JP6560118B2 - グラフェン分散液の取得方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グラフェン分散液の取得方法に関する。
グラフェンに関する基礎研究の進展や応用分野の広がりを見せる中で、グラフェンの大量生産は重要な課題である。グラフェンは層状構造を有するグラファイトの1層分に相当する。グラファイトの層間は、ファンデルワールス力により弱く結合している。したがって、超音波照射や粉砕機等を利用してグラファイト結晶に外力を与えることで、グラフェン及び数層の多層グラフェンの薄片化黒鉛を取得することが可能である。
非特許文献1では、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中において超音波照射によりグラファイトを剥離し、0.01mg/mLのグラフェン分散液が調製できると記載されている。非特許文献2では、ミキサーを用いて、界面活性剤を含む水溶液中でグラファイトを数十分間粉砕することで、1mg/mL弱のグラフェン分散水溶液が取得できると記載されている。
また、特許文献1では、グラファイト(黒鉛)からGIC(Graphite intercalation compound)を取得し、そのGICに超音波照射等の剥離処理を施すことで、グラフェン積層数の少ない薄片化黒鉛を製造している。特許文献2では、黒鉛に電気化学処理を施してグラフェン層間が広げられた二次黒鉛を取得し、その二次黒鉛に超音波照射又は湿潤粉砕による剥離処理を施すことで薄片化黒鉛を製造している。
特開2015−105200号公報 特開2015−038017号公報
Y. Hernandez et al., Nat. Nanotechnology, 3, 563−568 (2008) k. R. Paton et al., Nature Mater., 13, 624―630 (2014)
非特許文献1では0.01mg/mL程度のグラフェン分散液を調製できるとのことであるが、必ずしも高濃度のグラフェンを含む良好なグラフェン分散液を得ているとはいえない。非特許文献2のミキサーを用いた粉砕処理によると、膨大な粉砕エネルギーがグラファイトに作用する。このため、グラファイトの粉砕によってグラフェンの微細化を招きやすい。したがって、面積の大きいグラフェンを含む良好なグラフェン分散液を取得するのは困難である。特許文献1や特許文献2の方法によれば、GIC化の処理や電気化学処理等の一次処理をグラファイトに施した後に、二次処理として超音波照射等の従来の剥離処理を施すことでグラフェンを取得している。このような一次処理が必要となるのは、従来の剥離処理単独では良好なグラフェン分散液を取得しにくいためである。
本発明の目的は、従来の剥離処理や粉砕処理とは異なる処理により、面積の大きいグラフェンを含む高濃度の良好なグラフェン分散液を得る方法を提供することにある。
本発明のグラフェン分散液の取得方法は、容器内に、グラファイト及び分散剤を含む液体と0.03〜5mmの粒径を有する粒体とを、前記粒体が前記液体内で敷き詰められるように収容する工程と、前記容器を静置した状態で前記液体に超音波を照射する工程とを備えている。
本発明によると、液体中のグラファイトからグラフェンが生成される。本発明者は、特に、0.03〜5mm程度の微小な粒径の粒体を液体内に敷き詰めるように容器に収容すること、及び、容器を静置した状態で超音波を液体に照射することの両方の組み合わせにより、以下の通り、面積の大きいグラフェンを含む高濃度のグラフェン分散液を取得できることを知見した。液体中の粒体に超音波を照射すると、粒体が微小に振動する。粒体は敷き詰められているので、微小に振動した粒体間に挟まれたグラファイトと粒体との間に摩擦力が働く。この摩擦力により、グラファイトにせん断力が作用する。かかる処理は、容器が静置された状態で実施される。したがって、グラファイトが粒体から大きな粉砕エネルギーを受けたりしにくい。よって、グラファイトには適度な大きさのせん断力が作用することになる。また、分散剤は、グラフェンを分散化したまま安定した状態とさせ、例えば元のグラファイトに戻らないようにさせる。グラファイトに作用するせん断力と分散剤の働きとによって、面積の大きいグラフェンがグラファイトから剥離する。以上により、面積の大きいグラフェンを高濃度に含む良好なグラフェン分散液を取得しやすい。
