以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1−1.構成概要>
図1は、本発明に係る画像形成システム(装置検索システムとも称される)1を示す図である。図1に示すように、画像形成システム1は、複数の画像形成装置10(10a,10b,10c,...)と外部端末50とを備える。
画像形成装置10と外部端末50とは、ネットワーク(通信ネットワーク)108を介して互いに接続される。ネットワーク108は、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどによって構成される。また、ネットワーク108に対する接続態様は、有線接続であってもよく、或いは無線接続であってもよい。たとえば、画像形成装置10はネットワーク108に対して有線接続され、外部端末50はネットワーク108に対して無線接続される。
画像形成装置10は、他の画像形成装置10の中から、ユーザの所望の機能を有する画像形成装置10を検索する機能(「装置検索機能」とも称される)を有している。
また、外部端末50には、画像形成装置10のタッチパネル25(図1参照)に表示される操作画面(詳細には当該操作画面と同じ画面)を用いて当該画像形成装置10を遠隔操作するためのアプリケーションがインストールされている。外部端末50は、当該アプリケーションを用いて画像形成装置10(詳細には画像形成装置10のタッチパネル25)を遠隔操作することが可能である。
外部端末50を用いた画像形成装置10の遠隔操作においては、画像形成装置10(遠隔操作対象装置)のタッチパネル25に表示される操作画面の画面データ(ビットマップ画像データ等)が外部端末50に送信される。外部端末50は、画像形成装置10から受信した画面データに基づき当該操作画面を遠隔操作画面(画像形成装置10を遠隔操作するための画面)として外部端末50のタッチパネル75(図1参照)に表示する。そして、外部端末50のタッチパネル75に表示された遠隔操作画面に対するユーザの操作入力が受け付けられ、当該操作入力の位置情報(操作位置情報)が外部端末50から画像形成装置10へと送信される。画像形成装置10においては、外部端末50からの当該操作位置情報に基づく処理が実行される。そして、画像形成装置10にて実行された処理に応じた新たな画面データが画像形成装置10から外部端末50へと送信され、外部端末50は、画像形成装置10からの当該新たな画面データに基づき新たな遠隔操作画面を外部端末50のタッチパネル75に表示する。このような操作画面データの送受信と当該操作画面に対する操作入力とが繰り返されることによって、外部端末50を用いた画像形成装置10の遠隔操作が行われる。
<1−2.画像形成装置の構成>
図2は、画像形成装置10の機能ブロックを示す図である。ここでは、画像形成装置10として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。図2においては、MFP10の機能ブロックが示されている。
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ送信機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、操作部6およびコントローラ(制御部)9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。なお、MFP10の中には、比較的多数の機能を有するMFP10も存在すれば、比較的少数の機能のみを有するMFP10(たとえばコピー機能およびプリント機能のみを有するMFP10)も存在する。
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像あるいはスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワーク108を介したネットワーク通信を行うことも可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先(外部端末50、他のMFP10等)との間で各種のデータを授受することが可能である。通信部4は、各種データを送信する送信部4aと各種データを受信する受信部4bとを有する。たとえば、送信部4aは、無線通信用の電波を発信している。また、当該受信部4bは、自装置とは異なる他のMFP10からの無線通信用の電波を受信するとともに、当該電波の強度を測定する。
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
操作部6は、MFP10に対する操作入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。
このMFP10においては、略板状の操作パネル部6c(図1参照)が設けられている。また、操作パネル部6cは、その正面側にタッチパネル25(図1参照)を有している。タッチパネル25は、操作入力部6aの一部としても機能するとともに、表示部6bの一部としても機能する。タッチパネル25は、液晶表示パネルに各種センサ等が埋め込まれて構成され、各種情報を表示するとともに操作者からの各種の操作入力を受け付けることが可能である。
コントローラ(制御部)9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM(登録商標))内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体を介してMFP10にインストールされてもよい。あるいは、当該プログラムは、ネットワーク108等を経由してダウンロードされてMFP10にインストールされるようにしてもよい。
具体的には、図2に示すように、コントローラ9は、当該プログラムの実行により、通信制御部11と入力制御部12と表示制御部13と取得部14と設定部16と決定部17と検索部15とを含む各種の処理部を実現する。
