JP6567257B2 - 眼鏡レンズを有する光学装置、及びそれを用いた眼鏡、並びに眼鏡型表示装置 - Google Patents

眼鏡レンズを有する光学装置、及びそれを用いた眼鏡、並びに眼鏡型表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば使用者が眼鏡をかけた状態で、使用者の視界を遮ることなく、視点検出等を行うことができる眼鏡レンズを有する光学装置、及びそれを用いた眼鏡、並びに眼鏡型表示装置に関する。
下記特許文献にはヘッドマウントディスプレイ等の表示装置に関する発明が開示されている。ヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に装着され、眼前に画像を表示するための眼鏡型表示装置で構成される。
また眼鏡の使用者の瞳孔を撮影できる光学系を有した商品も開発されている。これら光学系では、一部の光を反射させるビームスプリッタやミラー等を組み合わせた光学機構を構成している。このような光学機構では、ビームスプリッタは光学設計上から45°の傾きを持って配置される。
その結果、装置全体が大きくなり、また部品点数が多くコストが上昇するといった問題があった。
このように従来においては、瞳孔を直接撮影できたり、あるいは画像を表示できる機能を備えたスマートな眼鏡や眼鏡型表示装置は存在しなかった。
国際公開第2012/105500号パンフレット 国際公開第2010/064582号パンフレット 国際公開第2014/041871号パンフレット 特開2013−187794号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、特に、従来に比べて、簡単な光学機構で且つ薄い膜厚の眼鏡レンズを用いて画像を取得し、あるいは画像を表示することができる眼鏡レンズを有する光学装置、及びそれを用いた眼鏡、並びに眼鏡型表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、光反射層を備えた眼鏡レンズを有する光学装置であって、前記光反射層は、P偏光及びS偏光のいずれか一方を透過し、他方を反射する偏光層であり、前記光反射層は、前記眼鏡レンズの光軸直交方向に対して、0°よりも大きく30°よりも小さい傾きを有しており、複数の前記光反射層が、接触せずに互いの端部同士が光軸方向に離れて配置され、前記光反射層により光軸方向に対して斜めに反射した画像光を取得し、及び/又は、画像光を前記眼鏡レンズに向けて光軸方向に対して斜め方向に出力するための画像光機能部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、光反射層を光軸直交方向に対して0°よりも大きく30°よりも小さい傾きで配置した。これにより、正反射を防止でき、且つ出光角を全反射臨界角より小さくできる。
そして本発明では、画像光機能部にて、光反射層により光軸方向に対して斜めに反射した画像光を取得したり、斜めに投影する画像光を光軸方向に出力することができ、特に、薄い膜厚の眼鏡レンズで且つ簡単な光学機構でそれを実現することが可能になる。また、多重反射を抑制でき、視認性に優れた画像を取得し、あるいは画像を表示することができる。
本発明では、このとき、前記眼鏡レンズと前記画像光機能部との間に偏光板が配置されており、前記偏光層と前記偏光板との偏光透過軸とが直交していることが好ましい。これにより、コントラストの高い画像を取得し、あるいはコントラストの高い画像を表示することができる。
また本発明では、前記偏光層は、ワイヤグリッド偏光子であることが好ましい。
あるいは本発明では、前記光反射層が、波長選択性を有しており、例えば、RGB反射特性、近赤外反射特性、及び赤外反射特性の少なくとも1種以上の反射特性を有する構成であってもよい。
また本発明では、前記眼鏡レンズは、一対の透明基材と、前記一対の透明基材の間に配置された前記光反射層と、前記一対の透明基材の間を埋める透明接着樹脂と、を有して構成されることが好ましい。これにより、眼鏡レンズの薄型化を図ることができる。
また本発明では、さらに、吸収型偏光層が外光の光入射側に配置されることが好ましい。これにより、外光の多重反射を改善することができる。
また本発明は、上記のいずれかに記載の光学装置を有する眼鏡であって、使用者の瞳孔画像を撮影する前記画像光機能部としての撮像素子を有することを特徴とする。
これにより、眼鏡越しの視認性を確保しつつ、瞳孔画像を撮影することができる。すなわち瞳孔画像は斜め方向の反射画像として取得できるため、撮像素子を眼鏡レンズの横後方位置に配置できる。したがって、使用者が眼鏡をしたときに、瞳孔画像によって眼鏡越しの前方の視認性が失われることなく瞳孔画像を適切に撮像素子で取得し、瞳孔画像に基づく分析を行うことが可能である。
