JP6565041B1 - トイレ空間の環境制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 トイレ空間本来の使用目的である排泄を行いたい使用者による個室空間の利用に支障をきたすことがないように、個室空間内で一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに必要とする期間を短縮することが可能なトイレ空間の環境制御システムを提供することを目的とする。【解決手段】 個室空間内の照度を変更可能な照明装置を制御することによって、個室空間内の照度をゼロにしないように、平常時の前記個室空間内の照度よりも照度を低下させる照明リラックス制御を実行した後、個室空間内の照度を上昇させる照明覚醒制御を実行すると共に、照明覚醒制御において、照明リラックス制御を実行する前の平常時の個室空間内の照度よりも高い照度まで個室空間内の照度が上昇するように照明装置の照度を制御することを特徴とする。【選択図】 図6

Description

本発明は、トイレ空間の環境制御システムに関する。
近年、働きやすさの追求のため、在宅勤務をはじめとしたリモートワークを推進する動きが活発化している。その一方で、リモートワークが常になることによって面と向かってのコミュニケーションを取る機会が減り、その結果、生産性が低下することが危惧されている。そのため、現在は、働きやすさを追求すると共に、生産性が低下することがないように、これまで以上にオフィスでの生産性の向上が求められている。
ところで、オフィスでの生産性を向上させるためには、生体が活性化しており作業を集中して行うことが可能な覚醒状態と、生体が鎮静化しており疲労感を回復することが可能なリラックス状態との切り替えを適切に行うことが有効であることが知られている。そのため、従来から執務室の照明は、生体を活性化させる効果のある高照度の照明を使用し、休憩室の照明は、生体を鎮静化させる効果のある低照度の照明を使用することが、2010年のJIS照度基準では推奨されていた。
一方で、生体の鎮静化と活性化による作業性の向上はオフィスに限らず、例えば高速道路のサービスエリア等の公共施設においても必要性は高い。例えばサービスエリアにおいて自動車の運転者には休息が必要であるが、運転の再開の際には集中力が求められる。
これらに対して、一度リラックス状態になってしまうと、再び作業を集中して行うことが可能な覚醒状態になるまでに期間を必要とするため、休憩直後は集中して作業を行うことができず生産性が低下してしまうという課題が知られている。
この課題に対して、特許文献1には、生体を鎮静化させる刺激を与えた直後に生体を活性化させる刺激を与えることで、一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに必要とする期間を短縮することが記載されている。
特開平2−213568号公報
萩原啓、荒木和典、道盛章弘、"短期間リフレッシュ法とその生理的評価"、[online]、平成3年6月1日発行、人間工学第27巻特別号、[平成30年8月28日検索]、インターネット<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jje1965/27/Supplement/27_Supplement_206/_article>
しかし、特許文献1に記載されたような、使用者の緊張をほぐすように導くリラックス誘導装置と、使用者に意識の水準を高めるような適度の刺激を与えるリフレッシュ刺激装置とを備えた特別な個室空間を導入することは、空間の制約や費用の面で実現性に乏しかった。そこで本発明者らは、元々個室空間を備えているトイレ空間を利用し、特許文献1に記載の制御を行うことで空間や費用の面での導入のハードルを下げることを思い付いた。
しかしながら、特許文献1と同じ開発者によって同時期に発表された非特許文献1によると、一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでには、特許文献1に記載された制御によって短縮されてもなお10〜20分を必要としていた。そのため、特許文献1に記載された制御をそのままトイレ空間に適用すると、一人当たりのトイレ空間の占有期間が長くなり過ぎることにより、トイレ空間本来の使用目的である排泄を行いたい人によるトイレ空間の使用に支障をきたすという新たな課題が生じた。
本発明は、このような課題を解決するものであり、トイレ空間本来の使用目的である排泄を行いたい人によるトイレ空間の使用に対して支障をきたすことがないように、個室空間内で一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに必要とする期間を短縮することが可能なトイレ空間の環境制御システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、第1の発明の態様に係るトイレ空間の環境制御システムは、オフィスが設けられた建物、または公共の施設に設置されるトイレ空間の環境制御システムであって、トイレ空間は、大便器を備える個室空間と、個室空間内に設置され、個室空間内の照度を変更可能な照明装置と、照明装置を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、個室空間内の照度をゼロにしないように、平常時の前記個室空間内の照度よりも照度を低下させる照明リラックス制御を実行した後、個室空間内の照度を上昇させる照明覚醒制御を実行すると共に、さらに制御装置は、照明覚醒制御において、照明リラックス制御を実行する前の個室空間内の照度である平常時の照度よりも高い照度まで個室空間内の照度が上昇するように照明装置の照度を制御する。
