JP6551466B2 - ハイブリッド車両の制御方法 - Google Patents
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Description
電気走行モードからハイブリッド走行モードへの走行モード切替時、エンジン始動要求と同時に第2クラッチをスリップさせつつ第1クラッチを半締結状態にしてクランキングし、エンジン回転数がモータ回転数に一致したとき、第1,第2クラッチが締結されている。
特許文献1のハイブリッド車両の制御装置は、エンジン始動要求入力時、第2クラッチをスリップさせつつ第1クラッチを半締結状態にしてクランキングし、モータ回転数がエンジン回転数以上の回転数を維持するようにモータジェネレータを制御している。
モータ回転数目標値は、エンジン回転数計測値に第1クラッチの入出力間における第1クラッチのスリップ回転数目標値を加算して求めている。
それ故、特許文献1のように、走行モード切替時、第2クラッチをスリップさせる構成において、モード切替中にドライバ要求加速度が得難いことやエネルギー損失が発生する虞がある。また、走行モード切替タイミングと変速切替タイミングとが重なったとき、走行モード切替を優先した場合には、この現象がより顕著になる。
一方、特許文献2の技術は、電気走行モード或いはハイブリッド走行モードの際、外乱オブザーバを用いた駆動力推定によりドライバ要求加速度を実現している。
しかし、特許文献2の技術は、駆動力の推定まで行っているが軸捩りトルクまでは推定していないため、実際の外乱の数が推定可能な外乱の数を超えてしまい、走行モード切替時、目標駆動力と駆動力推定値とのずれが生じ、外乱オブザーバを用いても最適駆動力を推定することができず、フィードフォワード加速度制御を実行している。
即ち、特許文献2の技術では、走行モード切替時において、フィードフォワード加速度制御を実行しているため、クラッチトルク容量やその周辺の弾性変形(軸捩りやギヤ等)によるトルク変動を吸収できず走行モード切替ショックを十分に抑制できない虞がある。
しかし、第1クラッチよりも上流側及び下流側の軸捩り角を実際に検出する場合、軸捩り角検出センサが非常に高価であり、しかも、取付スペース確保が容易ではない。
第1クラッチよりも上流側の軸捩り角と、第1クラッチよりも下流側の軸捩り角とを外乱として扱う外乱オブザーバを用いて推定することも考えられるが、変動が高周波になるため現状では、有効な解析手法が確立されていない。
ドライバ操作や車両の状態に応じて前記状態量の目標値を設定し、前記状態量目標値と前記状態量との偏差に夫々ゲインを掛けて足し合わせる状態フィードバック制御法を用いて、前記エンジンと前記モータジェネレータに対する制御入力を算出するステップを有するため、第1クラッチよりも上流側及び下流側の軸捩り角を考慮してエンジンとモータジェネレータに対する制御入力を求めることができる。
複数の状態量が前記目標状態量に収束するように前記ゲインを設定するステップを有するため、トルク変動を抑制しながら走行モード切替が可能になる。
前記制御入力と前記状態方程式を用いて、前記エンジンと前記モータジェネレータに出力する目標トルク指令信号を算出するステップを有するため、走行モード切替ショックを抑制可能な制御指令信号をエンジンとモータジェネレータに対して出力することができる。
この構成によれば、第1クラッチよりも上流側及び下流側の軸捩り角及び第2軸トルクが実際に観測不可能であっても、推定することができ、これらの推定値を用いて走行モード切替ショックを抑制可能な制御指令信号をエンジンとモータジェネレータに対して出力することができる。
この構成によれば、評価関数内の重み付け係数の調整により、制御性能を自在に設定することができる。
請求項4の発明は、請求項3に発明において、前記オブザーバゲイン設定ステップにおいてカルマンフィルタを用い、前記状態量夫々に対応するノイズの分散値をパラメータとしてオブザーバゲインを設定することを特徴としている。
この構成によれば、分散値の調整により推定性能を自在に設定することができる。
