JP6555335B2 - 発光装置及び発光装置の製造方法 - Google Patents
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また、本実施形態に係る発光装置は、基板と、前記基板の一方の面上にn型半導体層及びp型半導体層が積層されてなる発光素子構造と、前記発光素子構造上に配置された、前記n型半導体層と電気的に接続されたn側外部接続用電極、及び、前記p型半導体層と電気的に接続されたp側外部接続用電極と、前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極が配置された領域を除く前記発光素子構造上に配置され、前記基板の側面及び前記発光素子構造の側面に接して、前記基板の側面及び前記発光素子構造の側面を包囲するように設けられた、前記発光素子構造が発光する光の少なくとも一部を、異なる波長の光に変換して出射する波長変換部材と、前記波長変換部材の側面及び底面に接して、前記波長変換部材の側面を包囲するように設けられ、断面視でU字状に、一体的な樹脂層として設けられている光反射性の反射部材と、を有する構成とした。
また、本実施形態に係る発光装置の製造方法は、基板と、前記基板の一方の面上にn型半導体層とp型半導体層とが積層されてなる発光素子構造とを個片化する工程と、前記発光素子構造の側面、前記基板の側面及び前記基板の他方の面を覆うように蛍光体層を形成する工程と、前記蛍光体層の前記基板の前記他方の面と対向する面と反対側の面を研磨又は研削する工程と、前記発光素子構造に対して、n側外部接続用電極を前記n型半導体層と、p側外部接続用電極を前記p型半導体層と、それぞれ電気的に接続する工程と、前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極、前記蛍光体層の側面が覆われるように反射層を形成する工程と、前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極が露出するように、前記反射層を前記基板の前記一方の面と対向する面と反対側の面を研磨又は研削する工程と、前記反射層及び前記発光素子構造を個片化する工程と、をこの順で有する。
また、本実施形態に係る発光装置の製造方法は、基板の一方の面上にn型半導体層とp型半導体層とが積層されてなる発光素子構造に対して、n側外部接続用電極をn型半導体層と、p側外部接続用電極をp型半導体層と、それぞれ電気的に接続する工程と、n側外部接続用電極及びp側外部接続用電極、発光素子構造の側面、基板の側面を覆うように発光素子構造に蛍光体層を形成する工程と、n側外部接続用電極及びp側外部接続用電極が露出するように、蛍光体層の、基板の一方の面と対向する面と反対側の面を研磨又は研削する工程と、蛍光体層、発光素子構造及び基板を個片化する工程と、蛍光体層の側面及び基板の他方の面を覆うように断面視でU字状に、一体的な樹脂層として反射層を形成する工程と、をこの順で有する。
さらに前記した課題を解決するために、第1の開示に係る発光装置は、基板と、前記基板上にn型半導体層とp側半導体層とが積層された発光素子構造とを備えた発光素子を有し、前記発光素子の前記発光素子構造を有する面側に、前記n型半導体層と電気的に接続されたn側外部接続用電極と、前記p型半導体層と電気的に接続されたp側外部接続用電極とが配置され、前記発光素子からの光取り出し面である前記発光素子の一方の面上に、前記発光素子が発光する光の少なくとも一部を、異なる波長の光に変換して出射する波長変換部材を備えた発光装置であって、前記発光素子の他方の面を被覆するとともに、前記発光素子の側面を包囲するように設けられた光反射性の反射部材を有し、前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極の外部と接続するための接続面が、前記発光素子の前記発光素子構造を備える側の面上に設けられた前記波長変換部材又は前記反射部材から露出しているように構成した。
また、第2の開示に係る発光装置によれば、発光素子の側面に接して設けられた反射部材によって、発光素子内を横方向に進行する光を直接反射して光取り出し面に導くことができるため、光取り出し効率が向上する。
また、第3の開示に係る発光装置によれば、発光装置は、実質的に光取り出し面である上面又は下面のみから光を取り出すことができるため、発光色の配光分布のむら、すなわち色むらの少ない発光をすることができる。
また、第4の開示又は第5の開示に係る発光装置によれば、波長変換部材及び反射部材が発光装置から剥離しにくく構成されているため、安定した発光色や出力で発光することができる。
また、第6の開示に係る発光装置によれば、フェイスダウン実装型の発光装置となるため、光取り出し面側における外部接続用電極による遮光を回避して、効率的に光を外部に取り出すことができる。また、外部接続用電極を介して効率的に放熱するため、放熱性に優れた発光装置とすることができる。
〔発光素子の構造〕
本発明の第1実施形態における発光装置の構造を、図1を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る発光装置10はLEDであり、基板1と、基板1上(図1において下側)に積層された半導体発光素子構造(発光素子構造)2とを備えた半導体発光素子(発光素子)3と、半導体発光素子3のn側電極2n及びp側電極2pと外部の実装基板と電気的接続するためのバンプ(外部接続用電極)4n(4)、4p(4)と、光取り出し面である半導体発光素子3の上面(基板1側)に形成された蛍光層5と、半導体発光素子3の側面(すなわち、基板1の側面及び半導体発光素子構造2の側面)及び下面(半導体発光素子構造2側)を被覆する反射層6と、を備えて構成されている。
また、底面視での形状とは下方から見た形状をいい、平面視での形状とは上方から見た形状をいう。
基板1は、窒化物半導体をエピタキシャル成長させることができる基板材料で形成されればよく、大きさや厚さ等は特に限定されない。このような基板材料としては、C面、R面、A面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgA12O4)のような絶縁性基板、また炭化ケイ素(SiC)、シリコン、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板が挙げられる。また、本実施形態における発光装置10は、フェイスダウン実装をするため、発光装置10の上面側となる半導体発光素子3の裏面側(基板1側)が光取り出し面となる。従って、半導体発光素子構造2で発光した光は、基板1を透過して光取り出し面から出射されるため、基板1は、少なくとも、この光の波長に対して透明であることが好ましい。
