JP6538117B2 - 電磁弁の制御装置及び電磁弁動作の検知方法 - Google Patents

電磁弁の制御装置及び電磁弁動作の検知方法

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本発明は、電磁弁の制御装置及び電磁弁動作の検知方法に係り、例えば内燃機関に配設された電磁式燃料噴射弁に使用される電磁弁の制御装置及び電磁弁動作の検知方法に関する。
従来から、例えば自動車産業においては、排気ガス中に含まれる未燃粒子状物質(PM:particulate matter)の数量(未燃粒子状物質数(PN:particulate number))を低減するための技術開発が進められている。そのような従来技術として、例えば内燃機関に配設された燃料噴射弁から噴射される燃料の噴霧特性を改善したり、燃料噴射の勢いを低減することによって、内燃機関の燃焼室内に噴射された燃料の壁面付着を抑制する技術が知られている。特に、燃料噴射の勢いを低減する技術としては、一回の燃焼行程に必要な燃料を複数回に分割して噴射(多段噴射)し、一回当たりの燃料噴射量を低減する技術が提案されている。
ところで、燃料噴射弁から内燃機関の燃焼室等へ燃料を噴射する場合に、各燃料噴射弁を図22の上図のように同一の噴射パルス(燃料噴射弁の開閉を制御する駆動パルス)で駆動したとしても、各燃料噴射弁のスプリング特性やソレノイド特性等に基づいて各燃料噴射弁の弁体の動きが変化し、各燃料噴射弁の開弁開始時間や閉弁完了時間、開弁開始から閉弁完了までの時間幅が図22の下図のようにばらつくことが知られている。すなわち、燃料噴射弁から内燃機関の燃焼室等へ噴射される燃料噴射量は、各燃料噴射弁のスプリング特性やソレノイド特性等に基づく噴射特性に応じて各個体毎にばらつくと考えられている。また、この燃料噴射量のばらつき量は、各燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量に関わらず略一定であるため、例えば上記したように多段噴射によって一回当たりの燃料噴射量を低減した場合には、一回当たりの燃料噴射量に対するばらつき量の割合が相対的に大きくなり、一回の燃焼行程で噴射される燃料噴射量が目標とする燃料噴射量から大きく乖離してしまうといった問題が生じ得る。
このような問題に対し、特許文献1には、各燃料噴射弁の噴射特性に応じて各燃料噴射弁の噴射パルスを変更し、各燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量を制御するために、燃料噴射弁を構成する電磁式アクチュエータの作動状態の変化を検知する技術が開示されている。
特許文献1に開示されている検知方法は、インダクタンスを有する電磁石とその電磁石によって制御される可動子とを備えた電磁式アクチュエータにおいて、所定時間のインダクタンスから電磁式アクチュエータの作動状態の変化を検知する方法であり、例えば、インダクタンスが増減したときや電磁石を通る電流測定値の傾きが変化したとき、電磁石を通る電流の電流測定パターンと予め用意した電流評価パターンの少なくとも一つとが一致したときなどに、アクチュエータの作動状態が変化したことを検知する方法である。
米国特許出願公開第2011/0170224号明細書
しかしながら、特許文献1に開示されている検知方法においては、インダクタンスの変化を直接測定することが難しいといった課題がある。また、電磁石を通る電流・電圧値の傾きの変化を検出する場合にはその電流・電圧値の時系列データを2階微分する必要があるものの、1階微分毎に時系列データに含まれるノイズが強調されるため、電流・電圧値の傾きの変化を精緻に検出することは難しいといった課題がある。さらに、電磁式アクチュエータの駆動回路の特性などに応じて電流測定パターン(電流値の大小や傾きなど)は変化するため、電磁石を通る電流の電流測定パターンと電流評価パターンの少なくとも一つとを比較する場合には、そのような多数の電流測定パターンに対応し得る多数の電流評価パターンを予め用意しておく必要があるといった課題もある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡便な構成でもって、電磁弁の作動状態の変化、すなわち電磁弁の開弁時間や閉弁時間を精緻に検知し、電磁弁に印加される駆動電圧や駆動電流を精緻に補正して電磁弁の開閉を適正に制御することのできる電磁弁の制御装置及び電磁弁動作の検知方法を提供することにある。
上記する課題を解決するために、本発明に係る電磁弁の制御装置は、電磁弁への駆動電圧又は駆動電流に基づいて、前記電磁弁の動作を検知する電磁弁の制御装置において、前記駆動電圧又は前記駆動電流をデジタル信号に変換するA/D変換部と、所定周波数でゲインが約0となるフィルタ部と、前記デジタル信号を前記フィルタ部に入力したときの出力に基づき、前記電磁弁の動作を検知する検知部と、を備えることを特徴とする。また、本発明に係る電磁弁動作の検知方法は、電磁弁への駆動電圧又は駆動電流に基づいて、前記電磁弁の動作を検知する電磁弁動作の検知方法において、前記駆動電圧又は前記駆動電流をA/D変換部によりデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を所定周波数でゲインが約0となるフィルタ部に入力したときの出力に基づき、前記電磁弁の動作を検知することを特徴とする。
以上の説明から理解できるように、本発明によれば、電磁弁を開閉した際の駆動電圧や駆動電流の時系列データから変曲点が検出される時間に基づいて、電磁弁の開弁開始時間や開弁完了時間、電磁弁の閉弁完了時間を精緻に検知することができるため、その電磁弁の開弁開始時間や開弁完了時間、閉弁完了時間を用いて電磁弁に印加される駆動電圧や駆動電流を補正することによって、電磁弁の開閉を適正に制御することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る電磁弁の制御装置の実施形態1を用いた内燃機関の制御装置が適用された燃料噴射装置の全体構成を示した全体構成図。 図1に示す燃料噴射弁から燃料を噴射する際の、噴射パルス、スイッチの作動状態、駆動電圧、駆動電流、弁体の変位量の一例を時系列で示した図。 駆動電圧が相対的に小さい場合の、弁体の変位量と駆動電圧と駆動電流の一例を時系列で示した図。 駆動電圧が相対的に大きい場合の、弁体の変位量と駆動電圧と駆動電流の一例を時系列で示した図。 (a)は駆動電流と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図、(b)は駆動電流の1階微分と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図、(c)は駆動電流の2階微分と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図。 (a)は駆動電圧と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図、(b)は駆動電圧の1階微分と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図、(c)は駆動電圧の2階微分と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図。 