以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器としてのデジタルカメラ100の背面図である。
図1のデジタルカメラ100は、本体に、表示部28、モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、操作部70、電源スイッチ72、接続ケーブル111、コネクタ112、記録媒体200、記録媒体スロット201、記録媒体スロットの蓋202、及び光学ファインダ210を有する。操作部70は、ズームレバー70a、メニューボタン70b、消去ボタン、SETボタン、ディスプレイボタン、十字に配置された4方向ボタン(上ボタン、下ボタン、右ボタン、左ボタン)、及びホイールの各ボタンで構成される。
表示部28は、例えば、液晶ディスプレイであり、記憶媒体200に格納された画像データやタッチパネル式の操作ボタンを表示する。モード切替スイッチ60は、デジタルカメラ100を撮影モード、再生モード、又は動画撮影モードを含む複数の動作モードのいずれかへ切り替える。なお、撮影モード及び動画撮影モードはさらに複数のモードを有する。操作部70はユーザからの操作を受け、電源スイッチ72は電源のオンとオフを切り替える。接続ケーブル111はデジタルカメラ100と外部機器を接続し、コネクタ112は接続ケーブル111とデジタルカメラ100を接続する。
記録媒体200はメモリカードやハードディスク等であり、記録媒体スロット201は記録媒体200を格納する。光学ファインダ210は、ユーザによって被写体や画角を確認するときに使用される。
図2は、図1のデジタルカメラ100の内部構成を概略的に示すブロック図である。
図2において、デジタルカメラ100は、マイク10、音声制御部11、タイミング発生部12、D/A変換器13、メモリ制御部15、圧縮/伸張部16、インターフェース18、撮像部22、A/D変換器23、画像処理部24、表示部28、電源部30、メモリ32、コネクタ33,34、スピーカ39、RTC(Real Time Clock)40、システム制御部50、システムメモリ52、不揮発性メモリ56、モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、操作部70、電源スイッチ72、電源制御部80、レンズ駆動部90、記録媒体着脱検知部96、シャッター101、バリア102、少なくとも1つのフォーカスレンズ及び少なくとも1つのズームレンズを含む撮影レンズ103、通信部110、及びコネクタ(無線通信の場合はアンテナ)112を有する。さらに、図2において、記録媒体200は、記録部19、コネクタ35,36、及びインターフェース37を有する。
マイク10から出力された音声信号は、アンプ等で構成される音声制御部11を介してA/D変換器23へ入力され、該A/D変換器23にてデジタル信号に変換された後、メモリ制御部15を介してメモリ32に格納される。
音声制御部11は、記録媒体200に格納されている音声データをメモリ32に格納した後、当該音声データをD/A変換器13によってアナログ信号に変換し、スピーカ39を駆動して音声出力する。
タイミング発生部12は、メモリ制御部15及びシステム制御部50によって制御されると共に、音声制御部11、D/A変換器13、撮像部22、及びA/D変換器23にクロック信号や制御信号を供給する。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。
圧縮/伸張部16は、適応離散コサイン変換(ADCT)等によりメモリ32に格納された撮像画像及び圧縮画像に対して夫々圧縮処理及び伸張処理を行い、処理済みの画像データをメモリ32に格納する。メモリ32に格納された画像データは、システム制御部50においてファイル化され、インターフェース18を介して記録媒体200に格納される。
インターフェース18は、デジタルカメラ100と記録媒体200を接続するインターフェースである。撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換することができ、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するときや、音声制御部11から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するときに使用される。A/D変換器23の出力データは、画像処理部24、メモリ制御部15を順次介して、又はメモリ制御部15を直接介して、メモリ32に格納される。
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又はメモリ制御部15からのデータに対して所定の画素補間や縮小等のリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24は撮像して得た画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。さらに、画像処理部24は撮像して得た画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
