JP6541298B2 - 潮流判別方法及び装置 - Google Patents
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Description
cos2.5°≒0.999
であるから、ほとんどの場合誤差は問題とならないが、力率が0付近では、
cos87.5°≒0.044、また
cos92.5°≒−0.044
となる。これらの値は百分率にして4%を超える誤差であり、計測装置の要求性能(通常±1%以内)によっては、無視できない値である。特に潮流を判別する場合は、力率0付近の精度は重要である。そこで、720Hzのサンプリングデータから、周波数を算出し、周波数変動による誤差を補正する演算処理が必要となる。このような演算技術としては、例えば非特許文献1に記載されたものがある。
v=√2・V・sin(ωt) ・・・・(1)
i=√2・I・sin(ωt+θ) ・・・・(2)
ここで、
V:交流電圧の実効値
I:交流電流の実効値
ω:角速度
の式で表されることを基礎として、
式(1)より、交流電圧の実効値Vと交流電圧の瞬時値vから、交流電圧の角度(ωt)の値を、0≦ωt<2πの範囲で下記の時間区間ごとに算出し、
a)0≦ωt<π/2のとき
ωt=sin-1(v/(√2・V)) ・・・・(3)
b)π/2<ωt<3π/2のとき
ωt=π−sin-1(v/(√2・V)) ・・・・(4)
c)3π/2<ωt<2πのとき
ωt=sin-1(v/(√2・V))+2π ・・・・(5)
他方、同様にして、式(2)より、以下の3つの式のいずれかを使用することで、交流電流の実効値Iと交流電流の瞬時値iから、交流電流の角度(ωt+θ)の値を、0<ωt+θ<2πの範囲で下記の時間区間ごとに算出する、
d)0≦ωt+θ<π/2のとき
ωt+θ=sin-1(i/(√2・I)) ・・・・(6)
e)π/2<ωt+θ<3π/2のとき
ωt+θ=π−sin-1(i/(√2・I)) ・・・・(7)
f)3π/2<ωt+θ<2πのとき
ωt+θ=sin-1(i/(√2・I))+2π ・・・・(8)
ことを特徴とする。
さらに、演算により位相差が直接求められるため、位相シフトを行う場合にはシフト量を単純に加減算すればよく、シフト処理動作を簡易にすることができる。
この明細書の「背景技術」で述べたように、潮流の判別は力率または有効電力の極性の判別であるが、平衡三相交流回路であって単相の力率または有効電力の極性で判別する場合、対象となる電圧と電流の位相差を計測して、0〜90°および270〜300°は「正」、90〜270°は「負」としても等価である。
v=√2・V・sin(ωt) ・・・・(1)
i=√2・I・sin(ωt+θ) ・・・・(2)
ここで、
V:交流電圧の実効値
I:交流電流の実効値
ω:角速度
である。
a)0≦ωt<π/2のとき
ωt=sin-1(v/(√2・V)) ・・・・(3)
b)π/2<ωt<3π/2のとき
ωt=π−sin-1(v/(√2・V)) ・・・・(4)
c)3π/2<ωt<2πのとき
ωt=sin-1(v/(√2・V))+2π ・・・・(5)
同様にして、式(2)より、以下の3つの式のいずれかを使用することで、交流電流の実効値Iと交流電圧の瞬時値iから、(ωt+θ)の値を、0<ωt+θ<2πの範囲で算出することができる。
d)0≦ωt+θ<π/2のとき
ωt+θ=sin-1(i/(√2・I)) ・・・・(6)
e)π/2<ωt+θ<3π/2のとき
ωt+θ=π−sin-1(i/(√2・I)) ・・・・(7)
f)3π/2<ωt+θ<2πのとき
ωt+θ=sin-1(i/(√2・I))+2π ・・・・(8)
次に、上述の式(3)〜(8)のうちの使用する式を選択して角度演算を行う手順について図1に示された潮流判別装置の動作に即して述べる。ここでは、60Hz系統を計測対象とした、720Hzサンプリングを例として説明する。
ここで、
τ:サンプリング周期
である。ちなみに、本実施の形態では上述のように60Hz系統を計測対象とした、720Hzサンプリングを行うから、サンプリング周期τは、
1/τ=60(Hz)×12=720(Hz)
となるようにしている。すなわち、交流1サイクルの12倍の速さでサンプリングを行うものとしており、1周期で12個のサンプリングデータが得られる。また、電圧RAM15には、ディジタルデータに変換された電圧の2サンプル前までの3つの電圧値(現在の電圧値をE(t)として、E(t)、E(t−1τ)、E(t−2τ))が一時記憶されている。