駆動電流や駆動電圧から変曲点を検出する際に用いる1次遅れローパスフィルタを説明した図であって、(a)はそのフィルタ係数を説明した図、(b)はその周波数−ゲイン特性を説明した図。 駆動電流や駆動電圧から変曲点を検出する際に用いるハニング窓を説明した図であって、(a)はそのフィルタ係数を説明した図、(b)はその周波数−ゲイン特性を説明した図。 図1に示すECUの内部構成の一例を模式的に示した内部構成図。 2つの燃料噴射弁の噴射パルス補正値と弁体の変位量の一例を時系列で示した図。 図1に示すECUの内部構成の他例を模式的に示した内部構成図。 開弁開始偏差と開弁完了偏差の関係を模式的に示した模式図。 (a)はハニング窓のフィルタ係数を説明した図、(b)はハニング窓の2階差分のフィルタ係数を説明した図。 駆動電流や駆動電圧から変曲点を検出する際に用いる高域抽出フィルタを説明した図であって、(a)は図8(b)に示すハニング窓の周波数−ゲイン特性に乗じる2階差分の周波数−ゲイン特性を説明した図、(b)はその周波数−ゲイン特性を説明した図。 本発明に係る電磁弁の制御装置の実施形態2を用いた内燃機関の制御装置が適用された燃料噴射装置の全体構成を示した全体構成図。 駆動電流や駆動電圧の変動を模式的に説明した模式図であって、(a)は駆動電流や駆動電圧のレベルの変動を説明した図、(b)は駆動電流や駆動電圧の傾きの変動を説明した図。 (a)は駆動電流や駆動電圧から変曲点を検出する際に用いる高域抽出フィルタの一例を説明した図、(b)は駆動電流や駆動電圧から変曲点を検出する際に用いる高域抽出フィルタの他例を説明した図、(a)は駆動電流や駆動電圧から変曲点を検出する際に用いる高域抽出フィルタの更に他例を説明した図。 フィルタに信号を入力した際の出力を模式的に説明した模式図。 フィルタに信号を入力した際の出力を模式的に説明した模式図。 参照パターンと信号との相関から極値を検出する方法を模式的に説明した模式図。 本発明に係る電磁弁の制御装置の実施形態3を用いた内燃機関の制御装置が適用された燃料噴射装置の全体構成を示した全体構成図。 従来の燃料噴射装置の燃料噴射弁から燃料を噴射する際の噴射パルスと弁体の変位量を時系列で示した図。
以下、本発明に係る電磁弁の制御装置及び電磁弁動作の検知方法の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、電磁弁として内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射する電磁式の燃料噴射弁を採用し、電磁弁の制御装置が内燃機関の制御装置に用いられる形態について説明するが、電磁弁としては電磁駆動される適宜の弁を採用することができる。
[実施形態1]
図1は、本発明に係る電磁弁の制御装置の実施形態1を用いた内燃機関の制御装置が適用された燃料噴射装置の全体構成を示したものである。
図示する燃料噴射装置100は、主として、電磁式燃料噴射弁(電磁弁)10と、エンジンドライブユニット(EDU:Engine Drive Unit)(駆動回路)20と、エンジンコントローラユニット(ECU:Engine Control Unit)(内燃機関の制御装置)30とから構成されている。なお、ECU20とEDU30とは別体として構成してもよいし、一体として構成してもよい。
電磁式燃料噴射弁10は、主に、筒体9と、筒体9の内部に固定配置された筒状の固定コア1と、筒体9を介して固定コア1の外側に配置されたボビン3aに捲回されたソレノイド3と、固定コア1の下方且つ筒体9に対して軸線L方向へ相対的に移動自在に配置された可動子5と、可動子5の移動に応じて筒体9に対して軸線L方向へ相対的に移動する弁体6と、筒体9の下端に配置され且つ弁体6の移動に応じて開閉される弁孔(燃料噴射孔)7aを有する弁座7と、を備えている。また、固定コア1の内部には調整子2が圧入され、調整子2と可動子5の間には、可動子5を弁座7方向(下方)へ向かって付勢するセットスプリング4が配置されている。なお、ソレノイド3は、筒体9の外側に配設されたハウジング3b内に収容されている。
可動子5の下端には貫通孔が形成され、弁体6の上端がその貫通孔に挿入されている。弁体6は、可動子5の貫通孔の周縁部から構成される可動子ガイド5aと弁座7の上側に配置されたガイド部材8とによって軸線L方向へ移動するように支持されている。また、弁体6の上端のうち可動子ガイド5aの上方には、可動子5の貫通孔よりも相対的に大きな外形の突設部6aが形成されており、可動子5が上方へ向かって移動した際に弁体6の突設部6aと可動子5の貫通孔を構成する可動子ガイド5aとが接触することによって、可動子5と弁体6とが一体で上方へ移動するようになっている。
電磁式燃料噴射弁10のソレノイド3に通電していない状態では、セットスプリング4の付勢力によって可動子5が弁座7へ向かって付勢され、弁体6の下端6bが弁座7と当接して弁座7に形成された弁孔7aが閉止される。また、ソレノイド3へ通電した状態では、可動子5を固定コア1へ吸引する磁気吸引力が発生され、その磁気吸引力がセットスプリング4の付勢力に打ち勝つと、可動子5が固定コア1と衝突するまで固定コア1へ向かって吸引され、可動子5の移動に応じて弁体6の下端6bが弁座7と離間して弁座7の弁孔7aが開放される。なお、ソレノイド3への通電が遮断されると、可動子5を固定コア1へ吸引する磁気吸引力が消滅し、セットスプリング4の付勢力によって可動子5が弁座7へ向かって付勢され、弁体6の下端6bが弁座7へ押し戻されて弁孔7aが閉止されるようになっている。
ECU30は、例えばエンジンの回転数、吸入空気量、温度等の各種情報に基づいて、燃料噴射弁10の弁孔7aから内燃機関の燃焼室等に燃料を噴射する時間と時間幅を算出し、燃料噴射開始から燃料噴射終了までオン状態として燃料噴射弁10の開弁開始から閉弁完了までの開弁継続時間を規定する噴射パルスをEDU20へ出力する。
EDU20は、バッテリ電圧VBを数十Vまで昇圧して昇圧電圧Vboostを生成し、バッテリ電圧VB、昇圧電圧Vboost、接地電圧VGと燃料噴射弁10のソレノイド3との間のスイッチSW1、SW2、SW3をECU30から出力される噴射パルスに基づいて切り替え、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧を制御してソレノイド3へ供給する駆動電流を制御する。
燃料噴射弁10は、EDU20によって印加される駆動電圧に応じてソレノイド3の通電状態が変化することで、上記したように燃料噴射弁10の弁孔7aの開閉が制御され、当該弁孔7aから所望の量の燃料を所望の時間だけ噴射する。
図2を参照して、ECU30から出力される噴射パルス、EDU20のスイッチSW1、SW2、SW3の作動状態、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧と駆動電流、弁体6の変位量について具体的に説明する。図2は、図1に示す燃料噴射弁10から燃料を噴射する際の、噴射パルス、スイッチの作動状態、駆動電圧、駆動電流、弁体の変位量の一例を時系列で示したものである。