通信制御部11は、他の装置(外部端末50、他のMFP10等)との間の通信動作を通信部4等と協働して制御する処理部である。通信制御部11は、各種データの送信動作を制御する送信制御部と各種データの受信動作を制御する受信制御部とを有する。たとえば、通信制御部11は、複数のMFP10のうち検索エリアS内のMFP10(検索対象装置)に対して検索対象機能(ユーザによって指定された機能)の有無を問い合わせ、当該検索対象装置における検索対象機能の有無を受信する。
入力制御部12は、操作入力部6a(タッチパネル25等)に対するユーザからの操作入力の受付動作等を制御する制御部である。
表示制御部13は、表示部6b(タッチパネル25等)における表示動作を制御する処理部である。表示制御部13は、MFP10を操作するための操作画面等をタッチパネル25に表示させる。
取得部14は、自装置(ユーザによって利用されているMFP10)と他装置(他のMFP10あるいは外部端末50)との相互間距離を取得する動作等を制御する処理部である。当該取得部14は、自装置と他のMFP10との各相互間距離D1をそれぞれ取得する第1の取得部14aと、自装置と外部端末50との相互間距離D2を取得する第2の取得部14bとを有する。
第1の取得部14aは、他のMFP10から発信されてきた無線通信(たとえば無線LAN(IEEE 802.11等))用の電波を取得する。そして、第1の取得部14aは、当該無線通信用の電波の強度に基づき、自装置と当該他のMFP10との相互間の距離(装置間距離とも称される)D1(図8等参照)を取得する。
また、第2の取得部14bは、自装置(たとえばMFP10a)と外部端末50との相互間距離(装置端末間距離とも称される)D2(図10参照)を取得する。具体的には、第2の取得部14bは、自装置(MFP10a)からの無線通信(たとえば無線LAN)用の電波に基づき外部端末50にて検出された相互間距離D2を、当該外部端末50から受信して取得する。
設定部16は、装置検索における検索エリアSを設定する動作等を制御する処理部である。たとえば、MFP10aのタッチパネル25を用いてMFP10aが操作(直接操作とも称する)されている場合、MFP10aの設定部16は、MFP10a(詳細にはMFP10aの設置位置)を中心(基点)とし且つ予め定められた最小距離Mを半径とするエリアA11(図8参照)を、検索エリアSとして設定する。また、外部端末50を用いてMFP10aが遠隔操作されている場合、MFP10aの設定部16は、MFP10a(詳細にはMFP10aの設置位置)を中心(基点)とするエリアA21であって相互間距離D2を半径とするエリアA21(図10参照)を含むエリアを、検索エリアSとして設定する。
決定部17は、検索対象装置を決定する動作等を制御する処理部である。たとえば、MFP10aの決定部17は、複数のMFP10のうち、当該検索エリアS内に存在しているMFP10を、無線通信用の電波の強度に基づき特定する。そして、当該決定部17は、特定されたMFP10を検索対象装置として決定する。
検索部15は、検索エリア内のMFP10(検索対象装置)の中から、ユーザによって指定された検索対象機能を有するMFP10を検索する動作等を制御する処理部である。たとえば、MFP10aが直接操作されている場合、MFP10aの検索部15は、検索エリアSとして設定されたエリアA11内の検索対象装置(ここではMFP10b,10f(図8参照))の中から、当該検索対象機能を有するMFP10を検索する。また、外部端末50を用いてMFP10aが遠隔操作されている場合、MFP10aの検索部15は、検索エリアSとして設定されたエリアA21内の検索対象装置(ここではMFP10b,10e,10f(図10参照))の中から、当該検索対象機能を有するMFP10を検索する。
<1−3.外部端末の構成>
外部端末50は、複数のMFP10のうちを個別に遠隔操作することが可能な装置(遠隔操作装置とも称される)である。
外部端末50の構成について説明する。
外部端末(携帯端末)50は、MFP10との間でのネットワーク通信が可能な情報入出力端末装置(情報端末)である。ここでは、外部端末50として、スマートフォンを例示する。ただし、これに限定されず、外部端末50は、タブレット型端末などであってもよい。
図3は外部端末50の概略構成を示す機能ブロック図である。
外部端末50は、図3の機能ブロック図に示すように、通信部54、格納部55、操作部56およびコントローラ(制御部)59等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
通信部54は、ネットワーク108を介したネットワーク通信を行うことが可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、外部端末50は、所望の相手先(MFP10等)との間で各種のデータを授受することが可能である。通信部54は、各種データを送信する送信部54aと各種データを受信する受信部54bとを有する。当該通信部54は、遠隔操作をしているMFP10(利用対象装置)からの無線通信用の電波を受信するとともに、当該電波の強度を検出(測定)する。当該通信部54は、電波強度を検出する処理をも実行することから、検出部とも称される。
格納部55は、不揮発性の半導体メモリ等の記憶装置で構成される。格納部55には、MFP10から送信されてきた各種の画面データが一時的に格納される。
操作部56は、外部端末50に対する操作入力を受け付ける操作入力部56aと、各種情報の表示出力を行う表示部56bとを備えている。この外部端末50においては、液晶表示パネルに各種センサ等が埋め込まれて構成されたタッチパネル75(図1参照)が設けられている。このタッチパネル75は、操作入力部56aの一部としても機能するとともに、表示部56bの一部としても機能する。
