本発明の実施態様は、多数の異なるマニピュレータアセンブリを制御する技法の改良を概ねもたらす。幾つかの実施態様は、手術ロボットシステムとの使用のために特に有利であり、手術ロボットシステムでは、複数の手術ツール(手術工具)又は器具(インストゥルメント)が外科処置中に関連する複数のロボットマニピュレータに取り付けられ且つそれらによって移動させられる。ロボットシステムは、マスタ−スレーブコントローラとして構成されるプロセッサを含む、遠隔ロボット、遠隔手術、及び/又はテレプレゼンスシステムを含むことが多い。異なるロボットアーム及び/又は手術ツールのような多数の異なるマニピュレータアセンブリを制御するよう適切に構成されるプロセッサを利用するロボットシステムを提供することによって、外科措置を行う際のロボットシステムの柔軟性を有意に増大させてよい。
ここに記載するロボットマニピュレータアセンブリは、多くの場合、ロボットマニピュレータと、その上に取り付けられるツール(ツールは、多くの場合、手術バージョンの手術器具を含む)とを含むが、「ロボットアセンブリ」という用語は、その上にツールが取り付けられていないマニピュレータも包含する。「ツール」という用語は、汎用又は工業ロボットツール及び特殊ロボット手術ツールの両方を含み、これらのより最近の構造は、しばしば、組織の操作、組織の治療、組織の画像化(イメージング)、又は同種のことに適したエンドエフェクタを含む。ツール/マニピュレータインターフェースは、多くの場合、急速着脱ツールホルダ又はカップリングであり、ツールの迅速な取外し及び代替的なツールとの迅速な交換を可能にする。マニピュレータアセンブリは、多くの場合、ロボット処置の少なくとも一部の間に空間内に固定されるベースを含み、マニピュレータアセンブリは、ツールのエンドエフェクタとベースとの間に多数の自由度を含んでよい。例えば、マニピュレータアセンブリは、マニピュレータの運動学的な自由度並びにマニピュレータに接続されるツールの運動学的な自由度を含んでよい。これらの組み合わせを「マニピュレータ自由度」と呼ぶことがあり、それらは典型的には関節空間(継手空間)内に定められる。(把持装置のジョーの開閉、電気外科パッドルを通電すること、真空のために空気圧をアクティブ化すること、又は同種のことのような)エンドエフェクタの作動は、これらのマニピュレータ自由度と別個であり、それらに加えてある。これらを「アクチュエータ自由度」と呼ぶことがある。
エンドエフェクタ(より一般的には、以下に記載するような制御フレーム)は、典型的には2〜6の間の自由度を備える作業空間内で移動するが、2つよりも少ない自由度又は6つよりも多い自由度で作業空間内を移動してよい。ここでは、エンドエフェクタの自由度(より一般的には、制御フレームの自由度)を「エンドエフェクタ自由度」と呼ぶことがあり、それらは典型的には(以下に記載する)デカルト作業空間内に定められる。ここで使用するとき、「位置」という用語は、場所(例えば、x,y,z座標)及び向き(例えば、ピッチ、ヨー、ロール)の両方を包含する。故に、エンドエフェクタの位置の変化は、(例えば)第1の場所から第2の場所へのエンドエフェクタの位置の並進(平行移動)、第1の向きから第2の向きへのエンドエフェクタの回転、又は両者の組み合わせを含んでよい。最小侵襲的なロボット手術のために用いられるときには、ツール又は器具のシャフト又は中間部分が最小侵襲的な手術アクセス部位又は他の孔を通じる安全な運動に制約されるよう、システムの1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって、マニピュレータアセンブリの動きを制御してよい。そのような運動は、例えば、孔部位を通じて手術作業空間内に至るシャフトの軸方向挿入、その軸についてのシャフトの回転、孔部位にある旋回地点についてのシャフトの旋回運動を含んでよい。
1つの具体的な実施態様では、システムのモータを用いるコントローラを介して1つ又はそれよりも多くの関節(継手)を駆動させることによって、マニピュレータアセンブリの運動学的な自由度を制御してよい。関節はコントローラのプロセッサによって計算される協調関節動作に従って駆動させられる。算数的に、コントローラはベクトル及び/又は行列を用いて関節命令の計算の少なくとも一部を行ってよい。ベクトル及び/又は行列の一部は、関節の構成(コンフィギュレーション)又は速度に対応する要素(成分)を有し得る。プロセッサに利用可能な代替的な関節構成を関節空間として概念化し得る。関節空間は、例えば、マニピュレータアセンブリが有する自由度と同じ数の次元を有してよく、幾つかの例示的な実施態様において、マニピュレータアセンブリは、マニピュレータアセンブリと関連付けられるエンドエフェクタの位置を十分に定めるために少なくとも1つの自由度を欠くことがあるので、関節空間は、マニピュレータアセンブリが有する自由度よりも多い次元を有することがある。更に、マニピュレータアセンブリの特定の構成は関節空間内の特定の地点を表してよく、各座標はマニピュレータアセンブリの関連付けられる関節の関節状態に対応し、そこには、マニピュレータの関連付けられる関節が存在する。
例示的な実施態様において、システムはコントローラを含み、そこでは、命令される位置及びデカルト空間としてここに示す作業空間内の機能の速度が入力である。機能は、制御入力を用いて関節式に連接されるべき制御フレームとして用い得るマニピュレータアセンブリ上の又はマニピュレータアセンブリから離れた如何なる機能であってもよい。ここに記載する多くの実施例において用いられるマニピュレータアセンブリ上の機能の例は、ツール先端である。マニピュレータアセンブリ上の機能の他の例は、ピン又は彩色パターンのような、ツール先端にないがマニピュレータアセンブリの一部である物理的な機能である。マニピュレータアセンブリの機能の例は、ツール先端から正に特定の距離及び角度だけ離れた空空間内の基準地点である。マニピュレータアセンブリから離れた機能の他の例は、マニピュレータアセンブリに対するその位置を確立し得る標的組織である。これらの場合の全てにおいて、エンドエフェクタは、制御入力を用いて関節式に連接されるべき仮想の制御フレームと関連付けられる。しかしながら、以下では「エンドエフェクタ」及び「ツール先端」を同義的に用いる。一般的には所望のデカルト空間エンドエフェクタ地点を均等な関節空間位置にマッピングする閉形式の関係(closed form relationship)はないが、デカルト空間エンドエフェクタと関節空間速度との間には閉形式の関係がある。運動学的なヤコビアンは、関節空間位置要素(成分)に対するエンドエフェクタのデカルト空間位置成分の偏導関数の行列である。このようにして、運動学的なヤコビアンは、エンドエフェクタとマニピュレータアセンブリの関節との間の運動学的な関係を捉える。換言すれば、運動学的なヤコビアンは、エンドエフェクタ上の関節運動の効果を捉える。
ここに記載するマニピュレータアセンブリの多く(しかしながら、全部ではない)は、典型的には作業空間内のエンドエフェクタの位置付けに対する完全な制御に関連付けられる自由度よりも少ない、使用のために利用可能な自由度を有する(その場合、エンドエフェクタの完全な制御は、3つの独立した並進及び3つの独立した向きを含むエンドエフェクタ自由度を必要とする)。即ち、マニピュレータアセンブリは、6つのエンドエフェクタ自由度を独立して制御するために、不十分な数の又は種類の自由度を有してよい。例えば、関節式に連結するリスト(手首部)のない剛的な内視鏡先端は、リストで2つの自由度を欠いてよい。従って、内視鏡は、エンドエフェクタを位置決めするために、6つではなく、4つの自由度のみを有してよく、よって、内視鏡の運動を潜在的に制約する。
しかしながら、ここに記載するマニピュレータアセンブリの一部は、エンドエフェクタの位置付けに対する完全な制御に要するよりも多い数の自由度を有する(その場合、エンドエフェクタの完全な制御は、3つの独立した並進及び3つの独立した向きを含むエンドエフェクタ自由度を必要とする)。しかしながら、マニピュレータアセンブリの関節の種類及び構成の故に、マニピュレータアセンブリは、エンドエフェクタの位置付けを依然として完全に制御し得ない。例えば、マニピュレータアセンブリは、7つのマニピュレータ自由度を有してよいが、それらのうちの3つは余剰である。結果的に、エンドエフェクタは、効果的に5つの自由度を有する。幾つかの実施態様において、マニピュレータアセンブリは、エンドエフェクタの位置付けを完全に制御するために十分な自由度を有してよい。
エンドエフェクタの位置付けを制御するために利用可能な自由度の数に拘わらず、ここに記載するマニピュレータアセンブリは、ツールを作動させるための追加的な自由度(即ち、作動自由度)も促進することがある。例えば、作動後に選択的な組織を加熱するよう動作可能である電気焼灼プローブを有するツールを取り付けるようにマニピュレータアセンブリを構成してよく、その場合、熱の作動/非作動は自由度である。他の例として、例えば、作動後に選択的な組織の周りに吸引力を適用するよう動作可能である真空を有するツールを取り付けるようにマニピュレータアセンブリを構成してよく、その場合、吸引力を作動させることは自由度である。更なる他の例として、グリップを有するツールを取り付けるようにマニピュレータアセンブリを構成してよく、その場合、グリップの作動は自由度である。一層更なる他の例として、グリップとカッタとを有するツールを取り付けるようにマニピュレータアセンブリを構成してよく、その場合、グリップの作動は自由度であり、カッタの作動は自由度である。そのような場合、これらの追加的な自由度は運動学的でない。何故ならば、それらはエンドエフェクタの位置(即ち、場所及び向き)に影響を与えないからである。従って、これらの追加的な自由度を「非運動的」又は「作動」自由度と呼ぶことがある。これは運動的な自由度(例えば、ここに記載するマニピュレータ自由度)と対照的である。何故ならば、運動学的な自由度は、エンドエフェクタの位置に影響を与えるからである。
ここでは、多くの場合に、関節又は類似物の「状態」という用語を関節と関連付けられる制御変数と呼ぶ。例えば、角関節の状態は、その運動の範囲内でその関節によって定められる角度を指し、且つ/或いは関節の角速度を指し得る。同様に、軸又はプリズム状関節の状態は、関節の軸位置を指し、且つ/或いはその軸速度を指すことがある。ここに記載するコントローラの多くは速度コントローラを含むが、多くの場合に、それらは何らかの位置制御特徴も有する。代替的な実施態様は、主として又は全体的に、位置コントローラ、加速度コントローラ、又は類似のコントローラに依存してよい。そのような装置において用い得る制御システムの多くの特徴は、米国特許第6,699,177号により完全に記載されており、その全文をここに参照として援用する。故に、記載する動作が関連付けられる計算に基づく限り、位置制御アルゴリズム、速度制御アルゴリズム、両者の組み合わせ、及び/又は同種のアルゴリズムを用いて、ここに記載する関節の動き及びエンドエフェクタの動きの計算を行ってよい。
多くの実施態様において、例示的なマニピュレータアームのツールは、最小侵襲的な孔に隣接する旋回地点について旋回する。幾つかの実施態様において、システムは、その全文をここに参照として援用する米国特許第6,786,896号に記載する遠隔中心運動学のような、ハードウェア遠隔中心を利用することがある。そのようなシステムは、マニピュレータによって支持される器具のシャフトが遠隔中心地点について旋回するように、リンク装置(linkage)の動きを制約する二重平行四辺形のリンク装置を利用することがある。代替的な機械的に制約される遠隔中心リンク装置システムは知られており、且つ/或いは将来的に開発されるかもしれない。他の実施態様において、システムはソフトウェアを利用して米国特許第8,004,229号に記載するような遠隔中心を達成してよく、その全文をここに参照として援用する。ソフトウェア遠隔中心を有するシステムにおいて、プロセッサは、機械的な制約とは対照的に、器具シャフトの中間部分を所望の旋回地点について旋回させるように関節の動きを計算する。ソフトウェア旋回地点を計算する能力を有することによって、システムのコンプライアンス(順応性)又は剛性によって特徴付けられる異なるモードを選択的に実施し得る。より具体的には、ある範囲の旋回地点/中心に対する異なるシステムモード(例えば、ソフトウェアが定める旋回地点を1つの場所から他の場所に移動させることがあるような移動可能な旋回地点、患者の体壁に依存して「中心」を通過することの制約を実施し得るような受動的な旋回地点、固定的/剛的な旋回地点、ソフト旋回地点等)を所望に実施し得る。
多くの構成において、ロボット手術システムは、遠隔操作されるロボットマニピュレータアーム及び/又はツールが有する自由度と同じ、よりも少ない、又はよりも多い、多数の自由度を有するマスタコントローラを含んでよい。そのような場合には、典型的には、ロボットマニピュレータアーム及び/又はツールを制御するために用いるヤコビアンに基づく又は他のコントローラが、完全な数学的な解及び満足な制御をもたらす。例えば、剛的な本体の位置(例えば、場所及び向き)を完全に制御することは、並進のための3つの自由度と回転のための3つの自由度を含む、剛的な本体の6つの独立して制御可能な自由度を利用し得る。これはヤコビアンに基づく制御アルゴリズムに上手く適し、そこでは、6×Nヤコビアン行列が用いられる。
エンドエフェクタの位置を完全に制御するための6つの自由度と同じ数の、よりも少ない、又はよりも多い自由度を有するアセンブリを含む、様々な自由度を有するマニピュレータアセンブリをここに開示するが、これらのアセンブリの多くの実施態様は、エンドエフェクタの位置を完全に制御するための少なくとも1つの自由度を欠く。マニピュレータアセンブリは、これらの自由度のうちの1つを欠くことがあるが、マニピュレータアセンブリを制御する入力装置(例えば、マスタ制御入力装置)は、欠いている自由度を含んでよい。本発明の実施態様によれば、マニピュレータアセンブリで欠いている自由度を制御する入力に応答して、マニピュレータアセンブリで利用可能な他の自由度は、欠いている自由度の制御をシミュレート(擬態)するような運動をもたらしてよい。これは欠いているマニピュレータ自由度のための計算を含み且つ行うマニピュレータアセンブリの運動学的モデルを用いることによって行われ得る。そのような計算を行うことによって、マニピュレータアセンブリの残余の自由度をより効果的に制御して、エンドエフェクタが所要の自由度に沿って移動するように見えるようにさせてよい。更に、そのような運動学的モデルの使用は、異なる数の自由度を有するツールの位置決め及び/又は作動を促進することの複雑さを有利に低減させることがある。
少なくとも1つの実施態様では、ロボット手術システムの同じベース又は支持構造に繋がるように異なるマニピュレータアセンブリを構成してよい。例えば、同じ支持構造に繋がるように異なるロボットアームを構成してよく、且つ/或いは同じロボットアームに繋がるように異なるロボットアームを構成してよい。ある場合には、異なるロボットアームにある同じコネクタ要素は、ロボットアームの異なる特徴を制御してよい。例えば、1つのロボットアームにある最上部のコネクタ要素は、ロボットアームのヨーを制御してよいのに対し、他のロボットアームにある最上部のコネクタ要素は、ロボットアームのロールを制御してよい。
ロボットアームから支持構造内のコントローラによって受信される信号の正しい解釈を促進するために、マッピングユニットを設けて、ロボットアームから受信する信号を、関節空間コントローラのようなコントローラの特定の入力にマッピングしてよい。例えば、多数の異なるマニピュレータアセンブリのために用いてよい共通の関節空間コントローラが、一定の組の入力要素を有してよい。次に、特定のロボットアームのためのマッピングユニットは、ロボットアームから受信する信号を、関節空間コントローラの適切な入力要素にマッピングしてよい。例えば、マッピングユニットは、ロボットアームの「ロール」コネクタ要素から受信する信号を、関節空間コントローラの汎用入力要素にマッピングしてよい。異なるロボットアームのために、マッピングユニットは、(第1のロボットアームのためのコネクタ要素と異なるコネクタ要素であってよい)ロボットアームの「ロール」コネクタ要素から受信する信号を、関節空間コントローラの同じ汎用入力要素にマッピングしてよい。そのようにして、同じ関節空間コントローラを用いて多数の異なるマニピュレータアセンブリのための関節空間計算を行ってよい。
同様に、マニピュレータアセンブリに特異なマッピングを用いて、異なる種類の空間内の計算を行うコントローラの間の信号をマッピングしてよい。例えば、支持構造は、関節空間コントローラに加えて、例えば、三次元作業空間内の計算を行うように動作可能であるカート空間(cart space)コントローラのような、作業空間コントローラを含んでよい。よって、マッピングユニットを設けて、関節空間コントローラから出力される信号を作業空間コントローラの入力要素にマッピングしてよい。
