JP6552241B2 - 画像処理装置および記録比率決定方法 - Google Patents

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本発明は、画像処理装置および記録比率決定方法に関し、詳しくは、サイズの異なるドットを用いて多階調記録を行う際のそれぞれのドットの記録比率を決定する技術に関するものである。
この種の技術の一例として、特許文献1には、小ドットと大ドットで記録を行う場合に、低階調値の範囲では小ドットのみを用い、バンディング(スジむら)が目立ち始める階調値で小ドットに加えて大ドットを用い始めることが記載されている。そして、大ドットを用い始める以降の、大、小ドットを混在させて記録を行う階調値の範囲では、バンディングに加えて粒状感を低減するように記録比率を定めている。
そして、特許文献1の上述の構成によれば、良好な階調表現で、バンディングと粒状感の両方が低減された記録を行うことが可能になるとしている。
特開2000−79710号公報
特許文献1に記載の記録比率の決定は、先ず、低階調値の範囲で粒状感を低減できる小ドットを用い、階調値が増すに連れて小ドットの数が多くなりバンディングが目立ち始めるとその階調値からはさらに大ドットも使い始めるようにして記録比率を定めるものである。しかし、このような方法では、サイズの異なるドットを混合して用いることによる階調表現の本来の利点が十分に発揮できない場合がある。例えば、比較的低階調値の範囲でも、小ドットのみで記録するよりも、小ドットと大ドットを混合して記録した方が、粒状感などの低減と併せて、より良好な階調表現を実現できる場合がある。
このように、階調値に拠らずサイズの異なるドットを混合して記録することを前提とした上で、粒状感やバンディングなどの画質評価パラメータを用いて画質を評価し記録比率を決定することは好ましいことである。
本発明は、このような記録比率の決定を可能とする画像処理装置および記録比率決定方法を提供することを目的とするものである。
本発明の画像処理装置は、サイズの異なる複数種類のドットを記録する際の、階調値ごとの複数種類のドットそれぞれの記録比率を決定する処理を行う画像処理装置であって、前記複数種類のドットの記録比率の組み合わせが異なる複数の記録比率の組み合わせに基づいて作成される複数の評価対象画像であって、記録画像の粒状度の評価に関する粒状度の画質評価値と、前記記録画像のスジについての評価に関する画質評価値と、に影響を及ぼす記録動作パラメータの情報が付加された評価対象画像を、階調値ごとに取得する画像取得手段と、前記評価対象画像において、階調値ごとに、前記粒状度の画質評価値と前記スジについての画質評価値を求め、前記粒状度の画質評価値と前記スジについての画質評価値に基づいて決定される総合評価値を取得する評価値取得手段と、前記総合評価値に基づいて、階調値ごとの複数種類のドットそれぞれの記録比率を決定する決定手段と、を具え、前記総合評価値は、前記スジについての画質評価値が所定の閾値以下のときは、前記スジについての画像評価値を用いずに、前記粒状度の画質評価値に基づいて決定され、前記スジについての画質評価値が前記所定の閾値より大きいときは、前記粒状度の画質評価値および前記スジについての画質評価値に基づいて決定されることを特徴とする。
以上の構成によれば、階調値に拠らずサイズの異なるドットを混合して記録することを前提とした上で、粒状感やバンディングなどの画質評価パラメータを用いて画質を評価し記録比率を決定することが可能となる。
本発明の一実施形態に係わるインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。 (a)および(b)は、図1に示すそれぞれの記録ヘッドにおける、吐出口が設けられた吐出口配設面を示す図である。 図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。 図3に示した画像処理部による一連の画像処理の構成を示すブロック図である。 図4に示した量子化処理の詳細な処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、本実施形態で用いるディザテーブルを示す図である。 (a)〜(c)は、図6(a)〜(c)に示すディザテーブルを用いて量子化した結果を示す図である。 図6(a)〜(c)に示すディザテーブルによって実現される大、中、小ドットの記録比率を示す図である。 本発明の一実施形態に係る大、中、小ドットの混合比率を選択、決定する処理を示すフローチャートである。 図9に示したステップ502の処理の詳細を示すフローチャートである。 図11に示すように、大、中、小ドットの記録比率を異ならせた複数の記録比率の組みを説明する図である。 図10のステップ602における、記録画像のシミュレーションの処理を説明するフローチャートである。 図12に示すシミュレーションで用いる着弾ばらつきデータの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るシミュレーションの対象画像であるビットマップデータを模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るシミュレーション画像のデータを模式的に示す図である。 (a)および(b)は、大、中、小ドットの、階調値128に対する、従来の混合比率および図8に示した本実施形態の混合比率の場合のシミュレーション画像をそれぞれ示す図である。 本発明の第2実施形態に係る、図9のステップ502の詳細な処理を示すフローチャートである。 (a)および(c)は、本実施形態に係る、大、中、小ドットが混在したパッチ画像を記録した画像の模式図を示す図である。 本実施形態で用いた複数ドットのディザテーブルの作成方法を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
