JP6550184B1 - 労働安全衛生のマネジメントシステム及びマネジメント方法 - Google Patents

労働安全衛生のマネジメントシステム及びマネジメント方法 Download PDF

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Abstract

【課題】管理部門と直結してチェックリストの結果が反映され得る状態にし、チェックリストによる回答を蓄積したデータを情報分析してその後の対策にフィードバックし得る工場管理システム及びその管理方法を提供する。【解決手段】サーバー1及びサーバー1と接続される端末4を含んでいる。サーバー1は、種々のチェックリストを含むチェックリスト格納部と、従業員のIDとその属性との関係から必要なチェックリストを特定する属性テーブル32と、属性テーブル32によって選択されたチェックリストを特定のIDの従業員に送信する送信部33と、送信部から送信されたチェックリストの回答を記憶する記憶部34と、記憶部34に記憶された1又は複数個のチェックリストの回答を分析する情報分析部35と、情報分析部35によって分析された結果を送る分析結果提供部36とを含んでいる。【選択図】図1

Description

本発明は、工場(事務所を含む広義の意味)で働く従業員労働安全の推進及び製造品の品質管理に役立つ労働安全衛生マネジメントシステム及びそのマネジメント方法に関する。
従来、例えば食品を取り扱う企業では、従業員の衛生規則というものが定められており、作業着と帽子は施設の外では着用してはいけない、とか、腕時計、宝飾品は身につけてはいけない、とか、匂いの強い香水、アフターシェーブローションをつけてはいけない、などの規則があり、ペーパで、それらの規則が守られているか否かのチェックが行われている。
また、労働衛生管理においては、労働災害の発生件数が、関係者の熱心な取り組みによって、年々減少の傾向にあるものの、まだ全国で約50万人の被災者がいる。特に、50人未満の小規模事業場では、大規模事業場に比べてその発生割合が高くなっている。一方、小規模事業場では、人材、費用などでその対策も十分ではない。2018年にISO45001が発行され、国内では第13次労働災害防止計画の発足とJIS Q 45100の発行がなされ、労働安全衛生へのトップマネジメントの促進が顕著になっている。これらは、各現場で労災事故の発生件数が減らないことへの対策であるが、特に工場の安全巡視活動では、現状は特定の担当者がペーパのチェックリストに記録し、場合によって注意喚起がなされている程度である。
一方、コンピュータによる管理手法として、従業員の行動データを行動履歴情報として記憶しておき、従業員ごとの行動特性が適正範囲外であれば、健康状態が異常であるとして、健康状態を早期に発見する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2011−123579号公報
前述のようにペーパによるチェック項目のチェックを行っても、そのデータが正しく次の作業に反映されない場合が多い。例えば前述の食品を取り扱う企業で、施設の外で作業着や帽子を着用しない、という規則があっても、そのチェックシートでチェックする前に作業着や帽子を着用して施設外に出た場合に、その後施設外に出なければ良い、という甘い判断をしやすい。たとえ正直に申告したとしても、そういう習慣のある人は毎回繰り返しやすいという傾向があるが、ペーパのチェックシートを回収しても、該当者へのフィードバックが難しく、習慣は中々治り難いため、同じミスを繰り返しやすいという問題がある。
この問題は、食品を取り扱う企業の規則遵守に限らず、労働安全衛生面においても、ペーパによるチェックリストによるチェックでは、必ずしもタイムリーにチェックが行われないで、最後に纏めてチェックする場合が多くなり、何よりもその時点での作業者へのフィードバックを行い難いという問題がある。さらに、前述の従業員の健康状態をチェックする方法では、個人の脈拍、体温、笑顔の回数、離席の状況などを検出しているが、個人の体調など個人情報を監視するもので、職場などの客観的状況を把握するには適していない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、管理部門と直結してチェックリストの結果が反映され得る状態にし、チェックリストによる回答がなされていない場合には、その督促を行え、また、蓄積したデータを情報分析してその後の対策にフィードバックし得る労働安全衛生マネジメントシステム及びそのマネジメント方法を提供することを目的とする。
