JP6538931B2 - 潤滑剤注入監視装置、潤滑剤注入監視システム、及び潤滑剤注入監視方法 - Google Patents

潤滑剤注入監視装置、潤滑剤注入監視システム、及び潤滑剤注入監視方法 Download PDF

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本発明は、軸受への潤滑剤の注入を監視する潤滑剤注入監視装置等に関する。
圧縮機等を駆動する電動機の軸受に関して、定期的に潤滑剤を注入(給脂)することが推奨されている。潤滑剤を注入しないまま長期間に亘って電動機を使用し続けると、昇温や摩耗によって軸受が劣化し、電動機の回転子を安定して軸支できなくなるからである。
なお、軸受への潤滑剤の注入は、専用の器具(グリースガン)を用いて手動で行われることが多い。したがって、作業員が潤滑剤の注入を忘れたり、また、潤滑剤を注入したつもりでも注入の仕方や潤滑剤の量が適切でなかったりすることがある。このようなことを防止するための技術として、例えば、以下に示すものが知られている。
すなわち、特許文献1には、軸受と潤滑剤注入装置とが近接したことを示す近接情報を受信する近接情報受信手段と、軸受への給脂が所定の給脂間隔で行われているか否かを監視する給脂間隔監視手段と、を備える軸受監視システムについて記載されている。
特開2004−132531号公報
特許文献1に記載の軸受監視システムでは、前記した近接情報を生成するために、軸受及び潤滑剤注入装置のそれぞれに近接センサ等が設置される。したがって、例えば、特許文献1に記載の軸受監視システムを新たに導入する場合、近接センサ等が設置された軸受及び潤滑剤注入装置を購入しなければならず、事業者等の費用負担が大きくなるという問題がある。このような費用負担を低減しつつ、軸受への潤滑剤の注入を適切に監視する装置が求められている。
そこで、本発明は、電動機の軸受に潤滑剤が注入されたか否かを適切に監視する潤滑剤注入監視装置等を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る潤滑剤注入監視装置は、電動機の回転軸部材を軸支する軸受の温度を検出する温度検出手段と、前記軸受に潤滑剤が注入されたか否かを監視する潤滑剤注入監視手段と、を備え、前記潤滑剤注入監視手段は、前記温度検出手段によって検出される前記軸受の温度が、前記電動機の駆動中に上昇した後、低下に転じた場合、前記軸受に潤滑剤が注入されたと判定することを特徴とする。
また、本発明に係る潤滑剤注入監視装置は、電動機の回転軸部材を軸支する軸受の温度を検出する温度検出手段と、前記軸受に潤滑剤が注入されたか否かを監視する潤滑剤注入監視手段と、を備え、前記潤滑剤注入監視手段は、前記温度検出手段によって検出される前記軸受の温度変化速度が、前記電動機の駆動中に正の値になった後、負の値に転じた場合、前記軸受に潤滑剤が注入されたと判定することを特徴とする。
本発明によれば、電動機の軸受に潤滑剤が注入されたか否かを適切に監視する潤滑剤注入監視装置等を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る潤滑剤注入監視装置と、圧縮機と、を含む構成図である。 圧縮機が備える電動機の構成を示す模式的な断面図である。 潤滑剤注入監視装置が実行する処理を示すフローチャートである。 潤滑剤注入監視装置が実行する処理を示すフローチャートである。 (a)は軸受の温度変化を示すグラフであり、(b)は電動機の駆動/停止を示すタイムチャートであり、(c)は電動機の負荷運転/無負荷運転を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係る潤滑剤注入監視装置が実行する処理を示すフローチャートである。 潤滑剤注入監視装置が実行する処理を示すフローチャートである。 (a)は軸受の温度変化速度の推移を示すグラフであり、(b)は電動機の駆動/停止を示すタイムチャートであり、(c)は電動機の負荷運転/無負荷運転を示すタイムチャートである。 本発明の第3実施形態に係る潤滑剤注入監視システムの構成図である。 潤滑剤注入監視システムが備える統括管理センタの構成図である。 稼動情報の取得に関するシーケンスである。 軸受への潤滑剤の注入監視に関するシーケンスである。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態に係る潤滑剤注入監視装置1と、圧縮機211と、を含む構成図である。潤滑剤注入監視装置1は、電動機74が有する軸受74d,74e(図2参照)に潤滑剤(例えば、グリース)が注入されたか否かを監視する装置である。潤滑剤注入監視装置1は、温度センサ11a,11b(図2参照)と、管理用コンピュータ12と、を備えている。
以下では、本実施形態に係る潤滑剤注入監視装置1に先立って、まず、電動機74を備える圧縮機211について簡単に説明する。
<圧縮機の構成>
図1に示す圧縮機211は、主に、圧縮機本体71と、制御手段72と、インバータ盤73(又は起動盤)と、電動機74と、を備えている。
圧縮機本体71は、例えば、オイルフリースクリュー圧縮機であり、回転軸が平行となるように配置された一対の雄雌のスクリューロータ(図示せず)を備え、これらがケーシング(図示せず)に収容されている。
圧縮機本体71の吸入側には、吸入フィルタ75及び容量調整弁76が上流側から順に設けられ、吐出側には冷却器77が設けられている。吸入口から配管k1を介して吸入された空気は圧縮機本体71で圧縮され、圧縮機本体71から配管k2を介して吐出される。圧縮機器本体71から吐出された圧縮空気は、冷却器77で適温まで冷却され、冷却された圧縮空気は配管k3を介して吐出口に圧送される。なお、吐出口の下流側には、圧縮空気を利用する負荷装置(図示せず)が設置されている。
