JP6540419B2 - 有害生物防除用組成物及び有害生物防除方法 - Google Patents

有害生物防除用組成物及び有害生物防除方法 Download PDF

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Description

本発明は、有害生物防除用組成物及び有害生物防除方法に関する。
特許文献1には、下記式(I)で示されるイソキサゾリン化合物が、特許文献2には、下記式(II)で示されるイソキサゾリン化合が、有害生物防除剤の有効成分として記載されている。
Figure 0006540419

Figure 0006540419

また、特許文献3には、下記式(III)で示されるピレスロイド化合物が、有害生物防除剤の有効成分として記載されている。
Figure 0006540419

しかし、使用場面および防除対象によっては、より優れた防除効力を有する防除剤を必要とする場合がある。
国際公開第2005/085216号
国際公開第2007/026965号
特公昭60−9715号公報
本発明は、有害生物に対して優れた防除効力を有する有害生物防除用組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、有害生物に対して優れた防除効力を有する組成物を見出すべく鋭意検討した結果、式(I)または式(II)で示されるイソキサゾリン化合物(以下、本イソキサゾリン化合物と記す。)と、式(III)で示されるピレスロイド化合物(以下、本ピレスロイド化合物と記す。)とを含有する組成物が、有害生物に対して優れた防除効力を有することを見出し、本発明に到った。
即ち、本発明は以下の発明に係るものである。
[1] 式(I)または式(II)で示されるイソキサゾリン化合物と、式(III)で示されるピレスロイド化合物とを含有する有害生物防除用組成物(以下、本発明組成物と記す。)。
[2] 式(I)または式(II)で示されるイソキサゾリン化合物と、式(III)で示されるピレスロイド化合物との重量比が、1:50〜1:100の範囲である前記[1]記載の組成物。
[3] 前記[1]または[2]記載の組成物を有効成分として含有する有害生物防除剤(以下、本発防除剤と記す。)。
[4]前記[1]または[2]記載の組成物の有効量を、有害生物または有害生物の生息場所に施用する有害生物の防除方法。
本発明組成物は、有害生物の防除において優れた効力を有する。
本発明組成物は、式(I)または式(II)で示されるイソキサゾリン化合物と式(III)で示されるピレスロイド化合物とを含有する。
式(I)で示されるイソキサゾリン化合物(fluralaner;以下、本イソキサゾリン化合物(I)と記すこともある。)は、例えば国際公開第2005/085216号に記載された方法により製造される。
式(II)で示されるイソキサゾリン化合物(fluxametamide;以下、本イソキサゾリン化合物(II)と記すこともある。)は、例えば国際公開第2007/026965号に記載された方法により製造される。
また、式(III)で示されるピレスロイド化合物(imiprothrin;以下、本ピレスロイド化合物と記すこともある。)は、例えば特公昭60−9715号公報に記載された方法により製造される。
本発明組成物が適用可能な有害生物としては、具体的に以下のものが挙げられる。
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等のエーデス属の蚊、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)等のアノフェレス属の蚊、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、ショウジョウバエ類、オオキモンノミバエ(Megaselia spiracularis)等のノミバエ類、オオチョウバエ(Clogmia albipunctata)等のチョウバエ類、クロバネキノコバエ類、ブユ類、ウシアブ(Tabanus trigonus)等のアブ類、シラミバエ類及びサシバエ類。
半翅目害虫:クサギカメムシ(Halyomorpha mista)等のカメムシ類;トコジラミ(Cimex lectularius)等のトコジラミ類及びGiant Cicada(Quesada gigas)。
鱗翅目害虫:ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類; イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類。
鞘翅目害虫:ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)等のキクイムシ類;ナガシンクイムシ類;ヒョウホンムシ類
直翅目害虫:イエコオロギ(Acheta domesticus)、エンマコオロギ(Teleogryllus emma)、Mormon cricket (Anabrus simplex)等。
膜翅目害虫:イエヒメアリ(Monomorium pharaosis)、クロヤマアリ(Formica fuscajaponica)、ルリアリ(Ochetellus glaber)、アミメアリ(Pristomyrmex pungens)、オオズアリ(Pheidole noda)、ハキリアリ(Acromyrmex spp.)、ファイヤーアント(Solenopsis spp.)、アルゼンチンアリ(Linepithema humile)等のアリ類、スズメバチ類
