JP6553560B2 - 湿式微粉砕装置、湿式微粉砕システムおよびコーヒー抽出システム - Google Patents
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Description
本発明は、供給されたスラリーに含まれる固形物を更に細かく粉砕する湿式微粉砕装置に関する。
固形物を粉砕する粉砕機に関しては、例えば特許文献1に記載された装置が知られている。この装置は、あん、豆腐等の原料である有皮穀類等を粉砕する粉砕機であり、回転駆動手段により回転する円盤状の回転刃体を備えている。そして該回転刃体の基板部の表面に、基板部の回転軸X−Xを中心とする外周部に位置して原料を外周方向へ押し出す羽根部が突設され、更に該羽根部の外周部に位置して多数の回転刃部が、前記回転軸X‐Xを中心として全周にわたり、適宜間隔を有して突設され、かつ、前記基板部と羽根部と回転刃部とが一体形成されている。更に、回転刃体の上部に、固定刃体が、これに形成した固定刃部が回転刃部の径方向側面に近接するようにして備えられている。この特許文献1の装置では、原料投入口から投入された原料が、羽根部により外周方向に押し出され、回転刃体と固定刃体とにより切断・粉砕される。
上述した粉砕機では、原料(固形物)の粉砕が回転刃体と固定刃体とによる剪断にて行われるため、原料を細かくする能力には限界がある。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、供給されたスラリーに含まれる固形物をより細かく粉砕して微細化することができる装置およびシステムを提供することにある。
上記目的を達成するための湿式微粉砕装置の特徴構成は、
ロータとステータとを有し、供給されたスラリーに含まれる固形物を更に細かく粉砕する湿式微粉砕装置であって、
前記ロータは、遠心羽根部材が周方向に複数並んで配置されて構成される遠心羽根列を径方向に複数有し、
前記ステータは、前記遠心羽根列の間に配置され、周方向に複数のスリットが形成されている点にある。
ロータとステータとを有し、供給されたスラリーに含まれる固形物を更に細かく粉砕する湿式微粉砕装置であって、
前記ロータは、遠心羽根部材が周方向に複数並んで配置されて構成される遠心羽根列を径方向に複数有し、
前記ステータは、前記遠心羽根列の間に配置され、周方向に複数のスリットが形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、遠心羽根部材が周方向に複数並んで配置されて構成される遠心羽根列を径方向に複数有するロータが回転することにより、スラリーが流動する。そしてステータが遠心羽根列の間に配置され、そのステータに周方向に複数のスリットが形成されているから、ロータにより流動したスラリーがスリットを高速で通過する。そうすると、スラリーに含まれる固形物の衝突(固形物の粒子同士の衝突、およびステータへの衝突)が高頻度で発生し、固形物が更に細かく粉砕されることになる。すなわち上記の特徴構成によれば、供給されたスラリーに含まれる固形物をより細かく粉砕して微細化することができる。
本発明に係る湿式微粉砕装置の別の特徴構成は、前記ロータの径方向の最も外側に配置されている前記遠心羽根列の前記遠心羽根部材の幅は、その余の前記遠心羽根列の前記遠心羽根部材の幅よりも大きい点にある。
上記の特徴構成によれば、ロータの径方向の最も外側に配置されている遠心羽根列の遠心羽根部材の幅は、その余の遠心羽根列の遠心羽根部材の幅よりも大きいから、遠心力により負圧を発生させて、スラリーをより強く吸引・排出することができ、固形物を更に細かく粉砕することが可能となる。特に、最も外側の遠心羽根列とその余の遠心羽根列との間に、幅の違いに起因するスラリー流速の差が生じ、固形物の微細化を更に促進することができる。また最も外側の遠心羽根列は、内側の遠心羽根列よりも移動速度が大きいことから、微細化の効果は更に増大して好適である。
本発明に係る湿式微粉砕装置の別の特徴構成は、前記スリットは、前記ロータの回転軸に対して略平行に延びて形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、スリットは、ロータの回転軸に対して略平行に延びて形成されているから、遠心羽根部材により押されたスラリーがスムースにスリットを通過して、固形物の衝突が更に促進され、更なる微細化が可能となり好ましい。