半導体発光素子構造2は、例えば窒化ガリウム系の化合物半導体からなるn型半導体層2aと活性層2bとp型導体層2cとが積層された積層構造体を含む発光素子として機能する基本的な構造体のことである。本実施形態においては、半導体発光素子構造2は、p型半導体層2p上(図1において下側)に全面電極2dと、カバー電極2eとが積層され、基板1の同じ平面側にn型半導体層2aと電気的に接続するn側電極2nと、p型半導体層2cと電気的に接続するカバー電極2eの上面にp側電極2pとを有するLEDを構成している。
バンプ(n側外部接続用電極)4n及びバンプ(p側外部接続用電極)4pは、それぞれn側電極2n及びp側電極2pに電気的に接続されており、実装基板などの外部回路と接続するための外部接続用電極である。
バンプ4n及びバンプ4pは、基板1の同じ面側に配設され、反射層6を貫通して、外部回路との接続面である下面が露出している。
蛍光層5は、光取り出し面である発光装置10の上面側、すなわち基板1の裏面側に設けられ、半導体発光素子構造2が発光する波長の光の一部を吸収し、異なる波長の光に変換して発光する蛍光体を含有する樹脂層によって構成される波長変換部材である。
また、蛍光層5は、バインダーとなる樹脂に蛍光体を含有して形成される。また、蛍光体の他に、拡散剤を含有して構成されてもよい。更に、蛍光層5は、単層構造だけでなく、多層構造とすることもでき、異なる種類の蛍光体を含有する複数の層で構成されてもよい。また、蛍光層5の上に、拡散剤を含有する層や表面に凹凸を有する層、及び/又は凸レンズなどの透光性部材を積層してもよい。
蛍光層5に含有される蛍光体としては、窒化物半導体を活性層とする半導体発光素子3が発光する光により励起されて発光可能な、Ce(セリウム)で付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体をベースとしたものを用いることができる。具体的なイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体としては、YAlO3:Ce、Y3Al5O12Y:Ce(YAG:Ce)やY4Al2O9:Ce、更にはこれらの混合物などが挙げられる。イットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体にBa、Sr、Mg、Ca、Znの少なくとも一種が含有されていてもよい。また、Siを含有させることによって、結晶成長の反応を抑制し蛍光体の粒子を揃えることができる。
拡散剤は、半導体発光素子3及び蛍光体の発する光を効率良く拡散するために添加されるものである。具体的には、酸化チタン、酸化ケイ素、中空酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、窒化硼素を用いることができる。また、シリコーンパウダーなどの樹脂の粉末を用いてもよい。拡散剤の平均粒径は、例えば0.001μm以上かつ100μm以下とすることができ、0.005μm以上かつ50μm以下とすることが好ましい。
バインダーは、前記した蛍光体や拡散剤を、蛍光層5として半導体発光素子3の光取り出し面に結着させるための樹脂である。バインダーとなる樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましい。例えば、ジメチル系シリコーン樹脂、フェニル系シリコーン樹脂、ジメチル/フェニルのハイブリッドシリコーン樹脂、エポキシ/シリコーンのハイブリッド樹脂、フッ素樹脂、アダマンタン樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ハイブリッドエポキシ樹脂、ウレタン樹脂などを用いることができる。特に、耐熱、耐光性、透過率の高い、シリコーン樹脂、フッ素樹脂が好ましい。また、バインダーに、硬度を上げるために、ガラス成分を配合させてもよい。また、半導体発光素子3との密着性を向上させるために、密着性付与剤を加えてもよい。密着性付与剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを用いることができる。
反射層6は、半導体発光素子3が発光し、横方向又は下方向に進行する光を、光取り出し面である蛍光層5側に反射するための部材である。本実施形態では、反射層6は、半導体発光素子3の下面(半導体発光素子構造2側)を被覆するとともに、側面を包囲するように被覆し、反射材を含有する樹脂層であり、バインダーとなる樹脂に、反射材の他に、充填剤を含有して構成されてもよい。
バインダーは、前記した反射材や充填剤を、反射層6として半導体発光素子3の側面及び表面(半導体発光素子構造2側)に結着させるための樹脂である。バインダーとなる樹脂としては、前記した蛍光層5に用いるバインダーと同じものを用いることができる。
反射材は、半導体発光素子3が発光した光を反射する部材である。反射材としては、前記した蛍光層5に用いる拡散剤と同じものを用いることができる。
充填剤は、樹脂層である反射層6の強度を上げるため、及び反射層6の熱伝導率を上げるために添加されるものである。充填剤としては、ガラス繊維、ウィスカー、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化硼素、酸化亜鉛、窒化アルミニウムなどを用いることができる。
図1に示した本発明の第1実施形態に係る発光装置10は、n側電極及びp側電極と、それぞれ電気的に接続するバンプ4n及びバンプ4pを介して、実装基板の配線電極(不図示)を通して電流が供給されると、半導体発光素子3が青色光を発光する。半導体発光素子3が発光した青色光は、直接に、又は反射層6、n側電極2n、p側電極2p、全面電極2dなどによって反射されて、基板1側(図1の上方向)から蛍光層5を通過して取り出される。このとき、蛍光層5を通過する青色光の一部は、蛍光層5に含有される蛍光体によって吸収され、波長の長い黄色光に変換されて取り出される。そして、発光装置10からは、蛍光層5を波長変換されずに通過する青色光と、蛍光層5で波長変換された黄色光とが混色された白色光が出力される。
本発明の第1実施形態における発光装置の製造方法について、図2を参照して説明する。
なお、本実施形態では、基板1上に窒化物半導体を積層した半導体発光素子構造2がマトリクス状に配列されて形成されたウエハ状態の半導体発光素子3は、公知の方法で製造するものとし、半導体発光素子3の製造工程より後の工程について図面を参照して説明する。
基板1上に半導体発光素子構造2を形成する発光素子構造形成工程S100について具体的に説明すれば、まず、サファイアなどからなる基板1上に、MOVPE法(有機金属気相成長法)を用いて、例えば、窒化ガリウム系などの化合物半導体からなる、n型半導体層2a、活性層2b及びp型半導体層2cを構成するそれぞれの半導体層を成長させる。
以上により、基板1上に半導体発光素子構造2が形成された半導体発光素子3が得られる。
次に、バンプ形成工程S101において、図3(a)に示すように、半導体発光素子構造2の上面にバンプ4を形成する。バンプ4として、n側電極2n及びp側電極2p(図1(b)参照)上に、それぞれ、バンプ4n及びバンプ4pが形成される。