図3のコントローラ(制御部)59は、外部端末50に内蔵され、外部端末50を統括的に制御する制御装置である。コントローラ59は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ59は、CPUにおいて、記憶部(半導体メモリ等)内に格納されている所定のプログラムを実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体を介して外部端末50にインストールされてもよい。あるいは、当該プログラムは、ネットワーク108等を経由してインストールされて外部端末50にインストールされるようにしてもよい。
具体的には、コントローラ59は、当該プログラム等の実行により、通信制御部61と入力制御部62と表示制御部63とを含む各種の処理部を実現する。
通信制御部61は、通信部54等と協働して、MFP10等との通信動作を制御する処理部である。
入力制御部62は、操作入力部56a(タッチパネル75等)に対する操作入力動作等を制御する制御部である。
表示制御部63は、表示部56b(タッチパネル75等)における各種情報の表示動作を制御する処理部である。
<1−4.動作>
この実施形態では、ユーザによって現在利用されているMFP10(利用対象装置)を中心とする検索エリアS内に存在するMFP10が検索対象装置として決定され、当該検索対象装置の中から、ユーザによって指定された機能(検索対象機能)を有するMFP10が検索される。
また、ユーザの操作方法によって異なるエリアが検索エリアSとして設定され、当該検索エリアS内の検索対象装置の中から、検索対象機能を有するMFP10が検索される。
たとえば、MFP10aが、当該MFP10aのタッチパネル25を用いて操作(直接操作)されている場合、当該MFP10aを中心とし且つ最小距離Mを半径とするエリアA11(図8参照)が、検索エリアSとして設定される。そして、当該検索エリアS内の検索対象装置の中から検索対象機能を有するMFP10が検索される。また、MFP10aが外部端末50を用いて遠隔操作されている場合、当該MFP10aを中心とし且つMFP10aと外部端末50との相互間距離D2を半径とするエリアA21(図10参照)が、検索エリアSとして設定される。そして、当該検索エリアS内の検索対象装置の中から、検索対象機能を有するMFP10が検索される。
以下では、利用対象装置(ここではMFP10a)が直接操作されている場合と、利用対象装置(MFP10a)が遠隔操作されている場合とに分けて説明する。
<利用対象装置が直接操作されている場合>
まず、利用対象装置(ここではMFP10a)が直接操作されている場合について説明する。ここでは、当該ユーザが、原稿をファクシミリ送信したいと考えている状況を想定する。なお、MFP10aはファクシミリ送信機能を有しておらず、当該ユーザは、MFP10aがファクシミリ送信機能を有しないことを知らずに、当該MFP10aにログインする。
図4は、メニュー画面510を示す図である。ユーザが利用対象装置(ここではMFP10a)にログインすると、当該メニュー画面510が利用対象装置(MFP10a)のタッチパネル25に表示される。図4に示すように、当該メニュー画面510には、コピー機能を利用するためのコピーボタン511、スキャン機能を利用するためのスキャンボタン512など、各種機能を利用するためのボタン511〜516が表示されている。
ユーザ(ログインユーザ)は、MFP10aがファクシミリ送信機能を有していないことを当該MFP10aへのログイン後に知り、「装置検索」ボタン514を押下して、ファクシミリ送信機能を有するMFP10を検索する。
具体的には、「装置検索」ボタン514が押下されると、装置検索画面520がMFP10aのタッチパネル25に表示される(図5参照)。装置検索画面520においては、複数の検索対象機能候補(ステープル機能、ファクシミリ送信機能、ユーザーズガイド表示機能、...)が表示されている。当該装置検索画面520において、ユーザは、複数の検索対象機能候補の中から、所望の機能(ここでは「ファクシミリ送信」機能)を検索対象機能として指定する。
ユーザによって検索対象機能が指定されると、図11の処理が開始され、利用対象装置(ここではMFP10a)は、他のMFP10に対して装置検索を行う。図11は、ユーザによって利用されているMFP10(利用対象装置)(ここではMFP10a)の動作を示すフローチャートである。
ステップS11においては、利用対象装置(ここではMFP10a)は、自装置(MFP10a)が検索対象機能(ここではファクシミリ送信機能)を有しているか否か、を判定する。利用対象装置(MFP10a)が検索対象機能を有している場合、処理はステップS20へと進み、利用対象装置(MFP10a)が検索対象機能を有していない場合、処理はステップS13へと進む。ここでは、MFP10aはファクシミリ送信機能を有しておらず、利用対象装置が検索対象機能を有していない旨がステップS11にて判定され、処理はステップS13へと進む。
ステップS13においては、利用対象装置(ここではMFP10a)は、ユーザによる操作方法を判定する。たとえば、利用対象装置(MFP10a)が外部端末50を用いて遠隔操作されている場合、処理はステップS14へと進む。一方、利用対象装置(MFP10a)が、外部端末50を用いて遠隔操作されているのではなく当該利用対象装置(MFP10a)のタッチパネル25を用いて操作(直接操作)されている場合、処理はステップS17へと進む。ここでは、ユーザはMFP10aのタッチパネル25を用いて当該MFP10aを操作しており、利用対象装置が直接操作されている旨がステップS13にて判定され、処理はステップS17へと進む。なお、利用対象装置(MFP10a)が遠隔操作されている場合の処理については、後述する。
ステップS17においては、利用対象装置(ここではMFP10a)の設定部16は、設定距離に基づき検索エリアSを設定する(ステップS17)。具体的には、MFP10aの設定部16は、予め定められた最小距離M(たとえば3メートル)を設定距離として用い、MFP10aを中心とし且つ当該最小距離Mを半径とするエリア(円領域)A11(図8参照)を、検索エリアSとして設定する。換言すれば、利用対象装置が直接操作されている場合、最狭検索エリア(最小距離Mを半径とするエリアA11)が、検索エリアSとして設定される。
