JP6560808B2 - 抗(+)メタンフェタミンモノクローナル抗体 - Google Patents

抗(+)メタンフェタミンモノクローナル抗体 Download PDF

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Description

政府支援
本発明は、国立衛生研究所により授与された助成金番号DA014361、DA011560、及びGM103450の下で、政府支援によって成された。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月13日出願の米国出願第13/802,688号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、抗(+)メタンフェタミンモノクローナル抗体、及びメタンフェタミン誘導性薬理効果を遮断するかまたは減少させるための本抗体の使用方法に関する。
配列表への参照
配列表の紙面の複写、及びコンピュータ可読形態の同一の配列表を以下に添付し、参照によって本明細書に組み込む。コンピュータ可読形態で記録された情報は、37 C.F.R.1.821(f)に従って、書面の配列表と一致する。
メタンフェタミン乱用は、この10年間米国で深刻な問題となっている。薬物乱用・精神衛生管理局によると、2011年、米国におけるメタンフェタミン使用者は439,000人であった。新たなメタンフェタミン使用者は133,000人に達した。2010年には、100,000人超が薬物乱用治療を受け、彼らの主要な乱用薬物はメタンフェタミンであった。加えて、メタンフェタミン使用に関わる救急来院は、21歳以上の人口100,000人当たり54.9回であった。
メタンフェタミン乱用に対する現在の治療は、概して長期的に有効ではない。UCLAの薬物乱用治療センター(Center for Substance Abuse Treatment)(CSAT)は、治療プログラムを無事終了した患者の36%が治療後最初の6ヶ月で再び(+)メタンフェタミンを使用し、別の15%が13ヶ月以内に再び使用したことを報告した(Brecht et al.,2000)。つまり、治療プログラムを終了した患者の少なくとも半分が、最終的には再びメタンフェタミンを使用した。これらの高い累犯率は、現在の手法が主に支持的であることから発生している可能性がある。メタンフェタミン乱用及び毒性の一部の症状は効果的に治療され得るが(例えば、抗高血圧剤による高血圧の治療、薬理的補助剤による離脱からの鬱及び不安の抑制)、中毒を助長する(+)メタンフェタミン使用の快感をもたらす強化効果(すなわち、薬物使用者が渇望する多幸感の激発)を減少させる治療は存在しない。メタンフェタミン中毒に対する最も効果的な現在の治療は、患者の思考、期待、及び行動を修正し、患者が薬物回避技法を習得しながら、種々の日常的ストレス要因に対処する技能を高めるために使用される長期的手法である、認知行動介入である。
つまり、従来技術は、メタンフェタミンの重大な強化効果を減少させるための有効な薬理的手法、及びメタンフェタミン過剰摂取を効果的に治療するための手段を欠く。本発明は、当技術分野におけるこの長年の必要性及び要求を満たす。
本発明の一態様は単離抗体を包含し、該抗体は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合し、かつ(a)0〜2個のアミノ酸置換を持つ配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1と、(b)0〜2個のアミノ酸置換を持つ配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2と、(c)0〜2個のアミノ酸置換を持つ配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3と、(d)0〜2個のアミノ酸置換を持つ配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1と、(e)0〜2個のアミノ酸置換を持つ配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2と、(f)0〜2個のアミノ酸置換を持つ配列番号10のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3と、を含む。
本発明の別の態様は、薬剤として使用するため、具体的には、対象におけるメタンフェタミン使用に関連する少なくとも1つの医学的問題の治療に使用するための抗体を包含する。別の態様では、本発明は、生きた哺乳動物におけるメタンフェタミンの毒性効果、または生きた哺乳動物における中毒を助長するメタンフェタミンの効果を治療的に減弱させるのに有用な抗体を包含する。
本発明の更に別の態様は、少なくとも1つの抗(+)メタンフェタミン抗体を含む組成物を包含する。一態様では、本発明は、配列番号5〜10から選択されるCDRを含む少なくとも1つの抗(+)メタンフェタミン抗体を含む組成物を包含する。別の態様では、本組成物は、配列番号4の重鎖または配列番号3の軽鎖を含む少なくとも1つの抗(+)メタンフェタミン抗体を含む。一態様では、本発明は、少なくとも1つの抗(+)メタンフェタミン抗体を含む医薬組成物を包含する。一態様では、本発明は、配列番号5〜10、または配列番号4の重鎖、または配列番号3の軽鎖から選択されるCDRを含む少なくとも1つの抗(+)メタンフェタミン抗体を含む医薬組成物を包含する。
本発明の更なる態様は、メタンフェタミン使用の少なくとも1つの臨床的に検出可能な症状を治療するのに有用な医薬組成物を包含する。本組成物は、生きたヒト対象への投与に適合させた、医薬的有効量の、本明細書に記載の抗体などの抗(+)メタンフェタミン抗体を含む。一態様では、このような治療に有用な抗体としては、生きた哺乳動物におけるメタンフェタミンの毒性効果、または生きた哺乳動物における中毒を助長するメタンフェタミンの効果を治療的に減弱させる抗体が挙げられる。一態様では、本医薬組成物は、生きた対象に効果的に投与される。
本発明のまた別の態様は、生きたヒト対象への投与に適合させた医薬的有効量の抗(+)メタンフェタミン抗体の機能的な治療用医薬組成物を含む容器、及び該投与に使用するための任意の医療機器を含む、医薬キットを包含する。一態様では、このような治療に有用な抗体としては、生きた哺乳動物におけるメタンフェタミンの毒性効果、または生きた哺乳動物における中毒を助長するメタンフェタミンの効果を治療的に減弱させる、本明細書に記載の抗体などの抗体が挙げられる。
更にまた別の態様では、本発明は、希釈剤、賦形剤、または担体と共に、本明細書に記載の抗体を含む薬学的組成物を包含する。
本発明の他の態様及び反復を以下に詳述する。
本出願ファイルは、カラーで出した少なくとも1枚の写真を含む。カラー写真を伴うこの特許出願公開の複写は、要請及び必要な料金の支払により特許庁より提供される。
13日間の連続的METH注入の存在下での抗METHモノクローナル抗体(mAbs)によるMETHインビボ結合の変化を示す2つのグラフを描写する。METHがSprague−Dawleyラット(n=群当たり2)の各々において定常状態レベル(mAb前)を達成した後、ビヒクル治療(METHのみ)または3つの異なる抗METH mAbによる治療の単回投与を、急速IV(180mg/kg、METH身体負荷量に対する結合部位における等モル)で与えた。血清試料を、経時的METH濃度の決定のために、mAb治療前、及びmAb治療後の種々の時点で採取した(A)。値は、各時点に対する各群の平均METH濃度を表す。METHのAUCデータを(B)に示す。
第2相研究における(+)−METHの1.68mg/kg投与後の自発運動活性を示すグラフを描写する。これらの用量を、14日目に最後の抗体51を投与した後、10日A及びB、ならびに14日(C及びD)投与した。(A)及び(C)は、移動距離対時間を示す。(B)及び(D)は、0〜120分(有意な常同行動及び水平運動が発生する時間)の自発運動活性曲線下領域、及び主要な応答が水平運動である(移動距離によって測定)120〜240分の自発運動活性曲線下領域を示す。白/空洞の丸(A及びC)ならびに棒(B及びD)はビヒクルを表し、黒/塗りつぶした丸(A及びC)ならびに棒(B及びD)は抗体51を表す。 同上。
生理食塩水群(空洞の丸)、ならびに30mg/kg(A)、56mg/kg(B)、及び100mg/kg(C)という3つの用量での抗体51群(塗りつぶした丸)についての、1日目、4日目、7日目、10日目、及び13日目(x軸)のレバー押しの回数(y軸)を示すグラフを描写する。抗体または生理食塩水の投与は10日目に停止したため、10日目及び13日目は「mAbなし」として識別する。p<0.05。 同上。
METHレバー押しの回数(左y軸)及び対照応答の%(右y軸)対METH注射用量(x軸)を示すグラフを描写する。レバー押し対(+)−METH用量をベタ黒の釣鐘曲線として描写する。この理論的釣鐘曲線は、我々の研究所における以前の研究からの異なる単位用量のMETHについてレバー押しを訓練したラットからの用量応答データから生成した。mAb治療中(黒線横の青い矢印)及び治療後(黒線横の赤い矢印)の抗体51治療の各日におけるレバー押しの平均パーセンテージ変化(図5A〜5Cから計算)を、以前に得た釣鐘型METH用量応答曲線と併せて描出する。繋いだ矢じりの方向は、応答の消滅に近いレベルであったレベルまで低下した、抗体51の存在下での応答における時間進行性及び用量進行性変化の解釈である。
リガンド交差反応性アッセイからの、DPM(放射性リガンドの1分当たりの崩壊)対METH(または他の試験阻害剤)のnM濃度の典型的な曲線を示すグラフを描写する。これらのアッセイは、様々な濃度にわたる非標識METHまたは他のリガンド阻害剤を用いた放射性標識化METH(トレーサーリガンドとして)のインキュベーションから開始する。この図では、阻害剤は非標識METHであり(濃度範囲についてはx軸を参照されたい)、ch−抗体51はMETHを結合する抗体であり、磁気ビーズと共役させたタンパク質Gを使用して、遊離METHから抗体と結合したMETHを分離させる。平衡に達した後、磁石を用いてビーズを溶液から分離させた。抗体結合[H]−METHを液体シンチレーション計数によって定量化し、DPMを試験管中の非標識阻害剤濃度の関数としてグラフ化する。[H]−METH結合を[H]−METHの濃度の50%減で阻害するために必要とされる阻害剤の濃度は、K(METHの場合)またはK(非相同阻害剤の場合)値である。