図3に戻って、次に、第1個片化工程S102において、図3(b)に示すように、バンプ4を形成した半導体発光素子3をダイシングシート(不図示)に貼付し、ダイシングにより素子構造の境界線20に沿って切断し、チップ11に個片化する。
次に、チップ選別工程S103において、個片化された各チップ11について、半導体発光素子構造2のn側電極2n上及びp側電極2p(図1(b)参照)上に形成されたバンプ4に電源装置を接続してチップ11を発光させ、発光波長を測定する。そして、発光波長が所定の範囲にあるチップ11を選別する。
次に、第1キャリア貼付工程S104において、チップ選別工程S103で選別したチップ11を、バンプ4を上側にして、所定の間隔を空けて粘着シート40が貼付されたキャリア30上に配列する。キャリア30上に配列されたチップ11は、粘着シート40によってキャリア30に貼付され、その位置が保持される。
次に、反射層形成工程S105において、図3(d)に示すように、キャリア30に貼付されたチップ11の表面(半導体発光素子構造2側)及び側面に反射層6を形成する。具体的には、キャリア30を下金型50上に載置し、反射材を含有した樹脂をチップ11を配列した面上に塗布し、上金型51で挟み込む。そして、上金型51から離型できる強度が得られるまで加熱して硬化(一次硬化)させる。その後、キャリア30を上下金型50,51から取り出し、オーブンに投入して、反射層6の樹脂を十分に硬化(二次硬化)させる。
次に、反射層厚さ調整工程S106において、図3(e)に示すように、反射層6の表面(図3(e)において下側の面)を、研磨機60を用いて、研磨(又は研削)して、バンプ4を露出させるとともに、予め定めておいた研磨線61まで研磨(又は研削)して、反射層6を所定の厚さに調整する。
次に、清浄化工程S107において、図3(f)に示すように、反射層6で一体化されたチップ11をキャリア30から剥離し、研磨により生じたバリや、ごみ等を除去する。
次に、第2キャリア貼付工程S108において、図3(g)に示すように、反射層6で一体化されているチップ11を、基板1が上側になるように、粘着シート40が貼付されたキャリア30に貼付する。なお、本工程で用いるキャリア30及び粘着シート40は、第1キャリア貼付工程S104で用いたものと同様のものを用いることができる。
次に、蛍光層形成工程S109において、図3(h)に示すように、チップ11の基板1側の面に、蛍光層5を形成する。具体的には、キャリア30を下金型50上に載置し、蛍光体を含有した樹脂をチップ11の裏面上に塗布し、上金型51で挟み込んで、上金型51から離型できる強度が得られるまで加熱して硬化(一次硬化)させる。その後、キャリア30を上下金型50,51から取り出し、オーブンに投入して、蛍光層5の樹脂を十分に硬化(二次硬化)させる。
次に、蛍光層厚さ調整工程S110において、図3(i)に示すように、蛍光層5の下面(図3(i)において下側の面)を、研磨機60を用いて、予め定めておいた研磨線62まで研磨(又は研削)して、蛍光層5を所定の厚さに調整する。これにより、発光装置10の発光色の色調を調整することができる。
最後に、第2個片化工程S111において、図3(j)に示すように、反射層6及び蛍光層5により一体化されている発光装置10をダイシングシート(不図示)に貼付し、ダイシングにより発光装置10の境界線21に沿って切断して個片化する。以上の工程により、図1に示した発光装置10を製造することができる。
次に、図5を参照(適宜図1参照)して、第1実施形態に係る発光装置の変形例について説明する。
この上部4aは、研磨機60による研磨方向、すなわち側方に延伸する。また、研磨機60により、バンプ4と共に反射層6も研磨される。反射層6を構成する樹脂は、バンプ4を構成する金属よりも柔らかいため、研磨によりバンプ4はその上部4aが延伸しながら反射層6の上面と略同一の高さとなる。すなわち、研磨後の、反射層6の上面とバンプ4の上面とは、略同一面となる。
次に、図6を参照して、図3(d)に示した反射層形成工程S105の変形例について説明する。図6に示したように、本変形例では、上金型51の下面側に弾性を有する離型シート70が貼付されており、バンプ4の上面が離型シート70の面と接するか、離型シート70に食い込むように上金型51を配置する。そして、反射層6となる樹脂を上下金型50,51内に注入して反射層6を成形する。これによって、バンプ4の上面を反射層6から露出させて反射層6を形成することができるため、バンプ4の上面を露出させるための研磨工程(反射層高さ調整工程S106)を省略することができる。
〔発光装置の構造〕
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る発光装置について説明する。図8に示した第2実施形態に係る発光装置10Aは、図1に示した第1実施形態に係る発光装置10に対して、蛍光層5が、光取り出し面である半導体発光素子3の上面(基板1側)に加えて、反射層6の側面を被覆することが異なる。また、発光装置10Aは、図1に示した発光装置10と同様に、フェイスダウン実装型のLEDである。
図8に示した本発明の第2実施形態に係る発光装置10Aは、n側電極及びp側電極と、それぞれ電気的に接続するバンプ4n及びバンプ4pを介して、実装基板の配線電極(不図示)を通して電流が供給されると、半導体発光素子3が青色光を発光する。半導体発光素子3が発光した青色光は、直接に、又は反射層6、n側電極、p側電極、全面電極などによって反射されて、基板1の裏面側(図8の上方向)を被覆する蛍光層5を通過して取り出される。このとき、蛍光層5を通過する青色光の一部は、蛍光層5に含有される蛍光体によって吸収され、波長の長い黄色光に変換されて取り出される。そして、発光装置10Aからは、蛍光層5を波長変換されずに通過する青色光と、蛍光層5で波長変換された黄色光とが混色された白色光が出力される。
本発明の第2実施形態に係る発光装置の製造方法について、図9を参照して説明する。
第1実施形態に係る発光装置の製造方法と同様にして、清浄化工程S207(図10(f)参照)の後、第2個片化工程S208において、図10(g)に示すように、反射層6により一体化されたチップ11(図10(f)参照)を、反射層6を加えた素子構造の境界線21に沿って、ダイシングして切断し、チップ12に個片化する。
次に、第2キャリア貼付工程S209において、図10(h)に示すように、個片化されたチップ12を、バンプ4が下側になるように、粘着シート40が貼付されたキャリア30に貼付する。このとき、チップ12が所定の間隔を空けて配列されるように配置する。
次に、蛍光層形成工程S210において、図10(i)に示すように、チップ11の基板1側の面及び側面に、蛍光層5を形成する。
次に、蛍光層厚さ調整工程S211において、図10(j)に示すように、蛍光層5の下面(図10(j)において下側の面)を、研磨機60を用いて、予め定めておいた研磨線62まで研磨(又は研削)して、蛍光層5を所定の厚さに調整する。これにより、発光装置10Aの発光色の色調を調整することができる。
