JP6565711B2 - 画像処理装置、画像形成装置及び閾値マトリクスの整形方法 - Google Patents
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Description
そこで、網点を形成する閾値マトリクスを初期パターンとして使用し、当該初期パターン中のドットの密度分布に応じて閾値マトリクスの各閾値を決定する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法によれば、閾値マトリクスにより形成する網点の形状を円に近づけることができ、スクリーン処理後の画像の粒状性を改善することができる。
初期パターンをドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換する確率変換部と、
前記確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けた密度分布空間において最大値を示す画素を、ドットを打点する画素として決定するとともに、当該ドットの打点を決定した順番を当該ドットの打点順位として決定する処理を、前記初期パターンのすべての画素について決定するまで繰り返し、前記ドットを打点する画素を決定するごとに当該画素の位置に応じて前記密度分布空間を更新する繰り返し処理部と、
前記初期パターンのすべての画素についての前記ドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得る閾値変換部と、を備え、
前記確率変換部は、網点を形成するようにあらかじめ作成された閾値マトリクスを前記初期パターンとして使用し、前記初期パターンを階調変換処理後、平滑化処理することにより、前記確率分布空間を得ることを特徴とする画像処理装置が提供される。
前記繰り返し処理部は、前記ドットを打点する画素を決定するごとに前記ドットの打点を決定した各画素を示すドット打点空間を更新し、前記ドット打点空間を平滑化処理することにより、前記更新した密度分布空間を得ることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置が提供される。
前記繰り返し処理部は、前記密度分布空間のみを更新することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置が提供される。
前記確率変換部は、前記平滑化処理の範囲の長さを、前記閾値マトリクスにより形成する網点間の距離よりも短くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記確率変換部は、前記平滑化処理の範囲の長さを、主走査方向と副走査方向とで異ならせることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記階調変換処理は、2値化処理であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記階調変換処理は、入力値が、第1閾値より小さい場合は最小値を出力し、第1閾値以上第2閾値以下の場合は傾きが1以上の一次式において入力値に対応する出力値を出力し、第2閾値より大きい場合は最大値を出力する処理であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記初期パターンとして使用する前記閾値マトリクスは、ブルーノイズ特性又はグリーンノイズ特性を有する閾値マトリクスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記初期パターンとして使用する前記閾値マトリクスは、前記閾値変換部により得られた閾値マトリクスであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記閾値変換部により得られた閾値マトリクスを用いて、画像にスクリーン処理を施すスクリーン処理部を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像処理装置を備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
(a)初期パターンをドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換するステップと、
(b)前記確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けた密度分布空間において最大値を示す画素を、ドットを打点する画素として決定するとともに、当該ドットの打点を決定した順番を当該ドットの打点順位として決定する処理を、前記初期パターンのすべての画素について決定するまで繰り返し、前記ドットを打点する画素を決定するごとに当該画素の位置に応じて前記密度分布空間を更新するステップと、
(c)前記初期パターンのすべての画素についての前記ドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得るステップと、を含み、
