JP6567392B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、防振装置に関するものである。
従来の防振装置には、内筒部と外筒部との間に2つの中間部材を複数の弾性体を介して連結し、これら中間部材を中間マスとして二重防振構造を形成する振動系と、内筒部と外筒部との間に形成したオリフィス通路で繋がる2つの流体室が流体ダンパとして作用する流体インシュレータを形成する振動系からなるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−46098号公報
上記の防振装置によれば、低周波振動は流体インシュレータを形成する振動系で吸収され、高周波振動は二重防振構造を形成する振動系の中間マス(2つの中間部材)の共振により吸収される。
しかしながら、上記の防振装置は、2つの中間部材からなる中間マスを用いるため、防振装置全体の重量が増加するという問題がある。
本発明の目的は、高周波振動を低減することができる、防振装置を提供することにある。
本発明に係る防振装置は、振動が入力される弾性体と、振動入力方向を横切るように前記弾性体の間に配置されて当該弾性体に連結される中間板と、を有し、前記中間板は、前記弾性体よりも大きな音響インピーダンスを有し、かつ、表面に凹凸形状を有するものであることを特徴とする。
本発明に係る防振装置によれば、高周波振動を低減することができる。
本発明に係る防振装置では、前記中間板は、一方の表面に前記凹凸形状を有し、他方の表面が平坦面であることが好ましい。
この場合、高周波振動がさらに低減される。
本発明に係る防振装置では、前記中間板は、両方の表面に前記凹凸形状を有するものとすることができる。
この場合、弾性体と中間板との高い結合力を確保しつつ、高周波振動を低減することができる。
本発明によれば、高周波振動を低減することができる、防振装置を提供することができる。
(a)は、本発明の第1の実施形態に係る防振装置を模式的に示す斜視図であり、(b)は、図1(a)に示す防振装置の作用を説明するための拡大縦断面図である。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係る防振装置を模式的に示す斜視図であり、(b)は、図2(a)に示す防振装置の作用を説明するための拡大縦断面図である。 (a)は、弾性体の一方の振動入出力端に中間板を配置したときの、弾性体の音響インピーダンスと応力伝達(透過率の理論値)との関係を示すグラフであり、(b)は、弾性体の間に中間板を振動入力方向と直交する方向に対して平行に配置したときの、中間板の音響インピーダンスと応力伝達(透過率の理論値)との関係を示すグラフであり、また、(c)は、弾性体の間に中間板を振動入力方向と直交する方向に対して傾斜して配置したときの、中間板の角度と応力伝達(透過率の理論値)との関係を示すグラフである。 図1(a),(b)に示す防振装置において、凹凸形状が振動入力方向と直交する方向に対してなす角度をθ1 =67.5°として有限要素法(FEM)による解析を行ったときの結果であり、(a)は、図同防振装置を模式的に示す斜視図であり、(b)は、同防振装置の出力側に伝達される振動の周波数を過渡応答解析したグラフである。 図1(a),(b)に示す防振装置において、凹凸形状が振動入力方向と直交する方向に対してなす角度をθ1 =45°としてFEMによる解析を行ったときの結果であり、(a)は、同防振装置を模式的に示す斜視図であり、(b)は、防振装置の出力側に伝達される振動の周波数を過渡応答解析したグラフである。 図1(a),(b)に示す防振装置において、凹凸形状が振動入力方向と直交する方向に対してなす角度をθ1 =22.5°としてFEMによる解析を行ったときの結果であり、(a)は、同防振装置を模式的に示す斜視図であり、(b)は、防振装置の出力側に伝達される振動の周波数を過渡応答解析したグラフである。 