本発明は、抗(+)メタンフェタミン抗体、及びメタンフェタミン使用に関連する医学的問題を治療するためのその使用方法を提供する。本発明の抗体は、メタンフェタミン誘導性薬理効果を効果的に遮断及び/または減少させる。したがって、薬理的有効量の本発明の抗体をそれを必要とする生きた対象に投与することは、メタンフェタミン薬物動態特性の好適な拮抗作用を提供し得る。よって、本発明は、抗(+)メタンフェタミン抗体が、急性及び慢性過剰摂取ならびに薬物使用再発を含むメタンフェタミン乱用及び/または中毒に対する治療を提供するという発見を包含する。
A.メタンフェタミン使用に関連する医学的問題
メタンフェタミンは、2つの鏡像異性体、右旋性及び左旋性において発生する。デキストロメタンフェタミン(または(+)メタンフェタミン)は本薬物の公知の精神刺激効果を保有するが、レボメタンフェタミンはCNS不活性である。メタンフェタミンは不法に、純デキストロメタンフェタミンとして、またはラセミ混合物においてのいずれかで販売され得る。本明細書で使用する「(+)メタンフェタミン」及び「デキストロメタンフェタミン」という用語は、右旋性鏡像異性体のみを持つ試料を指し、一方で「メタンフェタミン」という用語は、ラセミ混合物を指す。しかしながら、メタンフェタミン(すなわち、ラセミ混合物)の薬理効果を説明するとき、これらの特性は、レボメタンフェタミンがCNS不活性であるために、(+)メタンフェタミンの特性と置き換え可能であることを理解されたい。
メタンフェタミンは、医療用薬物と嗜好薬物との両方として使用を見出してきた。メタンフェタミンは、低用量で、疲労した個体において、覚醒度、集中力、及び活力を増大させることができる。より高い用量では、付随する多幸感、誇張された自尊感情、及び性欲の増大を伴う熱狂を誘導し得る。メタンフェタミンは、成人と未成年との両方におけるADHD及び外因性肥満(患者のコントロールの範囲外の因子に由来する肥満)の治療のために、食品医薬品局によって認可されている。また、ナルコレプシー及び治療抵抗性の鬱病の治療のために、認可外でも処方される。米国では、メタンフェタミンは、スケジュールII薬物であり、デソキシンの商標名で販売される。また、不法に合成及び流通される。
一態様では、本発明は、抗(+)メタンフェタミン抗体、及びメタンフェタミン使用に関連する医学的問題を治療するためのその使用方法を包含する。本明細書で使用する「医学的問題」という用語は、メタンフェタミン使用の有害または有毒な身体的及び/または精神的影響を指す。メタンフェタミン使用の有害または有毒な身体的及び/または精神的影響は当技術分野で公知である。メタンフェタミン使用の身体的影響の非限定的な例としては、食欲不振、多動、瞳孔散大、皮膚の紅潮、発汗過多、情動不安、口渇及び歯ぎしり(「メスマウス(meth mouth)」を引き起こす)、頭痛、心拍の加速、心拍の減速、不整脈、呼吸促拍、高血圧、低血圧、高体温、下痢、便秘、目のかすみ、目まい、ひきつけ、不眠症、痺れ、動悸、振戦、皮膚の乾燥及び/または痒み、にきび、蒼白、ならびに慢性及び/または高用量では、痙攣、心臓発作、卒中、及び死が挙げられ得る。メタンフェタミン使用の精神的影響の非限定的な例としては、多幸感、不安、性欲増大、覚醒、集中力、活力の増大、自尊心の増大、自信、社交性、神経過敏、攻撃性、心身症、精神運動性激越、自傷性皮膚症(皮膚をむしる強迫症)、抜毛症、誇大妄想、幻覚、過大な権力及び無敵感、反復及び偏執行動、妄想症、ならびに慢性的使用及び/または高用量では、アンフェタミン精神病が挙げられ得る。一部の例示的な実施形態では、メタンフェタミン使用に関連する医学的問題は、メタンフェタミン乱用であってもよい。他の例示的な実施形態では、メタンフェタミン使用に関連する医学的問題は、メタンフェタミン中毒であってもよい。また他の例示的な実施形態では、メタンフェタミン使用に関連する医学的問題は、メタンフェタミンの有害または有毒効果である。
更に、「メタンフェタミン使用に関連する医学的問題」とは、中毒及び薬物使用再発に寄与するメタンフェタミンの強化効果を意味する。吸引または静脈内注射したときのメタンフェタミンの自覚効果の急激な発現は、本薬物の強化性及び中毒性の威力における因子である。メタンフェタミンの自覚効果(例えば、多幸感、「ハイ」になる、及び渇望)を測定する方法は当技術分野で既知である。一部の実施形態では、メタンフェタミン使用に関連する医学的問題は、メタンフェタミンの強化効果である。
別の態様では本発明は、本発明は、抗(+)メタンフェタミン抗体、及びメタンフェタミン乱用及び/または中毒に関連する医学的問題を治療するためのその使用方法を包含する。メタンフェタミンは、脳内のドーパミンの連鎖放出を引き起こすことによって精神的報酬系を活性化する、乱用及び中毒の高い潜在性を有する。メタンフェタミン乱用及び/または中毒の徴候及び/または症状は当技術分野で公知であり、上に記載したメタンフェタミンの身体的及び精神的影響、ならびに以下に記載する離脱症状及び神経毒性症状を含むがこれらに限定されない。メタンフェタミンの離脱症状は、主に、疲労、鬱、及び食欲増大からなる。症状は、時折の使用で数日間、慢性的な使用では数週または数ヶ月間継続し得、重症度は、時間の長さ及び使用したメタンフェタミンの量に依存する。離脱症状としてはまた、不安、神経過敏、頭痛、興奮、情動不安、睡眠過多、鮮明または明晰な夢、深いレム睡眠、及び自殺念慮も挙げられ得る。メタンフェタミン使用はまた、鬱病及び自殺、ならびに深刻な心疾患、アンフェタミン精神病、不安、及び暴力的行動との密接な関連性を有する。メタンフェタミンは直接的には神経毒性ではないが、長期の使用は神経毒性副作用を有し得る。その使用は、無制御なドーパミン放出が神経毒性であるという事実に恐らく起因して、パーキンソン様効果のリスク増大に関連する。メタンフェタミン乱用の結果として発生する長期的なドーパミン上方調節は、記憶喪失、注意欠陥、及び実行機能の低下などの持続的な認知障害を引き起こす原因であると考えられている神経毒性を引き起こし得る。ドーパミン系への神経毒性効果と同様に、メタンフェタミンはまた、セロトニン系に神経毒性をもたらし得る。
一部の実施形態では、メタンフェタミン乱用に関連する医学的問題は、急性メタンフェタミン過剰摂取であってもよい。他の実施形態では、メタンフェタミン乱用に関連する医学的問題は、慢性メタンフェタミン過剰摂取であってもよい。また他の実施形態では、メタンフェタミン乱用に関連する医学的問題は、メタンフェタミンの有害効果であってもよい。また他の実施形態では、メタンフェタミン乱用に関連する医学的問題は、メタンフェタミンの有毒効果であってもよい。更に他の実施形態では、メタンフェタミン乱用に関連する医学的問題は、メタンフェタミンの強化効果であってもよい。異なる実施形態では、メタンフェタミン乱用に関連する医学的問題は、薬物使用再発であってもよい。代替的な実施形態では、メタンフェタミン乱用に関連する医学的問題は、まだ薬物依存となっていない集団における薬物依存の危険性であってもよい。
B.抗(+)メタンフェタミン抗体
本発明に従い、本明細書で有用な抗(+)メタンフェタミン抗体は、メタンフェタミン使用に関連する医学的問題を治療的に減弱させる全ての抗体を含む。メタンフェタミン使用に関連する医学的問題は、上で詳細に説明する。
有用な抗体としては、(+)メタンフェタミン内で固有エピトープと特異的に結合するか、もしくは(+)メタンフェタミン内で共通エピトープと特異的に結合するもの、(+)メタンフェタミン代謝産物、(+)メタンフェタミン様刺激剤、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。(+)メタンフェタミン代謝産物の非限定的な例としては、(+)アンフェタミンが挙げられる。(+)メタンフェタミン様刺激物は、構造的に関係がある刺激剤及び/または幻覚誘発類似体を指す。非限定的な例では、(+)メタンフェタミン様類似体としては、(+)3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)及び(+)3,4−メチレンジオキシアンフェタミン(MDA)が挙げられる。
一態様では、本明細書で有用な抗体としては、単離、特徴付け、精製され、機能的であり、メタンフェタミン使用、メタンフェタミン乱用、及び/またはメタンフェタミン中毒の徴候または症状を有する生きた対象に投与される機能的な治療用組成物における使用のために回収(採取)された抗体が挙げられる。メタンフェタミン使用、メタンフェタミン乱用、及び/またはメタンフェタミン中毒の徴候または症状は、上で詳細に説明する。
「モノクローナル抗体」は、例えば、任意の真核細胞、原核細胞、またはファージクローンを含む、単一コピーまたはクローンに由来する抗体を指す。「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ技術によって産生された抗体に限定されない。モノクローナル抗体は、例えば、当技術分野で公知のハイブリドーマ技法、ならびに組み替え技術、ファージディスプレイ技術、合成技術、またはこのような技術及び当技術分野で容易に知られる他の技術の組み合わせを使用して産生することができる。その上、モノクローナル抗体は、当技術分野で既知の方法に従って、検出可能な標識を用いて標識化、固相上に固定化、及び/または異種化合物(例えば、酵素または毒素)と共役させ得る。
