JP6539516B2 - ベルトスリーブの走行線制御方法、加工方法及びカット方法、並びに、ベルトスリーブの走行線制御装置、加工装置及びカット装置 - Google Patents

ベルトスリーブの走行線制御方法、加工方法及びカット方法、並びに、ベルトスリーブの走行線制御装置、加工装置及びカット装置 Download PDF

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Description

本発明は、ベルトスリーブの走行線制御方法、加工方法及びカット方法、並びに、ベルトスリーブの走行線制御装置、加工装置及びカット装置に関する。
ベルトスリーブは、一般に、内部にコードからなる心線を埋設した構成となっている。また、ベルトスリーブの走行中の片寄りを防止して走行線を安定させるために、上記コードとして、S撚りとZ撚りのものを交互に並べたものを採用することが多い。しかしながら、スパイラルに連続的に巻き付ける際の心線の傾きに起因する片寄りは、単にコードのSZ交互配列によっては解消することができない。そのため、ベルトスリーブの走行中のそのような片寄りを防止して走行線を安定させることが、ベルトスリーブの加工精度の観点から望まれている。
上記課題を解決するものとして、例えば特許文献1の技術が知られている。特許文献1の技術によると、第1軸と第2軸とにベルトスリーブを懸架して所定の張力を与えつつ走行させ、走行中のベルトスリーブの一側面に寄り力測定器を当接させて、ベルトスリーブのスラスト力を測定し、スラスト力が設定範囲外であるときはスラスト力が設定範囲内となるように第2軸の第1軸に対する角度を変更することで、ベルトスリーブの走行線を安定させる。
特開2006−212759号公報
特許文献1の技術では、ベルトスリーブの厚みが比較的大きな場合は、ベルトスリーブの一側面を含む側端部が寄り力測定器からの押圧によって折れ曲がるという不具合が生じ難いが、ベルトスリーブの厚みが比較的小さい場合は、上記不具合が生じ易く、ベルトスリーブの走行線を安定させることができない。
本発明の目的は、ベルトスリーブの厚みにかかわらず走行線を安定させることができる、ベルトスリーブの走行線制御方法、加工方法及びカット方法、並びに、ベルトスリーブの走行線制御装置、加工装置及びカット装置を提供することである。
本発明の第1観点によると、少なくとも第1軸と第2軸とに、スパイラルに連続的に巻き付けられた心線が埋設されたベルトスリーブを懸架して所定の張力を与えつつ走行させ、走行中の前記ベルトスリーブのスラスト量を、前記ベルトスリーブに接触しない状態で測定可能な非接触型の測定器で測定し、前記測定器で測定されたスラスト量が設定範囲外であるときは、当該スラスト量が前記設定範囲内となるように前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更することを特徴とする、ベルトスリーブの走行線制御方法が提供される。
本発明の第2観点によると、前記第1観点のベルトスリーブの走行線制御方法を使用しながらベルトスリーブに対する加工作業を行う加工方法であって、前記測定器で測定されたスラスト量が前記設定範囲外であるときは、前記加工作業を中断して、前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更し、当該スラスト量が前記設定範囲内になると前記加工作業を再開することを特徴とする、ベルトスリーブの加工方法が提供される。
本発明の第3観点によると、前記第2観点のベルトスリーブの加工方法を用いたベルトスリーブのカット方法であって、前記加工作業は、前記ベルトスリーブへの切込み位置を変更しながらカッターを前記ベルトスリーブへ複数回進入させることで前記ベルトスリーブをカットするものであり、前記カッターによる前記ベルトスリーブのカットを1回行う毎に、前記測定器で前記ベルトスリーブのスラスト量を測定し、前記測定器で測定されたスラスト量が前記設定範囲外であるときは、次の回の前記カッターの前記ベルトスリーブへの進入を行わせずに、当該スラスト量が前記設定範囲内となるように前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更し、当該スラスト量が前記設定範囲内になると、前記カッターの前記ベルトスリーブへの進入を行わせることを特徴とする、ベルトスリーブのカット方法が提供される。
