(1)第1の形態
図1は、本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信RFコイル(以下、「受信コイル」と呼ぶ)4などを有している。
マグネット2は、被検体13が収容されるボア21を有している。またマグネット2には、超伝導コイル、勾配コイル、RFコイルなど(図示せず)が内蔵されている。超伝導コイルは静磁場を印加し、勾配コイルは勾配磁場を印加し、RFコイルはRFパルスを印加する。
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体13はボア21に搬送される。
受信コイル4は、被検体13の胴部に取り付けられている。
図2は、受信コイル4の説明図である。
受信コイル4は、コイル部4aとコイル部4bとを有している。コイル部4aは、被検体13の前側(A(Anterior)側)に配置されるコイルであり、4つのコイルエレメントE1、E2、E3、およびE4を有している。4つのコイルエレメントE1〜E4は2行2列に並んでいる。
コイル部4bは、被検体13の後側(P(Posterior)側)に配置されるコイルであり、4つのコイルエレメントE5、E6、E7、およびE8を有している。4つのコイルエレメントE5〜E8は2行2列に並んでいる。
第1の形態では、撮影対象の臓器は肝臓であるので、コイル部4aおよび4bは肝臓の近くに装着される。
図3は、コイル部4aのコイルエレメントE1〜E4と撮影部位との位置関係を概略的に示す図である。図3(a)はAP方向から見たコイルエレメントの位置を示しており、図3(b)は図3(a)のd−d断面におけるコイルエレメントの位置を示している。
コイルエレメントE1およびE2はS(Superior)側に位置しており、コイルエレメントE3およびE4はI(Interior)側に位置している。また、コイルエレメントE1およびE3はR(Right)側に位置しており、コイルエレメントE2およびE4はL(Left)側に位置している。AP方向から見ると、コイルエレメントE1およびE2は、コイルエレメントE3およびE4よりも、肝臓の肺側のエッジ13aの近くに配置されている。
図4は、コイル部4bのコイルエレメントE5〜E8と撮影部位との位置関係を概略的に示す図である。図4(a)はAP方向から見たコイルエレメントの位置を示しており、図4(b)は図4(a)のd−d断面におけるコイルエレメントの位置を示している。
コイルエレメントE5およびE6はS(Superior)側に位置しており、コイルエレメントE7およびE8はI(Interior)側に位置している。また、コイルエレメントE5およびE7はR(Right)側に位置しており、コイルエレメントE6およびE8はL(Left)側に位置している。AP方向から見ると、コイルエレメントE5およびE6は、コイルエレメントE7およびE8よりも、肝臓の肺側のエッジ13aの近くに配置されている。
図1に戻って説明を続ける。
MR装置100は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、コンピュータ8、操作部11、および表示部12などを有している。
送信器5はRFコイルに電流を供給し、勾配磁場電源6は勾配コイルに電流を供給する。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。尚、マグネット2、受信コイル4、送信器5、勾配磁場電源6および受信器7を合わせたものが、スキャン手段に相当する。
コンピュータ8は、表示部12に必要な情報を伝送したり、画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。コンピュータ8は、プロセッサ9およびメモリ10などを有している。
メモリ10には、プロセッサ9により実行されるプログラムなどが記憶されている。メモリ10は、プロセッサ9で読み取り可能な記録媒体の一例である。プロセッサ9で実行されるプログラムは、ハードディスクなどの非一過性の記録媒体に記憶されていてもよい。プロセッサ9で実行されるプログラムは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ハードディスクなどの記憶媒体に記憶することができる。プロセッサ9は、プログラムに記述されている処理を実行する。図5に、プロセッサ9が実行する処理を示す。プロセッサ9は、メモリ10に記憶されているプログラムを読み出すことにより、スキャン面設定手段91〜コイルエレメント選択手段97などを構成する。
スキャン面設定手段91は、操作部から入力された情報に基づいて、スキャン面を設定する。
スキャン面選択手段92は、スキャン面設定手段91により設定された複数のスキャン面の中から、呼吸信号を作成するために使用されるスキャン面を選択する。
呼吸信号作成手段93は、被検体の呼吸による動きを検出するためのナビゲータデータに基づいて、呼吸信号を作成する。
信号値決定手段94は、呼吸信号の信号値に基づいて、被検体の息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を決定する。信号値決定手段94は、第1の信号値を求める手段に相当する。
ウィンドウ設定手段95は、信号値決定手段94により決定された信号値に基づいて、イメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れるか否かを判断するための呼吸信号の範囲を表すウィンドウを設定する。
判断手段96は、イメージングデータを画像再構成の信号として受け入れるか否かを判断する。
コイルエレメント選択手段97は、コイルエレメントE1〜E8の中から、呼吸信号を作成するときに使用されるコイルエレメントを選択する。
プロセッサ9は、スキャン面設定手段91〜コイルエレメント選択手段97を構成する一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
操作部11は、オペレータにより操作され、種々の情報をコンピュータ8に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
図6は、第1の形態で実行されるスキャンの説明図である。
第1の形態では、ローカライザスキャンLS〜本スキャンMS3などが実行される。
ローカライザスキャンLSは、後述する本スキャンMS1、MS2、およびMS3におけるスキャン面を設定するときに使用される画像を取得するためのスキャンである。
プレスキャンPS1は、後述するウィンドウW1(図19参照)を設定するために必要な呼吸信号を取得するためのスキャンである。
本スキャンMS1は、後述するアキシャル面X1〜X20(図8参照)の画像を取得するためのスキャンである。
プレスキャンPS2は、後述するウィンドウW2(図32参照)を設定するために必要な呼吸信号を取得するためのスキャンである。
本スキャンMS2は、後述するコロナル面L1〜L20(図24参照)の画像を取得するためのスキャンである。
プレスキャンPS3は、後述するウィンドウW3(図45参照)を設定するために必要な呼吸信号を取得するためのスキャンである。
本スキャンMS3は、後述するサジタル面J1〜J20(図37参照)の画像を取得するためのスキャンである。
以下に、図6に示すスキャンについて具体的に説明する。
図7は、図6に示すスキャンを実行するためのフローチャートを示す図である。
ステップST1では、ローカライザスキャンLSを実行する。ローカライザスキャンLSを実行することにより、スキャン面を設定するために必要な画像を取得することができる。ローカライザスキャンLSを実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、オペレータは、操作部を操作し、ローカライザスキャンLSにより得られた画像を参考にしながら、本スキャンMS1におけるスキャン面を設定するために必要な情報を入力する。ここでは、オペレータは、スキャン面として、アキシャル面を設定するとする。この場合、オペレータは、操作部を操作し、スキャン面としてアキシャル面を設定することを表す情報を入力する。また、オペレータは、操作部を操作し、アキシャル面の設定位置などを表す条件も入力する。操作部から、これらの情報および条件が入力されると、スキャン面設定手段91(図5参照)は、入力された情報および条件に基づいて、アキシャル面を設定する。図8に、ステップST2において設定されたアキシャル面の例を示す。ここでは、20枚のアキシャル面X1〜X20がスキャン面として設定された例が示されている。アキシャル面X1〜X20を設定した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、スキャン面選択手段92(図5参照)が、アキシャル面X1〜X20の中から、後述する呼吸信号を作成するために使用されるアキシャル面を選択する。図9に、選択されたアキシャル面を示す。アキシャル面X1〜X20の中で、被検体の呼吸の影響を受けてMR信号の信号値が大きく変化しやすいのは、肝臓のエッジ13aの近くに位置するアキシャル面である。そこで、スキャン面選択手段92は、スキャン面としてアキシャル面が設定されている場合、アキシャル面X1〜X20の中から、肝臓のエッジ13a側に位置するアキシャル面X1〜X10を、呼吸信号を求めるために使用されるアキシャル面として選択する。
アキシャル面X1〜X10を選択した後、ステップST4に進む。
ステップST4では、プレスキャンPS1が実行される。以下、プレスキャンPS1について説明する。
図10はプレスキャンPS1で使用されるシーケンスの説明図である。
図10では、プレスキャンPS1を複数の期間P1〜Pmに分けて示してある。各期間は、マルチスライス法によりアキシャル面X1〜X20(図8参照)からMR信号を収集するためのシーケンスAX1〜AX20が実行される繰り返し時間TRを表している。図10では、期間P1〜Pmのうち期間P1で実行される複数のシーケンスAX1〜AX20が示されている。また、図10には、シーケンスAX1の例が概略的に示されている。シーケンスAX1は、DCセルフナビゲータ法により、被検体の動きを検出するためのナビゲータ信号aと、画像を作成するためのイメージング信号bとを収集するように構成されている。
シーケンスAX1は、アキシャル面AX1を励起するためのRFパルスαと、スライス選択勾配パルスGz1を有している。RFパルスαおよびスライス選択勾配パルスGz1によってアキシャル面AX1が励起される。スライス選択勾配パルスGz1の直後には、リフェーザパルスGz2が印加される。
