JP6555013B2 - ダンパーおよびこれを用いたスピーカー - Google Patents

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本発明は、音響再生のためのスピーカーに用いるダンパー、およびこれを用いたスピーカーに関する。
スピーカー用のダンパーは、振動板およびボイスコイルボビンを含む振動系を所定位置に支持し、かつ、良好に振動可能にするために、その内周部がボイスコイルボビンに接合し、その外周部がフレーム又は磁気回路等に接合し、支持可動部が内周部と外周部とを連結する。従来のダンパーでは、支持可動部を波形のコルゲーションとしたコルゲーションダンパーが多く使用され、綿糸、アラミド繊維糸等の織布にフェノール樹脂、メラミン樹脂等の樹脂を含浸したプリプレグを基材として、金型で加熱成型することにより製造される。スピーカーが円形振動板を備える場合には、ダンパーの内周部および外周部と、支持可動部のコルゲーションとは、同心円状に形成されることが多い。
コルゲーションダンパーの形状および材料などについては、小入力信号に対する振幅変位の直線性確保、および、大入力信号に対する振幅制限という、相反する性能が求められるので、従来から様々な検討がなされている。例えば、スティフネス対称性および振幅対称性を改善するために、山部と谷部とを有する複数のコルゲーションを含み、最外周部の山谷間ピッチがそれ以外の山谷間ピッチよりも大きく、最外周部の山部の高さが他の山部の高さよりも高く、最外周部の山部の半径が他の山部の半径よりも小さくされたダンパーがある(特許文献1)。また、支持可動部が、内周部から延設される平坦部と、平坦部から延設されて複数の奇数の山部および複数の奇数よりも1つ少ない偶数の谷部を有するコルゲーション部と、を含み、平坦部が、基準平面を規定する外周部よりも寸法h0だけ高い位置の平面上に設けられるとともに、コルゲーション部の隣り合う2つの山部の間の半径方向の距離dxが、内周部側から外周部側に向かうにつれて小さくなり、最も内周側および最も外周側の山部を除いて、ひとつの山部とその両側に位置するそれぞれの谷部との間の半径方向の距離dyが、内周部側および外周部側でそれぞれ等しく、最も外周側の山部と外周部の内周端との間の半径方向の距離dnが、最も外周側の山部とその内周側に位置する谷部との間の半径方向の距離dmよりも大きく、コルゲーション部の山部および谷部の基準平面からの高さ寸法hが、コルゲーション部の中央部で最も高く、内周部側または外周部側に至るにつれて順次低くなるダンパーがある(特許文献2)。
また、コルゲーションダンパーには、コルゲーション部に表面と裏面とを連通する孔が形成されている場合がある。例えば、振動板及びボイスコイルボビンを保持する気密なダンパーに複数の透孔を穿ち、ボイスコイルボビン上部を気密なキャップで塞ぎ、ダンパーとキャップの下方にダンパーの透孔から空気を出し入れ可能とした空間部を設けたスピーカーがある(特許文献3)。また、天然繊維または合成繊維からなる基布に硬化性の樹脂を含浸し、更に弾性樹脂をコーティングし加熱成形したスピーカー用ダンパーであって、少なくとも1ヶ所以上の通気孔を設けたものがある(特許文献4)。また、支持可動部のコルゲーションが、複数の切欠孔を備え、切欠孔とコルゲーションの任意の同心円との2つの交点により規定される切欠孔の円周方向の幅が、半径方向に内周側から外周側に至るにつれて減少するダンパーがある(特許文献5)。
特許第3835211号公報 (第1図〜第6図) 特許第4765131号公報 (第1図〜第2図) 特開平11−262090号公報 (第1図〜第3図) 特開2000−184494号公報 (第1図) 特許第3876901号公報 (第1図〜第2図)
しかしながら、従来技術のダンパーでは、いずれも充分ではない。コルゲーションダンパーは、振幅変位の直線性確保と必要な振幅を取ること、あるいは、前後振幅の対称性の点で改善が両立しない場合があり、孔を有するダンパーの支持可動部を設計する上で、効率よく設計することが困難であるという問題がある。なお、前後振幅の前後とは、スピーカーの振動板が振動する場合に、ダンパーが取り付けられる側を後側とし、振動板が露出する側を前側としている。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ダンパーおよびこれを用いたスピーカーに関し、コルゲーション部分に孔を有する場合であっても、前後振幅の対称性がよく、歪が少ないダンパーおよびスピーカーを提供することにある。
本発明のダンパーは、ボイスコイルボビンと接合する内周部と、フレームと接合する外周部と、内周部と外周部とを連結する同心円状のコルゲーションから構成される支持可動部とを備え、支持可動部のコルゲーションが、複数の山部および複数の谷部を有し、異なる同心円により規定される内径部および外径部により大きさが定まる円弧状の孔が、山部または谷部の頂点を含む位置に形成されて隣接する谷部または山部との境界にまで至らない大きさ、複数の山部または複数の谷部のいずれか一方に設けられる。
また、好ましくは、本発明のダンパーは、孔が、同一の同心円上の山部または谷部に複数設けられる。
また、好ましくは、本発明のダンパーは、複数の孔が、同心円上において略均等間隔に配置されている。
また、好ましくは、本発明のスピーカーは、本発明のいずれかのダンパーを備える。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明のダンパーは、支持可動部が複数の山部と谷部とを有するコルゲーションを有するダンパーであって、ボイスコイルボビンと接合する内周部と、フレームと接合する外周部と、内周部と外周部とを連結する支持可動部とを備える。支持可動部は、コルゲーションの他に内周部または外周部から延設される平坦部を含んでいてもよく、平面状で同一の基準平面は、内周部または外周部を含むように規定されていてもよく、あるいは、複数の山部と谷部との境界を結ぶ平面として規定されていてもよい。
コルゲーションの山部は、ダンパーを表側から見た場合のコルゲーションが最も高くなる頂きの部分であり、一方でコルゲーションの谷部は、ダンパーを表側から見た場合のコルゲーションが最も低くなる底の部分である。支持可動部のコルゲーションは、複数の山部および複数の谷部を有すればよく、好ましくは、合わせて5つ以上程度が適当である。なお、ダンパーの表側とは、略平面状のダンパーの一方の面側であれば良いが、一般的にはダンパーを備えるスピーカーが構成された場合にスピーカーの振動板に近い前側に対応し、表側の反対側である裏側は、スピーカーの磁気回路に近い後側に対応する。
ここで、支持可動部のコルゲーションには、山部または谷部の頂点を含む位置に形成されて隣接する谷部または山部との境界にまで至らない大きさの孔が、複数の山部または複数の谷部のいずれか一方に設けられる。つまり、本発明のダンパーでは、コルゲーションの複数の山部に孔が設けられているか、コルゲーションの複数の谷部に孔が設けられているか、のいずれかまたはその両方である。したがって、本発明のダンパーは、前後振幅の対称性を、孔をコルゲーションの複数の山部に設けるか、複数の谷部に設けるかを変更することにより、孔を設けない場合よりも改善することができる。
ダンパーの孔は、異なる同心円により規定される内径部および外径部を有する円弧状であってもよい。また、ダンパーの孔は、同一の同心円上の山部または谷部に複数設けられてもよい。円弧状の孔の長さを変えることで、あるいは、配置する孔の数を変えることで、コルゲーションの山部または谷部の固さ/柔らかさを調整することができる。ダンパーの前後対称性を改善することで、スピーカーの再生する音声の歪みを低減することができる。ダンパーの複数の孔が、同心円上において略均等間隔に配置されている場合には、ダンパーの前後対称性の改善のみならず、安定して動作するスピーカーを実現できる。
本発明のダンパーは、コルゲーション部分に孔を有して前後振幅の対称性を改善することができ、その結果、再生音声に歪が少ないスピーカーを提供することができる。
本発明の好ましい実施形態によるスピーカー用ダンパー1aについて説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー用ダンパー1bについて説明する図である。(実施例1) スピーカー用ダンパーの静荷重に対する変位特性を説明する特性図である。(実施例1、従来例1) 本発明の他の好ましい実施形態によるダンパー1cについて説明する図である。(実施例1)
以下、本発明の好ましい実施形態によるダンパーおよびこれを用いたスピーカーについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー用ダンパー1aについて説明する図であり、図1(a)は平面図であり、図1(b)はL−O−X断面図である。スピーカー用ダンパー1aは、(図示しない)ボイスコイルボビンと接合する平面を備える内周部2と、(図示しない)フレームと接合する平面を備える外周部3と、内周部2と外周部3とを連結する波形で円周状のコルゲーション4から構成される支持可動部とを備え、支持可動部のコルゲーション4が、複数の孔5を備える。
コルゲーション4は、複数の山部6と谷部7とを有する。コルゲーション4の山部6は、スピーカー用ダンパー1aを表側から見た場合のコルゲーションが最も高くなる頂きの部分である。本実施例の場合には、図1(a)に図示されている図1(b)の断面図の上側が、スピーカー用ダンパー1aの表側である。また、コルゲーション4の谷部7は、スピーカー用ダンパー1aを表側から見た場合のコルゲーションが最も低くなる底の部分である。図1(b)の断面図において、基準平面を示すL−O−Xの線は、内周部2または外周部3を規定し、また、複数の山部6と谷部7との境界を規定している。
スピーカー用ダンパー1aは、綿およびポリエステル繊維の複数の縦糸及び横糸が概略直交する織布に、フェノール樹脂を含浸したプリプレグを基材とし、金型で加熱成型されて、内周および外周を切断されて形成されるダンパーである。なお、スピーカー用ダンパー1aの基材の織布は、複数の縦糸がX軸方向、複数の横糸がY軸方向に、そしてこれらが概略直交するように編み込まれており、図1の領域8は、織布の織目方向を模式的に表している。
本実施例のスピーカー用ダンパー1aでは、複数の孔5は、山部6の頂点を含む位置に形成されて隣接する谷部7との境界にまで至らない大きさの孔であって、複数の山部6に設けられる。複数の孔5は、それぞれが異なる同心円により規定される内径部および外径部を有する円弧状であって、同心円状に中心Oから90度の均等な間隔で配置されている。本実施例では、複数の孔5は、3つの同心円上に規定される山部6に設けられて、周方向に4つずつ、合計12カ所に配置されている。また、複数の孔5は、例えば異なる同心円上に配置される3つが中心Oから半径方向Lに向かって揃って1列に配置されている。
図2は、本発明の他の好ましい実施形態によるスピーカー用ダンパー1bについて説明する図であり、図2(a)は平面図であり、図2(b)はL−O−X断面図である。スピーカー用ダンパー1bは、上述のスピーカー用ダンパー1aと複数の孔5の配置が異なる他は共通するスピーカー用ダンパーである。したがって、共通する部分は共通の符号を用い、重複する説明は省略する。
スピーカー用ダンパー1bでは、複数の孔5は、谷部7の頂点を含む位置に形成されて隣接する山部6との境界にまで至らない大きさの孔であって、複数の谷部7に設けられる。複数の孔5は、それぞれが異なる同心円により規定される内径部および外径部を有する円弧状であって、同心円状に中心Oから90度の間隔で配置されている。本実施例では、複数の孔5は、3つの同心円上に規定される谷部7に設けられて、周方向に4つずつ、合計12カ所に配置されている。また、複数の孔5は、例えば異なる同心円上に配置される3つが中心Oから半径方向Lに向かって揃って1列に配置されている。
図3は、スピーカー用ダンパーについて、静荷重に対する変位特性を説明する特性図である。具体的には、静荷重に対する変位特性は、50gの重りを用いて、それぞれ「表」の場合と「裏」の場合とを測定して、前後振幅変位の対称性を測定する。このグラフにおいて、「表」の場合と「裏」の場合とが近い静荷重変位値を示すものが、前後振幅の対称性が良好なスピーカー用ダンパーを示すことになる。例えば、「表」の場合には、表側を上向きにして外周部3を固定したスピーカー用ダンパーの内周部2に50gの重りを載せて、内周部2の変位値を測定する。「裏」の場合には、表側を下向きにして同様に測定する。
図3の測定では、上記実施例のスピーカー用ダンパー1aと、1bと、(図示しない)比較例の複数の孔5を備えないスピーカー用ダンパー10と、をそれぞれ3つのサンプルについて測定した測定値を表示している。なお、上記実施例のスピーカー用ダンパー1aと、1bと、比較例のスピーカー用ダンパー10とでは、複数の孔5の有無/配置以外の条件は同一である。したがって、スピーカー用ダンパー1aと、1bと、10との比較は、複数の孔5を設ける位置の相違、つまり、複数の孔5を山部6に設ける場合と、複数の孔5を谷部7に設ける場合と、複数の孔5を設けない場合と、についての作用効果の相違を示すことができる。