以下の記述では、本発明の様々な実施態様を記載する。説明の目的のために、実施態様の網羅的な理解をもたらすよう、特定の構成及び詳細を示す。しかしながら、特定の詳細がなくても本発明を実施し得ることも当業者に明らかであろう。更に、記載する実施態様を曖昧にしないために、周知の機能を省略し或いは簡略化することがある。
図面を今や参照すると、幾つかの図面を通じて同等の参照番号は同等の部分を示しており、図1Aは、手術テーブル14の上に横たわっている患者12に対して最小侵襲的な診断又は外科処置を行う際の使用のための、多くの実施態様に従った、最小侵襲的ロボット手術システム10(MIRSシステム)を例示する俯瞰図である。システムは、手術中の外科医18(サージョン)による使用のためのサージョンコンソール16(外科医コンソール)を含み得る。1人以上の助手20が手術に参加してもよい。MIRSシステム10は、ペイシェントカート22(手術ロボット)及び電子機器カート24を更に含み得る。ペイシェントカート22は、多数のロボットアームを含んでよく、各々のロボットアームは、外科医18がサージョンコンソール16を通じて手術部位を見る間に、患者12の身体の最小侵襲的な切開部を通じて少なくとも1つの取外し可能に連結されるツールアセンブリ26(以下単に「ツール」と呼ぶ)を操作し得る。入れ子式の内視鏡のようなイメージングデバイス28(画像化装置)によって手術部位の画像を取得することができ、イメージングデバイス28を方向付けるようペイシェントカート22(患者側カート)によってイメージングデバイス28を操作し得る。サージョンコンソール16を通じて外科医18に引き続き表示するために、電子機器カート24を用いて手術部位の画像を処理し得る。一度に用いられる手術ツール26の数は、他の要因の中でもとりわけ、診断又は外科処置及び手術室内の空間的制約に概ね依存する。手術中に使用しているツール26の1つ又はそれよりも多くを変更する必要があるならば、助手20はペイシェントカート22からツール26を取り外して、それを手術室内のトレイ30からの他のツール26と交換してよい。更に、ペイシェントカート22に取り付けられる特定のロボットアームは、診断又は外科処置に依存することもあり、同様に、手術前、手術中、又は手術後に、ツール26を変更することもできる。
特定の実施態様におけるMIRSシステム10は、患者に対して最小侵襲的な診断又は外科処置を行うためのシステムであり、サージョンコンソール16、電子機器カート24、及びペイシェントカート22のような、様々なコンポーネントを含む。しかしながら、システムは図1Aに例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントを有することによって同様に十分に作動し得ることが当業者によって理解されるであろう。更に、MIRSシステム10の1つの特定の要素によって行うものとしてここに記載する計算作業又は機能をMIRSシステム10の他の要素によって行ってよく、幾つかの実施態様では、MIRSシステム10の2つ又はそれよりも多くの要素に分配してよい。例えば、電子機器カート24によって行うものとしてここに記載する機能を、幾つかの実施態様では、サージョンコンソール16及び/又はペイシェントカート22によって行ってよい。更に、同じ又は類似の機能性をもたらす多数の要素をMIRSシステム10内で実施してもよいことが認識されるべきである。例えば、MIRSシステム10は、独立して或いは組み合わせにおいて、1つ、2つ、又はそれよりも多くのペイシェントカート22を制御する/それらと相互作用する、2つ又はそれよりも多くのサージョンコンソール16を含んでよい。同様に、1つよりも多くの電子機器カート24(例えば、各コンソールについて1つずつ)を設けてよく、幾つかの実施態様では、カート24を設けないでよく、それにより、カート24と関連付けられるここに記載する機能性を1つ又はそれよりも多くのコンソール16、カート22、及び/又はMIRSシステム10の他の要素に分配してよい。よって、図1A中のシステム10の描写は本質的に例示的であり、本開示の範囲を限定しないと理解されるべきである。
図1Bは、(図1AのMIRSシステム10のような)ロボット手術システム50を図式的に例示している。上で議論したように、外科医18は、最小侵襲的な手術中に、(図1A中のサージョンコンソール16のような)サージョンコンソール52を用いて、(図1A中のペイシェントカート22)のようなペイシェントカート54(手術ロボット)を制御し得る。ペイシェントカート54は、入れ子式の内視鏡のようなイメージングデバイスを用いて、手術部位の画像をキャプチャ(捕捉)し、キャプチャ画像を(図1A中の電子機器カート24のような)電子機器カート56に出力し得る。上で議論したように、電子機器カート56は、如何なる後続の表示にも先立ち、キャプチャ画像を様々な方法において処理し得る。例えば、電子機器カート56は、サージョンコンソール52を介して組み合わせ画像を外科医に表示するに先立ち、キャプチャ画像を仮想の制御インターフェースでオーバーレイし得る。ペイシェントカート54は、電子機器カート56の外側での処理のために、キャプチャ画像を出力し得る。例えば、ペイシェントカート54はキャプチャ画像をプロセッサ58に出力することができ、プロセッサ58を用いてキャプチャ画像を処理することができる。電子機器カート56とプロセッサ58との組み合わせによって画像を処理することもでき、キャプチャ画像を一緒に、順次的に、及び/又はそれらの組み合わせで処理するよう、電子機器カート56及びプロセッサ58を連結することができる。手術部位の画像又は他の関連画像のような画像の局所表示(ローカル表示)及び/又は遠隔表示のために、1つ又はそれよりも多くの別個のディスプレイ60をプロセッサ58及び/又は電子機器カート56と連結させることもできる。
特定の実施態様において、MIRSシステム50は、患者に対して最小侵襲的な診断又は外科処置を行うためのシステムであり、サージョンコンソール52、電子機器カート56、及びペイシェントカート54のような、様々なコンポーネントを含む。しかしながら、システムが図1Bに例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントによって等しく十分に作動し得ることが当業者によって理解されるであろう。よって、図1B中のシステム50の描写は本質的に例示的であり、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
図2は、サージョンコンソール16の斜視図である。サージョンコンソール16は、奥行知覚を可能にする手術部位の協調的な立体図を外科医18に提示するために、左眼ディスプレイ32及び右眼ディスプレイ34を含む。サージョンコンソール16は、1つ又はそれよりも多くの入力制御装置36を更に含み、次いで、入力制御装置36は、(図1Aに示す)ペイシェントカート22に1つ又はそれよりも多くのツールを操作させる。外科医がツール26を直接的に制御しているという強い感覚を得るよう、テレプレゼンス又は入力制御装置36がツール26と一体的であるという知覚を外科医にもたらすために、入力制御装置36は、(図1Aに示す)入力制御装置の関連するツール26と同じ自由度又はそれらよりも多くの自由度をもたらし得る。この目的を達成するために、位置、力、及び触覚フィードバックセンサ(図示せず)を利用して、入力制御装置36を通じてツール26からの位置、力、及び触覚感覚を外科医の両手に戻してよい。
外科医が手術を直接的に監視し、必要であれば、物理的に存在し、電話又は他の通信媒体を通じてではなく直接的に助手と話してよいように、サージョンコンソール16は、患者と同じ部屋内に配置されるのが普通である。しかしながら、外科医を異なる部屋、完全に異なる建物、又は遠隔外科処置を可能にする患者から遠く離れた他の場所に配置し得る。
サージョンコンソール16は、特定の実施態様において、手術部位に関する情報を外科医に提示し且つ外科医から入力情報を受信する装置であり、両眼ディスプレイ及び入力制御装置のような様々なコンポーネントを含む。しかしながら、サージョンコンソールが図2に例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントを有することによっても等しく十分に作動し得ることが当業者によって理解されるであろう。よって、図2中のサージョンコンソール16の描写は例示的であり、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
図3は、電子機器カート24の斜視図である。電子機器カート24をイメージングデバイス28と連結させ得る。電子機器カート24は、サージョンコンソール16にいる外科医への或いは局所(ローカル)及び/又は遠隔に配置される他の適切なディスプレイ上へのような後続の表示のためにキャプチャ画像を処理する、プロセッサを含み得る。例えば、入れ子式の内視鏡が用いられる場合、電子機器カート24は、手術部位の協調的な立体画像を外科医に提示するようキャプチャ画像を処理し得る。そのような協調は、対向する画像の間の整列(アライメント)を含み得るし、入れ子式の内視鏡の立体作動距離を調節することを含み得る。他の例として、光学収差のようなイメージキャプチャデバイス(画像捕捉装置)の画像エラーを補償するために、画像処理が従前に決定したカメラキャリブレーションパラメータを使用することを含み得る。
電子機器カート24は、特定の実施態様において、手術に関する情報を手術チームに提示する装置であり、様々なコンポーネント、ディスプレイ、プロセッサ、記憶要素(storage element)等を含む。しかしながら、電子機器カート24が図3に例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントを有することによっても等しく十分に作動し得ることが当業者によって理解されるであろう。よって、図3中の電子機器カート24の描写は本質的に例示的であり、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
図4は、支持構造110に取り付けられる複数のマニピュレータアーム100を有するペイシェントカート22を示しており、各々のマニピュレータアーム100は、その遠位端でツール26を支持する。図示のペイシェントカート22は、4つのマニピュレータアーム100を含み、手術ツール26又は手術部位の画像をキャプチャするために用いる入れ子式の内視鏡のようなイメージングデバイス28のいずれかを支持するためにマニピュレータアームを用い得る。支持構造110は、ホイール、ベース、脚、スパイン(脊椎部)等のような、マニピュレータアーム100を支持するのに適した1つ又はそれよりも多くの要素を含んでよい。幾つかの実施態様において、支持構造110は、プロセッサ、記憶要素等のような、電子機器コンポーネントを含んでよく、少なくとも1つの実施態様では、マニピュレータアーム100を支持構造110に機械的に連結させ且つマニピュレータアーム100及び/又はツール26のコンポーネント(例えば、モータ及びアクチュエータ)を支持構造110のコンポーネント(例えば、プロセッサ、記憶要素等)に電気的に連結させるコネクタを含む。
ツール26の操作は、多数のロボット関節を有するロボットマニピュレータアーム100によってもたらされ、その場合、各々の関節は、マニピュレータ自由度をもたらす。モータ又はモータアセンブリのようなアクチュエータによって各関節の角度を制御してよく、幾つかの実施態様では、各関節上に又は各関節に近接して配置される1つ又はそれよりも多くのセンサ(例えば、エンコーダ、ポテンシオメータ、又は同等物)を用いて各関節の角度を測定してよい。切開部の大きさを最小限化するために運動学的な遠隔中心が切開部に維持されるよう、患者の切開部を通じてイメージングデバイス28及び手術ツール26を位置付けて操作し得る。手術器具又はツール26がイメージングデバイス28の視野内に位置付けられるとき、手術部位の画像は手術器具又はツール26の遠位端の画像を含み得る。
手術ツール26に関して、異なる種類の様々な代替的なロボット手術ツール又は器具及び異なるエンドエフェクタを用いてよく、外科処置中に少なくとも一部のマニピュレータの器具は取り外されて交換される。ドべーキー鉗子(DeBakey Forceps)、マイクロ鉗子(microforceps)、ポット鋏(Potts scissors)、及びクリッププライヤ(clip a plier)を含む、これらのエンドエフェクタの幾つかは、一対のエンドエフェクタジョーを定めるよう互いに対して旋回する第1及び第2のエンドエフェクタ要素を含む。外科用メス及び電気焼灼プローブを含む、他のエンドエフェクタは、単一のエンドエフェクタ要素を有する。エンドエフェクタジョーを有する器具に関して、ジョーは、多くの場合に、ハンドルのグリップ部材を狭窄することによって作動させられる。例えば、電気焼灼プローブを通電させるよう、グリップ部材を把持することによって単一のエンドエフェクタ器具を作動させてもよい。
器具26の細長いシャフトは、エンドエフェクタ及びシャフトの遠位端が、最小侵襲的な孔を通じて、多くの場合には、腹壁又は類似の壁を通じて、手術作業部位内に遠位に挿入されるのを可能にする。手術作業部位を通気させてよく、シャフトが最小侵襲的な孔を通過する場所について器具26を旋回させることによって、少なくとも部分的に、患者内のエンドエフェクタの動きに影響を与えてよい。換言すれば、エンドエフェクタの所望の動きをもたらすのに役立つために、シャフトが最小侵襲的な孔を通じて延びるよう、マニピュレータ100は患者の外側の器具の近位ハウジングを動かす。故に、マニピュレータ100は、多くの場合に、外科処置中に患者12の外側で有意な動きを受ける。
ペイシェントカート22は、特定の実施態様において、患者に対する外科処置を補助する手術ツールをもたらす装置であり、支持構造110、マニピュレータアーム100、及びツール26のような、様々なコンポーネントを含んでよい。しかしながら、ペイシェントカートは図4に例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントを有することによっても等しく十分に作動し得ることが当業者に明らかであろう。よって、図4中のペイシェントカート22の描写は本質的に例示的であり、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
図5を参照して本発明の幾つかの実施態様に従った例示的なマニピュレータアームを理解し得る。上述のように、マニピュレータアームは、遠位器具又は手術ツールを概ね支持し、ベースに対する器具の動きに影響を与える。(典型的には手術助手の助けを受けて)手術中に異なるエンドエフェクタを有する多数の異なる器具を各マニピュレータに順次的に取り付けてよいので、遠位器具ホルダが、好ましくは、取り付けられる器具又はツールの迅速な取外し及び交換を可能にする。図4を参照して理解し得るように、マニピュレータは、ペイシェントカートのベースに近位に取り付けられる。典型的には、マニピュレータアームは、ベースと遠位器具ホルダとの間に延びる複数のリンク装置及び関連する関節を含む。1つの特徴において、例示的なマニピュレータは、余剰な又は余剰でない自由度を有する複数の関節を含むが、エンドエフェクタの位置(即ち、場所及び向き)を十分に規定するのに必要な少なくとも1つの自由度を欠いている。
図5に示すような多くの実施態様において、例示的なマニピュレータアームは、関節の遠位にあるマニピュレータアームを関節軸について回転させるために、第1の関節軸について回転する近位回転関節J1を含む。幾つかの実施態様において、回転関節J1はベースに直接的に取り付けられるのに対し、他の実施態様では、回転関節J1を1つ又はそれよりも多くの移動可能なリンク装置又は関節に取り付けてよい。マニピュレータアームの関節に連結させられるツールの位置及び/又は向きを制御するために、マニピュレータアームの関節を操作してよい。幾つかの実施態様では、所与のエンドエフェクタ位置のために、マニピュレータアームの関節をある範囲の異なる構成にさせ得るように、マニピュレータの関節は、組み合わせにおいて、余剰な自由度を有してよい。例えば、1つ又はそれよりも多くの追加的な余剰な自由度が図5のマニピュレータアームに加えられるならば、結果として得られるマニピュレータアームを異なる構成にさせることがあるのに対し、器具ホルダ510内で支持される遠位器具又はツール511は特定の状態を維持し、それはエンドエフェクタの所与の位置又は速度を含んでよい。マニピュレータアームが余剰な自由度を含むか否かに拘わらず、幾つかの実施態様において、マニピュレータの関節は、ツール511の位置を十分に定める6つのエンドエフェクタ自由度のうちの少なくとも1つを独立的に制御するように動作可能でない。例えば、マニピュレータは、ツール511を1つ又はそれよりも多くの方向において独立的にロール、ピッチ、ヨー、及び/又は並進(平行移動)させるように動作可能でないことがある。