シーケンスAX1は、周波数エンコード方向に、ディフェーザパルスGx1、およびMR信号を読み出すための読出し勾配パルスGx2を有している。スライス選択後のリフェーザパルスGz2とディフェーザパルスGx1との間には待ち時間Twaitが設けられている。この待ち時間Twaitの間に、被検体の動きを検出するためのナビゲータ信号aが収集される。ナビゲータ信号aは、k空間の中心のデータ(DCデータ)を表す信号である。待ち時間Twaitは、例えば20μsである。また、読出し勾配パルスGx2により、アキシャル面AX1のイメージング信号bを得ることができる。
シーケンスAX1は、位相エンコード方向に、位相エンコード勾配パルスGy1と、スピンの位相を再収束させるためのリフェーザパルスGy2とを有している。図10では、位相エンコード勾配パルスGy1の磁場強度、およびリフェーザパルスGy2の磁場強度を、「G」で表してある。
シーケンスAX1を実行した後、アキシャル面X2〜X20の画像を取得するためのシーケンスAX2〜AX20が順に実行される。シーケンスAX2〜AX20は、RFパルスαの励起周波数を除いて、シーケンスAX1と同じシーケンスチャートで表される。したがって、期間P1では、シーケンスAX1〜AX20を実行することにより、アキシャル面X1〜X20におけるナビゲータ信号aおよびイメージング信号bが収集される。図11に、シーケンスAX1〜AX20を実行することにより収集されたナビゲータ信号aおよびイメージング信号bを概略的に示す。尚、図11では、期間P1で得られる複数のナビゲータ信号aを区別するために、符号aには、添え字「1」、「2」、・・・「20」を付してある。同様に、イメージング信号bを区別するために、符号bにも、添え字「1」、「2」、・・・「20」を付してある。
期間P1においてシーケンスAX1〜AX20を実行した後、次の期間P2でもシーケンスAX1〜AX20が実行される。以下同様に、シーケンスAX1〜AX20が繰り返し実行される。したがって、期間P1〜Pmの各々においてシーケンスAX1〜AX20が実行される。
第1の形態では、プレスキャンPS1を実行することにより、呼吸信号を取得する。以下に、プレスキャンPS1を実行することにより、呼吸信号を取得する方法について説明する。
先ず、期間P1において、シーケンスAX1が実行される。シーケンスAX1を実行することにより、ナビゲータ信号a1とイメージング信号b1が収集される。ナビゲータ信号a1およびイメージング信号b1は受信コイル4で受信される。
受信コイル4はコイルエレメントE1〜E8(図2参照)を有しているので、ナビゲータ信号a1およびイメージング信号b1は、コイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、コイルエレメントE1〜E8の各々から受け取った信号に対して検波などの処理を行い、ナビゲータ信号a1の情報を含むナビゲータデータと、イメージング信号b1の情報を含むイメージングデータとをコンピュータに出力する。第1の形態では、受信コイル4は8個のコイルエレメントE1〜E8を有しているので、コイルエレメントごとに、ナビゲータ信号a1の情報を含むナビゲータデータと、イメージング信号b1の情報を含むイメージングデータとを得ることができる。図12に、コイルエレメントごとに得られたナビゲータデータおよびイメージングデータを概略的に示す。図12では、コイルエレメントE1〜E8により得られたナビゲータデータを、それぞれ符号A11〜A18で示してあり、コイルエレメントE1〜E8により得られたイメージングデータを、それぞれ符号B11〜B18で示してある。
シーケンスAX1を実行した後、以下同様に、アキシャル面X2〜X20からデータを取得するためのシーケンスAX2〜AX20が順に実行される。図13は、シーケンスAX2〜AX20の説明図である。
シーケンスAX2を実行することにより、アキシャル面X2から、ナビゲータ信号a2とイメージング信号b2とが収集される。ナビゲータ信号a2およびイメージング信号b2は受信コイル4で受信される。
ナビゲータ信号a2およびイメージング信号b2は、コイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、コイルエレメントE1〜E8の各々から受け取った信号に対して検波などの処理を行い、ナビゲータ信号a2の情報を含むナビゲータデータと、イメージング信号b2の情報を含むイメージングデータとをコンピュータに出力する。したがって、シーケンスAX2を実行した場合、コイルエレメントE1〜E8により、ナビゲータデータA21〜A28と、イメージングデータB21〜B28とが得られる。
以下同様に、シーケンスが実行される。例えば、シーケンスAX10を実行することにより、アキシャル面X10から、ナビゲータ信号a10とイメージング信号b10とが収集される。ナビゲータ信号a10およびイメージング信号b10は受信コイル4で受信される。
ナビゲータ信号a10およびイメージング信号b10は、コイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、コイルエレメントE1〜E8の各々から受け取った信号に対して検波などの処理を行い、ナビゲータ信号a10の情報を含むナビゲータデータと、イメージング信号b10の情報を含むイメージングデータとをコンピュータに出力する。したがって、シーケンスAX10を実行した場合、コイルエレメントE1〜E8により、ナビゲータデータA101〜A108と、イメージングデータB101〜B108とが得られる。
シーケンスAX10を実行した後、シーケンスAX11が実行される。シーケンスAX11を実行することにより、アキシャル面X11から、ナビゲータ信号a11とイメージング信号b11とが収集される。ナビゲータ信号a11およびイメージング信号b11は受信コイル4で受信される。
ナビゲータ信号a11およびイメージング信号b11は、コイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、コイルエレメントE1〜E8の各々から受け取った信号に対して検波などの処理を行い、ナビゲータ信号a11の情報を含むナビゲータデータと、イメージング信号b11の情報を含むイメージングデータとをコンピュータに出力する。したがって、シーケンスAX11を実行した場合、コイルエレメントE1〜E8により、ナビゲータデータA111〜A118と、イメージングデータB111〜B118とが得られる。
以下同様にシーケンスが実行され、期間P1の最後に、アキシャル面X20のデータを取得するためのシーケンスAX20が実行される。シーケンスAX20を実行することにより、アキシャル面X20から、ナビゲータ信号a20とイメージング信号b20とが収集される。ナビゲータ信号a20およびイメージング信号b20は受信コイル4で受信される。
ナビゲータ信号a20およびイメージング信号b20は、コイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、コイルエレメントE1〜E8の各々から受け取った信号に対して検波などの処理を行い、ナビゲータ信号a20の情報を含むナビゲータデータと、イメージング信号b20の情報を含むイメージングデータとをコンピュータに出力する。したがって、シーケンスAX20を実行した場合、コイルエレメントE1〜E8により、ナビゲータデータA201〜A208と、イメージングデータB201〜B208とが得られる。
このようして、シーケンスを実行することにより、コイルエレメントごとにナビゲータデータを得ることができる。
尚、シーケンスAX1〜AX20を実行することにより、ナビゲータデータの他に、イメージングデータも取得される。しかし、プレスキャンPS1で得られたイメージングデータは、画像再構成用のイメージングデータとしては採用されず、破棄される。
期間P1においてシーケンスAX1〜AX20を実行した後、期間P1における呼吸信号の信号値を求める。以下に、期間P1における呼吸信号の信号値を求める方法について説明する。
呼吸信号作成手段93(図5参照)は、ステップST3において選択されたアキシャル面X1〜X10(図9参照)から得られたナビゲータデータA11〜A108を合成する(図14参照)。
図14は、ナビゲータデータA11〜A108を合成するときの説明図である。
図14では、期間P1においてアキシャル面X1〜X10から得られたナビゲータデータA11〜A108を加算することにより、ナビゲータデータA11〜A108を合成する例が示されている。ナビゲータデータA11〜A108を加算することにより、合成データA1が得られる。
合成データA1を取得した後、呼吸信号作成手段93は、合成データA1が表すMR信号の大きさを求める。図15に、合成データA1が表すMR信号の大きさを概略的に示す。第1の形態では、合成データA1が表すMR信号の積分値S1が、MR信号の大きさを表す値として算出される。このようにして算出された積分値S1が、期間P1における呼吸信号の信号値として使用される。
期間P1においてシーケンスAX1〜AX20を実行した後、期間P2に移行する(図16参照)。
図16は、期間P2における呼吸信号の信号値を算出するときの説明図である。
期間P2でも、期間1と同様にシーケンスAX1〜AX20が実行され、アキシャル面X1〜X10から得られたナビゲータデータA11〜A108が合成される。そして、合成データA2の積分値S2を求める。積分値S2が、期間P2における被検体の呼吸信号の信号値として使用される。
以下同様に、各期間においてシーケンスAX1〜AX20を実行し、合成データの積分値を算出する。したがって、各期間における呼吸信号の信号値を求めることができる(図17参照)。
図17は、呼吸信号を概略的に示す図である。
第1の形態では、肝臓のエッジ13a側に位置するアキシャル面X1〜X10のナビゲータデータA11〜A108のみを合成(加算)している。したがって、被検体の呼吸に応じて大きく変化する呼吸信号Sres1を取得することができる。
尚、プレスキャンPS1で使用されるシーケンスは位相エンコード方向に勾配パルスGy1およびGy2(図10参照)を有しているが、プレスキャンPS1はアキシャル面X1〜X20の画像を求めるために実行されるスキャンではない。したがって、プレスキャンPS1の間、位相エンコード方向の勾配パルスGy1およびGy2の磁場強度Gの値は変更しなくてもよい。典型的には、磁場強度G=0に設定し、プレスキャンPS1を実行することができる。
