以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1が適用された画像形成装置の概略構成を示した図である。
この画像形成装置は、A方向に回転可能に配置される感光体ドラム11と、B方向に回転可能に配置され、感光体ドラム11上に形成された各色トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト20とを備える。また、この画像形成装置は、中間転写ベルト20上に転写された重ねトナー像をシートSに一括転写(二次転写)させる二次転写部30と、二次転写された画像をシートS上に定着させる定着装置50とを備える。さらに、この画像形成装置は、画像形成装置の各機構部を制御する制御部60を有している。なお、感光体ドラム11の回転方向であるA方向および中間転写ベルト20の回転方向であるB方向は、両者が対向する領域(後述する一次転写領域)において同じ側を向くようになっている。
感光体ドラム11の周囲には、A方向に沿って、感光体ドラム11を帯電する帯電ロール12、帯電された感光体ドラム11を露光する露光装置13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14Y、14M、14C、14Kを回転可能に取り付けた回転式現像装置14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写ロール15、感光体ドラム11上の残留トナーを清掃するドラム清掃装置16が、順次配置されている。ここで、中間転写ベルト20を挟んで感光体ドラム11と一次転写ロール15とが対向する領域を、一次転写領域と称する。ここで、本実施の形態では、帯電ロール12および露光装置13が、潜像形成手段として機能している。また、一次転写ロール15が、転写手段として機能している。
ここで、帯電ロール12は、感光体ドラム11に接触して配置されるとともに感光体ドラム11の回転に伴って回転する。また、一次転写ロール15は、中間転写ベルト20を挟んで感光体ドラム11と対向する一次転写領域において、中間転写ベルト20に接触して配置されており、中間転写ベルト20の回転に伴って回転する。さらに、ドラム清掃装置16は、例えば感光体ドラム11に接触するブレード部材を有している。
そして、像保持体の一例としての感光体ドラム11は、金属製の薄肉の円筒形ドラムの表面に有機感光層を形成したもので構成されており、この例では有機感光層が負極性に帯電する材料で構成されている。なお、感光体ドラム11は接地されている。
また、回転式現像装置14はC方向に回転するようになっており、合計で6個の現像器を搭載できるように構成されている。ただし、この例では、回転式現像装置14に対し、周方向に連続して4個の現像器14Y、14M、14C、14Kを搭載するようにし、残りの2箇所については空き場所としている。そして、現像手段の一例としての現像器14Y、14M、14C、14Kによる現像は反転現像方式にて行われる。従って、現像器14Y、14M、14C、14Kで使用されるトナーは負の帯電極性を有している。なお、以下の説明においては、回転式現像装置14を構成する各現像器を、それぞれ、イエロー現像器14Y、マゼンタ現像器14M、シアン現像器14C、および黒現像器14Kと称する。また、以下の説明では、黒現像器14Kに隣接する空き場所を第1の空き場所14S1と称し、第1の空き場所14S1に隣接する空き場所を第2の空き場所14S2と称する。ここで、回転式現像装置14のうち、感光体ドラム11と対向する部位のことを、現像位置と称する。
ここで、本実施の形態では、感光体ドラム11、帯電ロール12、露光装置13、回転式現像装置14および一次転写ロール15が、第1画像形成手段、第2画像形成手段および画像形成手段として機能している。
次に、第2回転体、転写体および同一媒体の一例としての中間転写ベルト20は、複数(本実施の形態では6つ)のロール21〜26に掛け渡されるようになっている。これらのうち、ロール21、25は従動ロール、ロール22は中間転写ベルト20の位置決めや平坦な一次転写面の形成に用いられる金属製のアイドルロール、ロール23は中間転写ベルト20の張力を一定とするために用いられるテンションロール、ロール24は中間転写ベルト20の駆動ロール、ロール26は後述する二次転写用のバックアップロールである。
二次転写部30は、中間転写ベルト20のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール31と、バックアップロール26等とによって構成される。また、二次転写部30の上流側には、搬送されてくるシートSを二次転写部30に案内する用紙搬送ガイド32が取り付けられている。ここで、中間転写ベルト20を挟んで二次転写ロール31とバックアップロール26とが対向する領域を、二次転写領域と称する。
一方、二次転写部30の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト20上に付着する残留トナーを清掃するベルト清掃装置27が設けられており、中間転写ベルト20を挟んでベルト清掃装置27に対向する位置には、中間転写ベルト20の内面に沿って板金部材28が配置されている。
そして、本実施の形態では、シートSに複数色のトナー像を含むカラー画像を形成する場合には、最終色前のトナー像が二次転写ロール31およびベルト清掃装置27を通過するまで、これら二次転写ロール31およびベルト清掃装置27が中間転写ベルト20から離れるようになっている。なお、二次転写ロール31は、中間転写ベルト20に接触した際に、中間転写ベルト20の回転に伴って回転するように構成されている。
さらに、定着装置50は、ハロゲンランプ等の加熱源を内蔵する加熱ロール51と、この加熱ロール51に圧接配置される加圧ロール52とを備えている。そして、定着装置50では、これら加熱ロール51と加圧ロール52との間に形成される定着ニップ域にトナー像が転写されたシートSを通過させることで、定着を行うようになっている。
次に、回転式現像装置14に搭載される現像器の構成を、イエロー現像器14Yを例として説明する。なお、マゼンタ現像器14M、シアン現像器14Cおよび黒現像器14Kは、内部に収容されるトナーの色を除いて、イエロー現像器14Yと同じ構成を有している。
図2は、イエロー現像器14Yの構成の一例を示す断面図である。なお、図2は、イエロー現像器14Yが感光体ドラム11と対向する現像位置に配置されている場合を例示している。
イエロー現像器14Yは、感光体ドラム11の外周面に対向する開口が形成され且つ内部にはキャリアおよびトナーを含む現像剤(図示せず)が収容される現像ハウジング41と、この現像ハウジング41の開口に面した箇所に回転可能に配置される現像ロール42とを備えている。ここで、現像ロール42は、感光体ドラム11とは非接触に配置されている。
また、現像ハウジング41内であって、感光体ドラム11からみて現像ロール42の背面下側には、感光体ドラム11の軸方向に沿って配置される第1攪拌搬送部材43および第2攪拌搬送部材44が設けられている。そして、第1攪拌搬送部材43と第2攪拌搬送部材44との間には、これら第1攪拌搬送部材43および第2攪拌搬送部材44を仕切る仕切り壁が設けられている。この仕切り壁は、現像ハウジング41と一体的に形成されている。なお、第1攪拌搬送部材43および第2攪拌搬送部材44の軸方向両端側には仕切り壁を設けておらず、第1攪拌搬送部材43および第2攪拌搬送部材44によって、現像ハウジング41内を現像剤が循環搬送されるようになっている。また、現像ロール42の図中上方には、現像ハウジング41に取り付けられ、現像ロール42に付着する現像剤の層厚さを規制する層厚規制部材45が設けられている。
そして、イエロー現像器14Yでは、現像剤として、イエローに着色されたトナーと磁性を有するキャリアとを含む、所謂2成分現像剤を用いている。また、この現像剤において、キャリアは正の帯電極性を有しており、トナーは上述したように負の帯電極性を有している。
また、現像ロール42は、回転可能に配設される中空状の現像スリーブ42aと、現像スリーブ42aの内側に配置されるとともに現像ハウジング41に固定して取り付けられ、内部には複数の磁極(図示せず)が配列される磁石ロール42bとを有している。第1回転体、現像剤保持体および回転体の一例としての現像スリーブ42aは、シートSに画像を形成する画像形成動作において、D方向に回転するようになっている。したがって、画像形成動作において、A方向に回転する感光体ドラム11およびD方向に回転する現像スリーブ42aは、両者が対向する現像領域において同方向に移動する。
図3は、本実施の形態の画像形成装置の制御系の構成の一例を示す図である。
設定手段、作成手段、振分手段、および制御手段の一例としての制御部60には、UI(ユーザ・インタフェース)71やPC(パーソナル・コンピュータ)72から、ユーザから受け付けた指示が入力される。
制御部60は、感光体ドラム11を回転させるための駆動を行う感光体ドラム駆動モータ81、帯電ロール12に帯電バイアスを供給する帯電電源82、露光装置13に設けられた光源(図示せず)を駆動する光源駆動部83に、それぞれ制御信号を出力する。また、制御部60は、回転式現像装置14を回転させるための駆動を行う現像装置駆動モータ84、現像位置に位置する現像器に設けられた現像スリーブ42aを回転させるための駆動を行う現像スリーブ駆動モータ85に、それぞれ制御信号を出力する。さらに、制御部60は、現像位置に位置する現像器に設けられた現像スリーブ42aに対し、直流の現像バイアス(直流現像バイアス)を供給する直流現像電源86および交流の現像バイアス(交流現像バイアス)を供給する交流現像電源87に、それぞれ制御信号を供給する。さらにまた、制御部60は、駆動ロール24を介して中間転写ベルト20を回転させるための駆動を行う中間転写ベルト駆動モータ88、一次転写ロール15に一次転写バイアスを供給する一次転写電源89、中間転写ベルト20に対してベルト清掃装置27を進退させるベルト清掃装置駆動モータ90に、それぞれ制御信号を出力する。そして、制御部60は、中間転写ベルト20に対し二次転写ロール31を進退させる二次転写ロール駆動モータ91、二次転写ロール31とバックアップロール26との間に二次転写バイアスを供給する二次転写電源92に、それぞれ制御信号を出力する。また、ここでは図示はしていないが、制御部60は、定着装置50やシートSの供給系にも制御信号を出力している。