特許文献1において、一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに10〜20分という長い期間を必要としていた。その理由の一つに、リラックス制御時において、個室空間内の照度をゼロにして個室空間内を暗闇にすることで、使用者の活性度を完全に低下させ睡眠状態にしようとしていたことが挙げられる。
本発明の第1の態様によれば、個室空間内の使用者を睡眠状態にしないようにするため、照明リラックス制御時において、個室空間内の照度をゼロにしないように照明装置を制御している。また、照明リラックス制御によって低下させた使用者の活性度を、平常状態と同程度の活性度まで上昇させるために、照明リラックス制御後に行う照明覚醒制御時において、照明リラックス制御を実行する前の個室空間内の照度である平常時の照度よりも高い照度まで個室空間内の照度が上昇するように照明装置を制御している。つまり、制御装置は、照明リラックス制御時の個室空間内の照度(≠0)<平常時の個室空間内の照度<照明覚醒制御時の個室空間内の照度となるように照明装置を制御している。これによって、個室空間内で一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに必要とする期間を短縮することが可能なトイレ空間の環境制御システムを提供することができる。
第2の発明の態様に係るトイレ空間の環境制御システムは、第1の発明において、制御装置は、平常時の個室空間内の照度から照明リラックス制御時の個室空間内の照度を引いたときの第1の照度差よりも、照明覚醒制御時の個室空間内の照度から平常時の個室空間内の照度を引いたときの第2の照度差の方が大きくなるように照明装置を制御する。
本発明の第2の態様によれば、照明リラックス制御によって低下させた使用者の活性度を、平常状態と同程度の活性度まで上昇させるのではなく、平常状態よりも活性化した状態まで上昇させようとしている。そのため、制御装置は、平常時の個室空間内の照度と照明リラックス制御時の個室空間内の照度との照度差よりも、平常時の個室空間内の照度と照明覚醒制御時の個室空間内の照度との照度差が大きくなるように照明装置を制御している。つまり、制御装置は、{平常時の個室空間内の照度−照明リラックス制御時の個室空間内の照度(≠0)}=第1の照度差<(照明覚醒制御時の個室空間内の照度−平常時の個室空間内の照度)=第2の照度差となるように照明装置を制御している。これによって、照明リラックス制御で低下させた使用者の活性度を強く高めることが可能となり、個室空間内で一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに必要とする期間をより短縮することが可能なトイレ空間の環境制御システムを提供することができる。
第3の発明の態様に係るトイレ空間の環境制御システムは、第1または第2の発明において、制御装置は、平常時の照度から照明リラックス制御時の照度を引いたときの第1の照度差と照明リラックス制御を実行している期間とを乗算した結果であるリラックス刺激値よりも、照明覚醒制御時の照度から照明リラックス制御時の照度を引いたときの第3の照度差と照明覚醒制御を実行している期間とを乗算した結果である覚醒刺激値の方が大きくなるように照明装置を制御する。
本発明の第3の態様によれば、照明リラックス制御によって低下させた使用者の活性度を、平常状態と同程度の活性度まで上昇させるのではなく、平常状態よりも活性化した状態まで上昇させようとしている。そのため、制御装置は、平常時の個室空間内の照度と照明リラックス制御時の個室空間内の照度との照度差に照明リラックス制御時の期間を乗算したリラックス刺激値よりも、照明リラックス制御時の個室空間内の照度と照明覚醒制御時の個室空間内の照度との照度差に照明覚醒制御時の期間を乗算した覚醒刺激値が大きくなるように照明装置を制御している。つまり、制御装置は、{平常時の個室空間内の照度−照明リラックス制御時の個室空間内の照度(≠0)}×照明リラックス制御の期間=リラックス刺激値<(照明覚醒制御時の個室空間内の照度−照明リラックス制御時の個室空間内の照度)×照明覚醒制御の期間=覚醒刺激値としている。これによって、照明リラックス制御で低下させた使用者の活性度をより強く高めることが可能となり、個室空間内で一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに必要とする期間をより短縮することが可能なトイレ空間の環境制御システムを提供することができる。
第4の発明の態様に係るトイレ空間の環境制御システムは、第3の発明において、前記制御装置は、前記照明覚醒制御を実行している期間の長さが前記照明リラックス制御を実行している期間以下の長さとなるように、前記照明装置を制御する。
生体を活性化させる効果のある照明覚醒制御は、使用者に対する視覚刺激を大きくする制御であるため、照明装置による視覚刺激の変化に対する反応として生体は急峻に活性化する。一方で、生体を鎮静化させる効果のある照明リラックス制御は、使用者に対する視覚刺激を小さくする制御であるため、照明装置による視覚刺激の変化に対する反応として生体は緩慢に鎮静化する。従って、生体を鎮静化させるために必要とする期間は、生体を活性化させるために必要とする期間よりも長くかかる傾向にある。
第4の発明の形態によれば、制御装置は、生体を鎮静化させるための期間に対して比較的短い期間しか必要としない生体を活性化させるための期間を不必要に長くならないように制御している。つまり、制御装置は、照明リラックス制御の実行期間≧照明覚醒制御の実行期間となるように制御している。これによって、一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに必要とする期間を不必要に長くすることが可能なトイレ空間の環境制御システムを提供することができる。
第5の発明の態様に係るトイレ空間の環境制御システムは、第1乃至第4のいずれか一つの発明において、トイレ空間は、トイレ空間内の混雑状況を検知する混雑検知装置を備え、制御装置は、混雑検知装置の検知結果に基づいて、制御装置が実行する制御の実行期間を短縮する。