図5に例示するようなリンク(link)を接続する関節の回転軸と共に、図5のマニピュレータアーム500の個々のリンクを記載すると、第1のリンク504が旋回関節J2から遠位に延び、旋回関節J2はその関節軸について旋回し且つ回転関節J1に連結され、回転軸J1はその関節軸について回転する。図5に示すように、それらの関連する回転軸によって、残余の関節の多くを特定し得る。例えば、第1のリンク504の遠位端が旋回関節J3で第2のリンク506の近位端に連結され、旋回関節J3はその旋回軸について回転し、第3のリンク508の近位端が旋回関節J4で第2のリンク506の遠位端に連結され、図示のように、旋回関節J4はその軸について回転する。第3のリンク508の遠位端は旋回関節J5で器具ホルダ510に連結される。典型的には、マニピュレータアームの幅の減少をもたらしてマニピュレータアセンブリの操作中の患者隙間を向上させるために、各関節J2,J3,J4,J5の旋回軸は実質的に平行であり、リンク装置は隣り合って位置付けられるときに「積み重ねられて」見える。多くの実施態様において、器具ホルダ510は、最小侵襲的な孔を通じる器具511の軸方向の動きを促進し且つ器具511を摺動可能に挿入するカニューレへの器具ホルダ510の取付けを容易化する角柱関節J6のような、追加的な関節も含む。幾つかの実施態様では、器具ホルダ510の自由度をマニピュレータアーム500の自由度の残余と組み合わせるときでさえ、結果として得られる自由度は、ツール511の位置を十分に定める6つの自由度のうちの少なくとも1つをもたらすのに依然として不十分である。
器具511は、器具ホルダ510の遠位に追加的な自由度を含んでよい。器具の自由度の作動は、マニピュレータのモータによって駆動させられることが多く、代替的な実施態様は、器具上にあるものとしてここに示す1つ又はそれよりも多くの関節がむしろインターフェース上にある或いはその逆であるよう、素早く取り外し可能な器具ホルダ/器具表面で支持マニピュレータ構造から器具を分離してよい。幾つかの実施態様において、器具511は、最小侵襲的な孔の部位に概ね配置される旋回地点PP又はツール先端の挿入地点の付近又は近傍に回転関節J7(図示せず)を含む。器具の遠位リストは、器具リストで1つ又はそれよりも多くの関節の器具関節軸についての手術ツール511のエンドエフェクタの旋回運動を可能にする。エンドエフェクタの場所及び向きと無関係に、エンドエフェクタジョー要素間の角度を制御してよい。マニピュレータ自由度の一部と考えてよい手術ツール511によってもたらされるこれらの追加的な運動学的な自由度にも拘わらず、幾つかの実施態様では、手術ツール511の運動学的な自由度を(例えば、器具ホルダ510の自由度を含む)マニピュレータアーム500の自由度と組み合わせるときでさえ、結果として得られる運動学的な自由度は、ツール511の先端に位置を完全に制御するのに依然として不十分である。
多数の実施態様において、マニピュレータアーム500は、支持構造及びツールに機械的に、そして、幾つかの実施態様では電気的に繋がるコネクタを含んでよい。1つの実施態様において、マニピュレータアーム500は、支持構造上の対応するコネクタと係合するように形作られる支持構造コネクタ512を含でよい。支持構造コネクタ512は、支持構造の要素(例えば、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ)とマニピュレータアーム500の要素(例えば、モータ及び/又はセンサ)との間で情報を通信する1つ又はそれよりも多くの要素を含んでよい。例えば、支持構造コネクタ512は、モータ、センサ、及び/又はマニピュレータアーム500の他の要素に連結される電気的及び/又は光学的なコンポーネントを含んでよい。
他の実施態様において、マニピュレータアーム500は、ツール上の対応するコネクタと係合するように形作られるツールコネクタ514を含んでよい。ツールコネクタ514は、ツールの要素(例えば、モータ又は他のアクチュエータ、センサ等)とマニピュレータアーム500の要素(例えば、リンク内の電気的及び/又は光学的な導体、支持構造コネクタ512の電気的及び/又は光学的なコンポーネント等)との間で情報を通信する1つ又はそれよりも多くの要素を含んでよい。例えば、マニピュレータアーム500は、支持構造コネクタ512の1つ又はそれよりも多くのコンポーネントとツールコネクタ512との間に配置され且つそれらに連結される導体(例えば、ワイヤ又は光ファイバ)を含んでよい。その場合、ツールコネクタ512は、取り付けられるツールと情報を通信する電気的及び/又は光学的なコンポーネントも含んでよく、それにより、情報が支持構造と接続されるツールとの間で通信されるのを促進する。幾つかの実施態様において、ツールコネクタ514は、ツールの対応する入力カプラと機械的に係合することがある1つ又はそれよりも多くの出力カプラ(図示せず)を含んでよく、その場合、出力カプラの動き(例えば、回転、並進等)は、機械的な係合を介して入力カプラの対応する動きを引き起こす。
マニピュレータアーム500は、特定の実施態様において、ツールを保持し且つ制御する機械的な本体であり、多数のリンク及び関節を含んでよい。しかしながら、マニピュレータアームは図5に例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントを有することによっても等しく十分に作動し得ることが当業者に明らかであろう。よって、図5中のマニピュレータアーム500の描写は本質的に例示的であり、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
図6は、手術ツール600を示しており、手術ツール600は、近位シャーシ602と、器具シャフト604と、患者組織を把持するよう関節式に連結し得るジョー608を有する遠位エンドエフェクタ606とを含む。近位シャーシ602は、フレーム612を含み、幾つかの実施態様では、マニピュレータアームの遠位端と係合するように形作られる(例えば、図5を参照して記載したツールコネクタ514に繋がるように形作られる)バネアセンブリ610を含む。近位シャーシ602は、マニピュレータアームの出力カプラとインターフェース接続し且つそれによって駆動させられる、入力カプラを含んでもよい。入力カプラは、バネアセンブリ610の入力リンクと駆動的に連結させられる。バネアセンブリ610は、近位シャーシ602のフレーム612に取り付けられ、器具シャフト604内に配置される駆動シャフトと駆動的に連結させられる出力リンクを含む。駆動シャフトは、ジョー608と駆動的に連結させられる。幾つかの実施態様において、近位シャーシ602は、マニピュレータアームの対応する要素(例えば、ツールコネクタ514の対応する要素)に電気的及び/又は光学的に連結させるための電気的及び/又は光学的要素を含んでもよい。このようにして、ツール600の要素(例えば、モータ、アクチュエータ、センサ等)とマニピュレータアームの要素との間で情報を通信してよい。
図6Aに示すように、幾つかの実施態様によれば、手術ツール600は、エンドエフェクタ606の位置を変更するための如何なる自由度をも含まないことがある。他の実施態様において、手術ツール600は、エンドエフェクタ606の位置を変更するための自由度を追加する1つ又はそれよりも多くの関節を含んでよい。例えば、器具シャフト604は、エンドエフェクタ606のピッチ及び/又はヨーを変更する関節を含んでよい。更に、図6Aに示すように、幾つかの実施態様において、手術ツール600は、エンドエフェクタ606を作動させるための1つ又はそれよりも多くの自由度を含んでよい。例えば、バネアセンブリ610は、ジョー608を作動させるように動作可能であってよい。手術ツール600並びに他の手術ツールの追加的な特徴は、同一所有者により2011年11月15日に出願された「Method for Passively Decoupling Torque Applied By a Remote Actuator Into an Independently Rotating Member」という名称の米国出願第13/297,158号に記載されており、その全開示をここに参照として援用する。
図6Bは、幾つかの実施態様ではロボット最小侵襲的手術において用いてよい、リスト付きの内視鏡620を例示している。内視鏡620は、細長いシャフト622と、シャフト622の作業端に配置される可撓なリスト624とを含む。ハウジング622は、手術器具620がシャフト624の反対端に配置されるマニピュレータに解放可能に連結させられるのを可能にする。内視鏡カメラレンズが可撓なリスト624の遠位端に実装される。内腔(図示せず)がシャフト622の長さに沿って走る。シャフト622は可撓なリスト624の遠位端をハウジング626に接続する。「ファイバースコープ」の実施態様では、電荷結合素子(CCD)のような内視鏡620の画像化センサをハウジング626の内側に取り付けてよく、接続される光ファイバはシャフト622の長さに沿って内腔の内側を走り、可撓なリスト624の実質的に遠位端で終端する。代替的な「スティック上のクリップ」(“clip-on-a-stick”)の実施態様では、内視鏡620の画像化センサを可撓なリスト624の遠位端に取り付けてよい。画像化センサは二次元又は三次元であってよい。
幾つかの実施態様において、可撓なリスト624は、少なくとも1つの自由度を有し、内視鏡が関節式に連結して内部身体組織、器官等の周りで容易に動いて所望の目的場所(例えば、心外膜又は心筋組織)に達することを可能にしてよい。ハウジング626は、可撓なリスト624の遠位部分を関節式に連結する駆動機構を収容する。駆動機構は、ケーブル駆動、歯車駆動、又は可撓なリスト624をその自由度に沿って駆動するのに適した他の種類の駆動機構であってよい。例えば、1つの実施態様において、可撓なリスト624は、2つの並進自由度を有してよく、シャフト622は、シャフト622の長さに沿う軸の周りで回転するよう動作可能であってよい。幾つかの医療措置において、関節式の内視鏡620は、内部器官、組織等の周りで関節式に動いて、見るのが難しい及び/又は到達するのが難しい場所の視覚的画像を取得する。内視鏡620並びに他の手術ツールの追加的な特徴は、同一所有者により2005年12月27日に出願された「Articulate and Swapable Endoscope for a Surgical Robot」という名称の米国出願第11/319,011号に記載されており、その全開示をここに参照として援用する。
少なくとも1つの実施態様では、マニピュレータアームの遠位端と係合するように(例えば、図5を参照するツールコネクタ514に接続されるように)ハウジング626を形作ってよい。更に、ハウジング626は、マニピュレータアームの対応する要素に電気的及び/又は光学的に連結させるための電気的及び/又は光学的な要素を含んでよい。このようにして、ツール620の要素(例えば、モータ、アクチュエータ、センサ等)とマニピュレータアームの要素との間で情報を通信してよい。図6Cは、吸引ポートを備えるオーバーチューブ(overtube)の遠位端の斜視図である。オーバーチューブ630は、オーバーチューブ630を通じて延びて器具の通過を許容する器具内腔632を定める。オーバーチューブ630は、真空源に連結させられる1つ又はそれよりも多くの吸引通路634を更に含む。様々な実施態様では、外科用途に適した様々な材料のうちのいずれからもオーバーチューブ630を形成してよく、様々な剛性のうちのいずれかを備えてよい。例えば、オーバーチューブ630は、実質的に剛的な材料を含んでよく、可撓な材料を含んでよく、或いは曲げられる構造をもたらすように1つ又はそれよりも多くの実質的に剛的な部分及び1つ又はそれよりも多くの可撓な部分の組み合わせを含んでよい。オーバーチューブ630の断面形状は異なってもよい。例示の実施態様において、オーバーチューブ630は実質的に円形の断面形状を有し、ポリウレタンから作製される。他の実施態様では、用途に応じて、例えば、卵形、長方形、三角形等のような、他の断面形状を用いてよい。
例示の実施態様において、吸引通路634は、オーバーチューブ630の壁内に複数の真空内腔を含み、各真空内腔は真空源(図示せず)に連結される。真空源は各吸引通路634内に真空圧を創り出し、それにより、吸引通路634が接触する組織表面上に吸引力を創り出すように動作可能であってよい。この吸引力の結果として、オーバーチューブ630は組織表面に付着させられる。真空圧が止むならば、組織表面は解放され、オーバーチューブ630はもはや組織に付着させられない。従って、吸引通路634を介して吸引力を制御可能にもたらすことによって、オーバーチューブ630を患者の組織表面に解放可能に付着させ得る。次に、器具内腔200を通じて洗浄ツール、切断ツール等のような、手術器具を挿入して、器具内腔632内に配置される組織を処置してよい。
幾つかの実施態様では、オーバーチューブ630を実質的に剛的な材料で作製してよく、オーバーチューブ630はその位置を変更するための如何なる自由度をも含まないことがある。他の実施態様において、オーバーチューブ630は、オーバーチューブ630の遠位端の位置を変更するための自由度を加える1つ又はそれよりも多くの関節を含んでよい。例えば、オーバーチューブ630は、その遠位端のピッチ及び/又はヨーを変更するための関節を含んでよい。更に、幾つかの実施態様において、オーバーチューブ630は、その機能性を作動させるための1つ又はそれよりも多くの自由度を含んでよい。例えば、真空源(図示せず)は、1つ又はそれよりも多くの吸引通路634内の真空圧を創り出し或いは取り除くように動作可能であってよい。オーバーチューブ630並びに他の手術ツールの追加的な特徴は、同一所有者により2006年12月29日に出願された「Vacuum Stabilized Overtube for Endoscopic Surgery」という名称の米国出願第11/618,374号に記載されており、その全開示をここに参照として援用する。
更に、少なくとも1つの実施態様では、マニピュレータアームの遠位端と係合するように形作ってよい(例えば、図5を参照するツールコネクタ514に繋がるように形作ってよい)ハウジング(図示せず)内にオーバーチューブ630を設け或いは連結してよい。更に、ハウジングは、マニピュレータアームの対応する要素に電気的及び/又は光学的に連結させるための電気的及び/又は光学的な要素を含んでよい。このようにして、オーバーチューブ630の要素(例えば、モータ、アクチュエータ、センサ等)とマニピュレータアームの要素との間で情報を通信してよい。
図6Dは、幾つかの実施態様ではロボット最小侵襲的手術において用いてよい、リストのない内視鏡640を例示している。リストのない内視鏡640は、図6Bを参照して描写し且つ議論したリストのある内視鏡620と類似し、よって、ハウジング646及びシャフト622を同様に含む。相違はリストのない内視鏡640が可撓なリストを含まないことである。リストのない内視鏡640は、リストのある内視鏡に比べて減少させられた数の自由度を有し、この特定の実施例において、リストのない内視鏡640はリストピッチ又はリストヨーを有さない。
手術ツール600、内視鏡620、及びオーバーチューブ630は、様々なコンポーネントを含む様々なツールである。しかしながら、これらのツールが図6A乃至6Cに例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントを有することによっても等しく十分に作動し得ることが当業者によって理解されるであろう。更に、把持装置、電気外科パッドル、真空、洗浄、ステープラー(針金綴り)、鋏、ナイフ等のような、他のツールを用いてよいこと又は代替的に用いてよいことも理解されるであろう。よって、図6A乃至6C中の手術ツールの描写は本質的に例示的であり、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
図7Aは、ある実施態様に従ったサージョンコンソール16(図1A)の一部であってよいマスタ制御入力装置700の斜視図である。マスタ制御入力装置700は、関節式連結アーム740に動作的に連結させられるジンバル又はリスト720を含む。
