JP6558597B2 - 沈水植物と共存する糸状藻類の増殖抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ホザキノフサモ等の沈水植物と共存する糸状藻類、糸状藻類捕食生物及び水生動物が共存する水圏生態系における糸状藻類の増殖を抑制する方法に関する。
近年、自然の浄化力を活用し、低コストで水を処理する水質浄化手法として、植物を使った試みがなされており、特に水質改善効果が高いとされる沈水植物が注目されている。沈水植物は水面下で成長し、水中の栄養塩の取り込み、底泥の巻上げ防止、ミジンコなどの動物プランクトンや付着微生物の隠れ家(増加)、魚類の産卵場、稚魚の揺り籠、餌場、隠れ家になるなど様々な役割があり、水質浄化効果があることが知られている。河川、湖沼、濠等の水質改善や生物多様性保全の観点から、このような効果を持つ沈水植物を生育又は、再生させる技術が研究されている。
例えば特許文献1には、沈水植物の生育について基盤の栄養と植物の根の活着という面から、沈水植物の生育に適用した植栽基盤に関する技術が開示されている。本発明によると、沈水植物の根がしっかりと張った植栽基盤となるため、波浪の影響をうける場所でも沈水植物の生育が可能であるとされている。また、特許文献2には、水域に固有な衰退または消失した沈水植物を再生または復元し、かつ該水域の水質改善が図れる浅い湖沼における沈水植物の再生又は復元方法が開示されている。
特開2007−259790号公報 特開2007−6819号公報
特許文献1又は2に開示されているように、沈水植物を生育又は再生させる技術は研究されており、沈水植物が持つ水質浄化効果を利用した取り組みは多くなされているが、一方で沈水植物と共存する糸状藻類が繁殖している弊害については対策がなされていない。
沈水植物と共存する糸状藻類は、水面付近にマット状に増殖し続けるため、河川、湖沼、濠等の景観の悪化が問題となっている。特に、観光客が多い皇居外苑濠では、糸状藻類の存在による景観の悪化の解決が必要とされている。また、琵琶湖では、外来種の沈水植物(コカナダモなど)が増殖するとともに水面付近などにマット状に糸状藻類が増殖し続けているため、景観悪化はもとより船の航路障害となっている。更に、糸状藻類が沈水植物に絡まって増殖することで、動物プランクトンや付着微生物、魚類の隠れ家、産卵場が制限されてしまい、それらの生物が生育できない原因となる。そのため、沈水植物と共存する糸状藻類の増殖を抑制することが望まれる。
本発明は、上記課題に鑑み、沈水植物と共存する糸状藻類の増殖を効果的に抑制する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、沈水植物と共存する糸状藻類、糸状藻類捕食生物及び水生動物が共存する水圏生態系において、前記沈水植物と前記糸状藻類捕食生物及び水生動物に対しては好適な生育条件を示すが、前記糸状藻類に対しては抑制作用を示す500mg/l以上3500mg/l以下の塩分濃度を前記生態系に付与することを特徴とする糸状藻類の増殖抑制方法を提供する。
前記沈水植物は、アリノトウグサ科、マツモ科、トチカガミ科、ヒルムシロ科の植物であってもよい。
前記糸状藻類は、ホシミドロ科、シオグサ科、サヤミドロ科、ヒビミドロ科の藻類であってもよい。
前記糸状藻類捕食生物は、モノアラガイ科、イシガイ科の生物で、前記水生動物は、コイ科、ハゼ科の動物であってもよい。
また、前記生態系の水温は、13℃〜35℃とすることができる。
本発明の方法によると、沈水植物と共存する糸状藻類の増殖を効果的に抑制することができる。それにより、河川、湖沼、濠などの景観を改善や、船の航路障害の除去、動物プランクトンや付着微生物、魚類の生息の保護などの効果がある。