ここで、本実施の形態の画像形成装置では、画像形成動作における感光体ドラム11と中間転写ベルト20との周速比が、1:1に設定される。また、画像形成動作における感光体ドラム11と現像ロール42(現像スリーブ42a)との周速比が、1:1.7に設定される。したがって、画像形成動作における中間転写ベルト20と現像ロール42(現像スリーブ42a)との周速比は、1:1.7に設定されることになる。
図4は、画像形成動作における現像ロール42(現像スリーブ42a)の回転周期と中間転写ベルト20の回転周期との関係を説明するための図である。図4において、上段は現像ロール42の回転周期を、下段は中間転写ベルト20の回転周期を、主走査方向FSおよび副走査方向SSとともに示している。なお、以下の説明においては、現像ロール42の回転周期をロール回転周期Trと称し、中間転写ベルト20の回転周期をベルト回転周期Tbと称する。ここで、ロール回転周期Trは第1周期T1の一例であり、ベルト回転周期Tbは第2回転周期T2の一例である。また、中間転写ベルト20におけるベルト回転周期Tbの始点、すなわち、画像形成動作における各版の基準となる位置を、版基準位置Pと称する。
この画像形成装置では、中間転写ベルト20が1回転する間に、現像ロール42が14.5回転する(Tb=14.5Tr)。すなわち、この画像形成装置においては、ベルト回転周期Tbとロール回転周期Trとが、Tb=(n+0.5)×Tr(nは正の整数)の関係を満足するようになっている。この関係は、現像ロール42(現像スリーブ42a)の周長および中間転写ベルト20の周長と、現像ロール42および中間転写ベルト20の周速比とによって決まる。
次に、この画像形成装置の画像形成動作について説明を行う。
図5は、画像形成動作における画質モードの選択手順を説明するためのフローチャートである。
まず、制御部60は、UI71あるいはPC72から、印刷指示を受け付ける(ステップ10)。続いて、制御部60は、ステップ10で受け付けた印刷指示に付随する印刷データを取得する(ステップ20)。さらに、制御部60は、UI71あるいはPC72から、ステップ10で受け付けた印刷指示において、「高画質モード」が指定されていたか否かを判断する(ステップ30)。
ステップ30で肯定の判断(YES)を行った場合、制御部60は、ステップ20で取得した印刷データの解析を行う(ステップ40)。そして、制御部60は、ステップ40で得られた印刷データの解析結果に基づき、画像形成動作において露光装置13で使用する第1露光データおよび第2露光データの作成を行う(ステップ50)。そして、制御部60は、ステップ50で作成した第1露光データおよび第2露光データを使用し、高画質モードにて印刷(画像形成動作)を実行し(ステップ60)、一連の処理を完了する。
一方、ステップ30で否定の判断(NO)を行った場合、制御部60は、ステップ20で取得した印刷データに基づき、画像形成動作において露光装置13で使用する露光データの作成を行う(ステップ70)。そして、制御部60は、ステップ70で作成した露光データを使用し、通常画質モードにて印刷(画像形成動作)を実行し(ステップ80)、一連の処理を完了する。
次に、上述した各画質モードにおける画像形成動作について、具体的に説明を行う。なお、ここでは、図1に示す画像形成装置を用い、1枚のシートSに対し、イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒を含む4色のフルカラー画像を形成する場合を例とする。
図6は、通常画質モードにおける画像形成動作の手順を説明するタイミングチャートである。ここで、図6は、時間の経過と、感光体ドラム11の回転駆動[(1)感光体ドラム駆動]と、帯電ロール12への帯電バイアスの供給[(2)帯電バイアス]と、露光装置13への露光信号の供給[(3)露光信号]と、回転式現像装置14のうち現像位置に配置される現像器[(4)現像位置の現像器]と、中間転写ベルト20の回転駆動[(5)中間転写ベルト駆動]と、中間転写ベルト20の回転数[(6)中間転写ベルト回転数]と、一次転写ロール15への一次転写バイアスの供給[(7)一次転写バイアス]と、一次転写領域を通過する中間転写ベルト20上の画像領域[(8)一次転写通過画像]と、中間転写ベルト20に対するベルト清掃装置27の位置[(9)ベルト清掃装置位置]と、中間転写ベルト20に対する二次転写ロール31の位置[(10)二次転写ロール位置]と、二次転写部30への二次転写バイアスの供給[(11)二次転写バイアス]と、二次転写領域を通過する中間転写ベルト20上の画像領域[(12)二次転写通過画像]との関係を示している。このことは、後述する図7においても同じである。
初期状態において、感光体ドラム駆動、帯電バイアス、露光信号、中間転写ベルト駆動、一次転写バイアス、二次転写バイアスは、それぞれOFF(停止)に設定されている。このとき、回転式現像装置14では、現像位置に現像器が配置されないように設定されている。また、初期状態では、現像スリーブの駆動および現像バイアス(直流および交流)が、それぞれOFFに設定される。さらに、初期状態において、ベルト清掃装置位置および二次転写ロール位置はそれぞれ退避に設定されており、二次転写ロール31およびベルト清掃装置27は中間転写ベルト20から離れている。さらにまた、以下の説明において、中間転写ベルト20のx回転目(xは正の整数)とは、版基準位置Pを基点とした中間転写ベルト20の回転数を意味する。このことは、後述する図7においても同じである。
通常画質モードでの画像形成動作の開始に伴い、感光体ドラム11および中間転写ベルト20の駆動が開始(OFF→ON)される。これにより、感光体ドラム11はA方向に、中間転写ベルト20はB方向に、それぞれ回転する。このとき、中間転写ベルト20は1回転目となる。また、感光体ドラム11の回転が開始されるのに伴い、帯電ロール12に対する帯電バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。
続いて、回転式現像装置14の駆動が開始され、現像位置にイエローの現像器14Yを配置した状態で停止する。イエローの現像器14Yが現像位置で停止した後、イエロー用の露光信号yの供給が開始(OFF→ON)される。このとき、図5のステップ70で作成した露光データのうち、イエローに対応して作成されたものが、イエロー用の露光信号yとして供給される。これにより、帯電電位に帯電された状態でA方向に回転する感光体ドラム11は、露光装置13から出力される露光ビームBmによって、イエローのトナー像の形成対象となる部位が露光されることで、帯電電位から露光電位になる。その結果、帯電および露光が行われた感光体ドラム11には、帯電電位を背景部(露光されなかった部位)とし、露光電位を画像部(露光された部位)とする、イエロー用の静電潜像が形成される。
そして、感光体ドラム11に形成されたイエロー用の静電潜像は、感光体ドラム11のA方向への回転に伴って現像領域を通過する。このとき、現像位置に配置されたイエローの現像器14Yから感光体ドラム11に対し、露光電位となっている画像部に選択的にイエローのトナーが転移する。その結果、現像領域を通過した感光体ドラム11には、イエロー用の静電潜像に応じたイエローのトナー像が現像される。
次に、感光体ドラム11に形成されたイエローのトナー像の先端側が一次転写領域に到達するのに伴い、一次転写バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。これにより、A方向に回転する感光体ドラム11に形成されたイエローのトナー像は、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写され始める。
また、この例では、イエローのトナー像の一次転写が開始された後、イエロー用の露光信号yの供給が停止(ON→OFF)され、イエロー用の静電潜像の形成が終了する。そして、感光体ドラム11に形成されたイエローのトナー像の後端側が一次転写領域を通過するのに伴い、一次転写バイアスの供給が停止(ON→OFF)される。これにより、イエローのトナー像の全域が、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写される。なお、イエローの一次転写において、中間転写ベルト20に転写されずに感光体ドラム11側に残存するイエローのトナーは、感光体ドラム11のA方向への回転に伴ってドラム清掃装置16との対向部に到達し、ドラム清掃装置16によって除去される。そして、中間転写ベルト20の1回転目が終了し、中間転写ベルト20は2回転目に突入する。
一方、イエロー用の静電潜像が現像領域を通過した後、回転式現像装置14の駆動が開始され、現像位置にマゼンタの現像器14Mを配置した状態で停止する。マゼンタの現像器14Mが現像位置で停止した後、マゼンタ用の露光信号mの供給が開始(OFF→ON)される。このとき図5に示すステップ70で作成した露光データのうち、マゼンタに対応して作成されたものが、マゼンタ用の露光信号mとして供給される。これにより、帯電された状態でA方向に回転する感光体ドラム11は、露光装置13から出力される露光ビームBmによって、マゼンタのトナー像の形成対象となる部位が露光される。その結果、感光体ドラム11には、マゼンタ用の静電潜像が形成される。