<装置構成>
図1は、本発明の一実施形態に係わるインクジェット記録装置(以下、記録装置とも言う)の構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の記録装置1は、用紙などの記録媒体の幅に対応してインク吐出口を配列した、いわゆる、フルラインタイプの記録ヘッド2(2Y,2M,2C,2Bk)を備えている。記録ヘッド2は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)のインクに対応して設けられる。これら記録ヘッド2のそれぞれは、図2にてその詳細が後述されるように、記録媒体の搬送方向(走査方向:図1に示すX方向)と直交する方向(ノズル配列方向:Y方向)に複数の吐出口を配列している。そして、それぞれの吐出口に対応して設けられたピエゾ素子を駆動することによって対応する吐出口からインクを吐出する。すなち、ピエゾ素子は、ヘッドドライバ2aを介して制御部9に電気的に接続されており、制御部9から送られてくる駆動信号によってピエゾ素子が駆動され、インクが吐出される。そして、本実施形態では、ピエゾ素子を駆動する駆動信号の電気エネルギーを変更することによって、後述する大、中、小の複数種類のドットをそれぞれ形成する量のインク滴を吐出する。本実施形態では、このインク滴の量は5pl、7pl、12plである。
なお、インクの吐出方式は、ピエゾ素子を用いる方式以外に、インクを加熱するヒータを用いる方式、静電素子を用いる方式、MEMS素子を用いる方式など、他の方式を採用することもできる。例えば、ヒータを用いる方式の場合は、上記大、中、小ドットを記録するために、例えば、吐出口などのサイズを異ならせて対応する量のインク滴を吐出するようにすることができる。
各記録ヘッド2は、Y、M、C、Bkインクをそれぞれ貯留するインクタンク3Y、3M、3C、3Bk(以下、これらをまとめてインクタンク3とも言う)と接続配管4を介して接続されている。これらインクタンク3は、それぞれ独立して着脱することができる。また、記録ヘッド2は、ヘッド移動部10によりプラテン6と対向する方向において昇降される。このヘッド移動部10は、制御部9によりその作動が制御される。
記録ヘッド2の下方には、搬送用ベルト5などによって構成される搬送機構が配置されている。すなわち、搬送用ベルト5は、記録媒体Pを静電吸着によって保持して搬送する。この搬送ベルト5は、ベルト駆動モータ11に連結された駆動ローラに掛け渡され、これによって搬送ベルト5の移動が行われる。搬送用ベルト5は、モータドライバ12によってその作動が切り替えられる。搬送用ベルト5の上流側には、帯電器13が設けられる。帯電器13は、搬送用ベルト5を帯電することにより、記録媒体Pを搬送用ベルト5に吸着させることができる。帯電器13は、帯電器ドライバ13aによってその通電のオン/オフが切り換えられる。一対の給送ローラ14は、搬送用ベルト5上に記録媒体Pを供給する。給送用モータ15は、これら一対の給送ローラ14を駆動回転させる。給送用モータ15は、モータドライバ16によってその作動が制御される。
記録ヘッド2の側方には、記録ヘッド2の回復処理を行なうため、記録ヘッド2の配列間隔に対して半ピッチずらした状態でキャップ7が配置される。キャップ移動部8は、制御部9によってその作動が制御され、記録ヘッド2の直下にキャップ7を移動させ、インク吐出口から排出される廃インクをキャップ7に受けさせる。
なお、図1に示す本実施形態の構成は、記録ヘッド2に対して記録媒体Pが搬送される構成であったが、記録ヘッド2と記録媒体Pとが相対的に移動する構成であれば良く、その構成は特に問わない。例えば、記録ヘッド2が記録媒体Pに対して移動する構成であってもよい。
図2(a)および(b)は、図1に示すそれぞれの記録ヘッド2における、吐出口が設けられた吐出口配設面を示す図である。図2(a)に示すように、記録ヘッド2は、台形の吐出口ユニット20(アクチュエータユニットである圧電アクチュエータユニット)が、図に示すY方向に4つ配列することによって構成される。これらの台形の吐出口ユニット20は、その斜辺同士が対向することによってY方向において部分的に重複するよう配列されている。これにより、4つの吐出口ユニット全体で吐出口200が所定の配列ピッチで配列することができる。それぞれの吐出口ユニット20は、図2(b)に示すように、4つのチップによって構成され、それぞれのチップでは、Y方向に隣接する吐出口200は600dpi相当のピッチPで配列されている。そして、隣接するチップがそれらの間の吐出口がP/4だけずれるよう配置されることにより、記録ヘッ2全体で、Y方向において2400dpi相当のピッチ(P/4)で吐出口が配列されることになる。
図3は、図1に示す制御部9の構成を示すブロック図である。図3において、制御部9は、その機能的な構成として、データ入力部31と、表示操作部32と、CPU33と、記憶部34と、RAM35と、画像処理部36と、記録ヘッド制御部37とを有している。
CPU33は、装置全体の動作を統括制御する。例えば、記憶部34に格納されたプログラムに従って各部の動作を制御する。記憶部34は、各種データを記憶する。例えば、記憶部34には、記録媒体の種類に関する情報、インクに関する情報、温度や湿度等の環境に関する情報、着弾位置の補正に関する情報(レジ調整情報)、記録ヘッド2に関する情報、各種制御プログラム、3次元LUT等が格納される。データ入力部31は、画像入力機器(例えば、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ)から多値画像データを入力する。RAM35は、CPU33による各種プログラムの実行の際にワークエリアとして使用され、各種演算結果や画像処理結果等を一時的に記憶する。表示操作部32は、ユーザによる指示(例えば、パラメータの設定指示、記録開始の指示)を装置に入力するための操作部(例えば、タッチパネル、ボタン)と、ユーザに各種情報を表示する表示部(例えば、タッチパネル、ディスプレイ)を備えて構成される。