図2(a),(b)に示す防振装置において、凹凸形状が振動入力方向と直交する方向に対してなす角度をθ1 =67.5°としてFEMによる解析を行ったときの結果であり、(a)は、同防振装置を模式的に示す斜視図であり、(b)は、防振装置の出力側に伝達される振動の周波数を過渡応答解析したグラフである。 図2(a),(b)に示す防振装置において、凹凸形状が振動入力方向と直交する方向に対してなす角度をθ1 =45°としてFEMによる解析を行ったときの結果であり、(a)は、同防振装置を模式的に示す斜視図であり、(b)は、防振装置の出力側に伝達される振動の周波数を過渡応答解析したグラフである。 図2(a),(b)に示す防振装置において、凹凸形状が振動入力方向と直交する方向に対してなす角度をθ1 =22.5°としてFEMによる解析を行ったときの結果であり、(a)は、同防振装置を模式的に示す斜視図であり、(b)は、防振装置の出力側に伝達される振動の周波数を過渡応答解析したグラフである。 中間板の表面に凹凸形状のない本発明の比較例において、FEMによる解析を行ったときの結果であり、(a)は、同防振装置を模式的に示す斜視図であり、(b)は、防振装置の出力側に伝達される振動の周波数を過渡応答解析したグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態に係る防振装置について説明する。なお、以下の説明では、図面上下方向を鉛直方向とし、図面上側および下側をそれぞれ、単に、上側および下側という。
図1(a)中、符号1は、本発明の第1の実施形態に係る防振装置である。防振装置1は、例えば、1000Hz以上、特に、1500Hz以上の高周波振動を発生する振動発生部およびその振動を受ける振動受部を有する振動伝達系に用いられる。本実施形態の振動伝達系は、例示的に、モータを振動発生部とする一方、車体(車台)を振動受部とする。また、本実施形態では、説明を容易にするため、鉛直方向に発生する振動のみを考慮する。
符号2は、振動が入力される弾性体である。弾性体2としては、例えば、ゴムなどの樹脂からなるものが挙げられる。本実施形態では、弾性体2は、四角柱として形作られている。詳細には、弾性体2を正面および側面から見たときの輪郭形状が鉛直方向に延在する長方形であって、当該長方形の短辺が振動入力方向に対して直交する方向(本実施形態では、水平方向)と平行に延在し、当該長方形の長辺が振動入力方向(本実施形態では、鉛直方向)と平行に延在している。ただし、弾性体2の形状は、四角柱に限定されるものではない。
符号3は、振動入力方向を横切るように弾性体2の間に配置されて当該弾性体2に連結される中間板である。中間板3は、弾性体2よりも大きな音響インピーダンスを有する材質で構成されている。中間板3としては、例えば、ベークライトやポリエチレンなどの汎用樹脂からなるものが挙げられる。中間板3は、例えば、弾性体2に対して接着剤により結合することができ、または、加硫接着により結合することができる。ただし、弾性体2と中間板3との結合方法は、これらに限定されるものではない。
また、本実施形態では、中間板3は、基本的に平板として形作られており、一方の表面は凹凸形状を有し、図1(b)に示すように、他方の表面は、水平面に対して平行な平坦面3f2 である。本実施形態では、凹凸形状は、正面から見たときの輪郭形状が振動入力方向に対して直交する方向に対して角度θ1 で傾斜する直線状の傾斜面3f1 で構成されている。詳細には、傾斜面3f1 は、正面から背面(図面表側から裏側)に延在する波形形状をしている。本実施形態では、中間板3は、弾性体2に対して接着剤により、または、加硫接着により結合されている。なお、中間板3の形状は、弾性体2の間を横切るように配置できるものであれば、平板に限定されるものではない。