この構成によれば、制御性能を高くすることができるフィードバックゲインを設定することができ、推定性能を高くすることができるオブザーバゲインを設定することができる。
この構成によれば、請求項3の発明と同様の作用効果を奏することができる。
請求項7の発明は、請求項2の発明において、前記オブザーバゲイン設定ステップにおいてカルマンフィルタを用い、前記状態量夫々に対応するノイズの分散値をパラメータとしてオブザーバゲインを設定することを特徴としている。
この構成によれば、請求項4の発明と同様の作用効果を奏することができる。
以下の説明は、本発明をハイブリッド車両の制御システムに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
まず、実施例1に係るハイブリッド車両のパワートレインPTの概略について説明する。
図1に示すように、このハイブリッド車両のパワートレインPTは、第1動力源としてのエンジン1と、このエンジン1の下流側位置にエンジン1に対して直列状に配設された第2動力源としてのモータ2(モータジェネレータ)と、このモータ2の下流側位置に直列状に配設された自動変速機(以下、ATと略す。)3と、左右1対の車輪5に対してAT3の出力軸9から伝達された駆動力を分配するデファレンシャルギヤ装置4等を備えている。尚、エンジン1には始動用にスタータモータが付いている。(図示略)
第1クラッチC1は、電磁ソレノイドバルブ(図示略)によりクラッチ作動油流量及びクラッチ作動油圧を連続的又は段階的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチによって構成されている。この第1クラッチC1の上流側端部は、エンジン1の出力軸の下流側端部と軸6を間に介して連結され、第1クラッチC1の下流側端部は、モータ2の出力軸の上流側端部と軸7を間に介して連結されている。
モータ2とAT3との間には第2クラッチC2が配設されている。
第2クラッチC2は、第1クラッチC1と同様に、電磁ソレノイドバルブによりクラッチ作動油流量及びクラッチ作動油圧を連続的又は段階的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチによって構成されている。この第2クラッチC2の上流側端部は、モータ2の出力軸の下流側端部と軸8を間に介して連結され、第2クラッチC2の下流側端部は、AT3の出力軸9と連結されている。
尚、第2クラッチC2は、少なくとも軸8と出力軸9との間の駆動力の伝達を断続可能であれば良く、AT3の外部に設置しても良く、AT3の内部に設置しても良い。
この状態でモータ2を駆動した場合、モータ2の出力回転がAT3側の軸8に伝達される。AT3は、軸8に伝達された回転運動を選択中の変速段に変速してAT3の出力軸9から出力する。AT3の出力軸9からの出力は、デファレンシャルギヤ装置4を介して左右の車輪5に至り、EVモードによる走行が実行される。
高負荷・高速運転時や発電走行時に実行されるハイブリッド走行モード(以下、HEVモードと表す。)が要求された場合、第1,第2クラッチC1,C2が共に締結される。
この状態では、エンジン1の出力回転又は、エンジン1の出力回転及びモータ2の出力回転の双方がAT3側の軸8に伝達される。AT3は、軸8に伝達された回転運動を選択中の変速段に変速してAT3の出力軸9から出力する。AT3の出力軸9からの出力は、デファレンシャルギヤ装置4を介して左右の車輪5に至り、HEVモードによる走行が実行される。尚、EVモード及びHEVモードの走行モード切替タイミングは、走行状態(車速など)、ドライバ要求(加速度など)、バッテリ充電状態(SOC)等により判定される。
VCM10は、1周期(1サンプル時間)後に第1クラッチC1から軸7に入力される軸トルク変動を吸収しつつドライバ要求に対応するモータトルクを演算し、この演算されたモータトルクに基づきモータ2の目標トルクを作成している。即ち、このVCM10は、走行モード切替時、軸7の捩り角に応じた軸トルク(第1軸トルク)とモータ2のモータトルクの和がドライバ要求加速度に対応する軸8の軸トルクになるようにモータ2の制御指令を形成している。
