JP6557582B2 - 人体電位検出装置、眼鏡型電子機器、人体電位検出方法およびプログラム - Google Patents
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Description
このような人体の皮膚電気活動を人体の皮膚の電位を検出することで把握し、これらを使って様々な処理を行いたいという要請がある。
このようなパラメータとして、例えば顔面の眼球の周辺の複数の位置に電極を接触させて眼電位を検出し、それを基に様々な情報を得る場合がある。
ところで、人体は大きなノイズ源であり、皮膚から取得した電位には、人体に起因するノイズ成分が含まれる。このようなノイズ成分が含まれると、人体の皮膚の電位を基に高精度な人体の状態を特定できない。
そのため、このようなノイズ成分を除去するために、皮膚の複数の部位から得られた電位の差分をとることで、当該複数の部位に生じる同相のノイズ成分を除去する方法がある。当該方法は、複数の部位における電極との接触状態が均一であり、複数の電極の電位のレベルが同じであれば効果がある。
そのため、上述したように複数の電極の電位の差分をそのままとると、各電極の電位レベル相異に起因して、その差分は、ノイズレベルが増幅されたものになり、高精度な皮膚電位が得られないという問題がある。
この構成によれば、眼鏡型電子機器において、上述した本発明の人体電位検出装置の作用・効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態に係る眼鏡1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る眼鏡1の外観斜視図である。図2は、図1に示す眼鏡1の機能ブロック図である。
また、テンプル11のモダン37側には、収容ボックス53が固定されている。
右鼻電極61は、使用者が眼鏡1を装着した状態で使用者の鼻筋の右側面に接触し(押し付けられ)、当該接触した皮膚の電位である眼電位を検出する。
左鼻電極63は、使用者が眼鏡1を装着した状態で使用者の鼻筋の左側面に接触し、当該接触した皮膚の電位である眼電位を検出する。
右鼻電極61と左鼻電極63とは、眼鏡1の使用時の使用者の鼻を正面から見たときの左右対称の位置に配置されている。
右鼻電極61、左鼻電極63および眉間電極65は、接触対象の人体部位の形状に適した形状で形成されている。
収容ボックス51と収容ボックス53とは、プリント基板等の配線で電気的に接続されている。
右鼻電極61、左鼻電極63および眉間電極65から入力した眼電位(皮膚電位)、並びに加速度センサ71から入力した加速度は、使用者の発汗現象や動きに応じた電位であり、使用者の体調や、精神状態を反映したものである。そのため、眼電位および加速度と、使用者の体調や精神状態とを予め対応付け参照データを用意することで、処理回路77において、入力した使用者の眼電位および加速度と、上記参照データとを比較することで、使用者の体調や精神状態を検出できる。
一方、視線が下に移動した場合、眉間電極65の眼電位を基準とした右鼻電極61の眼電位と、眉間電極65の眼電位を基準とした左鼻電極63の眼電位が正となる。
視線が左に移動した場合、眉間電極65を基準とした右鼻電極61の眼電位が正となり、眉間電極65を基準とした左鼻電極63の眼電位が負となる。
さらに、右鼻電極61からの眼電位が負、左鼻電極63からの眼電位が正である場合には視線が右、右鼻電極61からの眼電位が正、左鼻電極63からの眼電位が負である場合は視線が左に向いたことを検出できる。
眼鏡1では、以下の構成により、これらのノイズ成分の影響をキャンセルする。
図3に示すように、処理部77は、例えば、ノイズレベル検出部91、レベル調整部93、差分検出部95および人体特性検出部97を有する。
レベル調整部93は、ノイズレベル検出部91で検出したノイズレベルを基に、上記右眼電位、上記左眼電位および上記眉間電位に含まれるノイズのレベルが相互に同じになるように、上記右眼電位、上記左眼電位および上記眉間電位のレベル(ゲイン)を調整する。これにより、右眼電位と左眼電位に含まれる人体のノイズ成分のレベルが同じになる。
なお、本発明および実施形態において、レベルが同じになるとは、レベルが完全に同一の場合の他、多少の相違はあっても処理要求精度を満たす範囲において問題がない場合をも含む概念である。
なお、眼電位のレベルとそれに含まれるノイズレベルとは比例するため、ノイズレベル検出部91は、眼電位のレベルを検出することで、実質的にノイズレベルを検出するようにしてもよい。
その他、差分検出部95は、レベル調整部93でレベル調整した後の右眼電位と眉間電位との第1の差分電位と、左眼電位と眉間電位との第2の差分電位とを検出用眼電位として生成してもよい。当該検出用眼電位では、ノイズ成分が効果的に除去されている。
図4は、本発明の実施形態に係る眼鏡1の瞬目検出の動作を説明するためのフローチャートである。
先ず、使用者が眼鏡1を装着し、使用者の鼻筋の右側面に右鼻電極61が接触し、左側面に左鼻電極63が接触する。また、使用者の眉間に眉間電極65が接触する。
これにより、右鼻電極61、左鼻電極63および眉間電極65が、それぞれ使用者の右鼻側面の皮膚の電位(右眼電位)、左鼻側面の皮膚の電位(左眼電位)および眉間の皮膚の電位(眉間電位)となる。
そして、これらの右眼電位、左眼電位および眉間眼電位が処理部77に出力(伝達)される。
処理部77は、右鼻電極61、左鼻電極63および眉間電極65から、それぞれ右眼電位、左眼電位および眉間眼電位を入力したと判断すると、ステップST12に進む。