ゴキブリ目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等。
シロアリ目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、アメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)、ダイコクシロアリ(Cryptotermes domesticus)、タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)、コウシュンシロアリ(Neotermes koshunensis)、サツマシロアリ(Glyptotermes satsumensis)、ナカジマシロアリ(Glyptotermes nakajimai)、カタンシロアリ(Glyptotermes fuscus)、コダマシロアリ(Glyptotermes kodamai)、クシモトシロアリ(Glyptotermes kushimensis)、オオシロアリ(Hodotermopsis sjostedti)、コウシュウイエシロアリ(Coptotermes guangzhoensis)、アマミシロアリ(Reticulitermes amamianus)、ミヤタケシロアリ(Reticulitermes miyatakei)、カンモンシロアリ(Reticulitermes kanmonensis)、タカサゴシロアリ(Nasutitermes takasagoensis)、ニトベシロアリ(Pericapritermes nitobei)、ムシャシロアリ(Sinocapritermes mushae)、Cornitermes cumulans等。
ダニ目害虫:フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、ヤマトチマダニ(Haemaphysalis flava)、タイワンカクマダニ(Dermacentor taiwanicus)、アメリカンイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)、ヤマトマダニ(Ixodes ovatus)、シュルツマダニ(Ixodes persulcatus)、ブラックレッグドチック(Ixodes scapularis)、アメリカキララマダニ(Amblyomma americanum)、オウシマダニ(Boophilus microplus)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)等のマダニ類;ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ホウレンソウケナガコナダニ(Tyrophagus similis)等のコナダニ類;コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類;ホソツメダニ(Cheyletus eruditus)、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、ミナミツメダニ(Cheyletus moorei)、イヌツメダニ(Cheyletiella yasguri)等のツメダニ類;ミミヒゼンダニ(Octodectes cynotis)、ヒゼンダニ(Sacroptes scabiei)等のヒゼンダニ類;イヌニキビダニ(Demodex canis)等のニキビダニ類;ズツキダニ類;ササラダニ類;イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、トリサシダニ(Ornithonyssus sylvairum)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)等のワクモ類;アオツツガムシ(Leptotrombidium akamushi)等のツツガムシ類。
クモ目害虫:カバキコマチグモ(Chiracanthium japonicum)、セアカゴケグモ(Latrodectus hasseltii)等のクモ類等。
唇脚綱類:ゲジ(Thereuonema hilgendorfi)、トビズムカデ(Scolopendra subspinipes)等。
倍脚綱類:ヤケヤスデ(Oxidus gracilis)、アカヤスデ(Nedyopus tambanus)等。
等脚目類:オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)等。
腹足綱類:チャコウラナメクジ(Limax marginatus)、キイロコウラナメクジ(Limax flavus)、スクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)等。
対象の有害生物は、既存の殺虫剤に対する薬剤感受性が低下した、即ち薬剤抵抗性を獲得した有害生物を含む。。
本発明組成物は、昆虫媒介性ウイルスによる植物病害から植物を保護するためにも用いることができる。
本発明組成物において、本イソキサゾリン化合物と本ピレスロイド化合物との含有割合は、重量比で1:50〜1:100が好ましい。