VCM10は、エンジン1のインジェクタやスロットル(何れも図示略)等に作動指令を出力するPCM11と、モータ2に供給する電気量を制御するインバータ14と、第1,第2クラッチC1,C2の電磁ソレノイドバルブに対して作動指令信号を出力するTCM13と、に電気的に接続され、これらの制御モジュール対して周期的に制御指令を出力している。
尚、以下の説明は、制御方法の説明を含むものである。
まず、エンジンモデルを作成する。
エンジンモデルは、状態量を回転数NeとトルクTe、外部変数を軸6の比捩り角φeとエンジントルク外乱d、制御入力をueとして、直流モータの数式モデルを参考に表現している。内部パラメータは、イナーシャJe、軸摩擦係数De、トルク定数KTe、電機子抵抗Re、インダクタンスLe、誘起電圧定数KEeに相当する係数と、捩り剛性係数Kceである。尚、ドット(・)は時間微分を表す。
以上により、エンジン1の数式モデルは、次式(1)のように表すことができる。
モータモデルは、状態量を回転数NmとトルクTm、外部変数を軸7の比捩り角φm、制御入力をumとして、直流モータの数式モデルに基づき表現している。内部パラメータは、イナーシャJm、軸摩擦係数Dm、トルク定数KTm、電機子抵抗Rm、インダクタンスLm、誘起電圧定数KTmに相当する係数と、捩り剛性係数Kcm、車輪5からモータ2に伝達される走行負荷TATである。
以上により、モータ2の数式モデルは、次式(2)のように表すことができる。
クラッチモデルは、走行モード変更時、第2クラッチC2の操作を伴うことなく第1クラッチC1単独の操作を前提としているため、第1クラッチC1に係る比捩り角と第1クラッチC1の回転数に関する4つの運動方程式(3)を用いてモデル化する。
ここでの状態量は、エンジン1側のクラッチ板回転数Nce、軸6の比捩れ角φe、モータ2側のクラッチ板回転数Ncm、軸7の比捩れ角φm、第1クラッチC1のクラッチトルク伝達率Pc、制御入力ucである。また、内部パラメータとして、エンジン1側とモータ2側の各々の捩り剛性係数Kce,Kcm、捩り減衰係数Kφe,Kφm、軸6及び軸7の各々の長さ寸法le,lmである。
尚、第1クラッチC1のクラッチトルク伝達率Pcは、零が開放状態、0<Pc<1がスリップ状態、1が締結状態を表し、ソレノイドバルブの作動指令値(作動油流量及び作動油圧)、C1クラッチの差回転及びPcの3つの関係は実験等により予めマップ化されている。
そこで、次式(4)を用いて式(3)を変形すると、状態量を、軸6の比捩れ角φe、軸6の比捩れ角速度φeドット、軸8の軸トルクTax(第2軸トルク)、軸7の比捩れ角速度φmドットを用いて表す式に変形することができる。これにより、制御入力ue,umを設計するに当り、比捩れ角速度φeドット,φmドットや軸トルクTaxを陽に現わすことができ、制御を容易化するためである。
尚、yは、出力に相当する観測値である。
また、本実施例では、エンジン回転数Ne、モータ回転数Nm及びモータトルクTmが検出(観測)されているため、Cを以下のように表現している。
トルク変動を抑制しつつ走行モード切替を実行可能な制御入力uを状態方程式(6)を用いて状態フィードバック系として設計するため、状態フィードバック系のフィードバックゲインKを最適レギュレータによって設定する。
最初に、運転者の要求、エネルギーマネジメント及び車両の走行状態等に基づき走行モード切替直後の状態である到達目標の状態量x*を次式(7)のように設定する。
例えば、一定車速のエンジン走行であれば、Nef=Nmf、Tef=Taxf、Tm=0、φeドット=φemドット=0,φe=Tef/Kceとすれば良い。
最適レギュレータを用いたフィードバックゲインKの設定に当り、次式(11)で表す評価関数を設定する。
また、入力については、エンジン制御入力ue側の重みをum側の重みよりも大きく設定する。これにより、エンジントルクTeを滑らかに立ち上げながら走行モード切替ショックを抑制した走行モード切替制御を実現することができる。
また、入力については、エンジン1の制御入力ue側の重みをモータ2の制御入力um側の重みよりも大きく設定する。これにより、速やかに走行モード切替ショックを抑制した走行モード切替制御を実現することができる。