ところで、高周波振動は波の性質を有している。そこで、本実施形態では、以下に説明するとおり、高周波振動を弾性波として捉えて、波の性質を利用することにより、車体側に伝わる反力を低減する。
本実施形態では、第1の手段として、中間板3は、弾性体2の音響インピーダンスZ1 よりも大きな音響インピーダンスZ2 を有している(Z1 <Z2 )。この場合、後述するように、防振装置1の上端から下端への応力伝達(以下、「上下方向への応力伝達」ともいう)は、中間板3の音響インピーダンスZ2 が弾性体2の音響インピーダンスZ1 よりも大きくなるに従って、小さく抑えられる。
弾性体2の音響インピーダンスZ1 および中間板3の音響インピーダンスZ2 は、それぞれ、以下の式(1)および式(2)より算出することができる。
1=ρ1 ・c1 =(ρ1 ・E1 )1/2 ・・・(1)
ρ1 :弾性体2の密度, c1 :弾性体2中の音速, E1 :弾性体2の弾性率
2=ρ2 ・c2 =(ρ2 ・E2 )1/2 ・・・(2)
ρ2 :中間板3の密度, c2 :中間板3中の音速, E2 :中間板3の弾性率
次いで、本実施形態では、第2の手段として、図1(b)に示すように、中間板3の振動入力側の表面に、振動入力方向と直交する方向に対して角度θ1 で交互に傾斜する凹凸形状を有している。このため、中間板3の振動入力側では、中間板3の表面が振動入力方向に対して直交する方向に対して角度θ1 だけ傾斜した状態で弾性体3に結合されていることになる。この場合、後述するように、上下方向への応力伝達は、角度θ1 を大きくするに従って、小さく抑えられると考えられる。すなわち、凹凸形状の傾斜を大きくとって、凸部又は凹部の角度をより鋭角にすれば、上下方向への応力伝達を抑えることができると考えられる。
そして、上下方向への応力伝達は、中間板3がある場合の弾性波の透過率の理論値T(以下、単に「透過率の理論値T」ともいう)で表すことができる。透過率の理論値Tは、以下の式(3)より算出することができる。
T=(2・Z2 ・cosθ1 )/(Z2 ・cosθ1 +Z1 ・cosθ2 ) ・・・(3)
cosθ2 =[1−sin2θ2 1/2 ・・・(4)
sinθ2 =(c2・sinθ1 )/c1 ・・・(5)
すなわち、本実施形態に係る防振装置1は、音響インピーダンスZ1 ,Z2 をコントロールし、中間板3の凹凸形状の角度θ1 を、当該音響インピーダンスZ1,Z2によって対応する最適な角度にすることにより、透過率の理論値Tを低減することができるものである。
ここで、図3(a)は、弾性体2の一方の振動入出力端のみに、両表面が平坦な中間板5を配置して、二層構造の防振装置としたときの、中間板5の音響インピーダンスZ2 と、上下方向への応力伝達(透過率の理論値T)との関係を示すグラフである。
図3(a)では、中間板5は弾性体2の下端に連結されている。弾性体2の下端に中間板5を連結した二層構造の場合、図3(a)に示すように、中間板5の音響インピーダンスZ2 が小さくなるに従って、上下方向への応力伝達も小さく抑えられる。しかしながら、図3(a)の場合、透過率の理論値Tを1未満とするには、Z2 <Z1 とする必要があるが、ゴムのときは、Z1 =1e6 (≡1×106)[Pa・s/m3]であり、これよりも小さな音響インピーダンスZを持つ適当な材料は一般的には見当たらない。よって、図3(a)に示す二層構造の防振装置は不適である。
これに対し、図3(b)は、弾性体2の間に中間板5を配置して、三層構造の防振装置としたときの、中間板5の音響インピーダンスZ2と、上下方向への応力伝達(透過率の理論値T)との関係を示すグラフである。
図3(b)では、中間板5は、振動入力方向(この場合、鉛直方向)に対して直交するように水平に、すなわち、中間板5の垂線が振動入力方向と同一(平行)となるように配置されている。図3(b)に示すように、中間板5の音響インピーダンスZ2 が弾性体2(例えば、ゴム)の音響インピーダンスZ1 よりも大きくなるに従って、上下方向への応力伝達は小さく抑えられる。