そして、感光体ドラム11に形成されたマゼンタ用の静電潜像は、感光体ドラム11のA方向への回転に伴って現像領域を通過する。このとき、現像位置に配置されたマゼンタの現像器14Mから感光体ドラム11に対し、選択的にマゼンタのトナーが転移する。その結果、現像領域を通過した感光体ドラム11には、マゼンタ用の静電潜像に応じたマゼンタのトナー像が現像される。
次に、感光体ドラム11に形成されたマゼンタのトナー像の先端側が一次転写領域に到達するのに伴い、一次転写バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。これにより、A方向に回転する感光体ドラム11に形成されたマゼンタのトナー像は、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写され始める。ここで、本実施の形態では、中間転写ベルト20に既に転写されたイエローのトナー像の先端側が一次転写領域に到達するときに、感光体ドラム11上に形成されたマゼンタのトナー像の先端側が一次転写領域に到達するように、マゼンタ用の露光信号mの供給を制御している。このため、一次転写領域を通過した中間転写ベルト20には、イエローのトナー像の上にマゼンタのトナー像が重ね合わされる。
また、この例では、マゼンタのトナー像の一次転写が開始された後、マゼンタ用の露光信号mの供給が停止(ON→OFF)され、マゼンタ用の静電潜像の形成が終了する。そして、感光体ドラム11に形成されたマゼンタのトナー像の後端側が一次転写領域を通過するのに伴い、一次転写バイアスの供給が停止(ON→OFF)される。これにより、マゼンタのトナー像の全域が、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写され、イエローおよびマゼンタの重ねトナー像が形成される。なお、マゼンタの一次転写において、中間転写ベルト20に転写されずに感光体ドラム11側に残存するマゼンタのトナーは、感光体ドラム11のA方向への回転に伴ってドラム清掃装置16との対向部に到達し、ドラム清掃装置16によって除去される。そして、中間転写ベルト20の2回転目が終了し、中間転写ベルト20は3回転目に突入する。
それから、同じ手順にて、3回転目の中間転写ベルト20に対するシアンのトナー像の形成(シアン用の露光信号cに基づく)、および、4回転目の中間転写ベルト20に対する黒のトナー像の形成(黒用の露光信号kに基づく)が行われる。その結果、中間転写ベルト20には、イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒のトナー像が重ね合わされる。
また、黒用の静電潜像が現像領域を通過した後、回転式現像装置14の駆動が開始され、現像位置にいずれの現像器(14Y、14M、14C、14K)も配置しない状態で停止する。
一方、B方向に回転する中間転写ベルト20に保持されたイエロー、マゼンタおよびシアンの重ねトナー像の後端がベルト清掃装置27との対向部位を通過した後であって、その後一次転写領域を通過することによってさらに黒のトナー像が重ねられたイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の重ねトナー像の先端が二次転写領域に到達する前に、二次転写ロール31およびベルト清掃装置27が、中間転写ベルト20と接する位置に移動(退避→進出)する。そして、中間転写ベルト20に保持されたイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の重ねトナー像の先端側が二次転写領域に到達するのに伴い、二次転写バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。ここで、本実施の形態では、中間転写ベルト20に保持されたイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の重ねトナー像の先端側が二次転写領域に到達するときに、シートSの先端側が二次転写領域に到達するように、シートSの搬送制御を行っている。このため、二次転写領域において、中間転写ベルト20からシートSに対し、重ねトナー像の二次転写が行われる。
そして、中間転写ベルト20に保持された重ねトナー像およびシートSが、二次転写領域を通過することに伴い、二次転写バイアスの供給が停止(ON→OFF)され、シートSに対する重ねトナー像の二次転写が完了する。なお、二次転写領域を通過したシートS上の重ねトナー像は、定着装置50によって定着される。一方、重ねトナー像の二次転写において、シートSに転写されず中間転写ベルト20側に残存する各色トナーは、中間転写ベルト20のB方向への回転に伴ってベルト清掃装置27との対向部に到達し、ベルト清掃装置27によって除去される。
それから、中間転写ベルト20における重ねトナー像の形成領域の後端がベルト清掃装置27との対向部を通過した後、二次転写ロール31およびベルト清掃装置27が、中間転写ベルト20から離れる位置に移動(進出→退避)する。また、感光体ドラム11および中間転写ベルト20の駆動が停止(ON→OFF)され、帯電バイアスの供給も停止(ON→OFF)される。
以上により、通常画質モードにおける、1枚のシートSに対するフルカラー画像の形成が完了する。
このように、本実施の形態の通常画質モードでは、中間転写ベルト20の1回転目にイエローのトナー像が、2回転目にマゼンタのトナー像が、3回転目にシアンのトナー像が、4回転目に黒のトナー像が、それぞれ中間転写ベルト20に一次転写される。また、本実施の形態の通常画質モードでは、中間転写ベルト20の4回転目に、中間転写ベルト20上の重ねトナー像がシートSに二次転写される。
図7は、高画質モードにおける画像形成動作の手順を説明するためのタイミングチャートである。
高画質モードでの画像形成動作の開始に伴い、感光体ドラム11および中間転写ベルト20の駆動が開始(OFF→ON)される。これにより、感光体ドラム11はA方向に、中間転写ベルト20はB方向に、それぞれ回転する。このとき、中間転写ベルト20は1回転目となる。また、感光体ドラム11の回転が開始されるのに伴い、帯電ロール12に対する帯電バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。
続いて、回転式現像装置14の駆動が開始され、現像位置にイエローの現像器14Yを配置した状態で停止する。イエローの現像器14Yが現像位置で停止した後、イエロー用の第1露光信号y1の供給が開始(OFF→ON)される。このとき、図5のステップ50で作成した第1露光データのうち、イエローに対応して作成されたものが、イエロー用の第1露光信号y1として供給される。これにより、帯電された状態でA方向に回転する感光体ドラム11は、露光装置13から出力される露光ビームBmによって、イエローの第1トナー像の形成対象となる部位が露光される。その結果、感光体ドラム11には、イエロー用の第1静電潜像が形成される。
そして、感光体ドラム11に形成されたイエロー用の第1静電潜像は、感光体ドラム11のA方向への回転に伴って現像領域を通過する。このとき、現像位置に配置されたイエローの現像器14Yから感光体ドラム11に対し、選択的にイエローのトナーが転移する。その結果、現像領域を通過した感光体ドラム11には、イエロー用の第1静電潜像に応じたイエローの第1トナー像が現像される。
次に、感光体ドラム11に形成されたイエローの第1トナー像の先端側が一次転写領域に到達するのに伴い、一次転写バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。これにより、A方向に回転する感光体ドラム11に形成されたイエローの第1トナー像は、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写され始める。
また、この例では、イエローの第1トナー像の一次転写が開始された後、イエロー用の第1露光信号y1の供給が停止(ON→OFF)され、イエロー用の第1静電潜像の形成が終了する。そして、感光体ドラム11に形成されたイエローの第1トナー像の後端側が一次転写領域を通過するのに伴い、一次転写バイアスの供給が停止(ON→OFF)される。これにより、イエローの第1トナー像の全域が、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写される。なお、イエローの第1トナー像の一次転写において、中間転写ベルト20に転写されずに感光体ドラム11側に残存するイエローのトナーは、感光体ドラム11のA方向への回転に伴ってドラム清掃装置16との対向部に到達し、ドラム清掃装置16によって除去される。そして、中間転写ベルト20の1回転目が終了し、中間転写ベルト20は2回転目に突入する。
また、イエローの現像器14Yが現像位置に停止したままの状態で、イエロー用の第2露光信号y2の供給が開始(OFF→ON)される。このとき、図5のステップ50で作成した第2露光データのうち、イエローに対応して作成されたものが、イエロー用の第2露光信号y2として供給される。これにより、帯電された状態でA方向に回転する感光体ドラム11は、露光装置13から出力される露光ビームBmによって、イエローの第2トナー像の形成対象となる部位が露光される。その結果、感光体ドラム11には、イエロー用の第2静電潜像が形成される。
