<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1〜図8を用いて説明する。図1、図2に示すように、パラレルリンクロボット100は、固定部材としてのベース部100Aと、所定の空間内で移動する出力部材100Bと、複数のモータ107,108,111と、複数のアーム109,110,112と、を備える。ここで、モータ107は、第1アクチュエータに、モータ108は、第2アクチュエータに、モータ111は、第3アクチュエータに、それぞれ相当する。そして、モータ107,108,111は、本実施形態における移動アクチュエータを構成する。また、アーム109は、第1アームに、アーム110は、第2アームに、アーム112は、第3アームに、それぞれ相当する。また、以下の記載において、モータ107を第1モータ107、モータ108を第2モータ108、モータ111を第3モータ111とも記載する。
ベース部100Aは、略水平方向(実質的に水平方向)に配置された水平板101と、水平板101から略鉛直方向(実質的に鉛直方向)に設けられた鉛直板102と、から構成され、第1〜第3モータ107,108,111を支持する。第1〜第3モータ107,108,111は、それぞれ鉛直板102の所定位置に固定されている。本実施形態において、パラレルリンクロボット100は、鉛直板102の幅方向中央の鉛直方向上側に第3モータ111を、鉛直板102の鉛直方向中間部で、幅方向中央を挟んだ両側に、それぞれ第1モータ107、第2モータ108を配置している。水平板101上には、ワークや組立用の治具などが配置される。
出力部材100Bは、ワークの把持や移動を行うロボットハンド等のエンドエフェクタであるチャックユニット600を装着するためのマニピュレータである。出力部材100Bは、複数のアームを構成するリンク機構が結合される出力軸105と、後述する従動プーリハウジング400を介して第5軸駆動ユニット200及びチャックユニット600を支持するエンドエフェクタ支持部材103と、を有する。なお、リンク機構の詳細については、後述する。また、エンドエフェクタ支持部材103は、本実施形態における第1接続部を構成し、出力軸105の中心軸である第4軸120と同一軸上に設けられている。
出力軸105の所定位置には、それぞれ、複数の第1突出部としてのジョイント軸134,135、複数の第2突出部としてのジョイント軸136,137が、圧入などにより装着固定されている。なお、ジョイント軸134〜137は、出力軸105と一体に形成しても良い。
第1突出部としてのジョイント軸134,135は、それぞれ出力軸105に直交する方向で、かつ、互いに平行に突出するように設けられている。ジョイント軸134,135は、それぞれ同一の長さに形成されており、かつ、同じ方向に突出している。第2突出部としてのジョイント軸136,137は、それぞれ出力軸105に直交する方向で、かつ、互いに平行に突出するように設けられている。ジョイント軸136,137は、それぞれ同一の長さに形成されており、かつ、同じ方向に突出している。ここで、ジョイント軸134,135とジョイント軸136,137とは、いずれも同一の長さに形成され、出力軸105の軸方向においてそれぞれ同じ位置に形成されている。また、ジョイント軸134,135とジョイント軸136,137とは、それぞれのなす角度が90°で互いに直交するように形成されている。
第1アーム109は、平行リンク機構を形成する2本の第1リンク109aから構成されている。2本の第1リンク109aの一端は、それぞれ第1のジョイント部としてのジョイント部109Bを介して出力軸105と平行な仮想軸上でジョイント軸134,135に接続される。2本の第1リンク109aの他端は、ジョイント部109Cを介してモータ107に駆動される第1回転アーム107aに設けられた第1リンク軸107bに接続される。これにより、第1アーム109は、2本の第1リンク109aが平行状態を維持したまま、2本の第1リンク109aが接続される軸とリンクの配設方向とに直交する軸を中心とする回動が可能である。
第2アーム110は、平行リンク機構を形成する2本の第2リンク110aから構成されている。2本の第2リンク110aの一端は、それぞれ第2のジョイント部としてのジョイント部110Bを介して出力軸105と平行な仮想軸上でジョイント軸136,137に接続される。2本の第2リンク110aの他端は、ジョイント部110Cを介してモータ108に駆動される第2回転アーム108aに設けられた第2リンク軸108bに接続される。これにより、第2アーム110は、2本の第2リンク110aが平行状態を維持したまま、2本の第2リンク110aが接続される軸とリンクの配設方向とに直交する軸を中心とする回動が可能である。
出力軸105の上端部には、出力軸105と直交するジョイント軸138,139が、出力軸105と一体に形成されている。ジョイント軸138,139は、出力軸105を中心に対向し、同軸上に突出している。なお、ジョイント軸138,139は、別の部材として形成し、出力軸105に圧入などにより装着固定しても良い。また、ジョイント軸138,139は、1本の軸形状の部材が出力軸105に装着される構成であってもよい。
第3アーム112は、平行リンク機構を形成する2本の第3リンク112aから構成されている。2本の第3リンク112aの一端は、それぞれ第3のジョイント部としてのジョイント部112Bを介してジョイント軸138,139に接続される。2本の第3リンク112aの他端は、ジョイント部112Cを介してモータ111に駆動される第3回転アーム111aに設けられた第3リンク軸111bに接続される。これにより、第3アーム112は、2本の第3リンク112aが平行状態を維持したまま、2本の第3リンク112aが接続される軸とリンクの配設方向とに直交する軸を中心とする回動が可能である。なお、上述のジョイント部は、それぞれ3自由度を有するロッドエンドベアリング又は自在継手のような接続部材によって構成されており、その構成は特に限定されない。
このように、本実施形態に係るパラレルリンクロボット100は、第1アーム109及び第2アーム110の形成する平行リンク機構と、第3アーム112の形成する平行リンク機構と、によって、出力軸105が一定の姿勢を保つように支持される。ここで、出力軸105の姿勢とは、出力軸105の傾きと、出力軸105の向きと、の両方を意味する。
次に、パラレルリンクロボット100の動作について説明する。本実施形態において、パラレルリンクロボット100は、第1モータ107による第1回転アーム107aの駆動と、第2モータ108による第2回転アーム108aの駆動と、を行うことで、出力部材100Bを略水平方向に移動させる。また、パラレルリンクロボット100は、第3モータ111による第3回転アーム111aの駆動を行うことで、出力部材100Bを略垂直方向に移動させる。出力部材100Bを並進運動させる場合には、パラレルリンクロボット100は、第1モータ107と、第2モータ108と、第3モータ111の回転量を協調させて制御する。例えば、出力部材100Bの位置を現在位置Xnから目標位置Xn+1に移動させる場合、パラレルリンクロボット100は、第1〜第3モータ107,108,111の各モータを必要量駆動する。各モータの駆動により、第1〜第3アーム109,110,112は、協調して出力部材100Bの位置を移動させる。そして、パラレルリンクロボット100は、出力部材100Bの位置が目標位置Xn+1に到達すると同時に各モータの駆動量が0となるように制御する。このように、本実施形態に係るパラレルリンクロボット100は、第1〜第3モータ107,108,111の各駆動量を協調させて制御することで、所定の空間内で出力部材100Bをベース部100Aに対して、3軸並進運動させることができる。