そして、利用対象装置(ここではMFP10a)の検索部15は、設定された検索エリアS内のMFP10(検索対象装置)の中から、ユーザによって指定された検索対象機能(ここではファクシミリ送信機能)を有するMFP10を検索する(ステップS18)。
ここにおいて、利用対象装置(MFP10a)の第1の取得部14aは、他のMFP10から常時発信されてくる無線通信用の電波を受信し、電波強度を取得する。また、利用対象装置(MFP10a)の第1の取得部14aは、当該電波強度に基づき、自装置(MFP10a)と他のMFP10(一定程度以上の強度の電波が受信されたMFP10)との相互間距離D1(ここではD1b〜D1g(図16参照))を検出して取得する。なお、MFP10からの距離と電波強度との関係が予め求められて各MFP10内のデータテーブル等に登録され、検出された電波強度に対応する距離が、相互間距離D1として検出されればよい。
ステップS18においては、利用対象装置(MFP10a)の決定部17は、複数のMFP10のうち検索エリアS内に存在しているMFP10を、当該電波強度に基づき特定する。より詳細には、MFP10aの決定部17は、複数のMFP10のうち、設定距離(ここでは最小距離M)に対応する電波強度よりも大きい強度の電波が取得されたMFP10を特定する。換言すれば、複数のMFP10のうち、MFP10aとの相互間距離D1が設定距離(ここでは最小距離M)よりも小さいMFP10(ここでは、MFP10b,10f(図8参照))が特定される。そして、当該決定部17は、特定されたMFP10(ここではMFP10b,10f)を、装置検索における検索対象装置として決定する。検索対象装置が決定されると、MFP10aの検索部15は、当該検索対象装置(ここではMFP10b,10f)に対して検索対象機能(ここではファクシミリ送信機能)の有無を問い合わせて、検索対象機能を有するMFP10を検索する。
ステップS19においては、利用対象装置(ここではMFP10a)の検索部15は、検索対象機能(ここではファクシミリ送信機能)を有するMFP10が検索エリアS内に存在するか否か、を判定する。検索対象機能を有するMFP10が検索エリアS内に存在する旨がステップS19にて判定されると、処理はステップS20へと進み、検索対象機能を有するMFP10が検索エリアS内に存在しない旨がステップS19にて判定されると、処理はステップS21へと進む。
具体的には、MFP10aの検索部15は、検索対象機能(ここではファクシミリ送信機能)の有無の問い合わせ結果を検索対象装置(ここではMFP10b,10f)から取得(受信)し、検索対象機能を有するMFP10が検索エリアS内に存在するか否かを判定する。ここでは、MFP10b,10fの双方ともファクシミリ送信機能を有しておらず、検索対象機能を有するMFP10が検索エリアS内に存在しない旨がステップS19にて判定され、処理はステップS21へと進む。
ステップS21においては、検索エリアSの拡大が可能であるか否か、が判定される。具体的には、ネットワーク108内の全てのMFP10に対して検索対象機能の有無が問い合わされた否か(当該全てのMFP10に対して装置検索が実行されたか否か)、が判定される。
たとえば、ネットワーク108内の全てのMFP10に対する装置検索が終了し、検索エリアSの拡大(後述のステップS23)ができない旨がステップS21にて判定されると、処理はステップS22へと進む。そして、検索対象機能を有するMFP10が存在しない旨が表示される(ステップS22)。図7は、検索結果画面540を示す図である。図7に示すように、当該検索結果画面540においては、装置検索が行われた結果、検索対象機能(たとえばファクシミリ送信機能)を有するMFP10が見つからなかった旨が、MFP10のタッチパネル25に表示される。
一方、全てのMFP10に対する装置検索が未だ終了しておらず、検索エリアSの拡大が可能である旨がステップS21にて判定されると、処理はステップS23へと進み、検索エリアSが拡大される。
具体的には、利用対象装置(ここではMFP10a)の設定部16は、新たな設定距離を算出し、当該新たな設定距離を用いて新たな検索エリアSを設定する。たとえば、設定距離の初期値と、現在の検索回数に値「1」を足した値との積(=「設定距離の初期値×(検索回数+1)」)が、当該新たな設定距離として算出される。ここでは、設定距離の初期値(最小距離M(たとえば3メートル))に、現在の検索回数(1回)に値「1」を足した値(すなわち値「2」)を乗じた距離(6メートル(=3メートル×2))が、新たな設定距離として算出される。そして、当該新たな設定距離を用いて新たな検索エリアSが設定される。詳細には、利用対象装置(MFP10a)を中心とし且つ当該新たな設定距離(ここでは6メートル)を半径とするエリアA12(図9参照)が、新たな検索エリアSとして設定される。
その後、当該新たな検索エリアS(ここではエリアA12)内のMFP10(新たな検索対象装置)の中から、検索対象機能を有するMFP10が再び検索され(ステップS18)、検索対象機能を有するMFP10が当該検索エリアS内に存在するか否か、が判定される(ステップS19)。たとえば、図9に示すように、MFP10b,10fに加えて、MFP10eもが検索対象装置として決定され、これらのMFP10b,10e,10fの中から、検索対象機能(ここではファクシミリ送信機能)を有するMFP10が検索される。ここでは、MFP10eはファクシミリ送信機能を有しており、検索対象機能を有するMFP10が検索エリアS内に存在する旨がステップS19にて判定され、処理はステップS20へと進む。
ステップS20においては、検索対象機能を有するMFP10等の情報が表示される。図6は、検索結果画面530を示す図である。ここでは、当該検索結果画面530が、MFP10のタッチパネル25に表示される。図6に示すように、検索結果画面530においては、検索対象装置(ここではMFP10b,10e,10f)が列挙され、利用対象装置(ここではMFP10a)と各検索対象装置との距離(各相互間距離D1)が表示されるとともに、検索対象機能の有無がそれぞれ表示される。なお、検索結果画面530において、各検索対象装置は、利用対象装置(MFP10a)との距離の昇順(距離の近い順)(ここではMFP10f,10b,10eの順)に列挙される。