前記ステップ(a)では、網点を形成するようにあらかじめ作成された閾値マトリクスを前記初期パターンとして使用し、前記初期パターンを階調変換処理後、平滑化処理することにより、前記確率分布空間を得ることを特徴とする閾値マトリクスの整形方法が提供される。
図1に示すように、画像形成装置Gは、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、画像生成部16、画像読取部17、画像メモリー18、画像処理装置19及び画像形成部20を備えている。
例えば、制御部11は、画像生成部16又は画像読取部17により生成され、画像メモリー18に保持された原画像を、画像処理装置19により画像処理させて、画像処理後の原画像に基づいて、画像形成部20により用紙上に画像を形成させる。
通信部15は、ユーザー端末からネットワークを介して、画像を形成する指示内容がページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたベクトルデータを受信する。
また、画像処理装置19は、図1に示すようにスクリーン処理部191を備え、当該スクリーン処理部191により閾値マトリクスを用いて原画像をスクリーン処理する。スクリーン処理は、組織的ディザ法を用いた疑似中間調を表現するための画像処理である。
具体的には、画像形成部20は、各画素の形成する色の画素値に応じて、露光部により感光ドラム上を露光し、静電潜像を形成した後、現像部によりトナー等の色材を供給して現像し、感光ドラム上に画像を形成する。画像形成部20は、感光ドラムから中間転写ベルト等の像担持体上に各色の画像を重ねて転写し、得られた4色からなる画像をさらに給紙トレイから搬送した用紙上に転写した後、定着装置によって用紙を加熱及び加圧する定着処理を行う。
図2に示すように、整形処理部30は、確率変換部31、繰り返し処理部A及び閾値変換部35を備えている。
確率変換部31は、図2に示すように、反転部311、階調変換部312及び平滑化処理部313を備えて、初期パターンを確率分布空間Uに変換する。確率分布空間Uは、ドットが打点される確率を表している。
これにより、スクリーン処理によって、ブルーノイズ特性又はグリーンノイズ特性を有する画像を形成できる閾値マトリクスを得ることができる。
これにより、閾値マトリクスTH0に複数回の整形処理を施して、網点同士の連結がより少ない閾値マトリクスを得ることができる。
これにより、網点同士の連結が減るように、閾値マトリクスTH0を整形処理することができる。
具体的には、階調変換部312が、反転後の閾値マトリクスTH0の各閾値を、2値化処理の閾値αと比較し、閾値αより大きければ最大値1、閾値α以下であれば最小値0に変換する。閾値αは、適宜決定することができる。閾値αが大きいほど、スクリーン処理によって形成される網点間の連結が減る傾向があるので、閾値αを異ならせて目的の画質が得られるときの閾値αを求めるようにしてもよい。
この階調変換処理は、図3に示すように、入力値が、第1閾値βより小さい場合は最小値0を出力し、第1閾値β以上第2閾値α以下の場合は傾きが1以上の一次式において入力値に対応する出力値を出力し、第2閾値αより大きい場合は最大値1を出力する処理である。なお、図3において、入力値を0〜1の値に変換した値で表している。例えば、値域が0〜255の入力値の場合、入力値を256で除算して0〜1の値に変換している。図3中の第1閾値βから第2閾値α間の一次式は、y=ax+b(yは0〜1の出力値を表し、xは0〜1の入力値を表す。aは傾き、bは切片である。)で表され、傾きaが1以上の一次関数である。
平滑化処理により、網点の中心から周囲へと濃度差が滑らかに変化するように、ドットが打点される確率を調整することができる。これにより、自然な網点を形成できるように閾値マトリクスを整形することができる。
平滑化処理の範囲とは、画素値を重み付ける画素の範囲をいう。平滑化フィルターにおいては、重み付けのパラメーターが0ではない画素の範囲が平滑化処理の範囲である。
例えば、設定された重み付けのパラメーターがすべて0ではない平滑化フィルターを平滑化処理に用いる場合、網点間の距離が5画素であれば、平滑化フィルターのサイズを、5×5画素より一辺の長さが短い4×4画素、3×3画素等のサイズにすればよい。
これにより、主走査方向及び副走査方向における連結の差異を緩和し、方向によって生じる不規則な濃淡がノイズとして観察されることを防ぐことができる。
例えば、主走査方向に網点が連結しやすい場合、平滑化処理において重み付ける範囲を副走査方向よりも主走査方向の方が長い楕円状の範囲とすることができる。
図4に示すように、平滑化フィルターは5×5画素のサイズであるが、0ではない重み付けのパラメーターが設定された、重み付けが有効な範囲は、主走査方向xの長さ(長径)が5画素、副走査方向yの長さ(短径)が3画素の楕円状である。重み付けの各パラメーターは、5×5画素の中心画素に近いほど重みが大きくなるように設定されている。
