JP6559647B2 - 非溶出試料のワンステップ核酸増幅方法 - Google Patents

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Description

本発明は、核酸増幅の分野に関し、特に、核酸を増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応の使用に関する。本発明は、核酸試料のワンステップ増幅のために、固体支持体(例えば、FTA(商標)紙)とPCR試薬とを合わせることによる、核酸を増幅するために使用可能な方法及びキットを提供する。本発明は、長期間の保存及び簡単な核酸の処理における用途を有し、特に、遺伝子型判定、診断及び法医学に有用である。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、核酸を増幅するための分子生物学で一般的に使用されるツールである。米国特許第4683202号(Mullis、Cetus Corporation)は、核酸又はその混合物に含まれる任意の望ましい特定の核酸配列を増幅させるプロセスを記載する。
濾紙又は化学的に改質されたマトリックスの上に核酸を長期間保存し、輸送し、保管することは、DNA又はRNAが抽出され、遺伝子分析(例えば、PCR)に使用するための形態で単離される前に、遺伝子材料を保存するための周知の技術である。従って、欧州特許第1563091号(Smithら、Whatman)は、試料(例えば、細胞又は細胞溶解物)に由来する核酸を保存する方法に関する。核酸は、単離され、室温及び高湿度で、多種多様なフィルタ及び他の種類の固体支持体又は固相媒体の上で長期間保存される。さらに、本文書は、管、円筒形又は多層プレート中の広範囲の固体支持体上で核酸含有試料を保存するための方法を記載する。
国際公開第90/03959号(Burgoyne)は、マトリックスに組み込まれるか、又はマトリックスに吸着されるDNAが分解しないように保護する化合物又は組成物を含む固体マトリックスを含む、DNA(血液DNAを含む)を保存するためのセルロース系固体支持体を記載する。本文書も、固体媒体を用いてDNAを保存するための方法、また、DNAの回収又は系中での使用のための方法も開示する。
米国特許第5496562号(Burgoyne)は、DNA保存のためのセルロース系固体媒体及び方法を記載する。固体媒体の上でDNAを保存し、輸送するための方法、及び(a)固体媒体からのDNAの回収、又は(b)固体媒体上でのDNAの系中での使用(例えば、PCRによるDNA配列増幅)のいずれかを含む方法が開示される。残念なことに、記載されている方法は、固体媒体表面に界面活性剤又は洗剤が組み込まれているだけであり、従って、PCRを行う前に洗剤を除去するための別個の工程が必要となるという欠点がある。
欧州特許第2290099号(Qiagen)も、DNAを処理し、増幅する方法を記載する。この方法は、DNAを含有する試料を固体支持体に接触させる工程を含み、溶解試薬は、固体支持体に結合している。その後、DNAをDNA精製試薬で処理し、精製する。本出願は、固体支持体の上に封鎖剤を含まず、増幅前に溶解試薬を除去し、DNAを精製するために別個の工程が必要となる。
国際公開第96/39813号(Burgoyne)は、遺伝子材料試料を保存し、その後に分析するための固体媒体を記載し、固体媒体は、タンパク質変性剤及びキレート化剤を含む。記載されている方法は、II族及びIII族の多価金属イオン及び遷移金属イオンを含む多価イオンを錯体化することができる任意の化合物であるキレート化剤についての方法である。この発明は、キレート化剤としてのシクロデキストリンを具体的に述べておらず、PCR分析を1工程で行うことができることも示唆されていない。
米国特許第5705345号(Lundinら)は、試料を含有する細胞が溶解して核酸を放出し、抽出剤を中和するために試料がシクロデキストリンで処理される核酸調製方法を記載する。この系の利点は、従来の洗剤の除去が分離工程を必要とするが、洗剤を中和するためにシクロデキストリンを添加すると、分離工程の必要性がなくなり、汚染の機会が減るということである。
英国特許第2346370号(Cambridge Molecular Technologies Ltd)は、核酸を含有する細胞を含む試料をフィルタに塗布し、細胞がフィルタに保持され、汚染物質は保持されないことを記載する。細胞はフィルタ上で溶解し、核酸は一緒に保持される。後の工程は、核酸を保持しつつ、細胞溶解物を濾別する。
国際公開第96/18731号(Deggerdal)は、試料が固体支持体に結合し、試料を洗剤と接触させ、後の工程を実施して核酸を単離する、核酸を単離する方法を記載する。
国際公開第00/53807号(Smith、Whatman)は、遺伝子材料を含有する試料を保存し、溶解するための媒体を記載し、この遺伝子材料を溶出させ、分析することができる。この媒体は、溶解試薬でコーティングされている。これに加え、媒体を弱塩基、キレート化剤、界面活性剤、場合により尿酸でコーティングしてもよい。
国際公開第99/38962号(Health、Gentra Systems Inc.)は、溶解試薬が結合した固体支持体を記載する。溶解試薬は、洗剤、キレート化剤、水、場合によりRNA消化酵素を含んでいてもよい。固体支持体は、シクロデキストリンを含まず、増幅分析のための核酸を精製するさらなる工程を必要とする。
DNA増幅のための現行の方法は、DNA精製手順を含み、この手順は、混入の機会を増やすいくつかの工程を含むことが多い。これは退屈なプロセスであり、従来の方法は、費用、複雑さ、特に、使用者の時間という観点で明らかな多くの欠点を有する。例えば、カラムに基づく核酸精製は、核酸を精製する典型的な固相抽出方法である。この方法は、緩衝液のpH及び塩含有量に依存して、シリカ又は他の支持材に対する吸着による核酸の結合に左右される。適切な緩衝液の例としては、Tris−EDTA(TE)緩衝液又はリン酸緩衝液(反応性アミンに起因して、DNAマイクロアレイ実験で用いられる)が挙げられる。このようなスピンカラムによる核酸の精製は、多くの複雑で煩わしい工程を含む。スピンカラムによる核酸精製は、典型的には、時間がかかる複雑な以下の3つの工程/段階を含む。
核酸を含有する試料をカラムに加え、核酸が、低いpH(カラム上のシラノール基に対して)及び結合溶液の塩濃度に起因して結合し、緩衝液、変性剤(例えば、塩酸グアニジン)、Triton X−100、イソプロパノール及びpH指示薬を含有していてもよい。
カラムを5mMのKPO4(pH8.0)又は同様のもの、80%EtOHで洗浄する。
緩衝液又は水を用いてカラムを溶出させる。
代替法は、カオトロピック塩存在下、DNAがシリカ又はガラス粒子又はガラスビーズに結合するような核酸の結合を含む。この性質を使用し、ガラス粉末又はシリカビーズを用い、アルカリ性条件で核酸を精製した。典型的なカオトロピック塩としては、チオシアン酸グアニジニウム又は塩酸グアニジニウムが挙げられ、最近では、ガラスビーズが、ガラスを含有するミニカラムに置き換わっている。
法医学用途において、PCR増幅を失敗しないようにする最良の防御は、妥当な試料取扱いと処理の技術を、効率的にDNAを精製することがわかっている抽出系と合わせることである。
Santos C.R.ら、(Brazilian Journal of Microbiology、2012、43、389−392)は、核酸のPCR増幅前の溶出工程を省き、その混合物をPCR混合物に直接加える方法を記載する。このPCR増幅は、HPV−DNAを検出するために行われ、増幅前に核酸を溶出させる標準的なFTA溶出カードプロトコルよりも効率がよかった。しかし、この方法は、HPVの存在を測定するための定性PCRのみを使用した。
Nozawa N.ら、(Journal of Clinical Microbiology、2007、45、1305−1307)は、サイトメガロウイルス(CMV)を検出するためのリアルタイムPCRを用いる方法を記載する。記載される方法は、精製されたCMVを含む濾紙の使用を含み、これをPCR混合物に直接添加した。この論文は、光電子増倍管走査システムを備える装置のみが、フィルタディスクを含むリアルタイムPCRアッセイのために使用可能であったことを注記していた。この論文は、濾紙が、電荷結合素子カメラを用いるときに装置に有害な影響を与え得ることを示唆しており、従って、ABI7700機のようなリアルタイムPCR機での濾紙の使用を除外するように教示している。
Qiagen Sample&Assay Technologies Newsletter(2010年3月、15)は、RNA調製物の低いA260/A230比が、下流にあるPCR処理に及ぼす影響を記載する。この新聞は、RNA試料において、230nmでの吸光度が増加しているのは、チオシアン酸グアニジン(FTA溶出カードの一成分であり、RNA精製手順で使用される)が混入しているためであることが非常に多いことを注記している。この実験は、チオシアン酸グアニジンが存在する場合には、RNA試料のA260/A230比が低くなるが、RNA試料中のチオシアン酸グアニジンの濃度が100mMまでであれば、リアルタイムPCRの信頼性に影響を与えなかったことを示す。
典型的には、標準的なFTA溶出カードプロトコルに含まれる精製工程は、煩わしい場合があり、精製によってDNAの品質が失われることがある。従って、核酸を増幅し、定量し、及び/又はプロファイリングするための改良され、単純化されたプロセスが必要であり、これにより、精製工程の必要性がなくなる。本発明は、この問題に対処し、固体支持体(特に、セルロースから誘導される支持体)から核酸を1工程で増幅するために使用することができる方法及びキットを提供する。
国際公開第2014/041093号パンフレット
本発明は、固体支持体と核酸とを接触させ、DNA試料を簡単に増幅させるために、固体支持体存在下、核酸を増幅させることによる、核酸を増幅させるために使用することができる方法及びキットを提供する。
本発明の第1の態様では、核酸の増幅方法であって、
(i)標的核酸を含有する細胞試料と接触させた含浸化学物質を含む固体支持体を反応容器に移す工程と、
(ii)固体支持体上の核酸を、試料から核酸を溶出させるのに十分な高pH溶液とインキュベートする工程と、
(iii)核酸を増幅して、増幅核酸を生じさせる工程と、
