JP6536459B2 - 厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents
厚鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6536459B2 JP6536459B2 JP2016079523A JP2016079523A JP6536459B2 JP 6536459 B2 JP6536459 B2 JP 6536459B2 JP 2016079523 A JP2016079523 A JP 2016079523A JP 2016079523 A JP2016079523 A JP 2016079523A JP 6536459 B2 JP6536459 B2 JP 6536459B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- steel plate
- content
- segregation
- toughness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
(1)Pの粒界偏析量が一定値以下であれば、粒界脆化は生じない。
(2)Pの粒界偏析は、最終熱処理後の冷却温度が450℃〜300℃の間において顕著に発生する。このため、この温度領域での冷却速度を増加させることがPの粒界偏析の低減に有効である。
(3)Pの粒界偏析は、最終熱処理後の冷却速度以外に、Mnの偏析量(以下、Mn偏析度と称する。)とP含有量に関係があり、両者の積で決まる指標が一定値以下であれば、Pの粒界偏析が抑制される。
(4)以上から、Pの含有量、Mn偏析度および最終熱処理後の冷却速度の制御により、Pの粒界偏析を低減し、靭性を向上させることができることを見出した。
[1]質量%で、C:0.08〜0.20%、Si:0.40%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.010%以下、S:0.0050%以下、Cr:3.0%以下、Ni:5.0%以下、Al:0.080%以下、N:0.0070%以下、B:0.0030%以下、O:0.0025%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる成分組成であり、下記式(1)で定義されるfの値が0.020以下であり、鋼板表層部での旧オーステナイト粒界の粒界幅1nmの範囲におけるPの偏析量が0.3%以下であり、降伏強度が690MPa以上であることを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板。
f=(C偏 Mn/C0 Mn)5×Cp (1)
なお、上記(1)式において、
C偏 Mn:鋼板表層部でのMnの偏析量(質量%)
C0 Mn:Mnの含有量(質量%)
Cp:Pの含有量(質量%)
とする。
[2]前記成分組成は、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Mo:1.50%以下、V:0.200%以下、Ti:0.005〜0.020%、Mg:0.0001〜0.002%、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載の板厚120mm以上の厚鋼板。
[3][1]または[2]に記載の成分組成を有する鋼素材をAc3変態点以上1200℃以下に加熱し、次いで前記鋼素材を熱間圧延し、次いでAc3変態点以上1050℃以下に再加熱し、その後、Ar3点以上の温度域から350℃以下まで冷却し、その後、450℃以上700℃以下の温度で焼戻しを施し、焼戻し後に急冷することを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板の製造方法。
Cは、構造用鋼に求められる強度を安価に得る上で有用な元素であり、そのためにはC含有量は0.08%以上とする。一方、C含有量が0.20%超えの場合、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性が著しく劣化するため、C含有量は0.20%以下とする。C含有量は、好ましくは0.08〜0.14%である。
Siは、脱酸のために含有する。しかしながら、Si含有量が0.40%超えの場合、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性が著しく劣化するため、Si含有量は0.40%以下とする。Si含有量は、好ましくは0.05〜0.30%であり、より好ましくは0.10〜0.30%である。
Mnは、厚鋼板の強度および靭性を確保する観点から含有する。しかしながら、Mn含有量が0.5%未満ではその効果が十分でない。一方で、Mn含有量が3.0%超えの場合、厚鋼板の靭性が劣化するだけではなく、中心偏析が助長されスラブのポロシティを大型化する。このため、Mn含有量は3.0%以下とする。Mn含有量は、好ましくは0.6〜2.0%であり、より好ましくは0.6〜1.6%である。
本発明では、旧オーステナイト粒界のPの偏析量を一定以下に制限する必要があるため、P含有量は非常に重要である。Pが0.010%超えの場合、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性が著しく劣化するため、P含有量は0.010%以下に制限する。
S含有量が0.0050%超えの場合、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性が顕著に劣化するため、S含有量は0.0050%以下に制限する。本発明は、Sが含有されない場合も含む。