画像表示部28は、D/A変換器13からのアナログ信号に応じて表示を行う。例えば、メモリ32に格納されている表示用の画像データはD/A変換器13を介して画像表示部28に表示される。なお、画像表示部28は必ずしもデジタルカメラ100が有する必要はなく、デジタルカメラ100は内部又は外部の表示装置と接続することができ、少なくとも表示装置の表示を制御する表示制御機能を有していればよい。電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池又はNiMH電池若しくはLi電池の二次電池、ACアダプター等からなる。
メモリ32は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して得られる画像データや画像表示部28に表示するための画像データを格納する。また、メモリ32は、マイク10において録音された音声データ、静止画像、動画画像、及び画像ファイルのファイルヘッダを格納する。さらに、メモリ32は、画像表示部28に表示されるデータを一時的に格納し(ビデオメモリ)、所定枚数の静止画像や所定時間の動画画像及び音声を格納するための十分な記憶容量を備えている。
コネクタ33,34は電源部30と電源制御部80を接続する。RTC40は日付及び時刻を計時する。また、RTC40は、電源制御部80とは別に内部に電源部を保持しており、電源部30による電気の供給が途絶えても、計時状態を続けることができる。
コネクタ35,36は記録媒体200とインターフェース18を接続するためのコネクタである。記録媒体着脱検知部96はコネクタ35,36に記録媒体200が接続されているか否かを検知する。
システム制御部50は、デジタルカメラ100全体を制御する。また、システム制御部50は、不揮発性メモリ56に格納されたプログラムを実行して、後述する本発明の実施の形態における各処理を行う。さらに、システム制御部50は、RTC40が計時した日時を取得し、システムタイマを設定することによってタイマ制御を実行する。
システムメモリ52は、RAMであり、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。不揮発性メモリ56は電気的に消去・記録可能なメモリ、例えば、EEPROMであり、システム制御部50の動作用の定数、後述する各種フローチャートを実行するためのプログラム等を格納する。
モード切替スイッチ60及び操作部70は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
モード切替スイッチ60に対する操作に応じて、デジタルカメラ100に適用される動作モードが設定される。動作モードのうち撮影モードが設定された場合には、撮影モードが有する複数のモード、例えば、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、及びカスタムモードのいずれか1つが操作部70を操作することによって設定される。動作モード及び撮影モードはモード切り替えスイッチ60によって切り替えてもよく、他の操作部材によって切り替えてもよい。
シャッターボタン61は、押下が中途で中断された状態(いわゆる半押し状態)で第1シャッタースイッチ信号SW1を発生し、完全に押下された状態(いわゆる全押し状態)で第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。
第1シャッタースイッチ信号SW1の発生が検知されると、システム制御部50によってAF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作が開始される。また、第2シャッタースイッチ信号SW2の発生が検知されると、システム制御部50によって撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを格納するまでの一連の撮像処理の動作が開始される。
操作部70を構成する各ボタンが押下されると、システム制御部50によって押下されたボタンに応じた機能が実行される。例えば、メニューボタン70bが押下されると撮影/設定画面が画像表示部28に表示される。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成される。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、当該検出の結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を記録媒体200を含む各部へ供給する。
バリア102は、撮像部22を覆うことにより、レンズ103、絞り機能を備えるシャッター101、及び撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