このような平滑化フィルターによれば、主走査方向に隣り合う網点の連結を抑えることができ、主走査方向と副走査方向の画像の再現性の差による画質劣化を減らすことができる。
これにより、方向性による画質劣化だけでなく、平滑化処理による網点の形状の崩れも防ぐことができる。
繰り返し処理部Aは、図2に示すように、重み付け演算部32、ドット打点部33及び更新部34を備えている。
密度分布空間CMは、集中マトリクス(Concentration Matrix)とも呼ばれ、ドットの打点が決定された画素の密度を表すm×n画素のパターンである。密度分布空間CMの各画素の値は0〜1の値域を有し、初期値は1である。
密度分布空間CMの重み付け演算は、下記のように表すことができる。
CMnew[i]=CMold[i]×U[i]
ここで、CMnew[i]は、重み付け演算後の密度分布空間CMのi番目の画素の値(密度)を表す。CMold[i]は、重み付け演算前の密度分布空間CMのi番目の画素の値(密度)を表す。U[i]は、確率分布空間Uのi番目の画素の値(確率)を表す。
ドットを打点する最初の画素を決定した後は、すでに打点されたドットがあるので、ドット打点部33は、密度分布空間CMnewにおいて最大値を有する画素であっても、ドット打点空間Igにおいてすでに打点されている画素(1の値を有する画素)は除外して、ドットを打点する画素を決定する。
ドット打点空間Igは、ドットの打点を決定した画素を表すm×n画素のパターンである。ドット打点空間Igの各画素には、ドットの非打点を表す初期値0が設定されており、ドット打点部33は、ドットの打点を決定した画素の値を初期値0からドットの打点を表す1に更新する。
Num[i]=k
ここで、Num[i]は、打点順位空間Numのi番目の画素の打点順位を表す。kは、ドットの打点順位を表す1〜m×nの整数である。
更新部34は、図2に示すように反転部341及び平滑化処理部342を備えている。
平滑化処理により、密度分布空間CMにおいてドットの打点が決定された画素とその周囲に位置する画素の密度を増加させることができる。ドットの打点を決定した画素から一定距離の範囲内ではドットが打点されにくく、一定距離以上離れるとまたドットが打点されやすくなるように、密度を調整することができるため、一定間隔で分布する網点を形成できる閾値マトリクスに整形することができる。
図5に示すように、初期パターンとして入力され、反転された閾値マトリクスTH0を2値化処理後、平滑化処理することにより、網点間におけるドットの打点確率が低い確率分布空間Uが得られる。確率分布空間Uは、閾値マトリクスTH0の網点の中心が最も高く、中心から同心円状に低くなる確率分布を示している。
閾値変換部35は、初期パターンのすべての画素についてドットの打点順位が決定されると、当該打点順位を閾値に変換し、整形された閾値マトリクスTH1を得る。
具体的には、閾値変換部35は、ドット打点空間Igにおいてすべての画素にドットが打点され、全画素の打点順位を表す打点順位空間Numが得られると、打点順位空間Numを閾値マトリクスTH1に変換する。この変換は、下記のように表すことができる。
TH1[i]={Num[i]/(m×n)}×g
ここで、TH1[i]は、m×n画素のうちi番目の画素の閾値を表す。Num[i]は、m×n画素のうちi番目の画素のドットの打点順位を表す。gは画素の値域の最大値を表す。
図6に示すように、整形処理部30において、確率変換部31が、整形対象の閾値マトリクスTH0を初期パターンとして入力する(ステップS1)。
確率変換部31は、閾値マトリクスTH0の各画素の値を反転し、階調変換処理した後、平滑化処理することにより、閾値マトリクスTH0を確率分布空間Uに変換する(ステップS2)。
その後、ステップS3の処理へ戻り、ドット打点空間Igの全画素についてドットの打点が決定されるまで、上述した処理を繰り返す。すなわち、重み付け演算部32が更新後の密度分布空間CMを確率分布空間Uにより重み付け、重み付け後の密度分布空間CMnewにおいて、ドット打点部33がドットの打点位置と打点順位を決定する。
図7において、比較例は、初期パターンとして入力した閾値マトリクスTH0を用いて、低濃度領域の画像、中間調領域の画像及び高濃度領域の画像をそれぞれスクリーン処理した処理結果を示している。
実施例は、比較例と同じ画像を、上記整形処理により得られた閾値マトリクスTH1を用いてスクリーン処理した処理結果を示している。
例えば、画像形成装置Gに搭載された画像処理装置19によって整形処理する例を示したが、制御部11がプログラムを読み取ることにより、整形処理部30の上記処理手順を制御部11により実行させることもできる。また、画像形成装置Gに限らず、汎用のPC等のコンピューターにより当該プログラムを読み取らせて、上記処理手順を実行させることもできる。
また、プログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用することができる。
11 制御部
12 記憶部
19 画像処理装置