呼吸信号Sres1求めた後、ステップST5に進む。
ステップST5では、後述する本スキャンMS1(ステップST6)において取得されたイメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れるか、それとも、イメージングデータの受入れを拒否するかを判断するための呼吸信号の信号値の範囲を表すウィンドウが設定される。以下に、ウィンドウの設定方法について説明する。
先ず、信号値決定手段94(図5参照)は、呼吸信号Sres1の信号値に基づいて、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を決定する(図18参照)。
図18は、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を決定するときの説明図である。図18では、呼吸信号を作成するときに使用されたアキシャル面X1〜X10と肝臓との位置関係が概略的に示されている。被検体が息を吐いたときの肝臓は実線で示されており、被検体が息を吸ったときの肝臓は破線で示されている。また、図18では、アキシャル面X1〜X10のうちアキシャル面X3については、平面図で示されている。
先ず、アキシャル面X3について考える。被検体が息を吐いた場合、肝臓のエッジ13aはS方向に動くので、アキシャル面X3における肝臓の断面積は大きくなる傾向がある。肝臓は、肺と比較すると高信号源であるので、アキシャル面X3において高信号源の肝臓の断面積が大きくなると、コイルエレメントが受信するMR信号の信号強度は大きくなる。したがって、被検体が息を吐くと、コイルエレメントが受信するMR信号の信号強度は大きくなる傾向がある。一方、被検体が息を吸った場合、肝臓の13aはI方向に動くので、アキシャル面X3における肝臓の断面積は小さくなる傾向がある。したがって、被検体が息を吸うと、コイルエレメントが受信するMR信号の信号強度は小さくなる傾向がある。このため、被検体が息を吐いている間は、コイルエレメントがアキシャル面X3から受信するMR信号の信号強度は増加し、一方、被検体が息を吸っている間は、コイルエレメントがアキシャル面X3から受信するMR信号の信号強度は減少する。
尚、上記の説明では、アキシャル面X3について説明したが、他のアキシャル面X1、X2、X4〜X10(のうちのほとんどのアキシャル面)も、アキシャル面X3と同様に考えることができる。つまり、被検体が息を吐いている間は、コイルエレメントがアキシャル面から受信するMR信号の信号強度は増加し、一方、被検体が息を吸っている間は、コイルエレメントがアキシャル面から受信するMR信号の信号強度は減少すると考えられる。したがって、アキシャル面X1〜X10から得られたナビゲータデータに基づいて呼吸信号を作成した場合、被検体が息を吐くと呼吸信号は増加し、一方、被検体が息を吸うと呼吸信号は減少することがわかる。そこで、第1の形態では、スキャン面としてアキシャル面が設定されている場合、呼吸信号が増加から減少に変化するときの信号値が、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値と判断される。第1の形態では、ステップST2において、スキャン面としてアキシャル面を設定することを表す情報が入力されているので、信号値決定手段94は、この情報に基づいて、スキャン面としてアキシャル面が設定されていると判断することができる。したがって、信号値決定手段94は、呼吸信号が増加から減少に変化するときの信号値を、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値と決定する。図19に、信号値決定手段94により求められた息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値x1を概略的に示す。
息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値x1を求めた後、ウィンドウ設定手段95(図5参照)は、信号値x1に基づいて、ウィンドウW1を設定する。具体的には、以下のようにしてウィンドウW1を設定する。
ウィンドウ設定手段95は、先ず、呼吸信号の最大値と最小値との差ΔDを求める。そして、信号値x1を中心として、差ΔDのx%(例えば、x=20)の範囲Wを設定する。このようにして設定された範囲Wを、イメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れるか否かを判断するためのウィンドウW1と定める。
ウィンドウW1を設定した後、ステップST6に進む。
ステップST6では、アキシャル面X1〜X20(図8参照)の画像を取得するための本スキャンMS1が実行される。
図20は、本スキャンMS1により収集されるナビゲータ信号およびイメージング信号を示す図である。
本スキャンMS1は、期間P1〜Pnにおいて、シーケンスAX1〜AX20が実行される。本スキャンMS1で実行されるシーケンスAX1〜AX20は、プレスキャンPS1で実行されるシーケンスAX1〜AX20と同様に、DCセルフナビゲータ法のシーケンス(図10参照)である。したがって、本スキャンMS1においても、シーケンスAX1〜AX20を実行することにより、ナビゲータ信号(a1〜a20)およびイメージング信号(b1〜b20)が収集される。以下、本スキャンMS1について具体的に説明する。
図21は、本スキャンMS1の説明図である。
先ず、期間P1において、シーケンスAX1が実行される。シーケンスAX1を実行することにより、ナビゲータ信号a1とイメージング信号b1が収集される。シーケンスAX1の位相エンコード方向における勾配パルスGy1およびGy2の磁場強度G(図10参照)は、k空間のky=0のラインのイメージングデータを得るための値G=0に設定されている。ナビゲータ信号a1およびイメージング信号b1は受信コイル4で受信される。
ナビゲータ信号a1は、受信コイル4のコイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの処理を行い、ナビゲータ信号a1の情報を含むナビゲータデータA11〜A18と、イメージング信号b1の情報を含むイメージングデータB11〜B18とをコンピュータに出力する。
シーケンスAX1を実行した後、以下同様に、アキシャル面X2〜X20の画像を取得するためのシーケンスAX2〜AX20が順に実行される。シーケンスAX2〜AX20の位相エンコード方向における勾配パルスGy1およびGy2の磁場強度Gは、ky=0のラインのイメージングデータを得るための値G=0に設定されている。したがって、期間P1では、アキシャル面X1〜X20の各々から、ky=0のラインのイメージングデータが取得される。
期間P1においてシーケンスAX1〜AX20を実行した後、以下のようにして期間P1における呼吸信号の信号値を求める。
図22は、呼吸信号の信号値を求めるときの説明図である。
呼吸信号作成手段93は、ステップST3において選択されたアキシャル面X1〜X10(図9参照)から得られたナビゲータデータA11〜A108を合成し、合成データA1を作成する。合成データA1を作成した後、呼吸信号作成手段93は、合成データA1が表すMR信号の大きさ(積分値S1)を求める。積分値S1が、期間P1における呼吸信号の信号値として使用される。
積分値S1を求めた後、判断手段96(図5参照)は、呼吸信号の信号値S1に基づいて、期間P1において取得したイメージングデータB11〜B208を画像再構成用のデータとして使用するか否かを判断する。具体的には、判断手段96は、呼吸信号の信号値がウィンドウW1に含まれている場合、イメージングデータB11〜B208を画像再構成用のデータとして受け入れると判断する。一方、判断手段96は、呼吸信号の信号値がウィンドウW1に含まれていない場合、イメージングデータB11〜B208を画像再構成用のデータとして受け入れることを拒否すると判断する。図22を見ると、期間P1の信号値(積分値)S1はウィンドウW1に含まれていないので、期間P1に取得されたイメージングデータB11〜B208は拒否される。期間P1においてシーケンスを実行した後、期間P2に移行する。
期間P2では、期間P1で拒否されたデータを再取得する。図23は、期間P2において、データを再取得するときの説明図である。
期間P2では、シーケンスAX1〜AX20の位相エンコード方向における勾配パルスGy1およびGy2の磁場強度Gは、期間P1と同様に、ky=0のラインのイメージングデータを得るための値G=0に設定されている。したがって、期間P2では、アキシャル面X1〜X20の各々から、ky=0のラインのイメージングデータが得られる。
期間P2においてシーケンスAX1〜AX20を実行した後、呼吸信号作成手段93は、ステップST3において選択されたアキシャル面X1〜X10から得られたナビゲータデータA11〜A108を合成し、合成データA2を作成する。合成データA2を作成した後、呼吸信号作成手段93は、合成データA2が表すMR信号の大きさ(積分値S2)を求める。積分値S2が、期間P2における呼吸信号の信号値として使用される。
次に、判断手段96は、呼吸信号の信号値がウィンドウW1に含まれているか否かを判断する。図23を見ると、期間P2の信号値(積分値)S2はウィンドウW1に含まれている。したがって、判断手段96は、期間P2に取得されたイメージングデータB11〜B208は、ky=0のラインのイメージングデータとして受け入れると判断する。
以下同様に、各期間においてシーケンスAX1〜AX20を実行し、各期間の呼吸信号の信号値がウィンドウW1に含まれているか否を判断する。そして、信号値がウィンドウW1に含まれていない場合は、次の期間においても、位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gの値を変更せずにシーケンスAX1〜AX20が実行される。一方、信号値がウィンドウW1に含まれている場合は、位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gの値を変更し、次の期間において、kyの別のラインのイメージングデータを取得するためのシーケンスAX1〜AX20が実行される。そして、画像再構成に必要なk空間の全データが取得されるまで、シーケンスAX1〜AX20を繰り返し実行する。画像再構成に必要なk空間の全データが取得されたら、アキシャル面X1〜X20(図8参照)の画像を再構成し、ステップST6が終了する。