本発明組成物は、そのまま用いてもよいが、本発明の目的を損なわない範囲で、他の成分を含有する製剤、すなわち本発明防除剤として使用される。本発明防除剤としては、例えば油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、マイクロカプセル剤、粉剤、粒剤、錠剤、エアゾール剤、炭酸ガス製剤、加熱蒸散剤(殺虫線香、電気殺虫マット、吸液芯型加熱蒸散殺虫剤等)、ピエゾ式殺虫製剤、加熱燻煙剤(自己燃焼型燻煙剤、化学反応型燻煙剤、多孔セラミック板燻煙剤等)、非加熱蒸散剤(樹脂蒸散剤、紙蒸散剤、不織布蒸散剤、編織物蒸散剤等)、煙霧剤(フォッキング等)、ULV(Ultra Low Volume、高濃度微量散布)剤、接触剤(防虫シート、防虫ネット)及び毒餌が挙げられる。
本発明防除剤の調製方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
(1)本発明組成物を、固体担体、液体担体、ガス状担体、餌等と混合し、必要であれば界面活性剤その他の製剤用補助剤を添加・加工する方法。
(2)本発明組成物を含む溶液を、基材に含浸、または塗布する方法。
(3)本発明組成物と基材とを混合した後に、成形加工する方法。
本発明防除剤は、製剤形態にもよるが、本発明組成物を本発明防除剤の合計量に対して通常0.001〜98重量%含有する。
本発明防除剤が含有する他の成分としては、例えば固体担体、液体担体、ガス状担体、界面活性剤、その他の製剤用補助剤、基材等があげられる。
固体担体としては、例えば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック類、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、塩安、尿素等)等の微粉末及び粒状物、常温で固体の物質(2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン、ナフタリン、p−ジクロロベンゼン、樟脳、アダマンタン等)、並びに羊毛、絹、綿、麻、パルプ、合成樹脂(例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン−ビニルカルボン酸共重合体;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリブタジエン、ポリスチレン;アクリロニトリル−スチレン樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物等のスチレン系エラストマー;フッ素樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレエート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリルサルフォン、ポリアリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、発泡ポリウレタン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン等の多孔質樹脂)、ガラス、金属、セラミック等の1種または2種以上からなるフェルト、繊維、布、編物、シート、紙、糸、発泡体、多孔質体及びマルチフィラメントが挙げられる。
液体担体としては、例えば芳香族または脂肪族炭化水素類(キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン等)、炭酸アルキリデン類(炭酸プロピレン等)、植物油(大豆油、綿実油等)、植物精油(オレンジ油、ヒソップ油、レモン油等)、及び水が挙げられる。
ガス状担体としては、例えばブタンガス、フロンガス、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、及び炭酸ガスが挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類及び糖アルコール誘導体が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、固着剤、分散剤及び安定剤等、具体的には例えばカゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン)、ポリアクリル酸等、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、及びBHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)が挙げられる。
殺虫線香の基材としては、例えば木粉、粕粉等の植物性粉末とタブ粉、スターチ、グルティン等の結合剤との混合物が挙げられる。
殺虫電気マットの基材としては、例えばコットンリンターを板状に固めたもの、及びコットンリンターとパルプとの混合物のフィリブルを板状に固めたものが挙げられる。
自己燃焼型の基材としては、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、ニトロセルロース、エチルセルロース、木粉等の燃焼発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロム酸塩、クロム酸塩等の熱分解刺激剤、硝酸カリウム等の酸素供給剤、メラミン、小麦デンプン等の支燃剤、珪藻土等の増量剤及び合成糊料等の結合剤が挙げられる。
化学反応型燻煙剤の基材としては、例えば、アルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性白土等の触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロペンタメチレンテトラミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、及び、天然繊維片、合成繊維片等の充填剤が挙げられる。