マスタ制御入力装置700は、多数の自由度を有し、マニピュレータアセンブリ(例えば、図5のマニピュレータアーム)を制御するように動作可能である。入力装置700の自由度は、マニピュレータアーム500の運動学を制御するよう用いられる、入力装置700の関節によって定められる運動学的な自由度を含み、マニピュレータアーム500に接続されるツール(例えば、器具511)を作動させるよう用いられる作動自由度を含んでもよい。入力装置700は、マニピュレータアーム500のツールと同様に、それと関連付けられるエンドエフェクタ(又は、より一般的に、制御フレーム)を有するものと考えられてもよく、それ自体が多数の運動学的な自由度を有する。
幾つかの実施態様において、入力装置700は、エンドエフェクタの位置を完全に制御するのに十分な数の自由度を有してよい。例えば、入力装置700は、器具511のエンドエフェクタの3つの並進及び3つの向きの自由度を独立的に制御してよい6つの自由度を有してよい。ある場合には、入力装置700がそのような十分な数の自由度を有するとしても、マニピュレータアセンブリ(例えば、マニピュレータアーム500)は、エンドエフェクタの3つの並進及び3つの向きの自由度を独立的に制御するのに不十分な数の自由度を有する。例えば、マニピュレータアーム500は、5つの自由度だけを有してよい。
幾つかの実施態様において、入力装置700は、追加的な自由度を有してよく、追加的な自由度は、エンドエフェクタの位置を制御するよう動作可能な自由度(例えば、余剰な自由度)であってよく、且つ/或いは器具26を作動させるように動作可能な自由度(例えば、吸引又は洗浄のスイッチを入れ或いは消すこと、クランプを作動させること、ステープルを組織と係合させること等)であってよい。追加的な自由度を有する入力装置が、同一所有者による2002年4月11日に出願された「Master Having Redundant Degrees of Freedom」という名称の米国出願第10/121,283号中に記載されており、その全開示をここに参照として援用する。更に、少なくとも1つの実施態様において、器具511は、単独で或いはマニピュレータアーム500との組み合わせにおいて、マニピュレータアーム500の自由度を増大させる追加的な運動学的な自由度を有してよい。例えば、器具511は、エンドエフェクタの位置を制御する関節を有してよい。ある場合には、マニピュレータアーム500の運動学的な自由度を器具の運動学的な自由度と組み合わせるときでさえも、エンドエフェクタの位置が完全に制御されないことがある。これは、例えば、マニピュレータアーム500によって既にもたらされている運動学的な自由度にとって余剰な運動学的な自由度を加えるに過ぎない器具511の関節の故であるかもしれない。一部の実施態様において、器具511は、器具511を作動させるための追加的な作動自由度(例えば、吸引又は洗浄のスイッチを入れ或いは消すこと、クランプを作動させること、ステープルを組織と係合させること等)を有してよい。
器具511の制御を容易化するために、マスタ制御入力装置700は、1つ又はそれよりも多くのアクチュエータ又はモータを含んでよく、幾つかの実施態様では、マスタ制御入力装置700の複数の関節の各関節のためのセンサを含んでよい。例えば、サージョンコンソール16、電子機器カート24、及び/又はペイシェントカート22、及び/又はMIRSシステム10の他の要素(図1)内に配置される制御システムを介して、入力装置700のモータ及びセンサを、マニピュレータアーム500(例えば、図5のマニピュレータアーム500)と関連付けられるモータ及びセンサ並びにそれに取り付けられる手術器具(例えば、図5の器具511)に動作的に連結させてよい。制御システムは、マスタ制御装置入力とそれぞれのロボットアーム及び手術器具出力との間の制御をもたらすための、並びに、例えば、力フィードバックの場合に、ロボットアーム及び手術器具入力とそれぞれのマスタ制御出力との間の制御をもたらすための、1つ又はそれよりも多くのプロセッサを含んでよい。
図8Bは、ある実施態様に従ったジンバル又はリスト720の斜視図である。この実施態様によれば、ジンバル又はリスト720は、3つの軸、即ち、軸1、軸2、及び軸3についての作動可能なハンドル722の回転を可能にする。より具体的には、ハンドル722は、第1の旋回関節726によって第1の肘形状リンク724に連結させられる。第1のリンク724は、第2の旋回関節730によって第2の肘形状リンク728に連結させられる。第2のリンク728は、第3の旋回関節734によって第3の肘形状リンク732に旋回的に連結させられる。ジンバル又はリスト720が軸4について角度的に変位し得るように、ジンバル又はリスト720を軸4で(図7Aに示すような)関節式連結アーム740に取り付けてよい。そのようなリンク及び関節によって、ジンバル又はリスト720は、制御入力装置700のための多数の運動学的な自由度をもたらしてよく、ジンバル又はリスト720は、エンドエフェクタ自由度のうちの1つ又はそれよりも多くを制御するように動作可能であってよい。
幾つかの実施態様において、ハンドル722は、ツール又はエンドエフェクタを作動させる一対の把持部材723(グリップ部材)を含んでよい。例えば、把持部材723を開き又は閉じることによって、エンドエフェクタ606のジョー608(図6)を同様に開き又は閉じてよい。他の実施態様において、ハンドル722の及び/又はサージョンコンソール16の他の要素の1つ又はそれよりも多くの入力要素は、器具26の位置を制御するための自由度以外の器具511の1つ又はそれよりも多くの自由度を作動させるように動作可能であってよい。例えば、サージョンコンソール16は、真空圧を作動させ且つ停止させる制御システムに連結させられるフットペダルを含んでよい。
一部の実施態様では、例えば、力フィードバック、重力補償、及び/又は同等物をもたらすよう、ジンバル又はリスト720の関節をアクチュエータ、例えば、電気モータ又は同等物に動作的に接続してよい。更に、ジンバル又はリスト720の関節位置が制御システムによって決定されるのを可能にするために、エンコーダ、ポテンシオメータ、及び同等物のようなセンサをジンバル又はリスト720の各関節上に又はその近位に位置付けてよい。
図7Cは、ある実施態様に従った関節式連結アーム740の斜視図である。この実施態様によれば、関節式連結アーム740は、3つの軸、即ち、軸A、軸B、及び軸Cについてのジンバル又はリスト720(図7B)の回転を可能にする。より具体的には、図7Bを参照して前述したように、ジンバル又はリスト720を軸4でアーム740に取り付けてよい。ジンバル又はリスト720は、第1のリンク742に連結させられ、第1のリンク742は、第1の旋回関節746によって第2のリンク744に旋回的に連結させられる。第2のリンク744は、第2の旋回関節750によって第3のリンク748に旋回的に連結させられる。第3の旋回関節752によって第3のリンク748をサージョンコンソール16(図1)に旋回的に連結させてよい。そのようなリンク及び関節によって、関節式連結アーム740は、制御入力装置700のための多数の運動学的な自由度をもたらしてよく、マニピュレータアセンブリの運動学的な自由度のうちの1つ又はそれよりも多くを制御し、それにより、器具(例えば、図5の器具511)の位置を制御するように動作可能であってよい。
幾つかの実施態様では、例えば、力フィードバック、重力補償、及び/又は同等物をもたらすために、関節式連結アーム740の関節をアクチュエータ、例えば、電気モータ又は同等物に動作的に接続してよい。更に、関節式連結アーム740の関節位置が制御システムによって決定されるのを可能にするために、エンコーダ、ポテンシオメータ、及び同等物のようなセンサを関節式連結アーム740の各関節上に又はその近位に位置付けてよい。
入力装置700は、特定の実施態様において、外科医又は他の操作者からの入力を受信する装置であり、ジンバル又はリスト720及び関節式連結アーム740のような様々なコンポーネントを含む。しかしながら、入力装置は図7A乃至7Cに例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントを有することによっても等しく十分に作動し得ることが当業者によって理解されるであろう。よって、図7A乃至7C中の入力装置700の描写は本質的に例示的であり、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
図8Aは、第1の実施態様に従ったマニピュレータアセンブリ810と支持構造850とを含むロボットシステムの一部である。マニピュレータアセンブリ810は、マニピュレータ820及びツール840を含み、その場合、マニピュレータ820は、支持構造850とツール840との間に配置され、マニピュレータ820を支持構造850及びツール840の各々に接続してよい。
マニピュレータ820は、関節824によって連結させられる複数のリンク822を含む。マニピュレータ820は、モータのような多数のアクチュエータ826や、ポテンシオメータのような多数のセンサ828も含んでよく、その場合には、各関節をアクチュエータ及び/又はセンサと関連付けてよい。アクチュエータは、例えば、1つ又はそれよりも多くの関節を制御して回転、並進等させることによって、マニピュレータの自由度を制御するように動作可能であってよい。更に、センサは対応する関節の各々の位置又は状態を測定するように動作可能であってよい。
マニピュレータ820は、支持構造850の対応するコネクタと係合するように形作られる近位端にあるコネクタ830も含み、コネクタ830は、マニピュレータアーム820を支持構造850に機械的に連結させるように動作可能な機械的インターフェースを形成する。コネクタ830は、電気的及び/又は光学的な接点832も含んでよく、電気的及び/又は光学的な接点832は、支持構造850の対応する接点と係合するような位置、大きさ、及び形状にされ、それにより、電気的及び/又は光学的な接点832は、マニピュレータアセンブリ810の要素と支持構造850の要素との間で情報を通信するように動作可能な電気的インターフェースを形成してよい。接点832をアクチュエータ826及び/又はセンサ828のようなマニピュレータ820の要素に直接的に又は間接的に(例えば、電気的、光学的等に)連結させてよい。1つの実施態様において、各接点832は、1つのアクチュエータ826又はセンサ828に連結させられる。従って、マニピュレータ820の要素(例えば、アクチュエータ826及びセンサ828)と支持構造850の要素との間で情報を通信してよい。例えば、支持構造からモータ826に情報を伝達して、モータにマニピュレータアーム820の対応する自由度を制御させてよく、センサ828から支持構造850の要素に位置/状態情報を伝達してよい。
幾つかの実施態様において、マニピュレータ820は、ツール840の対応するコネクタと係合するように形作られる遠位端にあるコネクタ834を含んでもよく、コネクタ834は、マニピュレータアーム820をツール840に機械的に連結させるように動作可能な機械的インターフェースを形成する。コネクタ834は、ツール840内に含められる対応する機械的な要素842と係合するような大きさ及び形状にされてよい。ツール840がマニピュレータ820と係合した後、機械的な要素836の作動がツール840内の対応する機械的な要素840の作動を引き起こし得るように、アクチュエータ826によって機械的な要素836を作動させ或いはその他の方法において制御してよい。ツール840内の対応する機械的な要素842は、ツール840の自由度(例えば、ツール840のエンドエフェクタ844を作動させること)を操作するように動作可能であってよい。一部の実施態様において、マニピュレータ820内に含められる又はマニピュレータ820上に配置される1つ又はそれよりも多くのセンサ828は、ツール840の位置及び/又は状態を感知するように動作可能であってよい。
支持構造850は、マニピュレータ820の対応するコネクタ(例えば、コネクタ830)と係合するように形作られるコネクタ852を含む。コネクタ852は、マニピュレータ820の対応する接点(例えば、接点832)と係合するような位置、大きさ、及び形状にされる電気的及び/又は光学的な接点854も含み、それにより、電気的及び/又は光学的な接点854は、マニピュレータアーム820の要素とツール840の要素との間で情報を通信するように動作可能な電気的インターフェースを形成してよい。接点854を、ハードウェアマッピングユニット856、関節空間コントローラ858、関節空間作業空間マッピングユニット860、及び/又は作業空間コントローラ862のような支持構造850の要素に、直接的に又は間接的に(例えば、電気的に、光学的等に)連結させてよい。
1つの実施態様において、ハードウェアマッピングユニット856は、マニピュレータアセンブリ810(例えば、電気的/光学的な接点854を介した、例えば、マニピュレータアセンブリのアクチュエータ、センサ等への/アクチュエータ、センサ等からの信号)と関節空間コントローラ858との間の信号をマッピングするように動作可能である。ハードウェアマッピングユニット856は、異なるマニピュレータアーム820及び/又は異なるツール840のような、複数の異なるマニピュレータアセンブリの各々のために特別なマップを含んでよい(且つ/或いは取得してよい)。一部の実施態様において、ハードウェアマッピングユニット856は、入力マップ及び出力マップを含んでよい。1つの実施態様において、入力マップ及び出力マップは互いに異なってよい。例えば、アクチュエータ826及びセンサ828が、単一の接点854を介して支持構造850とそれぞれ通信してよい。従って、入力マップは、センサ828に対応する接点854からの信号を関節空間コントローラ858にマッピングしてよく、出力マップは、関節空間コントローラ858からの信号をアクチュエータ826に対応する接点854にマッピングしてよい。他の実施態様において、入力マップ及び出力マップは互いに同じであってよい。例えば、アクチュエータ826及びセンサ828が、両方とも、単一の接点854を介して支持構造850と通信してよい。従って、入力マップ及び出力マップは同じであってよい。何故ならば、それらは関節空間コントローラ858の入力及び出力要素を同じ接点854にマッピングしてよいからである。
関節空間コントローラ858は、関節空間内で計算を行って多数のアルゴリズムを実行するように動作可能なプロセッサであってよい。例えば、関節空間コントローラ858は、関節運動アルゴリズム、各関節上の余剰なセンサの比較、モータ健康アルゴリズム等を実行するように動作可能であってよい。
関節空間コントローラ858は、多数の異なるセンサからの入力情報を受信してよい。例えば、関節空間コントローラ858は、関節空間作業空間マッピングユニット860を介して作業空間コントローラ862からの出力を受信してよい。他の例として、関節空間コントローラ858は、ハードウェアマッピングユニット856を介してマニピュレータ820からの入力(例えば、センサ826からのセンサ信号)を受信してよい。更に他の例として、関節空間コントローラ858は、マスタ制御入力装置(図7A乃至7C)のような入力装置からの入力を受信してよい。更に、関節空間コントローラ858は、出力情報を多数の異なる目的場所にもたらしてよい。例えば、関節空間コントローラ858は、ハードウェアマッピングユニット856を介して、情報(例えば、制御情報)をマニピュレータ820に(例えば、アクチュエータ826に)出力してよい。他の例として、関節空間コントローラ858は、更なる処理のために、関節空間作業空間マッピングユニット860を介して、作業空間コントローラ862に出力をもたらしてよい。更に他の例として、関節空間コントローラ858は、マスタ制御入力装置(図7A乃至7C)のような入力装置に出力をもたらしてよい。
関節空間作業空間マッピングユニット860は、関節空間コントローラ858(例えば、マニピュレータアセンブリ810の自由度の所望の又は実際の位置又は状態を表す信号)と作業空間コントローラ862との間の信号をマッピングするよう動作可能である。関節空間作業空間マッピングユニット860は、異なるマニピュレータアーム820及び/又は異なるツール840のような、複数の異なるマニピュレータアセンブリの各々のための特別なマップを含んでよい。従って、関節空間作業空間マッピングユニット860は、支持構造850に接続される特定のマニピュレータアセンブリ810に基づき、関節空間コントローラ858の入力/出力インターフェース要素を作業空間コントローラ862の入力/出力インターフェース要素にマッピングするように動作可能であってよい。