上記目的を達成するための湿式微粉砕システムの特徴構成は、上述の湿式微粉砕装置と、前記湿式微粉砕装置から排出されたスラリーの一部を前記湿式微粉砕装置に供給する再循環装置とを有する点にある。
上記の特徴構成によれば、湿式微粉砕装置と、湿式微粉砕装置から排出されたスラリーの一部を湿式微粉砕装置に供給する再循環装置とを有するから、スラリーに含まれる固形物を湿式微粉砕装置で再び粉砕して、更に微細化することができ好適である。
上記目的を達成するための湿式微粉砕システムの特徴構成は、上述の湿式微粉砕装置と、供給された固形物を粉砕してスラリーを生成し前記湿式微粉砕装置に供給する一次粉砕装置とを有する点にある。
上記の特徴構成によれば、湿式微粉砕装置と、供給された固形物を粉砕してスラリーを生成し湿式微粉砕装置に供給する一次粉砕装置とを有するから、まず一次粉砕装置にて固形物を粉砕し、次いで湿式微粉砕装置にて供給されたスラリーに含まれる固形物を更に細かく粉砕することができるので、固形物が微細化されたスラリーを効率よく生成することができ好適である。
上記目的を達成するためのコーヒー抽出システムの特徴構成は、上述の湿式微粉砕装置を有し、前記固形物がコーヒー豆であり、前記スラリーに水が含有され、コーヒーの抽出が行われる点にある。
上記の特徴構成によれば、湿式微粉砕装置を有し、固形物がコーヒー豆であり、スラリーに水が含有され、コーヒーの抽出が行われるから、コーヒー豆が湿式微粉砕装置で微細化された状態でのコーヒーの抽出となり、抽出の効率を高めることができ好適である。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る湿式微粉砕装置100について説明する。湿式微粉砕装置100は、供給されたスラリーに含まれる固形物を更に細かく粉砕する。スラリーとしては例えば、粉砕されたコーヒー豆の粉末を水に分散させたものが想定される。この場合、固形物は粉砕されたコーヒー豆の粉末である。固形物としては、ゴマ、穀物、野菜、果実、食肉等が例示でき、繊維質のものも可能である。スラリーとしては、水の他にも、油やその他の液体を用いるものも可能である。湿式微粉砕装置100は、食品の加工分野に好適に適用可能であるが、食品以外にも適用可能である。
図1および図2に示すように、湿式微粉砕装置100は、駆動モータ10、ケーシング20、供給口30、排出口40および再供給口50を有する。駆動モータ10は、ケーシング20の内部に配置されたロータ1(後述)を回転駆動する。ケーシング20は円筒形状の部材であって、円筒形状の内部空間を有する。ケーシング20の内部空間にロータ1が収容される。
供給口30は、ケーシング20の内部空間と外部とを連通する開口であり、円筒形状のケーシング20の頂面に、中心からオフセットした位置に形成されている。供給口30は、湿式微粉砕装置100の前工程から供給されるスラリーをケーシング20の内部空間へ供給する。
排出口40は、ケーシング20の内部空間と外部とを連通する開口であり、円筒形状のケーシング20の側面に形成されている。排出口40は、ケーシング20の内部のスラリーを外部へ排出する。
再供給口50は、ケーシング20の内部空間と外部とを連通する開口であり、円筒形状のケーシング20の頂面の中央に形成されている。再供給口50は、後述する再循環装置209から供給されるスラリーをケーシング20の内部空間へ供給する。再供給口50には、内径が他の部位よりも小さい絞り部位51が形成されている。詳しくは再供給口50の内径は、ケーシング20の外部から内部へ向けて進むにつれて小さくなり、絞り部位51で最少となっている。
図3および図4に示すように、ケーシング20は、前壁部21、後壁部22および側壁部23を有する。そして前壁部21、後壁部22および側壁部23に囲まれたケーシング20の内部空間に、ロータ1が配置されている。上述した供給口30は、当該供給口30を構成するパイプ31が前壁部21に接合され、パイプ31の内部空間とケーシング20の内部空間とが連通する形態にて、形成されている。上述した再供給口50は、前壁部21の外側に立ち上げ管52が接合され、立ち上げ管52の内部空間とケーシング20の内部空間とが連通する形態にて、形成されている。