樹脂蒸散剤の基材としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン−ビニルカルボン酸共重合体;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体;プロピレン重合体、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリブタジエン、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−共役ジエン共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物等のスチレン系エラストマー;フッ素樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル酸樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリルサルフォン、ポリアリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンが挙げられ、これらの基材は、単独で用いても2種以上の混合物として用いても良く、これらの基材には必要によりフタル酸エステル類(フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル等)、アジピン酸エステル類、ステアリン酸等の可塑剤が添加されていてもよい。樹脂蒸散剤は、本発明組成物を上記基材中に混練した後、射出成型、押出成型、プレス成型等により成型することにより得ることができる。得られた樹脂製剤は、必要により更に成型、裁断等の工程を経て、板状、フィルム状、テープ状、網状、ひも状等の形状に加工することもできる。これらの樹脂蒸散剤は、例えば動物用首輪、動物用イヤータッグ、シート製剤、誘引ひも、園芸用支柱として加工される。
毒餌の基材としては、例えば、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ粉末等の子どもやペットによる誤食防止剤、及びチーズ香料、タマネギ香料、ピーナッツオイル等の害虫誘引性香料があげられる。
本発明の防除方法としては、本発明組成物を直接、あるいは本発明防除剤を有害生物または有害生物の生息場所に施用することにより行われる。
本発明組成物、あるいは本発明防除剤の施用方法としては、具体的には、例えば以下の方法が挙げられ、それぞれの形態、使用場所等に応じて適宜選択できる。
(1)本発明組成物、あるいは本発明防除剤をそのまま有害生物または有害生物の生息場所に処理する方法。
(2)本発明組成物、あるいは本発明防除剤を水等の溶媒で希釈した後に、有害生物または有害生物の生息場所に散布処理する方法。
この場合には、本発明組成物、あるいは乳剤、水和剤、フロアブル剤、マイクロカプセル製剤等の本発明防除剤を、最終的に本イソキサゾリン化合物及び本ピレスロイド化合物の濃度が合計で0.01〜1000ppmとなるように希釈する。
(3)本発明組成物、あるいは本発明防除剤を有害生物の生息場所で加熱し、有効成分を揮散させる方法。
この場合、本イソキサゾリン化合物及び本ピレスロイド化合物の施用量、施用濃度はいずれも本発明組成物、あるいは本発明防除剤の形態、施用時期、施用場所、施用方法、被害状況等に応じて適宜定めることができる。
本発明組成物、あるいは本発明防除剤を空間に施用するときは、本イソキサゾリン化合物及び本ピレスロイド化合物の量として通常0.0001〜1000mg/m3が好ましく、平面に施用するときは0.0001〜1000mg/m2が好ましい。殺虫線香、電気殺虫マット等の加熱蒸散剤はその製剤形態に応じて加熱により本イソキサゾリン化合物及び本ピレスロイド化合物を揮散させて施用する。樹脂製剤、紙製剤、錠剤、不織布製剤、編織物製剤、シート製剤等の非加熱蒸散剤は、例えば施用する空間にそのまま放置する、及び該製剤に送風することにより使用できる。
本発明組成物を施用する空間としては、例えばクローゼット、押入れ、和ダンス、食器棚、トイレ、浴場、物置、居間、食堂、倉庫、車内等が挙げられ、さらに野外の開放空間で施用することもできる。
本発明組成物、あるいは本発明防除剤をウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等の家畜、イヌ、ネコ、ラット、マウス等の小動物の外部寄生虫防除に用いる場合は、獣医学的に公知の方法で動物に使用することができる。具体的な使用方法としては、全身抑制(systemic control)を目的にする場合には、例えば錠剤、飼料混入、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内等)により投与され、非全身的抑制(non-systemic control)を目的とする場合には、例えば油剤若しくは水性液剤を噴霧する、ポアオン(pour-on)処理若しくはスポットオン(spot-on)処理する、シャンプー製剤で動物を洗うまたは樹脂蒸散剤を首輪や耳札にして動物に付ける等の方法により用いられる。動物体に投与する場合の本イソキサゾリン化合物及び本ピレスロイド化合物の量は、通常動物の体重1kgに対して、0.01〜1000mgの範囲である。