本発明では、さらに、前記光反射層を介して瞳周辺を照明するための照明部を備えることが好ましい。これにより、適切に瞳孔画像を得ることができる。また本発明では、前記光反射層は偏光層であり、前記撮像素子と前記眼鏡レンズとの間、あるいは、前記照明部と前記眼鏡レンズとの間、又は、前記撮像素子と前記眼鏡レンズとの間及び前記照明部と前記眼鏡レンズとの間に、前記偏光層の偏光透過軸と直交する偏光透過軸を備えた偏光板が配置されていることが好ましい。
本発明では、さらに、外界を撮影する外界用撮像素子を備え、前記外界用撮像素子にて撮影された外界画像と、前記瞳孔画像とに基づいて、視点検出を可能としたことが好ましい。
また本発明は、上記のいずれかに記載の光学装置を有する眼鏡型表示装置であって、使用者の眼前に画像を表示するための前記画像光機能部としての投影装置を有することを特徴とする。これにより、薄い膜厚の眼鏡レンズで且つ簡単な光学機構で使用者の眼前に画像を表示することができる。
また本発明では、さらに、使用者の瞳孔画像を撮影する前記画像光機能部としての撮像素子、及び前記光反射層を介して瞳周辺を照明するための照明部を備えることが好ましい。例えば、投影装置により、使用者の眼前に画像を表示させた状態で、撮像素子により使用者の瞳孔画像を観察して視点検出を行うことで、目の動きに合わせて画像を動かしたり画像内に所定の指示を与える等、手を使わずとも所定の動作を行うことが可能になる。
本発明によれば、従来に比べて、簡単な光学機構で且つ薄い膜厚の眼鏡レンズを用いて画像を取得し、あるいは画像を表示することができる眼鏡レンズを有する光学装置、及びそれを用いた眼鏡、並びに眼鏡型表示装置を提供することができる。
本実施の形態に係る眼鏡レンズの模式図(断面図)である。 本実施の形態に係る眼鏡レンズを用いた光学機構を説明するための模式図(斜視図)である。 図2Aあるいは図2Bに示す光学機構を用いて実験を行った際の写真である。 図3に示す各写真の模式図である。 第1の実施の形態を示す眼鏡の模式図(斜視図)である。 第2の実施の形態を示す眼鏡の模式図(斜視図)である。 第3の実施の形態を示す眼鏡型表示装置の模式図(斜視図)である。 第1の実施の形態の眼鏡の光学機構を説明するための模式図(断面図)である。 第2の実施の形態の眼鏡の光学機構を説明するための模式図(断面図)である。 第3の実施の形態の眼鏡の光学機構を説明するための模式図(断面図)である。 図11Aは、ワイヤグリッド偏光子の断面図であり、図11Bは、ワイヤグリッド偏光子の平面模式図である。 本実施の形態に係る眼鏡レンズの製造工程を説明するための工程図(模式図)である。 図12の次に行われる工程図(模式図)である。
本実施の形態に係る眼鏡レンズの模式図(断面図)である。図1に示すように、眼鏡レンズ1は、一対の透明基材2、3と、透明基材2、3の間に介在する光反射層4と、透明基材2、3間を埋める透明接着樹脂5とを有して構成される。
透明基材2、3は、所定厚にて形成された板状であり、具体的には25μm〜1000 μm程度の厚みで形成される。
本実施の形態では、透明基材2、3の材質を限定するものでない。例えば、透明基材2、3として、ポリカーボネート樹脂(PC)等のプラスチックレンズや無機ガラス等を用いることができる。ただし、眼鏡レンズ1として曲面成形する場合、透明基材2、3には、樹脂(プラスチック)を用いることが好適である。透明基材2、3における全光線透過率は80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
図1に示すように、光反射層4は、XY平面に対して斜めに傾いて配置されている。ここでXY平面に直交するZ方向は、眼鏡レンズ1の光軸方向Oを指す。ここで「光軸」とは、レンズ内を通過する光束の代表となる幅方向中心の仮想的な光線をいい、例えば、眼鏡レンズ1の物体側の外面及び眼側の内面の曲率中心を結ぶ直線である。図1に示す模式図では、外界側の外面及び眼側の内面が夫々、XY平面と平行な平面として示されているが、実際には、外界側、及び眼側が球面あるいは非球面の屈曲面からなる凸レンズあるいは凹レンズで構成される。
図1に示すように、光反射層4は光軸方向Oの直交方向(X;光軸直交方向)に対して0°よりも大きく30°よりも小さい傾き角度θ1にて傾斜配置されている。
図1に示すように、複数の光反射層4が不連続に配置されている。ここで「不連続に配置」とは、光反射層4が接触せずに互いの端部同士が離れて配置された状態を指す。図1に示すように各光反射層4は光軸方向Oと平行な方向に重なっていない。各光反射層4はいずれも、光軸直交方向(X)に対して0°よりも大きく30°よりも小さい傾き角度θ1にて傾斜配置されている。各光反射層4はいずれも略同一の傾き角度θ1にて配置されている。また、光学設計上、場所によって各光反射層4の傾き角度を変えることも可能である。例えば、眼鏡レンズ1の端部に向かうに従い、緩やかな傾き角度で光反射層4を配置したり、あるいは、傾きが急となるように光反射層4を配置することもできる。
