JP6553400B2 - 荷電粒子ビーム治療装置 - Google Patents

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本発明は粒子線治療システムに係り、陽子及び炭素イオン等の荷電粒子ビームを患部に照射して治療する粒子線治療システムに関する。
粒子線治療装置は、荷電粒子ビームを加速する手段としてシンクロトロン等の加速器が一般的に使用されている。
特開2007-311125号は、このような粒子線治療装置に関し「荷電粒子ビーム加速器から出射された荷電粒子ビームを被照射体設置位置まで輸送し、この輸送された荷電粒子ビームを前記被照射体の特定の照射部位に照射するようにした荷電粒子ビーム照射システムにおいて、少なくとも1の照射部位に対して予め設定された計画線量の照射に対応した1回の照射内で荷電粒子ビーム加速器から出射される荷電粒子ビームの出射ビーム強度を2段階以上に変化させると共に、前記荷電粒子ビーム照射システムは、更に照射線量を測定する線量モニタを備え、2段階以上に変化する出射ビーム強度のうち、照射終了時に対応する段階の出射ビーム強度は、前記終了時段階の一段階前の出射ビーム強度による照射の時点までの前記線量モニタによる積算照射線量測定結果から算定された前記計画線量に対する残線量に基づき設定されることを特徴とする荷電粒子ビーム加速器のビーム出射制御方法。」が開示されている。
特開2007-311125号公報
しかしこの特許文献1に開示された技術は、出射ビーム強度を下げる必要があるため照射時間が増加すると考えられる。特許文献1では、例えば、積算照射線量が計画線量の2/3に達した時点で、出射ビーム強度の設定値を1/2にするとの記述がある。この場合出射ビーム強度の設定値を1/2に下げた以降の照射時間が、下げない場合と比較し2倍となり全体の照射時間が約1.3倍に増加し、患者の拘束時間が増加する。
そこで、本発明の目的は、照射時間の増加量を削減可能な粒子線治療システムを提供することである。
上記課題を解決するにあたって本発明は様々な形態が想定されるが、その一例として「荷電粒子ビームを加速し、出射させる荷電粒子ビーム発生装置と、前記荷電粒子ビームに磁場を作用させ偏向する電磁石を有し、前記偏向の角度を制御することによって前記荷電粒子ビームを標的上で走査する照射装置と、前記荷電粒子ビーム発生装置から出射させた前記荷電粒子ビームを前記照射装置まで運ぶビーム輸送系と、を備え、前記照射装置は、一回の走査制御によって走査すべき第1の領域に対して、前記荷電粒子ビーム発生装置が出射させる制御を実行する間、および前記荷電粒子ビーム発生装置が前記荷電粒子ビームを出射させる制御を停止してから前記荷電粒子ビームの出射が停止するまでの間、に出射される荷電粒子ビームを走査する粒子線治療システム」
本発明によれば、照射時間の増加量を削減可能な粒子線治療システムを提供することができる。
本発明の一実施形態の粒子線治療システム(陽子線治療システム)の概略図 本発明の一実施形態である粒子線治療システムが有する照射装置の概念図 高周波キック装置に対する高周波の印加時間と、荷電粒子ビームの出射の時間との関係を表す概念図 本発明の第1の実施形態である粒子線治療システムにおける荷電粒子ビームの出射制御を停止する際の加速器の運転パターンを表す概念図 図4に示す運転パターンを実現するための制御フロー例 本発明の第2の実施形態である粒子線治療システムにおける荷電粒子ビームの出射制御を停止する際の加速器の運転パターンを表す概念図 図6に示す運転パターンを実現するための制御フロー例
本発明の一実施例である陽子線治療システムについて説明する。なお、本実施例では陽子線治療システムを例に取り上げるが、本発明の技術思想は他の粒子線治療システムにも適用可能である。
図1は本実施形態の粒子線治療システムである陽子線治療システムの概略図である。
粒子線治療システムは、治療室内に設置される治療ベッド62上に固定された患者61の患部61aに対して荷電粒子線(例えば陽子線や炭素線)を照射して治療を施すものである。主要な構成機器は、荷電粒子線(荷電粒子ビーム)の進む流れに沿って挙げると、荷電粒子ビーム発生装置1、荷電粒子ビーム発生装置1の下流に配置されたビーム輸送系13、ビーム輸送系13を介して輸送された荷電粒子ビームを患部61aに照射する照射装置(例えばスキャニング装置)20と、これらの機器を治療計画に基づいて制御する制御装置3、である。
荷電粒子ビーム発生装置1は、イオン源(図示せず)、前段荷電粒子ビーム発生装置5(たとえば線形加速器)及びシンクロトロン(加速器)2を有する。シンクロトロン2は荷電粒子ビームを加速させる高周波加速装置9、荷電粒子ビームの軌道を高周波により変位させる高周波キック装置10、荷電粒子ビームビームの軌道を安定させる四極電磁石7及び六極電磁石8、荷電粒子ビームを偏向させて周回させる偏向電磁石6などを有する。
