JP6539973B2 - 光学装置及び光学装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、光学装置及び光学装置の製造方法に関する。
フェルール(ファイバブロック)と光モジュールとの接続、フェルール同士の接続等、光学部品同士を接続する技術が知られている。光学部品同士の接続に関し、接続する光学部品の一方にピンを設け、他方に穴を設け、ピンを穴に挿入するようにして光学部品同士を配置することで、光学部品間の位置決めを行う技術が知られている。
特開2005−49389号公報 特開平8−94883号公報
これまでのピンと穴には、平面視で相似形、例えば断面円形状のピンと平面円形状の穴が用いられており、それらの中心が位置基準の1つとされている。しかし、その場合、ピンが穴に挿入可能なようにピンと穴の間に設ける隙間(遊び)や、ピンと穴の公差(製造公差)が、穴に対する様々な方向へのピンの偏心、それによる光学部品の位置誤差を引き起こし、光学部品間の位置精度を低下させてしまう場合があった。
本発明の一観点によれば、第1ピン及び第2ピンを有する第1光学部品と、前記第1光学部品と対向し、平面視で前記第1ピン及び前記第2ピンとはそれぞれ非相似形の有底の第1穴及び第2穴を有する第2光学部品とを含み、前記第1ピン及び前記第2ピンはそれぞれ、前記第1穴及び前記第2穴に挿入され、前記第2光学部品の、前記第1光学部品との対向面に対し、前記第1穴及び前記第2穴の第1方向側に傾斜され、前記第1穴及び前記第2穴の底面に当接され、且つ、前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側の側壁に当接されている光学装置が提供される。
また、本発明の一観点によれば、第1光学部品に設けられた第1ピン及び第2ピンをそれぞれ、前記第1光学部品と対向する第2光学部品に設けられ平面視で前記第1ピン及び前記第2ピンとはそれぞれ非相似形の有底の第1穴及び第2穴に挿入する工程と、挿入された前記第1ピン及び前記第2ピンをそれぞれ、前記第1穴及び前記第2穴の底面に当接させ、且つ、前記第1穴及び前記第2穴の第1方向側の側壁に当接させる工程とを含み、前記第1穴及び前記第2穴の底面に当接され、且つ、前記第1方向側の側壁に当接される前記第1ピン及び前記第2ピンはそれぞれ、前記第2光学部品の、前記第1光学部品との対向面に対し、前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側に傾斜されて配置される光学装置の製造方法が提供される。
開示の技術によれば、ピンとそれが挿入される穴を用い、光学部品間の位置精度の高い光学装置を実現することが可能になる。
第1の実施の形態に係る光学装置の一例を示す図(その1)である。 第1の実施の形態に係る光学装置の一例を示す図(その2)である。 第1の実施の形態に係る光学装置の組み立て方法の一例を示す図(その1)である。 第1の実施の形態に係る光学装置の組み立て方法の一例を示す図(その2)である。 第2の実施の形態に係る光学装置の組み立て方法の一例を示す図(その1)である。 第2の実施の形態に係る光学装置の組み立て方法の一例を示す図(その2)である。 第2の実施の形態に係る組み立て後の光学装置の一例を示す図(その1)である。 第2の実施の形態に係る組み立て後の光学装置の一例を示す図(その2)である。 第2の実施の形態に係る光導波路基板の形成方法の一例を示す図(その1)である。 第2の実施の形態に係る光導波路基板の形成方法の一例を示す図(その2)である。 第2の実施の形態に係る光導波路基板の形成方法の一例を示す図(その3)である。 第2の実施の形態に係るガイドピンとピン穴の公差による位置誤差の説明図(その1)である。 第2の実施の形態に係るガイドピンとピン穴の公差による位置誤差の説明図(その2)である。 角度θと位置ずれ量の関係の一例を示す図である。 θ=60度,90度,120度のピン穴とそれぞれに挿入されたガイドピンの平面配置の一例を示している。 第3の実施の形態に係る光学装置の一例を示す図である。 第3の実施の形態に係るガイドピンとピン穴の公差による位置誤差の説明図(その1)である。 第3の実施の形態に係るガイドピンとピン穴の公差による位置誤差の説明図(その2)である。 第4の実施の形態に係るガイドピンの押し付け方向の説明図(その1)である。 第4の実施の形態に係るガイドピンの押し付け方向の説明図(その2)である。 第5の実施の形態に係るピン穴の構成例の説明図である。 ガイドピンとピン穴の公差の説明図である。 ガイドピンとピン穴の公差による位置誤差の説明図(その1)である。 ガイドピンとピン穴の公差による位置誤差の説明図(その2)である。
光信号は、高速、大容量の信号伝送に適しており、長距離の基幹通信システムでは既に実用化されている。コンピュータ等の情報系装置も信号の高速化により、装置間では既に光信号が実用化されており、装置内、ボード内への光信号の導入が視野に入ってきている。離れた位置を接続する配線部材としては、光ファイバが性能面、価格面で優れている。一方、光信号を加工する部分、例えば光トランシーバー、光カプラ、光スプリッタ、AWG(Arrayed Waveguide Grating)等は、光導波路基板や光モジュール等の基板に形成されることが多い。更に、最近ではシリコンフォトニクスも用いられつつある。これはシリコンを半導体製造プロセスで微細加工することにより、同じ機能を非常に小さい部品として形成できる長所がある。光導波路基板や光モジュール等の基板に光ファイバを接続することで、加工した光信号を目的の場所に伝達することができる。
光導波路基板や光モジュール等の基板と、光ファイバとの接続は、2種類に大別することができる。1つは、基板端まで光導波路を形成し、基板面に対してほぼ平行に光ファイバを接続する形態である。もう1つは、基板面に対してほぼ垂直に光ファイバを接続する形態である。面発光レーザー等の面型光素子、グレーティングカプラ、45度ミラー等が実用化され、光導波路基板や光モジュールに対してほぼ垂直方向にアクセスすることが比較的容易になったためである。いずれの接続形態でも、光ファイバは1本のほか、複数本を一括して接続することができる。
