JP6538044B2 - 化学療法感受性および化学毒性を判定する方法 - Google Patents

化学療法感受性および化学毒性を判定する方法 Download PDF

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Description

本開示はヒト検体中の腫瘍を評価するのに有用な方法に関する。
標的癌療法と併せて用いられる予測および予後用のバイオマーカーは、薬剤開発期間の短縮、薬効の改善および臨床判断に非常に重要な役割を果たすことができる。近年の癌治療法の進歩にもかかわらず、化学療法剤は概して非効率的で、効果的でないままである。化学療法に余り効果が認められない一つの理由は、選択された治療薬が個々の患者の疾患に厳密に適合していない場合が多いことにある。正確な診断と治療薬とを組み合わせた個別化医療の手法を用いれば問題を改善することができるであろう。
さらに、鎖綜した化学療法の広範囲にわたる適用により、一部の患者は命に関わる治療関連毒性の影響を受ける可能性がある。例えば、腫瘍崩壊症候群(TLS)は、患者に対する癌の治療を行うことをできなくする場合がある。この場合も、個別化医療手法は、このような毒性を示す可能性のある患者を特定し、前記毒性を示す可能性のある治療薬を考慮から除外すことにより、臨床転帰を改善しようとする。
患者のTLSに対する感受性を含む薬剤毒性、および薬効を予測することができる診断手法が必要である。
したがって、一態様では、本開示は、患者の1種または複数種の癌治療に対し有害反応を判定する方法を提供する。この方法は、患者の細胞試料のBH3プロファイルを決定し、1種または複数種の癌治療に対する有害反応の可能性に関して、患者を分類することを含む。いくつかの実施形態では、患者の1種または複数種の癌治療に対する有害反応を判定する方法は、a)癌細胞または試料を患者から単離すること、b)癌細胞または試料を1種または複数種のBH3ペプチドと接触させること、c)ミトコンドリア膜透過化を示す信号を検出すること、e)ミトコンドリア膜透過化と治療薬による有害事象との間の相関を決定すること、およびf)治療薬による有害事象に対する可能性により患者を分類すること、を含む。
別の態様では、本開示は、血液癌患者の1種または複数種の癌治療に対する治療反応を判定する方法を提供し、この方法は、患者の腫瘍または癌細胞試料のBH3プロファイルを決定すること、および1種または複数種の癌治療に対する1種または複数種の有害反応の可能性および1種または複数種の癌治療に対する治療効果に関して患者を分類することを含み、BADおよび/またはPUMAを含むBH3プロファイルが1種または複数種の癌治療に対する有害反応の指標となり、また、BIMおよび/またはHRKを含むBH3プロファイルが1種または複数種の癌治療に対する治療効果の指標となる。いくつかの実施形態では、患者の1種または複数種の癌治療に対する治療反応を判定する方法は、a)癌細胞または試料を患者から単離すること、b)癌細胞または試料を1種または複数種のBH3ペプチドと接触させること、c)ミトコンドリア膜透過化を示す信号を検出すること、e)ミトコンドリア膜透過化と1種または複数種の癌治療に対する有害事象との間の相関および1種または複数種の癌治療に対する治療効果を決定すること、およびf)1種または複数種の癌治療の有害事象に対する可能性および1種または複数種の癌治療に対する治療効果により患者を分類すること、を含む。いくつかの実施形態では、BADおよび/またはPUMAと癌細胞または試料との接触後のミトコンドリア膜透過化は、1種または複数種の癌治療に対する有害反応の指標となり、また、BIMおよび/またはHRKと、癌細胞または試料との接触後のミトコンドリア膜透過化は、1種または複数種の癌治療に対する治療効果の指標となる。本開示の詳細は付随する以下の明細書に記載される。本明細書で記載の方法や材料に類似物、または等価物は、本開示の実施または試験で使用することができるが、例示的な方法および材料を以降で記載する。本開示の他の特徴、目的、利点は以下の説明および請求項から明らかになろう。明細書および、添付請求項では、文脈から明示的に別義が示されない限り、単数形は複数形も含む。特に断らなければ、本明細書で使われる全ての技術および科学用語は、本開示が属する当業者により通常理解されているものと同じ意味を有する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
患者の1種または複数種の癌治療に対する有害反応を判定する方法であって、
患者の細胞試料に対しBH3プロファイルを測定すること;および
1種または複数種の癌治療に対する有害反応の可能性で前記患者を分類すること、を含む方法。
(項目2)
前記有害反応が腫瘍崩壊症候群(TLS)を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
有害反応の可能性を判定するための前記BH3プロファイリングが、BADおよび/またはPUMAに対する反応を測定することを含む、項目1または2のいずれか1項に記載の方法。
(項目4)
1種または複数種の癌治療に対する有害反応の高い可能性が、前記有害反応を引き起こす前記1種または複数種の癌治療を控えることを含む治療の方向を示す、項目1〜3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
1種または複数種の癌治療に対する有害反応の高い可能性が、前記有害反応を引き起こす前記1種または複数種の癌治療を含まない1種または複数種の癌治療を投与することを含む治療の方向を示す、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
1種または複数種の前記患者の臨床因子を決定することをさらに含む、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記1種または複数種の臨床因子が、有害反応との関連のために、前記BH3プロファイルの特異性および/または感受性を高めるように選択される、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記臨床因子が、年齢、細胞遺伝学的リスク状態、全身状態、組織学的サブクラス、性別、ECOG状態、および疾患ステージの内の1種または複数種である、項目6または7に記載の方法。
(項目9)
前記臨床因子が、ECOG状態および患者年齢の内の1種または複数種である、項目6〜8に記載の方法。
(項目10)
1種または複数種の癌治療に対する有害反応の低い可能性が、前記1種または複数種の癌治療に対する治療効果の評価に向かわせ、前記評価が、前記患者の腫瘍または癌細胞試料のBH3プロファイルを測定すること、および前記患者を1種または複数種の癌治療に対する治療効果の可能性で分類することを含む、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
1種または複数種の癌治療に対する治療効果の可能性のための前記BH3プロファイルが、BIMおよび/またはHRKのレベルを測定することを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記治療効果が、高い臨床反応および/または高い全生存を含む、項目10または11に記載の方法。
(項目13)
1種または複数種の前記患者の臨床因子を決定することをさらに含む、項目9〜12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記1種または複数種の臨床因子が、治療効果との関連のために、前記BH3プロファイルの特異性および/または感受性を高めるように選択される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記臨床因子が、年齢、細胞遺伝学的リスク状態、全身状態、組織学的サブクラス、性別、ECOG状態、および疾患ステージの内の1種または複数種である、項目13または14に記載の方法。
(項目16)
前記臨床因子が、トリソミー12状態である、項目13〜15に記載の方法。
(項目17)
変異状態、一塩基多型、定常状態のタンパク質レベル、および動的なタンパク質レベル、から選択される追加のバイオマーカーの測定をさらに含む、項目1〜16のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記BH3プロファイリングが、癌患者由来の精製されたB細胞に対して行われる、項目1〜17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記癌が血液癌である、項目1〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記血液癌が、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病、および非ホジキンリンパ腫から選択される、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記非ホジキンリンパ腫が、マントル細胞リンパ腫およびびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫から選択される、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記癌が固形腫瘍である、項目1〜21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記固形腫瘍が、非小細胞肺癌、卵巣癌、および黒色腫から選択される、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記癌治療が、抗癌剤、化学療法剤、手術、アジュバント療法、およびネオアジュバント療法の内の1種または複数種である、項目1〜23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記癌治療が、BH3ミメティック、エピジェネティック修飾剤、トポイソメラーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、およびキネシンスピンドルタンパク質安定化剤の内の1種または複数種である、項目1〜24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記癌治療がプロテアソーム阻害剤である、項目1〜25のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記癌治療が細胞周期調節の修飾物質である、項目1〜26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
細胞周期制御の前記修飾物質が、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤である、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記癌治療が細胞エピジェネティック機構の修飾物質である、項目1〜28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
エピジェネティック機構の前記修飾物質が、ボリノスタットまたはエンチノスタットの内の1種または複数種を含む、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤である、項目29に記載の方法。
(項目31)
エピジェネティック機構の前記調節剤が、アザシチジンである、項目29に記載の方法。
(項目32)
エピジェネティック機構の前記調節剤が、デシタビンである、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記癌治療がアントラサイクリンまたはアントラセンジオンである、項目1〜32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記アントラサイクリンまたはアントラセンジオンが、エピルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシンの内の1種または複数種である、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記癌治療が白金系治療薬である、項目1〜34のいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
前記白金系治療薬が、カルボプラチン、シスプラチン、およびオキサリプラチンの内の1種または複数種である、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記癌治療がシタラビンまたはシタラビン系化学療法剤である、項目1〜36のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
前記癌治療がBH3ミメティックである、項目1〜37のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記BH3ミメティックが、BCL−2、BCLXL、およびMCL1の内の1種または複数種である、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記癌治療がMCL1の阻害剤である、項目1〜39のいずれか1項に記載の方法。
(項目41)
前記BH3プロファイリングが、前記患者の癌細胞を透過化処理すること、前記透過処理した細胞と1種または複数種のBH3ドメインペプチドとの接触時に、ミトコンドリア膜電位の変化を測定すること;およびミトコンドリア膜電位の低下を、前記細胞のアポトーシス誘導化学療法剤への化学療法感受性と相関付けることを含む、項目1〜40のいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
前記BH3プロファイリングが、BIM、BIM2A、BFL、BAD、BID、HRK、PUMA、NOXA、BMF、BIK、およびPUMA2Aの内の1種または複数種から選択されるペプチドの使用を含む、項目1〜41のいずれか1項に記載の方法。
(項目43)
前記BH3プロファイリングが、0.1μM〜200μMの濃度のペプチドの使用を含む、項目1〜42のいずれか1項に記載の方法。
(項目44)
