以下、本発明の一実施形態にかかる手持ち式の充電式電動工具としての充電式芝刈り機に取り付けられる延長ハンドルについて図面を参酌しつつ説明するが、まずは、その取付対象である芝刈り機について図10乃至図20を参酌しつつ説明する。この芝刈り機は、工具本体1と、該工具本体1に着脱自在に取り付けられる充電式のバッテリパック5とを備えている。バッテリパック5は、工具本体1に着脱可能であって、工具本体1から取り外し、図示しない充電器に接続して充電することができる。尚、工具本体1とバッテリパック5には、互いに接続される接続面(取り付け面)が設けられているが、工具本体1側の接続面を本体側接続面と称し、バッテリパック5側の接続面をパック側接続面と称する。尚、図中、バッテリパック5の取り付け方向を矢印Pで示し、取り外し方向を矢印Qで示しており、取り付け方向と取り外し方向を合わせて着脱方向と称する。また、便宜上、取り付け方向を前側と、取り外し方向を後側と呼ぶことがある。
<バッテリパック5>
バッテリパック5を図17〜図20に示している。図17はバッテリパック5を接続面側から見た図で、図18はバッテリパック5を取り付け方向や取り外し方向に対して直交する方向である側方から見た図で、図19は図17のB−B断面図で、図20はバッテリパック5を前側から見た図である。
バッテリパック5は、その上面が前側を向くようにして工具本体1に装着される。バッテリパック5は、工具本体1にスライドさせて着脱する構成となっており、そのスライド方向は、本体側接続面やパック側接続面に沿った方向である。尚、上述した着脱方向がスライド方向となる。バッテリパック5は、全体としてボックス型であって、詳細には着脱方向に沿って長い直方体であり、その上面がパック側接続面となっている。バッテリパック5を図17のようにパック側接続面側から見た時、バッテリパック5は着脱方向に沿って長い長方形であり、図17において、着脱方向が長辺方向となるが、それと直交する短辺方向を幅方向と称する。そして、パック側接続面の法線方向を上下方向とし、その方向の寸法を厚さとすると、バッテリパック5は、着脱方向の寸法や幅方向の寸法に対して厚さが薄い直方体となっている。
バッテリパック5の上面には、周縁部のうち前側及び左右両側の三方に平坦な平面からなるベース面50が形成されており、また、中央部にはベース面50に対して一段上方に突出した高台部51が形成されている。該高台部51の上面51aは平坦面となっている。このベース面50と高台部51の上面51aからパック側接続面が構成されている。尚、ベース面50の後側には、後方に向けて徐々に高くなっていくように傾斜した傾斜面52が形成されている。該傾斜面52は高台部51の上面51aよりも高い位置まで延びている。そして、バッテリパック5の上面の後端部には、ベース面50から後方に延びた傾斜面52を前側の斜面とする山部53が形成されており、高台部51は、この山部53の中腹から前側に向かって水平に延びている。バッテリパック5の厚さは、この山部53の山頂部53aにおいて最も厚くなっている。
高台部51の前端部には、工具本体1と電気的に接続するためのパック側端子54が設けられている。該パック側端子54は複数列存在していてバッテリパック5の幅方向に沿って間隔をあけて配されており、本実施形態ではパック側端子54が合計五列配置されているが、そのうちの中央の一列はダミー端子である。パック側端子54には工具本体1の本体側端子24が接続されるが、例えばパック側端子54が雌側とされ、本体側端子24は雄側とされていて、本体側端子24がパック側端子54に着脱方向に沿って挿入される構成とされる。従って、パック側端子54は、前側に開口した形状となっていて、高台部51の前端面に開口している。
バッテリパック5は工具本体1にスライド装着される構成であるため、工具本体1とバッテリパック5にはそれぞれ互いに係合するスライドレールが着脱方向に沿って形成されている。工具本体1のスライドレールを本体側スライドレール25と称し、バッテリパック5側のスライドレールをパック側スライドレール55と称することにする。本体側スライドレール25とパック側スライドレール55は、着脱方向に沿って延びた形状であって、着脱方向と直交する切断面で切断したとき、図16のように互いに凹凸係合する構成となっている。尚、図16では内部構造を省略している。具体的には、本体側スライドレール25とパック側スライドレール55は、互いにバッテリパック5の幅方向に凹凸係合して、着脱方向に沿って摺動する。
本体側スライドレール25とパック側スライドレール55は、それぞれ左右一対形成されている。左右一対の本体側スライドレール25と左右一対のパック側スライドレール55のうち、一方が雄側であって他方が雌側であり、本実施形態では、本体側スライドレール25が雌側であって、パック側スライドレール55が本体側スライドレール25の内側に入り込む雄側である。パック側スライドレール55は、バッテリパック5の高台部51の左右側面に形成されている。詳細には、高台部51の側面下部に着脱方向に沿って凹溝55bが形成され、高台部51の側面上部には、高台部51の側面下部に凹溝55bを形成することによって相対的に側方に突出した状態となった凸条55aが着脱方向に沿って形成されており、この上側の凸条55aと下側の凹溝55bとからパック側スライドレール55が構成されている。尚、左右一対のパック側スライドレール55は互いに対称形状となっている。パック側スライドレール55が形成されている箇所でバッテリパック5をパック側スライドレールを横断するように上下方向に切断すると、高台部50の断面形状は図16のようにT字状となる。
また、高台部51の上面51aの後部には開口部が形成され、その開口部からロック爪56が上方に突出している。該ロック爪56は、図12(b)に示している工具本体1のロック用凹部26に係脱自在に係合する。具体的には、ロック爪56が工具本体1のロック用凹部26に係合するとバッテリパック5は装着状態にロックされ、ロック爪56が工具本体1のロック用凹部26から外れると、ロック状態が解除されてバッテリパック5を工具本体1から取り外すことができる。ロック爪56は、上下に移動可能に構成されている。ロック爪56が上方に移動して高台部51の上面51aからの突出量が大きくなった状態がロック状態であって工具本体1のロック用凹部26に係合する状態であり、ロック爪56が下方に移動して高台部51の上面51aからの突出量が小さくなった状態がロック解除状態であって工具本体1のロック用凹部26から外れた状態である。図17〜図20はロック爪56がロック状態である場合を示している。尚、ロック爪56はロック状態側に付勢されていて常時はロック状態にある。即ち、ロック爪56は上側に付勢されている。また、ロック爪56の前部には傾斜面が形成されている。また、ロック爪56は、バッテリパック5の幅方向に長い形状とされている。