一方、光ファイバを低光損失で接続するためには、光ファイバの高精度な位置合わせが必要である。マルチモード光ファイバで5μm以内、シングルモード光ファイバで1μm以内の位置精度が求められる。更に、製造の観点から、高い位置精度を簡便に実現したいという要求もある。これを解決するための手段の1つが、精密に加工されたガイドピンを、精密に加工されたピン穴に差し込む構造である。即ち、光ファイバを配置したフェルール(ファイバブロック、ファイバアレイ)側に2本のガイドピンを設け、ガイドピンに対応するピン穴を光導波路基板や光モジュール等の基板側に設けて、ガイドピンをピン穴に挿入し、両者を接続する。これにより、光ファイバと基板の位置決めを行うものである。ガイドピンを使って間接的に光ファイバの位置決めを行うため、位置基準となるガイドピン及びそれに対応するピン穴は、高精度に形成されていることが望ましい。
ガイドピンとピン穴を用いる方式は、光ファイバの位置決めの高精度と簡便性の両立を目的とする方式である。但し、精度を確保するために、ガイドピンとピン穴との間に設ける隙間(遊び)を最小限に設定する必要がある。これは、ガイドピンの挿入が極めて難しくなることを意味する。このため、ガイドピンの先端部若しくはピン穴の挿入口をテーパー状に加工することが広く行われている。
しかし、ガイドピンとピン穴を用いる接続では、ピン穴でガイドピンを保持するために、ピン穴を、ガイドピンの先端部やピン穴の挿入口に設けるテーパー構造を上回る深い穴とするか、基板を貫通する穴とすることが望ましい。即ち、ドリル等の機械加工、長時間のウェットエッチング、レーザー加工等の手段が必要になる。いずれにしても、ピン穴が深いほど、ピン穴の位置及び径の精度が低下する可能性が高まる。
シリコンフォトニクスはシングルモードとなるため、高精度のピン穴加工が求められる。ガイドピンとピン穴を用いた高精度の接続を実現するためには、次のような2つの課題がある。
第1に、高精度なピン穴の加工方法である。これはフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術の組み合わせで実現できる。ドライエッチングは、プラズマやガスでエッチングすることにより、フォトリソグラフィーで形成したレジストパターンを高精度に転写した穴の形成が可能である。更に、ドライエッチングは、ウエハ上に一括処理することが可能であり、製造面でも有利である。しかし、このようなドライエッチングを用いる方法では、深い加工が難しく、数百μmまでの浅い穴となる。これでは挿入の容易性と高い位置精度を両立する構造を実現することが難しい。
第2に、ガイドピンを使って光ファイバを位置決めするという点である。上記のように、ガイドピンとピン穴に隙間がないと、ガイドピンをピン穴に挿入できないため、その隙間分が光ファイバの位置誤差になり得る。更に、ガイドピン径及びピン穴径にも公差(製造公差)があるため、これも光ファイバの位置誤差になり得る。
ここで、図22はガイドピンとピン穴の公差の説明図、図23及び図24はガイドピンとピン穴の公差による位置誤差の説明図である。
例えば、光ファイバ及びガイドピンが設けられたフェルールと、光ファイバと光学的に接続されるべき光素子(発光部、受光部、カプラ、ミラー等)及びピン穴が設けられた基板とを接続する場合、用いるガイドピン及びピン穴の径には、それぞれ公差が存在し得る。図22には、このようなガイドピンとピン穴の公差の関係を示している。
図22では、ガイドピン100の半径の中心値をR1、公差を±ΔR1とし、ピン穴200の半径の中心値をR2、公差を±ΔR2としている。即ち、ガイドピン100の最小径はR1−ΔR1、最大径はR1+ΔR1である。ピン穴200の最小径はR2−ΔR2、最大径はR2+ΔR2である。ガイドピン100の径とピン穴200の径の間には、ガイドピン100がピン穴200に挿入可能なように、R2−ΔR2≧R1+ΔR1の関係がある。最小径R1−ΔR1のガイドピン100と、最大径R2+ΔR2のピン穴200の組み合わせが発生すると、大きな位置誤差となる。
図23には、最小径R1−ΔR1の一対のガイドピン100が、最大径R2+ΔR2の一対のピン穴200のその方向S側の側壁に接して位置する場合を例示している。この例では、一対のガイドピン100の間に、複数本(一例として12本)の光ファイバ110が、それらの中心110aをガイドピン100の中心100aに揃えて、整列配置されている。一対のピン穴200の間には、各光ファイバ110と光学的に接続されるべき光素子210が、それらの中心210aをピン穴200の中心200aに揃えて、整列配置されている。
図23のように、最小径R1−ΔR1の一対のガイドピン100が、最大径R2+ΔR2の一対のピン穴200のその方向S側の側壁に接して位置する場合、光ファイバ110と光素子210の間には、R2−R1+ΔR2+ΔR1の位置ずれが発生する。
また、図24には、一方のガイドピン100が、それに対応するピン穴200の方向S側の側壁に接して位置し、もう一方のガイドピン100が、それに対応するピン穴200の、方向Sとは反対の方向T側の側壁に接して位置する場合を例示している。上記図23の例と同様に、ガイドピン100の径は最小径R1−ΔR1とし、ピン穴200の径は最大径R2+ΔR2としている。一対のガイドピン100の間には、複数本の光ファイバ110が、それらの中心110aをガイドピン100の中心100aに揃えて、整列配置されている。一対のピン穴200の間には、各光ファイバ110と光学的に接続されるべき光素子210が、それらの中心210aをピン穴200の中心200aに揃えて、整列配置されている。
図24のような配置では、図23のような配置に比べて、光ファイバ110と光素子210の間の位置ずれが緩和される。しかしそれでも、光ファイバ110と光素子210の間には、内側から外側に向かって大きくなるような位置ずれが発生する。
ガイドピンとピン穴を用いた光学部品の接続においては、用いるガイドピン及びピン穴の公差を踏まえ、それが光学部品間の位置精度に及ぼす影響を小さくできることが望ましい。
以上のような点に鑑み、ここでは以下に実施の形態として示すような手法を用い、高い位置精度で配置され、光学的に接続された光学部品を含む、光学装置を実現する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1及び図2は第1の実施の形態に係る光学装置の一例を示す図である。図1は第1の実施の形態に係る光学装置の要部斜視模式図、図2は図1のL1−L1線に沿った位置の断面模式図である。