ステップST6を終了した後、ステップST7に進む。
ステップST7では、オペレータは、操作部を操作し、ローカライザスキャンLSにより得られた画像を参考にしながら、本スキャンMS2におけるスキャン面を設定するために必要な情報を入力する。ここでは、オペレータは、スキャン面として、コロナル面を設定するとする。この場合、オペレータは、操作部を操作し、スキャン面としてコロナル面を設定することを表す情報を入力する。また、オペレータは、操作部を操作し、コロナル面の設定位置などを表す条件も入力する。操作部から、これらの情報および条件が入力されると、スキャン面設定手段91は、入力された情報および条件に基づいて、コロナル面を設定する。図24に、ステップST7において設定されたコロナル面の例を示す。ここでは、20枚のコロナル面L1〜L20がスキャン面として設定された例が示されている。コロナル面L1〜L20を設定した後、ステップST8に進む。
ステップST8では、スキャン面選択手段92が、コロナル面L1〜L20の中から、後述する呼吸信号を求めるために使用されるコロナル面を選択する。図25に、選択されたコロナル面を示す。コロナル面L1〜L20の中で、被検体の呼吸の影響を受けてMR信号の信号値が大きく変化しやすいのは、被検体の腹部の表面の近くに位置するコロナル面である。そこで、スキャン面選択手段92は、スキャン面としてコロナル面が設定されている場合、コロナル面L1〜L20の中から、被検体の腹部の表面側に位置するコロナル面L1〜L10を、呼吸信号を求めるために使用されるコロナル面として選択する。
コロナル面L1〜L10を選択した後、ステップST9に進む。
ステップST9では、プレスキャンPS2が実行される。以下、プレスキャンPS2について説明する。
図26はプレスキャンPS2の説明図である。
図26では、プレスキャンPS2を複数の期間P1〜Pmに分けて示してある。各期間は、マルチスライス法によりコロナル面L1〜L20(図24参照)からMR信号を収集するためのシーケンスCO1〜CO20が実行される繰り返し時間TRを表している。図26では、期間P1〜Pmのうち期間P1で実行される複数のシーケンスCO1〜CO20が示されている。プレスキャンPS2で実行されるシーケンスCO1〜CO20は、プレスキャンPS1で実行されるシーケンスAX1〜AX20と同様に、DCセルフナビゲータ法のシーケンス(図10参照)である。したがって、シーケンスCO1〜CO20を実行することにより、コロナル面L1〜L20から、ナビゲータ信号(a1〜a20)およびイメージング信号(b1〜b20)が収集される。
期間P1においてシーケンスCO1〜CO20を実行した後、次の期間P2でもシーケンスCO1〜CO20が実行される。以下同様に、シーケンスCO1〜CO20が繰り返し実行される。したがって、期間P1〜Pmの各々においてシーケンスCO1〜CO20が実行される。
第1の形態では、プレスキャンPS2を実行することにより、呼吸信号を取得する。以下に、プレスキャンPS2を実行することにより、呼吸信号を取得する方法について説明する。
図27は、プレスキャンPS2においてシーケンスCO1〜CO20を実行するときの説明図である。
先ず、期間P1において、シーケンスCO1が実行される。シーケンスCO1を実行することにより、ナビゲータ信号a1とイメージング信号b1が収集される。ナビゲータ信号a1およびイメージング信号b1は受信コイル4で受信される。
受信コイル4はコイルエレメントE1〜E8を有しているので、ナビゲータ信号a1およびイメージング信号b1は、コイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、コイルエレメントE1〜E8の各々から受け取った信号に対して検波などの処理を行う。これにより、ナビゲータ信号a1の情報を含むナビゲータデータA11〜A18と、イメージング信号b1の情報を含むイメージングデータB11〜B18とが得られる。
以下同様に、コロナル面L2〜L20の各々からナビゲータ信号およびイメージング信号を収集するためのシーケンスCO2〜CO20が実行される。したがって、プレスキャンPS2を実行することにより、ナビゲータデータA11〜A208およびイメージングデータB11〜B208が得られる。
期間P1においてシーケンスCO2〜CO20を実行した後、期間P1における呼吸信号の信号値を求める。以下に、期間P1における呼吸信号の信号値を求める方法について説明する。
呼吸信号作成手段93は、ステップST8において選択されたコロナル面L1〜L10(図25参照)から得られたナビゲータデータA11〜A108を加算する。図28に、ナビゲータデータA11〜A108を加算することにより得られた合成データA1を概略的に示す。
合成データA1を取得した後、呼吸信号作成手段93は、合成データA1の積分値S1を求める。図29に、合成データA1の積分値S1を概略的に示す。積分値S1が、期間P1における呼吸信号の信号値として使用される。
以下同様に、各期間においてシーケンスCO1〜CO20を実行し、合成データの積分値を算出する。したがって、各期間における呼吸信号の信号値を求めることができる(図30参照)。
図30は、呼吸信号を概略的に示す図である。
呼吸信号作成手段93は、被検体の腹部の表面側に位置するコロナル面L1〜L10のナビゲータデータA11〜A108のみを合成(加算)している。したがって、被検体の呼吸に応じて大きく変化する呼吸信号Sres2を取得することができる。
尚、プレスキャンPS2は、プレスキャンPS1と同様に、位相エンコード方向の勾配パルスの磁場強度Gの値を変更する必要はない。典型的には、磁場強度G=0に設定し、プレスキャンPS2を実行することができる。
呼吸信号Sres2を求めた後、ステップST10に進む。
ステップST10では、呼吸信号Sres2に基づいて、後述する本スキャンMS2(ステップST11)において取得されたイメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れるか、それとも、イメージングデータの受入れを拒否するかを判断するためのウィンドウが設定される。以下に、ウィンドウの設定方法について説明する。
先ず、信号値決定手段94は、呼吸信号Sres2の信号値に基づいて、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を決定する。
図31は、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を求めるときの説明図である。図31では、呼吸信号を作成するときに使用されたコロナル面L1〜L10と肝臓との位置関係が概略的に示されている。被検体が息を吐いたときの肝臓は実線で示されており、被検体が息を吸ったときの肝臓は破線で示されている。また、図31では、コロナル面L1〜L10のうちコロナル面L3については、平面図が示されている。
先ず、コロナル面L3について考える。被検体が息を吐いた場合、肝臓はP方向(背中側)に動くので、コロナル面L3における肝臓の断面積は小さくなる傾向がある。したがって、被検体が息を吐くと、コイルエレメントが受信するMR信号の信号強度は小さくなる傾向がある。一方、被検体が息を吸った場合、肝臓はA方向に動くので、コロナル面L3における肝臓の断面積は大きくなる傾向がある。したがって、被検体が息を吸うと、コイルエレメントが受信するMR信号の信号強度は大きくなる傾向がある。このため、被検体が息を吐いている間は、コイルエレメントがコロナル面L3から受信するMR信号の信号強度は減少し、一方、被検体が息を吸っている間は、コイルエレメントがコロナル面L3から受信するMR信号の信号強度は増加する。
尚、上記の説明では、コロナル面L3について説明したが、他のコロナル面L1、L2、L4〜L10(のうちのほとんどのコロナル面)も、コロナル面L3と同様に考えることができる。つまり、被検体が息を吐いている間は、コイルエレメントがコロナル面から受信するMR信号の信号強度は減少し、一方、被検体が息を吸っている間は、コイルエレメントがコロナル面から受信するMR信号の信号強度は増加すると考えられる。したがって、コロナル面L1〜L10から得られたナビゲータデータに基づいて呼吸信号を作成した場合、被検体が息を吐くと呼吸信号は減少し、一方、被検体が息を吸うと呼吸信号は増加することがわかる。そこで、第1の形態では、スキャン面としてコロナル面が設定されている場合、呼吸信号が減少から増加に変化するときの信号値が、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値と判断される。第1の形態では、ステップST7において、スキャン面としてコロナル面を設定することを表す情報が入力されているので、信号値決定手段94は、この情報に基づいて、スキャン面としてコロナル面が設定されていると判断することができる。したがって、信号値決定手段94は、呼吸信号が減少から増加に変化するときの信号値を、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値と決定する。図32に、信号値決定手段94により求められた息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値x2を概略的に示す。
息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値x2を求めた後、ウィンドウ設定手段95は、信号値x2に基づいて、ウィンドウW2を設定する。具体的には、以下のようにしてウィンドウW2を設定する。
ウィンドウ設定手段95は、先ず、呼吸信号の最大値と最小値との差ΔDを求める。そして、信号値x2を中心として、差ΔDのx%(例えば、x=20)の範囲Wを設定する。このようにして設定された範囲Wを、イメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れるか否かを判断するためのウィンドウW2と定める。
ウィンドウW2を設定した後、ステップST11に進む。
ステップST11では、コロナル面L1〜L20(図24参照)の画像を取得するための本スキャンMS2が実行される。