本発明の労働安全衛生マネジメントシステムの一実施形態は、労働安全衛生に関するチェックリストを含むチェックリスト格納部と、従業員のIDとその属性との関係を一覧にした属性テーブルと、従業員に労働安全衛生に関するチェックリストを送信するチェックリスト送信部と、前記チェックリスト送信部から送信されたチェックリストの回答及び/又は従業員からの情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたチェックリストの前記回答及び/又は従業員からの情報を分析整理する情報分析部と、前記情報分析部によって分析された分析結果を前記回答及び/又は情報を提供した従業員以外の従業員に送る分析結果の提供部とを含むサーバー、及び前記サーバーと接続され、従業員の各々が前記チェックリストの閲覧回答及び情報提供をし得る端末を含んでいる。
前記記憶部は、従業員からの情報を記憶する従業員の行動ログ情報部、ヒヤリハット情報部、労災事故情報部、及び改善情報部をそれぞれ分離して有し、前記記憶部のいずれかの情報部に記憶された情報の分析結果を前記提供部が送信することによって、従業員の労働安全衛生管理を行うことができる。すなわち、毎日のチェックの結果を、1週間とか、1か月の長期間で集計することによって、その従業員の普段の修正が現れる。その結果、労働安全に危険な習慣がある場合には、個別的な修正を行いやすく、未然に災害の防止に役立てることができる。また、この集計の結果はその従業員の周囲の従業員の評価もチェックリストに含めることによって、本人は整理できていると思っていても、第三者から見ると整理できていないことが判明し、その改善に役立てることもできる。
前記チェックリストが、危険防止の措置に関する項目、健康管理の措置に関する項目、及び労働安全衛生管理体制の整備に関する項目を含むことによって、従業員の労働安全衛生を図ることができる。すなわち、これらの項目に関しては、個人差があり、人によって危険と感じたり、危険ではないと感じたりすることがある。ペーパだけでは、チェックシートに危険というチェックをしても、そう感じる人が少ないと見逃されやすいが、データの集計結果が他の従業員にも知らされると、同意する人も出てきて、見落としやすい危険源を特定して改善しやすい。
前記チェックリストが、作業環境の安全性に関する項目、作業環境の人体への影響に関する項目、及びヒヤリハット又は危険予知に関する項目を含むことによって、作業環境による従業員の危険性の管理を行うことができる。すなわち、これらの場合も、人による感覚の差があるが、ある人が環境の不安を提起すると、その集計結果を見た他の従業員も同感することがあり、環境の改善につなげやすい。特にヒヤリハットの情報を他の従業員が知ることによって、そのような危険な状態にならないように、注意をすることができる。
従業員からの情報が、従業員が気付いた情報、従業員のヒヤリハットの経験に関する情報、及び環境で危険と思われる状態を見つけたという情報の少なくとも1つの項目を含むことが好ましい。製品の品質を従業員ごとに管理し得るので好ましい。すなわち、作業前にチェックリストにチェックさせることによって、作業手順や作業項目を間違えることなく、正確な作業を行いやすい。また、作業前の全工程の仕上がりに関するチェックを行うことによって、自分の作業だけでなく、前工程の作業、例えばハンダ付けが確実に行われているか、または接合が問題ないかを確認することによって、容易に品質の向上を図ることができる。また、後日製品の不具合が発生した場合に、どの工程で、どの期間で、どの作業者によってなされた製品に問題があるかが追跡しやすくなる。
前記情報分析部が、個人又はグループごとに集計する手段、従業員からの回答が入力された時点で分析する手段、及びある期間ごとに回答を集計する手段を含むことが、前述の各項目の対策を行うのに都合がよい。なお、即時応答の手段とは、例えばある作業者がチェックリストの回答をしない場合に、自動的にチェックリストの回答を要求する手段を意味する。
前記情報分析部が、労災事故が発生した場合に、前記記憶部に記憶されたチェックリストの回答のデータと、該当従業員の属性情報との関係から、事故原因、又は事故との相関関係を分析することによって、労災事故分析結果情報を得ることによって、同様の労災を防止することができるので好ましい。
本発明の労働安全衛生マネジメント方法の実施形態は、サーバー、該サーバーと接続された端末とを用いて、従業員が前記サーバーからのチェックリストに対する回答及び従業員が労働安全衛生に関して気付いた情報を、前記端末を介して前記サーバーに保存し、前記サーバーは前記サーバーに保存された情報を分析し、分析によって得られた労働安全衛生に関する注意事項を前記回答又は情報を提供した従業員とは異なる従業員に送信することを含む