ロータ1は、円盤状の部材であり、その中心が軸部材60に取り付けられている。軸部材60は、駆動モータ10により回転軸心Cの回りに回転駆動され、これによりロータ1が駆動モータ10により回転軸心Cの回りに回転駆動される。
ロータ1の前壁部21の側の面には、第1遠心羽根部材1a、第2遠心羽根部材1b、第3遠心羽根部材1cおよび第4遠心羽根部材1dが配置されている。これら遠心羽根部材は、板状の部材であって、ロータ1の表面に対して垂直な姿勢で、かつロータ1の直径方向に対して傾斜した姿勢で、ロータ1の表面に固定されている。各々の遠心羽根部材は、ロータ1の表面から前壁部21の近傍まで延びて配置されている。
複数の第1遠心羽根部材1aが、ロータ1の径方向の最も外側に、一端がロータ1の外周に接する姿勢にて、回転軸心Cを中心とする円の上に配置されている。詳しくは、複数の第1遠心羽根部材1aは、外周側の端部が回転軸心Cを中心とする円の上に位置し、かつ内周側の端部が回転軸心Cを中心とする円の上に位置する姿勢および位置にて、ロータ1に配置されている。これら複数の第1遠心羽根部材1aが、第1遠心羽根列L1を構成している。本実施形態では、10枚の第1遠心羽根部材1aが、等間隔に配置されている。すなわち複数の第1遠心羽根部材1aは、回転軸心Cからみて36°の間隔で等間隔に配置されている。第1遠心羽根部材1aの、ロータ1の直径方向に対する角度αは、45°である。
複数の第2遠心羽根部材1bが、第1遠心羽根列L1の内側に、回転軸心Cを中心とする円の上に配置されている。詳しくは、複数の第2遠心羽根部材1bは、外周側の端部が回転軸心Cを中心とする円の上に位置し、かつ内周側の端部が回転軸心Cを中心とする円の上に位置する姿勢および位置にて、ロータ1に配置されている。これら複数の第2遠心羽根部材1bが、第2遠心羽根列L2を構成している。本実施形態では、32枚の第2遠心羽根部材1bが、等間隔に配置されている(なお一部の第2遠心羽根部材1bについて図示を省略している)。すなわち複数の第2遠心羽根部材1bは、回転軸心Cからみて11.25°の間隔で等間隔に配置されている。第2遠心羽根部材1bの、ロータ1の直径方向に対する角度βは、30°である。
複数の第3遠心羽根部材1cが、第2遠心羽根列L2の内側に、回転軸心Cを中心とする円の上に配置されている。詳しくは、複数の第3遠心羽根部材1cは、外周側の端部が回転軸心Cを中心とする円の上に位置し、かつ内周側の端部が回転軸心Cを中心とする円の上に位置する姿勢および位置にて、ロータ1に配置されている。これら複数の第3遠心羽根部材1cが、第3遠心羽根列L3を構成している。本実施形態では、26枚の第3遠心羽根部材1cが、等間隔に配置されている(なお一部の第3遠心羽根部材1cについて図示を省略している)。すなわち複数の第3遠心羽根部材1cは、回転軸心Cからみて13.85°の間隔で等間隔に配置されている。第3遠心羽根部材1cの、ロータ1の直径方向に対する角度γは、30°である。
複数の第4遠心羽根部材1dが、第3遠心羽根列L3の内側に、回転軸心Cを中心とする円の上に配置されている。詳しくは、複数の第4遠心羽根部材1dは、外周側の端部が回転軸心Cを中心とする円の上に位置し、かつ内周側の端部が回転軸心Cを中心とする円の上に位置する姿勢および位置にて、ロータ1に配置されている。これら複数の第4遠心羽根部材1dが、第4遠心羽根列L4を構成している。本実施形態では、18枚の第4遠心羽根部材1dが、等間隔に配置されている(なお一部の第4遠心羽根部材1dについて図示を省略している)。すなわち複数の第4遠心羽根部材1dは、回転軸心Cからみて20°の間隔で等間隔に配置されている。第4遠心羽根部材1dの、ロータ1の直径方向に対する角度δは、30°である。
図4に示すように、第1遠心羽根部材1aの幅W1は、第2遠心羽根部材1bの幅W2、第3遠心羽根部材1cの幅W3および第4遠心羽根部材1dの幅W4よりも大きい。すなわち、ロータ1の径方向の最も外側に配置されている第1遠心羽根列L1の第1遠心羽根部材1aの幅W1は、その余の遠心羽根列(L2、L3およびL4)の遠心羽根部材の幅(W2、W3およびW4)よりも大きい。本実施形態では、第2遠心羽根部材1bの幅W2、第3遠心羽根部材1cの幅W3および第4遠心羽根部材1dの幅W4は、同程度である。また上述の通り、第1遠心羽根部材1aの、ロータ1の直径方向に対する角度αは、第2、第3および第4の遠心羽根部材の角度(ロータ1の直径方向に対する角度β、角度γおよび角度δ)よりも大きい。ロータ1の直径方向に対する角度が大きくなると、遠心羽根部材がスラリーをより強く外周側へ送り出すことになる。以上の構成によって、最も外側の第1遠心羽根列L1とその余の遠心羽根列との間に、幅・角度の違いに起因するスラリー流速の差が生じ、固形物の微細化を更に促進することができる。