以下、製剤例及び試験例等により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
まず、本発明組成物の製剤例を示す。尚、実施例において、特に明記しない限り、部は質量部を意味する。
製剤例1
本イソキサゾリン化合物(I) 9部と本ピレスロイド化合物 0.9部とを、キシレン 37.5部およびN,N−ジメチルホルムアミド 37.5部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 9.1部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 6部を加え、よく撹拌混合して、乳剤を得る。
製剤例2
本イソキサゾリン化合物(I) 20部と本ピレスロイド化合物 20部とに、ソルポール5060(東邦化学登録商標名)5部を加え、よく混合して、カープレックス#80(塩野義製薬登録商標名、合成含水酸化ケイ素微粉末)32部、300メッシュ珪藻土 23部を加え、ジュースミキサーで混合して、水和剤を得る。
製剤例3
本イソキサゾリン化合物(I) 3部と本ピレスロイド化合物 0.3部とに、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5部、ベントナイト 30部およびクレー 56.7部を加え、よく撹拌混合し、ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに撹拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して、粒剤を得る。
製剤例4
本イソキサゾリン化合物(I) 5部、本ピレスロイド化合物 0.5部、合成含水酸化珪素微粉末 1部、凝集剤としてドリレスB(三共社製)1部およびクレー 7部を乳鉢でよく混合した後に、ジュースミキサーで撹拌混合する。得られた混合物にカットクレー 85.5部を加えて、充分撹拌混合し、粉剤を得る。
製剤例5
本イソキサゾリン化合物(I) 10部、本ピレスロイド化合物 1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩を半分量含むホワイトカーボン 35部及び水 54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、粉剤を得る。
製剤例6
本イソキサゾリン化合物(I) 0.05部と本ピレスロイド化合物 0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.85部に混合して、油剤を得る。
製剤例7
本イソキサゾリン化合物(I) 0.1部、本ピレスロイド化合物 0.05部およびネオチオゾール(中央化成株式会社製)49.85部をエアゾール缶に入れ、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル 25部及びLPG 25部を充填し、振とうを加え、アクチュエータを装着することにより、油性エアゾールを得る。
製剤例8
本イソキサゾリン化合物(I) 0.5部、本ピレスロイド化合物 0.05部、BHT 0.01部、キシレン 5部、脱臭灯油 3.44部および乳化剤{アトモス300(アトモスケミカル社登録商標名)}1部からなる混合物と、蒸留水 50部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部分を取り付け、該バルブを通じて噴射剤(LPG)40部を加圧充填して、水性エアゾールを得る。
製剤例9
0.5cm(厚さ)×69cm(長さ)×0.2cm(幅)のハニカム構造の紙細工片を一方の端から巻いて、直径5.5cm、高さ0.2cmの略円柱状の担体を作製する。本イソキサゾリン化合物(I) 5部と本ピレスロイド化合物 0.5部とをアセトン94.5部に溶解した溶液の適量を、前記担体に均一に塗布した後、アセトンを風乾させて、紙蒸散剤を得る。
製剤例10
立体編地(商品名:フュージョン、型番:AKE69440、販売元:旭化成せんい株式会社、厚さ:4.3mm、目付:321g/m2、ポリアミド製)を直径5cmの略円形状に裁断する。本イソキサゾリン化合物(I) 5部と本ピレスロイド化合物 0.5部とをアセトン94.5部に溶解した溶液の適量を、前記の裁断した立体編地に均一に塗布した後、アセトンを風乾させて、編織物蒸散剤を得る。
製剤例11
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(メタクリル酸メチル含有量:10重量%、MFR=2〔g/10分〕)97.8重量部、本イソキサゾリン化合物(I) 2部および本ピレスロイド化合物 0.2部を、45mmφ同方向二軸押出機にて130℃で溶融混練し、更に40mmφ押出機にて150℃で溶融混練し、Tダイからシート状に押出し、冷却ロールにて冷却して、樹脂蒸散剤を得る。
製剤例12
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:10重量%、MFR=2〔g/10分〕)97.8重量部、本イソキサゾリン化合物(I) 2部および本ピレスロイド化合物 0.2部を、45mmφ同方向二軸押出機にて130℃で溶融混練し、更に40mmφ押出機にて150℃で溶融混練し、Tダイからシート状に押出し、冷却ロールにて冷却して、樹脂蒸散剤を得る。
製剤例13