本発明の第5の態様によれば、混雑検知装置によってトイレ空間内が混んでいることが検知された場合、制御装置は、使用者をリラックス状態または覚醒状態に導くための各制御の実行期間を短縮したり、各制御を実行することを禁止(=制御の実行期間をゼロに短縮)したりできるようになる。これによって、トイレ空間本来の使用目的である排泄を行いたい使用者による個室空間の利用に支障をきたすことを防止できるトイレ空間の環境制御システムを提供することができる。
第6の発明の態様に係るトイレ空間の環境制御システムは、第1乃至第5のいずれか一つの発明において、個室空間の内部または外部に設けられ、照明リラックス制御または照明覚醒制御の少なくとも一つの制御の実行状態をトイレ空間の利用者に報知する報知装置を有する。
本発明の第6の態様によれば、個室空間内の使用者に対してリラックス状態または覚醒状態に導くための各制御を実行している場合、個室空間の内部の使用者に対して、当該制御終了までの残り時間を報知することができる。または、個室空間の外部で個室空間の使用を待つ使用者に対して、個室空間内の使用者が当該制御を実行中であることや、当該制御終了までの残り時間を報知することができる。これにより、待ち時間の短縮や、他の個室への誘導ができ、本来の使用目的である排泄を行いたい使用者への支障を取り除くことができる。
本発明によれば、トイレ空間本来の使用目的である排泄を行いたい使用者による個室空間の利用に支障をきたすことがないように、個室空間内で一度リラックス状態になった人を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに必要とする期間を短縮することが可能なトイレ空間の環境制御システムを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムをブロック図で模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置が実行する制御の概念図を模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置が実行するリフレッシュ制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置がリフレッシュ制御中に実行するリラックス制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置がリフレッシュ制御中に実行する覚醒制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置が実行するリフレッシュ制御の一例を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置が実行するリフレッシュ制御中の個室空間内の照度を示した概念図である。 本発明に係るトイレ空間の環境制御システムの実証試験において、制御装置が実行するリフレッシュ制御に対する被験者の生理測定の結果を示した図である。
以下で説明する実施形態は、いずれも本開示の一実施形態を示すものである。以下の実施形態で示される構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などはあくまで一例であり、本発明を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムをブロック図で模式的に示した図である。
図1に示すように、トイレ空間の環境制御システム100は、照明装置200と、制御装置400とを有する。さらに、映像出力装置300と、混雑検知装置500と、報知装置600を有することが好ましい。
照明装置200は、トイレ空間内において大便器が備えられた個室空間に設置され、個室空間内の照度を変更可能な照明である。このために、照明装置200は、例えば、異なる照度に調光可能な単一のLEDや、異なる照度を有する複数のLEDなどの照明機器を備える。また、照明装置200は、個室空間の上方側に設けられる電球形状の照明機器に限られず、個室空間の壁面に設けられるパネル形状の照明機器であってもよい。なお、照明装置200は、個室空間内への単数の配置であってもよいが、複数設置することにより視覚的効果を得ることができる。
映像出力装置300は、トイレ空間内において大便器が備えられた個室空間内に静止画または動画による映像を出力する装置である。このために、映像出力装置300は、例えば、個室空間内の壁面に取り付けられるLCD(液晶ディスプレイ)やOLED(有機ELディスプレイ)等の表示装置や、個室空間内に映像を投影するプロジェクタなどを備える。表示装置の表示面のサイズやプロジェクタにより投影する映像のサイズに制限はないが、使用者の視野全体に広がる大きなサイズとするとより視覚的効果を得ることができる。なお、映像出力装置300は出力する映像に関連する音を映像と共に出力してもよい。
制御装置400は、照明装置200を制御する装置である。また、制御装置400は、映像出力装置300が出力する映像も制御できることが好ましい。制御装置400は、自動操作または手動操作に基づいて制御指示を照明装置200及び映像出力装置300に送信する。このために、制御装置400は、例えば、自動操作のために予め制御指示が記憶されたメモリや、使用者による手動操作のための入力ボタン、そして制御指示を照明装置200及び映像出力装置300に制御指示を送信するための送信部などを備える。
混雑検知装置500は、トイレ空間内の混雑状況を検知する装置である。混雑検知装置500は、個室空間外である洗面台などが設けられた共有空間における使用者の有無や、他の個室空間内における使用者の有無などを検知したりする。混雑検知装置500によって検知された混雑状況に関する情報を利用することで、制御装置400によって実行される各制御にかかる期間をトイレ空間の混雑状況に応じて短縮することができる。