最後に、第3個片化工程S212において、図10(k)に示すように、発光装置10Aを、ダイシングにより発光装置10Aの境界線22に沿って切断し、個片化する。以上の工程により、図8に示した発光装置10Aを製造することができる。
〔発光装置の構造〕
次に、図11を参照して、本発明の第3実施形態に係る発光装置について説明する。図11に示した第3実施形態に係る発光装置10Bは、図1に示した第1実施形態に係る発光装置10に対して、蛍光層5が、光取り出し面である半導体発光素子3の裏面側に加えて、側面まで一体化された樹脂層で被覆するように構成され、更に、反射層6が、半導体発光素子3の下面(半導体発光素子構造2側)と、蛍光層5の側面及び半導体発光素子3の側面を被覆する部分の下面と、を外側から被覆することが異なる。また、発光装置10Bは、図1に示した発光装置10と同様に、フェイスダウン実装型のLEDである。
図11に示した本発明の第3実施形態に係る発光装置10Bは、n側電極及びp側電極と、それぞれ電気的に接続するバンプ4n及びバンプ4pを介して、実装基板の配線電極(不図示)を通して電流が供給されると、半導体発光素子3が青色光を発光する。半導体発光素子3が発光した青色光は、直接に、又は反射層6、n側電極、p側電極、全面電極などによって反射されて、基板1の裏面側(図11の上方向)を被覆する蛍光層5を通過して取り出される。このとき、蛍光層5を通過する青色光の一部は、蛍光層5に含有される蛍光体によって吸収され、波長の長い黄色光に変換されて取り出される。また、半導体発光素子3内を横方向に進行する光は、側面に形成された反射層6によって反射されるが、この反射の前後に側面に形成された蛍光層5を通過することにより、青色光の一部が黄色光に波長変換される。そして、発光装置10Bからは、蛍光層5を透過する青色光と、蛍光層5で波長変換された黄色光とが混色された白色光が出力される。
本発明の第3実施形態に係る発光装置の製造方法について、図12を参照して説明する。
発光素子構造形成工程S300の後、第1個片化工程S301において、図13(a)に示すように、ダイシングにより素子構造の境界線20に沿って、チップ11に個片化する。
次に、チップ選別工程S302において、個片化された各チップ11について、半導体発光素子構造2のn側電極及びp側電極に電源装置を接続してチップ11を発光させ、発光波長を測定する。そして、発光波長が所定の範囲にあるチップ11を選別する。
次に、第1キャリア貼付工程S303において、図13(b)に示すように、チップ選別工程S302で選別したチップ11を、半導体発光素子構造2を下側にして、所定の間隔を空けて粘着シート40が貼付されたキャリア30上に配列する。キャリア30上に配列されたチップ11は、粘着シート40によってキャリア30に貼付され、その位置が保持される。
次に、蛍光層形成工程S304において、図13(c)に示すように、キャリア30に貼付されたチップ11の基板1側の面及び側面に蛍光層5を形成する。
次に、蛍光層厚さ調整工程S305において、図13(d)に示すように、蛍光層5の上面(図13(d)において下側の面)を、研磨機60を用いて、研磨(又は研削)して、予め定めておいた研磨線61まで研磨(又は研削)して、蛍光層5を所定の厚さに調整する。これにより、発光装置10Bの発光色の色調を調整することができる。
次に、清浄化工程S306において、図13(e)に示すように、蛍光層5で一体化されたチップ11をキャリア30から剥離し、研磨により生じたバリや、ごみ等を除去する。
次に、バンプ形成工程S307において、図13(f)に示すように、半導体発光素子構造2の上面にバンプ4を形成する。バンプ4として、不図示のn側電極及びp側電極上に、それぞれ、バンプ4n及びバンプ4pが形成される。
次に、第2個片化工程S308において、図13(g)に示すように、蛍光層5により一体化されたチップ11(図13(f)参照)を、蛍光層5を加えた素子構造の境界線21に沿って、ダイシングして切断し、チップ12に個片化する。
次に、第2キャリア貼付工程S309において、図13(h)に示すように、個片化されたチップ12を、バンプ4が上側になるように、粘着シート40が貼付されたキャリア30に貼付する。このとき、チップ12が所定の間隔を空けて配列されるように配置する。
次に、反射層形成工程S310において、図13(i)に示すように、チップ12の表面(半導体発光素子3の表面側)及び側面に、反射層6を形成する。
次に、反射層厚さ調整工程S311において、図13(j)に示すように、反射層6の上面(図13(j)において下側の面)を、研磨機60を用いて、バンプ4を露出させるとともに、予め定めておいた研磨線62まで研磨(又は研削)して、反射層6を所定の厚さに調整する。
最後に、第3個片化工程S312において、図13(k)に示すように、発光装置10Bを、ダイシングにより発光装置10Bの境界線22に沿って切断し、個片化する。以上の工程により、図11に示した発光装置10Bを製造することができる。
次に、図7(c)を参照(適宜図12及び図13参照)して、本実施形態に係る発光装置の製造方法における反射層形成工程S310の変形例について説明する。
〔発光装置の構造〕
次に、図14を参照して、本発明の第4実施形態に係る発光装置について説明する。図14に示した第4実施形態に係る発光装置10Cは、図1に示した第1実施形態に係る発光装置10に対して、蛍光層5が、光取り出し面である半導体発光素子3の上面(基板1側)を被覆するように設けられ、反射層6が、半導体発光素子3の下面(半導体発光素子構造2側)及び側面に加えて、蛍光層5の側面を被覆することが異なる。また、発光装置10Cは、図1に示した発光装置10と同様に、フェイスダウン実装型のLEDである。
図14に示した本発明の第3実施形態に係る発光装置10Cは、n側電極及びp側電極と、それぞれ電気的に接続するバンプ4n及びバンプ4pを介して、実装基板の配線電極(不図示)を通して電流が供給されると、半導体発光素子3が青色光を発光する。半導体発光素子3が発光した青色光は、直接に、又は反射層6、n側電極、p側電極、全面電極などによって反射されて、基板1の裏面側(図14の上方向)を被覆する蛍光層5を通過して取り出される。このとき、蛍光層5を通過する青色光の一部は、蛍光層5に含有される蛍光体によって吸収され、波長の長い黄色光に変換されて取り出される。そして、発光装置10Cからは、蛍光層5を波長変換されずに通過する青色光と、蛍光層5で波長変換された黄色光とが混色された白色光が出力される。
本発明の第4実施形態に係る発光装置の製造方法について、図15を参照して説明する。
発光素子構造形成工程S400の後、第1キャリア貼付工程S401において、図16(a)に示すように、ウエハ状態の半導体発光素子3を、基板1が上側になるように、粘着シート40が貼付されたキャリア30に貼付する。