ホザキノフサモと、共存する糸状藻類、糸状藻類捕食生物及び水生動物を模式的に示した説明図である。 試験槽の断面模式図であり、(a)はホザキノフサモと糸状藻類のみを入れた試験槽、(b)はホザキノフサモと糸状藻類と糸状藻類捕食生物及び水生動物を入れた試験槽である。 ホザキノフサモと糸状藻類の試験槽を複数設置した実験系を示す説明図である。 実験に使用した試験槽の水質を示すグラフであり、(a)水素イオン濃度指数(pH)、(b)溶存酸素量(DO)を示す。 実験開始1カ月後の試験槽の水質を示すデータである。 試験槽における糸状藻類の占有面積を求める方法を示す説明図である。 ホザキノフサモと糸状藻類のみを入れた試験槽の実験結果を示すグラフである。 ホザキノフサモと糸状藻類と糸状藻類捕食生物及び水生動物を入れた試験槽の実験結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。以下の図において、共通する部分には同一の符号を付しており、同一符号の部分に対して重複した説明を省略する。なお、以下に説明する実施例では、沈水植物の一例としてアリノトウグサ科のホザキノフサモを挙げて説明しているが、それ以外の沈水植物、例えばマツモ(マツモ科)、オオカナダモ(トチカガミ科)、ガシャモク(ヒルムシロ科)、コウガイモ(トチカガミ科)、ササバモ(ヒルムシロ科)、インバモ(ヒルムシロ科)、などあらゆる沈水植物に適用できる。また、糸状藻類としてアオミドロ(ホシミドロ科)、シオグサ(シオグサ科)、サヤミドロ(サヤミドロ科)、ホシミドロ(ホシミドロ科)、及びヒビミドロ(ヒビミドロ科)、糸状藻類捕食生物として、モノアラガイ(モノアラガイ科)、ドブガイ(イシガイ科)、沈水植物と共存する水生動物(以下、共存水生動物と記す)として、バラタナゴ(コイ科)、ヨシノボリ(ハゼ科)を例に挙げて説明するが、本発明に係る方法は、これに限らず、あらゆる糸状藻類、糸状藻類捕食生物、共存水生動物に適用できるものである。
図1は、河川、湖沼、濠などの水面下に生育するホザキノフサモと、それと共存する糸状藻類、及び糸状藻類捕食生物・共存水生動物を模式的に示した説明図である。図1に示すように、水面下のホザキノフサモ1に糸状藻類2が絡まって増殖しており、水面付近では糸状藻類2がマット状に増殖している。また、水面下のホザキノフサモ1には、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3が付着、又は近辺に生息している。このように増殖した糸状藻類2が河川、湖沼、濠等の景観悪化の原因となっている。
〔実験方法〕
次に実験方法について、図2、図3を参照して説明する。図2は、ホザキノフサモ1と、共存する糸状藻類2、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3の実験の試験槽10の断面を模式的に示した説明図である。図2(a)は、ホザキノフサモ1と糸状藻類2のみを入れた試験槽10であり、(b)は、ホザキノフサモ1と糸状藻類2と糸状藻類捕食生物・共存水生動物3を入れた試験槽10である。実験に使用する試験槽10は、例えば横350〜450mm、縦500〜600mm、高さ150〜200mm程度で、40リットル程の大きさの容器を複数使用する。
皇居外苑濠(桜田濠、及び凱旋濠)から環境省皇居外苑管理事務所の許可の下にホザキノフサモ1と、共存する糸状藻類(アオミドロ、シオグサ、サヤミドロ、ホシミドロ、及びヒビミドロ)2を採取し、試験槽10に入れる。その際、皇居外苑濠と同様な環境にするため、底土には有機堆肥と黒ぼく土壌4を混合した土を充填し、そこにホザキノフサモ1を植栽した。その上に糸状藻類2を被覆し、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3(モノアラガイ、ドブガイ、バラタナゴ、ヨシノボリ)を添加しない系(図2(a))と、添加する系(図2(b))を設定した。
