JP6549582B2 - ポリ乳酸を製造するための改良されたプロセス - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ乳酸(PLA)を製造するためのプロセスに関する。
詳細には、本発明は、有用な物質を無駄なく再利用するべく最大限に回収することを目的とし、それによってPLA(乳酸を出発物質とした場合)の製造プロセスの全収率(global yield)を大幅に向上させる、改良されたプロセスに関する。
背景
PLAの製造に関し、これまで主に2つのタイプのプロセスが示されてきた。1つ目は、例えば(特許文献1)に記載されている、乳酸を直接重縮合することから構成されるプロセスである。この種のプロセスには、溶媒の使用に関する制限と、反応媒体から水を除去することが困難であることに伴う制限とがある。
乳酸を出発物質としてPLAを製造する通常のプロセスの2つ目のタイプにおいては、全重合過程の各段階において、乳酸、ラクチド、乳酸オリゴマーおよび類似体を含む生成物の損失が非常に大きいことが知られている。これらの段階は次に示すようにまとめることができる:(i)乳酸をオリゴマー化することによってオリゴマーを得る段階、(ii)このオリゴマーを環化することによってラクチド種を得る段階、(iii)ラクチドを精製することによって、最終段階である精製ラクチドの開環重合の出発物質に適した品質のラクチドを得る段階。無論、この最終段階の後に、未変換のラクチドを回収するための液化が行われるはずである。
PLAを製造するための各種プロセスの中には、プロセスの全過程を終えるまでに多くの物質が失われ、その全収率が大幅に低下するものもあると言える。実際、再循環を一切行わない理論上のプロセスについて言及すると、その全収率は約50モル%という低さになる。
したがって、これまでは、出発原料である乳酸水溶液から水を蒸発させる段階;オリゴマー化段階;および環化反応段階からそれぞれ送り出された流れのうち、一定の部分を再循環させるように操作することが想定されていた。このような再循環操作を行うと全収率は75モル%という高い値に達する。しかし、この種の未回収(lost)生成物を回収して最終的に再循環させる取り組みはこれまでにも行われ、その報告もなされているが、工業プロセスとして実施するには未だ不十分である。
特開平7−33861号公報
したがって、このような生成物の損失を大幅に低減させることができるだけでなく、プロセス全体に、主として未回収生成物の回収を組み込むことができるプロセスと、この種の生成物を出発モノマーまたはその誘導体に変換するプロセスとが望まれている。
したがって本発明の目的は、PLAを製造するためのプロセスであって、乳酸オリゴマーおよびラクチドに加えて触媒残渣を処理して出発モノマーまたはその誘導体に変換することを目的として、乳酸オリゴマー、ラクチドおよび触媒残渣を回収するプロセスを提供することにある。
他の目的は、プロセスの各ステップ毎に残留物を回収することにある。
さらなる目的は、乳酸オリゴマーの残留物を処理することにある。
他の目的は、乳酸および水の流れを回収して再循環させることにある。
他の目的は、残留オリゴマーをアルコールと一緒に変換するエステル交換プロセスを提供することにある。
最後に、本発明のプロセスは、アルコールおよび乳酸またはその誘導体を回収することを目的として、生成した乳酸エステル化合物を加水分解によって処理するためにも提供されるであろう。
これらの目的の少なくとも1つは本発明のプロセスにより達成される。
詳細な説明
さらに本発明のプロセスを添付の図面を参照しながら説明する。
出発モノマーを得るための回収ステップおよび変換ステップを用いる、PLAを製造するためのプロセス全体のフローシートである。
プロセス全体の説明
本発明は、ポリ乳酸(PLA)を製造するための統合されたプロセスであって:
(1)乳酸水溶液の出発流れから水を蒸発させるステップと、
(2)乳酸をオリゴマー化し、反応副生水および未変換の乳酸を再循環させるステップと、
(3)乳酸オリゴマーを環化して粗製ラクチドを生成させ、未反応モノマー、触媒残渣および高分子量(heavy)生成物を再循環させるステップと、
(4)粗製ラクチドを精製し、乳酸、水、高分子量成分、触媒残渣および不純物を再循環させるステップと、