また、3個の連続したサンプリングデータD、D−1、D−2が単調増加の関係にあれば、2番目のサンプリングデータD−1は区間Bまたは区間Cに存在し、そのデータが負であれば区間B,正であれば区間Cに存在する。2番目のサンプリングデータが負である条件に当てはまる3個の連続したサンプリングデータとしては、例えばサンプリングデータk、j、hが該当する。また、2番目のサンプリングデータが正である条件に当てはまる3個の連続したサンプリングデータとしては、例えばサンプリングデータn、m、lが該当する。
ωt=π−sin-1(v/(√2・V))
の値を算出する。この算出された値は位相差演算部32へ出力される。
ωt+θ=π−sin-1(i/(√2・I))
の値を算出する。この算出された値は位相差演算部32へ出力される。
θ=(ωt+θ)−ωt
=(π−sin-1(i/(√2・I)))
−(π−sin-1(v/(√2・V))
=−sin-1(i/(√2・I))+sin-1(v/(√2・V))
・・・・(9)
として、ωtの項(周波数を含む項)に依存しないすなわち、周波数変動に影響されない位相差θが決まる。
11、21 アンチエリアシングフィルタ
12、22 サンプルホールド部
13、23 アナログ/ディジタル変換手段
14、24 位相RAM
15 電圧RAM
16 電圧抽出部
17 電圧角度変換部
20 電圧・角度変換ユニット
25 電流RAM
26 電流抽出部
27 電流角度変換部
30 電流・角度変換ユニット
31 位相判定部
32 位相差演算部
33 制御部
Claims (4)
- 商用電源の正弦波から成る交流電圧および交流電流のそれぞれの値を所定の時間間隔でサンプリングして複数のサンプリングデータを取り、
前記複数のサンプリングデータのうち、3個の連続したサンプリングデータが単調減少、単調増加のいずれの関係にあるか、或いはいずれの関係にもないのかを判定し、
単調減少の関係にある場合は、前記3個の連続したサンプリングデータの2番目のサンプリングデータについて、交流電圧および交流電流のそれぞれの値を交流周期のπ/2から3π/2までの時間間隔に存在するとして、当該時間間隔に対応して交流電圧および交流電流のそれぞれの実効値と瞬時値から、当該交流電圧および交流電流のそれぞれの角度値を演算により求め、
単調増加の関係にある場合は、前記3個の連続したサンプリングデータの2番目のサンプリングデータについて、交流電圧および交流電流のそれぞれの値を交流周期の3π/2から2πまたは0からπ/2までの時間間隔に存在するとして、当該時間間隔に対応して交流電圧および交流電流のそれぞれの実効値と瞬時値から、当該交流電圧および交流電流のそれぞれの角度値を演算により求め、次いで、
前記角度値を求める演算により得られた交流電圧の角度値と交流電流の角度値との間で位相差を求める演算を行い、周波数の影響を含まない演算結果を得る、
ことを特徴とする潮流判別方法。 - 前記角度値を求める演算は、時刻tにおける交流電圧の瞬時値vおよび交流電圧の瞬時値iが、その位相差をθとして次の式、すなわち、
v=√2・V・sin(ωt) ・・・・(1)
i=√2・I・sin(ωt+θ) ・・・・(2)
ここで、
V:交流電圧の実効値
I:交流電流の実効値
ω:角速度
の式で表されることを基礎として、
式(1)より、交流電圧の実効値Vと交流電圧の瞬時値vから、交流電圧の角度(ωt)の値を、0≦ωt<2πの範囲で下記の時間区間ごとに算出し、
a)0≦ωt<π/2のとき
ωt=sin−1(v/(√2・V)) ・・・・(3)
b)π/2<ωt<3π/2のとき
ωt=π−sin−1(v/(√2・V)) ・・・・(4)
c)3π/2<ωt<2πのとき
ωt=sin−1(v/(√2・V))+2π ・・・・(5)
他方、同様にして、式(2)より、以下の3つの式のいずれかを使用することで、交流電流の実効値Iと交流電流の瞬時値iから、交流電流の角度(ωt+θ)の値を、0<ωt+θ<2πの範囲で下記の時間区間ごとに算出する、
d)0≦ωt+θ<π/2のとき
ωt+θ=sin−1(i/(√2・I)) ・・・・(6)
e)π/2<ωt+θ<3π/2のとき
ωt+θ=π−sin−1(i/(√2・I)) ・・・・(7)
f)3π/2<ωt+θ<2πのとき
ωt+θ=sin−1(i/(√2・I))+2π ・・・・(8)
であり、また、
前記位相差(θ)を求める演算は、
θ=(ωt+θ)−ωt
