。搭載先装置の送信信号は、送信回路42およびエコーキャンセラ32に入力されている。送信回路42は送信信号を通信線に送信する。
エコーキャンセラ32は、レプリカ生成部34、減算器40、およびバックアップ処理部16を備えている。レプリカ生成部34は、送信信号からレプリカを生成し減算器40に出力する。ここで、レプリカとは、受信信号に含まれるエコーと同等の信号をいう。減算器40は、搭載先装置の受信信号からレプリカを減算し、受信信号に含まれるエコーを抑制したエコー抑制後信号を受信処理部44、レプリカ生成部34およびバックアップ処理部16に出力する。
レプリカ生成部34の構成について具体的に説明する。レプリカ生成部34は、適応フィルタ36および係数演算部38を備えている。適応フィルタ36および係数演算部38は、プログラムに従って信号処理を実行するプロセッサによって構成してもよい。また、これらをハードウエアによって個別に構成してもよい。
適応フィルタ36は係数演算部38からフィルタ係数群を取得し、そのフィルタ係数群を用いて送信信号に対してフィルタ処理を施してレプリカ(フィルタ後信号)を生成する。係数演算部38は、送信信号およびエコー抑制後信号に基づいて順次フィルタ係数群を求め、バックアップ処理部16に記憶させる。係数演算部38がフィルタ係数群を求めるごとに、係数演算部38とバックアップ処理部16との間で実行される処理は、上述の第1実施形態と同様である。適応フィルタ36によって処理が施された信号は、レプリカ生成部34から出力される。
受信処理部44は、エコー抑制後信号が示すタイミングに応じて、エコー抑制後信号からデータを抽出する。受信処理部44は、エコー抑制後信号が示すタイミングに同期したタイミングでエコーキャンセラ32を制御する制御部を有していてもよい。
(3)初期シーケンス
上記では、搭載先装置が同期を確立していないときは、同期を確立するまでの間、係数管理部18が復旧処理を実行する実施形態について説明した。搭載先装置は、同期を確立していない状態になってから、同期を確立できないまま所定時間が経過した場合には、初期シーケンスを実行してもよい。
適応等化器を搭載する搭載先装置は、フィルタ係数群を生成するためのトレーニング符号を含む信号を受信する。適応等化部10が備える係数演算部14は、適応フィルタ12から出力される等化後信号に含まれるトレーニング符号と、係数演算部14が予め記憶している基準符号との相違がなくなるか相違が小さくなるように、フィルタ係数群を求める。係数演算部14および係数管理部18は、このフィルタ係数群を基本保持部20に記憶する。
また、エコーキャンセラ32を搭載する搭載先装置は、トレーニング符号を含む信号を送信する。これによって、減算器40には受信信号としてエコーが入力される。係数演算部38は、予め定められた初期シーケンス用フィルタ係数群を適応フィルタ36に出力し、これによって適応フィルタ36は送信信号から暫定的なレプリカを生成する。減算器40は、エコーから暫定的なレプリカを減算して誤差を求める。係数演算部38は、誤差が減少するように初期シーケンス用フィルタ係数群を修正し、適応フィルタ36は、修正後の初期シーケンス用フィルタ係数群によって暫定的なレプリカを生成する。係数演算部38および適応フィルタ36は、このような処理を繰り返す。係数演算部38は、誤差が所定値未満になったときの初期シーケンス用フィルタ係数群を、通常の通信時のレプリカ生成用フィルタ係数群として決定し、基本保持部20に記憶する。
このように、搭載先装置は、フィルタ係数群を生成するためのトレーニング符号を含む信号(トレーニング信号)を適応フィルタ(12,36)に入力する初期シーケンス実行部を備える。初期シーケンスにおいて係数演算部(14,38)は、トレーニング信号に対するフィルタ処理によって得られるフィルタ後トレーニング信号に基づいてフィルタ係数群を求める処理を実行する。
(4)その他の実施形態
上記では、バックアップ処理部16が、第1保持部22および第2保持部24を備え、係数管理部18は、係数演算部(14,38)からN組のフィルタ係数群が出力されるごとに、フィルタ係数群を第1保持部22および第2保持部24に交互に上書き記憶するという実施形態について説明した。この実施形態における復旧処理では、第1保持部22および第2保持部24のうち、フィルタ係数群が上書き記憶された時が先である方に記憶されているフィルタ係数群が、適応処理において用いられる。また、第1保持部22および第2保持部24のうち、フィルタ係数群が上書き記憶された時が後である方に記憶されているフィルタ係数群が、他方に上書き記憶される。
バックアップ処理部16は、基本保持部20に加えて3つ以上の保持部を備えてもよい。この場合、係数管理部18は、係数演算部(14,38)からN組のフィルタ係数群が出力されるごとに、複数の保持部について予め定められた順序でフィルタ係数群を上書き記憶する。この実施形態における復旧処理では、複数の保持部のうち、フィルタ係数群が上書き記憶された時が最後でないものに記憶されているフィルタ係数群が、適応フィルタ(12,36)において用いられる。復旧処理では、複数の保持部のうち、フィルタ係数群が上書き記憶された時が最も先である保持部に記憶されているフィルタ係数群が、適応フィルタ(12,36)において用いられてもよい。また、適応フィルタ(12,36)に用いられたフィルタ係数群は、採用対象とならなかったその他の保持部に上書き記憶されてもよい。
10 適応等化部、12,36 適応フィルタ、14,38 係数演算部、16 バックアップ処理部、18 係数管理部、20 基本保持部、22 第1保持部、24 第2保持部、26 同期判定部、32 エコーキャンセラ、34 レプリカ生成部、40 減算器、42 送信回路、44 受信処理部。

Claims (9)

  1. 通信装置に用いられる適応信号処理装置において、
    フィルタ係数群に応じて特性が定まるフィルタと、
    前記通信装置で受信された信号に対し前記フィルタによって処理が施されたフィルタ後信号から、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求める係数演算部と、
    フィルタ係数群が求められる基本タイミングの時間間隔よりも長い時間間隔で、前記係数演算部によって求められたフィルタ係数群を時間的に交互に上書き記憶する第1保持部および第2保持部と、
    前記フィルタ後信号に基づいて、前記通信装置における受信同期が確立しているか否かを判定する同期判定部と、を備え、
    受信同期が確立しているときに、前記フィルタは、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、