更に、「抗体」とは、機能的モノクローナル抗体、またはそのFab、Fab’、もしくはF(ab’)2断片などの免疫学的に有効なその断片を意味する。本明細書の一部の文脈では、断片は強調のために具体的に言及されるが、それでも、断片が特定されるか否かに関わらず、「抗体」という用語がこのような断片及び一本鎖形態を含むことが理解されるであろう。二重特異性モノクローナル抗体(すなわち、2つの異なるモノクローナル抗体の断片を含み、その結果2つの異なる抗原と結合するタンパク質)も「抗体」の定義の内に含まれる。タンパク質がその意図する標的と特異的に結合する能力を保持する限り、それは「抗体」という用語の内に含まれる。また、この特異性を持つ抗体の、Fv(またはscFVという一本鎖断片可変)領域と概して称される一本鎖形態も、例えば「抗体」の定義の内に含まれる。適切な特異性を持つ典型的にネズミまたは他の非ヒトのものである抗体の操作がそれらをヒト化形態に変換するために必要とされるため、本発見に有用な抗体は組換えによって産生させることが好ましいが、必ずしも必要ではない。抗体はグリコシル化する場合もしない場合もあるが、一部の適用にはグリコシル化抗体が好ましい。抗体は、既知のように、ジスルフィド結合を介して適当に架橋する。
本明細書で有用な抗体の基本抗体構造単位は、四量体を含む。各四量体はポリペプチド鎖の2つの相同対から構成され、各対は1つの「軽」鎖(約25kDa)及び1つの「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識を主に担う約100〜110個以上のアミノ酸配列の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を画定する。
本明細書で有用な抗(+)メタンフェタミン抗体としては、単離、特徴付け、精製され、機能的であり、それらの調製のためのプロセスから回収(採取)され、故に治療的及び医薬的に十分な量で有用な形態において本明細書で使用することが可能である抗体が挙げられる。
軽鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、及びラムダとして分類される。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンとして分類され、それぞれ、IgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEとして抗体のアイソタイプを画定する。軽鎖及び重鎖内で、可変領域及び定常領域は、約12個以上のアミノ酸配列の「J」領域によって、更に約10個のアミノ酸配列の「D」領域も含む重鎖と接合される。
各軽鎖/重鎖対の可変領域は、抗体結合部位を形成する。故に、無傷抗体は2つの結合部位を有する。鎖は、相補性決定領域(下文では「CDR」として言及する)とも呼ばれる3つの超可変領域によって接合された、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同一の一般構造を呈する。2つの鎖からのCDRは、フレームワーク領域によって整列され、特異的エピトープとの結合を可能にする。N末端からC末端にかけて、軽鎖と重鎖との両方は、それぞれ、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸配列の割り当ては、既知の従来技法に従う(Kabat“Sequences of Proteins of Immunological Interest”National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1987 and 1991、Chothia,et al,J.Mol.Bio.(1987)196:901−917、Chothia,et al.,Nature(1989)342:878−883を参照されたい)。
一態様では、モノクローナル抗(+)メタンフェタミン抗体は、哺乳動物の免疫化、該哺乳動物の抗体産生細胞からのハイブリドーマの形成またはそれらの不死化、及び適切な特異性についてそれらを評定するためのハイブリドーマまたは不死化細胞の培養の標準的な技法によって、適切な特異性を持って生成する。本発明の場合、このような抗体は、その全体が参照により組み込まれるUS7,202,348に記載のように、例えばハプテンで、ヒト、ウサギ、ラット、またはマウスを免疫化することによって生成することができる。組換え操作のための物質は、それを産生するハイブリドーマまたは他の細胞から所望の抗体をコードするヌクレオチド配列を取得することによって得ることができる。その後、所望の場合、本明細書での使用のために、これらのヌクレオチド配列を操作し、単離、特徴付け、精製、及び回収して、それらをヒト化形態で提供することができる。
本明細書で使用する「ヒト化抗体」としては、配列を非ヒトCDRを有する抗体からのもので改変する、組み合わせる、または代置することによって、ヒト抗体に由来するアミノ酸配列から部分的または完全に構成される抗(+)メタンフェタミン抗体が挙げられる。最も単純なこのような改変は、単純に、ネズミ定常領域をヒト抗体の定常領域で置換することによって、薬学的使用に許容されるために十分に低い免疫原性を有し得るヒト/ネズミキメラをもたらすことからなり得る。しかしながら、抗体の可変領域、及び更にCDRも、既に当技術分野において公知である技法によってヒト化することが好ましい。可変領域のフレームワーク領域は、対応するヒトフレームワーク領域によって置換され、結果、非ヒトCDRを実質的に無傷にするか、または更にCDRをヒトゲノムに由来する配列で代置する。CDRはまた、完全ヒト生殖細胞系列フレームワーク領域または実質的にヒトであるフレームワーク領域という文脈において、(+)メタンフェタミンに対する結合活性及び親和性を維持または強化するように、無作為に突然変異させてもよい。実質的にヒトであるフレームワークは、少なくとも90%、95%、または99%の既知のヒトフレームワーク配列との配列同一性を有する。十分に有用なヒト抗体は、その免疫系(例えば、少なくともB細胞)がヒト免疫系のものに対応するように改変された遺伝子組換えマウスにおいて産生される。上述のように、一本鎖形態を表す断片を含む、抗体の免疫学的に特異的な断片を用いることが、本発見の方法における使用に事足りる。
更に、本明細書で使用する「ヒト化抗体」という用語は、ヒトフレームワーク、非ヒト抗体からの少なくとも1つのCDR、及び存在するいずれの定常領域もがヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に一致する、すなわち、少なくとも約85〜90%、好ましくは少なくとも95%一致するものを含む、抗(+)メタンフェタミン抗体を指す。よって、恐らくはCDRを除いたヒト化抗体の全ての部分は、1つ以上の天然ヒト免疫グロブリン配列の対応する対と実質的に一致する。
所望の場合、ヒト化免疫グロブリンの設計は、以下のように実行し得る。アミノ酸配列が以下のカテゴリーに該当する場合、使用するヒト免疫グロブリン(アクセプター免疫グロブリン)のフレームワークアミノ酸配列は、CDRを提供する非ヒト免疫グロブリン(ドナー免疫グロブリン)からのフレームワークアミノ酸配列によって代置される。(a)アクセプター免疫グロブリンのヒトフレームワーク領域におけるアミノ酸配列がその位置のヒト免疫グロブリンにしては異常であるのに対して、ドナー免疫グロブリン中の対応するアミノ酸配列はその位置のヒト免疫グロブリンに典型的である、(b)アミノ酸配列の位置がCDRのうちの1つに直に隣接している、または(c)フレームワークアミノ酸配列のいずれの側鎖原子もが、3次元免疫グロブリンモデルにおけるCDRアミノ酸配列の任意の原子の約5〜6オングストローム(中心から中心)内にある(Queen,et al.,op.cit.,and Co,ct al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:2869)。アクセプター免疫グロブリンのヒトフレームワーク領域におけるアミノ酸配列、及びドナー免疫グロブリンにおける対応するアミノ酸配列の各々が、その位置のヒト免疫グロブリンにしては異常である場合、このようなアミノ酸配列を、その位置のヒト免疫グロブリンに典型的であるアミノ酸配列によって代置する。
全ての場合に、本発明の抗体は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合し、(+)メタンフェタミンの代謝産物または(+)メタンフェタミン様刺激剤とも結合し得る。本明細書の「特異的に結合する」という語句は、少なくとも10−4〜10−6−1の範囲、好ましい範囲としては10−7〜10−9−1の結合定数で(+)メタンフェタミンまたは(+)メタンフェタミンの代謝産物と結合する抗体を意味する。抗体が、(+)メタンフェタミン、(+)メタンフェタミンの代謝産物、または(+)メタンフェタミン様刺激剤と結合するか否かを決定する方法は、当技術分野で既知であり、実施例において更に詳述する。一部の実施形態では、特異的抗体は(+)メタンフェタミンを認識し得る。他の実施形態では、特異的抗体は、(+)メタンフェタミン、(+)アンフェタミン、及び(+)MDMAからなる群から選択される2つの化合物を認識し得る。例示的な実施形態では、特異的抗体は、(+)メタンフェタミン、(+)アンフェタミン、及び(+)MDMAからなる群の3つ全ての化合物を認識し得る。別の例示的な実施形態では、特異的抗体は、(+)メタンフェタミン、(+)アンフェタミン、及び(+)MDMAからなる群の3つ全ての化合物を認識し得、(−)メタンフェタミン、(−)アンフェタミン、及び(−)MDMAを認識しない場合がある。また別の例示的な実施形態では、特異的抗体は、(+)メタンフェタミン、(+)アンフェタミン、及び(+)MDMAからなる群の3つ全ての化合物を認識し得、市販の薬品を認識しない場合がある。