なお、駆動電圧は、燃料噴射弁10のソレノイド3を挟む2点間の電圧で計測してもよいし、バッテリ電圧VBあるいは昇圧電圧Vboostが印加される側の電圧と接地電圧VGとの間の電圧で計測してもよいし、ソレノイド3の接地側(LowSide端子)と接地電圧VGとの間の電圧で計測してもよい。また、駆動電流は、ソレノイド3の接地側と接地電圧VGとの間にシャント抵抗SMDを挟み、シャント抵抗SMDに加わる電圧から換算する(図1参照)。
時間T0〜T1では、ECU30から出力される噴射パルスがオフ状態となっており、EDU20のスイッチSW1、SW2、SW3が全てオフ状態となっていて、燃料噴射弁10のソレノイド3に駆動電流が供給されていない。したがって、燃料噴射弁10の可動子5及び弁体6はセットスプリング4の付勢力によって弁座7の閉弁方向へ付勢され、弁体6の下端6bが弁座7と密着しており、弁孔7aが閉弁されて当該弁孔7aから燃料が噴射されていない。
次いで、時間T1で、噴射パルスがオン状態となり、スイッチSW1、SW2がオン状態となり、昇圧電圧Vboost〜ソレノイド3〜接地電圧VGの間が導通され(ソレノイド3の駆動電圧はVboost)、ソレノイド3に駆動電流が供給されると(図1中、矢印X1に示す電流の流れ)、固定コア1と可動子5との間に磁束が通過して可動子5に磁気吸引力が作用する。ソレノイド3に供給される駆動電流が増加し、可動子5に作用する磁気吸引力がセットスプリング4による付勢力を超過すると、可動子5が固定コア1の方向へ吸引されて移動し始める(時間T1〜T2)。可動子5が所定長さ(可動子5の可動子ガイド5aと弁体6の突設部6aとが当接する長さ)だけ移動すると、可動子5と弁体6とが一体となって軸線L方向へ移動し始め(時間T2)、弁体6の下端6bが弁座7から離間し、弁孔7aが開弁されて当該弁孔7aから燃料が噴射される。
可動子5と弁体6とは、可動子6が固定コア1に衝突するまで一体となって移動するものの、可動子6と固定コア1とが勢いよく衝突すると可動子5が固定コア1で跳ね返って弁孔7aから噴射される燃料の流量が乱れる。そこで、可動子5が固定コア1に衝突する前の時間T3で、スイッチSW1、SW2をオフ状態とし、ソレノイド3に印加される駆動電圧を減少させ、駆動電流をピーク値Ipeakから減少させて可動子5及び弁体6の勢いを低下させる。
そして、時間T4から噴射パルスが立ち下がる時間T6までは、弁体6及び可動子5を固定コア1に引き寄せるのに十分な磁気吸引力のみを供給するため、スイッチSW2をオン状態に維持した状態でスイッチSW3を間欠的にオン状態とし(スイッチSW3をPMW制御)、ソレノイド3に印加される駆動電圧を間欠的にバッテリ電圧VBとし、ソレノイド3に流れる駆動電流が所定の範囲内に収まるように制御する(図1中、矢印X2に示す電流の流れ)。なお、時間T5では、可動子5と固定コア1とが衝突し、弁体6が目標リフト量まで変位している。
時間T6で、噴射パルスがオフ状態となり、スイッチSW1、SW2、SW3が全てオフ状態とになり、ソレノイド3の駆動電圧が減少し、ソレノイド3に流れる駆動電流が減少すると、固定コア1と可動子5との間に発生した磁束が次第に消滅し、可動子5に作用する磁気吸引力が消滅し、弁体6は、セットスプリング4の付勢力と燃圧による押圧力により、所定の時間遅れを持って弁座7の閉弁方向へ押し戻される。そして、時間T7では、弁体6が元に位置まで戻され、弁体6の下端6bが弁座7に密着し、弁孔7aが閉弁されて当該弁孔7aから燃料が噴射されなくなる。
ここで、ECU30は、例えば燃料噴射弁10の弁孔7aの開弁開始時間T2と閉弁完了時間T7を精緻に検知し、開弁開始時間T2から閉弁完了時間T7までの時間が目標とする時間幅に一致するように適正な噴射パルスを生成することによって、燃料噴射弁10のスプリング特性やソレノイド特性等に基づく噴射特性に応じた噴射量のばらつきを抑制し、燃料噴射弁10の弁孔7aから噴射される燃料噴射量を目標とする燃料噴射量に近づけることができる。
図3〜図6を参照して、ECU30の噴射パルスの生成に関わる燃料噴射弁10の弁孔7aの開弁開始時間や開弁完了時間と閉弁完了時間とを検知する方法について具体的に説明する。図3は、駆動電圧が相対的に小さい場合の、弁体の変位量と駆動電圧と駆動電流の一例を時系列で示したものであり、図4は、駆動電圧が相対的に大きい場合の、弁体の変位量と駆動電圧と駆動電流の一例を時系列で示したものである。なお、図3及び図4の駆動電圧では、ソレノイド3の接地側と接地電圧VGとの間の電圧(LowSide電圧)を実線、燃料噴射弁10のソレノイド3を挟む2点間の電圧(端子間電圧)を破線で示している。また、図5(a)は駆動電流と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図、図5(b)は駆動電流の1階微分と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図、図5(c)は駆動電流の2階微分と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図である。また、図6(a)は駆動電圧と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図、図6(b)は駆動電圧の1階微分と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図、図6(c)は駆動電圧の2階微分と正規化された弁体変位量の一例を時系列で示した図である。
燃料噴射弁10の弁孔7aの開弁開始時間や開弁完了時間と閉弁完了時間の検知方法を概説すると、燃料噴射弁10の弁孔7aを開弁する際には、上記したように、一旦ソレノイド3に相対的に大きな駆動電圧が印加され、ソレノイド3に相対的に大きな駆動電流が流されて、可動子5と弁体6とが加速される。次いで、ソレノイド3に印加される駆動電圧が遮断され、ソレノイド3に流れる駆動電流が所定値まで減少された後、ソレノイド3に相対的に小さい一定の駆動電圧が印加されると、ソレノイド3に流れる駆動電流が安定した状態で可動子5が固定コア1に衝突する。可動子5と固定コア1とが衝突すると、可動子5の加速度が変化し、それによりソレノイド3のインダクタンスが変化する。ここで、ソレノイド3のインダクタンスの変化は、ソレノイド3に流れる駆動電流あるいはソレノイド3に印加される電圧駆動の変化に表れると考えられるものの、弁孔7aを開弁する際(具体的には開弁開始時間や開弁完了時間)には駆動電圧が略一定に維持されるため、開弁開始時間や開弁完了時間は、ソレノイド3に流れる駆動電流の変化から検知することができる。
一方で、燃料噴射弁10の弁孔7aを閉弁する際には、弁体6が弁座7と衝突して可動子5の加速度が変化し、それによりソレノイド3のインダクタンスが変化する。弁孔7aを閉弁する際(具体的には閉弁完了時間)にはソレノイド3に流れる駆動電流が0となるため、閉弁完了時間は、ソレノイド3に印加される駆動電圧の変化から検知することができる。