荷電粒子ビームを発生させる手順は次のとおりである。まず荷電粒子ビームの元となる荷電粒子を、イオン源にて生成する。イオン源で発生したイオン(たとえば陽子イオンや炭素イオン)は、前段荷電粒子ビーム発生装置5(たとえば線形荷電粒子ビーム発生装置) 誘導され加速される。前段荷電粒子ビーム発生装置5で加速された荷電粒子ビーム(たとえば陽子ビーム)はシンクロトロン2へ入射される。
シンクロトロン2は、前段荷電粒子ビーム発生装置5から入射される荷電粒子ビームを、高周波加速装置9によって設定されたエネルギー(例えば陽子ビームの場合50MeV〜250MeV)まで加速する。加速された荷電粒子ビームは、シンクロトロン2から取り出され(出射され)、ビーム輸送系13によって照射装置20まで輸送される。
シンクロトロン2から荷電粒子ビームを取りだす方法は複数存在する。その一つは、高周波キック装置10に印加する高周波によって、シンクロトロン2内を周回する荷電粒子ビームに意図的な擾乱を発生させ、荷電粒子ビームの軌道を安定的な軌道から不安定な軌道へと遷移させて出射させる方法である。なお、荷電粒子ビームの安定性は四極電磁石7や六極電磁石9の出力に依存するため、高周波キック装置10に高周波を印加させるとともに、シンクロトロン2に設置された四極電磁石7及び六極電磁石9の励磁量を制御し、シンクロトロン2に周回中の荷電粒子ビームの一部を不安定な状態にして出射を容易にしてもよい。
より詳細に説明すると、シンクロトロン2内を周回する荷電粒子は、四極電磁石7および六極電磁石9を利用して安定領域(セパラトリクス)を形成した場合、この安定領域内に軌道が存在すると安定的に周回するが、安定領域外に軌道が遷移した荷電粒子は、状態が不安定となって周回軌道から逸脱し取り出すことが可能となる。したがって、高周波による擾乱、すなわち荷電粒子の振動振幅の増大によって荷電粒子の周回軌道を安定領域の境界に近づけることに並行して、各電磁石の出力を調整して安定領域を縮小することで、荷電粒子ビームの出射を容易にすることができる。
また、高周波キック装置10を設けずに、四極電磁石7や六極電磁石9の制御のみで荷電粒子ビームを安定的な軌道から不安定な軌道へと遷移させて出射させることも可可能である。
シンクロトロン2から荷電粒子ビームを出射させる方法は上述のように複数存在する。しかし、いずれの出射方法も、高周波キック装置10に対して高周波が印加された時点または四極電磁石7や六極電磁石9の出力が制御された時点と完全に同タイミングで荷電粒子ビームを出射させることは困難である。現実的には、高周波の印加または各電磁石の出力を制御した時点から荷電粒子ビームの出射までは、ある程度の時間(たとえば数十us程度)を要する。
一方、荷電粒子ビームの出射を停止させる場合は、上述の出射制御を停止すればよい。具体的には高周波キック装置10に印加されている高周波を停止する。またそれとともに四極電磁石16a及び六極電磁石16bの励磁量を制御して荷電粒子ビームが安定的に周回できる状態にする。この際も、高周波キック装置10に対する高周波の印加を停止した時点または各電磁石の出力を制御した時点に対して、完全に同タイミングで荷電粒子ビームの出射を停止することは困難である。現実的には、不安定状態にある荷電粒子ビームが、高周波キック装置10に対する高周波の印加を停止してからも、徐々に出射されるため、出射の停止まではある程度の時間が必要(たとえば数百us)となる。この模式図を図3に示す。荷電粒子ビームの出射は、高周波キック装置10の印加高周波を停止、つまり荷電粒子ビームの出射制御を停止してからTdかかって停止する。また、このビーム停止時間Tdは電磁石の励磁量の誤差や、蓄積電荷量の状況によって変動する。
なお、このビーム停止時間Tdに出射される荷電粒子ビームを遮断するためにビーム輸送系13に高速なキッカ電磁石を設けてもよい。しかし、例えばキッカ電磁石の立ち上げ時間を120us以下にしようとすると機器が高価になるというコスト面でのデメリットがある。また、キッカ電磁石によって偏向させた荷電粒子ビームは、遮蔽体(ダンパ)に衝突させて最終的に遮蔽する必要がある。しかし、放射線遮蔽に必要な遮蔽体(遮蔽用壁)の厚みは、荷電粒子ビーム発生装置1が発生させる最大エネルギーに応じて設計されるため、粒子線治療システムの小型化が困難となる。
ビーム輸送系13は、先に説明したような制御によって荷電粒子ビーム発生装置1から出射された荷電粒子ビームを治療室まで導く役割をもつ。ビーム輸送系13の主な構成機器は、荷電粒子ビームを通過させるダクトと、荷電粒子ビームの軌道を大きく偏向する偏向電磁石11aや11b、荷電粒子ビーム軌道を安定させるステアリング電磁石12aが挙げられる。