好ましい抗体は、配列番号5〜10から選択されるCDRを含むヒト化形態のマウス抗体である。別の言い方をすれば、「好ましい抗体」は、配列番号5、6、7、8、9、及び10からなる群から選択されるアミノ酸配列で構成される少なくとも1つのCDR領域を含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号1の軽鎖可変領域との90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の同一性を含む核酸配列によってコードされてもよいか、あるいは配列番号2の重鎖可変領域との90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の同一性を含む核酸配列によってコードされてもよい。別の実施形態では、本発明の抗体は、配列番号3の軽鎖可変領域との90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の同一性を持つアミノ酸配列を含んでもよいか、あるいは配列番号4の重鎖可変領域との90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の同一性を持つアミノ酸配列を含んでもよい。上記実施形態の各々では、抗体はヒト化されてもよい。
(+)メタンフェタミンと結合する本発明の抗体の例示的な実施形態では、抗体は、配列番号1の軽鎖核酸配列、及び配列番号2の重鎖核酸配列を含む。(+)メタンフェタミンと結合する本発明の抗体の別の例示的な実施形態では、抗体は、配列番号3の軽鎖アミノ酸配列、及び配列番号4の重鎖アミノ酸配列を含む。
一実施形態では、表Aの抗体1などの本発明の抗体は、軽鎖CDR1を含み得る。別の実施形態では、表Aの抗体4などの本発明の抗体は、軽鎖CDR2を含み得る。更に別の実施形態では、表Aの抗体6などの本発明の抗体は、軽鎖CDR3を含み得る。代替的な実施形態では、表Aの抗体2、3、及び5などの本発明の抗体は、2つまたは3つの軽鎖CDRの組み合わせを含み得る。
同様に、一実施形態では、表Aの抗体7などの本発明の抗体は、重鎖CDR1を含み得る。別の実施形態では、表Aの抗体10などの本発明の抗体は、重鎖CDR2を含み得る。更に別の実施形態では、表Aの抗体12などの本発明の抗体は、重鎖CDR3を含み得る。代替的な実施形態では、表Aの抗体8、9、及び11などの本発明の抗体は、2つまたは3つの重鎖CDRの組み合わせを含み得る。
あるいは、表Aの抗体13〜48などの本発明の抗体は、1つ以上の軽鎖CDRと1つ以上の重鎖CDRとを含み得る。
表A
Figure 0006560808
Figure 0006560808
表B
Figure 0006560808
種々の実施形態では、本発明の抗体はヒト化される。例えば、一実施形態では、本発明のヒト化抗体は、0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号5のCDR1、0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号6のCDR2、及びアミノ酸配列配列番号7のCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよいか、または0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号8のCDR1、0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号9のCDR2、0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号10のCDR3を含む重鎖可変領域を含んでもよい。好ましい実施形態では、本発明のヒト化抗体は、0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号5のCDR1、0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号6のCDR2、アミノ酸配列配列番号7のCDR3を含む軽鎖可変領域、0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号8のCDR1、0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号9のCDR2、0〜2個のアミノ酸置換を持つアミノ酸配列配列番号10のCDR3を含む重鎖可変領域を含んでもよい。例示的な実施形態では、本発明のヒト化抗体は、アミノ酸配列配列番号5のCDR1、アミノ酸配列配列番号6のCDR2、アミノ酸配列配列番号7のCDR3を含む軽鎖可変領域、アミノ酸配列配列番号8のCDR1、アミノ酸配列配列番号9のCDR2、アミノ酸配列配列番号10のCDR3を含む重鎖可変領域を含んでもよい。本発明はまた、当業者であれば容易に決定することができ、かつ本発明の抗体を発現させるために、ベクター、または染色体などの他のより大きいDNA分子中に組み込み得る、配列番号5、6、7、8、9、及び10の対応する核酸配列を包含する。
一態様では、免疫学的に反応性の断片を含む、医薬品グレードにおいて好まれる薬理的有効量の抗体を、メタンフェタミン乱用関連症状の治療を受ける生きた対象などの対象に投与する。投与は、末梢(すなわち、中枢神経系への投与によらない)または中枢神経系への局所を含む標準的な有効な技法を使用して行う。末梢投与としては、静脈内、腹腔内、皮下、肺内、経皮、筋肉内、鼻腔内、口腔内、舌下、または坐剤投与が挙げられるが、これらに限定されない。中枢神経系(CNS)に直接を含む局所投与としては、腰椎、脳室内、もしくは実質内カテーテルを介してか、または外科的に移植した放出制御製剤を使用することが挙げられるが、これらに限定されない。
効果的な投与のための薬学的組成物は、選択した投与様式に適切であるように意図的に設計し、相溶性のある分散剤、緩衝液、界面活性剤、防腐剤、可溶化剤、等張剤、安定化剤などの、薬学的に許容される賦形剤を適宜使用する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton Pa.,16Ed ISBN:0−912734−04−3,latest editionは、開業医に概して既知である、製剤化技法の概要を提供する。例えば、抗体をリポソーム中にカプセル化することによって、または極性基を遮断することによって、この発見に有用な抗体の溶解度特性を改変し、それらをより親油性にすることは、特に有用であり得る。
静脈内または腹腔内または皮下注射による効果的な末梢全身送達が、生きた対象への好ましい投与方法である。このような注射に好適なビヒクルは明快である。加えて、しかしながら、投与はまた、鼻エアロゾルまたは坐剤の手段によって粘膜を介して行ってもよい。このような投与様式に好適な製剤は公知であり、典型的には、膜通過送達を促進する界面活性剤を含む。このような界面活性剤は、多くの場合ステロイドに由来するか、またはN−[1−(2,3−ジオレオイル)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)などの陽イオン性脂質、またはヘミコハク酸コレステロール及びホスファチジルグリセロールなどの種々の化合物である。
投与する製剤中のヒト化抗体の濃度は、有効量であり、最低約0.1重量%から最高約15または約20重量%までの範囲であり、所望の場合は選択した特定の投与様式に従って、主に液量及び粘度などに基づいて選択することとなる。生きた対象への注射のための典型的な組成物は、リン酸緩衝生理食塩水の滅菌緩衝用水1mL、及び本発見のヒト化抗体のうち任意の1つまたは組み合わせ約1〜1500mgを含有するように作製し得る。製剤は、製剤作製後に滅菌濾過するか、さもなければ微生物学的に許容可能にし得る。静脈内注射のための典型的な組成物は、滅菌リンガー溶液などの液体を体積1〜250mL、及びml当たり1〜100mg、または抗(+)メタンフェタミン抗体濃度ではより多く有し得る。本発見の治療薬は、保管のために凍結または凍結乾燥させて、使用前に好適な滅菌担体中で再構成することができる。凍結乾燥及び再構成は、様々な度合いの抗体活性の喪失を導き得る(例えば、従来の免疫グロブリンでは、IgM抗体は、IgG抗体よりも大きな活性喪失を有する傾向にある)。投与用量は、有効用量であり、調整して補償する必要があり得る。概して医薬品グレードの品質の製剤のpHは、抗体安定性(化学的及び身体的)と投与時の対象にとっての快適性との平衡を取るように選択することになる。概して、pH4〜8が耐容性である。用量は、良好な投与を受ける個体のサイズ、体重、及び他の生理生物学的特徴に基づいて、個体により異なるであろう。
本明細書で使用する「有効量」という用語は、薬物を投与した対象に測定可能及び有益な効果、すなわち有意な有効性を導く化合物などの薬物の量を意味する。この発見に従う投与した化合物の有効量または用量は、中でも、投与した化合物、投与経路、治療する症状の状態、ならびに同様の対象及び投与状況の検討事項などを含む、症例を取り巻く状況によって決定することになる。一態様では、典型的な用量は、約0.01mg/kg〜約100mg/kgの本明細書に記載の抗(+)メタンフェタミン抗体を含む。用量は、約0.05mg/kg〜約50mg/kg、より好ましくは約0.1mg/kg〜約25mg/kgの範囲であり得る。投薬の頻度は、症状を効果的に治療するために必要に応じて、毎日、または週当たりもしくは月当たり1回、2回、3回以上であってもよい。例示的な実施形態では、投薬の頻度は、週に1回から月に1回、より好ましくは、2〜4週間毎に1回の範囲とすることができる。例えば、投薬の頻度は、週に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、または4週間毎に1回であってもよい。
疾患自体に対する治療の投与時期、及び治療期間は、症例を取り巻く状況によって決定することになる。治療は、救急医療従事者による投与のように傷病の現場でなど、即座に開始し得る。治療は、病院または医院自体において、または病院からの退院後もしくはアウトサブジェクトクリニック(outsubject clinic)での診察後しばらくして、開始し得る。治療期間は、1回限りで投与する単回投薬から治療処置の生涯にわたる過程に及び得る。
前述の方法が、ヒト化抗体などのタンパク質の投与のために最も簡便、及び最も適切かつ効果的に思われるが、適当な製剤を本明細書で利用することを条件として、好適な適合により、脳室内投与、経皮投与、及び経口投与などの、投与のための他の有効な技法を用いてもよい。
加えて、生分解性フィルム及びマトリックス、または浸透圧ミニポンプ、またはデキストランビーズ、アルギン酸塩、もしくはコラーゲンに基づく送達システムを使用する、放出制御製剤を用いることが望ましい場合がある。