さらに、図3(c)は、弾性体2の間に中間板5を傾斜させて配置して、三層構造の防振装置としたときの、中間板5の垂線と振動入力方向(鉛直方向)とのなす角度θ1 と、上下方向への応力伝達(透過率の理論値T)との関係を示すグラフである。図3(c)では、弾性体2をゴム製とする一方、中間板5をエポキシ樹脂製として、透過率の理論値Tを算出した。
図3(c)に示すように、角度θ1 が大きくなるに従って、上側の弾性体2から中間板5を通って下側に抜ける応力伝達も小さく抑えられる。そして、角度θ1 が臨界角θc に到達したとき、応力伝達もゼロとなる。すなわち、臨界角θc は入力振動を弾性波と捉えたときの全反射である。臨界角θc は、弾性体2および中間板5の材質が定まれば、図1(b)のθ2 を、90°とした際のθ1 として、例えば、前記式(5)からも求めることができる(θc=sin-1(c1/c2))。ゴムとベークライトの組み合わせの場合、θc =約22°である。弾性波による応力伝達低減の観点からは、θc ≦θ1 が好ましい。このため、弾性体2の間に中間板5を傾斜させて、三層構造の防振装置とし、角度θ1 を大きくすれば、上下方向への応力伝達は小さく抑えられる。
したがって、図1(a)の本実施形態のように、表面に凹凸形状を有する中間板3を弾性体2の間に配置して、三層構造の防振装置とするとともに、中間板3の音響インピーダンスZ2 を、弾性体2の音響インピーダンスZ1 よりも大きくし、さらに、凹凸形状を形作る傾斜面3f1 の角度θ1 を大きくすれば、上下方向への応力伝達は小さく抑えられる。
中間板3の音響インピーダンスZ2 には、Z2>1e6のものを選択することが好ましい。なお、以下の表1には、ゴムよりも音響インピーダンスの高い材料を例示的に記載する。
そして、本実施形態では、第3の手段として、中間体3内での減衰を利用して、高周波振動を減衰によって低減する。例えば、後述の各実施例の結果から明らかなように、中間板3の減衰比ζを、樹脂の最大減衰比相当の減衰比ζ=0.1とした場合、高周波振動、特に1000Hz以上の高周波分布が減少する。
なお、減衰比ζは、レイリー(Rayleigh)減衰として、以下の一般式(6)から算出できる。
ζ=[(α/ωi )+β・ωi )]/2=η/2 ・・・(6)
ωi =2πfi ・・・(7)
ωi :角周波数, α,β:係数, i:i番目の固有モード, η:損失係数, fi:周波数[Hz]
ここで、図1(b)を参照して、本実施形態に係る防振装置1をさらに詳細に説明する。
本実施形態に係る防振装置1は、中間板3が弾性体2よりも大きな音響インピーダンスZ2 を有し、中間板3の一方の表面に、複数の傾斜面3f1 で形作られる凹凸形状を有し、他方の表面が平坦面3f2 である。このため、防振装置1の上端に高周波振動が入力されると、弾性体2に入力された振動のうち、少なくとも高周波振動は波として振る舞い、中間板3の凹凸形状を形作る傾斜面3f1 の垂線Oに対して角度θ1 の入射角で入射したのち、垂線Oに対して角度θ2 の屈折角で屈折して振動の伝播経路が延び、中間板3内で減衰される。また仮に、中間板3から再び防振装置1の下端側の弾性体2に高周波振動が伝播されるとしても、その割合は小さく、また、弾性体2を透過することで低減されると考えられる。また、弾性体2に入力された高周波振動は中間板3の傾斜面3f1で反射して弾性体2を透過することでも低減されると考えられる(図示省略)。このため、本実施形態に係る防振装置1によれば、弾性体2の間に、2つの中間部材からなる中間マスを用いることなく、弾性体2と中間板3との境界面において、高周波振動を反射および屈折させることにより、高周波振動が低減され、さらに中間板3内を伝播する高周波振動も中間板3内で減衰される。これにより、高周波振動を低減することができる。また、本実施形態に係る防振装置1では、従来の防振装置のような、2つの中間部材からなる中間マスが不要になるため、重量の増加を抑制することができる。