そして、感光体ドラム11に形成されたイエロー用の第2静電潜像は、感光体ドラム11のA方向への回転に伴って現像領域を通過する。このとき、現像位置に配置されたイエローの現像器14Yから感光体ドラム11に対し、選択的にイエローのトナーが転移する。その結果、現像領域を通過した感光体ドラム11には、イエロー用の第2静電潜像に応じたイエローの第2トナー像が現像される。
次に、感光体ドラム11に形成されたイエローの第2トナー像の先端側が一次転写領域に到達するのに伴い、一次転写バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。これにより、A方向に回転する感光体ドラム11に形成されたイエローの第2トナー像は、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写され始める。ここで、本実施の形態では、中間転写ベルト20に既に転写されたイエローの第1トナー像の先端側が一次転写領域に到達するときに、感光体ドラム11上に形成されたイエローの第2トナー像の先端側が一次転写領域に到達するように、イエロー用の第2露光信号y2の供給を制御している。このため、一次転写領域を通過した中間転写ベルト20には、イエローの第1トナー像の上にイエローの第2トナー像が重ね合わされる。
また、この例では、イエローの第2トナー像の一次転写が開始された後、イエロー用の第2露光信号y2の供給が停止(ON→OFF)され、イエロー用の第2静電潜像の形成が終了する。そして、感光体ドラム11に形成されたイエローの第2トナー像の後端側が一次転写領域を通過するのに伴い、一次転写バイアスの供給が停止(ON→OFF)される。これにより、イエローの第2トナー像の全域が、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写される。なお、イエローの第2トナー像の一次転写において、中間転写ベルト20に転写されずに感光体ドラム11側に残存するイエローのトナーは、感光体ドラム11のA方向への回転に伴ってドラム清掃装置16との対向部に到達し、ドラム清掃装置16によって除去される。そして、中間転写ベルト20の2回転目が終了し、中間転写ベルト20は3回転目に突入する。
一方、イエロー用の第2静電潜像が現像領域を通過した後、回転式現像装置14の駆動が開始され、現像位置にマゼンタの現像器14Mを配置した状態で停止する。マゼンタの現像器14Mが現像位置で停止した後、マゼンタ用の第1露光信号m1の供給が開始(OFF→ON)される。このとき図5に示すステップ50で作成した第1露光データのうち、マゼンタに対応して作成されたものが、マゼンタ用の第1露光信号m1として供給される。これにより、帯電された状態でA方向に回転する感光体ドラム11は、露光装置13から出力される露光ビームBmによって、マゼンタの第1トナー像の形成対象となる部位が露光される。その結果、感光体ドラム11には、マゼンタ用の第1静電潜像が形成される。
そして、感光体ドラム11に形成されたマゼンタ用の第1静電潜像は、感光体ドラム11のA方向への回転に伴って現像領域を通過する。このとき、現像位置に配置されたマゼンタの現像器14Mから感光体ドラム11に対し、選択的にマゼンタのトナーが転移する。その結果、現像領域を通過した感光体ドラム11には、マゼンタ用の第1静電潜像に応じたマゼンタの第1トナー像が現像される。
次に、感光体ドラム11に形成されたマゼンタの第1トナー像の先端側が一次転写領域に到達するのに伴い、一次転写バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。これにより、A方向に回転する感光体ドラム11に形成されたマゼンタの第1トナー像は、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写され始める。ここで、本実施の形態では、中間転写ベルト20に既に転写されたイエローのトナー像(イエローの第1トナー像およびイエローの第2トナー像)の先端側が一次転写領域に到達するときに、感光体ドラム11上に形成されたマゼンタの第1トナー像の先端側が一次転写領域に到達するように、マゼンタ用の第1露光信号m1の供給を制御している。このため、一次転写領域を通過した中間転写ベルト20には、イエローのトナー像の上にマゼンタの第1トナー像が重ね合わされる。
また、この例では、マゼンタの第1トナー像の一次転写が開始された後、マゼンタ用の第1露光信号m1の供給が停止(ON→OFF)され、マゼンタ用の第1静電潜像の形成が終了する。そして、感光体ドラム11に形成されたマゼンタの第1トナー像の後端側が一次転写領域を通過するのに伴い、一次転写バイアスの供給が停止(ON→OFF)される。これにより、マゼンタの第1トナー像の全域が、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写される。なお、マゼンタの第1トナー像の一次転写において、中間転写ベルト20に転写されずに感光体ドラム11側に残存するマゼンタのトナーは、感光体ドラム11のA方向への回転に伴ってドラム清掃装置16との対向部に到達し、ドラム清掃装置16によって除去される。そして、中間転写ベルト20の3回転目が終了し、中間転写ベルト20は4回転目に突入する。
また、マゼンタの現像器14Mが現像位置に停止したままの状態で、マゼンタ用の第2露光信号m2の供給が開始(OFF→ON)される。このとき、図5のステップ50で作成した第2露光データのうち、マゼンタに対応して作成されたものが、マゼンタ用の第2露光信号m2として供給される。これにより、帯電された状態でA方向に回転する感光体ドラム11は、露光装置13から出力される露光ビームBmによって、マゼンタの第2トナー像の形成対象となる部位が露光される。その結果、感光体ドラム11には、マゼンタ用の第2静電潜像が形成される。
そして、感光体ドラム11に形成されたマゼンタ用の第2静電潜像は、感光体ドラム11のA方向への回転に伴って現像領域を通過する。このとき、現像位置に配置されたマゼンタの現像器14Mから感光体ドラム11に対し、選択的にマゼンタのトナーが転移する。その結果、現像領域を通過した感光体ドラム11には、マゼンタ用の第2静電潜像に応じたマゼンタの第2トナー像が現像される。
次に、感光体ドラム11に形成されたマゼンタの第2トナー像の先端側が一次転写領域に到達するのに伴い、一次転写バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。これにより、A方向に回転する感光体ドラム11に形成されたマゼンタの第2トナー像は、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写され始める。ここで、本実施の形態では、中間転写ベルト20に既に転写されたイエローのトナー像およびマゼンタの第1トナー像の先端側が一次転写領域に到達するときに、感光体ドラム11上に形成されたマゼンタの第2トナー像の先端側が一次転写領域に到達するように、マゼンタ用の第2露光信号m2の供給を制御している。このため、一次転写領域を通過した中間転写ベルト20には、イエローのトナー像およびマゼンタの第1トナー像の上にマゼンタの第2トナー像が重ね合わされる。
また、この例では、マゼンタの第2トナー像の一次転写が開始された後、マゼンタ用の第2露光信号m2の供給が停止(ON→OFF)され、マゼンタ用の第2静電潜像の形成が終了する。そして、感光体ドラム11に形成されたマゼンタの第2トナー像の後端側が一次転写領域を通過するのに伴い、一次転写バイアスの供給が停止(ON→OFF)される。これにより、マゼンタの第2トナー像の全域が、B方向に回転する中間転写ベルト20に一次転写される。なお、マゼンタの第2トナー像の一次転写において、中間転写ベルト20に転写されずに感光体ドラム11側に残存するマゼンタのトナーは、感光体ドラム11のA方向への回転に伴ってドラム清掃装置16との対向部に到達し、ドラム清掃装置16によって除去される。そして、中間転写ベルト20の4回転目が終了し、中間転写ベルト20は5回転目に突入する。
それから、同じ手順にて、5回転目の中間転写ベルト20に対するシアンの第1トナー像の形成(シアン用の第1露光信号c1に基づく)、および、6回転目の中間転写ベルト20に対するシアンの第2トナー像の形成(シアン用の第2露光信号c2に基づく)が行われる。さらに続いて、7回転目の中間転写ベルト20に対する黒の第1トナー像の形成(黒用の第1露光信号k1に基づく)、および、8回転目の中間転写ベルト20に対する黒の第2トナー像の形成(黒用の第2露光信号k2に基づく)が行われる。その結果、中間転写ベルト20には、イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒のトナー像が重ね合わされる。
また、黒用の第2静電潜像が現像領域を通過した後、回転式現像装置14の駆動が開始され、現像位置にいずれの現像器(14Y、14M、14C、14K)も配置しない状態で停止する。
一方、B方向に回転する中間転写ベルト20に保持されたイエロー、マゼンタ、シアンのトナー像および黒の第1トナー像の重ねトナー像の後端がベルト清掃装置27との対向部位を通過した後であって、その後一次転写領域を通過することによってさらに黒の第2トナー像が重ねられたイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の重ねトナー像の先端が二次転写領域に到達する前に、二次転写ロール31およびベルト清掃装置27が、中間転写ベルト20と接する位置に移動(退避→進出)する。そして、中間転写ベルト20に保持されたイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の重ねトナー像の先端側が二次転写領域に到達するのに伴い、二次転写バイアスの供給が開始(OFF→ON)される。ここで、本実施の形態では、中間転写ベルト20に保持されたイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の重ねトナー像の先端側が二次転写領域に到達するときに、シートSの先端側が二次転写領域に到達するように、シートSの搬送制御を行っている。このため、二次転写領域において、中間転写ベルト20からシートSに対し、重ねトナー像の二次転写が行われる。