    受信同期が確立しない状態となったときに、前記フィルタは、前記第1保持部および第2保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、先に記憶されたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行することを特徴とする適応信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の適応信号処理装置において、
    前記フィルタ後信号を等化処理後の信号として出力する適応等化器であることを特徴とする適応信号処理装置。
  3. 通信装置に用いられる適応信号処理装置において、
    フィルタ係数群に応じて特性が定まるフィルタと、
    前記通信装置が送信する信号に対し前記フィルタによって処理が施されたフィルタ後信号、および前記通信装置で受信された信号を用いて、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求める係数演算部と、
    フィルタ係数群が求められる基本タイミングの時間間隔よりも長い時間間隔で、前記係数演算部によって求められたフィルタ係数群を時間的に交互に上書き記憶する第1保持部および第2保持部と、
    前記フィルタ後信号および前記通信装置で受信された信号に基づいて、前記通信装置における受信同期が確立しているか否かを判定する同期判定部と、を備え、
    受信同期が確立しているときに、前記フィルタは、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、
    受信同期が確立しない状態となったときに、前記フィルタは、前記第1保持部および第2保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、先に記憶されたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行することを特徴とする適応信号処理装置。
  4. 請求項3に記載の適応信号処理装置において、
    前記通信装置で受信された信号から前記フィルタ後信号を減算し、エコー抑制後信号を生成する減算器を備え、
    前記係数演算部は、
    前記通信装置が送信する信号および前記エコー抑制後信号を用いて、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求め、
    前記適応信号処理装置は、前記エコー抑制後信号を出力するエコーキャンセラであることを特徴とする適応信号処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の適応信号処理装置において、
    受信同期が確立しているときに、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群を順次上書き記憶する基本保持部を備え、
    受信同期が確立しない状態となったときは、前記第1保持部および第2保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、先に記憶されたフィルタ係数群を前記基本保持部が上書き記憶し、受信同期が再び確立するまでの間、前記フィルタは、前記基本保持部に記憶されたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、前記第1保持部および前記第2保持部は、新たなフィルタ係数群の上書き保存を中断することを特徴とする適応信号処理装置。
  6. 請求項5に記載の適応信号処理装置において、
    受信同期が確立しない状態となったときは、前記第1保持部および第2保持部のうち、先にフィルタ係数群が記憶された一方に記憶されたフィルタ係数群を、他方が上書き記憶することを特徴とする適応信号処理装置。
  7. 通信装置に用いられる適応信号処理装置において、
    フィルタ係数群に応じて特性が定まるフィルタと、
    前記通信装置で受信された信号に対し前記フィルタによって処理が施されたフィルタ後信号から、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求める係数演算部と、
    フィルタ係数群が求められる基本タイミングの時間間隔よりも長い時間間隔で、前記係数演算部によって求められたフィルタ係数群を、所定の順序で上書き記憶する複数の保持部と、
    前記フィルタ後信号に基づいて、受信同期が確立しているか否かを判定する同期判定部と、を備え、
    受信同期が確立しているときに、前記フィルタは、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、
    受信同期が確立しない状態となったときに、前記フィルタは、前記複数の保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、最新でないフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行することを特徴とする適応信号処理装置。
  8. 通信装置に用いられる適応信号処理装置において、
    フィルタ係数群に応じて特性が定まるフィルタと、
    前記通信装置が送信する信号に対し前記フィルタによって処理が施されたフィルタ後信号、および前記通信装置で受信された信号を用いて、前記フィルタに与えるフィルタ係数群を順次求める係数演算部と、
    フィルタ係数群が求められる基本タイミングの時間間隔よりも長い時間間隔で、前記係数演算部によって求められたフィルタ係数群を、所定の順序で上書き記憶する複数の保持部と、
    前記フィルタ後信号および前記通信装置で受信された信号に基づいて、受信同期が確立しているか否かを判定する同期判定部と、を備え、
    受信同期が確立しているときに、前記フィルタは、前記基本タイミングで求められたフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行し、
    受信同期が確立しない状態となったときに、前記フィルタは、前記複数の保持部に記憶されたフィルタ係数群のうち、最新でないフィルタ係数群に応じたフィルタ処理を実行することを特徴とする適応信号処理装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の適応信号処理装置において、
    前記通信装置は、所定の時間に亘って受信同期が確立しないときに、トレーニング符号を含むトレーニング信号を前記フィルタに入力する初期シーケンス実行部を備え、
    前記フィルタに与えるフィルタ係数群を、フィルタ後トレーニング信号であって、前記トレーニング信号に対する前記フィルタ処理によって得られるフィルタ後トレーニング信号を用いて求める処理を、前記係数演算部が実行することを特徴とする適応信号処理装置。
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