(iv)増幅核酸を定量する工程と
を含む方法を提供する。
一実施形態では、本方法は、さらに、ショートタンデムリピート(STR)プロファイリングを用いてSTRプロファイルを作成することを含む。
特定の実施形態では、高pH溶液は、pHが約10〜約14の溶液である。好ましい実施形態では、高pH溶液は、pHが約11〜約13.5の溶液である。最も好ましい実施形態では、高pH溶液は、pHが約12〜約13の溶液である。
本発明の別の実施形態では、溶出した核酸又は変性した核酸は、最小限の体積(例えば、5〜200マイクロタイター)に含まれ、これより少ないと、溶出した化学物質及び他の細胞成分が、その後の分析手順を阻害する。
本発明の別の実施形態では、本発明の方法は、さらに、このようにして作られた最小限の体積が、その下流の分子生物学用途を可能にするような中和溶液の添加を含む。
本発明の別の実施形態では、溶出した核酸は、DNA種又はRNA種を含む。特定の実施形態では、核酸は、増幅が効率的に起こり、損失又は阻害が起こらないように、RNase阻害剤及びα−シクロデキストリン存在下で増幅される。
本発明の別の実施形態では、溶出した核酸は、mRNA、miRNA、rRNA、piRNA又はsiRNAであり、本方法は、さらに、遺伝子発現分析を含む。
本発明のさらに別の実施形態では、提案される増幅方法は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、等温増幅又は定量的ポリメラーゼ連鎖反応を含む。
さらになお、本発明の方法では、核酸増幅試薬溶液は、ポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)、反応緩衝液及び1種以上のプライマーを含み、プライマーは、場合により、色素で標識される。
別の実施形態では、固体支持体の組成物は、チオシアン酸グアニジン、塩化グアニジン、塩酸グアニジン、ドデシル硫酸ナトリウム、尿酸、EDTA又はTris緩衝液を含む。
本発明の別の実施形態では、工程(i)の前に固体支持体が水溶液で洗浄される。
さらになお、本発明の一実施形態は、ガラス又はシリカ系固相媒体、プラスチック系固相媒体、セルロース系固相媒体、ガラス繊維、ガラスマイクロファイバー、シリカゲル、酸化シリカ、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリアミド、炭水化物ポリマー、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ウール及び多孔質セラミックからなる群から選択される固体支持体を含む。
別の実施形態では、固体支持体は、セルロース系マトリックスである。
別の実施形態では、セルロース系マトリックスは、プレパンチ(prepunched)ディスクの形態である。
なおさらなる実施形態は、セルロース系マトリックスが、FTA(商標)又はFTA(商標)Eluteカードの形態であるものを提供する。
別の実施形態では、核酸は、工程(i)の前に固体支持体の上で保存される。
一実施形態では、核酸は、固体支持体の上で少なくとも30分保存される。核酸を、固体支持体の上に長期間、例えば、少なくとも24時間、少なくとも7日間、少なくとも30日間、少なくとも90日間、少なくとも180日間、少なくとも1年間、少なくとも10年間固定してもよい。この様式で、核酸は、その後の分析に適切な乾燥した形態で保存されてもよい。典型的には、試料は、−200℃〜40℃の温度で保存される。それに加え、保存された試料は、場合により、乾燥した状態又は乾燥して粉状にした状態で、又は不活性雰囲気下で保存されてもよい。
本発明の別の態様では、核酸の増幅方法であって、
(i)カオトロピック塩を含む固体支持体を、核酸を含有する細胞試料と接触させる工程と、
(ii)固体支持体を反応容器に移す工程と、
(iii)固体支持体上の核酸を、核酸増幅試薬溶液とインキュベートする工程と、
(iv)核酸を増幅して、増幅核酸を生じさせる工程と、
(v)増幅核酸を定量する工程と、場合により、
(vi)ショートタンデムリピート(STR)プロファイリングを用いてSTRプロファイルを作成する工程と
を含んでいて、固体支持体存在下で、工程(i)〜(vi)が実施される、方法が提供される。
固体支持体存在下で核酸を増幅させる利点は、核酸増幅に必要な工程の数を減らすことであり、それにより、操作時間の節約となり、操作者の使用が容易になる。別の利点は、特に、試料量が少ないときに、標的核酸の損失を避けることである。
本発明の一態様では、固体支持体は、細胞試料を加える前に、既に反応容器に入っている。
別の態様では、増幅方法は、ポリメラーゼ連鎖反応である。
別の態様では、増幅方法は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、等温増幅又は定量的ポリメラーゼ連鎖反応を含む。
さらなる態様では、核酸増幅試薬溶液は、ポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)、反応緩衝液及び1種以上のプライマーを含み、プライマーは、場合により、色素で標識される。このような染料は、GE Healthcare製の蛍光染料FAM(商標)又はCyDye DIGE Fluor(商標)を含んでいてもよい。核酸増幅試薬溶液は、乾燥した形態、例えば、Ready−to−Go(商標)(RTG)フォーマットで存在していてもよい。ポリメラーゼ連鎖反応試薬の乾燥した配合物又は凍結乾燥した配合物の利点は、水を加えることによって簡単に可溶化させることができることであり、そのため、操作時間の節約となり、操作者の使用を容易にする。操作者の間違いを最小限にするために、乾燥した試薬混合物を反応容器(例えば、マルチウェルプレートのウェル)に前もって分注しておいてもよい。このようなRTG混合物の例としては、GE Healthcareから入手可能なIllustra Ready−to−Go RT−PCRビーズが挙げられる。
さらなる態様では、核酸は、DNA、RNA及びオリゴヌクレオチドからなる群から選択される。「核酸」という用語は、本明細書で、「ヌクレオチド」という用語と同義に用いられ、DNA、例えば、プラスミドDNA及びゲノムDNA;RNA、例えば、mRNA、tRNA、sRNA及びRNAi;及びタンパク質核酸、PNAを含む。
一態様では、カオトロピック塩は、グアニジン塩である。
別の態様では、グアニジン塩は、チオシアン酸グアニジン、塩化グアニジン及び塩酸グアニジンからなる群から選択される。
一態様では、カオトロピック塩は、ナトリウム塩、例えば、ヨウ化ナトリウムである。
別の態様では、固体支持体を工程(i)の後、水溶液で洗浄する。
一態様では、固体支持体は、ガラス又はシリカ系固相媒体、プラスチック系固相媒体、セルロース系固相媒体、ガラス繊維、ガラスマイクロファイバー、シリカゲル、酸化シリカ、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリアミド、炭水化物ポリマー、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ウール及び多孔質セラミックからなる群から選択される。
さらなる態様では、セルロース系マトリックスは、プレパンチディスクの形態である。
別の態様では、セルロース系マトリックスは、FTA(商標)Eluteカードの形態である。
別の態様では、セルロース系マトリックスは、indicating FTA(商標)Elute(iFTAe)カードを示す形態であり、染料は、生体試料の存在を示す。
一態様では、増幅核酸は、PCRイメージングシステムで定量される。
一態様では、細胞試料は、真核細胞又は原核細胞、ウイルス、細菌、植物及び組織培養細胞からなる群から選択される。
別の態様では、細胞試料は、血液、血清、精液、脳脊髄液、滑液、リンパ液、唾液、口腔細胞、子宮頸部細胞、膣細胞、尿、糞、毛髪、皮膚及び筋肉からなる群から選択される。細胞試料は、哺乳動物、鳥類、魚類、植物又はこれらの細胞培養物に由来していてもよい。好ましくは、細胞試料は、哺乳動物由来であり、最も好ましくは、ヒト由来である。核酸を含有する試料は、任意の供給源に由来していてもよい。この供給源としては、例えば、生理学的/病理学的体液(例えば、分泌物、排泄物、滲出液)又はヒト及び動物の細胞懸濁物;植物の生理学的/病理学的液体又は細胞懸濁物;細菌、真菌、プラスミド、ウイルス、プリオンなどの液体生成物、抽出物又は懸濁物;ヒト又は動物の体組織(例えば、骨、肝臓、腎臓など)の液体抽出物又は均質物;DNA合成又はRNA合成からの媒体、化学合成又は生物化学合成によるDNA又はRNAの混合物;及びDNA又はRNAが液体媒体中にあるか、又は液体媒体中であってもよい任意の多の供給源が挙げられる。
さらなる態様では、本方法は、分子診断ツール、ヒト同定ツール、法医学ツール、STRプロファイリングツール及びDNAプロファイリングからなる群から選択されるツールとして使用するためのものである。
別の態様では、核酸は、工程(ii)の前に固体支持体の上で保存される。
一態様では、核酸は、固体支持体の上で少なくとも30分保存される。核酸を、固体支持体の上に長期間、例えば、少なくとも24時間、少なくとも7日間、少なくとも30日間、少なくとも90日間、少なくとも180日間、少なくとも1年間、少なくとも10年間固定してもよい。この様式で、核酸は、その後の分析に適切な乾燥した形態で保存されてもよい。典型的には、試料は、−200℃〜40℃の温度で保存される。それに加え、保存された試料は、場合により、乾燥した状態又は乾燥して粉状にした状態で、又は不活性雰囲気下で保存されてもよい。
本発明の方法を、1本の管中で、又はBaronら、(2011、Forensics Science International:Genetics Supplement Series、93、e560−e561)に記載されるように自動化試料処理と組合せて高スループット96ウェルフォーマットで使用してもよい。この手法は、最低限の数の工程を含み、試料のスループットが高い。この手順は、現在使用されている、もっと労働集約的なキット(例えば、QIAmp DNA血液ミニキット、Qiagen)に関連するプロトコルと比較して、操作の数が少ないため、操作者に誘発される誤りの危険性(例えば、相互混入)も減る。この手順に必要な操作が少ないため、試料を混ぜてしまう危険性も減る。重要なことに、本方法は、高スループットスクリーニングのためのマルチウェル形態に簡単に変換することができる。従って、本発明は、遺伝子を調べるのを補助するためにPCR反応を行うための試料処理を改良することができる。本発明は、96ウェル/高スループットフォーマットで行うことができ、試料の取扱いが容易になるため、試料のバッチ処理の必要がない。