以上述べた通り、ロータ1は4つの遠心羽根列(第1遠心羽根列L1、第2遠心羽根列L2、第3遠心羽根列L3、および第4遠心羽根列L4)を有しており、これらの遠心羽根列は、ロータ1の回転軸心Cを中心とする4つの同心円上にそれぞれ配置されている。そして4つの遠心羽根列は、ロータ1の直径方向に略等しい間隔を空けて配置されている。遠心羽根列の間の3つの隙間に、次に述べる3つのステータが、それぞれ配置される。
図3および図4に示すように、ケーシング20の内部空間には、3つのステータ(第1ステータ2、第2ステータ3および第3ステータ4)が配置されている。各々のステータは、円筒形状の部材であり、ケーシング20の前壁部21に取り付けられて配置されている。各々のステータの円筒形状の中心軸は、ロータ1の回転軸心Cと一致している。すなわち3つのステータ(第1ステータ2、第2ステータ3および第3ステータ4)、および4つの遠心羽根列(第1遠心羽根列L1、第2遠心羽根列L2、第3遠心羽根列L3、および第4遠心羽根列L4)は、ロータ1の回転軸心Cを中心とする同心円上に配置されている。
第1ステータ2は、第1遠心羽根列L1と第2遠心羽根列L2との間に配置されている。第2ステータ3は、第2遠心羽根列L2と第3遠心羽根列L3との間に配置されている。第3ステータ4は、第3遠心羽根列L3と第4遠心羽根列L4との間に配置されている。すなわち、各々のステータはそれぞれ、遠心羽根列の間に配置されている。換言すれば、ステータと遠心羽根列とが、ロータ1の直径方向に交互に配置されている。
各々のステータには、周方向に複数のスリットが形成されている。すなわち、第1ステータ2には複数の第1スリット2aが形成され、第2ステータ3には複数の第2スリット3aが形成され、第3ステータ4には複数の第2スリット3aが形成されている。各々のスリット(第1スリット2a、第2スリット3aおよび第3スリット4a)は、ロータ1の回転軸心Cに略平行に延びて形成されている。各々のスリットは、図4に示すように、周方向に等間隔に配置されている。スリットの周方向の間隔は、各ステータでほぼ同じである。すなわち、第1ステータ2における第1スリット2aの間隔と、第2ステータ3における第2スリット3aの間隔と、第3ステータ4における第3スリット4aの間隔は、ほぼ同じである。
本実施形態では、3つのステータの厚さ(第1ステータ2の厚さt1、第2ステータ3の厚さt2、および第3ステータ4の厚さt3)は、ほぼ同じである。そして各々のステータの厚さは、遠心羽根部材の径方向(ロータ1の直径方向)の大きさよりも小さい。例えば、各々のステータの厚さは、遠心羽根部材の径方向(ロータ1の直径方向)の大きさの1/3〜1/8程度であり、好適には1/5程度である。
次に湿式微粉砕装置100の動作について説明する。以上の様に構成された湿式微粉砕装置100にて、供給口30および再供給口50からスラリーが供給され、駆動モータ10によりロータ1が図4に示す矢印の方向(図4で反時計回りの方向)に回転駆動されると、スラリーが遠心羽根部材に押されて、外周方向(回転軸心Cから離れる方向)に送られる。つまり、ケーシング20の中央側に負圧が生じ、供給口30および再供給口50からスラリーが吸引され、排出口40からスラリーが送り出される。
このように湿式微粉砕装置100では、遠心羽根部材により負圧が生じてスラリーを自吸するため、通常であれば水に浮いてしまう粒ゴマなどの乾燥材料であっても、湿式微粉砕装置100で吸引して固形物を粉砕して微細化することができる。
スラリーは、3つのステータ(第1ステータ2、第2ステータ3および第3ステータ4)の各々のスリット(第1スリット2a、第2スリット3aおよび第3スリット4a)を通過して、ケーシング20の中央から外周方向へ流れる。その際に、スラリーに含まれる固形物の衝突(固形物の粒子同士の衝突、およびステータへの衝突)が発生し、固形物が細かく粉砕される。ロータ1の回転速度が十分に高く、スラリーの圧力が十分に低下した場合には、遠心羽根部材の周囲やスリットにてキャビテーション(減圧沸騰)が発生して、固形物が更に細かく粉砕される。