次に、蛍光層形成工程S402において、図16(b)に示すように、キャリア30に貼付された半導体発光素子3の裏面(基板1側)に蛍光層5を形成する。
次に、蛍光層厚さ調整工程S403において、図16(c)に示すように、蛍光層5の下面(図16(c)において下側の面)を、研磨機60を用いて、研磨(又は研削)して、予め定めておいた研磨線61まで研磨(又は研削)して、蛍光層5を所定の厚さに調整する。これにより、発光装置10Cの発光色の色調を調整することができる。
次に、清浄化工程S404において、図16(d)に示すように、蛍光層5で一体化されたチップ11をキャリア30から剥離し、研磨により生じたバリや、ごみ等を除去する。
次に、バンプ形成工程S405において、図16(e)に示すように、半導体発光素子構造2の上面にバンプ4を形成する。バンプ4として、不図示のn側電極及びp側電極上に、それぞれ、バンプ4n及びバンプ4pが形成される。
次に、第1個片化工程S406において、図16(f)に示すように、素子構造の境界線20に沿って、ダイシングして切断し、チップ11に個片化する。
次に、チップ選別工程S407において、個片化された各チップ11について、半導体発光素子構造2のn側電極上及びp側電極上に形成されたバンプ4に電源装置を接続してチップ11を発光させ、発光波長を測定する。そして、発光波長が所定の範囲にあるチップ11を選別する。
次に、第2キャリア貼付工程S408において、図16(g)に示すように、チップ選別工程S407で選別したチップ11を、バンプ4を上側にして、所定の間隔を空けて粘着シート40が貼付されたキャリア30上に配列する。キャリア30上に配列されたチップ11は、粘着シート40によってキャリア30に貼付され、その位置が保持される。
次に、反射層形成工程S409において、図16(h)に示すように、チップ11の上面(半導体発光素子構造2側)及び側面に、反射層6を形成する。
次に、反射層厚さ調整工程S410において、図16(i)に示すように、反射層6の下面(図16(i)において下側の面)を、研磨機60を用いて、バンプ4を露出させるとともに、予め定めておいた研磨線62まで研磨(又は研削)して、反射層6を所定の厚さに調整する。
最後に、第2個片化工程S411において、図16(j)に示すように、発光装置10Cを、ダイシングにより発光装置10Cの境界線21に沿って切断し、個片化する。以上の工程により、図14に示した発光装置10Cを製造することができる。
〔発光装置の構造〕
次に、図17を参照して、本発明の第5実施形態に係る発光装置について説明する。図17に示した第5実施形態に係る発光装置10Dは、図1に示した第1実施形態に係る発光装置10がフェイスダウン実装型のLEDであるのに対して、半導体発光素子構造2が形成された面を光取り出し面とする、フェイスアップ実装型のLEDである。なお、本実施形態は、フェイスアップ実装型のLEDであるため、半導体発光素子3のp側半導体層上に形成される全面電極は、ITO(インジウム・スズ酸化物)などの透光性の導電材料を用いて形成され、半導体発光素子3の表面から光が取り出されるように構成されている。
図17に示した本発明の第5実施形態に係る発光装置10Dは、n側電極及びp側電極と、それぞれ電気的に接続するバンプ4n及びバンプ4pを介し、更にボンディングワイヤ(不図示)を介して実装基板の配線電極(不図示)を通して電流が供給されると、半導体発光素子3が青色光を発光する。半導体発光素子3が発光した青色光は、直接に、又は反射層6によって反射されて、光取り出し面である半導体発光素子3の表面側(図17の上方向)を被覆する蛍光層5を通過して取り出される。このとき、蛍光層5を通過する青色光の一部は、蛍光層5に含有される蛍光体によって吸収され、波長の長い黄色光に変換されて取り出される。そして、発光装置10Dからは、蛍光層5で波長変換されずに通過する青色光と、蛍光層5で波長変換された黄色光とが混色された白色光が出力される。
本発明の第5実施形態に係る発光装置の製造方法について、図18を参照して説明する。
発光素子構造形成工程S500の後、バンプ形成工程S501において、図19(a)に示すように、半導体発光素子構造2の上面にバンプ4を形成する。バンプ4として、不図示のn側電極及びp側電極上に、それぞれ、バンプ4n及びバンプ4pが形成される。
次に、第1キャリア貼付工程S502において、図19(b)に示すように、バンプ4が形成されたウエハ状態の半導体発光素子3を、バンプ4が上側になるように、粘着シート40が貼付されたキャリア30に貼付する。
次に、蛍光層形成工程S503において、図19(c)に示すように、キャリア30に貼付された半導体発光素子3の表面に蛍光層5を形成する。
次に、蛍光層厚さ調整工程S504において、図19(d)に示すように、蛍光層5の下面(図19(d)において下側の面)を、研磨機60を用いて、研磨(又は研削)して、バンプ4を露出させるとともに、予め定めておいた研磨線61まで研磨(又は研削)して、蛍光層5を所定の厚さに調整する。これにより、発光装置10Dの発光色の色調を調整することができる。
次に、清浄化工程S505において、図19(e)に示すように、蛍光層5が形成されたウエハ状態の半導体発光素子3をキャリア30から剥離し、研磨により生じたバリや、ごみ等を除去する。
次に、第1個片化工程S506において、図19(f)に示すように、ウエハ状態の半導体発光素子3を、素子構造の境界線20に沿って、ダイシングして切断し、チップ11に個片化する。
次に、チップ選別工程S507において、個片化された各チップ11について、半導体発光素子構造2のn側電極上及びp側電極上に形成されたバンプ4に電源装置を接続してチップ11を発光させ、発光波長を測定する。そして、発光波長が所定の範囲にあるチップ11を選別する。
次に、第2キャリア貼付工程S508において、図19(g)に示すように、チップ選別工程S507で選別したチップ11を、基板1を上側にして、所定の間隔を空けて粘着シート40が貼付されたキャリア30上に配列する。キャリア30上に配列されたチップ11は、粘着シート40によってキャリア30に貼付され、その位置が保持される。
次に、反射層形成工程S509において、図19(h)に示すように、チップ11の基板1側の面及び側面に、反射層6を形成する。
次に、反射層厚さ調整工程S510において、図19(i)に示すように、反射層6の下面(図19(i)において下側の面)を、研磨機60を用いて、予め定めておいた研磨線62まで研磨(又は研削)して、反射層6を所定の厚さに調整する。
最後に、第2個片化工程S511において、図19(j)に示すように、発光装置10Dを、ダイシングにより発光装置10Dの境界線21に沿って切断し、個片化する。以上の工程により、図17に示した発光装置10Dを製造することができる。
〔発光装置の構造〕