本発明によれば、チェックリストの結果が、ログ情報で得られるため、自動的に集計され、分析などが直ちに行われる。その結果、タイムラグが生じることなく適切な処理を行えると共に、1週間、1か月などの長期間、又は個人だけではなく、その個人の近傍又は、グループ全体の状況でも即座に分析することができる。すなわち、従業員の行動を直接管理することができる。また、前述の食品を取り扱う企業では、チェックリストで否定的回答がある場合には、作業に取り掛かる前にそのチェック項目を遵守するように指導することができるし、度々同じことが繰り返される従業員には特別指導を行い、それでも守れない場合には、配置転換などの処置も行い得る。また、今まで人ひとりで安全巡視活動をしていたが、従業員みんなで複眼チェックできることで巡視確認レベルを向上することができる。
特に、労災が発生する場合には、個人の状況も影響することはもちろんであるが、作業環境に大きく依存する場合が大きい。このような場合、特定の個人のみならず、その個人を取り巻く周囲の従業員のチェックリストによる情報を集積することによって、職場環境の問題が浮き彫りになりやすいが、本発明はその集積を行いやすい。
本発明の一実施形態の労働安全衛生のマネジメントシステムのブロック図である。 図1のマネジメントシステムの全体像を概略的に示した図である。 図1の情報分析部で行う処理の一例を示す図である。 本発明の他の実施形態の労働安全衛生のマネジメント方法のフローを簡略化したフローチャートである。
つぎに、本発明の労働安全衛生のマネジメントシステムの一実施形態について、図1〜2を参照しながら説明する。図1に本実施形態と関連した主要部のブロック図が、図2に詳細なサーバー1の構成と端末(表示器)4との関係図が、それぞれ示されている。本実施形態の労働安全衛生のマネジメントシステムは、サーバー1及びサーバー1と接続され、チェックリストの閲覧及び回答をし得る端末4を含んでいる。サーバー1は、種々のチェックリストを含むチェックリスト格納部11(図2参照)と、従業員のIDとその属性との関係から必要なチェックリストを特定するIDとチェックリストを一覧にした属性テーブル32と、属性テーブル32によって選択されたチェックリストを特定のIDの従業員若しくは特定のグループに送信するチェックリスト送信部33と、チェックリスト送信部から送信されたチェックリストの回答を記憶する記憶部34と、記憶部34に記憶された1又は複数個のチェックリストの回答を分析整理する情報分析部35と、情報分析部35によって分析された結果に基づき、対応が必要な場合に特定のIDの従業員若しくは特定のグループの対応策を特定のIDの従業員若しくは特定のグループ及び/又は管理者37に送る対応策提供部36と、を含んでいる。
サーバー1は、図2に示されるように、基礎情報部1aとウェブ関連部1bとを含んでおり、基礎情報部1aは、チェックリスト格納部11、従業員情報部12、従業員ID情報部13、従業員の所属情報部14、曜日チェック情報部15、工場設備情報部16、リスクを伝えるコンテンツ部17、教育コンテンツ部18、チェック加点などの評価や分析方式部19、CPU、メモリ部M1、M2などを含んでいる。すなわち、従業員に関する種々の情報、及び回答に対する分析のために必要なコンテンツが記憶されている。
また、ウェブ関連部1bには、従業員の行動ログ情報部20、行動集計情報部21、ヒヤリハット情報・労災事故情報部22、改善情報部23、分析部24、労災自己分析結果情報部25などが設けられており、従業員からのチェックリストの回答のみならず、種々の情報及びその分析ツールが保存されるようになっている。さらに、RAM26、CPU27、送信手段28、集計手段29、受信手段30が含まれており、従業員側の端末4と送信及び受信したデータの集計などを行えるようになっている。このサーバー1は、従業員側の端末4とケーブル又は無線などによる接続手段Caによって、接続されている。
端末4はネットワークによって、複数か全ての従業員が利用できるように、配置されている。端末4としては、サーバー1と接続され、画像を表示できると共に、入力をできるものであればよく、パーソナルコンピュータPC1、PC3、携帯機器PC2、ウェアラブル端末PC4、図示されていないタブレットなどでもよい。また、個人専用の端末である必要はなく、共用の表示器であっても、IDによって、サーバー1と接続されればよい。例えば、食堂などに配置される表示器でも、顔認証などによって、従業員が特定され得るものであればよい。また、製造ラインごとに分離されていれば、そのラインごとに従業員が複数であっても、1台の端末で管理することができる。
チェックリストの項目としては、工場部門、工場部門でも各工程、事務部門、個人などによって、チェックすべき内容が異なってくる。そのため、種々の従業員に適合する種々のチェックリストが準備され、各従業員又はグループごとに適したチェックリストを配信することができるように、種々のチェックリストが準備される。