Crは、厚鋼板の高強度化に有効な元素である。しかしながら、多量に含有すると溶接性を低下させるので、Cr含有量は3.0%以下とする。Cr含有量は、好ましくは0.1〜2.0%である。但し、Crは必ずしも含有していなくても良い。
Niは、厚鋼板の強度および溶接熱影響部の靭性を向上させる有益な元素である。しかしながら、Ni含有量が5.0%超えの場合、経済性が著しく悪化するため、Ni含有量は5.0%以下とする。Ni含有量は、好ましくは0.5〜4.0%である。但し、Niは必ずしも含有していなくても良い。
Alは、溶鋼を十分に脱酸するために含有する。しかしながら、Al含有量が0.080%超えの場合、厚鋼板中に固溶するAl量が多くなり、厚鋼板の靭性が低下するので、Al含有量は0.080%以下とする。Al含有量は、好ましくは0.030〜0.080%であり、より好ましくは0.030〜0.060%である。
Nは、Tiなどと窒化物を形成することによって組織を微細化し、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性を向上させる効果を有する。しかしながら、N含有量が0.0070%超えの場合、厚鋼板中に固溶するN量が増大し、厚鋼板の靭性が著しく低下し、さらに溶接熱影響部においても粗大な炭窒化物が形成され靭性が低下するので、N含有量は0.0070%以下とする。N含有量は、好ましくは0.0010〜0.0050%であり、より好ましくは0.0010〜0.0040%である。
Bは、オーステナイト粒界に偏析することで粒界からのフェライト変態を抑制し、焼入性を高める効果を有する。しかしながら、B含有量が0.0030%超えの場合、Bが炭窒化物として析出し焼入性を低下させる結果、靭性が低下するので、B含有量は0.0030%以下とする。B含有量は、好ましくは0.0003〜0.0030%であり、より好ましくは0.0005〜0.0020%である。
O含有量が0.0025%超えの場合、厚鋼板中で硬質な酸化物を生成し、靭性が顕著に低下するので、O含有量は0.0025%以下とする。O含有量は、好ましくは0.0005〜0.0020%である。
Cuは、靭性を損なうことなく厚鋼板の強度の向上を図れる有用元素である。しかしながら、Cu含有量が0.50%超えの場合、熱間加工時に厚鋼板表面に割れを生じるので、Cuを含有する場合、その含有量は0.50%以下が好ましい。
Moは、厚鋼板の高強度化に有効な元素である。しかしながら、Mo含有量が1.50%超えの場合、合金炭化物の析出により硬度が上昇し、靭性が低下するので、Moを含有する場合、その含有量は1.50%以下が好ましい。Mo含有量は、より好ましくは0.020〜0.80%である。
Vは、厚鋼板の強度及び靭性の向上に効果があり、また、VNとして析出することで固溶Nの低減にも有効である。しかしながら、V含有量が0.200%超えの場合、硬質なVCの析出により靭性が低下するので、Vを含有する場合、その含有量は0.200%以下とするのが好ましい。V含有量は、より好ましくは0.010〜0.100%である。
Tiは、加熱時にTiNを生成し、オーステナイトの粗大化を効果的に抑制し、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性を向上させる。しかしながら、Ti含有量が0.005%未満の場合、TiNによる高温でのピニング効果がなくなるため靭性が劣化し、一方、Ti含有量が0.020%超えの場合、Ti窒化物が粗大化し厚鋼板の靭性が低下するので、Tiを含有する場合、その含有量は0.005〜0.020%の範囲とするのが好ましい。Ti含有量は、より好ましくは0.008〜0.015%である。
Mgは、高温で安定な酸化物を形成し、溶接熱影響部の旧γ粒の粗大化を効果的に抑制し、溶接部の靭性を向上させるのに有効な元素である。しかしながら、Mg含有量が0.0001%未満の場合、その効果が乏しく、一方、Mg含有量が0.002%超えの場合、介在物量が増加し靭性が低下するので、Mgを含有する場合、その含有量は0.0001〜0.002%とするのが好ましい。Mg含有量は、より好ましくは0.0001〜0.015%である。
Caは、硫化物系介在物の形態制御に有用な元素であり、その効果を発揮させるためには、Ca含有量は0.0005%以上とする。しかし、Ca含有量が0.0050%超えの場合、清浄度の低下を招き靭性が劣化する。よって、Caを含有する場合、その含有量は0.0005〜0.0050%とするのが好ましい。Ca含有量は、より好ましくは0.0005〜0.0025%である。
REMも、Caと同様に、厚鋼板中で酸化物および硫化物を形成して材質を改善する効果があり、その効果を得るためには、REM含有量は0.0005%以上とする。しかし、REM含有量が0.0100%超えの場合、その効果が飽和する。よって、REMを含有する場合、その含有量は0.0005〜0.0100%とするのが好ましい。REM含有量は、より好ましくは0.0005〜0.0050%である。
本発明者らが鋭意検討した結果、Pの粒界偏析により表層部の靭性の劣化が生じており、このPの粒界偏析を低減するためには、含有するP量および表層部での偏析度を低減することが重要であることがわかった。さらに検討した結果、Mn偏析度とP量との関係については、下記式(1)で定義されるf値が0.020を超えると、粒界のP濃化が発生しやすく、また、偏析部が硬くなるために靭性が低下することを見出した。なお、本発明において、Mn偏析度はC偏 Mn/C0 Mnで表すことができる。