画像処理部36は、データ入力部31を介して入力された多値画像データに対して図4にて後述される画像処理を行う。例えば、その画像処理の一つとして、ディザテーブルを用いて多値画像データを4値の記録データに量子化する処理を行う。なお、この処理は、多値誤差拡散法を用いても良いし、また、平均濃度保存法ディザ法等、任意の中間調処理方法を用いてもよい。これにより、画像処理部36は、各ノズルに対応した記録データを生成する。この記録データの生成に際しては、記憶部34に格納されたレジ調整情報に基づいて記録媒体へのインクの着弾位置が調整される。記録ヘッド制御部37は、記録ヘッド2による記録動作を制御する。
なお、制御部9の構成は、必ずしもこのような構成に限られない。例えば、これら構成の一部は、例えば、CPU33がRAM35をワーク領域として記憶部34に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されてもよいし、専用回路等のハードウェア構成によって実現されてもよい。
図4は、図3に示した画像処理部36による一連の画像処理の構成を示すブロック図である。図4に示すように、画像処理部36は、その処理として前段処理1501、後段処理1502、γ補正1503、量子化処理1504、および印刷データ作成処理1505をそれぞれ実行する。
前段処理1501は、モニタに表示する画像の色域を、記録装置1における記録で表現可能な色域に変換する色域変換を行う。具体的には、8ビットで表現された画像データR、G、Bを、記憶部34に格納されている前段処理用の3次元LUTを参照することによって、記録装置1の色域内の8ビットデータR、G、Bに変換する。次いで、後段処理1502は、前段処理1501による変換後のデータR、G、Bが記録装置1に搭載された記録ヘッド2が吐出する4色のインク色C、M、Y、Bkで表現されるように、信号値変換を行う。具体的には、変換後の8ビットデータR、G、Bを、記憶部34に格納されている、後段処理用の3次元LUTを参照することにより、C、M、Y、Bkの8ビットデータに変換する。続くγ補正1503は、後段処理1502で得られたC、M、Y、Kのデータについてγ補正を行う。具体的には、後段処理で得られた8ビットデータC、M、Y、Bkのそれぞれについて記録装置の階調特性に線形的に対応づけられるように1次変換を行う。
量子化処理1504は、γ補正がなされた8ビットデータC、M、Y、Bkのそれぞれに対して、図5などで後述される量子化処理を行う。具体的には、8ビットデータC、M、Y、Bkのそれぞれについて、「大ドットを記録」、「中ドットを記録」、「小ドットを記録」、または「ドットの記録無し」の4つの値のいずれかを示す2ビットデータに変換する。次に、記録データ作成処理1505は、量子化処理1504によって生成された各色の2ビットデータに、記憶部34に格納された記録媒体情報、記録品位情報および給紙方法等のような記録動作に関わる制御情報を付加して、記録データを作成する。以上のようにして生成された記録データは、記録ヘッド制御部37から記録装置1へ供給される。なお、上記の例は、2ビット、4値化の処理の例であるが、ドットのサイズが、例えば4種類である場合には、5値化処理を行うことはもちろんである。
図5は、図4に示した量子化処理1504の詳細な処理を示すフローチャートである。本実施形態の量子化処理は、256画素×256画素サイズのディザテーブルを用いて、それを縦および横方向に繰り返して用いて画像データ全体の量子化処理を行う。 図5において、先ず、ステップ1401で、8ビットの画像データを入力する。ここで入力されるデータは、γ補正1503で処理されたC、M、Y、Kの各色につき256階調を有するデータである。次に、記憶部34に格納された、大、中、小ドットそれぞれのディザテーブルを用いてそれぞれのドットのオン/オフを判定する。図6(a)〜(c)は、本実施形態で用いるディザテーブルを示す図であり、図6(a)は大ドット用テーブル60L、図6(b)は中ドット用テーブル60M、図6(c)は小ドット用テーブル60Sをそれぞれ示している。なお、図示および説明の簡略化のため、8画素×8画素のサイズのテーブルを示している。
ステップ1401で、画像データを入力すると、先ず、ステップ1402で、入力画像の画素が示す階調値LVと、大ドット用ディザテーブル60Lにおいて対応する画素の閾値LTHとを比較する。階調値LVが閾値LTHより大きい場合は、その画素を大ドットのオンに設定する(S1408)。階調値LVが閾値LTH以下の場合は、ステップ1403で、中ドット用のディザテーブル60Mを用いて、同じ画素の階調値LVと、対応する画素の閾値MTHとを比較する。階調値LVが閾値MTHより大きい場合は、その画素を中ドットのオンに設定する(S1407)。階調値LVが閾値MTH以下の場合は、ステップ1404で、小ドット用のディザテーブル60Sを用いて、同じ画素の階調値LVと、対応する画素の閾値STHとを比較する。階調値LVが閾値STHより大きい場合は、その画素を小ドットのオンに設定する(S1406)。階調値LVが閾値MTH以下の場合は、その画素をドット記録なしに設定する(S1405)。総ての画素についてディザ処理が終了するまで、上記と同様の処理を行い(S1409)、4値化された記録データを生成する。