さらなる態様では、反応容器は、マルチウェルプレート中のウェルである。マルチウェルプレートは、6、12、24、96、384ウェルを含め、種々のフォーマットで利用可能である。(例えば、Corning 384ウェルマルチウェルプレート中、Sigma Aldrich)。
一態様では、固体支持体から円板をパンチによって抜くか、又は切断することによって、試料を反応容器に移す。固体支持体から一部又は円板をパンチによって抜くことは、例えば、Harris Micro Punch(Whatman Inc.;Sigma Aldrich)のようなパンチの使用によって行うことができる。
本発明の別の態様では、核酸の増幅方法であって、
(i)溶解試薬を含む固体支持体を、核酸を含有する細胞試料と接触させる工程と、
(ii)固体支持体を反応容器に移す工程と、
(iii)固体支持体上の核酸を、核酸増幅試薬溶液とインキュベートする工程と、
(iv)核酸を増幅して、増幅核酸を生じさせる工程と、
(v)場合により、増幅核酸を定量する工程とを含み、
固体支持体存在下で、工程(i)〜(v)が実施される、方法が提供される。
一態様では、固体支持体は、細胞試料を加える前に、既に反応容器に入っている。
別の態様では、増幅方法は、ポリメラーゼ連鎖反応である。
別の態様では、溶解試薬は、界面活性剤、洗剤及びカオトロピック塩からなる群から選択される。
別の態様では、溶解試薬は、ドデシル硫酸ナトリウム、チオシアン酸グアニジン、塩化グアニジン、塩酸グアニジン及びナトリウムヨージドからなる群から選択される。
さらなる態様では、固体支持体は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び尿酸を含浸している。
一態様では、固体支持体は、予め孔があけられたFTA(商標)円板の形態である。
別の態様では、セルロース系マトリックスは、indicating FTA(商標)(iFTA)カードを示す形態であり、染料は、生体試料の存在を示す。
別の態様では、固体支持体は、ガラス又はシリカ系固相媒体、プラスチック系固相媒体又はセルロース系固相媒体、ガラス繊維、ガラスマイクロファイバー、シリカゲル、酸化シリカ、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリアミド、炭水化物ポリマー、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ウール又は多孔質セラミックからなる群から選択される。
別の態様では、工程(i)の後に固体支持体が水溶液で洗浄される。
一態様では、増幅核酸は、PCRイメージングシステムで定量される。
一態様では、細胞試料は、真核細胞又は原核細胞、ウイルス、細菌、植物及び組織培養細胞からなる群から選択される。
別の態様では、細胞試料は、血液、血清、精液、脳脊髄液、滑液、リンパ液、唾液、口腔細胞、子宮頸部細胞、膣細胞、尿、糞、毛髪、皮膚及び筋肉からなる群から選択される。細胞試料は、哺乳動物、鳥類、魚類、植物又はこれらの細胞培養物に由来していてもよい。好ましくは、細胞試料は、哺乳動物由来であり、最も好ましくは、ヒト由来である。核酸を含有する試料は、任意の供給源に由来していてもよい。この供給源としては、例えば、生理学的/病理学的体液(例えば、分泌物、排泄物、滲出液)又はヒト及び動物の細胞懸濁物;植物の生理学的/病理学的液体又は細胞懸濁物;細菌、真菌、プラスミド、ウイルス、プリオンなどの液体生成物、抽出物又は懸濁物;ヒト又は動物の体組織(例えば、骨、肝臓、腎臓など)の液体抽出物又は均質物;DNA合成又はRNA合成からの媒体、化学合成又は生物化学合成によるDNA又はRNAの混合物;及びDNA又はRNAが液体媒体中にあるか、又は液体媒体中であってもよい任意の多の供給源が挙げられる。
さらなる態様では、本方法は、分子診断ツール、ヒト同定ツール、法医学ツール、STRプロファイリングツール及びDNAプロファイリングからなる群から選択されるツールとして使用するためのものである。
別の態様では、核酸は、工程(ii)の前に固体支持体の上で保存される。
一態様では、核酸は、固体支持体の上で少なくとも30分保存される。核酸を、固体支持体の上に長期間、例えば、少なくとも24時間、少なくとも7日間、少なくとも30日間、少なくとも90日間、少なくとも180日間、少なくとも1年間、少なくとも10年間固定してもよい。この様式で、核酸は、その後の分析に適切な乾燥した形態で保存されてもよい。典型的には、試料は、−200℃〜40℃の温度で保存される。それに加え、保存された試料は、場合により、乾燥した状態又は乾燥して粉状にした状態で、又は不活性雰囲気下で保存されてもよい。
本発明の方法を、1本の管中で、又はBaronら、(2011、Forensics Science International:Genetics Supplement Series、93、e560−e561)に記載されるように自動化試料処理と組合せて高スループット96ウェルフォーマットで使用してもよい。この手法は、最低限の数の工程を含み、試料のスループットが高い。この手順は、現在使用されている、もっと労働集約的なキット(例えば、QIAmp DNA血液ミニキット、Qiagen)に関連するプロトコルと比較して、操作の数が少ないため、操作者に誘発される誤りの危険性(例えば、相互混入)も減る。この手順に必要な操作が少ないため、試料を混ぜてしまう危険性も減る。重要なことに、本方法は、高スループットスクリーニングのためのマルチウェル形態に簡単に変換することができる。従って、本発明は、遺伝子を調べるのを補助するためにPCR反応を行うための試料処理を改良することができる。本発明は、96ウェル/高スループットフォーマットで行うことができ、試料の取扱いが容易になるため、試料のバッチ処理の必要がない。
さらなる態様では、反応容器は、マルチウェルプレート中のウェルである。マルチウェルプレートは、6、12、24、96、384ウェルを含め、種々のフォーマットで利用可能である。(例えば、Corning 384ウェルマルチウェルプレート中、Sigma Aldrich)。
一態様では、固体支持体から円板をパンチによって抜くか、又は切断することによって、試料を反応容器に移す。固体支持体から一部又は円板をパンチによって抜くことは、例えば、Harris Micro Punch(Whatman Inc.;Sigma Aldrich)のようなパンチの使用によって行うことができる。
本発明の第3の態様では、本明細書で既に記載したような核酸を増幅するためのキットと、これに使用するための指示書が提供される。
未洗浄HeLa細胞をスポットしたiFTAe(複製物1番)のPCR増幅からのSTRプロファイルを表す。 未洗浄HeLa細胞をスポットしたiFTAe(複製物2番)のPCR増幅からのSTRプロファイルを表す。 未洗浄HeLa細胞をスポットしたiFTAe(複製物3番)のPCR増幅からのSTRプロファイルを表す。 コントロールDNA試料のPCR増幅からのSTRプロファイルを表す。 洗浄した血液をスポットしたiFTAeを直接増幅させるqPCR増幅からのDNA収率を表す。 未洗浄HeLa細胞をスポットしたiFTAeを直接増幅させるか、又は溶出させた後のqPCR増幅からのDNA収率を表す。 最適化したFTA Express方法を用いてFTAカードを周囲条件で保存するために適用される均質化した博物館試料からのDNA標的の増幅を表す。
本発明の提案した方法の潜在的な用途としては、限定されないが、以下に示すものが挙げられる。
(i)法医学的ワークフロー自動化
最近の実験結果は、FTA Expressと呼ばれる非洗浄最適化法によって、典型的な自動化HIDワークフローにおいて、効率的で損失がなく、減少がないプロセスが可能であることを示している。一般的に、当該産業は、Identifiler Direct又はPowerplex 18Dワークフローのいずれかにおいて、1.2mm FTAパンチを使用し、非洗浄FTAパンチに含まれる洗剤化学物質を克服するために、特殊な増幅反応混合物及び酵素を配合した。この洗剤の量でのポリメラーゼは、上のようにしなければ変性し、STR反応が非効率になる。典型的な方法は、特殊なSTR配合物を含有し、合計体積が10〜25μlの1つの管又はウェルに1つの1.2mmパンチを直接加えることに基づく。対照的に、本発明は、かなりの量のDNAが一本鎖になる高pH溶出緩衝液に1つの1.2mmパンチを加えることを提案し、溶液の体積全体に迅速に拡散する。約8〜10分の短い時間中に、所定体積の中和剤を加え、合わせて合計で100〜200μlの体積を得て、これには約0.05〜0.2ng/μlのゲノムDNAが含まれている。次いで、このDNAストック溶液を多段階STR反応に使用することができ(Powerplex 16HSを用いる例を開示する)、5〜10μlを複数回取り出し、並行反応に加えることができる。任意の分子生物学手順のための複製及びアンプリコンの適用のために、この溶液の一部をqPCR反応又は一般的なPCR反応に加えることも可能である。特に関係があるのは、本発明が、1.2mmパンチを利用せずに、おそらく2mm又は3mmのパンチを使用し、自動化ワークフローを確立することができる能力であり、化学量論比率の高pH溶出緩衝液と中和剤を再び使用し、約10分間の処理時間で、顕著に多くのDNAを生じる。この特徴は、消耗品であるプラスチックワイヤによって生じる静電放電に起因して、自動化システムへのパンチの置き違えを確実に防ぐには、1.2mmパンチの操作は困難であり、特別な注意が必要であることを認識するとき、重要になる。本明細書に記載したように、高体積溶出に基づく容易なシステムが開発されたため、特別に配合されたPCR試薬又はSTRキット又は自動化された洗浄に頼ることなく、法医学で迅速なワークフローを利用することができ、非常に小さなパンチの静電放電による置き違えに起因するパンチの損失を避けることができる。FTAパンチの表面をこするための研磨棒をさらに使用し、高pH溶出溶液への直接的な置き換えによって、洗浄又は特別に配合された増幅反応物に頼ることなく、このプロセスの小型化が改良される。