図33は、本スキャンMS2の説明図である。
本スキャンMS2は、期間P1〜Pnにおいて、シーケンスCO1〜CO20が実行される。本スキャンMS2で実行されるシーケンスCO1〜CO20は、プレスキャンPS2で実行されるシーケンスCO1〜CO20と同様に、DCセルフナビゲータ法のシーケンスである。したがって、本スキャンMS2においても、シーケンスCO1〜CO20を実行することにより、ナビゲータ信号(a1〜a20)およびイメージング信号(b1〜b20)が収集される。尚、以下、本スキャンMS2について具体的に説明する。
図34は、本スキャンMS2においてシーケンスCO1〜CO20を実行するときの説明図である。
先ず、期間P1において、シーケンスCO1が実行される。シーケンスCO1を実行することにより、ナビゲータ信号a1とイメージング信号b1が収集される。シーケンスCO1の位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gは、ky=0のラインのイメージングデータを得るための値G=0に設定されている。ナビゲータ信号a1およびイメージング信号b1は受信コイル4で受信される。
ナビゲータ信号a1は、受信コイル4のコイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、受信コイル4から受け取った信号に対して検波などの処理を行い、ナビゲータ信号a1の情報を含むナビゲータデータA11〜A18と、イメージング信号b1の情報を含むイメージングデータB11〜B18とをコンピュータに出力する。
シーケンスCO1を実行した後、以下同様に、コロナル面L2〜L20の画像を取得するためのシーケンスCO2〜CO20が順に実行される。シーケンスCO2〜CO20の位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gは、ky=0のラインのイメージングデータを得るための値G=0に設定されている。したがって、期間P1では、コロナル面L1〜L20の各々から、ky=0のラインのイメージングデータが取得される。
期間P1においてシーケンスCO1〜CO20を実行した後、以下のようにして期間P1における呼吸信号の信号値を求める。
図35は、呼吸信号の信号値を求めるときの説明図である。
呼吸信号作成手段93は、ステップST8において選択されたコロナル面L1〜L10から得られたナビゲータデータA11〜A108を合成し、合成データA1を作成する。合成データA1を作成した後、呼吸信号作成手段93は、合成データA1が表すMR信号の大きさ(積分値S1)を求める。積分値S1が、期間P1における呼吸信号の信号値として使用される。
積分値S1を求めた後、判断手段96は、呼吸信号の信号値S1に基づいて、期間P1において取得したイメージングデータB11〜B208を画像再構成用のデータとして使用するか否かを判断する。図35を見ると、期間P1の信号値(積分値)S1はウィンドウW2に含まれていないので、期間P1に取得されたイメージングデータB11〜B208は拒否される。期間P1においてシーケンスを実行した後、期間P2に移行する。
期間P2では、期間P1で拒否されたデータを再取得する。図36は、期間P2において、データを再取得するときの説明図である。
期間P2では、シーケンスの位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gは、期間P1と同様に、ky=0のラインのイメージングデータを得るための値G=0に設定されている。したがって、期間P2では、コロナル面L1〜L20の各々から、ky=0のラインのイメージングデータが得られる。
期間P2においてシーケンスCO1〜CO20を実行した後、呼吸信号作成手段93は、ステップST8において選択されたコロナル面L1〜L10から得られたナビゲータデータA11〜A108を合成し、合成データA2を作成する。合成データA2を作成した後、呼吸信号作成手段93は、合成データA2が表すMR信号の大きさ(積分値S2)を求める。積分値S2が、期間P2における呼吸信号の信号値として使用される。
次に、判断手段96は、呼吸信号の信号値がウィンドウW2に含まれているか否かを判断する。図36を見ると、期間P2の信号値(積分値)S2はウィンドウW2に含まれている。したがって、判断手段96は、期間P2に取得されたイメージングデータB11〜B208を、ky=0のラインのイメージングデータとして受け入れると決定する。
以下同様に、各期間においてシーケンスCO1〜CO20を実行し、各期間の呼吸信号の信号値がウィンドウW2に含まれているか否を判断する。そして、信号値がウィンドウW2に含まれていない場合は、次の期間においても、位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gの値を変更せずにシーケンスCO1〜CO20が実行される。一方、信号値がウィンドウW2に含まれている場合は、位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gの値を変更し、次の期間において、kyの別のラインのイメージングデータを取得するためのシーケンスCO1〜CO20が実行される。そして、画像再構成に必要なk空間の全データが取得されるまで、シーケンスCO1〜CO20を繰り返し実行する。画像再構成に必要なk空間の全データが取得されたら、コロナル面L1〜L20(図24参照)の画像を再構成し、ステップST11が終了する。
ステップST11を終了した後、ステップST12に進む。
ステップST12では、オペレータは、操作部を操作し、ローカライザスキャンLSにより得られた画像を参考にしながら、本スキャンMS3におけるスキャン面を設定するために必要な情報を入力する。ここでは、オペレータは、スキャン面として、サジタル面を設定するとする。この場合、オペレータは、操作部を操作し、スキャン面としてサジタル面を設定することを表す情報を入力する。また、オペレータは、操作部を操作し、サジタル面の設定位置などを表す条件も入力する。操作部から、これらの情報および条件が入力されると、スキャン面設定手段91は、入力された情報および条件に基づいて、サジタル面を設定する。図37に、ステップST12において設定されたサジタル面の例を示す。ここでは、20枚のサジタル面J1〜J20がスキャン面として設定された例が示されている。サジタル面J1〜J20を設定した後、ステップST13に進む。
ステップST13では、コイルエレメント選択手段97(図5参照)が、コイルエレメントE1〜E8の中から、後述する呼吸信号の信号値を求めるために使用するコイルエレメントを選択する。
図38は、コイルエレメントを選択するときの説明図である。
図38には、チャネルE1〜E4と肝臓との位置関係が概略的に示されている。被検体が息を吐いたときの肝臓が実線で示されており、被検体が息を吸ったときの肝臓が破線で示されている。
また、図38には、2つの信号SE1およびSE3が示されている。信号SE1(実線)は、コイルエレメントE1がサジタル面J5から収集したナビゲータ信号の信号強度の時間変化を概略的に示している。一方、信号SE3(破線)は、コイルエレメントE3がサジタル面J5から収集したナビゲータ信号の信号強度の時間変化を概略的に示している。
被検体が息を吐いた場合、肝臓のエッジ13aはS方向に動くので、肝臓はコイルエレメントE1に近づく。したがって、コイルエレメントE1の受信信号の信号値は、肝臓の影響を受けて増加する。一方、コイルエレメントE3から見ると、肝臓は離れていくので、コイルエレメントE3の受信信号の信号値は減少する。
これに対し、被検体が息を吸った場合、肝臓のエッジ13aはI方向に動くので、肝臓はコイルエレメントE1から離れる。したがって、コイルエレメントE1の受信信号の信号値は減少する。一方、コイルエレメントE3から見ると、肝臓は近づいてくるので、コイルエレメントE3の受信信号の信号値は増加する。したがって、コイルエレメントE1の受信信号が増減するタイミングと、コイルエレメントE3の受信信号が増減するタイミングは逆になるので、信号W1およびW3を加算すると、信号値がキャンセルされる。このため、8個のコイルエレメントE1〜E8(図2参照)の信号を全て加算してしまうと、呼吸信号の振幅を大きくすることができず、被検体の呼吸運動を十分に反映した呼吸信号を得ることが難しいという問題がある。
そこで、サジタル面を励起する場合、コイルエレメント選択手段97は、コイルエレメントE1〜E8の中から、呼吸信号の信号値を求めるのに適したコイルエレメントを選択する。一般的には、コイルエレメントE1〜E8のうち、肝臓のエッジ13aの近くに位置するコイルエレメントは、ほぼ同じタイミングで信号が増減する傾向がある。そこで、第1の形態では、コイルエレメント選択手段97は、コイルエレメントE1〜E8の中から、肝臓のエッジ13aの近くに位置するコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6(図3および図4参照)を、呼吸信号の信号値を求めるときに使用するコイルエレメントとして選択する。コイルエレメントを選択した後、ステップST14に進む。
ステップST14では、プレスキャンPS3が実行される。以下、プレスキャンPS3について説明する。
図39はプレスキャンPS3の説明図である。
図39では、プレスキャンPS3を複数の期間P1〜Pmに分けて示してある。各期間は、マルチスライス法によりサジタル面J1〜J20(図37参照)からMR信号を収集するためのシーケンスSA1〜SA20が実行される繰り返し時間TRを表している。図39では、期間P1〜Pmのうち期間P1で実行される複数のシーケンスSA1〜SA20が示されている。プレスキャンPS3で実行されるシーケンスSA1〜SA20は、プレスキャンPS1で実行されるシーケンスAX1〜AX20と同様に、DCセルフナビゲータ法のシーケンス(図10参照)である。したがって、シーケンスSA1〜SA20を実行することにより、サジタル面J1〜J20から、ナビゲータ信号(a1〜a20)およびイメージング信号(b1〜b20)が収集される。
期間P1においてシーケンスSA1〜SA20を実行した後、次の期間P2でもシーケンスSA1〜SA20が実行される。以下同様に、シーケンスSA1〜SA20が繰り返し実行される。したがって、期間P1〜Pmの各々においてシーケンスSA1〜SA20が実行される。
