本発明の実施の形態について図面を参照して以下に説明する。なお、以下で説明される具体的な構造や電気回路はあくまで本発明の一例であって、本発明は必ずしもそれらに限定されるものではない。また、以下では、基本的に同一機能の構造部には同一または対応する符号を付して説明を行うが、説明の都合上、符号を省略して示す場合もある。ある図面と他の図面とで装置の一部の構成が違って描かれていることがあるが、これらは本発明において本質的な相違ではなく、いずれの構成も採用し得るものである点に留意されたい。
1.装置構成
本実施形態の吸引成分生成装置100は、図1、図2に示すように、電源ユニット110と、それに着脱自在に構成されたカートリッジユニット120とを備えている。本実施形態では電源ユニット110とカートリッジユニット120とが別体に構成された例を示すが、本発明の吸引成分生成装置としては、これらが一体的に構成されていてもよい。
吸引成分生成装置100の全体的な形状は特に限定されるものではなく種々の形状を採用し得るが、例えば図2に示すように、全体として棒状に形成されたものであってもよい。具体的には、吸引成分生成装置100は、電源ユニット110とカートリッジユニット120とを軸方向に接続させることで一本の棒状となっている。このように装置の全体形状が一本の棒状とされていることで、ユーザは、従来の紙巻きタバコを吸うのと似た感覚で吸引を行うことができる。図2の例では、図示右側の端部が吸口部142となっており、反対側の端部には、装置の動作状態などに応じて発光する発光部40が設けられている。使用の際には、不図示のマウスピースを吸口部142に取り付けて吸引を行うようにしてもよい。装置の具体的な寸法は特に限定されるものではないが、ユーザが手で把持して使用できるように、一例で、直径が15mm〜25mm程度であってもよく、全長は50mm〜150mm程度であってもよい。
(電源ユニット)
電源ユニット110は、図1に示すように、ケース部材119と、その内部に設けられた電源10と、吸引センサ20と、制御回路50等を有している。電源ユニット110は、さらに、押しボタン30および発光部40を有している。なお、これらの各要素は必ずしも全てが吸引成分生成装置100の必須の構成ではなく、1つまたは複数が省略されてもよい。あるいは、1つまたは複数が、電源ユニット110ではなく、カートリッジユニット120に設けられていてもよい。
ケース部材119は、円筒状の部材であってもよく、その材質は特に限定されるものではないが、金属製または樹脂製であってもよい。
電源10としては、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素電池(Ni−MH)のような再充電可能な二次電池であってもよい。電源10は、二次電池に代えて一次電池やキャパシタであってもよい。電源10は、電源ユニット110に対して交換可能に設けられたものであってもよいし、組込み式で内蔵されたものであってもよい。電源10の数は1つでも複数でもいずれでもよい。
吸引センサ20は、例えば、そこを通過する気体の流量および/または流速に応じて、所定の出力値(例えば電圧値または電流値)を出力するセンサであってもよい。このような吸引センサ20は、ユーザによるパフ動作(吸引動作)を検出するのに利用される。吸引センサ20としては、種々のものを利用可能であるが、例えば、コンデンサマイクロフォンセンサや流量センサ等を用いることができる。
押しボタン30は、ユーザによって操作されるボタンである。「押しボタン」と表現しているが、押された際にボタン部分が変位するようなものに限定されるものではなく、例えばタッチ式のボタンのような入力デバイスであってもよい。押しボタン30の配置位置も特に限定されるものではなく、吸引成分生成装置100の筐体の任意の箇所に設けられていてもよい。一例として、ユーザが操作しやすいように、押しボタン30は、電源ユニット110のケース部材119の側面に設けられていてもよい。複数の押しボタン30(ユーザからの入力を受け付ける入力デバイス)が設けられていてもよい。
発光部40は、1つまたは複数の光源(例えばLED)を含んでおり、所定のタイミングにおいて、所定の発光パターンで発行するように構成されている。例えば、複数の色に発光可能に構成されていることが一形態において好ましい。発光部40の役割としては、一例として、装置の動作ステータスをユーザに知らせること、または、異常が発生した際にその旨をユーザに知らせること等が挙げられる。なお、こうした役割に着目すれば、吸引成分生成装置100に備えられる報知デバイスとしては、他にも、例えば振動を発生させる振動デバイス、音を発生させる音響デバイス、所定の情報を表示するディスプレイデバイス等の1つまたは組合せを利用するようにしてもよい。一例として、発光部40は電源ユニット110の端部に設けてもよい。吸引成分生成装置100において、吸口部142が設けられる端部とは反対の端部に設けた発光部40が、ユーザのパフ動作に応じて発光すれば、ユーザは従来のシガレットと同様の使い勝手で、吸引成分を吸引できる。
図3は、吸引成分生成装置の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、吸引成分生成装置100は、上記の他にも、温度センサ61および電圧センサ62等を有している。
温度センサ61は、吸引成分生成装置内100の所定の対象物の温度を取得または推定するためのものである。温度センサ61は、電源10の温度を計測するものであってもよいし、電源10とは別の対象物の温度を計測するものであってもよい。また、専用の温度センサを用意するのではなく、例えば、電気回路の所定の構成要素に組み込まれた温度検出器を利用するようにしてもよい。温度センサ61の出力に基づく具体的な処理については後述するものとする。限定されるものではないが、温度センサ61としては、例えば、サーミスタ、熱電対、測温抵抗帯、IC温度センサ等を利用することができる。温度センサ61は、1つに限らず、複数個設けられていてもよい。
電圧センサ62は、一例として電源電圧を計測するためのものである。電源以外の所定の電圧を計測するセンサが設けられていてもよい。電圧センサ62の出力に基づく具体的な処理についても後述するものとする。電圧センサ62に関しても、1つに限らず、複数個設けられていてもよい。
吸引成分生成装置100は、必要に応じ、さらに無線通信デバイス(不図示)、および/または、外部機器との接続を可能にする通信ポート(不図示)等が設けられていてもよい。例えば、電源の状態に関する情報や、吸引に関する情報等がこれらを介して外部機器に送信されるように構成されていてもよい。
(カートリッジユニット)
カートリッジユニット120は、吸引成分源を内部に有するユニットであり、図1および図4に示すように、ケース部材129と、リザーバ123と、香味ユニット130と、吸引成分源を気化または霧化する負荷125等を有している。なお、上記各要素は必ずしもすべてが吸引成分生成装置100の必須の構成ではない。特に、本実施形態では、エアロゾルの生成のためのリザーバ123と、香味成分(詳細下記)の生成のための香味ユニット130との双方が備えられている例について説明を行うが、これらはいずれか一方のみでもよい。
カートリッジユニット120の概略的な機能は、一例として、まず第1段階として負荷125の動作により、リザーバ123が貯留するエアロゾル源が気化または霧化される。続いて第2段階として、生成されたエアロゾルが、香味ユニット130内を流れることで、香喫味成分が付与されて最終的にユーザの口に吸引されるというものである。
ケース部材129(図4参照)は、円筒状の部材であってもよく、その材質は特に限定されるものではないが、金属製または樹脂製であってもよい。ケース部材129の断面形状は、電源ユニット110のケース部材119と同一に形成されていてもよい。カートリッジユニット120が電源ユニット110に接続可能であることは上記で述べた。具体的には、一例として、カートリッジユニット120の一端の接続部121が、電源ユニット110の一端の接続部111に物理的に接続される構成であってもよい。図4では、接続部121はネジ部として描かれているが、本発明は必ずしもこれに限定されない。ネジ部による接続に代えて、接続部111と接続部121は、磁気によって結合されてもよい。接続部111、121どうしを接続させた際に、電源ユニット110側の電気回路と、カートリッジユニット120側の電気回路とが電気的に接続されるように構成されていてもよい(詳細後述)。
接続部121の内部には、図4に示すように、ユニット内部に空気を取り入れるための流入孔121aを形成する筒状部材がケース部材129の軸方向に延在するように設けられている。また、接続部121のところには、径方向に延在するように1つまたは複数の孔121bが形成されており、この孔121bを通じて外気が取り入れられるようになっている。流入孔は、カートリッジユニット120の接続部121に代えて、電源ユニット110の接続部111に設けられていてもよい。また、流入孔は、電源ユニット110の接続部111とカートリッジユニット120の接続部121の双方に設けられていてもよい。
リザーバ123は、常温で液状のエアロゾル源を貯留するための収容体である。リザーバ123は、例えば、樹脂ウェブ等材料によって構成される多孔質体であってよい。エアロゾル源は、常温で固体のものを用いることもできる。ここでは、リザーバ123にエアロゾル源が貯留された態様を中心に説明するが、リザーバ123に香味源が貯留される態様としてもよい。
エアロゾル源としては、例えば、グリセリンやプロピレングリコールといった多価アルコールや水などを用いることができる。エアロゾル源自身が香味成分を有していてもよい。あるいは、エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。
負荷125は、一例として、ヒータなどの発熱素子や超音波により例えば微小液滴を生成させる超音波素子等であってもよい。発熱素子としては、発熱抵抗体(例えば電熱線)、セラミックヒータ、および誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。なお、負荷125が、香味源から香味成分を発生させるものであってもよい。
リザーバ123の周辺構造についてより詳細に説明すると、図4の例では、リザーバ123に接するようにウィック122が設けられ、そのウィック122の一部を取り囲むように負荷125が設けられている。ウィック122は、毛管現象を利用してリザーバ123からエアロゾル源を引き込むため部材である。ウィック122は、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミックなどであってもよい。ウィック122の一部が加熱されることにより、そこに保持されたエアロゾル源が気化または霧化される。なお、リザーバ123に香味源が貯留されている形態では、香味源が気化または霧化されることとなる。
負荷125は、図4の例では、螺旋状に形成された電熱線として設けられている。もっとも、吸引成分を発生させることができるものであれば、負荷125は、必ずしも特定の形状に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。
香味ユニット130は、香味源を収容したユニットである。具体的な構成としては種々の構成を採用でき、特に限定されるものではないが、例えば、香味ユニット130は交換可能なカートリッジとして設けられていてもよい。図4の例では、香味ユニット130は、香味源が充填される筒体131を有している。この筒体131は、より具体的には、膜部材133とフィルタ132とを含んでいる。
香味源は、エアロゾルに香喫味成分を付与する植物材料の原料片によって構成される。香味源を構成する原料片としては、刻みたばこやたばこ原料のようなたばこ材料を粒状に成形した成形体を用いることができる。この代わりに、香味源は、たばこ材料をシート状に成形した成形体であってもよい。また、香味源を構成する原料片は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
本実施形態では、カートリッジユニット120の内部に図4に示すように破壊部127aが設けられており、この破壊部127aによって香味ユニット130の膜部材133が破られる構成となっている。具体的には、破壊部127aは、円筒状の中空針であり、その先端側を膜部材133に突き刺すことができるように構成されている。破壊部127aは、カートリッジユニット120と香味ユニット130とを仕切るための隔壁部材127bによって保持されていてよい。隔壁部材127bは、例えば、ポリアセタール樹脂である。破壊部127aと香味ユニット130とが接続されることにより、カートリッジユニット120内に、1つの流路が形成され、この流路内をエアロゾルや空気等が流れることとなる。
