以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは共に、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じであってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字に対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組み合わせやハズレとなる組み合わせ等適当な数の組み合わせを構成可能であれば、何種類であってもよい。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第1始動領域とは異なる始動領域としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過し易い拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖すること等により、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過し易い拡大開放状態と、遊技球が通過し難い、又は通過できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手で把持した状態において、所定の操作指で押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサと、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサとを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対して成された操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される始動入賞の発生等により第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される始動入賞の発生等により第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」又は「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とする上限回数が比較的に多い回数となる大当り遊技状態は、長期開放大当り状態ともいう。一方、可変入賞球装置7を第1状態とする上限回数が比較的に少ない回数となる大当り遊技状態は、短期開放大当り状態ともいう。なお、長期開放大当り状態は第1特定遊技状態ともいい、短期開放大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、この実施の形態では、ラウンドの実行回数が「16」となる大当り遊技状態を16R大当り状態ともいう一方、ラウンドの実行回数が「6」となる大当り遊技状態を6R大当り状態ともいう。
大当り図柄となる「3」又は「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は16R大当り図柄となり、「3」の数字を示す特別図柄は6R大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として16R大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が導出された後には、長期開放大当り状態としての16R大当り状態に制御される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄として6R大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が導出された後には、短期開放大当り状態としての6R大当り状態に制御される。
特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が16R大当り図柄となったことに基づく16R大当り状態では、大入賞口が開放状態となるラウンドの上限回数として比較的に多い「16」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に長期なものとなる。そのため、16R大当り状態では、大入賞口を多くの遊技球が通過し易い。これに対して、特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が6R大当り図柄となったことに基づく6R大当り状態では、大入賞口が開放状態となるラウンドの上限回数として比較的に少ない「6」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に短期なものとなる。そのため、6R大当り状態では、16R大当り状態よりも少ない遊技球しか大入賞口を通過させることができない。こうして、長期開放大当り状態となる16R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。一方、短期開放大当り状態となる6R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。
大入賞口を第1状態とするラウンドの実行回数に応じて遊技球の通過し易さを異ならせるものに限定されず、例えば大入賞口を第1状態とする期間に応じて遊技球の通過し易さを異ならせるようにしてもよい。一例として、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは第1個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。一方、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉は、第1期間よりも短い第2期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは第2個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。
大当り遊技状態であるときに実行される全部のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で変化させる第1大当り状態と、大当り遊技状態であるときに実行される一部のラウンドにて大入賞口を第2変化態様で変化させる第2大当り状態とを設けてもよい。一例として、第1大当り状態と第2大当り状態は、いずれもラウンドの上限回数が「16」であるものの、第1大当り状態では16回のラウンドの全部にて大入賞口を第1変化態様で開放状態に変化させる一方、第2大当り状態では16回のラウンドのうち6回のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で開放状態に変化させた後、残り10回のラウンドでは大入賞口を第2変化態様で開放状態に変化させてもよい。このように、第1大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる一方、第2大当り状態であるときには、所定期間にて大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われてもよい。
例えば16R大当り状態における遊技のように、多数の遊技球が大入賞口を通過し易い遊技状態における遊技は、6R大当り状態における所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技となる。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態として6R大当り状態と16R大当り状態のいずれに制御されるかに応じて、所定遊技と、所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技とを実行可能である。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、あるいは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部では予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリアでは飾り図柄が変動している表示状態、あるいは「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作のいずれか、あるいはこれらの一部又は全部の組み合わせといった演出動作を、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
この実施の形態では、一例として、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されること等に対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、所定の大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が同一である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
確定特別図柄として導出される特別図柄が16R大当り図柄と6R大当り図柄のいずれであるかに応じて、大当り組み合わせとして停止表示される飾り図柄を異ならせてもよい。一例として、16R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合には、「1」〜「8」の飾り図柄の全部を対象として、大当り組み合わせで停止表示する飾り図柄が選択される一方、6R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合には、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄を対象として、大当り組み合わせで停止表示する飾り図柄が選択されてもよい。この場合、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」の飾り図柄のいずれかが大当り組み合わせで停止表示されることにより、16R大当り状態となることが確定的に報知される。一方、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄のいずれかが大当り組み合わせで停止表示されたときには、16R大当り状態となるか6R大当り状態となるかを遊技者が認識不可能又は認識困難となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄が6R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第1大当り」の可変表示態様と称される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄が16R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第2大当り」の可変表示態様と称される。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中やラウンド間のインターバル中といった所定期間にて、大当り中演出となるバトル演出が実行される。バトル演出では、自キャラクタが敵キャラクタと対戦するような演出が行われる。一例として、バトル演出で自キャラクタが敵キャラクタとの対戦に勝ったときには、16R大当り状態に対応して16回のラウンドが実行されることを、遊技者が認識可能に報知する。一方、バトル演出で自キャラクタが敵キャラクタとの対戦に負けたときには、6R大当り状態に対応して6回のラウンドが実行されることを、遊技者が認識可能に報知する。ラウンドの実行回数に応じて対戦の結果を報知する演出は、バトル結果報知演出ともいう。このように、バトル演出には、バトル中演出と、バトル結果報知演出とが含まれていればよい。この実施の形態では、例えば自キャラクタや敵キャラクタがバトル中に使う攻撃技といった、バトル中演出における演出態様が複数態様のいずれであるかに応じて、自キャラクタが対戦に勝つ可能性を異ならせている。
この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変制御が行われる確変状態に制御される。確変制御が行われることにより、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一の制御が行われる。
大当り遊技状態が終了した後には、確変制御と共に、あるいは確変制御とは別個に、時短制御が行われてもよい。時短制御が行われることにより、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間が短縮される。時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口を遊技球が通過し易くして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御と称される。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立し易くなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいう。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了とは連動しなくてよい。
確変制御は、所定回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。但し、可変表示結果が再び「大当り」となった場合には、大当り遊技状態の終了後更に確変制御が行われる確変状態となればよい。時短制御は、確変制御と共に終了してもよい。あるいは、確変制御が終了するより前、もしくは確変制御が終了した後を含めて、所定回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、時短制御を終了してもよい。
確変制御と共に時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。更に、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御と共に時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
確変状態や時短状態において確変制御や時短制御及び高開放制御が行われるときには、各特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる確率が通常よりも高くなることや、各特図ゲームにおける特図変動時間が短縮されると共に第2開始条件が成立し易くなることにより、通常状態に比べて大当り遊技状態となり易くなる。こうした通常状態に比べて大当り遊技状態となり易く遊技者にとって有利な遊技状態は、特定遊技状態としての大当り遊技状態とは異なる「特別遊技状態」と称される。なお、確変状態は第1特別遊技状態ともいう一方、時短状態は第2特別状態ともいう。また、時短制御に伴い高開放制御が行われる確変状態や時短状態は、遊技球が第2始動入賞口を通過し易い有利変化態様で普通可変入賞球装置6Bの可動部材が通常開放状態と拡大開放状態とに変化する「有利状態」ということもあれば、「高ベース状態」ということもある。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いたとk図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターン等に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞の発生時における所定の判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドである。この実施の形態では、始動入賞の発生時に抽出した所定の乱数値について、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定し、その判定結果に応じて異なるデータが、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば6R大当り状態や16R大当り状態におけるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB0XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンドB000Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンドB001Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンドB002Hを時短制御が行われない一方で確変制御は行われる遊技状態に対応した第3遊技状態指定コマンドとする。また、コマンドB003Hを時短制御と確変制御が共に行われる遊技状態に対応した第3遊技状態指定コマンドとする。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過することにより第1始動入賞が発生したときに、第1始動条件が成立したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過することにより第2始動入賞が発生したときに、第2始動条件が成立したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12へと送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されること等に対応して送信されるようにしてもよい。
コマンドD0XXHは、大入賞口への遊技球の入賞があったことを通知する大入賞口入賞通知コマンドである。大入賞口入賞通知コマンドは、例えば、大入賞口を遊技球が通過したときに、主基板11から演出制御基板12へと送信される。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定すると共に、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンドを送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドと共に、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて合計保留記憶数通知コマンドを送信する場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する始動口入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。
この実施の形態では、始動入賞判定処理において、始動入賞の発生に基づき抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1がいずれの数値範囲に含まれるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに、乱数値MR1の判定結果を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図11に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値を取る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値を取る。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「251」の範囲の値を取る。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「997」の範囲の値を取る。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等の決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値を取る。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンと称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンと称される。
非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα又はスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図6は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。即ち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様等に基づいて分類された単一又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類で分類して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否か等に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間等に応じて、分類してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つ又は複数の変動パターンが分類される。図5に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図10に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。即ち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1において確変制御が行われない遊技状態であるか、確変制御が行われる遊技状態であるかという確変制御の有無に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。特図表示結果決定テーブル130において、複数種類の特図表示結果に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。
図7に示す特図表示結果決定テーブル130の設定例では、遊技状態が確変状態である場合の「確変制御あり」に対応して、通常状態又は時短状態である場合の「確変制御なし」よりも多くの決定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態では、確変制御が行われない通常状態又は時短状態であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。即ち、特図表示結果決定テーブル130における決定用データは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときよりも大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において同一のテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割り当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合とでは、所定の特図表示結果に対する決定値の割り当てを異ならせてもよい。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示が行われた特別図柄が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、「第1大当り」又は「第2大当り」といった大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、短期開放大当り状態としての6R大当り状態に制御するか長期開放状態としての16R大当り状態に制御するかの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「第1大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、6R大当り状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「第2大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、16R大当り状態に制御するとの決定結果に対応している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値を、決定された大当り種別に対応する値に設定するためのテーブルデータを含んでもよい。