状態量として8変数を用いる式(6)を状態フィードバックすることで、走行モード切替ショックを抑制した所望の走行モード切替制御を実現することが可能である。
しかし、本実施例では、エンジン回転数Ne、モータ回転数Nm及びトルクTmの3変数を検出し、それ以外の5変数については検出(観測)されないため、未検出の5変数を推定する必要がある。
そこで、図3に示すように、式(6)に基づくオブザーバを設計し、未検出の5変数を推定して状態フィードバックを行っている。
尚、AMは、変数に対応した状態量x(t)について表現された制御対象モデル(=状態方程式)、EMは、変数に対応した推定状態量z(t)について表現された状態推定モデル(=オブザーバ)である。
これにより、エンジントルクTeの推定値が最も速く真値に収束するオブザーバゲインGを設定することができる。EVモードからHEVモードに走行モードを切替える切替開始時は、出力トルクとモータトルクTmが同じであることから、出力トルクTaxの推定誤差は0から開始するのに対して、エンジントルクTeは推定誤差がトルク振動等の影響を受け、大きくなり易い。それ故、エンジントルクTeの推定誤差が出力トルクの制御性能に多大に影響することから、エンジントルク推定値を早急に真値に収束させる必要がある。
尚、クラッチトルク伝達率Pcが0の場合、可観測性が保証されないため、エンジン1とモータ2とに状態方程式を分けて各々のオブザーバを設計して状態量を推定する。
尚、Si(i=1,2…)は、各処理のためのステップを示す。
図4のフローチャートに示すように、まず、S1にて、各センサ21〜25の検出値及び各種マップ等の情報を読み込み、S2に移行する。
S2では、走行モード切替指令が出力されたか否か判定する。
S2の判定の結果、走行モード切替指令が出力された場合、S3に移行する。
S2の判定の結果、走行モード切替指令が出力されていない場合、リターンする。
S3の判定の結果、EVモードからHEVモードへの切替の場合、スタータモータでエンジンを始動する(S4)。
S4でエンジン始動を完了した後、第1クラッチC1の締結作動を開始し(S5)、S6に移行する。
S6では、第1クラッチC1の締結が完了したか否か判定する。
S6の判定の結果、第1クラッチC1の締結が完了した場合、リターンする。
S6の判定の結果、第1クラッチC1の締結が完了していない場合、S7に移行する。
S7の判定の結果、第1クラッチC1がスリップ状態の場合、周期毎に軸6の捩り角φeに応じた軸トルクを推定し(S8)、S9に移行する。
S7の判定の結果、第1クラッチC1がスリップ状態ではない場合、S5に移行する。
S9では、周期毎に軸7の捩り角φmに応じた軸トルク(第1軸トルク)を推定した後、1周期後に軸7で発生する捩り角φmに応じた軸トルクを推定し(S10)、S11に移行する。尚、S8〜S10は、オブザーバにより推定する。
S11では、1周期後に軸7に入力される捩り角φmに応じた軸トルクの変動を吸収するモータトルクを演算した後、演算したモータトルクTmに基づきモータトルク制御指令をインバータ14に出力し(S12)、リターンする。尚、S11では、制御対象モデル(状態方程式)と状態フィードバック制御による得られる制御入力とから、1周期後のエンジンとモータジェネレータに対する目標制御指令値を算出する。
これにより、実際には観測できない第1クラッチC1よりも上流側の軸捩り角φeに応じた軸トルクと第1クラッチC1よりも下流側の軸捩り角φmに応じた軸トルクとを加味したフィードバック制御を実行することができ、ハイブリッド走行モード切替時のショックを低減している。
S14では、第1クラッチC1の開放が完了したか否か判定する。
S14の判定の結果、第1クラッチC1の開放が完了した場合、S15に移行する。
S15では、エンジンを停止し、リターンする。
S14の判定の結果、第1クラッチC1の開放が完了していない場合、S16に移行する。
S16の判定の結果、第1クラッチC1がスリップ状態の場合、周期毎に軸6の捩り角φeに応じた軸トルクを推定し(S17)、S18に移行する。