図3に示すように、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧が相対的に小さく、可動子5の可動子ガイド5aと弁体6の突設部6aとが接触して弁体6が移動し始めた際にソレノイド3に流れる駆動電流が比較的安定している場合には、可動子5の可動子ガイド5aと弁体6の突設部6aとが接触して弁孔7aが開弁し始める時点で、ソレノイド3に流れる駆動電流が僅かに変化するため、ソレノイド3の駆動電流の時系列データから変曲点が検出される時間から開弁開始時間を検知することができる。
また、可動子5と弁体6とが下方へ移動し、弁体6の下端6bが弁座7と当接して燃料噴射弁10の弁孔7aが閉弁される際には、ソレノイド3に流れる駆動電流が0であり、ソレノイド3に駆動電圧のみが印加されており、弁孔7aが閉弁された時点でソレノイド3に印加される駆動電圧のみが僅かに変化するため、ソレノイド3の駆動電圧の時系列データから変曲点が検出される時間から閉弁完了時間を検知することができる。
また、図4に示すように、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧が相対的に大きく、可動子5の可動子ガイド5aと弁体6の突設部6aとが接触して弁孔7aが開弁する時点でソレノイド3に流れる駆動電流の変化を検知することが難しい場合には、可動子5と固定コア1とが衝突して(弁体6の変位量が目標リフト量に到達して)弁孔7aの開弁が完了する時点で、ソレノイド3に流れる駆動電流が変化するため、ソレノイド3の駆動電流の時系列データから変曲点が検出される時間から開弁完了時間を検知することができる。
より具体的には、図5(a)〜(c)に示すように、燃料噴射弁10のソレノイド3に流れる駆動電流の時系列データを2階微分し、その駆動電流の時系列データの2階微分から極大値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる開弁完了時間に最も近い時間(図5(c)中、t11)が、開弁完了時間(弁体6の変位量が目標リフト量に到達して弁孔7aの開弁が完了する時間)であると特定することができる。なお、駆動電流の時系列データの2階微分から極大値が検出される時間とは、駆動電流の時系列データから変曲点が検出される時間である。
また、図6(a)〜(c)に示すように、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧の時系列データを2階微分し、その駆動電圧の時系列データの2階微分から極大値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる閉弁完了時間に最も近い時間(図6(c)中、t21)が、閉弁完了時間(弁体6が元の位置まで戻って弁孔7aの閉弁が完了する時間)であると特定することができる。なお、駆動電圧の時系列データの2階微分から極大値が検出される時間とは、駆動電圧の時系列データから変曲点が検出される時間である。
ところで、計測される駆動電流や駆動電圧のS/N比が低く、そのノイズレベルが大きい場合やA/D変換の分解能が低い場合には、駆動電流や駆動電圧の時系列データの2階微分の結果から所望の極値(極大値または極小値)を検知することが難しくなる。
例えばノイズレベルが小さい場合には、ECU30は、例えば出力のラプラス変換X(s)、Y(s)の関係が以下の式(1)で表され、図7(a)に示すフィルタ係数を有し、図7(b)に示す周波数−ゲイン特性の1次遅れローパスフィルタを駆動電流や駆動電圧のデータに施して2階微分することで、駆動電流や駆動電圧の時系列データの2階微分の結果から所望の極値を検知することが考えられる。
Figure 0006538117
一方で、図7(a)に示す1次遅れローパスフィルタは、図7(b)に示すように周波数特性が緩やかに変化するため、例えばノイズレベルが大きい場合には、駆動電流や駆動電圧のデータからノイズを効率的に除去することが難しい。そこで、ノイズレベルが大きい場合やA/D変換の分解能が低い場合には、ECU30は、例えば以下の式(2)及び図8(a)に示すフィルタ係数を有し、図8(b)に示す周波数−ゲイン特性のハニング窓(Hanning Window)を駆動電流や駆動電圧の信号に施して2階微分することで、駆動電流や駆動電圧のデータからノイズを効率的に除去しながら、駆動電流や駆動電圧の時系列データの2階微分の結果から所望の極値を検知する。
Figure 0006538117
図9は、図1に示すECUの内部構成の一例を模式的に示したものである。なお、図9では、図3に基づき説明したように、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧が相対的に小さく、可動子5と弁体6とが接触して弁体6が移動し始めた際にソレノイド3に流れる駆動電流が比較的安定している場合であって、ソレノイド3の駆動電流や駆動電圧の時系列データから変曲点が検出される時間から開弁開始時間や閉弁完了時間を検知し得る場合について説明する。また、図9では、燃料噴射弁10の構成のうちソレノイド3のみを示している。
図示するように、ECU30は、主に、開弁開始時間に対応する時間を検知する開弁開始時間検知部25と、閉弁完了時間に対応する時間を検知する閉弁完了時間検知部35と、開弁開始時間検知部25によって検出された開弁開始時間と閉弁完了時間検知部35によって検出された閉弁完了時間とを用いてEDU20へ出力する噴射パルスを補正する噴射パルス補正部45と、を備えている。
ECU30の開弁開始時間検知部25は、燃料噴射弁10のソレノイド3のLowSide端子と接地電圧VGとの間に設けられたシャント抵抗SMDに加わる電圧をA/D変換して駆動電流に比例した信号を得るA/D変換器21と、デジタル化された駆動電流信号を平滑化するHanning Window22と、Hanning Window22によって平滑化された信号を2階差分する2階差分器23と、2階差分器23によって2階差分されて変曲点が強調された信号から極値を検出するピーク検出器24と、を有している。ECU30の開弁開始時間検知部25は、ピーク検出器24によって極値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる基準開弁開始時間に最も近い時間を特定することによって、ソレノイド3に流れる駆動電流に比例した信号から開弁開始時間に対応する時間を検知し、検知されたその開弁開始時間を噴射パルス補正部45へ送信する。
また、ECU30の閉弁完了時間検知部35は、燃料噴射弁10のソレノイド3のLowSide端子の電圧(駆動電圧)をA/D変換するA/D変換器31と、デジタル化された電流信号を平滑化するHanning Window32と、Hanning Window32によって平滑化された信号を2階差分する2階差分器33と、2階差分器33によって2階差分されて変曲点が強調された信号から極値を検出するピーク検出器34と、を有している。ECU30の閉弁完了時間検知部35は、ピーク検出器34によって極値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる基準閉弁完了時間に最も近い時間を特定することによって、ソレノイド3に印加される駆動電圧から閉弁完了時間に対応する時間を検知し、検知されたその閉弁完了時間を噴射パルス補正部45へ送信する。