そして、中間転写ベルト20に保持された重ねトナー像およびシートSが、二次転写領域を通過することに伴い、二次転写バイアスの供給が停止(ON→OFF)され、シートSに対する重ねトナー像の二次転写が完了する。なお、二次転写領域を通過したシートS上の重ねトナー像は、定着装置50によって定着される。一方、重ねトナー像の二次転写において、シートSに転写されず中間転写ベルト20側に残存する各色トナーは、中間転写ベルト20のB方向への回転に伴ってベルト清掃装置27との対向部に到達し、ベルト清掃装置27によって除去される。
それから、中間転写ベルト20における重ねトナー像の形成領域の後端がベルト清掃装置27との対向部を通過した後、二次転写ロール31およびベルト清掃装置27が、中間転写ベルト20から離れる位置に移動(進出→退避)する。また、感光体ドラム11および中間転写ベルト20の駆動が停止(ON→OFF)され、帯電バイアスの供給も停止(ON→OFF)される。
以上により、高画質モードにおける、1枚のシートSに対するフルカラー画像の形成が完了する。
このように、本実施の形態の高画質モードでは、中間転写ベルト20の1回転目にイエローの第1トナー像が、2回転目にイエローの第2トナー像が、3回転目にマゼンタの第1トナー像が、4回転目にマゼンタの第2トナー像が、それぞれ中間転写ベルト20に一次転写される。また、本実施の形態の高画質モードでは、中間転写ベルト20の5回転目にシアンの第1トナー像が、6回転目にシアンの第2トナー像が、7回転目に黒の第1トナー像が、8回転目に黒の第2トナー像が、それぞれ中間転写ベルト20に一次転写される。そして、本実施の形態の高画質モードでは、中間転写ベルト20の8回転目に、中間転写ベルト20上の重ねトナー像がシートSに二次転写される。
では、上述した通常画質モードおよび高画質モードの画像形成動作における現像器の現像動作について、より詳細に説明を行う。
なお、ここでは、感光体ドラム11と対向する現像位置に、図2に示すイエローの現像器14Yが配置された場合を例として説明を行う。
現像位置に配置されたイエロー現像器14Yでは、現像スリーブ42a、第1攪拌搬送部材43および第2攪拌搬送部材44の駆動が行われるとともに、現像スリーブ42aに対する現像バイアスの供給が行われる。そして、第1攪拌搬送部材43および第2攪拌搬送部材44が回転することに伴い、現像ハウジング41内で現像剤の攪拌搬送が行われる。この攪拌搬送により、現像剤を構成するトナーおよびキャリアは互いに摩擦し合うことになり、トナーが負極性に、キャリアが正極性に、それぞれ帯電する。その結果、攪拌搬送される現像剤において、キャリアに対しトナーが静電吸着した状態となる。そして、攪拌搬送される現像剤が現像ロール42との対向部に搬送されると、磁石ロール42bに設けられた磁極と現像剤に含まれるキャリアとの間に働く磁力により、一部のキャリアが現像ロール42側に転移する。このとき、現像ロール42側に転移するキャリアにはトナーが静電吸着しているため、結果として現像剤が現像ロール42側に転移することになり、現像スリーブ42aの外周面に現像剤による現像剤層が形成される。
また、現像スリーブ42aに形成された現像剤層は、現像スリーブ42aのD方向への回転に伴って搬送され、層厚規制部材45との対向部を通過する際に、その厚さが予め決められた厚さに規制され、感光体ドラム11と対向する現像ハウジング41の開口(現像領域)に運ばれる。なお、層厚規制部材45によって規制された現像剤は、重力によって第1攪拌搬送部材43側に戻される。
そして、層厚規制部材45との対向部を通過した現像剤層は、現像スリーブ42aのD方向への回転に伴って搬送され、感光体ドラム11と現像スリーブ42aとが対向する現像領域に到達する。現像領域では、現像バイアスが供給されている現像スリーブ42a上の現像剤層から、感光体ドラム11上の画像部(露光電位となっている領域)にトナーが静電的に転移し、静電潜像を現像して可視像化する。
その後、現像領域を通過した現像スリーブ42a上の現像剤層は、現像スリーブ42aのD方向への回転に伴って現像ハウジング41内に戻される。そして、現像ハウジング41内に戻された現像スリーブ42a上の現像剤層は、磁石ロール42bに設けられた磁極によって形成される反発磁界により、現像ロール42上から離脱して現像ハウジング41内に落下し、再び第1攪拌搬送部材43および第2攪拌搬送部材44によって攪拌搬送され、次の現像を待つこととなる。
図8は、高画質モードにおける各種データおよび得られる各種トナー像の一例を示す図である。ここで、図8(a)は、図5のステップ20で取得される印刷データを示している。また、図8(b)、(c)は、図5のステップ50で作成される第1露光データ、第2露光データを示している。さらに、図8(d)は第1露光データに基づいて中間転写ベルト20上に形成される第1トナー像を、図8(d)は第2露光データに基づいて中間転写ベルト20上に形成される第2トナー像を、それぞれ示している。そして、図8(f)は、中間転写ベルト20上で第1トナー像および第2トナー像を重ね合わせることで得られる重ねトナー像を示している。このことは、後述する図10においても同じである。
なお、ここでは、図8(a)に示すように、ステップ20で取得する印刷データが、黒の単色で構成された全面ハーフトーン画像I0を含む場合を例とする。また、この例において、全面ハーフトーン画像I0の濃度は50%であるものとする。
図8(a)に示すような印刷データを取得した場合、制御部60は、図5に示すステップ40で印刷データの解析を行い、ステップ50において第1露光データおよび第2露光データの作成を行う。この例において、制御部60は、印刷データにおける全面ハーフトーン画像I0を単純に半分ずつに分けることで、第1露光データおよび第2露光データを作成する。したがって、第1露光データおよび第2露光データは、図8(b)、(c)に示したように、それぞれ、濃度25%の全面ハーフトーンデータを含むものとなる。
その後、ステップ60において、図8(b)、(c)に示す第1露光データ、第2露光データを用い、高画質モードにて印刷が行われる。この例では、図8(b)に示す第1露光データに基づいて黒用の第1露光信号k1が得られ、図8(c)に示す第2露光データに基づいて黒用の第2露光信号k2が得られる。
このとき、第1露光データ(黒用の第1露光信号k1)を用いて得られる第1トナー像(黒の第1トナー像)は、図8(d)に示したように、副走査方向SSに濃淡の波打ちが生じたものとなる。ここで、黒の第1トナー像における副走査方向SSの濃淡の波打ちは、現像スリーブ42aの偏心に起因するものである。すなわち、例えば一定濃度(ここでは濃度25%のハーフトーン画像)を作成する場合であっても、感光体ドラム11と現像スリーブ42aとが離れた状態では、現像されるトナー像の濃度が低くなり、感光体ドラム11と現像スリーブ42aとが近づいた状態では、現像されるトナー像の濃度が高くなる。その結果、中間転写ベルト20上に形成される黒の第1トナー像では、副走査方向SSに対し、現像ロール42(現像スリーブ42a)のロール回転周期Trに対応した濃淡の波打ちが存在することになる。
また、第2露光データ(黒用の第2露光信号k2)を用いて得られる第2トナー像(黒の第2トナー像)も、図8(e)に示したように、副走査方向SSに濃淡の波打ちが生じたものとなる。ここで、黒の第2トナー像における副走査方向SSの濃度の波打ちも、現像スリーブ42aの偏心に起因するものである。ただし、本実施の形態の画像形成装置では、図4を用いて説明したように、現像ロール42(現像スリーブ42a)のロール回転周期Trと、中間転写ベルト20のベルト回転周期Tbとが、Tb=14.5Trの関係に設定されている。このため、黒の第1トナー像の現像を開始するときと、黒の第2トナー像の現像を開始するときとで、現像スリーブ42aの位置が180°反転していることになる。その結果、中間転写ベルト20上に形成される黒の第2トナー像では、副走査方向SSに対し、現像ロール42(現像スリーブ42a)のロール回転周期Trに対応し且つ黒の第1トナー像とは濃淡の状態が反転した濃淡の波打ちが存在することになる。
したがって、中間転写ベルト20上で黒の第1トナー像と黒の第2トナー像とを重ね合わせた重ねトナー像(黒の重ねトナー像)は、図8(f)に示すように、副走査方向SSに対する黒の第1トナー像の濃淡と黒の第2トナー像の濃淡とが相殺されたものとなる。また、得られる黒の重ねトナー像の濃度は、目標とする50%に近いものとなる。
ここで、図9は、図8に示す高画質モードにおける、第1トナー像(黒の第1トナー像)、第2トナー像(黒の第2トナー像)および重ねトナー像(黒の重ねトナー像)の濃度の関係を説明するための図である。図9において、横軸は副走査方向SSの距離を示しており、縦軸はトナー像の濃度を示している。