なお、出力部材100Bを垂直方向に移動させた場合、第1アーム109及び第2アーム110は、水平から外れて垂直方向に傾斜する。このため、出力部材100Bの3次元空間内(所定の空間内)の位置は、第1、第2アーム109、110の傾斜量と、第1〜第3回転アーム107a,108a,111aの駆動量と、から幾何学的に算出することができる。また、逆運動学の計算を用いた場合には、出力部材100Bの空間座標位置から第1〜第3モータ107,108,111の駆動量を算出することができる。本実施形態に係るパラレルリンクロボット100は、出力軸105の中心軸である第4軸120を、出力部材100Bの位置の基準軸として用いて、3次元空間内における出力部材100Bの位置を算出している。
次に、出力部材100Bに接続されるチャックユニット600の姿勢のうち、第4軸120に対する姿勢を制御する第1姿勢制御手段100Cについて、図1〜図6を用いて説明する。図1、図2に示すように、第1姿勢制御手段100Cは、ベース部100Aの鉛直板102の鉛直方向上方に設けられた駆動プーリハウジング300を備える。また、第1姿勢制御手段100Cは、出力軸105に設けられエンドエフェクタ支持部材103が接続する従動プーリハウジング400を備える。また、第1姿勢制御手段100Cは、駆動プーリハウジング300と従動プーリハウジング400とを駆動連結するコントロールケーブル500を備える。
図5(a)、(b)は、駆動プーリハウジング300の概略構成図を示している。図5(a)、(b)に示すように、駆動プーリハウジング300は、鉛直板102に支持されるハウジングプレート301と、ハウジングプレート301に支持されるモータ302と、モータ302の回転軸に固定される駆動プーリ303と、を備えている。なお、本実施形態において、ハウジングプレート301は、第2固定部を構成する。また、モータ302は、第1姿勢制御アクチュエータを構成する。また、モータ302の回転軸に固定されることで、鉛直板102に対してハウジングプレート301及びモータ302を介して固定される駆動プーリ303は、第2回動部を構成する。
図6は、従動プーリハウジング400の概略構成図を示している。図6に示すように、従動プーリハウジング400は、出力軸105のフランジ部105aにネジ止め固定されるハウジングプレート401と、出力軸105と同軸上にベアリング402を介して回転自在に支持される従動プーリ403と、を備えている。従動プーリ403は、Eリング404によって軸方向の移動が規制されている。なお、本実施形態において、ハウジングプレート401は、第1固定部を構成する。また、従動プーリ403は、第1回動部を構成する。
図1〜図6に示すように、コントロールケーブル500は、ハウジングプレート301,401に両端部が固定される可撓性を有し変形自在で中空形状の一対のアウターケーブル501を有する。また、コントロールケーブル500は、各アウターケーブル501の内部に摺動自在に配設された1本のインナーワイヤ502を有する。また、コントロールケーブル500は、アウターケーブル501の各端部とハウジングプレート301,401との間に設けられ、アウターケーブル501の端部が固定される位置としての固定位置を調整する調整部材としてのアジャスター部材504を有する。なお、本実施形態において、アジャスター部材504は、アウターケーブル501の両端部に設けられているが、これに限らず、少なくともいずれか一方の端部に設けられていればよい。
アウターケーブル501は、出力部材100Bが所定の空間内のいずれに位置する場合においても、ハウジングプレート301,401の間で単一の湾曲部501aが形成されるように構成されている。また、可撓性を有し変形自在のアウターケーブル501は、第1〜第3モータ107,108,111の駆動により出力部材100Bが移動する場合、出力部材100Bの作動領域を制限することなく出力部材100Bの移動に追従して変形する。
インナーワイヤ502は、両端部及び中央部に球形のボール端子503が挿通されカシメ固定されている。インナーワイヤ502は、両端部のボール端子503を、駆動プーリ303の各フランジ部303aに形成された端子穴303bに嵌合する。ここで、端子穴303bは、1つが駆動プーリ303のフランジ部303aに形成されており、1つがフランジ部303aに形成された端子穴303bと駆動プーリ303の中心軸に対して線対称の位置に形成されている。インナーワイヤ502は、駆動プーリ303の端子穴303bから、それぞれ2回転半ずつ駆動プーリ303の周方向に巻き付けられている。このようにして、インナーワイヤ502は、駆動プーリ303に対して固定されている。
また、インナーワイヤ502は、従動プーリ403に巻き付けられ、中央部に固定されたボール端子503が従動プーリ403の外周面に形成された端子穴403aに嵌合されている。これにより、第1姿勢制御手段100Cは、インナーワイヤ502と従動プーリ403の位置出しを実行できるとともに、インナーワイヤ502が従動プーリ403の外周面上を滑って摺動してしまうことを防止している。
また、従動プーリ403に巻き付けられたインナーワイヤ502は、ガイドローラ406により90°方向を変換されアジャスター部材504からアウターケーブル501に挿通される。ここで、ガイドローラ406は、ハウジングプレート401にカシメ等により固定されたガイドローラ軸405に回転自在に支持されている。また、ガイドローラ406は、外周面にインナーワイヤ502に接触してインナーワイヤ502をアウターケーブル501に案内するV溝が形成されている。
このように、インナーワイヤ502は、駆動プーリ303と従動プーリ403とに張架されることで、駆動プーリ303と従動プーリ403とを駆動連結し、アウターケーブル501内に配設されている。
アジャスター部材504には、ネジ部504aが形成されており、ハウジングプレート301,401に、それぞれ一対のナット505によって固定されている。アジャスター部材504は、ナット505の位置を調整することにより、アウターケーブル501の端部の固定位置を調整し、アウターケーブル501の取り付け長さを調整可能に構成されている。また、図5に示すように、ハウジングプレート301に固定されているアジャスター部材504のネジ部504aには、圧縮コイルバネ506がハウジングプレート301とナット505との間に付勢状態で挿入されている。なお、本実施形態において、圧縮コイルバネ506は、駆動プーリハウジング300側に設けられているが、従動プーリハウジング400側に設けてもよい。また、圧縮コイルバネ506は、駆動プーリハウジング300側と、従動プーリハウジング400側と、の両方に設けてもよい。
本実施形態において、従動プーリ403には、出力軸105と同軸上にエンドエフェクタ支持部材103がネジ止めされ固定されている。このため、パラレルリンクロボット100は、出力軸105に対して従動プーリ403を回動することにより、エンドエフェクタ支持部材103が回動される。つまり、従動プーリ403を回動した場合、エンドエフェクタ支持部材103に接続される後述する第5軸駆動ユニット200及び第5軸駆動ユニット200に接続されるチャックユニット600は、出力軸105の中心軸である第4軸120に対して回動される。
なお、本実施形態において、駆動プーリ303と従動プーリ403の各プーリ径は、それぞれ同一径に構成されている。これにより、本実施形態に係る第1姿勢制御手段100Cは、駆動プーリ303と従動プーリ403の回転角度が等しく、モータ302の回転角度を制御することで、チャックユニット600の第4軸120に対する回転角度を制御することができる。