前記試料が、凍結腫瘍組織試料、培養細胞、循環腫瘍細胞、およびホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織試料から選択される生検材料である、項目1〜43のいずれか1項に記載の方法。
(項目45)
前記試料が、ヒト腫瘍由来の細胞株である、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記試料が、癌幹細胞である、項目44に記載の方法。
(項目47)
前記試料が、固形腫瘍の生検材料に由来する、項目44に記載の方法。
(項目48)
前記試料が、非固形腫瘍の生検材料に由来する、項目44に記載の方法。
(項目49)
前記試料が、循環腫瘍細胞に由来する、項目44に記載の方法。
(項目50)
血液癌患者の1種または複数種の癌治療に対する治療反応を判定する方法であって、
患者の腫瘍または癌細胞試料に対しBH3プロファイルを測定すること;および
1種または複数種の癌治療に対する1種または複数種の有害反応および1種または複数種の癌治療の治療効果の可能性で前記患者を分類することを含み、
BADおよび/またはPUMAの反応を含む前記BH3プロファイルが、1種または複数種の癌治療に対する有害反応を示し、BIMおよび/またはHRKの反応を含むBH3プロファイルが、1種または複数種の癌治療に対する治療効果を示す方法。
(項目51)
前記血液癌がCLLである、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記癌治療が、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤である、項目50に記載の方法。
(項目53)
前記サイクリン依存性キナーゼ阻害剤がアルボシジブである、項目52に記載の方法。
(項目54)
患者の1種または複数種の癌治療に対する有害反応を判定する方法であって、
患者の前記有害事象の影響を受けている細胞集団に対しBH3プロファイルを測定すること;および
1種または複数種の癌治療に対する有害反応の可能性で前記患者を分類すること、を含む方法。
(項目55)
前記有害反応が、血小板減少症、貧血、および自己免疫反応からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目56)
前記細胞試料が、血小板、赤芽球細胞、免疫調節細胞、マクロファージ、樹状細胞、マスト細胞、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される細胞を含む、項目1〜55のいずれか1項に記載の方法。
(項目57)
1種または複数種の癌治療に対する有害反応の高い可能性が、前記有害反応を引き起こす前記1種または複数種の癌治療を控えることを含む治療の方向を示す、項目1〜56のいずれか1項に記載の方法。
図面と表の簡単な説明
表1は、CLL患者の臨床病理情報を示す。患者の特徴を反応(3群(PD、SD、PR)または2群(PD、SD)として与えられた)を解析した。トリソミー12のみが反応に対し統計的に有意であると示され、これを後で層化予測モデリング(layered predictive modeling)の調節変数として使用した。
表2は、BH3プロファイリングバイオマーカーがアルボシジブ治療薬に対する臨床反応を識別するのを示す。CLL患者は訓練および試験コホートに分割され、転帰に対して独立に盲検方式でアッセイされた。訓練(n=30)および試験コホート(n=32)の両方とも、Bim(0.1)および(Hrk)に対し回帰分析におけるp値が有意性を示し、それぞれが、治療反応の指標となり得ることを示している。全患者の総合データセットでは、Hrkは最大の予測能力を示し、Bim(0.1)は、同様に有意性を有することがわかる。
表3はBH3プロファイリングバイオマーカーがアルボシジブ治療薬に対する腫瘍崩壊症候群(TLS)の患者を識別することを示す。BADおよびPuma(10)両方のBH3プロファイリング読み値は、アルボシジブ治療後にTLSに罹患する可能性があるかどうかの指標となる。さらに、ECOG状態は有意であり、ロジスティック回帰分析のp値では年齢がボーダーラインの有意性であった。
図1A〜Cは、無傷のB細胞の単離および代表的BH3プロファイリング読み取りデータを示す一連のグラフである。C細胞CLL細胞を治療投与前に採取された患者のPBMC試料から単離した。抗体反応混液を使って非B細胞を標識し、CD19+によりB細胞集団を特定した。フローサイトメトリー(パネルA)は、大抵の場合、ビーズ分離後のCLL細胞精製により99%を超える純度を達成した。この純度のCLLに対しその後の下流アッセイでBH3プロファイリング信号を高めることになる。パネルBとCに、典型的な高度にプライミングされた試料、ならびに低いプライミングの試料の例として、2つの代表的患者試料のBH3プロファイリングデータ読み値をそれぞれ示す。 図1A〜Cは、無傷のB細胞の単離および代表的BH3プロファイリング読み取りデータを示す一連のグラフである。C細胞CLL細胞を治療投与前に採取された患者のPBMC試料から単離した。抗体反応混液を使って非B細胞を標識し、CD19+によりB細胞集団を特定した。フローサイトメトリー(パネルA)は、大抵の場合、ビーズ分離後のCLL細胞精製により99%を超える純度を達成した。この純度のCLLに対しその後の下流アッセイでBH3プロファイリング信号を高めることになる。パネルBとCに、典型的な高度にプライミングされた試料、ならびに低いプライミングの試料の例として、2つの代表的患者試料のBH3プロファイリングデータ読み値をそれぞれ示す。 図1A〜Cは、無傷のB細胞の単離および代表的BH3プロファイリング読み取りデータを示す一連のグラフである。C細胞CLL細胞を治療投与前に採取された患者のPBMC試料から単離した。抗体反応混液を使って非B細胞を標識し、CD19+によりB細胞集団を特定した。フローサイトメトリー(パネルA)は、大抵の場合、ビーズ分離後のCLL細胞精製により99%を超える純度を達成した。この純度のCLLに対しその後の下流アッセイでBH3プロファイリング信号を高めることになる。パネルBとCに、典型的な高度にプライミングされた試料、ならびに低いプライミングの試料の例として、2つの代表的患者試料のBH3プロファイリングデータ読み値をそれぞれ示す。 図2A〜Cは、原理証明および検証コホートのCLL患者のBimおよびHrk BH3プロファイリングがアルボシジブ反応と相関していることを示す一連のグラフである。点のプロットは、3つのカテゴリー(PD、SD、PR)への反応の層別化による訓練および試験コホートならびに総合データセットを示す。 図2A〜Cは、原理証明および検証コホートのCLL患者のBimおよびHrk BH3プロファイリングがアルボシジブ反応と相関していることを示す一連のグラフである。点のプロットは、3つのカテゴリー(PD、SD、PR)への反応の層別化による訓練および試験コホートならびに総合データセットを示す。 図2A〜Cは、原理証明および検証コホートのCLL患者のBimおよびHrk BH3プロファイリングがアルボシジブ反応と相関していることを示す一連のグラフである。点のプロットは、3つのカテゴリー(PD、SD、PR)への反応の層別化による訓練および試験コホートならびに総合データセットを示す。 図3A〜Bは、染色体12トリソミー多変量解析により、CLL患者のアルボシジブに対する臨床反応のHrk予測が向上することを示す一連のグラフである。点のプロット(パネルA)およびROCプロット(パネルB)は、Bim(0.1)およびHrk反応の識別を示す(2群:PD/SD、PR)。Bim(0.1)およびHrkの両方とも、ROCプロットからのAUC値0.73を示すが、Hrkモデルは重要な臨床的調節変数トリソミー12の恩恵を受けて、増加したAUC値0.83(p<0.0001)が得られる。 図3A〜Bは、染色体12トリソミー多変量解析により、CLL患者のアルボシジブに対する臨床反応のHrk予測が向上することを示す一連のグラフである。点のプロット(パネルA)およびROCプロット(パネルB)は、Bim(0.1)およびHrk反応の識別を示す(2群:PD/SD、PR)。Bim(0.1)およびHrkの両方とも、ROCプロットからのAUC値0.73を示すが、Hrkモデルは重要な臨床的調節変数トリソミー12の恩恵を受けて、増加したAUC値0.83(p<0.0001)が得られる。 図4A〜Bは、BadペプチドBH3プロファイリングがアルボシジブで治療後のCLL患者のTLSと相関することを示す一連のグラフである。点のプロット(パネルA)は、TLSを経験しなかった患者に比べて、より高いBAD BH3プロファイリング読み値が顕著にTLSの存在に関連していることを示す。ROCプロット分析からのBADのAUC(パネルB)は0.75であり、臨床的調節変数の年齢およびECOG状態と組み合わせると、この値は0.85に増えた。 図4A〜Bは、BadペプチドBH3プロファイリングがアルボシジブで治療後のCLL患者のTLSと相関することを示す一連のグラフである。点のプロット(パネルA)は、TLSを経験しなかった患者に比べて、より高いBAD BH3プロファイリング読み値が顕著にTLSの存在に関連していることを示す。ROCプロット分析からのBADのAUC(パネルB)は0.75であり、臨床的調節変数の年齢およびECOG状態と組み合わせると、この値は0.85に増えた。
BH3プロファイリングは、その治療薬が、治療薬の効力を妨げる腫瘍崩壊症候群(TLS)などの有害事象を引き起こす可能性があるか否かに加えて、特定の癌が、選択された治療薬に対し反応するかどうかに関する洞察を与えることができる。理論に束縛されるものではないが、癌細胞はアポトーシス経路を遮断し、このことが一部の癌をいくつかの療法に対し抵抗性にし、また、他の癌をそのほかの療法に対し敏感にすると考えられている。これらの経路の遮断の発生は、BH3プロファイリングにより判定することができ、それによりどの癌細胞が特定の治療薬の影響を受けやすく、どの細胞がそうでないかを特定することができる。癌細胞は、そうでない場合は内因性(ミトコンドリア)アポトーシス経路を介してアポトーシスに至るという異常性を示すことができるが、この経路が遮断されると癌細胞は生き残ることになる。
多くの癌で化学療法剤に対する抵抗性の重要なメディエーターであると考えられているBcl−2ファミリーのタンパク質は、アポトーシスによる細胞死に関与する非常に重要なイベントであるミトコンドリア外膜透過性昂進(MOMP)の主要制御因子である。Bcl−2ファミリーの種々のメンバーの結合は、Bcl−2タンパク質が結合する相手に応じて、MOMPを活性化するか、または鋭敏化することができる。癌細胞または試料中のBcl−2タンパク質結合を特定することにより、所定の癌のアポトーシス状態(例えば、抵抗性または感受性)、および特定の有害事象の可能性があるか否かを判定することができ、治療過程を誘導するためにこの情報が使用される。
本開示は、一部には、BH3プロファイリング(例えば、Praedicare Dx(商標)に実装されている)により、1種または複数種の癌治療の投与時に、患者が腫瘍崩壊症候群(TLS)を含む有害反応を経験すると思われる可能性を予測することができるという発見に基づいている。さらに、本明細書で記載の診断手法は、任意選択で有害反応の予測と組み合わせることを含む、患者に対する1種または複数種の癌治療の効力の見込みの判定に有用である。
一態様では、本開示は、患者の1種または複数種の癌治療に対し有害反応を判定する方法を提供する。この方法は、患者の腫瘍または癌細胞試料のBH3プロファイルを決定し、1種または複数種の癌治療に対する有害反応の可能性に関して、患者を分類することを含む。いくつかの実施形態では、有害反応はTLSを含む。
別の態様では、本開示は、血液癌患者の1種または複数種の癌治療に対する治療反応を判定する方法を提供し、この方法は、患者の腫瘍または癌細胞試料のBH3プロファイルを決定すること、および1種または複数種の癌治療に対する1種または複数種の有害反応の可能性および1種または複数種の癌治療に対する治療効果に関して患者を分類することを含み、BADおよび/またはPUMAを含むBH3プロファイルが1種または複数種の癌治療に対する有害反応の指標となり、また、BIMおよび/またはHRKを含むBH3プロファイルが1種または複数種の癌治療に対する治療効果の指標となる。
他の態様では、細胞試料は、腫瘍を有する、または腫瘍を有すると疑われる患者由来であってもよいが、腫瘍それ自体由来の細胞試料であってはならない。例えば、腫瘍それ自体由来ではない細胞の例には、血小板、赤芽球細胞、T−ヘルパー細胞(TH−1、TH−2、およびTH−17を含む)、マスト細胞、マクロファージ、樹状細胞が挙げられる。
いくつかの態様では、細胞試料には、免疫調節性細胞を含めることができる。免疫調節性細胞は、感染、組織修復、組織自己認識、組織恒常性、炎症、および細胞遊走と直接または間接的に関わり合いのある細胞である。例えば、免疫調節性細胞は、全骨髄細胞または末梢血細胞由来であってよい。
いくつかの態様では、診断手法は、国際出願第PCT/US2013/040585号に記載の通りである。本出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
代表的な臨床判断
いくつかの実施形態では、本明細書で記載の方法は患者の評価、例えば、診断、予後、および治療に対する反応の評価に有用である。種々の態様では、本開示は、腫瘍または血液癌の評価を含む。種々の実施形態では、評価は診断、予後、および治療に対する反応から選択することができる。種々の実施形態では、評価は有害反応の可能性の判定である。種々の実施形態では、評価は治療効果の判定である。
診断という用語は、可能な疾患または障害、例えば、癌などを判定または特定する試みのプロセスを意味する。予後という用語は、疾患または障害、例えば、癌などの可能な転帰を予測することを意味する。完全な予後は、多くの場合、予想される期間、機能、病気の経過の記述、例えば、進行性の低下、間欠的危機、または突然の予測不可能な危機などを含む。治療に対する反応は、治療を受けている場合の患者の医学的転帰の予測である。治療に対する反応は、非限定的例であるが、病理学的に完全な反応、生存、および無進行生存、進行するまでの時間、再発の可能性であってよい。