上述の量子化処理で用いる、図6(a)〜(c)に示すディザテーブル60L、60M、60Sは、図9にて後述される本発明の一実施形態に係る選択処理によって決定される、図8に示すドット混合比率を実現する内容になっている。すなわち、後述の混合比率を選択する処理では、画像データが示す0〜255の階調値ごとに大、中、小ドットの混合比率が決定される。そして、本実施形態の量子化処理で用いるディザテーブルの内容を、そのテーブルを用いた、図5にて説明した量子化処理によって、上記決定した階調値ごとの大、中、小ドットそれぞれの混合比率(記録比率)を実現すようにしたものである。
ここで、ある階調値のドットの混合比率とは、例えば、8画素×8画素の所定領域を、その領域の総ての画素の階調値が上記ある階調値であるようなベタ記録を行う場合に、所定領域の画素数に対して、該当するドットが記録される画素(数)の割合をいう。例えば、図8において、階調値128に対する混合比率(符号2001で示される各ドットの比率)が、大ドットが23%、中ドットが34%、小ドットが11%とするとき、8画素×8画素の所定領域について各画素の階調値が128のベタ画像を図6(a)〜(c)に示すディザテーブルを用いて量子化すると、上記所定領域では、大ドットが23%、中ドットが34%、小ドットが11%の画素でONとなる。
図7(a)〜(c)は、図6(a)〜(c)に示すディザテーブルを用いて量子化した結果を示す図であり、大、中、小の各ドットが記録オンになる画素を黒塗りして示している。すなわち、8画素×8画素の所定領域について各画素の階調値が128のベタ画像の場合、記録オンの画素の領域に対する割合が上述した、大ドットが23%、中ドットが34%、小ドットが11%の比率となっている。なお、図5に示す量子化処理からも明らかなように、複数のサイズのドットで同じ閾値を持つ画素がある場合、相対的に大きいドットが優先してドットのONが設定させる。そのため、図7(b)、(c)に示す中、小ドットにおいて、階調値128よりも小さい閾値があったとしてもそのドットサイズの記録オンにならない。1つの階調値について、1つの画素には1種類のサイズのドットしか記録できないことからもこのような設定をする。
以上のような複数サイズのドットに対応したそれぞれのディザテーブルにおける閾値の決定およびその配置は、次のドット記録に関する制約の下で、図9などで後述される選択処理によって、階調値ごとに決定される混合比率を満たすように定められる。この制約は、階調値が増す方向に対して、それぞれの階調値に対応する濃度を実現するには、一度何れかのサイズのドットの記録がオンになった画素は、サイズが同じかそれよりも大きいドットで記録する場合にのみそのドットの記録オンを変更することができる、というものである。換言すれば、ディザテーブルの対応する画素間で、相対的に大きいドットのディザテーブルの閾値が、小さいドットのディザテーブルの閾値よりも小さくなることはない、という制約である。図6(a)〜(c)に示すディザテーブルは、以上の制約の下、評価に基づいて、決定された大、中、小それぞれの混合比率を総ての階調値で満たすよう作成されている。
本実施形態で用いている複数ドットのディザテーブルの作成方法について、図19を用いて説明する。まず予め階調毎に決定されている複数ドットの混合比率とマトリックスの要素の数だけ数字が記載されて、かつ、記録に用いるディザテーブルと等しいテーブルを1枚用意する。本説明では説明をわかりやすくするため、図19には3x3のマトリックス上のテーブル1901で階調値を最大7にした。そして、一階調ずつ、1901のテーブルの数値が小さい順にドットを配置していく。その一例が1903、1904、1905であり、1903は階調値1の場合、1904は階調値2の場合、1905が階調値4の場合を示している。そして、これらのドットが配置される最初の階調値から1引いた値がその閾値となる。例えば、1902の表の4の階調値の場合は、小は1個、中は4個、大は1個の比率であり、大ドットを3x3のテーブルの数字が一番低いところに配置し、その後中、小と置いていく。この時大ドットがこの階調で初めて左上におかれたので大ドットのディザテーブルの左上の閾値が3になるといったように複数ドットの閾値を決めていくのである。1906、1907、1908のテーブルはこの混合比率と1901のテーブルで作成された複数ドットのディザテーブルである。なお、閾値の配置は、ブルーノイズパターンになることが望ましい。これによれば、記録されるドットの配置を分散したものとすることができる。また、本実施形態は説明をわかりやすくするためにドットを配置したように表記したが、必ずしも配置する必要はなく、コンピュータ上のプログラムにこれ準ずる処理を行うようにすればよい。
さらに本実施形態で説明した複数ドットの配置方法は一例であり、これに限定されるものではない。
以上説明した画像処理構成における量子化処理1504のディザ処理によって実現される、大、中、小ドットの混合比率(記録比率)を決めるための、本発明の一実施形態に係る評価処理について、次に説明する。なお、以下の説明は、大、中、小ドットの3つサイズのドットを用いて記録する例であるが、3つのサイズに限られないことは以下の説明からも明らかである。また、以下の説明は、Y、M、C、Bkのうちの1つのインク色の大、中、小ドットについて説明するものであるが、他のインク色についても同様の処理を行うことによって混合比率を求める。また、それに応じて、インク色ごとの大、中、小ドットそれぞれに対応したディザテーブルを設ける。
<全体処理の説明>
図9は、本発明の一実施形態に係る大、中、小ドットの混合比率を選択、決定する処理を示すフローチャートである。
先ず、ステップ501で、全階調値0〜255から離散的にN個の階調値を選択する。なお、本実施形態は、このN個の階調値として等間隔の値を選択するが、必ずしも等間隔の値でなくてもよい。また、Nの値は、選択された混合比率によって記録される画質の点で可能な限り多いことが望ましいが、その分処理負荷が増す。このため、10個程度とすることが望ましい。