照射装置20は、ビーム輸送系13を介して輸送された荷電粒子ビームを患部形状に合わせて走査する役割をもつ。主な構成として、荷電粒子ビームを磁力によって偏向し任意の位置へ導く走査電磁石20a、荷電粒子ビームの通過位置に応じた信号を出力する位置モニタ20c、位置モニタ20cから出力される信号に基づき荷電粒子ビームの通過位置を推定するビーム位置計測装置20e、通過する荷電粒子ビームの線量に応じた信号を出力する線量モニタ20d、とこの線量モニタ20dから出力される信号に基づき荷電粒子ビームの線量を推定するビーム線量測定装置20f、およびビーム位置計測装置20eとビーム線量測定装置20fとから出力される信号を処理する信号処理装置30とから構成されている。この信号処理装置30が取得する荷電粒子ビームの通過位置や線量に関する測定データは、制御装置3の照射制御装置3c、統括制御装置3aに送られる。
また、粒子線治療分野におけるスキャニング照射法は大きく分けて、照射点(スポット)を切り替える際に荷電粒子ビームの照射を停止させる間欠的なスキャニング法と、スポットを切り替える際に荷電粒子ビームの照射を停止させず連続的に照射する方法とが存在する。連続的な照射を実行するスキャニング法は、荷電粒子ビームの照射位置を常に動かす走査(いわゆるラスタースキャニング)や、スポットの位置では荷電粒子ビームの照射位置の移動を一時停止させる(つまり荷電粒子ビームの照射は継続しつつ、照射位置の移動と停止が繰り返される)スキャニング法などを含む。
なお、本分野における荷電粒子ビームの走査とは、スポットの切り替え時において、荷電粒子ビームの照射を停止させるか否かを問わず、荷電粒子ビームをあるスポットから次のスポットへと順次照射していく制御を言う。また、いずれのスキャニング法も、荷電粒子ビームによって照射する階層(レイヤ)を変更する時は、荷電粒子ビームの照射を停止させる場合が多い。
以降の説明においては、スポットを切り替える際に荷電粒子ビームの照射を継続するスキャニング法を第1のスキャニング照射法、スポットを切り替える際に荷電粒子ビームの照射を停止するスキャニング法を第2のスキャニング照射法とする。
第一の実施例は、第1のスキャニング照射法を採用する粒子線治療システムにおいて、荷電粒子ビームの照射終了後、予め計画された付与すべき荷電粒子ビームの線量に対して実際に照射された荷電粒子ビームの線量が不足となった場合、不足した線量に応じて荷電粒子ビームを再度照射する方法、あるいはこの方法を実現する制御およびこの制御が適用された粒子線治療システムである。
この方法を実現する制御を実施した場合における荷電粒子ビーム停止時の運転パターンの概念を図4に示す。
本制御は、荷電粒子ビームの照射を実行する前に、あらかじめ設定された照射に利用する荷電粒子ビームの電流値に基づき、荷電粒子ビームの出射制御を停止した後に照射が実行されるスポット(第1スポット)の個数を予測し、荷電粒子ビームの1回の走査制御において荷電粒子ビームの停止制御を実行すべき最適なスポット(第2スポット)を算出しておく。より具体的には、例えば、出射制御を停止した後に、自然に出射される荷電粒子ビームの出射が停止するまでの電流値を積算することで、この期間に出射される荷電粒子ビームの線量が取得できる。この取得された線量に対して、照射すべき線量の積算値が同程度となるようなスポット数を求めることで第1スポットを決定できる。
ここでより望ましくは、荷電粒子ビームの出射制御を停止した後に出射される荷電粒子ビームによる線量(漏れ線量)の最大値を事前に調べておき、その値に対してマージンを付した線量を、第1スポットあるいは第1スポットの集団に対して付与すべき線量とする。
出射制御を停止した後に、少しずつ自然と出射される荷電粒子ビームの線量(漏れ線量)は各電磁石の電源リップル等の影響を受け変動する可能性がある。そのため、ある漏れ線量を予測しビームを停止させると予測と異なる線量が漏れた場合、過線量或いは線量不足になることが考えられる。したがって、最大漏れ線量を想定して第1スポットおよび第2スポットを設定することで過線量を防止することができる。
第1スポットに関する情報、第2のスポットに関する情報は、事前に治療計画装置(図示せず)を利用して求め制御装置3等に読み込ませておけばよい。例えば、各スポットに関する情報として、照射すべき線量や、その位置に荷電粒子ビームを導くために必要な走査電磁石20aの励磁量に関する情報に加えて、第1スポットまたは第2スポットに属するスポットであれば、そのことを示す専用フラグを付けておく。
実際の治療が開始されると、本実施例の粒子線治療システムは、制御装置3から照射装置20に対する指示、具体的には先に説明した照射すべき線量や走査電磁石20aの励磁量に関するに基づき荷電粒子ビームの走査を実行する。この際、照射しているスポットが先ほど予測した第2スポットである場合、そのスポットに対する照射を完了すると、制御装置3は高周波キック装置10の印加高周波を停止する指示を出力し、または高周波キック装置10の印加高周波の出力指示を取り消して、荷電粒子ビームの出射制御を停止する。なお、先に述べたとおり、荷電粒子ビームの出射制御を四極電磁石7や六極電磁石9の出力調整によって制御する場合は、これらの電磁石に対して、出力停止指示の出力または出力指示の取り消しによって、出射制御を停止する。