作業空間コントローラ862は、多次元(例えば、三次元)作業空間内で計算を行って多数のアルゴリズムを実行するように動作可能なプロセッサであってよい。これは、例えば、極座標、デカルト座標、又は他の種類の座標系に基づく作業空間であってよい。作業空間コントローラ862は、様々なアルゴリズムを実行するように動作可能であってよい。例えば、作業空間コントローラ862は、順運動学、逆運動学を行い、所望の及び実際の位置/向き等の間の作業空間エラーを決定するように動作可能であってよい。
作業空間コントローラ862は、多数の異なるソース(源)から入力情報を受信してよい。例えば、作業空間コントローラ862は、関節空間作業空間マッピングユニット860を介して関節空間コントローラ858からの出力を受信してよい。他の例として、作業空間コントローラ862は、マスタ制御入力装置(図7A乃至7C)のような入力装置からの入力を受信してよい。更に、作業空間コントローラ862は、多数の異なる目的場所に出力情報をもたらしてよい。例えば、作業空間コントローラ862は、関節空間作業空間マッピングユニット860を介して関節空間コントローラ858に情報(例えば、制御情報)を出力してよい。更に他の例として、作業空間コントローラ862は、マスタ制御入力装置(図7A乃至7C)のような入力装置に出力をもたらしてよい。
少なくとも1つの実施態様では、同じ又は異なる数の自由度を有する、複数の異なるツールを設けてよい。ツールを全て同じマニピュレータアームに取り付けてよいように、ある場合には、外科処置中に交換してよいように、ツールは全て同じ機械的インターフェースを有してよい。更に、同じ又は異なる自由度を有する、複数の異なるマニピュレータアームを設けてよい。マニピュレータアームを全て同じ支持構造に並びに同じツールに取り付けてよいように、ある場合には、外科処置中に又は外科処置の間に交換してよいように、マニピュレータアームも同じ機械的インターフェースを有してよい。
1つの実施態様において、ここに記載するコントローラ及び/又はマッピングユニットは、個別の又は共通の情報記憶要素に連結させられる個別のプロセッサであってよい。他の実施態様では、ここに記載するコントローラ及び/又はマッピングユニットを有形の持続性のコンピュータ読出し可能な記憶媒体として実施してよい。支持構造850の一部としてこれらの要素を記載するが、幾つかの実施態様では、これらの要素の一部又は全部を、例えば、マニピュレータ820、サージョンコンソール16、電子機器カート24、及び/又はペイシェントカート22、及び/又はMIRSシステムの任意の他の要素(図1)内に配置される制御システム内のような、ロボットシステムの他の部分に含めてよい。
図8Bは、第2の実施態様に従ったマニピュレータアセンブリ810と、支持構造850とを含む、ロボットシステムの一部である。この実施態様におけるマニピュレータアセンブリ810及び支持構造850は、図8Aを参照して議論したものと類似しており、よって、図8Aを参照して議論した構造及び機能は、この実施態様に等しく当て嵌まる。
しかしながら、この実施態様によれば、ツール840は、ツール840の内部要素848と情報を通信するように連結され且つ動作可能である電気的/光学的な接点846を含む。要素848は、例えば、アクチュエータ826のようなアクチュエータ及び/又はセンサ828のようなセンサであってよい。アクチュエータは、ツール840の自由度を制御するように動作可能であってよく、センサ828は、自由度の位置及び/又は状態を感知するように動作可能であってよい。例えば、アクチュエータはツール840の関節を制御するように動作可能であってよく、センサは関節の位置を感知するように動作可能であってよい。幾つかの実施態様において、ツール840は、ツール840の多数の自由度を制御するために多数のアクチュエータ及び/又はセンサを含んでよい。少なくとも1つの実施態様において、各ツール840内の同じ電気的/光学的な接点846、即ち、接点837に連結する接点は、異なるツール内の異なる自由度を制御するように動作可能であってよい。例えば、1つの実施態様において、接点837及び846は、第1のツールのロールを制御するように動作可能であってよいに対し、接点837及び接点846は、第2のツールのピッチを制御するように動作可能であってよい。
更に、マニピュレータアーム820の接点834は、ツール840とマニピュレータアーム820との間の通信を促進するために、ツール840の接点846と電気的/光学的に係合するための電気的/光学的な接点837を含んでもよい。マニピュレータアーム820のアクチュエータ826及びセンサ828と同様に、ツール840と支持構造850との間で情報を通信し得るように、接点837をマニピュレータアーム820の近位端で接点830の1つ又はそれよりも多くの接点832に連結させてよい。
図8Cは、第3の実施態様に従ったマニピュレータアセンブリ810と、支持構造850とを含む、ロボットシステムの一部である。この実施態様におけるマニピュレータアセンブリ810及び支持構造850は、図8Aを参照して議論したものに類似しており、よって、図8Aを参照して議論した構造及び機能は、この実施態様にも等しく当て嵌まる。
ツール840は、この実施態様において、ツール識別ユニット845を含む。ツール識別ユニット845は、ツールの1つ又はそれよりも多くの特徴を識別するツール識別子を格納してよい。例えば、ツール識別子は、ツールの種類(例えば、内視鏡、ジョー、真空、電気外科パッドル等)、ツールの自由度の数(例えば、3つの自由度、4つの自由度、5つの自由度等)、自由度の種類(例えば、ロール、並進等のような運動自由度、真空又は電極を作動させることのような作動自由度等)等を識別してよい。ツール識別ユニット845は、ツール識別子を支持構造の要素のようなロボットシステムの他の要素に伝達するように動作可能であってよい。その場合には、ハードウェアマッピングユニット856及び/又は関節空間作業空間マッピングユニット860を構成するためのような様々な目的のために、ツール識別子を用いてよい。
様々な技法のうちの1つ又はそれよりも多くを用いてツール識別ユニット845を実施してよい。例えば、ツール識別ユニット845をツール840の接点(例えば、接点846)に連結させてよく、よって、ツール識別ユニット845は、1つ又はそれよりも多くのワイヤを介してツール識別子と通信するように動作可能であってよい。他の例として、ツール識別ユニット845は、ツール識別子と無線通信するように動作可能であってよい。例えば、ツール識別ユニット845は、ツール840の1つ又はそれよりも多くの特徴と関連付けられる識別子を有する無線ICタグ(RFID)であってよい。従って、マニピュレータアーム820は、ツール840がマニピュレータアーム820の範囲内にあるときにツール識別子を読み取るRFIDリーダ839を含んでよい。RFIDリーダ839がツール識別子を支持構造850の要素のようなロボットシステムの他の要素に通信するように動作可能であってよいように、RFIDリーダ839をコネクタ830の1つ又はそれよりも多くの接点832に連結させてよい。
他の実施態様では、ツール840からロボットシステムの他の要素にツール識別子を伝達するために、他の無線技法を用いてよい。例えば、ツール840及びロボットシステムの他の要素(例えば、マニピュレータ820、支持構造850、又は他の要素)は、Bluetooth(TM)回路構成、IEEE802.11規格に従って通信するための無線通信回路、IrDA規格、又は他の無線通信規格を含んでよい。
更に、一部の実施態様において、マニピュレータアーム820は、マニピュレータ及び/又は接続されるツールの1つ又はそれよりも多くの特徴を識別するマニピュレータ識別子を格納してよいマニピュレータ識別ユニット(図示せず)も含んでよい或いは代替的に含んでよい。例えば、マニピュレータ識別子は、マニピュレータの種類(例えば、平行四辺形)、マニピュレータ及び/又は接続されるツールの自由度の数(例えば、3つの自由度、4つの自由度、5つの自由度等)、マニピュレータ及び/又は接続されるツールの自由度の種類(例えば、ロール、並進等のような運動自由度、真空又は電極を作動させるような作動自由度等)等を識別してよい。マニピュレータ識別ユニットは、マニピュレータ識別子を支持構造の要素のようなロボットシステムの他の要素に通信するように動作可能であってよい。その場合には、ハードウェアマッピングユニット856及び/又は関節空間作業空間マッピングユニット860を構成するためのような様々な目的のためにマニピュレータ識別子を用いてよい。ツール識別ユニット845と同様に、マニピュレータ識別ユニットは、有線手段を介して(例えば、接点832を通じて)又は無線手段を介して(例えば、マニピュレータアーム820に連結させられるRFIDタグ及び支持構造850に連結させられるRFIDリーダを介して)、マニピュレータ識別子をロボットシステムの他の要素に通信するように動作可能であってよい。
マニピュレータアセンブリ810及び支持構造850は、特定の実施態様において、アクチュエータ、センサ、関節、ツール、コネクタ、マッピングユニット、及びコントローラのような、様々なコンポーネントを含む。しかしながら、入力装置が図8A乃至8Cに例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントを有することによっても等しく十分に作動し得ることが当業者によって理解されるであろう。更に、図8A乃至8Cの各々を参照して記載した要素を同時に又は互いに別々に用い得ることが当業者によって理解されるであろう。例えば、図8Cを参照して記載する識別システムを、図8Bを参照して記載するシステムと共に用い得る。よって、図8A乃至8Cにおけるマニピュレータアセンブリ810及び支持構造850の描写は本質的に例示的であり、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
図9Aは、第1の実施態様に従ったコネクタ入力/出力要素と関節空間インターフェース要素との間のマッピングを例示している。コネクタ入力要素910とコネクタ出力要素920と関節空間インターフェース要素930との間の第1のマッピングとして図示のマッピングを例示している。
コネクタ入力要素910は、幾つかの実施態様において、マニピュレータアセンブリのセンサ信号を受信する要素のような、ハードウェア装置の層の一部である。例えば、コネクタ入力要素910は、マニピュレータアセンブリ内に配置される知覚装置(例えば、センサ828)のような装置からの情報を受信するように指定される電気的及び/又は光学的な接点(例えば、接点854)に対応してよい。従って、各接点はマニピュレータアセンブリの要素からの情報を受信するように動作可能であってよい。
1つの実施態様において、コネクタ入力要素910のうちの1つ又はそれよりも多くは、センサ信号912を受信する。センサ信号912は、接続されるマニピュレータアセンブリの関節状態を示してよい。例えば、センサ信号912は、マニピュレータアセンブリ810の自由度の位置又は状態を測定するセンサ828から受信される情報であってよい。その自由度は、マニピュレータアーム820の自由度に対応してよく、幾つかの実施態様では、接続されるツール840の自由度に対応してよい。
図9Aに例示する実施例において、センサ信号912は、マニピュレータアームの外側ヨー(A1)の状態又は位置を示している。センサ信号914のような他のセンサ信号は、接続されるマニピュレータアセンブリの異なる関節の状態又は位置を示してよい。例えば、センサ信号914は、この実施例において、マニピュレータアームの外側ピッチ(A2)の状態又は位置を示してよい。更に他のセンサ信号は、外側ロール(A3)、挿入関節(A4)、及び器具ロール(A5)のような、接続されるマニピュレータアセンブリのより多くの関節の状態又は位置を示してよい。コネクタ入力要素910で受信されるセンサ信号によって示される特定の関節は、多くの実施態様において、マニピュレータアセンブリ810によって決定されることが認識されるべきである。即ち、コネクタ入力要素910で受信されるセンサ信号は、取り付けられるマニピュレータアセンブリ上の対応する接点(例えば、電気的及び/又は光学的な接点832)でもたらされるセンサ信号に対応してよく、その場合、マニピュレータアセンブリの接点でもたらされるセンサ信号は、異なるマニピュレータアーム及び/又はツールのための異なる関節又は自由度を示してよい。幾つかの実施態様において、マニピュレータアセンブリの異なる関節又は自由度は、マニピュレータアセンブリのツールを変更することに起因することがある。
次に、コネクタ入力要素910でもたらされるセンサ信号は、第1のマッピング940を介して関節空間インターフェース要素930に伝達される。例えば、ハードウェアマッピングユニット856によって第1のマッピング940を生成してよい。第1のマッピング940は、受信するセンサ信号を特定の関節空間インターフェース要素930にマッピングするように動作可能であってよい。
関節空間インターフェース要素930は、一定の又はその他の方法において事前設定される特徴を有する1つ又はそれよりも多くの要素を含んでよい。例えば、1つ又はそれよりも多くののマニピュレータアセンブリ(即ち、マニピュレータアーム及び/又はツール)の特定の自由度にそれぞれ対応するように関節空間インターフェース要素930を定めてよい。図9Aに例示する実施例において、関節空間インターフェース要素930は、例えば、二次的な外側ヨー(J1)、外側ヨー(J2)、外側ピッチ(J3)、外側ロール(J4)、器具ロール(J6)、及び追加的な関節(J7)乃至(J10)に対応するように予め定められる。
幾つかの実施態様において、関節空間インターフェース要素930は、プロセッサによって実行される、或いは幾つかの実施態様では、関節空間コントローラ858のようなコントローラ内に実行される、アルゴリズムの入力/出力要素として作動してよい。従って、関節空間コントローラ858は、例えば、個々の関節の上をループする1つ又はそれよりも多くのアルゴリズムを実行することによって、関節空間内でセンサ信号を処理するように動作可能であってよい。
次に、関節空間コントローラ858は、同じ又は異なる関節空間インターフェース要素930を介して、結果を出力するように動作可能であってよい。図9Aに例示する実施例において、関節空間コントローラ858は、同じ関節空間インターフェース要素930を用いて結果を出力する。出力信号は、例えば、アクチュエータ826のようなマニピュレータアセンブリの1つ又はそれよりも多くの要素を制御する制御信号であってよい。第2のマッピング950を介して関節空間インターフェース要素930を1つ又はそれよりも多くのコネクタ出力要素920にマッピングしてよい。例えば、ハードウェアマッピングユニット856によって第2のマッピング950を生成してよい。第2のマッピング950は、関節空間インターフェース要素930の出力をコネクタ出力要素920にマッピングするように動作可能であってよい。
コネクタ出力要素920は、幾つかの実施態様において、制御信号をマニピュレータアセンブリに送信する要素のような、ハードウェア装置の層の一部である。例えば、コネクタ出力要素920は、マニピュレータアセンブリ内に配置されるアクチュエータ(例えば、アクチュエータ826)のような装置に情報を送信するよう指定される電気的及び/又は光学的な接点(例えば、接点854)に対応してよい。従って、各接点は、マニピュレータアセンブリの要素に情報を伝達するように動作可能であってよい。図9Aに示す実施例では、制御信号922が、マニピュレータアセンブリ810の外側ヨーを制御するためにマニピュレータアセンブリ810のアクチュエータに出力されるのに対し、制御信号924が、マニピュレータアセンブリ810の外側ピッチを制御するためにマニピュレータアセンブリ810のアクチュエータに出力される。
幾つかの実施態様において、コネクタ入力要素910及びコネクタ出力要素920は互いに別個であるのに対し、他の実施態様において、コネクタ入力要素910及びコネクタ出力要素920は互い同じであってよい。図9Aに示す実施例において、コネクタ出力要素920はコネクタ入力要素910と異なり、センサ828からのセンサ信号を受信するために一部の接点832を用いてよいのに対し、制御信号をアクチュエータ826に送信するために他の接点832を用いてよいことを示している。しかしながら、他の実施態様では、コネクタ出力要素920はコネクタ入力要素910と同じであってよく、センサ828からセンサ信号を受信すること及びアクチュエータ826に制御信号を送信することの両方のために一部の接点832を用いてよいことを示している。