例えば、混雑検知装置500によってトイレ空間内が混んでいることが検知された場合、制御装置400は、使用者をリラックス状態または覚醒状態に導くための各制御の実行期間を短縮したり、各制御を実行することを禁止(=制御の実行期間をゼロに短縮)したりできるようになる。これによって、トイレ空間本来の使用目的である排泄を行いたい使用者による個室空間の利用に支障をきたすことを防止できる。このために、混雑検知装置500は、例えば、カメラやドアセンサ、人体検知センサ、着座検知センサなどを用いることができる。
ドアセンサとしては、例えば、個室空間のドアにマグネットセンサや変位センサ、振動センサなどの検出手段を用いることができる。これによって、他の個室空間におけるドアの開閉状態を検知し、使用者の有無から混雑状況を推測できる。
また、人体検知センサとしては、例えば、赤外線ラインセンサやマイクロ波センサなどの検出手段を用いることができる。これによって、個室空間の出入口付近に滞在している使用者の有無を検知し、個室空間を使用したい使用者の有無から混雑状況を検知できる。
また、着座検知センサとしては、例えば、歪みセンサや圧力センサ、赤外線センサなどの検知手段を用いることができる。これによって、他の個室空間における使用者の着座状態を検知し、使用者の有無から混雑状況を推測できる。
報知装置600は、使用者をリラックス状態または覚醒状態に導くための各制御が実行された際に、個室空間内の人に当該制御時間の残り時間を報知したり、個室空間の外の共有空間で個室空間の使用を待つ人に当該制御の実行状態を報知したりするものである。報知装置600にはLCD(液晶表示装置)やOLED(有機ELディスプレイ)等の表示装置や、光の色や配置、点滅周期等を変化させることができるLED等の照明装置を用いることができ、個室空間内や共有空間内の壁面などに配置される。当該制御が実行されると、制御装置400は報知装置600に当該制御にかかる情報を送信し、報知装置600はこれを表示させる。報知装置600には、例えば当該制御の実行の有無や当該制御の終了までの残り時間等があげられる。
図2は、本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置が実行する制御の概念図を模式的に示した図である。以下、図2を参照しつつ、本発明の制御装置が実行するリフレッシュ制御について説明する。
リフレッシュ制御460は、使用者を一度リラックス状態にするためにリラックス制御420を実行した直後に、使用者を再び集中して作業を行うことが可能な集中状態にするために覚醒制御440を実行する制御である。
リラックス制御420は、照明装置200による照明リラックス制御422を有する。また、リラックス制御420は、映像出力装置300による映像リラックス制御424と、照明リラックス制御422及び映像リラックス制御424を実行する期間を重複させる複合リラックス制御426とを備えることが好ましい。
照明リラックス制御422は、照明装置200の照度を平常時の照度よりも低照度に変更することで、個室空間内の使用者に与える視覚刺激を低下させる制御である。これによって、人の精神状態を副交感神経が優位なリラックス側へ導き生体を鎮静化させる。
映像リラックス制御424は、アルファ波減衰試験(Alpha Attenuation Test:AAT)を行った際に、アルファ波の出現量が少なく、アルファ波の減衰が顕著に表れなかった映像(第1の映像)を映像出力装置300に出力させる制御である。これによって、人の精神状態を副交感神経が優位なリラックス側へ推移させる。
なお、アルファ波減衰試験とは、脳波であるアルファ波の出現量とその減衰が、生体の活性度に対応して変動する特性を利用する脳の活性度の評価手法である。安静状態で閉眼と開眼を反復することによって生じるアルファ波の出現量、及び、閉眼時に対する開眼時のアルファ波の減衰から、生体の活性度を数値指標化する。
この試験を行った結果、映像リラックス制御424において出力する映像として適した映像とは、例えば、自然の森の映像のように、色温度が低く、動きが無い又は動きが殆ど無いことから視覚刺激の少ない映像や、平均的な人に安らぎや平穏といったものを想起させることで生体をリラックス側へ導く精神生理的反応を引き起こす映像であった。
複合リラックス制御426は、照明リラックス制御422及び映像リラックス制御424を実行する期間を重複させて行う制御である。これによって、照明装置200と映像出力装置300による複数の異なる視覚刺激が連動し、相乗効果を得ることが可能となる。そのため、複合リラックス制御426を実行することで、照明リラックス制御422のみを実行するときよりも短期間で使用者の生体を鎮静化させることが可能となる。
覚醒制御440は、照明装置200による照明覚醒制御442を有する。また、覚醒制御440は、映像出力装置300による映像覚醒制御444と、照明覚醒制御442及び映像覚醒制御444を実行する期間を重複させる複合覚醒制御446とを備えることが好ましい。
照明覚醒制御442は、照明装置200の照度を高照度に変更することで、個室空間内の使用者に与える視覚刺激を上昇させる制御である。これによって、人の精神状態を交感神経が優位な覚醒側へ導き生体を活性化させる
映像覚醒制御444は、アルファ波減衰試験(Alpha Attenuation Test:AAT)を行った際に、アルファ波の出現量が多く、アルファ波の減衰が顕著に表れた映像(第2の映像)を映像出力装置300に出力させる制御である。これによって、人の精神状態を交感神経が優位な覚醒側へ推移させる。
この試験を行った結果、映像覚醒制御444において出力する映像として適した映像とは、例えば、自然の海の映像の様に、色温度が高く、映像に動きがあることから視覚刺激の多い映像や、平均的な人に緊張や不安といったものを想起させることで生体を覚醒側へ導く精神生理的反応を引き起こす映像であった。