当該流路は、具体的には、図4に示すように、リザーバ123の内側に設けられた流入孔121aと、それに続く内部通路127cと、破壊部127a内の通路と、香味ユニット130内の通路と、吸引孔141(詳細下記)とで構成される。なお、破壊部127aである中空針の内部には、香味源が通過しない程度の粗さを有する網目が設けられていることが、一形態において、好ましい。吸引成分生成装置100は、ユーザが吸引成分を吸引するための吸引孔141を有する吸口部142を含んでいてよい。吸口部142は、吸引成分生成装置100に着脱可能に構成されていてもよいし、一体不可分に構成されていてもよい。
なお、香味ユニットとしては、例えば図5に示すような構造のものであってもよい。この香味ユニット130′は、筒体131′内に香味源が配置されており、筒体131′の一方の開口端には膜部材133′が設けられ、他方の開口端にはフィルタ132′が設けられている。筒体131′はカートリッジユニット120に対して交換可能に設けられていてもよい。図5のその他の構造部については図4と同様であるので、重複する説明は省略する。なお、図5の例では、香味ユニット130′の筒体131′の外周面とケース部材129の内周面との間にギャップが生じているが、このようなギャップが形成されない形態としてもよい。この場合、吸引される気体は全て筒体131′の内部を通過することとなる。香味ユニット130′としては、異なる種類の香味源が含まれた様々な種別のもの市販され、それをユーザの好みに応じて吸引成分生成装置100にセットし、吸引を行うことができるように構成されていてもよい。なお、香味ユニット130′をカートリッジユニット120に接続した際に、香味ユニット130′の端部がケース部材129から突出して露出するように、香味ユニット130′は構成されていてもよい。このような構成にすれば、交換可能な香味ユニット130′が吸口部142の役割を果たすため、吸引時にケース部材129に触れることなく、ユーザは吸引成分生成装置100を衛生的に用いることができる。
(制御回路)
再び図3を参照し、吸引成分生成装置100の制御回路50は、メモリやCPU(いずれも不図示)を有するプロセッサと、種々の電気回路等を有するものであってもよい。プロセッサとしては、名称に関わらず、種々の処理を実施するものであればよく、例えば、MCU(Micro Controller Unit)、マイコン(マイクロコンピュータ)、制御IC、制御ユニット等と呼ばれるものであってもよい。制御回路50としては、単一の制御回路が吸引成分生成装置100の機能に関わる制御を行うように構成されたものであってもよいし、あるいは、複数の制御回路に様々な機能を分担して実行させるように構成されたものであってもよい。
以下では、充電器200が吸引成分生成装置100とは別体に設けられた構成を例として説明するが、この場合、装置側に第1の制御回路があり、充電器側に第2の制御回路があり、それぞれの制御回路で所定の機能を実行する構成とすることができる。一方、吸引成分生成装置100の別の構成例としては、装置本体内に充電器の機能を内蔵させることも可能であり、この場合、単一の制御回路として構成してもよい。このように、本発明においては、装置等の物理的構成によって制御回路が複数になることもあるが、種々の制御をどの制御回路で実行するかは適宜変更可能である。
(電気回路構成)
本実施形態の吸引成分生成装置100の具体的な回路構成の例について、図面を参照しながら以下説明する。図6に示すように、吸引成分生成装置100の全体的な電気回路としては、電源ユニット110側の回路と、カートリッジユニット120側の回路とが接続可能に設けられている。
カートリッジユニット120の回路には、負荷125が設けられるとともに、負荷125の両端が一対の電気端子121tに接続されている。本実施形態ではこの一対の電気端子121tが、電気的な接続という観点からの接続部121を構成している。
電源ユニット110の回路としては、制御部(制御IC)50A、電源10、保護回路180、第1の開閉器172、第2の開閉器174等が設けられている。図7に模式的に示すように、電源ユニット110の回路に対しては、上記したカートリッジユニット120の回路が接続されるとともに、充電器200(詳細後述)の回路も接続可能に構成されている。
再び図6を参照し、電源ユニット110の回路では、電源10の高電位側と制御部50Aとが、経路110a、経路110b、経路110cによって接続されている。経路110aは電源10の高電位側と節点156とを接続し、経路110bは節点156と節点154とを接続し、経路110cは節点154と制御部50Aとを接続している。節点154からは、経路110dが引き出されており、経路110dによって節点154と保護回路180とが接続されている。経路110d上には2つの開閉器172、174が設けられている。
経路110aのうち、電源10の高電位側が接続された箇所と保護回路180との間には抵抗161が設けられている。経路110bには第1の抵抗150が設けられており、経路110cには第2の抵抗152が設けられている。この例では、また、一対の電気端子111tのうち一方が節点156に接続され、他方が節点154に接続されている。また、制御部50Aと、経路110dのうち第2の開閉器174と保護回路180との間の箇所とが経路110eによって接続されており、この経路110eに抵抗162が設けられている。保護回路180と経路110aとは経路110fによっても接続されており、この経路110fにはコンデンサ163が設けられている。限定されるものではないが、第1の抵抗150および第2の抵抗152の電気抵抗値は既知であることが一形態において好ましい。第1の抵抗150は、制御部50Aや外部ユニットにとって既知抵抗であってよい。同様に、第2の抵抗152は、制御部50Aや外部ユニットにとって既知抵抗であってよい。なお、第1の抵抗150の電気抵抗値と第2の抵抗152の電気抵抗値は、同じであってもよい。
第1の開閉器172は、電源10と負荷125の電気的な接続状態を切り替える。第1の開閉器172は、例えばMOSFETにより構成されていてもよい。第1の開閉器172は、いわゆる放電用FETとして機能するものであってもよい。第1の開閉器172のON/OFFは、制御部50Aによって制御される。具体的には、第1の開閉器172が閉じると(すなわちONになると)、電源10から負荷125へ電力が供給され、開閉器172が開くと(すなわちOFFになると)、電力が供給されない状態となる。
第1の開閉器172の開閉を制御することにより、負荷125に対するPWM(Pulse Width Modulation)制御が実施されるよう構成されていてもよい。もっとも、PWM制御に代えてPFM(Pulse Frequency Modulation)制御を行ってもよい。PWM制御におけるデューティ比や、PFM制御におけるスイッチング周波数は、例えば、電源10の電圧値をはじめとする種々のパラメータによって調整されてもよい。第1の開閉器172に関する具体的な回路構成は必ずしも下記に限定されるものではないが、寄生ダイオードを有していてよい。この寄生ダイオードは、例えば、充電器のような外部ユニットの未接続時において、電源10からの電流が節点154を介して流れ込む方向が逆方向となるものであってもよい。
第2の開閉器174は、第1の開閉器172を介して節点154に電気的に接続されている。第2の開閉器174も、例えばMOSFETにより構成され、制御部50Aによって制御されるものであってもよい。第2の開閉器174は、詳しくは、電源10の低電位側から高電位側へ向かう電流を遮断する開状態と、電源10の低電位側から高電位側へ向かう電流を流す閉状態とに遷移可能であってよい。なお、第2の開閉器174についても、電源10を充電する充電電流が流れる方向が逆方向となる寄生ダイオードを有していてよい。
上記のような回路構成においては、電源10からの電流は、主として、節点156、負荷125、節点154および開閉器172をこの順に通って電源10へ還流し、これにより、負荷125が加熱されるようになっている。なお、電源10からの電流の一部は抵抗150を通過するが、抵抗150の抵抗値を負荷125の抵抗値よりも十分に大きく設定することで、抵抗150を流れる電流によって生じる損失を少なくすることができる。
(充電器の回路構成)
続いて、充電器200側の具体的な回路構成の例について、図8を参照しながら以下説明する。なお、図8において、電源ユニット110側の回路構成は図6と共通である。
充電器200の外形は何ら限定されるものではなく任意の形状とすることができるが、一例として、充電器200は、USB(Universal Serial Bus)ポートに接続可能なUSB端子を有するUSBメモリに似た形状であってもよい。他の例としては、充電器200は、電源ユニットを保持するクレードル状や、電源ユニットを内部に収容するケース状であってもよい。充電器200をクレードル状やケース状に構成する場合は、外部電源210は充電器200に内蔵されており、ユーザが持ち運び可能なサイズや重量であることが好ましい。
図8に示すように、充電器200の回路としては、充電制御部(充電制御IC)250、交流を直流に変換するインバータ251、そのインバータ251が出力する電圧を昇降させるコンバータ253等が設けられている。充電器200は、充電電力を供給するための充電用電源210がそれ自体に内蔵されているものであってもよいし、他の機器や商用電源を外部電源として利用するものであってもよい。なお、充電用電源210が充電器200に内蔵されかつ直流を出力する場合、インバータ251は省略してもよい。充電器200には、また、電源10へと供給される充電電流値を読み取る電流センサ230、および、一対の電気端子211t(接続部211)間の電圧差を取得するための電圧センサ240が設けられている。電圧センサ240は、制御回路50と開閉器172、174と協働して、第1の抵抗150に印加される電圧値も取得可能に構成されていてもよい。
充電制御部250は、例えば、電源ユニット110の接続検出、接続対象物の種別判定、電流センサの出力値および/または電圧センサの出力値に基づく充電制御といった機能の一つまたは複数を有するものであってもよい。もっとも、充電器200ではなく、吸引成分生成装置100の制御部50Aがこれらの機能の一つまたは複数を実施するように構成されていてもよい。上記機能の詳細については後述するものとする。
2.動作制御
吸引成分生成装置100の機能としては、例えば次のようなものが挙げられる:
(a1)給電制御
(a2)発光制御
(a3)電源温度に基づく動作制御
(a4)劣化診断機能
(b1)充電器の接続検出
(b2)充電制御
以下、順に説明する。
(a1)給電制御
制御回路50は、要求センサからの要求信号に基づき、負荷125への給電動作を行う機能を有する。要求センサとは、例えば負荷125の動作を要求する信号を出力可能なものをいう。要求センサは、具体的には例えば、ユーザによって押される押しボタン30、またはユーザの吸引動作を検出する吸引センサ20であってよい。言い換えれば、押しボタン30が押されたことをトリガとして、および/または、吸引センサ20の検出結果をトリガとして、制御回路50が所定の動作を行うように構成されていてもよい。負荷125の動作量に関連する値が所定のカウンタによって計測されるように構成されてもよい。
給電の終了に関しては次のような制御であってもよい。すなわち、制御回路50は、負荷125への給電の終了タイミングを検出したか判定し、検出した場合には給電を終了する。制御回路50は、負荷125の動作量に関連する値(負荷に供給された電力量、負荷の動作時間、および/または消費された吸引成分源の消費量等)の計測を行うものであってもよい。給電の終了タイミングに関しては、より具体的には、吸引センサ20が負荷の使用のための操作の終了を検知したタイミングであってもよい。例えば、ユーザによる吸引動作の終了を検知したタイミングであってよい。他には、押しボタン30の押下の解除を検知したら給電を終了するようにしてもよい。
また、カットオフ時間による給電の終了を行うようにしてもよい。すなわち、給電中に所定のカットオフ時間が経過したことを検知したタイミングで、給電が終了されるようになっていてもよい。カットオフ時間による制御を実現するために、一般的なユーザが1回の吸引動作に要する時間に基づいて決定されたカットオフ時間(1.0〜5.0秒、好ましくは(1.5〜3.0秒、より好ましくは1.5〜2.5秒の範囲)を設定してもよい。