また、ECU30の噴射パルス補正部45は、主に、目標燃料噴射量Qを静流(燃料噴射弁10のフルリフト状態の流量)Qstで除した値と燃料噴射弁10の流量特性に基づく基準噴射パルス幅Tiとの関係を示す基準特性マップM40、基準となる開弁開始時間を記憶する基準開弁開始時間メモリ41、基準となる閉弁完了時間を記憶する基準閉弁完了時間メモリ42、開弁開始時間検知部25から送信された開弁開始時間と基準開弁開始時間メモリ41から出力された基準開弁開始時間との開弁開始偏差を噴射毎のばらつきを平滑化して記憶する開弁開始偏差メモリ43、及び、閉弁完了時間検知部35から送信された閉弁完了時間と基準閉弁完了時間メモリ42から出力された基準閉弁完了時間との閉弁完了偏差を噴射毎のばらつきを平滑化して記憶する閉弁完了偏差メモリ44を有している。ここで、同じ運転条件で同じ燃料噴射弁10から燃料を噴射したとしても、燃料噴射弁10の弁孔7aの開閉時間は噴射毎に僅かにばらつく(ショットばらつき)ため、開弁開始偏差メモリ43及び閉弁完了偏差メモリ44は、燃料噴射弁10から燃料を複数回噴射した際に検知される複数の開弁開始偏差及び閉弁完了偏差を平均化し、その平均化された開弁開始偏差及び閉弁完了偏差を開弁開始偏差及び閉弁完了偏差として記憶するようになっている。
噴射パルス補正部45は、開弁開始検知モードフラグが設定されると、差分手段46によって開弁開始時間検知部25から送信された開弁開始時間と基準開弁開始時間メモリ41から出力された基準開弁開始時間との偏差を算出し、その算出結果を開弁開始偏差として開弁開始偏差メモリ43に記憶する。また、差分手段47によって閉弁完了時間検知部35から送信された閉弁完了時間と基準閉弁完了時間メモリ42から出力された基準閉弁完了時間との偏差を算出し、その算出結果を閉弁完了偏差として閉弁完了偏差メモリ44に記憶する。
次いで、噴射パルス補正部45は、差分手段48によって開弁開始偏差メモリ43から出力される開弁開始偏差と閉弁完了偏差メモリ44から出力される閉弁完了偏差との噴射パルス幅偏差を算出し、差分手段49によって標準特性マップM40から出力される基準噴射パルス幅Tiと噴射パルス幅偏差との偏差を算出することによって、開弁開始から閉弁完了までの開弁継続時間を規定する新たな噴射パルス(噴射パルス補正値)を生成する。
ECU30は、その噴射パルス補正値に基づいてEDU20の各スイッチSW1、SW2、SW3の作動状態を制御(フィードバック制御)し、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧やソレノイド3に流れる駆動電流を制御し、燃料噴射弁10の弁孔7aの開閉を適正に制御して燃料噴射弁10から噴射される燃料噴射量を目標とする燃料噴射量へ制御する。
このように、例えば内燃機関に複数の燃料噴射弁が配設され、各燃料噴射弁のスプリング特性やソレノイド特性等に基づいて各燃料噴射弁の噴射特性が変化する場合であっても、各燃料噴射弁のソレノイド3に流れる駆動電流や駆動電圧から開弁開始時間や閉弁完了時間を検知することにより、図10に示すように、各燃料噴射弁の噴射特性に応じた噴射パルスを生成することができ、各燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量を目標とする燃料噴射量に近づけることができる。
なお、内燃機関が複数の気筒を有し、各気筒に燃料噴射弁が配設されている場合には、基準開弁開始時間や基準閉弁完了時間に開弁開始時間や閉弁完了時間を合わせる代わりに、内燃機関の特定の気筒に配置された燃料噴射弁で検知された開弁開始時間や閉弁完了時間に、他の気筒の開弁開始時間や閉弁完了時間が一致するように制御してもよい。
また、図11は、図1に示すECUの内部構成の他例を模式的に示したものである。なお、図11では、図4に基づき説明したように、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧が相対的に大きく、可動子5と弁体6とが接触して弁孔7aが開弁する時点でソレノイド3に流れる駆動電流の変化を検知することが難しい場合であって、ソレノイド3の駆動電流や駆動電圧の時系列データから変曲点が検出される時間から開弁完了時間や閉弁完了時間を検知し得る場合について説明する。また、図11では、燃料噴射弁10の構成のうちソレノイド3のみを示している。
図示するように、ECU30は、主に、開弁完了時間に対応する時間を検知する開弁完了時間検知部25aと、閉弁完了時間に対応する時間を検知する閉弁完了時間検知部35と、開弁完了時間検知部25aによって検出された開弁開始時間と閉弁完了時間検知部35によって検出された閉弁完了時間とを用いてEDU20へ出力する噴射パルスを補正する噴射パルス補正部45と、を備えている。
ECU30の開弁完了時間検知部25aは、燃料噴射弁10のソレノイド3のLowSide端子と接地電圧VGとの間に設けられたシャント抵抗SMDに加わる電圧をA/D変換して駆動電流に比例した信号を得るA/D変換器21aと、デジタル化された駆動電流信号を平滑化するHanning Window22aと、Hanning Window22aによって平滑化された信号を2階差分する2階差分器23aと、2階差分器23aによって2階差分されて変曲点が強調された信号から極値を検出するピーク検出器24aと、を有している。ECU30の開弁完了時間検知部25aは、ピーク検出器24によって極値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる基準開弁完了時間に最も近い時間を特定することによって、ソレノイド3に流れる駆動電流に比例した信号から開弁完了時間に対応する時間を検知し、検知されたその開弁完了時間を噴射パルス補正部45へ送信する。
また、ECU30の閉弁完了時間検知部35は、燃料噴射弁10のソレノイド3のLowSide端子の電圧(駆動電圧)をA/D変換するA/D変換器31と、デジタル化された電流信号を平滑化するHanning Window32と、Hanning Window32によって平滑化された信号を2階差分する2階差分器33と、2階差分器33によって2階差分されて変曲点が強調された信号から極値を検出するピーク検出器34と、を有している。ECU30の閉弁完了時間検知部35は、ピーク検出器34によって極値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる基準閉弁完了時間に最も近い時間を特定することによって、ソレノイド3に印加される駆動電圧から閉弁完了時間に対応する時間を検知し、検知されたその閉弁完了時間を噴射パルス補正部45へ送信する。
また、ECU30の噴射パルス補正部45は、主に、目標燃料噴射量Qを静流Qstで除した値と燃料噴射弁10の流量特性に基づく基準噴射パルス幅Tiとの関係を示す基準特性マップM40、基準となる開弁完了時間を記憶する基準開弁完了時間メモリ41a、基準となる閉弁完了時間を記憶する基準閉弁完了時間メモリ42、開弁完了時間検知部25aから送信された開弁完了時間と基準開弁完了時間メモリ41aから出力された基準開弁完了時間との開弁完了偏差を噴射毎のばらつきを平滑化して記憶する開弁完了偏差メモリ43a、及び、閉弁完了時間検知部35から送信された閉弁完了時間と基準閉弁完了時間メモリ42から出力された基準閉弁完了時間との閉弁完了偏差を噴射毎のばらつきを平滑化して記憶する閉弁完了偏差メモリ44を有している。ここで、開弁完了偏差メモリ43a及び閉弁完了偏差メモリ44は、燃料噴射弁10から燃料を複数回噴射した際に検知される複数の開弁完了偏差及び閉弁完了偏差を平均化し、その平均化された開弁完了偏差及び閉弁完了偏差を開弁完了偏差及び閉弁完了偏差として記憶するようになっている。