また、冷却器77には、流入口から配管k5を介して冷却水が流入し、圧縮空気と熱交換した冷却水が配管k6を介して流出口に向かうようになっている。
配管k3に接続された配管k4には、上流側から順に放風弁78及び放風サイレンサ79が設けられている。放風弁78は、後記する負荷運転(ロード運転)を行う際に閉弁され、無負荷運転(アンロード運転)を行う際に開弁される。
なお、図1では省略したが、圧縮機本体71の吸入温度、吸入圧力、吐出温度、吐出圧力、冷却器77に向かう冷却水の温度等を検出する各種センサが設置されている。
制御手段72は、前記した各種センサの検出値に基づいて、インバータ盤73、容量調整弁76、放風弁78等を制御する。制御手段72は、例えばマイコン(Microcomputer:図示せず)であり、ROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が各種処理を実行するようになっている。
制御手段72は、圧縮機本体71の吐出圧力を所定範囲内で変化させるように、負荷運転と無負荷運転とを交互に繰り返す。
なお、負荷運転とは、電動機74を駆動しつつ放風弁78を閉弁し、圧縮機本体71の吐出圧力を高める運転である。無負荷運転とは、電動機74を駆動しつつ放風弁78を開弁し、圧縮機本体71の吐出圧力を低くする運転である。無負荷運転中、圧縮機本体71から吐出された空気は配管k4を介して放風弁78側にも分流し、放風口を介して系外に放出される。
インバータ盤73(又は起動盤)は、制御手段72から入力される指令信号に応じて直流電力を三相交流電力に変換する電力変換器である。インバータ盤73によって変換された三相交流電力は、電動機74に出力される。
電動機74は、例えば、誘導電動機であり、インバータ盤73から入力される三相交流電力で駆動する。
図2は、圧縮機211が備える電動機74の構成を示す模式的な断面図である。
電動機74は、固定子74aと、回転子74bと、軸部材74c(回転軸部材)と、軸受74d,74eと、ハウジング74fと、蓋74gと、昇温抑制ファン74iと、を備えている。
固定子74aは、円筒状を呈し、ハウジング74fの内壁面に固定されている。また、固定子74aには固定子巻線Cが巻回されている。
回転子74bは、例えば、円筒状を呈する巻線形の回転子であり、固定子74aの径方向内側に配置されている。
軸部材74cは、回転子74bの孔h1に圧入固定され、その両端が回転子74bから突出している。なお、軸部材74cの一端側(紙面左側)は、圧縮機本体71のスクリューロータ(図示せず)に連結されている。
軸受74d,74eは、軸部材74cを回転可能に軸支するものである。一方の軸受74dは軸部材74cの一端側(圧縮機本体71側)に設置され、他方の軸受74eは軸部材74cの他端側に設置されている。
軸受74dは、例えば、玉軸受である。すなわち、軸受74dは、軸部材74cと一体で回転する内輪741dと、ブラケットB11を介してハウジング74fに固定される外輪742dと、内輪741dと外輪742dとの間に転動可能に配置される複数のボール743dと、を有している。他方の軸受74eの構成については、前記した軸受74dと同様であるから説明を省略する。なお、軸受74d,74eの種類は玉軸受に限定されず、ころ軸受、すべり軸受等であってもよい。
一方の軸受74dは、前記したように、ブラケットB11を介してハウジング74fに固定されている。軸受74dの軸方向内側には内軸受カバーB12が設置され、軸受74dの軸方向外側には潤滑剤溜め具B13が設置されている。また、潤滑剤溜め具B13には、給脂パイプB14が設置されている。
図2に示すように、給脂パイプB14、潤滑剤溜め具B13、ブラケットB11、及び内軸受カバーB12には、潤滑剤を軸受74dに導く流路p1が形成されている。この流路p1を介して軸受74dに潤滑剤が注入され、余った潤滑剤が、潤滑剤溜め具B13の溜まり部q1に溜まるようになっている。他方の軸受74eに潤滑剤を導くための各構成(ブラケットB21等)については、前記したものと同様であるから説明を省略する。
ハウジング74fは、固定子74a、回転子74b、軸部材74c、軸受74d,74e等を収容する筐体である。なお、ハウジング74fには、昇温抑制ファン74iの回転によって取り込まれた空気をハウジング74f内で通流させるための流入孔(図示せず)及び流出孔(図示せず)が設けられている。
蓋74gは、ハウジング74fから露出している昇温抑制ファン74i等を覆うものであり、ハウジング74fに固定されている。蓋74gには、外部から空気を取り込むための入気孔h2が複数設けられている。
昇温抑制ファン74iは、電動機74の昇温を抑制するためのファンであり、軸部材74cと一体で回転するように、軸部材74cの他端側(紙面右側)に固定されている。
なお、電動機74の構成は、図2に示すものに限定されない。
<潤滑剤注入監視装置の構成>
図2に示す潤滑剤注入監視装置1は、前記したように、温度センサ11a,11bと、管理用コンピュータ12と、を備えている。
温度センサ11a(温度検出手段)は、一方の軸受74dの温度を検出するセンサであり、軸受74d付近に設置されている。つまり、ブラケットB11等を介した伝熱を利用して、軸受74dの温度を間接的に検出するようになっている。なお、軸受74dの温度の検出方法はこれに限定されず、温度センサ11aによって軸受74dの温度を直接的に検出するようにしてもよい(温度センサ11bについても同様)。
温度センサ11b(温度検出手段)は、他方の軸受74eの温度を検出するセンサであり、軸受74e付近に設置されている。温度センサ11a,11bの検出値は、制御手段72を介して管理用コンピュータ12に出力される。