本発明の第4観点によると、スパイラルに連続的に巻き付けられた心線が埋設されたベルトスリーブを懸架して所定の張力を与えつつ走行させることが可能な少なくとも第1軸及び第2軸と、前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更させることが可能な角度変更機構と、走行中の前記ベルトスリーブのスラスト量を、前記ベルトスリーブに接触しない状態で測定可能な非接触型の測定器と、前記測定器で測定されたスラスト量が設定範囲外であるときは、当該スラスト量が前記設定範囲内となるように前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更すべく前記角度変更機構を制御する制御部とを備えたことを特徴とする、ベルトスリーブの走行線制御装置が提供される。
本発明の第5観点によると、前記第4観点のベルトスリーブの走行線制御装置と、前記ベルトスリーブに対する加工作業を行う加工手段とを備えたベルトスリーブの加工装置であって、前記測定器で測定されたスラスト量が前記設定範囲外であるときは、前記加工手段による加工作業を中断させて、前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更すべく前記制御部によって前記角度変更機構を制御し、当該スラスト量が前記設定範囲内になると前記加工手段による加工作業を再開させることを特徴とする、ベルトスリーブの加工装置が提供される。
本発明の第6観点によると、前記第5観点のベルトスリーブの加工装置としてのカット装置であって、前記加工手段は、前記ベルトスリーブをカットするカッターと、前記ベルトスリーブへの切込み位置を変更しながら前記カッターを前記ベルトスリーブへ複数回進入させることが可能なカッター移動機構とを含み、前記測定器は、前記カッターによる前記ベルトスリーブのカットが1回行われる毎に、前記ベルトスリーブのスラスト量を測定し、前記制御部は、前記測定器で測定されたスラスト量が前記設定範囲外であるときは、次の回の前記カッターの前記ベルトスリーブへの進入が行われないように前記カッター移動機構を制御し、当該スラスト量が前記設定範囲内となるように前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更すべく前記角度変更機構を制御し、当該スラスト量が前記設定範囲内になると、前記カッターの前記ベルトスリーブへの進入が行われるように前記カッター移動機構を制御することを特徴とする、ベルトスリーブのカット装置が提供される。
本発明の第1〜第6観点によれば、走行中のベルトスリーブの一側面に寄り力測定器を当接させてスラスト力を測定する構成ではなく、走行中のベルトスリーブのスラスト量を非接触型の測定器で測定する構成を採用したことにより、ベルトスリーブの側端部が寄り力測定器からの押圧によって折れ曲がるという不具合が生じ得ない。したがって、ベルトスリーブの厚みにかかわらず走行線を安定させることができる。
さらに、本発明の第2観点(加工方法)及び第5観点(加工装置)によれば、スラスト量が設定範囲内になるまで加工作業を中断することで、加工精度を著しく向上させることができる。
また、切込み位置を変更しながらカッターをベルトスリーブへ複数回進入させる場合は、1回のカット毎に、ベルトスリーブに発生するスラスト量が変化し得る。この点、本発明の第3観点(カット方法)及び第6観点(カット装置)によれば、1回のカット毎に測定器でスラスト量を測定し、必要に応じて角度変更制御を行ってからカット作業を行うことで、各回のカットの精度を著しく向上させる(即ち、カットされるベルトの幅のバラツキを低減する)ことができる。
本発明の第1観点(走行線制御方法)及び第4観点(走行線制御装置)において、前記設定範囲がゼロ未満を含まない範囲であってよい。当該構成によれば、スラスト量がゼロ未満(負)の場合、必要に応じて、第2軸の第1軸に対する角度を変更し、正の方向のスラスト力を積極的に発生させることで、走行線をより確実に安定させることができる。
本発明の第2観点(加工方法)において、前記第1軸を移動不能に固定し、前記ベルトスリーブにおける前記第1軸に巻回された部分に対して前記加工作業を行ってよい。また、本発明の第5観点(加工装置)において、前記第1軸が移動不能に固定されており、前記加工手段は、前記ベルトスリーブにおける前記第1軸に巻回された部分に対して前記加工作業を行うように構成されてよい。当該構成によれば、静止した部分に対して加工作業を行うことで、加工精度をより一層向上させることができる。