次に、ステップ502で、ステップ501で選択したN個の階調値それぞれについて、大、中、小ドットの混合比率の複数の組み合わせを作成し、それぞれの組み合わせについて画像を作成する(実際に記録またはシミュレーション画像を作成)。そして、作成した複数の画像に対して所定の評価を行い、評価値の順位付けを行う。本実施形態では、この評価として、粒状性およびスジむらの画質評価パラメータを用いる。
次に、ステップ503では、N個の階調値それぞれについて、良い評価値のものから順番に複数の混合比率の組みを選択する。そして、N個の階調値それぞれについて、選択された複数の混合比率の組みから、階調性の条件などを考慮して全階調で滑らかにつながるような混合比率の組みを選択する。さらに、このように選択されたN個の階調値それぞれの混合比率の組みに対して、線形補間を行うことによって、他の階調値の混合比率の組みを求め、全階調範囲の混合比率を求める。本実施形態では、線形補間により他の階調値の混合比率を求めるものとしたが、それに限らずスプライン補間法など、他の方法を用いてもよい。
最後にステップ504で、求められた256階調の階調値ごとの混合比率を、上述した量子化処理1504(図4)で用いるディザテーブルに反映させ、つまり上記混合比率を実現するディザテーブルとし、そのテーブルをメモリ36(図3)に格納する。そして、図4にて上述した入力画像データに対する画像処理では、上記ディザテーブルを用いて4値化処理を行う。
<画像評価処理の説明>
図10は、図9に示したステップ502の処理の詳細を示すフローチャートである。
最初にステップ601で、N個の階調値それぞれについて、大、中、小ドットの混合比率(記録比率)の複数の組み合わせを作成し、それぞれの組み合わせについて画像を作成する。具体的には、図11に示すように、大、中、小ドットそれぞれの記録比率を、0%〜100%について10%刻みで異ならせた複数の記録比率の組みを作成する。この組合わせの数は、記録比率が、0、10、20、・・・、90、100の11個の場合、k=1〜11について、Σ((k+1)×k/2)とおりである。すなわち、本実施形態は、図5などで上述したように、同じ画素に大、中、小ドットは重ねて記録しないことから、大、中、小ドットの記録比率の総和は100%を超えない。なお、本実施形態では記録比率の刻み幅を10%とした。良好な画質を得るためにはできるだけ細かい方が好ましいが、その分画像数が増して処理負荷や処理時間が増す。このため、刻み幅は数〜10%程度にすることが望ましい。
本ステップ601では、次に、N個の階調値それぞれについて、その階調値と同じ濃度(以下、目的濃度とも言う)を実現する記録比率の組み合わせを、図11に示す複数の組みの中から選択する。この選択では、目的濃度を実現する記録比率の組み合わせがあれば、その複数の組み合わせが選択され、これらが後述する評価対象となる。
具体的な選択方法は、大、中、小各ドットのインク滴の体積などから予測して、上記目的濃度実現できる記録比率の組み合わせ、とその前後の記録比率の組み合わせを選択する。次に、これら選択した複数の記録比率の組み合わせによる画像を作成する。そして、その画像を実際に記録するか、または画像データ上でシミュレーションし、目的濃度に近い濃度を実現している2つの記録比率の組み合わせを求める。そして、これら2つの記録比率の組み合わせに対して補間演算を行い、1つの記録比率の組み合わせを求める。このように、図11に示す複数の組みの中から選択された組み合わせにおける記録比率ないしドットの数を調整することにより、目的濃度を実現する記録比率の組み合わせを求める。
以上の処理を、選択された複数の記録比率の組み合わせのそれぞれについて行い、目的濃度を実現する記録比率の組み合わせを求める。なお、選択した記録比率の組み合わせに基づく実際の画像の記録またはシミュレーションでは、濃度を測定できる程度の比較的小さなパッチを用いることができる。また、上述した目的濃度を実現できる記録比率の組み合わせでは、例えば、高い階調値に対する記録濃度は小さいドットだけでは実現できないことから、図11に示す複数の組み合わせの一部は選択対象から外れる。そのため、階調値ごとの選択される組み合わせが総ての階調値で同じになるわけではない。
本ステップ601では、さらに、選択された(複数の)大、中、小の記録比率の組合せに基づいて、画質評価の対象とする、4値化されたビットマップの画像データを作成する(画質評価対象画像取得)。ビットマップにおける、大、中、小ドットの配置は、図5、図6にて上述したディザ処理によって行う。なお、この配置方法は、誤差拡散法などの、他の方法を用いてもよい。また、画像データのサイズは後述する画質評価に必要なサイズとすることが望ましく、本実施形態は、10mm×10mmのサイズとしている。
再び図10を参照すると、次のステップ602では、図12にてその詳細が後述されるように、記録画像のシミュレーションを行う。すなわち、ステップ601で作成した画像データに基づいて画像を記録する際の、その記録を行う記録装置の特性などが記録に与える影響を考慮し、記録画像がどのようなものになるかをシミュレーションする。
そして、ステップ603で、その詳細が後述されるように、シミュレーションした画像において画質評価を行う。本実施形態では、粒状度とスジを画質評価パラメータとし、それらの評価値を求める(評価値取得)。そして、2つの評価値を用いて総合的に画質を評価する総合評価値を算出する。
次に、ステップ604で、ステップ601で生成した総ての画像について、画質評価が完了したか否かを判断する。総ての画像について画質評価が完了すると、ステップ605で、総合評価値の値が良いものから並べ替え、評価値と大中小ドットの混合比率を出力する(記録比率決定)。