上述したように、濃度25%のハーフトーン画像に対応して得られた黒用の第1露光信号k1に基づいて中間転写ベルト20に形成される黒の第1トナー像には、現像スリーブ42aの偏心に起因する正弦波状の濃淡が発生する。また、同じく濃度25%のハーフトーン画像に対応して得られた黒用の第2露光信号k2に基づいて形成される黒の第2トナー像にも、現像スリーブ42aの偏心に起因する正弦波状の濃淡が発生する。ただし、黒の第1トナー像の現像時と黒の第2トナー像の現像時とで、現像スリーブ42aの位置が180°ずれていることから、黒の第1トナー像の濃淡の波打ちと黒の第2トナー像の波打ちとが反転した状態となることがわかる。それゆえ、中間転写ベルト20上で黒の第1トナー像と黒の第2トナー像とを重ね合わせることで得られる黒の重ねトナー像において、副走査方向SSの濃淡が相殺されることが理解される。
ここで、高画質モードでは、通常画質モードと比べて、副走査方向SSの濃度ムラを抑制できる一方、画像形成に要する中間転写ベルト20の回転数が増加する分、画像形成の生産性は低下することになる。これに対し、通常画質モードでは、高画質モードと比べて、画像形成に要する中間転写ベルト20の回転数が減少する分、画像形成の生産性を向上できる一方、副走査方向SSの濃度ムラは生じ得ることになる。
なお、図8に示す例では、取得した印刷データを単純に半分ずつにすることで、第1露光データおよび第2露光データを作成していたが、これに限られるものではない。
図10は、高画質モードにおける各種データおよび得られる各種トナー像の他の一例を示す図である。
なお、ここでは、図10(a)に示すように、ステップ20で取得する印刷データが、写真からなる写真画像I1(写真画像部の一例)、文字(ここではアルファベット)からなるテキスト画像I2(文字画像部の一例)、そして、各種線画(ここでは円(○)、三角形(△)および四角形(□))からなる線画像I3(線画像部の一例)を含む場合を例とする。ここで、写真画像I1は例えばラスタデータ(ビットマップデータ)で構成され、テキスト画像I2および線画像I3はベクタデータで構成される。また、この例において、写真画像I1、テキスト画像I2および線画像I3は、すべて黒の単色で構成されているものとする。
この例では、写真画像I1を写真画像部の一例として挙げているが、これに限られるものではない。例えばイラストあるいはハーフトーンの背景部などを写真画像部としてもよい。また、2値で表現される2値画像(白黒画像)を文字画像部あるいは線画像部として把握するようにし、3値以上の多値で表現される多値画像(濃淡画像)を写真画像部として把握するようにしてもかまわない。
図10(a)に示すような印刷データを取得した場合、制御部60は、図5に示すステップ40で印刷データの解析を行い、ステップ50において第1露光データおよび第2露光データの作成を行う。この例において、制御部60は、印刷データのうち、写真画像I1については単純に半分ずつに分ける一方、テキスト画像I2および線画像I3については分割を行わないようにすることで、第1露光データおよび第2露光データを作成する。したがって、第1露光データは、図10(b)に示したように、写真画像I1の濃度を半分にしたデータを含むものとなる。これに対し、第2露光データは、図10(c)に示したように、写真画像I1の濃度を半分にしたデータと、テキスト画像I2に対応するデータと、線画像I3に対応するデータとを含むものとなる。
その後、ステップ60において、図10(b)、(c)に示す第1露光データ、第2露光データを用い、高画質モードにて印刷が行われる。この例では、図10(b)に示す第1露光データに基づいて黒用の第1露光信号k1が得られ、図10(c)に示す第2露光データに基づいて黒用の第2露光信号k2が得られる。
このとき、第1露光データ(黒用の第1露光信号k1)を用いて得られる第1トナー像(黒の第1トナー像)は、図10(d)に示したように、元の半分の濃度に設定された写真画像I1を含むものとなる。ここで、図10(d)には明記していないが、この黒の第1トナー像は、図8(d)に示したものと同じく、副走査方向SSに濃淡の波打ちが生じたものとなる。その結果、中間転写ベルト20上に形成される黒の第1トナー像では、副走査方向SSに対し、現像ロール42(現像スリーブ42a)のロール回転周期Trに対応した濃淡の波打ちが存在することになる。
また、第2露光データ(黒用の第2露光信号k2)を用いて得られる第2トナー像(黒の第2トナー像)は、図10(e)に示すように、元の半分の濃度に設定された写真画像I1と、濃度が元のままに設定されたテキスト画像I2および線画像I3を含むものとなる。ここで、図10(e)には明記していないが、この黒の第2トナー像には、図8(e)に示したものと同じく副走査方向SSに濃淡の波打ちが生じたものとなる。その結果、中間転写ベルト20上に形成される黒の第2トナー像では、副走査方向SSに対し、現像ロール42(現像スリーブ42a)のロール回転周期Trに対応し且つ黒の第1トナー像とは濃淡の状態が反転した濃淡の波打ちが存在することになる。
したがって、中間転写ベルト20上で黒の第1トナー像と黒の第2トナー像とを重ね合わせた重ねトナー像(黒の重ねトナー像)は、図10(f)に示すように、写真画像I1に対応するトナー像については、副走査方向SSに対する黒の第1トナー像の濃淡と黒の第2トナー像の濃淡とが相殺されたものとなる。これに対し、図10(f)に示す黒の重ねトナー像において、テキスト画像I2および線画像I3に対応するトナー像については、副走査方向SSに対する濃淡が存在し得ることになる。ただし、テキスト画像I2や線画像I3はベタ画像で構成されることが多いため、副走査方向SSの濃淡は目立ちにくい。また、テキスト画像I2および線画像I3の両者をそれぞれ半分ずつにして黒の第1露光データと黒の第2露光データとに振り分けた場合には、一次転写等において主走査方向FSあるいは副走査方向SSにレジずれが発生した場合に、黒の第1トナー像と黒の第2トナー像とを中間転写ベルト20上で重ね合わせた黒のトナー像に生じるにじみが目立ちやすくなってしまう。このような理由により、図10に示す例では、写真画像I1については第1露光データと第2露光データの両者に振り分けを行う一方、テキスト画像I2および線画像I3については、第2露光データの一者に振り分けを行っている。
ここで、テキスト画像I2および線画像I3を、第1露光データではなく第2露光データに振り分けているのは、次の理由による。
本実施の形態の高画質モードでは、中間転写ベルト20に対し、色毎に2回ずつトナー像を一次転写している。黒を例に挙げると、中間転写ベルト20に黒の第1トナー像を一次転写した後、中間転写ベルト20上の黒の第1トナー像に重ねて、黒の第2トナー像を一次転写することになる。ここで、テキスト画像I2および線画像I3を第1露光データに振り分けた場合、中間転写ベルト20上に一次転写された黒の第1トナー像(テキスト画像I2および線画像I3を含む)が、黒の第2トナー像を一次転写する際に一次転写領域を通過することになる。そして、黒の第2トナー像を一次転写するために一次転写領域を通過する際に、中間転写ベルト20上の黒の第1トナー像が、感光体ドラム11側に逆転移し、得られる黒のトナー像の濃度が低下するおそれがある。これに対し、テキスト画像I2および線画像I3を第2露光データに振り分けた場合は、このような懸念は生じないことになる。そこで、本実施の形態では、テキスト画像I2および線画像I3を、第1露光データではなく第2露光データに振り分けている。ただし、これに限られるものではなく、テキスト画像I2および線画像I3を、第1露光データに振り分けてもかまわない。
なお、図8〜図10に示す例では、黒の単色のトナー像を形成する場合を例として説明を行ったが、これに限られるものではない。すなわち、イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒を含むフルカラーのトナー像を形成する場合においても、最終的に得られるフルカラーの重ねトナー像において、現像スリーブ42aの偏心等に起因する副走査方向SSの濃度ムラを抑制することができる。
また、本実施の形態では、高画質モードにおいて、イエローの第1トナー像→イエローの第2トナー像→マゼンタの第1トナー像→マゼンタの第2トナー像→シアンの第1トナー像→シアンの第2トナー像→黒の第1トナー像→黒の第2トナー像の順で画像形成を行っていたが、これに限られるものではない。例えば、イエローの第1トナー像→マゼンタの第1トナー像→シアンの第1トナー像→黒の第1トナー像→イエローの第2トナー像→マゼンタの第2トナー像→シアンの第2トナー像→黒の第2トナー像の順で画像形成を行ってもよい。そして、イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の形成順についても、変更して差し支えない。
さらに、本実施の形態では、高画質モードにおいて、取得した印刷データに基づいて2つの露光データ(第1露光データおよび第2露光データ)を作成し、各色について2回ずつトナー像の形成を行うようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、取得した印刷データに基づいて4つに分割した露光データ(第1露光データ〜第4露光データ)を作成し、各色について4回ずつトナー像の形成を行うようにしてもかまわない。
<実施の形態2>
図11は、実施の形態2が適用された画像形成装置の概略構成を示した図である。
この画像形成装置は、例えば電子写真方式にて各色トナー像を形成する複数(本実施の形態では4つ)の画像形成ユニット110(具体的には110Y、110M、110C、110K)と、各画像形成ユニット110で形成された各色トナー像を転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト120とを備えている。また、この画像形成装置は、中間転写ベルト120に一次転写された重ねトナー像を用紙に二次転写する二次転写部130と、二次転写された画像を用紙上に定着させる定着装置150と、画像形成装置を構成する各部の動作を制御する制御部160とを有している。