次に、第1姿勢制御手段100Cの動作について説明する。第1姿勢制御手段100Cにおいては、まず、駆動プーリハウジング300のモータ302の駆動により駆動プーリ303が一方向に回動する。そして、駆動プーリ303と従動プーリ403とに巻き付けられているインナーワイヤ502の一方が駆動プーリ303に巻き取られることで、インナーワイヤ502に張力が発生し、該張力によって従動プーリ403が一方向に回動する。従動プーリ403の回動によって従動プーリ403から繰り出されるインナーワイヤ502の一方は、駆動プーリ303に巻き取られる。また、駆動プーリ303の回動によって駆動プーリ303から繰り出されるインナーワイヤ502の他方は、従動プーリ403に巻き取られる。
従動プーリ403が一方向に回動することにより、第1姿勢制御手段100Cは、従動プーリ403に連結されたエンドエフェクタ支持部材103を回動し、エンドエフェクタ支持部材103に接続される第5軸駆動ユニット200も一方向に回動する。すなわち、従動プーリ403が一方向に回動することにより、第5軸駆動ユニット200に接続されるチャックユニット600も一方向に回動する。このようにして、第1姿勢制御手段100Cは、駆動プーリ303の回動をコントロールケーブル500によって従動プーリ403に伝達し、従動プーリ403を回動させ、チャックユニット600の第4軸120に対する姿勢を制御することができる。
また、第1〜第3モータ107,108,111のそれぞれの駆動により、出力部材100Bが所定の空間内で移動した場合、第1姿勢制御手段100Cは、出力部材100Bの動作に追従して、コントロールケーブル500が変形する。具体的には、コントロールケーブル500のうち変形自在なアウターケーブル501の湾曲部501aが湾曲形状を維持しながら変形し、アウターケーブル501の変形に伴いインナーワイヤ502も所定の張力を維持しながら変形する。第1姿勢制御手段100Cは、コントロールケーブル500が出力部材100Bの移動に伴い変形することにより、出力部材100Bの作動領域を制限することなく駆動プーリ303の回転を従動プーリ403に伝達することができる。なお、駆動プーリ303が他方向に回動した場合には、同様の動作によって従動プーリ403も他方向に回動し、チャックユニット600も他方向に回動する。
また、駆動プーリハウジング300が鉛直板102の鉛直方向上側に設けられているため、アウターケーブル501は、ハウジングプレート301から湾曲部501aまで鉛直方向に延在する姿勢を形成する。そして、アウターケーブル501は、単一の湾曲部501aを有し、ハウジングプレート401に接続される姿勢を形成するように配設される。つまり、第1姿勢制御手段100Cは、出力部材100Bと一体に移動する従動プーリハウジング400よりも垂直方向上方にアウターケーブル501が配設されている。この構成により、パラレルリンクロボット100は、稼働時においてアウターケーブル501が作業エリアに配置されたワークや組立治具に干渉することを防ぐことができる。
次に、チャックユニット600と、出力部材100Bに接続されるチャックユニット600の姿勢のうち、チャックユニット600の有する第6軸122に対する姿勢を制御する第3姿勢制御手段100Eと、について説明する。図3、図4、図7に示すように、本実施形態における第6軸122は、チャックユニット600の有するツール部としての一対の爪部610a,610bの開閉動作の中心となる中心軸である。また、第6軸122は、チャックユニット600の中心基準軸とも一致する。なお、本実施形態に係るパラレルリンクロボット100において、チャックユニット600の中心基準軸は、必ずしも第6軸122と一致する必要はない。また、以下の記載において、一対の爪部610a,610bを総称して爪部610とも記載する。
図7に示すように、チャックユニット600は、上部に配設され第6軸122と同一軸上の装着ホルダ601が、後述する第5軸駆動ユニット200に設けられたエンドエフェクタ支持部材205と嵌合する。チャックユニット600は、装着ホルダ601がエンドエフェクタ支持部材205に嵌合された状態でボルト602により固定されることで、第5軸駆動ユニット200に接続される。また、チャックユニット600は、第3姿勢制御手段100Eを内蔵する固定フレーム603と、第6軸122に対して回転自在に支持される支持部材としての回転フレーム604と、を備えている。回転フレーム604は、回転軸604aが固定フレーム603にベアリング613を介して軸支され、ワーク611を把持するための一対の爪部610a,610bが接続されている。また、回転フレーム604の内部には、爪部610を互いに接触及び離隔させる方向に移動させる開閉機構(不図示)が設けられている。ここで、装着ホルダ601は、本実施形態における第4接続部を構成する。
第3姿勢制御手段100Eは、第3姿勢制御アクチュエータとしてのステッピングモータ605を有している。ステッピングモータ605は、第6軸122と同一軸上に回転駆動軸605aを有し、回転フレーム604の回転軸604aとカップリング612を介して連結している。ステッピングモータ605を駆動し第6軸122と同一軸上の回転駆動軸605aを回転させることにより、第3姿勢制御手段100Eは、回転駆動軸605aに連結する回転フレーム604を回転させる。これにより、第3姿勢制御手段100Eは、回転フレーム604に接続される爪部610を、第6軸122に対して回転させ、第6軸122に対する爪部610の姿勢を制御することができる。ここで、第6軸122に対する爪部610の姿勢とは、爪部610の向きを含むものである。また、回転フレーム604は、本実施形態における第2伝達機構を構成する。また、開閉機構及びステッピングモータ605は、第5軸駆動ユニット200を介して出力部材100Bに配線され、ベース部100Aに設けられた制御装置(不図示)に電気的に接続している。
次に、第4軸120に対して交差する方向の第5軸121を有する第5軸駆動ユニット200と、出力部材100Bに接続されるチャックユニット600の姿勢のうち、第5軸121に対する姿勢を制御する第2姿勢制御手段100Dについて説明する。図3、図4、図8に示すように、第5軸121は、第4軸120となす角度が90°、つまり第4軸120に直交する軸であり、本実施形態における制御軸を構成する。また、第5軸駆動ユニット200は、本実施形態における制御軸ユニットを構成する。
第5軸駆動ユニット200は、上部に配設された出力軸接続部としての装着ホルダ201が従動プーリ403を介して出力軸105に設けられたエンドエフェクタ支持部材103と嵌合し、ボルト202により固定されることで、出力軸105に接続される。このため、第5軸駆動ユニット200は、出力軸105に接続された状態において、第4軸120と装着ホルダ201とが同一軸上となる。また、第5軸駆動ユニット200は、第2姿勢制御手段100Dを内蔵する固定フレーム203と、第5軸121に対して回転自在に支持される回転部材204と、を備えている。ここで、装着ホルダ201は、本実施形態における第2接続部を構成する。
固定フレーム203に内蔵される第2姿勢制御手段100Dは、第2姿勢制御アクチュエータとしてのステッピングモータ206を有している。ステッピングモータ206は、第5軸121と同一軸上に回転軸206aを有し、回転軸206aに太陽歯車207が固定されている。太陽歯車207は、回転部材204に等分配置及び装着固定された4つの歯車軸211に回転自在に軸支された遊星歯車210と噛合している。また、遊星歯車210は、固定フレーム203に支持されたリング状の内歯車212とも噛合している。なお、本実施形態において、回転軸206aと、太陽歯車207、遊星歯車210及び内歯車212から構成される遊星歯車機構と、は、第1伝達機構を構成する。また、ステッピングモータ206は、出力部材100Bに配線され、ベース部100Aに設けられた制御装置(不図示)に電気的に接続している。