典型的な用量レベルは、標準的な臨床技法を使用して決定及び最適化することができ、投与様式に依存することになる。
C.抗(+)メタンフェタミン抗体の使用方法
別の態様では、本発明の抗(+)メタンフェタミン抗体を、少なくとも1つの好適な相溶性のアジュバントまたは賦形剤と混合し、メタンフェタミン使用、乱用、及び/または中毒の徴候または症状に苦しむ生きた対象にうまく及び効果的に投与(付与)する治療用医薬組成物をもたらす。典型的には、これは高純度の水性組成物である。好適な抗(+)メタンフェタミン抗体を節IBにおいて上で説明する。好適な対象の非限定的な例としては、ヒトまたは実験動物が挙げられる。一部の実施形態では、対象は実験動物である。実験動物の非限定的な例としては、齧歯動物、イヌ、ネコ、非ヒト霊長類が挙げられる。ある特定の実施形態では、動物は齧歯動物である。齧歯動物の非限定的な例としては、マウス、ラット、モルモットなどが挙げられる。他の実施形態では、対象はヒトである。
本明細書で使用する「治療すること」または「治療」という用語は、メタンフェタミン使用、乱用、または中毒の少なくとも1つの症状または徴候の予防、減弱、好転、または改善を含む。メタンフェタミン使用、乱用、及び中毒の徴候または症状は、節IAにおいて上で詳細に説明する。
本明細書で使用する「治療的に減弱させる」という用語は、変化を誘導すること、またはそれからもたらされる有益な好影響を有することを含む。
一実施形態では、本発明は、対象においてメタンフェタミン使用に関連する少なくとも1つの医学的問題を治療するための方法を提供する。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。
別の実施形態では、本発明は、対象においてメタンフェタミン乱用に関連する少なくとも1つの医学的問題を治療するための方法を提供する。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。メタンフェタミン乱用の診断方法は、当技術分野で既知である。
別の実施形態では、本発明は、対象においてメタンフェタミン中毒に関連する少なくとも1つの医学的問題を治療するための方法を提供する。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。メタンフェタミン中毒の診断方法は、当技術分野で既知である。
別の実施形態では、本発明は、対象においてメタンフェタミン使用に関連する少なくとも1つの毒性効果を治療するための方法を提供する。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。毒性効果の非限定的な例も、本明細書に開示する。一部の例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。他の例示的な実施形態では、毒性効果は、痙攣、心臓発作、卒中、毒性、及び神経毒性からなる群から選択され得る。
別の実施形態では、本発明は、対象においてメタンフェタミン使用に関連する少なくとも1つの有害効果を治療するための方法を提供する。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。有害効果の非限定的な例も、本明細書に開示する。一部の例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。他の例示的な実施形態では、有害効果は、不安、幻覚、アンフェタミン精神病、及び妄想症からなる群から選択され得る。
別の実施形態では、本発明は、メタンフェタミン中毒の対象において急性メタンフェタミン過剰摂取を治療するための方法を提供する。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。急性メタンフェタミン過剰摂取の診断方法は、当技術分野で既知である。
別の実施形態では、本発明は、メタンフェタミン中毒の対象において慢性メタンフェタミン過剰摂取を治療するための方法を提供する。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。慢性メタンフェタミン過剰摂取の診断方法は、当技術分野で既知である。
別の実施形態では、本発明は、メタンフェタミン中毒の対象においてメタンフェタミン使用の再発を予防するための方法を提供する。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。
別の実施形態では、本発明は、メタンフェタミン中毒の対象においてメタンフェタミン使用の再発の頻度を減少させるための方法を提供する。本明細書で使用する「再発の頻度」は、対象が回復の初期の後にメタンフェタミンの乱用に回帰する可能性を指し得る。回復の初期は、非限定的に、1日以上の期間から、1週間から数年の範囲の期間まで異なり得るし、また異なるであろう。再発の頻度は、対照または治療対象に対して測定してもよく、未治療または陰性対照被治療対象との比較において個体または群を説明するために使用してもよい。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。再発の頻度は、未治療または陰性対照被治療対象と比較して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20%減少され得る。一部の実施形態では、再発の頻度は、未治療または陰性対照被治療対象と比較して、少なくとも20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%減少され得る。他の実施形態では、再発の頻度は、未治療または陰性対照被治療対象と比較して、少なくとも100、125、150、200、250、300、350、400、または450%減少され得る。再発の頻度の測定方法は、当技術分野で既知である。
別の実施形態では、本発明は、まだ薬物依存となっていないが危険性がある集団における薬物依存の危険性を低減するための方法を提供する。「危険性がある」集団としては、薬物を乱用している母親の胎児及び乳児、ならびにまだ薬物を使用していないが薬物依存の親を有する思春期の子供が挙げられ得るが、これらに限定されない。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。
別の実施形態では、本発明は、対象において対象の脳内への(+)メタンフェタミン進入の速度を遅延させるための方法を提供する。言い方を変えれば、脳内への(+)メタンフェタミン侵入の速度は、治療を受けていない脳内への(+)メタンフェタミン侵入の速度と比較して、遅延または低減される。本方法は、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。好適な抗体としては、本明細書に開示の抗体が挙げられる。例示的な実施形態では、好適な抗体は、上記表Aに示した抗体を含む。対象の脳内への(+)メタンフェタミン侵入の速度を測定する方法は、当技術分野で既知である。例えば、脳組織、脳脊髄液、または間質液中の(+)メタンフェタミン濃度は、経時的に測定し得る。
以下の実施例を、本発明の好ましい実施形態を実証するために含める。以下の実施例で開示する技法は本発明の実践において良く機能するように発明者が発見した技法を表すことが、当業者によって理解されるべきである。当業者は、しかしながら、本開示を踏まえ、多くの変更が開示する特定の実施形態においてなされ、それでも本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく類似または同様の結果を得ることができ、したがって、添付の実施例及び図面中で規定されるかまたは示される全ての事項が、例解的であり、限定的な意味ではないと解釈されるべきであることを理解されたい。
以下の実施例は、本発明の種々の反復を例解する。
実施例1.マウス抗METHモノクローナル抗体の産生
METH様ハプテン(S)−(+)−3−(9−カルボキシノニルオキシ)メタンフェタミン((+)−METH M010として省略)(Peterson EC et al.J Pharmacol Exp Ther(2007)322:30−39、Carroll FI et al.Med Chem(2009)52,7301−7309)を、カルボジイミド連結手順を使用してウシ血清アルブミン(BSA)と共有結合させた(Davis MT and Preston JF Anal Biochem(1981)116:402−407)。この合成は、METH(+)MO10ハプテン上のカルボン酸末端とBSA上の末端アミノ酸との間の共有結合の形成を伴う。最終産生物の(+)−METH MO10ハプテン対BSAエピトープ濃度(5:1)を質量分析によって決定した。
抗METHモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株の発見には、以下の一般的技法を使用した。雌BALB/cマウスの群を、同量の完全フロイントアジュバント中で乳化したMETH(+)MO10−BSA共役体(例えば、20μgの抗原)で免疫化した。3週間及び8週間後、マウスを同一のMETH共役体ワクチン及びアジュバントで追加免疫した。2週間後、マウス血清を、ELISA形式で(+)−METH MO10−オボアルブミン共役体を使用してMETH特異的抗体について試験し、応答はモノクローナル抗体の産生のために十分高いと判断した。最高力価の抗METH抗血清を持つ動物からの脾臓をこのプロセスに使用した。マウス脾臓細胞のためのハイブリドーマ融合パートナーは、骨髄腫細胞株P3x63Ag8.653(American Type Culture Collection,Manassas,VA)であった。融合に成功した後、ハイブリドーマ分泌抗METH抗体を、ELISAを使用して、前述のようにMETH(+)MO10−オボアルブミン共役体を用いて識別した(Laurenzana EM et al.Drug Metab Dispos(1995)23:271−278)。