複合覚醒制御446は、照明覚醒制御442及び映像覚醒制御444を実行する期間を重複させて行う制御である。これによって、照明装置200と映像出力装置300による複数の異なる視覚刺激が連動し、相乗効果を得ることが可能となる。そのため、複合覚醒制御446を実行することで、照明覚醒制御442のみを実行するときよりも短時間で使用者の生体を活性化させることが可能となる。
図3は、本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置が実行するリフレッシュ制御の一例を示すフローチャートである。以下、図3を参照しつつ、本発明の実施形態にかかるトイレ空間の環境制御システムにおける制御フローを説明する。
ステップS301において、使用者による個室空間内への入室、または、使用者による個室空間内の大便器の着座部に着座を検知する。これによって個室空間内に使用者が存在することが検知されたとき、次のステップS302に移行する。なお、個室空間内への入室の有無は、ドアセンサや人体検知センサによって検知することができる。また、大便器の着座部への着座の有無は、着座検知センサによって検知することができる。
ステップS302において、混雑検知装置500によって個室空間外の混雑状況が検知された場合(ステップS302、Yes)、制御装置400は使用者をリラックス状態および覚醒状態に導くためのリフレッシュ制御460を実行することを禁止する。このとき、報知装置600を用いて個室空間内の使用者に個室空間外が混雑していることを報知してもよい。
その一方で、ステップS302において、混雑検知装置500によって、個室空間外の混雑状況が検知されなかった場合(ステップS302、No)、次のステップS303に移行し、制御装置400は、使用者をリラックス状態および覚醒状態に導くためのリフレッシュ制御460を選択することを許可する。なお、ステップS303におけるリフレッシュ制御460の選択は、使用者による入力を基に実行する手動操作であっても、着座検知などを起点に実行する自動操作であっても良い。あるいは時間帯等の所定条件に応じて実行するか否かを自動的に決定するものであっても良い。
制御装置400は、ステップS303において選択されたリフレッシュ制御460に関する情報を送信し、報知装置600は、個室空間内部、及び個室空間外部に対して、選択されたリフレッシュ制御460に関する情報を報知する(ステップS304)。
そして、制御装置400は、テップS303において選択されたリフレッシュ制御460の実行を開始する(ステップS305〜ステップS320)。
リフレッシュ制御460は、初めにリラックス制御420の実行した後(ステップS306〜ステップS312)、覚醒制御440を実行する(ステップS313〜ステップS319)。なお、リラックス制御420および覚醒制御440において、制御装置400が照明装置200及び映像出力装置300を制御することで実行する、照明リラックス制御422、映像リラックス制御424、照明覚醒制御442および映像覚醒制御444の制御フローについては、図4及び図5で後述する。
リラックス制御420または覚醒制御440を実行中に、混雑検知装置500によって、個室空間外部の混雑状況が検知された場合(ステップS307またはステップS314、Yes)、制御装置400は、リラックス制御420または覚醒制御440の実行期間を短縮するよう制御する(ステップS308またはステップS315)。
また、リラックス制御420または覚醒制御440を実行中に、使用者による停止ボタンへの入力操作が検知された場合(ステップS309またはステップS316、Yes)、制御装置400は、リラックス制御420または覚醒制御440の実行を強制終了する(ステップS312またはステップS319)。
また、リラックス制御420または覚醒制御440を実行中に、着座部からの離座が所定時間検知された場合(ステップS310またはステップS317、Yes)、制御装置400は、リラックス制御420または覚醒制御440の実行を強制終了する(ステップS312またはステップS319)。着座検知センサを用いた使用者による着座部への検知は、使用者が姿勢を変えること等によって1秒程度の時間に亘って離座と検知されてしまうことがある。そのため、所定時間とは、例えば5秒程度の時間を設定することが好ましい。
リラックス制御420または覚醒制御440を実行してから所定時間経過していない場合、(ステップS311またはステップS318、No)、制御装置400は、リラックス制御420または覚醒制御440を実行し続ける。
そして、制御装置400は、リフレッシュ制御460の実行を終了すると同時に(ステップS320)、報知装置600による個室空間内、及び個室空間外部に対する報知を終了する。(ステップS321)。
なお、図3では図示しないが、使用者による停止ボタンの操作や誤作動等によってリフレッシュ制御460が強制終了された場合、再度リフレッシュ制御460の選択を行うことが可能なようにステップS303に戻るように設定してもよい。この場合にリフレッシュ制御460が再び選択された場合、個室内部または個室外部への報知が再び実行される(S304)。
最後に、使用者による個室空間からの退室が検知されることで、使用者による一回の個室空間の利用に伴う、制御装置400による制御が終了する(ステップS322)。
図4は、本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置がリフレッシュ制御中に実行するリラックス制御の一例を示すフローチャートである。
図5は、本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置がリフレッシュ制御中に実行する覚醒制御の一例を示すフローチャートである。
以下、図4および図5を参照しつつ、本発明の実施形態にかかるトイレ空間の環境制御システムにおけるリラックス制御および覚醒制御の制御フローを説明する。