チェックリストは、例えば工場の安全管理や製品の品質管理に関連する約50項のチェックリストにすることができる。具体的には、衛生管理用として、例えば(1)整理における習慣項目、(2)整頓における習慣項目、(3)清掃における習慣項目、(4)安全における習慣項目、(5)日常における習慣項目、(6)食品の場合は衛生安全における習慣項目、に大別される。そして、(1)の整理におけるチェック項目としては、(a)手元に要らないものが置かれていませんか?(b)通路は明確ですか?(c)通路に台車、パレット等が置かれていませんか?など複数のチェック項目が設定され、(2)の整頓におけるチェック項目としては、(a)道具、工具、部品、測定具等の置き場は明確ですか?(b)道具、工具、部品、測定具が使用したままになっていませんか?などの複数のチェックで構成され得る。
上述の例は、衛生管理に関するチェックリストの例であったが、安全面を重視した安全衛生管理の観点からのチェックリストとしては、危険防止の措置に関する項目、健康管理の措置に関する項目、及び安全衛生管理体制の整備に関する項目などを、さらに細かく細分化したチェックリストになり得る。
さらに、作業環境による従業員の危険性の管理を行う観点からのチェックリストとしては、物品の配置に関する項目、作業環境の安全性に関する項目、作業環境の人体への影響に関する項目、及びヒヤリハット又は危険予知に関する項目などを細かく細分化したチェックリストになり得る。
これらの全てのチェックリストを活用してもよいし、目的に応じて一部のチェックリストを活用してもよい。さらに別の観点から安全衛生に関するチェックリストを作成することもできる。
さらに、製造工程の従業員の場合で、製品の品質を従業員ごとに管理する場合、製造工程でのチェックリストとしては、作業項目、作業手順に関する項目、作業前の前工程の仕上りに関する項目、及び作業後の製品に関する項目などをさらに細分化してチェックリストにすることができる。作業項目や作業手順がしっかりと守られているか否かを確認することによって、品質は向上するし、作業前に前工程での作業が確実に行われているか否かを確認し、自分の作業のみならず、前の作業者の作業についても確認することによって、より一層品質を安定化させることができる。これらのチェックリストのチェックが作業前に行われることが好ましい。本実施形態によれば、作業前にこれらのチェックリストが配信されることによって、確実に作業前のチェックをし、確実な作業を行えるし、作業手順も間違いなく一定した方法で行える。
以上のように、従業員各個人に最適なチェックシートが配信され、それに応答してから作業を始めることができるので、必要な管理項目を必要な従業員がチェックできる。その観点から、従業員のIDに応じて必要なチェックリストをテーブルにしておくことが好ましい。そうすることによって、従業員のIDに応じて必要なチェックシートを確実に配信することができる。このテーブルは、従業員の情報、その従業員の現時点での配属先、職務内容などの属性に分けて、例えば縦にID番号を、横に所属、職務などの組織の分類をしておいて、縦横のクロスするところにチェックリストの番号を記入しておくことによって、従業員の現在の属性に応じて最適なチェックリストを簡単に選択することできる。また、チェックリストのチェックのみならず、従業員が気付いた点、ヒヤリハットなどの危険にさらされた情報、環境で危険と思われる状態を見つけたときの情報など、種々の情報も書き込めるようにしておくことにより、それらの情報も、チェックリストの回答と共に、又はチェックリストの回答とは別のタイミングにサーバー1に送られ得る。
属性テーブル32は、このように特定のIDの従業員と現在の職場に応じたチェックリストとの関係をテーブル形式にしたものである。すなわち、前述したように従業員の所属とある程度の個人情報はサーバーに保存されており、IDによって、その属性は分る。一方、チェックリストは従業員の職歴、階級、技術力によって、もしくはその従業員の配置されている環境によって変更される必要がある。従って、従業員の配属又は作業場所が変れば、チェックリストも変更されることになる。従って、IDが入力されたら、そのIDで、その時点における配属に応じたチェックリストを特定する表が形成されていることによって、その従業員に適切なチェックリストを送信することができる。しかし、テーブルの形成方法はこの方式には限られず、従業員の情報と職場の状況とから必要なチェックリストを選択できるものであればよい。
チェックリスト送信部33は、選択されたチェックリストを該当従業員に送信するもので、サーバー1内の送信手段28によって行われる。具体的には、ウェブにアップロードするか、インターネットを介さずに例えばイントラネット内でIDの該当する従業員が閲覧できる端末やブラウザに合わせて送信が行われる。