図1及び図2に示す光学装置1は、フェルール10(光学部品)及び基板20(光学部品)を有している。フェルール10と基板20は、対向して配置され、接続されている。
フェルール10には、複数本の光ファイバ11(光素子)、及び、一対のガイドピン12が設けられている。ここでは、一対のガイドピン12の間に、複数本(この例では12本)の光ファイバ11が1列に整列配置されたフェルール10を例示している。ガイドピン12には、例えば、円柱状のものが用いられている。ガイドピン12の、基板20側の端部は、フェルール10の基板20との対向面から、基板20側に突出している。
基板20には、フェルール10の各光ファイバ11とそれぞれ光学的に接続される複数個(この例では12個)の光素子21、及び、フェルール10の一対のガイドピン12が挿入される一対のピン穴22が設けられている。
基板20に設けられる光素子21は、面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)、フォトダイオード(Photo Diode;PD)、グレーティングカプラ(Grating Coupler;GC)、45度ミラー等である。基板20は、こういった光素子21が設けられた、光導波路基板や光モジュール等である。
基板20に設けられるピン穴22は、ガイドピン12の断面形状と相似形の平面円形状ではなく、平面視でガイドピン12の断面形状とは非相似形の穴とされる。ピン穴22は、挿入されるガイドピン12よりも大きい領域22aと、その領域22aと連通し、フェルール10との対向面に沿った方向Pに向かって幅が狭くなる領域22bとを有する形状とされる。一対のピン穴22の領域22bは、同じ方向Pに向かって幅が狭くなっている。ここでは、平面視でV字状の領域22bを例示している。
ピン穴22は、挿入されたガイドピンをピン穴単独で保持するものとは異なり、比較的浅く形成することができ、ピン穴22及びこれに挿入するガイドピン12には、テーパー加工を施すことを要しない。ピン穴22は、例えば、フォトリソグラフィー技術を用いて比較的容易に高精度で形成することができる。
光学装置1では、図1及び図2に示すように、一対のガイドピン12の間に、複数本の光ファイバ11が1列に整列配置され、一対のピン穴22の間に、複数個の光素子21が1列に整列配置されている。ピン穴22に挿入されたガイドピン12は、図1に示すように、方向Pに向かって幅が狭くなっている領域22bの側壁に当接され、固定される。光学装置1では、このようにガイドピン12が、ピン穴22の領域22bの側壁に当接された時に、対応する光ファイバ11と光素子21とが光学的に接続されるようになっている。
このような光学装置1の組み立ては、次のようにして行うことができる。
図3及び図4は第1の実施の形態に係る光学装置の組み立て方法の一例を示す図である。図3は第1の実施の形態に係る配置工程の一例の要部斜視模式図、図4は第1の実施の形態に係る接続工程の一例の要部斜視模式図である。
光学装置1の組み立てでは、まず、上記のような光ファイバ11及びガイドピン12を備えるフェルール10、並びに、光素子21及びピン穴22を備える基板20が準備される。
準備されたフェルール10と基板20を、図3に示すように、対向させて配置し、次いで、フェルール10を基板20側に接近させる(図3に太矢印で図示)。このようにフェルール10を基板20側に接近させ、ガイドピン12をピン穴22に挿入する。ガイドピン12をピン穴22に挿入する際には、図4に示すように、まずガイドピン12を、それよりも大きく形成した、ピン穴22の領域22aに挿入する。
そして、ガイドピン12をピン穴22の領域22aに挿入した状態で、フェルール10を方向P、即ち方向Pに向かって幅が狭くなっているピン穴22の領域22b側(図4に太矢印で図示)にスライドさせ、ガイドピン12を領域22bの側壁に当接させる。この例のように、ピン穴22の領域22bの側壁が平面視でV字状の場合には、そのV字状の一方の側壁と他方の側壁にガイドピン12の側面が当接するようになる。ガイドピン12を領域22bの側壁に当接させることで、上記図1のような状態を得る。
対応する光ファイバ11と光素子21は、このようにガイドピン12がピン穴22の領域22bの側壁に当接した時に光学的に接続されるように形成されている。ガイドピン12をピン穴22の領域22bの側壁に当接させることで、対応する光ファイバ11と光素子21が位置合わせされ、光学的に接続された、上記図1及び図2に示したような光学装置1が得られる。
このように、まずフェルール10のガイドピン12を、基板20のピン穴22の広い領域22aに挿入し、その後、フェルール10を方向Pにスライドさせ、ガイドピン12を、方向Pに向かって幅が狭くなる領域22bの側壁に当接させる。これにより、ガイドピン12のピン穴22への挿入の容易性と、フェルール10(その光ファイバ11)と基板20(その光素子21)の間の位置精度とを両立する。ピン穴22に対してガイドピン12を一方向Pに片寄せする構成としたことで、ガイドピン12及びピン穴22の公差によるフェルール10と基板20の位置ずれの方向や量の明確化、用いるガイドピン12の組み合わせの選択や変更の容易化を図れる。
光学装置1において、ピン穴22は、ガイドピン12が挿入可能で、挿入後スライド可能な深さであればよく、比較的浅く形成することができる。浅いピン穴22は、深いピン穴や基板20を貫通するピン穴に比べて、寸法精度良く形成することができる。浅いピン穴22でも、そのピン穴22に上記のような領域22aと領域22bを設け、ガイドピン12を領域22aに挿入し、その後、領域22bの側壁に押し付ける手法を用いることで、挿入容易性と位置精度の両立を図ることができる。
このような浅いピン穴22には、深いピン穴や基板20を貫通するピン穴のような、それ単独でガイドピン12を保持する機能はない。そのため、上記のようにガイドピン12をピン穴22に挿入し、方向Pにスライドさせた後、フェルール10を、方向Pに押し続ける機構を用いて固定するか、或いは、接着剤等を用いて基板20に接着固定する。