入力操作または自動操作によって、リフレッシュ制御460を実行することが選択されたとき、制御装置400は、初めにリラックス制御420に対応する制御指示を照明装置200に送信し照明リラックス制御422を実行する(ステップS402)。また、リラックス制御420を実行後、覚醒制御440に対応する制御指示を照明装置200に送信し照明覚醒制御442を実行する(ステップS502)。
そして、照明装置200によって変更された個室空間内の照度が、照明リラックス制御422において予め規定された所定の照度に至った場合(ステップS403、Yes)、制御装置400は、映像リラックス制御424に対応する制御指示を映像出力装置300に送信し、映像リラックス制御424を実行する(ステップS404)。
また、照明装置200によって変更された個室空間内の照度が、照明覚醒制御442において予め規定された所定の照度に至った場合(ステップS503、Yes)、制御装置400は、映像覚醒制御444に対応する制御指示を映像出力装置300に送信し、映像覚醒制御444を実行する(ステップS504)。
その後、制御装置400は、所定期間に亘って、照明装置200と映像出力装置300とによる、照明リラックス制御422と映像リラックス制御424とを実行する期間を重複させる複合リラックス制御426、または、照明覚醒制御442と映像覚醒制御444とを実行する期間を重複させる複合覚醒制御446を実行する(ステップS405またはステップS505)。
そして、複合リラックス制御426または複合覚醒制御446を実行してから所定時間経過した場合(ステップS405またはステップS505、Yes)、制御装置400は、映像出力装置300に停止指示を送信し、映像リラックス制御422または映像覚醒制御442を停止する(ステップS406またはステップS506)。
さらに、制御装置400は、照明装置300にも停止指示を送信し、照明リラックス制御422または照明覚醒制御442を停止する(ステップS407またはステップS507)。これにより、制御装置400は、リラックス制御420または覚醒制御440を終了する(ステップS408またはステップS508)。
図6は、本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置が実行するリフレッシュ制御のタイムチャートの一例を示す図である。
図7は、本発明の実施形態に係るトイレ空間の環境制御システムにおいて、制御装置が実行するリフレッシュ制御中の個室空間内の照度を示した概念図である。
以下、図6および図7を参照しつつ、リフレッシュ制御中のタイムチャート照度およびリフレッシュ制御中の個室空間内の照度について説明する。
使用者によるトイレ空間への入室が検知されたとき、または、使用者がトイレ空間の照明をOFFからONにする入力操作を行ったとき、個室空間に設けられた照明装置200は平常時の照度で点灯する(t)。このときの平常時の個室空間内の照度は、例えば、160Lx(ルクス)である。
自動操作または手動操作に基づいてリフレッシュ制御460の実行を開始するとき、制御装置400は照明装置200の照度を制御し、個室空間内の照度を、平常時の前記個室空間内の照度よりも低下させる照明リラックス制御422の実行を開始する(t)。このとき、照明装置200の照度は、例えば、60Lxである。
なお、リフレッシュ制御460において、照明リラックス制御422を実行する場合、個室空間内の照度をゼロにまで低下させないことが好ましい。個室空間内の照度をゼロに近づけるほど視覚刺激が少なくなることにより生体を鎮静化させる効果を高めることができるが、その一方で使用者の睡眠欲求を高めてしまう。すると、リラックス制御420を実行した直後に覚醒制御440を実行したとしても、使用者を再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にするまでに必要とする期間を短縮できないという課題が生じるためである。
そして、照明リラックス制御422の実行期間が予めプログラムされた所定期間を経過したとき、又は照明リラックス制御422によって低下された個室空間内の照度が予めプログラムされた照度に至ったとき、制御装置400は、映像出力装置300を制御し、暖色系などの低い色温度の映像や、人に安らぎや平穏といった精神生理的反応を引き起こす効果がある映像を出力する映像リラックス制御424を開始する(t)。このとき、映像出力装置300が出力する映像は、例えば、森の映像などである。
その後、制御装置400は、予めプログラムされた所定期間にわたって、照明リラックス制御422及び映像リラックス制御424を実行する期間を重複させて行う複合リラックス制御426を実行する(t〜t)。このとき、複合リラックス制御426は、例えば、3.5分間にわたって実行される。
そして、複合リラックス制御426を実行してから所定期間経過後、制御装置400は、映像出力装置300に対して映像リラックス制御424の停止指示を送信する(t)。同時に、制御装置400は照明装置200の照度を制御し、個室空間内の照度を上昇させる照明覚醒制御442の実行を開始する。
なお、リフレッシュ制御460において、照明リラックス制御422の実行期間中に、映像覚醒制御444を実行してしまうと、個室空間内の照度と映像出力装置300が出力する映像の照度との照度差が大きくなることにより、使用者が強すぎる視覚刺激を受けてしまうおそれがある。そのため、制御装置400は、照明リラックス制御422の実行期間中においては、映像覚醒制御444を実行しないように制御することが好ましい。
そして、照明覚醒制御442の実行期間が予めプログラムされた所定期間を経過したとき、又は照明覚醒制御442によって上昇された個室空間内の照度が予めプログラムされた照度に至ったとき、制御装置400は、映像出力装置300を制御し、寒色系などの高い色温度の映像や、人に緊張や不安といった精神生理的反応を引き起こす効果がある映像を出力する映像覚醒制御444を開始する(t)。このとき、照明装置200の照度及は、例えば、400Lxであり、映像出力装置300が出力する映像は、例えば、海の映像などである。