また、前記液体は水であることが好ましい。特許文献1や特許文献2では、金属カリウムや金属ナトリウム、有機溶媒といった危険性・毒性の高い物質を使用している。一方、本発明においては、人体に無害な水を使用できる。また、分散剤として、危険性・毒性の低い界面活性剤等を使用すればよい。したがって安全性を高めやすい。
また、前記粒体の粒径が0.3〜3mmの範囲内であることが好ましい。これによると、面積の大きいグラフェンを高濃度に含む良好なグラフェン分散液をより取得しやすい。
また、前記粒体がジルコニアボールであることが好ましい。これによると、従来の粉砕処理に用いられるジルコニアボールを本発明に転用することで、高濃度のグラフェンを含む良好なグラフェン分散液が取得できる。
また、前記容器を静置した状態で、前記液体に前記超音波を照射する時間が10時間未満であることが好ましい。これによると、グラフェン構造に欠陥が生じにくいため、良好なグラフェン分散液を取得しやすい。
また、前記分散剤として非イオン性界面活性剤が用いられることが好ましい。これによると、グラファイトからグラフェンを剥離しやすい。
本発明の一実施形態におけるグラフェン分散液の取得方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態におけるグラフェン分散液の取得方法を示す概略図である。 本発明の一実施形態により取得したグラフェン分散液の濃度、粒体を含まない比較例により取得したグラフェン分散液の濃度、及び分散剤を含まない比較例により取得したグラフェン分散液の濃度を示すグラフである。 異なる分散剤を使用した場合のグラフェン分散液の濃度を示すグラフである。 超音波照射時間が異なる場合のグラフェン分散液の濃度を示すグラフである。 図6(a)は、超音波照射時間が異なる場合のグラフェン分散液のラマン強度を示すグラフである。図6(b)は、D’バンドのピーク付近のラマン強度を示すグラフである。 超音波照射時間とグラフェン濃度、及びグラフェン構造の関係を概念的に示すグラフである。 異なるサイズの粒体を使用した場合のグラフェン分散液の濃度を示すグラフである。 図9(a)は、異なるサイズの粒体を使用した場合のグラフェン分散液のラマン強度を示すグラフである。図9(b)は、D’バンドのピーク付近のラマン強度を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係るグラフェン分散液の取得方法について、図1及び図2を参照しつつ説明する。まず、図1の投入工程(S1)において、グラファイト1、分散剤2、粒体3、及び液体4を容器5に投入する。これらを容器5に投入する順番はいずれが先でもよい。グラファイト1として、天然黒鉛が使用されるが、膨張黒鉛や人造黒鉛等、その他の黒鉛が使用されてもよい。液体4には、例えば蒸留水が用いられる。その他、水溶液や有機溶媒等が液体として用いてもよい。ただし、水のような危険性・毒性の低い液体が使用されることが好ましい。分散剤2として、従来公知の界面活性剤が使用される。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が用いられることが好ましい。分散剤2は、液体に対して少量投入される。例えば、蒸留水15gに対して0.75g投入される。粒体3の材料としてジルコニアが使用されることが好ましい。これにより、従来の粉砕処理に使用するジルコニアボールを本実施形態に転用できる。なお、粒体3の材料として、ステンレス、クロム鋼、タングステンカーバイド、窒化ケイ素、アルミナ、ガラス、ナイロン、テフロン(登録商標)、ポリプロピレン等が使用されてもよい。粒体3の形状は、多面体、楕円体等、球体以外であってもよい。粒体3としてジルコニアからなる球体状のものを使用する場合には、粒体3の粒径が0.03〜5mmであればよいが、5mm未満であることが好ましい。