以下、第1実施形態について図1から図21を参照しながら説明する。
図1に示すように、実施形態のカメラ装置2(貯蔵庫用カメラ装置)は、室内撮像システム100における家電製品としての冷蔵庫(貯蔵庫)1の内部に配置される。
まず、前記室内撮像システム100について説明する。この室内撮像システム100は、冷蔵庫1内を撮像するための前記カメラ装置2、前記冷蔵庫1側との間で通信を行うためのアクセスポイント3、操作端末4等により構成されている。このうち、アクセスポイント3は、外部ネットワーク(広域通信網や携帯電話網)5に接続しており、外部ネットワーク5を介して遠隔地の操作端末4やサーバ6等と冷蔵庫1側との間を通信可能に接続している。本実施形態では、冷蔵庫1とアクセスポイント3との間、アクセスポイント3と操作端末4との間、及びカメラ装置2とアクセスポイント3との間は、近距離無線通信例えばBluetooth(登録商標)による無線通信にて通信が行われる。
操作端末4は、カメラ装置2に室内を撮像させるための撮像指示を入力するものであり、タブレット型のパソコンや、いわゆるスマートフォン(高機能携帯電話)を想定している。この操作端末4は、住宅7内に位置している場合には、アクセスポイント3との間で近距離無線方式により通信可能に接続される。また、操作端末4は、住宅7外に位置している場合には、広域通信により外部ネットワーク5を介してアクセスポイント3との間で通信可能に接続される。また、操作端末4は、住宅7内からであっても広域通信により外部ネットワーク5を介してアクセスポイント3に接続することが可能であるとともに、住宅7内においては、アクセスポイント3を介さずに冷蔵庫1側と直接的に通信可能でもある。
サーバ6は、周知のコンピュータシステムにより構成されており、冷蔵庫1にアクセスするための情報(例えばIPアドレス等)等を記憶しているとともに、本実施形態では、カメラ装置2により撮像された撮像データを記憶する。なお、図1では冷蔵庫1のみを図示しているが、図示しないエアコン等、他の家電製品もネットワーク化されている。
このように家電製品をネットワーク化することにより、各家電製品の消費電力をユーザに目に見える形で提供する見える化、夏場の昼間等の電力需要が大きくなる時間帯における電力消費を低減するピークシフト、一般家庭の定格を超えるような電力の瞬間的な使用を回避するピークカット等の電力コントロールや、家電製品の故障診断等、使い勝手や快適性あるいは利便性を提供するためのシステムを提供することが可能となる。また、カメラ装置2を例えば冷蔵室内に設置することにより、冷蔵庫1の室内の様子(物品の貯蔵状態等)を確認すること等も可能となる。そして、これら各種の情報や撮像データ等をサーバ6に記憶することで、遠隔地であっても外部ネットワーク5等を介して操作端末4等によりそれらの情報を参照することが可能となる。
次に、カメラ装置2について説明する。
このカメラ装置2は、図2〜図6に示すように、外殻としてケース200を有する。このケース200は、一面が開口する矩形箱状の本体ケース部(第1ケース部)201と、一面が開口する浅底な矩形箱状の蓋ケース部(第2ケース部)202とを有する。前記本体ケース部201及び蓋ケース部202は合成樹脂製(非金属製)である。このケース200は本体ケース部201の開口部と蓋ケース部202の開口部とをねじ200aにより接合して構成され、全体として直方体をなす。本体ケース部201の開口部端面にはパッキン溝201aが形成されており、このパッキン溝201aに防水部材としての枠状のパッキン203が嵌合されている。このパッキン203により本体ケース部201と蓋ケース部202とが水密に接合されている。上記パッキン203はシリコーンゴムから構成されている。
本体ケース部201においては開口部と反対側の面部(カメラ装置2としては正面であり、図3、図4において左となる面部)が一面部(撮像方向面部)201Iに相当する。この一面部201Iは平坦であり、この一面部201Iには、中央に円形の撮像用窓部201bが形成されている。さらにこの撮像用窓部201bを基準にして上下の等距離部位に撮像ライト用窓部201c、201cが形成されている。さらに、この一面部201Iには、照度センサ用窓部201dが形成されている。
この一面部201Iは、図7に示すように、当該一面部201I周縁部と前記撮像用窓部201b周縁部とが同一高さで若干突出している。