図8に示す大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「第1大当り」又は「第2大当り」の大当り種別に対する決定値の割り当てが異なっている。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「第1大当り」又は「第2大当り」に決定する割合を、異ならせることができる。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、大当り種別決定テーブル131において異なるテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、複数種類の大当り種別に対する決定値の割り当てが同一のテーブルデータを用意してもよい。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「第1大当り」である場合と「第2大当り」である場合とでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別3−3に対する決定値の割り当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにおける決定値は、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別が決定されるように、各変動パターン種別に割り当てられる部分があってもよい。一例として、大当り種別が「第1大当り」である場合には決定値が割り当てられない特定の変動パターン種別に対して、大当り種別が「第2大当り」である場合にのみ所定の決定値が割り当てられてもよい。これにより、所定の大当り種別に決定された場合には、所定の大当り種別以外に決定された場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割り当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値が、単一又は複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図11に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図11に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過して始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過して始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データ等を保留データとして、その数が所定の上限値に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部又は全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。
一例として、ROM101には、演出制御用CPU120が各種の演出装置による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出等における演出表示操作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
図12(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データ等が、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値と比較される値であって、各演出動作の実行期間に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されることといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図12(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させると共に、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うと共に、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータが設定されてもよい。
図12(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するとき等に、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて演出制御パターンをセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出又は大当り中演出といった所定演出の実行を開始するとき等に、対応する演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新される毎に、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nの内容に従って、演出装置の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜演出制御プロセスタイマ判定値#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13等に対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13等では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図13(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図13(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図13(B1)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ194Aと、図13(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bとを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶数の最大値に対応した格納領域が設けられている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2特図保留記憶数の最大値に対応した格納領域が設けられている。
第1始動入賞口への始動入賞があったときには、第1保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットとなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞口への始動入賞があったときには、第2保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットとなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンドを対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンドを対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。
また、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンドに対応付けて、第2特図の可変表示結果が「大当り」に決定される場合に、その旨を示唆する演出を実行したか否かを示す保留内大当り示唆済みフラグを記憶できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信したコマンドを、その受信順序に従って第1始動入賞時コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの空き領域に格納していく。例えば、第1始動入賞に基づく第1始動入賞時コマンドバッファ194Aのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第1保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。一方、第2始動入賞に基づく第2保留記憶数通知コマンド及び入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第2保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。
第1始動入賞や第2始動入賞の発生時には、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図13(B1)及び(B2)に示すようなバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図13(B1)ではバッファ番号「1」及び「2」に対応する格納領域にてコマンドが格納され、図13(B2)ではバッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始する毎に、1つ目の格納領域に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図13(B1)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされると共に、バッファ番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
図13(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのうち、バッファ番号「3」に対応した領域については、第2保留記憶数通知コマンドにより通知された第2特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。即ち、第2保留記憶数通知コマンドで通知された第2特図保留記憶数よりもバッファ番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第2特図保留記憶数が第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶内容から特定される第2特図保留記憶数と矛盾している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりもバッファ番号が小さな値になっても直ちに矛盾とはならない。但し、コマンドの受信時点における相違は矛盾となり得る。
例えば大当り遊技状態に制御されているときには、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されている始動入賞時のコマンドに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる特図ゲームが保留記憶されているかの判定が行われる。こうした保留内大当り判定の結果に応じて異なる割合で、大当り中演出における演出態様が決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、保留内大当り判定がなかったものとして演出態様が決定される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図14に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図16は、始動入賞判定処理として、図15のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;YES)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;YES)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;YES)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否か、更には可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部又は全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図14に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、ステップS209の処理により抽出した数値データに示される特図表示結果決定用の乱数値MR1が、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定する(ステップS212)。この実施の形態では、複数の数値範囲として、「8001〜8437」の範囲、「8438」〜「11277」の範囲、及びこれら以外の範囲が予め設定されている。一例として、ステップS212の処理では、それぞれの数値範囲における最小値と最大値とを設定して、ステップS209の処理により抽出した乱数値MR1との比較により、いずれの数値範囲内に含まれるかを判定できればよい。
ステップS212の処理を実行した後には、入賞時判定結果指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS213)。図17は、ステップS213の処理にて送信設定が行われる入賞時判定結果指定コマンドの構成例を示している。図17に示す入賞時判定結果指定コマンドでは、ステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1が複数の数値範囲のいずれに含まれるかの判定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド9500Hは、乱数値MR1が「8001」〜「8437」の範囲内に含まれることを示す入賞時判定結果第1指定コマンドである。コマンド9501Hは、乱数値MR1が「8438」〜「11277」の範囲内にあることを示す入賞時判定結果第2指定コマンドである。コマンド9502Hは、乱数値MR1が上記以外の範囲内に含まれることを示す入賞時判定結果第3指定コマンドである。
この実施の形態では、図7に示すように、パチンコ遊技機1において確変制御が行われているか否かにかかわらず、乱数値MR1が「8001」〜「8437」の値のいずれかであれば、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、入賞時判定結果第1指定コマンドは、遊技状態が確変状態であるか否かにかかわらず可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御すると決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。乱数値MR1が「8438」〜「11277」の値のいずれかであれば、パチンコ遊技機1において確変制御が行われている場合に限り、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、入賞時判定結果第2指定コマンドは、遊技状態が確変状態であるときに可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御すると決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。入賞時判定結果第3指定コマンドは、可変表示結果が「ハズレ」となり大当り遊技状態には制御しないと決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
こうした始動入賞判定処理では、ステップS211の処理を実行した後に、ステップS213の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図14に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、保留記憶数通知コマンド及び入賞時判定結果指定コマンドという2つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込み内に一括して送信される。なお、1タイマ割込み内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込み毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図15のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。即ち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行される毎に、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。このときには、例えば大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「第1大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定すると共に、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「6回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「第2大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定すると共に、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、長期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理等が含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図18は、特別図柄通常処理として、図15のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS213の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」又は「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた確変フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態であるか否かを特定すればよい。確変フラグは、確変制御が行われる確変状態に制御されるときにオン状態にセットされる。一方、確変状態が終了するときには、確変フラグがクリアされてオフ状態となる。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;YES)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが「第1大当り」又は「第2大当り」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種類のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値を設定すること等により(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「第1大当り」であれば大当り種別バッファ値を「1」とし、「第2大当り」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;NO)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」又は「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「第1大当り」とする決定結果に応じて、6R大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第2大当り」とする決定結果に応じて、16R大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図19は、変動パターン設定処理として、図15のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;YES)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ること等により、大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261で大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;NO)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定すること等により、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS264)。そして、時短制御中ではないときには(ステップS264;NO)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bを選択してセットする(ステップS265)。ステップS264にて時短制御中である場合には(ステップS264;YES)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS266)。なお、ステップS265、S266の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ること等により、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S266の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファ等に格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等に基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、ステップS267の処理では、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS267の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。即ち、ステップS267の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268でセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。
変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等から抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3と共に、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留情報として記憶しておいてもよい。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図20は、図15のステップ113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、ステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;NO)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、図柄確定指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行される毎に、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;YES)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行される毎に、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;NO)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;YES)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;YES)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた大当り開始時フラグをオン状態にセットする(ステップS302)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS303)。例えば、ステップS303の処理として、遊技制御フラグ設定部152等に設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理等が実行されればよい。このときには、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS304)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態となることに対応して、時短状態や確変状態が終了することを、演出制御基板12の側に対して通知することができる。なお、演出制御基板12の側では、当り開始指定コマンドを受信したことにより、時短状態や確変状態が終了することを特定してもよい。この場合には、ステップS304の処理等により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS305)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;NO)、時短状態における時短制御や高開放制御を終了させるか否かの判定と、確変状態における確変制御を終了させるか否かの判定とを行う(ステップS306)。このとき、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS307)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態から通常状態となったこと等を、演出制御基板12の側に対して通知することができる。なお、高ベース中における時短制御や高開放制御等が終了したときのみ遊技状態指定コマンドを送信するようにして、その他の場合にはステップS307の処理等により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。また、演出制御基板12の側で時短状態における可変表示の実行回数をカウントすること等により、主基板11の側とは独立して時短状態が終了するか否かを特定できるようにしてもよい。この場合にも、ステップS307の処理等により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS308)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS306の処理では、例えば時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算する等して更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすること等により、高ベース中における時短制御や高開放制御等を終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、ステップS306の処理を終了すればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときでも時短フラグがオンであれば時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了する一方で、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは更に所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。これにより、遊技状態が潜伏確変中となることができる。あるいは、時短フラグがオンであると共に確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われるようにしてもよい。