次に、図2(a)中、符号10は、本発明の第2の実施形態に係る防振装置である。防振装置10も、例えば、1000Hz以上、特に、1500Hz以上の高周波振動を発生する振動伝達系に用いられ、基本的な構成は、防振装置1と同様である。このため、以下の説明にて、防振装置1と同様の部分については、その説明を省略する。
符号4は、振動入力方向(本実施形態では、鉛直方向)を横切るように弾性体2の間に配置されて当該弾性体2に連結される中間板である。中間板4は、中間板3と同様、弾性体2よりも大きな音響インピーダンスを有する材質で構成されている。
また、本実施形態では、中間板4は、基本的に平板として形作られており、両方の表面に凹凸形状を有している。本実施形態では、中間板4を波板で構成している。詳細には、図2(b)に示すように、一方の表面の凹凸形状は、正面から見たときの輪郭形状が振動入力方向に対して直交する方向に対して角度θ1 で傾斜する直線状の傾斜面4f1で構成されており、また、他方の表面の凹凸形状は、正面から見たときの輪郭形状が振動入力方向に対して直交する方向に対して角度θ3 で傾斜する直線状の傾斜面4f2で構成されている。より具体的には、本実施形態では、θ1 =θ3 で構成されており、凹凸形状は、正面から背面に延在する、厚さの均等な波形形状をしている。
ここで、図2(b)を参照して、本実施形態に係る防振装置10をさらに詳細に説明する。
本実施形態に係る防振装置10は、中間板4が弾性体2よりも大きな音響インピーダンスZ2 を有し、中間板4の一方の表面に、複数の傾斜面4f1 で形作られる凹凸形状を有するとともに、他方の表面に、複数の傾斜面4f2 で形作られる凹凸形状を有する。このため、防振装置10の上端に高周波振動が入力されると、弾性体2に入力された振動のうち、少なくとも高周波振動は波として振る舞い、中間板4の凹凸形状を形作る傾斜面4f1 の垂線Oに対して角度θ1 の入射角で入射したのち、垂線Oに対して角度θ2 の屈折角で屈折して振動の伝播経路が延び、中間板4内で減衰される。また仮に、中間板4から再び防振装置1の下端側の弾性体2に高周波振動が伝播されるとしても、その割合は小さく、弾性体2を透過することで低減されると考えられる。また、弾性体2に入力された高周波振動は、中間板4の傾斜面4f1で反射して弾性体2を透過することでも低減されると考えられる(図示省略)。このため、本実施形態に係る防振装置10によれば、本実施形態に係る防振装置1と同様、弾性体2の間に、2つの中間部材からなる中間マスを用いることなく、弾性体2と中間板4との境界面において、高周波振動を反射および屈折させることにより、高周波振動が低減され、さらに中間板4内を伝播する高周波振動も中間板4内で減衰される。また、本実施形態に係る防振装置10では、防振装置1と同様、従来の防振装置のような、2つの中間部材からなる中間マスが不要になるため、重量の増加を抑制することができる。
次に、図4(a)〜図6(a)それぞれに、図1の防振装置1において、中間板3の凹凸形状の水平面に対する角度θ1 を変更した、防振装置1を示すとともに、図4(b)〜図6(b)それぞれに、対応する防振装置1の上端に、異なる複数の周波数成分を含む打撃(インパルス入力)を加えたとして有限要素法(FEM)による解析を行ったときの結果を示す。なお、このFEM解析では、図1(a)に示す防振装置1の幅W1 、奥行きD1 および高さH1 をそれぞれ、W1 =50(mm)、D1 =50(mm)およびH1 =160(mm)とし、また、中間板3の、幅W3 、奥行きD3 および高さH3 をそれぞれ、W3 =50(mm)、D3 =50(mm)およびH3 =13.45(mm)とし、さらに、中間板3の凹凸深さd3 を、d3 =3.45(mm)として解析を行った。