種々の実施形態では、本方法は、患者が特定の治療または療法を受けるべきか、または受けるべきでないかに関する臨床判断を方向づける。一実施形態では、治療または療法は一次、主、または初回治療または療法である。一実施形態では、本方法は、ネオアジュバントおよび/またはアジュバント化学療法に対し肯定的な反応があるのかもしくは反応がないのか、またはネオアジュバントおよび/またはアジュバント化学療法に対し有害反応があるのかを判断する指標となる。一実施形態では、本方法は、アポトーシス促進性またはアポトーシスを介して作用する薬剤および/またはアポトーシスを介して作用しない薬剤に対する肯定的な反応の指標、またはアポトーシスエフェクター剤および/またはアポトーシスを介して作用しない薬剤に対する非反応性もしくは有害反応の指標である。種々の実施形態では、本開示は、例えば、どの種類の治療薬を投与すべきか、または保留すべきかを含む、癌患者の治療を方向付ける。
一実施形態では、本方法は患者が一次、主または初回治療後に、限定されないが、単一のアジュバント療法のみを含む、アジュバント療法を受けるべきかどうかに関する臨床判断を方向付ける。アジュバント療法はアジュバントケアともいわれ、一次、主または初回治療に付加して与えられるものである。非限定的例であるが、アジュバント療法は、通常、手術後に行われる追加の治療であってよい。この手術後は、全ての検出可能な疾患が除去されているが、潜在性疾患による統計的な再発のリスクが残っている状態である。
いくつかの実施形態では、本方法は、アジュバント療法も含めて患者の治療を方向付ける。例えば、特定の治療に対して反応性を有すると評価された患者は、このような治療法をアジュバント療法として受けることができる。さらに、本方法は、非限定的例であるが、アポトーシス促進性方式で誘導および/または作用する治療として、またはその方式で誘導および/または作用しない治療としてアジュバント療法の特性を方向付けることができる。一実施形態では、本方法は、患者が特定の治療に対して反応するかもしくは反応が少ない、または有害反応があると思われ、したがって、このような患者はこのような治療をアジュバント療法として受けることができないことを示すことができる。したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、患者の起こりうる反応に応じて、アジュバント療法を与えるか、または控えるかを指示する。このように、患者の生活の質、および医療コストを改善することができる。
種々の実施形態では、本方法は、患者がネオアジュバント療法、例えば、手術の前に縮小させるおよび/またはステージを下げる治療を受けるべきか否かの臨床判断を方向付ける。いくつかの実施形態では、ネオアジュバント療法は、手術の前に、癌患者に投与される化学療法剤を意味する。いくつかの実施形態では、ネオアジュバント療法は、手術の前に、本明細書で記載の薬剤を含む、癌患者に投与される薬剤を意味する。通常、ネオアジュバント化学療法剤が考慮される癌の種類としては、例えば、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、頚部癌、膀胱癌、および肺癌が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本方法は、ネオアジュバント療法も含めて患者の治療を方向付ける。例えば、特定の治療に対して反応すると評価された患者は、ネオアジュバント療法としてこのような治療薬を受けることができる。さらに、本方法は、非限定的例であるが、アポトーシス促進性の方式で誘導および/または作用する治療として、またはその方式で誘導および/または作用しない治療として、ネオアジュバント療法の特性を方向付けることができる。一実施形態では、本方法は、患者が特定の治療に対して反応するかもしくは反応が少ない、または有害反応があると思われ、したがって、このような患者はこのような治療をネオアジュバント療法として受けることができないことを示すことができる。したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、患者の起こりうる反応に応じて、ネオアジュバント療法を与えるか、または控えるかを指示する。このように、患者の生活の質と医療コストを改善することができる。
いくつかの実施形態では、本方法は患者が特定のタイプの治療を受けるべきか否かに関する臨床判断を方向付ける。したがって、いくつかの実施形態では、本方法は患者の治療に対する検査を誘導する。
いくつかの実施形態では、本方法は、患者の特定の治療に対して起こりうる反応に関する情報を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、反応の高い可能性を与え、積極的治療を含む治療を方向付けることができる。いくつかの実施形態では、本方法は、反応の低い可能性を与え、より良好な生活の質を目的として、効果的でない化学療法に由来する無用の毒性を避けるための積極的治療、および対症療法的医療の使用を含む治療の中断を方向付けることができる。いくつかの実施形態では、本方法は、有害反応の高い可能性を与え、より良好な生活の質を目的として、効果的でない化学療法に由来する無用の毒性を避けるための積極的治療、および対症療法的医療の使用を含む治療の中断を方向付けることができる。いくつかの実施形態では、本方法は、有害反応の低い可能性を与え、積極的治療を含む治療を方向付けることができる。
代表的実施形態では、本方法は、特定の治療に対する反応の可能性を示す。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、アポトーシス促進性薬剤および/またはアポトーシスを介して作用する薬剤および/または直接タンパク質調節により進行するアポトーシスを介して作用する薬剤に対する高いまたは低い反応の可能性を示す。種々の実施形態では、典型的なアポトーシス促進性薬剤および/またはアポトーシスを介して作用する薬剤および/または直接タンパク質調節により進行するアポトーシスを介して作用する薬剤には、ABT−263(ナビトクラックス)、およびオバトクラックス、WEP、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブが含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、アポトーシスを介して作用しない薬剤および/または直接タンパク質調節により進行するアポトーシスを介して作用しない薬剤に対する高いまたは低い反応の可能性を示す。種々の実施形態では、アポトーシスを介して作用しない代表的薬剤には、キネシンスピンドルタンパク質阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、三酸化ヒ素(TRISENOX)、MEK阻害剤、ポマリドミド(pomolidomide)、アザシチジン、デシタビン(decitibine)、ボリノスタット、エンチノスタット、ジナシクリブ、ゲムツズマブ、BTK阻害剤、PI3キナーゼデルタ阻害剤、レナリドミド(lenolidimide)、アントラサイクリン、シタラビン、メルファラン、Aky阻害剤、mTOR阻害剤が含まれる。
代表的実施形態では、本方法は、癌治療のために、患者がアポトーシス促進性薬剤を受けるか、またはアポトーシスを介して作用する薬剤を受けるかを示すことになる。別の代表的実施形態では、本方法は、患者がアポトーシスを介して作用しない薬剤を受けるべきか否かを示すことになる。
特定の実施形態では、本方法は、本明細書で記載のいずれかの治療(薬剤を含む)に対する癌患者の反応および/または可能性または有害反応の予測に有用である。代表的実施形態では、本開示は、AML患者のシタラビンおよびアザシチジンに対する反応の可能性を予測し、患者のBH3プロファイル、年齢プロファイルおよび細胞遺伝学的因子の評価を含む。
種々の実施形態では、癌治療は、本明細書で記載の方法に基づいて投与または保留される。代表的治療には、外科的切除、放射線療法(本明細書で記載の化合物の使用、または放射線増感剤との併用)化学療法、薬理学療法、標的療法、免疫療法、および支持療法(例えば、鎮痛剤、利尿剤、抗利尿剤、抗ウイルス剤、抗生物質、栄養補助剤、貧血治療薬、抗凝固治療剤、骨治療剤、および精神病と心理学的治療薬)が含まれる。
一実施形態では、本明細書で開示される方法を使って、患者を治療群に分類することができる。一部の非限定的例では、患者は、奏効者、非奏効者、高い反応の可能性、低い反応の可能性、高い有害反応の可能性、および低い有害反応の可能性として表される群に分類される。さらなる実施形態では、患者の分類は、例えば、1つの治療から別の治療への切り替え、治療の用量の変更、または異なるタイプの治療の投与(例えば、手術、照射、同種間骨髄または幹細胞移植)への切り替えなどの、治療に関する臨床判断を方向付ける。種々の実施形態では、癌治療は、本明細書で記載の方法に基づいて投与または保留される。
代表的な治療
代表的実施形態では、本開示は治療薬を選択する。このような薬剤としては、抗癌剤、化学療法剤、手術、アジュバント療法、およびネオアジュバント療法、の内の1種または複数種が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、癌治療は、BH3ミメティック、エピジェネティック修飾剤、トポイソメラーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、およびキネシンスピンドルタンパク質安定化剤、の内の1種または複数種である。別の実施形態では、癌治療として、プロテアソーム阻害剤;および/または細胞周期調節の修飾物質(非限定的例であるが、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤);および/または細胞性エピジェネティック機構の修飾剤(非限定的例であるが、1種または複数種ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)(例えば、ボリノスタットまたはエンチノスタット)、アザシチジン、デシタビン);および/またはアントラサイクリンまたはアントラセンジオン(非限定的例であるが、エピルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシンの内の1種または複数種);および/または白金系治療薬(非限定的例であるが、カルボプラチン、シスプラチン、およびオキサリプラチンの内の1種または複数種);シタラビンまたはシタラビン系化学療法剤、BH3ミメティック(非限定的例であるが、BCL2、BCLXL、またはMCL1);およびMCL1阻害剤が挙げられる。
種々の実施形態では、本開示は、限定されないが、米国特許出願公開第2012−0225851号および国際公開第WO2012/122370号に記載されるものを含む癌治療に関し、これらの特許の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
種々の実施形態では、本開示は、癌治療に関する。癌治療としては、限定されないが、アルキル化剤、例えば、チオテパ、CYTOXAN(シクロフォスファミド(cyclosphosphamide));アルキルスルフォン酸、例えば、ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドーパ,カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパ;エチレンイミンおよびメチラメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンフォスフォラミド、トリエチレンチオホスホラミド(triethiylenethiophosphoramide)、トリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)、アセトゲニン(例えば、ブラタシンおよびブラタシノン);カントテシン(合成類似剤トポテカンを含む);ブリオスタチン;callyスタチン;CC−1065(アドゼレシン、カルゼルシンおよびビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(例えば、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似薬KW−2189およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、酸化メクロルエタミン塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタード、ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチンおよびラニムスチン(ranimnustine);抗生物質例えばエネジン抗生物質(カリケアミシン、特にカリチアマイシンガンマIIおよびカリチアマイシンオメガII(例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed.Engl.,33:183−186(1994)を参照のこと);ダイネマイシン、ダイネマイシンAを含む;ビスフォスフォネート、例えば、クロドロネート;エスペラミシン;ならびに、ネオカルジノスタチン発色団および関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ディアゾ5オキソ−L−ノルロイシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン)(モルフォリノドキソルビシン、シアノモルフォリノドキソルビシン、2−ピロリノドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(例えば、マイトマイシンC)、ミコフェノール酸、ノガラミシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、チュベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗薬、例えば、メトトレキセートと5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸の類似体、例えばデノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類似体、例えばフルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎物質、例えば、アミノグルテチミド(minoglutethimide)、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充液、例えば、フロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドフォスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート(edatraxate);デメコルチン;ジアジクオン;エルフォルミチン(elformithine);エリプチニウムアセテート;エポチロン;エトグルシド;ガリウムニトレート;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン(lonidainine);メイタンシノイド、例えば、メイタンシンおよびアンサマイトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリジクオン;2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;トリコテェセン(例えば、T−2毒素、ベラクリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「アラ−C」);シクロフォスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、タキソール(パクリタキセル)(Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、アブラキサン(クレモホール不含、アルブミン操作ナノ粒子製剤のパクリタキセル)(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,111.)