噴射パルス補正部45は、開弁完了検知モードフラグが設定されると、差分手段46によって開弁完了時間検知部25aから送信された開弁完了時間と基準開弁完了時間メモリ41aから出力された基準開弁完了時間との偏差を算出し、その算出結果を開弁完了偏差として開弁完了偏差メモリ43aに記憶する。また、差分手段47によって閉弁完了時間検知部35から送信された閉弁完了時間と基準閉弁完了時間メモリ42から出力された基準閉弁完了時間との偏差を算出し、その算出結果を閉弁完了偏差として閉弁完了偏差メモリ44に記憶する。
ここで、図12に示すように、開弁開始偏差と開弁完了偏差とは相関があり、一般に、開弁完了偏差は、各燃料噴射弁の噴射特性に関わらず開弁開始偏差の略定数倍(K倍)であることが知られている。
そこで、噴射パルス補正部45は、変換手段43bによって開弁完了偏差メモリ43から出力される開弁完了偏差にゲイン1/Kを積算して開弁開始偏差を算出し、差分手段48によってその開弁開始偏差と閉弁完了偏差メモリ44から出力される閉弁完了偏差との噴射パルス幅偏差を算出し、差分手段49によって基準特性マップM40から出力される基準噴射パルス幅Tiと噴射パルス幅偏差との偏差を算出することによって、開弁開始から閉弁完了までの開弁継続時間を規定する新たな噴射パルス(噴射パルス補正値)を生成する。
このように、例えば内燃機関に複数の燃料噴射弁が配設され、各燃料噴射弁のスプリング特性やソレノイド特性等に基づいて各燃料噴射弁の噴射特性が変化する場合であっても、各燃料噴射弁のソレノイド3に流れる駆動電流や駆動電圧から開弁完了時間や閉弁完了時間を検知することにより、各燃料噴射弁の噴射特性に応じた噴射パルスを生成することができ、各燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量を目標とする燃料噴射量に近づけることができる。
[実施形態2]
上記する実施形態1では、A/D変換器によってデジタル化された電流信号にHanning Windowを乗じた後に、その算出結果を2階差分する形態について説明した。
ところで、信号UtにHanning Window(フィルタ係数Ft)を乗じて得られる以下の式(3)の出力信号を2階差分する場合、以下の式(4)で示す式変形を行うことができる。
Figure 0006538117
Figure 0006538117
ここで、図8及び図13(a)に示すように、Hanning Windowの両端のフィルタ係数は0と考えてよいため、以下の式(5)で示すように、上記式(4)の第1項は0と近似できる。
Figure 0006538117
一方、上記式(4)の第2項は、Ftの2階差分とUtの畳み込みであるため、信号UtにHanning Windowを乗じた後に2階差分を行うことは、信号UtにHanning Windowの2階差分を乗じることと等化である。Hanning Windowのフィルタ係数は、上記する式(2)に示すようにFi=1-cos(2πi/I)で表されるため、このHanning Windowのフィルタ係数の2階差分は、比例定数KAを用いて以下の式(6)で表される。
Figure 0006538117
したがって、信号UtにHanning Windowを乗じた後に2階差分を行うことは、図13(b)に示すような、Hanning Windowをひっくり返して係数の総和もしくは平均が0となるようにレベルを補正したフィルタと信号Utとの畳み込みをとることと等化である。
上記フィルタは、Hanning Windowと2階差分の直列結合であるから、このフィルタの周波数―ゲイン特性は、図8(b)に示すHanningWindowの周波数―ゲイン特性に図14(a)に示す2階差分の周波数―ゲイン特性を乗じたものであって、図14(b)のようになる。このフィルタは、周波数が0近傍の低周波ではゲインが低く、周波数が増加してカットオフ周波数に近づくに従ってゲインが上昇し、カットオフ周波数を超えるとゲインは約0となる。
すなわち、このフィルタは、低い周波数よりもカットオフ周波数に近い周波数をよく通す特性があるため、高域抽出フィルタと称される。
図15は、本発明に係る電磁弁の制御装置の実施形態2を用いた内燃機関の制御装置が適用された燃料噴射装置の全体構成を示したものであり、特に上記する高域抽出フィルタを利用した制御装置を示したものである。なお、図15では、燃料噴射弁10の構成のうちソレノイド3のみを示している。
図15に示す実施形態2の制御装置は、上記する実施形態1の制御装置に対して、ソレノイド3に流れる駆動電流やソレノイド3に印加される駆動電流の時系列データから変曲点を検知して開弁開始時間や開弁完了時間と閉弁完了時間とを検知する方法が相違しており、その他の構成は実施形態1の制御装置と同様である。したがって、実施形態1の制御装置と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図示するように、ECU30Aは、主に、開弁開始時間(又は開弁完了時間)に対応する時間を検知する開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Aと、閉弁完了時間に対応する時間を検知する閉弁完了時間検知部35Aと、開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Aによって検出された開弁開始時間(又は開弁完了時間)と閉弁完了時間検知部35Aによって検出された閉弁完了時間とを用いてEDU20へ出力する噴射パルスを補正する噴射パルス補正部45Aと、を備えている。
ECU30Aの開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Aは、燃料噴射弁10のソレノイド3のLowSide端子と接地電圧VGとの間に設けられたシャント抵抗SMDに加わる電圧をA/D変換して駆動電流に比例した信号を得るA/D変換器21Aと、デジタル化された駆動電流信号の高域成分を強調する高域抽出フィルタ(図13(b)参照)22Aと、高域抽出フィルタ22Aの出力信号(デジタル化された駆動電流信号と高域抽出フィルタとの相関)から極値を検出するピーク検出器24Aと、を有している。ECU30Aの開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Aは、ピーク検出器24Aによって極値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる基準開弁開始時間(又は基準開弁完了時間)に最も近い時間を特定することによって、ソレノイド3に流れる駆動電流に比例した信号から開弁開始時間(又は開弁完了時間)に対応する時間を検知し、検知されたその開弁開始時間(又は開弁完了時間)を噴射パルス補正部45Aへ送信する。