[実施例1]
図4(b)は、角度θ1 =67.5°とした図4(a)に示す防振装置1において、中間板3の減衰比ζを、樹脂の最大減衰比相当の減衰比ζ=0.1としたときの解析結果である。この場合、防振装置1の出力側に伝達される振動の周波数分布は、図4(b)に示す赤色部分では多く、黄色部分から緑色部分、水色部分を経て青色部分では最も少なくなる。防振装置1の出力側に伝達される高周波振動は、図4(b)に示すように、約1000Hz〜約5000Hz付近の広い範囲で弱まり、特に、約2000Hz〜約5000Hzの範囲での弱まりが顕著であり、約5000Hz付近では更に顕著である。
[実施例2]
図5(b)は、角度θ1 =45°とした図5(a)に示す防振装置1において、中間板3の減衰比ζを、樹脂の最大減衰比相当の減衰比ζ=0.1としたときの解析結果である。この場合、防振装置1の出力側に伝達される高周波振動は、図5(b)に示すように、実施例1と比較して、約1000Hz付近については若干強いものの、全体としては、実施例1と同様、約1000Hz〜約5000Hz付近の広い範囲で弱まり、特に、約2000Hz〜約5000Hzの範囲での弱まりが顕著であり、約5000Hz付近では更に顕著である。
[実施例3]
図6(b)は、角度θ1 =22.5°とした図6(a)に示す防振装置1において、中間板3の減衰比ζを、樹脂の最大減衰比相当の減衰比ζ=0.1としたときの解析結果である。この場合、防振装置1の出力側に伝達される高周波振動は、図6(b)に示すように、実施例2と同様、実施例1と比較して、約1000Hz付近については若干強いものの、全体としては、実施例1と同様、約1000Hz〜約5000Hz付近の広い範囲で弱まり、特に、約2000Hz〜約5000Hzの範囲での弱まりが顕著であり、約5000Hz付近では更に顕著である。
次に、図7(a)〜図9(a)それぞれに、図2の防振装置10において、中間板4の凹凸形状の水平面に対する角度θ1 を変更した、防振装置10を示すとともに、図7(b)〜図9(b)それぞれに、対応する防振装置10の上端に、異なる複数の周波数成分を含む打撃(インパルス入力)を加えたとしてFEMによる解析を行ったときの結果を示す。なお、このFEM解析では、防振装置10の幅W10、奥行きD10および高さH10の寸法をそれぞれ、W10=50(mm)、D10=50(mm)およびH10=160(mm)とし、また、中間板4の、幅W4 、奥行きD4 および高さH4 をそれぞれ、W4 =50(mm)、D4 =50(mm)およびH4 =10(mm)とし、さらに、中間板4の凹凸深さd4 及びd5 をそれぞれ、d4 =d5 =3.45(mm)として解析を行った。
[実施例4]
図7(b)は、角度θ1 =67.5°とした図7(a)に示す防振装置10において、中間板4の減衰比ζを、樹脂の最大減衰比相当の減衰比ζ=0.1としたときの解析結果である。この場合、防振装置10の出力側に伝達される振動の周波数分布は、図7(b)に示す赤色部分では多く、黄色部分から緑色部分、水色部分を経て青色部分では最も少なくなる。防振装置10の出力側に伝達される高周波振動は、図7(b)に示すように、約1000Hz〜約5000Hz付近の広い範囲で弱まり、特に、約2000Hz〜約5000Hzの範囲での弱まりが顕著であり、約5000Hz付近では更に顕著である。
[実施例5]
図8(b)は、角度θ1 =45°とした図8(a)に示す防振装置10において、中間板4の減衰比ζを、樹脂の最大減衰比相当の減衰比ζ=0.1としたときの解析結果である。この場合、防振装置10の出力側に伝達される高周波振動は、図8(b)に示すように、実施例4と比較して、約1000Hz付近については若干強いものの、全体としては、実施例4と同様、約1000Hz〜約5000Hz付近で弱まり、特に、約2000Hz〜約5000Hzでの弱まりが顕著であり、約5000Hz付近では更に顕著である。