通信部110は、デジタルカメラ100と外部装置を接続するためのインターフェースであり、RS232C、USB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信等の各種通信方式を採用する。
コネクタ112は、通信部110を介してデジタルカメラ100を他の機器と接続するためのコネクタであり、無線通信のときはアンテナとなる。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部19を有し、記録部19は、コネクタ35,36、及びインターフェース37を介してデジタルカメラ100と接続する。
図3は、図1における表示部28に表示されるレンズ位置設定画面300を説明するために用いられる図である。
図3(a)は図1におけるメニューボタン70bが押下されると表示部28に表示される撮影/設定画面の表示例であり、図3(a)の撮影/設定画面はレンズ位置設定ボタン301を含む。レンズ位置設定ボタン301が押下されるとレンズ位置設定画面300が表示される(図3(b))。レンズ位置設定画面300には、スルー表示中に表示されるスルー画像310に重畳してズームバー302、ズームバー表示部303、広角端アイコン304(第1の表示アイテム)、望遠端アイコン305(第2の表示アイテム)、ズーム倍率306、ダイアログ307、決定ボタン308、及びキャンセルボタン309が表示される。スルー表示とは撮像部22で撮像している画像がほぼリアルタイムで表示部28に表示されることをいう。
ズームバー302は、光学ズーム領域におけるズームレンズのレンズ位置を示し、ズームバー表示部303はズームバー302を表示する。なお、ズームバー表示部303には、電子ズーム領域も合わせて表示してもよい。広角端アイコン304はズームレンズの広角端を表示するアイコンであり、望遠端アイコン305はズームレンズの望遠端を表示するアイコンである。本発明の実施の形態では、広角端アイコン304及び望遠端アイコン305はいずれも光学ズーム領域における広角端と望遠端であるものとするが、望遠端は電子ズーム領域の望遠端としてもよい。
ズーム倍率306は、ユーザによって設定されるユーザ所望のズームレンズのレンズ位置(以下、「カスタマイズレンズ位置」という)を基準としてレンズ位置が光学望遠端にあるときのズーム倍率を表示する。ダイアログ307はユーザへメッセージを表示し、図3(b)ではカスタマイズレンズ位置のズーム操作による設定のリクエストをメッセージとして表示する。決定ボタン308はカスタマイズレンズ位置を決定するときに押下され、キャンセルボタン309はカスタマイズレンズ位置の設定を中止するときに押下される。
ユーザは、レンズ位置設定画面300が表示された後にズーム操作を行い、ズームレンズの位置がユーザ所望のレンズ位置となったとき(図3(c))にズーム操作を中止し、決定ボタンを押下して、カスタマイズレンズ位置を設定する。カスタマイズレンズ位置は、光学ズーム領域におけるユーザの所望の位置に設定される。図3(c)において焦点距離4.3mm〜43mm(35mmフィルム換算で24mmから240mm相当の画角)でズームが可能な10倍ズームレンズの場合を例に挙げる。この場合、ズームバー302が長くなっていることより、カスタマイズレンズ位置が、広角端である焦点距離4.3mmではなく、光学ズームの広角端と望遠端の中間に設定されていることがわかる。この例では、カスタマイズレンズ位置は焦点距離8.6mm(35mmフィルム換算で48mm相当の画角)に設定されている。ズーム倍率306に5倍と表示されていることにより、望遠端である焦点距離43mm(35mmフィルム換算で240mm相当の画角)までは5倍の光学ズームとなることがわかる。すなわち、10倍のズームレンズを有しているとしても、現在のカスタマイズレンズ位置からは5倍までしかズームインすることができないことをユーザが容易に理解できる。一方、このカスタマイズレンズ位置の場合は、このカスタマイズレンズ位置(焦点距離8.6mm)から見て1/2倍(広角端の焦点距離4.3mm)までズームアウトすることができる。
レンズ位置設定画面300では、カスタマイズレンズ位置を基準としたときの望遠端におけるズーム倍率306が表示されるので、カスタマイズレンズ位置における撮影画像の拡大可能な最大倍率を容易に把握することができ、もって、カメラのユーザに対する使い勝手を向上することができる。なお、カスタマイズレンズ位置は、撮影モード毎に設定されてもよい。
図4は、図1における表示部28に表示される撮影画面400を説明するために用いられる図である。
図4(a)は、図1における表示部28に表示される撮影画面400の表示例である。図4(a)の撮影画面400には、図3(b)のレンズ位置設定画面300と同様に、スルー表示中に表示されるスルー画像404に重畳してズームバー302、ズームバー表示部303、広角端アイコン304、及び望遠端アイコン305が表示される。さらに、撮影画面400には、ユーザアイコン401(第3の表示アイテム)、ユーザ基準の広角端ズーム倍率402、ユーザ基準の望遠端ズーム倍率403、及びユーザ基準のズーム倍率405が表示される。