光反射層4は例えば偏光層である。偏光層としては、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子やワイヤグリッド偏光子等を用いることができる。複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子には、3M社製の多層複屈折フィルムAPF、DBEF等を用いることができる。また、ワイヤグリッド偏光子には、旭化成イーマテリアルズ(株)製のワイヤグリッド偏光フィルム等がある。
図1に示す光反射層4は透明性が高いことが好ましく、光反射層4が偏光層の場合、透過率(可視光)は、30%以上であることが好ましく、反射率は15%以上であることが好ましい。
ワイヤグリッド偏光子について説明する。図11Aは、本実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子(ワイヤグリッド偏光フィルム)の断面図である。
ワイヤグリッド偏光子20は、保持基材(ベースフィルム)21と、保持基材21の表面21aに設けられた樹脂基材22と、を有して構成されている。
図11Aに示すように、樹脂基材22の基材表面22aには、複数の格子状凸部23が設けられている。図11Aに示すように、樹脂基材22は、所定厚からなる基材層24と格子状凸部23とが一体的に形成されている。
保持基材21は、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムやポリカーボネートフィルム、COP、PET、PEN、PS、PE、アクリル、ポリイミド系の高透過性のフィルムであることが好ましい。樹脂基材22は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。
図11Aに示すように、各格子状凸部23の表面の少なくとも一部に誘電体層26を介して金属層(金属ワイヤ)27が形成されている。誘電体層26は形成されていなくてもよい。かかる場合、金属層27が直接、格子状凸部23の表面に形成される。
誘電体層26を構成する誘電体は、可視領域で実質的に透明であればよい。樹脂基材22を構成する材料及び金属層27を構成する金属との間の密着性が高い誘電体材料を好適に用いることができる。例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はその複合体(誘電体単体に他の元素、単体又は化合物が混ざった誘電体)や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物を用いることができる。
金属層(金属ワイヤ)27を構成する金属は、可視光領域で光の反射率が高く、誘電体層26を構成する材料との密着性の高いものであることが好ましい。例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)又はそれらの合金で構成されていることが好ましい。コストの観点から、アルミニウム又はその合金で構成されることがさらに好ましい。
図11Bは、本実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子の平面模式図である。図11Bに図示された複数の横線は、図11Aに示す金属層(金属ワイヤ)27の延出方向を示している。
図11Bに示すように、金属層27の延出方向に対して直交する方向が偏光透過軸20aの方向である。
図11Aに示すように、保持基材21と樹脂基材22との接着性の向上や屈折率の調整を目的とした接着層や粘着層の接合層29を介していてもよい。例えば、保持基材21と樹脂基材22との間に、シリカ、アルミナなどの誘電体層が薄い膜厚で形成されていても良いし、保持基材21の表面21aをコロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、紫外線処理することで官能基の付与や微細な凹凸形状を付与するなどの変性層であっても良い。
ワイヤグリッド偏光子20の厚みを特に限定するものでないが、例えば50μm〜200μm程度である。また、保持基材21を切り離し、樹脂基材22と金属層27とでワイヤグリッド偏光子20を構成することで、ワイヤグリッド偏光子20の厚みを0.5μm〜50μm程度まで薄くすることができる。これにより光反射層4のピッチP(図1参照)を小さく、かつ傾き角度θ1も浅くでき、より薄肉化を実現でき、フィルム状にすることが可能になる。したがって、光反射層4が傾斜して配置されたフィルム材を眼鏡レンズに貼って使うことも可能である。
あるいは、光反射層4は、波長選択性を有する構成にもできる。このとき、光反射層4は、RGB反射特性、近赤外反射特性、及び赤外反射特性の少なくとも1種以上の反射特性を有することが好ましい。かかる場合、光反射層4の透過率は、50%以上であることが好ましく、反射率は15%以上であることが好ましい。
例えば、既存の波長選択性フィルムを用いることができ、一例として窓用遮熱・断熱フィルムとして用いられる東海ゴム工業(株)製の「リフレシャイン」(登録商標、以下同じ)を光反射層4として用いることができる。「リフレシャイン」では、可視光線を透過させるが、近赤外線を反射させることができる。またコレステリック液晶を用いてRGB反射板を形成することができる。RGB反射特性を有する光反射層4としては、富士フィルム(株)製の「WAVISTA」を用いることができる。