次に、図20を参照して、本発明の第6実施形態に係る発光装置について説明する。図20に示した第6実施形態に係る発光装置10Eは、図17に示した第5実施形態に係る発光装置10Dと同様に、フェイスアップ実装型のLEDである。なお、本実施形態は、フェイスアップ実装型のLEDであるため、半導体発光素子3のp側半導体層上に形成される全面電極は、ITOなどの透光性の導電材料を用いて形成され、半導体発光素子3の表面から光が取り出されるように構成されている。
図20に示した本発明の第6実施形態に係る発光装置10Eは、n側電極及びp側電極と、それぞれ電気的に接続するバンプ4n及びバンプ4pを介し、更にボンディングワイヤ(不図示)を介して実装基板の配線電極(不図示)を通して電流が供給されると、半導体発光素子3が青色光を発光する。半導体発光素子3が発光した青色光は、直接に、又は反射層6によって反射されて、光取り出し面である半導体発光素子3の表面側(図20の上方向)を被覆する蛍光層5を通過して取り出される。このとき、蛍光層5を通過する青色光の一部は、蛍光層5に含有される蛍光体によって吸収され、波長の長い黄色光に変換されて取り出される。そして、発光装置10Eからは、蛍光層5で波長変換されずに通過する青色光と、蛍光層5で波長変換された黄色光とが混色された白色光が出力される。
本発明の第6実施形態に係る発光装置の製造方法について、図21を参照して説明する。
発光素子構造形成工程S600の後、第1個片化工程S601において、図22(a)に示すように、ウエハ状態の半導体発光素子3を、素子構造の境界線20に沿って、ダイシングして切断し、チップ11に個片化する。
次に、チップ選別工程S602において、個片化された各チップ11について、半導体発光素子構造2のn側電極及びp側電極に電源装置を接続してチップ11を発光させ、発光波長を測定する。そして、発光波長が所定の範囲にあるチップ11を選別する。
次に、第1キャリア貼付工程S603において、図22(b)に示すように、チップ選別工程S602で選別したチップ11を、基板1を上側にして、所定の間隔を空けて粘着シート40が貼付されたキャリア30上に配列する。キャリア30上に配列されたチップ11は、粘着シート40によってキャリア30に貼付され、その位置が保持される。
次に、反射層形成工程S604において、図22(c)に示すように、チップ11の基板1側の面及び側面に、反射層6を形成する。
次に、反射層厚さ調整工程S605において、図22(d)に示すように、反射層6の下面(図22(d)において下側の面)を、研磨機60を用いて、予め定めておいた研磨線61まで研磨(又は研削)して、反射層6を所定の厚さに調整する。
次に、清浄化工程S606において、図22(e)に示すように、反射層6により一体化されたチップ11をキャリア30から剥離し、研磨により生じたバリや、ごみ等を除去する。
次に、バンプ形成工程S607において、図22(f)に示すように、半導体発光素子構造2の上面にバンプ4を形成する。バンプ4として、不図示のn側電極及びp側電極上に、それぞれ、バンプ4n及びバンプ4pが形成される。
次に、第2個片化工程S608において、図22(g)に示すように、反射層6により一体化されている素子構造を、反射層6を加えた素子構造の境界線21に沿って、ダイシングして切断し、チップ12に個片化する。
次に、第2キャリア貼付工程S609において、図22(h)に示すように、チップ12を、バンプ4が上側になるように、粘着シート40が貼付されたキャリア30に貼付する。
次に、蛍光層形成工程S610において、図22(i)に示すように、キャリア30に貼付されたチップ12の表面及び側面に蛍光層5を形成する。
次に、蛍光層厚さ調整工程S611において、図22(j)に示すように、蛍光層5の下面(図22(j)において下側の面)を、研磨機60を用いて、研磨(又は研削)して、バンプ4を露出させるとともに、予め定めておいた研磨線62まで研磨(又は研削)して、蛍光層5を所定の厚さに調整する。これにより、発光装置10Eの発光色の色調を調整することができる。
最後に、第3個片化工程S612において、図22(k)に示すように、発光装置10Eを、ダイシングにより発光装置10Eの境界線22に沿って切断し、個片化する。以上の工程により、図20に示した発光装置10Eを製造することができる。
〔発光装置の構造〕
次に、図23を参照して、本発明の第7実施形態に係る発光装置について説明する。図23に示した第7実施形態に係る発光装置10Fは、図17に示した第5実施形態に係る発光装置10Dと同様に、フェイスアップ実装型のLEDである。なお、本実施形態は、フェイスアップ実装型のLEDであるため、半導体発光素子3のp側半導体層上に形成される全面電極は、ITOなどの透光性の導電材料を用いて形成され、半導体発光素子3の表面から光が取り出されるように構成されている。
図23に示した本発明の第7実施形態に係る発光装置10Fは、n側電極及びp側電極と、それぞれ電気的に接続するバンプ4n及びバンプ4pを介し、更にボンディングワイヤ(不図示)を介して実装基板の配線電極(不図示)を通して電流が供給されると、半導体発光素子3が青色光を発光する。半導体発光素子3が発光した青色光は、直接に、又は反射層6によって反射されて、光取り出し面である半導体発光素子3の表面側(図23の上方向)を被覆する蛍光層5を通過して取り出される。また、半導体発光素子3内を横方向に進行する光は、側面に形成された反射層6によって反射されるが、この反射の前後に側面に形成された蛍光層5を通過することにより、青色光の一部が黄色光に波長変換される。このとき、蛍光層5を通過する青色光の一部は、蛍光層5に含有される蛍光体によって吸収され、波長の長い黄色光に変換されて取り出される。そして、発光装置10Fからは、蛍光層5で波長変換されずに通過する青色光と、蛍光層5で波長変換された黄色光とが混色された白色光が出力される。
本発明の第7実施形態に係る発光装置の製造方法について、図24を参照して説明する。
発光素子構造形成工程S700の後、バンプ形成工程S701において、図25(a)に示すように、半導体発光素子構造2の上面にバンプ4を形成する。バンプ4として、不図示のn側電極及びp側電極上に、それぞれ、バンプ4n及びバンプ4pが形成される。
次に、第1個片化工程S702において、図25(b)に示すように、バンプ4が形成されたウエハ状態の半導体発光素子3を、素子構造の境界線20に沿って、ダイシングして切断し、チップ11に個片化する。
次に、チップ選別工程S703において、個片化された各チップ11について、半導体発光素子構造2のn側電極上及びp側電極上に形成されたバンプ4に電源装置を接続してチップ11を発光させ、発光波長を測定する。そして、発光波長が所定の範囲にあるチップ11を選別する。
次に、第1キャリア貼付工程S704において、図25(c)に示すように、チップ選別工程S703で選別したチップ11を、バンプ4が上側になるように、所定の間隔を空けて粘着シート40が貼付されたキャリア30上に配列する。キャリア30上に配列されたチップ11は、粘着シート40によってキャリア30に貼付され、その位置が保持される。