高台部51の後側には、ロック爪56をロック状態からロック解除状態にするためのロック解除操作部としてのロック解除ボタン57が設けられている。ロック解除ボタン57はバッテリパック5の後端部に位置しており、山部53の後側の斜面に設けられている。該ロック解除ボタン57を下方に向けて押すと、ロック爪56がロック位置からロック解除位置へと下降してロック状態が解除され、ロック解除ボタン57から手を離して押圧力を解放すると、ロック解除ボタン57は元の状態に戻り、それに伴ってロック爪56もロック位置に戻る。ロック解除ボタン57とロック爪56とを連動させるための構成は種々であってよいが、本実施形態ではロック解除ボタン57とロック爪56は一つの部材として一体的に形成されており、この部材が上側に付勢されることでロック爪56がロック位置側に付勢されている。その付勢手段は任意であるが、例えば図示しないバネによってロック解除ボタン57を上側に付勢することができる。
尚、バッテリパック5は、パック側接続面よりも下側に、パック側接続面よりも幅広の電池収容部58を備えており、その収容部に図19のように複数の電池59を内蔵している。バッテリパック5は、電池59を収容すべく中空状のパックハウジング60を備えている。該パックハウジング60は半割状の上下二つのパーツを備えていて、その二つのパーツが互いに接合されて中空状に構成されている。上述した高台部51や山部53は、パックハウジング60を構成している上側のパーツに形成されている。また、パックハウジング60とは別体の構成として可動部材61(図19参照)を備えていて、その可動部材61の一部がロック解除ボタン57やロック爪56として構成されている。
<工具本体1>
工具本体1を図10〜図16に示しているが、図10、図12(a)、図14及び図16がバッテリパック5を取り付けた状態で、図11、図12(b)及び図15がバッテリパック5を取り外した状態である。工具本体1は、刈り取り対象物である芝を剪断するための剪断刃2と、該剪断刃2を駆動するための駆動部と、中空状の本体ハウジング3と、本体ハウジング3の下側に取り付けられたスライダ4とを備えている。
<剪断刃2>
剪断刃2は、相対的に往復動可能に設けられた二枚の刃から構成されている。具体的には、固定刃と可動刃から構成され、可動刃を固定刃に対して横方向に往復運動させる構成とされたり、二枚の可動刃から構成されて各可動刃を横方向に互いに反対方向に往復運動させる構成とされたりする。尚、剪断刃2の下方には櫛刃状のガイド2aが配置されている。
<駆動部>
駆動部は、駆動モータ6と、該駆動モータ6の回転を減速させると共に回転運動を左右の往復運動に変換して剪断刃2に駆動力を伝達する駆動伝達部7とを備えている。駆動モータ6はその回転中心が上下方向となり且つその主軸6aが下方を向くようにして配置されている。駆動伝達部7は駆動モータ6の主軸6aと剪断刃2との間に位置しており、従って、駆動モータ6の下側に位置している。駆動モータ6には、駆動モータ6を作動停止させるための駆動スイッチを介してバッテリパック5から電力が供給される。駆動スイッチは、スイッチ本体8aと該スイッチ本体8aをON、OFFさせるために操作されるトリガー8bと、該トリガー8bとスイッチ本体8aとの間に位置するサブトリガー8dとを備えている。トリガー8bは、後述する本体ハウジング3の本体ハンドル部11の下面11bに設けられていてその下面11bから下方に突出していて、前側の支軸8cを中心として上下に回動する構成となっている。トリガー8bを上方に押すと駆動スイッチがON状態となって駆動モータ6に電力が供給されて駆動モータ6が作動する。より詳細には、トリガー8bを上方に押し上げると、トリガー8bによってサブトリガー8dが押し上げられてスイッチ本体8aがON状態となる。サブトリガー8dはその後端部を支点として上下に回動する構成である。トリガー8b及びサブトリガー8dは下方に付勢されており、トリガー8bを押す力が解除されるとトリガー8bは元の位置に戻り、サブトリガー8dも下方に移動して駆動スイッチはOFF状態となり、駆動モータ6は停止する。
サブトリガー8dの後側にはスライドバー30が位置している。該スライドバー30は本体ハウジング3に収容されていて前後に移動可能であり、付勢手段であるコイルバネ31によって後側に付勢されている。スライドバー30の前端部はサブトリガー8dの後部下面に当接あるいは隙間を介して離間した状態にあり、スライドバー30が前進するとスライドバー30の前端部によってサブトリガー8dが押し上げられてスイッチ本体8aがON状態となる。スライドバー30が後退して元の通常位置に戻るとサブトリガー8dも下降してスイッチ本体8aはOFF状態となる。スライドバー30の後端部はバッテリ取付部13から後方に突出しており、後述するように延長ハンドル70をバッテリ取付部13に装着する際にその装着動作に伴って延長ハンドル70のスイッチ作動部100がスライドバー30の後端部を前側に押す。スイッチ作動部100がスライドバー30を前側に押すと、スライドバー30はコイルバネ31の付勢力に抗して前側に移動してサブトリガー8dを上方に揺動させ、これによりスイッチ本体8aがON状態となる。従って、スライドバー30がサブトリガー8dを上方に押し上げると、トリガー8bが下方に位置していてもスイッチ本体8aはON状態となる。
尚、トリガー8bの不意の押圧操作を防止するためにオフロックスイッチ32が設けられている。該オフロックスイッチ32は、本体ハンドル部11に設けられており、常時は突出方向に付勢されていて本体ハンドル部11の側面から側方に向けて水平方向に突出している。そして、付勢力に抗してオフロックスイッチ32が本体ハンドル部11の内側に向けて押されると、トリガー8bのロックが解除されてトリガー8bを上方に押圧操作することができてスイッチ本体8aをON状態にすることができる。
<本体ハウジング3>
本体ハウジング3は、半割状の左右二つのパーツから構成され、この二つのパーツを接合させることにより中空状となる。本体ハウジング3は、前端部に位置するヘッド部10と、該ヘッド部10の上部から後方に延びる本体ハンドル部11と、ヘッド部10の下部から後方に向けて徐々に上方に傾斜しつつ延びる支持アーム部12と、後端部に位置するバッテリ取付部13とを備えている。