第1の形態では、プレスキャンPS3を実行することにより、呼吸信号を取得する。以下に、プレスキャンPS3を実行することにより、呼吸信号を取得する方法について説明する。
図40は、プレスキャンPS3においてシーケンスSA1〜SA20を実行するときの説明図である。
先ず、期間P1において、シーケンスSA1が実行される。シーケンスSA1を実行することにより、ナビゲータ信号a1とイメージング信号b1が収集される。ナビゲータ信号a1およびイメージング信号b1は受信コイル4で受信される。
受信コイル4はコイルエレメントE1〜E8を有しているので、ナビゲータ信号a1およびイメージング信号b1は、コイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、コイルエレメントE1〜E8の各々から受け取った信号に対して検波などの処理を行う。これにより、ナビゲータ信号a1の情報を含むナビゲータデータA11〜A18と、イメージング信号b1の情報を含むイメージングデータB11〜B18とが得られる。
以下同様に、サジタル面J2〜J20の各々からナビゲータ信号およびイメージング信号を収集するためのシーケンスSA2〜SA20が実行される。したがって、プレスキャンPS3を実行することにより、ナビゲータデータA11〜A208およびイメージングデータA11〜A208が得られる。
期間P1においてシーケンスSA2〜SA20を実行した後、期間P1における呼吸信号の信号値を求める。以下に、期間P1における呼吸信号の信号値を求める方法について説明する。
呼吸信号作成手段93は、ステップST13において選択されたコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6から得られたナビゲータデータを加算する。図41に、コイルエレメントE1、E2、E5、およびE6から得られたナビゲータデータ(図41において、ハッチングで示されている)を加算することにより得られた合成データA1を概略的に示す。
尚、先に説明したアキシャル面およびコロナル面のスキャンでは、MR信号の信号値が大きく変化しやすいアキシャル面およびコロナル面を選択し、選択されたアキシャル面およびコロナル面から得られたナビゲータデータのみを合成した(図14および図28参照)。しかし、サジタル面におけるMR信号の信号値の時間変化は、アキシャル面やコロナル面におけるMR信号の信号値の時間変化よりも大きくなる傾向がある。そこで、プレスキャンPS3では、全てのサジタル面から取得されたナビゲータデータを合成し、呼吸信号の信号値を求める。
合成データA1を取得した後、呼吸信号作成手段93は、合成データA1の積分値S1を求める。図42に、合成データA1の積分値S1を概略的に示す。積分値S1が、期間P1における呼吸信号の信号値として使用される。
以下同様に、各期間においてシーケンスSA1〜SA20を実行し、合成データの積分値を算出する。したがって、各期間における呼吸信号の信号値を求めることができる(図43参照)。
図43は、呼吸信号を概略的に示す図である。
呼吸信号作成手段93は、肝臓のエッジ13a側に位置するコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6により得られたナビゲータデータのみを合成(加算)している。したがって、被検体の呼吸に応じて大きく変化する呼吸信号Sres3を取得することができる。
尚、プレスキャンPS3は、プレスキャンPS1と同様に、位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gの値を変更する必要はない。典型的には、磁場強度G=0に設定し、プレスキャンPS3を実行することができる。
呼吸信号Sres3を求めた後、ステップST15に進む。
ステップST15では、呼吸信号Sres3に基づいて、後述する本スキャンMS3(ステップST16)において取得されたイメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れるか、それとも、イメージングデータの受入れを拒否するかを判断するためのウィンドウが設定される。以下に、ウィンドウの設定方法について説明する。
先ず、信号値決定手段94は、呼吸信号Sres3の信号値に基づいて、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を決定する。
図44は、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を求めるときの説明図である。図44では、呼吸信号を作成するときに使用されたコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6と肝臓との位置関係が概略的に示されている。被検体が息を吐いたときの肝臓は実線で示されており、被検体が息を吸ったときの肝臓は破線で示されている。
被検体が息を吐いた場合、肝臓のエッジ13aはS方向に動くので、肝臓はコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6に近づく。したがって、被検体が息を吐いた場合、コイルエレメントE1、E2、E5、およびE6の受信信号の信号値は、肝臓の影響を受けて増加する。一方、被検体が息を吸った場合、肝臓のエッジ13aはI方向に動くので、肝臓はコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6から離れる。したがって、被検体が息を吸った場合、コイルエレメントE1、E2、E5、およびE6の受信信号の信号値は減少する。そこで、第1の形態では、スキャン面としてサジタル面が設定されており、且つ呼吸信号を作成するために使用されるコイルエレメントとしてS側のコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6が選択されている場合、呼吸信号が増加から減少に変化するときの信号値が、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値と判断される。第1の形態では、ステップST12において、スキャン面としてサジタル面を設定することを表す情報が入力されており、更に、ステップST13において、コイルエレメントE1、E2、E5、およびE6が選択されている。したがって、信号値決定手段94は、スキャン面としてサジタル面が設定されており、且つ呼吸信号を作成するために使用されるコイルエレメントとしてS側のコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6が選択されていると判断することができる。そこで、信号値決定手段94は、呼吸信号が増加から減少に変化するときの信号値を、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値と決定する。図45に、信号値決定手段94により求められた息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値x1を概略的に示す。
息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値x1を求めた後、ウィンドウ設定手段95は、信号値x1に基づいて、ウィンドウW3を設定する。ウインドウW3は、ウィンドウW1(図19参照)と同様の方法で設定することができる。ウィンドウW3を設定した後、ステップST16に進む。
ステップST16では、サジタル面J1〜J20(図37参照)の画像を取得するための本スキャンMS3が実行される。
図46は、本スキャンMS3の説明図である。
本スキャンMS3は、期間P1〜Pnにおいて、シーケンスSA1〜SA20が実行される。本スキャンMS3で実行されるシーケンスSA1〜SA20は、プレスキャンPS3で実行されるシーケンスSA1〜SA20と同様に、DCセルフナビゲータ法のシーケンスである。したがって、本スキャンMS3においても、シーケンスSA1〜SA20を実行することにより、ナビゲータ信号(a1〜a20)およびイメージング信号(b1〜b20)が収集される。尚、以下、本スキャンMS3について具体的に説明する。
図47は、本スキャンMS3においてシーケンスSA1〜SA20を実行するときの説明図である。
先ず、期間P1において、シーケンスSA1が実行される。シーケンスSA1を実行することにより、ナビゲータ信号a1とイメージング信号b1が収集される。シーケンスSA1の位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gは、ky=0のラインのイメージングデータを得るための値G=0に設定されている。ナビゲータ信号a1およびイメージング信号b1は受信コイル4で受信される。
ナビゲータ信号a1は、受信コイル4のコイルエレメントE1〜E8の各々で受信され、受信器に送信される。受信器は、受信コイル4から受け取った信号に対して検波などの処理を行い、ナビゲータ信号a1の情報を含むナビゲータデータA11〜A18と、イメージング信号b1の情報を含むイメージングデータB11〜B18とをコンピュータに出力する。
シーケンスSA1を実行した後、以下同様に、サジタル面J2〜J20の画像を取得するためのシーケンスSA2〜SA20が順に実行される。シーケンスSA2〜SA20の位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gは、ky=0のラインのイメージングデータを得るための値G=0に設定されている。したがって、期間P1では、サジタル面J1〜J20の各々から、ky=0のラインのイメージングデータが取得される。
期間P1においてシーケンスSA1〜SA20を実行した後、以下のようにして期間P1における呼吸信号の信号値を求める。
図48は、呼吸信号の信号値を求めるときの説明図である。
呼吸信号作成手段93は、ステップST13において選択されたコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6から得られたナビゲータデータを合成し、合成データA1を作成する。合成データA1を作成した後、呼吸信号作成手段93は、合成データA1が表すMR信号の大きさ(積分値S1)を求める。積分値S1が、期間P1における呼吸信号の信号値として使用される。