(5)精製ラクチドを開環重合することによってPLAを生成するステップと、
(6)PLAを液化により精製し、未反応ラクチドを再循環させるステップと
を含み、
ステップ(2)の再循環物は、除去される水と、反応器(20)に再循環される乳酸とを含み、
ステップ(3)の再循環物は、エステル交換反応器(80)に送り出され、
ステップ(4)の再循環物は、(i)低分子量(light)成分および(ii)高分子量成分を含み、低分子量成分は、反応器(20)に送出されると共に、他の部分は加水分解反応器(90)に送出され、高分子量成分流れはエステル交換反応器(80)に送り出され、
ステップ(6)の再循環物は、一部がステップ(4)に送出され、残りはエステル交換反応器(80)に送出される、
プロセスを提供する。
PLAを製造するプロセスの第1ステップは、出発原料である乳酸水溶液(濃度50〜100%)から水を除去することから構成され、第2ステップは、乳酸モノマーを触媒(例えば、錫系触媒等)の存在下または非存在下にオリゴマー化することによって、低粘度および低分子量のオリゴマー(一般に、400〜5,000ダルトン)を得ることから構成される。これらの2つのステップにおける典型的な温度および圧力はそれぞれ100℃〜200℃の範囲および5mbara〜500mbaraの範囲にある。分子量はゲル浸透クロマトグラフィーにより30℃で測定し、標準物質であるクロロホルム中ポリスチレンと比較した。
本発明のプロセスにおけるこれらの第1および第2ステップにより、水、未反応の乳酸、乳酸オリゴマーが回収される。
本出願人は、水および乳酸の残留物の純度が比較的高いことを認識している。したがって、これらを直接蒸発ステップまたはオリゴマー化ステップに再循環させることができる。
本出願人は、このような再循環される乳酸は、流入する乳酸流れの5〜15重量%までを占めることができることを見出した。
オリゴマー化ステップで生じたオリゴマーは、次いで環化ステップに送られる。環化ステップは、環化反応器内で、オリゴマーを、この種の反応に通常使用される触媒(錫系触媒等)の存在下に処理することから構成される。この第3ステップからは、こうして得られた粗製ラクチドの流れ(精製に送られることになる)を回収することに加えて、未反応オリゴマー、不揮発性不純物、高沸点乳酸オリゴマー、低分子量ポリ乳酸(分子量2,000〜8,000ダルトン)と、高分子量残渣および触媒残渣(これらは全体で環化残渣を成す)とを回収することが必要である。このステップに典型的な温度および圧力はそれぞれ200℃〜320℃および5mbara〜80mbaraの範囲にある。
環化により生じるこれらの残留物はオリゴマー化ステップに返送される。但し、系内における触媒残渣の著しい堆積や分解による副生成物を回避するためにパージを行うことが絶対に必要であることに留意することが大切であり、こうすることは不純物による望ましくない着色の防止にも役立つ。パージによる生成物は、次いでエステル交換反応器(80)に送られる。
第4ステップ、すなわち粗製ラクチド流れの精製(これは蒸留手段、結晶化手段およびこれに類する手段等の異なる種類の精製装置を含むことができる)を行う際に、乳酸および水を含む低分子量成分流れが回収される。これは2つの副流れに分割され、第1流れ(該低分子量成分流れの10〜100重量%)は加水分解反応器(90)に送られ、第2流れ(該低分子量成分流れの0〜90重量%)は反応器(20)に再循環される。一方、高分子量オリゴマー、ラクチドおよび不純物から構成される流れを含む缶出液流れはエステル交換反応器(80)に再循環されることになる。
精製されたラクチドは最後に開環重合ステップに送られ、分子量が10,000〜200,000ダルトンのPLAを生成する。
この重合ステップに続いて、得られたPLAの精製を行う液化ステップを行い、未反応モノマーおよび希釈剤に加えて不純物を回収する。
ここで本出願人は、水蒸発ステップ、オリゴマー化ステップ、粗製ラクチド生成ステップ、粗製ラクチド精製ステップ、精製ラクチド開環重合(ROP)ステップ、液化ステップおよびPLA回収ステップを含む本発明の改良されたプロセスを実施することによる改良点が:
(i)蒸発ステップ、オリゴマー化ステップ、環化ステップおよび精製ステップにおいて水および乳酸が回収され、これらが蒸発ステップおよび/またはオリゴマー化ステップに返送されること、
(ii)環化ステップ、精製ステップおよび液化ステップにおいて乳酸オリゴマー、ラクチド、触媒残渣が回収され、これらがエステル交換反応器に返送される(ここでエステル交換反応が起こるはずである)こと、
そして最後に、
(iii)こうして生成した乳酸アルキルが加水分解ステップに送られることによって出発モノマーが回収されること、
にあることを見出した。
本発明のプロセスによれば、エステル交換反応は、公知のプロセスに従い通常の条件下で実施することができる。このような反応は、1または1を超える反応器で、80〜200℃の温度および大気圧〜10〜50baraの圧力下において、触媒の存在下に行うことができる。
本発明のプロセスの一実施形態によれば、環化(ステップ(3)として示す)から得られる再循環流れと、ラクチド精製(ステップ(4)として示す)から再循環される高分子量成分と、液化(ステップ(6)として示す)から得られる流れの一部とが集められ、エステル交換反応器(80)に送られる。このエステル交換反応は、80〜200℃の範囲、好ましくは100〜180℃の範囲の温度および1〜20baraの範囲、好ましくは2〜15baraの範囲の圧力で運転される1または1を超える連続撹拌型反応器で実施される。そして最後に乳酸アルキルを含む流れが回収され、加水分解反応器(90)に送られる。
一般に、触媒の少なくとも一部は、環化ステップから回収される(粗製ラクチド流れの製造によって生じる)流れから供給されるものである。
エステル交換反応を行うことにより乳酸アルキルが生成する。この乳酸アルキルを回収し、加水分解ステップに送ることにより、最終的に出発モノマーが回収される。
反応器(80)から排出される粗製乳酸アルキルは、加水分解反応に送られる前に、乳酸エステル分子をより分子量の高い分子から分離するためにまず精製される。この精製ステップでは、一般に、供給された乳酸エステル分子を基準として実質的に乳酸エステル分子の80〜100%が回収されることが期待される。通常、このような分離を行うためには、エステル交換反応器(80)から得られる混合物を、まず0.01〜4bara、好ましくは0.1〜1baraの圧力および40〜180℃、好ましくは60〜150℃の温度で運転される蒸留ステップに送る。この蒸留ステップは、1または1を超える蒸留塔または均等な装置を含み、一方では、乳酸エステル分子等の低分子量成分が回収され(これは次いで加水分解に送られる)、他方では、触媒残渣、オリゴマー、未反応物質等の高分子量成分が回収される。高分子量成分の一部は、エステル交換に付すために反応器(80)に再循環され、残りは除去され、任意選択により、オリゴマーから触媒残渣を分離するために例えば濾過またはデカンテーションによって処理される。これらの触媒残渣は、エステル交換反応器および/またはオリゴマー化反応器および/または環化反応器にそのままの状態でまたはさらなる処理(例えば、乾燥)を施してから返送することができる。
加水分解反応器(90で示す)は、エステル交換反応器からの流れ(蒸留後)に加えて、ラクチド精製で生じた低分子量成分の一部(加水分解反応器に直接送られる分)を受け取る。次いで加水分解反応器は、この種の反応を達成するための通常のプロセスに従い、通常の条件に従って運転される。
加水分解反応は次のようにまとめることができる:
乳酸アルキル + 水 → 乳酸 + アルコール。
本発明の一実施形態によれば、この種の反応は、回分式または連続式のいずれかで達成され、この種の反応のための反応器は、一般に、70〜180℃、好ましくは90〜150℃の温度および0.01〜10bara、好ましくは大気圧〜3baraの圧力で運転される反応蒸留塔、押し出し流れ反応器または連続撹拌型反応器の各系で実現することができる。
反応効率を高めるために、反応媒体からアルコール(ほとんどの場合は1〜12個の炭素原子を有する脂肪族アルコール)を抜き出してもよい。加水分解反応は触媒の存在下に行うことができ、乳酸自体を触媒とすることもできる。
最終的に回収された乳酸をさらに濃縮した後、オリゴマー化反応に再循環させてもよいし、あるいはその前段である乳酸製造ステップに再循環させてもよい。