管理用コンピュータ12は、ユーザ(例えば、圧縮機211の管理者)によって操作されるコンピュータであり、潤滑剤注入監視手段12aと、報知手段12bと、を有している。
潤滑剤注入監視手段12aは、温度センサ11a,11bの検出結果に基づいて、軸受74d,74eに潤滑剤が注入されたか否かを監視する。ちなみに、潤滑剤注入監視手段12aには、電動機74が駆動しているか否かを示す駆動・停止情報や、負荷運転/無負荷運転を示す情報も入力される。なお、潤滑剤注入監視手段12aが実行する処理については後記する。
報知手段12bは、潤滑剤注入監視手段12aの監視結果をユーザに報知する。例えば、報知手段12bは、前回の注入から所定期間が経過しても軸受74d,74eに潤滑剤が注入されていない場合、その旨をユーザに報知する。なお、前記した報知には、ランプ(図示せず)の点灯、スピーカ(図示せず)からの音声の出力、ディスプレイ(図示せず)への表示が含まれる。
<潤滑剤注入監視装置の処理>
以下では、一方の軸受74dに潤滑剤が注入されたか否かを監視する処理について説明する。
図3、図4は、潤滑剤注入監視装置1が実行する処理を示すフローチャートである。
図3のステップS101において潤滑剤注入監視装置1(図2参照)は、電動機74(図2参照)が負荷運転中であるか否かを判定する。
ちなみに、潤滑剤は、粘度が比較的高く、注入時には半固体状(ゼリー状)になっている。また、通常は、電動機74の負荷運転中に給脂パイプB14,B24(図2参照)等を介して潤滑材が少しずつ注入される。これは、軸方向で軸受74d,74eに余計な負荷をかけることなく、軸受74d,74eの全体に潤滑剤が行き渡るようにするためである。
電動機74が負荷運転中である場合(S101→Yes)、潤滑剤注入監視装置1の処理はステップS102に進む。一方、電動機74が負荷運転中ではない、つまり、無負荷運転中又は停止状態である場合(S101→No)、潤滑剤注入監視装置1はステップS101の処理を繰り返す。
ステップS102において潤滑剤注入監視装置1は、電動機74の駆動開始から所定時間ΔtAが経過したか否かを判定する。この所定時間ΔtA(図5(a)参照)は、電動機74の駆動が安定して定常状態に達するまでの時間(例えば、4時間)であり、予め設定されている。言い換えると、所定時間ΔtAは、電動機74の駆動開始から軸受74dの温度変化が小さくなるまでに要する時間である。
図5(b)は、電動機74の駆動/停止を示すタイムチャートであり、図5(c)は、電動機74の負荷運転/無負荷運転を示すタイムチャートである。図5(b)、(c)に示す例では、時刻t1〜t7において電動機74が負荷運転で駆動され、その後、無負荷運転と負荷運転が交互に繰り返されている。
図5(a)は、軸受74dの温度変化を示すグラフである。図5(a)に示すグラフの横軸は時刻であり、縦軸は軸受74dの温度である。軸受74dの温度は、時刻t1〜t2において上昇し、時刻t2〜t3において略一定の値TEになっている。
図3のステップS102において、電動機74の駆動開始から所定時間ΔtAが経過した場合(S102→Yes)、潤滑剤注入監視装置1の処理はステップS103に進む。一方、電動機74の駆動開始から所定時間ΔtAが経過していない場合(S102→No)、潤滑剤注入監視装置1はステップS102の処理を繰り返す。
ステップS103において潤滑剤注入監視装置1は、温度センサ11aによって検出された軸受74dの温度Tを読み込む(温度検出ステップ)。なお、軸受74dの温度Tは所定周期(例えば、1分毎)で検出され、潤滑剤注入監視装置1の記憶部(図示せず)に格納される。
ステップS104において潤滑剤注入監視装置1は、前記した所定時間ΔtAの経過時を基準として、軸受74dの温度変化ΔTrを算出する。潤滑剤は半固体状であるため、軸受74dに潤滑剤が注入されると、その攪拌抵抗によって軸受74dの温度が上昇する。
なお、温度変化ΔTrの基準は、所定時間ΔtAの経過時における軸受74dの温度に限定されない。例えば、所定時間ΔtAの経過後に軸受74dの温度が上昇し始めたときの温度を基準にしてもよいし、また、図5(a)に示す時刻t2〜t3における軸受74dの温度の平均値を基準にしてもよい。
図5(a)に示す例では、潤滑剤の注入直後である時刻t3〜t4において軸受74dの温度が値TEから値TFまで上昇し、時刻t4〜t5では略一定の値TFになっている。この場合、軸受74dの温度変化ΔTrは、正の値である(TF−TE)になる。
なお、図5では、負荷運転の継続中である時刻t3に潤滑材(グリース)が注入される例を示したが、これに限定されない。例えば、負荷運転と無負荷運転とが繰り返される期間(時刻t7以後:図5(c)参照)に潤滑材が注入されることもあるが、その場合にも本実施形態に係る一連の処理(図3、図4参照)は適用可能である。
図4のステップS105において潤滑剤注入監視装置1は、ステップS104で算出した温度変化ΔTrが、正の値である第1閾値ΔT1(例えば、+5℃)以上であるか否かを判定する。この第1閾値ΔT1は、軸受74dの温度上昇が潤滑剤の撹拌抵抗によるものか否かを判定するための閾値である。
なお、潤滑剤の量が不足していたり、注入の仕方が不適切であったりした場合に、軸受74dの温度変化ΔTrが第1閾値ΔT1未満になるように、第1閾値ΔT1は、事前の実験に基づいて設定されている。
ステップS105において温度変化ΔTrが第1閾値ΔT1以上である場合(S105→Yes)、潤滑剤注入監視装置1の処理はステップS106に進む。
ステップS106において潤滑剤注入監視装置1は、温度上昇の開始時(時刻t3:図5(a)参照)から所定時間ΔtBが経過したか否かを判定する。