一方、照射装置20による照射制御は、出射制御を終了した後も継続される。具体的には、第1スポットのフラグが割りつけられた各スポット(第1スポットの集団)に荷電粒子ビームが導かれるように走査電磁石20aの出力が順次変更される。この際に照射される荷電粒子ビームは、図4に示す荷電粒子ビームの出射制御停止後のTd期間において自然に出射される荷電粒子ビームである。またTd期間におけるスポットの切り替えは、例えば各スポットに対して設定されている付与されるべき線量に基づき実行すればよい。
制御装置3は、このような第1スポットの集団に対する荷電粒子ビームの走査によって、すなわち高周波キック装置10の印加高周波を停止した後に実行される走査によって、照射されたスポットの個数が、事前に想定した値と一致する場合は次のレイヤの照射に移行する。(図4の左)
すなわち、本実施例の粒子線治療システムは、基本的な構成機器として、荷電粒子ビームを加速し、出射させる荷電粒子ビーム発生装置1と、荷電粒子ビームに磁場を作用させ偏向する電磁石(走査電磁石20a)を有し、その偏向の角度を制御することによって荷電粒子ビームを標的上で二次元的に走査する照射装置20と、荷電粒子ビーム発生装置から出射させた前記荷電粒子ビームを前記照射装置まで運ぶビーム輸送系13とを有する。そして照射装置20は、荷電粒子ビーム発生装置1が荷電粒子ビームを出射させる制御を実行している間のみならず、その制御を停止した後も、荷電粒子ビームが自然に出射されている間は、荷電粒子ビームを偏向する角度を変更し、荷電粒子ビームの走査を継続する。
なお上述の荷電粒子ビーム発生装置1が荷電粒子ビームを出射させる制御を停止した後の走査は、例えば、出射制御を停止した後に出射される荷電粒子ビームの線量に基づき、この期間内に照射可能なスポット数を算出し、これを監視するとよい。あるいは、このスポット数を走査電磁石20aに対する励磁電流量の目標値の更新回数として設定し、この回数を制御装置3が監視することで制御されてもよい。あるいは、上述の線量をスポット数ではなく走査量に置き換えて、これを監視するシステムであってもよい。
あるいは、標的上に設定された1回の走査制御で、計画された線量を付与すべき領域を第1領域とし、出射制御を停止した後に出射される荷電粒子ビームを使って走査する領域を第2領域とし、この第2領域を、出射制御を停止した後に出射される荷電粒子ビームの線量に基づき設定してもよい。この場合、例えば、1回の走査制御において、走査の順番が後ろのスポットは第1領域と第2領域の両方に属し、走査の順番が若いスポットは、第1領域のみに属する。シンクロトロン3は、第1領域のみに含まれるスポットを照射する場合は出射制御が実行され、第2領域にも属するスポットを照射する段階では出射制御を実行しない。
このような制御を採用する本実施例の粒子線治療システムは、従来よりも速く照射を完了することが可能となる。
なお、高周波キック装置10の印加高周波を停止した後に照射されたスポットの個数が想定値未満、すなわち1回の走査で照射すべき線量が不足した場合、再度、高周波キック装置10に高周波を印加し、荷電粒子ビームを再度出射させ、照射が完了していないスポット(未照射のスポット)に対して照射する。この高周波キック装置10に対する高周波の再印加制御は、その高周波の強度を再照射する線量、つまり計画された線量に対して不足している線量に合わせて調整してもよい。また、再度の出射制御によって走査すべき領域を第3領域として管理してもよい。
シンクロトロン2から出射される荷電粒子ビームの強度(電流値とかビーム電流の大きさとも言う)は、高周波キック装置10に印加される高周波の強度あるいは、四極電磁石7や六極電磁石9によって形成される安定領域の縮小速度に依存する。照射が完了していない第3領域に属するスポットに対して照射されるべき線量は微小であるため、1回目の走査終了後、照射すべき線量が不足している場合、不足している線量を考慮し、1回目よりも低い強度の荷電粒子ビームを使って、2回目の走査によって残ったスポットを照射することで、各スポットに対する高精度な照射が可能となる。
この制御を具体化すると、制御装置3は、1回目の走査終了後に、1回目の走査において照射されるべきスポットの中に、未照射スポットが存在する場合は、高周波キック装置10に印加する高周波の強度を低く設定し、または四極電磁石7や六極電磁石9による安定領域の縮小速度を遅くすることとなる。
なお、上述する1回の走査とは、荷電粒子ビーム発生装置1から荷電粒子ビームを出射させ、その荷電粒子ビームの出射停止制御後、遅れて出射される荷電粒子ビームによる照射を完了するまでの一連の制御を言う。この一連の制御によって走査される領域(走査領域)は、標的の大きさやシンクロトロン2内に蓄積可能な電荷量に応じて任意に設定することができる。
また、この1回の走査制御とは、必ずしも常に荷電粒子ビームを出射する制御が実行されることを意味しない。1回の走査制御は、第1のスキャニング法または第2のスキャニング法によって、複数スポットからなる領域に対して付与すべき線量を、出射制御を停止した後に出射される荷電粒子ビームを利用した走査を含め、付与しようとする一連の制御である。