カットオフ時間の例について、図9を参照して簡単に説明する。横軸は時間であり、上段が吸引量または吸引速度の変化を示し、下段が放電FET信号(負荷に供給される電圧波形に対応する)を示す。この例では、まず、吸引センサ20の出力(吸引量または吸引速度)に基づき、吸引が開始されたと判定された時点で、負荷への給電を開始する。図中、時刻t2は吸引が終了したタイミングである。カットオフ時間を用いる場合、実際には時刻t2で吸引完了と判定される場合であっても、所定のカットオフ時間(ここでは時刻t1)経過時に給電が強制終了されるようになっている。このようにカットオフ時間を設ければ、給電毎のエアロゾルの生成量のばらつきを小さくできるため、ユーザのエアロゾルの吸引体験を向上させることができる。また、負荷125に対する長時間の連続給電が抑制されるため、負荷125の寿命を伸ばすことができる。
なお、制御回路50は、1回のパフ動作における負荷の動作量に関する値の取得や、取得した値の累積値の導出ができるように構成されていてもよい。すなわち、1回のパフ動作における、負荷への電力量供給量、負荷の動作時間等を計測する。動作時間としては、電力パルスが印加される時間の総和であってもよい。他にも、1回のパフ動作で消費された吸引成分源の消費量が計測可能に構成されていてもよい。吸引成分源の消費量は、例えば負荷へ供給された電力量から推定できる。吸引成分源が液体である場合、吸引成分源の消費量は、リザーバ内に残っている吸引成分源の重量に少なくとも基づいて導出されるものであってもよいし、また、吸引成分源の液面の高さを計測するセンサの出力に少なくとも基づいて導出されるものであってもよい。1回のパフ動作における負荷の動作量は、負荷温度(例えばパフ動作における負荷の最高温度、および/または、負荷で発生した熱量など)に少なくとも基づいて導出されるものであってもよい。
吸引センサの出力に基づく具体的な動作例について、図10を参照して説明を補足する。図10は、吸引センサの出力値と負荷への供給電圧の関係を模式的に示す図である。制御回路50は、この例では、吸引センサの出力値が第1の基準値O1以上になったか否かを検出し、基準値以上となっている場合に、吸引動作が行われていると判定する。このタイミングは給電を要求するトリガとなる。吸引センサの出力値が第2の基準値O2以下になったか否かを検出し、基準値以下となっている場合に、給電の終了タイミングと判定する。
制御回路50は、一例として、吸引センサの出力値の絶対値が第1の基準値O1以上の場合のみ吸引を検知するよう構成されていてもよい。第2の基準値O2の検出は、すでに負荷が動作している状態から動作していない状態への遷移を実行するための検出であることから、第1の基準値O2は第2の基準値O1よりも小さくてもよい。
負荷の動作に関し、例えば電源電圧値が比較的高い場合、PWM制御におけるパルス幅を狭くする(図10のグラフの中段参照)ようにしてもよいし、電源電圧値が比較的低い場合、パルス幅を広めにするようにしてもよい(同グラフ下段)。電源電圧値は、基本的に、電源の充電量の減少とともに減少する。したがって、その時々での電源電圧値に応じて電力量を調整することが、一形態において、好ましい。このような制御手法によれば、一例で、電源電圧値が比較的高い場合と低い場合の双方において、負荷への供給電圧(電力)の実効値を同一または実質的同一とすることができる。また、電源電圧値が低い場合ほど、高デューティ比のPWM制御を行うことも好ましい。このような制御手法によれば、電源の残量にかかわらず、パフ動作中に生成されるエアロゾル量を適宜調整する(例えば略均一化)することが可能となる。パフ動作中に生成されるエアロゾル量を略均一化すれば、ユーザのエアロゾルの吸引体験を向上させることができる。
(a2)LEDの発光制御等
本実施形態の吸引成分生成装置は、次のように発光部40(図1等参照)を動作させるものであってもよい。もっとも、発光に代えて、音や振動といった報知手段によりユーザに報知を行うことも可能である点は前述のとおりである。図11は、吸引成分生成装置100の具体的な動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップS101で、制御回路100(図3参照)は、吸引が開始されたか否かの検出を行う。吸引の開始が検出されない場合はステップS101を繰り返し、吸引の開始が検出された場合には、ステップS102に移る。
次いで、ステップS102では、電源10の電源電圧値Vbattを取得しその値が電源10の放電終止電圧値(一例で3.2V)を上回っているか否かを判定する。電源電圧値Vbattが放電終止電圧値以下ということは、電源の残量が十分ではないということであるので、ステップS122にて発光部40を所定のモードで発光させる。具体的には、例えば赤色で点滅させるようにしてもよい。
ステップS102で、電源電圧値Vbattが放電終止電圧値を上回っており残量が十分であると判定された場合には、次いで、ステップS103で、放電終始電圧<電源電圧値Vbatt≦(満充電電圧−Δ)であるか否かを判定する。なお、Δは正の値である。電源電圧値Vbattがこの範囲内であるかどうかにより、下記するように、デューティ比100%での給電を実施するか否かが変更される。この範囲内の場合には、ステップS104でデューティ比100%での給電が行われる。限定されるものではないが、一例で、発光部40は青色で点灯させられてもよい(ステップS105)。
一方、ステップS103で電源電圧値Vbattが上記範囲内にないと判定された場合、次いで、ステップS123で(満充電電圧−Δ)<電源電圧値Vbatt≦満充電電圧であるか否かを判定する。この範囲内であれば、ステップS124においてPWM制御を用いて給電することで定電力制御を実現する。
本実施形態では、ステップS106において吸引時間TLが「0」にリセットされ、その後、吸引時間TLはステップS107においてΔtが加算され更新される。
次いで、ステップS108において、吸引の終了が検出されたか否かを判定し、吸引終了が検出された場合には、ステップS109に移り、負荷への給電を停止する。一方、吸引終了は検出されていないが、ステップS128で吸引時間TLが所定の上限時間以上となったと判定された場合にもステップS109に移り、負荷への給電を停止する。そして、ステップS110で発光部40を消灯させる。
ステップS111では、積算時間TAが更新される。すなわち、それまでの積算時間TAに今回の吸引時間TLを加えて新しい積算時間TAとする。次いで、ステップS112において、積算時間TAが所定の吸引可能時間(例えば120sec)を超えていないか否かを判定する。この時間を超えていない場合には、引続き使用を継続できるものとして、ステップS101からのシーケンスに戻る。一方、積算時間TAが吸引可能時間を越えている場合は、香味ユニット130内の香味源またはリザーバ123内のエアロゾル源が不足または枯渇していると推定し、後述するステップS115において負荷への給電を禁止する。
一方、この時間を超えている場合には、ステップS113において吸引が開始されたか否かの検出を行い、ステップS114において吸引が所定時間(例えば1.0sec)継続したか否かを判定し、当該所定時間以上継続していたとしても、ステップS115で負荷への給電を禁止する。この場合、こうした給電禁止状態であることを知らせるために、ステップS116において発光部を所定のモードで発光(例えば青色で点滅)させ、一定時間経過後、ステップS117において給電禁止状態を解除する。なお、一定時間の経過に代えて、香味ユニット130またはカートリッジユニット120の新品への交換や、香味源またはエアロゾル源の再充填を、ステップS117における給電禁止状態を解除する条件に用いてもよい。
以上のような一連の動作によれば、電源の残量に応じて負荷の動作モードが適宜変更され、また、発光部40を通じてユーザも現在の吸引成分生成装置の動作状態を把握することができる。
(a3)電源温度に基づく動作制御
本実施形態の吸引成分生成装置100は、電源温度Tbattが所定の温度範囲内であるか否かを判定し、その結果に基づいて所定の動作を行うまたは行わないように構成されていてもよい。図12に温度範囲の具体的な例を示す。この例では、第1の温度範囲〜第4の温度範囲が設定されている。なお、4つ全てではなく、これらのうち1つ、2つ、または3つのみが設定されていてもよい。
第1の温度範囲は、電源の健全状態を示すSOH(State of health)診断許可に関する温度範囲であり、上限温度T1a、下限温度T1bである。上限温度、下限温度の具体的な数値については適宜設定可能である。なお、SOHの単位は[%]でもよい。この場合において、新品時におけるSOHを100[%]に、充放電が困難な状態まで劣化した時におけるSOHを0[%]に設定してもよい。また別の一例として、現在の満充電容量を新品時における満充電容量で割った値を、SOHに用いてもよい。
上限温度T1aは、限定されるものではないが、例えば電源の電極や電解液の構造および/または組成が変化する可能性がある温度(または変化が顕著となる温度)、分解ガスが発生する可能性がある温度(または発生が顕著となる温度)等を考慮し、その温度未満または以下で設定してもよい。上限温度T1a以上の温度でSOHを取得してしまうと、温度の影響を強く受けるため、適正な劣化診断結果を得ることが困難になる。一例として、温度T1aは60℃であってもよい。このような温度範囲設定とすることで、電源の構造変化等が生じない、または、分解ガスの発生が抑えられた範囲で劣化診断が行われることとなり、適正な劣化診断結果を得ることが可能となる。
下限温度T1bは、例えばSOHよりも低温による出力低下が支配的になる可能性がある温度(またはそれが顕著となる温度)考慮し、その温度より高くまたはその温度以上に設定してもよい。温度T1bは例えば15℃である。SOHの取得には、出力低下などの電源10の容量劣化を示す指標を用いることが一般的である。そのため、出力低下の要因がSOH以外にもある温度範囲では、適正な劣化診断結果を得ることが困難になる。換言すれば、電源温度が上述した上限温度T1aと下限温度T1bから定まる第1の温度範囲内にある場合のみ、劣化診断が許可されれば、劣化診断結果に及ぼす電源温度の影響を極力排除することができる。したがって、適正な劣化診断結果を得ることが可能となる。
第2の温度範囲は、電源の放電許可に関する温度範囲であり、上限温度T2a、下限温度T2bである。上限温度、下限温度の具体的な数値については適宜設定可能である。上限温度T2aは、例えば、第1の温度範囲の上限温度T1aと同基準で設定されてもよい。一例として温度T2aは60℃である。また別の一例として、上限温度T2aは上限温度T1aと異なっていてもよい。下限温度T2bは、例えば、電源の電解液またはイオン液体の凝固によって内部抵抗が過大となる可能性がある温度(またはそれが顕著となる温度)を考慮し、その温度より高くまたはその温度以上に設定してもよい。温度T2bは例えば−10℃であってもよい。これら上限温度T2aと下限温度T2bから定まる第2の温度範囲は、電源の電極や電解液の構造および/または組成が変化せず、かつ、電源の電解液またはイオン液体の凝固が生じないような範囲であるため、電源の放電に関する安全性や寿命を向上させることができる。
第3の温度範囲は、電源の充電許可に関する温度範囲であり、上限温度T3a、下限温度T3bである。上記範囲同様、上限温度、下限温度の具体的な数値については適宜設定可能である。
上限温度T3aは、限定されるものではないが、例えば第1の温度範囲の上限温度T2aと同基準で設定されてもよい。一例として上限温度T3aは60℃である。また別の一例として、上限温度T3aは上限温度T1aと異なっていてもよい。例えば、電源がリチウムイオン二次電池の場合、低温で電圧がかかると負極の表面に金属リチウムが析出する可能性がある。このいわゆる電析現象が生じる可能性がある温度(またはそれが顕著となる温度)を考慮し、下限温度T3bは、その温度より高くまたはその温度以上に設定してもよい。下限温度T3bは例えば0℃である。これら上限温度T3aと下限温度T3bから定まる第3の温度範囲は、電源の電極や電解液の構造および/または組成が変化せず、かつ、電析が生じないような範囲であるため、電源の充電に関する安全性や寿命を向上させることができる。
第4の温度範囲は、急速充電許可に関する温度範囲であり、上限温度T4a、下限温度T4bである。上記範囲同様、上限温度、下限温度の具体的な数値については適宜設定可能である。なお、本明細書において、急速充電は、第3の温度範囲で許可される充電より高レートで行われる充電である。一例として、急速充電は充電の2倍以上のレートで行われてもよい。一例として、急速充電のレートは2Cで、充電のレートは1Cであってもよい。