現在、microRNA、血中循環核酸(CNA)、種々の種類の低分子ウイルスゲノム及びフラグメント化されたDNAを含め、低分子量の核酸種を含む新しくスポットされた白血球の中に見出すことができる多くの種類の核酸が存在する。しかし、能動的な洗浄及び変性化学物質の除去を教示するか、又はこれに依存する従来法は、このような低分子量種をセルロースフィルタ及び他の膜に維持するのには適していない。結果として、このような洗浄工程が単純にこのような核酸種を洗い流してしまい、それによって、検出戦略を適用する前に核酸種の損失が生じる一定のおそれがある。本発明の特徴は、この損失をなくすことである。
能動的な洗浄及び変性化学物質に依存する従来の方法から生じる損失を修正することができる代表的な核酸種としては、CNAが挙げられる。CNAは、低分子量のヌクレオソームから誘導されるDNAの集合であり、典型的には、200bp未満であり、無細胞DNAであると記載される。胎児の循環血中に特異的な配列が検出され、この配列は、母体血漿の全DNAの一部を構成し、まだ生まれていない胎児から発生している可能性がある。このため、科学業界では、これを「胎児の遺伝子の変動(window on fetal genetics)」と考えるため、胎児の危険性にある程度関連する羊水穿刺をすることは困難である。この発見は、単純に母体の血液試料の分析に基づく非侵襲性の出産前診断手法を開発することに対する研究者の興味を損なわせるかもしれないが、種々の技術の課題は、スタンドアロン型の非侵襲性の診断技術の開発を妨げる。例えば、大きな問題は、母体の血漿において、同時に存在する母体DNAのバックグラウンドから胎児DNAを区別する能力であった。妊娠中、胎児DNAは、母体血漿中の全DNAの約3〜6%を占める。これらの条件は、分析に十分な量の胎児DNAを達成するのに、非常の多くの試料の処理及び濃縮を必要とする。胎児DNAに対する母体DNAの高い比率は、さらに、異数性のような複製物の数の変動を調べようとする場合には、この後の検出方法を混乱させる場合がある。検出方法及び配列決定に適用する場合、この濃縮は非常に顕著であり、現時点で入手可能なものよりも妊娠初期でもっと正確な試験結果を得ることができる。Peter Brian Gahan、Circulating nucleic acids in plasma and serum:diagnosis and prognosis in cancer EPMA J.2010 September;1(3):503−512。
従来技術は、循環DNAの分析の診断上の信頼性は、標的配列の分画濃度、分析の感度及び特異性によって変わることもわかる。循環DNA種間の1つのヌクレオチドの差を信頼性高く区別することは、技術的な課題であり、高感度の採用が必要となり、特異的な分析システムは、科学文献を詠めば非常に明確になる。例えば、ヒトの血漿及び血清中に存在する核酸の生物学的用途及び診断用途を記載する、Anker、P.、Mulcahy、H.&Stroun、M.(2003)Int.J.Cancer 103、149−152.pmid:12455027、及びLo、Y.M.D.、Chiu、R.W.K.&Johnson、P.J.、eds.(2001)Circulating Nucleic Acids in Plasma or Serum II、Annals of the New York Academy of Sciences、Vol.945(N.Y.Acad.Sci.、New York)を参照。母体血漿での胎児DNAと母体DNAのわずかな(例えば、1塩基の)違いを信頼性高く区別することは、今までは技術的な課題であり、Nasis、O.、Thompson、S.、Hong、T.、Sherwood、M.、Radcliffe、S.、Jackson、L.&Otevrel、T.(2004)Clin.Chem.50、694−701)から明らかである。PNAS July 20、2004 vol.101 no.29 10762−10767も参照。
当該技術は、種々の特性についての非侵襲性のPCRに基づく出生前遺伝子検査の開発を示す種々の他の例とともに生み出される。しかし、このような試験に付随する問題は、PCRに基づくアッセイが、感度と特異性がトレードオフの関係にあり、特定の変異を同定することを難しくしていることである。さらに、PCRの統計的な性質に起因して、試料(例えば、母体組織又は体液から得た試料中の胎児の核酸)中に少量存在する分子集合が、多くは、過剰にみられる。実際に、最初の数回の増幅では、まれな核酸は増幅しない場合、徐々に、そのまれな事象でさえ検出されることは徐々にあり得なくなっていく。同様に、核酸の大きさが小さいため、母体試料中の胎児の核酸が変性し、PCR増幅によって修正されない可能性もある。米国特許出願公開第2010/0216153号。
無細胞核酸は、癌、糖尿病、鎌状赤血球症、自己免疫疾患、心筋梗塞、多発性硬化症などによって例示される種々の疾患のバイオマーカー、特に、激しい運動、血液透析、妊娠のような生理学的状態のバイオマーカーとして提案されてきた。さらに、無細胞核酸の存在又は非存在は、例えば、外傷、日焼け、敗血症のようなある種の臨床状体にも関係がある。実際に、CNAは、多くの生体液、例えば、血液、尿、糞、母乳、気管支洗浄液及び腹水で検出されている。欧州特許出願公開第2426217号を参照。
胎児異数性(例えば、ダウン症候群、エドワーズ症候群及びパトー症候群)及び他の染色体異常は、1000生児出生に9人発生している(Cunninghamら、Williams Obstetrics、McGraw−Hill、New York、p.942、2002)。染色体異常は、一般的に、侵襲的手法(例えば、絨毛生検又は羊水穿刺)によって得られる胎児細胞の染色体分析によって診断される。これらの手法は、胎児にも母体にも大きなリスクを伴う可能性がある。母体血清マーカー又は超音波を用いる非侵襲的スクリーニングが利用可能であるが、信頼性が劣る(Fanら、PNAS、105(42):16266−16271、2008)。今後、無細胞核酸(例えば、循環核酸、例えば、DNA(cirDNA)又はcirRNA)の検出が、既存の試験を補うものとして、特定の病理学的又は生理学的状態の診断、がんの予後及び経過観察、個々の患者の治療方針の選択、集団検診を可能とする非侵襲の画期的な技術となるだろう。
研究者らは、がんのときの壊死及びアポトーシスのプロセスによって、腫瘍から無細胞DNAが放出され、その結果、健康な個人では非常に少量しか存在しない無細胞DNAが顕著に増加し、この増加が、さらに精密な診断/治療介入が必要であるとのシグナルになり得るのではないかと考えている。Holdenrieder S、Burges A、Reich Oら、DNA integrity in plasma and serum of patients with malignant and benign diseases.Ann NY Acad Sci.2008;1137:162−70.doi:10.1196/annals.1448.013。乾燥した血液スポットに適用される従来のプロトコルを用いる洗浄手順では、これらの価値が高いバイオマーカーが失われてしまう場合がある。本発明の方法を使用すると、さらなる研究のために、これらの非常に小さな分子量のヌクレオソームから誘導されるDNAを保存するのに役立つだろう。有望な事例として、胃腸がんにおいて、ヌクレオソームの量が、腫瘍のステージ及び転移の存在と相関関係にあるという例がある。Umetani N、Kim J、Hiramats Sら、Increased integrity of free circulating DNA in sera of patients with colorectal.Clin Chem.2006;52:1062−9.doi:10.1373/clinchem.2006.068577。
さらに、CNAのような循環ヌクレオソームは、化学療法及び放射線療法の最中の進行性疾患と関係していると思われるが、一定して高い値であるか、又は値が増加しているところ、疾患が緩解した患者では、主に、値の大きな低下がみられるので、細胞障害性療法をモニタリングするときにも使用できそうである。実際に、前出のHoldenriederは、肺、膵臓及び結腸直腸のがん患者及び血液悪性腫瘍患者において、化学療法及び放射線療法の1週目のヌクレオソームの値によって治療の転帰を暗示することができることを報告している。
同様に、研究者らは、組織損傷又は炎症応答の結果として、血液中の遊離DNA量の増加が、細胞死と相関関係にあることも観察している。実際に、遊離DNA量を調べることが、自己免疫性疾患、卒中、癌及び心血管疾患を含む多くの疾患の有効な予後指標であると考えられる。しかし、循環DNAの量を定量的に評価する方法は、高価であり、時間がかかり、信頼性が低い。米国特許出願公開第2010/0216145号を参照。
(ii)microRNA
まれに、microRNAのように圧倒的な量の関心を得る新しい研究領域がある。実際に、過去20年の間に、真核性遺伝子制御の分野は、一部にはRNAが介在する遺伝子サイレンシングの発見によって、大きく様変わりした。真核生物での大部分の遺伝子制御は、RNA分子レベルで起こる。microRNA(miRNA)と呼ばれる内因性制御RNA分子群は、全ヒト遺伝子の約30%の制御に関与していると思われる。これらの「小さなRNA」分子(sRNA)は、がん、糖尿病又は神経性障害の進行にも、何らかの役割を果たす。
microRNAは、小さな制御RNA群であり、典型的には、20〜30nt長であり、制御された細胞分化又は制御不能の細胞分化を含め、健康及び疾患に関わっている。microRNAは、一連のRNAプロセシング工程の結果として、miRNA前駆体から細胞内で発生する。microRNA(miRNA)は、翻訳の抑制及びメッセンジャーRNA(mRNA)の変性の両方によって、遺伝子発現を制御することが示されている。これらの小さなノンコーディングRNAは、典型的には、複数の遺伝子を同時に標的とし、標的遺伝子の発現をわずかではあるが確実に誘発し、発現量を変える。これらの生物学的原理に関するいくつかの基本的な問題は、まだ答を探しているところであるが、microRNAの多くの特異的な特徴は、圧倒的な治療効能データ、ヒト疾患への明らかな関与と組合せて、バイオテクノロジー業界がmicroRNAを治療の対象物であると考える可能性を探求し始めるきっかけとなっている。