回転部材204は、一方がステッピングモータ206の回転軸206aにベアリング208aを介して軸支され、他方が固定フレーム203に固定され第5軸121と同一軸上の軸209にベアリング208bを介して軸支されている。また、回転部材204には、チャックユニット600が接続されるエンドエフェクタ接続部及び第3接続部としてのエンドエフェクタ支持部材205が設けられている。ここで、エンドエフェクタ支持部材205は、回転部材204が回転しチャックユニット600の有する第6軸122と第4軸120とが同一方向に向く場合に、第6軸122及び第4軸120と同一軸上となる位置に設けられている。つまり、第5軸駆動ユニット200は、第6軸122が第4軸120と同一方向に向いた場合に、装着ホルダ201及びエンドエフェクタ支持部材205が同一軸上となる。これにより、第5軸駆動ユニット200は、第6軸122が第4軸120の同一軸上になる位置に出力軸105とチャックユニット600とを接続する。ここで、第6軸122が第4軸120と同一方向を向く場合には、チャックユニット600が鉛直方向下向きの姿勢である場合が含まれる。本実施形態に係るパラレルリンクロボット100においては、ワーク611のピックアンドプレイスやペグインホール作業等の頻度の高い動作を実行する場合に、チャックユニット600を鉛直方向下向きの姿勢に制御する。
次に、第5軸駆動ユニット200及び第2姿勢制御手段100Dの動作について説明する。本実施形態において、第2姿勢制御手段100Dは、ステッピングモータ206を駆動することにより、太陽歯車207を駆動する。上述したとおり、第2姿勢制御手段100Dは、内歯車212が固定フレーム203に固定されていることから、太陽歯車207の駆動により、遊星歯車210を歯車軸211に対して自転させ、かつ遊星歯車210を太陽歯車207に対して公転させる。遊星歯車210の公転により、第5軸駆動ユニット200は、歯車軸211が装着固定された回転部材204を、回転軸206a及び軸209、つまり第5軸121に対して回転する。これにより、第5軸駆動ユニット200は、回転部材204に接続されるチャックユニット600の出力軸105に対する姿勢を変更することができる。
以上のように、本実施形態において、パラレルリンクロボット100は、第6軸122が第4軸120と同一方向を向く場合(図3(a))に、第6軸122が第4軸120と同一軸上になる。これにより、パラレルリンクロボット100は、第1〜第3姿勢制御手段100C〜100Eを構成する各部品の位置決め誤差がチャックユニット600の位置決め精度に与える影響を抑えることができる。つまり、パラレルリンクロボット100は、第6軸122が第4軸120と同一方向を向く場合として、作業頻度の高いチャックユニット600が鉛直方向下方を向く場合においても、高い位置決め精度でチャックユニット600の姿勢を制御できる。また、パラレルリンクロボット100は、第6軸122が第4軸120と同一方向を向く場合に、第6軸122の場所が特定できなくなるいわゆる特異点が発生することを防ぐことができる。
また、本実施形態において、パラレルリンクロボット100は、第2、第3姿勢制御手段100D,100Eをそれぞれユニット化し、第5軸駆動ユニット200及びチャックユニット600に内蔵している。つまり、パラレルリンクロボット100は、第2、第3姿勢制御手段100D,100Eが出力部材100Bに着脱自在に設けられている。また、出力部材100Bのエンドエフェクタ支持部材103は、上述した第5軸駆動ユニット200の装着ホルダ201に加えて、チャックユニット600の装着ホルダ601とも接続可能に構成されている。つまり、パラレルリンクロボット100は、第5軸駆動ユニット200をエンドエフェクタ支持部材103から外し、チャックユニット600の装着ホルダ601をエンドエフェクタ支持部材103に接続可能に構成されている。また、パラレルリンクロボット100は、チャックユニット600を出力部材100Bに取り付けた場合、エンドエフェクタ支持部材103と装着ホルダ601が同一軸上となる。つまり、パラレルリンクロボット100は、第6軸122が第4軸120の同一軸上となる位置に出力軸105とチャックユニット600とが接続されるように構成されている。このため、パラレルリンクロボット100は、作業に応じてエンドエフェクタに求められる自由度を選択することができ、エンドエフェクタの制御設計を簡易にできるとともに、位置決め精度を向上させることができる。また、パラレルリンクロボット100は、出力部材100Bに第2、第3姿勢制御手段100D,100Eを設ける必要がなく、出力部材100Bの部品点数を削減し製造コストを低減できるとともに、軽量化することができる。
なお、本実施形態において、第1〜第3姿勢制御手段100C〜100Eは、複数の姿勢制御手段を構成する。また、パラレルリンクロボット100は、第4軸120と第6軸122とが同一軸上となる場合、第1姿勢制御手段100Cと第3姿勢制御手段100Eとのいずれか一方を優先的に駆動することを予め設定しておけばよい。
また、本実施形態において、パラレルリンクロボット100は、エンドエフェクタとしてチャックユニット600を備えているが、これに限らず、例えば、作業に適用する各種工具やセンサ、カメラ等を備えたユニットでもよい。この場合、パラレルリンクロボット100は、各種工具やセンサ、カメラ等のうち動作を実行する部分の中心軸を第6軸122に設定すればよい。
また、本実施形態において、第2姿勢制御手段100Dは、第5軸121と同一軸上に設けられた遊星歯車機構を用いることで、ステッピングモータ206の駆動を減速し、かつ省スペース化を実現しているが、これに限定されない。第2姿勢制御手段100Dは、ステッピングモータ206の駆動を減速する機構を有することが好ましい。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図9を用いて説明する。本実施形態では、第5軸121を第4軸120と所定の角度Aとして、例えば45°で交差する軸から構成している。なお、本実施形態におけるパラレルリンクロボットの構成及び動作は、特に言及しない限り第1の実施形態と同様であるため、重複する説明を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図9に示すように、第2姿勢制御手段100Dは、回転軸206aに設けられたウォームギア213と、第5軸121と同一軸上に設けられた第5駆動軸215と、を有する。また、第2姿勢制御手段100Dは、第5駆動軸215に設けられウォームギア213に噛合するウォームホイール214を有する。ここで、第5駆動軸215は、固定フレーム203にベアリングを介して回転自在に支持され、端部に回転部材204が接続されている。回転部材204には、第5軸121と第4軸120とがなす角度Aと同一の角度Aを第5軸121に対してなす位置にエンドエフェクタ支持部材205が設けられている。なお、回転部材204は、本実施形態における回動部材を構成する。また、ウォームギア213と、ウォームホイール214と、第5駆動軸215は、本実施形態における第1伝達機構を構成する。
本実施形態における第2姿勢制御手段100Dは、ステッピングモータ206を駆動し、回転軸206aに設けられたウォームギア213を回転することで、ウォームギア213に噛合するウォームホイール214を回転する。そして、ウォームホイール214が回転することにより、ウォームホイール214が設けられた第5駆動軸215が第5軸121上で回転し、第5駆動軸215に接続する回転部材204が第5軸121に対して回転する。この構成において、第5軸駆動ユニット200は、回転部材204が第5軸121に対して回動することにより、エンドエフェクタ支持部材205に接続されるチャックユニット600の姿勢を鉛直方向から水平方向に制御することができる。