各スポットに対して照射される線量が予想外に大きくなる事象(過線量)を防ぐためには、装置の実力に対して非常に低い荷電粒子ビームの強度を設定し、荷電粒子ビームの出射制御を停止した後に徐々に出射される荷電粒子ビームの線量(漏洩線量)を下げることも考えられる。しかし、このような制御を採用すると、照射時間が増加するという課題が生じるし、本来の装置性能を十分に活かすことができなくなる。
また、荷電粒子ビームの出射制御を停止した後に、徐々に出射される荷電粒子ビームの線量を完全に予測可能ならば、これを考慮する事で正確な線量を照射できかつ照射時間の増加を防ぐことが可能である。しかし現実的には電源のリップル等の影響で遅れ出射による漏れ線量はある範囲内でランダムに変動し完全に予測する事は極めて困難である。
しかし、本実施例の粒子線治療システムでは、1回目の走査を終了後、その走査によって照射されるべき線量と対応するスポットを確認し、未照射のスポットが有る場合は再度荷電粒子ビームを照射し線量を追加することにより計画線量を満了させる。
出射制御を停止してから、実際に荷電粒子ビームの出射現象が停止するまでに要する時間は照射時間に比べて十分に短い(たとえば特許文献1であれば、照射時間数ms〜数十msに対してビーム停止時間は100us)。そのため、ビームを追加に必要な時間も漏れ時間程度の時間となるので照射時間に比べて十分に短く照射線量の増加を抑えることが可能である。(たとえば前述の特許文献に適用すると、最悪を想定し漏れ線量が予想に反して全く発生しなかった場合において、追加ビームの照射時間はビーム電流の強度を半分にした場合でも停止時間の倍である200us以下となる。この値は先述の特許文献に記載のある照射点(スポット)当たりの照射時間数ms〜数十msに対して1/10以下であるので照射時間の増加は1.1倍以下に抑えることが可能である。)
よって、この制御によりビーム電流低下による照射時間の増加量を減らすことが可能であり、かつ正確な線量の照射を可能とする。
図5は、上述した制御をフローチャートとして示す。
ステップ19で制御装置3から荷電粒子ビームを照射開始する。開始後、ビーム線量測定装置20fにてビームの線量を計測する。測定された線量は信号処理装置30を介して照射制御装置3cに送られる。照射制御装置3cでは測定された線量を積算しそのレイヤ及びスポットに照射された線量を監視する。なお、このステップの前に、治療計画装置によって作成された情報が制御装置3に読み込まれ、その情報には先に説明した第1スポットや第2スポットに関する情報も含まれる。
また、各スポットに対して付与すべき線量は、1回の走査によって付与すべき線量の積算値に基づいて設定される。具体的には、1番目のスポットに対して照射すべき線量の値が設定されると、2番目のスポットに付与すべき線量の値は、先の1番目のスポットに対して設定された線量値に、2番目のスポットに照射すべき線量の絶対値を加算した値が設定される。したがって、各スポットに設定される線量値は、照射される順番に応じた線量の積算値が設定される。
なお、以降の説明においては、1回の走査によって照射すべき対象が、一つのレイヤである場合を想定して説明する。無論、これは一つのレイヤに限る必要はなく、一つのレイヤを例えば2つの領域に分け、各領域を1回の走査によって照射すべき対象としてもよい。
ステップ20において、照射されるスポットが統括制御装置3aにより設定した第2スポットである場合、照射制御装置3cからビーム照射停止信号(出射停止制御のトリガ信号)を加速器制御装置3bに送信する。このビーム停止信号を送付するスポットは、あらかじめ高周波キック装置10に対する印加高周波の停止など、出射制御を停止した後に出射される荷電粒子ビームの線量を測定若しくは計算しておき、そこから荷電粒子ビームの照射が停止するまでに照射可能なスポットの個数を算出し設定する。
この際、高周波の印加を停止した後に出射される荷電粒子ビームの線量が不安定で変動する場合は、想定される最大線量を想定し高周波の印加を停止するスポットを設定するとよい。なお、出射制御が高周波の印加に加えて安定限界を縮小する制御を採用する場合であっても、同様の計算あるいは測定によって、荷電粒子ビームの出射制御を停止した後に、自然と出射される荷電粒子ビームの線量によって照射するスポットを求めることが可能である。
ステップ21において、ビーム照射停止信号を受けた加速器制御装置3bは高周波キック装置10に対して高周波の印加を停止する指示を出力し、荷電粒子ビームの出射制御を停止する。なお、以降の説明で混乱を防ぐために、荷電粒子ビームの出射制御を停止することを出射停止と呼び、荷電粒子ビームの出射制御を停止した後に自然と生じる荷電粒子ビームの出射も終了することを照射停止と呼ぶこととする。