ノイズレベル検出部91は、右鼻電極61からの右眼電位、左鼻電極63からの左眼電位および眉間電極65からの眉間電位のノイズレベル(分散レベル)をそれぞれ検出する。
レベル調整部93は、ノイズレベル検出部91で検出したノイズレベルを基に、上記右眼電位、上記左眼電位および上記眉間電位に含まれるノイズのレベルが相互に同じになるように、上記右眼電位、上記左眼電位および上記眉間電位のレベル(ゲイン)を調整する。これにより、右眼電位と左眼電位に含まれる人体のノイズ成分のレベルが同じになる。
差分検出部95は、レベル調整部93でレベル調整した後の右眼電位と左眼電位との差分電位を検出用眼電位として生成する。当該検出用眼電位では、ノイズ成分が効果的に除去されている。すなわち、ステップST13において、右眼電位および左眼電位に含まれるノイズ成分が同じになるように調整され、且つこれらは同相であるため、右眼電位と左眼電位との差分電位では、ノイズ成分が除去されている。
人体特性検出部97は、差分検出部95で検出した検出用眼電位を基に、人体の様々な状態を判断する。人体の様々な状態には、視線や瞬目等がある。上述したように、検出用眼電位は、ノイズが除去されたものであるため、これを基に高精度な判定ができる。
また、眼鏡1によれば、収容ボックス53内に加速度センサ71、通信部73、バッテリー75および処理部77を収容するため、優れたデザイン性を有すると共に、日常で違和感なく装着できる。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、右鼻電極61および左鼻電極63の代わりに、鼻背に接触する電極を設けてもよい。また、眉間電極65の代わりに、鼻根に接触する電極を設けてもよい。
11,13…テンプル
21,23…レンズ
31,33…リム
37,39…モダン
35…ブリッジ
45,47…丁番
51,53…収容ボックス
61…右鼻電極
63…左鼻電極
65…眉間電極
71…加速度センサ
73…通信部
75…バッテリー
77…処理部
91…ノイズレベル検出部
93…レベル調整部
95…差分検出部
97…人体特性検出部
Claims (6)
- 鼻背の両側面の左右対称位置の第1の眼電位および第2の眼電位をそれぞれ検出する眼電位検出手段と、
前記眼電位検出手段が検出した前記第1の眼電位および前記第2の眼電位の分散レベルをノイズレベルとしてそれぞれ検出するノイズレベル検出手段と、
前記第1の眼電位の前記ノイズレベルと前記第2の眼電位の前記ノイズレベルとが同じになるように、前記第1の眼電位および前記第2の眼電位のレベルを調整するレベル調整手段と、
前記レベル調整手段でレベルを調整した後の前記第1の眼電位と前記第2の眼電位との差分電位を生成する差分手段と
を有する人体電位検出装置。 - 鼻背の両側面の左右対称位置の第1の眼電位および第2の眼電位、並びに、鼻根または眉間の第3の眼電位をそれぞれ検出する眼電位検出手段と、
前記眼電位検出手段が検出した前記第1の眼電位、前記第2の眼電位及び前記第3の眼電位の分散レベルをノイズレベルとしてそれぞれ検出するノイズレベル検出手段と、
前記第1の眼電位のノイズレベルと前記第3の眼電位の前記ノイズレベルとが同じになるように前記第1の眼電位および前記第3の眼電位のレベルを調整し、前記第2の眼電位のノイズレベルと前記第3の眼電位の前記ノイズレベルとが同じになるように前記第2の眼電位および前記第3の眼電位のレベルを調整するレベル調整手段と、
前記レベル調整手段でレベルを調整した後の前記第1の眼電位と前記第3の眼電位との第1の差分電位を生成し、レベルを調整した後の前記第2の眼電位と前記3の眼電位との第2の差分電位を生成する差分手段と
を有する人体電位検出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の人体電位検出装置を備えた眼鏡型電子機器。
- 鼻背の両側面の左右対称位置の第1の眼電位および第2の眼電位をそれぞれ入力する工程と、
入力した前記第1の眼電位および前記第2の眼電位の分散レベルをノイズレベルとしてそれぞれ検出する工程と、
前記第1の眼電位の前記ノイズレベルと前記第2の眼電位の前記ノイズレベルとが同じになるように、前記第1の眼電位および前記第2の眼電位のレベルを調整する工程と、
レベルを調整した後の前記第1の眼電位と前記第2の眼電位との差分電位を生成する工程と
を有する人体電位検出方法。 - 鼻背の両側面の左右対称位置の第1の眼電位および第2の眼電位、並びに、鼻根または眉間の第3の眼電位をそれぞれ入力する工程と、
入力した前記第1の眼電位、前記第2の眼電位及び前記第3の眼電位の分散レベルをノイズレベルとしてそれぞれ検出する工程と、
前記第1の眼電位のノイズレベルと前記第3の眼電位の前記ノイズレベルとが同じになるように前記第1の眼電位および前記第3の眼電位のレベルを調整し、前記第2の眼電位のノイズレベルと前記第3の眼電位の前記ノイズレベルとが同じになるように前記第2の眼電位および前記第3の眼電位のレベルを調整する工程と、
レベルを調整した後の前記第1の眼電位と前記第3の眼電位との第1の差分電位を生成し、レベルを調整した後の前記第2の眼電位と前記3の眼電位との第2の差分電位を生成する工程と
を有する人体電位検出方法。 - 請求項4または請求項5に記載の人体電位検出方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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