上限温度T4aは、限定されるものではないが、例えば第1の温度範囲の上限温度T1aと同基準で設定されてもよい。一例として上限温度T4aは60℃である。また別の一例として、上限温度T4aは上限温度T1aと異なっていてもよい。下限温度T4bは、例えば、高レートで充電を行う結果、電源の劣化が促進される温度を考慮し、その温度より高くまたはその温度以上に設定してもよい。温度T4bは例えば10℃である。これら上限温度T4aと下限温度T4bから定まる第4の温度範囲は、電源の電極や電解液の構造および/または組成が変化せず、かつ、電源の劣化が促進されないような範囲であるため、電源の急速充電に関する安全性や寿命を向上させることができる。
以上、第1から第4の温度範囲について説明したが、それぞれの温度範囲どうしの関係に関しては次のようなものであってもよい:
(1)第1の温度範囲に関し、その下限温度T1bは、第2の温度範囲の下限温度T2bよりも高く設定されていてもよい。下限温度T1bは、さらに、第2〜第4の全ての温度範囲の下限温度T2b〜T4bよりも高く設定されていてもよい。上限温度T1aは、他の温度範囲の上限温度T2a〜T4aと同一または実質的同一(比較対象の値を10%増減させた数値範囲にあることをいう。本明細書において同じ。)に設定されていてもよい。あるいは、上限温度T1aは、第2の温度範囲の上限温度T2a以上であってもよいし、第3の温度範囲の上限温度T3a以上であってもよいし、第4の温度範囲の上限温度T4a以上であってもよい。
(2)第2の温度範囲に関し、第2の温度範囲は第1の温度範囲よりも広く、かつ、第1の温度範囲を内包(本明細書の「内包」には、上限温度どうしが同値となる、または、下限温度どうしが同値になる場合を含む。本明細書において同じ。)するように設定されていてもよい。本発明の一形態においては、第2の温度範囲が、他の機能が許容される温度範囲(図12の例で言えば第1、第3、第4の温度範囲)よりも広く設定されていてもよい。
(3)第3の温度範囲に関し、第3の温度範囲は第1の温度範囲よりも広く、かつ、第1の温度範囲を内包するように設定されていてもよい。また、第3の温度範囲は第4の温度範囲よりも広く、かつ、第4の温度範囲を内包するように設定されていてもよい。
(4)第4の温度範囲に関し、第4の温度範囲は第1の温度範囲よりも広く、かつ、第1の温度範囲を内包するように設定されていてもよい。本発明の一形態においては、第1の温度範囲が、他の機能が許容される温度範囲(図12の例で言えば第2〜第4の温度範囲)よりも狭く設定されていてもよい。
ところで、SOHの診断は、放電時や充電時における電源の電気的パラメータに基づき行われることが一般的である。電気的パラメータの一例として、放電時において電源が放電する電流値または出力する電圧値や、充電時において電源に充電される電流値または印加される電圧値などを用いてもよい。前述した通りに第1の温度範囲を設定すれば、第1の温度範囲に属する電源温度は、必然的に第2〜第4の温度範囲に属することになる。したがって、SOHの診断が許可される状態では、同時に放電、充電、急速充電の少なくとも1つが許可されることになる。したがって、放電、充電、急速充電のいずれかによってSOH診断に必要な電気的パラメータを取得できるため、SOH診断が許可される状態で問題無くSOH診断を実行できる。したがって、SOH診断の実効性が向上する。
また、SOH診断に用いられる電気的パラメータは、電源の劣化だけでなく電源温度の影響を受ける。したがって、SOH診断の精度を担保するためには、電源温度がSOH診断に用いられる電気的パラメータに与える影響が小さい温度範囲に属する場合のみ、SOH診断を実行することが好ましい。
本出願の発明者らが鋭意検討した結果、SOH診断に好適な温度範囲は、電源の劣化を促進せずに充放電可能な温度範囲より狭いことが判明した。特に低温時には、電源温度がSOH診断に用いられる電気的パラメータに与える影響が支配的になることも併せて判明した。
前述した通りに第1の温度範囲を設定すれば、第2〜第4の温度範囲に属する電源温度は、第1の温度範囲に必ずしも属するわけではない。換言すれば、充放電が許可されても、SOH診断が許可されない温度範囲があることを意味する。このように各温度範囲を設定すれば、好適な温度範囲でのみSOH診断を行えるため、SOH診断の精度を向上させることができる。特に、15℃未満の温度範囲では、電源の劣化抑制の観点から電源の充放電は許可されるが、SOH診断の精度を担保する観点からSOH診断は許可されないことが、本発明の一形態として、好ましい。
また、充電と放電とでは、放電の方が電源の劣化に与える影響が一般的に少ない。この充電と放電とが電源の劣化に与える影響の差は、電源温度が低温になるほど顕著になる。前述した通りに第2の温度範囲を設定すれば、電源の劣化を抑制しつつも、充電及び放電の機会を最大化することができる。
また、充電と急速充電とでは、充電の方が電源の劣化に与える影響が一般的に少ない。この充電と急速充電とが電源の劣化に与える影響の差は、電源温度が低温になるほど顕著になる。前述した通りに第3の温度範囲及び/または第4の温度範囲を設定すれば、電源の劣化を抑制しつつも、充電及び急速充電の機会を最大化することができる。
このように、第1の温度範囲を適切に設定すれば、SOH診断の精度が向上し、安全性を確保しつつ電源10をより長く使用できるため、省エネルギー効果を有する。
また、各温度範囲を適切に設定すれば、電源10の劣化が抑制されるため、電源10の寿命が延びて省エネルギー効果を有する。
(a4)劣化診断機能
図13は、劣化診断や故障診断の一例を示すフローチャートである。ステップS201において、まず、電源電圧値Vbattの計測が行われる。電源電圧値Vbattは、電圧センサによって取得することができる。なお、本フローチャートは、制御回路50(図3参照)によって、吸引の開始が検出されたことを契機として実行される点に留意されたい。
電源電圧値Vbattは、一例として、電源10と負荷125とを電気的に接続することなく取得される開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)であってもよい。電源電圧値Vbattは、一例として、電源10と負荷125とを電気的に接続することで取得される閉回路電圧(CCV:Closed Circuit Voltage)であってもよい。電源電圧値Vbattは、一例として、開回路電圧と閉回路電圧の両方であってもよい。負荷10の電気的接続に伴う電圧降下や放電に伴う内部抵抗や温度の変化の影響を排除するため、閉回路電圧(CCV)よりも開回路電圧(OCV)を利用することが好ましい場合がある。閉回路電圧(CCV)から開回路電圧(OCV)を推定してもよい。
電源電圧値Vbattの取得タイミングとしては、具体的に、負荷に対して給電を行っている放電中であってもよいし、放電直前であってもよいし、放電直後であってもよい。「放電直前」としては、例えば、放電開始の前、例えば5〜10msecから放電開始時刻までの時間であってもよい。「放電直後」としては、例えば、放電終了から例えば5〜10msec経過までの時間であってもよい。
なお、図13のフローでは充電中の電源電圧値Vbattの取得は行われないが、充電中に電源電圧値Vbattを取得する必要がある場合には、充電中に加え、上記同様、充電直前または充電直後に電源電圧値Vbattを取得するようにしてもよい。「充電直前」としては、例えば、充電開始の前、例えば5〜10msecから充電開始時刻までの時間であってもよい。「充電直後」としては、例えば、充電終了から例えば5〜10msec経過までの時間であってもよい。
次いで、ステップS202において、取得した電源電圧値Vbattが所定の電圧範囲の上限値以下であるかどうか判定する。上限値より高い場合、電源の劣化と故障を推定または検知することなく処理を終了する。別の一例として、上限値より高い場合、ステップS201に戻ってもよい。
一方、電源電圧値Vbattが所定の上限値以下の場合、次いで、ステップS203において、一回前の吸引動作時に取得された電源電圧値が所定の電圧範囲の上限値以下であったかどうか判断する。一回前の吸引動作時に取得された電源電圧値Vbeforeが所定の電圧範囲の上限値より高い場合、最新の吸引動作により初めて電源電圧値が当該所定の電圧範囲の上限値以下になったと判断される。次いで、ステップS204において、負荷125の動作量に関連する値の累積値をカウントする累積カウンタ(ICо)を「0」に設定する。ステップS203の結果がNoの場合、一回前の吸引動作から今回の吸引動作の間に、電源が充電されたことを意味する。
ステップS203の結果がYesの場合、または、ステップS204での累積カウンタのリセットの後、次いでステップS205において、電源電圧値Vbattが所定の電圧範囲の下限値未満であるか否かを判定する。電源電圧値Vbattが当該下限値以上の場合、ステップS206において、負荷の動作量に関連する値の積算値「ICо=ICо+Cо」を導出する。Cоは今回の吸引動作における負荷の動作量に関連する値である。ICоは負荷の動作量に関連する値の累積値である。その後、電源の劣化または故障を推定または検知することなく処理を終了する。
ステップS205において電源電圧値Vbattが所定の電圧範囲の下限値未満であった場合、次いで、S207において、電源電圧値Vbattが所定の電圧範囲にある間に動作した負荷の動作量に関連する値、すなわち前述したICоの累積値が、所定の閾値より大きいかどうか判定する。ICоの累積値が所定の閾値より大きい場合、電源は正常であると判定し、診断機能の処理を終了する。
ICоの積算値が所定の閾値以下である場合、電源10の劣化または故障と判断し(ステップS208)、発光部40を通じてユーザに異常を通知する(ステップS209)。電源の劣化または故障と判断すると、必要に応じて負荷125への電力供給を不能にするよう制御してもよい。
劣化診断機能は、上述した実施形態に限定されず、公知の様々な手法を採用することができる。一例として、電源10を一定電流または一定電力で放電させた場合に、電源電圧が大きく低下するなら、電源10の劣化を判断してもよい。また別の一例として、電源10を充電する場合に、電源電圧が早期に上昇するなら、電源10の劣化を判断してもよい。また別の一例として、電源10を充電する場合に、電源電圧が低下するなら、電源10の故障を判断してもよい。また別の一例として、電源10を充放電する場合に、電源10の昇温速度が速いなら、電源10の劣化を判断してもよい。また別の一例として、電源10の積算充電量,積算充電時間,積算放電量,積算放電時間のいずれかが閾値を超えたなら、電源10の劣化を判断してもよい。
(a5)電源温度に基づく動作制御の一例
続いて、図14のフローチャートを参照しながら本実施形態の吸引成分生成装置100の動作の一例について説明する。このフローチャートは電源温度Tbattに基づく動作制御の一例を示すものである。
まず、吸引成分生成装置100は、ステップS301において、吸引動作が検出されるか、または、スイッチ30(図1参照)がONであるかを判定する。吸引動作の検出は、前述のとおり、吸引センサ20の出力に基づくものであってもよい。
ステップS301の結果がNoであった場合には、S311以降のステップを実施するが、これについては後述するものとする。一方、ステップS301の結果がYesであった場合、ユーザによるエアロゾル生成要求が検出される。次いで、ステップS302において、電源温度Tbattを算出する。電源温度Tbattの算出は、前述のとおり、電源10の温度を温度センサで検出しその出力に基づき電源温度を求めるものであってもよいし、電源の温度に関連する値に基づき電源温度を推定するものであってもよいし、電源以外の対象物の温度を温度センサで検出しその出力に基づき電源温度を推定するものであってもよい。いずれにしても現時点の電源の温度を取得または推定できればよく、特定の手段に限定されるものではない。
ステップS302の後、吸引成分生成装置100は、ステップS303において、電源温度Tbattが第2の温度範囲内であるか否かを判定する。一例として、電源温度が−10℃<Tbatt≦60℃の範囲に含まれるか否かを判定する。
Tbattがこの範囲内にない場合(ステップS302の結果がNoである場合)、温度異常時のシーケンス(ステップS381、S382)を実施するが、これについては後述するものとする。
一方、Tbattがこの範囲内にある場合(ステップS302の結果がYesである場合)、吸引成分生成装置100は、次いで、ステップS304においてエアロゾルの生成を行う。エアロゾルの生成は、負荷125に対して給電を行うことで実施される。給電の制御に関しては、特定の制御に限定されるものではなく、上述した手法や従来公知の手法を含む種々の制御を用いることができる。