、およびタキソテール(ドキセタキセル)(Rhone− Poulenc Rorer,Antony,France);クロランブシル;ジェムザール(ゲムシタビン);6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;白金類似体、例えば、シスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ナベルビン(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;イリノテカン(キャンプトサー,CPT−11)(イリノテカンと5−FUおよびロイコボリンの治療法を含む);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;カペシタビン;コンブレタスタチン;ロイコボリン(LV);オキサリプラチン、オキサリプラチン治療法(FOLFOX)を含む;ラパチニブ(Tykerb);PKC−α,Raf、H−Ras、EGFRの阻害剤(例えば、エルロチニブ(Tarceva))および細胞増殖を抑制するVEGF−A、ダコゲン、ベルケイド、ならびに上述のいずれかの薬剤の薬学的に許容可能な塩、酸、または誘導体、の内の1種または複数種が含まれる。
代表的な検出方法
種々の実施形態では、本方法は、タンパク質および/または核酸の存在、非存在、またはレベルを評価することを含む。種々の実施形態では、本方法は、タンパク質および/または核酸の存在、非存在、またはレベルを評価することを含み、その結果として、BH3プロファイリングの特異性および/または感受性を高めることができる。いくつかの実施形態では、評価は患者の反応に対するマーカーによるものである。いくつかの実施形態では、本方法は、免疫組織化学的染色、ウェスタンブロッティング、インセルウエスタン法、免疫蛍光染色、ELISA、および蛍光活性化セルソーター(FACS)、またはいずれか他の本明細書で記載のもしくは当該技術分野において既知の方法の内の1種または複数種の方法を使った測定を含む。本方法には、抗体を腫瘍の試料(例えば、生検材料または組織または体液)に接触させて、組織または体液に特異的で、癌の状態の指標となるエピトープを特定することを含めることができる。
一般に、体液または体組織中の抗原上のエピトープの検出に使用される2つの方法:直接法と間接法がある。直接法は一段階染色を含み、体液または組織検体中の抗原と直接反応する標識抗体(例えば、FITC標識抗血清)を含めることができる。間接法は、体液または組織抗原と反応する非標識一次抗体、および一次抗体と反応する標識二次抗体を含む。標識には、放射性標識、蛍光標識、ビオチンなどのハプテン標識、または西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリフォスファターゼなどの酵素を含めることができる。これらのアッセイを行う方法は、当該技術分野において周知である。例えば、Harlow et al.(Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1988),Harlow et al.(Using Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1999),Virella (Medical Immunology,6th edition.Informa Healthcare,New York,2007),およびDiamandis et al.(Immunoassays,Academic Press,Inc.,New York,1996)を参照されたい。これらのアッセイを行うキットは、例えば、Clontech Laboratories,LLC.(Mountain View,CA)から市販されている。
種々の実施形態では、抗体は、全抗体および/または任意の抗原結合断片(例えば、抗原結合部分)および/または、これらの単鎖を含む(例えば、抗体は、ジスルフィド結合により相互に連結されている少なくとも2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖、Fab断片、V、V、C、CH1ドメインからなる一価断片のFab断片;2つのFab断片がヒンジ部でジスルフィド架橋により連結されている2価断片であるF(ab)断片;VおよびCH1ドメインからなるFd断片;抗体の単一アームのVおよびVドメインからなるFv断片、などを含む)。種々の実施形態では、ポリクローナルおよびモノクローナルモノクローナル抗体は、単離ヒトもしくはヒト化抗体、またはそれらの機能性断片として有用である。
種々の標的に対する抗体の結合能力を評価するための標準的なアッセイ、例えば、ELISA,ウエスターンブロット、RIAなどは、当技術分野において既知である。抗体の結合動力学(例えば、結合親和性)も同様に、当該技術分野において既知の標準的アッセイ、例えば、ビアコア分析により評価することができる。
別の実施形態では、測定は、核酸の存在、非存在、またはレベルを評価することを含む。当業者なら、多くの方法を使って適切なマーカーのDNA/RNAレベルを検出または定量化することができることをわかるであろう。
遺伝子の発現は、例えば、限定されないが、レポーター遺伝子アッセイ、ノーザンブロット、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)、および逆転写PCR(RT−PCR)を含む、低から中程度の多重技術(low−to−mid−plex technique)を使って測定することができる。遺伝子の発現も、例えば、限定されないが、遺伝子発現プロファイリング技術(SAGE)、DNAマイクロアレイ、タイリングアレイ、RNAシークエンス/全トランスクリプトショットガンシーケンシング(WTSS)、ハイスループットシーケンシング、マルチプレックスPCR、マルチプレックスライゲーション依存性プローブ増幅(MLPA)、ライゲーションによるDNAシーケンシング、ルミネックス/XMAPを含むより高度の多重技術を使って同様に測定することができる。当業者なら、マイクロアレイなどのアレイ、RT−PCR(定量的PCRを含む)、ヌクレアーゼプロテクションアッセイおよびノーザンブロット分析などの、多くの方法を使って検体中のバイオマーカーのRNA産物のレベルを検出または定量化することができることを理解するであろう。
代表的な癌と患者
いくつかの実施形態では、本開示は、癌治療を決定する方法を提供し、および/または患者の腫瘍または癌細胞試料を含む。癌または腫瘍は、制御されない細胞増殖および/または異常に増加した細胞生存および/または身体の器官およびシステムの正常な機能動作を妨害するアポトーシスの抑制を意味する。癌または腫瘍のある対象は、対象の身体内に存在する客観的に測定可能な癌細胞を有する対象である。本開示に含まれるのは、良性および悪性の癌、ならびに休眠腫瘍または微小転移である。癌が元の位置から移動し、重要な器官に播種されることにより、対象は罹患した器官の機能劣化により最終的に死に至る可能性がある。
種々の実施形態では、本開示は、転移前の癌、または転移癌に適応できる。転移は癌が身体の一次部位から他の場所に広がることを意味する。癌細胞は、一次腫瘍から離れて、リンパおよび血管中に侵入し、血流中を循環して、身体中のどこかの正常組織中の遠位の病巣で増殖する(転移する)。転移は近くでも、遠位でも生じうる。転移は、一次腫瘍から離れて、血流中を移動し、遠位の部位で停止する腫瘍細胞によって左右される逐次プロセスである。その新しい部位で、細胞は血液供給を確保して生命を脅かす腫瘤に成長することができる。腫瘍細胞内の刺激および抑制的の両方の分子経路がこの挙動を調節しており、また、腫瘍細胞と遠位部位との間の相互作用も重要である。転移は、転移特有の症状のモニタリングに加えて、磁気共鳴画像(MRI)スキャン、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、血液および血小板数、肝機能調査、胸部X線、骨スキャンの単独の使用または使用の組み合わせにより検出される場合が多い。
本明細書で記載の方法は、癌の予後、癌の診断、癌の治療、および/または細胞生存の増加、またはアポトーシスの抑制に関連する悪性病変および増殖性障害の増殖、進行、および/または転移の診断、予後、治療、予防または回復のために行われる。いくつかの実施形態では、癌は血液の癌であり、限定されないが、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病、および非ホジキンリンパ腫(限定されないが、マントル細胞リンパ腫およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含む)が含まれる。いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍であり、限定されないが、非小細胞肺癌、卵巣癌、黒色腫が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示は1種または複数種の次に示す癌に関する:急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、AIDS関連癌、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫(例えば、幼児期の小脳または大脳)、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、悪性線維性組織球種)脳幹神経膠腫、脳癌、脳腫瘍(例えば、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽種、テント上原始神経外胚葉腫瘍、視経路および視床下部膠腫)、乳癌、気管支線癌/カルチノイド、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、中枢神経系リンパ腫、小脳星細胞腫、子宮頸癌、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性疾患、大腸癌、皮膚T細胞性リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜癌、上衣種,食道癌、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、胆嚢癌、胃癌、消化管間葉性腫瘍(GIST)、胚細胞性腫瘍(例えば、頭蓋外、性腺外、卵巣)、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫(例えば、脳幹,大脳星状細胞腫、視経路および視床下部)、胃カルチノイド、頭頸部癌、心臓癌、肝細胞(肝臓)癌、下咽頭癌、視床下部および視経路神経膠腫、眼内黒色種、膵島細胞癌(膵島)、腎臓癌(腎細胞癌)、喉頭癌、白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリー細胞)、口唇癌および口腔癌、脂肪肉腫、肝臓癌、肺癌(例えば、非小細胞、小細胞)、リンパ腫(例えば、AIDS関連、バーキット、皮膚T細胞ホジキン、非ホジキン、中枢神経系原発)、髄芽種、黒色種、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性頸部扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄性白血病、骨髄性白血病、骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患、慢性、鼻腔および副鼻腔癌、上咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、膵臓癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体星細胞腫および/または胚細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腺腫、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌(腎臓癌)、腎盂および尿管、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫(例えば、ユーイングファミリー、カポジ、軟組織、子宮)、セザリー症候群、皮膚癌(例えば、非黒色腫、黒色腫、メルケル細胞)、小細胞肺癌、小腸癌、軟部肉腫、扁平上皮細胞癌、頸部扁平上皮癌、胃癌、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞性リンパ腫、精巣癌、喉頭癌、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、絨毛性腫瘍、尿管および腎盂癌、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、膣癌、視経路および視床下部膠腫、外陰癌、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、およびウイルムス腫瘍。