この一面部201Iには、これを覆うシート状のカバー部材204が図示しない両面テープにより接着されて装着されている。但し、このカバー部材204には前記撮像用窓部201bを覆わないための孔部204aが形成されており、つまり、このカバー部材204は撮像用窓部201bと対向する部位に当該撮像用窓部201bを外部に臨ませる孔部204aが形成されている以外は無孔状である。よって、前記撮像用窓部201bは覆われていない。このカバー部材204は透明な材料から構成されており、このカバー部材204において、接着される側の面に予め意匠印刷(図示せず)が施されている。この意匠印刷は、前記撮像ライト用窓部201c、201c、照度センサ用窓部201d部分には形成されておらず、透明部204b、204b、204cが形成されている。
又、本体ケース部201における上面部201Jにはスイッチ用孔部201e、201eが形成されている。上面部201Jはシート状のスイッチカバー205が例えば図示しない両面テープで接着されている。このスイッチカバー205によりスイッチ用孔部201e、201eが閉鎖されている。このスイッチカバー205において接着される側の面に予め意匠印刷205a、205bが施されている。但しこの意匠印刷205a、205b部分は前記スイッチ用孔部201e、201eに対応しており、この部分には両面テープは接着されていない。このスイッチカバー205は上記意匠印刷205a、205b部分で、スイッチ操作のために可撓変形可能となっている。
又、本体ケース部201における右壁部201Mには、後述するが当該右壁部201M内面近傍に位置する前記リードスイッチ206cに対応して、図8に示すように、浅底で縦長な操作子用凹部201fが形成されている。この操作子用凹部201fには操作子配置用のスペースを形成するスライドカバー201gが係合により取り付けられている。このスライドカバー201gには長孔201hが形成されている。操作子用凹部201fとスライドカバー201gとの間のスペースには、操作子206aがこの場合上下方向にスライド可能に配置されている。この操作子206aには磁石206bが設けられている。又、この操作子206aに突設されたノブ206dは前記長孔201hに位置する。この操作子206aと磁石206bと後述するリードスイッチ206cとでスライドスイッチ206が構成されている。このスライドスイッチ206は電源をオンオフするための電源スイッチに相当する。このスライドスイッチ206は、操作子206aが下方向に操作されることによってリードスイッチ206cがオンする。つまりスライドスイッチ206がスイッチオンし、電源がオンする。なお、スライドカバー201gにおいて下部には「ON」の文字が付設され、又、上部には「OFF」の文字が付設されている。
一方、前記蓋ケース部202の下部には、電池収容部207が本体ケース部201方向へ突出形成されている。この電池収容部207には、電池出し入れ用の開口部207aを一端部(後端部)に有する。この開口部207aから電池208が挿入配置されている。この電池208はリチウム電池であり、又一次電池である。電池収容部207の前記開口部207aは、電池蓋(蓋)209によって開閉可能に閉塞される。この電池蓋209は、下縁部が前記外側開口部の下部に係合され、上部がねじ209aによって前記開口部207a縁部の上部にねじ止めされる。
前記電池208はカメラ装置2の電源である。このため、カメラ装置2は、電源ケーブル等が不要となり、冷蔵庫1内の任意の場所に設置することが可能となる。又、前記電池収容部207の開口部207aと前記電池蓋209との間には防水手段としてのシリコーンゴムからなるパッキン210が介在されている。前記ケース200の内部には、前記電池208の上方に位置して、撮像手段としての撮像部211、基板212、通信手段としての通信モジュール213が収容配置されている。
前記撮像部211は、外殻としてのレンズホルダ211aと、レンズとしての外側レンズ211bと、レンズ組み立て211cと、撮像素子211dと、撮像基板211eとを備える。前記外側レンズ211bとレンズ組み立て211cは広角レンズを含んで構成されている。当該広角レンズは概ね120度程度の視野角を有する。比較例として一般的なWebカメラの場合、その視野角は概ね55度程度である。
レンズホルダ211aは外形が円形状をなしており、このレンズホルダ211aに外側レンズ211bとレンズ組み立て211cとが保持されている。前記撮像素子211dはCCDやCMOSから構成されており、前記撮像基板211eに実装されている。この撮像基板211eはレンズホルダ211aの後端部(図4でいうと右側の端部)に取り付けられている。