さらに、上記の試験槽内10の塩分濃度(cl濃度)が、0、500、1000、2000、4000、5000(mg/l)となるように、試験槽10を各6個、計12個設置した。図3は、ホザキノフサモ1と糸状藻類2のみの試験槽10を塩分濃度別に6個設置した実験系を示す説明図である。各塩分濃度の試験槽10には、同量の糸状藻類2が添加されている。同様に、ホザキノフサモ1と糸状藻類2に糸状藻類捕食生物・共存水生動物3を添加した試験槽10も塩分濃度別に6個設置する(図示せず)。なお、塩分濃度は、上記の値に限定せず、例えば1500(mg/l)や3000(mg/l)などの値にして試験槽10を更に設置してもよい。これらの試験槽10を3〜5カ月程度に渡り定期的に観察し、塩分濃度と、ホザキノフサモ1、糸状藻類2及び糸状藻類捕食生物・共存水生動物3との関係を調べた。
まず、実験開始後のホザキノフサモ1と塩分濃度との関係を調べた。各塩分濃度の試験槽10においてホザキノフサモ1の生長を1カ月間にわたり定期的に観察した結果、塩分濃度が0〜2000(mg/l)においては良好に生育し、成長阻害等の影響は見られなかった。塩分濃度が4000(mg/l)では、2000(mg/l)以下と比較すると成長量は低下したが、新芽の生長が確認されたため、生育可能であることがわかった。塩分濃度が5000(mg/l)では、2000(mg/l)以下と比較して、成長はほとんど認められなかった。
図4、図5は、実験に使用した試験槽の昼の水質を示すグラフとデータである。図4(a)は、試験期間中(約3カ月)の各塩分濃度における水素イオン濃度指数(pH)を表し、図4(b)は、各塩分濃度における溶存酸素量(DO)(mg/l)を示す。また、図5は、実験開始1カ月後の試験槽の水質を示すデータである。ここで、T−N(mg/l)は、総窒素量を表し、T−P(mg/l)は総リン量を表す。図4、5から塩分濃度が、4000〜5000(mg/l)で、pHとDOの値が減少し、ホザキノフサモの生育量の少なさが反映される結果となった。
次に糸状藻類2と塩分濃度との関係を調べた。各塩分濃度の試験槽10における糸状藻類2の減少は、試験槽10における水面全体の面積に対する糸状藻類2の占有面積の割合(水面占有率)を計算することで評価した。占有面積は、既存のソフトウエアの1つである「Foxit J−Reader」を用いて算出した。別のソフトウエアを使用して占有面積を計算してもよい。「Foxit J−Reader」は、PDFファイルを対象とした読み込みソフトの一つであり、PDFファイルの地図等があれば、距離、外周、面積等を簡易に推定可能である。図6は、試験槽10における糸状藻類2の占有面積を「Foxit J−Reader」を用いて求める方法を示す説明図である。図6に示すように、試験槽10の水面全体と、糸状藻類2の占有部分を線分(図において太線で表示)で囲むことで、糸状藻類2の水面占有率を算出した。
各塩分濃度の試験槽10内における糸状藻類2の水面占有率(%)は、初期の水面占有率を70%に設定した。実験10日目と約1カ月後の糸状藻類2の水面占有率(%)の結果は、以下の表1の通りであった。
表1からわかるように、10日後の糸状藻類2の水面占有率は、塩分濃度が500、1000、2000(mg/l)の試験槽においても初期に比べて大きく減少していた。1カ月後の糸状藻類2の水面占有率は、塩分濃度が500、1000、2000(mg/l)の試験槽10においては10日後よりも著しく減少していた。塩分濃度が4000(mg/l)と5000(mg/l)の試験槽10では、細胞質の抜けた細胞壁のみの糸状藻類2の割合が増え、水面は褐色の死骸で覆われていた。これらは、塩分による阻害効果と推測される。
また、塩分濃度が500〜2000(mg/l)の試験槽10では、1カ月後の糸状藻類2は、10日後と比較して顕著な減少が見られた。その原因は、塩分による糸状藻類2の弱体化とモノアラガイ等の糸状藻類捕食生物・共存水生動物3による捕食などによるものと考えられる。モノアラガイ等はこの実験系では添加されていなかったが、種の存在で発生して増殖していた。
図7は、塩分濃度が0、500、5000(mg/l)の試験槽10において、ホザキノフサモ1と糸状藻類2のみを入れた場合の約3カ月間の実験結果を示すグラフである。図7に示すように、糸状藻類2の水面占有率は、いずれの試験槽10においても初期の70%から数日後を経て減少しているが、塩分濃度が500(mg/l)では減少量は著しく、約2カ月後以降に完全な消滅が確認された。その主な原因は、前述のように、塩分による糸状藻類2の弱体化と種の存在で発生した糸状藻類捕食生物・共存水生動物3による捕食によるものと考えられる。