尚、ここではピン穴22の、方向Pに向かって幅が狭くなる領域22bとして、側壁が平面視でV字状の領域を例示した。このほか、方向Pに向かって幅が狭くなる領域22bとして、側壁が平面視で円弧状の領域を、ピン穴22に設けることもできる。この場合、光学装置1の組み立て時には、フェルール10のガイドピン12が、基板20のピン穴22の、比較的広い領域22aに挿入された後、方向Pにスライドされ、平面円弧状の側壁に当接される。それにより、対応する光ファイバ11と光素子21が位置合わせされ、光学的に接続される。
また、ここでは1列に整列配置された光ファイバ11及び光素子21を例示した。このほか、光ファイバ及び光素子が2列、4列といったように複数列で整列配置されたフェルールと基板とを接続して得られる光学装置についても、上記のガイドピン12及びピン穴22を用いる手法を適用することが可能である。
また、ここではフェルール10と、光導波路基板や光モジュール等の基板20との接続を例示したが、上記のガイドピン12及びピン穴22を用いる手法は、各種光学部品同士の接続に適用することが可能である。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図5及び図6は第2の実施の形態に係る光学装置の組み立て方法の一例を示す図である。図5は第2の実施の形態に係る配置工程の一例の要部斜視模式図、図6は第2の実施の形態に係る接続工程の一例の要部斜視模式図である。
また、図7及び図8は第2の実施の形態に係る組み立て後の光学装置の一例を示す図である。図7は第2の実施の形態に係る光学装置の要部斜視模式図、図8は図7のL2−L2線に沿った位置の断面模式図である。
第2の実施の形態では、図5〜図8を参照し、光ファイバ31及びガイドピン32を備えるフェルール30(光学部品)と、グレーティングカプラ41b及びピン穴42を備える光導波路基板40(光学部品)とを接続し、光学装置1A(図7及び図8)を得る手法を例示する。
光学装置1Aの組み立て時には、まず、図5に示すような、光ファイバ31(光素子)及び一対のガイドピン32を備えるフェルール30、並びに、光導波路41aとグレーティングカプラ41b(光素子)及び一対のピン穴42を備える光導波路基板40が準備される。フェルール30のガイドピン32には、例えば、円柱状のものが用いられる。光導波路基板40のピン穴42は、ガイドピン32の断面形状と相似形の平面円形状ではなく、平面視でガイドピン32の断面形状とは非相似形の穴とされる。光導波路基板40のピン穴42には、挿入されるガイドピン32よりも大きい領域42aと、その領域42aと連通し、フェルール30との対向面に沿った方向Pに向かって幅が狭くなる領域42bとが含まれる。ここでは、平面視でV字状の領域42bを例示している。
ここで、フェルール30には、MT(Mechanically Transferable)フェルールが用いられる。フェルール30は、光導波路基板40側の面が、光導波路基板40に設けられるグレーティングカプラ41bの放射角度に合わせた角度、例えば8度〜10度で研磨され、研磨後のフェルール30にガイドピン32が挿通される。
光導波路基板40は、次の図9〜図11に例示するような方法を用いて準備される。図9〜図11は第2の実施の形態に係る光導波路基板の形成方法の一例を示す図である。図9(A)〜図9(C)、図10(A)〜図10(C)、図11(A)〜図11(C)はそれぞれ、第2の実施の形態に係る光導波路基板の各形成工程の要部断面模式図である。
まず図9(A)に示すような、シリコン(Si)基板43a、埋め込み酸化膜(Buried OXide;BOX)層43b及びSOI(Silicon On Insulator)層43cを有するSOIウエハ(基板)43を準備する。BOX層43bの膜厚は、例えば3μmとすることができる。SOI層43cの膜厚は、例えば250nmとすることができる。このような基板43のSOI層43c上に、図9(A)に示すように、酸化シリコン(SiO2)膜44を形成する。SiO2膜44は、シラン(SiH4)を原料ガスに用いた化学気相成長(Chemical Vapor Deposition;CVD)法により、膜厚50nmで形成することができる。SiO2膜44の形成後は、図9(A)に示すように、SiO2膜44上にフォトレジストパターン45を形成する。フォトレジストパターン45は、光導波路基板40に設ける光導波路41aの形成領域に対応するSiO2膜44上に、形成する。
続いて、図9(B)に示すように、形成したフォトレジストパターン45をマスクにしてSiO2膜44のエッチングを行い、ハードマスクパターン44aを形成する。ハードマスクパターン44aの形成は、四フッ化炭素(CF4)をエッチングガスに用いたSiO2膜44の反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)で行うことができる。
続いて、図9(C)に示すように、フォトレジストパターン45を除去した後、SiO2膜44(ハードマスクパターン44a)をマスクにしてSOI層43cのエッチングを行う。SOI層43cは、臭化水素(HBr)をエッチングガスに用いたRIEでエッチングすることができる。
これまでの工程で、基板43のSOI層43cに、光導波路基板40に設ける光導波路41a(Si光導波路)を形成する。
次いで、図10(A)に示すように、グレーティングカプラ41bの形成領域に、グレーティングカプラ41bとして設ける凹凸のその凹部に対応する領域に開口部46aを有するフォトレジストパターン46を形成する。
続いて、形成したフォトレジストパターン46をマスクにしたSiO2膜44のエッチングにより、ハードマスクパターンを形成し、更に、これをマスクにしてSOI層43cのハーフエッチングを行う。例えば、SOI層43cを、50nm〜100nmの深さでハーフエッチングする。その後、SiO2膜44を除去する。これにより、図10(B)に示すような、光導波路41aの端部に設けられたグレーティングカプラ41bが形成される。
続いて、図10(C)に示すように、光導波路41a及びグレーティングカプラ41bが形成された基板43上に、SiO2膜47を形成する。例えば、CVD法により、膜厚1μmのSiO2膜47を形成する。
次いで、図11(A)に示すように、ピン穴42(図5及び図6に示すような領域42a及び領域42bを含むピン穴42)の形成領域に開口部48aを有するフォトレジストパターン48を形成する。