一実施形態では、癌はAMLである。AMLは、2番目に多い白血病であり、米国では、年間で約1万3千人の新規診断症例があり、死者は9千人になる。いくつかの承認された治療は有るが、多くの白血病患者の予後は不良で、治療に成功する可能性は低い。現在行われているAMLの標準的な治療は、導入化学療法の、シトシンアラビノシド(ara−C)にアントラサイクリン剤(例えば、ダウノルビシン(daunarubicin)、イダルビシンまたはミトキサントロン)を組み合わせたものである。この治療法では、通常、これに続き高用量のシタラビン投与および/または幹細胞移植が行われる。これらの治療は若い患者に改善された治療結果をもたらした。また、急性前骨髄球性白血病の治療においても進歩が見られ、この治療では、オールトランスレチノイン酸(ATRA)または三酸化ヒ素を使った標的療法により優れた生存率が得られた。しかし、大多数のAML症例集団の60歳を超える患者は、治療に懐疑的なままである。65〜85%の患者は、最初は既存の治療に反応するが、その奏効者の65%は再発し、多くの患者はこの病気で死に至る。少なくとも、この理由により、また、前述の治療が非常に強い副作用を伴うという理由から、本発明の予測試験を用いれば、これらの訴えを緩和する治療薬の使用に関し方向を示すことが可能となる。いくつかの実施形態では、本開示は、適切な患者に適切な治療を適合させることにより、治療に成功する可能性を向上させる。また、現在のところAML患者の治療に対する反応を予測する試験はない。
本明細書で使用する場合、対象という用語は、別に定義されない限り、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、または非ヒト霊長類、例えば、サル、チンパンジー、もしくはヒヒである。用語の「対象」および「患者」は同義に使用される。
代表的な試料
いくつかの実施形態では、本開示は、生検検体や外科検体を含む腫瘍試料の測定を含む。いくつかの実施形態では、試料は、凍結腫瘍組織試料、培養細胞、循環腫瘍細胞、およびホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織試料(例えば、抗体ベースBH3プロファイリング用の)から選択される。いくつかの実施形態では、生検材料はヒト生検材料である。種々の実施形態では、生検材料は、凍結腫瘍組織試料、培養細胞、循環腫瘍細胞、およびホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織試料(例えば、抗体ベースBH3プロファイリング用の)のいずれかである。
いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、凍結腫瘍組織(凍結切片)試料などの生検検体であってよい。当技術分野で周知のように、凍結切片には、冷凍器内にミクロトームを備えたクライオスタットを用いることができる。外科試料は、金属組織ディスク上に配置され、その後、チャックで固定され、約−20℃〜約−30℃まで急速に凍結される。試料は、例えば、ポリエチレングリコールやポリビニルアルコールからなるゲル状の媒体中に埋め込まれる。凍結組織はクライオスタットのミクロトーム部で凍結切断され、切片は、任意選択で、スライドガラス上に取り出して染色される。
いくつかの実施形態では、腫瘍試料は培養細胞などの生検検体であってよい。これらの細胞は、当技術分野において既知の、通常の細胞培養の技術を用いて処理することができる。これらの細胞は循環性腫瘍細胞であってもよい。
いくつかの実施形態では、腫瘍試料は生検検体、例えば、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織試料であってよい。従来技術で公知なように、生検試料は、ホルマリン(水とホルムアルデヒドの混合物)またはそれを保存するための何らかの他の液体を入れた容器中に置いてよい。組織検体は熱せられたパラフィンとともに型に入れることができる。パラフィンを冷却して組織を保護する固形ブロックを形成する。この包埋組織を含むパラフィンワックスブロックをミクロトームに乗せて、極薄い組織切片を切り出す。
特定の実施形態では、腫瘍試料(または生検材料)は100mg未満の組織を含み、または、特定の実施形態では、50mgまたはそれ未満の組織を含む。腫瘍試料(または生検材料)は、約20mg〜約50mgの組織、例えば、約35mgの組織を含んでよい。
組織は、例えば、1回または複数回(例えば、1、2、3、4、または5回)の針生検(例えば、14ゲージまたはその他の適切なサイズを使って)として採取することができる。いくつかの実施形態では、生検は細針による吸引で行われ、長く細い針を疑わしい領域に挿入し、シリンジを使って分析用の体液および細胞を抜き取る。いくつかの実施形態では、生検はコア針生検であり、切断用先端具を備えた大きな針を用いて、コア針生検を行って疑わしい領域から柱状の組織を抜き取る。いくつかの実施形態では、生検は吸引生検であり、吸引装置により針を通って抽出される体液または細胞の量を増やせる。いくつかの実施形態では、生検は画像誘導生検であり、針生検を画像処理法、例えば、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)または超音波などと組み合わせる。他の実施形態では、検体は、乳房生検用のレーザー誘導吸引生検システムであるマンモトーム(登録商標)生検システムなどの装置により採取することができる。
特定の実施形態では、試料はヒト腫瘍由来の細胞株である。特定の実施形態では、試料は癌幹細胞である。他の実施形態では、試料は、固形癌、例えば、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、膵臓癌、腎癌、または卵巣原発腫瘍などの生検由来である。
特定の実施形態では、試料は上皮由来である。いくつかの実施形態では、上皮試料は、抗上皮細胞接着分子(EpCAM)または他の固相マトリックスまたはビーズに結合した上皮細胞結合抗体を使って、生検検体から選択することにより濃縮される。
特定の実施形態では、試料は間充組織由来である。いくつかの実施形態では、間充組織試料は、神経細胞接着分子(N−CAM)またはニューロピリンまたはその他の固相マトリックスまたはビーズに結合した間充組織細胞結合抗体を用いて生検検体から選択することにより濃縮される。
特定の実施形態では、試料は、非固形癌、例えば、本明細書で記載のいずれかの癌などの生検由来である。特定の実施形態では、試料は、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、びまん大細胞性B細胞リンパ腫、および非ホジキンリンパ腫の患者の生検由来である。特定の実施形態では、試料は、固相マトリックスまたはビーズに結合した抗CD138抗体ビーズを使って生検検体から選択することにより濃縮される多発性骨髄腫細胞である。特定の実施形態では、試料は、CD45特異的抗体に結合することにより濃縮される急性骨髄性白血病細胞である。特定の実施形態では、非B細胞を除去した慢性リンパ性白血病またはびまん大細胞性B細胞リンパ腫細胞である。
いくつかの実施形態では、試料は循環腫瘍細胞由来である。いくつかの実施形態では、試料は循環腫瘍細胞由来である。いくつかの実施形態では、試料は癌患者由来の精製B細胞で作製される。
BH3プロファイリング
種々の実施形態では、本開示はBH3プロファイリングを含む。種々の実施形態では、本開示は、BH3プロファイリングを含み、少なくとも2種、または3種、または4種、または5種、または6種、または7種、または8種、または9種、または10種のBH3ペプチドを一度に評価する。いくつかの実施形態では、本方法は、単一種のBH3ペプチドの評価とは対照的に、多数のペプチドの分析を含む。いくつかの実施形態では、単一の患者の試料に対し、一連のBH3ペプチドでスクリーニングする。
いくつかの実施形態では、BH3プロファイリングはペプチドの使用を含み、使われるペプチドは、BIM、BIM2A、BAD、BID、HRK、PUMA、NOXA、BMF、BIKおよびPUMA2Aの内の1種または複数種である。いくつかの実施形態では、BH3プロファイリングは、BIM、BIM2A、BAD、BID、HRK、PUMA、NOXA、BMF、BIK、およびPUMA2Aならびに、米国特許第8,168,755号(これらの特許の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように、2種のBcl−2タンパク質、例えば、第1のBcl−2タンパク質(例えば、Bim、Bid、Bad、Puma、Noxa、Bak、Hrk、Bax、またはMule)と、第2のBcl−2タンパク質(例えば、Mcl−1、Bcl−2、Bcl−XL、Bfl−1またはBcl−w)との間で形成される天然起源のヘテロダイマー、の内の1種または複数種に対し特異的な抗体の使用を含む。いくつかの実施形態では、BH3プロファイリングは、ステープルペプチド(例えば、タンパク質をさらに剛直にし、細胞に侵入可能とするように炭化水素結合により3D−αヘリックス蛋白部分の合成を亢進することにより生成されるペプチド)の使用を含む。このペプチドに関しては、例えば、Verdine,et al,“Stapled Peptides for Intracellular Drug Targets” Methods in Enzymology,Volume 503 (Chap.1)に記載されている。この文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、ペプチドは約0.1〜約200μMの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、約0.1〜約150、または約0.1〜約100、または約0.1〜約50、または約0.1〜約10、または約0.1〜約5、約1〜約150、または約1〜約100、約1〜約50、約1〜約10、約1〜約5μM、または約10〜約100μMのペプチドが使用される。いくつかの実施形態では、約0.1、または約0.5、または約1.0、または約5、または約10、または約50、または約100、または約150、または約200μMの濃度のペプチドが使用される。一実施形態では、BH3プロファイリングは、試料の透過化処理を含む。
BH3プロファイリングおよびこのような方法に有用な試薬は、米国特許第7,868,133号、同8,221,966号、同8,168,755号、および米国特許出願公開第2011/0130309号に記載されている。これらの特許の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
簡単に説明すると、特定の理論に拘束されるものではないが、異常の表現型の結果として、癌細胞はアポトーシス経路を遮断する。この遮断により、癌細胞が一部の療法に対し抵抗性になり、また、意外にも、一部の癌細胞がその他の療法に鋭敏になる。「癌遺伝子中毒」という概念は、生存ために、癌細胞の特定のタンパク質に対して獲得された依存性、または常習性の現象を特徴付けるものである。BH3プロファイリングは、このような特定のアポトーシス調節タンパク質への依存が所定の癌細胞で発生するかどうかを判定し、依存性タンパク質を特定する。癌細胞は、何時もそうである訳ではないが、アポトーシスを受けるようにあらかじめ設定でき、これは、これがなければ生ずる意図しない生存に対するこれらの癌細胞の機能であり、この機能は、いくつか、または全ての抗アポトーシス性Bcl−2ファミリータンパク質に依存している。これが、治療に対し癌細胞が反応する可能性への洞察を提供する。
特定の理論に拘束されるものではないが、癌細胞は、DNA損傷、遺伝的不安定性、増殖因子異常信号伝達、およびマトリックス相互作用の異常または欠如などの異常性を示し、通常、これらのいくつかは、内因性(ミトコンドリア)のアポトーシス経路を介してアポトーシスを誘導するはずである。しかし、これらのアポトーシス信号に反応することなく、癌細胞は生存する。多くの場合、そうする際に、これらの細胞は慢性的なアポトーシス信号に対する選択された遮断に強く依存するようになる。この適応は癌細胞の生存の機構を提供するが、しかし、このような適応性は、特定のアポトーシス誘導療法の影響を癌細胞に受けやすくすることも可能とする。内因性アポトーシスによる細胞死に関与する非常に重要なイベントは、ミトコンドリアの外膜の透過化(MOMP)およびエフェクターカスパーゼを活性化する分子の放出である。多くの場合、MOMPは内因性アポトーシス経路の帰還不能点である。Bcl−2ファミリータンパク質はMOMPの重要な制御因子であり、それらの作用は、リンパ系およびいくつかの固形腫瘍癌の発症に関連しており、多くの癌で化学療法剤に対する抵抗性の重要なメディエーターであると考えられている。
Bcl−2タンパク質は、生存促進性(抗アポトーシス性)と、アポトーシス促進性メンバーとの間の異なるタンパク質−タンパク質相互作用により調節される。これらの相互作用は、主としてBH3(Bcl−2相同性ドメイン−3)媒介結合を介して発生する。アポトーシス開始の信号伝達は、大部分は、ミトコンドリアの上流で起こり、短いBH3のみのBcl−2ファミリーメンバーをミトコンドリアに移動させ、そこで、それらはMOMPを活性化するか、または鋭敏化する。活性化因子BH3のみのタンパク質のBimおよびBidは、エフェクターのアポトーシス促進性タンパク質であるBaxおよびBakに結合して、これらを直接活性化し、また、抗アポトーシス性Bcl−2ファミリータンパク質であるBcl−2、Mcl−1、Bfl−1、Bcl−wおよびBcl−xLに結合し、これらを抑制する。増感剤BH3蛋白であるBad、Bik、Noxa、Hrk、BmfおよびPumaは、抗アポトーシス性Bcl−2ファミリータンパク質、Bcl−2、Mcl−1、Bfl−1、Bcl−wおよびBcl−xL、にのみ結合し、それらの抗アポトーシス性機能を遮断する。特定の理論に拘束されるものではないが,各増感剤蛋白質はユニークな特異性プロファイルを有する。例えば、Noxa(AおよびB)はMcl−1と高い親和性で結合、BadはBcl−xLおよびBcl−2とは結合するがMcl−1とは弱くしか結合せず、また、Pumaはこれら3つ全ての標的に良く結合する。これらのタンパク質の抗アポトーシス性機能は、活性化因子BH3タンパク質のBim、Bidを隔離することである。増感剤ペプチドによるこれらの活性化因子の置換により、Bax/Bak媒介アポトーシス性関与が生じる。これらの相互作用は種々の結果をもたらし、これらには、限定されないが、恒常性、細胞死、アポトーシスに対する鋭敏化、およびアポトーシスの遮断が含まれる。