なお、潤滑剤の注入後も引き続いて電動機74を所定時間(例えば、一日間)駆動し続けると、潤滑剤の粘度が小さくなって流動性が増す。これは、電動機74の回転によって半固体状の潤滑剤が剪断され、その分子構造が剪断方向(周方向)に配向するためである。このように粘度が小さくなると潤滑剤の攪拌抵抗も小さくなるため、軸受74dの温度が低下する(時刻t5〜t6:図5(a)参照)。
また、前記した所定時間ΔtB(例えば、二日間)は、潤滑剤の注入後にいったん増加した攪拌抵抗が減少し切るまでの時間(時刻t3〜t6:図5(a)参照)よりも長い時間であり、事前の実験に基づいて設定されている。図5(a)に示す例では、軸受74dの温度が上昇し始めてから所定時間ΔtBが経過したとき、軸受74dの温度が値TEに戻っている。
図4のステップS107において潤滑剤注入監視装置1は、温度センサ11aによって検出された軸受74dの温度Tを再び読み込む(温度検出ステップ)。
ステップS108において潤滑剤注入監視装置1は、軸受74dの温度変化ΔTdを算出する。すなわち、潤滑剤注入監視装置1は、軸受74dの温度が、ピーク値である値TF(図5(a)参照)の到達時から何℃変化したかを算出する。図5(a)に示す例では、軸受74dの温度変化ΔTdは、負の値である(TE−TF)になっている。
ステップS109において潤滑剤注入監視装置1は、ステップS108で算出した温度変化ΔTdが、負の値である第2閾値ΔT2(例えば、−5℃)以下であるか否かを判定する。言い換えると、潤滑剤注入監視装置1は、温度変化ΔTdが負であり、かつ、|ΔTd|が|ΔT2|以上であるか否かを判定する。なお、第2閾値ΔT2は、軸受74dの温度低下が潤滑剤の粘度の減少によるものか否かを判定するための閾値であり、予め設定されている。
ピーク値である値TF(図5(a)参照)の到達時からの軸受74dの温度変化ΔTdが第2閾値ΔT2以下である場合(S109→Yes)、潤滑剤注入監視装置1の処理はステップS110に進む。ステップS110において潤滑剤注入監視装置1は、軸受74dに潤滑剤が注入されたと判定し、処理を終了する(END)。なお、ステップS101〜S110の一連の過程において、電動機74は負荷運転し続けている(図5(a)、(c)参照)。
また、ステップS110の処理を行った後、軸受74dに潤滑剤が注入されたことをユーザに報知するようにしてもよい。これによってユーザは、軸受74dに潤滑剤が適切に注入されたことを確認できる。
このように潤滑材注入監視装置1は、電動機74の駆動開始から所定時間ΔtAが経過した後(S102→Yes)、軸受74dの温度Tが、前記経過時の温度TEから上昇した後(S105→Yes)、電動機74の駆動中に低下に転じた場合(S109→Yes)、軸受74dに潤滑剤が注入されたと判定する(潤滑剤注入監視ステップ)。
ステップS105で温度変化ΔTrが第1閾値ΔT1未満である場合(S105→No)、又は、ステップS109で温度変化ΔTdが第2閾値ΔT2よりも大きい場合(S109→No)、潤滑剤注入監視装置1の処理はステップS111に進む。
ステップS111において潤滑剤注入監視装置1は、軸受74dに潤滑剤が注入されていない(又は、潤滑剤の注入が適切に行われていない)と判定する。
ステップS112において潤滑剤注入監視装置1は、前回の潤滑剤の注入から所定期間(例えば、1年間)以上が経過しているか否かを判定する。潤滑剤は、電動機74の駆動に伴う剪断や摩擦熱によって、時間の経過とともに劣化する。前記した所定期間は、潤滑剤の寿命であり、潤滑剤の種類や使用条件に基づいて設定されている。
前回の潤滑剤の注入から所定期間以上が経過している場合(S112→Yes)、潤滑剤注入監視装置1の処理はステップS113に進む。
ステップS113において潤滑剤注入監視装置1は、軸受74dに潤滑剤が注入されていない(又は、潤滑剤の注入が適切でない)ことをユーザに報知し、処理を終了する(END)。これによってユーザは、軸受74dに潤滑剤が所定期間以上、注入されていないことを把握できる。
また、前回の潤滑剤の注入から所定期間以上が経過していない場合(S112→No)、潤滑剤注入監視装置1は処理を終了する(END)。なお、図3、図4に示す一連の処理は、所定周期で繰り返し行われる。
他方の軸受74eに潤滑剤が注入されたか否かを監視する処理については、軸受74dと同様であるから説明を省略する。
<効果>
本実施形態によれば、前回の潤滑剤の注入から所定期間以上、潤滑剤が注入されていない場合(S112→Yes)、その旨がユーザに報知される(S113)。このように注意喚起することで、ユーザが潤滑剤を注入し忘れることを防止し、ひいては、軸受74d,74eが故障したり圧縮機211に不具合が生じたりすることを未然に防止できる。
また、軸受74d,74eに潤滑剤が注入されたとしても、その注入量等が適切でなく温度変化ΔTrが第1閾値ΔT1以上にならない場合(S105→No)、潤滑剤が適切に注入されていない旨が報知される(S113)。このように、ユーザによって適切に潤滑剤が注入されたか否かについても、軸受74d,74eの温度変化に基づいて容易に判定できる。
また、仮に軸受74d,74eが故障した場合には、電動機74の駆動中、摩擦熱によって軸受74d,74eの温度が上昇し続ける(つまり、軸受74d,74eの温度低下は起こらない)。本実施形態では、軸受74d,74eの温度上昇(S105)と、その後の温度低下(S109)と、に基づいて潤滑剤の注入を検知するため、軸受74d,74eの故障と区別して潤滑剤の注入を適切に検知できる。