図21は、大当り開放前処理として、図15のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始時フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS131)。ここで、大当り開始時フラグは、図15に示すステップS113の特別図柄停止処理にて、大当りフラグがオンであることに対応してオン状態にセットされる。ステップS131にて大当り開始時フラグがオンであれば(ステップS131;YES)、大当り開始時演出の待機中であるか否かを判定する(ステップS132)。一例として、図15に示すステップS113の特別図柄停止処理では、特図プロセスフラグの値を“4”に更新するときに、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS132の処理では、遊技制御プロセスタイマ値が所定の待機時間経過判定値と合致していないことに対応して、大当り開始時演出の待機中であると判定し、合致したことに対応して、大当り開始時演出の待機中ではないと判定すればよい。
ステップS132にて大当り開始時演出の待機中であれば(ステップS132;YES)、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算する等して更新した後(ステップS133)、大当り開放前処理を終了する。これに対して、ステップS132にて大当り開始時演出の待機中ではない場合には(ステップS132;NO)、大当り開始時フラグをクリアすると共に(ステップS134)、大入賞口開放回数カウンタをクリアして(ステップS135)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS136)。
続いて、ステップS136にて読み出した大当り種別バッファ値に対応した開放制御パターンを設定する(ステップS137)。このときには、例えば図22(A)に示すように、大当り種別バッファ値が「1」であれば、開放KP1の開放制御パターンを設定する。これに対して、大当り種別バッファ値が「2」であれば、開放KP2の開放制御パターンを設定する。
ステップS137の処理を実行した後には、次回のラウンドにて大入賞口を開放するまでの待機中であるか否かを判定する(ステップS138)。一例として、ステップS138の処理では、遊技制御プロセスタイマ値が次回開放待機終了判定値と合致するか否かの判定を行い、合致しなければ次回開放待機中であると判定する一方で、合致すれば次回開放待機中ではないと判定すればよい。ステップS138にて次回開放待機中であれば(ステップS138;YES)、ステップS133に進んで遊技制御プロセスタイマ値の更新を行う。なお、ステップS133にて更新される遊技制御プロセスタイマ値は、図20に示すステップS299にて大当り開始時演出待ち時間としてセットされた時間、又は図15の大当り開放後処理にて各ラウンド間のラウンド開始待ち時間としてセットされた時間である。
ステップS138にて次回開放待機中ではないと判定された場合には(ステップS138;NO)、ステップS137にて設定した開放制御パターンと大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値に対応して、大入賞口を開放するための設定を行う(ステップS139)。一例として、ステップS139の処理では、大入賞口開放時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされること等により、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態とする時間の上限である大入賞口開放時間が設定される。また、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号が出力開始とされること等により、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオン状態とする設定が行われる。
このときには、例えば図11(B)に示すように、ステップS137にて開放KP1の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値が「1」〜「6」のときにおいてのみ、大入賞口開放時間として29.5秒間に対応するタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされる。更に、開放KP2の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値が「1」〜「16」のいずれのときにおいても、大入賞口開放時間として29.5秒間に対応するタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされる。
そして、CPU103は、演出制御基板12に対して大入賞口開放中通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS140)。ステップS140の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS141)、大当り開放前処理を終了する。
図23は、大当り開放中処理として、図15のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。このとき、大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS121;NO)、カウントスイッチ23から伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS122)。
ステップS122にてカウントスイッチ23がオンである場合には(ステップS122;YES)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS123)。入賞個数カウント値は、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行される間にカウントスイッチ23により検出された遊技球の個数を示すものであればよい。その後、カウントスイッチ23により遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる15個の遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS124)。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。
そして、演出制御基板12に対して大入賞口への遊技球の入賞を通知するための大入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS125)。
ステップS122にてカウントスイッチ23がオフである場合や(ステップS122;NO)、ステップS125の処理を実行した後には、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値に達したか否かを判定する(ステップS126)。このとき、入賞上限判定値に達していなければ(ステップS126;NO)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS121にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS121;YES)、ステップS126にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS126;YES)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS127)。このときには、ソレノイド82に対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
ステップS127の処理に続いて、入賞個数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップ128)。そして、特図プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS129)、大当り開放中処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“6”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図15に示すステップS116の大当り開放後処理が実行される。
図24は、図15のステップS116にて実行される大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、カウントスイッチ23から伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS361)。このように、ラウンドの終了条件が成立したことに基づき大入賞口扉を閉鎖してからカウントスイッチ23にて検出された遊技球は、当該ラウンドにてオーバー入賞した遊技球として検出され、次のラウンドで入賞した遊技球として検出されないようになっている。
ステップS361にてカウントスイッチ23がオンである場合には(ステップS361;YES)、カウントスイッチ23により遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる15個の遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS362)。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。
そして、演出制御基板12に対して大入賞口への遊技球の入賞を通知するための大入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS363)。
ステップS361にてカウントスイッチ23がオフである場合や(ステップS361;NO)、ステップS363の処理を実行した後には、CPU103は、大入賞口開放回数カウント値が1加算されるように更新する(ステップS364)。このときには、更新後の大入賞口開放回数カウント値が最大値となったか否かを判定する(ステップS365)。そして、大入賞口開放回数カウント値が最大値以外であれば(ステップS365;NO)、所定のラウンド開始待ち時間を設定すると共に(ステップS366)、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS367)、大当り開放後処理を終了する。こうして、ステップS365の処理により更新後の大入賞口開放回数カウント値が最大値であると判定されるまでは、図15に示すステップS114〜S116の処理を繰り返し実行することにより、大当り遊技状態にて大入賞口を開放状態とする複数回のラウンドを実行させることができる。また、大当り開放前処理において、ステップS366の処理により設定されたラウンド開始待ち時間が経過するまでは大入賞口を開放制御しないようにすることにより、ラウンド開始待ち時間に対応するインターバル時間を置いて次のラウンドを開始させることができる。
ステップS365にて大入賞口開放回数カウント値が最大値であるときには(ステップS365;YES)、大当り終了時演出待ち時間を設定する(ステップS368)。このときには、演出制御基板12に対して当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS369)。その後、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS370)、大当り開放後処理を終了する。こうして、大当り終了処理において、ステップS368の処理により設定された大当り終了時演出待ち時間が経過するまでは大当り遊技状態を終了しないようにすることにより、大当り終了時演出待ち時間に対応する期間、エンディング演出を実行することができる。
図25は、図15のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(S321)。一例として、図15に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;NO)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;YES)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS322)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。そして、確変制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値を、遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた確変回数カウンタに設定する。
ステップS322の処理に続いて、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS323)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットする。そして、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値を、遊戯制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタに設定する。ステップS322の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS324)。これにより、パチンコ遊技機1において大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を、演出制御基板12の側に対して通知することができる。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS325)、大当り終了処理の実行を終了する。
こうした大当り終了処理により確変制御を開始するための設定が行われた後、第1開始条件又は第2開始条件の成立に基づき特図ゲームの実行が開始されるときには、図18に示すステップS240の処理にて、確変制御ありに応じた割合で特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが決定される。そして、図7に示すような特図表示結果決定テーブル130における決定値の割り当てにより、確変制御が行われる確変状態であるときには、確変制御が行われない通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。このように、確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも大当り遊技状態に制御すると決定され易い。
大当り終了処理により時短制御を開始するための設定が行われた後、第1開始条件又は第2開始条件の成立に基づき特図ゲームの実行が開始されるときには、図19に示すステップS264の処理にて時短制御中であると判定されることで、ステップS266の処理によりハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cが選択される。そして、図9(C)に示すようなハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cにおける決定値の割り当て等により、時短制御が行われる時短状態であるときには、時短制御が行われない通常状態であるときよりも、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短い変動パターンに決定され易くなる。
また、大当り終了処理により時短制御を開始するための設定が行われた後、図14に示すステップS16の普通図柄プロセス処理では、高開放制御を行うための処理が実行される。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始すると判定されたときには、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データ等に基づき、所定の普図表示結果決定テーブルを参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブルでは、時短フラグがオンに対応して高開放制御が行われる場合に、高開放制御が行われない場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定が成される割合が高くなるように決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、時短状態において高開放制御が行われる有利状態では、通常状態に比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となり易くなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くなる。
普図プロセス処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。このとき、時短フラグがオンに対応して高開放制御が行われる場合には、高開放制御が行われない場合よりも普通図柄の可変表示時間が短くなるように設定される。これにより、時短状態において高開放制御が行われる有利状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くなる。
普図プロセス処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口を拡大開放状態とする時間である傾動制御時間や拡大開放状態とする回数である傾動制御回数を決定する。このとき、時短フラグがオンに対応して高開放制御が行われる場合には、高開放制御が行われない場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するように設定される。これにより、時短状態において高開放制御が行われる有利状態では、第2始動入賞口が拡大開放状態となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くなる。
図15に示すステップS113の特別図柄停止処理では、特図表示結果が「大当り」となる場合に対応して、確変制御や時短制御を終了するための設定が行われる。例えば、遊技制御フラグ設定部152等に設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、遊戯制御カウンタ設定部154等に設けられた確変回数カウンタや時短回数カウンタをクリアする処理が実行されればよい。
特別図柄停止処理では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して、時短状態における時短状態や高開放制御を終了させるか否かの判定と、確変状態における確変制御を終了させるか否かの判定とが行われる。例えば、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するように更新して、減算後のカウント値が「0」となったか否かを判定する。そして、時短回数カウント値が「0」となったときには、時短制御を終了させると判断して、時短フラグをクリアする。また、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するように更新して、減算後のカウント値が「0」となったか否かを判定する。そして、確変回数カウント値が「0」となったときには、確変制御を終了させると判断して、確変フラグをクリアする。なお、時短回数カウント値や確変回数カウント値を更新するタイミングは、特図ゲームの終了に対応して特別図柄停止処理が実行されるタイミングに限定されず、例えば図18に示すステップS231又はステップS235にて特図保留記憶数が「0」以外であると判定されたことに基づいて特図ゲームの実行が開始されるタイミングであってもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図26のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図26に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目と2バイト目を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図27は、コマンド解析処理として、図26のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;NO)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;YES)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、大入賞口入賞通知コマンドであるときには(ステップS502;YES)、累積賞球数カウント値を15加算するように更新する(ステップS503)。累積賞球数カウント値は、例えば演出制御カウンタ設定部193といったRAM122の所定領域に設けられた累積賞球数カウンタの格納値であり、パチンコ遊技機1が通常状態から大当り遊技状態に制御され、再び通常状態となるまでの間において、カウントスイッチ23により遊技球が検出されたことに基づいて払い出された賞球の累積数を示すものであればよい。そして、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(ステップS504)。大入賞口入賞回数カウント値は、例えば演出制御カウンタ設定部193といったRAM122の所定領域に設けられた大入賞口入賞回数カウンタの格納値であり、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間に、大入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものであればよい。このときには、更新後の大入賞口入賞回数カウント値が予め定められたオーバー入賞判定値となったか否かを判定する(ステップS505)。オーバー入賞判定値は、主基板11がステップS126の処理にて用いる入賞上限判定値よりも大きい値であればよい。例えば、主基板11がステップS126の処理にて用いる入賞上限判定値が10である場合、オーバー入賞判定値は「11」に設定されていればよい。このとき、オーバー入賞判定値に達していなければ(ステップS505;NO)、ステップS501の処理に戻る。一方、オーバー入賞判定値に達したと判定された場合には(ステップS505;YES)、演出制御フラグ設定部191に設けられたオーバー入賞フラグをオン状態にセットしてから(ステップS506)、ステップS501の処理に戻る。
ステップS502にて受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドではないと判定された場合には(ステップS502;NO)、その受信コマンドは大入賞口開放中通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。そして、大入賞口開放中通知コマンドであるときには(ステップS507;YES)、大入賞口入賞回数カウンタをクリアしてから(ステップS508)、ステップS501の処理に戻る。