なお、リフレッシュ制御460において、照明覚醒制御442を実行する場合、図7に示したように、照明覚醒制御442を実行しているときの個室空間内の照度を、リフレッシュ制御460を実行する前の平常時の個室空間内の照度よりも大きくなるように制御することが好ましい。つまり、平常時の個室空間の照度<照明覚醒制御442時の個室空間の照度にすることが好ましい。これによって、一度鎮静化させた使用者の生体を活性化させ、短期間で再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にすることができる。
さらに言えば、リフレッシュ制御460において、照明リラックス制御422と照明覚醒制御442を実行する場合、図7に示したように、リフレッシュ制御460を実行する前の平常時の個室空間内の照度と照明リラックス制御422を実行しているときの個室空間内の照度との差である第1の照度差よりも、リフレッシュ制御460を実行する前の平常時の個室空間内の照度と照明覚醒制御444を実行しているときの個室空間内の照度との差である第2の照度差の方が大きくなるように制御することが好ましい。つまり、第1の照度差(平常時の個室空間の照度−照明リラックス制御422時の個室空間内の照度)<第2の照度差(照明覚醒制御442時の個室空間内の照度−平常時の個室空間内の照度)にすることが好ましい。これによって、一度鎮静化させた使用者の生体を活性化させ、短期間で再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にすることができる。
その後、制御装置400は、予めプログラムされた所定期間にわたって、照明覚醒制御442及び映像覚醒制御444を実行する期間を重複させて行う複合覚醒制御446を実行する(t〜t)。このとき、複合覚醒制御446は、例えば、1.5分間にわたって実行される。
なお、リフレッシュ制御460における複合覚醒制御446の実行期間は、リフレッシュ制御460を実行する前の平常時の個室空間内の照度と照明リラックス制御422を実行しているときの個室空間内の照度との差である第1の照度差に、照明リラックス制御422を実行している期間を乗算した結果であるリラックス刺激値よりも、照明リラックス制御422を実行している時の個室空間内の照度と照明覚醒制御444を実行しているときの照度との差である第3の照度差に、照明覚醒制御442を実行している期間を乗算した結果である覚醒刺激値の方が大きくなるように制御することが好ましい。
つまり、図7に示したように、リラックス刺激値(第1の照度差×照明リラックス制御422の実行期間)<覚醒刺激値(第3の照度差×照明覚醒制御442の実行期間)にすることが好ましい。これによって、一度鎮静化させた使用者の生体を活性化させ、短期間で再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にすることができる。
さらに言えば、リフレッシュ制御460において、複合覚醒制御446の実行期間の長さが、複合リラックス制御426の実行期間以下の長さになるように制御することが好ましい。つまり、複合リラックス制御426の実行期間≧複合覚醒制御446の実行期間とすることが好ましい。
生体を活性化する効果のある覚醒制御440は、使用者に対する視覚刺激を大きくする制御であるため生体が即座に反応するのに対して、生体を鎮静化させる効果のあるリラックス制御420は生体が緩慢に反応する。そのため、比較的長い期間を必要とするリラックス制御420にかける期間を長くすることで、使用者の生体を短期間且つ効果的に鎮静化させた後、リラックス刺激値<覚醒刺激値となるように使用者に視覚刺激を与えることで、短期間で再び集中して作業を行うことが可能な覚醒状態にすることができる。
そして、予めプログラムされた所定期間経過後、制御装置400は、照明装置200及び映像出力装置300に対して各制御の停止指示を送信する(t)。その後、個室空間内の照度が、平常時の照度に至ることで、制御装置400によるリフレッシュ制御460は終了する(t)。
図8は、本発明に係るトイレ空間の環境制御システムの実証試験において、制御装置が実行するリフレッシュ制御に対する被験者の生理測定の結果を示した図である。以下、図8を参照しつつ、実証試験の結果を説明する。
本件発明者らは、実証試験の環境として、大便器と照明装置200を設置した個室を用意した。被験者には試験中、大便器に座った状態のまま、できるだけ身体を動かさないように指示した。そして、被験者の指先に、BRCバイオリサーチセンター株式会社から販売されている脈波測定器具であるTN1012/STを付けることで脈波を計測した。
脈波に基づく生理測定は、計測した脈波を低周波成分(LF)と高周波成分(HF)に分け、LFの割合が高いほど交感神経優位で覚醒状態になっている、HFの割合が高いほど副交感神経優位でリラックス状態になっているとした。
個室空間内の照度は、大便器の着座部に着座したときの被験者の目の位置(着座部の中央の鉛直上方向であり、且つ、個室空間の床面より1100mmの高さ位置)、膝上の位置(着座部の先端部の鉛直上方向であり、且つ、個室空間の床面より500mmの高さ位置)、大便器の正面に設けられる個室空間の壁面(扉)の下方に存在する床面の角部の位置、及び被験者の目線の先の位置(大便器の正面に設けられる個室空間の壁面(扉)において個室空間の床面より1000mmの高さ位置)の4か所の平均値とした。
なお、照度はコニカミノルタ株式会社から販売されている分光放射照度計CL−500Aを用いて計測した。
実証試験では、初めに、被験者にオフィスで働いている時と同様の精神状態を再現してもらうために、個室空間の外部にてオフィスを模した音声付きの動画を出力すると共に、所定数から二桁の数を引き続ける算術問題に5分間、口頭で回答することを課した。このとき、被験者には、扉を開けることで開空間とした個室空間の内部からその音声付きの動画を見てもらった。なお、このときの個室空間内の照度は、平常時の個室空間内の照度を模して160Lxとした。