=(π−sin-1(i/(√2・I)))
−(π−sin-1(v/(√2・V))
=−sin-1(i/(√2・I))+sin-1(v/(√2・V))
・・・・(9)
である、
ことを特徴とする請求項1記載の潮流判別方法。 - 交流電圧および交流電流を同一の位相でサンプリングし、任意の位相において交流電圧および交流電流のうちの少なくともいずれか一方のサンプリングデータについて、3個の連続したサンプリングデータが単調減少、単調増加のいずれの関係にもない場合は、前記3個の連続したサンプリングデータの2番目のサンプリングデータについては、角度値を求める演算から除外することを特徴とする請求項2記載の潮流判別方法。
- 商用電源の正弦波から成る広帯域交流電圧および交流電流のそれぞれの帯域を制限するフィルタ手段と、
前記交流電圧および交流電流のそれぞれの波形を所定周期毎にサンプリングして保持するサンプル保持手段と、
サンプル保持手段から出力されるアナログ形式のサンプリングデータをディジタル形式のサンプリングデータに変換するアナログ/ディジタル変換手段と、
前記交流電圧および交流電流のそれぞれについて、サンプリングデータのサンプリングタイミングを一時記憶する位相値一時記憶手段と、
前記交流電圧および交流電流のそれぞれについて、サンプリングデータの信号値を一時記憶する信号値一時記憶手段と、
前記位相値一時記憶手段に記憶されたサンプリングタイミングについて、3個の連続したサンプリングデータの単調減少、単調増加、それ以外のいずれに該当するかによってサンプリングタイミングを判定する位相判定手段と、
前記位相判定手段からの出力に基づいて信号値一時記憶手段から、前記交流電圧および交流電流のそれぞれについて、前記サンプリングタイミングに対応するサンプリングデータを抽出するサンプリングデータ抽出手段と、
前記サンプリングデータ抽出手段により抽出されたサンプリングデータを基に、前記交流電圧および交流電流のそれぞれについて信号を演算により角度値に変換する信号角度変換手段と、
前記信号角度変換手段からの出力に基づいて、前記演算により得られた交流電圧の角度値と交流電流の角度値との間で位相差を演算により求める位相差演算手段と、を備え、
前記位相値一時記憶手段には、2サンプル前までのサンプリングデータのサンプリングタイミングが一時記憶され、
前記信号値一時記憶手段には、2サンプル前までのサンプリングデータの信号値が一時記憶され、
前記位相判定手段は、前記複数のサンプリングデータのうち、3個の連続したサンプリングデータが単調減少、単調増加のいずれの関係にあるか、或いはいずれの関係にもないのかを判定し、
単調減少の関係にある場合は、前記3個の連続したサンプリングデータの2番目のサンプリングデータについて、信号値が交流周期のπ/2から3π/2までの時間間隔に存在すると判定し、
単調増加の関係にある場合は、前記3個の連続したサンプリングデータの2番目のサンプリングデータについて、信号値が交流周期の3π/2から2πまたは0からπ/2までの時間間隔に存在すると判定し、
前記信号角度変換手段は、前記位相判定手段によるそれぞれの判定結果に対応して、前記交流電圧および交流電流のそれぞれについて、交流信号の実効値と瞬時値から、当該交流信号の角度値を演算により求め、
前記位相差演算手段は、前記角度値演算により得られた交流電圧の角度値と交流電流の角度値との間で位相差を求める演算を行い、周波数の影響を含まない演算結果を得る、
ことを特徴とする潮流判別装置。
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JP2013250501A JP6541298B2 (ja) | 2013-12-03 | 2013-12-03 | 潮流判別方法及び装置 |
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JP3838654B1 (ja) * | 2005-06-17 | 2006-10-25 | アンリツ株式会社 | タイムインターバル測定装置およびジッタ測定装置 |
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- 2013-12-03 JP JP2013250501A patent/JP6541298B2/ja active Active
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