また、ECU30Aの閉弁完了時間検知部35Aは、燃料噴射弁10のソレノイド3のLowSide端子の電圧(駆動電圧)をA/D変換するA/D変換器31Aと、デジタル化された電流信号の高域成分を強調する高域抽出フィルタ32Aと、高域抽出フィルタ32Aの出力信号(デジタル化された電流信号と高域抽出フィルタとの相関)から極値を検出するピーク検出器34Aと、を有している。ECU30Aの閉弁完了時間検知部35Aは、ピーク検出器34Aによって極値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる基準閉弁完了時間に最も近い時間を特定することによって、ソレノイド3に印加される駆動電圧から閉弁完了時間に対応する時間を検知し、検知されたその閉弁完了時間を噴射パルス補正部45Aへ送信する。
また、ECU30Aの噴射パルス補正部45Aは、開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Aから送信された開弁開始時間(又は開弁完了時間)、閉弁完了時間検知部35Aから送信された閉弁完了時間などに基づいて、開弁開始から閉弁完了までの開弁継続時間を規定する新たな噴射パルス(噴射パルス補正値)を生成する。ECU30Aは、その噴射パルス補正値に基づいて、EDU20の各スイッチSW1、SW2、SW3の作動状態を制御し、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧やソレノイド3に流れる駆動電流を制御し、燃料噴射弁10の弁孔7aの開閉を適正に制御して燃料噴射弁10から噴射される燃料噴射量を目標とする燃料噴射量へ制御する。
このように、本実施形態2では、ソレノイド3に流れる駆動電流やソレノイド3に印加される駆動電流の時系列データから開弁開始時間や開弁完了時間と閉弁完了時間とを検知する際に、係数の総和もしくは平均が0且つ係数のモーメントが0である高域抽出フィルタを用い、この高域抽出フィルタと駆動電流や駆動電流の時系列データとの相関から極値を検出することにより、簡便な構成でもって、各燃料噴射弁の開弁開始時間や開弁完了時間と閉弁完了時間とを検知することができる。
なお、上記する実施形態2では、デジタル化された電流信号の高域成分を強調する高域抽出フィルタとして、フィルタ係数がKAcos(2πi/I)(三角関数)であるフィルタについて説明したが、当該高域抽出フィルタは、図16(a)に示すような駆動電圧や駆動電流のレベルの変動に関わらず駆動電圧や駆動電流の時系列データから変曲点を検知でき、且つ、図16(b)に示すような駆動電圧や駆動電流の傾きの変動に関わらず駆動電圧や駆動電流の時系列データから変曲点を検知できればよい。そのための高域抽出フィルタとしては、フィルタ係数の総和もしくは平均が0且つフィルタ係数のモーメントが0であるフィルタであればよい。すなわち、当該高域抽出フィルタとしては、例えば、図17(a)に示すようなフィルタ係数が下に凸の円弧状であってレベルが調整されたフィルタ(所定の対称軸に対して線対称である偶数次数関数で表される)であってもよいし、図17(b)に示すようなフィルタ係数が2次関数などの偶数次数関数で表され且つレベルが調整されたフィルタであってもよいし、図17(c)に示すようなフィルタ係数が下に凸のV字状であってレベルが調整されたフィルタ(所定の対称軸に対して線対称である一次関数で表される)であってもよいし、それらのフィルタを適宜組み合わせたフィルタであってもよい。
[実施形態3]
ところで、上記する図13や図17で示すようなフィルタ係数Fiを有するフィルタに信号Uを入力した際の出力Yは、上記する式(3)で表される。この式(3)は、視覚的に図18又は図19で示すように表すことができる。すなわち、図19で示すように、この式(3)は、上記フィルタと同様の特性を有する参照パターンと入力信号Uとの相関を取ることを表している。なお、図19のバツを丸で囲んだ記号は、入力Ut、…、Ut-lとF0、…、Flとの相関を取る演算を表している。
そして、参照パターンと入力信号Uとの相関からピーク(極値)を検出することは、その参照パターンをtk-2、tk-1、tk、tk+1、tk+2のようにシフトし(図20参照)、それぞれの参照パターンの位置で入力信号Uとの相関を計算し、それぞれの参照パターンの位置のうち計算された相関が相対的に高くなる位置(図20中、tk)を特定することを意味している。
図21は、本発明に係る電磁弁の制御装置の実施形態3を用いた内燃機関の制御装置が適用された燃料噴射装置の全体構成を示したものであり、特に上記する高域抽出フィルタと同様の特性を有する参照パターンを利用した制御装置を示したものである。なお、図21では、燃料噴射弁10の構成のうちソレノイド3のみを示している。
図21に示す実施形態3の制御装置は、上記する実施形態1の制御装置に対して、ソレノイド3に流れる駆動電流やソレノイド3に印加される駆動電流の時系列データから変曲点を検知して開弁開始時間や開弁完了時間と閉弁完了時間とを検知する方法が相違しており、その他の構成は実施形態1の制御装置と同様である。したがって、実施形態1の制御装置と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図示するように、ECU30Bは、主に、開弁開始時間(又は開弁完了時間)に対応する時間を検知する開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Bと、閉弁完了時間に対応する時間を検知する閉弁完了時間検知部35Bと、開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Bによって検出された開弁開始時間(又は開弁完了時間)と閉弁完了時間検知部35によって検出された閉弁完了時間とを用いてEDU20へ出力する噴射パルスを補正する噴射パルス補正部45Bと、を備えている。
ECU30Bの開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Bは、燃料噴射弁10のソレノイド3のLowSide端子と接地電圧VGとの間に設けられたシャント抵抗SMDに加わる電圧をA/D変換して駆動電流に比例した信号を得るA/D変換器21Bと、信号の高域成分を強調するための参照パターン(係数の総和もしくは平均と係数のモーメントが0)22Bと、A/D変換器21Bによってデジタル化された駆動電流信号と参照パターン22Bとの相関を取る相関器23Bと、相関器23Bの出力結果から極値を検出するピーク検出器24Bと、を有している。ECU30Bの開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Bは、ピーク検出器24Bによって極値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる基準開弁開始時間(又は基準開弁完了時間)に最も近い時間を特定することによって、ソレノイド3に流れる駆動電流に比例した信号から開弁開始時間(又は開弁完了時間)に対応する時間を検知し、検知されたその開弁開始時間(又は開弁完了時間)を噴射パルス補正部45Bへ送信する。