ヘッド部10には駆動部が収容されている。本体ハンドル部11は全体として前後方向に延びる筒状である。該本体ハンドル部11には、バッテリ取付部13に取り付けられるバッテリパック5と駆動モータ6とを電気的に接続するための図示しない電気ケーブルが収容されており、その電気ケーブルの途中に駆動スイッチが配設されている。従って、駆動スイッチは本体ハンドル部11に収容されている。スイッチ本体8aはその全体が本体ハンドル部11に収容されており、トリガー8bは本体ハンドル部11の下面11bからその後部が下方に突出している。本体ハウジング3の上面は、ヘッド部10の上面に最も高い頂上部10aを有して、そこから後方に向けて徐々に下降する形状となっている。従って、本体ハンドル部11の上面11aは後方に向けてなだらかに下降している。
本体ハンドル部11の後端部と支持アーム部12の後端部は互いにつながっており、従って、ヘッド部10と本体ハンドル部11と支持アーム部12は全体としてループ状に形成されている。支持アーム部12も本体ハンドル部11と同様に筒状に形成されているが、その中心線は後方に向けて徐々に上昇している。従って、支持アーム部12の下面には後方に向けて上昇する傾斜面が形成されており、該傾斜面にスライダ4が取り付けられている。即ち、支持アーム部12の下面に、スライダ4を本体ハウジング3に取り付けるためのスライダ取付部12aが形成されているが、この構成については更に後述する。
本体ハウジング3の後端部にバッテリ取付部13が形成されている。本体ハウジング3の後端部は本体ハンドル部11と支持アーム部12の連結部分であって本体ハウジング3のループ形状の折り返し部分でもある。バッテリ取付部13は、本体ハウジング3の後端部に後方に突出するように形成されている。バッテリ取付部13の上端部は本体ハンドル部11の上面11aの後端部と連続しているが、バッテリ取付部13の下端部は支持アーム部12の後端部よりも下方に突出している。
バッテリ取付部13は、その後面にバッテリパック5を取り付ける構成となっている。従って、バッテリ取付部13は、バッテリパック5の形状に対応した形状となっていて図12(b)のように後方から見て全体として縦長の直方体形状である。バッテリ取付部13はその後面が本体側接続面となっていて、従って、本体側接続面は後方を向いている。バッテリパック5を装着したとき、本体側接続面とパック側接続面とは互いに対向する関係にある。従って、バッテリパック5の装着時において、バッテリ取付部13の後面とバッテリパック5の上面が対向し、面接触するか、あるいは、若干の隙間を介して対峙する。
バッテリパック5は、上部が前側となり下部が後側となる前傾姿勢で工具本体1のバッテリ取付部13に取り付けられる。従って、バッテリ取付部13はバッテリパック5が前傾姿勢で取り付けられるように構成されており、上部が前側となり下部が後側となるように傾斜した本体側接続面を備えている。バッテリパック5は、前傾姿勢の本体側接続面に沿ってスライドしながら着脱されるが、装着時には、上側から斜め後方に向けてスライドする。尚、前傾姿勢とは、バッテリ取付部13や本体側接続面が直立姿勢となる状態から前側に傾倒した姿勢であって、直立状態からの傾斜角度は45度以下である。
バッテリ取付部13の後面は、バッテリパック5の上面の形状に対応した形状となっている。具体的には、図12〜図14のようにバッテリ取付部13の左右方向の寸法、即ち、幅は、バッテリパック5のパック側接続面の幅と略同じになっている。従って、バッテリ取付部13の幅は、バッテリパック5の電池収容部58よりも狭く、従って、バッテリパック5の全幅よりも狭い。一方、バッテリ取付部13の左右方向の寸法は、本体ハンドル部11の左右方向の寸法や支持アーム部12の左右方向の寸法に比して大きく、従って、バッテリ取付部13は、本体ハンドル部11の後端部や支持アーム部12の後端部に対して左右両側に突出した幅広形状となっている。
バッテリ取付部13の後面には、バッテリパック5の高台部51の上面51aと対向する面である取り付け基準面20が形成されている。該取り付け基準面20は前傾姿勢の傾斜平面である。取り付け基準面20の左右両側部と下端部には周壁部が突設されている。即ち、周壁部は、取り付け基準面20の上端部を除く三方に形成されていて、左右一対の横壁部21と下壁部22とから構成されて、上方に開口した全体としてコの字状に形成されている。周壁部のうち取り付け基準面20から最も後側に離れた面である周壁部の後端面23は、前傾姿勢の傾斜平面となっていて、取り付け基準面20とは平行関係にある。該周壁部の後端面23は、バッテリパック5のベース面50と対向する。この取り付け基準面20と周壁部の後端面23とから本体側接続面が構成されている。
取り付け基準面20の下端部であって下壁部22の上側の位置に本体側端子24が配設されている。バッテリパック5はバッテリ取付部13に上方から下方に向けてスライドさせて装着されるため、本体側端子24は上方に向かって延びている。本体側端子24はバッテリ取付部13の幅方向に沿って間隔をあけながら複数配置されていて、本実施形態では合計四列配置されている。
両横壁部21の内側の側面にぞれぞれ本体側スライドレール25が形成されている。詳細には、横壁部21の内側の側面において、取り付け基準面20に近い側である前部に着脱方向に沿って即ち前傾の方向に沿って凹溝25bが形成され、取り付け基準面20から遠い側である後部に凹溝25bを形成することによって相対的に内側に突出した状態となった凸条25aが着脱方向に沿って形成されており、これらの前側の凹溝25bと後側の凸条25aとから本体側スライドレール25が構成されている。尚、左右一対の本体側スライドレール25は互いに対称形状となっている。そして、図16のようにバッテリパック5の装着状態において、バッテリパック5の高台部51の左右外側に両横壁部21が位置する。換言すれば、左右一対の本体側スライドレール25の内側にパック側スライドレール55が挿入される状態となり、パック側スライドレール55は左右一対の本体側スライドレール25によって左右両側から抱きかかえられる状態となる。そして、本体側スライドレール25の凹溝25bとパック側スライドレール55の凸条55aが凹凸係合し、本体側スライドレール25の凸条25aとパック側スライドレール55の凹溝55bが凹凸係合する。
取り付け基準面20の上側にはロック用凹部26が形成されている。ロック用凹部26はロック爪56に対応した形状とされる。ロック爪56がバッテリパック5の幅方向に長い形状であるため、ロック用凹部26もそれに対応して左右方向に長い形状とされ、具体的には、左右方向に沿って延びる溝状に形成されている。尚、ロック用凹部26は、横壁部21の上端の直ぐ上側に位置している。図12(b)及び図15のようにロック用凹部26の直ぐ上側の位置にスライドバー30の後端部が突出している。スライドバー30の後端部は、左右方向中央部のやや左寄りの位置に表出している。