IgGアイソタイプ及び軽鎖同一性を、マウス抗体アイソタイプ化キットを用いて決定した(Roche Diagnostics,Indianapolis,IN)。METHに陽性反応を持つマイクロタイタープレートウェルを、単クローン性にサブクローニングした。組織培養中の最も有望なクローンのうち数個から抗METH IgG抗体を選択した。その後の試験において、Igアイソタイプ、IgGの軽鎖型、抗体リガンド特異性、METH様薬物への親和性、及び細胞株IgG産生レベル(大規模なIgG産生における来るべき使用のための重要な因子)を決定した。最良候補のmAbを特定した後、一連のリガンドによる特異性のより広範な特性評価を、[H]−METH放射性リガンドによるラジオイムノアッセイを使用して実施した。これらの安定化したモノクローナル抗体ハイブリドーマ細胞株から、マスターセルバンク及びワーキングセルバンクを創出した。その後、全細胞株を液体窒素中で保管した。
実施例2:ネズミ抗(+)−METH抗体の長期のインビボにおける機能の決定
mAb治療後の経時的な3つの抗METH mAb(抗体51、mAb10D1、及びmAb4G9)のインビボにおける結合機能を、mAb前(平均の(+)−METH血清定常状態濃度について)とMETHの血清薬物動態に対してのmAb後との効果の比較、及び0日目から13日目までのMETH血清濃度時間曲線下領域によって評定した。研究の0日目は、sc(+)−METH浸透圧ポンプの移植から1日後に開始した。投薬群を表1に示す。
表1
Figure 0006560808
mAbをラット研究の直前に調合した。全手順は、タンパク質精製クリーンルーム中で安全フード内で行った。抗mAbの精製は、タンパク質G−セファロースカラム(GE Healthcare,Chalfont St.Giles,Buckinghamshire,UK)を用いた親和性クロマトグラフィーによって達成した(Peterson et al.J Pharmacol Exp Ther(2007)322(1):30−39)。精製後、30,000分子量カットオフセルロース膜(Millipore Corporation,Bedford,MA)を用いて500mlの撹拌セル(Amicon Inc.,Beverly,MA)上でmAbを濃縮した。緩衝液は、同一のプロセス中で、150mMの塩化ナトリウムを含有する15mMのリン酸ナトリウム(pH6.5〜7.5)に交換した。最終タンパク質溶液中の内毒素濃度が有意ではなかったことを確認するために、Limulus Amebocyte Lysateキット(QCL−1000、Cambrex Corp.,East Rutherford,NJ)を使用して最終産生物をアッセイした。内毒素レベルは有意ではなかった。最終抗体産生物を4℃で90分間100,000xgで超遠心分離させて、高度に抗原性であり得る見込まれる大きな分子量の抗体複合体を除去した。UV吸光度及びSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施して、それぞれ、タンパク質濃度を決定し、最終調製物の純度を確保した。mAb用量を調製するために、抗体原液のアリコートを、4℃で1時間、約100,000倍の重力で遠心分離させた。上清を、用量調製まで4℃で滅菌密封バイアル中で保管した。ラットへの投与前に、精製mAbを素早く37℃に温め、その後、用量を滅菌注射器中に吸引した。
これらの研究のため、二重頸静脈カテーテルを持つラット(n=対照群及びmAb試験群当たり2)を標準的なケージに個別に収容した。滅菌生理食塩水中に溶解させた5.6mg/kg/日の(+)−METH(遊離塩基)用量を送達するために、浸透圧ミニポンプ(2週間、Alzet、Durect Corp.,Cupertino,CA)を準備した。ポンプを、ハロタン麻酔下にある間にラットの肩甲骨の間に皮下移植した。
ポンプ移植から約16時間後、ラットをハロタンで麻酔した。mAb前METH血清定常状態レベルの決定のために、右頸静脈カテーテルを介して即座に血液試料(約250μl)を採取した。カテーテルを200μlの滅菌生理食塩水で洗い流した。その後、mAb用量(180mg/kg、この研究における3つ全てのmAbに対して同一用量)、投与時のMETHの身体負荷量に対する結合部位における等モルを、左頸静脈カテーテルを介して投与した。mAb投薬後、カテーテルを200μlの生理食塩水で洗い流した。mAb投与後5分で、右頸静脈カテーテルを介して血液試料を採取した。mAb投与後24時間、4、7、及び13日で、右頸静脈カテーテルを介して血液試料(約350μl)を採取した。13日目に、ラットをハロタンで麻酔し、断頭により屠殺した。体幹血及び脳試料を即座に採取した。血液を凝固させた後、血清を遠心分離によって採取した。血清試料は、分析まで−80℃で保管した。その後、血清試料中のMETH濃度を、我々の研究室が以前に報告した方法(Laurenzana EM et al.Drug Metab Dispos(1995)23:271−278)によって、液体クロマトグラフ/質量分析/質量分析(LC/MS/MS)分析により決定した。
(+)−METH投薬の経路は、皮下(sc)注射であった。生理食塩水、mAb対照、及びmAb被験物質による治療は、留置カテーテルを介したiv投薬によった。これは、sc(+)−METH注入の開始から24時間後に投与した単回投薬であった。体重、摂食行動、及び一般的健康観察を各動物について記録した。(+)−METH濃度を、(Laurenzana EM et al.Drug Metab Dispos(1995)23:271−278)によって説明される方法と同様のLC/MS/MSによって決定した。
個別の抗METH mAbの血清薬物動態パラメータを決定するために、mAbについての平均濃度対時間曲線を、モデル非依存性薬物動態方法によって分析した。種々のmAbの存在下でのMETH血清データについて、mAb投与の時から研究の終了まで(13日目、
Figure 0006560808
)のMETH血清濃度時間曲線下領域(AUC)を、線形台形規則及びOrigin Graphing and Analysis software version 7.0(OriginLab Corp.,Northampton,MA)を使用して決定した。
研究を終了した動物において、体重、摂餌量、医学的状態、または予期しない行動変化の有意な変化は認められなかった。
抗体51(図表上ではmAb7F9として称する)は、mAb4G9について以前に報告されたように(図1、Owens SM et al.CNS Neurol Disord Drug Targets(2011)10:892−898を参照され、またLaurenzana EM et al.Drug Metab Dispos(1995)23:271−278も参照されたい)、長期的な機能特性を示した。Mab7F9を、陽性対照としてこの研究中で再実行した。MAb10D1(METH KD=34nM)は、長期的な機能を示さなかった。より最近の未発表の研究は、mAb4G9及び抗体51と同一のより長いスペーサーアームのハプテンから生成した5個のmAbのうち4個も、延長した作用の持続時間を有することを示す。一方で、より短いMETH様ハプテンリンカー基から生成した5個のmAbのうち4個は、インビボにおいてわずか1〜3日後に不活性化を示した(Laurenzana EM et al.Drug Metab Dispos(1995)23:271−278)。不活性化されるプロトタイプ抗体の最近の研究(未発表)は、mAb KDは荷電されないが、METH結合への資質(Bmax)は有意に減少することを示す。この他の抗体(mAb6H4)を、抗原タンパク質担体と結合したより短いリンカー基に連結したMETH様ハプテンで免疫化することによって生成した。これは、不活性化が発生すると、機能する抗体がはるかに少ない数になることを意味する。故に、METH骨格構造と抗原との間のより長いスペーサーアームが、インビボにおける不活性化に対して何らかの形で保護性であると仮定する。また、これら未発表の最近の研究から、mAbは(+)−METH注入の有無に関わらずインビボにおいて不活性化されることが分かる。抗体結合部位に結合するこのMETH代謝産物は、不活性化の機序の一部ではない。
要約すると、この研究は、治療用mAbの機能特性のインビトロ及びインビボ両方における特性評価の重要性を実証する。これらのデータはまた、様々なハプテンから生成したmAbを用いた慎重な構造活性研究が、最適なワクチンのためのより優れた選択を明らかにし得ることを示す。該研究はまた、mAbのインビボにおける機能が、必ずしもインビトロにおける免疫化学的特性評価から予測できるとは限らないことを示す。これらの結果は、mAb治療薬の広範な前臨床特性評価の必要性を強調し、抗METH mAb4G9及び抗体51の延長したインビボにおけるMETH結合機能及び有効性を浮き彫りにする。
実施例3.ラットにおけるMETH誘導性再発の予防
実施例2に記載のように抗体51を調合した。
雄のLong Evansラットを、それが薬物自己投与パラダイムの前臨床毒性試験に好ましい齧歯動物種であるため、動物モデルとしてこの研究のために選択した。2つの格納式レバー、各レバーの上に位置付けられた白色キューライト、5−wのハウスライト、及び2900Hz、60dBの音調を発するSonalert(登録商標)音源(MED Associates,Inc.,St.Albans,VT)を装備した商業的に入手した試験チャンバを使用した。注入液を、注入ポンプ(Model PHS−100、MED Associates,Inc.,St.Albans,VT)の6−s作動により、0.2mlの体積で送達した。レバー押しの記録、ならびにライト、ポンプ、及びSonalerts(登録商標)の作動は、マイクロコンピュータ、インタフェース、及び関連ソフトウェア(MED−PC(登録商標)IV、MED Associates,Inc.,St.Albans,VT)によって達成した。