たとえば、MFP10fについては、MFP10aとMFP10fとの相互間距離D1fが1メートル未満である旨が表示されるとともに、MFP10fが検索対象機能(ここではファクシミリ送信機能)を有していない旨が表示される。また、MFP10bについては、MFP10aとMFP10bとの相互間距離D1bが1メートル以上3メートル未満である旨が表示されるとともに、MFP10bが検索対象機能(ファクシミリ送信機能)を有していない旨が表示される。さらに、MFP10eについては、MFP10aとMFP10eとの相互間距離D1eが3メートル以上5メートル未満である旨が表示されるとともに、MFP10eが検索対象機能(ファクシミリ送信機能)を有する旨が表示される。
そして、ユーザは、現在の利用対象装置(ここではMFP10a)の近傍であり且つ所望の機能(ファクシミリ送信機能)を有するMFP10eの位置へと移動し、新たな利用対象装置(MFP10e)にて原稿のファクシミリ送信を行う。
<利用対象装置が遠隔操作されている場合>
つぎに、利用対象装置(ここではMFP10a)が外部端末50を用いて遠隔操作されている場合について説明する。ここでは、外部端末50を用いてMFP10aを遠隔操作しているユーザが、MFP10a内の文書データをMFP10aにて印刷して、印刷出力物をファクシミリ送信したいと考えている状況を想定する。なお、上述のようにMFP10aはファクシミリ送信機能を有しておらず、ユーザは、自身の外部端末50を用いてMFP10aにログインした後に、当該MFP10aがファクシミリ送信機能を有しないことを知得する。
具体的には、ユーザが外部端末50を用いて利用対象装置(ここではMFP10a)にログインすると、メニュー画面510(図4参照)が外部端末50のタッチパネル75に表示される。そして、ユーザ(ログインユーザ)は、MFP10aがファクシミリ送信機能を有していないことを知り、「装置検索」ボタン514を押下して、ファクシミリ送信機能を有するMFP10を検索する。
その後、装置検索画面520(図5参照)にて「ファクシミリ送信」機能が検索対象機能としてユーザによって指定されると、図11の処理が開始される。なお、利用対象装置が遠隔操作されている場合におけるステップS11,S13,S18〜S23の処理内容は、利用対象装置が直接操作されている場合におけるステップS11,S13,S18〜S23の処理内容と同様である。ただし、利用対象装置が遠隔操作されている場合におけるステップS20,S22にて表示される検索結果画面530,540(図6,7参照)は、利用対象装置を遠隔操作している外部端末50のタッチパネル75に表示される。
具体的には、ステップS11を経て、外部端末50を用いて利用対象装置(ここではMFP10a)が遠隔操作されている旨がステップS13にて判定されると、処理はステップS14へと進む。
ステップS14においては、利用対象装置(MFP10a)の第2の取得部14bは、自装置(MFP10a)と外部端末50との相互間距離(装置端末間距離とも称される)D2(図10参照)を取得する。
具体的には、利用対象装置(MFP10a)は、相互間距離D2の送信要求を外部端末50に送信する。また、外部端末50は、利用対象装置(MFP10a)から発信されてきた無線通信(ここでは無線LAN)用の電波を受信するとともに、当該電波の強度を検出(測定)する。
たとえば、外部端末50と、無線通信用電波の送信元装置(ここではMFP10a)との距離が比較的小さい場合、外部端末50によって検出(測定)される電波の強度(MFP10aから発信されてきた電波の強度)は、比較的大きい。逆に、外部端末50と当該送信元装置(MFP10a)との距離が比較的大きい場合、外部端末50によって検出(測定)される電波の強度(MFP10aからの電波の強度)は、比較的小さい。
このような性質を利用して、外部端末50は、MFP10(MFP10a)からの電波の強度に基づき、当該MFP10との距離を検出(測定)する。なお、MFP10からの距離と電波強度との関係が予め求められて外部端末50内のデータテーブル等に登録され、検出された電波強度に対応する距離が、相互間距離D2として検出されればよい。
このようにして、外部端末50は、外部端末50と利用対象装置(MFP10a)との相互間距離D2(図10参照)を検出(測定)する。
そして、当該外部端末50は、当該相互間距離D2の送信要求を利用対象装置(ここではMFP10a)から受信すると、当該相互間距離D2をMFP10aに送信し、MFP10aは、外部端末50にて検出された相互間距離D2を外部端末50から受信して取得する(ステップS14)。
相互間距離D2が取得されると、利用対象装置(ここではMFP10a)の設定部16は、相互間距離D2(利用対象装置(MFP10a)と外部端末50との相互間の距離)と最小距離Mとを比較する(ステップS15)。
たとえば、相互間距離D2(たとえば5メートル)が最小距離M(たとえば3メートル)よりも大きい旨がステップS15にて判定されると、処理はステップS16へと進む。
ステップS16においては、利用対象装置(ここではMFP10a)の設定部16は、設定距離に基づき検索エリアSを設定する。具体的には、MFP10aの設定部16は、相互間距離D2を設定距離として用い、自装置(MFP10a)を中心とし且つ当該相互間距離D2を半径とするエリア(円領域)A21(図10参照)を、検索エリアSとして設定する。