吸引成分生成装置100は、次いで、ステップS305において、電源温度Tbattが第1の温度範囲であるか否かを判定する。一例として、電源温度が15℃<Tbatt≦60℃の範囲に含まれるか否かを判定する。
電源温度Tbattが上記の温度範囲内にある場合(ステップS305の結果がYesである場合)、吸引成分生成装置100は、ステップS306、S307において、SOH診断等を実施する。具体的には、ステップS306でSOH診断を行い、ステップS307でそのSOHが所定の閾値以上か否かを判定する。なお、劣化診断に関しても、特定の制御に限定されるものではなく、上述した手法や従来公知の手法を含む種々の制御を用いることができる。
SOHが所定の閾値以上の場合(ステップS307の結果がYesの場合)、電源10は劣化していないと判断され、次いで後述するステップS308とS309が実施される。
一方、SOHが所定の閾値未満の場合(ステップS307の結果がNoの場合)、電源10は劣化していると判断され、電池劣化時のシーケンス(ステップS391〜S394、図16参照)を実施するが、これについては後述するものとする。
ステップS305において電源温度Tbattが上記温度範囲内にないと判定された場合、ステップS306、S307はスキップされ、SOH診断は実施されない。換言すれば、本実施形態では、電源電圧Tbattが第1の温度範囲内にある場合のみSOH診断を実行するようになっている。限定されるものではないが、この範囲内にない場合には、診断が実施不可能であることを知らせるために所定の報知(例えば発光部40の発光等)が発生されるように構成されていてもよい。
再び図14を参照し、続いて、吸引成分生成装置100は、ステップS308において、吸引動作が終了したか否か、スイッチがOFFであるか、または、所定時間が経過したかを判定する。ステップS308の結果がNoであった場合(すなわち、吸引動作が終了していない、スイッチがOFFとされていない、所定時間が経過していない場合)、ステップS305に戻る。一方、ステップS308の結果がYesであった場合、ステップS309において、エアロゾルの生成を完了する。別の一例として、ステップS308の結果がNoであった場合、ステップS305に代えてステップS306に戻ってもよい。このようにすればフローが高速化するため、SOH診断の回数を増加することができる。
上述した一連の工程により、電源温度Tbattが放電可能な温度範囲内にある場合のみ負荷に対する給電が行われるようになり、また、電源温度Tbattが劣化診断可能な温度範囲内にある場合のみ劣化診断が実施されるようになる。このように電源10の放電が許可される温度範囲の一部のみでSOH診断を許可すれば、電源温度による影響が少ない温度範囲のみでSOH診断を行えるため、その精度を向上させることができる。
(急速充電)
続いて、上述したステップS301の結果がNoであった場合に実施するS311以降のステップについて説明する。まず、ステップS311において、吸引成分生成装置100は、充電器が嵌合されているか否かを検知する。充電器の嵌合が検知されない場合には、ステップS301に戻る。
充電器の嵌合が検知された場合、吸引成分生成装置100は、ステップS312において電源温度Tbattを取得または推定する。電源温度Tbattの取得または推定はステップS302と同様の手法で実施することができる。
次いで、吸引成分生成装置100は、ステップS313において、電源温度Tbattが第4の温度範囲であるか否かを判定する。一例として、電源温度が10℃<Tbatt≦60℃の範囲に含まれるか否かを判定する。
電源温度Tbattがこの範囲内にある場合(ステップS313の結果がYesの場合)、吸引成分生成装置100は、次いで、ステップS314において急速充電を実施する。なお、急速充電のCCモードにおける充電レートは2Cであってもよい。
一方、電源温度Tbattがこの範囲内にない場合(ステップS313の結果がNoの場合)、吸引成分生成装置100は、急速充電ではなく普通充電のシーケンスを実施する(ステップS321以降、詳細下記)。
ステップS314において急速充電が開始されると、吸引成分生成装置100は、次いで、ステップS315において、電源温度Tbattが第1の温度範囲(例えば15℃<Tbatt≦60℃)であるか否かを判定する。
電源温度Tbattがこの範囲内にある場合(ステップS313の結果がYesの場合)、吸引成分生成装置100は、ステップS316、S317においてSOH診断等を実施する。具体的には、ステップS316でSOH診断を行い、ステップS317でそのSOHが所定の閾値以上か否かを判定する。Tbattが第1の範囲内にない場合、ステップS316、S317はスキップされ、SOH診断は実施されない。
SOHが所定の閾値以上の場合(ステップS317の結果がYesの場合)、電源10は劣化していないと判断され、次いで後述するステップS318とS319が実施される。
一方、SOHが所定の閾値未満の場合(ステップS317の結果がNoの場合)、電源10は劣化していると判断され、電池劣化時のシーケンス(ステップS391〜S394、図16参照)を実施する。
続いて、吸引成分生成装置100は、ステップS318において、充電完了のフラグの検出を行う。ステップS318の結果がNoであった場合(すなわち、充電未完了の場合)、ステップS315に戻る。ステップS318の結果がYesであった場合、ステップS319において、充電を完了する。別の一例として、ステップS318の結果がNoであった場合、ステップS315に代えてステップS316に戻ってもよい。このようにすればフローが高速化するため、SOH診断の回数を増加することができる。
このように電源10の急速充電が許可される温度範囲の一部のみでSOH診断を許可すれば、電源温度による影響が少ない温度範囲のみでSOH診断を行えるため、その精度を向上させることができる。
(普通充電)
上述したステップS313で電源温度Tbattが第4の温度範囲(例えば10℃<Tbatt≦60℃)にないと判定された場合、吸引成分生成装置100は、ステップS321において、0℃<Tbatt≦10℃であるか否かを判定する(ステップS313の内容とステップS321の内容との組合せから、第3の温度範囲内にあるか否かの判定を行ったことになる)。電源温度Tbattがこの範囲内にない場合(ステップS321の結果がNoの場合)、温度異常時のシーケンスを実施する(ステップS381、S382、詳細下記)。電源温度Tbattがこの範囲内にある場合(ステップS321の結果がYesの場合)、吸引成分生成装置100は、次いで、ステップS322において普通充電を実施する。なお、普通充電のCCモードにおける充電レートは1Cであってもよい。
ステップS322において普通充電が開始されると、吸引成分生成装置100は、次いで、ステップS323において、電源温度Tbattが第1の温度範囲(例えば15℃<Tbatt≦60℃)であるか否かを判定する。
電源温度Tbattがこの範囲内にある場合(ステップS323の結果がYesの場合)、吸引成分生成装置100は、ステップS324、S325において、SOH診断等を実施する。具体的には、ステップS324でSOH診断を行い、ステップS325でそのSOHが所定の閾値以上か否かを判定する。電源温度Tbattが第1の範囲内にない場合(ステップS323の結果がNoの場合)、ステップS324、S325はスキップされ、SOH診断は実施されない。
SOHが所定の閾値以上の場合(ステップS325の結果がYesの場合)、電源10は劣化していないと判断され、次いで後述するステップS326とS327が実施される。
一方、SOHが所定の閾値未満の場合(ステップS325の結果がNoの場合)、電源10は劣化していると判断され、電池劣化時のシーケンス(ステップS391〜S394、図16参照)を実施する。
続いて、吸引成分生成装置100は、ステップS326において、充電完了のフラグの検出を行う。ステップS326の結果がNoであった場合(すなわち、充電未完了の場合)、ステップS323に戻る。別の一例として、ステップS326の結果がNoであった場合、ステップS323に代えてステップS324に戻ってもよい。このようにすればフローが高速化するため、SOH診断の回数を増加することができる。ステップS326の結果がYesであった場合、ステップS327において、充電を完了する。
このように電源10の充電が許可される温度範囲の一部のみでSOH診断を許可すれば、電源温度による影響が少ない温度範囲のみでSOH診断を行えるため、その精度を向上させることができる。
(温度異常時のシーケンス)
温度異常時のシーケンスとしては、例えば、図15に示すように、まずステップS381で吸引成分生成装置100が温度異常を検知したら、次いで、ステップS382で充電の停止、または、放電の停止を行うものであってもよい。なお、所定時間の経過や電源温度が正常範囲に戻ることなどを条件として、ステップS382で停止された充電や放電が再び許可されてもよい。
(電源劣化時のシーケンス)
電池の劣化を検出した場合のシーケンスとしては、例えば、図16に示すようなものであってもよい。この例では、まずステップS391で吸引成分生成装置100が電池の劣化を検知したら、次いで、ステップS392で充電の停止、または、放電の停止を行う。
続いて、ステップS393で、電源の劣化を検知した時刻や劣化を検知した条件をメモリに記憶する。そして、ステップS394で一連の動作を停止する。なお、電源10の交換などを条件として、ステップS394で停止された一連の動作が再び許可されてもよい。
温度異常時のシーケンスと電源劣化時のシーケンスを比較すると、ステップS382で停止された充電や放電を再び許可する条件は、ステップS394で停止された一連の動作が再び許可する条件より満たすことが困難であると言える。
温度異常時のシーケンスと電源劣化時のシーケンスを比較すると、ステップS382で停止された充電や放電は、吸引成分生成装置100を放置すると再び許可される。一方、ステップS394で停止された一連の動作は、吸引成分生成装置100を放置しても再び許可される可能性があると言える。
このように、第1の温度範囲を適切に設定すれば、SOH診断の精度が向上し、安全性を確保しつつ電源10をより長く使用できるため、省エネルギー効果を有する。
また、各温度範囲を適切に設定すれば、電源10の劣化が抑制されるため、電源10の寿命が延びて省エネルギー効果を有する。
(b1)充電器等の接続検出
充電制御や充電器の接続検出等については種々の方式を適宜利用可能であるが、以下、これらの例について簡潔に説明する。充電制御部250(図8参照)は、充電器200の電気回路と電源ユニット110の電気回路とが電気的に接続されたことを検出する機能を有している。こうした電気的接続の検出の方式としては、特に限定されるものではなく種々のものを利用することができるが、例えば、一対の接続端子211tの間の電圧差を検知することによって、電源ユニット110の接続を検知するものであってもよい。
充電器200と電源ユニット110とが接続された際に、どの種別の電源ユニット110が接続されたか、および/または、どの種別の電源10が接続されたかを判定できるように構成されていることが、一形態において好ましい。これを実現するために、例えば、第1の抵抗150(図8参照)の電気抵抗値に関する値に基づき、電源ユニット110および/または電源ユニット110内の電源10の種別を判別できるように構成されていてもよい。すなわち、異なる種類の電源ユニット110ごとに第1の抵抗150の電気抵抗値を変えておくことによって、接続された電源ユニット110や電源10の判別が可能となる。なお、「第1の抵抗の電気抵抗値に関する値」としては、第1の抵抗150の電気抵抗値そのものであってもよいし、第1の抵抗150における電圧降下量(電位差)であってもよいし、または第1の抵抗150を通る電流の電流値であってもよい。
(b2)充電制御
続いて、充電制御について説明する。なお、以下では充電器200の充電制御部250が動作を制御する例を示すが、前述のとおり、充電に関する機能が吸引成分生成装置100内に設けられた構成にあっては、制御の主体は装置側の制御回路50であっても構わない。図17は、充電制御部250による制御方法の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS401において、充電器200への電源ユニット110の接続を検出する。