本発明のプロセスは、上に述べた水、乳酸オリゴマー、ラクチド等の、過去のプロセスでは回収できなかった残留物を全て回収することができるという予期しなかった利点を有し、したがって、本発明のプロセスにより、生成物の損失量を大幅に低減することができる。
本発明のPLAを製造するためのプロセスは、水、乳酸、オリゴマー、触媒残渣等の生成物を異なるステップで最大限に回収して再循環させると同時に、生成物の損失を大幅に低減するものである。このプロセス全体について、各ステップを考慮しながら、図1を参照して説明することができる。図1は本発明のプロセスのフローシートである。
乳酸の水溶液を蒸発させることによって水を除去する。反応器(20)から回収された、除去された水は、ある程度の乳酸を含んでいるので、次いでこれを反応器(20)に再循環させる。一方、反応器(20)から生じた主要フローは反応器(30)のオリゴマー化反応に送る。上記オリゴマー化反応の最中に、一部の水、オリゴマー化しなかった乳酸を反応器(30)から抜き出し、水を分離(単純なパージによる)した後、残った乳酸を反応器(20)に再循環させる。
反応器(30)から生じた主要フローは、粗製ラクチド流れを生成するために環化反応器(40)に送られる。反応器(40)から、未反応オリゴマー、触媒残渣およびより分子量の高い生成物を含むフローが抜き出され、上記フローはエステル交換反応器(80)に送られる。
環化によって生成する粗製ラクチド流れは、次いで反応器(50)で示されるラクチド精製に送られる。反応器(50)は、この種の精製に使用される任意の公知の装置を含み、この装置は、少なくとも蒸留手段および/または溶融結晶化手段を含む。
反応器(50)で表される精製ステップから低分子量成分である乳酸および水が回収されて反応器(20)に再循環される。そのうちの一部(100%までとすることができる)は加水分解反応器(90)に送られ、ここで乳酸は加水分解反応の触媒として作用することができる。この流れの乳酸濃度および加水分解プロセスの効率に応じて、加水分解反応器に送られる低分子量成分流れの最小含有量は20〜30から40〜50パーセントの間になる。他方、精製ステップ((50)で示す)から抜き出されるより分子量の高い成分、不純物および触媒残渣は、回収されてエステル交換反応器(80)に再循環される。
次いで、精製されたラクチドは、反応器(60)に送られて開環重合に付され、得られたPLAは液化反応器(70)で精製される。
液化反応器(70)から未反応のラクチドが回収されて再循環される。抜き出した後の未反応ラクチドは、一部がラクチド精製に再循環されるかまたはエステル交換装置(80)に直接再循環される。
以下に示す実施例により本発明のプロセスをさらに説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例1
乳酸水溶液(88%)6,000Kgを出発原料とした。
この溶液を250mbaraの減圧下に100℃の温度で加熱することによって水を除去した。
回収された水を除去し、回収された乳酸を反応器(20)に再循環させた。
高濃度(100%)の乳酸をオリゴマー化するために、160℃の温度および250から80mbaraに減圧して運転される反応器(30)に送り、分子量が約950ダルトン(900〜1,000ダルトン)である乳酸オリゴマーを生成する。
反応器(30)から水を抜き出して除去すると共に、未反応の乳酸を回収して反応器(20)に再循環させる。
反応器(30)で生成したオリゴマーを、次いで反応器(40)の環化ステップに送る。
乳酸オリゴマーの環化を、触媒としてのオクタン酸錫の存在下に250℃の温度および10mbaraの圧力で達成し、粗製ラクチド流れを生成することができた。
反応器(40)から、未反応オリゴマー、触媒残渣に加えてより分子量の高い成分を抜き出し、抜き出したフローをエステル交換反応器(80)に送り出した。
反応器(40)から得られた粗製ラクチド流れを粗製ラクチド精製ステップに送った。本実施例においては、上記精製は溶融結晶化手段(50)を含む。溶融結晶化手段(50)から高分子量成分を回収し、エステル交換反応器(80)に送り出した。