続いて、図11(B)に示すように、形成したフォトレジストパターン48をマスクにして、SiO2膜47及びBOX層43b(合計膜厚4μm)のエッチングを行う。例えば、RIEにより、SiO2膜47及びBOX層43bのエッチングを行う。
続いて、フォトレジストパターン48の除去後、図11(C)に示すように、SiO2膜47及びBOX層43bをハードマスクとして、Si基板43aのエッチングを行う。例えば、深掘りRIEで、100μm〜500μmの深さでSi基板43aのエッチングを行う。これにより、ピン穴42(領域42a及び領域42b)が形成される。
図9〜図11に示したような工程により、光導波路基板40が準備される。
図5及び図6に戻り、準備されたフェルール30と光導波路基板40の組み立て工程について説明する。
フェルール30及び光導波路基板40を準備した後は、図5に示すように、フェルール30と、接着剤(図示せず)を塗布した光導波路基板40とを対向させて配置し、フェルール30を光導波路基板40側に接近させる(図5に太矢印で図示)。このようにフェルール30を光導波路基板40側に接近させ、フェルール30を光導波路基板40に接触させると共に、ガイドピン32をピン穴42に挿入する。ガイドピン32をピン穴42に挿入する際には、図6に示すように、まずガイドピン32を、それよりも大きく形成されている、ピン穴42の領域42aに、挿入する。領域42aがガイドピン32よりも大きなサイズで形成されているため、ピン穴42(領域42a)に対してガイドピン32を容易に挿入することができる。
そして、フェルール30を光導波路基板40に接触させ、ガイドピン32をピン穴42の領域42aに挿入した状態で、フェルール30を方向P、即ち方向Pに向かって幅が狭くなっているピン穴42の領域42b側(図6に太矢印で図示)にスライドさせる。これにより、図7に示すように、ガイドピン32を、ピン穴42の領域42bの、V字状の側壁に当接させる。
尚、この例では、グレーティングカプラ41bを設けた光導波路基板40と接続するためにフェルール30が所定角度で研磨されており、ガイドピン32が光導波路基板40の基板平面に対し所定角度で傾斜して配置される。このようにガイドピン32が傾斜して配置される場合には、フェルール30を、そのガイドピン32が倒れている方向にスライドさせ、ガイドピン32をピン穴42の領域42bの側壁に当接させる。ピン穴42は、ガイドピン32の押し付け方向に領域42bが設けられるように形成される。
ガイドピン32をピン穴42の領域42bの側壁に当接させた状態で、例えば80℃〜120℃に昇温し、接着剤を硬化させる。
対応する光ファイバ31とグレーティングカプラ41bは、このようにガイドピン32がピン穴42の領域42bの側壁に当接した時に光学的に接続されるように形成されている。ガイドピン32をピン穴42の領域42bの側壁に当接させることで、対応する光ファイバ31とグレーティングカプラ41bとを位置合わせし、光学的に接続することができる。
これにより、図7及び図8に示すような光学装置1Aが得られる。
図12及び図13は第2の実施の形態に係るガイドピンとピン穴の公差による位置誤差の説明図である。
上記のようにピン穴42をRIEで形成した場合、その寸法精度は高いため、ここではガイドピン32の公差のみを考える。ガイドピン32の半径の中心値をR1、公差を±ΔR1とすると、ガイドピン32の最小径はR1−ΔR1、最大径はR1+ΔR1になる。
図12には、最小径R1−ΔR1の一対のガイドピン32(実線で図示)が、対応するピン穴42の、比較的広い領域42aに連通する、方向P側にある平面V字状の領域42bの側壁に接して位置する場合を例示している。最小径R1−ΔR1の一対のガイドピン32の間に、12本の光ファイバ31が、それらの中心31aをガイドピン32の中心32aに揃えて、整列配置されている。
更に図12には、最大径R1+ΔR1の一対のガイドピン32(点線で図示)が、対応するピン穴42の、比較的広い領域42aに連通する、方向P側にある平面V字状の領域42bの側壁に接して位置する場合を例示している。最大径R1+ΔR1の一対のガイドピン32の間に、12本の光ファイバ31が、それらの中心31bをガイドピン32の中心32bに揃えて、整列配置されている。
図12において、一対のピン穴42の間には、各光ファイバ31と光学的に接続されるグレーティングカプラ41b(便宜上円形で図示)が、それらの中心41baをピン穴42の点42cに揃えて、整列配置されている。ピン穴42の領域42bは、平面V字状で、V字の側壁のなす角度をθとする。
ガイドピン32とピン穴42を用いる接続では、ガイドピン32の径がばらつくと、ガイドピン32の押し付け方向(方向P又はそれと反対の方向Q)に沿って、ガイドピン32の中心(32a,32b)の位置が変化する。それにより、光ファイバ31とグレーティングカプラ41bとの位置関係(相対位置)が変化する。ガイドピン32が最小径R1−ΔR1、最大径R1+ΔR1のいずれの場合も、光ファイバ31の中心32a,32bの、グレーティングカプラ41bの中心41baからのずれは、ΔR1/sin(θ/2)となる。ピン穴42を、ガイドピン32の径の中心値R1を基準に設計すると、公差の影響を小さく抑えることができる。
図13には、一方のピン穴42に最小径R1−ΔR1のガイドピン32が挿入され、他方のピン穴42に最大径R1+ΔR1のガイドピン32が挿入された時の平面配置を例示している。両ガイドピン32が、対応するピン穴42の、比較的広い領域42aに連通する、方向P側にある平面V字状の領域42bの側壁に接して位置している。両ガイドピン32の間には、12本の光ファイバ31が、それらの中心31cを両ガイドピン32の中心32a,32bに揃えて、整列配置されている。一対のピン穴42の間には、各光ファイバ31と光学的に接続されるグレーティングカプラ41bが、それらの中心41baをピン穴42の点42cに揃えて、整列配置されている。
図13のように、一対のピン穴42にそれぞれ最小径R1−ΔR1、最大径R1+ΔR1のガイドピン32が配置される場合、両ガイドピン32は、対応するピン穴42の、同じ方向P側にある領域42bの側壁に当接される。このようにピン穴42に対してガイドピン32を一方向Pに片寄せする構成とし、光ファイバ31とグレーティングカプラ41bとの位置ずれを抑える。
ガイドピン32の公差の影響は、ガイドピン32が当接する平面V字状の側壁の角度θに依存する。