本発明の第3観点(カット方法)において、前記カッターの前記ベルトスリーブへの各回の切込み位置を、前記測定器が測定するスラスト量が正となるときのスラスト力の方向と同じ向きに、1回目から並べて設定してよい。また、本発明の第6観点(カット装置)において、前記カッターの前記ベルトスリーブへの各回の切込み位置は、前記測定器が測定するスラスト量が正となるときのスラスト力の方向と同じ向きに、1回目から並べて設定されてよい。当該構成によれば、スラスト力の方向を一定に維持しながらカットを行うことで、カット精度をより一層向上させることができる。
本発明によれば、走行中のベルトスリーブの一側面に寄り力測定器を当接させてスラスト力を測定する構成ではなく、走行中のベルトスリーブのスラスト量を非接触型の測定器で測定する構成を採用したことにより、ベルトスリーブの側端部が寄り力測定器からの押圧によって折れ曲がるという不具合が生じ得ない。したがって、ベルトスリーブの厚みにかかわらず走行線を安定させることができる。
本発明の一実施形態に係るベルトスリーブの走行線制御装置を含むカット装置の全体的な構成を示す平面図である。 図1のII方向から見た側面図である。 ベルトスリーブの走行線制御の原理を説明するための斜視図である。 制御部が実行するプログラムを示すフロー図である。
本発明の一実施形態に係るベルトスリーブ2のカット装置(加工装置)1は、図1〜図3に示すように、ベルトスリーブ2を所定の幅にカットする作業(ベルトスリーブ2に対する加工作業)を行うためのものであって、ベルトスリーブ2をカットするカッター3と、ベルトスリーブ2の走行線制御装置100とを含む。
走行線制御装置100は、第1軸11及び第2軸12を有する。軸11,12は、それぞれ円柱形状であって、横方向に並べられており、ベルトスリーブ2を懸架できるようになっている。
第1軸11の一端には、図1に示すように、円錐状の心穴11aが設けられている。心穴11aには、円錐状に尖ったテールストック21が挿入されている。テールストック21の基端部には、シリンダ等の適宜のアクチュエータ21aが連結されている。アクチュエータ21aが駆動すると、テールストック21が進退する。テールストック21を心穴11aから退避させることで、ベルトスリーブ2の取付け・取外しが可能となる。一方、ベルトスリーブ2を第1軸11(及び第2軸12)に巻回した後、テールストック21を進出させて心穴11aに差し込み、第1軸11を心合わせした状態でベルトスリーブ2を支持できるようになっている。
第2軸12の一端には、円錐状の心穴12aが設けられている。心穴12aには、円錐状に尖ったテールストック22が挿入されている。テールストック22の基端部には、シリンダ等の適宜のアクチュエータ22aが連結されている。アクチュエータ22aが駆動すると、テールストック22が進退する。テールストック22を心穴12aから退避させることで、ベルトスリーブ2の取付け・取外しが可能となる。一方、ベルトスリーブ2を第1軸(及び第2軸12)に巻回した後、テールストック22を進出させて心穴12aに差し込み、第2軸12を心合わせした状態でベルトスリーブ2を支持できるようになっている。
第1軸11の他端には、拡径されたフランジ11fが形成されており、フランジ11fを介して原動機の出力軸11mが連結されている。原動機が駆動すると、第1軸11が回転する。
第2軸12の他端には、角度変更機構23が設けられている。角度変更機構23は、図2に示すように、第2軸12を支持する支持台24の一端を上下動させる。これにより、図3に示すように、第2軸12の軸線を水平面に対して傾斜させ、第2軸12の第1軸11に対する角度を変更させることが可能である(なお、図3では、支持台24や角度変更機構23の図示を省略している)。
つまり、第1軸11は、移動不能に固定されているのに対し、第2軸12は、角度変更機構23によって移動可能となっている。通常状態において、軸11,12は、水平面に沿って互いに平行に配置されている。