ステップS507にて受信コマンドが大入賞口開放中通知コマンドではないと判定された場合には(ステップS507;NO)、その受信コマンドは遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS509)。そして、遊技状態指定コマンドであるときには(ステップS509;YES)、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える(ステップS510)。高確フラグは、例えば演出制御フラグ設定部191といったRAM122の所定領域に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば演出制御フラグ設定部191といったRAM122の所定領域に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。ステップS510において、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態を指定するものである場合、高確フラグ及び高ベースフラグを共にオフ状態にする。このときには、切り替え後の高確フラグ及び高ベースフラグが共にオフ状態になったか否かを判定する(ステップS511)。このとき、共にオフ状態になっていなければ(ステップS511;NO)、ステップS501の処理に戻る。一方、共にオフ状態になったと判定された場合には(ステップS511;YES)、累積賞球数カウンタをクリアしてから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
ステップS509にて受信コマンドが遊技状態指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS509;NO)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留通知情報ともいう。保留通知情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかを特定可能に示す始動口入賞指定コマンドを設けてもよい。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1を示す数値データの抽出地に基づく判定結果を指定する演出制御コマンドである入賞時判定結果指定コマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1保留記憶数通知コマンドと第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、入賞時判定結果指定コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に入賞時判定結果指定コマンドを受信できた場合には、保留記憶数通知コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている保留記憶数通知コマンドと対応付けて、受信した入賞時判定結果指定コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは保留記憶数通知コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した入賞時判定結果指定コマンドを格納すればよい。
図28は、演出制御プロセス処理として、図26のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191等に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したときに、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図29は、可変表示開始設定処理として、図28のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS151)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定が成された場合には(ステップS151;YES)、例えば変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS152)。
ステップS152にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS152;YES)、非リーチ組み合わせを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組み合わせを決定する(ステップS153)。一例として、ステップS153の処理では、まず、乱数回路124、又は演出制御カウンタ設定部193といったRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定等により、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS152にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS152;NO)、リーチ組み合わせを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組み合わせを決定する(ステップS154)。一例として、ステップS154の処理では、まず、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組み合わせとなってしまう場合には、任意の値を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算すること等により、確定飾り図柄が大当り組み合わせとはならずにリーチ組み合わせとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS151にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS151;NO)、大当り中演出処理におけるステップS655の処理で大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数であるラウンド数が“6”となるか“16”となるかの報知演出となる大当り中昇格演出の有無を決定する処理を行う(ステップS155)。大当り中昇格演出には、ラウンド数が“16”となる昇格があり、一旦、ラウンド数が“6”となることを報知しておいてから、ラウンド数が“16”に昇格したことを報知することを以て、大当り遊技状態が継続する旨を報知する大当り中昇格成功演出と、ラウンド数が“16”となる昇格がなく、6ラウンドで大当り遊技状態が終了する旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示画面にて所定の演出画像の表示を行うこと等により、ラウンド数が“16”となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
ステップS155の処理を実行した後には、大当り組み合わせを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組み合わせを決定する(ステップS156)。一例として、ステップS156の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121等に予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無等に応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。例えば、ステップS155にて大当り中昇格成功演出を実行することが決定されている場合には、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄として、16ラウンド大当りが確定となる「7」図柄が決定されないようにする。
ステップS153、S154、S156の処理のいずれかを実行した後には、可変表示中演出処理におけるステップS463の処理で価値を付与する可変表示中ルーレット演出の有無の決定や、可変表示中ルーレット演出を実行する設定を行う(ステップS157)。可変表示中ルーレット演出では、価値として、遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる複数種類の特典のうちのいずれかの特典を付与する。ここで、遊技者にとって有利な遊技価値とは、例えば、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されることである。可変表示中ルーレット演出では、このような遊技価値とは異なる複数種類の特典のうちのいずれかの特典の付与を報知可能な演出を実行し、複数種類の特典のうちの特定の特典の付与を報知する場合、その特定の特典の付与を報知すると共に、遊技者にとって有利な遊技価値が付与されることを示唆する。
ステップS157の処理では、遊技履歴の設定の有無や特図表示結果等に応じて、異なる演出制御パターンが選択され、使用パターンに決定される。この実施の形態では、遊技履歴の設定の有無に応じて異なる演出制御パターンを選択することができる。遊技履歴は、演出用設定処理を実行すること等により、可変表示が開始される以前に、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの所定操作等に応じて設定できればよい。また、遊技履歴の設定がある場合には、履歴内容に応じて異なる演出制御パターンを選択することができるようにしてもよい。
例えば、演出制御用CPU120は、遊技開始時に遊技者によりパスワードが入力された場合、可変表示中ルーレット演出において予め定められた図柄が停止表示されたときに、遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる特典としての経験値を付与し、その経験値が所定値に達すると、レベルを加算する。そして、レベルの値が一定値を超える毎に、実行される可能性のある演出の種類数を増加させる。経験値は、RAM122に設けられた経験値格納領域に格納される。また、レベルが一定値を超える毎に、演出設定として選択可能な項目を増加させてもよい。
あるいは、可変表示中ルーレット演出において予め定められた図柄が停止表示されたときには、遊技者に対して、管理サーバから所定コンテンツの付与を受ける際の交換価値となる、遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる特典としてのコインが付与される。コンテンツには、例えば音楽、壁紙、待ち受け画面等のコンテンツデータや、所定の物品と交換できる交換券を示すデータ等が含まれる。これらのコインは、可変表示中ルーレット演出において予め定められた図柄が停止表示されると、加算されて蓄積される。蓄積されたコインは「ストックコイン」ともいう。ストックコインを示すデータは、RAM122に設けられたストックコイン格納領域に格納される。また、ストックコインの蓄積量が一定値を超える毎に、演出設定として選択可能な項目を増加させてもよい。
ステップS157の処理を実行した後、その他の演出実行設定を行う(ステップS158)。例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音が出力されるような態様の出力や、遊技効果ランプ9等に含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部又は全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS158の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性等にはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、図12(A)に示すような演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS159)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン等に対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS159の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS160)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う(ステップS161)。このときには、例えばステップS159にて使用パターンとしてセットされた特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること等により、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS162)、可変表示開始設定処理を終了する。
図30は、大当り中昇格演出決定処理として、図29のステップS155にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す大当り中昇格演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、大当り種別が「第2大当り(16ラウンド)」となるか否かを判定する(ステップS181)。このとき、大当り種別が「第1大当り(6ラウンド)」となる旨の判定が成された場合には(ステップS181;NO)、大当り中昇格演出決定処理を終了する。
ステップS181で大当り種別が「第2大当り(16ラウンド)」となるときには(ステップS181;YES)、演出制御用CPU120は、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、大当り中昇格演出決定用の乱数値SR1を、抽出する(ステップS182)。
ステップS182の処理を実行した後には、例えば大当り中昇格演出決定用の乱数値SR1を示す数値データ等に基づき、大当り中昇格演出決定テーブルを参照することにより、大当り中昇格演出の有無を決定する(ステップS183)。
図31は、ROM121に記憶される大当り中昇格演出決定テーブルの構成例を示している。大当り中昇格演出決定テーブルは、大当り中昇格演出決定用の乱数値SR1に基づいて、大当り中昇格演出の有無を決定するために参照されるテーブルである。大当り中昇格演出決定テーブルでは、大当り中昇格演出決定用の乱数値SR1と比較される数値が、大当り中昇格演出なし、大当り中昇格演出ありのいずれかに割り当てられている。
ステップS183にて大当り中昇格演出の有無を決定した後には、「大当り中昇格演出あり」であるか否かを判定する(ステップS184)。そして、「大当り中昇格演出なし」であると判定された場合には(ステップS184;NO)、大当り中昇格演出決定処理を終了する。一方、「大当り中昇格演出あり」であると判定された場合には(ステップS184;YES)、演出制御フラグ設定部191に設けられた大当り中昇格演出フラグをオン状態にセットして(ステップS185)、大当り中昇格演出決定処理を終了する。
図32は、可変表示中ルーレット演出決定処理として、図29のステップS157にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す可変表示中ルーレット演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、可変表示中ルーレット演出決定用の乱数値SR2を、抽出する(ステップS191)。
ステップS191の処理を実行した後には、例えば可変表示中ルーレット演出決定用の乱数値SR2を示す数値データ等に基づき、可変表示中ルーレット演出決定テーブルを参照することにより、可変表示中ルーレット演出の有無を決定する(ステップS192)。
図33は、ROM121に記憶される可変表示中ルーレット演出決定テーブルの構成例を示している。可変表示中ルーレット演出決定テーブルは、可変表示中ルーレット演出決定用の乱数値SR2に基づいて、可変表示中ルーレット演出の有無を決定するために参照されるテーブルである。可変表示中ルーレット演出決定テーブルでは、可変表示中ルーレット演出決定用の乱数値SR2と比較される数値が、可変表示中ルーレット演出なし、可変表示中ルーレット演出ありのいずれかに割り当てられている。
ステップS192にて可変表示中ルーレット演出の有無を決定した後には、「可変表示中ルーレット演出あり」であるか否かを判定する(ステップS193)。そして、「可変表示中ルーレット演出なし」であると判定された場合には(ステップS193;NO)、可変表示中ルーレット演出決定処理を終了する。一方、「可変表示中ルーレット演出あり」であると判定された場合には(ステップS193;YES)、可変表示中ルーレット演出を実行する設定を行って(ステップS194)、可変表示中ルーレット演出決定処理を終了する。
可変表示中ルーレット演出は、画像表示装置5の表示領域における、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rや始動入賞記憶表示エリア5H等とは異なる領域に設けられたルーレット演出表示エリア5Aにて実行される。可変表示中ルーレット演出では、ルーレット演出表示エリア5Aにおける「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に、複数種類の可変表示中ルーレット図柄のうちのいずれかの図柄がそれぞれ表示される。例えば、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に表示され得る可変表示中ルーレット図柄の組み合わせとしては、複数種類の可変表示中ルーレット演出パターンが予め用意されていればよい。そして、これらの可変表示中ルーレット演出パターンのうちのいずれかのパターンが選択され、選択された可変表示中ルーレット演出パターンに対応する組み合わせの可変表示中ルーレット図柄が、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に表示されるようにすればよい。そして、可変表示中ルーレット演出では、このように表示された各ルーレット図柄のうちのいずれかの図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される。例えば、可変表示中ルーレット演出では、最初に、「左」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「中」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「右」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される、といった表示動作が繰り返し実行される。そして、所定時間が経過した後に、このような表示動作が停止し、そのときに明るく表示されていた可変表示中ルーレット図柄が停止図柄となる。そして、可変表示中ルーレット演出では、停止図柄として表示された可変表示中ルーレット図柄に対応して、価値が付与される。
図34(A)は、遊技者によりパスワードが入力されたときの可変表示中ルーレット演出における可変表示中ルーレット図柄種別を示している。この実施の形態では、可変表示中ルーレット演出にて「経験値」が特典として付与される場合に対応して、「100Pt」、「300Pt」又は「500Pt」の経験値が付与されることを示す態様のルーレット図柄が予め用意されている。また、この実施の形態では、可変表示中ルーレット演出にて「コイン」が特典として付与される場合に対応して、「コイン(銅)」、「コイン(銀)」又は「コイン(金)」のコインが付与されることを示す態様のルーレット図柄が予め用意されている。また、この実施の形態では、可変表示中ルーレット演出にて何ら特典が付与されない場合に対応して、「キャラクタAの顔」又は「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄が予め用意されている。そして、これらのルーレット図柄は、可変表示中ルーレット演出にて停止表示されたときに、その可変表示結果が「大当り」となることを、それぞれ異なる期待度にて示唆するものとなる。この実施の形態では、「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」又は「コイン(銀)」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも「大当り」となる期待度が低い。また、この実施の形態では、「コイン(金)」、「キャラクタAの顔」又は「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも「大当り」となる期待度が高い。
図34(B)は、遊技者によりパスワードが入力されていないときの可変表示中ルーレット演出における可変表示中ルーレット図柄種別を示している。パスワードが入力されていない場合、「経験値」や「コイン」等の特典が付与されないことから、この実施の形態では、可変表示中ルーレット演出にて何ら特典が付与されない場合に対応して、「?」、「!?」、「チャンス」、「激アツ(銀)」、「キャラクタAの顔」又は「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄が予め用意されている。そして、これらのルーレット図柄は、可変表示中ルーレット演出にて停止表示されたときに、その可変表示結果が「大当り」となることを、それぞれ異なる期待度にて示唆するものとなる。この実施の形態では、「?」又は「!?」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも「大当り」となる期待度が低い。また、この実施の形態では、「激アツ(銀)」、「キャラクタAの顔」又は「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも「大当り」となる期待度が高く、その中でも「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示されたときの期待度が最も高く、次いで、「キャラクタAの顔」、「激アツ(銀)」の順に期待度が高い。
図35(A)は、遊技者によりパスワードが入力されたときの可変表示中ルーレット演出における可変表示中ルーレット演出パターンを示している。この実施の形態では、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に表示される可変表示中ルーレット図柄の組み合わせと、停止図柄となる可変表示中ルーレット図柄とを示す、複数種類の可変表示中ルーレット演出パターンが予め用意されている。例えば、図35(A)に示す例では、「左」のルーレット図柄表示領域に「100Pt」の態様のルーレット図柄が表示され、「中」のルーレット図柄表示領域に「300Pt」の態様のルーレット図柄が表示され、「右」のルーレット図柄表示領域に「500Pt」の態様のルーレット図柄が表示されて、「100Pt」の態様のルーレット図柄が停止表示される可変表示中ルーレット演出パターン「RPA1−1」が予め用意されている。
図35(B)は、遊技者によりパスワードが入力されていないときの可変表示中ルーレット演出における可変表示中ルーレット演出パターンを示している。この実施の形態では、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に表示される可変表示中ルーレット図柄の組み合わせと、停止図柄となる可変表示中ルーレット図柄とを示す、複数種類の可変表示中ルーレット演出パターンが予め用意されている。例えば、図35(B)に示す例では、「左」のルーレット図柄表示領域に「?」の態様のルーレット図柄が表示され、「中」のルーレット図柄表示領域に「!?」の態様のルーレット図柄が表示され、「右」のルーレット図柄表示領域に「チャンス」の態様のルーレット図柄が表示されて、「?」の態様のルーレット図柄が停止表示される可変表示中ルーレット演出パターン「RPA6−1」が予め用意されている。
図36及び図37は、ROM101に記憶される可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブルとして、図36(A)に示す可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、ハズレ)106Aと、図36(B)に示す可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り)106Bと、図37(A)に示す可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、ハズレ)106Cと、図37(B)に示す可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り)106Dとが、予め用意されている。