そして、当該検索エリアS(ここではエリアA21)内に存在しているMFP10(ここではMFP10b,10e,10f)が検索対象装置として決定され、当該検索対象装置の中から、検索対象機能(ここではファクシミリ送信機能)を有するMFP10が検索される(ステップS18)。具体的には、MFP10aの決定部17は、複数のMFP10のうち、設定距離(ここでは相互間距離D2)に対応する電波強度よりも大きい強度の電波が取得されたMFP10を特定する。換言すれば、複数のMFP10のうち、MFP10aとの相互間距離D1が相互間距離D2よりも小さいMFP10(ここでは、MFP10b,10e,10f(図10参照))が検索対象装置として決定される。そして、当該検索対象装置(MFP10b,10e,10f)の中から、検索対象機能を有するMFP10が検索される(ステップS18)。その後、検索対象機能を有するMFP10が検索エリアS内に存在するか否かがステップS19にて判定される。ここでは、MFP10eはファクシミリ送信機能を有しており、検索対象機能を有するMFP10が検索エリアS内に存在する旨がステップS19にて判定され、処理はステップS20へと進む。そして、図6の検索結果画面530が外部端末50のタッチパネル75に表示される(ステップS20)。
その後、ユーザは、まず、現在の利用対象装置(ここではMFP10a)に格納されている文書データを、外部端末50を用いて当該MFP10aにて印刷するとともに、当該MFP10aの位置へと移動してMFP10aの排紙トレイから印刷出力物を取得する。そして、ユーザは、当該MFP10aの近傍であり且つ所望の機能(ファクシミリ送信機能)を有するMFP10eの位置へと移動して次の利用対象装置(MFP10e)にて当該印刷出力物のファクシミリ送信を行う。
一方、相互間距離D2(たとえば1メートル)が最小距離M(たとえば3メートル)よりも小さい旨がステップS15にて判定されると、処理はステップS17へと進む。
ここにおいて、利用対象装置(MFP10a)と外部端末50との相互間距離D2が比較的小さい場合(たとえばMFP10aから1メートル離れた位置に外部端末50が存在する場合)、比較的小さいエリアが検索エリアSとして設定されることに起因して、当該検索エリアS内にMFP10が存在しない旨が判定されてしまうことがある。
そのため、この画像形成システム1では、外部端末50を用いて利用対象装置(MFP10a)が遠隔操作されている場合であっても、当該MFP10aと外部端末50との相互間距離D2が、予め定められた最小距離Mよりも小さいときには、当該最小距離Mが設定距離として採用される。そして、上述したように、MFP10aを中心とし且つ当該最小距離Mを半径とするエリアA11(図8参照)が、検索エリアSとして設定される(ステップS17)。換言すれば、外部端末50を用いて利用対象装置が遠隔操作されている場合であっても、当該利用対象装置と外部端末50との相互間距離D2を半径とするエリアA21が、利用対象装置の直接操作時に用いられるエリアA11(最狭検索エリア)よりも小さいときには、当該エリアA11が検索エリアSとして設定される。
以上のように、上記実施形態に係る動作においては、外部端末50によって遠隔操作されているMFP10(たとえばMFP10a)を中心とするエリアA21であって当該外部端末50と当該MFP10aとの相互間距離D2を半径とするエリアA21を含む検索エリアS内の検索対象装置の中から、検索対象機能を有するMFP10が検索される。そのため、当該MFP10aの比較的近傍に存在するMFP10の中から、ユーザの所望の機能を有するMFP10が検索される。したがって、所望の機能を有するMFP10を検索する際に、ユーザによって現在利用されているMFP10の比較的近傍に存在するMFP10の検索漏れを抑制することが可能である。
ところで、現在の利用対象装置の位置から次の利用対象装置の位置へとユーザが移動する場合、ユーザの移動距離は短い方が好ましい。たとえば、ユーザが、MFP10aにて印刷し、当該MFP10aから、ファクシミリ送信機能を有するMFP10eへと移動する場合、ユーザが当該MFP10aからMFP10eへと移動する距離は、短い方が好ましい。
この点に関して、上記実施形態では、現在の利用対象装置(MFP10a)の比較的近傍(たとえばエリアA11(図8参照)内あるいはエリアA21(図10参照)内)に存在するMFP10の中から、検索対象機能(たとえばファクシミリ送信機能)を有するMFP10が検索される。したがって、現在の利用対象装置(MFP10a)の位置から、検索対象機能(ファクシミリ送信機能)を有する次の利用対象装置(MFP10e)の位置へとユーザが移動する際におけるユーザの移動距離を比較的短くすることが可能である。
また、ユーザが、現在の利用対象装置から次の利用対象装置へと遠隔操作の対象装置を切り換えて、当該次の利用対象装置を遠隔操作して検索対象機能を利用する場合、ユーザが、当該現在の利用対象装置の遠隔操作時における位置(現在の位置)から移動することなく(そのままの位置で)、当該次の利用対象装置を遠隔操作できることが好ましい。
この点に関して、上記実施形態では、たとえば「ステープル」機能が装置検索画面520(図5参照)にて検索対象機能として指定された場合、現在の利用対象装置(たとえばMFP10a)の比較的近傍(エリアA21(図10参照)内)に存在するMFP10の中から、当該ステープル機能を有するMFP10が検索される。そして、ユーザは、現在の利用対象装置(MFP10a)から、当該MFP10aの比較的近傍に存在し且つステープル機能を有する次の利用対象装置(たとえばMFP10b)へと遠隔操作対象装置を切り換えて、当該MFP10bの遠隔操作によって、ステープル機能を利用したプリントジョブを実行する。
そのため、ユーザは、現在遠隔操作しているMFP10(MFP10a)の近傍のMFP10を新たに遠隔操作することができるので、MFP10aの遠隔操作時における現在の位置から移動することなく(そのままの位置で)、当該MFP10bを遠隔操作することが可能である。また、仮に外部端末50が当該現在の位置からMFP10bを遠隔操作することができない場合であっても、ユーザは、当該現在の位置から、当該MFP10aの近傍に存在するMFP10bの方向へと若干移動するだけで(当該現在の位置から比較的遠方へと移動せずとも)、当該MFP10bを遠隔操作することが可能である。
ここにおいて、外部端末50を中心とし且つ当該相互間距離D2を半径とするエリアA31(図12における極太の点線参照)のみが、検索エリアSとして設定されることも考えられる。