角度変更機構23は、図1及び図2に示すように、上下方向に延在したネジ棒25と、ネジ棒25に螺合し且つ支持台24の一端に連結されたナット26と、ネジ棒25を上下方向の軸を中心として回転可能に支持するモータ27とを含む。モータ27は、例えばパルスモータで構成されている。モータ27の駆動により、ネジ棒25の回転量を制御することで、支持台24の水平面に対する傾斜角度(ひいては、第2軸12の第1軸11に対する角度)を変更させることが可能である。モータ27は、走行線制御装置100の制御部(図示略)と電気的に接続されており、当該制御部により制御される。
なお、本実施形態において、走行線制御装置100の制御部は、カット装置1の制御部も兼用している。つまり、走行線制御装置100の制御部と、カット装置1の制御部とは、共通のものである。以下、走行線制御装置100の制御部(カット装置1の制御部)を単に「制御部」という。
走行線制御装置100は、さらに、走行中のベルトスリーブ2のスラスト量Mtをベルトスリーブ2に接触しない状態で測定可能な非接触型の測定器30を有する。ここで、スラスト量Mtとは、走行中のベルトスリーブ2に作用するスラスト力(前述のスパイラルに連続的に巻き付ける際の心線の傾き等に起因してベルトスリーブ2に作用する力)Ftによって生じる、スラスト力Ftの方向に関するベルトスリーブ2の移動量(図1に示すスラスト力Ftの方向を正とする。)をいう。つまり、スラスト量Mtは、図1に示すスラスト力Ftの方向にベルトスリーブ2が移動すると、正の値となり、図1に示すスラスト力Ftと逆の方向にベルトスリーブ2が移動すると、負の値となる。本実施形態において、測定器30は、透過型のレーザーセンサであって、軸11,12に懸架されたベルトスリーブ2の一方の側端部と鉛直方向に対向可能なように、ベルトスリーブ2の走行経路の脇の位置に配置されている。測定器30は、制御部と電気的に接続されており、ベルトスリーブ2の側端部における測定器30と鉛直方向に重なる部分の幅を検知し、当該幅を示す検知信号を制御部に送信する。制御部は、当該幅の変化に基づいて、スラスト量Mtを導出する。
カッター3は、図1〜図3に示すように、円盤状であって、その全周に刃部を有する。カッター3は、第1軸11の近傍において、当該カッター3の回転軸が第1軸11の軸線と同じ方向になり、且つ、刃部が第1軸11の軸線に対して垂直となるように、可動台4の上に設置されている。可動台4は、カッター移動機構(図示略)によって、第1軸11の軸線に平行な方向(X方向)と、第1軸11の軸線と直交する方向(Y方向)とのそれぞれに移動可能となっている。カッター移動機構の構成について、詳細な説明は省略するが、例えばX軸可動台とY軸可動台と各軸のパルスモータとを組み合わせたような公知の構成を採用することができる。カッター3は、モータ等の回転駆動手段(図示略)の駆動により回転する。
次いで、ベルトスリーブ2を所定の幅にカットして複数本のベルトを製造する際の制御について説明する。制御部は、公知のマイクロコンピュータで構成されており、図示は省略するが、CPU、ROM、RAM等を有する。ROMには、カッター移動機構や角度変更機構23を制御するためのプログラムが記憶されている(図4参照)。
各軸11,12にベルトスリーブ2を巻回し、軸11,12にベルトスリーブ2を懸架して所定の張力を与えた状態として、適宜の操作を行うと、第1軸11の回転が開始され(即ち、ベルトスリーブ2の走行が開始され)ると共に、図4に示すプログラムがスタートする。
制御部は、先ず、変数nの値を1に初期化する(S101)。S101の後、制御部は、カッター移動機構を制御して、図3に示されている複数の切込み位置((1),(2)・・・)のうち変数nの値に対応する切込み位置へカッター3を移動させるべく、可動台4をX方向に移動させる(S102)。
なお、図3に示すカッター3の複数の切込み位置((1),(2)・・・)は、事前に設定され、制御部のRAM等に記憶される。複数の切込み位置は、第1軸11に沿って、ベルトのカット幅に対応する距離ずつ互いに離隔して配置されている。切込み位置は、第1軸11の一端に最も近い位置を1回目の切込み位置(1)とし、以降、第1軸11の一端から他端に向かう方向(測定器30が測定するスラスト量Mtが正となるときのスラスト力Ftの方向(即ち、図1に示すスラスト力Ftの方向)と同じ向き)に、(2),(3)・・・と並べて設定されている。
S102の後、制御部は、測定器30からの検知信号に基づいて、その時点でのスラスト量Mtを測定する(S103)。S103の後、制御部は、S103で測定されたスラスト量Mtが設定範囲内(例えば、0mm〜0.5mm)であるか否かを判断する(S104)。