可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、ハズレ)106Aは、遊技者によりパスワードが入力され、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定されたときに、可変表示中ルーレット演出パターンを、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、ハズレ)106Aでは、停止図柄が「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」又は「コイン(銀)」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる可変表示中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。また、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、ハズレ)106Aでは、停止図柄が「キャラクタAの顔」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる可変表示中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、ハズレ)106Aでは、停止図柄が「コイン(金)」又は「激アツ(金)」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が割り当てられていない。このように、遊技者によりパスワードが入力され、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定されたときには、可変表示中ルーレット演出にて、「キャラクタAの顔」の態様のルーレット図柄よりも「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」及び「コイン(銀)」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにすると共に、「コイン(金)」及び「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄は停止表示されないようにして、可変表示中ルーレット演出として、経験値やコイン等の特典の付与を報知可能な演出を実行し、「コイン(金)」の付与を報知せずに、高期待度で可変表示結果が大当りとなることを示唆する割合を低くすることができる。
可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り)106Bは、遊技者によりパスワードが入力され、特図表示結果を「大当り」にすると決定されたときに、可変表示中ルーレット演出パターンを、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り)106Bでは、停止図柄が「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」又は「コイン(銀)」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる可変表示中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り)106Bでは、停止図柄が「キャラクタAの顔」、「コイン(金)」又は「激アツ(金)」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる可変表示中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。このように、遊技者によりパスワードが入力され、特図表示結果を「大当り」にすると決定されたときには、可変表示中ルーレット演出にて、「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」及び「コイン(銀)」の態様のルーレット図柄よりも「キャラクタAの顔」、「コイン(金)」及び「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにして、可変表示中ルーレット演出として、経験値やコイン等の特典の付与を報知可能な演出を実行し、「コイン(金)」の付与を報知する場合、「コイン(金)」の付与を報知すると共に、高期待度で可変表示結果が大当りとなることを示唆する割合を高くすることができる。
可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、ハズレ)106Cは、遊技者によりパスワードが入力されておらず、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定されたときに、可変表示中ルーレット演出パターンを、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、ハズレ)106Cでは、停止図柄が「?」又は「!?」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる可変表示中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。また、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、ハズレ)106Cでは、停止図柄が「キャラクタAの顔」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる可変表示中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、ハズレ)106Cでは、停止図柄が「激アツ(銀)」又は「激アツ(金)」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が割り当てられていない。このように、遊技者によりパスワードが入力されておらず、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定されたときには、可変表示中ルーレット演出にて、「キャラクタAの顔」の態様のルーレット図柄よりも「?」」及び「!?」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにすると共に、「激アツ(銀)」及び「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄は停止表示されないようにして、可変表示中ルーレット演出として、高期待度で可変表示結果が大当りとなることを示唆する割合を低くすることができる。
可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り)106Dは、遊技者によりパスワードが入力されておらず、特図表示結果を「大当り」にすると決定されたときに、可変表示中ルーレット演出パターンを、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り)106Dでは、停止図柄が「?」又は「!?」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる可変表示中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り)106Dでは、停止図柄が「キャラクタAの顔」、「激アツ(銀)」又は「激アツ(金)」となる可変表示中ルーレット演出パターンに対して、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる可変表示中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。このように、遊技者によりパスワードが入力されておらず、特図表示結果を「大当り」にすると決定されたときには、可変表示中ルーレット演出にて、「?」及び「!?」の態様のルーレット図柄よりも「キャラクタAの顔」、「激アツ(銀)」及び「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにして、高期待度で可変表示結果が大当りとなることを示唆する割合を高くすることができる。
図38は、可変表示中ルーレット演出実行設定処理として、図32のステップS194にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す可変表示中ルーレット演出実行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、遊技者によりパスワードが入力されているか否かを判定する(ステップS221)。そして、遊技者によりパスワードが入力されていれば(ステップS221;YES)、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS222)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定が成された場合には(ステップS222;YES)、可変表示中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、ハズレ)106Aを選択してセットする(ステップS223)。ステップS222にて特図表示結果が「大当り」となる旨の判定が成された場合には(ステップS222;NO)、可変表示中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り)106Bを選択してセットする(ステップS224)。
ステップS221にて遊技者によりパスワードが入力されていなければ(ステップS221;NO)、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS225)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定が成された場合には(ステップS225;YES)、可変表示中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、ハズレ)106Cを選択してセットする(ステップS226)。ステップS225にて特図表示結果が「大当り」となる旨の判定が成された場合には(ステップS225;NO)、可変表示中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り)106Dを選択してセットする(ステップS227)。
ステップS223、S224、S226、S227の処理のいずれかを実行した後には、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3を、抽出する(ステップS228)。
ステップS228の処理を実行した後には、例えば可変表示中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR3を示す数値データ等に基づき、使用テーブルにセットされた可変表示中ルーレット演出パターン決定テーブルを参照すること等により、可変表示中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定する(S229)。
ステップS229の処理を実行した後、可変表示中ルーレット演出パターンに応じて、可変表示中ルーレット演出を開始させるように、可変表示中ルーレット演出を開始させるための設定を行う(ステップS230)。例えば、ステップS230の処理では、可変表示中ルーレット演出を実行する期間やタイミング等が可変表示中ルーレット演出制御パターンとして設定されればよい。
図39は、図28のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値等に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS461)。一例として、ステップS461の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたとき等に、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS461にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS461;NO)、可変表示中ルーレット演出を実行するための可変表示中ルーレット演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS462)。可変表示中ルーレット演出実行期間は、例えば可変表示中ルーレット演出に対応した可変表示中ルーレット演出制御パターン等により予め定められていればよい。
ステップS462にて可変表示中ルーレット演出実行期間であるときには(ステップS462;YES)、可変表示中ルーレット演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS463)。一例として、ステップS463の処理では、可変表示中ルーレット演出制御パターンあるいは特図変動時演出制御パターン等から読み出した演出制御実行データに応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作等のうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して伝送させればよい。特に、画像表示装置5の画面上に設けられたルーレット演出表示エリア5Aにおける「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に、複数種類の可変表示中ルーレット図柄のうちのいずれかの図柄をそれぞれ表示させて、例えば、最初に、「左」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄を明るく表示させると共に他の図柄を暗く表示させ、次に、「中」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄を明るく表示させると共に他の図柄を暗く表示させ、次に、「右」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄を明るく表示させると共に他の図柄を暗く表示させる、といった表示動作を繰り返し実行し、所定時間が経過した後に、このような表示動作を停止させて、そのときに明るく表示されていた可変表示中ルーレット図柄を停止図柄とする表示動作制御が行われればよい。
ステップS462にて可変表示中ルーレット演出実行期間ではないときや(ステップS462;NO)、ステップS463の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定等に基づいて、その他の演出動作制御を行ってから(ステップS464)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS461にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS461;YES)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS465)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS465;NO)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS465にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS465;YES)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS466)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS467)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS468)、可変表示中演出処理を終了する。
図40は、図28のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。ステップS40に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、図39のステップS467にて設定された当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。そして、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していれば(ステップS551;YES)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS552)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS551にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS551;NO)、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS553)。このとき、当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS553;NO)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS553にて当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS553;YES)、演出制御フラグ設定部191に設けられた大当り中昇格演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS554)。
ステップS554にて大当り中昇格演出フラグがオンであると判定された場合には(ステップS554;YES)、大当り中昇格演出パターンを決定するための使用テーブルを選択してセットする(ステップS555)。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される大当り中昇格演出パターン決定用の乱数値SR4を示す数値データを抽出する(ステップS556)。そして、ステップS556にて抽出した乱数値SR4を示す数値データに基づき、ステップS555にてセットした大当り中昇格演出パターン決定テーブルを参照することにより、大当り中昇格演出実行時に応じて異なる割合で、大当り中昇格演出パターンを複数パターンのいずれかに決定する(ステップS557)。
ステップS554にて大当り中昇格演出フラグがオフであると判定された場合や(ステップS554;NO)、ステップS557の処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS558)、特図当り待ち処理を終了する。
図41は、図28のステップS174にて実行される大当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS641)。このとき、当り終了指定コマンドの受信があれば(ステップS641;YES)、大当り遊技状態に対応して行われる大当り中演出等を終了するための設定を行い(ステップS642)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した“5”に更新してから(ステップS643)、大当り中演出処理を終了する。一例として、ステップS642の処理では、表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送すること等により、大当り中演出となる演出動作を終了させる制御が行われるようにすればよい。
ステップS641にて当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS641;NO)、累積賞球数カウント値を読み出す(ステップS644)。このとき、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1が通常状態から大当り遊技状態に制御され、再び通常状態となるまでの間において、カウントスイッチ23により遊技球が検出されたことに基づいて払い出された賞球の累積数である累積賞球数を表示する累積賞球数カウント演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS645)。一例として、ステップS645の処理では、ステップS644にて読み出した累積賞球数カウント値に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作等のうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して伝送させればよい。特に、画像表示装置5の表示領域における、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rや始動入賞記憶表示エリア5H、ルーレット演出表示エリア5A等とは異なる領域に設けられた累積賞球数カウント演出表示エリア5Bにて、累積賞球数を表示する表示動作制御が行われればよい。
ステップS645の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、オーバー入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS646)。このとき、オーバー入賞フラグがオンであると判定された場合には(ステップS646;YES)、オーバー入賞フラグをクリアして(ステップS647)、大当り中ルーレット演出を実行する設定を行う(ステップS648)。大当り中ルーレット演出では、価値として、遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる複数種類の特典のうちのいずれかの特典を付与する。ここで、遊技者にとって有利な遊技価値とは、例えば、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されることである。大当り中ルーレット演出では、このような遊技価値とは異なる複数種類の特典のうちのいずれかの特典の付与を報知可能な演出を実行し、複数種類の特典のうちの特定の特典の付与を報知する場合、その特定の特典の付与を報知すると共に、遊技者にとって有利な遊技価値が付与されることを示唆する。
ステップS648の処理では、遊技履歴の設定の有無、大当り中昇格演出の有無、保留内で大当りとなるか否か等に応じて、異なる演出制御パターンが選択され、使用パターンに決定される。この実施の形態では、遊技履歴の設定の有無に応じて異なる演出制御パターンを選択することができる。また、遊技履歴の設定がある場合には、履歴内容に応じて異なる演出制御パターンを選択することができるようにしてもよい。
例えば、演出制御用CPU120は、遊技開始時に遊技者によりパスワードが入力された場合、大当り中ルーレット演出において予め定められた図柄が停止表示されたときに、遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる特典としての経験値を付与する。
あるいは、大当り中ルーレット演出において予め定められた図柄が停止表示されたときには、遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる特典としてのコインが付与される。コインは、大当り中ルーレット演出において予め定められた図柄が停止表示されると、加算されて蓄積される。
ステップS646にてオーバー入賞フラグがオフであると判定された場合には(ステップS646;NO)、オーバー入賞が発生したラウンドの次のラウンドであるか否かを判定する(ステップS649)。ステップS649の処理では、例えば、オーバー入賞が発生したときのラウンド数を記憶しておき、主基板11から伝送された大入賞口開放中指定コマンド等から、大当り遊技状態における現在のラウンド数を特定し、記憶していたラウンド数の値と現在のラウンド数の値とを比較することによって、例えば、現在のラウンド数の値が記憶していたラウンド数の値よりも1大きい値であれば、オーバー入賞が発生したラウンドの次のラウンドであると判定するようにすればよい。
ステップS649にてオーバー入賞が発生したラウンドの次のラウンドであると判定された場合には(ステップS649;YES)、最終ラウンドであるか否かを判定する(ステップS650)。ステップS650の処理では、例えば、主基板11から伝送された大入賞口開放中指定コマンド等から、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定すればよい。
ステップS650にて最終ラウンドではないと判定された場合には(ステップS650;NO)、大当り中ルーレット演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS651)。一例として、ステップS651の処理では、大当り中ルーレット演出制御パターン等から読み出した演出制御実行データに応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作等のうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して伝送させればよい。特に、画像表示装置5の画面上に設けられたルーレット演出表示エリア5Aにおける「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に、複数種類の大当り中ルーレット図柄のうちのいずれかの図柄をそれぞれ表示させて、例えば、最初に、「左」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄を明るく表示させると共に他の図柄を暗く表示させ、次に、「中」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄を明るく表示させると共に他の図柄を暗く表示させ、次に、「右」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄を明るく表示させると共に他の図柄を暗く表示させる、といった表示動作を繰り返し実行し、所定時間が経過した後に、このような表示動作を停止させて、そのときに明るく表示されていた大当り中ルーレット図柄を停止図柄とする表示動作制御が行われればよい。