S16の判定の結果、第1クラッチC1がスリップ状態ではない場合、S13に移行する。
S18では、周期毎に軸7の捩り角に応じた軸トルクを推定した後、1周期後に軸7で発生する捩り角φmに応じた軸トルクを推定し(S19)、S20に移行する。尚、S17〜S19は、オブザーバにより推定する。
S20では、1周期後に軸7で発生する捩り角φmに応じた軸トルクの変動を吸収するモータトルクを演算した後、演算したモータトルクに基づきモータトルク制御指令をインバータ14に出力し(S21)、リターンする。尚、S20では、制御対象モデル(状態方程式)と状態フィードバック制御による得られる制御入力とから、1周期後のエンジンとモータジェネレータに対する目標制御指令値を算出する。
これにより、実際には観測できない第1クラッチC1よりも上流側の軸捩り角φeに応じた軸トルクと第1クラッチC1よりも下流側の軸捩り角φmに応じた軸トルクとを加味したフィードバック制御を実行することができ、電気走行モード切替時のショックを低減している。
実施例1に係るゲインK,Gを設定した状態フィードバック制御の車両モデルと、モータ回転数をドライバ要求と合う状態に維持する回転数制御法を用いた比較例モデルとを準備し、各々のモデルについて、EVモードからHEVモードに切替たときの状態をシミュレーションにより解析した。この時、第1クラッチC1のクラッチトルク伝達率Pcは、変動を加味しフィードフォワードで与えている。
図5に示すように、実施例1の車両モデルは、エンジン始動後に第1クラッチC1のスリップ開始t0から第1クラッチC1の締結完了に至る間、第1クラッチC1の伝達率に変動(油圧や摩擦係数等などが変動)が発生したとしても軸8に軸トルク変動が生じず切替ショックが抑制された。
これに対し、モータ回転数を回転数制御した場合を計算した(図6)比較例モデルは、第1クラッチC1のスリップ開始t0から第1クラッチC1の締結完了に至る間、第1クラッチC1の伝達率の変動が軸8に伝わり、切替ショックが発生している。
また、実施例1にエンジントルク外乱dに振動を与えた場合では、軸8に軸トルクへの影響が抑えられた(図示略)。
尚、スリップ開始t0前のエンジン始動については、スタータモータに限定されず、第1クラッチC1のスリップによりエンジン回転数を上昇させて、エンジン始動直後をt0としても良い。
複数の状態量とこれらの目標状態量x*との偏差に夫々ゲインKを掛けて足し合わせる状態フィードバック制御法を用いてエンジン1とモータ2に対する制御入力uを算出するステップを有するため、軸捩り角φe,φmを状態量として含むエンジン1とモータ2に対する制御入力uを求めることができる。
複数の状態量が目標状態量x*に収束するようにゲインKを設定するゲイン設定するステップを有するため、トルク変動を抑制しながら走行モード切替が可能になる。
ゲイン設定ステップで設定されたゲインKにより得られる制御入力uと状態方程式を用いてエンジン1とモータ2に出力する目標トルク指令信号を算出するトルク指令信号算出ステップを有するため、走行モード切替ショックを抑制可能な制御指令信号をエンジン1とモータ2に対して出力できる。
これにより、軸捩り角φe,φm及び第2軸トルクTaxが実際に観測不可能であっても、推定することができ、これらの推定値を用いて走行モード切替ショックを抑制可能な制御指令信号をエンジン1とモータ2に対して出力することができる。
これにより、制御性能を高くすることができるフィードバックゲインKを設定することができ、推定性能を高くすることができるオブザーバゲインGを設定することができる。
1〕前記実施形態においては、エンジン回転数、モータ回転数及びトルクの3変数を実際に検出可能な観測値とした例を説明したが、次式の可観測条件を満足すれば、状態フィードバック安定化が可能であるため、観測可能な変数の数、又はそれらの組み合わせを任意に設定することができる。
rank(C CA CA2 … CAn-1)=n, n:状態方程式の次元
2 モータ
10 VCM
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