また、塩分濃度が0(mg/l)においても、糸状藻類2の水面占有率の減少が確認できた。その原因は、塩分による糸状藻類2の弱体化はないものの、種として存在し発生した糸状藻類捕食生物・共存水生動物3の中でモノアラガイ等による捕食によるものと考えられる。塩分濃度5000(mg/l)の試験槽10では、細胞質の抜けた細胞壁のみの糸状藻類2の割合が増え、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3は塩分により生息できないため、糸状藻類2の水面占有率は殆ど減少しない結果となった。
次にホザキノフサモ1と糸状藻類2に糸状藻類捕食生物・共存水生動物3を添加した試験槽10において、塩分濃度との関係を調べた。各試験槽10を観察した結果、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3のうち、モノアラガイは、塩分濃度が4000(mg/l)までは生存、増殖が可能であった。ドブガイ、バラタナゴ、ヨシノボリは、塩分濃度が4000(mg/l)においては生息できず、2000(mg/l)以下においては生息可能であることが明らかになった。実験約1カ月後の糸状藻類2の水面占有率(%)の結果は、以下の表2の通りであった。
表2から、糸状藻類2の水面占有率は、塩分濃度が500〜2000(mg/l)の範囲で顕著な減少が見られた。また、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3を添加していない系の結果(表1)と比べると、塩分濃度が0(mg/l)において糸状藻類2の水面占有率が減少している。このことから、モノアラガイ等の糸状藻類捕食生物・共存水生動物3の捕食作用が、糸状藻類2の減少に大きく寄与していることがわかる。塩分濃度が5000(mg/l)では、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3が生育できないため、糸状藻類2は死滅してマット状を形成して減少せず、残存した。
図8は、塩分濃度が0、500、5000(mg/l)の試験槽10において、ホザキノフサモ1と糸状藻類2に糸状藻類捕食生物・共存水生動物3を添加した場合の約3カ月間の実験結果を示すグラフである。塩分濃度が5000(mg/l)では糸状藻類2が残存し続けたが、塩分濃度が0(mg/l)では実験開始後約2カ月後で糸状藻類2はモノアラガイ等の捕食作用でほとんど消滅した。塩分濃度が500(mg/l)では、実験開始後1カ月余りで糸状藻類2は消滅した。このことから、適度な塩分濃度は、糸状藻類2の弱体化を通して、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3の捕食作用を加速させ糸状藻類2の消失速度を速めることがわかった。表3は実験開始約1カ月後のホザキノフサモ1と糸状藻類2と糸状藻類捕食生物・共存水生動物3の生育結果を示した表である。
表3において、「○」が生息可能を示し、「×」が生息不可能を示している。前述のように、塩分濃度が500〜2000(mg/l)では、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3のモノアラガイ、ドブガイ、バラタナゴ、ヨシノボリが生息でき、塩分により弱体化した糸状藻類2を捕食することにより、糸状藻類2を消滅させることが可能である。モノアラガイは塩分濃度が4000(mg/l)まで生息でき、糸状藻類2を捕食することができた。また、塩分濃度が5000(mg/l)になると、ホザキノフサモ1、糸状藻類2は生育できずに枯れ、モノアラガイも生息できず、枯れた糸状藻類2はマット状に表面などに残存した。
