JP6544847B2 - 食品試料における志賀毒素産生大腸菌(stec)の存否を決定する方法 - Google Patents
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Description
STECの各血清群に対する抗体を用いて、各血清群に対してインキュベートした食品試料を有する培養培地の免疫濃縮を行うステップ;
免疫濃縮物からDNAを分離するステップ;及び
下記の大腸菌遺伝子又はその断片:
stx1及び/又はstx2、
各血清群のeae遺伝子のサブタイプ、及び
任意選択で、各血清群に特異的なバイオマーカー遺伝子
を増幅させるプライマーを用いて、DNAに対して第2の一連のPCRを行うステップ
を含む、STECの1つ又は複数の特定の血清群の存在の確認するステップを含む。
免疫濃縮物を色素培地に蒔いて、分離した大腸菌のコロニーを成長させ得るステップ;
分離したコロニーからDNAを分離するステップ;及び
下記の大腸菌遺伝子又はその断片:
stx1及び/又はstx2、
各血清群のeae遺伝子のサブタイプ、及び
任意選択で、各血清群に特異的なバイオマーカー遺伝子
を増幅させるプライマーを用いて、DNAに対して第3の一連のPCRを行うステップ
をさらに含む。
stx1及び/又はstx2、
O157、O26、O45、O103、O111、O121及びO145から選択される1つ又は複数の血清群のeae遺伝子のサブタイプ、及び
任意選択で、O157、O26、O45、O103、O111、O121及びO145から選択される1つ又は複数の血清群に特異的なバイオマーカー遺伝子
を増幅させるプライマー及びプローブがプレロードされている。
各プローブを用いて増幅された大腸菌遺伝子を検出するための検出手段;
PCRの実行を制御するための制御手段であって、stx1及び/又はstx2、その血清群のeae遺伝子のサブタイプ、及び、任意選択で、その血清群に特異的なバイオマーカー遺伝子の検出結果に応じて各血清群に対して最終結果が生じるように、アルゴリズムに従って、検出された大腸菌遺伝子を評価することができるソフトウェアが格納されている、制御手段;及び
各血清群の最終結果を、光学的に及び/又は音響的に示す表示手段
を備える。
どちらの方法も、結果的に富栄養試料(大腸菌の保存培地)となる、大腸菌が成長できる培養培地にてインキュベートされた食品試料を用いるところから始まる。
免疫濃縮物からDNAを分離し;
下記の大腸菌遺伝子又はその断片:
stx1及び/又はstx2、
各血清群のeae遺伝子のサブタイプ、及び
任意選択で、各血清群に特異的なバイオマーカー遺伝子
を増幅させるプライマーを用いて、DNAに対して第2の一連のPCRを行う。
41.5±1℃で予め温めておいた、大腸菌が成長可能な従来の培養培地(例えば、緩衝ペプトン水)で、志賀毒素産生大腸菌の1つ又は複数の特定の血清群の存否を検査する食品試料をインキュベートし、富栄養試料(大腸菌の保存培地)を生じた。水で20重量%に希釈したキレックス(Chelex)100を500μL予め充填させた96本のチューブを備えている予め充填された溶解プレートに、富栄養試料の一部である50μLを移した。アルミニウム板を用いてチューブに封をした後に、102±2℃まで予め加熱された熱いブロック(thermal block)の中に、溶解プレートを10分間置いた。溶解ステップが完了したら、アルミニウム板にチップを用いて穴を開け、6セクターディスク反応カートリッジへ移す溶解物の36μLのポーションを回収する。
溶解物を室温で5分間置き、次いで反応カートリッジに(即ち、1つの試料を1つのセクターに)投入する。このSTEC Top7ジーンディスクの各セクターは、14個の標的遺伝子の検出を可能にする乾燥させたプライマー及びプローブを含む6つの個々のウェルを備える(血清群がそれぞれのバイオマーカー遺伝子を表す、表1及び表2を参照のこと)。
ジーンディスク分析にてPCRが陽性結果の場合、推定される陽性のSTEC Top7の1つに対して特異的な抗体と共に、100μL〜1mLの富栄養試料をインキュベートし、免疫濃縮物を調製した。1〜4回の洗浄ステップの後、0.05重量%のトゥーン(Tween)20を含むPBSを用いて、濃縮された細胞(免疫濃縮物)を溶離した。細胞の半分をSTEC Top7のジーンディスクプレートを用いたPCR分析に使用する。標的遺伝子に対して陽性結果の場合、特定の色を生じるアガー培地に、細胞の残りの部分を蒔く。最終確認のために、STEC Top7のジーンディスクを用いて、6つまで分離されたコロニーを検査する。
フランスの92地方行政区画のスーパーマーケットにて収集した2,476の新鮮な牛ひき肉の試料に対して、STEC Top7のジーンディスクの方法を評価した。各試料25gを225mLの緩衝ペプトン水と混合し、次いで、37℃で18時間〜24時間インキュベートした。PCRスクリーニングの後に、ISO13136技術仕様書の提言に従って、直接焼き付けによって、PCRの陽性試料から細菌分離を行った。この研究の目的は、一般的なeae遺伝子の代わりに、eaeバリアント(サブタイプ)を含むSTEC Top7のスクリーニング法と、ISO13136技術仕様書(stx、eae及び血清群)に記載されたスクリーニング法を比較することである。結果を表4にて報告する。
1,072の生乳試料及び376の生乳チーズを含む1,448個の生乳製品に対して、STEC Top7のジーンディスクの方法を評価した。各試料25gを、ノボビオシン(10mg/L)を補った225mLの緩衝ペプトン水で希釈した。試料を37℃で18時間±2時間インキュベートした。この実施例の目的は、一般的なeae遺伝子の代わりに、eaeバリアントを含むSTEC Top7のスクリーニング法と、ISO13136技術仕様書(stx、eae及び血清群)に記載されたスクリーニング法を比較することであった。結果を表5にて報告する。