ステップS648、S651の処理を実行した後、ステップS649にてオーバー入賞が発生したラウンドの次のラウンドではないと判定された場合(ステップS649;NO)、又はステップS650にて最終ラウンドであると判定された場合には(ステップS650;YES)、第6ラウンドであるか否かを判定する(ステップS652)。そして、第6ラウンドであると判定されたときには(ステップS652;YES)、大当り中昇格演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS653)。このとき、大当り中昇格演出フラグがオンであると判定された場合には(ステップS653;YES)、大当り中昇格演出フラグをクリアして(ステップS654)、大当り中昇格演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS655)。一例として、ステップS655の処理では、大当り中昇格演出制御パターン等から読み出した演出制御実行データに応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作等のうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して伝送させればよい。特に、画像表示装置5の表示画面にて所定の演出画像の表示を行うこと等により、ラウンド数が“16”となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
ステップS655の処理を実行した後、ステップS652にて第6ラウンドではないと判定された場合(ステップS651;NO)、又はステップS653にて大当り中昇格演出フラグがオフであると判定された場合には(ステップS653;NO)、ラウンド数に応じた大当り中演出の実行設定を行い(ステップS656)、大当り中演出処理を終了する。ステップS656の処理では、例えば、主基板11から伝送された大入賞口開放中指定コマンド等から、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定する。そして、ラウンド数が更新されたときには、更新後のラウンド数に対応する演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、表示制御指令を表示制御部123に供給すること、効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送すること等により、大当り中演出となる演出動作を実行させる。
大当り中ルーレット演出は、ルーレット演出表示エリア5Aにて実行される。大当り中ルーレット演出では、ルーレット演出表示エリア5Aにおける「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に、複数種類の大当り中ルーレット図柄のうちのいずれかの図柄がそれぞれ表示される。例えば、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に表示され得る大当り中ルーレット図柄の組み合わせとしては、複数種類の大当り中ルーレット演出パターンが予め用意されていればよい。そして、これらの大当り中ルーレット演出パターンのうちのいずれかのパターンが選択され、選択された大当り中ルーレット演出パターンに対応する組み合わせの大当り中ルーレット図柄が、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に表示されるようにすればよい。そして、大当り中ルーレット演出では、このように表示された各ルーレット図柄のうちのいずれかの図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される。例えば、大当り中ルーレット演出では、最初に、「左」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「中」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「右」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される、といった表示動作が繰り返し実行される。そして、所定時間が経過した後に、このような表示動作が停止し、そのときに明るく表示されていた大当り中ルーレット図柄が停止図柄となる。そして、大当り中ルーレット演出では、停止図柄として表示された大当り中ルーレット図柄に対応して、価値が付与される。
図42(A)は、遊技者によりパスワードが入力されたときの大当り中ルーレット演出における大当り中ルーレット図柄種別を示している。この実施の形態では、大当り中ルーレット演出にて「経験値」が特典として付与される場合に対応して、「100Pt」、「300Pt」又は「500Pt」の経験値が付与されることを示す態様のルーレット図柄が予め用意されている。また、この実施の形態では、大当り中ルーレット演出にて「コイン」が特典として付与される場合に対応して、「コイン(銅)」、「コイン(銀)」又は「コイン(金)」のコインが付与されることを示す態様のルーレット図柄が予め用意されている。また、この実施の形態では、大当り中ルーレット演出にて何ら特典が付与されない場合に対応して、「キャラクタCの顔」又は「VS(金)」の態様のルーレット図柄が予め用意されている。そして、これらのルーレット図柄は、大当り中ルーレット演出にて停止表示されたときに、保留内で大当りとなることを、それぞれ異なる期待度にて示唆するものとなる。この実施の形態では、「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」又は「コイン(銀)」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも保留内で大当りとなる期待度が低い。また、この実施の形態では、「コイン(金)」、「キャラクタCの顔」又は「VS(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも保留内で大当りとなる期待度が高い。また、この実施の形態では、大当り中ルーレット演出にて何ら特典が付与されない場合に対応して、「キャラクタBの顔」の態様のルーレット図柄が更に用意されており、大当り中ルーレット演出にて停止表示されたときに、大当り中に昇格することを示唆するものとなる。
図42(B)は、遊技者によりパスワードが入力されていないときの大当り中ルーレット演出における大当り中ルーレット図柄種別を示している。パスワードが入力されていない場合、「経験値」や「コイン」等の特典が付与されないことから、この実施の形態では、大当り中ルーレット演出にて何ら特典が付与されない場合に対応して、「?」、「!?」、「チャンス」、「VS(銀)」、「キャラクタCの顔」又は「VS(金)」の態様のルーレット図柄が予め用意されている。そして、これらのルーレット図柄は、大当り中ルーレット演出にて停止表示されたときに、保留内で大当りとなることを、それぞれ異なる期待度にて示唆するものとなる。この実施の形態では、「?」又は「!?」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも保留内で大当りとなる期待度が低い。また、この実施の形態では、「激アツ(銀)」、「キャラクタAの顔」又は「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも保留内で大当りとなる期待度が高い。また、この実施の形態では、大当り中ルーレット演出にて何ら特典が付与されない場合に対応して、「キャラクタBの顔」の態様のルーレット図柄が更に用意されており、大当り中ルーレット演出にて停止表示されたときに、大当り中に昇格することを示唆するものとなる。
図43(A)は、遊技者によりパスワードが入力されたときの大当り中ルーレット演出における大当り中ルーレット演出パターンを示している。この実施の形態では、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に表示される大当り中ルーレット図柄の組み合わせと、停止図柄となる大当り中ルーレット図柄とを示す、複数種類の大当り中ルーレット演出パターンが予め用意されている。例えば、図43(A)に示す例では、「左」のルーレット図柄表示領域に「100Pt」の態様のルーレット図柄が表示され、「中」のルーレット図柄表示領域に「300Pt」の態様のルーレット図柄が表示され、「右」のルーレット図柄表示領域に「500Pt」の態様のルーレット図柄が表示されて、「100Pt」の態様のルーレット図柄が停止表示される大当り中ルーレット演出パターン「RPB1−1」が予め用意されている。
図43(B)は、遊技者によりパスワードが入力されていないときの大当り中ルーレット演出における大当り中ルーレット演出パターンを示している。この実施の形態では、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域に表示される大当り中ルーレット図柄の組み合わせと、停止図柄となる大当り中ルーレット図柄とを示す、複数種類の大当り中ルーレット演出パターンが予め用意されている。例えば、図43(B)に示す例では、「左」のルーレット図柄表示領域に「?」の態様のルーレット図柄が表示され、「中」のルーレット図柄表示領域に「!?」の態様のルーレット図柄が表示され、「右」のルーレット図柄表示領域に「チャンス」の態様のルーレット図柄が表示されて、「?」の態様のルーレット図柄が停止表示される大当り中ルーレット演出パターン「RPB8−1」が予め用意されている。
図44〜図47は、ROM101に記憶される大当り中ルーレット演出パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブルとして、図44(A)に示す大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Aと、図44(B)に示す大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Bと、図45(A)に示す大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Cと、図45(B)に示す大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Dと、図46(A)に示す大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Eと、図46(B)に示す大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Fと、図47(A)に示す大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Gと、図47(B)に示す大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Hとが、予め用意されている。
大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Aは、遊技者によりパスワードが入力され、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることはなく、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がないときに、大当り中ルーレット演出パターンを、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Aでは、停止図柄が「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」又は「コイン(銀)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Aでは、停止図柄が「キャラクタCの顔」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Aでは、停止図柄が「コイン(金)」、「キャラクタBの顔」「VS(金)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が割り当てられていない。このように、遊技者によりパスワードが入力され、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることはなく、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がないときには、大当り中ルーレット演出にて、「キャラクタCの顔」の態様のルーレット図柄よりも「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」及び「コイン(銀)」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにすると共に、「コイン(金)」、「キャラクタBの顔」及び「VS(金)」の態様のルーレット図柄は停止表示されないようにして、大当り中ルーレット演出として、経験値やコイン等の特典の付与を報知可能な演出を実行し、「コイン(金)」の付与を報知せずに、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆する割合を低くすることができる。
大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Bは、遊技者によりパスワードが入力され、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることはなく、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留があるときに、大当り中ルーレット演出パターンを、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Bでは、停止図柄が「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」又は「コイン(銀)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Bでは、停止図柄が「コイン(金)」、「キャラクタCの顔」又は「VS(金)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Bでは、停止図柄が「キャラクタBの顔」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が割り当てられていない。このように、遊技者によりパスワードが入力され、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることはなく、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるときには、大当り中ルーレット演出にて、「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」及び「コイン(銀)」の態様のルーレット図柄よりも「コイン(金)」、「キャラクタCの顔」及び「VS(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにすると共に、「キャラクタBの顔」の態様のルーレット図柄は停止表示されないようにして、大当り中ルーレット演出として、経験値やコイン等の特典の付与を報知可能な演出を実行し、「コイン(金)」の付与を報知する場合、「コイン(金)」の付与を報知すると共に、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆する割合を高くすることができる。
大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Cは、遊技者によりパスワードが入力され、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることになっており、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がないときに、大当り中ルーレット演出パターンを、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Cでは、停止図柄が「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」、「コイン(銀)」又は「キャラクタB」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Cでは、停止図柄が「キャラクタCの顔」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Cでは、停止図柄が「コイン(金)」、「VS(金)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が割り当てられていない。このように、遊技者によりパスワードが入力され、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることになっており、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がないときには、大当り中ルーレット演出にて、「キャラクタCの顔」の態様のルーレット図柄よりも「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」、「コイン(銀)」及び「キャラクタB」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにすると共に、「コイン(金)」及び「VS(金)」の態様のルーレット図柄は停止表示されないようにして、大当り中ルーレット演出として、経験値やコイン等の特典の付与を報知可能な演出を実行し、「コイン(金)」の付与を報知せずに、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆する割合を低くすることができるだけでなく、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることを報知可能とすることができる。
大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Dは、遊技者によりパスワードが入力され、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることになっており、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるときに、大当り中ルーレット演出パターンを、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Dでは、停止図柄が「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」又は「コイン(銀)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Dでは、停止図柄が「コイン(金)」、「キャラクタBの顔」、「キャラクタCの顔」又は「VS(金)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。このように、遊技者によりパスワードが入力され、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることになっており、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるときには、大当り中ルーレット演出にて、「100Pt」、「300Pt」、「コイン(銅)」及び「コイン(銀)」の態様のルーレット図柄よりも「コイン(金)」、「キャラクタBの顔」、「キャラクタCの顔」及び「VS(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにして、大当り中ルーレット演出として、経験値やコイン等の特典の付与を報知可能な演出を実行し、「コイン(金)」の付与を報知する場合、「コイン(金)」の付与を報知すると共に、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆する割合を高くすることができるだけでなく、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることを報知可能とすることができる。
大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Eは、遊技者によりパスワードが入力されておらず、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることはなく、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がないときに、大当り中ルーレット演出パターンを、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Eでは、停止図柄が「?」又は「!?」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Eでは、停止図柄が「キャラクタCの顔」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Eでは、停止図柄が「VS(銀)」、「キャラクタBの顔」「VS(金)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が割り当てられていない。このように、遊技者によりパスワードが入力されておらず、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることはなく、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がないときには、大当り中ルーレット演出にて、「キャラクタCの顔」の態様のルーレット図柄よりも「?」及び「!?」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにすると共に、「VS(銀)」、「キャラクタBの顔」及び「VS(金)」の態様のルーレット図柄は停止表示されないようにして、大当り中ルーレット演出として、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆する割合を低くすることができる。
大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Fは、遊技者によりパスワードが入力されておらず、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることはなく、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるときに、大当り中ルーレット演出パターンを、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Fでは、停止図柄が「?」又は「!?」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Fでは、停止図柄が「VS(銀)」、「キャラクタCの顔」又は「VS(金)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Fでは、停止図柄が「キャラクタBの顔」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が割り当てられていない。このように、遊技者によりパスワードが入力されておらず、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることはなく、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるときには、大当り中ルーレット演出にて、「?」及び「!?」の態様のルーレット図柄よりも「VS(銀)」、「キャラクタCの顔」及び「VS(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにすると共に、「キャラクタBの顔」の態様のルーレット図柄は停止表示されないようにして、大当り中ルーレット演出として、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆する割合を高くすることができる。
大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Gは、遊技者によりパスワードが入力されておらず、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることになっており、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がないときに、大当り中ルーレット演出パターンを、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Gでは、停止図柄が「?」、「!?」又は「キャラクタB」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Gでは、停止図柄が「キャラクタCの顔」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Gでは、停止図柄が「VS(銀)」、「VS(金)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が割り当てられていない。このように、遊技者によりパスワードが入力されておらず、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることになっており、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がないときには、大当り中ルーレット演出にて、「キャラクタCの顔」の態様のルーレット図柄よりも「?」、「!?」及び「キャラクタB」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにすると共に、「VS(銀)」及び「VS(金)」の態様のルーレット図柄は停止表示されないようにして、大当り中ルーレット演出として、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆する割合を低くすることができるだけでなく、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることを報知可能とすることができる。