Claims (7)
- 上流側のエンジンと下流側のモータジェネレータとの間を断続する第1クラッチと、前記モータジェネレータとトランスミッションとの間を断続する第2クラッチと、前記エンジンに目標回転数及び目標トルク指令信号を周期毎に出力すると共に前記モータジェネレータに目標回転数及び目標トルク指令信号を周期毎に出力する制御手段とを備え、前記第1クラッチを開放して前記モータジェネレータの動力で走行する電気走行モードと前記第1クラッチを締結して前記エンジンとモータジェネレータの動力で走行するハイブリッド走行モードとを切替可能なハイブリッド車両の制御方法において、
少なくとも前記第1クラッチよりも上流側の軸捩り角及び下流側の軸捩り角、前記エンジンの回転数、前記モータジェネレータの回転数とトルクを含む複数の状態量を用いて、前記第1クラッチよりも下流側の軸捩り角に応じた第1軸トルクと前記モータジェネレータのモータトルクの和が前記第2クラッチよりも上流側の第2軸トルクになるよう表現された状態方程式に基づいて、
ドライバ操作や車両の状態に応じて前記状態量の目標値を設定するステップと、前記状態量目標値と前記状態量との偏差に夫々ゲインを掛けて足し合わせる状態フィードバック制御により制御入力を算出するステップと、前記目標状態量に前記状態量が収束するよう前記ゲインを設定するステップと、前記制御入力と前記状態方程式とを用いて前記エンジンとモータジェネレータに対する目標制御指令値を算出するステップと、
を有することを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。 - 前記複数の状態量が、前記エンジンの回転数及び前記モータジェネレータの回転数とトルクを有する観測可能要素と、前記第1クラッチよりも上流側の軸捩り角及び前記第2軸トルクを有する未観測要素とを含み、
前記状態方程式に基づいて作成したオブザーバにより前記状態量を推定するステップと、その推定値が真値に収束するようにオブザーバゲインを設定するステップと、前記未観測要素の前記状態推定値を前記状態フィードバック制御に用いるステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御方法。 - 前記ゲイン設定ステップにおいて最適レギュレータを用い、その評価関数内の重み付け係数をパラメータとしてフィードバックゲインを設定することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御方法。
- 前記オブザーバゲイン設定ステップにおいてカルマンフィルタを用い、前記状態量夫々に対応するノイズの分散値をパラメータとしてオブザーバゲインを設定することを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の制御方法。
- 前記フィードバックゲインが、電気走行モードからハイブリッド走行モードへの切替時又はハイブリッド走行モードから電気走行モードへの切替時、前記第2軸トルクの前記重み付け係数を他の状態量の重み付け係数よりも大きく設定され、
前記オブザーバゲインが、電気走行モードからハイブリッド走行モードへの切替時又はハイブリッド走行モードから電気走行モードへの切替時、前記エンジンのトルクに対応するノイズの分散値を他の状態量の分散値よりも大きく設定されることを特徴とする請求項3又は4に記載のハイブリッド車両の制御方法。 - 前記ゲイン設定ステップにおいて最適レギュレータを用い、その評価関数内の重み付け係数をパラメータとしてフィードバックゲインを設定することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御方法。
- 前記オブザーバゲイン設定ステップにおいてカルマンフィルタを用い、前記状態量夫々に対応するノイズの分散値をパラメータとしてオブザーバゲインを設定することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御方法。
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