図1に示されるように、チェックリストがサーバー1から送信されると、従業員は端末(表示器)4によって受信することになり、そのチェックリストに応えることによってサーバー1の回答の記憶部34に記憶される。この回答の記憶部34は、サーバー1の行動集計情報部21などに形成され得る。その他の従業員からの情報も、前述の従業員の行動ログ情報部20、ヒヤリハット情報・労災事故情報部22、改善情報部23などに分類して保存される。
情報分析部35では、従業員から送信されたチェックリストの回答、及びその他の情報を分析して従業員の習性、特定の従業員又は全体の従業員に共通する注意事項、作業環境の問題点などの状況をまとめ、改善すべき点があれば、サーバー1内に改善するコンテンツがある場合には、そのコンテンツを自動的に従業員に送信し、従業員の個別指導又はグループに対する教育などが必要な場合は、その旨管理者37に連絡するようになっている。
具体的には、例えば毎日のチェックリストの回答で、ありの場合に1点、無しの場合に0点として、点数化し、1週間又は1か月の期間で集計して、例えば図3に示されるように、グラフ化し、あなたは安全性に関する意識は比較的強いが、整理や清掃に対する意識は低いという習性があるので、整理、清掃に対する意識を普段から高めるようにという情報を個別に提供することができる。
さらに、前述のように、ヒヤリハットの情報があった場合には、その情報を全従業員に配信したり、管理者37にその対策の検討を依頼する配信をしたりすることを自動的に行うことができる。また、労災に繋がるような事故が起きた場合には、そのときのチェックリストの回答を分析することによって、当時の従業員の属性、意識などがどういう状態の場合にそういう事故が発生しやすいのかを分析して、事故との相関関係を明らかにし、労災事故の発生の防止を促すことができる。
この情報分析部35は、さらに、労災事故が発生した場合に、回答の記憶部34に記憶されたデータと、該当従業員の属性情報との関係から、事故原因、又は事故との相関関係を分析することによって、労災事故分析結果情報を得ることができる。そうすることによって、同様の労災の発生を防止することができる。
分析結果の提供部36は、このように、分析された結果を従業員に直接送信するか、又は管理者37に送信する。この送信は、IDによる特定通信で行うことができるし、全員に送信する必要がある場合には、全員に配信される。従業員に配信する内容は、サーバー1内に保存されているリスクを伝えるコンテンツや教育コンテンツを選択して送信する、もしくは自動的に配信される。対策を必要とするものは、管理者37に送信される。
次に、本実施形態の労働安全衛生のマネジメント方法について、説明する。本実施形態の労働安全衛生のマネジメント方法は、サーバーから、当該サーバーと接続された端末であって、従業員が使用し得る前記端末に、従業員の作業又は、作業環境に関する質問事項を作業開始前に送信し、前記端末に入力された前記質問の回答を前記サーバーに記憶保存し、前記サーバーに記憶保存された情報又は該情報の処理結果を、工場の安全管理、前記作業の品質管理、前記従業員の行動管理、及び作業環境管理の少なくとも1つに利用するものである。
具体的には、図4に簡略化したフローチャートが示されるように、まずサーバー1と従業員の端末4との接続を行う(S1)。この接続は、常に行われていてもよいし、従業員が出社して端末を立ち上げ、ログインすることによって行われてもよい。
次に、サーバー1から、その従業員のIDに基づいて、チェックリスト格納部11から必要なチェックリストを選択して送信する(S2)。これは予めIDとチェックリストとの関連を付けておくことによって、殆ど自動的に即座に行える。
従業員は、作業開始前に送られたチェックリストの質問に答え、端末4に入力する。チェックリストの任意記載欄に通常と異なる状況があれば、その事項も入力する。そのチェックリストの回答は、チェックの有無のみならず、任意記載事項に関してもサーバー1に保存される(S3)。
次に、従業員から入力された情報が情報分析部35で分析される(S4)。この分析は、入力された時点で直ちに分析される場合もあるし、1週間とか、1か月など長期間に亘って収集されたデータとして分析されることもある。従業員からログインや、チェックリストの回答が無い場合には、自動的に応答する指示を提供することもできる。また、長期間に亘って収集した情報の分析結果をそのまま提供できる場合には、従業員に直接提供することもできるし、同時に管理者にも送信することもできる。また、その分析結果を基にして、対策を講ずる必要のある場合には、管理者にそのデータを送信する(S5)。