大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Hは、遊技者によりパスワードが入力されておらず、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることになっており、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるときに、大当り中ルーレット演出パターンを、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Hでは、停止図柄が「?」又は「!?」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも低くなるように割り当てられている。また、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Hでは、停止図柄が「VS(銀)」、「キャラクタBの顔」、「キャラクタCの顔」又は「VS(金)」となる大当り中ルーレット演出パターンに対して、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5と比較される数値が、停止図柄が他の態様のルーレット図柄となる大当り中ルーレット演出パターンに割り当てられる割合よりも高くなるように割り当てられている。このように、遊技者によりパスワードが入力されておらず、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることになっており、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるときには、大当り中ルーレット演出にて、「?」及び「!?」の態様のルーレット図柄よりも「VS(銀)」、「キャラクタBの顔」、「キャラクタCの顔」及び「VS(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示され易くなるようにして、大当り中ルーレット演出として、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆する割合を高くすることができるだけでなく、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることを報知可能とすることができる。
図48は、大当り中ルーレット演出実行設定処理として、図41のステップS648にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図48に示す大当り中ルーレット演出実行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第2特図の可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるか否かを判定する(ステップS331)。例えば、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファ194に記憶されているコマンドのうち、第2始動入賞の発生時における判定結果が「大当り」であることを指定する入賞時判定結果指定コマンドに対応付けられている保留内大当り示唆済みフラグを参照して、保留内大当り示唆済みフラグがオフであれば、第2特図の可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があると判定すればよい。
ステップS331の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、遊技者によりパスワードが入力されているか否かを判定する(ステップS332)。そして、遊技者によりパスワードが入力されていれば(ステップS332;YES)、大当り中昇格演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS333)。このとき、大当り中昇格演出フラグがオフである場合には(ステップS333;NO)、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がなければ、大当り中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Aを選択してセットし、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があれば、大当り中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Bを選択してセットする(ステップS334)。ステップS333にて大当り中昇格演出フラグがオンである場合には(ステップS333;YES)、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がなければ、大当り中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Cを選択してセットし、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があれば、大当り中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Dを選択してセットする(ステップS335)。
ステップS332にて遊技者によりパスワードが入力されていなければ(ステップ332;NO)、大当り中昇格演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS336)。このとき、大当り中昇格演出フラグがオフである場合には(ステップS336;NO)、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がなければ、大当り中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りなし)107Eを選択してセットし、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があれば、大当り中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格なし、未示唆の保留内大当りあり)107Fを選択してセットする(ステップS337)。ステップS336にて大当り中昇格演出フラグがオンである場合には(ステップS336;YES)、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がなければ、大当り中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りなし)107Gを選択してセットし、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があれば、大当り中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り中ルーレット演出パターン決定テーブル(パスワード未入力、大当り中昇格あり、未示唆の保留内大当りあり)107Hを選択してセットする(ステップS338)。
ステップS334、S335、S337、S338の処理のいずれかを実行した後には、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5を、抽出する(ステップS339)。
ステップS339の処理を実行した後には、例えば大当り中ルーレット演出パターン決定用の乱数値SR5を示す数値データ等に基づき、使用テーブルにセットされた大当り中ルーレット演出パターン決定テーブルを参照すること等により、大当り中ルーレット演出パターンを複数種類のいずれかに決定する(S340)。
ステップS340の処理を実行した後、大当り中ルーレット演出パターンに応じて、大当り中ルーレット演出を開始させるように、大当り中ルーレット演出を開始させるための設定を行う(ステップS341)。例えば、ステップS341の処理では、大当り中ルーレット演出を実行する期間やタイミング等が大当り中ルーレット演出制御パターンとして設定されればよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態における各ラウンドにてオーバー入賞が発生する度に、図27に示すステップS506の処理にてオーバー入賞フラグがオン状態にセットされることに応じて、その次のラウンドにて大当り中ルーレット演出が実行される。即ち、この実施の形態では、大当り遊技状態にて可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶が複数ある場合、大当り中ルーレット演出が複数回実行されれば、その度に、大当り遊技状態にて可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆することができる。
図49は、可変表示中に可変表示中ルーレット演出を実行する場合における演出動作の一例を示している。この演出動作例では、図49(A)に示すように、可変表示中にて、ルーレット演出表示エリア5Aにて、可変表示中ルーレット演出における表示動作に応じた動作を行うミニキャラとなる所定の演出画像5Mを表示する演出が実行される。図39に示すステップS466の処理にて飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄が導出表示された後に、保留記憶情報がある場合、次の保留記憶情報に対応する飾り図柄の可変表示へと制御される。このときには、図33に示すような決定割合で、図32に示すステップS192の処理により可変表示中ルーレット演出の有無が決定される。そして、可変表示中ルーレット演出ありと決定された場合、遊技者によるパスワード入力の有無や特図表示結果に応じて、図36〜図37に示すような決定割合で、図38に示すステップS229の処理により可変表示中ルーレット演出パターンが決定されると共に、ステップS230の処理により可変表示中ルーレット演出内容が設定される。
その後、飾り図柄の可変表示が開始されて、可変表示中ルーレット演出を実行するための可変表示中ルーレット演出実行期間となったことに対応して、図39に示すステップS463の処理による演出制御が開始されることで、可変表示中ルーレット演出の実行が開始される。これにより、図49(B)に示すような、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域50L、50C、50Rを含むルーレット画像50がルーレット演出表示エリア5Aに表示された後、図49(C)に示すように、このように表示された各ルーレット図柄のうちのいずれかの図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される。例えば、可変表示中ルーレット演出では、最初に、「左」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「中」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「右」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される、といった表示動作が繰り返し実行される。
一例として、図38に示すステップS229の処理にて可変表示中ルーレット演出パターンとして、可変表示中ルーレット演出パターンRPA2−3が決定された場合には、図49(B)に示す演出画像にて、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域50L、50C、50Rに、「コイン(銅)」、「コイン(銀)」、「コイン(金)」の態様のルーレット図柄がそれぞれ表示される。その後、図49(C)に示す演出画像の表示に続き、演出画像にて、例えば、最初に、「左」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄「コイン(銅)」が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「中」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄「コイン(銀)」が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「右」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄「コイン(金)」が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される、といった表示動作が繰り返し実行される。そして、所定時間が経過した後に、図50(B)に示すように、このような表示動作が停止し、最後に可変表示中ルーレット図柄「コイン(金)」が明るく表示されて停止図柄となる。これにより、停止図柄として表示された可変表示中ルーレット図柄「コイン(金)」に対応して、遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる特典としてのコインが付与される。また、可変表示中ルーレット図柄「コイン(金)」が停止図柄として表示されて、特定の特典としての「コイン(金)」の付与を報知した場合には、それを以て、高期待度で可変表示結果が大当りとなることが示唆される。このときには、例えば「コイン(銅)」や「コイン(銀)」といった態様の図柄が停止図柄となる場合よりも可変表示結果が大当りとなる割合が高く、図50(C)に示すように可変表示結果が大当りとなり易い。
図51は、大当り中に大当り中ルーレット演出を実行する場合における演出動作の一例を示している。この演出動作例では、図51(A)に示すように、大当り遊技状態にて、ルーレット演出表示エリア5Aにて、大当り中ルーレット演出における表示動作に応じた動作を行うミニキャラとなる所定の演出画像5Mを表示する演出が実行される。大当り遊技状態における各ラウンドでは、入賞個数カウント値が入賞上限判定値に達したときに、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる。このとき、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すべく大入賞口扉がソレノイド82により駆動されているときに、遊技球が更に大入賞口を通過することがある。そして、その遊技球がカウントスイッチ23にて検出されたことに対応して、図27に示すステップS506の処理では、オーバー入賞が発生したことを示すオーバー入賞フラグがオン状態にセットされる。このようにオーバー入賞フラグがオン状態にセットされたときには、遊技者によるパスワード入力の有無や残りのラウンドにおける大当り中昇格の有無、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるか否かに応じて、図44〜図47に示すような決定割合で、図48に示すステップS340の処理により大当り中ルーレット演出パターンが決定されると共に、ステップS341の処理により大当り中ルーレット演出内容が設定される。
その後、次のラウンドが開始されたことに対応して、図41に示すステップS651の処理による演出制御が開始されることで、大当り中ルーレット演出の実行が開始される。これにより、図51(B)に示すような、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域50L、50C、50Rを含むルーレット画像50がルーレット演出表示エリア5Aに表示された後、図51(C)に示すように、このように表示された各ルーレット図柄のうちのいずれかの図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される。例えば、大当り中ルーレット演出では、最初に、「左」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「中」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「右」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される、といった表示動作が繰り返し実行される。
一例として、図48に示すステップS340の処理にて大当り中ルーレット演出パターンとして、大当り中ルーレット演出パターンRPB2−3が決定された場合には、図51(B)に示す演出画像にて、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域50L、50C、50Rに、「コイン(銅)」、「コイン(銀)」、「コイン(金)」の態様のルーレット図柄がそれぞれ表示される。その後、図51(C)に示す演出画像の表示に続き、演出画像にて、例えば、最初に、「左」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄「コイン(銅)」が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「中」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄「コイン(銀)」が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「右」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄「コイン(金)」が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される、といった表示動作が繰り返し実行される。そして、所定時間が経過した後に、図52(A)に示すように、このような表示動作が停止し、最後に大当り中ルーレット図柄「コイン(金)」が明るく表示されて停止図柄となる。これにより、停止図柄として表示された大当り中ルーレット図柄「コイン(金)」に対応して、遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる特典としてのコインが付与される。また、大当り中ルーレット図柄「コイン(金)」が停止図柄として表示されて、特定の特典としての「コイン(金)」の付与を報知した場合には、それを以て、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることが示唆される。このときには、例えば「コイン(銅)」や「コイン(銀)」といった態様の図柄が停止図柄となる場合よりも可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がある割合が高く、図52(B)に示すように大当り遊技状態が終了した後に、図52(C)に示すようにそのときに保留記憶されていた特図ゲームにて可変表示結果が「大当り」となり易い。また、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆する図柄を停止図柄として表示する場合には、図52(A)に示すように、例えば、ミニキャラが呼びかける「保留で何かが起こるかも・・・」のようなセリフを表示する等して、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる保留記憶があることを示唆する演出を共に実行するようにしてもよい。
また、一例として、図48に示すステップS340の処理にて大当り中ルーレット演出パターンとして、大当り中ルーレット演出パターンRPB4−2が決定された場合には、図51(B)に示す演出画像にて、「左」、「中」、「右」の各ルーレット図柄表示領域50L、50C、50Rに、「300Pt」、「キャラクタBの顔」、「キャラクタCの顔」の態様のルーレット図柄がそれぞれ表示される。その後、図51(C)に示す演出画像の表示に続き、演出画像にて、例えば、最初に、「左」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄「300Pt」が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「中」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄「キャラクタBの顔」が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示され、次に、「右」のルーレット図柄表示領域に表示された図柄「キャラクタCの顔」が明るく表示されると共に他の図柄が暗く表示される、といった表示動作が繰り返し実行される。そして、所定時間が経過した後に、図53(A)に示すように、このような表示動作が停止し、最後に大当り中ルーレット図柄「キャラクタBの顔」が明るく表示されて停止図柄となり、それを以て、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることが示唆される。その後、図41に示すステップS655の処理による演出制御が開始されることで、大当り中昇格演出が開始される。これにより、図53(B)に示すように、画像表示装置5の表示画面にて所定の演出画像の表示を行うこと等により、ラウンド数が“16”となることが、遊技者が認識できるように報知される。その後、図53(C)に示すように、ラウンド遊技が継続される。また、大当り中昇格演出を実行した場合、その後に再度大当り中昇格演出を実行することがないため、図48に示す処理にて大当り中ルーレット演出パターン決定テーブルを選択するにあたり、大当り中昇格演出フラグがオンであるか否かを判定する処理を省略してもよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で示した一部の構成を備えたものであってもよい。
一例として、オーバー入賞が発生したラウンドの次のラウンドが最終ラウンドである場合に、大当り中ルーレット演出を実行しないものに限定されない。例えば、オーバー入賞が発生したラウンドの次のラウンドが最終ラウンドである場合には、エンディング演出にて大当り中ルーレット演出と同様のルーレット演出を実行するようにしてもよい。これにより、最終ラウンドのオーバー入賞に対しても注目させることができる。
また、大当り中ルーレット演出が実行され得るラウンドは、最終ラウンド以外の全てのラウンドを対象とするものに限定されない。例えば、大当り中ルーレット演出が実行され得るラウンドは、例えば、10ラウンドから14ラウンドのときのみ等、特定のラウンドのみを対象としてもよい。
また、大当り遊技状態にて可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶が複数ある場合、大当り中ルーレット演出が複数回実行されれば、その度に、大当り遊技状態にて可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆するものに限定されない。例えば、特定のルーレット図柄が停止図柄となったときに、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶が複数あることを示唆するようにしてもよい。これにより、いずれのルーレット図柄が停止するかに注目させることができる。