また光反射層4は単層でなく複数の反射層の積層構造であってもよい。一例として、可視光波長域で偏光性を有するDBEFと近赤外波長域で反射機能を有する反射フィルムとを積層することで、可視光域では偏光反射し、近赤外域では偏光を有さない光反射層4とすることができる。
なおワイヤグリッド偏光子の場合は、可視光波長から近赤外波長域の広い波長範囲で、透過反射偏光を有する。
図1に示す透明接着樹脂5には、透明基材2、3間の親和性に優れた透明の接着剤を用いることが好ましい。透明接着樹脂5は、熱硬化型あるいは紫外線硬化型の樹脂により形成できるが、硬化時間が短い点から紫外線硬化型の接着剤を用いることが好ましい。
透明接着樹脂5における全光線透過率は80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
また各透明基材2、3と透明接着樹脂5との屈折率差は、0.01〜0.1程度であることが好ましい。各透明基材2、3と透明接着樹脂5との界面での反射光散乱を抑制することができる。
例えば、各透明基材2、3を、0.5mm厚のポリカーボネート樹脂(屈折率=1.58)で形成し、光反射層4をワイヤグリッド偏光子で形成した。ワイヤグリッド偏光の基材としてTACフィルム(屈折率n=1.49)ワイヤグリッド層を形成する樹脂22(屈折率n=1.51)を用いた。また光反射層4の傾き角度θ1を15°とし、各光反射層4のピッチPを0.9mm、プリズム高さH1を約0.25mmとした。
また透明接着樹脂5にUV接着剤(東亜合成(株)製 アロニックス(登録商標)LCR0628A)(屈折率n=1.5)を用いた。眼鏡レンズ1の総厚H2を約1.4mmとした。
上記した条件のもとに、光Lを光軸方向Oと平行な方向から入射し、光反射層4で反射させると、その反射光の反射角度θ2は約50°であった。ただし、実際には、眼鏡レンズ1の外面及び内面は曲面であり、レンズ曲面や光反射層4の傾き角度θ1によって反射角度θ2は変化する。レンズ曲面や光反射層4の傾き角度θ1(0°<θ1<30°)の調整により、反射角度θ2を、30°〜60°程度に制御することができる。
本実施の形態では、光反射層4を光軸直交方向(X)に対して0°よりも大きく30°よりも小さい傾き角度θ1で配置した。これにより、図1に示すように、光軸方向O上で入射した光もしくは画像光(例えば、瞳孔画像)Lは正反射しない。しかも出光角(図1のθ2)を全反射臨界角よりも小さくできる。この結果、画像光Lは眼鏡レンズ内に光が閉じ込められず、光軸方向に対して斜めに傾く方向に反射光を眼鏡レンズから外方に出射することができる。
また本実施の形態では、眼鏡レンズ1を薄い膜厚で形成でき、且つ簡単な光学機構を実現できるといった利点もある。眼鏡レンズ1では、一対の透明基材2、3の間に斜めに傾いた光反射層4を配置しているが、その傾き角度θ1は、0°よりも大きく30°よりも小さい範囲内であるため、一対の透明基材2、3間の距離を縮めることができる。また眼鏡レンズ1であるため、所定の強度を得るために、光反射層4を両側で挟み込むための一対の透明基材2、3が必要とされるが、ポリカーボネート樹脂等で透明基材2、3を形成することで、各透明基材2、3が1mm程度以下の厚みで所定の強度を保つことができる。また、一対の透明基材2、3間は、光反射層4以外の空間を透明接着樹脂5で埋めればよく、透明接着樹脂5の膜厚を薄くできる。このため、眼鏡レンズ1の総厚H2を薄く形成でき、具体的には0.3mm〜2mm程度の厚みで形成することができる。
また、眼鏡レンズ1内に内蔵された光反射層4と、後述する撮像素子やプロジェクタ等の画像光機能部とを配置することで光学装置を構成でき、このように本実施の形態では、簡単な光学機構を実現でき、低コスト化を図ることができる。
図2は、本実施の形態に係る眼鏡レンズを用いた光学機構を説明するための模式図(斜視図)である。図3は、図2Aあるいは図2Bに示す光学機構を用いて実験を行った際の写真である。図4は、図3に示す各写真の模式図である。
図2A、図2Bでは、光反射層4(図1参照)にワイヤグリッド偏光子等の偏光層を用いた眼鏡レンズ1を用いている。
図2Aに示すように眼鏡レンズ1の図示手前側に偏光板6が配置されている。また偏光板6側から見て眼鏡レンズ1越しに「ABC」の表示板が配置されている。今、眼鏡レンズ1の偏光透過軸1aがX方向に平行であるとする。一方、偏光板6の偏光透過軸6aが偏光透過軸1aと平行であるとき、入射光L1は、偏光板6及び眼鏡レンズ1を透過する。このため観察者が偏光板6よりも図示手前側にいるとき、観察者の眼Eを通して「ABC」の表示を視認することができる(図3A、図4A参照)。
次に、偏光板6を90°回転させ、偏光板6の偏光透過軸6bを偏光透過軸1aと直交させると、入射光L2は、偏光板6を透過するが眼鏡レンズ1で反射する。したがって観察者の眼Eを通して「ABC」の表示を視認することができない(図3B、図4B参照)。