図14には、角度θ(度)とΔR1=1μmの時の位置ずれ量(μm)の関係の一例を示している。また、図15には、θ=60度,90度,120度のピン穴42とそれぞれに挿入されたガイドピン32の平面配置の一例を示している。
図14より、ピン穴42の角度θが大きくなるほど、位置ずれ量が小さくなり、θ=180度の時に、位置ずれ量がΔR1に等しくなる。一方、図15からもわかるように、ピン穴42の平面V字状の側壁によるガイドピン32の規定力(ガイドピン32を1箇所に保持する能力)は、角度θが小さいほど期待できる。
このような関係を考慮して、ピン穴42の角度θを設定する。例えば、角度θを、90度以上、好ましくは90度以上120度以下に設定する。これにより、ガイドピン32の公差に起因した光ファイバ31とグレーティングカプラ41bの位置ずれの抑制、グレーティングカプラ41bに対する光ファイバ31の位置精度の確保を図ることができる。
尚、この第2の実施の形態では、グレーティングカプラ41bを設けた光導波路基板40とフェルール30との接続を例示した。このほか、この第2の実施の形態で述べたようなガイドピン32及びピン穴42を用いる手法は、面発光レーザー、フォトダイオード、45度ミラー等の光素子を設けた基板とフェルール30との接続にも、同様に適用することが可能である。
また、ここでは1列に整列配置された光ファイバ31、及びグレーティングカプラ41b等の光素子を例示した。このほか、光ファイバ及び光素子が2列、4列といったように複数列で整列配置されたフェルールと基板とを接続して得られる光学装置についても、この第2の実施の形態で述べたようなガイドピン32及びピン穴42を用いる手法を適用することが可能である。
また、ここでは基板とフェルールとの接続を例示したが、この第2の実施の形態で述べたようなガイドピン32及びピン穴42を用いる手法は、各種光学部品同士の接続に適用することが可能である。
次に、第3の実施の形態について説明する。
上記第2の実施の形態では、ピン穴42の、ガイドピン32が当接される領域42bの側壁を平面V字状としたが、ピン穴42には、ガイドピン32が当接される側壁が平面円弧状の領域42bを設けることもできる。このように側壁が平面円弧状の領域42bを含むピン穴42を用いた例を、第3の実施の形態として説明する。
図16は第3の実施の形態に係る光学装置の一例を示す図である。図16は第3の実施の形態に係る光学装置の要部斜視模式図である。
第3の実施の形態に係る光学装置1Bにおいて、光導波路基板40のピン穴42は、平面視でガイドピン32の断面形状とは非相似形の穴とされる。
光学装置1Bの光導波路基板40のピン穴42は、ガイドピン32よりも大きなサイズとされた領域42aと、その領域42aに連通し、方向Pに向かって幅が狭くなった、側壁が平面円弧状の領域42bとを含む。光学装置1Bは、このような点で、上記第2の実施の形態に係る光学装置1Aと相違する。
側壁が平面円弧状の領域42bを含むピン穴42が設けられる光導波路基板40は、上記第2の実施の形態で述べたような方法(図9〜図11)の例に従って、準備することができる。
光学装置1Bの組み立ても、上記第2の実施の形態で述べたような方法(図5〜図8)の例に従って、行うことができる。即ち、準備された光導波路基板40と、ガイドピン32を設けたフェルール30を対向、接近させ、ガイドピン32をピン穴42の領域42aに挿入し、フェルール30を方向Pにスライドさせてガイドピン32を領域42bの平面円弧状の側壁に当接させる。ガイドピン32をピン穴42の領域42bの側壁に当接させることで、対応する光ファイバ31とグレーティングカプラ41bとが位置合わせされ、光学的に接続される。これにより、図16に示すような光学装置1Bを得る。
図17及び図18は第3の実施の形態に係るガイドピンとピン穴の公差による位置誤差の説明図である。
ここでも上記第2の実施の形態と同様に、ガイドピン32とピン穴42の公差のうち、ガイドピン32の公差のみを考える。ガイドピン32の半径の中心値をR1、公差を±ΔR1とする。ピン穴42の領域42bの、平面円弧状の側壁の曲率半径は、ガイドピン32の最大径R1+ΔR1以上に設定する。
図17には、最小径R1−ΔR1の一対のガイドピン32(実線で図示)が、対応するピン穴42の、平面円弧状の領域42bの側壁に接して位置する場合を例示している。最小径R1−ΔR1の一対のガイドピン32の間に、12本の光ファイバ31が、それらの中心31aをガイドピン32の中心32aに揃えて、整列配置されている。
更に図17には、最大径R1+ΔR1の一対のガイドピン32(点線で図示)が、対応するピン穴42の、平面円弧状の領域42bの側壁に接して位置する場合を例示している。最大径R1+ΔR1の一対のガイドピン32の間に、12本の光ファイバ31が、それらの中心31bをガイドピン32の中心32bに揃えて、整列配置されている。
一対のピン穴42の間には、各光ファイバ31と光学的に接続されるグレーティングカプラ41b(便宜上円形で図示)が、それらの中心41baをピン穴42の点42cに揃えて、整列配置されている。
この第3の実施の形態では、ピン穴42の領域42bの側壁を平面円弧状とすることで、その側壁とガイドピン32との接触を、円と円の接触とすることができる。そのため、上記第2の実施の形態で述べた平面V字状の側壁の角度θを180度とした時と同等の接触状態が実現される。ガイドピン32が最小径R1−ΔR1、最大径R1+ΔR1のいずれの場合も、光ファイバ31の中心32a,32bの、グレーティングカプラ41bの中心41baからのずれは、ΔR1となる。ガイドピン32が当接される領域42bの側壁を平面円弧状とすることで、光ファイバ31とグレーティングカプラ41bとの位置ずれを抑えることができる。
図18には、一方のピン穴42に最小径R1−ΔR1のガイドピン32が挿入され、他方のピン穴42に最大径R1+ΔR1のガイドピン32が挿入された時の平面配置を例示している。両ガイドピン32が、対応するピン穴42の、平面円弧状の領域42bの側壁に接して位置している。両ガイドピン32の間には、12本の光ファイバ31が、それらの中心31cを両ガイドピン32の中心32a,32bに揃えて、整列配置されている。一対のピン穴42の間には、各光ファイバ31と光学的に接続されるグレーティングカプラ41bが、それらの中心41baをピン穴42の点42cに揃えて、整列配置されている。