アポトーシス性信号伝達が遮断される癌細胞の決定的な特徴は、これらのタンパク質が抗アポトーシス性タンパク質により隔離される結果の、BH3のみの活性化因子タンパク質のミトコンドリア表面への蓄積である。この蓄積およびそれらのエフェクター標的タンパク質への近接により、「BH3プライミングされた」状態における、Bcl−2ファミリータンパク質の拮抗作用に対する感受性の増加が説明される。
いくつかの実施形態では、Noxa(AまたはB)に対する高いアポトーシス性反応を有する細胞は、Mcl−1プライミングされており、一方Badペプチドに対する高い反応性はBcl−xLまたはBcl−2がアポトーシス遮断を行っていることを示す。いくつかの実施形態では、Pumaは全Bcl−2ファミリープライミングを反映する。このように、Mcl−1もしくはBcl−xLか、その両方のタンパク質、またはいくつかのBcl−2ファミリーメンバーに依存している細胞は直ぐに区別でき、その結果、適切な治療をそれにしたがって調整することができる。ミトコンドリアのこれらのペプチドに対する反応性の違いは、Mcl−1またはBcl−xLによって影響された内因性信号伝達経路を通って機能すると知られている療法の使用を誘導する。Bcl−2抑制またはMcl−1抑制化合物の使用は、このような場合に指定することができる。いくつかの実施形態では、本方法はまた、Mcl−1またはBcl−xLの上流の実体を標的とするような治療を指示するかまたはそのような治療を禁止する。
BH3プロファイリングアッセイは、癌細胞がプライミング状態にあるときを、ならびにどのような構成でプライミングが起こっているのかを特定する。細胞の状態を使って、1種または複数種の癌治療の有害事象および/または治療効果を予測することができる。
有害事象
有害事象(AE)は癌療法中に起こり、不良転帰に付随する。例えば、血液学的有害事象(AE)は、通常、疾患の性質と既存の治療の影響のために、MM(多発性骨髄腫)、AML、CLLおよびその他の血液癌の患者が遭遇する。
MM患者の血液学的合併症には、限定されないが、貧血が含まれ、慢性出血または溶血反応、ならびにエリスロポエチンの相対的欠乏に起因すると思われる。MM患者でよく見られるその他の血液学的合併症の例は、血小板減少症および好中球減少症である。疾患の過程の間に、大部分の患者は、T細胞機能不全に続発する細胞性および体液性免疫の両方の抑制、低ガンマグロブリン血症、および顆粒球減少症を幾分経験することになる。
MMのこれらの血液学的合併症は、多くの場合、現在の治療法によりさらに悪化する。この治療法には、免疫調節薬(IMiD)、例えば、サリドマイドならびにサリドマイド類似体のレナリドマイドおよびポマリドミド、またはプロテアソーム阻害剤(PI)、例えば、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブが含まれる。
治療が原因の有害事象のリスクのある患者を特定することにより、医師が予防のステップをとることが可能になる。例えば、貧血のリスクがあると特定された患者では、エリスロポエチンによる治療を正当化することができる。したがって、患者のAEリスクの早期の特定は、進んだ治療を可能とし、薬剤誘導合併症を防ぐことが可能性であろう。
本明細書で開示のBH3プロファイリングアッセイは、種々の有害事象(AE)に適用して治療方針を示すことができる。BH3プロファイリングアッセイからのアルゴリズムの読み取り値を使うことにより、種々の有害事象のリスクのある患者を特定することができる。
BH3プロファイリングアッセイを使った分析に適するAEとしては、下記が挙げられるが、これらに限定されない:白血球増多症−高WBC数;白血球減少症−低WBC数;汎細胞増多症−全血液細胞型が少ない;汎血球減少症−全血液細胞型が少ない;血小板増加症−高血小板数;血小板減少症−低血小板数;赤血球増加症−高RBC数;貧血症−低RBC数;リンパ球増加症−高リンパ球数;リンパ球減少症−低リンパ球数;骨髄球増加症−高骨髄球数;および骨髄球減少症−低骨髄球数。
特定の態様では、上記AEは、診断されたMM、AML、CLL患者由来の治療前検体または試料のBH3プロファイリングアッセイ実験から得られたデータを使って実行したアルゴリズムにより識別することができる。他の態様では、関連アルゴリズムをALL、NHL、DLBCL、MDS、またはFLを含むその他の血液癌に適用することができる。
我々は、癌細胞中のBcl−2タンパク質の既存の元々の状態のBH3プロファイリング読み取り値を臨床的判断の文脈に変換する方法を確立した。臨床的相関調査は、最初は治療に対する最も肯定的な反応がある患者を特定することを意図した。このアッセイを行うために、読み取り値を反応に適用する。患者を非奏効者、部分奏効者、または奏効者として分類する。これまでに、我々は、BH3プロファイリング読み取り値を適用して有害事象(AE)を有すると思われる個人を特定することができることを発見した。
BH3プロファイリング読み取り値を使って薬剤誘導有害事象の可能性を評価する方法は、次のステップを含む、または、場合によっては、次のステップから構成される:診断する患者検体(例えば、末梢血または骨髄生検試料)を集めること;記載されているBH3プロファイリングを含むPraedicare Dx(商標)試験を行うこと;ペプチド、ペプチドの組み合わせ、ペプチドおよび小分子BH3ミメティックの組み合わせ、または小分子ミメティック単独に反応した、ミトコンドリア膜電位のシフトを特定すること;これらの読み取り値を1種または複数種の患者の有害事象の発生に適合させて、アルゴリズムを開発すること;アルゴリズムの結果をその他の臨床的予後マーカーと組み合わせて、臨床転帰を判定すること。
腫瘍崩壊症候群(TLS)
特定の態様では、有害事象は、腫瘍崩壊症候群であってよい。腫瘍崩壊症候群(TLS)は、癌、例えば、リンパ腫および白血病の治療後に、および時には、治療しなくても、発生する場合がある一群の代謝合併症である。これらの合併症は、臨死癌細胞の分解生成物により引き起こされ、高カリウム血症、高リン血症、高尿酸血症および高尿酸尿症、低カルシウム血症、ならびに結果としての急性尿酸腎症および急性腎不全が含まれる。
TLS関連の最もよくある腫瘍は、区別が不十分なリンパ腫、例えば、バーキットリンパ腫、ならびに白血病、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)および急性骨髄性白血病(AML)である。その他の癌(例えば、黒色腫)も同様にTLSに関連づけられてきたが、それほど多くはない。
通常、誘発する薬物療法には、化学療法剤の組み合わせが含まれるが、TLSはステロイド治療単独による癌患者でも引き金となる場合があり、場合によっては、何の治療もなしに発症することもある−この場合には、状態は「自然発生腫瘍崩壊症候群」と呼ばれる。
症状および病態形成には、例えば、高カリウム血症、高リン血症、高リン血症、低カルシウム血症、高尿酸血症、乳酸アシドーシス、および治療前自然発生腫瘍崩壊症候群が含まれる。
高尿酸血症(例えば、約15mg/dLを超える)または高リン血症(例えば、約8g/dlを超える)に加えて急性腎不全を発症している大きな腫瘍負荷を有する患者では、TLSを疑わなければならない。
いくつかの実施形態では、TLSのCairo−Bishop定義が採用される。研究室腫瘍崩壊症候群のCairo−Bishop定義には、次の、化学療法前またはその後の3日以内に発症する2種以上の異常性が含まれる:尿酸>約8mg/dlまたは約25%増加;カリウム>約6meq/Lまたは約25%増加;リン酸塩>約4.5mg/dlまたは約25%増加;およびカルシウム<約7mg/dlまたは約25%減少。研究室腫瘍崩壊症候群のCairo−Bishop定義には、研究室腫瘍崩壊症候群に加えて次の1種または複数種が含まれる:血清クレアチニンの増加(正常の上限の約1.5倍);心不整脈または突然死;およびてんかん発作。lab TLS、血清クレアチニン、不整脈、またはてんかん発作の存在に応じて、分類尺度(0−5)を使用する。
いくつかの実施形態では、本方法は、1種または複数種の癌治療の投与時の患者におけるTLSの予測である。いくつかの実施形態では、高いTLSの可能性により、このような有害反応引き起こす可能性のある癌治療を控える方向が示される。一部の実施形態では、高いTLSの可能性により、例えば、キサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、アロプリノール)および/または尿酸塩オキシダーゼ酵素(例えば、ラスブリカーゼ(ウリカーゼ))を含むTLSの発症を防止する治療薬を使用する方向が示される。
腫瘍崩壊症候群に関連するBH3プロファイリングアッセイ由来の変数を決定するために:治療(例えば、アルボシジブで)の前に集めた患者検体に関しBH3プロファイリングを行う;単一変数、BH3ペプチド単独または限定されないが、例えば、細胞遺伝学的状態、年齢、および性別を含むその他の臨床変数を、腫瘍崩壊症候群の発生と比較する分析を行う;およびWilcox p値、ロジスティック回帰p値およびAUC p値を含む統計的方法を使って有意性を確立する。
例えば、図4に示すように、アルボシジブで治療されたCLL患者では、TLSを経験しなかった患者に比べて、BADプライミングはTLSの存在と有意に関連した。BADに関するROCプロット分析からのAUCは0.75であり、臨床的調節変数の年齢およびECOG状態と組み合わせると、この値は0.85に増えた。
Abbott薬剤ABT−263、ナビトクラックスの試験に登録されたCLL患者の腫瘍崩壊症候群の発症は、試験の停止および薬剤の不合格をもたらした。有害事象を生じる高い可能性のある患者を特定する方法があったなら、その薬剤の不合格は避けられたものと思われる。影響を受けやすい患者を知ることにより、薬剤の使用および決定されるべき治療の変更に関する方向付けが可能となる。
治療前患者の有害作用の予測
薬剤に対する否定的反応は、複数のリスク因子に起因する。BH3プライミング読み取り値とアルゴリズム読み取り値中のその他の決定要因とを組み合わせることにより、化学療法的療法による治療から生じる複数のタイプの有害事象の発生に対する予後および予測の相関物が得られる。
年齢、細胞遺伝学的状態、などのリスク因子に加えて、これらのイベント、特定の有害事象へのBH3プライミングの寄与が、多変量解析を使って決定される。プライミング状態(および他のリスク因子)と副作用の発生との間の有意な関係が特定されると、個別のアルゴリズムが開発されて、薬剤の結果としてのそれらの副作用の可能性が決定される。これらのアルゴリズムは、試験症例で特定され、それぞれのリスク因子の副作用についての確率スコアに対する正確な寄与が実験的に決定される。
各アルゴリズムは、より大きな患者検体群で検証することができる。アルゴリズムを適用することにより、治療に対する反応の可能性、並びに特定の有害事象の発生の確率をまとめたレポートが生成される。データを使って、これらの懸念に対処するように治療法を調整することができる。
仮説に基づくアルゴリズム(A、BおよびCは定数):

確率スコア薬剤A反応
=A×[BIMプライミング(腫瘍細胞)]+B÷[年齢]−C×[細胞遺伝学的リスクスコア]
確率スコア薬剤A貧血
=A×[HRKプライミング(赤芽球細胞)−Noxaプライミング(赤芽球細胞)]+B÷[年齢]+C×[RBC数]
確率スコア薬剤A腫瘍崩壊症候群
=A[BADプライミング(腫瘍細胞)]−B×[細胞遺伝学的リスクスコア]+C×[%骨髄芽球]
確率スコア薬剤A腫瘍崩壊症候群
=A[BADプライミング(マクロファージ)−PUMAプライミング(マクロファージ)]−B×[細胞遺伝学的リスクスコア+C×[%骨髄芽球]
確率スコア薬剤B反応
=A×[BADプライミング腫瘍細胞]+B÷[年齢]−C×[細胞遺伝学的リスクスコア]
確率スコア薬剤B血小板減少症
=A×[BIDプライミング(血小板細胞)]+B÷[年齢]−C×[細胞遺伝学的リスクスコア]
確率スコア薬剤C自己免疫反応
=A×[BIDプライミング(TH−17細胞)]+B÷[年齢]−C×[TH−17細胞]
確率スコア薬剤C自己免疫反応(RA)
=A×[BIMプライミング(TH−17細胞)−IMプライミング(TH−17細胞)]+B÷[年齢]−C×[滑液中の総THP−1数]

代表的臨床因子と追加のバイオマーカー
いくつかの実施形態では、本開示は臨床因子の評価を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、患者の反応を評価するために、BH3プロファイリングおよび/または臨床因子の評価を含む。いくつかの実施形態では、患者の反応の情報を提供する臨床因子と、BH3プロファイリング調査との組み合わせが、アポトーシスに連関しない場合もある。いくつかの実施形態では、臨床因子はアポトーシスに影響を与えない。
一実施形態では、臨床因子は、年齢、細胞遺伝学的状態、全身状態、組織学的サブクラス、性別、および疾患ステージの内の1種または複数種である。
一実施形態では、臨床因子は年齢である。一実施形態では、患者の年齢プロファイルは、約10歳超、または約20歳超、または約30歳超、または約40歳超、または約50歳超、または約60歳超、または約70歳超、または約80歳超として分類される。
一実施形態では、臨床因子は細胞遺伝学的状態であり、ウイルムス腫瘍および網膜芽細胞腫などの一部の癌では、例えば、腫瘍抑制因子に関連する染色体領域が多く欠失または変異している場合には、遺伝子欠失または不活性化が癌進行の開始に関与している。例えば、欠失、逆位、転位は、神経膠腫、非小細胞肺癌、白血病、および黒色種の場合に、染色体領域9p21でよく検出される。特定の理論に拘束されるものではないが、これらの染色体変化は、腫瘍抑制因子サイクリン依存性キナーゼ抑制剤2Aを不活性化する可能性がある。特定の遺伝子のこれらの欠失に加えて、染色体の大きな部分が失われている場合もある。例えば、固形癌細胞では、通常、染色体1pおよび16qが欠失している。遺伝子重複および遺伝子コピー数の増加も癌に関与しており、転写解析または遺伝子コピー数変動アレイで検出することができる。例えば、染色体領域12q13−q14は多くの肉腫で増幅されている。この染色体領域は、p53と呼ばれる腫瘍抑制因子に結合することが知られているMDM2と呼ばれる結合タンパク質をコードしている。MDM2が増幅されると、それがp53の細胞増殖の制御機能を妨害し、腫瘍形成が起こることがある。さらに、特定の乳癌は、ヒト上皮増殖因子受容体2をコードするERBB2遺伝子の過剰発現に関連し、そのコピー数が増加する。また、染色体数、例えば、染色体1qおよび3qの増加は、癌リスクの増加とも関連している。