また、本発明の遊技機は、所定期間、あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とする特別可変入賞球装置7を備えるものに限定されるものではなく、これに代えて、あるいはこれに加えて、開閉部材が所定回数開閉されるまでの期間、あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて開閉部材の開閉動作を繰り返すことにより第2大入賞口を開放状態とする第2特別可変入賞球装置を備えるパチンコ遊技機であってもよい。このようなパチンコ遊技機では、始動条件が成立した後に開始条件が成立したことに基づいて、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定や、「小当り」とするか否かの判定を行うようにし、特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定が成された場合には、第2特別可変入賞球装置の開閉部材を所定期間開閉する。そして、第2特別可変入賞球装置内に進入した遊技球が特定領域を通過した場合や、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定が成された場合には、第1大入賞口、あるいは第2大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態に制御すればよい。例えば、第1特別可変入賞球装置と第2特別可変入賞球装置との双方を備えるパチンコ遊技機においては、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定が成された場合に、第1大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に、特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定が成された後、V入賞した場合に、第2大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御されるようにすればよい。あるいは、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定が成された場合、及び特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定が成された後、V入賞した場合のいずれの場合にも、第1大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態に制御されればよい。更に、第2特別可変入賞球装置のみを備えるパチンコ遊技機においては、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とする旨の決定が成された場合、及び特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定が成された後、V入賞した場合のいずれの場合にも、第2大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態に制御されればよい。こうしたパチンコ遊技機に本発明を適用するにあたっては、特別図柄の可変表示結果を「小当り」とする旨の決定が成されてから、第2特別可変入賞球装置内に進入した遊技球が特定領域を通過してV入賞するまでの期間には、大当り中ルーレット演出を実行しないようにしてもよい。これにより、V入賞するかに注目させることができる。
また、可変表示中ルーレット演出の有無は、可変表示中ルーレット演出決定用の乱数値SR2のみに基づいて決定されるものに限定されない。例えば、可変表示中ルーレット演出の有無は、特図表示結果や変動パターンに更に基づいて決定されるようにしてもよい。これにより、可変表示中ルーレット演出が実行されることにより、「大当り」となるか否かや、スーパーリーチとなるか否かに注目させることができる。
また、大当り中ルーレット演出と大当り中昇格演出とは、いずれも同じタイミングで実行され得るものに限定されない。例えば、大当り中ルーレット演出と大当り中昇格演出との実行タイミングが重なった場合には、いずれか一方の演出を行わないようにしてもよい。これにより、実行される演出に注目させることができる。また、例えば、大当り中ルーレット演出と大当り中昇格演出との実行タイミングが重なった場合には、遊技者にとって有利なことを示唆する演出を優先して実行するようにしてもよい。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
また、可変表示中ルーレット演出における演出態様は、画像表示装置5に表示される演出画像の表示態様を異ならせることにより複数態様のいずれかとするものに限定されない。例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作の他に、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作、あるいはこれらの一部又は全部を組み合わせた任意の演出態様を、可変表示中ルーレット演出パターンの決定結果や可変表示中ルーレット演出の報知内容の設定に応じて異ならせるようにしてもよい。
図38に示すステップS229の処理では、図36〜図37に示すような決定割合で可変表示中ルーレット演出パターンRPA1−1〜RPA10−3のいずれかに決定されるものに限定されず、予め設定した様々な条件が成立したか否かに応じて異なる割合で、複数の演出態様のいずれかに決定することができればよい。
可変表示中ルーレット演出の演出態様を決定する割合に関する他の一例として、可変表示結果が「大当り」に決定される場合に、その大当り種別に応じて異なる割合で、可変表示中ルーレット演出パターンの決定が行われるようにしてもよい。即ち、可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が「第1大当り」となって6R大当り状態となるか、あるいは大当り種別が「第2大当り」となって16R大当り状態となるかに応じて異なる割合で、可変表示中ルーレット演出パターンが複数パターンのいずれかに決定されてもよい。
また、大当り中ルーレット演出における演出態様は、画像表示装置5に表示される演出画像の表示態様を異ならせることにより複数態様のいずれかとするものに限定されない。例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作の他に、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作、あるいはこれらの一部又は全部を組み合わせた任意の演出態様を、大当り中ルーレット演出パターンの決定結果や大当り中ルーレット演出の報知内容の設定に応じて異ならせるようにしてもよい。
図48に示すステップS340の処理では、図44〜図47に示すような決定割合で大当り中ルーレット演出パターンRPB1−1〜RPB14−3のいずれかに決定されるものに限定されず、予め設定した様々な条件が成立したか否かに応じて異なる割合で、複数の演出態様のいずれかに決定することができればよい。
大当り中ルーレット演出の演出態様を決定する割合に関する他の一例として、可変表示結果が「大当り」に決定される保留データが記憶されている場合に、その大当り種別に応じて異なる割合で、大当り中ルーレット演出パターンの決定が行われるようにしてもよい。即ち、保留記憶されている特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が「第1大当り」となって6R大当り状態となるか、あるいは大当り種別が「第2大当り」となって16R大当り状態となるかに応じて異なる割合で、大当り中ルーレット演出パターンが複数パターンのいずれかに決定されてもよい。
この場合、遊戯制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図16に示すステップS212の処理により特図表示結果決定用の乱数値MR1が含まれる数値範囲を判定した後、その乱数値MR1により可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定する。
可変表示結果が「大当り」に決定されると判定した場合には、図16に示すステップS209の処理により抽出した数値データに示される大当り種別決定用の乱数値MR2が、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定する。このときには、例えば図8に示す大当り種別決定テーブル131を使用テーブルにセットして、始動口バッファ値が「1」と「2」のいずれであるかに応じて、大当り種別に応じた複数の数値範囲のいずれに乱数値MR2が含まれるかを判定すればよい。こうした判定結果に基づいて、始動入賞時に可変表示結果が「大当り」に決定されると判定した場合には、乱数値MR2に基づいて決定される大当り種別を、入賞時判定結果指定コマンドにより特定可能に指定する。
入賞時判定結果指定コマンドでは、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果や、「大当り」に決定される場合の大当り種別に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド9500Hは、第1判定結果として、大当り種別が「第1大当り」に決定されることを指定する。また、コマンド9501Hは、第2判定結果として、大当り種別が「第2大当り」に決定されることを指定する。コマンド9502Hは、第3判定結果として、可変表示結果が「大当り」に決定されない大当り判定なしを指定する。
可変表示中ルーレット演出として、可変表示結果が大当りとなることを報知可能な演出内容は、所定のルーレット図柄が停止図柄として表示されることの他にも様々なものを設けてもよい。一例として可変表示結果が大当りとなるに対応する可変表示中ルーレット演出の演出パターンとして、互いに演出態様の少なくとも一部が異なる複数の演出パターンを設け、所定割合で複数の演出パターンのいずれかに決定されてもよい。可変表示中中ルーレット演出における演出態様として、例えばミニキャラを示す演出画像の一部又は全部における表示色、背景画像、停止図柄を示す文字メッセージの表示色や大きさ、スピーカ8L、8Rから出力される効果音、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体の点灯態様、演出用模型の動作態様、これらの一部又は全部の組み合わせ等を、複数の演出パターンに応じて異ならせることができればよい。
大当り中ルーレット演出として、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がある可能性や、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることを報知可能な演出内容は、所定のルーレット図柄が停止図柄として表示されることの他にも様々なものを設けてもよい。一例として、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がある可能性や、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることに対応する大当り中ルーレット演出の演出パターンとして、互いに演出態様の少なくとも一部が異なる複数の演出パターンを設け、所定割合で複数の演出パターンのいずれかに決定されてもよい。大当り中ルーレット演出における演出態様として、例えばミニキャラを示す演出画像の一部又は全部における表示色、背景画像、停止図柄を示す文字メッセージの表示色や大きさ、スピーカ8L、8Rから出力される効果音、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体の点灯態様、演出用模型の動作態様、これらの一部又は全部の組み合わせ等を、複数の演出パターンに応じて異ならせることができればよい。
また、可変表示中ルーレット演出は、可変表示結果が大当りとなる可能性を報知するものに限定されず、可変表示結果が大当りとなることを確定的に報知するものであってもよい。
また、大当り中ルーレット演出は、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶がある可能性を報知するものに限定されず、可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを確定的に報知するものであってもよい。
また、大当り中ルーレット演出は、大当り遊技状態における残りのラウンドで大当り中昇格が行われることを確定的に報知するものに限定されず、その可能性を報知するものであってもよい。
また、大当り中ルーレット演出における演出態様に限定されず、パチンコ遊技機1にて実行される任意の演出における演出態様を、有利遊技が実行されるか否かや所定の遊技価値が付与されるか否かに応じて異なる割合で、複数の演出パターンのいずれかに対応する演出態様に決定してもよい。例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や効果音出力、発光体の点灯、演出用模型の動作、あるいはこれらの一部又は全部の組み合わせ等のように、所定の演出装置を用いた任意の演出動作により、有利遊技が実行されるか否かや所定の遊技価値が付与されるか否かを、遊技者が認識可能に報知すればよい。バトルの勝敗等の対戦結果を報知するものではなく、例えば物語等の所定のストーリーを展開させていくような演出を実行し、ストーリーの結末に応じて、有利遊技が実行されるか否かや所定の遊技価値が付与されるか否かを、遊技者が認識可能に報知してもよい。あるいは、例えば有利遊技が実行されるための達成条件を提示した後、その達成条件が成立するか否かの経過を示す演出を行い、達成条件が成立する「成功」となって有利遊技が実行されるか、達成条件が成立しない「失敗」となって有利遊技が実行されずに所定遊技が実行されるかを、遊技者が認識可能に報知してもよい。あるいは、例えば飾り図柄が大当り組み合わせで揃って停止表示される場合と、ハズレ組み合わせで停止表示される場合のように、可変表示結果が「大当り」となって有利遊技が実行されるか否かを、遊技者が認識可能に報知する演出態様であってもよい。
また、上記実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームより優先して実行される場合について説明した。これに対して、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。
この場合には、特図保留記憶部では、乱数値MR1〜MR3を示す数値データに加え、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかを示す始動口データを、保留番号と対応付けて記憶する。一例として、第1始動入賞口への入賞に対応して「1」を示す始動口データ、あるいは第2始動入賞口への入賞に対応して「2」を示す始動口データが、各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶されればよい。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報と、第2始動入賞口を遊技球が通過したことによる第2始動条件の成立に基づく保留情報とを、別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて格納するようにしてもよい。この場合には、始動口データを各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する始動口データ記憶部を設けて、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
また、この場合には、始動入賞時コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値に対応した格納領域が設けられる。演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番で、保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドを始動入賞時コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。また、飾り図柄の可変表示を開始する毎に、1つ目の格納領域に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。
また、上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
また、オーバー入賞が発生したか否かを判定するためのオーバー入賞判定値は、主基板11がステップS126の処理にて用いる入賞上限判定値よりも大きい値であればよく、この入賞上限判定値は、1ラウンドあたりの上限値に限定されない。例えば、入賞上限判定値が複数ラウンドあたりの上限値として設定されている場合には、オーバー入賞判定値も複数ラウンドあたりの入賞上限判定値よりも大きい値とし、入賞上限判値が全ラウンドあたりの上限値として設定されている場合には、オーバー入賞判定値も全ラウンドあたりの入賞上限判定値よりも大きい値とすればよい。これにより、複数ラウンドや全ラウンドを1つの期間として、その期間においてオーバー入賞は発生したか否かを判定することができる。
また、保留内で大当りとなるか否かを判定するタイミングは、大当り中ルーレット演出を実行する設定を行うときに限定されない。保留内で大当りとなるか否かを判定するタイミングは、予め実行されていてもよいし、オーバー入賞が発生したときに実行されてもよい。これにより、保留内で大当りとなるか否かの判定結果を、大当り中ルーレット演出以外の演出でも参照することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1等に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間、及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータは、1つめのコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つめのコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つめのコマンドを送信した後、所定期間が経過してから2つめのコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけに限らず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるものも含む概念である。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことに基づいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことに基づいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
以上説明したように、本願発明に係る遊技機は、可変表示の表示結果として特定表示結果(例えば、「大当り」等)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)において、未だ開始されていない可変表示を保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151B等)と、前記保留記憶手段が記憶する保留記憶に基づいて前記特定遊技状態に制御されるか否かを判定する判定手段(例えば、図48に示すステップS331の処理にて、第2特図の可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があるか否かを判定する演出制御用CPU120等)と、遊技媒体が入賞容易な第1状態(例えば、開放状態等)と、遊技媒体が入賞困難な第2状態(例えば、閉鎖状態等)とに変化可能な可変入賞手段(例えば、特別可変入賞球装置7等)と、前記特定遊技状態において、前記可変入賞手段を所定期間が経過すること(例えば、大入賞口開放上限時間が経過すること)、又は遊技媒体が上限入賞数入賞すること(例えば、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値に達すること)の少なくともいずれか一方が成立するまで前記第1状態に変化させることが可能な可変入賞制御手段(例えば、図21に示すステップS139の処理にて開放制御パターンと大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値に対応して、大入賞口を開放するための設定を行ってから、図23に示すステップS121の処理にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や、図23に示すステップS126の処理にて入賞上限判定値に達したと判定された場合に、図23に示すステップS127処理にて今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口を閉鎖状態に戻すための開放終了制御するまで、大入賞口を開放状態とするCPU103等)とを備え、前記特定遊技状態において、前記上限入賞数よりも多い特定数、遊技媒体が入賞したことに基づいて(図27に示すステップS505の処理にてオーバー入賞判定値に達したと判定されたとき等)、前記判定手段の判定結果に基づく報知を実行可能である(例えば、演出制御用CPU120が、図41に示すステップS646の処理にてオーバー入賞フラグがオンであると判定したことに基づいて、図41に示すステップS651の処理にて大当り中ルーレット演出を実行するための演出動作制御を行うこと等)。
これにより、上限入賞数よりも多い遊技媒体の入賞に対して注目させることができる。
特定演出(例えば、大当り中ルーレット演出等)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図41に示すステップS651の処理にて大当り中ルーレット演出を実行するための演出動作制御を行う演出制御用CPU120等)と、価値(例えば、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されること等の遊技者にとって有利な遊技価値や、経験値やコイン等の遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる複数種類の特典等)を付与する価値付与手段(パチンコ遊技機1を大当り遊技状態に制御するCPU103や、経験値やコイン等の遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる複数種類の特典を付与する演出制御用CPU120等)とを備えてもよい。
これにより、演出効果を向上させることができる。
特定演出(例えば、大当り中ルーレット演出等)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図41に示すステップS651の処理にて大当り中ルーレット演出を実行するための演出動作制御を行う演出制御用CPU120等)を備え、前記特定演出実行手段は、前記上限入賞数よりも多い遊技媒体が入賞したときに、前記判定手段の判定結果に基づいて次に前記可変入賞手段が前記第1状態に制御されたとき(図41に示すステップS649の処理にてオーバー入賞が発生したラウンドの次のラウンドであると判定されたとき等)に特定演出を実行し、当該特定演出の複数種類の演出結果の一つとして、前記報知を行ってもよい(例えば、遊技者によりパスワードが入力されたときの大当り中ルーレット演出にて「コイン(金)」、「キャラクタCの顔」又は「VS(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合に、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも保留内で大当りとなる期待度が高いことが示唆されることや、遊技者によりパスワードが入力されていないときの大当り中ルーレット演出にて「激アツ(銀)」、「キャラクタAの顔」又は「激アツ(金)」の態様のルーレット図柄が停止表示された場合に、他の態様のルーレット図柄が停止表示される場合よりも保留内で大当りとなる期待度が高いことが示唆されること等)。
これにより、特定演出の興趣を向上させることができる。
前記特定遊技状態において前記上限入賞数よりも多い遊技媒体が入賞したときに、前記判定手段によって前記特定遊技状態に制御されると判定された保留記憶が複数あることに基づいて複数回の報知を実行可能としてもよい(例えば、大当り遊技状態における各ラウンドにてオーバー入賞が発生する度に、図27に示すステップS506の処理にてオーバー入賞フラグがオン状態にセットされることに応じて、その次のラウンドにて大当り中ルーレット演出が実行されることから、大当り遊技状態にて可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶が複数ある場合、大当り中ルーレット演出が複数回実行されれば、その度に、大当り遊技状態にて可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆することができること等)。
これにより、特定遊技状態中の興趣を向上させることができる。
特定演出(例えば、大当り中ルーレット演出等)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図41に示すステップS651の処理にて大当り中ルーレット演出を実行するための演出動作制御を行う演出制御用CPU120等)と、価値(例えば、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されること等の遊技者にとって有利な遊技価値や、経験値やコイン等の遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる複数種類の特典等)を付与する価値付与手段(パチンコ遊技機1を大当り遊技状態に制御するCPU103や、経験値やコイン等の遊技者にとって有利な遊技価値とは異なる複数種類の特典を付与する演出制御用CPU120等)とを備え、前記価値付与手段は、遊技者にとって有利な遊技価値(例えば、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されること等)とは異なる複数種類の特典(例えば、経験値やコイン等)のうちのいずれかの特典を付与し、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記遊技価値とは異なる複数種類の特典のうちのいずれかの特典の付与を報知可能な演出(例えば、大当り中ルーレット演出等)を実行し、前記複数種類の特典のうちの特定の特典(例えば、「コイン(金)」等)の付与を報知する場合、該特定の特典の付与を報知すると共に前記遊技価値が付与されることを示唆(例えば、高期待度で可変表示結果が「大当り」となる未示唆の保留記憶があることを示唆すること等)してもよい。
これにより、いずれの種類の特典が付与されるかに注目させられ特定演出の興趣を向上させることができる。