(±)−METH自己投与(SA)のトレーニングセッションを、1日2時間、週5日(月〜金)実施した。(±)−METH SAセッションの開始時に、レバーを拡張し、ハウスライトを点灯した。右側レバー(強化レバー)上の各応答(定率1、FR1)は、更なる14−sのタイムアウト期間が続く0.1mg/kgのメタンフェタミン注入(0.2ml/6s)の送達をもたらした。注入の開始時に、ハウスライトを消灯し、Sonalert(登録商標)を鳴らし、各レバーの上のキューライトを3Hzで閃光させた。Sonalert(登録商標)及びキューライトは、6sの注入中作動したままにした。注入の始動から20秒後にハウスライトを再点灯し、自己投与(±)−METHへの機会を再び利用可能にした(すなわち、各(±)−METH注入が20sの期間を開始させ、その間にレバー押しを記録したが、予定した結論は出ず、更なる注入を得ることはできなかった)。注入中の強化レバー(右側)のレバー押し、及び全ての非強化(左側)レバー押しを記録したが、後者は予定した結論を出さなかった。
1)少なくとも12回の自己投与セッションの施行、2)最後4回のセッションの各々の間の少なくとも15回の(±)−METH注入の施行、及び3)少なくとも125回の生涯(±)−METH注入を得るという3つの基準全てが満たされるまでSAトレーニングを継続した。その後、12回の1日2時間(月〜日)の消滅セッションを実施した。消滅セッション中、それまでは(±)−METH注入と関連付けられていたレバー押しは、注入または刺激変化をもたらさなかった(すなわち、ハウスライトの消失もキューライト及びSonalert(登録商標)の作動も発生しなかった)。消滅中の他の条件は、SA中の条件と一致した。つまり、消滅セッション中、両方のレバーは拡張され、ハウスライトは作動していた。最後4回の消滅セッションの前に、生理食塩水((±)−METHプライムのためのビヒクル)の注射をセッション前30分にip投与して、ラットを注入手順に順応させた。
消滅トレーニングの後に復元試験を行った。最後3回の消滅セッション中、強化レバーのレバー押しの平均回数が最初3回の消滅セッション中に発生した平均回数未満であった場合に、ラットはその後の復元試験の対象であるとみなした。この消滅基準を満たさなかったラットは、その後の試験から除外した。ビヒクル群の1ラットを、最後3回の消滅セッション中のその応答平均(12.3回の応答)がその最初3回の消滅セッション(11.6回の応答)を超過したにもかかわらず、過失により保持された。復元試験は、13日間毎日(月〜日)2時間の実験セッションにかけて行った。復元試験中の条件は、2つを除いて、消滅トレーニング中の条件と一致した。1)生理食塩水(S)または1mg/kgの(±)−METH(M)(すなわち(±)−METHプライム)のいずれかを、MSSMSSMSSMSSMという毎日の予定に従ってセッション前30分にip投与し、2)第1回(1日目)、第2回(4日目)、及び第3回(7日目)の(±)−METH試験セッションの6時間前に、抗体51の用量または0.9%の無菌生理食塩水(ビヒクル試験群に対して)のいずれかを、カテーテルを通してiv投与した。(±)−METHプライミング誘導性の復元に与えるmAb治療の延長した効果のために、最後2回の(±)−METH試験セッション(10日目及び13日目)には、抗体51(または生理食塩水ビヒクル)を与えなかった。12匹のラットの群を、4つのMETHプライミング誘導性復元試験群、1)抗体51ビヒクル(生理食塩水)、2)30mg/kgの抗体51、3)56mg/kgの抗体51、4)100mg/kgの抗体51の各々に無作為に割り当てた(表3を参照されたい)。
表3
Figure 0006560808
再発試験中の(±)−METH曝露のip経路は、主に投薬の便宜について、及びカテーテルの更なる使用を回避するように、選択した。被験物質(抗体51)を、1日目、4日目、及び7日目に1回ずつ、ivカテーテル注入によって(およそ2分かけて)投与した。各動物への投薬量は、最新の体重測定に基づいた。
体重、摂食行動、及び一般的健康観察を各動物について記録した。ビヒクルに対する動物のレバー押し応答、及び活発なレバー押し応答の(±)−METH誘導性再発の分析を、ビヒクル(対照)または(±)−METH(1.0mg/kg)のip注射に対する動物の応答の指標として使用した。
まず、2因子反復測定ANOVA(Prism 5 for Macintosh,GraphPad Software,Inc.,San Diego,CA)を使用して、試験群間で試験日中に発生する右側のレバー押しの回数を比較した。ANOVAによる結果が有意である(P<0.05)と見出された場合、Bonferroni Test(Prism 5 for Macintosh,GraphPad Software,Inc.,San Diego,CA)を使用して、2つの試験群間の同様の試験日間の比較を実施した。比較は、p<0.05である場合に統計的に有意であるとみなした。
SAの最終日中の強化レバー上のレバー押しの回数は全試験群の間で有意には異ならず(p>0.61)、全てのラットが消滅トレーニングの前に同様のレベルまで(±)−METHを自己投与するようにトレーニングされたことを示した。各再発試験セッションに直に先行する消滅セッション中、強化レバー上のレバー押しの回数はまた試験群の間で有意には異ならず(p>0.2)、ラットが各復元試験の前に同様のレベルまで消滅したことを示した。しかしながら、消滅セッション間のこれらの回数を検査すると、どのBonferroni一対比較も有意ではなかったが、ANOVAは有意であり(p<0.04)、消滅レベルが時間と共に系統的に変化しなかったことを示した(データ図示せず)。(±)−METHプライムは、それぞれ、1日目、4日目、7日目、10日目、及び13日目(p<0.05)の再発試験セッション中に生理食塩水群において応答を有意に復元し、これらの条件が、試験時間に関わらずMETHプライム誘導性の復元を生成することに効果的であったことを示した。
各再発試験日についての全データセットをグラブスの棄却検定に供したとき、対照データ中の外れ値は3つであり、30mg/kgの抗体51群中では2つであった。これらのデータ点を統計的分析から除去した。外れ値の発生は無作為に思われ、反復した外れ値を生成するパターンを示す個別の動物はなかった。これら5つの個別のデータ点は、全部で240の個別観察からであった(試験5日間、群当たりの動物12匹、対照または抗体51群4つ、5×12×4=240データ点)。
図5は、対照群(空洞の丸)及び抗体51の3回の用量全て(塗りつぶした丸)に対する各再発試験についての強化レバー上のレバー押しの結果を示す。生理食塩水群(空洞の丸)についての同一の結果が3つのグラフの各々で反復される。
最も高いmAbの治療群(100mg/kgの抗体51、図5C)では、応答は、1日目の試験の間はビヒクル治療応答と同一レベルにあるように思われたが、その後4日目から7日目にかけて着実に減少した。7日目(3回目の抗体51用量後)までに、応答は、対照応答と比較して有意に減少した(p<0.05)。応答は、抗体51投与を停止した10日目の間に鈍化したままであった(p>0.08)。13日目までに、それは対照レベルに近い応答まで回帰したように思われた。しかしながら、対照レベルの応答へのこの見かけの回帰は、30及び56mg/kg群における応答がこの同一の時点でのビヒクル基準値を上回って上昇したままであったため、誤解を与え得る(図5A及び5B)。
対照的に、30及び56mg/kg用量の研究(図5A及び5B)は、それぞれ、70及び91回の押しまで増加した応答率、または1日目の対照値と比べて143%及び182%の増加を示した。その後の30及び56mg/kgによる3日毎の抗体51治療は、56mg/kgのmAb用量については、1日目のレベルの応答から漸進的に低下した応答を生んだのに対し、30mg/kgの治療は、常に対照よりも高いレベルで応答を維持した。
これらのmAb誘導性変化の意味をより良く理解するために、100mg/kgの抗体51の薬力学的分析を実施した(図5C)。METH注射の回数(y軸)対METH注射用量(x軸)の描出を示すグラフをシミュレートした。この薬理学的シミュレーションに対するデータは、UAMSで実施したMcMillanらの(+)−METH SA研究(2004)に基づいた。SAデータのシミュレーション(レバー押し対(+)−METH用量)を、図6中で黒色実線の釣鐘曲線として示す。解釈の一環として、抗体51治療の各日のレバー押しにおける平均パーセンテージ変化を、mAb治療中(黒線横の青色矢印)及び治療後(黒線横の赤色矢印)として描出した。繋いだ矢じりの方向は、抗体51の存在下での応答における時間進行性及び用量進行性変化の解釈である。
この薬理学的分析は、抗体51が、(±)−METHプライミング用量の認知される効果または見かけの効果の劇的な変化を生んだことを示した。故に、対照で治療したレベルの応答と100mg/kgの抗体51で治療したレベルの応答との間に見かけの差異がなかった1日目には、シミュレーションは、抗体51で治療したラットが、実のところ用量応答曲線の上行性傾斜上で約50回のレバー押しを有したことを示すのに対し、最近の研究では、生理食塩水で治療した対照値は、用量応答曲線の下行性傾斜上に約50回のレバー押しを有した。この対照データ点は、図6において、釣鐘型用量応答曲線の下行性部分上の0.1mg/kg/injで、塗りつぶした黒丸として描出する。抗体51誘導性変化は、時間及びmAb用量に依存する形であった。実際に、各新たなmAb用量は、抗体51の3回目の100mg/kg用量が、消滅(「消滅」、空洞の黒丸)に近いレベルの応答を導く効果をラットにおいて生むまで、この釣鐘曲線に沿って左に向かう進行性の遷移を伴った。
この分析は、100mg/kg用量についての1日目の応答における変化の見かけの欠如が、「対照」値(図6、塗りつぶした黒丸)と同一の場所での釣鐘曲線の下行性である右側上の「約50回の応答」においてではなく、しかし50回の応答が約0.025mg/kg/injの用量と交差する用量応答曲線の上行性である左側上(上部青色の矢じり)であったようであることを示す。重要なことに、次の2回の100mg/kgのmAb用量は、対照値と比較した応答の更なる実質的減少をもたらした。故に、ラットは、mAbで治療しなかったラットよりもはるかに少ない(±)−METHプライミング用量を「認知」したように思われた。最も中毒の患者は、最初はmAb投薬の神経保護的効果を克服するように努めることが期待されるが、これらのデータは、最適な条件下で、患者らが強化効果をほとんどまたは全く得ないことを示す。