次に図2Bでは、眼鏡レンズ1の図示奥側に偏光板7と「ABC」の表示板とが配置されている。今、眼鏡レンズ1の偏光透過軸1aがX方向に平行であるとする。一方、偏光板6の偏光透過軸7aが偏光透過軸1aと平行であるとき、眼鏡レンズ1にて反射された反射光L3は、偏光板7でも反射する。このため、観察者が偏光板7の図示奥側にいるとき、観察者の眼Eを通して「ABC」の表示を視認することができない(図3C、図4C参照)。このとき、眼鏡レンズ1越しの風景が透けて見える。
一方、偏光板7を90°回転させ、偏光板7の偏光透過軸7bを偏光透過軸1aと直交させると、眼鏡レンズ1にて反射された反射光L4は、偏光板7を透過する。したがって、観察者の眼Eを通して「ABC」の表示を視認することができる(図3D、図4D参照)。このとき、眼鏡レンズ1越しの風景が透けて見えず、コントラストの良い画像として視認できる。
ただし図3D、図4Dに示すように、「ABC」は反転して表示される。したがって、撮像される画像は任意の必要な画像に処理することが好ましい。ただし、得られる画像表示が反転されたものであってもよい場合には、少なくとも図2Bの光学機構で足りる。
光反射層4(図1参照)が偏光層であるとき、偏光透過軸1aは、P偏光成分を透過させる透過軸であってもS偏光成分を透過させる透過軸であっても構わない。例えば、偏光透過軸1aがP偏光を透過し、S偏光を反射すると仮定する。かかる場合、図2Aに示したように、眼鏡レンズ1と偏光板6の偏光透過軸1a、6aが平行の場合、P偏光が眼鏡レンズ1と偏光板6の双方を透過し、「ABC」の表示を視認でき透明である。
また、図2Bに示したように、眼鏡レンズ1と偏光板7の偏光透過軸1a、7bが直交の場合、偏光板7は、S偏光を透過し、P偏光を反射する。したがって、S偏光が眼鏡レンズ1で反射されると、S偏光である反射光は、偏光板7を透過するため、「ABC」の反転表示を視認することができる。このとき、P偏光は、眼鏡レンズ1を透過し、また眼鏡レンズ1にて透過されなかったP偏光は、偏光板7では反射されるので、高コントラスで画像光を取得することができる。
次に、図1、図2で説明した眼鏡レンズを用いた具体的なアプリケーションについて説明する。図5は、第1の実施の形態を示す眼鏡の模式図(斜視図)である。
図5に示すように、眼鏡30は、眼鏡レンズ1と眼鏡レンズ1を支持するフレーム31とを有して構成される。図5に示すように、眼鏡30にはフレーム31のテンプル部分の内面31a(使用者と対向する側の面)に、CCDカメラやCMOS等の撮像素子(画像光機能部)32と、眼鏡レンズ1に向けて照明光を照射する照明部33とが設けられている。
照明部33は、拡散照明やパルス発光可能な構成等であるが、使用者に照明光の影響を与えないように照明部33は、例えば、近赤外LED照明であることが好ましい。近赤外照明により、眼鏡レンズ1の光反射層を介して瞳周辺を眩しくない状態で照明でき、瞳孔画像を撮像素子32で適切に撮影できる。
図5に示すように、眼鏡30を装着した使用者の瞳孔E1、あるいは瞳孔E1の周辺も含んだ画像光L5が眼鏡レンズ1で反射されて撮像素子32に取り込まれる。ここで「瞳孔画像」とは、瞳孔のみの画像、瞳孔と瞳孔周辺を含む画像の双方が含まれる。
図8は、第1の実施の形態の眼鏡の光学機構を説明するための模式図(断面図)である。図8に示すように、眼鏡レンズ1には光反射層4が内蔵されている。光反射層4は図1で説明した通り、光軸直交方向に対して0°よりも大きく30°よりも小さい傾きを有して配置されている。図8では、その内面1b及び外面1cが球面あるいは非球面の屈曲面からなる眼鏡レンズ1を図示した。なお図8では各光反射層4の傾き角度を同じとしたが、実際には、各光反射層4の傾き角度はレンズの曲率に応じて変化している。図9、図10も同じである。例えば図8に示す眼鏡30は偏光サングラスであり、光反射層4にてP偏光を透過しS偏光を反射すると仮定すると、画像光L5のS偏光成分が光反射層4にて反射される。このとき、光反射層4は光軸直交方向に対して0°よりも大きく30°よりも小さい傾きで配置されているので、正反射せず、画像光L5の反射光が使用者の眼に戻ってこない。また入射角を臨界角よりも小さくできるため、眼鏡レンズ1にて反射した画像光L5は眼鏡レンズ1内に閉じ込められず、斜めに反射した画像光L5が眼鏡レンズ1の外部に出射される。そして斜めに反射した画像光L5は、その反射光路上に配置された撮像素子32に入射され、撮像素子32にて画像光L5を取得することができる。
一方、使用者側(内面1b側)から見て、P偏光成分は透過するので、使用者は、眼鏡レンズ1越しの前方風景を視認することができる。