ユーザアイコン401は、カスタマイズレンズ位置を表示するアイコンであり、ユーザ基準の広角端ズーム倍率402は、カスタマイズレンズ位置を基準としたときのズームレンズの広角端までのズーム倍率を表示する。ユーザ基準の望遠端ズーム倍率403は、カスタマイズレンズ位置を基準としたときのズームレンズの望遠端までのズーム倍率を表示する。ユーザ基準のズーム倍率405は、カスタマイズレンズ位置を基準としたときに、ズームレンズが現在位置するレンズ位置におけるズーム倍率を表示する。
図4(a)は、焦点距離4.3mm〜43mm(35mmフィルム換算で24mmから240mm相当の画角)でズームが可能な10倍ズームレンズにおいて、カスタマイズレンズ位置が焦点距離8.6mm(35mmフィルム換算で48mm相当の画角)に設定されている場合の表示例である。当該カスタマイズレンズ位置の場合は、カスタマイズレンズ位置(焦点距離8.6mm)から見て1/2倍(広角端の焦点距離4.3mm)までズームアウトすることができる。したがって、ユーザ基準の広角端ズーム倍率402には、1/2が表示されている。ユーザはカスタマイズレンズ位置で撮影を行っており、且つ被写体が撮影範囲に収まり切らない場合に、自らが移動して撮影位置を変更しなくとも、その場でズームアウトすることで所望の被写体を全て画角に収められる可能性があることがわかる。
広角端アイコン304又は望遠端アイコン305のいずれか一方がユーザアイコン401と重なる場合(すなわち、カスタマイズレンズ位置が広角端や望遠端に設定された場合)は、いずれか一方を表示すればよい。例えば、広角端アイコン304とユーザアイコン401が重なる場合を図4(b)及び図4(c)に示す。
図4(b)及び図4(c)は、焦点距離4.3mm〜43mm(35mmフィルム換算で24mmから240mm相当の画角)でズームが可能な10倍ズームレンズにおいて、カスタマイズレンズ位置が焦点距離4.3mm(35mmフィルム換算で24mm相当の画角)に設定されている場合の表示例である。また、図4(b)の表示とするか図4(c)の表示とするかは、前述のレンズ位置設定画面300でカスタマイズレンズ位置が設定されているか否かに基づいて選択されてもよい。すなわち、レンズ位置設定画面300において、ユーザがカスタマイズレンズ位置をあえて広角端に設定した場合は、ユーザが設定した位置が広角端であることを示すために、図4(b)のように、広角端にユーザアイコン401を表示する。一方、ユーザがレンズ位置設定画面300でのカスタマイズレンズ位置の設定を行っておらず、初期ズーム位置がデフォルト値である広角端となっている場合には、図4(c)のように、広角端に広角端アイコン304を表示する。
撮影画面400では、広角端アイコン304はレンズ位置の広角端を示し、望遠端アイコン305はレンズ位置の望遠端を示し、ユーザアイコン401はカスタマイズレンズ位置を示す。これにより、ユーザは視覚的に各レンズ位置の相対関係を把握することができ、もってユーザによる所望のレンズ位置の決定を容易にすることができる。
また、撮影画面400では、カスタマイズレンズ位置を基準としたときの広角端におけるズーム倍率(ユーザ基準の広角端ズーム倍率402)を表示すると共に、カスタマイズレンズ位置を基準としたときの望遠端におけるズーム倍率(ユーザ基準の望遠端ズーム倍率403)を表示する。これにより、ユーザはカスタマイズレンズ位置を基準としたときのズーム倍率の可変範囲を容易に把握することができる。
さらに、撮影画面400では、広角端アイコン304又は望遠端アイコン305と、ユーザアイコン401とが重畳する場合は、いずれか一方を表示する。これにより、広角端アイコン304又は望遠端アイコン305と、ユーザアイコン401とが重畳表示されることがなく、ユーザが混乱するのを防止することができる。
図5は、撮影モード処理を示すフローチャートである。デジタルカメラ100を起動して、撮影モードに設定すると、本処理が開始される。図5の撮影モード処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開することによって実行される。
S501では、システム制御部50は、不揮発性メモリ56に記憶された設定情報を参照し、カスタマイズレンズ位置が設定されているか否かを判別する。カスタマイズレンズ位置が設定されている場合はS502に進み、カスタマイズレンズ位置が設定されていない場合はS503に進む。
S502では、システム制御部50は、レンズ駆動部90を制御してズームレンズを駆動し、不揮発性メモリ56から読み出したカスタマイズレンズ位置(ユーザによって設定された初期ズーム位置)にズームレンズを移動する。カスタマイズレンズ位置が撮影モード毎に設定されている場合は、現在の撮影モードに対応するカスタマイズレンズ位置に移動する。このように、カスタマイズレンズ位置を設定した場合は、撮影モード起動時の初期ズーム位置をユーザ所望の位置とすることができる。