図18のように領域42bの側壁が平面円弧状の場合も、ガイドピン32を一方向Pに片寄せする構成により、光ファイバ31とグレーティングカプラ41bとの位置ずれが抑えられる。
尚、この第3の実施の形態では、グレーティングカプラ41bを設けた光導波路基板40とフェルール30との接続を例示した。このほか、この第3の実施の形態で述べたようなガイドピン32及びピン穴42を用いる手法は、面発光レーザー、フォトダイオード、45度ミラー等の光素子を設けた基板とフェルール30との接続にも、同様に適用することが可能である。
また、ここでは1列に整列配置された光ファイバ31、及びグレーティングカプラ41b等の光素子を例示した。このほか、光ファイバ及び光素子が2列、4列といったように複数列で整列配置されたフェルールと基板とを接続して得られる光学装置についても、この第3の実施の形態で述べたようなガイドピン32及びピン穴42を用いる手法を適用することが可能である。
また、ここでは基板とフェルールとの接続を例示したが、この第3の実施の形態で述べたようなガイドピン32及びピン穴42を用いる手法は、各種光学部品同士の接続に適用することが可能である。
次に、第4の実施の形態について説明する。
上記第1〜第3の実施の形態で述べたガイドピン(12,32)の押し付け方向は、上記の例に限定されるものではない。
図19及び図20は第4の実施の形態に係るガイドピンの押し付け方向の説明図である。
上記第2の実施の形態を例にとると、上記第2の実施の形態では、ガイドピン32の公差による光ファイバ31とグレーティングカプラ41b等の光素子41との位置ずれが、ガイドピン32の押し付け方向に発現する。
そこで、例えば図19に示すように、ピン穴42の側壁にガイドピン32を押し付ける方向Pを、光ファイバ31や光素子41が整列する方向Uと斜めに交差する方向とする。或いは図20に示すように、ガイドピン32を押し付ける方向Pを、光ファイバ31や光素子41が整列する方向Uと一致させる。ガイドピン32を図19や図20のような方向Pに押し付けて平面V字状の側壁に当接できるように、ピン穴42を設ける。
ガイドピン32を押し付ける方向Pを、この図19や図20のような方向Pに設定することで、ガイドピン32の公差による光ファイバ31と光素子41との位置ずれの出現方向や量を調整することもできる。
尚、上記第1の実施の形態で述べた、ピン穴22にガイドピン12を押し付ける方向P、上記第3の実施の形態で述べた、ピン穴42にガイドピン32を押し付ける方向Pについても、図19或いは図20の例に従い、方向Pを設定することが可能である。
次に、第5の実施の形態について説明する。
上記第1〜第4の実施の形態で述べたピン穴(22,42)の形状は、上記の例に限定されるものではない。
図21は第5の実施の形態に係るピン穴の構成例の説明図である。図21(A)〜図21(C)は第5の実施の形態に係るピン穴とそれに挿入されるガイドピンの斜視模式図である。
例えば、上記第2〜第4の実施の形態で述べたピン穴42に替えて、図21(A)〜図21(C)に示すような形状のピン穴42を用いることもできる。
図21(A)に示すピン穴42は、挿入されたガイドピン32の押し付け方向の、V字状の側壁がぶつかり合う部位49aが丸みを帯びている点で、上記第2及び第4の実施の形態で述べたピン穴42と相違する。ピン穴42(領域42b)の形成容易性の観点から、このような丸みを帯びた部位49aを形成することもできる。
図21(B)に示すピン穴42は、ガイドピン32よりも大きなサイズとされる領域42aの側壁が円弧状の部位49bを有している点で、上記第3の実施の形態で述べたピン穴42と相違する。ピン穴42(領域42a)の形成容易性、ガイドピン32の挿入容易性の観点から、このような円弧状の部位49bを設けることもできる。
図21(C)に示すピン穴42は、平面矩形状の穴である。ガイドピン32は、それよりも大きい領域42aに挿入され、一の頂点49cに向かってスライドされ、その頂点49cから延びるV字状の側壁に当接される。このような形状のピン穴42を用いた場合でも、上記第2の実施の形態等で述べたピン穴42を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
尚、上記第1の実施の形態で述べたピン穴22にも同様に、図21(A)〜図21(C)に示すような構成を採用することが可能である。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 第1ピン及び第2ピンを有する第1光学部品と、
前記第1光学部品と対向し、平面視で前記第1ピン及び前記第2ピンとはそれぞれ非相似形の第1穴及び第2穴を有する第2光学部品と
を含み、
前記第1ピン及び前記第2ピンはそれぞれ、前記第1穴及び前記第2穴に挿入され、前記第1穴及び前記第2穴の第1方向側の側壁に当接されていることを特徴とする光学装置。
(付記2) 前記第1穴は、前記第1ピンよりも大きい第1領域と、前記第1領域と連通し、前記第1方向に向かって幅が狭くなる第2領域とを有し、
前記第2穴は、前記第2ピンよりも大きい第3領域と、前記第3領域と連通し、前記第1方向に向かって幅が狭くなる第4領域とを有し、
前記第1ピン及び前記第2ピンはそれぞれ、前記第2領域及び前記第4領域の側壁に当接されていることを特徴とする付記1に記載の光学装置。
(付記3) 前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側の側壁が平面視でV字状であることを特徴とする付記1又は2に記載の光学装置。
(付記4) 前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側の側壁が平面視で円弧状であることを特徴とする付記1又は2に記載の光学装置。
(付記5) 前記第1光学部品及び前記第2光学部品はそれぞれ、第1光素子群及び第2光素子群を備え、
前記第1ピン及び前記第2ピンがそれぞれ前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側の側壁に当接されて、前記第1光素子群と前記第2光素子群とが光学的に接続されることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の光学装置。