なお、本実施形態において、回転部材204は、第5軸121と第4軸120とがなす角度Aと同一の角度Aを第5軸121に対してなす位置に複数のエンドエフェクタ支持部材205のそれぞれが設けられていてもよい。この場合、パラレルリンクロボット100は、複数のエンドエフェクタを装着することが可能となり、作業用途に応じて、エンドエフェクタを切り替えることができるため、エンドエフェクタの交換作業を行うことなく作業を継続でき、作業効率が向上する。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について図10を用いて説明する。上述の第1、第2の実施形態では、チャックユニット600は、第6軸122に対する爪部610の姿勢を制御する第3姿勢制御手段100Eとは別に、爪部610の開閉動作を実行する開閉機構を必要とした。このような構成の場合、チャックユニット600は、複数の動力源を有するため、重量及び製造コストを低減することが困難である。したがって、本実施形態では、第3姿勢制御手段100Eによって、第6軸122に対するチャックユニットの爪部の姿勢の制御と、爪部の開閉動作と、を実行できる構成とした。なお、本実施形態におけるパラレルリンクロボットの構成及び動作は、特に言及しない限り第1、第2の実施形態と同様であるため、重複する説明を省略又は簡略にし、以下、第1、第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図10に示すように、本実施形態において、第6軸122は、エンドエフェクタとしてのチャックユニット700の有するツール部としての一対の爪部710a,710bの開閉動作の中心となる中心軸である。また、第6軸122は、チャックユニット700の中心基準軸とも一致する。なお、本実施形態に係るパラレルリンクロボット100において、チャックユニット700の中心基準軸は、必ずしも第6軸122と一致する必要はない。また、以下の記載において、一対の爪部710a,710bを総称して爪部710とも記載する。
チャックユニット700は、上部に配設され第6軸122と同一軸上の装着ホルダ701が、第5軸駆動ユニット200に設けられたエンドエフェクタ支持部材205と嵌合する。チャックユニット700は、装着ホルダ701がエンドエフェクタ支持部材205に嵌合された状態でボルト(不図示)により固定されることで、第5軸駆動ユニット200に接続される。また、チャックユニット700は、第3姿勢制御手段100Eを内蔵する固定フレーム703と、第6軸122と同一軸上に設けられ第6軸122に対して回転可能に支持される支持部材としての回転フレーム704と、を備えている。ここで、チャックユニット700は、装着ホルダ701を第6軸122と同一軸上に設けているため、装着ホルダ701と回転フレーム704とが同一軸上に配置される。ここで、装着ホルダ701は、本実施形態における第4接続部を構成する。
回転フレーム704は、後述するステッピングモータ705の回転駆動軸705aにワンウェイクラッチ706aを介して設けられている。回転フレーム704の内周側には、図示しないガイド部材を介して一対のラックギア709a,709bが設けられ、ラックギア709a,709bに爪部710が接続されている。回転フレーム704の外周側には、複数のV字溝形状のノッチ部704aが形成されている。ノッチ部704aは、例えば90°間隔で4か所設けられている。ここで、固定フレーム703には、ボールと押圧バネからなるボールロック機構708が設けられており、ボールロック機構708のボールが1つのノッチ部704aと係合する。ボールロック機構708がノッチ部704aと係合することにより、回転フレーム704は、第6軸122に対する回転がロックされ、固定フレーム703に対して位置決め保持される。
第3姿勢制御手段100Eは、第3姿勢制御アクチュエータとしてのステッピングモータ705を有している。ステッピングモータ705は、第6軸122と同一軸上に回転駆動軸705aを有し、回転フレーム704と第1ワンウェイクラッチとしてのワンウェイクラッチ706aを介して連結している。また、ステッピングモータ705の回転駆動軸705aには、ワンウェイクラッチ706aとは回転伝達方向が異なる第2ワンウェイクラッチとしてのワンウェイクラッチ706bが設けられている。ワンウェイクラッチ706aは、外周面が回転フレーム704に圧入固定されており、内周面が回転駆動軸705aに固定されている。回転駆動軸705aが一方向に回転した場合に、ワンウェイクラッチ706aは、回転駆動軸705aの動力を回転フレーム704に伝達し、回転フレーム704を回動させる。ワンウェイクラッチ706bは、外周面がピニオンギア707に圧入固定されており、内周面が接続回転駆動軸705aに固定されている。回転駆動軸705aが他方向に回転した場合に、ワンウェイクラッチ706bは、回転駆動軸705aの動力をピニオンギア707に伝達して、ピニオンギア707を回動しラックギア709a,709bを爪部710が離隔する方向に移動させる。ピニオンギア707は、一対のラックギア709a,709bと噛合している。一対のラックギア709a,709bは、回転駆動軸705aの動力によりピニオンギア707が回転した場合に、一対の爪部710a,710bが互いに離隔する方向にガイド部材上を直線移動する。また、ラックギア709bには、一端が回転フレーム704と接続する付勢部材としての引張りバネ712が接続している。引張りバネ712の付勢力により、一対のラックギア709a,709bは、一対の爪部710a,710bが互いに接触する方向にガイド部材上を直線移動する。ラックギア709a,709bが爪部710を接触させる方向に移動する場合、ワンウェイクラッチ706bは、係合することなく空転する。このため、爪部710には、引張りバネ712による把持トルクが発生する。ここで、ピニオンギア707及びラックギア709a,709bは、本実施形態における移動部材を構成する。
次に、チャックユニット700及び第3姿勢制御手段100Eの動作のうち、第6軸122に対する爪部710の姿勢を制御する動作について説明する。本実施形態において、第3姿勢制御手段100Eは、第6軸122に対する爪部710の姿勢を制御する場合、ステッピングモータ705を一方向に駆動する。ステッピングモータ705が一方向に駆動した場合、第3姿勢制御手段100Eは、ワンウェイクラッチ706aが係合し回転駆動軸705aの動力が回転フレーム704に伝達され、回転フレーム704が第6軸122に対して回転する。回転フレーム704が回転することにより、ノッチ部704aに係合しているボールロック機構708は、係合状態が解除される。そして、ボールロック機構708は、回転フレーム704が90°回動するごとに、バネによって回転フレーム704方向に付勢されるボールがノッチ部704aに係合する。これにより、回転フレーム704は、90°回動するごとにボールロック機構708と係合し、固定フレーム703に対して位置決めされる。また、回転フレーム704にガイド部材及びラックギア709a,709bを介して接続されている爪部710は、回転フレーム704の回転に連動して第6軸122に対する姿勢が制御される。このとき、ワンウェイクラッチ706bは、係合せずに空転するため、回転駆動軸705aの動力がピニオンギア707に伝達されない。つまり、チャックユニット700は、引張りバネ712の把持トルクを爪部710に維持しワーク711を把持した状態で、第6軸122に対する爪部710の姿勢を制御することができる。