S503では、システム制御部50は、レンズ駆動部90を制御してズームレンズを駆動し、デフォルトの初期ズーム位置にズームレンズを移動する。デフォルトの初期ズーム位置は広角端であるものとする。なお、ここではデフォルトの初期ズーム位置を広角端としたが、これに限るものではなく他のズーム位置としてもよい。例えば、デフォルトの初期ズーム位置を、撮像される画像と、光学ファインダ210を介して確認される視野との差(パララックス)が最も少ない位置としてもよい。
S504では、システム制御部50は、撮像部22で撮像している画像をほぼリアルタイムで表示部28にライブビュー表示する(スルー表示)。また、図4(a)〜(c)で説明したような、広角端(ワイド端)から望遠端(テレ端)までにおけるカスタマイズレンズ位置及び現在のズーム位置を示す表示を行う。なお、この時点では初期表示のため、カスタマイズレンズ位置と現在のズーム位置は一致する。
S505では、システム制御部50は、ズームレバー70aの操作(ズーム操作)がされたか否かを判別する。
S505の判別の結果、ズーム操作がされたときは、後述する図6ズーム処理を実行してズームレンズを移動し(S506)、S505に戻る。ズーム操作がされていないときは、操作部70を構成するメニューボタン70bを押下するメニュー操作がされたか否かを判別する(S507)。
S507の判別の結果、メニュー操作がされたときは、後述する図7のメニュー処理を実行してズームレンズのレンズ位置を設定し(S508)、S505に戻る。メニュー操作がされていないときは、スルー表示を行っている画像中に特定の被写体(例えば、人物の顔)が検出されるか否かを判別する(S509)。
S509の判別の結果、特定の被写体が検出されたときは、検出された被写体の位置座標、サイズ(幅、高さ)、検出個数、信頼性係数等の被写体に関する被写体情報をシステムメモリ52に格納する(S510)。一方、特定の被写体が検出されていないときは、被写体の位置座標、サイズ(幅、高さ)、検出個数、信頼性係数等の被写体情報に0を設定して(S511)、システムメモリ52に格納する(S510)。
次に、第1シャッタースイッチ信号SW1が発生しているか否かを判別する(S512)。第1シャッタースイッチ信号SW1が発生していないときは、S505に戻り、第1シャッタースイッチ信号SW1が発生しているときは、被写体までの距離を測定する測距処理を実行してフォーカスレンズの焦点を被写体に合わせる(オートフォーカス)と共に、被写体の明るさを測る測光処理を実行して絞り値及びシャッタースピードを決定して撮影準備を行い(S513)、第2シャッタースイッチ信号SW2が発生したか否かを判別する(S514)。
S514の判別の結果、第2シャッタースイッチ信号SW2が発生していないときは第1シャッタースイッチ信号SW1が発生しているか否かを判別する(S515)。S515の判別の結果、第1シャッタースイッチ信号SW1が発生しているときはS514に戻る。これにより、シャッターボタン61の押下が中途で中断された状態では、フォーカスレンズの焦点が被写体に合った状態が維持されるので、すぐに撮影動作に移ることができる。一方、S515の判別の結果、第1シャッタースイッチ信号SW1が発生していないときは電源スイッチ72を切る旨の指示がされているか否かを判別する(S516)。
S516の判別の結果、電源スイッチ72を切る旨の指示がされていないときは、S505に戻り、電源スイッチ72を切る旨の指示がされているときは、本処理は終了する。
一方、S514の判別の結果、第2シャッタースイッチ信号SW2が発生しているときは、表示部28の表示状態を、例えば、黒一色とする固定色表示とする(S517)。次に、撮像部22及びA/D変換器23を経て得られた画像データを、メモリ制御部15を介してメモリ32に格納し、メモリ32に格納された画像を読み出して当該画像を顕像させる撮影処理を実行する(S518)。次いで、撮影処理を実行して得られた画像データを予め設定された時間が経過するまで表示部28に表示(クイックレビュー表示)して(S519)、画像ファイルとして記録媒体200に格納し(S520)、第2シャッタースイッチ信号SW2が発生しているか否かを判別する(S521)。
S521の判別の結果、第2シャッタースイッチ信号SW2が発生していないときはクイックレビュー表示を継続し、第2シャッタースイッチ信号SW2が発生しているときは予め設定されたクイックレビュー表示の時間が経過したか否かを判別する(S522)。
S522の判別の結果、表示時間が経過していないときは、表示時間の経過まで待機し、表示時間が経過したときは、クイックレビュー表示をスルー表示に切り替え(撮影待機)(S523)、S515に進む。なお、本処理は電源スイッチ72を切る旨の指示がされた場合の他にモード切替スイッチ60によって撮影モードから他のモードへの切替が行われた場合にも終了する。