しかしながら、外部端末50の周辺領域(エリアA31)のみが検索エリアSとして設定される場合、より多くのMFP10を検索対象に含めることができないことがある。
具体的には、複数のMFP10は互いに近接して配置されていることが多く、当該エリアA31のみが検索エリアSとして設定される場合、利用対象装置(たとえばMFP10a)の近傍に存在している多くのMFP10が検索対象から外れてしまう。より詳細には、当該MFP10aを中心とし且つ相互間距離D2を半径とするエリアA21(図12における点線参照)のうち、当該エリアA31との重畳部分を除くエリア内に存在しているMFP10(当該エリアA21のうち、少なくとも外部端末50側の領域とは反対側の領域内に存在しているMFP10)(たとえばMFP10e,10f)は、検索対象から外れてしまう。このように、外部端末50の周辺領域(エリアA31)のみが検索エリアSとして設定される場合、より多くのMFP10を検索対象に含めることができないことがある。
これに対して、上記実施形態においては、当該利用対象装置を中心とする当該エリアA21が検索エリアSとして設定されるので、複数のMFP10が互いに近接して配置されている場合において、より多くのMFP10を検索対象に含めることが可能である。
<1−5.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態においては、外部端末50にて検出された相互間距離D2(利用対象装置と外部端末50との相互間の距離)が、利用対象装置にて当該外部端末50から受信されて取得される態様を例示したが、これに限定されず、当該相互間距離D2が、利用対象装置にて検出されて取得されるようにしてもよい。
具体的には、外部端末50は、利用対象装置(たとえばMFP10a)から発信されてきた無線通信用の電波に基づき電波強度を検出(測定)し、検出された電波強度を示す電波強度情報をMFP10aに送信する。MFP10aは、当該電波強度情報を外部端末50から受信するとともに、当該電波強度情報に基づき、自装置(MFP10a)と外部端末50との相互間距離D2を検出して取得する(ステップS14)ようにしてもよい。
また、上記実施形態等においては、利用対象装置(たとえばMFP10a)が遠隔操作されている場合、エリアA21(MFP10aを中心とし且つ相互間距離D2を半径とするエリア)(図10参照)が検索エリアSとして設定される態様を例示したが、これに限定されない。たとえば、利用対象装置(MFP10a)が遠隔操作されている場合において、外部端末50を中心とし且つ相互間距離D2を半径とするエリアA31をも含むエリア(図13参照)が、検索エリアSとして設定されてもよい。
図13は、当該変形例に係る検索エリアSを示す概念図である。利用対象装置(ここではMFP10a)の第2の取得部14bは、外部端末50から相互間距離D2を取得する(ステップS14)とともに、エリアA31内に存在するMFP10を外部端末50から取得する。
具体的には、外部端末50は、利用対象装置(MFP10a)からの無線通信用電波に基づき当該相互間距離D2を検出するとともに、各MFP10からの無線通信用の電波の強度に基づき、外部端末50を中心とし且つ当該相互間距離D2を半径とするエリアA31内に存在するMFP10(利用対象装置を除く)を検索する。そして、外部端末50は、当該エリアA31内に存在しているMFP10の情報(たとえば装置ID)を利用対象装置(MFP10a)に送信する。ここでは、MFP10gがエリアA31内に存在し(図13も参照)、外部端末50は、MFP10gの装置ID情報をMFP10aに送信する。
MFP10aの決定部17は、エリアA21(MFP10aを中心とし且つMFP10aと外部端末50との相互間距離D2を半径とするエリア)内のMFP10に加えて、外部端末50からの当該装置ID情報に基づき、エリアA31内のMFP10(ここではMFP10g)をも、検索対象装置として決定する。すなわち、エリアA21(MFP10aを中心とし且つ当該相互間距離D2を半径とするエリア)と、エリアA31(外部端末50を中心とし且つ当該相互間距離D2を半径とするエリア)との双方(和領域)が、検索エリアSとして設定される(ステップS16)。換言すれば、エリアA21とエリアA31との和集合のエリア(図13における極太の点線参照)が、検索エリアSとして設定される。そして、当該検索エリアS(=エリアA21+エリアA31)内のMFP10(ここではMFP10b,10e,10f,10g)の中から、検索対象機能を有するMFP10が検索される(ステップS18)。
その後、検索対象機能を有するMFP10の情報が外部端末50のタッチパネル75に表示される(ステップS20)。図14は、当該変形例に係る検索結果画面550を示す図である。図14に示すように、当該検索結果画面550においては、MFP10gの欄が設けられ、当該MFP10gに関する情報が表示される。具体的には、外部端末50とMFP10gとの相互間距離が1メートル以上3メートル未満である旨が表示されるとともに、MFP10gが検索対象機能(ここではファクシミリ送信機能)を有する旨が表示される。
このように、利用対象装置(MFP10a)が遠隔操作されている場合においては、エリアA21に加えて、エリアA31をも含むエリアが、検索エリアSとして設定されてもよい。これによれば、エリアA21内のMFP10のみならずエリアA31内のMFP10もが検索対象に含まれるので、所望の機能を有するMFP10を検索する際に、ユーザによって現在利用されているMFP10(ここではMFP10a)の比較的近傍に存在するMFP10の検索漏れをさらに抑制することが可能である。換言すれば、所望の機能を有するMFP10を検索する際に、より多くのMFP10を検索対象装置に含めることが可能である。
また、上記実施形態等においては、検索エリアSの拡大処理(ステップS23)において、新たな設定距離は、設定距離の初期値(最小距離Mあるいは相互間距離D2)と、現在の検索回数に値「1」を足した値との積(=「設定距離の初期値×(検索回数+1)」)によって算出される態様を例示した。しかしながら、本願発明は、これに限定されず、当該新たな検索エリアSは、種々の算出方法によって算出されればよい。