その結果、100程度のヌクレオチド、又は多くの生物のさまざまな細胞及び培養した細胞から得たもっと少ないヌクレオチドについて、小さなRNAs−RNA分子の研究は、現在非常に関心が高い分野であり、将来的にも間違いなく関心が高いままであろう。Brennecke、J.ら、PLOS Biol.3(3):P85(2005)。疾患に関連するmiRNA発現パターンの変化は、新しい予後判断及び診断の機会を与え、臨床マーカーの可能性も与えるだろう。
種々の疾患を治療するための治療薬剤としてのmiRNAの有用性は、当該技術分野で、例えば国際公開第2009/126650号に記載されており、血管形成を調整するためのmi−126及びmi−126阻害剤の使用が開示されている。国際公開第2008/137867号(867号)は、がんを治療するためのmiR−34治療薬剤を含む組成物を記載している。Cogswell J.Pら、J.Alzheimers disease、14、p27−41、2008は、アルツハイマー病の脳及びCSFにおけるmiRNAの変化を同定し、推定バイオマーカーを得て、疾患経路への洞察を記載している。国際公開第2008/137867号は、miRNA発現が、アルツハイマーのCSFを変え、正常な場合とアルツハイマー病の場合のCSF中のmiRNAの変化を検出することができることを開示している。
同様に、国際公開第2008/154333号は、遺伝子又は遺伝経路を調整するためのmiR−34を用いて、miR−34によって調整される遺伝子又は遺伝経路を同定し、患者の状態を評価し、及び/又は適切なmiRNAを用いて患者を治療するときにこのプロファイルを用いるための方法及び組成物を詳細に記載している。
近年、胎児診断に使用するために、血漿及び血清の中のmicroRNAが調べられている。Chim SSC、Shing TKF、Hung ECW.Detection and characterization of placental microRNAs in maternal plasma.Clin Chem.2008;54:482−90.doi:10.1373/clinchem.2007.09797;Hung ECW、Chiu RWK、Lo YMD.Detection of circulating fetal nucleic acids:a review of methods and applications.J Clin Path.2009;62:308−13.doi:10.1136/jcp.2007.048470を参照。MicroRNAは、がんの範囲にも関係があるとされている。Lodes MJ、Caraballo M、Suciu D、et al.Detection of cancer with serum microRNAs on an oligonucleotide microarray.PLoS ONE.2009;14:e622。
しかし、microRNAについて種々の提案されている研究の鍵は、15〜100ヌクレオチドの範囲の大きさのRNA分子を高効率で単離する必要があることである。この議論から明らかになるが、当該技術分野の現在の状態は、さらなる研究及び探求のために少量のmicroRNAを効率よく単離するための改良法については、よくわからないまま沈黙を保っている。
手続的に、天然の供給源(組織試料、生物全体、細胞培養物、体液)からのRNAの調製は、すべての他の生体分子の除去を必要とする。水を除けば、細胞の主要な要素は通常はタンパク質であり、多くは質量の4分の3を与える。主要な他の生体分子の中で、脂質、炭水化物、これら同士の組合せ、タンパク質、DNAは、他の主要な要素である。RNA抽出の到達目標は、タンパク質とDNAを除去することである。RNAを使用するときに、これらが最も大きな妨害となるからである。脂質や炭水化物といった部分は、通常は、洗剤の助けを借りれば溶解させて取り除くことができる。タンパク質は、洗剤及び変性剤の助けを借りれば、RNA(及びDNA)から分けることができるが、一般的な溶液から除去されなければならない。米国特許出願公開第2005/0059024号(024号)を参照。
米国特許出願公開第2005/0059024号に示されるように、現時点では、この目的を達成するために、2つの主要な方法が用いられる。第1の方法は、タンパク質を効果的に溶解又は沈殿させる、水に混和しない有機溶媒の使用を提案し、その後、除去の前に、タンパク質を含まない相を遠心分離によって除去する。一般的に、フェノール又はフェノール−クロロホルム混合物がこの目的のために用いられる。第2の方法(固相抽出)は、固体表面にRNAを選択的に固定し、タンパク質を洗い流し、その後、RNAを水溶液中に放出させることを提案する。両方の手順が、DNAの混入量又はキャリーオーバーを下げることができるが、その効率は、使用される正確な条件によってさまざまである。
フェノール及びフェノール−クロロホルムによる抽出は、タンパク質及び脂質がきわめて少ない核酸溶液を与えるが、炭水化物の多くは、この手順でも失われる。同様に、酸性フェノール−クロロホルムは、水溶液からDNAの一部を抽出することが知られている。しかし、この用液は、塩酸グアニジニウム、チオシアン酸グアニジニウム又は尿素のような変性剤の量が多く、これらはすべて、後で行われる酵素分析と適合しない。RNAは、通常は、エタノール又はイソプロパノールを用いた選択的な沈殿によってこれらの混合物から分離される。しかし、この手順を使用することは、小さな核酸分子(例えば、小さなRNA)にとっては非常に効率が悪いことを注記しておく。
一方、固相抽出は、RNAの水への親和性を下げ、使用する固相への親和性を上げるために、高濃度の塩又は塩と、アルコールの使用に依存する。固体支持体としてガラス(シリカ)を使用し、変性を起こす高濃度の塩存在下(米国特許第5155018号;第5990302号;第6043354号;第6110363号;第5234809号)、又は低濃度の変性を起こす塩とエタノールを存在下(米国特許第6180778号)、大きなRNAについて操作することが示されている。重要なことに、ガラスファイバー又はRNAに対する結合のための通常の条件は、microRNAにはうまく働かず、異なる組織では要求される事項が変わるため、溶解したままのものを使用することは問題がある。
その結果、多くの従来のプロトコルは、DNA又は大きいmRNAの単離に関するものであり、小さなRNA分子は、捕捉及び溶出の効率がよくないことが多いので、小さなRNA分子の単離には理想的とはいえない。米国特許出願公開第2005/0059024を参照。
種々の生体試料からのmiRNAの定量的及び定性的な単離は、限定されないが、労働集約的で時間のかかるプロトコルであること、miRNAの大きさが小さいという性質から、抽出中に標的を簡単に損失しやすいこと、miRNAは他のRNAと異なり安定ではなく、処理及び保存の間に簡単に分解し得ること、実際の患者からのmiRNA検出率は通常は低く、又は検出不能であること(すなわち、定量できない)、さらに、抽出されたmiRNA標的は、通常は、関連する試験対象物との相関関係が低いことを含め、いくつかの理由によって妨げられている。
同様に、従来技術では、ほとんどの場合に、miRNAが試料中に低濃度で存在し、精製工程の間に使い果たされてしまいやすく、又はどこかにいってしまうことが明らかである。従来技術で知られている方法によって、全血及び細胞を含まない血液部分(血漿又は血清)などの体液から短いRNAを精製することは可能ではあるが、比較的低収率でしか精製されないことも明らかである。さらに、米国特許出願公開第2012/0171675号に示されるように、現行の技術の状態では、遊離循環核酸(例えば、microRNA(miRNA))を血漿又は血清から精製するのに有用な信頼性の高い方法がない。
小さな核酸を単離し、保存するための改良法が依然として必要であることは、少量のmicroRNAを単離しようとする研究者が直面する課題を記載するいくつかの記載から明らかである。。この記述は、全RNAを含む目的の試料からmiRNAを単離することに関する。著者らは、小さなRNAフラクションを保持する単離方法はまったく存在せず、miRNAは失われると結論づけている。
生体試料からわずかな量のmicroRNAを単離するときの技術的な課題は、付随するさまざまな欠点を含め、以下の投稿の主題である。。
入手可能な市販の単離試薬又はキット、例えば、QIAGEN−PAXGENE血液RNAキット、AMBION−LEUKOLOCKなどに関し、米国特許出願公開2012/208189号は、このような試薬/キットには、低い感度及び脱着性;低い収率;再現性がない;大体積の試料が必要;microRNA抽出が十分にスケールアップできない;低いスループットのうち、1つ以上の欠点があると議論している。
まとめると、今日までのすべての方法に記載される標準的な洗浄の実践は、重要なバイオマーカー(例えば、CNA及びmicroRNA)を効率よく除去し、典型的には、microRNA分析の手段としてFTAの使用を除外する。本明細書に記載し、請求する非洗浄手順を応用すれば、標的microRNA種を効果的に保存し、失うことなく、その後に分析することができる。この目的に従う本発明の一実施形態は、酸性溶出液を適用し、その後、高pHの緩衝液で中和し、最初に高いpHにさらされることによってRNA種が受ける損傷を避けることを提案する。このように、本発明の方法によって、miRNAのような非常に濃度が低い核酸を単離/精製することが可能となる。
(iii)多くの種類のウイルスは、ヒト及び他の種を感染させることが知られており、典型的には、血液循環中に見出され得る。これらの多くは低分子量の核酸であり、DNA又はRNAに由来していてもよく、環状又は直鎖の性質を有していてもよい。これらの大きさのため、典型的にすべての公開された方法で記載されているFTAパンチで激しく洗浄すると、かなりの数のゲノム等価体が失われ、健康の指標として決定されるべき数のウイルス複製物を得ることができないだろう。このことは、特に、効果的な薬物治療計画のためにウイルス複写物の数のモニタリングが重要である、HIV感染のような慢性疾患では重要である。FTA又は同様の乾燥した血液スポットサンプリングを使用するプロセスは、ウイルス複写物の数を保存することを確保するには、是が非でも洗浄を避けるべきである。本願発明者らの新しい方法は、この分析に適しており、他の方法と比較して、単純な手法を与えるだろう。