また、本実施形態では、前記した特許文献1のように軸受74d,74e及びグリースガン(図示せず)に近接センサ等(図示せず)を設置する必要がない。したがって、潤滑剤の注入監視に要するコストを抑えることができる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、軸受74d,74eの温度変化速度に基づいて潤滑剤の注入を監視する点が第1実施形態とは異なっているが、潤滑剤注入監視装置1の構成等(図2参照)は、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図6、図7は、潤滑剤注入監視装置1が実行する処理を示すフローチャートである。なお、第1実施形態(図3、図4参照)で説明したものと同様の処理には、同じステップ番号を付している。
ステップS103で軸受74dの温度Tを読み込んだ後、ステップS204において潤滑剤注入監視装置1は、軸受74dの温度変化速度αrを算出する。例えば、軸受74dの温度を1分毎に検出する場合、潤滑剤注入監視装置1は、軸受74dの温度変化ΔTrを時間(60秒)で除算することによって温度変化速度αrを算出する。
図8(a)は、軸受74dの温度変化速度の推移を示すグラフである。なお、図8(a)は、第1実施形態で説明した図5(a)のグラフに対応して、各時刻の温度変化速度をプロットしたものである。図8に示す例では、電動機74の駆動開始の直後に軸受74dの温度変化速度が所定値αsに達した後(図8(a)〜(c):時刻t1の直後)、軸受74dの温度が略一定に落ち着くと、その温度変化速度がゼロに戻っている(図8(a):時刻t2〜t3)。
図7のステップS205において潤滑剤注入監視装置1は、ステップS204で算出した温度変化速度αrが、正の値である第3閾値α3(例えば、0.02℃/sec)以上となる時刻が存在するか否かを判定する。なお、第3閾値α3は、軸受74dの温度上昇が潤滑剤の撹拌抵抗によるものか否かを判定するための閾値であり、予め設定されている。
図8(a)に示す例では、時刻t3に潤滑材が注入され、時刻t3〜t4において軸受74dで撹拌抵抗が増加している。そして、時刻t31では、温度変化速度が値αp(>α3)に達している。図7のステップS205において温度変化速度αrが第3閾値α3以上となる時刻が存在する場合(S205→Yes)、潤滑剤注入監視装置1の処理はステップS107に進む。
なお、図8では、負荷運転の継続中である時刻t3に潤滑材(グリース)が注入される例を示したが、これに限定されない。例えば、負荷運転と無負荷運転とが繰り返される期間(時刻t7以後:図8(c)参照)に潤滑材が注入されることもあるが、その場合にも本実施形態に係る一連の処理(図6、図7参照)は適用可能である。
ステップS107で軸受47dの温度を再び読み込んだ後、ステップS208において潤滑剤注入監視装置1は、軸受74dの温度変化速度αdを算出する。
ステップS209において潤滑剤注入監視装置1は、ステップS208で算出した温度変化速度αdが、負の値である第4閾値α4(例えば、−0.02℃/sec)以下となる時刻が存在するか否かを判定する。なお、第4閾値α4は、軸受74dの温度低下が潤滑剤の粘度の減少によるものか否かを判定するための閾値であり、予め設定されている。
図8(a)に示す例では、時刻t5〜t6において潤滑剤の粘度の減少に伴い撹拌抵抗が低下している。そして、時刻t51では、温度変化速度が値αu(<α4)まで低下している。温度変化速度αrが第4閾値α4以下となる時刻が存在する場合(S209→Yes)、潤滑剤注入監視装置1の処理はステップS110に進む。ステップS110において潤滑剤注入監視装置1は軸受74dに潤滑剤が注入されたと判定する。
ちなみに、ステップS101〜S210の一連の過程において、電動機74は負荷運転し続けている(図8(a)、(c)参照)。
また、温度変化速度αrが第3閾値α3以上となる時刻が存在しないか(S205→No)、又は、温度変化速度αdが第4閾値α4以下となる時刻が存在しない場合(S209→No)、潤滑剤注入監視装置1の処理はステップS111に進む。
ステップS111において潤滑剤注入監視装置1は、軸受74dに潤滑剤が注入されていない(又は、潤滑剤の注入が適切に行われていない)と判定する。
なお、図6、図7に示す一連の処理は、所定周期で繰り返し行われる。
<効果>
本実施形態によれば、軸受74d,74eに潤滑剤が注入されたか否かを、軸受74d,74eの温度変化速度に基づいて判定し、必要に応じてユーザに報知できる(S113)。したがって、ユーザが潤滑剤を注入し忘れることを防止し、ひいては、軸受74d,74eが故障したり、圧縮機211に不具合が生じたりすることを未然に防止できる。
≪第3実施形態≫
第3実施形態に係る潤滑剤注入監視システムA(図9参照)は、圧縮機211a等(機械設備)の稼動情報を統括管理センタ3で収集し、この稼動情報に基づいて軸受74d,74eに潤滑剤が定期的に注入されているか否かを監視する点が、第1実施形態とは異なっている。なお、圧縮機211a等の構成については第1実施形態と同様であるから、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
<潤滑剤注入監視システムの構成>
図9は、第2実施形態に係る潤滑剤注入監視システムAの構成図である。
潤滑剤注入監視システムAは、統括管理センタ3とユーザPC4(Personal Computer)とをネットワークN2を介して接続し、統括管理センタ3が有するサーバ群(図示せず)によって様々なサービスを提供するクラウド・コンピューティングのシステムになっている。
図9に示すように、潤滑剤注入監視システムAは、プラント拠点21,22,23から収集した情報を管理する統括管理センタ3と、ユーザPC4と、サービスセンタ5と、認証サーバ6と、を備えている。