また外光の多重反射を改善するために、外光の入射側(外面1c側)に吸収型偏光層37を配置することが好ましい。このとき、吸収型偏光層37の透過軸は、光反射層4と一致している(図2Aの説明参照)。図1に、吸収型偏光層37を設けない場合の多重反射線を図示した。これに対して、吸収型偏光層37(P偏光成分は透過させ、S偏光成分は吸収)を設けると、P偏光成分とS偏光成分のうち、反射光としてのS偏光成分を眼鏡レンズ1の手前で吸収することができる。また眼鏡30を装着したときに、眼鏡30の脇から侵入する外光の影響を抑制するために、画像光L5の反射光を適切に得られる範囲内で、内面1b側に吸収型偏光層37(超高透過吸収型)を配置することもできる。あるいは、眼鏡30が偏光サングラスでない場合、内面1bの全域に吸収型偏光層37を設けて、S偏光成分あるいはP偏光成分の一方を吸収することもできる。吸収型偏光層37はフィルム状であると、眼鏡レンズ1の面に適切に貼り合わせすることができる。また吸収型偏光層37を眼鏡レンズ1の内部に配置することもできる。
図8に示すように、撮像素子32と眼鏡レンズ1との間には偏光板34が配置されている。この偏光板34は、光反射層4の偏光透過軸に対して直交する偏光透過軸を有している(図2Bの説明参照)。これにより高コントラストの画像光L5を撮像素子32に取り込むことができる。また偏光板34は、照明部33(図5参照)と眼鏡レンズ1との間にも配置されていることが好適である。照明部33と眼鏡レンズ1との間に配置される偏光板34も、眼鏡レンズ1の偏光透過軸と直交する偏光透過軸を備えている。これにより、正反射光をカットすることができ、照明による局部的なハレーションを解消でき、正確な画像を取得できる。
図5に示す眼鏡30では、使用者の正面に自らの瞳孔画像が映り込まないので視認性に優れ、一方、瞳孔画像は斜めに反射して、その反射経路上に配置された撮像素子32に取り込まれ、瞳孔画像に基づいた様々な解析処理を行うことが可能である。例えば瞳孔画像より使用者の視点変化や健康状態(バイタルセンシング)などを検出することができる。
図5では、一方の瞳孔だけを撮影できる形態であるが、両目の瞳孔を撮影するように、フレーム31の両側のテンプル部分に撮像素子32及び照明部33を配置することができる。後述する図6、図7においても、画像光機能部や照明部を両目に対して配置することができる。
図6は、第2の実施の形態を示す眼鏡の模式図(斜視図)である。図9は、第2の実施の形態の眼鏡の光学機構を説明するための模式図(断面図)である。なお図6、図9において図5、図8と同じ符号は同じ部材を示している。
図6では、外界用撮像素子35が設けられている。外界用撮像素子35は、例えばフレーム31の外面であって、眼鏡レンズ1の間の位置に配置することができる。
外界用撮像素子35で眼鏡30の前方の風景を撮影し、その映像を制御部36に送信する(図9参照)。一方、撮像素子32では、図5、図8で説明したように、瞳孔画像を取得し、制御部36に送信される。制御部36では、図6に示すように、得られた瞳孔画像と外界画像とを所定の方法に基づいてマッチングさせて、外界画像40内での視点41、42の検出を行うことができる。なお図6に示す視点41、42は、時間経過に伴う視点変化を示している。
外界画像40は外界そのものの画像でなくてもよく、予め定められた部分だけを取り出した画像、あるいは、所定の色度や彩度等に基づいて処理された画像等とすることができる。
外界画像40のマッピングやイニシャライズを経て外界画像40内での視点変化を求めることができる。図6に示す眼鏡30では、例えば、自動車の運転などで視点変化を検出し、また外界画像40と視点との関係などに基づいて運転の安全性を高めることができる。
図7は、第3の実施の形態を示す眼鏡型表示装置の模式図(斜視図)である。図10は、第3の実施の形態の眼鏡の光学機構を説明するための模式図(断面図)である。図5、図6、図8、図9と同じ符号の部分は、各図面と同じ部材を示している。
図7は、ヘッドマウントディスプレイ(眼鏡型表示装置)44を構成している。図7に示すように、フレーム31のテンプル部分の内面31aには、プロジェクタ(投影装置)45が配置されている。図7に示すように、プロジェクタ45は、光軸方向に対して傾いた位置であって、光反射層4(図1等参照)を介した反射光路上に配置されている。このため、プロジェクタ45から出射された画像光L6は、眼鏡レンズ1の光反射層4にて反射されるので、ヘッドマウントディスプレイ44を装着した使用者がプロジェクタ45にて映し出された画像を見ることができる。このとき光反射層4にて反射した画像光L6を、光軸方向と平行な方向に出射できる。
図7では、フレーム31テンプル部分の内面31aに図5で説明した撮像素子32及び照明部33が配置されている。
図10に示すように、撮像素子32により瞳孔E1の画像を取得できる。図10に示す制御部42では、撮像素子32にて取得された瞳孔画像と、プロジェクタ45(図7参照)からの表示画像とをマッチングさせて、表示画像内での瞳孔位置を検出することができる。これにより、視点位置に基づいて、表示画像に対する所定の処理、命令等を行うことができる。例えば、表示画像がキーボードであり、視点の動きに基づいて文字入力を可能とする。あるいは表示画像がゲーム画像であり、視点の動きに基づいて、ゲームを進行させることができる。このように、目の動きに合わせて画像を動かしたり画像内に所定の指示を与える等、手を使わずとも所定の動作を行うことが可能になる。