ステップ22及びステップ23においては、制御装置3は、出射停止後に自然に出射される荷電粒子ビームを利用した走査制御と、ビーム線量測定装置20f及び照射制御装置3cによる照射停止の確認制御を実行する。すなわち、本実施例の粒子線治療システムは、高周波キック装置10に対する高周波の印加を停止した後も、照射装置20は、自然と出射される荷電粒子ビームを次のスポットに対して照射し、当該スポットに付与すべき線量が照射されたことをビーム線量測定装置20fによって検知したときは、更に次のスポットに対して荷電粒子ビームが照射されるように走査電磁石20aの励磁量を制御する。
またこれと並行してステップ23において、制御装置3が荷電粒子ビームの照射(もしくは出射)停止を確認する。確認方法は、例えば、任意の時間窓を設定しておき、その時間窓においてビーム線量測定装置20fの出力がゼロあるいは所定のしきい値を下回っていることを確認するなどでよい。このような確認の後、ステップ24に移行する。
ステップ24では、照射制御装置3cが、1回の走査で照射すべき対象としたレイヤに実際に照射された線量値と、計画線量値、換言すると当該レイヤに含まれるスポットに対して付与されるべき線量の積算値とを比較する。本実施例において実際に照射された線量値と計画線量値とが一致する場合、次のステップ28に移行する。なおここでいう一致とは許容される誤差範囲内にあることを意味する。
一方、ステップ24において、実際に照射された線量値が計画線量値に到達していない場合はステップ25に移行し、制御装置3は、再度、高周波キック装置10へ高周波を印加し、再度荷電粒子ビームの出射および照射を実行する。この際、高周波キック装置10へ印加する高周波の強度を調整し、追加的に照射する荷電粒子ビームの強度を調整する。荷電粒子ビームの強度は高周波キック装置10に印加される高周波の強度に比例するため、高周波の強度を追加的に照射する荷電粒子ビームによって補うべき照射線量から決定する。このような制御によって精度のよい照射が可能となる。また、荷電粒子ビームの強度を調整するために、四極電磁石7の励磁量若しくは六極電磁石9の励磁量或いはその両方を使用して、安定領域の縮小あるいは拡大速度を調整してもよい。また、シンクロトロン2内の電荷が枯渇している場合は、入射する荷電粒子の量を調整する事(たとえばイオン源のアーク電流)によりビームの強度の調整をしてもよい。
ステップ25の後、ステップ26において、ビーム線量測定装置20fにおいて測定した線量の積算値が、レイヤに対して設定された計画線量を満了した場合、照射制御装置3cからビーム停止信号を加速器制御装置3bに送信する。この際、ステップ20から26の制御を再度繰り返すことにより照射時間は増加するが照射精度をさらに向上させることができる。
ステップ27において加速器制御装置はビーム停止信号を受けると、高周波キック装置10に印加する高周波を停止する。ステップ28では照射完了したレイヤが最終レイヤかどうか判断し最終レイヤならば治療を完了し、最終レイヤでない場合は次のレイヤに移行する。
次に、第二の実施例について説明する。本実施例の粒子線治療システムは、第1のスキャニング照射法を基本としつつ、先に述べた第1のスポットに対する2回目の走査が必要な場合は、間欠的に一定量の荷電粒子ビームを出射させ照射を実行する。
この制御を実施した粒子線治療システムにおける荷電粒子ビームの出射制御を停止した以降の加速器運転パターンおよび照射される荷電粒子ビームの強度との関係を図6に示す。
なお、本実施例においても、出射制御の停止をした後に、自然に出射される荷電粒子ビームを利用して照射を実行する点は同様である。したがって、あらかじめ荷電粒子ビームの電流値に基づき出射停止後に照射されるスポット(第1スポット)またはその集団を予測しておく。荷電粒子ビームの走査を実行する場合においては、照射スポットがあらかじめ予測した出射制御を停止するスポット(第2スポット)まで進行したら、高周波キック装置10の印加高周波を停止する。
荷電粒子ビームの照射を停止した時に、ビーム線量測定装置20fによって取得された1回の走査で付与すべき線量が、計画線量と一致する場合は次のレイヤの照射に移行する。この制御は実施例1と同様である。
一方、照射を停止した時の線量が、計画線量に未達の場合再度、高周波キック装置10に高周波を印加しビームを出射する。この再度の出射制御および照射を、先に説明した実施例1とは異なって、間欠的に一定量の荷電粒子ビームを出射させ実行する。すなわち、高周波は印加された後、一定時間経過後、印加が停止される。高周波の印加時間および停止時間を調整することによって、荷電粒子ビームを一定量ずつパルス的に出射させ、追加的に照射する。この際、パルス幅及び頻度を制御することで追加ビームの強度を調整する。
またこの追加時のパルス幅を追加出射内で変更(たとえば二回目の照射は初回の半分の量の照射、次は1/4とする)する事により追加量を調整してもよい。いいかえると第一のスキャニング方法を基本としながら、線量不足時の追加出射時は第二のスキャニング法を実施する方法であってもよい。
第2の実施例のおける制御のフローチャートを図7に示す。