0.3〜3mmであることがより好ましく、0.3〜1mmであるとさらに好ましい。なお、「粒体の粒径」とは、粒体3が球体である場合はその直径を示し、粒体3がその他の形状である場合は、その最大幅を示す。容器5内には多数の粒体3が投入される。その投入量は、図2に示すように、容器5内の液体4の底に粒体3が敷き詰められると共に、敷き詰められた粒体3が複数層に上下に重なって液面付近まで達する程度であることが好ましい。なお、粒体3の投入量が、粒体3の層が液面に達しない程度であってもよいし、容器5内の液体4の底に粒体3が1層に敷き詰められる程度であってもよい。「粒体3が敷き詰められる」とは、複数個の粒体3が互いにほぼ隙間なく並べられることにより、2次元的に広がる少なくとも1層の粒体3の層が形成されることを示す。粒体3の層が複数形成される場合、最密充填の状態まで至ってもよいし、至らなくてもよい。容器としては、例えば、市販されているガラス製のスクリュー管を使用する。その他、樹脂製や陶器製の容器が用いられてもよい。
次に、超音波照射工程(S2)において、グラファイト1等を投入した容器5に対し、超音波照射機10を用いて超音波を照射する。超音波照射機10は、水を貯めた水槽と、水槽内の水に超音波を発生させる振動子とを有している。図2に示すように、容器5を超音波照射機10の水槽内の水に浸し、容器5を静置した状態で、振動子によって超音波を発生させる。これによって、容器5内の粒体3に超音波を照射する。超音波の照射時間は10時間未満であることが好ましい。超音波の周波数及び出力の条件は特に制限されないが、例えば、20〜50kHzで100〜300W程度であることが好ましい。なお、S2より前及びS2の途中の少なくともいずれかのタイミングで、容器5を振とう攪拌してもよい。これにより、液体4の底に沈殿したりして滞留したグラファイト1が撹拌され、粒体3同士の間に入り込みやすくなる。
次に、分離工程(S3)において、超音波照射後の容器5内の混合液から粒体3を取り除くとともに、粒体3を取り除いた混合液を遠沈管7に移す。さらに、遠沈管7に遠心分離を施してその上澄みを採取することで、グラフェン分散液6を取得する(図2参照)。遠心分離の条件は特に制限されないが、例えば、40〜22,000Gで30分〜1時間程度行うことが好ましい。遠心分離の代わりに、又は、これとともに、ろ過等が用いられてもよい。
以上の本実施形態によると、超音波照射工程(S2)において液体4中の粒体3に超音波を照射した際に、粒体3が微小に振動する。粒体3は敷き詰められているので、微小に振動した粒体3間に挟まれたグラファイト1と粒体3との間に摩擦力が働く。この摩擦力により、グラファイト1にせん断力が作用する。分散剤2は、グラフェンを分散化したまま安定した状態とさせる。グラファイトに作用するせん断力と分散剤2の働きとによってグラファイト1からグラフェンが液体4中に剥離する。これにより、容器5内には、グラフェン、液体4、粒体3、分散剤2等からなる混合液が生じる。上記の通り、超音波の照射は、容器5が静置された状態で実施される。つまり、粒体3が容器5内で大きく運動したりしにくい。したがって、グラファイト1が粒体3から大きな粉砕エネルギーを受けたりしにくい。よって、グラファイト1には、グラフェンの微細化、すなわちグラファイト面方向の縮小化を抑制しつつグラフェンが剥離するために適度な大きさのせん断力が作用することになる。これにより、面積の大きいグラフェンを高濃度に含む良好なグラフェン分散液を最終的に取得しやすい。
なお、得られたグラフェン分散液を常法によって水分を除去する、すなわち乾燥することで簡単にグラフェンが得られる。
[実施例1]
平均粒子径20μmの天然黒鉛2.25g、界面活性剤(TritonX−100)0.75g、直径3mmのジルコニアボール140g、及び蒸留水15gを、250mLの容積のガラス製スクリュー管に投入した(S1)。次に、水を貯めた超音波照射機(SHARP製、UT−206)の水にスクリュー管を浸漬し、37kHz、200Wで3時間、超音波を照射した(S2)。次に、超音波照射後の混合液からジルコニアボールを取り除き、混合液を遠沈管に移して、遠心分離機(KUBOTA製、3700)で、42G、45分間遠心分離を施した。そして、遠心分離後の混合液の上澄みを採取してグラフェン分散液を取得した(S3)。