第1のマッピング940及び第2のマッピング950に戻ると、これらのマッピングはコネクタ入力/出力要素に受信される/伝達される信号を適切な関節空間インターフェース要素に/からマッピングするように動作することが明らかであるはずである。多くの実施態様において、これらのマッピングは異なるマニピュレータアセンブリについて異なる。例えば、図9Aに例示する実施態様において、第1のコネクタ入力要素910aは、マニピュレータアセンブリから如何なる信号をも受信しないのに対し、第2のコネクタ入力要素920bは、マニピュレータアセンブリの外側偏角の位置又は状態を示すセンサ信号を受信してよい。次に、第1のマッピング940は、その特定のマニピュレータアセンブリに合わせてカスタマイズされ、第2のコネクタ入力要素910bを第2の関節空間(例えば、関節空間インターフェース要素930)インターフェース要素930bにマッピングするように作動し、関節空間コントローラ858は、第2の関節空間インターフェース要素930bを取り、外側ヨー自由度として処理する。第1のマッピング940は、如何なる信号をも第1の関節空間インターフェース要素930aにマッピングしない。何故ならば、マニピュレータアセンブリは、第2の外側ヨー地点に対応する如何なる自由度をも有さないからである。
図9Bを一時的に参照すると、図9Bは、第2の実施態様に従ったコネクタ入力/出力要素と関節空間インターフェース要素との間のマッピングを例示している。この実施態様は、この場合には、センサ信号912が第2のコネクタ入力要素910bで受信されず、むしろ第3のコネクタ入力要素910cで受信されるように、支持構造850が異なるマニピュレータアセンブリ820に連結させられている(マニピュレータアセンブリはアセンブリのツールの交換の結果として異なり得る)点を除き、図9Aを参照して議論したものに類似している。関節空間インターフェース要素930は異なるマニピュレータアセンブリと交換しないので、コネクタ入力要素910で受信されるセンサ信号が適切な関節空間インターフェース要素930にマッピングされるように、第1のマッピング940が変わらなければならない。図9Bの実施例において、新しいマニピュレータアセンブリに対応する第1のマッピング941は、第3のコネクタ入力要素910cを、図9Aの実施例において行ったように第3の関節空間インターフェース要素930cにマッピングするのではなく、第2の関節空間インターフェース要素930bにマッピングする。同様に、図9B中の実施例は、図9A中の実施例において用いたものと異なる第2のマッピング951を用いてよい。異なるマニピュレータアセンブリのために異なるマッピングを用いることによって、有利なことには、異なるマニピュレータアセンブリのために同じ関節空間コントローラ858を用いてよい。
図9Cは、ある実施態様に従った関節空間インターフェース要素と作業空間インターフェース要素との間のマッピングを例示している。関節空間インターフェース要素960は、この実施態様において、関節空間作業空間マッピング980を介して作業空間インターフェース要素970にマッピングされる。関節空間インターフェース要素960は、図9A及び9Bを参照して議論したものと類似してよいが、この実施態様では、関節空間コントローラ858と作業空間コントローラ862との間で情報を通信するように動作可能であってよい。
幾つかの実施態様において、作業空間インターフェース要素970は、プロセッサによって実行される、或いは幾つかの実施態様では、作業空間コントローラ862のようなコントローラ内に実行される、アルゴリズムの入力/出力要素として作動してよい。従って、作業空間コントローラ862は、作業空間インターフェース要素970を介して作業空間内で関節空間コントローラ858によって出力される信号を受信することによって、それらの信号を処理するように動作可能であってよい。少なくとも1つの実施態様において、作業空間コントローラ862は、機械的リンク装置又は作業空間自由度の層に対応する。例えば、作業空間インターフェース要素970の各々は、マニピュレータアセンブリの特定のリンク装置に対応してよい。作業空間コントローラ862は、任意の適切な数の次元(例えば、一次元、二次元、三次元、三次元よりも大きい次元等)において、デカルト座標系、極座標系等のような、1つ又はそれよりも多くの座標系内で、関節空間コントローラ858からの出力に対する計算を行うように動作可能であってよい。作業空間コントローラが行う計算は、例えば、順運動学、逆運動学、及び他のデカルト空間(cart-space)及び零空間(null-space)を含んでよい。
関節空間作業空間マッピング980は、図9A及び9Bを参照して議論したものと同様に、異なるマニピュレータアセンブリのために異なってよい。関節空間作業空間マッピング980は、関節空間インターフェース要素960作業空間インターフェース要素970にマッピングするように動作する。例えば、関節空間作業空間マッピング980は、関節空間コントローラ858からの出力信号を適切な作業空間インターフェース要素970にマッピングしてよく、同様に、作業空間インターフェース要素970からの出力信号を適切な関節空間インターフェース要素960にマッピングしてよい。幾つかの実施態様では、例えば、関節空間作業空間マッピングユニット860によって、関節空間作業空間マッピング980を作成してよい。
幾つかの実施態様では、関節空間インターフェース要素を作業空間インターフェース要素に全くマッピングしないことがあり、その結果、固定的なフレーム変換がもたらされる。例えば、第1の関節空間インターフェース要素960aは、如何なる作業空間インターフェース要素970にもマッピングされず、第1の作業空間インターフェース要素970aは、如何なる関節空間インターフェース要素960にもマッピングされない。これが当て嵌まることがあるのは、取り付けられるマニピュレータアセンブリが第1の関節空間インターフェース要素960aの自由度に対応する自由度(例えば、第2の外側ヨー地点)を有さない場合である。
少なくとも1つの実施態様では、単一の関節空間インターフェース要素を単一の作業空間インターフェース要素にマッピングしてよい。例えば、第2の関節空間インターフェース要素960bを第2の作業空間インターフェース要素970bにマッピングしてよい。これが当て嵌まることがあるのは、取り付けられるマニピュレータアセンブリが第2の関節空間インターフェース要素960bの自由度に対応する自由度(例えば、外側ヨー自由度)を有する場合であり、その自由度は、単一のリンクの動きに対応する。
少なくとも1つの実施態様では、単一の関節空間インターフェース要素を多数の作業空間インターフェース要素にマッピングしてよい。例えば、第3の関節空間インターフェース要素960cを、第3の作業空間インターフェース要素970c、第4の作業空間インターフェース要素970d、及び第5の作業空間インターフェース要素970eにマッピングしてよい。これが当て嵌まることがあるのは、マニピュレータの一部が並列機構(parallel mechanism)である場合である。並列機構は、単一の独立した自由度に基づき多数の物理的関節が同時に移動する場合である。物理的関節の1つを独立して制御し得るのに対し、他の物理的関節の運動は独立して制御される関節の動きに依存する。並列機構の実施例は、(ツール先端を単一の軸に沿って旋回させる代わりに曲線の周りに移動させる)スネークツール(snake tool)、平行四辺形軸等を含む。
図10は、ある実施態様に従ったコネクタ入力/出力要素と関節空間インターフェース要素と作業空間インターフェース要素との間のマッピングを例示している。様々な装置、インターフェース要素、信号、及びマッピングは、図9A及び9Cを参照して議論したものと類似しているが、この場合には、マニピュレータアセンブリに通信される並びにマニピュレータアセンブリから通信される信号を作業空間コントローラによって最終的に処理される信号にマッピングする単一の相互接続されるシステムとして示されている。
少なくとも1つの実施態様では、マニピュレータセンブリの自由度を制御するために受信され且つ伝達される実際の信号を処理することに加えて、システムは、擬態(simulated)又は仮想(phantom)自由度のための処理を行うように動作可能であってもよい。例えば、幾つかの実施態様において、マニピュレータアセンブリは、1つ又はそれよりも多くの自由度を欠いていてよく、例えば、それはロールするように動作可能でなくてよい。しかしながら、関節空間コントローラ858及び/又は作業空間コントローラ862のようなコントローラによって実行される計算を、そのような自由度がマニピュレータアセンブリに実際に存在するという推定に基づき行ってよい。
例えば、関節空間コントローラ858は、マニピュレータアセンブリの特定のロール及びピッチのような自由度に対応してよい関節空間インターフェース要素930a及び930hで入力信号を受信せず、関節空間コントローラ858は、関節空間インターフェース要素930a及び930hで出力をもたらさないが、関節空間コントローラ858は、それにも拘わらず、関節空間インターフェース要素930g及び930hに対応する自由度が制御されると仮定してアルゴリズムを実行してよい。
従って、幾つかの実施態様において、関節空間作業空間マッピング980は、これらの仮想の自由度と関連付けられる信号を処理するマッピングを含んでよい。例えば、関節空間作業空間マッピング980は、例えば、仮想のピッチに対応する、関節空間インターフェース要素930gを、作業空間インターフェース要素970iにマッピングしてよく、例えば、仮想のヨーに対応する、関節空間インターフェース要素930hを、作業空間インターフェース要素970jにマッピングしてよい。次に、作業空間コントローラ862も、作業空間インターフェース要素970i及び970jに対応するリンクが存在し且つ制御されると仮定して、関節空間コントローラ858と同様に計算を行ってよいが、実際には、それらは制御されず、接続されるマニピュレータアセンブリ上に存在しないことさえある。
コネクタ入力要素910、コネクタ出力要素920、関節空間インターフェース要素930、及び作業空間インターフェース要素970の数は、複数のマニピュレータアセンブリを制御するのに適した如何なる数であってもよい。1つの実施態様において、関節空間インターフェース要素の数は、コネクタ(入力/出力)要素の数よりも大きい。そのような構成は、制御されることがある多数の異なる自由度を有する多数の異なるマニピュレータアセンブリが全て同じ関節空間コントローラによって制御されることを有利に可能にする。関節空間インターフェース要素の数がコネクタ要素の数よりも大きい場合には、コネクタ要素を関節空間インターフェース要素のサブセット(部分集合)にマッピングしてよい。更に、異なるマニピュレータアセンブリが同じ数の自由度を有するが、少なくとも1つの異なる自由度を有する(例えば、1つのマニピュレータが外側ピッチ自由度を含むのに対し、他のマニピュレータは外側ピッチ自由度を含まず、追加的なツール自由度を含む)場合には、マニピュレータの各々のためのコネクタ要素を関節空間インターフェース要素の異なるサブセットにマッピングしてよい。他の実施態様では、異なるマニピュレータアセンブリによって用いられるコネクタ要素の数が異なってもよい。
幾つかの実施態様において、作業空間インターフェース要素の数は、関節空間インターフェース要素の数よりも大きい。そのような構成は、1つの関節空間インターフェース要素が1つよりも多くのデカルト空間インターフェース要素にマッピングされるのを有利に可能にし、それにより、所与のマニピュレータアセンブリ自由度のための様々な機械的リンク装置の制御を容易化することがある。
図11A及び11Bを一時的に参照すると、図11Aは、関節空間インターフェース要素930によって制御される第1のマニピュレータアセンブリの自由度の第1の組のグループ分け1100を示しており、図11Bは、関節空間インターフェース要素930によって制御される第2のマニピュレータアセンブリの自由度の第2の組のグループ分け1150を示している。ここでは、第2のマニピュレータアセンブリは第1のマニピュレータアセンブリと異なり、よって、グループ分けは異なってよい。
幾つかの実施態様において、例えば、関節空間コントローラによって実行されるアルゴリズムは、利用可能な入力のサブセットのみに対して働いてよい。例えば、関節空間コントローラ858によって実行されるアルゴリズムは、インターフェース要素930のサブセットのみに対して働いてよい(例えば、サブセットから入力を取得し、処理し、サブセットに出力を送信してよい)。異なる組の入力を受信し且つ作動しながら、異なるアルゴリズムを互いに同時に実行してよい。異なるマニピュレータ(そして、幾つかの実施態様では、異なるツール)が支持構造の同じコネクタに引き続き接続される(即ち、1つのマニピュレータが他のマニピュレータと取り替えられる(スワップされる))状況では、インターフェース要素930によって制御されるマニピュレータの関節は変化することがある。結果的に、アルゴリズムがその上で働く特定のインターフェース要素930も同様に変化することがある。
これらの変化を考慮に入れるために、異なる関節グループ分けを用いてよく、その場合、関節グループ分けは、特定の関節グループ分けを定める。例えば、各々が特定のインターフェースグループ分けを例示する図11A及び11Bを参照すると、インターフェース要素930b乃至930eは、第1のマニピュレータ(図11A)の外側関節に対応してよいのに対し、インターフェース要素930a乃至930eは、第2のマニピュレータ(図11B)の外側関節に対応してよい。1つ又はそれよりも多くのアルゴリズムがマニピュレータの外側関節に対してのみ働くように構成されるとき、第1のマニピュレータ(図11A)が接続されるときに、アルゴリズムはそのマニピュレータのための関節グループ分け定義を読み取って、インターフェース要素930b乃至930eを用いて外側関節が完全に定められることを決定してよい。よって、アルゴリズムはそれらのインターフェース要素に対してのみ働いてよい。例えば、第1のアルゴリズムがインターフェース要素930b乃至930eの「外側」グループを用いて働いてよく、第2のアルゴリズムがインターフェース要素930f乃至930iの「ツール」グループを用いて(同時に又は順次的に)働いてよい。対照的に、第2のマニピュレータ(図11B)が接続されるとき、アルゴリズムはそのマニピュレータのための関節定義を読み取って、インターフェース要素930a乃至930eを用いて外側関節が完全に定められることを決定してよい。よって、アルゴリズムはそれらのインターフェース要素に対して働いてよい(即ち、インターフェース要素930aを含む)。例えば、第3のアルゴリズムがインターフェース要素930a乃至930eの「外側」グループを用いて働いてよく、第4のアルゴリズムがインターフェース要素930f乃至930iの「ツール」グループを用いて働いてよい。第1、第2、第3、及び第4のアルゴリズムの各々は互いに異なってよく、インターフェース要素の特定のグループ実行するよう第1、第2、第3、及び第4のアルゴリズムの各々を最適化してよい。例えば、マニピュレータアセンブリの外側関節と関連付する入力要素のグループを実行し得るよう1つのアルゴリズムを最適化してよいのに対し、ツールの自由度に関連する入力要素のグループを実行するよう他のアルゴリズムを最適化してよい。
関節グループ分け定義は、特定のマニピュレータのためのコントローラ内のアルゴリズムによって用いられる関節グループ分けの全てを定めてよい。例えば、図11Aを参照すると、関節グループ分け定義は、図11Aに描写するような第1のマニピュレータのための「関節」、「ツール」、「ジョー」等のためのグループ分けを定めてよい。図11Bを参照すると、異なる関節グループ分け定義が、図11Bを参照に描写するような第2のマニピュレータのための「関節」、「ツール」、「ジョー」等のための(ある場合には、異なる)グループ分けを定めてよい。異なるマニピュレータのための関節グループ分け定義を(例えば、支持構造850内の)コントローラに格納してよく、或いはマニピュレータが使用のために接続される時に又は前に適切なソースから(例えば、マニピュレータ、遠隔記憶装置等から)取得してよい。
図11A及び11Bに描写する特定の実施態様において、図11Aに例示するグループ分けのうちの少なくとも一部は、図11Bを参照に例示するものと同じである。何故ならば、図11Aのインターフェース要素によって制御されるマニピュレータアセンブリは、図11Bのインターフェース要素によって制御されるマニピュレータアセンブリの自由度と同じ自由度の少なくとも一部を有するからである。例えば、両方の組のグループ分けは、8つの関節空間インターフェース要素930h及び9つの関節空間インターフェース要素930iを、ツールのジョーを制御するように動作する関節空間インターフェース要素を示す「ジョー」グループにグループ分けする。更に、両方の組のグループ分けは、6つの関節空間インターフェース要素930f、7つの関節空間インターフェース要素930g、及び8つの関節空間インターフェース要素930hを、ツールのリストを制御するように動作する関節空間インターフェース要素を示す「リスト」グループにグループ分けする。