前記レンズホルダ211aは前記撮像用窓部201bに嵌合されている。この嵌合部には防水手段としてのOリング211fが介在されている。前記撮像部211の最外面(外側レンズ211bの最外面)は、図4に示すように、ケース200における一面部201Iの最外面(撮像用窓部201bの周縁部外面)より凹んだ位置にある。又、前記撮像基板211eにはフレキシブルケーブル211gの一端部を接続する接続端子211hが実装されている。このフレキシブルケーブル211gは撮像基板211eと後述の主基板212Aとを接続している。
前記基板212は主基板212Aと補助基板212Bとを有して構成されている。補助基板212Bには、前記撮像部211を逃げるための孔部212Baが形成されている。そして、この補助基板212Bは、ケース200における前記一面部201Iの裏側にリブを介して当該一面部201I内面と離間状態に取り付けられている。この場合、撮像基板211e及びフレキシブルケーブル211gはこの補助基板212Bよりも後方に位置する。
前記補助基板212Bの後面下部には電池接続端子212Bb、212Bbが設けられており、この電池接続端子212Bb、212Bbに前記電池208のプラス端子及びマイナス端子が接続される。前記補助基板212Bの前面部には、図4及び図9に示すように、撮像用照明手段に相当する撮像ライト214、214が実装されていると共に、照度センサ215が実装されている。前記撮像ライト214、214は前記補助基板212Bの取付状態において、前記撮像ライト用窓部201c、201cと対向又は嵌入する。又、照度センサ215は照度センサ用窓部201dと対向する。
さらに前記補助基板212Bの後面の端部にはリードスイッチ206cが実装されており、このリードスイッチ206cは、図8に示すように、一壁部としての右壁部201Mの内面近傍に位置する。リードスイッチ206cと操作子206aとが前記右壁部201Mの操作子用凹部201fの壁部で離隔される構成を防水手段としている。
さらに主基板212A及び補助基板212Bには、複数の電子部品を電気的に接続するための金属製の回路パターン(図示せず)が形成されている。又、この補助基板212Bの前面には、図9に示すように、そのほぼ全面に金属製の回路パターンであるグランド用パターン212Bcが形成されている。このグランドパターン212Bcはケース200外部からのノイズ遮蔽用の電気的シールドとして作用する。
又、この補助基板212Bにはフレキシブルケーブル212Bdを接続するための接続端子212Beが実装されている。このフレキシブルケーブル212Bdは補助基板212Bと主基板212Aとを接続している。
前記主基板212Aは、前記補助基板212Bの後方部に位置してねじ止めにより本体ケース部201に取り付けられている。この主基板212Aにはこのカメラ装置2の主たる制御を行うためのカメラ側制御部220(後述する)としてのマイクロコンピュータなどを実装している。さらに、この主基板212Aの上部には、スイッチとして、設定開始や設定確定あるいは設定終了などのための設定スイッチ216、各種モードを指定あるいは選択するためのモードスイッチ217を実装している。
この設定スイッチ216、モードスイッチ217はタクトスイッチ(プッシュスイッチ)から構成されており、夫々、操作子216a、217aを有する。各スイッチ216、217は各操作子216a、217aが上から下へ押圧操作されることによりスイッチ動作し、操作後は元状態に戻る。さらに各操作子216a、217aは、図4に示すように、前記各スイッチ用孔部201e、201e内に配置されており、前記スイッチカバー205の意匠印刷205a、205b部分が押圧されると、当該部分が可撓変形して前記各操作子216a、217aが押圧操作される。この意匠印刷205a、205bの部分は、前記設定スイッチ216、モードスイッチ217の操作部216b、217bとして機能する(設定スイッチ216、モードスイッチ217の一部を構成する)。
さらに、この主基板212Aには加速度センサ218、温度センサ219(図10参照)が実装されている。加速度センサ218は、カメラ装置2の設置姿勢(縦置き、横置き、一面部201Iを下向き、一面部201Iを上向き)を検出する。温度センサ219は、カメラ装置2が設置された場所の温度を検知する。カメラ装置2では、この温度センサ219による検知温度が冷蔵室温度帯の場合には冷蔵室にカメラ装置2が設置されたと判断し、前記検知温度が冷凍室温度帯の場合には冷凍室にカメラ装置2が設置されたと判断する。この場合、冷凍室に設置されていると判断した場合、故障等の虞が懸念されるため、冷蔵庫1側にその旨を送信して冷蔵庫1の操作パネル22等にてユーザーに報知する。