続いて図5を参照して、本実施形態に係るコーヒー抽出システム200(湿式微粉砕システムの一例)について説明する。コーヒー抽出システム200は、上述の湿式微粉砕装置100と、一次タンク201、スクリューフィーダー202、二次タンク203、液体供給管204、一次粉砕装置205、バランスタンク206、モータ207、ロータリーポンプ208、再循環装置209、バランスタンク210およびロータリーポンプ211を有して構成される。
一次タンク201は、粉砕する固形物を貯留する。本実施形態では、コーヒー豆を貯留する。スクリューフィーダー202は、固形物を一次タンク201から二次タンク203へ、搬送量を制御しながら移送する。二次タンク203は、コーヒー豆を貯留して、一次粉砕装置205へ供給する。液体供給管204は、二次タンク203の下部に接続されて、一次粉砕装置205に液体(本実施形態では、水)を供給する。すなわち、固形物と液体とが一次粉砕装置205へと供給される。
一次粉砕装置205は、供給された固形物を粉砕してスラリーを生成する。例えば、一次粉砕装置205では、直径5〜8mmのコーヒー豆が、1〜2mmの粉末状に粉砕される。そして粉末状のコーヒー豆は水に分散してスラリーとなる。一次粉砕装置205で生成されたスラリーは、バランスタンク206へ送られて、一旦貯留される。バランスタンク206では、モータ207によりスラリーが攪拌され、気体が排気される。バランスタンク206に貯留されたスラリーは、ロータリーポンプ208によって湿式微粉砕装置100へ供給される。
湿式微粉砕装置100は、供給されるスラリーに含まれる固形物を更に細かく粉砕する。例えば、湿式微粉砕装置100では、一次粉砕装置205で1〜2mmの粉末状に粉砕されたコーヒー豆の粉末が、0.5mm以下の微細な微粉末に粉砕される。湿式微粉砕装置100で生成されたスラリーは、再循環装置209に送られる。
再循環装置209は、湿式微粉砕装置100から排出されたスラリーの一部を、再び湿式微粉砕装置100に供給する。具体的には、粉砕が不十分な固形物を含むスラリーの部分を比重によって分離して、湿式微粉砕装置100へ供給し、十分に細かく粉砕された固形物を含むスラリーを、下流側のバランスタンク210へ供給する。
バランスタンク210では、再循環装置209から供給されるスラリーを一旦貯留し、不要な空気を排気する。そしてバランスタンク210に貯留されたスラリーは、ロータリーポンプ211によって次工程へ送られる。
本実施形態に係るコーヒー抽出システム200では、湿式微粉砕装置100によってコーヒー豆が微細に粉砕されて、コーヒー豆の微粉末に水が浸透して、コーヒーの抽出が行われる。
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態では、ステータにスリットが形成された。図6に、第1ステータ2に形成された第1スリット2aの構造を示す。第1スリット2aは、直方体形状に形成されている。第1遠心羽根部材1aは、図6に示す第1ステータ2の上側を、図6における右上方向へ移動する。第2遠心羽根部材1bは、図6に示す第1ステータ2の下側を、図6における右上方向へ移動する。これによりスラリーが、第1スリット2aを通過して、図6に示す点線矢印の方向へ流れる。
(1)上述の実施形態では、ステータにスリットが形成された。図6に、第1ステータ2に形成された第1スリット2aの構造を示す。第1スリット2aは、直方体形状に形成されている。第1遠心羽根部材1aは、図6に示す第1ステータ2の上側を、図6における右上方向へ移動する。第2遠心羽根部材1bは、図6に示す第1ステータ2の下側を、図6における右上方向へ移動する。これによりスラリーが、第1スリット2aを通過して、図6に示す点線矢印の方向へ流れる。
上述のステータに係る構造を改変して、図7に示す形状とすることも可能である。図7に示すステータおよびスリットの他の実施形態では、第1スリット2aの間の柱状部位2bに、切欠き部位2cが形成される。切欠き部位2cは、図6に示す第1ステータ2の上側、すなわち第1ステータ2の外側の面であって、第1遠心羽根部材1aの移動方向の下流側(図6の右上側)に形成される。切欠き部位2cは、柱状部位2bの稜線を四面体形状に切り欠いて形成される。切欠き部位2cは、第1スリット2aの延びる方向に、複数箇所隣接して形成される。
