JP6570256B2 - 光電式煙感知器および光電式煙感知器の感度試験方法 - Google Patents
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ところで、光電式煙感知器は、各部品の特性等により感度のばらつきが出るおそれがあるため、出荷前に感度試験を行い、所定の煙濃度で正確に発報動作するように感度調整を行なっている。従来の感度試験および調整は、実際に煙を発生することが可能な試験装置を用いて行なうのが一般的であった。
そこで、これに代わるものとして、煙感知器の動作煙濃度と等しい光散乱特性を有する散乱板(感度調整板)を感知器の検煙室内に配置して、煙発生状態を疑似的に生じさせることで感度試験を行えるようにした発明が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
本体ベースと該本体ベースの上側全体を覆う本体ケースとからなる筐体の内部に、発光素子と受光素子とが互いの光軸が一致しないように向きが設定された状態で内部に配設される暗箱と、前記発光素子および受光素子が実装された回路基板と、が収納されてなる光電式煙感知器において、
前記暗箱内の前記発光素子と受光素子との間に設けられた煙検知空間に対応して、前記暗箱と前記回路基板と前記本体ベースには、それぞれ所定の位置に、予め所定方向への反射率が所定の値に設定された光散乱部を備えた感度検出板の前記光散乱部を挿入するためのスリット状の開口が互いに中心が合致するように形成されていることを特徴とする。
前記本体ベースに形成された前記開口は、前記回路基板と前記暗箱にそれぞれ形成された前記開口よりも幅が広いことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、感度検出板に光散乱部と該光散乱部よりも厚い把手部とを設け、光散乱部と把手部との境界に段差を形成しておくことで、感度検出板を本体ベースの開口へ挿入した際に、挿入方向の位置決めを自動的に行わせることができる。しかも、把手部の高さを本体ベースの底壁の厚さよりも大きな値となるように設定しておけば、把手部の一部が本体ベースの底壁表面より突出することとなるので、検査後における感度検出板の取り外しが容易に行える。
前記本体ベースの外表面には、当該本体ベースに形成された前記開口を覆うように遮光性のシールが貼付されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、感度調整終了後に、感度検出板を挿入するための開口を遮光性シールで被覆することができ、それによって通常の使用状態で、試験のために設けた開口から暗箱内部に光が入り込んで感知器の感度が低下するのを防止することができる。
前記本体ベースに形成された前記開口より、予め所定方向への反射率が所定の値に設定された光散乱部を備えた感度検出板の前記光散乱部を、前記回路基板と前記暗箱の前記開口を貫通するように挿入して、前記煙検知空間に位置させた状態で、光電式煙感知器を試験装置にセットして前記発光素子を発光させ、そのときの出力を測定することで感度を判定することを特徴とする。
また、感知器10は、前記本体ベース11上に固定される回路基板13と、該回路基板13に搭載される高さの低い有底円筒状の暗箱基台14と、該暗箱基台14と係合し暗箱を形成する有底円筒状の暗箱ケース15と、該暗箱ケース15の外側に配置される円筒状の防虫網16とを備え、これらの構成部材が、上記筐体内に収納され本体ベース11と本体ケース12とが結合されることで感知器が構成される。防虫網16は、小さな網目を有する円筒状に形成されている。
一方、本体ケース12の周壁部には、本体ベース11に設けられた上記係止爪11Cに対応する位置に、該係止爪11Cと係合可能な係合凹部12Cが設けられている。
また、この回路基板13上には、LED(発光ダイオード)からなる煙感知用の発光素子17(図2参照)とフォトダイオードのような受光素子18(図2参照)とが互いの光軸が一致しないように向きが設定された状態で配置され、発光素子17と受光素子18のそれぞれのリード端子が回路基板13に半田等により溶着されることで実装されている。
暗箱基台14の底部には、上記回路基板13に実装されている発光素子17と受光素子18の窓部を有する本体部分がそれぞれ挿通される挿通孔14B,14Cが形成されている。
そして、防虫網16がラビリンス構造体15Bの周囲を覆うように配置され、暗箱内に虫や埃が入り込むのを防止できるようになっている。
しかも、感度検出板20は光散乱部20Aと該光散乱部20Aよりも断面形状の大きな把手部20Bとからなり、本体ベース11の開口11Eが回路基板13と暗箱基台14の開口13E,14Eの幅よりも広く形成されているため、図3(A)に示すように、本体ベース11の開口11Eの内側に段差が生じることとなる。
しかもこのとき、粘着テープとして遮光性シートに粘着剤を塗布したものを使用すれば、感度検出板20が本体ベース11の開口11Eとの隙間から、暗箱内部に光が入り込むのを防止することができ、精度の高い感度試験を行うことができる。
また、感度試験および感度調整が終了した煙感知器においても、本体ベース11の開口11Eを遮光性粘着テープからなる銘板シール等を貼付することで、通常の使用状態で、試験のために設けた開口11Eから暗箱内部に光が入り込んで感知器の感度が低下するのを防止することができる。
11 本体ベース
11E 開口
12 本体ケース
12D 煙流入口
13 回路基板
13E 開口
14 暗箱基台
14E 開口
15 暗箱ケース
17 発光素子
18 受光素子
20 感度検出板
20A 光散乱部
20B 把手部
30 試験装置
32 取付基台
Claims (4)
- 本体ベースと該本体ベースの上側全体を覆う本体ケースとからなる筐体の内部に、発光素子と受光素子とが互いの光軸が一致しないように向きが設定された状態で内部に配設される暗箱と、前記発光素子および受光素子が実装された回路基板と、が収納されてなる光電式煙感知器において、
前記暗箱内の前記発光素子と受光素子との間に設けられた煙検知空間に対応して、前記暗箱と前記回路基板と前記本体ベースには、それぞれ所定の位置に、予め所定方向への反射率が所定の値に設定された光散乱部を備えた感度検出板の前記光散乱部を挿入するためのスリット状の開口が形成されていることを特徴とする光電式煙感知器。 - 前記本体ベースに形成された前記開口は、前記回路基板と前記暗箱にそれぞれ形成された前記開口よりも幅が広いことを特徴とする請求項1に記載の光電式煙感知器。
- 前記本体ベースの外表面には、当該本体ベースに形成された前記開口を覆うように遮光性のシールが貼付されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光電式煙感知器。
- 本体ベースと該本体ベースの上側全体を覆う本体ケースとからなる筐体の内部に、発光素子と受光素子とが互いの光軸が一致しないように向きが設定された状態で内部に配設される暗箱と、前記発光素子および受光素子が実装された回路基板とが収納されてなり、前記暗箱内の前記発光素子と受光素子との間に設けられた煙検知空間に対応して、前記暗箱と前記回路基板と前記本体ベースには、それぞれ所定の位置にスリット状の開口が形成されている光電式煙感知器の感度を検出する感度試験方法であって、
前記本体ベースに形成された前記開口より、予め所定方向への反射率が所定の値に設定された光散乱部を備えた感度検出板の前記光散乱部を、前記回路基板と前記暗箱の前記開口を貫通するように挿入して、前記煙検知空間に位置させた状態で、光電式煙感知器を試験装置にセットして前記発光素子を発光させ、そのときの出力を測定することで感度を判定することを特徴とする光電式煙感知器の感度試験方法。
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