さらにこの主基板212Aには、フレキシブルケーブル212Aaを接続するための接続端子212Abが実装されている。このフレキシブルケーブル212Aaは、主基板212Aと通信モジュール213とを接続している。前記通信モジュール213は、前記ケース200の内部に、基板212より後方の位置で前記本体ケース部201にねじ止めにより取り付けられている。この通信モジュール213は、モジュールケース213aの内部に、通信制御のための回路を実装したモジュール基板213bなどを有して構成されている。又、このモジュール基板213bにはアンテナ213cがパターンにより形成されている。このアンテナ213cはケース200において前記一面部201Iと反対側の面部である他面部202Tの側に設けられている。
通信モジュール213は、撮像部211で撮像した庫内の撮像データを、アクセスポイント3を介して操作端末4やサーバ6等に送信する。なお、サーバ6に送信するのは、撮像データをサーバ6に記憶させるためである。ここで、撮像データとは、室内の画像を含むデータであり、例えばビットマップ形式やJPEG形式あるいはMPEG形式などの周知のフォーマットのデータ(静止画、動画)、そのデータを圧縮や暗号化あるいは画像処理することにより変換したデータ等、冷蔵庫1内の様子を操作端末4等で確認できるデータであれば、どのような形式のものであってもよい。
前記カメラ装置2において、撮像部211と、基板212と、通信モジュール213と、電池208はケース200によりユニット(一体物)2Aとして構成されている。そして、電池208は通信モジュール213を覆わない位置に設けられている。つまり、通信モジュール213が有するアンテナ213cの良好な送受信方向(矢印A方向)を覆わない位置に設けられている。
前記通信モジュール213のアンテナ213cと前記基板212との距離H1(図4参照)は、無線電波の波長λの1/2以下の寸法例えば10mmに設定されている。この場合、無線電波の周波数を2.5GHz体とすると、波長λが約120mmであり、当該波長λの1/2(60mm)以下の寸法に設定されている。
ここで、カメラ装置2においては、図4に示すように、質量が大きい電池208がケース200の下部に位置することから、ケース200の中心(体積中心)Cに対してカメラ装置2の重心Gが異なる位置、この場合下方に存在する。
又、前記ケース200において前記電池208と反対側の外面である上壁部201Jの外面には、前記設定スイッチ216、モードスイッチ217の一部である操作部216b、217b(防止手段)が存在する。
前記カメラ装置2の電気的構成について図10を参照して説明する。カメラ側制御部220は、前記主基板212Aが有する既述のマイクロコンピュータにより構成されている。このカメラ側制御部220は、CPU220a、ROM220b、RAM220c及び時計部220d、情報記憶手段としての不揮発性メモリ220e等を有し、カメラ装置2全体を制御する。具体的には、カメラ側制御部220は、撮像部211による撮像タイミングの制御、撮像する際の撮像環境を整える制御(撮像ライト214の点灯制御)、通信モジュール213による撮像データの送信、照度センサ215による後述する撮像指示の受信(受け付け)等のための制御等を行っている。また、カメラ側制御部220は、本実施形態では、撮像した画像の補正等を行う画像処理も行っている。
前記時計部220dは、リアルタイムクロックモジュールから構成されており、時刻・カレンダー機能を有し、リアルタイムの時間(時刻、月日、曜日)を計測できる。
カメラ側制御部220に接続されている照度センサ215は、いわゆる照度センサであり、カメラ装置2の周辺の照度を検出する。より詳細には、照度センサ215は、所定の波長帯域の光エネルギー(本実施形態では、後述する室内照明灯130、132から発せられる光エネルギー)を検出する。照度センサ215で検出された光エネルギーは、電気信号に変換されてカメラ側制御部220に出力される。
本実施形態の場合、ユーザからの撮像指示の最終的な信号形態は、所定のパターンで発せられた光エネルギー(後述の室内照明灯130、132の所定パターンの点滅)により示される構成となっており、カメラ側制御部220は、照度センサ215により上記所定パターンの点滅を検出したときに、撮像指示であると判断する。