次いで、得られたラクチドを、185℃の温度の反応器(60)でオクタン酸錫の存在下に30分間開環重合に付し、得られたPLAを液化反応器(70)で精製し、液化反応器(70)から未反応のラクチドを抜き出してラクチド精製に再循環させた。触媒または他の不純物が存在する場合は、液化流れをエステル交換反応器(80)に送ることができる。
最終的に、PLAを全収率96モル%で回収した。
実施例2
比較のため、先行技術に記載されている再循環を用いて、すなわち、蒸発ステップ、オリゴマー化ステップおよび環化ステップにおいて再循環を行い、プロセスを実施した。上記比較プロセスの全収率は78%となった。

Claims (6)

  1. ポリ乳酸(PLA)を製造するための統合されたプロセスであって:
    (1)乳酸水溶液の出発流れから水を蒸発させるステップと、
    (2)乳酸をオリゴマー化し、反応副生水および未変換の乳酸を再循環させるステップと、
    (3)乳酸オリゴマーを環化することにより粗製ラクチドを生成し、未反応モノマー、触媒残渣および高分子量生成物を再循環させるステップと、
    (4)前記粗製ラクチドを精製し、乳酸、水、高分子量成分、触媒残渣および不純物を再循環させるステップと、
    (5)精製されたラクチドを開環重合することによりPLAを生成するステップと、
    (6)前記PLAを液化することにより精製し、未反応ラクチドを再循環させるステップと
    を含み、
    ステップ(2)の再循環物が、除去される水と、反応器(20)に再循環される乳酸とを含み、
    ステップ(3)の再循環物が、エステル交換反応器(80)に送られ、
    ステップ(4)の再循環物が、(i)低分子量成分流れおよび(ii)前記高分子量成分流れを含み、(i)前記低分子量成分流れが反応器(20)および/または加水分解反応器(90)に送られ、(ii)前記高分子量成分流れがエステル交換反応器(80)に送られ、
    ステップ(6)の再循環物の一部がステップ(4)に送られ、残部はエステル交換反応器(80)に送られる、
    プロセス。
  2. ステップ(3)の前記再循環物、ステップ(4)から再循環される前記高分子量成分およびステップ(6)の前記再循環物が集められ、エステル交換反応器(80)に送られて、1〜20bara、好ましくは2〜15baraの圧力および80〜200℃、好ましくは100〜180℃の温度でエステル交換反応に付され、最後に、前記加水分解反応器(90)に送られる乳酸アルキルを含む流れが回収される、請求項1に記載の統合されたプロセス。
  3. ステップ(4)で生じた乳酸および水を含む前記低分子量成分流れが2つの副流れに分割され、前記低分子量成分流れの10〜100重量%を占める第1流れが前記加水分解反応器(90)に送られ、一方、前記低分子量成分流れの0〜90重量%を占める第2流れが反応器(20)に再循環される、請求項1に記載の統合されたプロセス。
  4. ステップ(4)から再循環される前記高分子量成分およびエステル交換反応器(80)から回収される前記乳酸アルキルの流れが集められ、前記加水分解反応器(90)に送られ、0.01〜10bara、好ましくは1〜3baraの圧力および70〜180℃、好ましくは90〜150℃の温度で加水分解反応に付されることによって、乳酸またはその誘導体が回収される、請求項1または2に記載の統合されたプロセス。
  5. 前記反応器(80)から排出される乳酸アルキルの前記流れが、低分子量成分(乳酸エステル、アルコール等)を含む、前記反応器(90)に送られる第1流れと、高分子量成分(触媒残渣、オリゴマー等)を含む、反応器(80)に再循環されるかまたは除去される第2流れとを回収することを目的として、蒸留手段を介して2つの流れに分割される、請求項4に記載の統合されたプロセスであって、前記蒸留手段が、0.01bara〜4bara、好ましくは0.1〜1baraの圧力および40〜180℃、好ましくは60〜150℃の温度で運転される、プロセス。
  6. 前記除去された高分子量成分に含まれる前記触媒残渣が、任意選択により分離され、処理された後、エステル交換反応器(80)および/またはオリゴマー化反応器(30)および/または環化反応器(40)に返送される、請求項5に記載の統合されたプロセス。
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