スラスト量Mtが設定範囲外であると判断した場合(S104:NO)、制御部は、角度変更機構23を制御して、スラスト量Mtが設定範囲に近づく方向に、第2軸12の第1軸11に対する角度を変更させる(S105)。S105の後、制御部は、処理をS103に戻し、再度スラスト量Mtの測定を行う。
スラスト量Mtが設定範囲内であると判断した場合(S104:YES)、制御部は、角度変更機構23の駆動を停止させる(S106)。S106の後、制御部は、カッター移動機構を制御して、可動台4をY方向(第1軸11に近づく方向)に移動させることにより、ベルトスリーブ2における第1軸11に巻回された部分に対して、回転しているカッター3を進入させる(S107)。この結果、ベルトスリーブ2は当該切込み位置でカットされ、単一のベルトが形成される。
なお、S107の処理は、ベルトスリーブ2の側面をフランジ11fに接触させた状態(即ち、図1において、ベルトスリーブ2を左側にシフトし、ベルトスリーブ2の左側側面をフランジ11fの右側側面に沿わせた状態)で行われる。そのため、S106の後且つS107の前に、ベルトスリーブ2は上記状態となるように移動される。また、このとき測定器30も、図1において若干左側(ベルトスリーブ2の左側端部と鉛直方向に対向する位置)に移動される。制御部は、ベルトスリーブ2をカットする工程を行う間、測定器30からの検知信号に基づいて、ベルトスリーブ2の挙動を検知する。
S107の後、制御部は、nが所定のカット回数未満であるか否かを判断する(S108)。nが所定のカット回数未満であると判断した場合(S108:YES)、制御部は、nをインクリメントして(S109)、処理をS102に戻す。nが所定のカット回数未満でない(即ち、nが所定のカット回数に到達し、カット作業が完了した)と判断した場合(S108:NO)、制御部は、当該プログラムを終了する。
以上に述べたように、本実施形態によれば、走行中のベルトスリーブ2の一側面に寄り力測定器を当接させてスラスト力Ftを測定する構成ではなく、走行中のベルトスリーブ2のスラスト量Mtを非接触型の測定器30で測定する構成を採用したことにより、ベルトスリーブ2の側端部が寄り力測定器からの押圧によって折れ曲がるという不具合が生じ得ない。したがって、ベルトスリーブ2の厚みにかかわらず走行線を安定させることができる。
さらに、本実施形態によれば、スラスト量Mtが設定範囲内になるまで加工作業を中断する(S103〜S105)。これにより、加工精度を著しく向上させることができる。
また、切込み位置((1),(2)・・・)を変更しながらカッター3をベルトスリーブ2へ複数回進入させる場合は、1回のカット毎に、ベルトスリーブ2に発生するスラスト量Mtが変化し得る。この点、本実施形態によれば、1回のカット毎に測定器30でスラスト量Mtを測定し(S103)、必要に応じて角度変更制御を行ってから(S104,S105)、カット作業を行う(S106〜)。これにより、各回のカットの精度を著しく向上させる(即ち、カットされるベルトの幅のバラツキを低減する)ことができる。
設定範囲は、ゼロ未満を含まない範囲である。当該構成によれば、スラスト量Mtがゼロ未満(負)の場合、必要に応じて、第2軸12の第1軸11に対する角度を変更し、正の方向のスラスト力Ftを積極的に発生させることで、走行線をより確実に安定させることができる。
本実施形態では、第1軸11を移動不能に固定し、ベルトスリーブ2における第1軸11に巻回された部分に対して加工作業を行う。当該構成によれば、静止した部分に対して加工作業を行うことで、加工精度をより一層向上させることができる。
本実施形態では、カッター3のベルトスリーブ2への各回の切込み位置を、測定器30が測定するスラスト量Mtが正となるときのスラスト力Ftの方向と同じ向きに、1回目から並べて設定している。当該構成によれば、スラスト力Ftの方向を一定に維持しながらカットを行うことで、カット精度をより一層向上させることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、例えば以下のように、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
・ベルトスリーブが懸架される軸のレイアウトは、上述の実施形態のような横型(第1軸及び第2軸が水平方向に並ぶ形態)に限定されず、縦型(第1軸及び第2軸が鉛直方向に並ぶ形態)等であってもよい。