このような構成のカメラ装置2は、スライドスイッチ206がオンされた状態(電源オン状態)で使用され、常には通常動作モードよりも相対的に消費電力が少ない低電力モード(スリープ制御モード)にて待機しており、撮像指示を受信すると、通常動作モードに復帰して庫内を撮像する。
一方、前記カメラ装置2が設置される冷蔵庫1は、図11に示すように、本体102の上部から順に、食材を貯蔵するための貯蔵庫である冷蔵室103、野菜室104、製氷室105、上部冷凍室106、及び下部冷凍室107が設けられている。冷蔵室103及び野菜室104と、製氷室105及び上部冷凍室106との間は、図示しない断熱仕切壁により仕切られている。冷蔵室103は、ヒンジ102a、102bによって回転可能に支持されたいわゆる両開き式(回転式)の左扉103a及び右扉103bによって開閉される。
野菜室104、製氷室105、上部冷凍室106及び下部冷凍室107は、引き出し式の扉104a、扉105a、扉106a及び扉107aによってそれぞれ開閉されるようになっている。この場合右扉103bの長さ(ヒンジ102bの回転中心から開放端までの長さ)が左扉103aの長さより長く形成されている。
各扉には、その開閉状態を検知するための扉センサ124(図10参照)が設けられている。なお、図11に示す冷蔵庫1の構成は一例であり、各貯蔵庫の配置順が異なっていたり、例えば上部冷凍室106が冷蔵と冷凍とを切り替え可能な切替室であるような構成でもよい。
冷蔵室103の左扉103aには、上段から順にドアポケット108a、ドアポケット109a、ドアポケット110aが設けられており、右扉103bには、上段から順にドアポケット108b、ドアポケット109b、ドアポケット110bが設けられている。また、冷蔵室103内には、例えばガラス等の透明性材料で形成されている複数の棚板111が設けられているとともに、最下段には、例えば卵室やチルド室のような特定目的室112が配置されている。また、冷蔵室103の内部には照明手段としての室内照明灯130、132(図10参照)が設けられている。室内照明灯130は天井に設けられ、室内照明灯132は図11では図示しないが側面に設けられている。このうち、室内照明灯130は庫内の上部側、室内照明灯132は庫内の中央部や下部等、庫内の特定の位置を照らすために設けられている。
冷蔵室103の左扉103a及び右扉103bは、大きさは異なるが、材料的にはほぼ同じ構成である。右扉103bを代表して、構成を説明する。右扉103bは、図12に示すように、その前面が絶縁性のガラス材料で形成されたガラス板103b1で構成され、後面(内面)が非金属の樹脂製の内板114及び縦板115(図11参照)で構成されている。そして、その内部には断熱材であるウレタン103b2が充填剤として充填されている。つまり、左扉103a及び右扉103bの前面側は、電波を透過させる非金属製材料であるガラス板103b1により構成されている。上記したドアポケット108a〜110a、108b〜110bは、この内板114に設けられている。また、左扉103aには、図11及び図13に示すように、右扉103bとの隙間Sを埋めるための回動式の非金属材料例えば合成樹脂である縦仕切り117が設けられている。なお、野菜室104の扉104a等も、右扉103bと同様にその前面がガラス板で覆われており、内部にはウレタンが断熱材として充填されている構成となっている。
前記野菜室104内には、図14に示すように、上下二つの野菜容器104b、104cを備えている。上側の野菜容器104bは透明な材料(合成樹脂など)によって構成されている。なお、下側の野菜容器104cも透明な材料で構成しても良い。
右扉103bにおいて上下の中央に位置する中段のドアポケット109bには、図12に示すように、前記カメラ装置2がホルダケース150を介して取り付けられている(配置される)。このカメラ装置2は、図11及び図13に示すように、右扉103bの開放端側に設けられている。カメラ装置2はその撮像部211が庫内を向く(一面部201Iが庫内を向く)ように配置されている。カメラ装置2が右扉103bに配置された状態では、スライドスイッチ206がオンされて電源オンとなっている(使用状態となっている)。