たとえば、設定距離の2倍の値(=設定距離×2)が新たな設定距離として算出されてもよく、あるいは、設定距離に一定の距離(たとえば1メートル)を足した距離(=設定距離+1メートル)が新たな設定距離として算出されてもよい。また、相互間距離D2が最小距離Mよりも小さいとステップS15にて判定されて最小距離Mが設定距離として採用される場合には、最小距離Mと、相互間距離D2に、検索回数に値「1」を足した値を乗じた値との和(=「最小距離M+相互間距離D2×(検索回数+1)」)が新たな設定距離として算出されてもよい。
さらに、上記実施形態等においては、相互間距離D1,D2が、無線LAN用の電波の強度に基づきそれぞれ取得される態様を例示したが、これに限定されず、当該相互間距離D1,D2が、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信用の電波の強度に基づきそれぞれ取得されるようにしてもよい。
また、上記実施形態等においては、利用対象装置と他のMFP10との相互間距離D1が、無線通信用の電波の強度に基づき取得される態様を例示したが、これに限定されない。たとえば、当該相互間距離D1が、利用対象装置の内部に管理者等によって予め登録され、当該利用対象装置の内部から取得されるようにしてもよい。
また、上記実施形態等においては、検索エリアS内のMFP10(検索対象装置)における検索対象機能の有無が、当該検索対象装置に問い合わせて取得される(ステップS18)態様を例示したが、これに限定されない。たとえば、利用対象装置の内部に、他のMFP10における各種機能の有無が予め登録され、当該検索対象装置における検索対象機能の有無が、当該利用対象装置の内部から取得されてもよい。
具体的には、ネットワーク108内の全てのMFP10(ここではMFP10a〜10g)における各種機能の有無が、各MFP10内の管理テーブル(不図示)に(管理者等によって)予め登録される。そして、利用対象装置は、検索エリアS内のMFP10(検索対象装置)における検索対象機能の有無を、自装置(利用対象装置)内の当該管理テーブルから取得するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態等においては、検索エリアS内のMFP10が検索対象装置として決定される態様を例示したが、これに限定されない。たとえば、利用対象装置が次述の「ファクシミリ送信補助機能」を有する場合において、ファクシミリ送信に関する特定機能が検索対象機能として指定されたときには、検索エリアSにかかわらず、全てのMFP10が検索対象装置として決定されるようにしてもよい。
「ファクシミリ送信補助機能」は、「ファクシミリ送信自動実行機能」(次述)を有する補助対象装置を補助することによって、当該補助対象装置に転送したファクシミリ送信用データに対するファクシミリ送信処理を当該補助対象装置にて実現させる機能である。ここでは、利用対象装置(たとえばMFP10a)は、当該ファクシミリ送信補助機能を有している。また、「ファクシミリ送信自動実行機能」は、「ファクシミリ送信補助機能」を有する補助元装置と協働することによって、当該補助元装置から転送されてきたファクシミリ送信用データに対するファクシミリ送信を補助対象装置にて実行する機能である。この「ファクシミリ送信自動実行機能」の利用によれば、補助対象装置が補助元装置と協働することによって当該補助対象装置におけるファクシミリ送信が自動的に実行されるので、ユーザは、当該補助対象装置を操作することなく、ファクシミリ送信を行うことができる。
たとえば、図5の機能検索画面において、ファクシミリ送信に関する特定機能(ファクシミリ送信機能、ファクシミリ同報送信機能等)が検索対象機能として指定されると、利用対象装置(MFP10a)は、検索エリアSにかかわらず、ネットワーク108内の全てのMFP10を検索対象装置として決定する。そして、MFP10aは、当該全てのMFPの中から、当該特定機能(検索対象機能)を有するMFP10を検索するとともに、ファクシミリ送信自動実行機能を有するMFP10をも検索(抽出)する。
当該検索の結果、検索結果画面560(図15参照)においては、検索対象機能(ファクシミリ送信に関する特定機能)を有するMFP10が表示されるとともに、当該ファクシミリ送信自動実行機能を有するMFP10もが表示される。たとえば、図15に示すように、MFP10eが検索対象機能(ファクシミリ送信に関する特定機能)を有する旨が表示されるとともに、MFP10dが、当該検索対象機能に加えてファクシミリ送信自動実行機能をも有する旨が表示される。
そして、ユーザが、たとえば現在の利用対象装置(MFP10a)の比較的近傍に存在しているMFP10eを次の利用対象装置として利用する旨を判断した場合、当該ユーザは、当該MFP10eを新たに遠隔操作して当該特定機能を実行する。また、ユーザが、現在の利用対象装置(MFP10a)の近傍には存在していないもののファクシミリ送信自動実行機能を有するMFP10dを次の利用対象装置として利用する旨を判断した場合、当該ユーザは、検索結果画面560(図15参照)にて当該MFP10dを選択する。ファクシミリ送信自動実行機能を有するMFP10dがユーザによって選択されると、MFP10a(決定部17)は、当該MFP10eを補助対象装置として決定する。補助対象装置が決定されると、MFP10aは、ファクシミリ送信補助機能を用いて、ファクシミリ送信用データを補助対象装置(MFP10d)に送信(転送)する。そして、MFP10dは、補助元装置(MFP10a)から転送されてきたファクシミリ送信用データに対するファクシミリ送信処理を自動的に実行する。
このように、利用対象装置がファクシミリ送信補助機能を有する場合において、ファクシミリ送信に関する特定機能が検索対象機能として指定されたときには、検索エリアSにかかわらず、全てのMFP10が検索対象装置として決定されるようにしてもよい。