f=(C偏 Mn/C0 Mn)5×Cp (1)
なお、上記(1)式において、
C偏 Mn:鋼板表層部でのMnの偏析量(質量%)
C0 Mn:Mnの含有量(質量%)
Cp:Pの含有量(質量%)
とする。
Pの粒界偏析量は、材料の靭性に大きく影響を与える。特に、本発明では厚鋼板表面の靭性の向上が必要であり、厚鋼板表面におけるPの粒界偏析量を制御することが重要である。そこで、最もPが濃化した場所である旧オーステナイト粒界のPの偏析量を制御することに着目した。すなわち、本発明におけるPの粒界偏析量は、表層部での旧オーステナイト粒界の粒界幅1nmの範囲におけるPの偏析量とし、その上限を0.3質量%とする。Pの粒界偏析量が0.3質量%を超えると、靭性が劣化する。
上記した成分組成に調整した溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の通常の方法で溶製したのち、連続鋳造法や造塊法等の通常の鋳造方法でスラブ、ビレットなどの圧延用の鋼素材とする。また、圧延機の荷重等の制約がある場合には、分塊圧延または鍛造を行い、鋼素材の板厚を小さくしても良い。また、鋼素材の偏析低減が重要となるため、P量が0.004%超えの場合、造塊時に電磁力による攪拌や軽圧下、熱処理を適度に行い、凝固偏析を抑制することが望ましい。
続いて、鋼素材をAc3変態点以上1200℃以下に加熱する。鋼素材をAc3変態点以上に加熱するのは、鋼をオーステナイト組織一相に均一化するためであり、また、凝固偏析の緩和にも有効である。具体的な加熱温度としては、1000℃以上1200℃以下とすることが好ましい。なお、Ac3変態点は、熱膨張測定から求めることも可能であるが、次式(2)により計算される値を用いる。
Ac3=937.2−476.5[%C]+56[%Si]−19.7[%Mn]−16.3[%Cu]−26.6[%Ni]−4.9[%Cr]+38.1[%Mo]+124.8[%V]+136.3[%Ti]+198.4[%Al]+3315[%B]・・・(2)
ただし、[%M]は、鋼素材中の元素Mの含有量(質量%)を示し、含有しない場合は0とする。
続いて、鋼素材を熱間圧延して、板厚が120mm以上の厚鋼板を得る。本発明では、熱間圧延条件については特に制限されないが、熱間圧延時に粗大な旧オーステナイト粒(旧γ粒)の形成を抑制することが好ましい。旧γ粒を微細化するためには、γ域での再結晶の促進が有効であり、特に圧延後段での再結晶が有効である。熱間圧延による加工が十分に加わりにくい板厚120mm以上の厚鋼板を製造する場合、少なくとも5パスの熱間圧延を施すことが好ましく、より好ましくは6パス以上11パス以下である。この場合には、最終パスを含む後段パスのうち少なくとも3パスでの圧下率を各々5%以上とすることにより、板厚中心部の再結晶を効果的に促進して、粗大な旧γ粒の形成を抑制することができる。また、圧下率8%以上のパスを10秒以内に行うことはさらに有効である。ただし、鋼素材の制約によって5パス以上の熱間圧延が困難な場合には、3パス又は4パスの熱間圧延を行う。この場合には、少なくとも1パスでの圧下率を8%以上とし、少なくとも他の1パスでの圧下率を15%以上とすることにより、板厚中心部の再結晶を効果的に促進して、粗大な旧γ粒の形成を抑制することができる。
続いて、Ac3変態点以上1050℃以下に再加熱し、その後、Ar3変態点以上の温度域から350℃以下まで冷却する。再加熱温度を1050℃以下とするのは、1050℃を超える高温で厚鋼板を再加熱すると、オーステナイト粒が粗大化して厚鋼板の靭性が著しく低下するためである。また、再加熱温度がAc3変態点未満の場合も、厚鋼板の靭性が低下する。冷却停止温度を350℃以下とするのは、冷却停止温度が350℃超えの場合、その後の空冷過程で不均一な炭化物の生成が起こり、焼き戻し時に粗大な炭化物が生成して、厚鋼板の靭性が劣化するからである。なお、Ar3変態点は、熱膨張測定から求めることも可能であるが、次式(3)により計算される値を用いる。
Ar3=910−310[%C]−80[%Mn]−20[%Cu]−15[%Cr]−55[%Ni]−80[%Mo]・・・(3)
ただし、[%M]は、鋼素材中の元素Mの含有量(質量%)を示し、含有しない場合は0とする。
また、再加熱時は、厚鋼板を300℃以下の温度まで放冷した後に再加熱することが好ましい。
冷却後、厚鋼板に焼戻し処理を施して製品とする。焼戻し温度は450℃以上700℃以下とする。焼戻し温度が450℃未満の場合、低温焼もどし脆性の影響で、靭性の低下を招き、一方、焼戻し温度が700℃を超える場合、種々の炭化物が析出するとともに、厚鋼板の組織が粗大化し、強度の低下を招くためである。
Pの粒界偏析を防止するために、焼戻し処理後の冷却過程が重要である。450〜300℃の温度域での冷却速度が遅い場合、Pの偏析が助長される。このため、450〜300℃の温度域においては急冷として、冷却速度を早くする必要がある。急冷の方法は、水冷やガス冷却を行うことが好適である。なお、本発明では板厚が厚いため、表層部の冷却速度が0.02℃/s以上40℃/s以下であれば、板厚中心部の材質に大きな影響は与えない。
各鋼板の板厚中心部から、圧延方向と直角方向に丸棒引張試験片(Φ=12.5mm、GL=50mm)を採取し、降伏強度(YS)、引張強度(TS)を測定した。降伏強度は690MPa以上、引張強度は720MPa以上を合格とした。