本イソキサゾリン化合物(I) 5部と本ピレスロイド化合物 0.5部とをアセトン94.5部に溶解する。この溶液の適当量を折り畳み可能な構造を有する紙(2000cm2)に塗布し、アセトンを風乾して、紙蒸散剤を得る。
製剤例14
本イソキサゾリン化合物(I) 3部と本ピレスロイド化合物 0.3部とをアセトン 14.6部に溶解し溶液を得る。この溶液に、酸化亜鉛 0.2部、α澱粉 1.0部及びアゾジカルボンアミド 42.8部を加え、更に水38.1部を加えて混練し、押出機で顆粒状に成形、乾燥して、顆粒を得る。中央部がアルミ製隔壁で区分された容器の上部空間に前記顆粒を、酸化カルシウム50gをこの容器の下部空間に収容し、燻煙剤を得る。
製剤例15
酸化亜鉛 0.5部、α澱粉 2部およびアゾジカルボンアミド 97.5部を混合し、ここに水を加えて混練し、混練物を押出機で顆粒状に成形し、乾燥して顆粒を得る。この顆粒2gに、本イソキサゾリン化合物(I) 0.58gと本ピレスロイド化合物 0.058gとを含有するアセトン溶液を均一に含浸させた後、乾燥して顆粒を得る。中央部がアルミ製隔壁で区分された容器の上部空間に前記顆粒を、酸化カルシウム50gをこの容器の下部空間に収容し、燻煙剤を得る。
製剤例16
本イソキサゾリン化合物(I) 0.5gと本ピレスロイド化合物 0.05gとをアセトン20mLに溶解し、該溶液を蚊取り線香用担体(タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の重量比で混合)99.4gおよび緑色色素 0.3gの混合物に加え、均一に攪拌混合した後、水120mLを加え、充分練り合わせたものを成型乾燥して、蚊取り線香を得る。
製剤例17
本イソキサゾリン化合物(I) 10部、本ピレスロイド化合物 1部、クエン酸アセチルトリブチル 39.5部、アジピン酸イソノニル 39.5部、青色色素 5部および香料 5部を混合して得られる溶液を、3.4cm×2.1cm、厚さ0.22cmの電気マット用基材(コットンリンターとパルプの混合物のフィブリルを板状に固めたもの)に均一に含浸させて、電気蚊取り用マットを得る。
製剤例18
本イソキサゾリン化合物(I) 0.1部と本ピレスロイド化合物 0.01部とを、脱臭灯油99.89部に溶解して、塩化ビニル製容器に入れ、上部をヒーターで加熱できるようにした吸液芯(無機粉体をバインダーで固め、焼結したもの)を挿入することにより、吸液芯型加熱蒸散剤用の部品を得る。
製剤例19
本イソキサゾリン化合物(I) 0.2部、本ピレスロイド化合物 0.02部およびネオチオゾール(中央化成株式会社製)49.78部をエアゾール缶に入れ、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル 25部及びLPG 25部を充填し、振とうを加え、全量噴射型エアゾール用アクチュエータを装着することにより、エアゾール剤を得る。
製剤例20
本イソキサゾリン化合物(I) 0.2部と本ピレスロイド化合物 0.02部とに、ジエチレングリコールモノエチルエーテル 99.78部を加え、よく撹拌混合することにより、動物の外部寄生虫防除用のスポットオン剤を得る。
製剤例21
2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン 4gを加圧成形(4t/cm2)して得た円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)に、本イソキサゾリン化合物(I) 3部、本ピレスロイド化合物 0.3部およびアセトン 96.7部とからなる溶液1mLを均一に塗布した後に乾燥することにより、錠剤を得る。
製剤例22
本イソキサゾリン化合物(I) 0.2g、本ピレスロイド化合物 0.02gおよび2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン 4gとの均一混合物を、加圧成形(4t/cm2)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)とすることにより、錠剤を得る。
製剤例23
本イソキサゾリン化合物(I) 0.2g、本ピレスロイド化合物 0.02gおよび2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン 4gを、50mLスクリュー管に入れて加熱溶融させ、次いで室温まで冷却することにより、錠剤を得る。
製剤例24
本イソキサゾリン化合物(II) 9部と本ピレスロイド化合物 0.9部とを、キシレン 37.5部およびN,N−ジメチルホルムアミド 37.5部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 9.1部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 6部を加え、よく撹拌混合して、乳剤を得る。
製剤例25
本イソキサゾリン化合物(II) 20部と本ピレスロイド化合物 20部とに、ソルポール5060(東邦化学登録商標名)5部を加え、よく混合して、カープレックス#80(塩野義製薬登録商標名、合成含水酸化ケイ素微粉末)32部、300メッシュ珪藻土 23部を加え、ジュースミキサーで混合して、水和剤を得る。
製剤例26