更に、図11Aに例示するグループ分けのうちの少なくとも一部は、図11Bに例示するものと異なる。何故ならば、図11Aのインターフェース要素によって制御されるマニピュレータアセンブリは、二次的な外側ヨー関節を含まないのに対し、図11Bのインターフェース要素によって制御されるマニピュレータアセンブリは、二次的な外側ヨー関節を含むからである。従って、マニピュレータアームを制御するように動作する関節空間インターフェース要素を識別する「外側」と定義されるグループ分けが、第1の組のグループ分け1100のために定められ、第2、第3、第4、及び第5の関節空間インターフェース要素930b乃至930eを含む。対照的に、「外側」と定義されるグループは、第2の組のグループ分け1100のために定められ、第1、第2、第3、第4、及び第5の関節空間インターフェース要素930a乃至930eを含む。何故ならば、二次的な外側偏角関節は、接続されるツールではなくマニピュレータアームの自由度に対応するからである。
既述のように、関節空間コントローラによって実行されるアルゴリズムは、アルゴリズムのために受信される入力データに基づき関節空間インターフェース要素930から使用する信号を選択してよい。例えば、センサ、アクチュエータ、及び/又は作業空間コントローラからの入力データは、どの関節空間インターフェース要素が、例えば、ツール自由度に対応するかをアルゴリズムに示してよく、よって、関節空間コントローラは、適切な関節空間インターフェース要素から受信される信号を用い(且つ処理された信号を適切な関節空間インターフェース要素に伝達し)てよい。他の実施態様では、関節空間インターフェース要素とマニピュレータアセンブリの自由度との間の所定の対応に基づき信号を選択してよい。例えば、特定のマニピュレータアセンブリを接続した後に、その特定のマニピュレータアセンブリに対応する、異なる関節空間インターフェース要素のグループ分けを示すグループ分け情報をロードしてよい。よって、関節空間コントローラは、特定のグループ分けによって定義される適切な関節空間インターフェース要素から受信される信号を使用し(且つ処理された信号を特定のグループ分けによって定義される適切な関節空間インターフェース要素に伝達し)てよい。
図12A及び12Bを今や参照すると、図12Aは、ある実施態様に従ったコネクタ/関節空間マップ1200を示しているのに対し、図12Bは、ある実施態様に従った関節空間/作業空間マップ1250を示している。支持構造850内の記憶要素のような、ロボットシステムの任意の適切な要素内に、それらのマップを格納してよい。コネクタ/関節空間マップ1200は、コネクタ要素1210(例えば、接点854)を関節空間インターフェース要素1220(例えば、関節空間インターフェース要素930)にマッピング(例えば、第1のマッピング940及び/又は第2のマッピング950)するマップである。コネクタ/関節空間マップ1200は、A1乃至Ai(ここで、iは任意の整数である)のような、任意の適切な数のコネクタ要素と、J1乃至Jk(ここで、kは任意の整数である)のような、関節空間インターフェース要素とを含んでよい。マッピングインジケータ1230は、特定のコネクタ要素と特定の関節空間インターフェース要素との間の特定のマッピングを示してよい。例えば、図9Aを参照すると、コネクタ要素「A2」は、第2のコネクタ入力要素910bに対応してよく、関節空間インターフェース要素「J2」は、第2の関節空間インターフェース要素960bに対応してよい。従って、マッピングインジケータ1230は、第2のコネクタ入力要素910bと第2の関節空間インターフェース要素960bとの間の信号をマッピングするように動作可能であってよい。
関節空間/作業空間マップ1250は、関節空間インターフェース要素1260(例えば、関節空間インターフェース要素930)を作業空間インターフェース要素1220(例えば、作業空間インターフェース要素970)にマッピング(例えば、関節空間作業空間マッピング980)するマップである。関節空間/作業空間マップ1250は、J1乃至Jk(ここで、kは任意の整数である)のような、任意の適切な数の関節空間要素と、W1乃至Wm(ここで、mは任意の整数である)のような、任意の数の作業空間インターフェース要素とを含んでよい。マッピングインジケータ1280が、特定の関節空間要素と特定の作業空間インターフェース要素との間の特定のマッピングを示してよい。例えば、図9Cを参照すると、関節空間インターフェース要素「J2」は、第2の関節空間インターフェース要素960bに対応してよく、作業空間インターフェース要素「W1」は、第2の作業空間インターフェース要素970bに対応してよい。従って、マッピングインジケータ1280は、第2の関節空間インターフェース要素960bと第2の作業空間インターフェース要素970bとの間の信号をマッピングするように動作可能であってよい。
更に、それらのマップは1つの要素を1つよりも多くの要素にマッピングするように動作可能であってよい。例えば、再び図9Cを参照すると、関節空間インターフェース要素「J3」は、第3の関節空間インターフェース要素960cに対応してよく、作業空間インターフェース要素「W2」、「W3」、及び「W4」は、第2、第3、及び第4の作業空間インターフェース要素970c乃至970eにそれぞれ対応してよい。よって、第1、第2、及び第3のマッピングインジケータ1282,1284,1286が、第3の関節空間インターフェース要素と、第2、第3、及び第4の作業空間インターフェース要素970c乃至970eの各々との間の信号をマッピングするように動作可能であってよい。
支持構造は、特定の実施態様において、コネクタ要素、インターフェース要素、マッピング、関節空間コントローラ、作業空間コントローラ等のような、様々なインターフェース要素及びコントローラを含む。しかしながら、入力装置が図9A乃至12Bに例示するよりも少ない又は多い数のコンポーネントを有することによっても等しく十分に作動し得ることが当業者によって理解されるであろう。図9A乃至12Bの各々を参照して記載した要素が特定のマッピング及びこれらの実施態様を参照して例示し且つ議論した特定の自由度を必要としないことが当業者によって更に理解されるであろう。例えば、一部の自由度は、接続されるマニピュレータアームの動きに対応してよいのに対し、他の自由度は、接続されるツールの動きに対応してよく、更に他の自由度は、ツール又はマニピュレータアームの作動に対応してよい。よって、図9A乃至12B中の様々な要素の描写は本質的に例示的であり、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
図13Aは、図4を参照して描写し且つ議論したペイシェントカートに類似するペイシェントカート1300を示している。しかしながら、この実施態様において、マニピュレータアームは個々に識別され、第1のマニピュレータアーム100A、第2のマニピュレータアーム100B、第3のマニピュレータアーム100C、及び第4のマニピュレータアーム100Dを含む。第1のマニピュレータアーム100Aは、イメージングデバイス28に連結させられるのに対し、第2、第3、及び第4のマニピュレータアーム(100B,100C,100D)は、各々、それぞれの手術ツール26に連結させられる。
図13Bは、ペイシェントカート1300に類似するペイシェントカート1350を示している。しかしながら、この実施態様において、第1のマニピュレータアーム100Aは、手術ツール26に連結させられるのに対し、第2のマニピュレータアーム100Bは、イメージングデバイス28に連結させられる。即ち、イメージングデバイスは手術ツールのうちの1つと取り替えられる。
多くの実施態様では、ペイシェントカート1350又はMIRSシステム10(図1)の他の要素を実行するソフトウェアをオフにしたりその他の方法において再起動させたりせずに、患者に対する医療処置中を含む任意の適切な時に、イメージングデバイス28を手術ツール26と取り替え得る。イメージングデバイス28を手術ツール26と取り替えることは、イメージングデバイスの視野を変更するのを容易化することがあり、取り替えられる手術ツールに利用可能な、アクセス可能な作業空間内の変化を促進することがある。
少なくとも1つの実施態様では、手術ツール先端の基準座標系(frame of reference)が、1つのマニピュレータから他のマニピュレータにイメージングデバイス28(例えば、カメラ)を移動させる結果として変更される。例えば、手術を執り行うときには、カメラ先端に対する手術ツール先端の基準座標系が、外科医が見る画像ディスプレイに対して手術ツールを制御するために外科医が用いる入力装置の基準座標系と整合するように、空間内の物を再配置することが概ね望ましい。手術ツールが第1のマニピュレータアームに連結させられ、イメージングデバイスが第2のマニピュレータアームに連結させられるとき、外科医は(例えば、入力装置を介して)、第1のマニピュレータを介して手術ツールを駆動させる。よって、イメージングデバイス座標系(imaging device frame)に対する手術ツール先端座標系(surgical tool tip frame)は、遠隔手術のために用いられる。しかしながら、手術ツール及びイメージングデバイスは互いに取り替えられ、外科医は最後にはイメージングデバイスを駆動させることになる。結果的に、システム(例えば、関節空間コントローラ及び/又は作業空間コントローラによって実行される1つ又はそれよりも多くのアルゴリズム)は、世界座標系(world frame)に対するイメージングデバイス座標系が遠隔手術のために用いられるように、無作為な基準座標系(即ち、世界座標系)を定める。
当業者は、ここに開示する様々な技法を用いてイメージングデバイス及び手術ツールの交換を容易化するのを助け得ることを認識するであろう。例えば、第1のマニピュレータアーム100A及び第2のマニピュレータアーム100Bは、マニピュレータ820(図8A乃至8C)にそれぞれ類似してよく、イメージングデバイス28及び手術ツール26の各々は、ツール840に類似してよい。従って、第1のマニピュレータアーム100A及び第2のマニピュレータアーム100Bの各々は、イメージングデバイス28及び手術ツール26の対応するコネクタと係合するに形作られるコネクタ(例えば、コネクタ834)を含んでよい。
イメージングデバイス及び手術ツールのホットスワッピング(hot-swapping)を促進するよう、例えば支持構造850が行ってよい様々な処理を、図14乃至16Bを参照して更に記載する。当業者は、実施態様がイメージングデバイスを手術ツールと取り替える(スワッピングする)ことに限定されず、手術ツールを他の手術ツールと取り替える(スワッピングする)こと、イメージングデバイスを他の種類のイメージングデバイスと取り替える(スワッピングする)こと等を含むことを認識するであろう。
図14は、同じマニピュレータアームに接続される多数の可能なツールからの1つを制御するために用いてよい、或いは、より一般的に、マニピュレータアセンブリがマニピュレータアーム及びツールの両方を含む場合、多数の異なるマニピュレータアセンブリを制御するために用いてよい、一連の操作を示している。支持構造850(図8A乃至8C)を参照してここに記載したコントローラのいずれかのような、任意の適切なコントローラによって、それらの操作を行ってよい。
操作1410において、ツールがマニピュレータに接続されているか否かを決定する。例えば、関節空間コントローラ858(又は異なるコントローラ)は、ツール840がマニピュレータアーム820に接続されているか否かを決定してよい。ツールがマニピュレータアームに接続されていないことが決定されるとき、システムはマニピュレータアームを監視し続けて、ツールが接続されているか否かを決定する。さもなければ、処理は操作1420に進んでよい。
操作1420では、接続されるツールのためのマッピングを取得する。マッピングは、図8A乃至12Bを参照して記載したマッピングのような、1つ又はそれよりも多くのマッピングを含んでよい。例えば、マッピングは、コネクタ/関節空間マップ1200(図12A)、関節空間/作業空間マップ1250(図12B)、又は接続されるツールに関連する任意の他の適切なマップを含んでよい。図15を参照してその一部を記載する多数の技法のうちの任意の1つ又はそれよりも多くを用いて、マッピングを取得してよい。
ツールのためのマッピングを取得するや否や、処理は操作1430に進む。操作1430では、取得したマッピングを用いて、接続されるツールを制御する。例えば、コネクタ/関節空間マップ及び関節空間/作業空間マップを用いて、関節空間コントローラ858及び作業空間コントローラ862を用いて、ツールを制御してよい。図8A乃至12Bを参照して、1つ又はそれよりも多くのマップを用いてツールを制御する様々な技法を記載する。これらの技法のうちの任意の1つ又はそれよりも多くが、接続されるツールを制御するために適用可能である。図16A及び16Bを参照して、接続されるツールを制御する更なる技法を記載する。
操作1440では、ツールがマニピュレータから取り外されたか否かを決定する。例えば、コントローラは、ツール840がマニピュレータアーム820から取り外されたか否かを決定する。ツールがマニピュレータアームから取り外されていないことが決定されるならば、取得したマッピングを用いてツールを制御し続けてよい。さもなければ、処理は操作1450に進む。
操作1450では、新しいツールがマニピュレータに接続されているか否かを決定する。この操作は操作1410に類似する。新しいツールが接続されていることが決定されるならば、操作1420において新しいツールのためのマッピングを取得してよく、操作1430において新しいマッピングを用いて新しいツールを制御してよい。さもなければ、システムは新しいツールの接続を監視し続けてよい。
マッピングの結果、同じマニピュレータアームに接続される異なるツールを制御するプロセッサ(例えば、関節空間コントローラ858及び/又は作業空間コントローラ862)は、同じソフトウェアカーネルを用いてよい。ソフトウェアカーネルは、イメージングデバイスから画像を取得すること、鉗子を作動すること等のような、マニピュレータアームに接続し得る全ての種類のツールの機能性を含んでよい。その場合には、ソフトウェアカーネルは、全てのツールのあらゆる機能を作動させる能力を有するのに対し、ツールマッピングは、同じマニピュレータアームに接続されるときに、異なる自由度を有する異なるツールを効果的に制御し得るように、適切な信号経路制御(signal routing)をもたらす。
図14Aを今や参照すると、適切なときに基準座標系への変更を容易化するために、例えばペイシェントカートのマニピュレータに取り付けられるツールがイメージキャプチャデバイス又は手術器具であるときに用い得る1つ又はあるツールのためのマッピングを取得する、一連の操作1421の実施例を示している。この例示的な一連の操作は、マッピングを取得しているときに図14の操作1420に含められてよく、(入力装置のハンドルを移動させることによるような)システムユーザによる動作命令と(マニピュレータに新しく取り付けられるイメージキャプチャデバイスを含む)イメージキャプチャデバイスによって画像化させられ且つシステムユーザに表示される手術器具の先端の対応する動作との間の相関を維持するのを助けることがある。例えば、その全文をここに参照として援用する「Camera Referenced Control in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」という名称の米国特許第6,424,885号を参照して、移動する器具の入力と表示との間の相関に関する追加的な詳細を理解し得る。
操作1423では、カメラ又は他のイメージキャプチャデバイスがマニピュレータに接続されたか否かを決定する。カメラとマニピュレータとの間で送信される信号によって或いはシステムユーザからの入力によって、マニピュレータへのカメラの取付けを決定してよい。操作1425では、マニピュレータに取り付けられたカメラ又は他のイメージキャプチャデバイスが基準カメラであることを決定する。1つだけのカメラがマニピュレータシステムに取り付けられるべき場合及び/又は取り付けられたカメラがマニピュレータシステムに取り付けられるべき第1のカメラである場合、システムは、応答して、取り付けられたカメラを基準カメラとして指定する。任意的に、基準カメラの指定は、システムユーザによる入力、カメラの種類、又は同等物に応答してよい。カメラが取り付けられていない或いは取り付けられたカメラが基準カメラでないならば、システムは基準カメラの取付けを監視し続けてよい。