この場合、右扉103bの長さが左扉103aの長さより長く形成されているため、このカメラ装置2は図15に示すように冷蔵室103の上下左右のほぼ中央に位置している。特に、このカメラ装置2は、右扉103aのうちヒンジ102b側の端から、左扉103aの長さよりも長い当該右扉103a開放端側に位置している。右扉103bが閉鎖された状態において、カメラ装置2の撮像部211の撮像範囲は、撮像部211が扉103a、103bからなる扉の中央に位置した状態で、冷蔵室103の左右方向の奥行きの隅(図11に示すポイントP1、P2)、又は上下方向の奥行きの隅(図11に示すポイントP3、P4)を含む範囲である。なお、図16には、カメラ装置2で撮像した画像の一例を示している。又、撮像範囲としては、図11に示すポイントP11〜P18を含むようにしても良い。
前記ホルダケース150は右扉103bに配置されており、図12、図17及び図18に示すように、おおむね上部開放形の箱状をなす。当該ホルダケース150の庫内側の壁部150aの高さ寸法Hhは、前記カメラ装置2のケース200の高さの半分よりも長く構成されている。
カメラ装置2(ユニット2A)は、図12の配置状態において、撮像部211が貯蔵庫内である冷蔵室103内に向けて配置されている。又、基板212は撮像部211より冷蔵庫1外側に配置され、且つ通信手段である通信モジュール213は前記基板212より冷蔵庫1外側に配置されている。
又、この場合、右扉103bには、通信モジュール213と対向する位置には、金属部材(補強用金属部品や、金属蒸着を用いた真空断熱パネル)が無い構成となっている。
この図12において、カメラ装置2は、冷蔵庫1が有する扉(右扉103b)から冷蔵庫1内を撮像可能に取り付けられている。又、前記電池208は、通信モジュール213と前記右扉103bとの間の部分Eとは、異なる位置にある。
前記冷蔵庫1は、図10に示す庫側制御部121を有している。この庫側制御部121は、CPU121a、ROM121b、RAM121c、タイマ121d等を有するマイクロコンピュータで構成されており、冷蔵庫1全体を制御する。具体的には、庫側制御部121は、例えば操作パネル122から設定された運転状態となるように、温度センサ123で検出した庫内の温度や扉センサ124で検出した扉の開閉状態等に基づいて、周知の冷凍サイクルを構成する冷蔵用冷却機構125や冷凍用冷却機構126の運転状態を制御する。
操作パネル122には、パネル表示器127、パネルLED128、パネルブザー129が設けられている。パネル表示器127は、設定値等を表示する。パネルLED128は、操作スイッチや運転状態等を点灯させるために設けられている。パネルブザー129は、圧電ブザー等で構成され、操作に応じて音声(音エネルギー)を発することで、操作内容を報知する。又、操作パネル122は、通信の阻害の可能性があるため、通信部たる通信モジュール213と対向しない位置に設けると良い。例えば操作パネル122は、通信モジュール213が存在する扉には設けず、通信モジュール213が存在しない扉に設けると良い。
室内照明灯130、132は、LEDから構成され、扉が開放された際に点灯する。この室内照明灯130、132は、信号出力部も兼用しており、庫側制御部121からの制御により所定パターンで点滅可能となっている。この所定パターンの点滅は対カメラ装置2用の撮像指令を示す信号である。この所定パターンの点滅による撮像指令は前記照度センサ215により受信(受光)される。この場合、照度センサ215の受光特性は室内照明灯130、132のLED発光特性と相対的にほぼ同じに設定している。図19に示す波長領域λαの間でほぼ同じとなる領域を採用している。
送風機131は、通常の動作においては冷蔵庫1内の冷気を循環させるために設けられている。
通信アダプタ134は、アクセスポイント3や室内の操作端末4等との間で通信を行うものであり、本実施形態では、冷蔵庫1に着脱可能に設けられている。なお、図1には冷蔵庫1だけを図示しているが、通信アダプタ134は、エアコン等の他の家電製品にも設けられ、家電製品をネットワーク化している。また、通信アダプタ134は、アクセスポイント3を介すること無く、カメラ装置2との間で直接的に通信を行うことも可能な構成となっている。この通信アダプタ134は、上記したように見える化等にも用いられていることから、冷蔵庫1が動作している状態では基本的に常時作動している。
ここで、前記操作端末4が、遠隔地でユーザーにより操作されて、撮像指令を出力すると、この撮像指令は外部ネットワーク5及びアクセスポイント3を介して冷蔵庫1に送信される。
この撮像指令を受けた冷蔵庫1では、図20に示すステップR1で撮像指令の受信有りと判断する。そして、室内照明灯130及び132を所定のパターンで点滅させることで、撮像指令を光信号の形態でカメラ装置2に送信する(ステップR2)。
カメラ装置2の動作について説明する。