<記録画像のシミュレーション>
図12は、図10のステップ602における、記録画像のシミュレーションの処理を説明するフローチャートである。なお、このシミュレーションシステムはコンピュータ上で動作するプログラムとして実現することができる。また、シミュレーションにおいて出力される画像の解像度は、数μm程度が望ましい。より細かくすればドット形状の精度は高くなるが、演算時間が長くなるからである。一方、大きくしすぎると、ドット形状の精度が低くなる。さらには、本実施形態では、以下に説明するように、着弾ばらつきを考慮した画像シミュレーションを行うが、その値が反映しにくくなることもある。
ステップ901では、シミュレーションの対象となる画像の記録データを読み込む。このデータは、図10のステップ601で作成された画像である。すなわち、量子化処理によって4値化されたビットマップデータである。
ステップ902では、シミュレーション対象の画像を形成する大、中、小のドットの形状、径、ドットを構成する画素の階調値からなるインクドット情報(記録動作パラメータ)を読み込む。なお、これら情報のうち、ドットを構成する画素の階調値は、インクによって記録媒体に形成されるドットの光学濃度に相当する情報である。本実施形態では、ドット形状を真円としたが、必ずしも真円である必要はなく、例えば、吐出されたインクが分裂した主滴とサテライトが記録媒体上で合体して形成される楕円形状としてもよい。さらには記録媒体インクが滲んでできる形状としてもよい。また、さらにドット径に関しては、事前に光学顕微鏡などで取得したデータを本実施形態では使用したが、必ずしも実測値を使用する必要はなく、吐出量、およびインクと記録媒体との接触角等から計算で求めてもよい。また、上例では、インク色としてブラック(Bk)の記録画像のシミュレーションの例として、ドットを構成する画素の階調値を、大、中、小ドットの総てについて最大値(255値)とし同じ値としている。必ずしもこの階調値をすべて同じにする必要はなく、例えば、大、中、小ドットの階調値を互いに異ならせてもよい。さらには、光学顕微鏡等を用いてドットの濃度を測定し、その値を用いてもよい。特に、明度の高いインク色で複数ドットのドット混合比率選択処理を行う場合は、低い階調値を使用することが望ましい。
ステップ903では、着弾ばらつきデータを読み込む。着弾ばらつきデータとは、記録ヘッドの吐出口ごとの理想着弾位置からのズレ量を表す情報(記録動作パラメータ)である。詳しくは、着弾ばらつきデータには、インクを吐出するとき、その記録ヘッドの吐出特性やそのときの気流などによって所望の位置に着弾しない場合があり、それによる着弾ずれや吐出量誤差が含まれる。また、記録ヘッドの経時的に変化に起因した着弾ゆらぎや吐出量ゆらぎもこれに含まれる。このような誤差は、例えば、予め記録装置でライン状にドットを記録して、その録物から光学顕微鏡などによって測定して得ることができる。シミュレーションでは、記録ヘッドの総ての吐出口について、上記の各データを測定しその結果を入力してもよいが、膨大な量になる。そのため、本実施形態では、100個程度の吐出口の測定値の中心値と標準偏差を算出し、それらの値を読み込み、それが正規分布に従うとして全吐出口の誤差として算出する。図13は、本実施形態のシミュレーションで用いる着弾ばらつきデータの一例を示す図である。このような、大、中、小ドットで、X(記録媒体搬送方向)方向、Y(記録媒体搬送方向と垂直な方向)方向のパラメータを含む7つのパラメータを用いてシミュレーションを行う。また、これらのばらつき量は各色、各ドットサイズで異なるため、それぞれ測定し、7つのパラメータを用意する。
次に、ステップ904において、上述したシミュレーションの対象である画像のビットマップデータ(901)と、着弾ばらつきデータ(903)に基づいて、対象画像の総ての画素について、インクの着弾座標(xmm、ymm)を求める。図14は、対象画像のビットマップデータを模式的に示す図である。この図では、対象画像のデータにおける左上の画素を原点(0mm、0mm)とし、画像解像度に応じた各ドットの座標を特定することができる。図に示す例は、画像解像度が600dpiであることから、例えば、画素1601の中ドットの理想の着弾位置の座標は、(0.0423mm、0.1692mm)となる。その理想の着弾位置に、上述した着弾ばらつきデータを加算して、シミュレーションするための着弾位置を定める。例えば、この画素位置に記録するノズルの中ドットの着弾ズレ量が、(0.005mm、0.012mm)の場合、シミュレーションするための着弾位置は、(0.0423+0.005、0.1692+0.012)=(0.0473mm、0.1704mm)となる。このようにして総てのドットの着弾位置を確定する。
ステップ905では、ステップ904で求めた着弾座標に、ステップ902で読み込んだインクドット情報データに基づくドットデータを順次置いていく。図15は、以上のようにして求めたシミュレーション画像のデータを模式的に示す図である。シミュレーションする際の画像解像度は数μm単位の着弾ズレ量を反映させるため、入力される600dpiの解像度よりも高解像度であることが望ましい。本実施形態では、シミュレーション画像は、8ビットグレースケールで、出力する画像解像度を25400dpiとした。次に、このように求められたシミュレーション画像のビットマップ画像は、画質評価(図10のステップ603)に必要な解像度に変換する。元来、人間の眼の分解能はそれほど高解像度ではないため、細かい画像劣化を識別することはできない。そのため出力されたシミュレーション画像を低解像度に変換する必要がある。本実施形態では、出力したシミュレーション画像の解像度25400dpiから画質評価のための800dpiに変換する。なお、この解像度変換は、バイキュービック法を用いる。しかし、画像のフォーマットや解像度や変換方式など必ずしもこれに限定されるものではないことはもちろんである。