各鋼板の板厚中心部および表面15mm位置から圧延方向を長手方向とする2mmVノッチシャルピー試験片を各3本ずつ採取し、各試験片について−40℃の試験温度でシャルピー衝撃試験を行ったときの吸収エネルギーvE−40(J)を測定し、それらの平均値を求めた。−40℃における吸収エネルギー(vE−40)が100J以上を合格とした。
各鋼板の表面のC断面(圧延方向に直角方向の断面)について、厚鋼板表面から15mm位置を中心とし、厚み方向10mm、幅方向20mmの位置をEPMA分析を行った。分析は、20μmのステップサイズを用いて、500×1000点についてMnの定量値を計算した。このMnの定量値について、上位5%までの値の平均値をMn偏析量として算出し、Mn偏析量をMn含有量で割り、Mn偏析度を計算した。そして、式(1)を用いてf値を決定した。
得られた厚鋼板の表層15mmの位置からFIB法により、旧オーステナイト粒界を含むTEM用サンプル(厚さ50nm以下)を作成した。該TEMサンプルにおいて旧オーステナイト粒の粒界を20ヶ所選び、粒界位置でTEM−EDSによるP分析を行い、それら20点の平均値をPの粒界偏析量とした。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.08〜0.20%、Si:0.40%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.010%以下、S:0.0050%以下、Cr:0.1〜3.0%、Ni:0.5〜5.0%、Al:0.080%以下、N:0.0070%以下、B:0.0030%以下、O:0.0025%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる成分組成であり、
下記式(1)で定義されるfの値が0.020以下であり、
鋼板表層部での旧オーステナイト粒界の粒界幅1nmの範囲におけるPの偏析量が0.25質量%以下であり、
降伏強度が690MPa以上であり、−40℃における靭性(vE −40 )が100J以上であることを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板。
f=(C偏 Mn/C0 Mn)5×Cp (1)
なお、上記(1)式において、
C偏 Mn:鋼板表層部でのMnの偏析量(質量%)
C0 Mn:Mnの含有量(質量%)
Cp:Pの含有量(質量%)
とする。 - 質量%で、C:0.08〜0.20%、Si:0.15〜0.40%、Mn:0.5〜3.0%、P:0.010%以下、S:0.0050%以下、Cr:0.1〜3.0%、Ni:0.5〜5.0%、Al:0.080%以下、N:0.0070%以下、B:0.0030%以下、O:0.0025%以下を含有し、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Mo:1.50%以下、V:0.200%以下、Ti:0.005〜0.020%、Mg:0.0001〜0.002%、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる成分組成であり、下記式(1)で定義されるfの値が0.020以下であり、鋼板表層部での旧オーステナイト粒界の粒界幅1nmの範囲におけるPの偏析量が0.25質量%以下であり、降伏強度が690MPa以上であり、−40℃における靭性(vE −40 )が100J以上であることを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板。
f=(C 偏 Mn /C 0 Mn ) 5 ×C p (1)
なお、上記(1)式において、
C 偏 Mn :鋼板表層部でのMnの偏析量(質量%)
C 0 Mn :Mnの含有量(質量%)
C p :Pの含有量(質量%)
とする。 - 請求項1または2に記載の厚鋼板の製造方法であって、請求項1または2に記載の成分組成を有する鋼素材をAc3変態点以上1200℃以下に加熱し、次いで前記鋼素材を熱間圧延し、次いでAc3変態点以上1050℃以下に再加熱し、その後、Ar3変態点以上の温度域から350℃以下まで冷却し、その後、450℃以上700℃以下の温度で焼戻しを施し、焼戻し後に急冷することを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016079523A JP6536459B2 (ja) | 2016-04-12 | 2016-04-12 | 厚鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016079523A JP6536459B2 (ja) | 2016-04-12 | 2016-04-12 | 厚鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017190481A JP2017190481A (ja) | 2017-10-19 |
JP6536459B2 true JP6536459B2 (ja) | 2019-07-03 |
Family
ID=60086173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016079523A Active JP6536459B2 (ja) | 2016-04-12 | 2016-04-12 | 厚鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6536459B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108546866B (zh) * | 2018-04-04 | 2020-03-27 | 首钢集团有限公司 | 一种690MPa级高韧性结构钢的生产方法 |