図6は、図5のS506で実行されるズーム処理の手順を示すフローチャートである。図6の処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開することによって実行される。
図6において、ズーム操作が広角側に向けて行われたか否かを判別する(S601)。S601の判別の結果、ズーム操作が広角側に向けて行われたときはズームレンズを広角側に移動し(S602)、一方、ズーム操作が広角側に向けて行われていないとき(望遠側に操作されたとき)はズームレンズを望遠側に移動する(S603)。
次に、S604では、ズーム操作が終了したか否かを判別する。ズーム操作の終了とは、例えば、ズームレバー70aが離された(ズームレバー70aへの操作が解除された)場合のことである。ズームレバー70aが離された場合はS606に進んでズームレンズの移動を停止する(ズームを停止する)。ズームレバーが離されていない場合はS605に進む。
ここでは、ズームレバー70aを操作してズーム操作を行う例を説明したが、ズーム操作を行う方法はこれに限るものではなく、ズームボタンを押下してズーム操作を行ってもよく、タッチパネルをタッチしてズーム操作を行ってもよい。例えば、ズームボタンを押下する場合、広角端、望遠端、カスタマイズレンズ位置以外の位置ではズームボタンが押下されている限りズーム位置は移動する。ユーザはスルー画像310を確認し、所望のズーム位置となった場合にズームボタンを離せばよい。また、ズームボタンを連続して押下し、ズーム位置を変更する場合は、S605において、ズームボタンの押下を中止してから所定時間(数100msec程度)が経過したか否かを判別し、所定時間が経過した場合にズーム操作が終了したとみなして、S606に進むようにしてもよい。
S605では、システム制御部50は、ズーム位置がカスタマイズレンズ位置に到達したか否かを判別する。ズーム位置がカスタマイズレンズ位置となった場合はS606に進んでズーム操作に応じたズームレンズの駆動(以下、「ズーム駆動」という)を停止し、ズーム位置がカスタマイズレンズ位置となっていない場合はS601に戻り、ズーム駆動を継続する。すなわち、ズーム駆動を実行してズーム位置がカスタマイズレンズ位置となった場合に、ズームレバー70aの操作が終了していなくとも(ユーザがズームレバー70aから指を離していなくとも)、ズーム駆動を停止する。
ズームがカスタマイズレンズ位置で停止したのち、一旦ズームレバー70aズームレバーの操作を終了して、再度同一の方向にズームレバーを操作すると、カスタマイズレンズ位置を跨いで広角側又は望遠側にズーム駆動することができる。このように、ズーム操作の途中であってもカスタマイズレンズ位置でズーム駆動を停止するので、ユーザは、細かいズームの調整を行わなくとも簡単に自分が登録したカスタマイズレンズ位置にズーム位置を調整することができる。これによって、カスタマイズレンズ位置からズームアップして望遠側にズームを移動する操作と、ズーム位置をカスタマイズレンズ位置に戻す操作とを素早く簡単に行うことができる。すなわち、カスタマイズレンズ位置と望遠側の行き来を素早く簡単に行うことができる。
また、カスタマイズレンズ位置から広角側にズームアウトして広角側にズームを移動する操作と、ズーム位置をカスタマイズレンズ位置に戻す操作とを素早く簡単に行うことができる。すなわち、カスタマイズレンズ位置と広角側の行き来を素早く簡単に行うことができる。このように、ユーザは、カスタマイズレンズ位置を基本のズーム位置として撮影を行うことができる。
なお、上述の例では、ズーム駆動を実行してズーム位置がカスタマイズレンズ位置となった場合に、ズームレバー70aの操作が終了していなくとも(ユーザがズームレバー70aから指を離していなくとも)、ズーム駆動を停止し、一旦ズームレバーの操作を終了して再度ズームレバーの操作を開始しない限りズームカスタマイズレンズ位置を跨いでのズームは行えない例を説明したが、これに限るものではない。その他、カスタマイズレンズ位置となった場合にズーム駆動を停止し、停止後も所定の時間(数秒程度)ズームレバー70aを離さずに操作継続するとカスタマイズレンズ位置を跨いでズームするようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態では、S605において、広角側への操作(ズームアウト操作)であるか望遠側への操作(ズームイン操作)であるかに関わらずカスタマイズレンズ位置に到達したか否かを判別し、カスタマイズレンズ位置になった場合にズーム駆動を停止する例を説明したが、ズーム駆動の停止の例はこれに限るものではない。広角側への操作(ズームアウト操作)及び望遠側への操作(ズームイン操作)のいずれか一方の操作がされた場合にのみカスタマイズレンズ位置で停止するようにしてもよい。