次に、オフィスを模した音声付きの動画の出力を停止すると共に、扉を閉めることで個室空間を閉空間とした。なお、このときの個室空間の照度は160Lxのままとした。
その後に引き続き行う実証試験において、照明リラックス制御422を実行したことによる使用者の精神状態を再現する時は、照明装置200を制御し個室空間内の照度を低下させた。また、照明覚醒制御442を実行したことによる使用者の精神状態を再現する時は、照明装置200を制御し個室空間内の照度を上昇させた。
照明装置200の照度と、各制御の実行期間のみを変更することで実行するリフレッシュ制御460の評価条件は4条件とし、すべての評価条件で、照明リラックス制御422を実行する時の個室空間内の照度は60Lx、実行期間を5分間とした。評価を行った4条件の詳細は以下の通りである。
評価条件1では、照明覚醒制御442を実行しなかった。
評価条件2では、照明覚醒制御442を実行する時の個室空間内の照度は200Lx、実行期間を5分間とした。つまり、平常時の個室空間の照度<照明覚醒制御442時の個室空間の照度の条件であり、且つ、第1の照度差>第2の照度差の条件である。
評価条件3では、照明覚醒制御442を実行する時の個室空間内の照度は400Lx、実行期間は5分間とした。つまり、第1の照度差<第2の照度差の条件であり、且つ、リラックス刺激値<覚醒刺激値の条件である。
評価条件4では、照明覚醒制御442を実行する時の個室空間内の照度は400Lx、実行期間は0.5分間とした。つまり、リラックス刺激値>覚醒刺激値の条件である。
図8に示した、初期状態の値は、リフレッシュ制御460を実行する直前2.5分間の測定値であり、実証試験後の値は、リフレッシュ制御460終了直前の2.5分間の測定値である。但し、評価条件4では、照明覚醒制御442の実行期間が2.5分間に満たないため、照明覚醒制御442の実行後、個室空間の扉を開け、オフィスを模した音声付き動画を被験者に見せ、照明覚醒制御の実行期間0.5分間と、オフィスを模した空間での2.0分間との合計2.5分間の測定値を用いた。なお、図6に示した結果は、被験者全員の平均値である。
図8に示したように、照明リラックス制御422のみを実行した評価条件1よりも、照明覚醒制御を実行した評価条件2、評価条件3、及び評価条件4の方が、被験者はリラックス状態から覚醒状態に推移していることが確認できた。
また、第1の照度差>第2の照度差の条件である評価条件2よりも、第1の照度差<第2の照度差の条件である評価条件3の方が、被験者はより強く覚醒状態に推移していることが確認できた。
さらに、リラックス刺激値>覚醒刺激値の条件である評価条件4よりも、リラックス刺激値<覚醒刺激値の条件である評価条件3の方が、被験者はより強く覚醒状態に推移していることが確認できた。
実証試験を行った結果、照明リラックス制御422を実行することで使用者を一度リラックス状態にしたとしても、照明覚醒制御442を適切な条件で実行することによって、使用者を短時間で覚醒状態にする効果があることが確認できた。
100・・・トイレ空間の環境制御システム
200・・・照明装置
300・・・映像出力装置
400・・・制御装置
420・・・リラックス制御
422・・・照明リラックス制御
424・・・映像リラックス制御
426・・・複合リラックス制御
440・・・覚醒制御
442・・・照明覚醒制御
444・・・映像覚醒制御
446・・・複合覚醒制御
460・・・リフレッシュ制御
500・・・混雑検知装置
600・・・報知装置

Claims (4)

  1. トイレ空間の環境制御システムであって、
    前記トイレ空間は、
    大便器を備える個室空間と、
    前記個室空間内に設置され、前記個室空間内の照度を変更可能な照明装置と、
    前記照明装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記個室空間内の照度をゼロにしないように、平常時の前記個室空間内の照度よりも照度を低下させる照明リラックス制御を実行した後、前記個室空間内の照度を上昇させる照明覚醒制御を実行すると共に、
    さらに前記制御装置は、前記照明覚醒制御において、前記照明リラックス制御を実行する前の平常時の前記個室空間内の照度よりも高い照度まで前記個室空間内の照度が上昇するように前記照明装置の照度を制御すると共に、
    さらに前記制御装置は、前記平常時の前記個室空間内の照度から前記照明リラックス制御時の前記個室空間内の照度を引いたときの第1の照度差よりも、前記照明覚醒制御時の前記個室空間内の照度から前記平常時の前記個室空間内の照度を引いたときの第2の照度差の方が大きくなるように前記照明装置を制御することを特徴とするトイレ空間の環境制御システム。
  2. 前記制御装置は、前記照明覚醒制御を実行している期間の長さが前記照明リラックス制御を実行している期間以下の長さとなるように、前記照明装置を制御することを特徴とする請求項1に記載のトイレ空間の環境制御システム。
  3. 前記トイレ空間は、前記トイレ空間内の混雑状況を検知する混雑検知装置を備え、
    前記制御装置は、前記混雑検知装置の検知結果に基づいて、該制御装置が実行する制御の実行期間を短縮することを特徴とする請求項1または2に記載のトイレ空間の環境制御システム。
  4. 前記個室空間の内部または外部に設けられ、前記照明リラックス制御または前記照明覚醒制御の少なくとも一つの制御の実行状態を前記トイレ空間の利用者に報知する報知装置を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のトイレ空間の環境制御システム。
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