操作1427では、基準カメラがマニピュレータシステムに取り付けられたとき、システムはカメラマッピングのマッピングを取得する。例えば、図14Bを参照すると、カメラ交換操作の前、カメラ28は、(関節状態センサと関連するシステムの運動学のような)ロボットアームの既知の属性と共に、(図13Aに示すような第1のマニピュレータ100Aを含む)ロボットアームの関節及び設定関節(set-up joint)又はカメラを支持する他の構造の各々と関連するポテンシオメータ又は他の関節状態センサからの信号を用いて、システムコントローラによって(任意的に、世界座標基準系に対して)特定し得る、カメラ基準座標の基準座標系Rcamを有してよい。コントローラは、Rcamへの手術器具26a,26b,26cのカメラの視野内のツール先端及びそれらの関連するマニピュレータ100B,100C,100Dの類似のマッピングを用いて、動作命令ベクトルと結果として得られるツール先端動作との間の相関を維持するのを助け得る。図14Cを参照すると、ツール交換操作の後、マニピュレータ100B又は他のマニピュレータにカメラを取り付けてよい。操作1427は、マニピュレータ100B又は他の関節状態信号を用いて新しく取り付けられるカメラ28の新しいマッピングを取得して、新しいカメラ基準座標系Rcam’を導き出す。次に、新しいカメラ基準座標系を用いて、カメラの動き及び/又は(従前はカメラ28を支持した)マニピュレータ100Aに取り付けられる手術器具26dを含む他のマニピュレータに取り付けられる全ての手術器具の動きについての関節命令を決定する。器具26dは、任意的には、ツールスワップに先立ちマニピュレータ100Bから取り外した器具26bと同じであってよく或いは異なる器具であってよいことに留意のこと。同様に、カメラ28は、ツールスワップに先立ちマニピュレータ100Aによって支持されたカメラと同じであってよく或いは異なるカメラであってよい。
操作1429では、入力装置と手術器具との間の初期設定のマスタ−スレーブ関連性(association)を設定してよい。例えば、ユーザディスプレイに対する入力装置の相対位置及びカメラ基準座標系に対する手術器具のツール先端の相対的位置に応じて、関連性を決定してよい。故に、左右の入力装置は、作業空間の左右側にそれぞれあるとしてディスプレイ内に現れる手術器具と関連付けられる。ユーザは所望のときに関連性を手作業で設定し得ること、並びにツールの配置が(左右のツールが幾分任意的である図13Bの配置におけるような)自動化された又は初期設定の関連性に修正可能でないときに、システムは適切なマスタ−スレーブ関連性についてのユーザ入力を促し且つ/或いは待ち得ることに留意のこと。多数の同時ユーザを有するより複雑なシステムにおけるマスタ−スレーブ関連性は、その全文をここに参照として援用する「Cooperative Minimally Invasive Telesurgical System」という名称の米国特許第8,666,544号中により詳細に記載されているような、関連性に対するユーザ制御を可能にすることがある。
操作1431では、マスタ入力装置を(向き及び/又は位置において)移動させて、関連するスレーブツール先端と整合させてよい。例えば、その全文をここに参照として援用する「Alignment of Master and Slave in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」という名称の米国特許第6,364,888号に記載されるような、マスタの作動モータによって、マスタの移動を行いてよい。マスタが移動させられるや否や、システムは、後続のテレプレゼンスを開始する準備ができており、或いは後続に備えた他の所望の操作のための準備ができている。
図15を今や参照すると、図15は、ある実施態様に従ってツールのためのマッピングを取得するための一連の操作を示している。操作1422では、ツールがその中に格納されたマッピングを有するか否かを決定する。例えば、マッピングをツールの記憶媒体に格納してよい。
ツールがその中に格納されたマッピングを有さないことが決定されると、処理は操作1428に進む。操作1428では、ツール以外のソースからマッピングを受信する。例えば、ハードウェアマッピングユニット856及び/又は関節空間/作業空間マッピングユニット860は、ツール以外のソースからのマッピングを受信してよい。ソースはその上に格納されるマッピングを有するツール以外の如何なる電子装置であってもよい。例えば、ソースは、遠隔サーバ、ローカルハードドライブ等であってよい。ツールを制御するために、そのようなソースから受信するマッピングを引き続き用いてよい。
ツールがその中に格納されるマッピングを有さないことが決定されると、処理は操作1424に進む。操作1424では、マッピングはツールから受信される。例えば、ハードウェアマッピングユニット856及び/又は関節空間/作業空間マッピングユニット860は、ツールの記憶要素からマッピングを受信してよい。これは任意の適切な通信プロトコルを用いる有線又は無線通信であってよい。マッピングがツールから受信されるや否や、処理は操作1426に進んでよい。
操作1426では、ツールから受信されるマッピングが有効か否かを決定する。例えば、ハードウェアマッピングユニット856、作業空間コントローラ862、又は他の適切なコントローラのようなコントローラが、受信するマッピングが有効か否かを決定してよい。これはマッピングが期限切れでないか、破損していないか、間違ったツールのためのものでないか等を決定することを含んでよい。マッピングが無効であると決定されるならば、処理は前述のような操作1428に進んでよい。さもなければ、ツールから受信されるマッピングを引き続き用いてツールを制御してよい。
ツールのためのマッピングを取得するための技法は図15を参照して記載するものに限定されないことが認識されるべきである。むしろ、実施態様はマッピングを取得するための他の技法も含む。例えば、コントローラはツール又はツール以外のソースによって提供されるマッピングを単にダウンロードして使用してよい。他の例として、コントローラは、各ツールのためにローカルに格納されるマッピングを有してよい。当業者は他の変形を認識し、そのような変形はこの出願の範囲内に含まれることが意図される。
図16A及び16Bを今や参照すると、図16Aは、1つの実施態様に従って取得したマッピングを用いてツールを制御するために用いてよい一連の操作1430を示している。操作1602では、複数の関節空間インターフェース要素で複数のセンサ信号を受信する。例えば、図9Aを参照すると、第1のマッピング940を介してコネクタ入力要素910から関節空間インターフェース要素930でセンサ信号912,914等を受信してよい。
操作1604では、受信したセンサ情報を関節空間コントローラで処理してよい。例えば、関節空間コントローラ858によってセンサ信号を処理してよい。1つの実施態様において、関節空間コントローラは、関節空間内で受信した信号に対してアルゴリズムを実行し、次に、出力信号をもたらし、接続されるマニピュレータアセンブリを制御してよい。図16Bを参照して議論したような他の実施態様において、関節空間コントローラは、関節空間内で受信した信号に対してアルゴリズムを実行し、次に、更なる処理のために、作業空間コントローラ862のような他のコントローラに出力信号をもたらしてよい。
幾つかの実施態様では、受信したセンサ信号に加えて、少なくとも1つの追加的な信号を処理してよい。例えば、図10を参照して議論したように、システムは模擬又は仮想の自由度を処理することを行うように動作可能であってよい。従って、関節空間コントローラ858は、関節空間インターフェース要素930g及び/又は関節空間インターフェース要素930hで、そのような仮想の入力のような追加的な信号を処理するように動作可能であってよい。
操作1606では、関節空間インターフェース要素を介して処理した信号をアクチュエータに出力する。例えば、処理した信号を関節空間インターフェース要素930から出力し、第2のマッピング950を介してコネクタ出力要素920に送信してよく、その場合、処理した信号は、接続されるマニピュレータアセンブリの1つ又はそれよりも多くの自由度を制御するように働く。
マニピュレータアセンブリが変更される(例えば、マニピュレータアームのスワッピング及び/又はツールのスワッピング)実施態様では、新しいマニピュレータアセンブリのために、同じ操作を引き続き行いてよい。例えば、イメージングデバイスが先ずマニピュレータアームに接続されるならば、そのイメージングデバイスに特異な取得したマッピングを介して複数のセンサ信号を受信してよい。次に、イメージングデバイスが手術ツールと取り替えられるならば、新しい複数のセンサ信号が、手術ツールに特異な取得したマッピングを介して、同じ関節空間インターフェース要素で受信される。そのようにして、単一のソフトウェアカーネルを用いて、異なるマニピュレータアセンブリを制御し得る。
図16Bを今や参照すると、図16は、他の実施態様に従って取得したマッピングを用いてツールを制御し得る一連の操作1430を示している。1つの実施態様では、これらの操作を図14のステップ1430内の操作として行ってよい。他の実施態様では、これらの操作を操作1604(図16A)の一部として行ってよい。
操作1652では、取得したマッピングを介して、複数の作業空間インターフェース要素で、関節レイヤー出力信号(joint layer output signals)を受信する。例えば、図9Cを参照すると、関節空間作業空間マッピング980を介して、関節空間インターフェース要素960から作業空間インターフェース要素980で、関節空間コントローラ858から出力される信号を受信してよい。そのような関節レイヤー出力信号は、第1のマニピュレータアセンブリから受信するそれらの処理済み信号に対応してよく、よって、第1のマニピュレータアセンブリの自由度に対応してよい。
1つの実施態様において、単一の作業空間インターフェース要素(例えば、970b)は、単一の対応する関節レイヤーインターフェース要素(例えば、960b)から出力信号を受信してよく、その場合、他の実施態様では、多数の作業空間インターフェース要素(例えば、970c,970d,970e)が、単一の関節レイヤーインターフェース要素(例えば、960c)から同じ出力信号を受信してよい。更に、少なくとも1つの実施態様では、作業空間インターフェース要素(例えば、970i)が、マニピュレータアセンブリ(例えば、930g)のシミュレートされた模擬自由度に対応する関節空間インターフェース要素から出力信号を受信してよい。
操作1654では、作業空間コントローラで関節レイヤー出力信号を処理する。例えば、作業空間コントローラ865によって出力信号を処理してよい。1つの実施態様において、作業空間コントローラは、作業空間内で受信した信号に対してアルゴリズムを実行し、次に、出力信号を関節空間コントローラに戻して、接続されるマニピュレータアセンブリを制御してよい。他の実施態様において、作業空間コントローラは、処理した信号を、マスタ入力装置のような、制御システムの他の要素に伝達してよい。
操作1656では、処理した信号を複数の関節空間インターフェース要素に出力する。例えば、関節空間作業空間マッピング980を介して作業空間インターフェース要素970から関節空間インターフェース要素960に処理した信号を出力してよく、その場合、信号を関節空間コントローラ858によって更に処理してよく、幾つかの実施態様では、信号を引き続き用いて第1のマニピュレータアセンブリを制御してよい。
図14乃至16Bに例示する特定の操作は、本発明の特定の実施態様に従ってマニピュレータアセンブリを制御する特定の方法を提供することが理解されなければならない。代替的な実施態様に従って他の一連の操作を行ってもよい。例えば、本発明の代替的な実施態様は、上記に概説した操作を異なる順序において行ってよい。その上、図14乃至16Bに例示する個々の操作は、個々の操作に適するような様々な順序において行ってよい多数の副操作を含んでよい。更に、具体的な用途に応じて、追加的な操作を追加してよく或いは既存の操作を取り除いてよい。当業者は多くの変形、変更、及び代替を認識し且つ理解するであろう。
更に、多くの場合に、ツール、器具、手術ツール、手術器具、及び類似の用語は、交換可能に用いられているが、一部の実施態様では、それらは同じ意味を有さないことがある。例えば、手術器具及び手術ツールは、鉗子、クランプ、カッタ、吸引チューブ、針、ドリル等のような、患者を能動的に扱うために用いられる器具又はツールを指すことがある。対照的に、非手術器具又はツールは、イメージングデバイスのような、患者を能動的に扱うために用いられないものを指すことがある。ツール又は器具の一般用語は、手術及び非手術器具又はツールを広くカバーしてよい。
この出願において記載する操作を、例えば、従来的な又はオブジェクト指向技法を用いて、例えば、Java、C++、又はPerlのような、任意の適切なコンピュータ言語を用いて、1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって実行されるべきソフトウェアコードとして実施してよい。ソフトウェアコードを、一連の指令又は命令として、ランダムアクセス記憶装置(RAM)、読出し専用記憶装置(ROM)、ハードドライブ又はフロッピーディスクのような磁気媒体、又はCD−ROMのような光学媒体のようなコンピュータ読出し可能な媒体上に格納してよい。いずれのそのようなコンピュータ読出し可能な媒体は、単一の計算装置(コンピュータ装置)上に又は内に存してもよく、システム又はネットワーク内の異なる計算装置上に又は内に存在してよい。
本発明をソフトウェア又はハードウェア又は両者の組み合わせにおいて制御論理の形態において実施し得る。制御論理を、情報処理装置に命じて本発明の実施態様中に開示する一連のステップを行わせるように構成される複数の指令として、情報記憶媒体内に格納してよい。ここに提供する開示及び教示に基づき、当業者は本発明を実施する他の手段及び/又は方法を理解するであろう。
記載する実施態様の脈絡における(特に後続の請求項の脈絡における)単数形(「a」及び「an」及び「the」)の用語並びに類似の参照の使用は、ここにおいてその他のことが示されない限り或いは明らかに文脈と矛盾しない限り、単数及び複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。「含む」(“comprising”)、「有する」(“having”)、「含む」(“including”)、及び「包含する」(“containing”)という用語は、その他のことが付記されない限り、開放端の用語である(即ち、「含む」(“including”)が、それに限定されない)と解釈されるべきである。「接続される」(“connected”)という用途は、何かが介在しているとしても、部分的に又は全体的に収容され、取り付けられ、或いは連結されるものとして解釈されるべきである。ここにおける値の範囲の引用は、ここにおいて他のことが示されない限り、その範囲に入る各別個の値に個別に言及する省略方法としての機能を果たすことを意図するに過ぎず、各別個の値はそれが恰もここにおいて個別に引用されているかのように明細書中に組み込まれる。ここにおいて他のことが示されない限り或いは文脈が明らかに矛盾しない限り、ここに記載する全ての方法を任意の適切な順序において行い得る。ここで提供するありとあらゆる実施例又は例示的な言語(例えば、「のような」(“such as”)の使用は、実施態様をより良く鮮明にすることを意図するに過ぎず、その他の方法で請求されない限り、範囲に対する限定を提示しない。明細書中のいずれの言語も、いずれかの請求されていない要素が少なくとも1つの実施態様を実施するのに本質的であることを示すものとして解釈されてはならない。
本発明者に既知の最良の形態(ベストモード)を含む好適な実施態様をここに記載する。上述の記載を判読した後、それらの好適な実施態様の変形は当業者に明らかになることがある。本発明者は当業者がそのような変形を必要に応じて利用することを期待し、本発明者は実施態様がここに具体的に記載される以外に解釈されることを意図する。従って、適切な実施態様は、適用可能な法律によって許容されるような、ここに添付される請求項中に引用される主題の全ての変形物及び均等物を含む。その上、ここにおいて他のことが示されない限り或いは文脈が明らかに矛盾し内限り、その全ての可能な変形における上述の要素のあらゆる組み合わせが、ある適切な実施態様中に組み込まれるものとして想定される。従って、本発明の範囲は、上述の記載を参照して決定されるべきではなく、むしろ、それらの全範囲又は均等物と共に、添付の請求項を参照して決定されるべきである。