細胞遺伝学的状態は当該技術分野において既知の種々の方式で測定することが可能である。例えば、FISH、在来の核型分析、および仮想核型分析(比較遺伝子ハイブリダイゼーションアレイ(CGH)および一塩基多型アレイ)を使用することができる。例えば、FISHは特定の座位における染色体再構成を評価するのに使用することができ、これらの現象は疾病リスク状態に関連している。いくつかの実施形態では、細胞遺伝学的状況は、好ましい、中間的状態、または好ましくないである。
一実施形態では、臨床因子は患者の全身状態である。全身状態は、任意のシステムを使用して定量化することができ、患者の全身状態のスコアリング方法は当技術分野において知られている。この尺度は、患者が化学療法剤や用量調節を受けることができるか否かを判断するために、および緩和ケアの強度を決定するために使用されることが多い。種々のスコアリングシステムがあり、これらには、カルノフスキースコアおよびズブロッドスコアが含まれる。パラレルスコアリングシステム(parallel scoring system)は機能の全体的評定(GAF)スコアを含み、これは精神医学の精神障害の診断と統計のためのマニュアル(DSM)の5番目の軸として組み込まれている。より高い全身状態(例えば、カルノフスキースコアリングシステムで、少なくとも80%、または少なくとも70%)の場合は、疾患状態の進行を防ぐために治療を指示し、化学療法剤および/または照射線治療を受ける患者の能力を高めることができる。例えば、これらの実施形態では、患者は通院可能で、セルフケア化可能であり、他の実施形態では、評価はより低い全身状態(例えば、カルノフスキースコアリングシステムで50%未満、30%未満、または20%未満)の患者を示し、従来の放射線療法および/または化学療法剤に耐えることが可能となる。これらの実施形態では、患者はほとんどベッドまたは椅子の範囲内に限定され、セルフケアの動作すらできない。
カルノフスキースコアは100〜0であり、100が「完全」な健康で、「0」は死亡である。スコアは10間隔で用いられ、つまり100%は正常で病訴がなく、疾患の兆候がない;90%は正常の活動が可能だがいくつかの疾患の症状や兆候がある;80%はいくつかの困難を伴う正常な活動が可能であるが、いくつかの疾患の症状や兆候がある;70%はセルフケア可能であるが正常の活動や仕事ができない;60%は援助が少し必要であるがほとんどの個人的な必要事項は処理できる;50%は介護がしばしば必要であり頻繁な診療が必要である;40%は障害を持ち特別な介護と援助が必要;30%は重篤な障害を持ち入院が必要であるが、死の危険性はない;20%は非常に病状が悪化した状態で緊急の入院が必要であり支援策または治療が必要;10%は瀕死状態で、急激に進行する致命的な疾患プロセスである。
全身状態は、ズブロッドスコアリングシステムでは下記を含む:0、完全に活動的、病気にかかる前のすべての制限のない全身状態;1、物理的に激しい活動に制限があるが通院可能で軽いまたは坐位で行う性質の仕事、例えば、軽い家事が可能;2、通院可能ですべてのセルケアが可能であるが覚醒時の約50%以上でどのような作業活動も実行できない;3、限定されたセルケアのみ可能で、覚醒時の50%を超える時間をベッドまたは椅子の範囲内に完全に限定される;4、完全に障害のある状態でどのようなセルケアもできない、ベッドまたは椅子の範囲内に完全に限定される;5、死亡。
一実施形態では、臨床因子は組織学的サブクラスである。いくつかの実施形態では、腫瘍の組織検体はElston & Ellis,Histopathology 1991,19:403−10に従って等級分けされる。この文献の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、臨床因子は性別である。一実施形態では、性別は男性である。別の実施形態では、性別は女性である。
一実施形態では、臨床因子は疾患ステージである。非限定的例であるが、ステージのグループ分けを使用すると、ステージIでは癌は身体の一部に限局されている;ステージII、ステージIIIでは、癌は局所的に進行した癌である。癌がステージIIとして指定されるかまたはステージIIIとして指定されるかは、特定のタイプの癌に依存し、一非限定的例では、ホジキン病ではステージIIは横隔膜の片側のみの罹患したリンパ節を示し、一方、ステージIIIは横隔膜の両側の罹患したリンパ節を示す。そのために、ステージIIおよびIIIに対する具体的な基準は、診断に応じて異なる。ステージIVの癌は、転移、または他の器官もしくは全身に拡散していることが多い。
いくつかの実施形態では、臨床因子は血液疾患に対するFrench−American−British(FAB)分類システム(例えば、骨髄形成異常の存在、骨髄芽球と赤芽球の定量化を示す)である。一実施形態では、急性リンパ性白血病のためのFABはL1−L3であり、または急性骨髄性白血病はM0−M7である。
別の実施形態では、本方法は、変異状態、一塩基多型、定常状態タンパク質レベル、および動的タンパク質レベルから選択される追加のバイオマーカーをさらに含む。別の実施形態では、本方法は、患者の臨床反応を予測することをさらに含む。別の実施形態では、臨床反応は約1年、約2年、約3年、または約5年の無増悪/無再発生存期間である。
年齢プロファイルおよび全身状態などの種々の臨床因子は特定される。細胞遺伝学的、分子学的イベントなどの多くの診断の静的測定も使用される。これらには、限定されないが、遺伝子MLL、AML/ETO、Flt3−ITD、NPM1(NPMc+)、CEBPα、IDH1、IDH2、RUNX1、ras、およびWT1の変異、さらにエピジェネティク修飾遺伝子TET2、ASXLの変異、ならびに細胞内シグナル伝達タンパク質プロファイルの変化が含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載の方法により方針が示されるように、予防法は、癌に苦しめられる可能性のある患者に対する治療薬を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象が癌に対する1種または複数種の高いリスク、例えば、癌に対する遺伝性素因(例えば、遺伝的リスク因子)、癌の以前の発症(例えば、新しい癌および/または再発)、癌の家族歴、癌誘導薬剤への暴露(例えば、環境要因)、および薬理ゲノミクス情報(例えば、薬物動態学的、薬力学的または治療の有効性プロファイルの遺伝子型の効果)を特徴とする場合、対象は癌に苦しめられる可能性がある。
いくつかの実施形態では、対象が癌に対しハイリスクを特徴とする場合、対象は癌に苦しめられる可能性がある。いくつかの実施形態では、対象が癌に対する遺伝性素因を特徴とする場合、対象は癌に苦しめられる可能性がある。いくつかの実施形態では、癌に対する遺伝性素因は、当該技術分野において知られているように、遺伝的臨床因子である。このような臨床因子には、例えば、少なくとも、結腸、子宮、小腸、胃、尿路の癌に対しては、HNPCC、MLH1、MSH2、MSH6、PMS1、PMS2が含まれる可能性がある。いくつかの実施形態では、対象が以前の癌の発症を特徴とする場合、対象は癌に苦しめられる可能性がある。いくつかの実施形態では、対象は1、または2、または3、または4、または5、または6回の以前の癌の発症に苦しめられている。いくつかの実施形態では、対象が癌の家族歴を特徴とする場合、対象は癌に苦しめられる可能性がある。いくつかの実施形態では、親および/または祖父母および/または兄弟および/または叔父/叔母および/または大叔父/大叔母および/またはいとこが今まで癌に苦しめられてきたか、または現在苦しめられている。いくつかの実施形態では、対象が癌誘発薬剤(例えば、環境要因)への暴露を特徴とする場合、対象は癌に苦しめられる可能性がある。例えば、皮膚の強力な日光への暴露は、皮膚癌の臨床因子である。例えば、喫煙は、肺、口腔、喉頭、膀胱、腎臓、およびいくつかの他の器官の癌に対する臨床因子である。
さらに、いくつかの実施形態では、次の臨床因子は本明細書に記載される方法に有用である可能性がある:性別、遺伝的リスク因子、家族歴、個人歴、人種および民族性、特定の組織の特徴、様々な良性状態(例えば、非増殖性病変);以前の胸部X線、発癌性物質への暴露など。
さらにまた、いくつかの実施形態では、次の臨床因子のいずれか1つは本明細書に記載される方法に有用である可能性がある:1種または複数種の細胞表面CD33、細胞表面マーカーCD34、FLT3変異状態、p53変異状態、MEK−1キナーゼのリン酸化状態、およびBcl−2の70番目のセリンのリン酸化。
いくつかの実施形態では、臨床因子は、限定されないが、インターロイキン−6を含むサイトカインの発現レベルである。いくつかの実施形態では、インターロイキン−6レベルは、患者の不良予後または患者の良予後を含むMM患者の反応の可能性に相関する。
特定の実施形態では、反応の可能性は、パーセントプライミングを評価することにより決定することができる。特定の実施形態では、プライミングは次の式:

により定義される。式中、AUCは曲線下面積または信号強度を含む;DMSOはベースラインの陰性対象を含む;CCCP(カルボニルシアニド m−クロロフェニルヒドラゾン)はミトコンドリアの電子伝達系における電子キャリアーの正常な活性中に確立されたプロトン勾配の脱共役剤として機能することによるタンパク質合成のエフェクターを含み、ベースラインの陽性対照を含む。いくつかの実施形態では、曲線下面積は、均一時間分解蛍光法(HTRF)によって確立される。いくつかの実施形態では、時間は約0〜約300分と約0〜約30分との間である。いくつかの実施形態では、曲線下面積は、蛍光活性化セルソーター(FACS)によって確立される。いくつかの実施形態では、信号強度は、約5分〜約300分で発生する単一時点での測定値である。
別の実施形態では、方法は、BH3プロファイリングアッセイを測定すること、および細胞表面マーカーCD33、CD34、FLT3変異状態、p53変異状態、MEK−1キナーゼのリン酸化状態、Bcl−2の70番目のセリンのリン酸化の内の1種または複数種を測定すること、ならびにAML患者のシタラビンまたはシタラビン系化学療法剤および/またはアザシチジンによる治療の有効性と関連付けることを含む。
別の実施形態では、方法は、BH3プロファイリングアッセイおよび細胞表面マーカーCD33、CD34、FLT3変異状態、p53変異状態、MEK−1キナーゼのリン酸化状態、Bcl−2の70番目のセリンのリン酸化を測定すること、ならびにMM患者の化学療法剤による治療の有効性と関連付けることを含む。
さらに別の実施形態では、癌はAMLおよび/またはMMであり、臨床因子は年齢プロファイルおよび/または細胞遺伝学的状態であり;または癌はAMLおよび/またはMMであり、癌治療はシタラビンまたはシタラビン系化学療法剤および/またはアザシチジンであり、または癌治療はシタラビンまたはシタラビン系化学療法剤および/またはアザシチジンであり、臨床因子は年齢プロファイルおよび/または細胞遺伝学的状態であり、または癌治療はシタラビンまたはシタラビン系化学療法剤および/またはアザシチジンであり;癌はAMLおよび/またはMMであり;ならびに臨床因子は年齢プロファイルおよび/または細胞遺伝学的状態である。
本開示は腫瘍または癌細胞試料の評価を簡便化することができるキットも提供する。本開示の典型的なキットは、様々な試薬を含み、例えば、BH3ペプチドを検出する1種または複数種の試薬を含む。キットは、種々の検出法で有用なもの、例えば、抗体などを含む1種または複数種の検出用の試薬を含んでもよい。キットは、ウエルプレート、シリンジなどを含む評価に必要な材料をさらに含むことができる。キットはラベルまたは記載された試薬の使用方法が印刷された説明書をさらに含んでもよい。キットは試験される治療薬をさらに含んでもよい。
「a」、「an」、および「the」などの単数形は、本出願を通して便宜上使用されるが、文脈または明示的記述により別義が示される場合を除き、単数形は、複数を包含することが意図されることは、理解されるべきである。さらに、本明細書で言及された全ての学術論文、特許、特許出願、出版物、などは、本出願において、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。全ての数値範囲は、数値範囲内のそれぞれのおよびすべての数値点を含むものと理解されるべきであり、また、それぞれのおよびすべての数値点を個別に記述しているものと解釈されるべきである。同じ成分または性質を対象とした全ての範囲の端点は、その両端を包含し、また、独立に組み合わせ可能であることが意図されている。
参照数値表示に関連して使われる用語の「約」は、参照数値表示±参照数値表示の10%を意味する。例えば、用語の「約50」は、45から55の範囲を含む。
本明細書で使用する場合、「含む(include)」という単語とその変形は、非限定であることを意図し、それにより、リスト中の項目の記載は、この技術の材料、組成物、装置、および方法に有用である可能性のある他の類似項目の除外を意図するものではない。同様に、用語の「can」および「may」およびその変形は、非限定であることを意図し、それにより、ある実施形態が特定の要素または特徴を含むことが「できる(can)」または含んでも「よい(may)」という記載は、これらの要素または特徴を含まないこの技術のその他の実施形態を排除するものではない。including、containing、またはhavingなどの用語の同義語であるオープンエンド用語の「含む(comprising)」が本明細書で使用して本開示を記載および請求するが、本技術、またはその実施形態は、「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」記載成分などの限定用語を使って、別の選択肢として記載することができる。
特に断らなければ、本明細書の全ての技術および科学用語は、本開示が属する当業者により通常理解されているものと同じ意味を有する。本開示を実施または試験する上で本明細書に記載されるものと同様または同等のいかなる方法および材料も使用することができるが、好適な方法および材料を以下に記載する。引用されている出版物、特許、および特許公報は全て、本出願において、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