次に、チャックユニット700及び第3姿勢制御手段100Eの動作のうち、爪部710を開閉させる動作について説明する。本実施形態において、第3姿勢制御手段100Eは、爪部710を開閉させる動作を実行する場合、ステッピングモータ705を他方向に駆動する。ステッピングモータ705が他方向に駆動した場合、第3姿勢制御手段100Eは、ワンウェイクラッチ706aを係合させずに空転させるため、回転フレーム704にステッピングモータ705の動力を伝達させず回転させない。また、第3姿勢制御手段100Eは、ワンウェイクラッチ706bが係合し、ステッピングモータ705の動力がピニオンギア707に伝達され、ピニオンギア707を回転させる。ピニオンギア707が回転することにより、ピニオンギア707と噛合するラックギア709a,709bは、それぞれ一対の爪部710a,710bが互いに離隔する方向にガイド部材上を直線移動する。そして、第3姿勢制御手段100Eは、ステッピングモータ705の駆動を停止した場合に、引張りバネ712の付勢力によりラックギア709a,709bのそれぞれが一対の爪部710a,710bが互いに接触する方向にガイド部材上を直線移動する。このとき、ワンウェイクラッチ706bは、係合せずに空転するため、ラックギア709a,709bの移動によるピニオンギア707の回転が回転駆動軸705aに伝達されない。これにより、チャックユニット700は、爪部710を開いた後に引張りバネ712の付勢力により爪部710を閉じる場合に、第6軸122に対する爪部710の姿勢が変更されることが防止される。
以上により、本実施形態におけるパラレルリンクロボット100は、第3姿勢制御手段100Eが有するステッピングモータ705の回転駆動方向を切り替えることにより、爪部710の開閉動作と、第6軸122に対する姿勢の制御と、を実行できる。これにより、パラレルリンクロボット100は、爪部710の開閉動作と、第6軸122に対する爪部710の姿勢の制御と、を単一の駆動機構によって実現することができ、部品点数を削減し製造コスト及び重量を低減することができる。また、チャックユニット700が単一の駆動機構によって構成されるため、複数のアクチュエータを同期することなく簡易な制御によってチャックユニット700の動作をより精確に制御することができ、設計コストを低減できる。
また、本実施形態におけるパラレルリンクロボット100は、第3姿勢制御手段100Eを出力部材100Bから分離することができる。このため、パラレルリンクロボット100は、出力部材100Bの部品点数を削減し、出力部材100Bの製造コスト及び重量を低減することができる。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について図11〜図14を用いて説明する。本実施形態では、第2姿勢制御手段100Dを構成する第2姿勢制御アクチュエータを、固定部材に設ける構成とした。なお、本実施形態におけるパラレルリンクロボットの構成及び動作は、特に言及しない限り第1〜第3の実施形態と同様であるため、重複する説明を省略または簡略にし、以下、第1〜第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図11、図12に示すように、本実施形態に係るパラレルリンクロボット100は、第1姿勢変更部450と、第2姿勢変更部460と、を備える。また、出力軸105には、第1姿勢変更部450及び第2姿勢変更部460を介して、エンドエフェクタ支持部材205が第4軸120と同軸上に配設されている。
図13に示すように、第1姿勢変更部450は、第4軸120と同一軸上に配置された第4駆動軸472(後述)に対して、一対のベアリング451を介して第1回動部としての第1従動プーリ452が回転自在に支持されている。また、第1従動プーリ452には、ハウジング部材453が連結固定されており、第1従動プーリ452の回動とともにハウジング部材453も回動する。ハウジング部材453には、軸受ホルダ453aが固定されており、後述する第5駆動軸473が出力軸105に対して所定の角度(本実施形態においては45°)を有するように、一対のベアリング454を介して第5駆動軸473を回転自在に支持している。第2姿勢変更部460は、出力軸105に対して、ベアリング461を介して第3回動部としての第2従動プーリ462が回転自在に支持されている。すなわち、第1従動プーリ452及び第2従動プーリ462は、ともに第4軸120と同軸上に設けられている。
さらに、出力軸105には、一対のベアリング471を介して第4駆動軸472が回転自在に支持されている。そして、軸受ホルダ453aに回転自在に支持され第5軸121と同一軸上に配置された第5駆動軸473は、一端にエンドエフェクタ支持部材205を複数有する回動部材としての回転ブロック474がピン475などによって固定されている。ここで、回転ブロック474は、第4軸120と同軸上にエンドエフェクタ支持部材205が配置され固定されている。また、第5駆動軸473の他端には、第4駆動軸472に設けられたかさ歯車476と軸角45°で噛み合うかさ歯車477が設けられている。つまり、第5駆動軸473は、一端にチャックユニット600が接続されるとともに、他端に設けられたかさ歯車477と第4駆動軸472に設けられたかさ歯車476により、第4駆動軸472の回動が伝達され回動される。
次に、第1姿勢変更部450及び第2姿勢変更部460に動力を伝達する構成について説明する。図11(a)、(b)に示すように、第1姿勢変更部450は、第1駆動プーリハウジング455を鉛直板102の鉛直方向下方に設けている。また、第2姿勢変更部460は、第2駆動プーリハウジング463を、第1モータ107及び第2モータ108と、第3モータ111と、の間に設けている。
ここで、第1駆動プーリハウジング455及び第2駆動プーリハウジング463の構成は、ともに第1、第2の実施形態における駆動プーリハウジング300と同一である。つまり、第1駆動プーリハウジング455は、第2固定部としてのハウジングプレート456と、第1姿勢制御アクチュエータとしてのモータ457と、第2回動部としての第1駆動プーリ458と、を備えている。また、第2駆動プーリハウジング463は、第2固定部としてのハウジングプレート464と、鉛直板102に支持された第2姿勢制御アクチュエータとしてのモータ465と、を備えている。そして、第2駆動プーリハウジング463は、鉛直板102に対してハウジングプレート464を介して支持され、モータ465の駆動により回動する第4回動部としての第2駆動プーリ466を備えている。ここで、第2駆動プーリ466は、モータ465に設けられることで、鉛直板102に対してハウジングプレート464及びモータ465を介して支持されている。
また、第1従動プーリ452及び第1駆動プーリ458と、第2従動プーリ462及び第2駆動プーリ466と、は、それぞれコントロールケーブル500によって駆動連結している。すなわち、各コントロールケーブル500は、アウターケーブル501の一端がハウジングプレート401に接続され、他端がハウジングプレート456又はハウジングプレート464に接続されている。第1、第2姿勢変更部450,460は、第1、第2駆動プーリ458,466の回動がコントロールケーブル500によって伝達されることにより、第1、第2従動プーリ452,462が回動するように構成されている。ここで、本実施形態において、コントロールケーブル500は、ワイヤ部材、第1ワイヤ部材及び第2ワイヤ部材を構成する。
次に、出力部材100Bに設けられている、第1従動プーリ452の回動と、第2従動プーリ462の回動と、に基づいて第4駆動軸472を第1従動プーリ452に対して回動可能な回動手段480の構成について説明する。