画像形成ユニット110すなわちイエロー(Y)の画像形成ユニット110Y、マゼンタ(M)の画像形成ユニット110M、シアン(C)の画像形成ユニット110Cおよび黒(K)の画像形成ユニット110Kは、使用されるトナーの色を除き、共通の構成を有している。そこで、イエローの画像形成ユニット110Yを例に説明を行う。
イエローの画像形成ユニット110Yは、A方向に回転可能に設けられた感光体ドラム111を具備している。また、イエローの画像形成ユニット110Yは、この感光体ドラム111の周囲にA方向に沿って設けられた、帯電ロール112、露光装置113、現像器114、一次転写ロール115およびドラム清掃装置116を有している。
ここで、感光体ドラム111、帯電ロール112、露光装置113、現像器114、一次転写ロール115およびドラム清掃装置116の構成は、それぞれ、実施の形態1で説明した感光体ドラム11、帯電ロール12、露光装置13、現像器(例えばイエローの現像器14Y:図2参照)、一次転写ロール15およびドラム清掃装置16と共通である。
次に、中間転写ベルト120は、複数(本実施の形態では6つ)のロール121〜126に回転可能に掛け渡されている。これら複数のロールのうち、駆動ロール121は、中間転写ベルト120を張架するとともに、中間転写ベルト120をB方向に回転駆動する。また、従動ロール122、123、126は、中間転写ベルト120を張架するとともに、駆動ロール121によって駆動される中間転写ベルト120に従動して回転する。補正ロール124は、中間転写ベルト120を張架するとともに、中間転写ベルト120の搬送方向に交差する幅方向の蛇行を規制するステアリングロールとして機能する。さらに、バックアップロール125は、中間転写ベルト120を張架するとともに、後述する二次転写部130の構成部材として機能する。そして、中間転写ベルト120を挟んで駆動ロール121と対向する部位には、二次転写後の中間転写ベルト120上の付着物(トナー等)を除去するベルト清掃装置127が配置される。
二次転写部130は、中間転写ベルト120のトナー像転写面側に接触して配置される二次転写ロール131と、中間転写ベルト120の裏面側に配置されて二次転写ロール131の対向電極をなすバックアップロール125とを備えている。
そして、本実施の形態では、二次転写部130を構成する二次転写ロール131が、中間転写ベルト120に対して進退できるように構成されている。これにより、二次転写ロール131は、中間転写ベルト120に対して接触状態あるいは非接触状態に設定され得るようになっている。
また、本実施の形態では、ベルト清掃装置127も、中間転写ベルト120に対して進退できるように構成されている。これにより、ベルト清掃装置127は、中間転写ベルト120に対して接触状態あるいは非接触状態に設定され得るようになっている。
さらに、定着装置150は、加熱ロール151と加圧ロール152とを有する。ここで、これら加熱ロール151および加圧ロール152は、実施の形態1で説明した加熱ロール51および加圧ロール52と共通である。
また、本実施の形態の画像形成装置の制御系は、基本的に、実施の形態1で説明したものと同じである(図3参照)。ただし、本実施の形態の画像形成装置では、回転式現像装置14を採用していないことから、現像装置駆動モータ84を設けていない。
また、本実施の形態では、各画像形成ユニット110の現像器114に設けられる現像ロールの現像スリーブ(図2に示す現像ロール42の現像スリーブ42a)の回転周期であるロール回転周期Trと、中間転写ベルト120の回転周期であるベルト回転周期Tbとが、Tb=40.5Trに設定されている。すなわち、この画像形成装置においても、ベルト回転周期Tbとロール回転周期Trとが、Tb=(n+0.5)×Tr(nは正の整数)の関係を満足するようになっている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置においても、実施の形態1と同じく、通常画質モードおよび高画質モードでの画像形成動作が可能である、また、これら通常画質モードおよび高画質モードは、図5に示すフローチャートにしたがって設定且つ実行される。
次に、上述した各画質モードにおける画像形成動作について、具体的に説明を行う。なお、ここでは、図11に示す画像形成装置を用い、1枚のシートSに対し、イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒を含む4色のフルカラー画像を形成する場合を例とする。また、初期状態において、二次転写ロール131およびベルト清掃装置127は中間転写ベルト120から離れている。
では、通常画質モードにおける画像形成動作の手順について説明を行う。
イエローの画像形成ユニット110Yでは、矢印A方向に回転する感光体ドラム111が、帯電ロール112に供給される帯電バイアスによって帯電電位に帯電される。次に、露光装置113による露光が開始され、帯電電位に帯電された状態でA方向に回転する感光体ドラム111は、露光装置113から出射される光によって画像部が選択的に露光される。このとき、図5のステップ70で作成した露光データのうち、イエローに対応して作成されたものがイエロー用の露光信号として供給される。その結果、帯電および露光が行われた感光体ドラム111には、帯電電位を背景部とし、帯電電位を画像部とする、イエロー用の静電潜像が形成される。
続いて、感光体ドラム111に形成されたイエロー用の静電潜像は、感光体ドラム111のA方向への回転に伴って、現像器114と対向する現像領域を通過する。このとき現像器114から感光体ドラム111に対し、露光電位となっている画像部に選択的にイエローのトナーが転移する。その結果、現像領域を通過した感光体ドラム111には、イエロー用の静電潜像に応じたイエローのトナー像が現像される。
次に、感光体ドラム111上に現像されたイエローのトナー像は、感光体ドラム111のA方向への回転に伴って、中間転写ベルト120を挟んで一次転写ロール115と対向する一次転写領域に到達する。このとき、一次転写ロール115に一次転写バイアスが供給されることにより、A方向に回転する感光体ドラム111上に形成されたイエローのトナー像は、矢印B方向に回転する中間転写ベルト120上に一次転写(静電転写)される。なお、一次転写後に感光体ドラム111上に残存するトナー等の付着物は、感光体ドラム111のさらなるA方向への回転に伴ってドラム清掃装置116との対向部に到達し、ドラム清掃装置116によって除去される。
また、他のマゼンタの画像形成ユニット110M、シアンの画像形成ユニット110Cおよび黒の画像形成ユニット110Kにおいても、イエローの画像形成ユニット110Yと同じく、帯電、露光、現像、一次転写および清掃が行われる。このとき、図5のステップ70で作成された露光データのうち、マゼンタに対応して作成されたものがマゼンタ用の露光信号として、シアンに対応して作成されたものがシアン用の露光信号として、黒に対応して作成されたものが黒用の露光信号として、それぞれ供給される。そして、それぞれにおける画像形成のタイミングをずらすことで、中間転写ベルト120上には、これらイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の各色トナー像を重ね合わせた重ねトナー像が形成される。
このようにして中間転写ベルト120上に一次転写された重ねトナー像は、中間転写ベルト120のB方向への回転に伴って、中間転写ベルト120を挟んで二次転写ロール131とバックアップロール125とが対向する二次転写領域に向かう。また、中間転写ベルト120上の重ねトナー像が二次転写領域に到達する前に、二次転写ロール131およびベルト清掃装置127が、中間転写ベルト120と接する位置に移動する。
一方、シートSは、中間転写ベルト120上の重ねトナー像が二次転写領域に到達するタイミングに合わせて、二次転写領域へと搬送される。
このとき、二次転写部130を構成するバックアップロール125には二次転写バイアスが供給されている。そして、二次転写領域において、二次転写ロール131とバックアップロール125との間に形成される二次転写電界の作用で、中間転写ベルト120上の重ねトナー像がシートSに二次転写(静電転写)される。
その後、重ねトナー像が二次転写されたシートSは、定着装置150へと搬送され、シートS上の重ねトナー像は、定着装置150によって定着される。なお、二次転写後に中間転写ベルト120上に残存するトナー等の付着物は、中間転写ベルト120のさらなるB方向への回転に伴ってベルト清掃装置127との対向するクリーニング領域に到達し、ベルト清掃装置127によって除去される。
以上により、通常画質モードにおける、1枚のシートSに対するフルカラー画像の形成が完了する。
このように、本実施の形態の通常画質モードでは、中間転写ベルト120の1回転目に、イエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像および黒のトナー像を含む重ねトナー像が、中間転写ベルト120に一次転写される。また、本実施の形態の通常画質モードでは、中間転写ベルト120の1回転目に、中間転写ベルト120上の重ねトナー像がシートSに二次転写される。
次に、高画質モードにおける画像形成動作の手順について説明を行う。