本発明によれば、サーバーと従業員とが直結しており、サーバーからのチェックリストの提供に応じて従業員の状況を把握することができるので、労働安全衛生に関するチェックリストの毎日の作業前のチェックによって、作業者の意識が向上し、事故の発生が未然に防止されやすいという効果がある。さらに、サーバーと直結しているため、データの蓄積が容易になり、長期間のデータを収集することによって、その従業員の習性を把握することもでき、その分析も容易になるため、個別に注意事項をその従業員に伝達したり、関連する従業員にも伝達したりすることもできる。
さらに、例えば製造工場などでは、作業前にチェックリストを送信し、作業場の注意事項や作業手順の確認をチェックしてから作業をすることができるため、ミスを大幅に減らすことができる。
1 サーバー
4 端末(表示器)
11 チェックリスト格納部
12 従業員情報部
13 従業員ID情報部
14 従業員所属情報部
16 工場設備情報部
17 リスクを伝えるコンテンツ部
18 教育コンテンツ部
19 チェック加点などの評価や分析方式部
20 従業員の行動ログ情報部
21 行動集計情報部
22 ヒヤリハット情報・労災事故情報部
23 改善情報部
24 分析部
25 労災事故分析結果情報部
26 RAM
27 CPU
28 送信手段
29 集計手段
30 受信手段
31 制御部
32 属性テーブル(ID・属性とチェックリストの一覧)
33 チェックリストの送信部
34 回答の記憶部
35 情報分析部
36 分析結果の供給部
37 管理者

Claims (8)

  1. 労働安全衛生に関するチェックリストを含むチェックリスト格納部と、従業員のIDとその属性との関係を一覧にした属性テーブルと、従業員に労働安全衛生に関するチェックリストを送信するチェックリスト送信部と、前記チェックリスト送信部から送信されたチェックリストの回答及び/又は従業員からの情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたチェックリストの前記回答及び/又は従業員からの情報を分析整理する情報分析部と、前記情報分析部によって分析された分析結果を前記回答及び/又は情報を提供した従業員以外の従業員に送る分析結果の提供部と、を含むサーバー、及び
    前記サーバーと接続され、従業員の各々が前記チェックリストの閲覧回答及び情報提供をし得る端末
    を含む労働安全衛生のマネジメントシステム。
  2. 前記記憶部は、従業員からの情報を記憶する従業員の行動ログ情報部、ヒヤリハット情報部、労災事故情報部、及び改善情報部をそれぞれ分離して有し、前記記憶部のいずれかの情報部に記憶された情報の分析結果を前記提供部が送信する、請求項1に記載のマネジメントシステム。
  3. 前記チェックリストが、危険防止の措置に関する項目、健康管理の措置に関する項目、及び労働安全衛生管理体制の整備に関する項目をむ、請求項1又は2に記載のマネジメントシステム。
  4. 前記チェックリストが、作業環境の安全性に関する項目、作業環境の人体への影響に関する項目、及びヒヤリハット又は危険予知に関する項目をむ、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマネジメントシステム。
  5. 前記従業員からの情報が、従業員が気付いた情報、従業員のヒヤリハットの経験に関する情報、及び環境で危険と思われる状態を見つけたという情報の少なくとも1つの項目を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマネジメントシステム。
  6. 前記情報分析部が、個人又はグループごとに集計する手段、従業員からの回答が入力された時点で分析する手段、及びある期間ごとに回答を集計する手段を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマネジメントシステム。
  7. 前記情報分析部が、労災事故が発生した場合に、前記記憶部に記憶されたチェックリストの回答のデータと、該当従業員の属性情報との関係から、事故原因、又は事故との相関関係を分析することによって、労災事故分析結果情報を得る、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマネジメントシステム。
  8. サーバー、該サーバーと接続された端末とを用いて、従業員が前記サーバーからのチェックリストに対する回答及び従業員が労働安全衛生に関して気付いた情報を、前記端末を介して前記サーバーに保存し、前記サーバーは前記サーバーに保存された情報を分析し、分析によって得られた労働安全衛生に関する注意事項を前記回答又は情報を提供した従業員とは異なる従業員に送信する労働安全衛生のマネジメント方法
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