また、横壁部21の後端面23の上側にはバッテリパック5の山部53の傾斜面52に対応して装着時に山部53の傾斜面52と対向する導入面27が形成されている。該導入面27は、横壁部21の後端面23と連続しているがそれよりも幅狭である。また、横壁部21の後端面23が直立姿勢に対して所定角度前側に傾斜しているが、それよりも更に前側に傾倒するように傾斜している。
尚、バッテリ取付部13の上端部にはバッテリパック5の山部53の山頂部53aが位置するが、そのバッテリ取付部13の上端部の高さは本体ハンドル部11の上面11aの後端部の高さと略同じである。従って、本体ハンドル部11の上面11aから導入面27を介してバッテリ取付部13の周壁部の後端面23まで徐々に後側に向かって低くなっている。尚、本体ハンドル部11の上面11aの高さはその後端部において最も低くなっており、従って、本体ハンドル部11の上面11aのうち最も高さが低い最下部11cは本体ハンドル部11の上面11aの後端部に位置しているが、最下部11cから更に後側に向けて若干高さが上昇した後にバッテリ取付部13の導入面27が連設する構成であってもよい。但し、本体ハンドル部11の上面11aの最下部11cよりも、少なくともバッテリ取付部13の本体側接続面の上端(図11及び図15において符号23aで示す箇所)の方が低くなるようにすることが好ましい。
また、バッテリ取付部13は、支持アーム部12の後端部から下方に所定量突出しているが、図10に示すようにバッテリパック5を装着した状態において、バッテリパック5のうち最も低い部分である最下部5aは、本体側接続面である周壁部の後端面23よりも下方に所定量突出する。具体的には、装着状態におけるバッテリパック5の最下部5aは、即ち、図17に示す取付前の単体の状態におけるバッテリパック5の着脱方向の前端部であるが、そのバッテリパック5の着脱方向の前端部はベース面50から前側に所定量突出している。そして、バッテリパック5のベース面50は、装着状態においてバッテリ取付部13の周壁部の後端面23と一致する。従って、バッテリパック5を工具本体1に取り付けると、バッテリパック5の最下部5aが周壁部の後端面23から所定量下方に突出することになる。その一方、バッテリ取付部13は前傾姿勢となっていて、その下端面の前端部、あるいは、パックハウジング60のパーツ同士をネジ止めするためのボス部がバッテリパック5の着脱方向の前端部に設けられている場合にはそのボス部がバッテリ取付部13において最も低い部分である最下部13aとなるが、バッテリ取付部13の最下部13aに対してバッテリパック5の最下部5aは同じ高さであるか、あるいは、それ以上の高さとなっている。従って、バッテリパック5は、装着時においてバッテリ取付部13よりも下方には突出しない。
<スライダ4>
スライダ4は、その底面に平坦な平面である摺動面40を有していて、芝刈り時にその摺動面40が芝の上を滑る。従って、スライダ4の摺動面40は、芝刈り機を地面に載置する際の設置面であり、芝刈り作業においては芝を刈る高さを決める刈り取り基準面となり、摺動面40に対する剪断刃2の高さが芝の刈り取り高さとなる。本実施形態ではスライダ4が高さ調節可能に構成され、その構成によって芝の刈り取り高さを調節できる。スライダ4の高さ調節の構成は種々であってよいが、本実施形態では、スライダ4の本体ハウジング3への取り付け高さを変更することでスライダ4の高さが変更できる構成とされている。具体的には、スライダ4は上述の摺動面40を有する幅広の主部41と、該主部41の後端部から後方に向けて延びる幅狭の取付片部42とを有している。主部41は、図10及び図11のように本体ハウジング3のヘッド部10から支持アーム部12の前部の下側をカバーする。取付片部42は図13及び図14のように主部41よりも幅狭に形成されていて支持アーム部12の下側に位置する。取付片部42は支持アーム部12の下面に沿って後方且つ上方に向けて傾斜しつつ延びている。尚、取付片部42は支持アーム部12よりも幅狭である。取付片部42は支持アーム部12の下面に形成された傾斜面からなるスライダ取付部12aに対向してそれに取り付けられると共に、スライダ取付部12aの傾斜に沿ってスライドさせることができる。即ち、取付片部42にスライダ4の高さを調節するための高さ調節機構部が設けられており、スライダ4の取付位置を最も後側にするとスライダ4の高さは最も高い状態となって芝を短く刈り取ることになる。一方、スライダ4の取付位置を最も前側にするとスライダ4の高さが最も低くなって刈り取られた後の芝の長さは長くなる。このようにスライダ4を傾斜面52であるスライダ取付部12aに沿って前後に移動させることでスライダ4を上下にも移動させることができてその高さを調節することができる。図10〜図15はスライダ4を最も上側且つ後側に位置させた状態を示している。尚、スライダ4は、取付片部42の押圧部44を上方に押すことで固定状態が解除されてスライド可能となり、押圧部44への押圧を停止すると固定状態となる。
以上のように構成された芝刈り機においては、図10に矢印Pで示している方向に沿ってバッテリパック5をバッテリ取付部13にスライド装着させることができる。バッテリパック5とバッテリ取付部13にはそれぞれパック側スライドレール55と本体側スライドレール25が設けられているので、バッテリパック5をスムーズ且つ確実にスライド装着できて、本体側端子24にパック側端子54を確実に接続できる。このようにバッテリパック5を装着する際には、バッテリ取付部13の本体側接続面が前側に傾斜しているので、上方から本体側接続面や本体側スライドレール25を容易に視認できる。従って、バッテリパック5を容易且つ確実に取り付けることができる。また、バッテリパック5を上方から下方に向けてスライド装着する構成であるので、バッテリパック5を下方から上方に向けてスライド装着する構成に比して装着作業が容易になる。
そして、バッテリパック5を所定位置までスライドさせると、バッテリパック5のロック爪56がバッテリ取付部13のロック用凹部26に係合して、バッテリパック5が所定位置にロックされる。従って、バッテリパック5が工具本体1から不用意に外れることがない。逆に、バッテリパック5を工具本体1から取り外す際には、ロック解除ボタン57を押しながらバッテリパック5を引き上げるように矢印Qで示している方向に沿ってスライドさせればよく、簡単に取り外すことができる。尚、バッテリパック5をバッテリ取付部13に装着してもスライドバー30の後端部がバッテリパック5によって前側に押されることはない。