また、ECU30Bの閉弁完了時間検知部35Bは、燃料噴射弁10のソレノイド3のLowSide端子の電圧(駆動電圧)をA/D変換するA/D変換器31Bと、信号の高域成分を強調するための参照パターン(係数の総和もしくは平均と係数のモーメントが0)32Bと、A/D変換器31Bによってデジタル化された電流信号と参照パターンとの相関を取る相関器33Bと、相関器33Bの出力結果から極値を検出するピーク検出器34Bと、を有している。ECU30Bの閉弁完了時間検知部35Bは、ピーク検出器34Bによって極値が検出される時間のうち、予め設定された基準となる基準閉弁完了時間に最も近い時間を特定することによって、ソレノイド3に印加される駆動電圧から閉弁完了時間に対応する時間を検知し、検知されたその閉弁完了時間を噴射パルス補正部45Bへ送信する。
また、ECU30Bの噴射パルス補正部45Bは、開弁開始時間検知部(又は開弁完了時間検知部)25Bから送信された開弁開始時間(又は開弁完了時間)、閉弁完了時間検知部35Bから送信された閉弁完了時間などに基づいて、開弁開始から閉弁完了までの開弁継続時間を規定する新たな噴射パルス(噴射パルス補正値)を生成する。ECU30Bは、その噴射パルス補正値に基づいて、EDU20の各スイッチSW1、SW2、SW3の作動状態を制御し、燃料噴射弁10のソレノイド3に印加される駆動電圧やソレノイド3に流れる駆動電流を制御し、燃料噴射弁10の弁孔7aの開閉を適正に制御して燃料噴射弁10から噴射される燃料噴射量を目標とする燃料噴射量へ制御する。
このように、本実施形態3では、ソレノイド3に流れる駆動電流やソレノイド3に印加される駆動電流の時系列データから開弁開始時間や開弁完了時間と閉弁完了時間とを検知する際に、係数の総和もしくは平均が0且つ係数のモーメントが0である高域抽出フィルタと同様の特性を有する参照パターンを用い、この参照パターンと駆動電流や駆動電圧の時系列データとの相関から極値を検出することにより、簡便な構成でもって、開弁開始時間や開弁完了時間と閉弁完了時間とを精緻に検知することができる。
なお、本発明は上記した実施形態1〜3に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施形態1〜3は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 固定コア
2 調整子
3 ソレノイド
3a ボビン
3b ハウジング
4 セットスプリング
5 可動子
5a 可動子ガイド
6 弁体
6a 突設部
6b 弁体の下端
7 弁座
7a 弁孔
8 ガイド部材
9 筒体
10 燃料噴射弁(電磁弁)
20 エンジンドライブユニット(EDU)(駆動回路)
21、31 A/D変換器
22、32 ハニング窓(Hanning Window)
23、33 2階差分器
24、34 ピーク検出器
25 開弁開始時間検知部
30 エンジンコントローラユニット(ECU)(内燃機関の制御装置)
35 閉弁完了時間検知部
41 基準開弁開始時間メモリ
42 基準閉弁完了時間メモリ
43 開弁開始偏差メモリ
44 閉弁完了偏差メモリ
45 噴射パルス補正部
46、47、48、49 差分手段
100 燃料噴射装置

Claims (6)

  1. 内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射する電磁弁への駆動電圧又は駆動電流に基づいて、前記電磁弁の動作を検知する電磁弁の制御装置において、
    前記駆動電圧又は前記駆動電流をデジタル信号に変換するA/D変換部と、所定周波数でゲインが約0となるフィルタ部と、前記デジタル信号を前記フィルタ部に入力したときの出力から変曲点が検出される時間に基づき、前記電磁弁の動作を検知する検知部と、を備え
    前記電磁弁を開閉した際の前記駆動電圧及び/又は前記駆動電流の時系列データと、係数の総和及び係数のモーメントの双方が0である参照パターンとの相関が極値となる時間に基づいて、前記駆動電圧及び/又は前記駆動電流を補正することを特徴とする電磁弁の制御装置。
  2. 内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射する電磁弁への駆動電圧又は駆動電流に基づいて、前記電磁弁の動作を検知する電磁弁の制御装置において、
    前記駆動電圧又は前記駆動電流をデジタル信号に変換するA/D変換部と、所定周波数でゲインが約0となるフィルタ部と、前記デジタル信号を前記フィルタ部に入力したときの出力から変曲点が検出される時間に基づき、前記電磁弁の動作を検知する検知部と、を備え
    前記電磁弁を開閉した際の前記駆動電圧及び/又は前記駆動電流の時系列データと、係数の平均及び係数のモーメントの双方が0である参照パターンとの相関が極値となる時間に基づいて、前記駆動電圧及び/又は前記駆動電流を補正することを特徴とする電磁弁の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の電磁弁の制御装置において、
    前記フィルタ部は、周波数が前記所定周波数に近づくにつれて前記ゲインを上昇させることを特徴とする電磁弁の制御装置。
  4. 内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射する電磁弁への駆動電圧又は駆動電流に基づいて、前記電磁弁の動作を検知する電磁弁動作の検知方法において、
    前記駆動電圧又は前記駆動電流をA/D変換部によりデジタル信号に変換し、
    前記デジタル信号を所定周波数でゲインが約0となるフィルタ部に入力したときの出力から変曲点が検出される時間に基づき、前記電磁弁の動作を検知するとともに、
    前記電磁弁を開閉した際の前記駆動電圧及び/又は前記駆動電流の時系列データと、係数の総和及び係数のモーメントの双方が0である参照パターンとの相関が極値となる時間に基づいて、前記駆動電圧及び/又は前記駆動電流を補正することを特徴とする電磁弁動作の検知方法。
  5. 内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射する電磁弁への駆動電圧又は駆動電流に基づいて、前記電磁弁の動作を検知する電磁弁動作の検知方法において、
    前記駆動電圧又は前記駆動電流をA/D変換部によりデジタル信号に変換し、
    前記デジタル信号を所定周波数でゲインが約0となるフィルタ部に入力したときの出力から変曲点が検出される時間に基づき、前記電磁弁の動作を検知するとともに、
    前記電磁弁を開閉した際の前記駆動電圧及び/又は前記駆動電流の時系列データと、係数の平均及び係数のモーメントの双方が0である参照パターンとの相関が極値となる時間に基づいて、前記駆動電圧及び/又は前記駆動電流を補正することを特徴とする電磁弁動作の検知方法。
  6. 請求項4または5に記載の電磁弁動作の検知方法において、
    前記フィルタ部は、周波数が前記所定周波数に近づくにつれて前記ゲインを上昇させることを特徴とする電磁弁動作の検知方法。
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