接続が検出された後(ステップS401の結果がYesの場合)、次いで、ステップS402において、第1の抵抗150の電気抵抗値に関する値を取得する。こうした計測に際しては、計測対象となる値を複数回取得し、それらに基づいてこれらの移動平均、単純平均、加重平均を用いて最終的な値を求めるようにしてもよい。
次いで、ステップS403において、上記で求めた電気抵抗値に関する値に基づき、所定の制御を変更する必要があるか、または、所定の制御を実行してよいかを判定する。
例えば、上記で求めた電気抵抗値に関する値が所定の範囲外である場合、または、所定の条件を満たさない場合、電源10の充電を実行しなくてもよい。一方、上記で求めた電気抵抗値に関する値が所定の範囲内である場合、または、所定の条件を満たす場合は充電を実行するようにしてもよい。すなわち、上述した所定の制御の変更には、充電プロセスを実行しないよう変更することをも含むものである。これにより、電源ユニットの異常や、非正規品の電源ユニットと判断された場合には、充電電流を送らないため、異常事態の発生を抑制できる。
また、所定の制御の変更に関しては、他にも、充電するための電流値の変更、充電レートの変更、および、充電時間の変更の少なくとも1つであってもよい。具体的な一例として、上記で求めた電気抵抗値に関する値に基づき電源ユニット110や電源10の種別を判別し、判別した種別に応じて、充電電流のレートを変更することができるようになっていることが一形態において好ましい。これにより、例えば急速充電に対応した電源10に対しては2C以上の高レートの充電電流で充電制御を実行したり、急速充電に対応していない電源10に対しては1C以下の低レートの充電電流で通常の充電制御を実行したりすることが可能となる。
次いで、ステップS404において電源電圧値Vbattを取得する。次いで、ステップS405において、取得した電源電圧値Vbattが所定の切替電圧以上であるか否かを判定する。この切替電圧は、定電流充電(CC充電)の区間と定電圧充電(CV充電)の区間を仕切るための閾値であり、具体的な数値は特に限定されるものではないが例えば4.0V〜4.1Vの範囲内であってよい。
電源電圧値Vbattが切替電圧未満である場合(ステップS405の結果がNoの場合)には定電流充電(CC充電)が実施される(ステップS406)。切替電圧以上である場合(ステップS405の結果がYesの場合)には定電圧充電(CV充電)が実施される(ステップS407)。なお、定電圧充電方式では、充電が進行するとともに電源電圧が増加し、電源電圧と充電電圧との差分が縮まるため、充電電流が減少する。
定電圧充電方式により充電を始めた場合、ステップS408において、充電電流が所定の充電完了電流以下であるかどうかを判定する。なお、充電電流は、充電器200内の電流センサ230により取得することができる。充電電流が所定の充電完了電流より大きい場合(ステップS408の結果がNoの場合)、定電圧充電方式での充電を続ける。充電電流が所定の充電完了電流以下である場合(ステップS408の結果がYesの場合)、電源10が満充電状態になったと判定して、充電を停止する(ステップS409)。
なお、当然ながら、充電を停止するための条件には、充電電流以外にも定電流充電方式による充電または定電圧充電方式による充電を開始してからの時間、電源電圧値、電源温度値などを用いてもよい。
以上、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更可能である。
例えば、図14のフローチャートでは基本的には単一の制御回路での処理を想定し、ステップS313においてまず急速充電可能か否か(第4の温度範囲)を判定し、不可の場合に、次いでステップS321において普通充電可能か否か(第3の温度範囲)を判定するものであった。しかしながら、充電器200側で、電源温度が第4の温度範囲内か否かを判定し、その結果Yesの場合には急速充電を行い、Noの場合には普通充電を行うように構成されたものであってもよい。
(閉回路電圧を用いた低残量検出)
図18Aに、電源10と負荷125の接続を簡略化して示す。電源電圧値は電圧センサ62により、電源10の両端子において、例えば、電源10の高電位側(図6の節点156と等電位)と接地(図6の接点154の電位がほぼ接地電位となる)の間において測定され、制御回路50へと情報が送られる。電源10からの負荷125への給電は、第1の開閉器172のON、OFFにより制御される。
第1の開閉器172がOFF(スイッチOFF)の状態では、負荷125へ電力が供給されない。このときに電圧センサ62によって測定される電源電圧を、開回路電圧OCVと呼ぶ。第1の開閉器172がON(スイッチON)の状態では、負荷125へ電力が供給される。このときに電圧センサ62によって測定される電源電圧を、閉回路電圧CCVと呼ぶ。理想的な電源では、OCVとCCVが一致するが、電池のような実際の電源では内部抵抗やキャパシタンスのために、閉回路電圧CCVは開回路電圧OCVより小さくなる。閉回路電圧CCVは、内部抵抗やキャパシタンスによる損失だけ、開回路電圧OCVより小さい。
図18Bは、電源の等価回路モデルを示す図である。図18Bに示すように、電源(電池)10は、EBatt(理想電源)と、抵抗値Rimpの内部抵抗と、抵抗値REDLの反応抵抗および静電容量値CEDLの電気二重層容量からなるRC並列回路とを直列接続したモデルと考えることができる。電源10の開回路電圧OCVは、EBattと等しくなり、電源10の閉回路電圧CCV(Vmeas)は以下の式(1)で表すことができる。
式(1)において、ΔEimpは内部抵抗における損失(電圧降下)、ΔEEDLは図18BのRC並列回路における損失(電圧降下)を示している。
電源10が放電する電流は、まずCEDLの方に流れ、CEDLの充電が進行すると徐々にREDLへ流れる。この事象に基づき、式(1)は以下の式(2)に書き換えることができる。
I(t)は、電源10が放電する電流を示しており、以下の式(3)で表すことができる。
式(3)において、RHTRは、負荷125の電気抵抗値を示す。
式(3)より、開閉器172をONにした直後(t=0)における電源10が放電する電流値I(0)は、以下の式(4)で表すことができる。
式(2)と式(4)より、開閉器172をONにした直後(t=0)における電源10の閉回路電圧Vmeas(0)は、以下の式(5)で表すことができる。
一方、式(3)より、REDLとCEDLの積に比べて、tが十分に大きくなった時における電源10が放電する電流値は、以下の式(6)で表すことができる。
式(2)と式(6)より、REDLとCEDLの積に比べて、tが十分に大きくなった時における電源10の閉回路電圧Vmeas(t)は、以下の式(7)で表すことができる。
なお、REDLとCEDLは微小な値であるため、開閉器172をONにした後、比較的早い段階で、電源10が放電する電流値と電源10の閉回路電圧Vmeas(t)は、それぞれ式(6)と式(7)の値に収束する点に留意されたい。
上述したように電源10の閉回路電圧CCV(Vmeas)は、開回路電圧OCV(EBatt)から、内部抵抗Rimpでの電圧降下(強い時間依存性を持たない)と、RC並列回路での電圧降下(強い時間依存性を持つ)とを減算したものとなる。tは通電時間であり、REDL・CEDLは時定数τ(「緩和時間」ともいう。)である。閉回路電圧CCVの時間変化は、図19のグラフのようになる。
続いて、図20は、吸引の検出と給電制御との関係を示す図である。図20に示すように、本実施形態の吸引成分生成装置は、一例として、まず時刻t1で開回路電圧OCVの検出を行い、その後、時刻t2で閉回路電圧CCVの検出を行うように構成されている。閉回路電圧CCVの検出に際しては、電圧検出のためにパルス電圧が印加されるが、この印加時間は、エアロゾルが生成されず、過放電にも至らない程度の時間に設定されていることが好ましい。具体的には、一例として、5msec以内、好ましくは1msec以内としてもよい。なお、電圧検出のためのパルス電圧の印加時間は、時刻t3以降で実施されるPWM制御で許容される最小のオン時間より短くてもよい。
その後、時刻t3で、デューティ比の設定を行うとともに給電を開始する。給電終了はどのようなタイミングであってもよいが、この例では、時刻t4で吸引の終了を検出したことをもって給電終了としている。また、給電を開始してから所定時間が経過することを条件として、給電を終了してもよい。また、吸引の終了の検出と所定時間の経過のいずれか一方を検出したことを条件として、給電を終了してもよい。
なお、開回路電圧OCVおよび/または閉回路電圧CCVの取得に関して、一度のみの計測ではなく計測を複数回行うようにしてもよい。特に、閉回路電圧CCVは、内部抵抗や電気二重層の影響を受けるため、開回路電圧OCVと比較して数値がばらつきやすい。よって、複数回の閉回路電圧CCVの計測がより好ましい。なお、開回路電圧OCVの数値にも若干のばらつきが現れるため、開回路電圧OCVの計測も複数回行うようにしてもよい。
開回路電圧OCVと閉回路電圧CCVの計測をいずれも複数回行う場合、回数を同一としてもよい。あるいは、閉回路電圧CCVの計測回数の方を多くするようにしてもよい。具体的な一例として、閉回路電圧CCVの計測回数をN(Nは1以上の自然数)とし、開回路電圧OCVの計測回数をM(Mは1以上の自然数)としたときに、N>Mとなるように電圧計測を実施するようにしてもよい。このように電圧計測を実施すれば、開回路電圧OCVと閉回路電圧CCVそれぞれの値のばらつきの大きさを考慮しつつ、短時間でそれぞれの適切な値を取得することができる。
計測した複数の電圧値から1つの電圧値(代表値)を得る手法としては、種々の手法を利用可能であり特定のものに限定されるものではないが、例えば、平均値、中央値、もしくは最頻値を使用するものや、または、ある値に対して例えば所定の補正を行うようなものであってもよい。
なお、別の一例として、パルス電圧をいずれかの負荷に印加する必要があるため、閉回路電圧CCVの計測は1回でもよい。一方、パルス電圧を印加する必要のない、開回路電圧OCVの計測は複数回行ってもよい。この実施形態では、閉回路電圧CCVの計測回数は、開回路電圧OCVの計測回数より少なくなる点に留意されたい。
電圧値の計測に関し、次のような態様としてもよい。(i)閉回路電圧の計測に関し、電源10と負荷125とが閉回路状態を形成した後、緩和時間(時定数τ)が経過した後に、電圧値の計測を行う(例として図19のフェーズPh1参照)。前述したとおり、閉回路状態を形成した直後は、図18Bの等価回路におけるCEDLの方に流れ、CEDLの充電が進行すると徐々にREDLへ流れる。計測される電圧値は、時間経過に従って、式(5)の値から式(7)の値へ変化する。換言すれば、閉回路状態を形成した直後から、計測される電圧の値は、式(5)の値から徐々に減少し、式(7)の値に収束する。このように計測を緩和時間経過後とすることで、安定化した状態の閉回路電圧値が取得可能になる。より正確な値を取得するために、1.5τ時間経過後、2τ時間経過後、3τ時間経過後としてもよい。
なお、緩和時間τは、電源10のデータシートから求めてもよいし、交流インピーダンス法(Cole−Coleプロット法)などを用いて実験的に求めてもよい。
また、(ii)電圧値を複数回計測する場合、その検出時間を緩和時間(時定数τ)よりも長く設定することも好ましい(例として図19のフェーズPh2参照)。緩和時間(時定数τ)よりも長時間にわたって計測を行うことで、緩和時間経過後の安定化した電圧値が取得されることとなり、安定化した値に基づく閉回路電圧値を得ることが可能となる。なお、(i)と(ii)は単独で実施してもよいし、組合せで実施してもよい。
(電池残量に応じた負荷の駆動制御)
続いて、電池残量と負荷の駆動制御との関係を図21、図22を参照しながら説明する。図21は、電源として利用可能な二次電池の放電特性を示すカーブであり、縦軸は電源電圧値であり、横軸は使用時間(充電率とみてもよい)である。なお、縦軸の電源電圧値は、開回路電圧OCVと閉回路電圧CCVのどちらでもよい。特に、縦軸の電源電圧値が開回路電圧OCVである場合の図21は、充電状態−開回路電圧特性(SOC−OCV特性)とも呼ばれる。以下では、SOC−OCV特性を例として説明する。このように、例えばリチウムイオンバッテリーのような二次電池では、使用とともに電源電圧値が比較的急に下がっていく初期領域(高残量時)と、電源電圧値の変化が緩やかになるプラトー領域(中残量時)と、その後、使用とともに電源電圧値が比較的急に下がっていく終期領域(低残量時)とを含むカーブとなる。図21の例では、初期領域としてP1、プラトー領域としてP2、終期領域としてP3が示されている。なお、P2はプラトー領域の中盤を越えてやや終盤にさしかかった地点(すなわち、同じプラトー領域でも電源電圧値が比較的低くなった状態)である。