・走行線制御装置は、第1軸11及び第2軸12の2つの軸のみでなく、テンション部材等をさらに有してもよい。
・カッターは、回転しながらベルトスリーブをカットする回転式に限定されず、固定された状態(静止状態)でベルトスリーブをカットする固定式であってもよい。また、カッターの代わりに、多リブベルトのV溝研磨加工用の回転砥石を採用してもよい。
・加工作業は、ベルトスリーブをカットする作業に限定されず、例えば、ベルトスリーブの表面加工(研磨加工等)であってもよい。加工手段は、当該加工作業に対応する部材(表面加工用の部材等)を含んでよい。
・角度変更機構は、上述の実施形態の構成に限定されず、シリンダ等の他の構成であってもよい。
・測定器の配置は、上述の実施形態の配置に限定されず、第2軸12の近傍又は軸11,12の中間位置に配置されてもよく、また、ベルトスリーブの側端部と鉛直方向に対向可能なように配置されなくてもよい。また、測定器の構成は、上述の実施形態の構成に限定されず、角度変更機構の駆動に応じて位置が変更する構成等であってもよい。
・S104で、その時点でのスラスト量が設定範囲内であるか否かを判断することに限定されず、例えば、スラスト量が設定範囲内にある状態が所定時間継続したか否かを判断してもよい。また、1つの測定値に基づいて判断することに限定されず、適当な時間間隔をおいて検知された複数の測定値に基づいて、当該複数の測定値の代表値(例えば、平均値)が設定範囲内であるか否かを判断してもよい。
・ベルトスリーブをカットして複数本のベルトを製造する際に実行されるプログラムは、上述の実施形態ではnが所定のカット回数に到達した場合(S108:NO)に終了するが、これに限定されない。例えば、S107におけるカッター3とフランジ11fとの間隔(図1参照。S107においてベルトスリーブ2の側面をフランジ11fに接触させた状態でカットを行うことから、当該間隔はベルトスリーブ2の残り幅と等しい。)がベルトのカット幅以下になった場合に、当該プログラムを終了してもよい。
1 ベルトスリーブのカット装置(加工装置)
2 ベルトスリーブ
3 カッター(加工手段)
11 第1軸
12 第2軸
23 角度変更機構
30 測定器
100 走行線制御装置
Ft スラスト力
Mt スラスト量

Claims (12)

  1. 少なくとも第1軸と第2軸とに、スパイラルに連続的に巻き付けられた心線が埋設されたベルトスリーブを懸架して所定の張力を与えつつ走行させ、
    走行中の前記ベルトスリーブのスラスト量を、前記ベルトスリーブに接触しない状態で測定可能な非接触型の測定器で測定し、
    前記測定器で測定されたスラスト量が設定範囲外であるときは、当該スラスト量が前記設定範囲内となるように前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更することを特徴とする、ベルトスリーブの走行線制御方法。
  2. 前記設定範囲がゼロ未満を含まない範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のベルトスリーブの走行線制御方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のベルトスリーブの走行線制御方法を使用しながらベルトスリーブに対する加工作業を行う加工方法であって、
    前記測定器で測定されたスラスト量が前記設定範囲外であるときは、前記加工作業を中断して、前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更し、当該スラスト量が前記設定範囲内になると前記加工作業を再開することを特徴とする、ベルトスリーブの加工方法。
  4. 前記第1軸を移動不能に固定し、前記ベルトスリーブにおける前記第1軸に巻回された部分に対して前記加工作業を行うことを特徴とする、請求項3に記載のベルトスリーブの加工方法。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のベルトスリーブの加工方法を用いたベルトスリーブのカット方法であって、
    前記加工作業は、前記ベルトスリーブへの切込み位置を変更しながらカッターを前記ベルトスリーブへ複数回進入させることで前記ベルトスリーブをカットするものであり、