このように第1ステータ2に切欠き部位2cを形成することで、第1スリット2aを通過するスラリーが流動できる空間が大きくなり、固形物の衝突頻度が増加して微細化が促進されて好適である。また、第1スリット2aの周囲に稜線(エッジ)が増加するため、固形物と稜線(エッジ)との衝突機会が増加し、固形物の粉砕・微細化が促進されて好適である。切欠き部位は、第2ステータ3および第3ステータ4に形成することも可能である。
(2)上述の実施形態では、湿式微粉砕装置100は4つの遠心羽根列と3つのステータとを有して構成された。遠心羽根列およびステータはこの数に限定されるものではなく、粉砕する固形物の性状などに応じて増減が可能である。例えば遠心羽根列は2つ、3つ、および5つ以上とすることも可能であり、これに応じてステータは1つ、2つ、および4つ以上とすることも可能である。
(3)最も内側の遠心羽根列の更に内側に、スリットを有するステータを設けることも可能である。
なお上述の実施形態(他の実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 :ロータ
1a :第1遠心羽根部材
1b :第2遠心羽根部材
1c :第3遠心羽根部材
1d :第4遠心羽根部材
2 :第1ステータ
2a :第1スリット
3 :第2ステータ
3a :第2スリット
4 :第3ステータ
4a :第3スリット
100 :湿式微粉砕装置
200 :コーヒー抽出システム(湿式微粉砕システム)
205 :一次粉砕装置
209 :再循環装置
L1 :第1遠心羽根列
L2 :第2遠心羽根列
L3 :第3遠心羽根列
L4 :第4遠心羽根列
1a :第1遠心羽根部材
1b :第2遠心羽根部材
1c :第3遠心羽根部材
1d :第4遠心羽根部材
2 :第1ステータ
2a :第1スリット
3 :第2ステータ
3a :第2スリット
4 :第3ステータ
4a :第3スリット
100 :湿式微粉砕装置
200 :コーヒー抽出システム(湿式微粉砕システム)
205 :一次粉砕装置
209 :再循環装置
L1 :第1遠心羽根列
L2 :第2遠心羽根列
L3 :第3遠心羽根列
L4 :第4遠心羽根列
Claims (6)
- ロータとステータとを有し、供給されたスラリーに含まれる固形物を更に細かく粉砕する湿式微粉砕装置であって、
前記ロータは、遠心羽根部材が周方向に複数並んで配置されて構成される遠心羽根列を径方向に複数有し、
前記ステータは、前記遠心羽根列の間に配置され、周方向に複数のスリットが形成されている、湿式微粉砕装置。 - 前記ロータの径方向の最も外側に配置されている前記遠心羽根列の前記遠心羽根部材の幅は、その余の前記遠心羽根列の前記遠心羽根部材の幅よりも大きい、請求項1に記載の湿式微粉砕装置。
- 前記スリットは、前記ロータの回転軸に対して略平行に延びて形成されている請求項1または2に記載の湿式微粉砕装置。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の湿式微粉砕装置と、前記湿式微粉砕装置から排出されたスラリーの一部を前記湿式微粉砕装置に供給する再循環装置とを有する湿式微粉砕システム。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の湿式微粉砕装置と、供給された固形物を粉砕してスラリーを生成し前記湿式微粉砕装置に供給する一次粉砕装置とを有する湿式微粉砕システム。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の湿式微粉砕装置を有し、前記固形物がコーヒー豆であり、前記スラリーに水が含有され、コーヒーの抽出が行われるコーヒー抽出システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016166066A JP6553560B2 (ja) | 2016-08-26 | 2016-08-26 | 湿式微粉砕装置、湿式微粉砕システムおよびコーヒー抽出システム |
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