イエローの画像形成ユニット110Yでは、矢印A方向に回転する感光体ドラム111が、帯電ロール112によって帯電される。次に、露光装置113による露光が開始され、帯電された状態でA方向に回転する感光体ドラム111は、露光装置113から出射される光によって画像部が選択的に露光される。このとき、図5のステップ50で作成した第1露光データのうち、イエローに対応して作成されたものがイエロー用の第1露光信号として供給される。その結果、帯電および露光が行われた感光体ドラム111には、イエロー用の第1静電潜像が形成される。
続いて、感光体ドラム111に形成されたイエロー用の第1静電潜像は、感光体ドラム111のA方向への回転に伴って、現像器114と対向する現像領域を通過する。そして、現像領域を通過した感光体ドラム111には、イエロー用の第1静電潜像に応じたイエローの第1トナー像が現像される。
次に、感光体ドラム111上に現像されたイエローの第1トナー像は、感光体ドラム111のA方向への回転に伴って一次転写領域に到達する。このとき、一次転写ロール115に一次転写バイアスが供給されることにより、A方向に回転する感光体ドラム111上に形成されたイエローの第1トナー像は、矢印B方向に回転する中間転写ベルト120上に一次転写(静電転写)される。なお、一次転写後に感光体ドラム111上に残存するトナー等の付着物は、ドラム清掃装置116によって除去される。
また、他のマゼンタの画像形成ユニット110M、シアンの画像形成ユニット110Cおよび黒の画像形成ユニット110Kにおいても、イエローの画像形成ユニット110Yと同じく、帯電、露光、現像、一次転写および清掃が行われる。このとき、図5のステップ50で作成された第1露光データのうち、マゼンタに対応して作成されたものがマゼンタ用の第1露光信号として、シアンに対応して作成されたものがシアン用の第1露光信号として、黒に対応して作成されたものが黒用の第1露光信号として、それぞれ供給される。そして、それぞれにおける画像形成のタイミングをずらすことで、中間転写ベルト120上には、これらイエローの第1トナー像、マゼンタの第1トナー像、シアンの第1トナー像および黒の第1トナー像を重ね合わせた重ねトナー像(第1重ねトナー像)が形成される。
このようにして中間転写ベルト120上に一次転写された重ねトナー像は、中間転写ベルト120のB方向への回転に伴って、中間転写ベルト120を挟んで二次転写ロール131とバックアップロール125とが対向する二次転写領域に向かう。ただし、高画質モードでは、上述した通常画質モードとは異なり、中間転写ベルト120上の第1重ねトナー像が二次転写領域およびベルト清掃装置127と対向するクリーニング領域を通過する間、二次転写ロール131およびベルト清掃装置127が、中間転写ベルト120と離れた位置に配置されたままとなる。これに伴い、中間転写ベルト120上に形成された第1重ねトナー像は、再度一次転写領域に向かう。
一方、イエローの画像形成ユニット110Yでは、矢印A方向に回転する感光体ドラム111が、帯電ロール112によって帯電される。次に、露光装置113による露光が開始され、帯電された状態でA方向に回転する感光体ドラム111は、露光装置113から出射される光によって画像部が選択的に露光される。このとき、図5のステップ50で作成した第2露光データのうち、イエローに対応して作成されたものがイエロー用の第2露光信号として供給される。その結果、帯電および露光が行われた感光体ドラム111には、イエロー用の第2静電潜像が形成される。
続いて、感光体ドラム11に形成されたイエロー用の第2静電潜像は、感光体ドラム111のA方向への回転に伴って、現像器114と対向する現像領域を通過する。そして、現像領域を通過した感光体ドラム111には、イエロー用の第2静電潜像に応じたイエローの第2トナー像が現像される。
次に、感光体ドラム111上に現像されたイエローの第2トナー像は、感光体ドラム111のA方向への回転に伴って一次転写領域に到達する。このとき、一次転写ロール115に一次転写バイアスが供給されることにより、A方向に回転する感光体ドラム111上に形成されたイエローの第2トナー像は、矢印B方向に回転する中間転写ベルト120上に一次転写(静電転写)される。なお、一次転写後に感光体ドラム111上に残存するトナー等の付着物は、ドラム清掃装置116によって除去される。
また、他のマゼンタの画像形成ユニット110M、シアンの画像形成ユニット110Cおよび黒の画像形成ユニット110Kにおいても、イエローの画像形成ユニット110Yと同じく、帯電、露光、現像、一次転写および清掃が行われる。このとき、図5のステップ50で作成された第2露光データのうち、マゼンタに対応して作成されたものがマゼンタ用の第2露光信号として、シアンに対応して作成されたものがシアン用の第2露光信号として、黒に対応して作成されたものが黒用の第2露光信号として、それぞれ供給される。そして、それぞれにおける画像形成のタイミングをずらすことで、中間転写ベルト120上には、既に一次転写されている第1重ねトナー像の上に、これらイエローの第2トナー像、マゼンタの第2トナー像、シアンの第2トナー像および黒の第2トナー像を重ね合わせた重ねトナー像(第2重ねトナー像)が形成される。その結果、中間転写ベルト120上には、第1重ねトナー像と第2重ねトナー像とを重ねた重ねトナー像が形成される。
このようにして中間転写ベルト120上に一次転写された重ねトナー像は、中間転写ベルト20のB方向への回転に伴って二次転写領域に向かう。また、中間転写ベルト120上の重ねトナー像が二次転写領域に到達する前に、二次転写ロール131およびベルト清掃装置127が、中間転写ベルト120と接する位置に移動する。
一方、シートSは、中間転写ベルト120上の重ねトナー像が二次転写領域に到達するタイミングに合わせて、二次転写領域へと搬送される。
そして、二次転写領域において、二次転写ロール131とバックアップロール125との間に形成される二次転写電界の作用で、中間転写ベルト120上の重ねトナー像がシートSに二次転写(静電転写)される。
その後、重ねトナー像が二次転写されたシートSは、定着装置150へと搬送され、シートS上の重ねトナー像は、定着装置150によって定着される。なお、二次転写後に中間転写ベルト120上に残存するトナー等の付着物は、中間転写ベルト120のさらなるB方向への回転に伴ってクリーニング領域に到達し、ベルト清掃装置127によって除去される。
以上により、高画質モードにおける、1枚のシートSに対するフルカラー画像の形成が完了する。
このように、本実施の形態の高画質モードでは、中間転写ベルト120の1回転目に、イエローの第1トナー像、マゼンタの第1トナー像、シアンの第1トナー像および黒の第1トナー像を含む第1重ねトナー像が、中間転写ベルト120に一次転写される。また、本実施の形態の高画質モードでは、中間転写ベルト120の2回転目に、イエローの第2トナー像、マゼンタの第2トナー像、シアンの第2トナー像および黒の第2トナー像を含む第2重ねトナー像が中間転写ベルト120に一次転写され、中間転写ベルト120上に第1重ねトナー像と第2重ねトナー像とを重ね合わせた重ねトナー像が形成されることになる。そして、本実施の形態の高画質モードでは、中間転写ベルト120の2回転目に、中間転写ベルト120上の重ねトナー像がシートSに二次転写される。
本実施の形態においても、高画質モードにて画像形成を行うことで、現像スリーブ42aの偏心等に起因する副走査方向SSの濃度ムラを抑制することができる。
ここで、実施の形態1および2は、現像スリーブ42a(回転体の一例)を用いて画像を形成する画像形成装置において、制御部60が、入力されてくる印刷データ(1つの版の一例)を複数回(例えば2回)に分けて中間転写ベルト20(同一媒体の一例)に画像を形成する際に、これら複数回の各版の画像形成時の版基準位置Pに対する現像スリーブ42aの位相が互いに反転(180°)した組み合わせとなるように制御しているものとして把握することができる。
なお、実施の形態1、2では、現像スリーブ42aを回転駆動する現像スリーブ駆動モータ85と、中間転写ベルト20(中間転写ベルト120)を回転する中間転写ベルト駆動モータ88とを設けるようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、現像スリーブ42aおよび中間転写ベルト20(中間転写ベルト120)を、共通のモータで駆動するようにしてもよい。この構成を採用した場合には、現像スリーブ42aと中間転写ベルト20(中間転写ベルト120)との周速比のずれを低減できることになり、ロール回転周期Trとベルト回転周期Tbとのずれを抑制することが可能になる。
また、実施の形態1、2では、4色の画像形成装置を例として説明を行ったが、これに限られるものではない。すなわち、上述した構成を、単色(モノクロ)を含む3色以下の画像形成装置または5色以上の画像形成装置に適用してもかまわない。
さらに、実施の形態1、2では、第1回転体(回転体)を現像スリーブ42aに、第2回転体(同一媒体)を中間転写ベルト20(中間転写ベルト120)に、それぞれ適用した場合を例として説明を行ったが、これに限られるものではない。
例えば、第1回転体(回転体)を感光体ドラム11(感光体ドラム111)とし、第2回転体(同一媒体)を中間転写ベルト20(中間転写ベルト120)とした場合にも、本発明を適用することができる。また、第1回転体(回転体)を駆動ロール24(駆動ロール121)とし、第2回転体(同一媒体)を中間転写ベルト20(中間転写ベルト120)とした場合にも、本発明を適用することができる。さらに、第1回転体(回転体)を帯電ロール12(帯電ロール112)とし、第2回転体(同一媒体)を中間転写ベルト20(中間転写ベルト120)とした場合にも、本発明を適用することができる。さらにまた、第1回転体(回転体)を一次転写ロール15(一次転写ロール115)とし、第2回転体(同一媒体)を中間転写ベルト20(中間転写ベルト120)とした場合にも、本発明を適用することができる。