方法全体の評価も、USの全域の4つの施設にて加工された400の牛ひき肉の試料及び150のひき肉用牛肉の試料を含む、375gの生牛肉の試料であると理解した。本発明のジーンディスクの方法をUSDA−FSIS MLG 5B.01の方法と比較した。各試料の375gを1.5LのmTSB又は975mLのノボビオシンを含むmTSB(mTSBn)にて希釈した。試料を42℃でインキュベートした。インキュベートする時間は、富栄養培養液に依存した:mTSBでは12時間、mTSBnでは15時間であった。仮定に基づく陽性試料を参照方法(USDA−FSIS MLG5&5B.01)に従って確認した。結果を表6にて報告する。
ジーンディスクの方法及びUSDA−FSISの方法の有病率は、それぞれ0.36%及び1.82%であった。
Claims (11)
- 食品試料における病原性志賀毒素産生大腸菌(STEC)の1つ又は複数の特定の血清群の存否を決定する方法であって、該方法が、
(1)大腸菌が成長可能な培養培地中で食品試料をインキュベートして、大腸菌の保存培地を得るステップ、
(2)保存培地中の大腸菌を溶解させて、大腸菌DNA含有試料溶液を得るステップ、
(3)下記の大腸菌遺伝子又はその断片:
(i)志賀毒素1をコードするstx1及び/若しくは志賀毒素2をコードするstx2、
(ii)決定する各STECの血清群のための、インチミンをコードする血清群のeae遺伝子のサブタイプ、及び
(iii)決定する各STECの血清群のための、その血清群に特異的なバイオマーカー遺伝子
を増幅させるプライマーを用いて、試料溶液に対して第1の一連のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うステップ、
並びに、
(4)前記第1の一連のPCRにおいて、stx1及び/又はstx2並びに少なくとも1つの血清群のためのeae遺伝子及び特異的なバイオマーカー遺伝子が増幅される場合:
大腸菌の保存培地の濃縮物に対して第2の一連のPCRを行うことによって、STECの1つ又は複数の特定の血清群の存在を確認するステップ
を含み、
前記STECの1つ又は複数の特定の血清群の存在を確認するステップが、
(a)STECの各血清群に対する抗体を用いて、各血清群に対して大腸菌の保存培地の免疫濃縮を行うステップ、
(b)免疫濃縮物からDNAを分離するステップ、及び、
(c)下記の大腸菌遺伝子又はその断片:
(i)stx1及び/若しくはstx2、及び
(ii)各血清群のeae遺伝子のサブタイプ
を増幅させるプライマーを用いて、DNAに対して前記第2の一連のPCRを行うステップ
を含む、方法。 - 第2の一連のPCRにて、stx1及び/又はstx2並びにeae遺伝子が増幅される場合、前記STECの1つ又は複数の特定の血清群の存在を確認するステップが、
(d)免疫濃縮物を色素培地に蒔いて、分離した大腸菌のコロニーを成長させ得るステップ、
(e)分離したコロニーからDNAを分離するステップ、及び
(f)下記の大腸菌遺伝子又はその断片:
(i)stx1及び/若しくはstx2、及び
(ii)各血清群のeae遺伝子のサブタイプ
を増幅させるプライマーを用いて、DNAに対して第3の一連のPCRを行うステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 色素培地が、セフィキシム亜テルル酸ソルビットマッコンキー培地(CT−SMAC);ノボビオシン、セフィキシム三水和物及び亜テルル酸カリウムを含む改変レインボーアガー(mRBA);トリプトン胆汁酸X−グルクロニド培地(TBX);並びに、セフィキシム亜テルル酸ラムノースマッコンキー培地(CT−RMAC)から選択される、請求項2に記載の方法。
- 一連のPCRが、増幅された遺伝子又は断片の検出を可能とする特異的な標識DNAプローブを用いて行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 決定される特定の血清群(複数可)が、O157、O26、O45、O103、O111、O121及びO145から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- O157、O26、O45、O103、O111、O121及びO145の全ての血清群の存否を決定するステップを含む、請求項5に記載の方法。
- 一連のPCRにおいて増幅されるeae遺伝子のサブタイプが、O26のeae−β、O145及びO157のeae−γ、O45、O103及びO121のeae−ε、並びに、O111のeae−θから選択される、請求項5又は6に記載の方法。
- 特異的なバイオマーカー遺伝子が、各血清群のO抗原トランスポーター遺伝子から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 食品試料が、生肉、生の乳製品、又は、生の野菜製品から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- インキュベーションステップでの培養培地が、緩衝ペプトン水;トリプチックソイブロス(TSB);及び、改変トリプチックソイブロス(mTSB)から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- それぞれの一連のPCRが、自動化手法にて同時に行われる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
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