JP7243826B2 (ja) * | 2019-06-17 | 2023-03-22 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9499873B2 (en) * | 2012-12-28 | 2016-11-22 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel plate having yield strength of 670 to 870 N/mm2 and tensile strength of 780 to 940 N/mm2 |
-
2016
- 2016-04-12 JP JP2016079523A patent/JP6536459B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017190481A (ja) | 2017-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10358688B2 (en) | Steel plate and method of producing same | |
CA2775031C (en) | Low yield ratio, high strength and high uniform elongation steel plate and method for manufacturing the same | |
EP2484792B1 (en) | Steel plate with low yield ratio, high strength, and high toughness and process for producing same | |
JP5079793B2 (ja) | 高温特性と靭性に優れた鋼材及びその製造方法 | |
JP6048626B1 (ja) | 厚肉高靭性高強度鋼板およびその製造方法 | |
EP2881482A1 (en) | Wear resistant steel plate and manufacturing process therefor | |
WO2013089156A1 (ja) | 低温靭性に優れた高強度h形鋼及びその製造方法 | |
WO2015093321A1 (ja) | H形鋼及びその製造方法 | |
WO2015115086A1 (ja) | 耐摩耗鋼板およびその製造方法 | |
JP7211530B2 (ja) | 耐摩耗鋼板および耐摩耗鋼板の製造方法 | |
JP2012122111A (ja) | 優れた生産性と溶接性を兼ね備えた、PWHT後の落重特性に優れたTMCP−Temper型高強度厚鋼板の製造方法 | |
WO2014175122A1 (ja) | H形鋼及びその製造方法 | |
JP5565102B2 (ja) | 機械構造用鋼およびその製造方法 | |
JP2005256037A (ja) | 高強度高靭性厚鋼板の製造方法 | |
WO2018061101A1 (ja) | 鋼 | |
JP6536459B2 (ja) | 厚鋼板およびその製造方法 | |
JP6582590B2 (ja) | Lpg貯蔵タンク用鋼板およびその製造方法 | |
CN111051555B (zh) | 钢板及其制造方法 | |
JPH11229077A (ja) | 多層盛溶接部のctod特性に優れた鋼板およびその製造方法 | |
JP7048379B2 (ja) | 高強度高延性鋼板 | |
JP5008879B2 (ja) | 強度および低温靭性の優れた高張力鋼板および高張力鋼板の製造方法 | |
WO2013084265A1 (ja) | 機械構造用鋼およびその製造方法 | |
WO2011043287A1 (ja) | 強度、延性の良好なラインパイプ用鋼およびその製造方法 | |
JP6673320B2 (ja) | 厚鋼板および厚鋼板の製造方法 | |
JP2007277697A (ja) | 耐疲労亀裂伝播特性および脆性亀裂伝播停止特性に優れた高張力厚鋼板およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171122 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20180502 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20180509 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181218 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190129 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20190327 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190507 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190520 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6536459 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |