JP6554681B2 - ナノスプレーイオン化・チップの高機能化 - Google Patents
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Description
課題9に対しては、イオンモビリティーという技法があるが、これは、ガス分子層を検出分子が通過するようなイオンモビリティーチェンバーを設け、この中を分子が通過する際、異性体のように同一分子量でも分子の立体的な形態の違いのあるものが、ガス分子との立体的な衝突確率や相互作用の違いで、行程差を生み出し分離され、検出されるようにするものである。従来は、単にこのガス層を直線的あるいは往復的に運動するもののみであったが、本発明では、本ガス層に、図6の右図にように、イオンガイド電極に回転電場をもたらすようするために、ガス層を囲むようにして設置された複数の電極に、順に位相差を与えた交流電場を与え、その電場で形成された右ないし左の回転電場内で、異性体分子、特に分離の難しい光学異性体などが、ガス分子との相互作用の違いで更に効率よく分離できるようにした。また、この際に、この電極内部の空間に図8の63のような光変調器を用いて、円偏光などを含む紫外光や真空紫外光などを生成し、これを照射し、無極性分子も光イオン化させながら、ガス分子との相互作用を多様化させ、分離の幅や対象分子をさらに広げることも可能とする。
課題10に対しては、同一のナノスプレーイオン化チップで細胞などの成分を捕捉する装置を利用して、チップ先端が蛍光などで光る材料のチップでマイクロインジェクションを行い、その成分導入部位を明確にし、そののち、同一装置にナノスプレーチップを装着して、同一部位あるいは異なった細胞内部位の成分を吸引捕捉して、同一細胞に対し、導入した成分の影響も含め、細胞内の網羅的分子検出を行うことができる。
2.蛍光あるいは燐光フィラメント
3.導電体コート
4.ナノスプレーイオン化チップ用アダプター
5.ナノスプレーイオン化チップ用アダプター・インサート部
6.ナノスプレーイオン化チップ回転規制ひれ
7.ナノスプレーイオン化チップ保持用つかみ部
8.溶媒等導入用チップ
9.挿入長さ規制アダプター付電極線
10.吸引・加圧ワンタッチアダプター
11.はずれ止めロック
12.先端までが急に細くなり腰が強くなったナノスプレーイオン化チップ先端
13.冷媒または冷却装置
14.ナノスプレーイオン化チップに捕捉された試料
15.チップケース(半割れ上側)
16.チップケース(半割れ下側)
17.フタ開放用ヒンジ
18.フタロック
19.フタ(ロボット捕捉対応品)
20.ケース半割れ用ヒンジ
21.ナノスプレーイオン化チップ保護・保持マウント(下側)
22.ナノスプレーイオン化チップ保護・保持マウント(上側)
23.不活性ガス注入口
24.不活性ガス吐出口
25.ペルチエ素子
26.ナノスプレーチップ外部導電コート接触点
27.試料まで細管内に伸びた電極
28.電極接触点
29.挿入電極用電圧印加配線
30.外部導電部電圧印加配線
31.先端のみ露出したナノスプレーイオン化チップ
32.XYZおよび角度調節ナノスプレーイオン化チップホルダー
33.密封リング
34.ナノスプレー
35.質量分析計試料導入口
36.ナノスプレーイオン化チップ外部導電コート接触マウント
37.保持マウント支持棒
38.ペルチエ素子電源線
39.紫外または遠紫外光源
40.楕円鏡
41.集光された紫外または遠紫外光
42.Oリング
43.指の指紋領域の汗腺一ヶから出る汗(約1ナノリットル)
44.汗腺一ヶの汗から検出された質量分析分子ピーク群と分子種
45.二次元バーコード印刷あるいは貼り付け面
46.細管部表面に印刷あるいは貼り付けたバーコード
50.イオンガイド電極
51.光イオン化光透過材質(例えば石英)でできたガス保持チェンバー
52.イオンガイド中に保持された溶媒分子あるいは導入されたガス分子あるいはガスイオン化分子あるいはその混合
53.ガス導入管
55.イオンビーム
56.ナノスプレー電源
57.スキマー(質量分析計内初段)
58.スキマー(外部イオンガイド前部)
60.線状に集光された光イオン化光(例 紫外または遠紫外光)
61.真空吸引
62.レーザーイオン化光源
63.光変調器
64.レーザーイオン化光ビーム
65.スロープ穴
Claims (13)
- 細管の端部が徐々に細くなって先端に向かい、かつその先端部が0.001ナノメーターから2ミリメーターまでの口径で開口している細管であって、
細管内部に同じ材料か光ファイバーをフィラメントとして配し、
当該細管の材料自身が蛍光や燐光を持つ材料でできているか、
あるいは当該細管の先端部が、蛍光や燐光物質でコートされているか、
または、当該細管が、透明度のある部分があり、細管内部に蛍光や燐光を持つフィラメントを配してある細管で構成されるナノスプレーチップにおいて、
当該細管の表面の一部あるいは全部を導電性物質でコートしてある、ないし内部に保持する試料に細管内部口径より小さい外径の電極を挿入し、
電場が当該細管に印加できるようにしたことを特徴とするナノスプレーチップ。 - 請求項1に記載のナノスプレーチップであって、
先端形状のだんだん細くなる部分の総長が細管最大口径の5倍以内で、急に先端に向かって細くなり、
試料への刺入時の腰が強く形成されていることを特徴とするナノスプレーチップ。 - 請求項1または2に記載のナノスプレーチップであって、
当該細管の後端の延長上に、後端部を包接する形でアダプターを設置し、
当該アダプターは、その細管結合部において、細管内径とほぼ同じ内径を最終径とし、それより大きな径の導入開口部を細管の後端部への延長線上に持ち、細管との結合部の口径までをスロープとし、
細管後部と結合できるようにしたことを特徴とするナノスプレーチップ。 - 請求項3に記載のナノスプレーチップであって、
アダプターの一部に2次元バーコードなどの試料認識コードを印刷あるいは接着できる面を設け表示する、あるいは、非接触ICタグなどをこのアダプターに埋め込んだもの、あるいは、細管部にバーコードを印刷あるいはその印刷物を貼ったことを特徴とするナノスプレーチップ。 - 請求項1から4の何れか1項に記載のナノスプレーチップを用いたナノスプレーイオン化装置であって、
当該細管の先端部のみにある採取試料に対し、極微量体積の超低熱容量により、冷媒や冷却ユニットに当該先端を近づけることで1分以内に採取試料を冷凍し、
測定時には、温度を上昇させる、あるいは、イオン化溶媒を添加することで、迅速に解凍することを特徴とするナノスプレーイオン化装置。 - 請求項5に記載のナノスプレーイオン化装置に用いられ、前記ナノスプレーチップを固定ないし回転規制をして保持するケースであって、
当該ケースが当該ナノスプレーチップの先端部を保護し、
試料採取時には、当該ナノスプレーチップを取り出す際は、当該ケースが分割されて開き、あるいは穴に挿入されているナノスプレーチップが抜き取れる様になっており、
採取後は、元に戻し、かつ該ナノスプレーチップ先端部を優先してケース内あるいは外から効率良く冷却出来る様にする為、冷媒や冷却部が、当該ナノスプレーチップ先端部から0.0001ミリメーターから50ミリメーターまでの範囲で近接して冷却される様にしたことを特徴とするケース。 - 請求項1から4の何れか1項に記載のナノスプレーチップを用いたナノスプレーイオン化装置であって、
当該ナノスプレーチップの先端部10ミリメーター以内のみをケースの先端外部に露出し、それ以外はケース内に保持し、
かつ、ナノスプレーチップの先端部に向かって当該チップの設置軸と同軸状に、室温より温度の高いガスを鞘状に吹き出すようにし、
かつ、ナノスプレーチップの導電性コーティング部ないし当該チップ内溶液に直接挿入した電極に電場を印加出来る様にし、
かつ、当該ナノスプレーチップの位置が3次元およびスプレー入射角を取る3次元位置を、当該チップを保持するケースごと変化できるようにしたことを特徴とするナノスプレーイオン化装置。 - 請求項7に記載のナノスプレーイオン化装置において、
ナノスプレーチップの周辺の全部あるいは一部にペルチエ素子などの冷却素子あるいは冷媒が、当該チップの近傍に配置されているか、薄い媒体を介して接しているか、あるいは高い熱伝導体を介して接していることを特徴とするナノスプレーイオン化装置。 - 請求項8に記載のナノスプレーイオン化装置において、
当該ナノスプレーチップがもたらすナノスプレー域および質量分析計試料導入口に向かって、あるいは、質量分析計内部の試料導入口から初段のイオン誘導光学系までの真空部に、紫外光ないし真空紫外光を照射するようにしたナノスプレーイオン化装置。 - 請求項3に記載のナノスプレーチップを用いたナノスプレーイオン化装置であって、
前記細管に、導入試料を保持させ、当該細管を細胞や組織内に刺入し、
その導入試料をこれらの内部に導入し、その後の細胞の変化を、ナノスプレーチップを細胞や組織に刺入し試料を採取するとともに、
その後の分子変化を連携して追跡することを特徴とするナノスプレーイオン化装置。 - 請求項1から4の何れか1項に記載のナノスプレーチップにおいて、細管内部の長手方向のすべてあるいは先端部を含む一部に、細管内径より細い同じ材料あるいは光ファイバーのフィラメントが設置してあることを特徴とするナノスプレーチップ。
- 請求項1から4の何れか1項に記載のナノスプレーチップを用いたナノスプレーイオン化方法であって、
当該細管の先端部のみにある採取試料に対し、極微量体積の超低熱容量により、冷媒や冷却ユニットに当該先端を近づけることで1分以内に採取試料を冷凍し、
測定時には、温度を上昇させる、あるいは、イオン化溶媒を添加することで、迅速に解凍することを特徴とするナノスプレーイオン化方法。 - 請求項3に記載のナノスプレーチップを用いたナノスプレーイオン化方法であって、
前記細管に、導入試料を保持させ、当該細管を細胞や組織内に刺入し、
その導入試料をこれらの内部に導入し、その後の細胞の変化を、ナノスプレーチップを細胞や組織に刺入し試料を採取するとともに、
その後の分子変化を連携して追跡することを特徴とするナノスプレーイオン化方法。
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