プラント拠点21には、圧縮機211a,211bと、インタフェース212a,212bと、通信手段213と、が設けられている。圧縮機211aの構成は、第1実施形態で説明した圧縮機211(図1参照)と同様である。なお、顧客仕様によって圧縮機211a等の構成が異なる場合もある。
圧縮機211aの制御手段72(図2参照)は、インタフェース212a、通信手段213、及びネットワークN1を介して、圧縮機211aの時々刻々(例えば、1分毎)の稼動情報を統括管理センタ3に送信する。なお、「時々刻々」は、1秒毎でもよいし、数分毎でもよい。
また、前記した「稼動情報」には、温度センサ11a,11b(図2参照)を含む各種センサの検出値と、圧縮機211aが備える電動機74(図2参照)が駆動中であるか否かを示す駆動・停止情報と、電動機74が負荷運転/無負荷運転のいずれを行っているかを示す負荷運転・無負荷運転情報と、が含まれる。
圧縮機211b及びインタフェース212bについては、前記した圧縮機211a及びインタフェース212aと同様であるから説明を省略する。また、プラント拠点22,23についても、前記したプラント拠点21と同様であるから説明を省略する。これらのプラント拠点21,22,23は、圧縮機211a等を所有する企業や自治体が運営している。
以下では、任意の圧縮機について説明する場合、「圧縮機211」と記すものとする。
統括管理センタ3は、ネットワークN1を介してそれぞれのプラント拠点21,22,23から送信される稼動情報を取得し、これらを一括して管理する。また、統括管理センタ3は、ネットワークN2を介して圧縮機211a等に関するさまざまな情報をユーザPC4に提供する。ちなみに、統括管理センタ3は、圧縮機211a等のメーカやメンテナンス専門の企業等が運営している。
ユーザPC4は、例えば、プラント拠点21,22,23の中央管理室(図示せず)にそれぞれ設けられ、統括管理センタ3との間でネットワークN2を介して通信可能になっている。なお、図9ではユーザPC4を1つだけ図示しているが、実際には、プラント拠点21,22,23の中央管理室に設置されたパソコンや、無線の通信カードを用いて中央管理室以外の場所で使用される端末など、ユーザPC4は複数存在する。
サービスセンタ5は、サービス用PC51と、管理用PC52と、を備えている。
サービス用PC51は、圧縮機211の故障発生時にユーザPC4との間でネットワークN2を介して情報をやり取りするためのパソコンであり、サービス員によって操作される。
管理用PC52は、ネットワークN3を介して統括管理センタ3の各記憶手段303,304(図10参照)に格納されている情報を取得できるようになっている。なお、管理用PC52のディスプレイには圧縮機211に関する情報が表示され、これをサービス員が常時監視している。
認証サーバ6は、ユーザの識別子であるユーザIDと、このユーザIDに対応するパスワードと、を認証することでユーザの正当性を確認するサーバである。
<統括管理センタの構成>
図10は、潤滑剤注入監視システムAが備える統括管理センタ3の構成図である。
図10に示すように、統括管理センタ3は、主に、通信手段301と、情報管理手段302と、稼動情報記憶手段303と、故障・保守情報記憶手段304と、潤滑剤注入監視手段305と、を備えている。
通信手段301は、プラント拠点21,22,23にそれぞれ設置された通信手段213,223,233(図11参照)から受信する暗号化された情報を復号化する機能を有している。
情報管理手段302は、情報取得部302aと、情報公開部302bと、を備えている。
情報取得部302aは、圧縮機211の制御手段72(図2参照)から時々刻々と送信される稼動情報をネットワークN1を介して取得し、稼動情報記憶手段303に格納する。
情報公開部302bは、認証サーバ6によって正当性を確認されたユーザPC4から圧縮機211に関する情報の取得指令を受信した場合、この取得指令に対応する情報を各記憶手段303,304から読み出し、ネットワークN2を介してユーザPC4に送信する。
稼動情報記憶手段303には、前記した圧縮機211の稼動情報がデータベースとして格納されている。なお、制御手段72(図1参照)から統括管理センタ3に送信される稼動情報には、それぞれの圧縮機211の識別情報が付されている。
故障・保守情報記憶手段304には、圧縮機211の故障情報及び保守情報が、データベースとして格納されている。なお、「保守情報」には、軸受74d,74e(図2参照)に定期的に潤滑材が注入されているか否かを示す情報が含まれる。
潤滑剤注入監視手段305は、稼動情報記憶手段303に格納されている稼動情報に基づいて、軸受74d,74eに潤滑剤が定期的に注入されているか否かを監視する機能を有している。なお、潤滑剤注入監視手段305が行う処理の詳細については後記する。
バス306は、情報管理手段302、各記憶手段303,304、潤滑剤注入監視手段305、及びF/W309c(Fire Wall)に接続され、前記で説明した情報のやり取りを可能にしている。
通信手段307は、ユーザPC4や認証サーバ6との間でネットワークN2を介して情報を送受信するための通信回線である。通信手段308は、サービスセンタ5との間でネットワークN3を介して情報を送受信するための通信回線である。
F/W309a,309b,309cは、統括管理センタ3の各記憶手段303,304に格納されているデータを第三者に不正に取得されないようにするためのセキュリティ機能を果たしている。
<潤滑剤注入監視システムの処理>
(1.稼動情報の取得)
図11は、稼動情報の取得に関するシーケンスである。
ステップS301において情報取得部302aは、ネットワークN1を介して圧縮機211の制御手段72(図2参照)に稼動情報の送信指令を送信する。