ステップ40で制御装置3が粒子線治療システムを構成する各機器に対して荷電粒子ビームの照射開始に向けた各種指示を発する。制御装置3の指示に基づき荷電粒子ビーム発生装置1は、荷電粒子ビームを加速して出射させる。出射させた荷電粒子ビームをビーム輸送系13が照射装置20に運ぶ。照射装置20は荷電粒子ビームを任意のスポットに向かうように偏向し走査を開始する。荷電粒子ビームの走査が開始された後、ビーム線量測定装置20fは、通過する荷電粒子ビームの線量を計測する。測定された線量は信号処理装置30を介して照射制御装置3cに送られる。照射制御装置3cは測定された線量を積算しそのレイヤに照射された線量及びスポットを監視する。
ステップ40において、照射制御装置3cが監視している線量が、統括制御装置3aに設定された第2スポットにまで到達後、照射制御装置3cからビーム停止信号を加速器制御装置3bに送信する。この第2スポットの設定はあらかじめ印加高周波の停止、つまり出射制御を停止し以降に、自然と出射される荷電粒子ビームも停止するまでに進行するスポット(第1スポット)を測定しまたは算出し設定しておく。
ステップ41においてビーム停止信号を受けた加速器制御装置3bは高周波キック装置10への高周波の印加を停止させ、荷電粒子ビームの出射制御を停止する。
次にステップ42及びステップ43では、先に述べた第1スポットに対する荷電粒子ビームの走査と、ビーム線量測定装置20f及び照射制御装置3cによる荷電粒子ビームの照射が継続されているかそれとも停止したかを確認する。この確認方法は実施例1で説明した方法と同様でよい。またこれらのステップにおける第1スポットに対する荷電粒子ビームの走査は、出射制御の停止から自然に出射される荷電粒子ビームを用いる。
ステップ43においてビーム停止確認後、ステップ44に移行する。ステップ44では、照射制御装置3cにおいて照射レイヤの線量を計画線量と比較し予定線量に達した場合、ステップ48に移行する。
ステップ45において計画線量に達していない場合、ステップ46に移行し再度高周波キック装置10の高周波を印加する。この時設定した期間だけ高周波を印加し一定量ビームを出射する。より具体的には、本実施例の粒子線治療システムは、このステップにおいては、第1スポットに対する荷電粒子ビームの走査を先に述べたように第2のスキャニング法によって実行する。加速器制御装置3bは、予め設定されたパルス状の高周波を高周波キッカ装置10に印加する。このパルス状に印加される高周波によってシンクロトロン2から荷電粒子ビームをパルス状に出射させる。出射される荷電粒子ビームは輸送系13によって照射装置10まで輸送される。照射装置10は、制御装置3の指示にしたがって各スポットに対して荷電粒子ビームが導かれるように偏向する。このステップにおいても荷電粒子ビームを出射した後、ステップ47に移行し照射制御装置3cで計画線量を満了したか判定する。満了の場合はステップ48に移行する。満了していない場合はステップ45へ戻り高周波キック装置10に高周波を再度印加する。
ステップ48では照射制御装置3cにおいて照射完了したレイヤが最終レイヤかどうか判断し最終レイヤならばステップ49に移行しビームの照射を終了し、最終レイヤでない場合は次のレイヤに移行する。本実施例における荷電粒子ビームの走査の制御は、このような一連の制御によって実行さる。
以上2つの実施例を挙げて本発明の実施形態である粒子線治療システムについて説明した。なお、これらの実施形態はあくまで例であるため、本発明の要旨を偏向しない範囲において構成や機器を変更することは当然に可能である。
また、上記の実施例の粒子線治療システムは、走査する荷電粒子ビームの電流値を、本来の機器性能を大幅に下回るような電流値に設定して照射する必要がない。換言すると機器性能を十分に活かした高い荷電粒子ビームの強度によって走査することが可能となるため、照射時間の増加を防止可能である。また荷電粒子ビームの出射制御を停止した後に自然と出射される荷電粒子ビームの線量(漏洩線量)は、最大値を想定し、荷電粒子ビームの出射制御を停止するスポットや積算線量値を設定することで、過線量を防止可能である。逆に線量不足の場合は荷電粒子ビームを追加的に照射するので線量不足も防止可能である。さらに追加的な荷電粒子ビームの照射を実行する際には、電流値の大きさを、1回目の照射よりも低い値となるように出射制御を調整することによって、更に高精度な線量管理が可能となる。
また上記2つの実施例において、スキャニング照射法の種別は連続スキャニング(第1のスキャニング法)に限定されるものではなく間欠スキャニング(第2スキャニング)でもよい。その場合ビームを停止させるタイミングがレイヤごとではなくスポット毎となる。また、各実施例において高周波キック装置10に印加する高周波を停止するタイミングはスポットの進行ではなく積算の線量で判断してもよい。
本発明の荷電粒子発生装置はシンクロトロンのみに限定されずサイクロトロン、シンクロサイクロトロン等の他の荷電粒子を設定したエネルギーまで加速可能な荷電粒子発生装置でも前述と同様の効果を得ることが可能である。