また、その後の実験により、更に塩分濃度が3000〜3500(mg/l)の試験槽10においても糸状藻類2の塩分による弱体化と糸状藻類捕食生物・共存水生動物3による捕食により、糸状藻類2をほぼ完全に消滅可能であることがわかった。
なお、以上示した実験は、水温が13℃〜35℃の範囲で行った結果である。冬期は水温が4℃〜8℃程度に下がるが、その温度ではホザキノフサモ1と糸状藻類2は成長が著しく低下し、また、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3は活性が著しく低下する。また、夏期に水温が上がり、35℃を超えると、ホザキノフサモ1と糸状藻類2は生息可能であるが、糸状藻類捕食生物・共存水生動物3は活性が著しく低下するため、上記の方法は適用可能であるが、生態系を適正に維持することが難しくなる。
以上説明したように、本発明の方法により、沈水植物と共存する糸状藻類の増殖を効果的に抑制することができる。それにより、河川、湖沼、濠等の景観の悪化を改善することができる。また、琵琶湖等における船の航路障害となっている外来種の沈水植物に付着する糸状藻類を効果的に除去することができる。更に、糸状藻類の増殖を防ぐことで、沈水植物を隠れ家、産卵場としている動物プランクトンや付着微生物、稚魚の揺り籠、魚類の生育を阻害することなく、沈水植物を増殖させることができる。
なお、本実施例では、沈水植物として、アリノトウグサ科のホザキノフサモを挙げて説明しているが、それ以外の沈水植物、マツモ(マツモ科)、オオカナダモ(トチカガミ科)、ガシャモク(ヒルムシロ科)、コウガイモ(トチカガミ科)、ササバモ(ヒルムシロ科)、インバモ(ヒルムシロ科)などの沈水植物についても同様に適用可能である。それらの沈水植物の生育と、塩分濃度との関係は以下の通りである。
マツモは、塩分濃度4000(mg/l)まで生育可能であり、外来種のオオカナダモは9000(mg/l)まで生育可能であることがわかった。また、表4には記載していないが、上記の沈水植物は、3500mg/l程度までは生育可能であることが推察される。従って、これらの沈水植物に関しても、塩分濃度が500mg/l以上3500mg/l以下においては、沈水植物の生育を妨げることなく、沈水植物と共存する糸状藻類の増殖を効果的に抑制することができる。
なお、上述した糸状藻類の増殖抑制方法は一例であり、その方法は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
1 沈水植物
2 糸状藻類
3 糸状藻類捕食生物・共存水生動物
4 土壌
10 試験槽

Claims (5)

  1. 沈水植物と共存する糸状藻類、糸状藻類捕食生物及び水生動物が共存する水圏生態系において、前記沈水植物と前記糸状藻類捕食生物及び前記水生動物に対しては好適な生育条件を示すが、前記糸状藻類に対しては抑制作用を示す500mg/l以上3500mg/l以下の塩分濃度を前記生態系に付与することを特徴とする糸状藻類の増殖抑制方法。
  2. 前記沈水植物は、アリノトウグサ科、マツモ科、トチカガミ科、ヒルムシロ科の植物としたことを特徴とする請求項1に記載の糸状藻類の増殖抑制方法。
  3. 前記糸状藻類は、ホシミドロ科、シオグサ科、サヤミドロ科、ヒビミドロ科の藻類としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の糸状藻類の増殖抑制方法。
  4. 前記糸状藻類捕食生物は、モノアラガイ科、イシガイ科の生物とし、前記水生動物は、
    コイ科、ハゼ科の動物としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の糸状藻類の増殖抑制方法。
  5. 前記生態系の水温が、13℃〜35℃の範囲で行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の糸状藻類の増殖抑制方法。
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