本イソキサゾリン化合物(II) 3部と本ピレスロイド化合物 0.3部とに、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5部、ベントナイト 30部およびクレー 56.7部を加え、よく撹拌混合し、ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに撹拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して、粒剤を得る。
製剤例27
本イソキサゾリン化合物(II) 5部、本ピレスロイド化合物 0.5部、合成含水酸化珪素微粉末 1部、凝集剤としてドリレスB(三共社製)1部およびクレー 7部を乳鉢でよく混合した後に、ジュースミキサーで撹拌混合する。得られた混合物にカットクレー 85.5部を加えて、充分撹拌混合し、粉剤を得る。
製剤例28
本イソキサゾリン化合物(II) 10部、本ピレスロイド化合物 1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩を半分量含むホワイトカーボン 35部及び水 54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、粉剤を得る。
製剤例29
本イソキサゾリン化合物(II) 0.05部と本ピレスロイド化合物 0.1部とを、ジクロロメタン10部に溶解し、これをイソパラフィン溶剤(アイソパーM、エクソン化学登録商標名)89.85部に混合して、油剤を得る。
製剤例30
本イソキサゾリン化合物(II) 0.1部、本ピレスロイド化合物 0.05部およびネオチオゾール(中央化成株式会社製)49.85部をエアゾール缶に入れ、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル 25部及びLPG 25部を充填し、振とうを加え、アクチュエータを装着することにより、油性エアゾールを得る。
製剤例31
本イソキサゾリン化合物(II) 0.5部、本ピレスロイド化合物 0.05部、BHT 0.01部、キシレン 5部、脱臭灯油 3.44部および乳化剤{アトモス300(アトモスケミカル社登録商標名)}1部からなる混合物と、蒸留水 50部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部分を取り付け、該バルブを通じて噴射剤(LPG)40部を加圧充填して、水性エアゾールを得る。
製剤例32
0.5cm(厚さ)×69cm(長さ)×0.2cm(幅)のハニカム構造の紙細工片を一方の端から巻いて、直径5.5cm、高さ0.2cmの略円柱状の担体を作製する。本イソキサゾリン化合物(II) 5部と本ピレスロイド化合物 0.5部とをアセトン94.5部に溶解した溶液の適量を、前記担体に均一に塗布した後、アセトンを風乾させて、紙蒸散剤を得る。
製剤例33
立体編地(商品名:フュージョン、型番:AKE69440、販売元:旭化成せんい株式会社、厚さ:4.3mm、目付:321g/m2、ポリアミド製)を直径5cmの略円形状に裁断する。本イソキサゾリン化合物(II) 5部と本ピレスロイド化合物 0.5部とをアセトン94.5部に溶解した溶液の適量を、前記の裁断した立体編地に均一に塗布した後、アセトンを風乾させて、編織物蒸散剤を得る。
製剤例34
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(メタクリル酸メチル含有量:10重量%、MFR=2〔g/10分〕)97.8重量部、本イソキサゾリン化合物(II) 2部および本ピレスロイド化合物 0.2部を、45mmφ同方向二軸押出機にて130℃で溶融混練し、更に40mmφ押出機にて150℃で溶融混練し、Tダイからシート状に押出し、冷却ロールにて冷却して、樹脂蒸散剤を得る。
製剤例35
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:10重量%、MFR=2〔g/10分〕)97.8重量部、本イソキサゾリン化合物(II) 2部および本ピレスロイド化合物 0.2部を、45mmφ同方向二軸押出機にて130℃で溶融混練し、更に40mmφ押出機にて150℃で溶融混練し、Tダイからシート状に押出し、冷却ロールにて冷却して、樹脂蒸散剤を得る。
製剤例36
本イソキサゾリン化合物(II) 5部と本ピレスロイド化合物 0.5部とをアセトン94.5部に溶解する。この溶液の適当量を折り畳み可能な構造を有する紙(2000cm2)に塗布し、アセトンを風乾して、紙蒸散剤を得る。
製剤例37
本イソキサゾリン化合物(II) 3部と本ピレスロイド化合物 0.3部とをアセトン 14.6部に溶解し溶液を得る。この溶液に、酸化亜鉛 0.2部、α澱粉 1.0部及びアゾジカルボンアミド 42.8部を加え、更に水38.1部を加えて混練し、押出機で顆粒状に成形、乾燥して、顆粒を得る。中央部がアルミ製隔壁で区分された容器の上部空間に前記顆粒を、酸化カルシウム50gをこの容器の下部空間に収容し、燻煙剤を得る。
製剤例38
酸化亜鉛 0.5部、α澱粉 2部およびアゾジカルボンアミド 97.5部を混合し、ここに水を加えて混練し、混練物を押出機で顆粒状に成形し、乾燥して顆粒を得る。この顆粒2gに、本イソキサゾリン化合物(II) 0.58gと本ピレスロイド化合物 0.058gとを含有するアセトン溶液を均一に含浸させた後、乾燥して顆粒を得る。中央部がアルミ製隔壁で区分された容器の上部空間に前記顆粒を、酸化カルシウム50gをこの容器の下部空間に収容し、燻煙剤を得る。
製剤例39