図13、図14に示すように、回動手段480は、第4駆動軸472と一体に形成され第4駆動軸472の回転軸上に配置された太陽歯車481と、第2従動プーリ462の内面に形成され第4駆動軸472の回転軸上に配置された内歯車482と、を備える。また、回動手段480は、第1従動プーリ452に圧入などによって固定された歯車軸483に回転可能に支持される遊星歯車484を備えている。遊星歯車484は、複数(本実施形態においては4個)設けられており、太陽歯車481及び内歯車482と噛合するように構成されている。このように、回動手段480は、いわゆる遊星歯車機構であり、第1従動プーリ452が複数の遊星歯車484を回転可能に保持するキャリアを形成している。つまり、回動手段480のキャリアは、第1従動プーリ452に回動伝達可能に接続されている。
次に、回動手段480の動作について説明する。例えば、チャックユニット600を第4軸120に対して回動させる場合、パラレルリンクロボット100は、第1従動プーリ452と第2従動プーリ462とを同時に同方向かつ等速で回動させる。この場合、第1従動プーリ452の回動により、第1従動プーリ452と連結するハウジング部材453が第4軸120に対して回動する。また、ハウジング部材453に固定された軸受ホルダ453aに支持されている第5駆動軸473も、ハウジング部材453の回動に伴い第4軸120に対して回動する。ここで、第5駆動軸473が第4軸120に対して回動する場合、第4駆動軸472に設けられたかさ歯車476と噛合するかさ歯車477が、第5駆動軸473の回動に伴いかさ歯車476上を回動する。この場合、第5駆動軸473が回動し、チャックユニット600が第5駆動軸473に対して回動してしまう。
そこで、回動手段480は、第1従動プーリ452と第2従動プーリ462との回動により、第2従動プーリ462の内面に形成された内歯車482と、キャリアである第1従動プーリ452と、を同方向に回動させる。回動手段480は、内歯車482及び第1従動プーリ452を同方向に回動させることにより、太陽歯車481、内歯車482及び遊星歯車484を第1従動プーリ452と一体に回動させる。そして、回動手段480は、第4駆動軸472と一体に形成された太陽歯車481を回動させることで、第4駆動軸472を第1従動プーリ452と同方向に回動させる。これにより、第4駆動軸472に設けられているかさ歯車476の回動と、第5駆動軸473の回動によるかさ歯車477の回動と、が相殺される。このように、回動手段480は、第1従動プーリ452の回動と、第2従動プーリ462回動と、により第4駆動軸472を第1従動プーリ452に対して相対的に回動させないことで、回転ブロック474が第5駆動軸473に対して回動することを防いでいる。これにより、パラレルリンクロボット100は、チャックユニット600を第4軸120に対してのみ回動させることができる。ここで、第5駆動軸473を有し出力軸105及びチャックユニット600が接続されるハウジング部材453は、本実施形態における制御軸ユニットを構成する。また、第4軸120に対するハウジング部材453の姿勢を制御する第1姿勢変更部450と、は、本実施形態における第1姿勢制御手段100Cを構成する。
次に、図12(b)に示すように、チャックユニット600を第5駆動軸473に対して回動させ、チャックユニット600の姿勢を垂直方向から水平方向に変化させる場合について説明する。この場合、パラレルリンクロボット100は、第1従動プーリ452の回動を固定し、第2従動プーリ462を回動させる。第1従動プーリ452の回動が固定されることにより、ハウジング部材453の第4軸120に対する回動が防がれる。回動手段480は、遊星歯車484のキャリアである第1従動プーリ452が固定され、かつ内面に内歯車482が形成された第2従動プーリ462が回動されるため、内歯車482が入力歯車となり、遊星歯車484を介して太陽歯車481が出力歯車となる。つまり、回動手段480は、所定の速比で太陽歯車481を回動するため、太陽歯車481が形成されている第4駆動軸472を回動させる。このように、回動手段480は、第1従動プーリ452の回動を固定し、第2従動プーリ462を回動させることで、第4駆動軸472を第1従動プーリ452に対して相対的に回動させる。第4駆動軸472が回動されることにより、第4駆動軸472に設けられたかさ歯車476と噛合するかさ歯車477を他端に有する第5駆動軸473も回動される。第5駆動軸473の回動により、第5駆動軸473の一端に設けられている回転ブロック474は、第5駆動軸473に対して回動する。回転ブロック474が回動されることにより、回転ブロック474にエンドエフェクタ支持部材205を介して接続されるチャックユニット600は、第5駆動軸473に対して回動される。このように、回動手段480は、第2従動プーリ462のみを回動させることで、ハウジング部材453を回動させることなく回転ブロック474を第5駆動軸473に対して回動させ、チャックユニット600を回動させることができる。これにより、パラレルリンクロボット100は、チャックユニット600の姿勢を第5駆動軸473に対して回動することで、垂直方向から水平方向に変化させることができる。ここで、第5軸121に対するチャックユニット600の姿勢を制御する第2姿勢変更部460、第4駆動軸472、第5駆動軸473及び回動手段480は、本実施形態における第2姿勢制御手段を構成する。また、モータ465の駆動によりチャックユニット600の第5軸121に対する姿勢を制御する各構成は、本実施形態における第1伝達機構を構成する。なお、第1伝達機構には、第2従動プーリ462、第2駆動プーリ466、コントロールケーブル500、かさ歯車476,477、第4駆動軸472、第5駆動軸473及び回動手段480が含まれる。
以上のように、本実施形態において、パラレルリンクロボット100は、第1姿勢変更部450と、第2姿勢変更部460と、回動手段480と、を備えている。この構成により、パラレルリンクロボット100は、出力部材100Bの作動領域を制限することなく、チャックユニット600の姿勢を第4軸120に対して制御できることに加えて、第4軸120とは異なる第5軸121に対しても制御することができる。つまり、パラレルリンクロボット100は、簡易な構成によりチャックユニット600の姿勢をより高い自由度で制御することができる。
なお、本実施形態において、回転ブロック474は、第4軸120と同一軸上にエンドエフェクタ支持部材205が取り付けられているが、これに限定されない。例えば、回転ブロック474は、第4軸120と同一軸上と、第5駆動軸473に対して180°回転対称の位置と、のそれぞれにエンドエフェクタ支持部材205が取り付けられていてもよい。このように構成することで、パラレルリンクロボット100は、複数のエンドエフェクタを回転ブロック474に接続することができる。これにより、パラレルリンクロボット100は、作業用途に応じて、エンドエフェクタを切り替えることができるため、エンドエフェクタの交換作業を行うことなく作業を継続でき、作業効率が向上する。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について図15を用いて説明する。第4の実施形態において、パラレルリンクロボット100は、チャックユニット600の第4軸120に対する姿勢を制御する場合に、第1、第2従動プーリ452,462を回動させる。このような構成においては、第4、第5モータ457,465を同期させる必要があり、制御が煩雑になることが懸念される。