バッテリパック5を装着した状態では、バッテリパック5は前傾姿勢となるので、重量物であるバッテリパック5が後端部に位置していても尻上がりの状態には見えにくくなり、見た目の安定感が出る。従って、芝刈り作業を行うにあたって使用者は無意識のうちにあるいは意識的に力が入り過ぎるということがなく、楽に作業を行うことができる。手持ち式の電動工具では特にこのような見た目の安定感が使用者の心理に少なからず影響を及ぼすので、バッテリパック5が前傾姿勢で取り付けられることによって安定感のある見た目が得られることのメリットは大きい。特に、本体ハンドル部11の上面11aからバッテリ取付部13の本体側接続面に向けて徐々に下降しているので、バッテリパック5の取付位置が下がると共に見た目の安定感もより一層増すことになり、作業中の不要な力もより一層入りにくくなって作業負担が軽減される。
また、取付状態において、バッテリパック5の最下部5aが本体側接続面から下方に所定量突出すると共に、バッテリパック5の最下部5aがバッテリ取付部13の最下部13aよりも下側には位置しないようにすると、バッテリパック5の取付位置を下げることができて見た目の安定感が増すと共に重心も下げることができる。しかも、バッテリパック5の最下部5aが下方に突出し過ぎることもないので、バッテリパック5の最下部5aが地面等に接触することも防止できる。
尚、厚さの異なる複数種類のバッテリパック5が存在する場合がある。特に、長時間の使用を可能にするためにバッテリパック5を高容量化していくとバッテリパック5の厚さ、特に電池収容部58の厚さはそれに伴って厚くなっていく。そのように厚いバッテリパック5を取り付けたとしても前傾姿勢で取り付けられる構成であるため、薄いバッテリパック5と同様に地面にバッテリパック5が接触するおそれがない。従って、安心して厚いバッテリパック5を取り付けて使用することができる。
<延長ハンドル70>
次に、以上のような芝刈り機に取り付けられる延長ハンドル70について図1〜図9を参酌しつつ説明する。本実施形態に係る延長ハンドル70は、ポール部と、該ポール部の前端部に設けられ、芝刈り機の工具本体1に取り付けるための取付部と、ポール部の後端部に設けられた手元側ハンドル部と、芝刈り機の工具本体1から取り外したバッテリパック5を着脱自在に取り付けるための手元側バッテリ取付部72とを備えていて、取付部に対してポール部は左右方向且つ水平方向の軸線まわりに回動可能である。即ち、ポール部は取付部に対して上下方向に回動してその角度を調整することができる。より具体的な構成としては、延長ハンドル70は、主筒体73と、主筒体73の前端部に装着されて連結用筒体74と、該連結用筒体74の前端部に左右方向且つ水平方向の軸線まわりに回動可能に連結された取付具75と、主筒体73の後端部に装着された中空状のハンドルハウジング76とを備えている。
主筒体73は、ポール部の主要部分を構成する。該主筒体73は例えば金属製や合成樹脂製であって径一定の直管からなる。連結用筒体74は、ポール部の前端側所定領域を構成する。連結用筒体74は、例えば合成樹脂製であり、半割状の左右二つのパーツを接合一体化して筒状とされる。連結用筒体74は、主筒体73の前端部の外側に被せられるようにして主筒体73と同軸状に連結される。
<取付部>
取付具75が取付部を構成する。取付部は、バッテリパック5を取り外した状態の工具本体1のバッテリ取付部13に着脱自在にスライド装着されるスライド装着部80と、工具本体1の本体ハンドル部11を保持するためのハンドル保持部81とを備えている。従って、スライド装着部80とハンドル保持部81は別体構成ではなく、一つの部材からなる一体構成である。取付具75は、前傾しつつ上下方向に延びるスライド装着部80の上部からハンドル保持部81が前側に一体的に延設されて、図2のように左右方向から見て全体としてへの字状に形成されている。スライド装着部80のバッテリ取付部13への取付方向と取り外し方向は、バッテリパック5のそれらと同じである。
<スライド装着部80>
スライド装着部80は、バッテリパック5の上面と同様の構成を備えている。即ち、スライド装着部80はその前面にパック側接続面と同様の接続面であるハンドル側接続面を有している。具体的には、スライド装着部80の前面には、バッテリパック5のベース面50に対応して、周縁部のうち下側及び左右両側の三方に直立姿勢に対して前側に傾斜した平面からなるハンドル側ベース面90が形成されており、また、中央部には、バッテリパック5の高台部51に対応して、ハンドル側ベース面90に対して一段前側に突出したハンドル側高台部91が形成されている。該ハンドル側高台部91の前面91aは直立姿勢に対して前側に傾斜した平面となっている。このハンドル側ベース面90とハンドル側高台部91の前面91aとからハンドル側接続面が構成されている。尚、ハンドル側ベース面90の上側には、バッテリパック5の傾斜面52に対応して、上方に向けて徐々に前側に曲がっていくように傾斜したハンドル側傾斜面92が形成されている。
また、ハンドル側高台部91の下端部には、パック側端子54に対応して、工具本体1の本体側端子24と電気的に接続するためのハンドル側端子93が設けられている。尚、ハンドル側端子93は、雌型であって、ハンドル側高台部91の下端面に開口している。このようにスライド装着部80にハンドル側端子93が設けられることにより、延長ハンドル70はスライド装着部80を介して工具本体1と電気的に接続可能である。
スライド装着部80は工具本体1のバッテリ取付部13にスライド装着される。そのため、スライド装着部80には、パック側スライドレール55に対応して、本体側スライドレール25に係合するハンドル側スライドレール94が形成されている。本実施形態において、スライド装着部80の着脱方向は、バッテリパック5の着脱方向と同じ方向であり、従って、前側に所定角度傾斜した上下方向であり、装着時には工具本体1に対して上側から下側に向けてスライドさせられ、取り外す際には逆に下側から上側に向けてスライドさせられる。ハンドル側スライドレール94もパック側スライドレール55と同様に左右一対形成されており、ハンドル側高台部91の左右側面に形成されている。詳細には、ハンドル側高台部91の側面前部に凸条94aが形成され側面後部には凹溝94bが形成され、この凸条94aと凹溝94bからハンドル側スライドレール94が構成されている。尚、左右一対のハンドル側スライドレール94も互いに対称形状となっている。