最初に、比較例のスピーカー用ダンパー10では、「10:表」の場合と「10:裏」の場合とが近い静荷重変位値を示しており、前後振幅の対称性が良好なスピーカー用ダンパーであることが分かる。複数の孔5を備えない比較例のスピーカー用ダンパー10は、本発明の複数の孔5を設ける位置の相違を明確にするべく、前後振幅の対称性が良好なものを選定している。
次に、実施例のスピーカー用ダンパー1aまたは1bでは、比較例のスピーカー用ダンパー10に比べて変位量が大きくなっている。これは、複数の孔5を備えることで支持可動部のスティフネスが低下して柔らかくなっていることを示す。また、「表」の場合と「裏」の場合とが異なる静荷重変位値を示すようになっている。具体的には、スピーカー用ダンパー1aでは、「1a:表」の場合と「1a:裏」の場合とで「1a:表」の場合の方が大きい静荷重変位値を示し、一方で、スピーカー用ダンパー1bでは、「1b:表」の場合と「1b:裏」の場合とで「1b:裏」の場合の方が大きい静荷重変位値を示している。
この結果は、本実施例のスピーカー用ダンパー1aのように、コルゲーションの複数の山部6に複数の孔5を設ける場合には、前後振幅の対称性を前側に振れやすく調整可能であることを示唆し、また、本実施例のスピーカー用ダンパー1bのように、コルゲーションの複数の谷部6に複数の孔5を設ける場合には、前後振幅の対称性を後側に振れやすく調整可能であることを示唆している。
したがって、仮にコルゲーション部分に孔を有しない前後振幅の対称性が優れないスピーカー用ダンパーが存在する場合には、本実施例のスピーカー用ダンパー1aまたは1bのように、コルゲーションの複数の山部6または谷部7に複数の孔5を設ければ、前後振幅の対称性を前側または後側に振れやすくするように調整可能である。スピーカー用ダンパーの設計において、上下振幅の対称性に関する検討をシミュレーションによって行った場合であっても、成形型を起型して製作されたスピーカー用ダンパーの上下変位量がシミュレーションと合致しない場合がある。この様な場合には、新たに成形型を起こす以外に上下振幅の対称性をコントロールする術がないが、上記の様にコルゲーションの複数の山部6または谷部7に複数の孔5を設ければ、前後振幅の対称性を前側または後側に振れやすくするように調整可能である。
つまり、本実施例のスピーカー用ダンパー1aまたは1bのようにコルゲーションの複数の山部6に複数の孔5を設けたスピーカー用ダンパーを用いるスピーカー(図示しない)は、前後振幅の対称性を改善でき、その結果、スピーカー用ダンパーの内周部2と接合するボイスコイルボビンを含む振動系の振動が改善され、音質および耐久性に優れるスピーカーとなる。
複数の孔5の大きさおよび位置は、スピーカー用ダンパー1aまたは1bの複数の山部6および複数の谷部7を有する支持可動部4のコルゲーションの形状により、自由に設定し得る。複数の孔5のそれぞれは、山部6または谷部7の頂点を含む位置に形成されて隣接する谷部7または山部6との境界にまで至らない大きさであればよく、単純な丸孔であってもよく、好ましくは、上記実施例の様な異なる同心円により規定される内径部および外径部を有する円弧状であってもよい。円弧状の孔5の長さを変えることで、コルゲーションの山部6または谷部7の固さ/柔らかさを調整することができる。
また、複数の孔5は、同一の同心円上の山部6または谷部7に複数設けられていればよい。配置する複数の孔5の数を変えることで、コルゲーションの山部6または谷部7の固さ/柔らかさを調整することができる。単一の同心円上の山部6または谷部7に設けられる複数の孔5の円周方向の長さが、全体の円周長に占める割合が大きくなるほど、複数の孔5が与える影響を大きくすることができる。配置する複数の孔5の大きさを変えることで、コルゲーションの山部6または谷部7の固さ/柔らかさを調整することができる。
また、コルゲーション4を構成する基材が、複数の縦糸及び横糸が概略直交する織布であるので、例えば、複数の孔5の間に形成される支持可動部4の支持アームでは、横糸がX軸方向で、かつ、縦糸がY軸方向になり、半径方向(ここではX軸方向)には編目が延びにくくなっている。他の3つの支持アームにおいても同様であり、中心Oに対してほぼ直交した編目が形成されるので、スピーカー用ダンパー1aまたは1bの内周部2が大きく振幅変位する際には、支持アームを延びにくく調整することができる。