(付記6) 前記第1光素子群及び前記第2光素子群はそれぞれ、前記第1方向と交差する方向に向かって配列されていることを特徴とする付記5に記載の光学装置。
(付記7) 前記第1光素子群及び前記第2光素子群はそれぞれ、前記第1方向に向かって配列されていることを特徴とする付記5に記載の光学装置。
(付記8) 第1光学部品に設けられた第1ピン及び第2ピンをそれぞれ、前記第1光学部品と対向する第2光学部品に設けられ平面視で前記第1ピン及び前記第2ピンとはそれぞれ非相似形の第1穴及び第2穴に挿入する工程と、
挿入された前記第1ピン及び前記第2ピンをそれぞれ、前記第1穴及び前記第2穴の第1方向側の側壁に当接させる工程と
を含むことを特徴とする光学装置の製造方法。
(付記9) 前記第1ピン及び前記第2ピンを当接させる工程は、前記第1光学部品を前記第1方向に向かってスライドさせる工程を含むことを特徴とする付記8に記載の光学装置の製造方法。
(付記10) 前記第1穴は、前記第1ピンよりも大きい第1領域と、前記第1領域と連通し、前記第1方向に向かって幅が狭くなる第2領域とを有し、
前記第2穴は、前記第2ピンよりも大きい第3領域と、前記第3領域と連通し、前記第1方向に向かって幅が狭くなる第4領域とを有し、
前記第1ピン及び前記第2ピンを挿入する工程では、前記第1ピン及び前記第2ピンをそれぞれ前記第1領域及び前記第3領域に挿入し、
前記第1ピン及び前記第2ピンを当接させる工程では、前記第1領域及び前記第3領域に挿入された前記第1ピン及び前記第2ピンをそれぞれ前記第2領域及び前記第4領域の側壁に当接させることを特徴とする付記8又は9に記載の光学装置の製造方法。
(付記11) 前記第1光学部品及び前記第2光学部品はそれぞれ、第1光素子群及び第2光素子群を備え、
前記第1ピン及び前記第2ピンを当接させる工程は、前記第1ピン及び前記第2ピンをそれぞれ前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側の側壁に当接させて、前記第1光素子群と前記第2光素子群とを光学的に接続する工程を含むことを特徴とする付記8乃至10のいずれかに記載の光学装置の製造方法。
(付記12) 前記第1光素子群及び前記第2光素子群はそれぞれ、前記第1方向と交差する方向に向かって配列されていることを特徴とする付記11に記載の光学装置の製造方法。
(付記13) 前記第1光素子群及び前記第2光素子群はそれぞれ、前記第1方向に向かって配列されていることを特徴とする付記11に記載の光学装置の製造方法。
1,1A,1B 光学装置
10,30 フェルール
11,31,110 光ファイバ
12,32,100 ガイドピン
20,43 基板
21,210 光素子
22,42,200 ピン穴
22a,22b,42a,42b 領域
31a,31b,31c,32a,32b,41ba,100a,110a,200a,210a 中心
40 光導波路基板
41a 光導波路
41b グレーティングカプラ
42c 点
43a Si基板
43b BOX層
43c SOI層
44,47 SiO2
44a ハードマスクパターン
45,46,48 フォトレジストパターン
46a,48a 開口部
49a,49b 部位
49c 頂点

Claims (6)

  1. 第1ピン及び第2ピンを有する第1光学部品と、
    前記第1光学部品と対向し、平面視で前記第1ピン及び前記第2ピンとはそれぞれ非相似形の有底の第1穴及び第2穴を有する第2光学部品と
    を含み、
    前記第1ピン及び前記第2ピンはそれぞれ、前記第1穴及び前記第2穴に挿入され、前記第2光学部品の、前記第1光学部品との対向面に対し、前記第1穴及び前記第2穴の第1方向側に傾斜され、前記第1穴及び前記第2穴の底面に当接され、且つ、前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側の側壁に当接されていることを特徴とする光学装置。
  2. 前記第1穴は、前記第1ピンよりも大きい第1領域と、前記第1領域と連通し、前記第1方向に向かって幅が狭くなる第2領域とを有し、
    前記第2穴は、前記第2ピンよりも大きい第3領域と、前記第3領域と連通し、前記第1方向に向かって幅が狭くなる第4領域とを有し、
    前記第1ピン及び前記第2ピンはそれぞれ、前記第2領域及び前記第4領域の側壁に当接されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側の側壁が平面視でV字状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置。
  4. 前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側の側壁が平面視で円弧状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置。
  5. 前記第1光学部品及び前記第2光学部品はそれぞれ、第1光素子群及び第2光素子群を備え、
    前記第1ピン及び前記第2ピンがそれぞれ前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側の側壁に当接されて、前記第1光素子群と前記第2光素子群とが光学的に接続されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光学装置。
  6. 第1光学部品に設けられた第1ピン及び第2ピンをそれぞれ、前記第1光学部品と対向する第2光学部品に設けられ平面視で前記第1ピン及び前記第2ピンとはそれぞれ非相似形の有底の第1穴及び第2穴に挿入する工程と、
    挿入された前記第1ピン及び前記第2ピンをそれぞれ、前記第1穴及び前記第2穴の底面に当接させ、且つ、前記第1穴及び前記第2穴の第1方向側の側壁に当接させる工程と
    を含み、
    前記第1穴及び前記第2穴の底面に当接され、且つ、前記第1方向側の側壁に当接される前記第1ピン及び前記第2ピンはそれぞれ、前記第2光学部品の、前記第1光学部品との対向面に対し、前記第1穴及び前記第2穴の前記第1方向側に傾斜して配置されることを特徴とする光学装置の製造方法。
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