積分値S1を求めた後、判断手段96は、呼吸信号の信号値S1に基づいて、期間P1においてコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6から得られたイメージングデータを画像再構成用のデータとして使用するか否かを判断する。図48を見ると、期間P1の信号値(積分値)S1はウィンドウW3に含まれていないので、期間P1においてコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6から得られたイメージングデータは拒否される。期間P1においてシーケンスを実行した後、期間P2に移行する。
期間P2では、期間P1で拒否されたデータを再取得する。図49は、期間P2において、データを再取得するときの説明図である。
期間P2では、シーケンスの位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gは、期間P1と同様に、ky=0のラインのイメージングデータを得るための値G=0に設定されている。したがって、期間P2では、サジタル面J1〜J20の各々から、ky=0のラインのイメージングデータが得られる。
期間P2においてシーケンスSA1〜SA20を実行した後、呼吸信号作成手段93は、コイルエレメントE1、E2、E5、およびE6から得られたナビゲータデータを合成し、合成データA2を作成する。合成データA2を作成した後、呼吸信号作成手段93は、合成データA2が表すMR信号の大きさ(積分値S2)を求める。積分値S2が、期間P2における呼吸信号の信号値として使用される。
次に、判断手段96は、呼吸信号の信号値がウィンドウW3に含まれているか否かを判断する。図49を見ると、期間P2の信号値(積分値)S2はウィンドウW3に含まれている。したがって、判断手段96は、期間P2においてコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6から得られたイメージングデータを、ky=0のラインのイメージングデータとして受け入れると判断する。
以下同様に、各期間においてシーケンスSA1〜SA20を実行し、各期間の呼吸信号の信号値がウィンドウW3に含まれているか否を判断する。そして、信号値がウィンドウW3に含まれていない場合は、次の期間においても、位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gの値を変更せずにシーケンスSA1〜SA20が実行される。一方、信号値がウィンドウW3に含まれている場合は、位相エンコード方向における勾配パルスの磁場強度Gの値を変更し、次の期間において、kyの別のラインのイメージングデータを取得するためのシーケンスSA1〜SA20が実行される。そして、画像再構成に必要なk空間の全データが取得されるまで、シーケンスSA1〜SA20を繰り返し実行する。画像再構成に必要なk空間の全データが取得されたら、サジタル面J1〜J20(図37参照)の画像を再構成し、ステップST16が終了する。
第1の形態では、プレスキャンにより呼吸信号を作成した後、スキャン面が、アキシャル面、サジタル面、およびコロナル面のうちのどの面であるかに基づいて、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を求めている。したがって、アキシャル面およびサジタル面のように、呼吸信号の増減のタイミングが逆になる場合であっても、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を求めることができる。第1の形態では、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値を求めた後、この信号値に基づいて、ウインドウを設定している。したがって、スキャン面が、アキシャル面、サジタル面、およびコロナル面のうちのどのスキャン面であっても、息の吐き終わりを表す呼吸位相のときに取得されたイメージングデータが画像再構成用のデータとして受け入れられる。このため、アキシャル面、サジタル面、およびコロナル面のどの面であっても、同じ呼吸位相で得られたイメージングデータを用いて画像が作成されるので、アキシャル面、サジタル面、およびコロナル面の画像の比較を容易に行うことができる。
第1の形態では、息の吐き終わりを表す呼吸位相の信号値を求めている。しかし、本発明では、息の吐き終わりを表す呼吸位相とは別の呼吸位相の信号値を求めてもよい。例えば、息の吐き終わりを表す呼吸位相の代わりに、息の吸い終わりを表す呼吸位相の信号値を求めてもよい。アキシャル面およびサジタル面では、呼吸信号の信号が減少から増加に変化するときの信号値が、被検体の息の吸い終わりを表す呼吸位相の信号値となり、コロナル面では、呼吸信号の信号が増加から減少に変化するときの信号値が、被検体の息の吸い終わりを表す呼吸位相の信号値となる。
尚、第1の形態では、サジタル面のスキャンをする場合、コイルエレメントE1〜E8のうち、S側に位置するコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6が選択されている。しかし、コイルエレメントE1〜E8のうち、I側に位置するコイルエレメントE3、E4、E7、およびE8を選択してもよい。以下に、S側に位置するコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6が選択された場合の呼吸信号と、コイルエレメントE3、E4、E7、およびE8が選択された場合の呼吸信号の違いについて説明する(図50参照)。
図50は、呼吸信号の違いの説明図である。
呼吸信号Sres3は、S側に位置するコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6が選択された場合に得られた呼吸信号であり、一方、呼吸信号Sres3´は、I側のコイルエレメントE3、E4、E7、およびE8が選択された場合に得られた呼吸信号を示している。
被検体が息を吐くと肝臓はS側に移動するので、肝臓は、S側のコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6に近づくが、I側のコイルエレメントE3、E4、E7、およびE8から離れる。したがって、被検体が息を吐くと、S側に位置するコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6の受信信号は大きくなるが、I側のコイルエレメントE3、E4、E7、およびE8の受信信号は小さくなる。
一方、被検体が息を吸うと肝臓はI側に移動するので、肝臓は、S側のコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6から離れるが、I側のコイルエレメントE3、E4、E7、およびE8に近づく。したがって、被検体が息を吸うと、S側に位置するコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6の受信信号は小さくなるが、I側のコイルエレメントE3、E4、E7、およびE8の受信信号は大きくなる。
したがって、呼吸信号Sres3´は、呼吸信号Sres3に対して、信号値の増減が逆になる。このため、呼吸信号Sres3´における息の吐き終わりを表す呼吸位相と、呼吸信号Sres3における息の吐き終わりを表す呼吸位相は、上下逆になる。したがって、I側のコイルエレメントE3、E4、E7、およびE8が選択された場合は、呼吸信号Sres3´の呼吸信号が減少から増加に変化したときの信号値を、息の吐き終わりの呼吸位相に対応する信号値として検出すればよい。
尚、第1の形態では、スキャン面としてアキシャル面およびコロナル面が設定された場合、全てのコイルエレメントE1〜E8から得られたナビゲータデータに基づいて呼吸信号を求めている。しかし、スキャン面としてアキシャル面およびコロナル面が設定された場合であっても、サジタル面と同様に、コイルエレメントE1〜E8のうちの一部のコイルエレメントから得られたナビゲータデータのみを用いて呼吸信号を求めてもよい。
また、第1の形態では、スキャン面としてサジタル面が設定された場合、全てのサジタル面J1〜J20から得られたナビゲータデータに基づいて呼吸信号を求めている。しかし、スキャン面としてサジタル面が設定された場合であっても、サジタル面J1〜J20の中から、呼吸信号を求めるために使用されるサジタル面を選択してもよい。
第1の形態では、スキャン面設定手段91は、オペレータが操作部11から入力した情報に基づいてスキャン面を設定している。しかし、スキャン面は、ローカライザスキャンにより得られた画像に基づいて、スキャン面を自動で設定してもよい。
(2)第2の形態
第1の形態では、ローカライザスキャンLX〜本スキャンMS3を実行した例について説明した。第2の形態では、本スキャンMS3の後に、オブリーク面の画像を取得するための本スキャンMS4を実行する例について説明する。
尚、第2の形態におけるMR装置は、第1の形態のMR装置と比較すると、プロセッサ9で実行される処理が異なるが、その他の点については、第1の形態のMR装置100と同じである。したがって、第2の形態のMR装置については、主に、プロセッサについて説明する。
図51は、第2の形態におけるプロセッサの処理の説明図である。
スキャン面設定手段91〜コイルエレメント選択手段97は第1の形態と同じであるので、説明は省略する。
スキャン面特定手段97は、スキャン面が、アキシャル面、コロナル面、サジタル面、およびオブリーク面のうちのどの面であるかを特定する。
プロセッサ9は、スキャン面設定手段91〜スキャン面特定手段98を構成する一例であり、メモリ10に記憶されたプログラムを実行することによりこれらの手段として機能する。
以下、第2の形態におけるMR装置の動作について説明する。
図52は、第2の形態におけるMR装置の動作フローを示す図である。
ステップST1およびST2は、第1の形態と同じであるので説明は省略する。図53に、ステップST2において設定されたスキャン面Q11〜Q20を概略的に示す。スキャン面Q11〜Q20を設定した後、ステップST30に進む。
ステップST30では、スキャン面特定手段98が、ステップST2で設定されたスキャン面が、アキシャル面、コロナル面、サジタル面、およびオブリーク面のうちのどの面であるかを特定する(図54参照)。
図54は、スキャン面が、アキシャル面、コロナル面、サジタル面、およびオブリーク面のうちのどの面であるかを特定する方法の説明図である。