次に、取得したグラフェン分散液の660nmにおける吸光度を紫外可視分光光度計(日本分光製、UV−2400PC)で測定し、その測定結果に基づいてグラフェン分散液の濃度を算出した。図3に示すように、グラフェン分散液の濃度は0.84mg/mLであった。なお、グラフェン分散液の濃度の算出方法は、文献「M. Lotya et al., J. Am. Chem. Soc., 131, 3611−3620, (2009)」に記された方法に準じている。
[比較例1]
ジルコニアボールを投入せずに実施例1の工程を実施した。他の条件については、実施例1と同様である。図3に示すように、グラフェン分散液の濃度は0.04mg/mLであった。
実施例1と比較例1とを比較すると、比較例1では天然黒鉛からグラフェンはわずかしか取得できていないことが分かる。つまり、実施例1では、超音波照射によりジルコニアボールが振動し、ジルコニアボール間に挟まれた黒鉛に対しジルコニアボールとの摩擦によるせん断力が働き、グラフェンが剥離されたことが推察される。
[比較例2]
界面活性剤を投入せずに実施例1の工程を実施した。他の条件については、実施例1と同様である。図3に示すように、グラフェン分散液の濃度は0.04mg/mL以下であった。
実施例1と比較例2とを比較すると、比較例2ではグラフェンはほとんど取得できていないことが分かる。つまり、実施例1では、剥離したグラフェンに界面活性剤が吸着することで、グラフェンが分散化したまま安定した状態となることが推察される。
[実施例2]
TritonX−100、Tween20、Tween80、SDC(Sodium deoxycholate)、及びSDS(sodium dodecyl sulfate)からいずれか1つの界面活性剤を選択するとともに、選択する界面活性剤をこれらの中で変更しつつ、実施例1の工程を界面活性剤ごとに実施した。他の条件については、実施例1と同様である。なお、TritonX−100、Tween20、及びTween80は非イオン性界面活性剤、SDC(Sodium deoxycholate)、及びSDS(sodium dodecyl sulfate)はイオン性界面活性剤である。図4に示すように、グラフェン分散液の濃度は、TritonX−100、Tween20、及びTween80をそれぞれ用いた場合に高い結果となった。イオン性界面活性剤に比して、非イオン性界面活性剤の方が適していると思われる。つまり、イオン性界面活性剤の静電反発効果よりも、非イオン性界面活性剤の立体反発効果の方がグラフェンを安定に分散できるためと推察される。
[実施例3]
超音波照射時間を1〜20時間の範囲で変更して、実施例1の工程を実施した。他の条件については、実施例1と同様である。具体的には、1、3、5、10、及び20時間の超音波照射時間とした。図5に示すとおり、超音波照射時間が長くなるほど、グラフェン分散液の濃度は高い結果となった。
上記で取得したグラフェン分散液に対し、顕微ラマン分光装置(RENISHAW製、RENISHAW2000)でラマン散乱光の強度(ラマン強度)を測定した。図6に示すように、全ての超音波照射時間のグラフェン分散液において、単層グラフェンに起因する2700cm-1付近のD'バンドのピークが検出された。超音波照射時間の増加にともないD’バンドのピークは増加しており、単層グラフェンの割合が増えている。一方で、構造欠陥等に起因するDバンドのピーク(1350cm-1)も増加しているため、超音波の照射は10時間未満が好ましい。高濃度かつ大面積のグラフェンを取得するために、例えば、3時間の超音波照射がより好ましい。
図7は、超音波照射時間とグラフェン濃度、及びグラフェン構造の関係を概念的に示すグラフである。この図に示すように、超音波処理の時間が長くなると大面積グラフェンの割合が減少し、かつナノグラフェン(面積の小さいグラフェン)の割合が増加することで、取得されるグラフェン分散液のグラフェンの構造に欠陥が増加する。よって、大面積で高濃度の良質なグラフェンを得るためには10時間未満の超音波照射が好ましい。