3つの異なる抗体51用量からのこれらのデータはまた、最初の用量がMETH効果の部分的または不完全な拮抗作用しかもたらさないように思われたとしても、最大限の効果を達成するためには慢性的に抗体51を投薬する必要性があることを示す。定常状態への反復投薬の必要性は、中毒のmAb治療に対しては新手であるが、最大の治療便益は患者が薬物の4〜7半減期の間投薬されるまで達成されないという確立された臨床薬理的原則と十分に一致する。抗体51については、ラットにおける最終排出半減期は約6日である(未発表の発見)。ヒトにおいては、ch−抗体51の最終排出半減期は、2〜4週である可能性がある。
この研究の結果は、高親和性ネズミ抗METH抗体である抗体51の投与が、ラットにおける(±)−METH誘導性再発への応答を変化させ得ることを示す。効果は、投与した抗体51の用量、及び事前の抗体51投与の回数に依存した。応答への影響は、抗体51投与が終結した(10日目及び13日目)後でさえも継続し、これは実投与を超えた延長した有効性を示す。mAbの2つのより低い用量がレバー押しの回数を最初は増加させた一方で、見かけの対照レベルの応答に収束する前に、最高用量の抗体51(100mg/kg)は、2回目の投与後に応答を対照レベル未満に減少させた。METH応答の再発は立体異性体(±)−METHの使用によって誘導されたため、これらのデータは、(−)−METHが存在する場合であっても、抗(+)−METH抗体である抗体51がやはり(+)−METH誘導性行動に対して効果的であり得ることを示す。最後に、これらのデータは、(±)−METH誘導性再発に対する有効性が、漸増する回数のmAb7F9投与と共に改善されたことを示す。
実施例4.ラットにおけるMETH誘導性再発の予防
キメラ抗体51(ch−抗体51)は、ネズミ親抗体である抗体51に基づき、用語が当技術分野で使用される、キメラ抗体である。ch−抗体51は、(+)−メタンフェタミン(METH)及び一部の構造的に関係がある刺激剤(すなわち、(+)−アンフェタミン及び(+)−MDMA)とヒト体内で効率的に結合するように設計したキメラモノクローナル抗体である。Ch−抗体51は、重鎖及び軽鎖両方の3つ全てのCDRを含む、マウス抗体の重鎖及び軽鎖の可変フレームワーク領域を維持するように設計したが、ヒトIgG2 Fc領域を含む。これらの研究は、構造的に関係がある刺激剤、神経伝達物質、選択した薬品、及び他の乱用薬物(表4)に結合するch−抗体51の潜在性を検査するために設計した。アッセイには、[H]−METHを用いて、競合的結合形式の修正したラジオイムノアッセイ(RIA)を使用した(Peterson et al.,J Pharmacol Exp Ther(2008)325:124−133中のRIAと同様)。アッセイは、放射性標識したMETH([H]−METH)を、標識していない見込みあるリガンド(濃度は典型的に0.03〜5000nMの範囲である)、ch−抗体51、及び磁気ビーズと共役させたタンパク質Gと共にインキュベートすることによって開始する。平衡に達した後、結合した抗体及びリガンドを持つビーズを、磁石によって溶液から分離させ、上清を吸引する。mAbに結合した[H]−METHの量を、液体シンチレーション計数によって定量化する。関係刺激物の各々について、完全阻害曲線を構築して、KまたはK値を決定した(図7を参照されたい)。残りの試験リガンドについては、同一の方法を使用したが、広範ではなくリガンドの2つの濃度のみを試験した。加えて、化合物の高濃度のプールを使用して、ch−抗体51との[H]−METHの結合の阻害を試みた。METH結合がリガンドのいずれのプールによっても50%以上阻害された場合、アッセイを別個に化合物を用いて繰り返し、個別の交差反応性リガンドを識別した。
表4.ch−抗体51交差反応性について試験したリガンド
Figure 0006560808
Originソフトウェア(OriginLab)を使用して、シンチレーション計数器からの平均壊変毎分(DPM)を、非標識リガンドの濃度と対比して描出した。4パラメーターロジスティック関数をデータに適合させて、プラトーの上部及び下部、傾斜ならびに中点を説明する値を得た。曲線の中点は、[H]−METHの結合の50%を阻害するのに必要とされる非標識リガンドの濃度を識別する。非標識METHがch−抗体51との結合について[H]−METHと競合する相同アッセイのために、解離定数(K)を、中点から[H]−METHの濃度を減算することによって見出す。METH以外の非標識リガンドが結合について[H]−METHと競合する非相同アッセイのためには、減算によってK値を得る。
表4に列挙する構造的に関係がある刺激剤の各々を、放射性標識化METH結合の阻害剤として、様々な濃度にわたって個別に試験した。得られたデータを使用して、特異的リガンドについてのch−抗体51の解離定数(親和性定数の逆数であるK)またはK([H]−METHの結合を50%防止するリガンド(例えば阻害剤)の濃度)を決定した。図7は、このような実験から得られる典型的な曲線を例解する。
これらの結果をネズミ親抗体である抗体51からの結果と比較して、キメラマウス−ヒト形態への変換後の結合プロファイルの保有を示した。リガンド結合特性に基づくと、抗体のネズミ形態とキメラ形態との間には十分な一致があり、これは、ネズミ形態からの有効性データが、関連性を持ち、キメラを予測することを示した。各実験を3連で実施し、2回(AMP及びMDMA)または3回(METH)繰り返して、表5に示す平均KまたはK値を得た。
表5.関係刺激剤の交差反応試験からの結果。
Figure 0006560808
見込みあるリガンドのプールからの結果を表6に表す。各プールを、各濃度で2回、3連で分析した。
表6.リガンド交差反応性試験からの結果
Figure 0006560808
プールのうち3つ(3)が放射性標識化METHの結合を50%超阻害したため、これらの個別のリガンドを、2つの別個のアッセイにおいて3連で1μMで再試験した。平均結果を表7で報告する。
表7.1μMでの個別のリガンド交差反応性試験からの結果
Figure 0006560808
個別に試験したときに(−)−MDMAのみが50%超で[H]−METH結合を阻害することができたため、(−)−MDMAは、1μM未満のKを持つ唯一のリガンドである。試験した全ての他のリガンドは、ch−抗体51の結合能に相当な効果を有するためには、1μMを上回る濃度で存在する必要がある。エクスタシーは、(±)−MDMAの(+)及び(−)アイソフォームのラセミ混合物である。それらは(±)−METHの構造類似体であるため、一部の交差反応性が予期される。MDMAの両形態と結合するch−抗体51の能力は、実のところ、今後のMDMA乱用に対する治療としてのその実用性を改善させ得る。
ch−抗体51についてのリガンド交差反応性プロファイルを、修正したラジオイムノアッセイ及び選択した見込みあるリガンドを使用して検査した。予期した通り、ch−抗体51及び抗体51は、構造的に関係がある刺激剤についての、特に(+)−METHについての極めて類似した結合プロファイルを有する。これは、齧歯動物における抗体51の研究から得られた有効性データが、METHを乱用している対象を治療するためにch−抗体51を使用することへの潜在性の評価において有用かつ予測的であるはずだということを示す。要約すると、ch−抗体51結合プロファイルは、METH及び構造的に同様の刺激剤に限定される。試験した薬品、神経伝達物質、及び他の乱用薬物との交差反応性の欠如は、ch−抗体51が、METHと同様のサイズの体内の一般的物質と相互作用する可能性が低いことを示す。

Claims (9)

  1. (a)配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;
    (b)配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;
    (c)配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
    (d)配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;
    (e)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;および
    (f)配列番号10のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、
    を含み、(+)メタンフェタミンと特異的に結合する、単離キメラまたはヒト化抗体。
  2. 前記抗体が、配列番号1および配列番号2からなる群から選択される配列を含む核酸配列によってコードされる、請求項1に記載の単離抗体。
  3. 対象におけるメタンフェタミン使用に関連する少なくとも1つの医学的問題を治療するための、請求項1に記載の単離抗体を含む、医薬組成物
  4. 前記治療が、対象におけるメタンフェタミン使用の少なくとも1つの症状または徴候の減弱、好転、または改善を含む、請求項に記載の医薬組成物
  5. 前記メタンフェタミン使用に関連する医学的問題が、メタンフェタミン中毒およびメタンフェタミン乱用からなる群から選択される、請求項に記載の医薬組成物
  6. 前記メタンフェタミン使用に関連する医学的問題が、急性メタンフェタミン過剰摂取、慢性メタンフェタミン過剰摂取、およびメタンフェタミン使用再発からなる群から選択される、請求項に記載の医薬組成物
  7. 前記抗(+)メタンフェタミン抗体が、(+)メタンフェタミン、(+)メタンフェタミンの代謝産物、または(+)メタンフェタミン様類似体内のエピトープと結合する、請求項に記載の医薬組成物
  8. 前記抗体が、対象の脳内への(+)メタンフェタミン侵入の速度を遅延させる、請求項に記載の医薬組成物
  9. 前記抗体が、メタンフェタミン中毒の対象におけるメタンフェタミン使用再発の頻度を低減させる、請求項に記載の医薬組成物
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