(iv)古い血液試料:古い血液試料をFTAに適用すると、試料中の全RNA及びDNAの分子一体性に関し、品質が悪くなることが多いことが知られている。しかし、近年の方法は、フラグメント化した核酸を探索し得る次世代の配列決定を開発した。本発明の方法は、さらに、攻撃的な洗浄工程をもたらす現行のFTA手順を用いると疑いようもなく起こる相当量の有益な核酸の損失を抑えることによって、次世代の配列決定方法で使用するための古い核酸の分子一体性を保護するのを助けることにより、これらの方法を補助するだろう。
上述の議論から明らかなことは、小さな核酸(例えば、CNA、microRNA、古い血液試料など)を単離し、保存する現行の方法は、非常に信頼性が低く、多くの欠点を伴っていることである。また、その他の幅広い欠陥は、ここに記載したような方法を追い求める動機付けにならないだろう。どちらかといえば、このようなその他の幅広い欠陥は、競争的で費用に気を遣う市場では特に、当業者は、小さな核酸分子を単離する方法のさらなる研究を追い求めることを必然的にあきらめていくだろう。上述の内容にもかかわらず、本明細書には、従来のワークフロー/方法に付随する欠点を効果的に克服し、保護しつつ、小さな核酸分子の単離/精製を初めて可能にした新しい方法を提示している。
実験結果
使用する化学物質及び材料
化学物質及びその供給源のリストを以下に与える。
Indicating FTA(商標)elute micro(WB120218及びWB120411);
Indicating FTA(商標)elute cassette(WB120230);
FTA Classicカード(WB120205)
正常なヒト血液(Tissue Solutions Ltd);
ゲノムDNA(Promega product コードG152A);
Harris Uni−coreパンチ、1.2mm(Sigma、カタログ番号Z708860−25ea、ロット3110);
TaqMan Universal PCR master Mix、AmpErase UNGなし(Applied Biosystems 部品番号4324018);
TaqMan RNase P Detection Reagent(Applied Biosystems 部品番号4316831)−RNase Pプライマーを含有する;
Quantifiler qPCRキット、Applied Biosystems Part:4343895
PowerPlex 18D(Promega コードDC1802)−プライマーを含有する;
PowerPlex 16 HS(Promega コード:DC2101−プライマーを含有する;
滅菌水(Sigma Product コードW4502);
Huma子宮頸部上皮細胞(HeLa)(ATCCコードCCL−2)及び
Hi−DIホルムアミド(ABI code 4311320)。
(HeLa細胞をスポットしたElute FTAカードからのSTRプロファイル)
2.5×106細胞/mlの濃度で培養したHeLa細胞を、indicating FTA elute(iFTAe)カードの上にスポットした。細胞をスポットしたFTA eluteカードから1.2mmのパンチ片を採取し、最終体積25μlで、直接的なSTRキットPowerPlex 18D反応混合物と合わせた。増幅前に、25μlの試料混合物を、96ウェルPCRプレートのそれぞれのウェルに加えた。10秒間の試料注入を用い、3130x1キャピラリー電気泳動で試料を分析した。
PCR反応は、以下のように設定された。
標準及び試料を適切なウェルに加えた。プレートを密封し、1000rpmで1分間遠心分離処理した。以下の熱サイクル条件の下で、Geneamp/ABI 9700 Thermo CyclerでPCRを行った。
96℃で2分間、その後、以下を28サイクル:94℃で10秒間、60℃で1分間、その後、60℃で20分間、その後、4℃。増幅後、キャピラリー電気泳動を用い、PCR産物の視覚化を達成した。結果を図1〜4にグラフとして示す。
図1は、STR PCR試薬と合わせた、未洗浄HeLa細胞をスポットしたindicating FTA eluteカード(複製物1番)のSTRプロファイルを表す。平均ピーク高さは、2313RFUであった。
図2は、STR PCR試薬と合わせた、未洗浄HeLa細胞をスポットしたindicating FTA eluteカード(複製物2番)のSTRプロファイルを表す。平均ピーク高さは、2260RFUであった。
図3は、STR PCR試薬と合わせた、未洗浄HeLa細胞をスポットしたindicating FTA eluteカード(複製物3番)のSTRプロファイルを表す。平均ピーク高さは、5386RFUであった。
図4は、STR PCR試薬を用い、精製されたゲノムDNAのSTRプロファイルを示す。平均ピーク高さは、1904RFUであった。
qPCRを用い、HeLa細胞をスポットし、血液をスポットしたFTA eluteカードからのDNAの定量(表5)
1×107細胞/mlの濃度で培養したHeLa細胞又は白血球を、indicating FTA eluteカードの上にスポットした。細胞をスポットしたFTA eluteカードから3mm又は1.2mmのパンチ片を採取し、iFTAe高スループット溶出プロトコルを用いて溶出させるか、又は1mlの溶出緩衝液を用いて洗浄するか、又は洗浄せずにおく。試料、FTAカード又は5μlの溶出液のいずれかを、TaqMan Rnase P検出試薬及びTaqMan Universal PCR master混合物を含むqPCR反応物に加えた。このPCR試料混合物を、増幅前に、96ウェルPCRプレートの個々のウェルに加えた。
Indicating FTA eluteの高スループット溶出プロトコルは、以下の通りであった。
3mmのパンチ片を96ウェルプレートに加え、それぞれのウェルに200μlの滅菌水を加え、プレートを密封し、ボルテックスによって断続的に3回回転させた(それぞれ5秒間)。プレートを1200rpmで2分間遠心分離した。水を吸引し、捨て、それぞれのウェルに60μlの滅菌水を加え、プレートを再び密封した。プレートを1200rpmで2分間遠心分離し、プレートをサーマルサイクラーに98℃で30分置いた。次いで、プレートを、最大速度に設定したボルテックスミキサーを用いて60回(1パルス/秒)断続的に回転させた。プレートを1200rpmで2分間遠心分離し、ピペットを用い、壁面から溶出物を除去し、定量のために別のプレート/ウェルに移した。
PCR反応は、以下のように設定された。
標準及び試料を適切なウェルに加えた。プレートを密封し、1000rpmで1分間遠心分離処理した。以下の熱サイクル条件の下で、Applied Biosystems 7900 Real−Time PCR SystemでPCRを行った。
50℃で2分間、その後、95℃で10分間、その後、40サイクル:95℃で15秒間、60℃で1分間。使用した検出器は、FAM(商標)プローブであった。結果を表5に示す。
表5は、洗浄した血液と、未洗浄の血液をスポットしたか、又は細胞をスポットしたiFTAeカードのqPCRの結果を示す。この表は、ng/μlでの3つのqPCR反応からのDNAの平均収率を示す。最初の3つの試料は、iFTAeカードの2つの3mmパンチ片から溶出したDNAの複製物であり、4番目の試料は、1mlの溶出緩衝液で洗浄し、次いで、リアルタイムPCRを用いて増幅させた、血液をスポットしたiFTAeカードの1.2mmパンチ片である(データは、3つの別個の試料の平均である)。試料5〜7は、Hela細胞を用いてスポットしたiFTAeカードの2つの3mmパンチ片から溶出したDNAの複製物であり、8番目の試料は、1mlの溶出緩衝液で洗浄し、次いで、リアルタイムPCR機を用いて増幅させた、HelaをスポットしたiFTAeカードの3mmパンチ片である。最後の試料は、洗浄せず、直接的にリアルタイムPCR機を使用した、HelaをスポットしたiFTAeカードの1.2mmパンチ片である(データは、3つの別個の試料の平均である)。スポットしていないネガティブパンチ片は、検出可能なDNAを生じなかった。
qPCRを用い、HeLa細胞をスポットし、血液をスポットしたFTA eluteカードからのDNAの定量(図5及び図6)
7.54×106細胞/mlの濃度で培養したHeLa細胞又は白血球を、iFTAeカードの上にスポットした。1.2mm(HeLa及び血液試料)パンチ片をiFTAeカードから採取し、1mlの滅菌水で洗浄し、ボルテックスで回転させ、水を除去し、又は、試料を洗浄せずにおく。3mm(HeLa及び血液試料)パンチ片をiFTAeカードから採取し、iFTAe高スループット溶出プロトコルを用いて溶出させた。試料をスポットしたiFTAeカード、又は2μl又は5μlの溶出液のいずれかを、TaqMan Rnase P検出試薬及びTaqMan Universal PCR master混合物を含むqPCR反応物に加えた。このPCR試料混合物を、増幅前に、96ウェルPCRプレートの個々のウェルに加えた。
Indicating FTA eluteの高スループット溶出プロトコルは、以下の通りであった。
処理すべきそれぞれの試料について、1×3mmパンチ(HeLa試料)片を1.5mlの管に入れた。この管に1mlの滅菌水を加え、ボルテックスによって断続的に3回回転させた(それぞれ5秒間)。水を吸引し、捨て、パンチ片を96ウェルPCRプレートのウェルに移した。それぞれのウェルに60μlの滅菌水を加え、プレートを再び密封した。プレートを1200rpmで2分間遠心分離し、プレートをサーマルサイクラーに98℃で30分置いた。次いで、プレートを、最大速度に設定したボルテックスミキサーを用いて60回(1パルス/秒)断続的に回転させた。プレートを1200rpmで2分間遠心分離し、ピペットを用い、壁面から溶出物を除去し、定量のために別のプレート/ウェルに移した。定量するまでプレートを4℃で保存した。
PCR反応は、Applied Biosystems 7900 Real−Time PCR System]を用い、上に記載したように設定した。
図5は、qPCR反応に直接使用される、洗浄した血液をスポットしたiFTAeカードのDNA収率を示す。iFTAeカードの3種類の異なるバッチを実験(A、B及びC)で使用した。