プラトー領域とは、残存容量の変化に対する電源電圧値の変化が少ない領域のことをいう。変化の割合は、電池の組成等にも依存するものであるので特定の数値に必ずしも限定されるものではないが、例えば、電源電圧値が0.01〜0.005(V/%)(例えば充電状態(SOC)が1%変化する場合の電圧値の変化が0.01〜0.005V)以下である場合をプラトー領域と定義してもよい。また、SOCの変化に対する電源電圧値の変化が最も小さい点を基準として、±15〜30%の領域をプラトー領域と定義してもよい。また、SOCの変化に対する電源電圧値の変化がほぼ一定である領域をプラトー領域と定義してもよい。
ここで説明する負荷の駆動制御では、一実施形態では閉回路電圧CCVを測定し、これに基づいて負荷に印加される電圧値または電圧波形を調整する。例えば負荷に印加される電圧のパルス幅、デューティ比、平均値、実効値、電圧値、印加時間、または印加時間の最大値の少なくともいずれかを調整するようにすることができる。
既に図10を用いて、電源から負荷への給電をPWM制御で行うときに、電源電圧値が比較的高い場合には、デューティ比を小さく(パルス幅を狭く)し、電源電圧値が低くなるに従ってデューティ比を大きく(パルス幅を広く)するという制御を行うこと、また、電源電圧が、(満充電電圧−Δ)以下となったときは、デューティ比100で給電すること設明した(図11のステップS103)。さらに、図9を用いてカットオフ時間により給電を終了する制御についても説明した。ここでは、電源電圧(閉回路電圧CCV)に基づいてカットオフ時間を延長することを含む制御について説明する。
図22(a)は初期領域でのPWM制御を示している。ここでは、計測された電源電圧値V1で、100未満のデューティ比の波形が設定されている。電圧の印加を継続する時間である最大印加時間は所定の時間tmaxに設定されているものとする。尚、この最大印加時間tmaxは、図9を用いて説明したカットオフ時間に対応するものである。このような条件のもと、負荷に供給される電力量は下記式(8.1)で表される。ここで、Dはデューティ比であり、Rは負荷の抵抗値である。
次に電池残量が低下し電池電圧のプラトー領域に入ると、初期領域よりもPWM制御におけるデューティ比(パルス幅)を大きくする。電池電圧が低下していくと特にプラトー領域の終盤付近(低電池残量側)では、定電力制御を実行しようとすると、デューティ比100%が達することがある。図22(b)は、P2地点、即ちプラトー領域の終盤付近でのPWM制御を示している。この例では、計測された電源電圧値V2(V1よりも低い)で、デューティ比100%の入力波形が設定されている。負荷に供給される電力量は、上記の式(8.2)となる。本実施形態では、式(8.2)での電力量と式(8.1)での電力量とが同一または実質的同一となるように入力波形の設定が行われてもよい。なお、本発明の一形態においては、電池残量に応じて負荷に供給する波形を変更することが技術的な特徴の1つであり、プラトー領域の全域で電圧が高い場合はプラトー領域の全域で100%未満のデューティ比を設定することもあり、またプラトー領域の初期でデューティ比を100%未満とし、電池電圧が低下してきたプラトー領域の終盤になってからデューティ比を100%にすることもあり、またプラトー領域の全域でデューティ比を100%にすることもある。
図22(c)は、終期領域(プラトー領域を超えてさらに残量が低下した領域)のPWM制御を示している。この例では、計測された電源電圧値V3(V2よりも低い)で、デューティ比100%の入力波形が設定されている。負荷に供給される電力量は、上記の式(8.3)となる。この制御では、最大印加時間tmaxに付加時間αが追加されて延長されている。付加時間αは、式(8.3)で印加される電力量が式(8.1)や式(8.2)等のものと同一または実質的同一となるように、決定されるものであってもよい。すなわち、本実施形態では、プラトー領域を超えた低残量時において、最大印加時間を延長して負荷を駆動するように構成されているので、低残量時においてもプラトー領域と略同じようにエアロゾル(一例)の生成を行うことが可能となる。
電源電圧がどの程度低下したときに付加時間αの追加を始めるかについては、一実施形態においては、PWM制御でデューティ比100%の到達する電池電圧値を基準に、そのときと同じ電力量になるように付加時間αを追加することができる。また、ある程度の電力量の不足を許容し、デューティ比100%でtmax時間だけ給電を続けることとし、電力量の不足が許容できなくなった電圧、例えば電力量が所定の割合(例えば90%、80%、70%等)となる電圧まで低下した後に、付加時間αを追加するように設定してもよい。あるいは、プラトー領域の終止電圧(CCVが好ましいが、OCVで代用してもよい)に到達したときに、付加時間αを追加するように設定してもよい。
なお、延長後の最大印加時間(tmax+α)に関して、上限時間が設定されていてもよい。つまり、最大印加時間tmaxはある上限時間を超えては延長できないようになっていてもよい。
(開回路電圧および閉回路電圧の取得ならびに一連の動作制御例)
図23は吸引成分生成装置の一連の制御フローの一例である。本実施形態の吸引成分生成装置は、同図のフローのような制御を実施するものであってもよい。
まず、ステップS501において、吸引成分生成装置100は、吸引動作が検出されたか、または、スイッチ30(図1参照)がONとなったかを判定する。吸引動作の検出は、前述したように吸引センサ20の出力に基づくものであってもよい。このステップの結果がNoの場合はステップS501を繰り返し、Yesの場合には、続くステップS502においてタイマを起動する。
タイマ起動後、次いで吸引成分生成装置100は、ステップS503において、開回路電圧OCVの取得を行う。このステップでは、上述したように、1回のみの取得であってもよいし、複数回の取得であってもよい。具体的な一例としては、取得した1つまたは複数の値に基づき、必要に応じて平均値等を求めて電源電圧値の1つの代表値を得るようにしてもよい。
次いで、ステップS504において、取得した上記開回路電圧OCVが所定の基準値を超えているか否かを判定する。この所定の基準値(特許請求の範囲の記載との関係上、「第2の基準値」という)は、ここでは、下記する閉回路電圧CCVの取得を実施するか否かを決定するための基準値であってもよい。特定の数値に限定されるものではないが、第2の基準値は例えば3.45Vであってもよい。一実施形態においては、第2の基準値としては、電池残量を開回路電圧値OCVで見たときのプラトー領域の終止電圧を採用してもよい。開回路電圧値OCVに関するこの第2の基準値は、放電終止電圧と同一またはそれ以上に設定されていてもよい。
ステップS504の結果がYesの場合、次いで、ステップS505において放電FETをONにして、ステップS506において閉回路電圧CCVの取得を行う。このステップに関しても、1回のみ電圧値の取得であってもよいし、複数回の電圧値の取得であってもよい。取得した値を利用し、必要に応じて平均値等を求めて、電源電圧値の1つの代表値を得るようにしてもよい。
ステップS504の結果がNoの場合、低残量時のシーケンスを実施する(ステップS521)。このシーケンスとしては、例えば、充電アラートを発するものであってもよい。本実施形態では、このように、ステップS504の結果がNoの場合(つまり、計測した開回路電圧値が第2の基準値(例えば3.45V)以下の場合)、その後のフローである閉回路電圧CCVの取得は行われないので、不要な動作および放電が抑えられることとなる。
続いて、ステップS507において、取得した閉回路電圧CCVが所定の基準値(「第1の基準値」という)を超えているか否かを判定する。特定の数値に限定されるものではないが、第1の基準値は例えば第2の基準値より低い3.00Vであってもよい。閉回路電圧CCVが開回路電圧OCVよりも低いことは前述した通りなので、第1の基準値は、第2の基準値よりも低いことが好ましい。
なお、図24に、閉回路電圧CCVが第1の基準値(例えば3.00V)を上回っている例(e3、室温時)を示した。同図にはまた、開回路電圧OCVが第2の基準値(例えば3.45V)を上回っている例(e1、室温時)および下回っている例(e2)も示されている。e3の矢印α1に示すように、閉回路電圧CCVの値は開回路電圧の値よりも、内部抵抗や電気二重層による電圧降下(IRドロップとも呼ぶ)分だけ低くなる。e4はさらに、低温時を考慮したものである。低温時には、矢印α2に示すように、内部抵抗や反応抵抗が増大するためさらなるIRドロップが生じ、電圧値はより低いものとなる。
上記「第1の基準値」は、放電終止電圧値(一例で3.2V)よりも低い値に設定されていることが一形態において好ましい。この場合における理由は、低温時における電源10の出力不足を検知するためである。電源10の残量が十分であると開回路電圧値OCVから判断されたとしても、温度の影響によって電源10の出力が不足する場合がある。前述した通り、閉回路電圧値CCVには温度の影響を強く受ける内部抵抗や電気二重層の値が反映されるため、閉回路電圧値CCVを用いることで、電源10の出力が不足しているか否かを判断することができる。閉回路電圧値CCVを用いずに電源10の出力が不足しているか否かを判断しようとすると、電源10の温度を取得する温度センサが必要になるため、重量やコストの面から閉回路電圧値CCVを用いることが好ましいと言える。
低温時における電源10の出力不足を精度良く検知するためには、第1の基準値(一例で3.0V)は、室温よりも低い場合に閉回路電圧値CCVが取り得る値と等しい、または、下回れる値であることが一形態において好ましい。第1の基準値は、電源10の温度が室温よりも高く且つ電源10の電圧が放電終止電圧以上である場合に閉回路電圧値CCVが取り得ない値であることがさらに好ましい。換言すれば、第1の基準値は、放電終止状態にある電源10の開回路電圧OCVから、内部抵抗や電気二重層において室温時に生じる電圧降下(IRドロップ)を引いた値より低い値であることが好ましい。上述のとおり、低温時には内部抵抗や反応抵抗が室温時より悪化するため、さらなるIRドロップにより電圧値が降下する。電源10の温度によっては、この低温時のさらなるIRドロップは比較的大きなものになり、十分なSOCを有していても3.0Vを下回ることがある。つまり、このように第1の基準値を設定することで、低温時のIRドロップ等をも考慮した閾値が設定され、良好な電源10の出力の判定が実施可能となる。
本実施形態では、後述するPWM制御に先立って、開回路電圧OCVによる電源10の残量が不足しているか否かの判定と、閉回路電圧CCVによる電源10の出力が不足しているか否かの判定が行われる。このように電源10から特性の異なる複数の電圧を取得することで、電源10の状態をより正確に把握できる。
本実施形態では、開回路電圧OCVによって電源10の残量が不足しているか否かを判定した後に(図23のステップS503とS504)、閉回路電圧CCVによって電源10の出力が不足しているか否かを判定する(ステップS506とS507)。これにより、閉回路電圧CCVを取得する時点で電源10の残量は不足していない点が確認されているため、閉回路電圧CCVが第1の基準値を下回る理由が、電源10の低温時における出力低下であると判断できる。よって、閉回路電圧CCVのみを用いる場合と比べて、電源10の状態がより正確に把握できる。
本実施形態では、閉回路電圧CCVを電源10の残量が不足しているか否かの判定だけでなく、後述するPWM制御のデューティ比の設定や最大印加時間の延長にも用いる。従って、閉回路電圧CCVの一度の測定で、電源10の状態の把握のみならず、給電制御の精度も向上させることができる。
なお、「室温」は、例えば1℃〜30℃の範囲で定義されるものであってもよい。この場合、「室温よりも低い(温度)」とは1℃未満のことをいう。なお、ここでは室温を基準としたが、「常温(例えば15℃〜25℃の範囲)」を基準としてもよい。
再び図23を参照し、ステップS507の結果がNoの場合、低残量時のシーケンスを実施する(ステップS521)。このシーケンスとしては、上記同様、例えば、充電アラートを発するものであってもよい。なお、本実施形態では電源10の出力が不足する場合も低残量時のシーケンスを実施するが、これに代えて当該シーケンスと区別可能な低出力時のシーケンスを実施してもよい。