そこで、本実施形態においては、回動手段を差動機構によって構成し、第4、第5モータ457,465を同期させることなくチャックユニット600の姿勢を制御できる構成とした。なお、本実施形態におけるパラレルリンクロボットの構成及び動作は、特に言及しない限り第1〜第4の実施形態と同様であるため、重複する説明を省略または簡略にし、以下、第1〜第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図15に示すように、本実施形態における回動手段490は、第1従動プーリ452とともに回動し第1従動プーリ452の回転軸上に設けられた第1かさ歯車491を備えている。第1かさ歯車491は、第1従動プーリ452に連結固定されている。また、回動手段490は、第2従動プーリ462に連結固定され第2従動プーリ462とともに回動し第2従動プーリ462の回転軸上に設けられた第2かさ歯車492を備えている。第2従動プーリ462及び第2かさ歯車492は、一対のベアリング461を介して出力軸105に対して回転自在に支持されている。また、回動手段490は、第4駆動軸493(後述)の中心軸から垂直方向に突出した垂直軸493aに設けられ、回転可能に支持されている第3かさ歯車494を備えている。第3かさ歯車494は、垂直軸493aのそれぞれに設けられており、第1かさ歯車491と、第2かさ歯車492と、に噛合している。
本実施形態において、第4駆動軸493は、ベアリング471を介して出力軸105に対して回転可能に支持されており、一端に第5駆動軸473のかさ歯車477に軸角45°で噛み合うかさ歯車476が設けられている。なお、本実施形態において、第4駆動軸493は、2つの垂直軸493aを有しているが、これに限らず、少なくとも1つの垂直軸493aを有していればよい。
次に、回動手段490の動作について説明する。例えば、チャックユニット600を第4軸120に対して回動させる場合、パラレルリンクロボット100は、第1従動プーリ452を回動し、第2従動プーリ462を固定する。この場合、第1従動プーリ452の回動により、第1従動プーリ452と連結するハウジング部材453が第4軸120に対して回動する。また、ハウジング部材453に固定された軸受ホルダ453aに支持されている第5駆動軸473も、ハウジング部材453の回動に伴い第4軸120に対して回動する。ここで、第5駆動軸473が第4軸120に対して回動する場合、第4駆動軸493に設けられたかさ歯車476と噛合するかさ歯車477が、第5駆動軸473の回動に伴いかさ歯車476上を回動する。この場合、第5駆動軸473が回動し、チャックユニット600が第5駆動軸473に対して回動してしまう。
そこで、回動手段490は、第1従動プーリ452の回動により、第1かさ歯車491を第1従動プーリ452と同方向に回動させる。そして、回動手段490は、第1かさ歯車491の回動により、第1かさ歯車491と噛合する第3かさ歯車494を垂直軸493aに対して自転させ、第3かさ歯車494を第4駆動軸493に対して公転させる。回動手段490は、第3かさ歯車494が第4駆動軸493に対して公転することにより、第4駆動軸493を第1従動プーリ452と同方向に回動させる。これにより、第4駆動軸493に設けられているかさ歯車476の回動と、第5駆動軸473の回動によるかさ歯車477の回動と、が相殺される。このように、回動手段490は、第1従動プーリ452を回動し、第2従動プーリ462を停止し、第4駆動軸493を第1従動プーリ452に対して相対的に回動させないことで、回転ブロック474が第5駆動軸473に対して回動することを防いでいる。これにより、パラレルリンクロボット100は、チャックユニット600を第4軸120に対してのみ回動させることができる。
次に、チャックユニット600を第5駆動軸473に対して回動させ、チャックユニット600の姿勢を垂直方向から水平方向に変化させる場合について説明する。この場合、パラレルリンクロボット100は、第1従動プーリ452の回動を固定し、第2従動プーリ462を回動させる。第1従動プーリ452の回動が固定されることにより、ハウジング部材453の第4軸120に対する回動が防がれる。回動手段490は、第2従動プーリ462の回動により、第2かさ歯車492を第2従動プーリ462と同方向に回動させる。そして、回動手段490は、第2かさ歯車492の回動により、第2かさ歯車492と噛合する第3かさ歯車494を垂直軸493aに対して自転させ、第3かさ歯車494を第4駆動軸493に対して公転させる。回動手段490は、第3かさ歯車494が第4駆動軸493に対して公転することにより、第4駆動軸493を第2従動プーリ462と同方向に回動させる。第4駆動軸493が回動することにより、第4駆動軸493に設けられているかさ歯車476と噛合するかさ歯車477を他端に有する第5駆動軸473も回動する。第5駆動軸473の回動により、第5駆動軸473の一端に設けられている回転ブロック474は、第5駆動軸473に対して回動する。回転ブロック474が回動されることにより、回転ブロック474にエンドエフェクタ支持部材205を介して接続されるチャックユニット600は、第5駆動軸473に対して回動される。このように、回動手段490は、第2従動プーリ462のみを回動させることで、ハウジング部材453を回動させることなく回転ブロック474を第5駆動軸473に対して回動させ、チャックユニット600を回動させることができる。これにより、パラレルリンクロボット100は、チャックユニット600の姿勢を第5駆動軸473に対して回動することで、垂直方向から水平方向に変化させることができる。
このように、パラレルリンクロボット100は、チャックユニット600を第4軸120に対して回動させる場合において、第1従動プーリ452のみを回動させることでチャックユニット600の第4軸120に対する姿勢を制御することができる。また、パラレルリンクロボット100は、チャックユニット600を第5駆動軸473に対して回動させる場合において、第2従動プーリ462のみを回動させることでチャックユニット600の姿勢を制御することができる。なお、本実施形態において、第4軸120に対するチャックユニット600の回動駆動量は、第1従動プーリ452の回動駆動量と一致する。また、第5駆動軸473に対するチャックユニット600の回動駆動量は、第2従動プーリ462の回動駆動量と一致する。また、第5軸121に対するチャックユニット600の姿勢を制御する第2姿勢変更部460、第4駆動軸493、第5駆動軸473及び回動手段490は、本実施形態における第2姿勢制御手段を構成する。また、モータ465の駆動によりチャックユニット600の第5軸121に対する姿勢を制御する各構成は、本実施形態における第1伝達機構を構成する。なお、第1伝達機構には、第2従動プーリ462、第2駆動プーリ466、コントロールケーブル500、かさ歯車476,477、第4駆動軸493、第5駆動軸473及び回動手段490が含まれる。
以上のように、本実施形態において、パラレルリンクロボット100は、第1姿勢変更部450と、第2姿勢変更部460と、回動手段490と、を備え、第4、第5モータ457,465を同期させることなくチャックユニット600の姿勢を制御できる。これにより、パラレルリンクロボット100は、簡易な制御設計によってチャックユニット600を所望の姿勢に制御することができ、より安定したチャックユニット600の姿勢制御を実現することができる。
<他の実施形態>
上述した各実施形態に係る第1〜第3姿勢制御手段100C〜100Eと、第5軸駆動ユニット200と、は、各実施形態で説明したリンク構成のパラレルリンクロボットに限らず、従来例のリンク構成のパラレルリンクロボットにも適用してもよい。更に、シリアルリンクロボットに適用してもよい。