双方の実施例においてビームを停止させるタイミングの設定は統括制御装置3aではなく治療計画において決定し制御装置3に設定してもよい。
1…荷電粒子ビーム発生装置
2…シンクロトロン
3…制御装置
3a…統括制御装置
3b…加速器制御装置
3c…回転照射装置制御装置
4…インターロック装置
5…前段加速器
6…偏向電磁石
7…四極電磁石
8…六極電磁石
9…高周波加速装置
10…高周波キック装置
11a、11b…偏向電磁石
12a、12b…四極電磁石
13…ビーム輸送系
17a、17b…ステアリング電磁石
20…スキャニング装置
20a…走査電磁石
20c…位置モニタ
20d…線量モニタ
20e…ビーム位置計測装置
20f…ビーム線量測定装置
22a、22b…ビーム位置モニタ
30…信号処理装置

Claims (8)

  1. 荷電粒子ビームを加速し、出射させる荷電粒子ビーム発生装置と、
    前記荷電粒子ビームに磁場を作用させ偏向する電磁石を有し、前記偏向の角度を制御することによって前記荷電粒子ビームを標的上に割り当てられたスポットごとに順番に走査する照射装置と、
    前記荷電粒子ビーム発生装置から出射させた前記荷電粒子ビームを前記照射装置まで運ぶビーム輸送系と、
    を備え、
    前記照射装置は、一回の走査制御によって走査すべき複数のスポットを含む第1の領域に対して、
    前記荷電粒子ビーム発生装置が荷電粒子ビームを出射させる制御を実行する間、および前記荷電粒子ビーム発生装置が前記荷電粒子ビームを出射させる制御を停止してから前記荷電粒子ビームの出射が停止するまでの間、に出射される荷電粒子ビームを走査する
    粒子線治療システム。
  2. 請求項1に記載の粒子線治療システムであって、
    前記照射装置が、前記荷電粒子ビーム発生装置が前記荷電粒子ビームを出射させる制御を停止してから前記荷電粒子ビームの出射が停止するまでの間に前記荷電粒子ビームを走査する第2の領域は、前記第1の領域に含まれる複数のスポットの一部を含み、かつ前記荷電粒子ビーム発生装置が前記荷電粒子ビームを出射させる制御を停止してから前記荷電粒子ビームの出射が停止するまでの間に出射される荷電粒子ビームの線量に基づき決定される
    粒子線治療システム。
  3. 請求項1または2いずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    前記荷電粒子ビーム発生装置が前記荷電粒子ビームを出射させる制御を停止してから前記荷電粒子ビームの出射が停止するまでの間に出射される荷電粒子ビームの線量は、前記第1の領域に対する走査制御が開始される前に、計算もしくは計測によって取得される
    粒子線治療システム。
  4. 請求項に記載の粒子線治療システムであって、
    前記照射装置は、
    前記計算もしくは計測によって取得される線量と、前記荷電粒子ビーム発生装置が前記荷電粒子ビームを出射させる制御を停止してから前記荷電粒子ビームの出射が停止するまでの間に実際に出射された荷電粒子ビームの線量との差分が閾値未満にある場合は、前記第1の領域および前記第2の領域に対する走査制御を終了し、
    前記荷電粒子ビーム発生装置が前記荷電粒子ビームを出射させる制御を停止してから前記荷電粒子ビームの出射が停止するまでの間に実際に出射された荷電粒子ビームの線量との差分が閾値以上にある場合は、前記荷電粒子ビーム発生装置から再度荷電粒子ビームを出射させ、前記第2の領域に含まれる第3の領域に対して2回目の走査制御を実行する
    粒子線治療システム。
  5. 請求項4に記載の粒子線治療システムであって、
    前記荷電粒子ビーム発生装置が前記第3の領域を走査するために実行する荷電粒子ビームの出射制御は、前記第1の領域を走査するために実行する荷電粒子ビームの出射制御と比較して、荷電粒子ビームの強度が低くなるような出射制御である
    粒子線治療システム。
  6. 請求項4に記載の粒子線治療システムであって、
    前記荷電粒子ビーム発生装置が、前記第3の領域を走査するために実行する荷電粒子ビームの出射制御は、間欠的に荷電粒子ビームを出射させる制御である
    粒子線治療システム。
  7. 請求項6に記載の粒子線治療システムであって、
    前記荷電粒子ビーム発生装置は、前記間欠的に荷電粒子ビームを出射させる制御を、
    前記第1の領域を走査するために実行する荷電粒子ビームの出射制御と比較して、荷電粒子ビームの強度が低くなるような出射制御として実行する
    粒子線治療システム。
  8. 請求項1に記載の粒子線治療システムであって、
    前記複数のスポットのうち出射制御を停止すべきスポットであって、前記荷電粒子ビームの前記出射制御を停止した後に照射が実行されるスポットの個数の予測に基づき算出された前記スポットにおいて、前記出射制御を停止する
    粒子線治療システム。
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