本実施例のスピーカー用ダンパー1aまたは1bでは、中心Oと複数の孔5とを結ぶ直線Lが、X軸およびY軸に対して概略45度の関係となる方向に孔5aを配置するようにしたが、この角度は、0度から90度の間で変更できる。例えば、中心Oと孔5aとを結ぶ直線Lが、X軸に近づく0度(もしくはY軸に近づく90度)の場合であれば、複数の縦糸及び横糸からなる編目が広がりやすくなるので、スピーカー用ダンパー1aまたは1bの内周部2が大きく振幅変位する際には、支持アームを延びやすいように調整することができる。したがって、本発明のスピーカー用ダンパーは、コルゲーション4の形状変化のみならず、4カ所の孔を設ける場合に、一つの目の孔を配置する角度を0度から90度の間で変更することにより、振幅変位の直線性、および、振幅制限性の調整が可能である。
また、複数の孔5の数は、本実施例の12に限らず、複数であればよい。また、孔の配置も円周方向に等間隔である必要はなく、内周部2および外周部3の形状に基づいて不均等でもよい。具体的には、円形スピーカー用のダンパーに限らず、楕円形や、トラック形といったスピーカーに用いるダンパーであって、長径および短径を備えるダンパーに孔を設けたものであればよい。
図4は、本発明の他の好ましい実施形態によるスピーカー用ダンパー1cについて説明する図であり、図4(a)は平面図であり、図4(b)はL−O−M断面図である。なお、図4において、実施例1と共通する部分は共通の符号を用い、説明は省略する。
本実施例のスピーカー用ダンパー1cでは、複数の孔5は、山部6の頂点を含む位置に形成されて隣接する谷部7との境界にまで至らない大きさの孔であって、複数の山部6に設けられるのは、先の実施例のスピーカー用ダンパー1aと共通する。複数の孔5は、それぞれが異なる同心円により規定される内径部および外径部を有する円弧状であって、同心円状に中心Oから120度の均等な間隔で配置されている点で相違する。
また、本実施例では、複数の孔5は、3つの同心円上に規定される山部6に設けられて、周方向に3つずつ、合計9カ所に配置されているが、複数の孔5は、例えば異なる同心円上に配置される3つが中心Oから半径方向LまたはMに向かって揃って1列に配置されておらず、いずれの同一の半径方向には重ならないように配置されている。
複数の孔5を設ける方法としては、スピーカー用ダンパーの内周および外周を切断する際に単一の切断型により同時に切断してもよく、また、形成されたスピーカー用ダンパーに対して、孔を設けるための切断治具によって作業してもよい。
また、本発明のスピーカー用ダンパーの基材は、綿及びポリエステル繊維、もしくはアラミド繊維の織布もしくは不織布でもよく、含浸する樹脂も、フェノール樹脂、もしくは、メラミン樹脂でもよい。本発明は、コルゲーションを備えた熱硬化性樹脂を含むダンパーであれば、基材の材料に制限されない。
本発明のスピーカー用ダンパーは、これを用いたスピーカーに限られず、ダンパーと、ボイスコイル等の振動系を備える他の加振器や、センサー等の動電型の電機−機械変換器にも適用が可能である。ダンパーの内周部に接合するのは、磁気回路であってもよく、磁気回路が振動する加振器に適する。
1a、1b、1c スピーカー用ダンパー
2 内周部
3 外周部
4 コルゲーション
5 孔
6 山部
7 谷部

Claims (4)

  1. ボイスコイルボビンと接合する内周部と、フレームと接合する外周部と、該内周部と該外周部とを連結する同心円状のコルゲーションから構成される支持可動部とを備え、
    該支持可動部の該コルゲーションが、複数の山部および複数の谷部を有し、
    異なる同心円により規定される内径部および外径部により大きさが定まる円弧状の孔が、該山部または該谷部の頂点を含む位置に形成されて隣接する該谷部または該山部との境界にまで至らない大きさ、複数の該山部または複数の該谷部のいずれか一方に設けられる、
    ダンパー。
  2. 前記孔が、同一の同心円上の前記山部または前記谷部に複数設けられる、
    請求項1に記載のダンパー。
  3. 複数の前記孔が、前記同心円上において略均等間隔に配置されている、
    請求項2に記載のダンパー。
  4. 請求項1からのいずれかに記載のダンパーを備えたスピーカー。
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