ステップS302において制御手段72は、前記した送信指令に対応する稼動情報を情報取得部302aに対して送信する。前記したように、「稼動情報」には、温度センサ11a,11bの検出値と、圧縮機211に関する駆動・停止情報と、負荷運転・無負荷運転情報と、が含まれる。
ステップS303において情報取得部302aは、制御手段72から取得した圧縮機211の稼動情報を稼動情報記憶手段303に格納する(稼動情報記憶ステップ)。
なお、ステップS301〜S303の処理は、所定時間(例えば、1分間)ごとに繰り返し実行される。また、ステップS301の処理を省略し、制御手段72が情報取得部302aに対して定期的に稼動情報を送信するようにしてもよい。
(2.潤滑剤の注入監視)
図12は、軸受74d,74eへの潤滑剤の注入監視に関するシーケンスである。
ステップS401において潤滑剤注入監視手段305は、稼動情報記憶手段303に記憶されている稼動情報の中から、例えば、過去1年分の軸受74d,74eの温度情報を検索する。
ステップS402において潤滑剤注入監視手段305は、電動機74の駆動中(負荷運転中)に検出された軸受74d,74eの温度を取得する。
ステップS403において潤滑剤注入監視手段305は、軸受74d,74eに関する潤滑剤注入監視処理を実行する(潤滑剤注入監視ステップ)。潤滑剤注入監視処理は、第1実施形態で説明したステップS104〜S112(図3、図4参照)と同様であるから、説明を省略する。
なお、統括管理センタ3に登録されている圧縮機211の機種に応じて、前記した閾値ΔT1(S105:図4参照)、閾値ΔT2(S109:図4参照)を異なる値に設定してもよい。
ステップS404において潤滑剤注入監視手段305は、ステップS403の監視結果を圧縮機211の識別記号と対応付けて故障・保守情報記憶手段304に格納する。
以下では、潤滑剤注入監視手段305によって、軸受74d,74eの少なくとも一方に、潤滑剤が所定期間以上注入されていない場合について説明する。
軸受74d,74eの少なくとも一方に潤滑剤が所定期間以上注入されていない場合(S112→Yes:図4参照)、ステップS405において潤滑剤注入監視手段305は、情報公開部302bに監視結果を通知する。前記した監視結果には、圧縮機211の識別情報と、軸受74d,74eのうち潤滑剤が注入されていない軸受を特定する情報と、が含まれる。
ステップS406において情報公開部302bは、稼動情報記憶手段303に格納されている稼動情報のうち、ステップS405で通知された圧縮機211の所定期間(例えば、過去1年間)の稼動情報を検索し、この稼動情報を取得する(S407)。前記した稼動情報には、軸受74d,74eの温度履歴、圧縮機211の駆動/停止、及び負荷運転/無負荷運転の履歴が含まれる。
ステップS408において情報公開部302bは、ステップS405で通知された監視結果と、ステップS407で取得した稼動情報と、を管理用PC52に送信する。
ステップS409において情報公開部302bは、ステップS405で通知された監視結果と、ステップS407で取得した稼動情報と、をユーザPC4にも送信する。
これによって、ユーザ(圧縮機211の管理者)や、サービスセンタ5(図9参照)のサービス員は、圧縮機211の軸受74d,74eに潤滑剤が所定期間以上注入されていないことをすぐに把握できる。また、軸受74d,74eの温度履歴等を即座に閲覧できる。
<効果>
本実施形態に係る潤滑剤注入監視システムAによれば、統括管理センタ3の各記憶手段303,304に圧縮機211に関する膨大な時系列データ(稼動情報等)を格納し、この時系列データに基づいて軸受74d,74eに潤滑剤が注入されたか否かを監視できる。つまり、各軸受74d,74eの温度を長期間に亘って統括管理センタ3に収集し、軸受74d,74eに定期的に潤滑剤が注入されているかを常時監視できる。
また、本実施形態では、統括管理センタ3側で軸受74d,74eへの潤滑剤の注入の有無を監視し、その監視結果をユーザに提供するクラウド・コンピューティングのシステムになっている。したがって、ユーザが用意すべきものは最低限の接続環境のみであり、ユーザは、既存の圧縮機211に大きな変更を加えることなく、潤滑剤の注入に関する情報を容易に取得できる。また、プラント拠点21,22,23に大容量の記憶装置を設置する必要がないため、ユーザが圧縮機211を管理するためのコストを大幅に軽減できる。
≪変形例≫
以上、本発明に係る潤滑剤注入監視装置1及び潤滑剤注入監視システムAについて各実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、各実施形態では、圧縮機211(図1参照)がオイルフリースクリュー圧縮機である場合について説明したが、これに限らない。すなわち、他の種類の圧縮機(ターボ式、ベーン式、ダイヤフラム式など)にも適用できる。また、各実施形態では、電動機74に圧縮機本体71が連結される構成について説明したが(図1参照)、これに限らない。例えば、発電プラント、原子力プラント、水処理プラントに設置される機器等、電動機を備える他の種類の機械設備にも、各実施形態を適用できる。
また、機械設備が備える電動機74の駆動中、負荷運転/無負荷運転の切替えを行わない場合には、第1、第2実施形態で説明したステップS101の処理(図3、図6参照)に代えて、電動機74が駆動中であるか否かを判定すればよい。この場合、電動機74の駆動を開始してから所定時間ΔtAが経過した後の軸受74d,74eの温度変化(又は温度変化速度)に基づいて、潤滑剤の注入に関する判定処理が行われる。
また、各実施形態は、適宜組み合わせることができる。例えば、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせ、図12に示す潤滑剤注入監視処理(S403)において、軸受74d,74eの温度変化速度に基づき、潤滑剤が注入されたか否かを判定するようにしてもよい(図6、図7参照)。