図6は、qPCR反応に直接使用されるか、又は最初に溶出し、次いで、qPCR反応にに使用される、未洗浄のHela細胞をスポットしたiFTAeカードのDNA収率を示す。iFTAeカードの3種類の異なるバッチを実験(A、B及びC)で使用した。
FTA Express方法を用い、血液をスポットしたFTAカードから溶出したDNAのSTRプロファイル及びqPCR(表6、7及び8)
DNA溶出
4枚の1.2mmパンチ片をFTA血液スポットから採取し、別個の管に入れた。2枚のパンチ片に、前もってパンチ片を洗浄することなく、以下の方法を行った。
1.35μlの溶液1(0.1M NaOH、0.3mM EDTA、pH13.0)をパンチ片に加える。
2.室温で5分間インキュベートする。
3.65μlの溶液2(0.1M Tris−HCl、pH7.0)を加え、ボルテックスで5回洗浄し、混合する。
4.室温で10分間インキュベートする。
5.ボルテックスを10回動かす。
6.パンチ片を取り出し、絞り、最大体積のDNA溶液を回収する。
残りの2パンチ片も同じ方法であるが、上の溶液1及び2の量を2倍にして行った。次いで、qPCR又はSTRプロファイリングのいずれかが必要になるまで、DNA溶液を4℃で保存する。
PowerPlex 16HS STRプロファイリング
溶出した全体積(100又は200μl)の両方のスケールから得た2個ずつの試料の5μl及び10μlの小分け分を用い、STR PCRを行った。次いで、装置のマニュアルの標準条件を用い、試料をGeneamp 9700 Thermalサイクラーにおいた。3130×1 Genetic分析機を用いてすべてのSTR試料を分離し、Genemapper IDソフトウエアを用い、結果を分析した。
承認基準
合格基準−STR対立遺伝子ピークは、ヘテロ接合体ピークについて75RFUより高いと予想され、ホモ接合体ピークについて150RFUより高いと予想される。ネガティブコントロールは、プロファイルをまったく生成しないと予想される(すなわち、50RFUを超えるピークなし)。ポジティブコントロールは、ヘテロ接合体ピークについて75RFUより高いと予想され、ホモ接合体ピークについて150RFUより高いと予想される。
Quantifiler qPCR
すべてのqPCRを、7900HT Real time PCR機で行い、SDS 2.3ソフトウエアを用いて分析した。
Quantifilerのユーザーガイドに記載されている標準的な反応混合物の体積及び装置プロトコルを使用した。それぞれの溶出体積について4つの複製物を試験した。
qPCRアッセイのためのすべての標準は、予想通りに合格しており、両方の溶出体積についてのすべての試料も、以下の表8にまとめたように、定量値も戻している。
qPCR及びSTRプロファイリングアッセイから、FTA Express高pH方法は、Whatman application note(Eluting Genomic DNA from FTA(登録商標)カードを室温でpH処理)に公開された標準に記載されるものと、高pH溶出の前に阻害化学物質を除去するために広範囲にわたる洗浄を必要とするすべての他の公知のプロトコルと同等であることをを示唆する結果を得た。洗浄手順を省くことによって、自動化されたパンチ形成及び洗浄のシステムを合わせることによって行われた小さなパンチ片をなくす機会がなくなり、スループットが向上し、費用が安くなる。
保存された魚組織の古くなった博物館試料を用いたFTA Express方法の使用
100%エタノール中で2003年から保存されたMackerel(Somber Sumbrus)試料を、180μlのPBSあたり約5mm3の組織を用い、Qiagen Tissue Ruptor Probeを用い、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で均質化した。10μlずつの小分け分をピペットでFTAカードに置き、一晩乾燥させた。パンチ加工されたFTA円板からの試料DNAの高pH溶出前に、最小限の洗浄の有効性を評価するために、3つずつの円板を得て、以下のように処理した。
1.標準的なWhatmanのパンチ洗浄方法に従って、標準的に洗浄する。
2.TE-1緩衝液を用いて1回洗浄する。
3.洗浄はしないが、α−シクロデキストリンを、PCR中の最終濃度が2%(w/v)になるまで添加する。
4.高pH溶出雨溶出の前に、まったく洗浄をしない。
次いで、処理された3個ずつのパンチ片を以下の溶出プロトコルにさらした。
溶液1:0.1N NaOH、0.3mM EDTA、pH13.0
溶液2:0.1M TrisHCl、pH7.0
時間スキーム:高pHで10分間、5分間中和。
1.20μlの溶液1に3mmのパンチ片を加える(通常のプロトコルによって洗浄)
2.氷上で10分間インキュベートする。
3.40μlの溶液2を加え、ボルテックスで5回混合する。
4.室温で5分間インキュベートし、ボルテックスを10回動かす。
合計体積60μl中の3mmパンチ片を3個ずつの管にサンプリングし、3μlのDNA溶液を加え、それぞれの異なる処理をされた試料からアセンブルしたPCRに加えた(最終体積25μl)。独立した増幅反応に3種類の異なるプラマー対を使用した。Sscox1−1/Sscox1−2(予想される産生物の大きさ138bp);Sscox1−1/Sscox1−3(予想される産生物の大きさ265bp);Sscox1−1/Sscox1−4(予想される産生物の大きさ451bp)。ポジティブ及びネガティブのコントロール増幅試料も、DNAインターカレーション染料を含有する分析用の1%アガロースゲルで実施したことも注記しておく。しかし、ネガティブコントロールがネガティブであったことが示された場合、準備段階での洗浄を行わない高pHでのDNAを溶出する最適化されたワークフローを用いると、古い保存された組織試料でも同等にうまくいくことがわかった(図7)。
図7は、最適化されたFTA Express方法を用い、周囲状態で保存したFTAカードに適用される均質化された博物館試料からのDNA標的の増幅結果を示す。増幅した試料のアガロースゲルは、排他的な洗浄によって含浸した化学物質を除去していないFTAパンチ片からDNAを溶出する手法によって、成功するPCRに適したDNA溶液を与えることを示す(レーン1−3、15−17及び29−31:標準的な洗浄;レーン4−6、18−20及び32−34:1回洗浄;レーン7:洗浄なし+2%中和剤、すべてSscox1−1/1−2;レーン21:洗浄なし+2%中和剤、すべてSscox1−1/1−3;レーン35:洗浄なし+2%中和剤、すべてSscox1−1/1−4;レーン8:洗浄なし+2%中和産物138bp;レーン22:洗浄なし+2%中和産物265bp;レーン36:洗浄なし+2%中和産物451bp;レーン9、23及び37:洗浄なし+2%中和剤;レーン10−12、24−26及び38−40:洗浄なし;レーン14、28及び42:ネガティブコントロール;レーン27及び41:ポジティブコントロール)。
FTAカードからのmiRNA検出のためのFTA Express方法の検証
miRNAに似た特定のRNA種は、天然で小さく(約22ヌクレオチド)、従って、従来の抽出及び精製の工程中に容易に失われる。当業者は、アルカリpH溶液が、DNAではなくRNAの2’−ヒドロキシルエステル交換反応を触媒することを理解すると思われるが、RNAの変性及び損失も悪化するだろう。FTA Express方法とRNA種との適合性を評価するために、FTAカードに合成miRNAをスポットし、以下のようなFTA Express方法を用い、RT−PCRによって分析した。
材料:
(1)Whatman Indicating FTA Classicカード(GE Healthcare、カタログ番号WB120206、ロット番号FT6902011)
(2)miR21−5p(5’−UAGCUUAUCAGACUGAUGUUGA−3’(配列番号1)、IDTによって合成された)
(3)Let7i−5p(5’−UGAGGUAGUAGUUUGUGCUGUU−3’(配列番号2)、IDTによって合成された)
(4)溶液1(0.1M NaOH、0.3mM EDTA、pH13.0)
(5)溶液2(0.1mM Tris−HCl、pH7.0)
(6)miScript RT Kit(Qiagen、カタログ番号218161)
(7)miScript Primer Assay(Qiagen、Hs_miR21_2、カタログ番号MS00009079)ロット番号118346858)
(8)miScript Primer Assay(Qiagen、Hs_Let7i_1、カタログ番号MS00003157)ロット番号168331862)
(9)miScript SYBR Green PCR Kit(Qiagen、カタログ番号218073)
(10)α−シクロデキストリン(sigma、カタログ番号C4680−1G)、ヌクレアーゼを含まない水で8%(w/v)を作成。
(11)PCRプレート(ABI、バーコード付きのMicroAMP Fast Optical 96ウェル反応プレート、参照番号4346906)
試料の調製:
1.2mm UniCoreパンチャーを用いてFTA Classicのパンチ片を調製し、210ngの合成miRNA(miR21−5p又はLet7i−5p)をそれぞれのパンチ片の上に1μlずつスポットした。試料を室温で一晩乾燥させた。
FTA Express方法による試料調製方法:
それぞれの1.2mmパンチ片を35μLの溶液1(0.1M NaOH、0.3mM EDTA、pH 13.0)に懸濁させ、室温で5分間インキュベートし、ボルテックスで混合しつつ、65μlの溶液2(0.1mM Tris−HCl、pH7.0)で中和した。試料をさらに室温で5分間インキュベートし、ボルテックスで混合し、溶液からパンチ片を取り出し、圧縮し、RNA溶液の最大体積(約100μl)を回復した。
逆転写(RT):
miScript RTキット(Qiagen、カタログ番号218161)を用い、RT反応混合物を調製した。簡単にいうと、4μlの5倍miScript HiSpec緩衝液、2μlの10倍miScript Nucleics Mix、2μlのmiScript RT Mix、4μlの8%α−シクロデキストリン(w/v)、6μlのヌクレアーゼを含まない水及び2μlのFTA Express溶出液(上で抽出した合計体積の約2%)を、0.2ml管の中で合わせた。合成miRNAを当量の入力で用い、コントロール反応を並行して調製した。反応物を37℃で1時間インキュベートし、次いで、95℃で5分間インキュベートし、酵素を不活化した。