[実施例4]
ジルコニアボールの直径(粒径)を0.03mm〜5mmの範囲で変更して、実施例1の工程を実施した。具体的には、0.03、0.3、1、3、及び5mmの直径を有する5種類のジルコニアボールを用いた。他の条件については、実施例1と同様である。図8に示すように、1mmのジルコニアボールを用いた時に最もグラフェン濃度が高い結果となった。これは、ボールのサイズが大きくなるほど、その自重によりボールが振動しづらくなって効果的にせん断力を与えることができなくなり、さらには1回あたりの衝突エネルギーが大きくなることで剥離よりも微細化が進行したためと推察される。一方、ボールのサイズが1mmより小さくなると、1回あたりの衝突エネルギーが小さく剥離に必要なエネルギーに達する確率が低くなる。その結果、直径1mmのボールで最もグラフェン濃度が高くなったと推察される。
上記で取得したグラフェン分散液に対し、顕微ラマン分光装置でラマン散乱光のラマン強度を測定した。図9に示すように、全てのボールサイズのグラフェン分散液において、単層グラフェンに起因する2700cm-1付近のD'バンドのピークが検出された。ジルコニアボールの直径が小さくなるほどD'バンドのピークは増加しており、単層グラフェンの割合が増えている。一方、ジルコニアボールの直径が大きくなると、構造欠陥に起因するDバンドのピーク(1350cm-1)強度は増加傾向にある。以上より、原料の天然黒鉛に近い面積のグラフェン、つまり、大面積のグラフェンを含んだ高濃度のグラフェン分散液を得るには、直径5mm未満のボールが好ましく、直径0.3〜3mmのものがより好ましい。直径0.3〜1mmのものがさらに好ましい。
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。以下、上述の実施形態に係る変形例について説明する。また、上述の実施形態と共通の部分については、説明を適宜省略する。
上述の実施形態では、図1のS1の投入工程において、容器5内の底面全体にわたって粒体3が敷き詰められる場合が想定されている。しかし、容器5の底面における一部の領域に粒体3が敷き詰められてもよい。例えば、容器5内の底面における一部の領域を他の領域から仕切る仕切り壁を設け、この仕切り壁によって仕切られた領域内にのみ、粒体3を敷き詰めてもよい。また、容器5内にさらに別の容器を収容し、その容器内に粒体3を敷き詰めてもよい。
1 グラファイト
2 分散剤
3 粒体
4 液体
5 容器
6 グラフェン分散液
7 遠沈管
10 超音波照射機

Claims (6)

  1. 容器内に、グラファイト及び分散剤を含む液体と0.03〜5mmの粒径を有する粒体とを、前記粒体が前記液体内で敷き詰められるように収容する工程と、
    前記容器を静置した状態で前記液体に超音波を照射する工程とを備えていることを特徴とするグラフェン分散液の取得方法。
  2. 前記液体が水であることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン分散液の取得方法。
  3. 前記粒体の粒径が0.3〜3mmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフェン分散液の取得方法。
  4. 前記粒体がジルコニアボールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラフェン分散液の取得方法。
  5. 前記容器を静置した状態で、前記液体に前記超音波を照射する時間が10時間未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のグラフェン分散液の取得方法。
  6. 前記分散剤として非イオン性界面活性剤が用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のグラフェン分散液の取得方法。
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