[実施例6]
図9(b)は、角度θ1 =22.5°とした図9(a)に示す防振装置10において、中間板4の減衰比ζを、樹脂の最大減衰比相当の減衰比ζ=0.1としたときの解析結果である。この場合、防振装置1の出力側に伝達される高周波振動は、図9(b)に示すように、実施例5と同様、実施例4と比較して、約1000Hz付近については若干強いものの、全体としては、実施例4と同様、約1000Hz〜約5000Hz付近の広い範囲で弱まり、特に、約2000Hz〜約5000Hzの範囲での弱まりが顕著であり、約5000Hz付近では更に顕著である。
[比較例]
図10(b)は、中間板の表面に凹凸形状のない比較例としての、図10(a)に示す防振装置において、中間板4の減衰比ζを、樹脂の最大減衰比相当の減衰比ζ=0.1としたときの解析結果である。この場合、防振装置の出力側に伝達される振動の周波数分布は、図10(b)に示す赤色部分では多く、黄色部分から緑色部分、水色部分を経て青色部分では最も少なくなる。比較例の防振装置の出力側に伝達される高周波振動は、図10(b)に示すように、1000Hz〜約5000Hz付近の広い範囲での高周波振動は弱まるものの、約2500Hz付近での高周波振動は強く出ている。
以上、防振装置1および防振装置10の角度θ1 を様々に変更して得られた解析結果と、比較例からも明らかなように、本発明は、高周波振動、特に1000Hz以上の周波数振動の抑制に有効である。また、図4(b)〜図6(b)と、図7(b)〜図9(b)とを同じ角度θ1 で比較した場合、一方の表面に凹凸形状を有し、他方の表面が平坦面である防振装置1の方が、両方の表面に前記凹凸形状を有する防振装置10に比べて、高周波振動の抑制に有効であることが確認された。
上述したところは、本発明の実施形態の例示であって、特許請求の範囲の記載によれば、種々の変更が可能である。例えば、中間板の表面に形成される凹凸形状は、奥行き方向または幅方向に連続的に延在させた平面を組み合わせた波型のもので説明したが、凹凸形状は、複数の突起で構成することもでき、当該突起としては、複数の平面で形作られた角錐形の突起、傾斜面で形作られた円錐形の突起、湾曲面で形作られたドーム形の突起が挙げられる。また、凹凸形状は、突起に限定されるものではなく、中間板の平面を窪ませることにより形成することもできる。
本発明は、弾性体を用いた防振装置であって、特に、高周波振動の抑制を目的とするものに採用することができる。
1; 防振装置(第1の実施形態), 2;弾性体, 3;中間板, 4;中間板, 10;防振装置(第2の実施形態), θ1 ;角度

Claims (5)

  1. 振動が入力される弾性体と、
    振動入力方向を横切るように前記弾性体の間に配置されて当該弾性体に連結される中間板と、を有し、
    前記中間板は、前記弾性体よりも大きな音響インピーダンスを有し、かつ、表面に凹凸形状を有しており、
    前記凹凸形状は、複数の傾斜面で形成されているであることを特徴とする、防振装置。
  2. 請求項1において、前記凹凸形状は、前記複数の傾斜面を連続的に組み合わせた形状である、防振装置。
  3. 請求項1または2において、前記中間板は、一方の表面に前記凹凸形状を有し、他方の表面が平坦面である、防振装置。
  4. 請求項1または2において、前記中間板は、両方の表面に前記凹凸形状を有するものである、防振装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項において、前記弾性体と前記中間板とは、互いに全面で接着されている、防振装置。
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