また、例えば、眼鏡レンズ1の外面1cにP偏光吸収層43を配置し、光反射層4がP偏光を透過する場合、偏光透過軸が直交配置となり外界が見えなくなる。このように、外界を見えなくし、コントラストの良い画像で画像を視認したい場合は、眼鏡レンズ1の外面1cにP偏光吸収層43を配置することが好ましい。なお、P偏光吸収層43は取り外し可能とすることが好ましい。
投影装置に、LCOSやLCDを用い、光反射層に偏光層を用いて画像投影する場合、画像光に偏光層の偏光透過軸と直交する偏光を持たせることでコントラストの良い画像を得ることができる。
また、DLP方式の投影装置を用いた場合、画像光は偏光を持たないため、例えば、RGBの波長選択反射層を使うことができる。
図12は、本実施の形態に係る眼鏡レンズの製造工程を説明するための工程図(模式図)である。図13は、図12の次に行われる工程図(模式図)である。
図12Aでは、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)で形成された平板状の基材50の一面に粘着層(図示しない)を介して光反射層4を貼り合せる。粘着層は粘着と剥離性を備えた微粘着層であることが好適である。
図12Bの工程では、表面に複数の傾斜面52が垂直面53を介して連続して形成された金型54を用意する。傾斜面52の傾き角度θ3はXY平面に対して0°よりも大きく30°よりも小さい範囲にて設定される。金型54は例えばNiで形成されている。
図12Bに示すように、基材50の光反射層4が設けられた側を金型54の傾斜面52が設けられた側と対向させる。そして真空熱プレスを行う。
図12Cに示すように、真空熱プレスにより、基材50に設けられた光反射層4が金型54の傾斜面52のエッジ部54a(傾斜面52と垂直面53との縁部)にて切断されつつ、基材50が金型54の傾斜面52と垂直面53との間の空間に侵入する(流動する)。なお、光反射層4は、傾斜面52にのみ設けられ、垂直面53には設けられていない。
そして、金型54を除去する。これにより、図12Dに示すように、0°よりも大きく30°よりも小さい傾き角度θ3を有する基材50の傾斜面52に光反射層4が配置された光反射層付き基材55を得ることができる。なお図12Dでは、図12Cを反転させて図示した。
次に図12Eに示すように、基材50の光反射層4が配置された側に、透明接着樹脂5を介して透明基材2を対向させて、基材50と透明基材2との間を、透明接着樹脂5を介して接合する(図13A参照)。透明接着樹脂5にはUV接着剤を用いることが好ましい。透明接着樹脂5にUV接着剤を用いた場合には、図13Aの状態でUV照射して、透明接着樹脂5を硬化させることができる。
次に図13Bの工程では、基材50を除去する。図13Bでは、図13Aを反転させて図示した。基材50と光反射層4との間に介在する粘着層は微粘着層であるため、基材50を適切に除去することができる。
そして図12Eで示した工程と同様の工程を、図13Bで露出した光反射層4上にも行うことで、図13Cに示すように、一対の透明基材2、3と、透明基材2、3の間に配置された、0°よりも大きく30°よりも小さい傾き角度を有する光反射層4と、透明基材2,3間の空間を埋める透明接着樹脂5と、を有する眼鏡レンズ1のベース基材を製造することができる。眼鏡レンズ化する場合、必要に応じ所望の曲率の金型を用い、真空成形することで、レンズ状に曲率を付加できる。
図1に示すように、上記した製造方法に基づけば、光反射層4を不連続にて配置することができる。すなわち、図12Cに示すように、光反射層4は複数に切断されて、垂直面53には配置されない。垂直面53にも配置されると光反射層4が連続的な配置となり、眼鏡レンズ1内に進入した光が垂直面53に配置された光反射層4で乱反射を起こす。したがって、図13Cに示すように、0°よりも大きく30°よりも小さい傾き角度で配置された複数の光反射層4が不連続に配置されていることで、光の多重反射を抑制することができる。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例をもとに本発明をより詳細に説明する。なお、下記実施例における構成は例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜変更して実施することが可能である。そのため、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図2Bに示す光学機構を用いて、実験を行った。光反射層には、ワイヤグリッド偏光子を用いた。光反射層は、可視光波長から近赤外波長域(400−1600nm)の広い波長範囲で、透過反射偏光を有する。また、眼鏡レンズの平均透過率が35%であり、平均反射率が35%であった。レンズ曲率は130mmであった。
実験では、図2Bに示す偏光板7の偏光透過軸を、光反射層の偏光透過軸と直交させた。そして図2Bの瞳Eの箇所にカメラを設置して撮影したところ図3Dに示すように、ABC文字(反転画像)を撮影することができた。
[実施例2]