スキャン面特定手段98は、先ず、スキャン面とアキシャル面とのなす角度θ1、スキャン面とコロナル面とのなす角度θ2、およびスキャン面とサジタル面とのなす角度θ3を求める。以下に、角度θ1、θ2、およびθ3の求め方について説明する。
スキャン面特定手段98は、先ず、スキャン面の法線ベクトルV4と、アキシャル面の法線ベクトルV1とのなす角度φを求める。角度φは、以下の式で表すことができる。
φ=arccos(V1・V4/|V1||V4|)
角度φを求めた後、スキャン面特定手段98は、φがφ≦90°であるか、φ>90°であるかを判断する。φ≦90°の場合、スキャン面特定手段98は、φをθ1の値として求める(θ1=φ)。一方、φ>90°の場合、スキャン面特定手段98は、180°−φを、θ1の値として求める(θ1=180°−φ)。
以下同様に、角度θ2およびθ3を求める。角度θ=θ1、θ2,およびθ3を求めた後、スキャン面特定手段98は、角度θ=θ1、θ2、およびθ3の中に、θ=0°の角度があるか否かを判断する。例えば、θ1=0°の場合、これは、スキャン面がアキシャル面と同じ方向を向いていることを意味しているので、スキャン面特定手段98は、スキャン面はアキシャル面であると判断する。スキャン面がアキシャル面の場合、第1の形態で説明したステップST3〜ST6が実行され、フローが終了する。
θ2=0°の場合、これは、スキャン面がコロナル面と同じ方向を向いていることを意味しているので、スキャン面特定手段98は、スキャン面はコロナル面であると判断する。スキャン面がコロナル面の場合、第1の形態で説明したステップST8〜ST11が実行され、フローが終了する。
θ3=0°の場合、これは、スキャン面がサジタル面と同じ方向を向いていることを意味しているので、スキャン面特定手段98は、スキャン面はサジタル面であると判断する。スキャン面がサジタル面の場合、第1の形態で説明したステップST13〜ST16が実行され、フローが終了する。
一方、角度θ=θ1、θ2、およびθ3の中に、θ=0°の角度が存在していない場合、スキャン面はオブリーク面であると判断される。この場合、ステップST17に進む。
ステップST17では、スキャン面特定手段98が、アキシャル面、コロナル面、およびサジタル面の中から、スキャン面(オブリーク面)の向きに最も近い向きを有する面を特定する。角度θの値が小さいほど、アキシャル面、コロナル面、およびサジタル面の各々の面の向きは、スキャン面(オブリーク面)の向きに近いことを意味している。したがって、角度θ=θ1、θ2、およびθ3の中から、最も小さい値をもつ角度を特定することにより、アキシャル面、コロナル面、およびサジタル面の中から、スキャン面(オブリーク面)の向きに最も近い向きを持つ面を特定することができる。θ1、θ2、およびθ3の中で、θ1が最も小さい角度の場合、スキャン面(オブリーク面)の向きはアキシャル面の向きに最も近いと判断される。θ1、θ2、およびθ3の中で、θ2が最も小さい角度の場合、スキャン面(オブリーク面)の向きはコロナル面の向きに最も近いと判断される。θ1、θ2、およびθ3の中で、θ3が最も小さい角度の場合、スキャン面(オブリーク面)の向きはサジタル面の向きに最も近いと判断される。以下、(i)スキャン面(オブリーク面)の向きがアキシャル面の向きに最も近い場合、(ii)スキャン面(オブリーク面)の向きがコロナル面の向きに最も近い場合、(iii)スキャン面(オブリーク面)の向きがサジタル面の向きに最も近い場合、について順に説明する。
(i)スキャン面(オブリーク面)の向きがアキシャル面の向きに最も近い場合
この場合、ステップST18に進む。
ステップST18では、スキャン面選択手段92が、スキャン面Q1〜Q20のうち、肝臓のエッジ13a側に位置するスキャン面を選択する。ここでは、スキャン面Q1〜Q10が選択されたとする。スキャン面Q1〜Q10を選択した後、ステップST20に進む。
ステップST20では、プレスキャンPS4を実行し、プレスキャンPS4により得られたデータに基づいて、呼吸信号を作成する。図55に、プレスキャンPS4により得られた呼吸信号Sres4を概略的に示す。呼吸信号Sres4を求める方法は、アキシャル面X1〜X10から得られたナビゲータデータの代わりに、スキャン面Q1〜Q10から得られたナビゲータデータを使う点を除いて、ステップST4で説明した方法と同じである。呼吸信号Sres4を求めた後、ステップST21に進み、ウィンドウW1を設定する。ウィンドウW1の設定方法は、ステップST5で説明した方法(図19参照)と同じである。したがって、信号値決定手段94(図51参照)は、スキャン面Q1〜Q10の各々をアキシャル面と見なして、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値x1(呼吸信号Sres4の信号値が増加から減少に変化するときの信号値)を求める。信号値x1を求めた後、ウインドウ設定手段95(図51参照)は、信号値x1に基づいて、ウィンドウW1を設定する。ウィンドウW1を設定した後、ステップST22に進み、本スキャンMS4を実行し、フローを終了する。
(ii)スキャン面(オブリーク面)の向きがコロナル面の向きに最も近い場合
この場合、ステップST18に進む。
ステップST18では、スキャン面選択手段92が、スキャン面Q1〜Q20のうち、被検体の腹部の表面側に位置するスキャン面を選択する。ここでは、スキャン面Q11〜Q20が選択されたとする。スキャン面Q11〜Q20を選択した後、ステップST20に進む。
ステップST20では、プレスキャンPS4を実行し、プレスキャンPS4により得られたデータに基づいて、呼吸信号Sres4(図55参照)を作成する。呼吸信号Sres4を求める方法は、コロナル面L1〜L10から得られたナビゲータデータの代わりに、スキャン面Q11〜Q20から得られたナビゲータデータを使う点を除いて、ステップST9で説明した方法と同じである。呼吸信号Sres4を求めた後、ステップST21に進み、ウィンドウW2を設定する。ウィンドウW2の設定方法は、ステップST10で説明した方法(図32参照)と同じである。したがって、信号値決定手段94は、スキャン面Q1〜Q10の各々をコロナル面と見なして、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値x2(呼吸信号Sres4の信号値が減少から増加に変化するときの信号値)を求める。信号値x2を求めた後、ウインドウ設定手段95は、信号値x2に基づいて、ウィンドウW2を設定する。ウィンドウW2を設定した後、ステップST22に進み、本スキャンMS4を実行し、フローを終了する。
(iii)スキャン面(オブリーク面)の向きがサジタル面の向きに最も近い場合
この場合、ステップST19に進む。
ステップST19では、コイルエレメント選択手段97が、コイルエレメントE1〜E8の中から、肝臓のエッジ13aの近くに位置するコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6(図3および図4参照)を、呼吸信号の信号値を求めるときに使用するコイルエレメントとして選択する。コイルエレメントを選択した後、ステップST20に進む。
ステップST20では、プレスキャンPS4を実行し、プレスキャンPS4により得られたデータに基づいて、呼吸信号Sres4(図55参照)を作成する。呼吸信号Sres4を求める方法は、サジタル面J1〜J20から得られたナビゲータデータの代わりに、スキャン面Q1〜Q20から得られたナビゲータデータを使う点を除いて、ステップST14で説明した方法と同じである。呼吸信号Sres4を求めた後、ステップST21に進み、ウィンドウW3を設定する。ウィンドウW3の設定方法は、ステップST15で説明した方法(図45参照)と同じである。したがって、信号値決定手段94は、スキャン面Q1〜Q10の各々をサジタル面と見なして、息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応する信号値x1(呼吸信号Sres4の信号値が増加から減少に変化するときの信号値)を求める。信号値x1を求めた後、ウインドウ設定手段95は、信号値x1に基づいて、ウィンドウW3を設定する。ウィンドウW3を設定した後、ステップST22に進み、本スキャンMS4を実行し、フローを終了する。
オブリーク面の画像を取得するときは、法線ベクトルを用いることにより、アキシャル面の中から、オブリーク面の向きに最も近い向きを有するスキャン面を特定することができる。したがって、オブリーク面のスキャンであっても、被検体の息の吐き終わりを表す呼吸位相に対応した信号値に基づいて、ウィンドウを設定することができる。
尚、第2の形態では、コイルエレメント選択手段97は、肝臓のエッジ13aの近くに配置されるコイルエレメントとして、4つのコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6を選択している。しかし、4つのコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6の全てを選択せずに、4つのコイルエレメントE1、E2、E5、およびE6のうちの1つのコイルエレメント、2つのコイルエレメント、又は3つのコイルエレメントのみを選択してもよい。
第1および第2の形態では、各コイルエレメントから得られたナビゲータデータを加算することにより、合成データを得ている。しかし、ナビゲータデータの合成は加算に限定されることはなく、例えば、ナビゲータデータを重付け加算することにより合成信号を得てもよいし、ナビゲータデータを乗算することにより合成データを得てもよい。更に、第1および第2の形態では、合成データの積分値を呼吸信号の信号値として採用している。しかし、合成データの積分値とは別の値(例えば、合成データの最大値)を呼吸信号の信号値として用いてもよい。
第1および第2の形態では、k空間の中心のデータを取得し、呼吸信号を作成している。しかし、k空間の中心のデータとは別のデータを取得し、呼吸信号を作成してもよい。
第1および第2の形態では、DCセルフナビゲータ法を用いたシーケンスにより、ナビゲータデータおよびイメージングデータを取得している。しかし、本発明は、DCセルフナビゲータ法を用いたシーケンスに限定されることはなく、ナビゲータデータおよびイメージングデータを別のシーケンスで取得するスキャンを実行する場合にも適用することができる。