また、ハンドル側高台部91の前面91aの上部には開口部が形成され、その開口部からハンドル側ロック爪95が前方に突出している。該ハンドル側ロック爪95は、バッテリパック5のロック爪56と同様の形状であって、図12(b)に示している工具本体1のロック用凹部26に係脱自在に係合する。従って、ハンドル側ロック爪95が工具本体1のロック用凹部26に係合することで延長ハンドル70が取付状態にロックされ、ハンドル側ロック爪95が工具本体1のロック用凹部26から外れると、ロック状態が解除されて延長ハンドル70を工具本体1から取り外すことができる。ハンドル側ロック爪95は、前後に移動可能に構成されている。ハンドル側ロック爪95が前方に移動してハンドル側高台部91の前面91aからの突出量が大きくなった状態がロック状態であって工具本体1のロック用凹部26に係合する状態であり、ハンドル側ロック爪95が後方に移動してハンドル側高台部91の前面91aからの突出量が小さくなった状態がロック解除状態であって工具本体1のロック用凹部26から外れた状態である。ハンドル側ロック爪95はロック状態側、即ち前側に付勢されていて常時はロック状態にあり、図1〜図5ではハンドル側ロック爪95がロック状態である場合を示している。また、ハンドル側ロック爪95の下部には傾斜面が形成され、ハンドル側ロック爪95は、左右方向に長い形状とされている。
スライド装着部80には、ハンドル側ロック爪95をロック状態からロック解除状態にするためのハンドル側ロック解除操作部96が設けられている。ハンドル側ロック解除操作部96は図5のようにスライド装着部80の後部に設けられている。該ハンドル側ロック解除操作部96は、下方に開口した凹状に形成され、そこに指先を挿入してハンドル側ロック解除操作部96を後方に引くように押圧して移動させることによりハンドル側ロック爪95がロック位置からロック解除位置へと移動してロック状態が解除される。一方、ハンドル側ロック解除操作部96から手を離すと、ハンドル側ロック解除操作部96は前側に移動して元の状態に戻り、それに伴ってハンドル側ロック爪95もロック位置に戻る。ハンドル側ロック解除操作部96とハンドル側ロック爪95とを連動させるための構成は種々であってよいが、本実施形態ではハンドル側ロック解除操作部96とハンドル側ロック爪95は一つの部材として一体的に形成されている。この部材をハンドル側ロック部材97と称することにする。取付具75は、左右二つのパーツを接合一体化して中空状とされた取付ハウジング98を備えているが、ハンドル側ロック部材97は取付ハウジング98とは別体の構成とされていて取付ハウジング98に前後にスライド可能に支持されている。該ハンドル側ロック部材97の一部がハンドル側ロック解除操作部96やハンドル側ロック爪95として構成されいる。そして、ハンドル側ロック部材97は、付勢手段としてのコイルバネ99によって前側に付勢されていて、これによりハンドル側ロック爪95がロック位置側である前側に付勢されている。
ハンドル側ロック爪95の上側には、スライド装着部80を工具本体1のバッテリ取付部13にスライド装着する際に工具本体1の駆動スイッチをON状態にするためのスイッチ作動部100が設けられている。該スイッチ作動部100は、ハンドル側高台部91の前面91aの上端部に位置していてハンドル側高台部91の前面91aから前側に突出するように形成されている。スイッチ作動部100は、スライド装着部80を工具本体1のバッテリ取付部13にスライド装着させる際にその装着動作に伴って工具本体1のスライドバー30の後端部を前側に押す。スイッチ作動部100によってスライドバー30が前側に押されると、スライドバー30がコイルバネ31の付勢力に抗して前側に移動してサブトリガー8dを上方に揺動させ、これによりスイッチ本体8aがON状態となる。
<ハンドル保持部81>
ハンドル保持部81はスライド装着部80の上部から前側に延設されている。ハンドル保持部81はスライド装着部80に対して所定角度で屈曲しており、ハンドル保持部81とスライド装着部80との間の角度は、工具本体1の本体ハンドル部11の後部とバッテリ取付部13との間の角度と等しく、より具体的には、本体ハンドル部11の後部の上面11aとバッテリ取付部13の本体側接続面との間の角度と等しい。ハンドル保持部81とスライド装着部80との間の角度は、好ましくは90度を越える鈍角であって135度以下である。
ハンドル保持部81は、本体ハンドル部11の後部の外側に上方から嵌合するように構成されている。従って、ハンドル保持部81の下面には、本体ハンドル部11の上部が嵌入できる嵌合凹部101が形成されている。該嵌合凹部101は下方に開口していると共に前後方向に沿って延びていてハンドル保持部81の前端面まで達している。このように下面に嵌合凹部101が形成されることにより、ハンドル保持部81は、前後方向と直交する切断面で切断したときの断面形状が下方に開口したC字状あるいはU字状となっている。そして、スライド装着部80が工具本体1のバッテリ取付部13にスライド装着されると、ハンドル保持部81は本体ハンドル部11の上部に嵌合して本体ハンドル部11を左右から狭持する。更に詳細には、ハンドル保持部81は、本体ハンドル部11の上面11a及び左右両側面に当接あるいは若干の隙間を介して対峙して、本体ハンドル部11を上側及び左右両側の三方から支持する。
本体ハンドル部11の後部の上面11aが後側に向けて徐々に下降しており、より詳細には上側凸に湾曲して下降している。嵌合凹部101の壁面は本体ハンドル部11の後部の上面11aに当接あるいは若干の隙間を介して対峙するので、嵌合凹部101の壁面の上面の形状は本体ハンドル部11の後部の上面11aにおける前後方向の形状に対応したものとなっており、後方に向けて徐々に湾曲しつつ下降している。尚、嵌合凹部101の壁面が本体ハンドル部11の後部の上面11aに当接あるいは若干の隙間を介して対峙することを単に当接等することと称する。また、本体ハンドル部11の後部は筒状であって左右方向に沿って湾曲しているので、嵌合凹部101の壁面もそれに対応して左右方向に沿って湾曲している。更には、嵌合凹部101の深さは、前端部において最も深く後端部において最も浅く、従って、後方に向けて徐々に浅くなっている。従って、嵌合凹部101の壁面と本体ハンドル部11との周方向の接触長さは、後方に向けて徐々に短くなっており、本体ハンドル部11を左右両側から支持する領域は、嵌合凹部101の前端部において最も大きくそこから後方に向けて徐々に小さくなっている。