次に、蛍光層形成工程S705において、図25(d)に示すように、チップ11の半導体発光素子構造2側の面及び側面に、蛍光層5を形成する。
次に、蛍光層厚さ調整工程S706において、図25(e)に示すように、蛍光層5の下面(図25(e)において下側の面)を、研磨機60を用いて、バンプ4を露出させるとともに、予め定めておいた研磨線61まで研磨(又は研削)して、蛍光層5を所定の厚さに調整する。これにより、発光装置10Fの発光色の色調を調整することができる。
次に、清浄化工程S707において、図25(f)に示すように、蛍光層5により一体化されたチップ11をキャリア30から剥離し、研磨により生じたバリや、ごみ等を除去する。
次に、第2個片化工程S708において、図25(g)に示すように、蛍光層5により一体化されている素子構造を、蛍光層5を加えた素子構造の境界線21に沿って、ダイシングして切断し、チップ12に個片化する。
次に、第2キャリア貼付工程S709において、図25(h)に示すように、チップ12を、基板1が上側になるように、所定の間隔を空けて粘着シート40が貼付されたキャリア30上に配列する。キャリア30上に配列されたチップ11は、粘着シート40によってキャリア30に貼付され、その位置が保持される。
次に、反射層形成工程S710において、図25(i)に示すように、キャリア30に貼付されたチップ12の基板1側の面及び側面に反射層6を形成する。
次に、蛍光層厚さ調整工程S711において、図25(j)に示すように、反射層6の下面(図25(j)において下側の面)を、研磨機60を用いて、研磨(又は研削)して、予め定めておいた研磨線62まで研磨(又は研削)して、反射層6を所定の厚さに調整する。
最後に、第3個片化工程S712において、図25(k)に示すように、発光装置10Fを、ダイシングにより発光装置10Fの境界線22に沿って切断し、個片化する。以上の工程により、図23に示した発光装置10Fを製造することができる。
〔発光装置の構造〕
次に、図26を参照して、本発明の第8実施形態に係る発光装置について説明する。図26に示した第8実施形態に係る発光装置10Gは、図17に示した第5実施形態に係る発光装置10Dと同様に、フェイスアップ実装型のLEDである。なお、本実施形態は、フェイスアップ実装型のLEDであるため、半導体発光素子3のp側半導体層上に形成される全面電極は、ITOなどの透光性の導電材料を用いて形成され、半導体発光素子3の表面から光が取り出されるように構成されている。
図26に示した本発明の第8実施形態に係る発光装置10Gは、n側電極及びp側電極と、それぞれ電気的に接続するバンプ4n及びバンプ4pを介し、更にボンディングワイヤ(不図示)を介して実装基板の配線電極(不図示)を通して電流が供給されると、半導体発光素子3が青色光を発光する。半導体発光素子3が発光した青色光は、直接に、又は反射層6によって反射されて、光取り出し面である半導体発光素子3の表面側(図20の上方向)を被覆する蛍光層5を通過して取り出される。このとき、蛍光層5を通過する青色光の一部は、蛍光層5に含有される蛍光体によって吸収され、波長の長い黄色光に変換されて取り出される。そして、発光装置10Gからは、蛍光層5で波長変換されずに通過する青色光と、蛍光層5で波長変換された黄色光とが混色された白色光が出力される。
本発明の第8実施形態に係る発光装置の製造方法について、図27を参照して説明する。
バンプ形成工程S807において反射層6により一体化されたチップ11にバンプ4を形成した後(図28(f)参照)、第2キャリア貼付工程S808において、図28(g)に示すように、チップ11を、バンプ4が上側になるように、粘着シート40が貼付されたキャリア30に貼付する。
次に、蛍光層形成工程S809において、図28(h)に示すように、キャリア30に貼付されたチップ11の表面及び反射層6の上面に蛍光層5を形成する。
次に、蛍光層厚さ調整工程S810において、図28(i)に示すように、蛍光層5の下面(図28(i)において下側の面)を、研磨機60を用いて、研磨(又は研削)して、バンプ4を露出させるとともに、予め定めておいた研磨線62まで研磨(又は研削)して、蛍光層5を所定の厚さに調整する。これにより、発光装置10Gの発光色の色調を調整することができる。
最後に、第2個片化工程S811において、図28(j)に示すように、発光装置10Gを、ダイシングにより発光装置10Gの境界線21に沿って切断し、個片化する。以上の工程により、図26に示した発光装置10Gを製造することができる。
次に、本発明における発光装置の変形例について説明する。
本変形例に係る発光装置は、前記した各実施形態に係る発光装置10から発光装置10Gにおいて、基板1、蛍光層5及び/又は反射層6について、被覆部材である蛍光層5又は反射層6により被覆される面に、凹凸を形成するようにするものである。これによって、凹凸が形成された面上に形成される被覆部材である蛍光層5又は反射層6の密着性が向上し、剥離しにくくすることができる。このような凹凸は、ブラスト加工、レーザ照射、プラズマ照射などにより形成することができ、特にブラスト加工が効果的な凹凸を簡便に形成しやすい。
なお、被覆部材により被覆されるすべての面に凹凸を形成してもよいが、その内の一部に凹凸を形成するようにしてもよい。
更に、蛍光層5の上面5aの凹凸形成は、蛍光層厚さ調整工程S110(図2参照)において、図3(i)に示した状態で、蛍光層5の厚さ調整を行った後に行うことができる。
また、反射層6の縦方向の厚さはH2であり、半導体発光素子3の縦方向の厚さはH3であり、反射層6の上面と半導体発光素子3の上面とは同一面である。また、蛍光層5は、半導体発光素子3及び反射層6の上面の全体を覆うように設けられ、厚さはH1である。
また、蛍光層5の、半導体発光素子3の上面における厚さはH1であり、蛍光層5の上面は反射層105の上面に平行な平面である。
また、蛍光層5、105は、YAG系の蛍光体を含有したシリコーン樹脂を用いて構成され、反射層6は、拡散材としてTiO2を含有したシリコーン樹脂を用いて構成されるものとした。また、この蛍光体は、粒径7[μm]、最大励起波長450[nm]における光吸収率が95%であって、中心波長が555[nm]の黄色光を発光するものとした。なお、実施例と比較例の発光装置を略同等の発光色度で比較するために、蛍光体の密度は、実施例に係る蛍光層5では2×106[個/mm3]とし、比較例に係る蛍光層105では1×106[個/mm3]とした。また、拡散剤は、平均粒径が0.2[μm]、密度が1.5×1011[個/mm3]であるものとした。
図31(a)は、半導体発光素子3が発光装置の中央に配置された発光装置10及び発光装置110のシミュレーション結果である。ここで、実線で示したAが、本発明の実施例に係る発光装置10の配光特性であり、破線で示したBが、比較例に係る発光装置110の配光特性である。図31(a)において、横軸は、発光装置10及び発光装置110の横方向の中央位置において、真上方向(蛍光層5の面に垂直方向)を0°とし、右側の真横方向を90°、左側の真横方向を−90°とする観察方向を示す。また、図31(a)において、横軸は、白色光である出力光の色温度を示す。