図16(a)および(b)は、大、中、小ドットの、階調値128に対する、従来の混合比率および図8に示した本実施形態の混合比率2001の場合のシミュレーション画像をそれぞれ示す図である。図16(a)に示す従来例は、階調値128に対して中、小ドットのみが記録される。このため、スジが目立つが、粒状感は目立ちにくい傾向になる。一方、図16(b)は、階調値128に対して、図8に示すように大、中、小のドットが混在することから、スジは目立ちにくいが、粒状感は目立つ傾向である。なお、本発明の実施形態に係る図8に示す混合比率は、階調値の範囲全体で見たときにスジも粒状感もともに低減されたものである。このように複数ドットの混合比率によって異なる画像を以下で説明する画質評価によって、総ての階調値で最適な複数ドットの混合比率を実現する。すなわち、画質評価によって決定した階調値ごとの混合比率を実現する、大、中、小それぞれのディザテーブル(図6(a)〜(c))を作成する。
<画質評価>
再び図10を参照すると、ステップ602において以上のようにして求めたシミュレーション画像に対して、次のステップ603で、画質評価を行う。本実施形態は、画像評価を示す値(画質評価値)として、画像の粒状度を表す評価値と、スジむらを表す評価値を使用する。
画像の粒状度を表す評価値は次のとおりである。評価範囲の明度データI(x,y)をフーリエ変換し、空間周波数特性Fi(u,v)を求める。この空間周波数特性Fi(u,v)に視覚特性VTF2D(u,v)を掛け、ウィーナースペクトルWSVTF(u,v)を求める。
次に、画像のスジに対する評価値は次のとおりである。
評価範囲の画像において、画素のラインの平均明度を求める。画像の位置(x,y)における明度をI(x,y)とすると、ライン平均明度L*1D(y)は、
ここで、
M:評価範囲の横画素数
で求められる。
次に、ライン毎の平均明度をフーリエ変換し、空間周波数特性F(v)を求める。この空間周波数特性F(v)に視覚特性VTF1D(v)を掛け、ウィーナースペクトルWSVTF(v)を求める。
ここで、
N:評価範囲の縦画素数
DPI:スキャン解像度
R:DooleyのVTFの式における観察距離
である。そして、このウィーナースペクトルWSVTF(v)の積分値を求めスジ評価値Bとする。Bの値が大きいほどスジが大きいことを表している。
なお、これらの評価値は一例であるため、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、粒状性の評価値であればRMS粒状度、またはISO−TS24790を用いてもよい。
<総合評価>
以上のように求めた粒状度評価値G、スジ評価値Bを用いて総合評価値Tを算出する。
ここで、
G:粒状度評価値
B:スジ評価値
α:スジ視認限界閾値
β:重み付けパラメータ
以上のように階調値ごとに総合評価値Tを求める。そして、例えば、総合評価値Tが最も小さいもの、つまり画質評価が最もよいものを階調値ごとに選択し、その評価値に対応する混合比率をその階調値の混合比率として出力する(ステップ605)。あるいは、総ての階調値の総合評価値の和を最も小さくする、階調値それぞれの総合評価値Tを選択してもよい。
本実施形態では、総合評価値Tを上記数式6のように定める。すなわち、本願発明者等の検討によれば、スジに関しては評価値Bのある値まではほとんど視認されないが、それを超えると急激に視認されることが分かっている。一方、粒状度の評価値Gに関しては連続的な評価値変化に応じて、連続的に視認の程度が変化することが分かっている。この点から、総合評価値Tは、スジが視認される評価値Bの上記所定の閾値を境にして、粒状度のみに着目して画像を評価する部分と、粒状度とスジの総合的な値で画像を評価することに分けるように定めている。つまり、スジが視認されるまではバランス設計ではなく、粒状度のみを抑制する方法をとる。一方、スジが視認される画像では、粒状度とスジのバランス設計とする。
一般的に、画像は階調値ごとにこれらの評価値が変化する。記録媒体やインク、ハーフトーンによって多少異なるが、一般的には階調値が低い画像では、スジが小さい傾向である。一方、階調値が高い画像ではスジが大きくなる傾向である。このことから、本実施形態の総合評価値Tで階調値ごとに評価を行うことによって、階調値が低いところは粒状性が抑制され、階調値が高くなるに従ってスジも抑制された画像を得ることができる。すなわち、総ての階調で良好な画像を得ることができる。
本実施形態では、スジの評価値Bの閾値を0.3としている。しかし、この値は、用いる記録媒体の種類やインク、量子化処理の手法などによってユーザが設定することもできる。また、重み付けパラメータβは、記録媒体や記録装置、経過時間、要求画質に応じてユーザが設定できるようにしてもよい。
なお、総合評価値Tでスジ視認限界閾値以下の場合、粒状性のみを考慮したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、スジの評価値を加えた式を用いても良い。
(第2実施形態)
本発明の第2の実施形態は、第1実施形態に係る、図10のステップ602のシミュレーションの代わりに、記録装置によって評価対象画像を記録し、その画像において画質評価を行うものに関する。以下では、主に、第1実施形態と異なる点を説明する。
図17は、第1実施形態に係る図9のステップ502の詳細な処理を示すフローチャートであり、図10と同様の処理を示している。図10と異なる処理は、ステップ1202の処理である。