嵌合凹部101の壁面はその全体に亘って本体ハンドル部11と当接等してもよいが、全面が当接等する構成ではなく、部分的に当接等する構成であってもよい。従って、嵌合凹部101の壁面はその全面が当接等するように本体ハンドル部11の外面と同様の滑らかな面から構成されていてもよいが、本体ハンドル部11の外面に部分的に当接等するように凹凸を有する形状であってもよい。本実施形態は後者の態様であって、嵌合凹部101の壁面には、周方向に延びる支持片102が突設されており、その支持片102の先端部(下端部)が本体ハンドル部11の外面に当接等する構成となっている。支持片102は、図4及び図5のように前後方向に間隔をあけて複数形成されており、具体的には合計四箇所に形成されている。支持片102は、嵌合凹部101の壁面の左右方向両端部から最上部に向けて徐々にその突出量が小さくなり、最上部においては突出量は0になる。従って、支持片102は、周方向の全長に亘って連続したものではなく中央部において左右に分断したものとなっており、即ち、支持片102は、一箇所につき左右一対ずつ形成されており、左右一対の支持片102は互いに対称形状となっている。従って、支持片102は、一箇所につき一組ずつ合計四組の計八個形成されている。但し、支持片102が周方向の全長に亘って連続した構成であってもよく、その場合、四箇所であれば合計四個の支持片102が形成されることになる。無論、支持片102の形成箇所の数は任意であり、凹凸形状も任意である。
<手元側ハンドル部>
ハンドルハウジング76に手元側ハンドル部が形成されている。手元側ハンドル部は、一方の手で把持する操作ハンドル部71aと、他方の手で把持する支持ハンドル部71bとを有している。一般的には、操作ハンドル部71aは利き手で把持され、支持ハンドル部71bは利き手とは反対側の手で把持されるが、片手で操作する場合には、利き手等の一方の手で操作ハンドル部71aのみ把持される。ハンドルハウジング76の前部は、筒状に形成されていて主筒体73の後端部の外側に被せられるようにして連結されており、主筒体73とは同軸状に延びている。このようにハンドルハウジング76の前部は主筒体73から後方に同軸状に延びているが、この部分が支持ハンドル部71bである。
操作ハンドル部71aは、支持ハンドル部71bの後端部から後方に向けて略水平に延びている。操作ハンドル部71aにはハンドル側駆動スイッチとハンドル側オフロックスイッチ104が設けられている。ハンドル側駆動スイッチは、ハンドル側トリガー103と、図示しないハンドル側スイッチ本体とを備えており、ハンドル側スイッチ本体は操作ハンドル部71aに収容されており、ハンドル側トリガー103は操作ハンドル部71aの下面から下方に部分的に突出している。ハンドル側オフロックスイッチ104は、工具本体1のオフロックスイッチ32と同様の構成であり、ハンドル側オフロックスイッチ104を押すことで、ハンドル側トリガー103を上方に押してハンドル側スイッチ本体をON状態にすることができる。
<手元側バッテリ取付部72>
ハンドルハウジング76の後端部に手元側バッテリ取付部72が形成されている。手元側バッテリ取付部72は、操作ハンドル部71aの後端部に形成されている。また、支持ハンドル部71bの前後方向中途部から後方に向けて略水平に手元側アーム部105が延設されている。手元側アーム部105は操作ハンドル部71aの下側に間隔をあけて位置していて、操作ハンドル部71aと手元側アーム部105とは略平行である。該手元側アーム部105の後端部に手元側バッテリ取付部72が形成されている。即ち、手元側バッテリ取付部72は、操作ハンドル部71aの後端部と手元側アーム部105の後端部とを上下に連結するようにして形成されている。手元側バッテリ取付部72は、工具本体1のバッテリ取付部13と同様の構成であって、バッテリパック5が着脱自在にスライド装着可能である。バッテリパック5は上側から下側に向けてスライド装着される。手元側バッテリ取付部72は、工具本体1のバッテリ取付部13と同様にその接続面が前傾姿勢となっていてもよいが、本実施形態では直立姿勢であり、従って、バッテリパック5が取り付けられた状態では、バッテリパック5はその上面が前側を向くと共に直立姿勢となる。手元側バッテリ取付部72にも工具本体1のバッテリ取付部13と同様にバッテリパック5のパック側端子54と接続される端子(図示省略)が設けられており、該端子を介してバッテリパック5から電力が供給される。手元側バッテリ取付部72の端子から上述のハンドル側端子93まで電気配線されているので、手元側スイッチ本体がON状態になると、手元側バッテリ取付部72に装着されたバッテリパック5から工具本体1に電力が供給されて、駆動モータ6が作動する。尚、手元側バッテリ取付部72の下側にはバッテリパック5の支持台106が形成されている。
以上のように構成された延長ハンドル70を工具本体1に取り付ける際には、まず、工具本体1のバッテリ取付部13からバッテリパック5を取り外す。そして、空の状態のバッテリ取付部13に、バッテリパック5と同様の操作で延長ハンドル70を取り付ける。即ち、延長ハンドル70のスライド装着部80をバッテリ取付部13の本体側接続面に沿って下側に向けてスライドさせて取り付ける。従って、バッテリパック5と同様に延長ハンドル70を容易に工具本体1に取り付けることができる。尚、図7のように、スライド装着部80のハンドル側ベース面90は、バッテリ取付部13の周壁部の後端面23よりも下方には突出しない。更に、工具本体1から取り外したバッテリパック5を延長ハンドル70の手元側バッテリ取付部72にスライド装着させることができる。工具本体1に延長ハンドル70を取り付けると、バッテリ取付部13の本体側端子24にスライド装着部80のハンドル側端子93が自動的に接続されるので、ハンドル側トリガー103を操作することで、バッテリパック5から延長ハンドル70を介して工具本体1に電力が供給される。このようにバッテリパック5と同様に一つのスライド操作で延長ハンドル70を工具本体1にスライド装着できるので、延長ハンドル70を容易に取り付けることができる。そして、延長ハンドル70の先に位置する工具本体1から重量物であるバッテリパック5が取り外されるため、作業にあたって先重り感が軽減されて楽に作業を行うことができる。また、延長ハンドル70を工具本体1に取り付けることによってスライドバー30が前側に押されて自動的にスイッチ本体8aがON状態となるので、延長ハンドル70の工具本体1への取付作業とは別に工具本体1のスイッチ本体8aをON操作する必要がなく、取付後は、延長ハンドル70のハンドル側オフロックスイッチ104を押してハンドル側トリガー103を操作することで芝刈り作業を開始することができる。