例えば、カスタマイズレンズ位置よりも望遠側から広角側への操作(ズームアウト操作)を行ってカスタマイズレンズ位置となった場合にはズーム駆動を停止する。一方、カスタマイズレンズ位置よりも広角側から望遠側への操作(ズームイン操作)を行ってカスタマイズレンズ位置となった場合にはズームを停止せずに、ズーム操作を継続することでそのままカスタマイズレンズ位置よりも望遠側までズームインできるようにしてもよい。このようにすることで、望遠側からカスタマイズレンズ位置に戻る操作を容易とする一方で、広角側から一気にズームインしたい場合に操作性良くズームインすることができる。
さらに、カスタマイズレンズ位置を1つ登録する例を説明したが、複数の撮影モード毎に異なるカスタマイズレンズ位置を設定できるようにしてもよい。例えば、撮影モードの1つであるシーンモードには花火を鮮やかに撮影できる花火モード及び室内で人物を撮影できるスナップ撮影モードが含まれる。ユーザは花火モードとスナップ撮影モードとで異なるカスタマイズレンズ位置を設定することができ、例えば、以下のような設定とすることができる。すなわち、花火モードでは、夜空に浮かぶ花火を撮影するため、やや望遠寄りにカスタマイズレンズ位置を設定する。一方、スナップ撮影モードでは、狭い室内にいる多くの人物を撮影範囲に収めるため、広角寄りにカスタマイズレンズ位置を設定する。
図7は、図5のS508で実行されるメニュー処理を示すフローチャートである。図7の処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開することによって実行される。
図7において、まず、メニューボタン70bが押下されると各種設定が可能な撮影/設定画面(図3(a))が画像表示部28に表示され、表示された撮影/設定画面におけるレンズ位置設定ボタン301が押下されたか否かを判別する(S701)。
S701の判別の結果、レンズ位置設定ボタン301が押下されないときは直ちに本処理を終了し、レンズ位置設定ボタン301が押下されたときはレンズ位置設定画面300(図3(b))が画像表示部28に表示され(S702)、カスタマイズレンズ位置を決定するためのズーム操作が行われたか否かを判別する(S703)。
S703の判別の結果、ズーム操作が行われたときはズームレンズがユーザ所望のレンズ位置に移動するまでズーム操作が継続される(S708)。このとき、ユーザはレンズ位置設定画面300を確認しながらズームレバー70aを操作する。一方、S703の判別の結果、ズーム操作が行われていないとき(ズーム操作が終了したとき)はセットボタンが押下されたか否かを判別する(S704)。
S704の判別の結果、セットボタンが押下されたときはセットボタン押下時のレンズ位置をカスタマイズレンズ位置として確定して(S707)、本処理を終了する。一方、セットボタンが押下されていないときはメニューボタン70bが押下されたか否かを判別する(S705)。
S705の判別の結果、メニューボタン70bが押下されたときはカスタマイズレンズ位置の設定を中止して(S706)、本処理を終了する。一方、S705の判別の結果、メニューボタン70bが押下されていないときはS703に戻る。
図7の処理によれば、ユーザはレンズ位置設定画面300を確認しながらカスタマイズレンズ位置を設定する(S708)ので、ユーザが所望するズーム位置をカスタマイズレンズ位置として設定することができ、もってユーザの意思が直接反映されたズーム位置を設定できる。
図7の処理において、ユーザがカスタマイズレンズ位置を設定するメニュー処理を説明したが、当該処理によってカスタマイズレンズ位置を設定しない場合は、デジタルカメラ100に蓄積された操作履歴からユーザの使用頻度が高いズーム倍率に対応するレンズ位置をカスタマイズレンズ位置として設定してもよい。すなわち、ユーザは撮影時に、ユーザに使用される頻度の高いレンズ位置を所望する可能性が高いと予想されるため、カスタマイズレンズ位置がユーザに使用される頻度の高いレンズ位置に基づいて設定されることにより、カメラのユーザに対する使い勝手を向上することができる。
本発明の実施の形態を実現するために、装置(デジタルカメラ100)全体の制御を1つのハードウェア(例えば、システム制御部50)が行ってもよく、複数のハードウェアが処理を分担して行ってもよい。また、本発明を上述の実施の形態に基づいて詳述したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
上述の実施の形態において、本発明をデジタルカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、適用される装置はこれに限定されず、本発明は、撮像手段を有する機器、例えば、PC、PDA、携帯電話端末、タブレット、音楽プレーヤー、ゲーム機、及び電子ブックリーダー等に適用可能である。
本発明は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウエア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理において、そのプログラム、及び該プログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によって構成されてもよい。