また、前記した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加える事も可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
1 潤滑剤注入監視装置
11a,11b 温度センサ(温度検出手段)
12 管理用コンピュータ
12a 潤滑剤注入監視手段
12b 報知手段
211,211a,211b,221,231 圧縮機
71 圧縮機本体
72 制御手段
73 インバータ盤
74 電動機
74a 固定子
74b 回転子
74c 軸部材(回転軸部材)
74d,74e 軸受
A 潤滑剤注入監視システム
302 情報管理手段
302a 情報取得部
302b 情報公開部
303 稼動情報記憶手段
304 故障・保守情報記憶手段
305 潤滑剤注入監視手段
N1 ネットワーク

Claims (10)

  1. 電動機の回転軸部材を軸支する軸受の温度を検出する温度検出手段と、
    前記軸受に潤滑剤が注入されたか否かを監視する潤滑剤注入監視手段と、を備え、
    前記潤滑剤注入監視手段は、前記温度検出手段によって検出される前記軸受の温度が、前記電動機の駆動中に上昇した後、低下に転じた場合、前記軸受に潤滑剤が注入されたと判定すること
    を特徴とする潤滑剤注入監視装置。
  2. 電動機の回転軸部材を軸支する軸受の温度を検出する温度検出手段と、
    前記軸受に潤滑剤が注入されたか否かを監視する潤滑剤注入監視手段と、を備え、
    前記潤滑剤注入監視手段は、前記温度検出手段によって検出される前記軸受の温度変化速度が、前記電動機の駆動中に正の値になった後、負の値に転じた場合、前記軸受に潤滑剤が注入されたと判定すること
    を特徴とする潤滑剤注入監視装置。
  3. 前記潤滑剤注入監視手段は、前記軸受の温度変化速度が、前記電動機の駆動中に、正の値である第3閾値以上になった後、負の値である第4閾値以下になった場合、前記軸受に潤滑剤が注入されたと判定すること
    を特徴とする請求項2に記載の潤滑剤注入監視装置。
  4. 前記電動機は、負荷運転と無負荷運転とを切替可能な圧縮機の駆動源であり、
    前記負荷運転は、前記圧縮機の吐出側に設けられた放風弁が閉弁された状態で、前記電動機が駆動される運転であり、
    前記無負荷運転は、前記放風弁が開弁された状態で、前記電動機が駆動される運転であること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の潤滑剤注入監視装置。
  5. 前記潤滑剤注入監視手段は、前記圧縮機が前記負荷運転中である場合、前記軸受に潤滑剤が注入されたか否かの前記判定を行うこと
    を特徴とする請求項4に記載の潤滑剤注入監視装置。
  6. 電動機を備える機械設備の稼動情報がネットワークを介して取得され、前記機械設備の識別情報と対応付けて格納される稼動情報記憶手段と、
    前記稼動情報記憶手段に格納される前記稼動情報に基づいて、前記電動機の回転軸部材を軸支する軸受に潤滑剤が注入されたか否かを監視する潤滑剤注入監視手段と、を備え、
    前記稼動情報には、前記軸受の温度を検出する温度検出手段の検出値と、前記電動機が駆動中であったか否かを示す駆動・停止情報と、が含まれ、
    前記潤滑剤注入監視手段は、前記温度検出手段によって検出された前記軸受の温度が、前記電動機の駆動中に上昇した後、低下に転じた場合、前記軸受に潤滑剤が注入されたと判定すること
    を特徴とする潤滑剤注入監視システム。
  7. 前記潤滑剤注入監視手段は、前記稼動情報記憶手段に記憶されている前記稼動情報から前記電動機の駆動中における前記温度検出手段の検出値を抽出し、抽出した前記検出値に基づいて、前記軸受に潤滑剤が注入されたか否かの前記判定を行うこと
    を特徴とする請求項6に記載の潤滑剤注入監視システム。
  8. 電動機の回転軸部材を軸支する軸受の温度を検出する温度検出ステップと、
    前記軸受に潤滑剤が注入されたか否かを監視する潤滑剤注入監視ステップと、を含み、
    前記潤滑剤注入監視ステップにおいて、前記温度検出ステップで検出される前記軸受の温度が、前記電動機の駆動中に上昇した後、低下に転じた場合、前記軸受に潤滑剤が注入されたと判定すること
    を特徴とする潤滑剤注入監視方法。
  9. 電動機を備える機械設備の稼動情報がネットワークを介して取得され、前記機械設備の識別情報と対応付けて稼動情報記憶手段に格納される稼動情報記憶ステップと、
    前記稼動情報記憶手段に格納される前記稼動情報に基づいて、前記電動機の回転軸部材を軸支する軸受に潤滑剤が注入されたか否かを監視する潤滑剤注入監視ステップと、を含み、
    前記稼動情報には、前記軸受の温度を検出する温度検出手段の検出値と、前記電動機が駆動中であったか否かを示す駆動・停止情報と、が含まれ、
    前記潤滑剤注入監視ステップにおいて、前記温度検出手段によって検出された前記軸受の温度が、前記電動機の駆動中に上昇した後、低下に転じた場合、前記軸受に潤滑剤が注入されたと判定すること
    を特徴とする潤滑剤注入監視方法。
  10. 前記潤滑剤注入監視ステップにおいて、前記稼動情報記憶手段に記憶されている前記稼動情報から前記電動機の駆動中における前記温度検出手段の検出値を抽出し、抽出した前記検出値に基づいて、前記軸受に潤滑剤が注入されたか否かの前記判定を行うこと
    を特徴とする請求項9に記載の潤滑剤注入監視方法。
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