更に、スライド装着部80の前側に、本体ハンドル部11を保持するためのハンドル保持部81が設けられているので、延長ハンドル70を工具本体1における前後二箇所で取り付けることができ、スライド装着部80のみの一箇所で取り付ける構成に比して取付状態が安定する。その結果、延長ハンドル70を取り付けて行う芝刈り作業も安定することになる。特に、延長ハンドル70が工具本体1に前後二箇所で取り付けられるので、芝刈り機の前後の揺動を抑制することができ、芝の高さが安定しやすい。
しかも、スライド装着部80をバッテリ取付部13にスライド装着すると、その装着動作に伴ってハンドル保持部81が自動的に本体ハンドル部11の上部の外側に上側から嵌合するので、一つの動作でハンドル保持部81を本体ハンドル部11に嵌合させることができる。そして、ハンドル保持部81が本体ハンドル部11を上側と左右両側の三方から支持するので、工具本体1の上下方向のガタツキと左右方向のガタツキを確実に抑制できる。
また更に、スライド装着部80よりも前側に位置するハンドル保持部81にポール部が回動自在にヒンジ連結されているので、工具本体1を上側から効率良く押さえつけることができて工具本体1の浮き上がりを防止できる。即ち、スライド装着部80は工具本体1の後端部にスライド装着される構成ではあるものの、ポール部の回動支点は工具本体1の本体ハンドル部11の上方に位置しているので、工具本体1の前部の浮き上がりが防止されて剪断刃2の浮き上がりを容易に防止できる。
尚、芝刈り機のスライダ4の構成は種々であってよい。例えば、図21〜図23のように後方に延びた大型のスライダ4であってもよく、特に、延長ハンドル70を取り付けて作業する場合には有効である。スライダ4は、支持アーム部12を後側に越えてバッテリ取付部13の位置まで達しており、特に、スライダ4の摺動面40がバッテリ取付部13の位置まで延びている。図23のようにスライダ4の後端部には、バッテリ取付部13との干渉を回避するための逃げ部45が形成されている。該逃げ部45は、スライダ4の後端部の左右方向中央部に形成されていてその左右両側の部分に比して前側に凹んだ形状となっている。即ち、スライダ4の後端部の左右方向中央部には前側に凹んだ逃げ部45が形成され、その左右両側の位置まで摺動面40が延びている。
より詳細には、スライダ4の主部41の後部は左右に二股状に分岐して後方に向けて延びていてその二股状部46がバッテリ取付部13の下方であって且つ左右両側の位置まで延びている。このように主部41の後部に二股状部46が延設されることに伴って摺動面40も二股状に延びている。そして、その二股状部46の間に取付片部42が二股状部46との間に間隔をあけることなく一体的に連設されている。二股状部46が摺動面40を有して水平に延びているのに対して取付片部42は支持アーム部12の傾斜に合わせて後方に向けて徐々に上昇している。そして、取付片部42にスライダ4の高さを調節するための高さ調節機構部が設けられている。この実施形態では、ダイヤル47を左右に回転させることで固定状態と固定解除状態に切り替えて高さ調節する構成となっており、ダイヤル47を一方に所定角度回転させると固定解除状態となってスライダ4をスライダ取付部12aの傾斜に沿って前後且つ上下に移動させることができ、ダイヤル47を他方に所定角度回転させると固定状態となってスライダ4をその位置に固定することができる。図21〜図23はスライダ4を最も上側且つ後側に位置させた状態を示している。
このようにスライダ4を最も上側且つ後側に位置させてもスライダ4の後端部に逃げ部45が形成されているので、スライダ4とバッテリ取付部13との干渉を回避することができ、また、ダイヤル47の回転操作の際もバッテリ取付部13が邪魔になりにくい。そして、バッテリ取付部13の下方であってその左右両側の位置まで摺動面40が後方に延びていることにより、芝刈り機の姿勢が安定して前後に揺動しにくくなり、芝刈り高さを一定に保つことができる。しかも、重量物であるバッテリパック55をスライダ4と干渉することなく下げることができ、重心を下げることができる。尚、図21〜図23に示しているように工具本体1の前端部にワイヤーガード9を備えてもよい。尚、スライダ4の周縁部に上方に立設する立ち壁部を形成する場合には、その立ち壁部の一部を下方に切り欠く等して逃げ部45を形成してもよい。
また、バッテリパック5のスライド装着方向も種々であってよく、例えば、バッテリパック5を下方から上方に向けて装着し、下方に向けて取り外す構成であってもよい。更に、バッテリパック5を左右方向に着脱する構成であってもよい。何れにしても、平面である本体側接続面に沿ってバッテリパック5をスライドさせる構成とすることによりバッテリパック5を容易に着脱できる。その場合、延長ハンドル70のスライド装着部80もバッテリパック5の着脱方向に合わせて着脱される。尚、バッテリ取付部13の本体側接続面も前傾姿勢に限られず、直立姿勢であってもよいし、逆に直立姿勢から上部が後側に傾斜した後傾姿勢であってもよい。
また更に、プレート状のスライダ4を採用した構成について説明したが、スライダ4の構成は任意であって例えばワイヤーから構成したものであってもよい。例えば、ワイヤーを所定形状に屈曲させたり湾曲させたりしてスライダ4を構成して、仮想的に刈り取り基準面あるいは設置面を形成してもよい。このようにワイヤーからなるスライダ4であってもその後端部に逃げ部45を形成することは有効である。
更に、スライド装着部80の前側にハンドル保持部81を一体構成で設けたが、ハンドル保持部81がスライド装着部80に対して別体構成であって例えばハンドル保持部81がスライド装着部80に対して可動する構成であってもよい。また更に、ハンドル保持部81を設けない構成であってもよく、従って、ポール部がハンドル保持部81に連結された構成ではなくてスライド装着部80に連結された構成であってもよい。更に、手元側ハンドル部の構成も種々の変更が可能であって、例えば、支持ハンドル部71bを設けずにポール部の後端部ないしは上端部から直接操作ハンドル部71aが後方に向けて延設された構成であってもよい。更に、手元側バッテリ取付部72の位置も種々変更可能である。
また、延長ハンドル70から芝刈り機への電力供給は、バッテリパック5には限られず、例えば、延長ハンドル70にAC電源コードとAC/DC変換部とを備える構成としてもよい。従って、延長ハンドル70に手元側バッテリ取付部72を設けない構成であってもよい。
尚、取付対象は芝刈り機(芝生バリカン)に限らず生垣バリカン(ヘッジトリマー)であってもよい。また、これらの園芸用剪断電動工具に適しているが、それ以外の電動工具であってもよい。