ステップS507の結果がYesの場合、次いで、ステップS508において、取得した閉回路電圧CCVがさらに他の所定基準値を超えているか否かの判定を行う。このステップは、最大印加時間の延長が必要か否かを判断するためのものである(図22も参照)。当該「所定基準値」については、前述のとおりPWM制御でデューティ比100%の到達する電池電圧値を当該「所定基準値」とする、電力量の不足が許容できなくなった電圧を当該「所定基準値」とする、プラトー領域の終わりを示す電圧値を当該「所定基準値」とする等により設定してもよい。閉回路電圧CCVが当該基準値を超えている場合(つまりステップS508の結果がYesの場合)には、ステップS509において、最大印加時間の延長は行わず閉回路電圧CCVに基づくPWM制御を行う。
他方、閉回路電圧CCVが当該基準値を超えていない場合(ステップS508の結果がNoの場合)、つまり、電源残量が所定基準を下回っている場合には、ステップS510において、最大印加時間の延長を行って負荷に対する給電を行う。なお、限定されるものではないが、この時間延長は、上述した図22の手法を利用するものであってもよい。
次いで、給電開始後、ステップS511において、吸引動作が終了したか否か、スイッチがOFFとなったか否か、または、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS511の結果がNoであれば給電を継続し、YesであればステップS512に移ってエアロゾルの生成を完了する。
以上、図23のフローにしたがって動作の具体的な一例について説明したが、このフローにおける全ての工程を実施することは必須ではなく、当然ながら、異なる技術的思想に基づき、一部分のみを実施するようにしてもよい。
本発明のおける1つの技術的思想としては、閉回路電圧CCVに基づいて電源の低残量状態を検出することを特徴とする(ステップS505〜507、S521等)。開回路電圧OCVの計測は実施されてもよいし、されなくてもよい。
また、本発明のおける他の技術的思想としては、閉回路電圧CCVを計測し、その値に基づき、負荷に対する印加条件の調整(負荷に印加する電圧値および/または電圧波形等の調整)を行うことを特徴とする(ステップS508〜S510等)。この場合も、開回路電圧OCVの計測は必須ではなく、実施されてもよいし、されなくてもよい。
(閉回路電圧の計測とその結果に基づく低残量状態判定の観点)
以上説明したように、本発明の一形態では、閉回路電圧値を取得し、その値に基づいて低残量状態であるか否かの判定を行うことができる。
なお、本実施形態の吸引成分生成装置100は、低残量状態と判断された場合に所定の動作を行う補器を有していてもよい。補器としては種々のものを利用可能であるが、例えば、(i)電源10の放電を抑制するもの、(ii)低残量状態であることを通知するもの、(iii)電源温度を調整するもの等のいずれかまたは組合せであってもよい。より具体的には、低残量状態の場合に、補器の機能により電源10の放電が抑制されるようになっていてもよい。また、低残量状態の場合に、補器の機能によりその旨がユーザに通知される構成であることも好ましい。また、低残量状態の場合に、補器の機能により電源が加温されるようになっていることも好ましい。なお、前述した閉回路電圧CCVに基づいて電源10の出力が不足すると判断された場合は、電源10を加温することが好ましい。低温状態にある電源10を加温すれば、電源10の内部抵抗などによる電圧降下(IRドロップ)が改善するため、充電をせずとも電源10の出力不足が解消する可能性があるからである。
(閉回路電圧の計測とその結果に基づく負荷に対する印加条件調整の観点)
本実施形態では、取得した閉回路電圧値に基づき、負荷に印加される電圧条件を適宜調整することも開示される。すなわち、図21、図22を参照しながら説明したように、この種の吸引成分生成装置100では、現在の電源の消費度合いに応じて、計測される電源電圧値も異なることとなる。したがって、計測により取得された電源電圧値(一例でV1、V2、V3など。図22参照。)に基づき、負荷に給電される電圧値や電圧波形を調整するようにすることが、一形態において、好ましい。
ところで、電源10の出力が不足する状態で給電を継続すると、電源10の劣化が促進されるため好ましくない。本実施形態によれば、閉回路電圧CCVを用いて電源10の出力が不足するか否かを判断し、不足する場合は電源10の給電を少なくとも一時的に抑制する。従って、電源10の劣化が抑制されるため、電源10をより長期に使用できるという省エネルギー効果を有する。
また、電源10は残量などに応じた適切な条件で充放電しないと、電源10の劣化が促進されるため好ましくない。本実施形態によれば、閉回路電圧CCVによって把握した正確な電源10の残量を用いて給電制御を行うため、給電制御の精度が向上する。従って、電源10の劣化が抑制されるため、電源10をより長期に使用できるという省エネルギー効果を有する。
また、本発明の一形態によれば、温度や劣化状態が反映された電源10の電圧の実力値を示す閉回路電圧を用いて電源が低残量状態か否かを判定するため、電源10をより長期に使用できるという省エネルギー効果を有する。
(付記)
本出願は下記の発明を開示する。なお、符号や具体的な数値は参考として示したものであり、本発明を何ら限定する意図のものではない:
1.電源と、上記電源からの電力によって吸引成分源を気化または霧化させる負荷を含む負荷群と、上記電源の電圧値を取得可能に構成された制御回路と、を備え、
上記制御回路は、
a1:上記電源と上記負荷群とが電気的に接続された閉回路状態で、上記電源の閉回路電圧値を取得する処理と、
a2:取得した上記閉回路電圧値と、第1の基準電圧値(例えば3.0V)とを比較し、当該基準電圧値未満または以下の場合には、電源が低残量状態であると判定する処理と、
を行うように構成されている、吸引成分生成装置。
2.上記制御回路は、上記a1の処理で、上記電源と上記負荷群が閉回路状態を形成してから上記閉回路電圧が定常状態になるまでの緩和時間が経過した後に、上記閉回路電圧値を取得するように構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
3.上記制御回路は、上記a1の処理で、所定の検出時間のあいだ上記電源の電圧値を複数取得し、取得した複数の電圧値に基づき上記閉回路電圧値を取得するよう構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
4.上記所定の検出時間は、上記閉回路電圧値が定常状態になるまでの緩和時間よりも長い、上記記載の吸引成分生成装置。
5.上記所定の検出時間は、上記閉回路状態で上記負荷を駆動させても吸引成分が生成されない程度の間である、上記記載の吸引成分生成装置。
6.上記第1の基準電圧値は、上記電源の放電終止電圧(例えば3.2V)よりも小さい値に設定されている、上記記載の吸引成分生成装置。
7.上記第1の基準電圧値(例えば3.0V)は、
上記電源が室温よりも低い場合のみ上記閉回路電圧値が取り得る値と等しい、または、上記電源が室温よりも低い場合のみ上記閉回路電圧値が取り得る値が下回れる値である、上記記載の吸引成分生成装置。
8.上記制御回路は、さらに、
b1:上記電源と上記負荷群とが電気的に接続されていない開回路状態で、上記電源の開回路電圧値を取得する処理と、
b2:取得した上記開回路電圧値と、第2の基準電圧値(例えば3.45V)とを比較し、当該第2の基準電圧値未満または以下の場合に、上記電源が上記低残量状態であると判定する処理と、
を行うように構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
9.上記制御回路は、上記b2の処理後に、上記a1およびa2の処理を行うように構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
10.上記制御回路は、
上記b2の処理で、上記開回路電圧値が上記第2の基準電圧値以上である場合に、上記a1およびa2の処理を行うように構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
11.上記制御回路は、上記b1の処理で、開回路状態で検出した上記電源の複数の電圧値に基づき、上記開回路電圧値を取得するよう構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
12.上記制御回路は、上記a1の処理で、閉回路状態で検出した上記電源のN(Nは1以上の自然数)個の電圧値に基づき、上記閉回路電圧値を取得し、上記b1の処理で、開回路状態で検出した上記電源のM(Mは1以上の自然数)個の電圧値に基づき、上記開回路電圧値を取得するよう構成され、上記Nは、上記Mより大きい、上記記載の吸引成分生成装置。
13.上記第2の基準電圧値が、上記電源の放電終止電圧以上に設定されている、上記記載の吸引成分生成装置。
14.上記第1の基準電圧値は、上記第2の基準電圧値と異なる、上記記載の吸引成分生成装置。
15.上記負荷の動作を要求する信号を出力可能なセンサを含み、上記制御回路は、上記センサの出力の検出を契機とした上記負荷に対する上記電源からの給電中に、上記閉回路電圧値を取得するよう構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
16.上記制御回路は、上記センサの出力を検出した後であって、上記負荷へ給電する前に、上記開回路電圧値を取得する処理を行うように構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
17.上記電源がケース内に収容された電源ユニットと、上記電源ユニットに対して交換可能に取り付けられるカートリッジユニットと、を備える、上記記載の吸引成分生成装置。
18.上記低残量状態における上記電源の放電を抑制する補器を備え、上記制御回路は、さらに、a3:上記電源が低残量状態であると判定した場合に、上記補器を機能させる処理を行うように構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
19.上記補器は、上記電源が上記低残量状態であることを通知するよう構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
20.上記補器は、上記電源の温度を調整するよう構成されている、上記記載の吸引成分生成装置。
21.電源と、上記電源からの電力によって吸引成分源を気化または霧化させる負荷を含む負荷群と備える吸引成分生成装置の少なくとも一部の機能を制御する制御回路であって、
上記電源と上記負荷群とが電気的に接続された閉回路状態で、上記電源の閉回路電圧値を取得する処理と、
取得した上記閉回路電圧値と、第1の基準電圧値とを比較し、当該基準電圧値未満または以下の場合には、電源が低残量状態であると判定する処理と、
を行うように構成されている、制御回路。
22.電源と、上記電源からの電力によって吸引成分源を気化または霧化させる負荷を含む負荷群と、上記電源の電圧値を取得可能に構成された制御回路とを備える吸引成分生成装置の制御方法であって、
上記電源と上記負荷群とが電気的に接続された閉回路状態で、上記電源の閉回路電圧値を取得するステップと、
取得した上記閉回路電圧値と、第1の基準電圧値とを比較するステップと、
当該基準電圧値未満の場合には、上記電源が低残量状態であると判定するステップと、
を有する、吸引成分生成装置の制御方法。
23.電源と、
上記電源からの電力によって吸引成分源を気化または霧化させる負荷を含む負荷群と、
上記電源と上記負荷群とを電気的に接続する一対の端子と、
上記一対の端子を介して上記負荷群へ印加される電圧値を取得可能に構成された制御回路と、を備え、
上記制御回路は、取得した上記負荷群へ印加される電圧値と、第1の基準電圧値とを比較し、当該基準電圧値未満または以下の場合には、上記負荷群が動作できない状態であると判定する処理と、
を行うように構成されている、吸引成分生成装置。
24.電源と、上記電源からの電力によって吸引成分源を気化または霧化させる負荷を含む負荷群と、上記電源と上記負荷群とを電気的に接続する一対の端子と、上記一対の端子を介して上記負荷群へ印加される電圧値を取得可能に構成された制御回路とを備える吸引成分生成装置の制御方法であって、
上記制御回路は、取得した上記負荷群へ印加される電圧値と、第1の基準電圧値とを比較し、当該基準電圧値未満または以下の場合には、上記負荷群が動作できない状態であると判定する処理と、
を行うように構成されている、吸引成分生成装置の制御方法。
25.上記記載の制御方法を吸引成分生成装置に実行させる制御プログラム。
本明細書は、例えば物の発明として開示された内容を、方法、コンピュータプログラム、およびコンピュータブログラム媒体としての表現に変更した発明についても開示する。