    前記カッターによる前記ベルトスリーブのカットを1回行う毎に、前記測定器で前記ベルトスリーブのスラスト量を測定し、前記測定器で測定されたスラスト量が前記設定範囲外であるときは、次の回の前記カッターの前記ベルトスリーブへの進入を行わせずに、当該スラスト量が前記設定範囲内となるように前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更し、当該スラスト量が前記設定範囲内になると、前記カッターの前記ベルトスリーブへの進入を行わせることを特徴とする、ベルトスリーブのカット方法。
  6. 前記カッターの前記ベルトスリーブへの各回の切込み位置を、前記測定器が測定するスラスト量が正となるときのスラスト力の方向と同じ向きに、1回目から並べて設定することを特徴とする、請求項5に記載のベルトスリーブのカット方法。
  7. スパイラルに連続的に巻き付けられた心線が埋設されたベルトスリーブを懸架して所定の張力を与えつつ走行させることが可能な少なくとも第1軸及び第2軸と、
    前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更させることが可能な角度変更機構と、
    走行中の前記ベルトスリーブのスラスト量を、前記ベルトスリーブに接触しない状態で測定可能な非接触型の測定器と、
    前記測定器で測定されたスラスト量が設定範囲外であるときは、当該スラスト量が前記設定範囲内となるように前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更すべく前記角度変更機構を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする、ベルトスリーブの走行線制御装置。
  8. 前記設定範囲がゼロ未満を含まない範囲であることを特徴とする、請求項7に記載のベルトスリーブの走行線制御装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のベルトスリーブの走行線制御装置と、前記ベルトスリーブに対する加工作業を行う加工手段とを備えたベルトスリーブの加工装置であって、
    前記測定器で測定されたスラスト量が前記設定範囲外であるときは、前記加工手段による加工作業を中断させて、前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更すべく前記制御部によって前記角度変更機構を制御し、当該スラスト量が前記設定範囲内になると前記加工手段による加工作業を再開させることを特徴とする、ベルトスリーブの加工装置。
  10. 前記第1軸が移動不能に固定されており、
    前記加工手段は、前記ベルトスリーブにおける前記第1軸に巻回された部分に対して前記加工作業を行うように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載のベルトスリーブの加工装置。
  11. 請求項9又は請求項10に記載のベルトスリーブの加工装置としてのカット装置であって、
    前記加工手段は、前記ベルトスリーブをカットするカッターと、前記ベルトスリーブへの切込み位置を変更しながら前記カッターを前記ベルトスリーブへ複数回進入させることが可能なカッター移動機構とを含み、
    前記測定器は、前記カッターによる前記ベルトスリーブのカットが1回行われる毎に、前記ベルトスリーブのスラスト量を測定し、
    前記制御部は、前記測定器で測定されたスラスト量が前記設定範囲外であるときは、次の回の前記カッターの前記ベルトスリーブへの進入が行われないように前記カッター移動機構を制御し、当該スラスト量が前記設定範囲内となるように前記第2軸の前記第1軸に対する角度を変更すべく前記角度変更機構を制御し、当該スラスト量が前記設定範囲内になると、前記カッターの前記ベルトスリーブへの進入が行われるように前記カッター移動機構を制御することを特徴とする、ベルトスリーブのカット装置。
  12. 前記カッターの前記ベルトスリーブへの各回の切込み位置は、前記測定器が測定するスラスト量が正となるときのスラスト力の方向と同じ向きに、1回目から並べて設定されていることを特徴とする、請求項11に記載のベルトスリーブのカット装置。
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