実施例
実施例1
BH3プロファイリング
反応混液解凍した一定分量の治療前のB細胞慢性リンパ性白血病細胞を含む末梢血単核球を、ビオチン化モノクローナル抗体(CD2、CD4、CD11b、CD16、CD36、抗IgE、およびCD235a)の反応混液および磁気ビーズ(Miltenyi Biotec,Auburn,CA)を使った非B細胞除去により未処理のB細胞を精製した。抗CD19−APCおよび抗ビオチン抗体FITCを使って、精製の前後に細胞精製の程度を染色細胞のフローサイトメトリーにより、M除去反応混液(Miltenyi Biotec,Auburn,CA)由来のAbで標識した非B細胞の存在をモニターした。試料をジギトニンで透過処理し、JC−1ミトコンドリア染料および100μMのBH3ペプチド(Bim、Puma、Noxa、Bad、Bmf、Hrk(BimおよびPumaは、それぞれ0.1μMおよび10μMでもアッセイした))と共に、またはジメチルスルホキシド(DMSO)[1%])またはカルボニルシアニド m−クロロフェニルヒドラゾン(CCCP[10μM])と共にインキュベートした。検体を3回実験し、JC−1染料の蛍光トレースをアッセイの300分間にわたりモニターした。DMSOバックグラウンドに対し正規化後、曲線下面積を陽性対照脱共役試薬に対して積分した。
統計分析
バイオマーカー状態(%プライミング)と臨床反応分類または腫瘍崩壊症候群(LTS)との間の1変量試験関連を、回帰分析(2群より多い群の比較)またはロジスティック回帰分析(2群分析の場合)により求めた。我々は、p<0.05の有意性による統計分析計画をあらかじめ決定した。マーカーの予測能力を、受光器動作特性曲線下面積(AUC)を使って評価した。多変量解析はロジスティック回帰分析、臨床病理学的データ由来の重要な調節変数を用いて行った。解析はSASソフトウエア、バージョン9.2(Cary,NC)、Rバージョン2.14.2(Vienna,Austria)、および/またはGraphpad Prismバージョン5.04(La Jolla,CA)を利用した。
実施例2
治療前患者試料のBH3プロファイリング
26人の参加者(中央年齢値73.8歳[範囲:61.1〜80.7歳])由来の、一定分量の治療前試料を、BH3プロファイリングのために解凍した。解凍時に、これらの試料は優れた生存率の細胞を生成した(中央値82.1%[範囲:62.2〜97.9%]生細胞)。それらは、次に、活性化因子(Bim)およびBcl−2ファミリータンパク質の機能の代用物としていくつかの増感剤(Noxa、Puma、Bad、Hrk、Bmf)を含む個別BH3ペプチドに対するインビトロ曝露を受けた。26個の試験試料の内の23個(n=8およびn=15、それぞれBMおよびPB由来)が解析可能なデータを提供し、全体の技術的成功比率は88.5%であった。不十分な細胞数の理由で、3個の検体を統計分析から削除した。留意すべき点は以下である:13個の試料を2回ずつ分析し、個々の患者由来の繰り返し検体の全体の変動係数(CV)はほぼ3〜5%であり、技術的に堅牢なアッセイであることを示している(データは示さず)。
BH3ペプチドに対するプライミングとボリノスタット/GOによる導入療法との間の関連
パーセントプライミング、すなわち、脱共役対照薬剤に比較して、ミトコンドリアの脱分極を誘導するための、所定のBH3ペプチドまたはBH3ミメティック化合物の数量化可能な性質を、それぞれのペプチドについて、試験療法に反応した患者(すなわち、CR/CRpのいずれかを達成した患者)および治療に失敗した患者に関し患者別に表2にまとめている。アッセイしたペプチド中で、Noxaのみが奏効者(54.1±29.0%[平均±SD])と非奏効者(23.8±14.9%;p=0.027)との間で統計的に有意差のあるプライミングを誘発した。個々の患者別にNoxaによるパーセントプライミングを図1Aに示す。Noxaの予測バイオマーカーとしての能力を試験するために、我々は、受光器動作特性曲線下の面積(AUC)を採用し、このバイオマーカーの感受性および特異性を解析し、これにより0.83のAUC(95%CI:0.65−1.00;p=0.00042;図1B)を得た。我々は、奏効者は、非奏効者より著しく若い(表1参照)ことがわかったので、Noxaプライミングの調節分析を行った。この分析では、年齢を第2の共変量として考慮した。図1Bに示すように、年齢に対する調節(連続変数として)によりAUCが0.88(95%CI:0.75−1.00)に向上した。Noxaとは対照的に、Bim(2種のペプチド濃度)、Puma(2種のペプチド濃度)、Bad、Hrk、およびBmf(表2)で誘導されたプライミングに対する統計的有意差は認められなかった。
実施例3
血小板減少症用のバイオマーカーとしての血小板におけるBH3ペプチドまたはBH3ミメティック化合物に対するプライミング間の関連
解凍した一定分量の治療前の赤芽球細胞を含む末梢血単核細胞を、赤芽球集団から測定値を得ることを可能とする次の差異を加えて、前述と同様にして、BH3プロファイリング用として調製する;細胞を洗浄し、免疫染色法用の4%FBSを含む200μlのPBS中に再懸濁する。赤血球の識別の分析のために、細胞を1:200希釈のフィコエリトリン標識抗CD71(BD Biosciences)およびアロフィコシアニン標識抗Ter−119抗体(BD Biosciences)と共に室温で15分間インキュベートする。除核分析のために、細胞を10μg/mlのHoechst33342(Sigma)を使って室温で15分間さらに染色した。最終濃度0.2μg/mlのヨウ化プロピジウム(BD Biosciences)を加えて分析対象から死細胞を除く。アロフィコシアニン標識アネキシンV(BD Biosciences)およびヨウ化プロピジウムで共染色することによりアポトーシスを評価する。細胞周期分析を行うために、細胞を洗浄し、50μlのPBSに再懸濁し、1mlの冷たい90%エタノールで固定し、4℃で一晩貯蔵した。固定細胞を洗浄し、ヨウ化プロピジウム(20μg/ml)およびRNアーゼA(200μg/ml)を含むPBS中、室温で1時間インキュベートした。BD LSRII(BD Biosciences)を使ってフローサイトメトリーを行い、BD FACSDiva(BD Biosciences)を使ってデータ解析を行った。
BH3ペプチドまたはBH3ミメティック化合物に対するプライミングと、パノビノスタット、ナビトクラックス、メトトレキセートまたはカルボプラチンによる治療に対する反応との間の関連を、変量回帰分析を行うことにより確立する。
パーセントプライミング、すなわち、脱共役対照薬剤に比較して、ミトコンドリアの脱分極を誘導するための、所定のBH3ペプチドまたはBH3ミメティック化合物の数量化可能な性質を、それぞれのペプチドについてまとめる。
実施例4
貧血発症に対するバイオマーカーとしての赤芽球におけるBH3ペプチドまたはBH3ミメティック化合物に対するプライミング間の関連
解凍した一定分量の治療前の赤芽球細胞を含む末梢血単核細胞を、赤芽球集団から測定値を得ることを可能とする次の差異を加えて、前述と同様にして、BH3プロファイリング用として調製する;細胞を洗浄し、免疫染色法用の4%FBSを含む200μlのPBS中に再懸濁する。赤血球の識別の分析のために、細胞を1:200希釈のフィコエリトリン標識抗CD71(BD Biosciences)と共に室温で15分間インキュベートする。除核分析のために、細胞を10μg/mlのHoechst34580(Life Technologies)を使って室温で15分間さらに染色した。アロフィコシアニン標識アネキシンV(BD Biosciences)で共染色することによりアポトーシスを評価し、最終濃度0.2μg/mlのヨウ化プロピジウム(BD Biosciences)を加えて分析対象から死細胞を除く。BD FACSCantoII(BD Biosciences)を使ってフローサイトメトリーを行い、BD FACSDiva(BD Biosciences)を使ってデータ解析を行った。
BH3ペプチドまたはBH3ミメティック化合物に対するプライミングと、抗腫瘍療法、例えば、レブリミド(revlamid)およびデキサメタゾンと組み合わせたベルケイド、またはpalmolidomideと組み合わせたカルフィルゾミブ(carlfizomib)での治療に対する反応との間の関連を確立する。
実施例5
大腸炎または関節リウマチの発症に対するバイオマーカーとしてのマクロファージにおけるBH3ペプチドまたはBH3ミメティック化合物に対するプライミング間の関連
解凍した一定分量の治療前の赤芽球細胞を含む末梢血単核細胞を、マクロファージ集団から測定値を得ることを可能とする次の差異を加えて、前述と同様にして、BH3プロファイリング用として調製する;細胞を洗浄し、免疫染色法用の4%FBSを含む200μlのPBS中に再懸濁する。赤血球の識別の分析のために、フローサイトメトリーを使って、BD Lyoplateヒト細胞表面マーカー選別パネル(Becton Dickenson)で染色した1:200希釈のScreen suspension THP−1細胞(単球)と共に、細胞をインキュベートする。アネキシンV(BD Biosciences)および最終濃度0.2μg/mlのヨウ化プロピジウム(BD Biosciences)を加えて分析対象から死細胞を除く。BD FACSCantoII(BD Biosciences)を使ってフローサイトメトリーを行い、BD FACSDiva(BD Biosciences)を使ってデータ解析を行った。
BH3ペプチドまたはBH3ミメティック化合物に対するプライミングと、腫瘍に対する免疫応答を媒介に依存する抗腫瘍療法、例えば、ヤーボイ(イピリムマブ)単独または抗PDL−1(MPDL3280A、Genentech)の組み合わせによる治療に対する反応との間の関連を確立する。






Claims (18)

  1. BH3プロファイルを、慢性リンパ性白血病(CLL)患者の1種または複数種の癌治療に対する有害反応の可能性の指標とするインビトロの方法であって、
    患者の細胞試料に対しBH3プロファイルを検出すること
    を含み、
    ここで、前記BH3プロファイルを検出することは、BADおよびPUMAの少なくとも1つに対する反応を測定することを含み、
    ここで、前記BH3プロファイルは、前記患者の前記1種または複数種の癌治療に対する有害反応の可能性を示し、
    ここで、前記有害反応は、腫瘍崩壊症候群(TLS)である、方法。
  2. 前記BH3プロファイルを検出することが、BIMおよびHRKの少なくとも1つに対する反応を測定することをさらに含み、ここで、BIMおよびHRKプロファイルは治療効果を示す、請求項1に記載の方法。
  3. 1種または複数種の癌治療に対する有害反応の高い可能性が、前記有害反応を引き起こす前記1種または複数種の癌治療が控えられ得ることを示す、請求項1に記載の方法。
  4. 変異状態、一塩基多型、定常状態のタンパク質レベル、および動的なタンパク質レベル、から選択される追加のバイオマーカーのインビトロでの測定をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記1種または複数種の癌治療が、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤による前記CLL患者の治療を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 記サイクリン依存性キナーゼ阻害剤が、アルボシジブである、請求項に記載の方法。
  7. 前記癌治療が、BH3ミメティック、プロテアソーム阻害剤、エピジェネティック修飾剤、トポイソメラーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、およびキネシンスピンドルタンパク質安定化剤から選択される第2の治療をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第2の癌治療が細胞エピジェネティック機構の修飾物質である、請求項に記載の方法。
  9. エピジェネティック機構の前記修飾物質が、ボリノスタット、エンチノスタット、アザシチジンおよびデシタビンの内の1種または複数種から選択される、請求項に記載の方法。
  10. 前記第2の癌治療が、エピルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ダウノルビシン、およびイダルビシンの内の1種または複数種である、請求項に記載の方法。
  11. 前記第2の癌治療がシタラビンまたはシタラビン系化学療法剤である、請求項に記載の方法。
  12. 前記第2の癌治療がBH3ミメティックである、請求項に記載の方法。
  13. 前記BH3ミメティックが、BCL−2、BCLXL、およびMCL1の内の1種または複数種である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第2の癌治療がMCL1の阻害剤である、請求項に記載の方法。
  15. 前記BH3プロファイリングが、前記患者の癌細胞を透過化処理すること、前記透過化処理した細胞と1種または複数種のBH3ドメインペプチドとの接触時に、ミトコンドリア膜電位の変化を測定すること;およびミトコンドリア膜電位の低下を、前記細胞のアポトーシス誘導化学療法剤への化学療法感受性と相関付けることを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記BH3プロファイリングが、BADおよびPUMAと、BIM、BIM2A、BFL、BID、HRK、NOXA、BMF、BIK、およびPUMA2Aの内の1種または複数種とに対する反応を含む、請求項に記載の方法。
  17. 前記BH3プロファイリングが、0.1μM〜200μMの濃度のペプチドの使用を含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記試料が、凍結腫瘍組織試料、培養細胞、循環腫瘍細胞、およびホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織試料から選択される生検材料である、請求項1に記載の方法。
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