本イソキサゾリン化合物(II) 0.5gと本ピレスロイド化合物 0.05gとをアセトン20mLに溶解し、該溶液を蚊取り線香用担体(タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の重量比で混合)99.4gおよび緑色色素 0.3gの混合物に加え、均一に攪拌混合した後、水120mLを加え、充分練り合わせたものを成型乾燥して、蚊取り線香を得る。
製剤例40
本イソキサゾリン化合物(II) 10部、本ピレスロイド化合物 1部、クエン酸アセチルトリブチル 39.5部、アジピン酸イソノニル 39.5部、青色色素 5部および香料 5部を混合して得られる溶液を、3.4cm×2.1cm、厚さ0.22cmの電気マット用基材(コットンリンターとパルプの混合物のフィブリルを板状に固めたもの)に均一に含浸させて、電気蚊取り用マットを得る。
製剤例41
本イソキサゾリン化合物(II) 0.1部と本ピレスロイド化合物 0.01部とを、脱臭灯油99.89部に溶解して、塩化ビニル製容器に入れ、上部をヒーターで加熱できるようにした吸液芯(無機粉体をバインダーで固め、焼結したもの)を挿入することにより、吸液芯型加熱蒸散剤用の部品を得る。
製剤例42
本イソキサゾリン化合物(II) 0.2部、本ピレスロイド化合物 0.02部およびネオチオゾール(中央化成株式会社製)49.78部をエアゾール缶に入れ、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル 25部及びLPG 25部を充填し、振とうを加え、全量噴射型エアゾール用アクチュエータを装着することにより、エアゾール剤を得る。
製剤例43
本イソキサゾリン化合物(II) 0.2部と本ピレスロイド化合物 0.02部とに、ジエチレングリコールモノエチルエーテル 99.78部を加え、よく撹拌混合することにより、動物の外部寄生虫防除用のスポットオン剤を得る。
製剤例44
2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン 4gを加圧成形(4t/cm2)して得た円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)に、本イソキサゾリン化合物(II) 3部、本ピレスロイド化合物 0.3部およびアセトン 96.7部とからなる溶液1mLを均一に塗布した後に乾燥することにより、錠剤を得る。
製剤例45
本イソキサゾリン化合物(II) 0.2g、本ピレスロイド化合物 0.02gおよび2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン 4gとの均一混合物を、加圧成形(4t/cm2)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)とすることにより、錠剤を得る。
製剤例46
本イソキサゾリン化合物(II) 0.2g、本ピレスロイド化合物 0.02gおよび2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン 4gを、50mLスクリュー管に入れて加熱溶融させ、次いで室温まで冷却することにより、錠剤を得る。
次に、本発明組成物が害虫に対して優れた防除効力を有することを試験例として示す。
試験例
一般に、与えられた2 種類の有効成分化合物を混合して処理した際に期待される防除効果は、下記〔式1〕で示されるColbyの計算式により求められる。
〔式1〕
E=P+Q−(P×Q)/100
P : 有効成分化合物Xをm〔ppm〕で処理した時の死虫率( % )
Q : 有効成分化合物Yをn〔ppm〕で処理した時の死虫率( % )
E : 有効成分化合物Xをm〔ppm〕及び有効成分化合物Yをn〔ppm〕で処理したときに期待される死虫率( % ) ( 以下、期待値と記す。)
実際に混合して処理した死虫率( % )が期待値( % )を越えた場合、相乗効果があると判断した。
表1に記載の供試化合物をアセトンに溶解させ、表1に記載の濃度の試験用薬液1、2、及び比較用薬液1〜3を調製した。直径5.5cmのポリエチレンカップの底に直径5.5cmの濾紙を敷き、試験用薬液1、2、及び比較用薬液1〜3のいずれか0.7mlを濾紙上に滴下し、餌としてショ糖30mgを均一に入れた。該ポリエチレンカップ内にイエバエ(Musca domestica) 雌成虫10頭を放ち、蓋をした。48時間後にイエバエの生死を調査し死虫率を求めた。死虫率とあわせ、〔式1〕より算出した期待値を表1に示す。
その結果、試験用薬液1、2 においては、比較用薬液1〜3の死虫率から算出された期待値を大きく上回る死虫率を示した。
Figure 0006540419
本発明の有害生物防除組成物及び有害生物防除剤は、有害生物を効果的に防除することができる。

Claims (3)

  1. 式(I)または式(II)で示されるイソキサゾリン化合物と、式(III)で示されるピレスロイド化合物とを含有し、式(I)または式(II)で示されるイソキサゾリン化合物と、式(III)で示されるピレスロイド化合物との重量比が、1:50〜1:100の範囲である有害生物防除用組成物。

    Figure 0006540419

    Figure 0006540419

    Figure 0006540419
  2. 前記請求項1記載の組成物を有効成分として含有する有害生物防除剤。
  3. 前記請求項1記載の組成物の有効量を、有害生物または有害生物の生息場所に施用する有害生物の防除方法。
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