ステップ1202では、ステップ1201で作成した、評価対象画像のデータに基づいて記録を行い、評価対象画像を記録する。そして、ステップ1203で、記録した評価対象画像に対して画質評価を行う。詳しくは、記録した評価対象画像をスキャナで読取り、読取って得られる画像データに対して、第1実施形態と同様の画質評価を行い、最終的に総評価値Tを求める。具体的には、スキャナには市販のCanoScan9000F MarkIIを使用した。RGB8ビットで取得した画像からCIE1976のL*、a*、b*の明度情報に変換する。その際の画像解像度は800dpiである。また、色補正などは無しにした。この記録物の明度情報から第1実施形態で説明した画質評価方法で画像評価を行う。
<ドット混合比率が異なる画像の記録>
ステップ1202における記録は具体的に次のとおりである。ステップ1201で作成した画像データは、大、中、小ドットの記録/非記録を示す4値のデータである。そのため、図3に示すデータ入力部31に入力される画像データは、画像処理部36による画像処理を経ずにその記録が行われる。
図18(a)および(c)は、本実施形態に係る、大、中、小ドットが混在したパッチ画像を記録した画像の模式図を示す図である。パッチ画像のサイズは、画質評価に必要なサイズよりも大きくし、20mm×20mm程度である。この記録物の画質評価を行う際にスキャナを使用して画像を取り込む。その際パッチ画像の無地の紙の影響を低減するためである。
図18(a)に示す評価対象画像は、小ドットの記録比率を0%〜100%の範囲で10%刻みで変化させるとともに、中ドット記録比率を0%〜100%の範囲で10%刻みで変化させた画像である。大ドットの記録比率は0%である。これに対し、図18(b)に示す評価対象画像は、大ドットを10%にした画像を示している。
このように、ステップ1202では、第一実施形態のシミュレーション画像と同様、図11に示す総ての記録比率の組み合わせについて評価対照画像を記録する。
2 記録ヘッド
9 制御部
36 画像処理部
1504 量子化処理部

Claims (7)

  1. サイズの異なる複数種類のドットを記録する際の、階調値ごとの複数種類のドットそれぞれの記録比率を決定する処理を行う画像処理装置であって、
    前記複数種類のドットの記録比率の組み合わせが異なる複数の記録比率の組み合わせに基づいて作成される複数の評価対象画像であって、記録画像の粒状度の評価に関する粒状度の画質評価値と、前記記録画像中のスジについての評価に関する画質評価値と、に影響を及ぼす記録動作パラメータの情報が付加された評価対象画像を、階調値ごとに取得する画像取得手段と、
    前記評価対象画像において、階調値ごとに、前記粒状度の画質評価値と前記スジについての画質評価値を求め、前記粒状度の画質評価値と前記スジについての画質評価値に基づいて決定される総合評価値を取得する評価値取得手段と、
    前記総合評価値に基づいて、階調値ごとの複数種類のドットそれぞれの記録比率を決定する決定手段と、
    を具え
    前記総合評価値は、前記スジについての画質評価値が所定の閾値以下のときは、前記スジについての画像評価値を用いずに、前記粒状度の画質評価値に基づいて決定され、前記スジについての画質評価値が前記所定の閾値より大きいときは、前記粒状度の画質評価値および前記スジについての画質評価値に基づいて決定されることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記所定の閾値をユーザによって設定するための手段をさらに具えたことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  3. 前記総合評価値は、前記スジについての画質評価値および前記粒状度の画質評価値に重みを付けて対応させたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記重みをユーザによって設定するための手段をさらに具えたことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  5. 前記画像取得手段は、シミュレーションまたは実際の記録によって前記評価対象画像を取得することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. サイズの異なる複数種類のドットを記録する際の、階調値ごとの複数種類のドットそれぞれの記録比率を決定するための記録比率決定方法であって、
    前記複数種類のドットの記録比率の組み合わせが異なる複数の記録比率の組み合わせに基づいて作成される複数の評価対象画像であって、記録画像の粒状度の評価に関する粒状度の画質評価値と、前記記録画像のスジについての評価に関するスジについての画質評価値と、に影響を及ぼす記録動作パラメータの情報が付加された評価対象画像を、階調値ごとに取得する画像取得工程と、
    前記評価対象画像において、階調値ごとに、前記粒状度の画質評価値と前記スジについての画質評価値を求め、前記粒状度の画質評価値と前記スジについての画質評価値に基づいて決定される総合評価値を取得する評価値取得工程と、
    前記総合評価値に基づいて、階調値ごとの複数種類のドットそれぞれの記録比率を決定する決定工程と、
    を有し
    前記総合評価値は、前記スジについての画質評価値が所定の閾値以下のときは、前記スジについての画像評価値を用いずに、前記粒状度の画質評価値に基づいて決定され、前記スジについての画質評価値が前記所定の閾値より大きいときは、前記粒状度の画質評価値および前記スジについての画質評価値に基づいて決定されることを特徴とする記録比率決定方法。
  7. コンピュータを請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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