実施例1の眼鏡レンズの凸面側に吸収型偏光板を光反射層の偏光透過軸と一致させて配置した。眼鏡レンズの平均透過率は32%であり、反射率は35%であった。
外光の光反射層での反射光は、吸収型偏光板に吸収されるため、眼鏡レンズ内の多重反射が減少し、よりクリアな視界が得られた。
[実施例3]
光反射層として、東海ゴム工業製の近赤外反射膜である「リフレシャイン」を用いた。可視光域(400ー750nm)の平均透過率は70%であり、近赤外光域(800−1600nm)での平均反射率は約30%程度であった。
ワイヤグリッド偏光子を用いた実施例1に比べて、画像のコントラストが多少落ちたものの、赤外反射でも画像を取得することができるとわかった。
本発明の光学装置を用いて眼鏡(サングラスを含む)や眼鏡型表示装置に適用することができる。眼鏡としては一般的な使用形態の他に、乗り物の運転用や、バイタルセンシング用などとしても適用できる。またヘッドマウントディスプレイとして適用でき、特に手を使わずとも表示画像に対する処理、命令等を行うことが可能である。
1 眼鏡レンズ
1a、6a、6b、7a、7b 偏光透過軸
2、3 透明基材
4 光反射層
5 透明接着樹脂
6、7、34 偏光板
20 ワイヤグリッド偏光子
21 保持基材
22 樹脂基材
23 格子状凸部
27 金属層
30 眼鏡
31 フレーム
32 撮像素子
33 照明部
35 外界用撮像素子
36、42 制御部
37 吸収型偏光層
40 外界画像
43 P偏光吸収層
44 ヘッドマウントディスプレイ
45 プロジェクタ
50 基材
52 傾斜面
53 垂直面
54 金型

Claims (13)

  1. 光反射層を備えた眼鏡レンズを有する光学装置であって、
    前記光反射層は、P偏光及びS偏光のいずれか一方を透過し、他方を反射する偏光層であり、
    前記光反射層は、前記眼鏡レンズの光軸直交方向に対して、0°よりも大きく30°よりも小さい傾きを有しており、
    複数の前記光反射層が、接触せずに互いの端部同士が光軸方向に離れて配置され、
    前記光反射層により光軸方向に対して斜めに反射した画像光を取得し、及び/又は、画像光を前記眼鏡レンズに向けて光軸方向に対して斜め方向に出力するための画像光機能部が設けられていることを特徴とする眼鏡レンズを有する光学装置。
  2. 前記眼鏡レンズと前記画像光機能部との間に偏光板が配置されており、前記偏光層と前記偏光板との偏光透過軸とが直交していることを特徴とする請求項記載の眼鏡レンズを有する光学装置。
  3. 前記偏光層は、ワイヤグリッド偏光子であることを特徴とする請求項又はに記載の眼鏡レンズを有する光学装置。
  4. 前記光反射層が、波長選択性を有していることを特徴とする請求項1記載の眼鏡レンズを有する光学装置。
  5. 前記光反射層は、RGB反射特性、近赤外反射特性、及び赤外反射特性の少なくとも1種以上の反射特性を有することを特徴とする請求項記載の眼鏡レンズを有する光学装置。
  6. 前記眼鏡レンズは、一対の透明基材と、前記一対の透明基材の間に配置された前記光反射層と、前記一対の透明基材の間を埋める透明接着樹脂と、を有して構成されることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の眼鏡レンズを有する光学装置。
  7. さらに、吸収型偏光層が外光の光入射側に配置されることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の眼鏡レンズを有する光学装置。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載の光学装置を有する眼鏡であって、
    使用者の瞳孔画像を撮影する前記画像光機能部としての撮像素子を有することを特徴とする眼鏡。
  9. さらに、前記光反射層を介して瞳周辺を照明するための照明部を備えることを特徴とする請求項記載の眼鏡。
  10. 前記光反射層は偏光層であり、前記撮像素子と前記眼鏡レンズとの間、あるいは、前記照明部と前記眼鏡レンズとの間、又は、前記撮像素子と前記眼鏡レンズとの間及び前記照明部と前記眼鏡レンズとの間に、前記偏光層の偏光透過軸と直交する偏光透過軸を備えた偏光板が配置されていることを特徴とする請求項又はに記載の眼鏡。
  11. さらに、外界を撮影する外界用撮像素子を備え、前記外界用撮像素子にて撮影された外界画像と、前記瞳孔画像とに基づいて、視点検出を可能としたことを特徴とする請求項ないし10のいずれかに記載の眼鏡。
  12. 請求項1ないしのいずれかに記載の光学装置を有する眼鏡型表示装置であって、
    使用者の眼前に画像を表示するための前記画像光機能部としての投影装置を有することを特徴とする眼鏡型表示装置。
  13. さらに、使用者の瞳孔画像を撮影する前記画像光機能部としての撮像素子、及び前記光反射層を介して瞳周辺を照明するための照明部を備えることを特徴とする請求項12記載の眼鏡型表示装置。
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