cDNAテンプレートの調製:
20μlの上述のRT反応物それぞれに180μlのヌクレアーゼを含まない水を加えることによって、cDNAの1:10希釈液を調製した。ヌクレアーゼを含まない水を用い、このcDNAストックを1:100及び1:400まで順次希釈した。
定量的PCRによる検出(qPCR):
miScript SYBR Green PCRキット(Qiagen、カタログ番号218073)を用い、qPCR反応物を調製した。簡単にいうと、12.5μlの2倍SYBR Green PCR Master混合物、2.5μlの10倍miScript Universalプライマー、5.5μlのヌクレアーゼを含まない水及び2.5μlの10倍miScriptプライマー(Hs_miR21_2、カタログ番号MS00009079又はHs_Let7i_1、カタログ番号MS00003157)を、マスター混合物として合わせた。希釈したcDNAテンプレート(1:100及び1:400ストック)を、96ウェルPCRプレートに2μlずつ加え、その後、23μlのマスター混合物をウェルごとに混合した。それぞれの試料及び希釈物をこの様式で3個ずつ調製し、qPCR反応を7500Fast Real−Time PCR装置で、以下のパラメータに従ってインキュベートした。95℃/15分、(95℃/15秒、55℃/30秒、70℃/30秒)×40サイクル。
表9に示される結果は、FTA Express方法を用い、FTAパンチ片からの合成miRNAの信頼性が高い定量的な検出を示す。溶液コントロール反応に対し、これらのqPCRの結果は、FTA Express方法を用い、FTAパンチ片からmiRNAの約50%の機能回収を示唆している。
生理学的RNAのこの能力を拡張するために、本願発明者らは、MCF−7細胞(Life Technologies、カタログ番号AM7846)及びmiR21を高いレベルで発現することが理解されている乳腺癌細胞株から精製された全RNAについてこれらの実験を繰り返した。FTAカードに、MCF−7全RNAをスポットし、以下のようなFTA Express方法を用いて分析した。
材料:
(1)Whatman Indicating FTA Classicカード(GE Healthcare、カタログ番号WB120206、ロット番号FT6902011)
(2)MCF−7全RNA(Life Technologies、カタログ番号AM7846)
(3)溶液1(0.1M NaOH、0.3mM EDTA、pH13.0)
(4)溶液2(0.1mM Tris−HCl、pH7.0)
(5)miScript RT Kit(Qiagen、カタログ番号218161)
(6)miScript プライマーAssay(Qiagen、Hs_miR21_2、カタログ番号MS00009079)ロット番号118346858)
(7)miScriptプライマーAssay(Qiagen、Hs_Let7i_1、カタログ番号MS00003157) ロット番号168331862)
(8)miScript SYBR Green PCR Kit(Qiagen、カタログ番号218073)
(9)α−シクロデキストリン(sigma、カタログ番号C4680−1G)、ヌクレアーゼを含まない水で8%(w/v)を作成。
(10)PCRプレート(ABI、バーコード付きのMicroAMP Fast Optical 96ウェル反応プレート、参照番号4346906)
試料の調製:
1.2mm UniCoreパンチャーを用いてFTA Classicのパンチ片を調製し、MCF−7細胞からの1mg/mlの全RNA(1μg)をそれぞれのパンチ片の上に1μlずつスポットした。試料を室温で一晩乾燥させた。
FTA Express方法による試料調製方法:
それぞれの1.2mmパンチ片を35μLの溶液1(0.1M NaOH、0.3mM EDTA、pH 13.0)に懸濁させ、室温で5分間インキュベートし、ボルテックスで混合しつつ、65μlの溶液2(0.1mM Tris−HCl、pH7.0)で中和した。試料をさらに室温で5分間インキュベートし、ボルテックスで混合し、溶液からパンチ片を取り出し、圧縮し、RNA溶液の最大体積(約100μl)を回復した。
逆転写(RT):
miScript RTキット(Qiagen、カタログ番号218161)を用い、RT反応混合物を調製した。簡単にいうと、4μlの5倍miScript HiSpec緩衝液、2μlの10倍miScript Nucleics Mix、2μlのmiScript RT Mix、4μlの8%α−シクロデキストリン(w/v)、6μlのヌクレアーゼを含まない水及び2μlのFTA Express溶出液(上で抽出した合計体積の約2%)を、0.2ml管の中で合わせた。反応物を37℃で1時間インキュベートし、次いで、95℃で5分間インキュベートし、酵素を不活化した。
cDNAテンプレートの調製:
20μlの上述のRT反応物それぞれに180μlのヌクレアーゼを含まない水を加えることによって、cDNAの1:10希釈液を調製した。ヌクレアーゼを含まない水を用い、このcDNAストックを1:100及び1:400まで順次希釈した。
定量的PCRによる検出(qPCR):
miScript SYBR Green PCRキット(Qiagen、カタログ番号218073)を用い、qPCR反応物を調製した。簡単にいうと、12.5μlの2倍SYBR Green PCR Master混合物、2.5μlの10倍miScript Universalプライマー、5.5μlのヌクレアーゼを含まない水及び2.5μlの10倍miScriptプライマー(Hs_miR21_2、カタログ番号MS00009079又はHs_Let7i_1、カタログ番号MS00003157)を、マスター混合物として合わせた。希釈したcDNAテンプレート(1:10、1:100及び1:400ストック)を、96ウェルPCRプレートに2μlずつ加え、その後、23μlのマスター混合物をウェルごとに混合した。それぞれの試料及び希釈物をこの様式で3個ずつ調製し、qPCR反応を7500Fast Real−Time PCR装置で、以下のパラメータに従ってインキュベートした。95℃/15分、(95℃/15秒、55℃/30秒、70℃/30秒)×40サイクル。
表10に示される結果は、FTA Express方法を用い、FTAパンチ片からの生理学的miRNAの信頼性が高い定量的な検出を示す。Let7iに対し、すべての試験したcDNA希釈物について、比例的に高いCT値がmir21について検出され、このことはMCF−7乳腺癌細胞におけるmir21の公知の過剰発現と一致している。従って、FTA Express法は、相対的なRNA発現方法に適している。
本明細書で述べられるあらゆる特許、特許明細書、及び他の公開された参考文献は、それぞれが個々に、かつ具体的に本明細書に参考として組み込まれているかのように、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。本発明の好ましい例示的な実施形態が記載されるが、当業者は、本発明を記載した実施形態以外の方法で実施することができることを理解し、実施形態は、単なる説明のために提示され、限定するためのものではない。本発明は、以下に示す特許請求の範囲のみによって限定される。

Claims (11)

  1. 核酸の増幅方法であって、
    (i)標的核酸を含有する細胞試料と接触させた溶解試薬を含有する含浸化学物質を含むセルロース系マトリックス固体支持体を反応容器に移す工程と、
    (ii)固体支持体上の前記細胞試料を、該試料から核酸を溶出させるのに十分なpHが13の溶液とインキュベートする工程と、
    (iii)核酸を増幅して、増幅核酸を生じさせる工程と、
    (iv)増幅核酸を定量する工程と
    を含み、
    溶出方法が、増幅工程の前に、中和溶液を添加することをさらに含む、核酸の増幅方法。
  2. 溶出した核酸が最小限の体積で含まれており、溶出した化学物質その他の細胞成分によって後段の分析手順が阻害されない、請求項1記載の方法。
  3. インキュベートする前記工程(ii)を室温で行う、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 増幅方法が、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、等温増幅又は定量的ポリメラーゼ連鎖反応を含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 溶出した核酸がDNA種又はRNA種を含む、請求項3記載の方法。
  6. 核酸が、RNase阻害剤及びα−シクロデキストリン存在下で増幅され、増幅が損失又は阻害を伴わずに効率的に起こる、請求項5記載の方法。
  7. 核酸増幅試薬溶液は、ポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)、反応緩衝液及び1種以上のプライマーを含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 固体支持体の組成物は、チオシアン酸グアニジン、塩化グアニジン、塩酸グアニジン、ドデシル硫酸ナトリウム、尿酸、EDTA又はTris緩衝液を含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. 工程(i)の前に固体支持体が洗浄されない、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
  10. 核酸がDNAであって、当該方法が、さらに、
    (v)ショートタンデムリピート(STR)プロファイリングを用いてSTRプロファイルを作成することを含む、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 核酸が、mRNA、miRNA、rRNA、piRNA又はsiRNAであり、当該方法が、さらに、遺伝子発現分析を含む、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
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