なお、発光装置の真横方向には光がほとんど出力されないため、−75°〜+75°の範囲についてシミュレーション結果を示した。
一方、比較例に係る発光装置110Lの配光特性は、左右対称性が大きく崩れ、左側の色温度が非常に高くなっている。発光装置110Lは、蛍光層105の半導体発光素子3から左側の厚さが小さくなっており、蛍光層105で青色光が十分に色変換されることなく出射されるため、青色光成分が多い色温度の高い光が出力されることが分かる。
なお、図示は省略するが、実施例に係る発光装置10、10Lの輝度の配光特性は、ほぼランバーシアンとなる。
すなわち、本発明による発光装置は、1つの発光装置における観察方向の違いによる色むらが低減されるとともに、発光装置間の配光特性の差も低減されることが分かる。
2 半導体発光素子構造(発光素子構造)
2a n型半導体層
2b 活性層
2c p型半導体層
2d 全面電極
2e カバー電極
2n n側電極
2p p側電極
3 半導体発光素子(発光素子)
4 バンプ(外部接続用電極)
4a 上部
4n バンプ(n側外部接続用電極)
4p バンプ(p側外部接続用電極)
5 蛍光層(波長変換部材)
6 反射層
7 引出電極(外部接続用拡張電極)
7n 引出電極(n側外部接続用拡張電極)
7p 引出電極(p側外部接続用拡張電極)
10 発光装置
10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H 発光装置
11、12 チップ(個片)
20、21、22 境界線
30 キャリア(平板状の治具)
40 粘着シート
50 下金型
51 上金型
52、53、54 上金型
52a 凹部
53a 凹部
54a 仕切部
60 研磨機
61、62 研磨線
70 離型シート
Claims (8)
- 基板と、
前記基板の一方の面上にn型半導体層及びp型半導体層が積層されてなる発光素子構造と、
前記発光素子構造上に配置された、前記n型半導体層と電気的に接続されたn側外部接続用電極、及び、前記p型半導体層と電気的に接続されたp側外部接続用電極と、
前記基板の一方の面と対向する面上に配置され、前記基板の側面及び前記発光素子構造の側面に接して、前記基板の側面及び前記発光素子構造の側面を包囲するように設けられた、前記発光素子構造が発光する光の少なくとも一部を、異なる波長の光に変換して出射する波長変換部材と、
前記基板の一方の面の前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極が配置されていない領域と、前記波長変換部材の側面及び底面と、に接して、前記波長変換部材の側面を包囲するように一体的な樹脂層として設けられた光反射性の反射部材と、を有し、
前記基板と前記反射部材とは接触していない、発光装置。 - 基板と、
前記基板の一方の面上にn型半導体層及びp型半導体層が積層されてなる発光素子構造と、
前記発光素子構造上に配置された、前記n型半導体層と電気的に接続されたn側外部接続用電極、及び、前記p型半導体層と電気的に接続されたp側外部接続用電極と、
前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極が配置された領域を除く前記発光素子構造上に配置され、前記基板の側面及び前記発光素子構造の側面に接して、前記基板の側面及び前記発光素子構造の側面を包囲するように設けられた、前記発光素子構造が発光する光の少なくとも一部を、異なる波長の光に変換して出射する波長変換部材と、
前記波長変換部材の側面及び底面に接して、前記波長変換部材の側面を包囲するように設けられ、断面視でU字状に、一体的な樹脂層として設けられている光反射性の反射部材と、を有する発光装置。 - 前記波長変換部材の上面と前記反射部材の上面が略同一面である、請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
- 前記p型半導体層上に全面電極が配置されており、前記全面電極は透光性の導電材料が用いられている、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
- 基板と、前記基板の一方の面上にn型半導体層とp型半導体層とが積層されてなる発光素子構造とを個片化する工程と、
前記発光素子構造の側面、前記基板の側面及び前記基板の他方の面を覆うように蛍光体層を形成する工程と、
前記蛍光体層の前記基板の前記他方の面と対向する面と反対側の面を研磨又は研削する工程と、
前記発光素子構造に対して、n側外部接続用電極を前記n型半導体層と、p側外部接続用電極を前記p型半導体層と、それぞれ電気的に接続する工程と、
前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極、前記蛍光体層の側面が覆われるように反射層を形成する工程と、
前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極が露出するように、前記反射層を前記基板の前記一方の面と対向する面と反対側の面を研磨又は研削する工程と、
前記反射層及び前記発光素子構造を個片化する工程と、をこの順で有する発光装置の製造方法。 - 基板の一方の面上にn型半導体層とp型半導体層とが積層されてなる発光素子構造に対して、n側外部接続用電極を前記n型半導体層と、p側外部接続用電極を前記p型半導体層と、それぞれ電気的に接続する工程と、
前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極、前記発光素子構造の側面、前記基板の側面を覆うように前記発光素子構造に蛍光体層を形成する工程と、
前記n側外部接続用電極及び前記p側外部接続用電極が露出するように、前記蛍光体層の、前記基板の一方の面と対向する面と反対側の面を研磨又は研削する工程と、
前記蛍光体層、前記発光素子構造及び前記基板を個片化する工程と、
前記蛍光体層の側面及び前記基板の他方の面を覆うように断面視でU字状に、一体的な樹脂層として反射層を形成する工程と、をこの順で有する発光装置の製造方法。 - 前記反射層を形成する工程において、前記反射層は、前記蛍光体層の側面及び前記基板の他方の面を一体的に覆うように形成した後に、前記反射層の前記基板の前記他方の面と対向する面と反対側の面を研磨又は研削することで形成される、請求項6に記載の発光装置の製造方法。
- 前記反射層は、反射材を含有する樹脂層からなる、請求項5乃至請求項7の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。
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