191 スクリーン処理部
20 画像形成部
30 整形処理部
31 確率変換部
311 反転部
312 階調変換部
313 平滑化処理部
32 重み付け演算部
33 ドット打点部
34 更新部
341 反転部
342 平滑化処理部
35 閾値変換部
Claims (12)
- 初期パターンをドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換する確率変換部と、
前記確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けた密度分布空間において最大値を示す画素を、ドットを打点する画素として決定するとともに、当該ドットの打点を決定した順番を当該ドットの打点順位として決定する処理を、前記初期パターンのすべての画素について決定するまで繰り返し、前記ドットを打点する画素を決定するごとに当該画素の位置に応じて前記密度分布空間を更新する繰り返し処理部と、
前記初期パターンのすべての画素についての前記ドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得る閾値変換部と、を備え、
前記確率変換部は、網点を形成するようにあらかじめ作成された閾値マトリクスを前記初期パターンとして使用し、前記初期パターンを階調変換処理後、平滑化処理することにより、前記確率分布空間を得ることを特徴とする画像処理装置。 - 前記繰り返し処理部は、前記ドットを打点する画素を決定するごとに、前記ドットの打点を決定した各画素を示すドット打点空間を更新し、前記ドット打点空間を平滑化処理することにより、前記更新した密度分布空間を得ることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記繰り返し処理部は、前記密度分布空間のみを更新することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 前記確率変換部は、前記平滑化処理の範囲の長さを、前記閾値マトリクスにより形成する網点間の距離よりも短くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記確率変換部は、前記平滑化処理の範囲の長さを、主走査方向と副走査方向とで異ならせることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記階調変換処理は、2値化処理であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記階調変換処理は、入力値が、第1閾値より小さい場合は最小値を出力し、第1閾値以上第2閾値以下の場合は傾きが1以上の一次式において入力値に対応する出力値を出力し、第2閾値より大きい場合は最大値を出力する処理であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記初期パターンとして使用する前記閾値マトリクスは、ブルーノイズ特性又はグリーンノイズ特性を有する閾値マトリクスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記初期パターンとして使用する前記閾値マトリクスは、前記閾値変換部により得られた閾値マトリクスであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記閾値変換部により得られた閾値マトリクスを用いて、画像にスクリーン処理を施すスクリーン処理部を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像処理装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
- (a)初期パターンをドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換するステップと、
(b)前記確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けた密度分布空間において最大値を示す画素を、ドットを打点する画素として決定するとともに、当該ドットの打点を決定した順番を当該ドットの打点順位として決定する処理を、前記初期パターンのすべての画素について決定するまで繰り返し、前記ドットを打点する画素を決定するごとに当該画素の位置に応じて前記密度分布空間を更新するステップと、
(c)前記初期パターンのすべての画素についての前記ドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得るステップと、を含み、
前記ステップ(a)では、網点を形成するようにあらかじめ作成された閾値マトリクスを前記初期パターンとして使用し、前記初期パターンを階調変換処理後、平滑化処理することにより、前記確率分布空間を得ることを特徴とする閾値マトリクスの整形方法。
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