カメラ装置2のスライドスイッチ206をオンすると、電源がオンされ、カメラ側制御部220は図21の制御を行う。まず、ユーザーによる初期設定を実行する(ステップS1)。この初期設定では、カメラピント設定や、自動撮像タイミング(例えば、毎日における撮像時刻など)の設定を行う。この後、スリープ制御へ移行する(ステップS2、スリープ制御手段)。このスリープ制御状態では、室内照明灯130あるいは132から撮像指令を受信する機能と、時計部220dが計測する時間が設定撮像タイミングとなったか否かの判断機能とを作動させている以外は、機能停止状態にある。従って、電源である電池208の電池消費量を抑える。この場合、通信モジュール213の動作も停止している。この理由は、通信モジュール213の動作継続は、電池208の消費速度が速くなるためである。これに対して、前述した室内照明灯130あるいは132から撮像指令を受信する機能は、電池208の消費速度が遅く、より消費量を抑えることができる。
このスリープ制御状態において、室内照明灯130あるいは132から撮像指令を受信するか(ステップS3)、時計部220dが計測している時間が設定された撮像タイミングとなるか(ステップS4)すれば、通常動作モードに復帰する(ステップS5)。そして室内を撮像し(ステップS6)、撮像データを送信する(ステップS7)。
この場合、この撮像データはサーバ6に送信されて保存され、サーバ6から操作端末4に送信される。
上記本実施形態によるカメラ装置2は、図4、図12に示したように、冷蔵室1内を撮像する撮像部211と、この撮像部211により撮像した画像を冷蔵庫1外に送信する通信手段たる通信モジュール213とを備え、この通信モジュール213が、撮像部211よりも冷蔵庫1外側に配置される構成とした。この実施形態によれば、通信モジュール213が、撮像部211よりも冷蔵庫1内側に配置される場合に比して、通信モジュール213による冷蔵庫1外部への通信(撮像画像送信)にとって遮蔽物を少なくでき、外部への通信が良好となる。又、カメラ装置2は、扉の内部の発泡断熱材内に埋め込んでも良い。その場合、撮像部211を扉の内板から庫内に臨ませると良い。
又、本実施形態のカメラ装置2においては、基板212を備え、当該基板212を、通信モジュール213より冷蔵庫1内側に配置した。この実施形態によれば、通信モジュール213による冷蔵庫1外部への通信に対して基板212が遮蔽物となることはなく、外部への通信が良好となる。
ここで、前記基板212の主基板212A及び補助基板212Bには金属製の回路パターンが形成されていることで、通信モジュール213による通信が阻害されることが懸念されるが、上述したように、当該基板212を、通信モジュール213より冷蔵庫1内側に配置したから、前記金属製の回路パターンが、通信モジュール213による冷蔵庫1外部への通信を阻害することがない。
又、この場合、前記回路パターンが補助基板212Bのほぼ全面にグランド用パターン212Bcを形成したことで、ケース200内部に対する電気的シールド性の向上を図っている。ただし、この電気的シールドは、電波に対して強い遮蔽性を示す。しかし、本実施形態によれば、前述したように、当該基板212を、通信モジュール213より冷蔵庫1内側に配置したから、前記グランド用パターン212Bcが、通信モジュール213による冷蔵庫1外部への通信を阻害することがない。
又、本実施形態においては、撮像部211と通信モジュール213とをユニット2Aとして構成し、ユニット2Aには電池208を設け、当該電池208を、通信モジュール213を覆わない位置に設けた。この実施形態によれば、ユニット2A内に金属製部材を有する電池208を備えるが、当該電池208が通信モジュール213の通信を阻害することを防止できる。
又、本実施形態においては、図12に示すように、前記ユニット2Aは、冷蔵庫1が有する扉(右扉103b)から冷蔵庫1内を撮像可能に取り付けられ、前記電池208が、通信モジュール213と前記右扉103bとの間の部分Eとは、異なる位置に設けた。この実施形態によれば、通信モジュール213において冷蔵庫1外への通信方向にある部分Eに対して、電池208が異なる位置にあるから、通信モジュール213による外部への通信を電池208が阻害することがない。
又、本実施形態においては、ユニット2Aが、撮像部211と基板212と通信モジュールとをケース200に収容して構成されており、この場合ケース200を非金属製とした。この実施形態によれば、通信モジュール213がケース200内にあっても通信性能が低下しない。
又、本実施形態においては、左扉103a及び右扉103bをガラスなどの非金属から構成した。これによれば、カメラ装置2を左扉103a又は右扉103bに配置する場合に、通信モジュール213の通信性能が扉によって阻害されることを少なくできる。
又、本実施形態においては、右側扉103bには、通信モジュール213と対向する位置に金属部材(補強用金属部品や、金属蒸着を用いた真空断熱パネル)が無い構成となっている。この実施形態によれば、通信モジュール213の外部への通信を良好とすることができる。又、上記補強用金属部品は、ガラス製の扉前板の裏面に取り付けられるガラスの補強を目的とした平板状の板部品であって、通信モジュール213と対向しない位置、例えば通信モジュール213が取り付けられていない扉や、通信モジュール213の周囲に取り付けても良い。上記真空断熱パネルを上記補強用金属部品同様の位置に設ければ、通信を阻害することなく断熱性が向上する。この真空断熱パネルは、金属蒸着されたフィルムで構成された袋体の内部にガラスウールなどの繊維体が収容され、この袋体を真空引きした構成である。
又、本実施形態においては、ユニット2Aが右扉103bの開放端部側に設けられている。この実施形態によれば、ユニット2Aが右扉103bの開放端部側に位置することで、図13に示すように、右扉103bと左扉103aとの間の隙間S(冷蔵庫1外)に近い位置となり、通信モジュール213による通信が良好になされる。
又、本実施形態においては、図4に示したように、前記通信モジュール213のアンテナ213cと前記基板212(主基板212A)との距離H1(図4参照)を、無線電波の波長λの1/2以下の寸法例えば10mmに設定に設定している。この実施形態によれば、通信モジュール213が外部から無線電波を受ける場合に、無線電波が当該通信モジュール213に届かなくなることを防止できる。すなわち、通信モジュール213のアンテナ213cと金属を含む基板212(主基板212A)との教理が無線電波の波長λ(120mm)の1/2の倍数の距離、すなわち60mm、120mm、180mmなどに設定されていると、無線電波の入射波と反射波とが打ち消し合ってしまい、電波が届かなくなってしまうおそれがある。この点、本実施形態では、無線電波の波長λの1/2以下の寸法例えば10mmに設定に設定しているから、上記の数値には該当せず、無線電波が届かなくなることを防止できる。
なお、上記距離H1を波長λの1/4となる30mmに設定すると、電波の入射波と反射波との位相がそろって電波が倍増する可能性が高くなり、通信性能が一層高くなることが期待できる。
なお、上記実施形態では、カメラ装置2を、撮像部211と基板212と通信モジュール213とをケース200に収容してユニット2A(一体物)として構成したが、通信モジュール213は、ケース200から分離した構成としても良く、この場合通信モジュール213を通信がしやすい適宜部位に設けることが可能となる。
例えば、第2実施形態として示す図22に示すように、通信モジュール213と、通信モジュール213を除くユニット2A´とからカメラ装置2を構成し、通信モジュール213を右扉103bの開放端部側の上部に設ける構成としても良い。この場合、アクセスポイント3が冷蔵庫1の上部(ヒンジ部分)に存在すると、通信性能が向上する。
その他、通信モジュール213は、操作パネルに設けても良い。又、通信モジュール213を、ガラス製の扉の前板前面からウレタン内部に設けられた収納空間部に備えても良いし、通信モジュール213を、ガラス製の扉の前板前面から操作可能な静電容量式の検出部を備える基板に設けても良い。その場合、撮像部211と対向した位置に基板を設ければ、電気接続線を短くできる。又、この基板は、上記収納空間部に挿入及び抜脱可能としても良い。つまり、収納空間部は、扉の縁部に設けられて開口に繋がっていて、基板をその開口から挿入及び抜脱可能にすると良い。このようにすると、通信モジュール213を扉から取り外すことができ、メンテナンスが可能となる。又、この場合、収納空間部の庫内側であれば、金属部品(補強用金属板や真空断熱パネル)を取り付けても通信を阻害することはない。
なお、カメラ装置を配置する扉は引き出し式の扉でも良い。又、カメラ装置を配置する扉としては、観音式の両開き式の扉ではなく、片開き式の一枚の扉でも良い。貯蔵庫としては冷蔵庫に限られず、冷蔵ケース、コンテナや、貯蔵用倉庫などでも良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。