JP6536459B2 - 厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建築、橋梁、造船、海洋構造物、建産機、タンクおよびペンストック等の鋼構造物に好適な厚鋼板およびその製造方法に関する。
建築、橋梁、造船、海洋構造物、建産機、タンクおよびペンストック等の分野で使用される鋼材は、鋼構造物の形状に対応して、溶接により所望の形状に仕上げられる。近年、鋼構造物の大型化が著しく進展しており、使用される鋼材の高強度化や厚肉化が顕著に進んでいる。板厚が120mm以上で、しかも板厚全体にわたって強度および靭性に優れる厚鋼板を製造しようとする場合、鋼板が厚い故に板厚中心部における冷却速度が低下して、フェライトなど比較的低強度の組織が形成されやすくなる。そのため、このような組織の生成を抑制するために、多量の合金元素の添加が必要となる。特に、厚鋼板の板厚中心部の強度と靭性を向上させるためには、焼入れ時にベイナイト組織又はベイナイトとマルテンサイトの混合組織を板厚中心部に形成させることが重要である。このため、MnやNi、Cr、Mo等の合金元素を多量に添加する必要がある。
特許文献1では、板厚が100mm以上の厚鋼板に関して、合金化元素の添加と旧オーステナイト粒(旧γ粒)の制御により焼き入れ性の向上と靭性が向上することについて記載されている。また、非特許文献1では板厚210mmの厚鋼板について、非特許文献2では板厚180mmの厚鋼板について、それぞれ記載されている。
特願2015−548516号
新日鐵技報、348(1993)、P10−16 日本鋼管技報、107(1985)、P21−30
しかしながら、板厚中心部の組織改善のためにMnやNi、Cr、Mo等の合金元素を多量に添加し、旧γ粒径の微細化・整粒化を目的として熱処理を施して板厚中心部において十分な特性が得られたとしても、厚鋼板表面の靭性が得られないという問題があった。特許文献1には、板厚中心部についての強度および靭性については検討されているものの、表層部の強度および靭性の両方については検討されていない。また、非特許文献1、2についても、表層部の強度および靭性の両方については検討されていない。
本発明は、板厚が120mm以上であっても、板厚中心部および表層部において、強度と靭性に優れた厚鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、降伏強度が690MPa以上で、かつ板厚が120mm以上の厚鋼板を対象とし、板厚中心部および表層部において優れた強度及び靭性を得るための、厚鋼板内部のミクロ組織制御因子について鋭意研究を行った。その結果、表層部の靭性が低い領域では母材硬度が上昇しており、Mn等の合金元素の偏析度が高くなっていた。さらに旧オーステナイト粒界の一部では割れが発生しており、割れの発生した旧オーステナイト粒界を詳細に分析したところ、Pが偏析していることを見出した。割れの発生していない粒界では、割れの発生した粒界に比べPの偏析量は低かった。
以上から、降伏強度が690MPa以上で、かつ板厚が120mm以上の厚鋼板における靭性向上のためには、表層部での旧オーステナイト粒界へのPの偏析を抑制することがきわめて重要である。そのためにさらに調査をしたところ、以下の知見を見出した。
(1)Pの粒界偏析量が一定値以下であれば、粒界脆化は生じない。
(2)Pの粒界偏析は、最終熱処理後の冷却温度が450℃〜300℃の間において顕著に発生する。このため、この温度領域での冷却速度を増加させることがPの粒界偏析の低減に有効である。
(3)Pの粒界偏析は、最終熱処理後の冷却速度以外に、Mnの偏析量(以下、Mn偏析度と称する。)とP含有量に関係があり、両者の積で決まる指標が一定値以下であれば、Pの粒界偏析が抑制される。
(4)以上から、Pの含有量、Mn偏析度および最終熱処理後の冷却速度の制御により、Pの粒界偏析を低減し、靭性を向上させることができることを見出した。
本発明は、上記した知見に基づくものであり、その構成は以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.08〜0.20%、Si:0.40%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.010%以下、S:0.0050%以下、Cr:3.0%以下、Ni:5.0%以下、Al:0.080%以下、N:0.0070%以下、B:0.0030%以下、O:0.0025%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる成分組成であり、下記式(1)で定義されるfの値が0.020以下であり、鋼板表層部での旧オーステナイト粒界の粒界幅1nmの範囲におけるPの偏析量が0.3%以下であり、降伏強度が690MPa以上であることを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板。
f=(C Mn/C Mn×C (1)
なお、上記(1)式において、
Mn:鋼板表層部でのMnの偏析量(質量%)
Mn:Mnの含有量(質量%)
:Pの含有量(質量%)
とする。
[2]前記成分組成は、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Mo:1.50%以下、V:0.200%以下、Ti:0.005〜0.020%、Mg:0.0001〜0.002%、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載の板厚120mm以上の厚鋼板。
[3][1]または[2]に記載の成分組成を有する鋼素材をAc変態点以上1200℃以下に加熱し、次いで前記鋼素材を熱間圧延し、次いでAc変態点以上1050℃以下に再加熱し、その後、Ar点以上の温度域から350℃以下まで冷却し、その後、450℃以上700℃以下の温度で焼戻しを施し、焼戻し後に急冷することを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板の製造方法。
本発明によれば、板厚が120mm以上であっても、強度と靱性に優れる厚鋼板を得ることができる。そのため、本発明は、鋼構造物の大型化および安全性の向上に大きく寄与し、産業上格段の効果を有する。
なお、本発明における強度と靱性に優れる厚鋼板とは、具体的には、降伏強度が690MPa以上で、かつ、−40℃の試験温度でシャルピー衝撃試験を行ったときの吸収エネルギー(vE−40)が100J以上を意味する。
まず、本発明の厚鋼板の成分組成について説明する。なお、各元素の含有量は全て質量%である。
C:0.08〜0.20%
Cは、構造用鋼に求められる強度を安価に得る上で有用な元素であり、そのためにはC含有量は0.08%以上とする。一方、C含有量が0.20%超えの場合、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性が著しく劣化するため、C含有量は0.20%以下とする。C含有量は、好ましくは0.08〜0.14%である。
Si:0.40%以下
Siは、脱酸のために含有する。しかしながら、Si含有量が0.40%超えの場合、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性が著しく劣化するため、Si含有量は0.40%以下とする。Si含有量は、好ましくは0.05〜0.30%であり、より好ましくは0.10〜0.30%である。
Mn:0.5〜3.0%
Mnは、厚鋼板の強度および靭性を確保する観点から含有する。しかしながら、Mn含有量が0.5%未満ではその効果が十分でない。一方で、Mn含有量が3.0%超えの場合、厚鋼板の靭性が劣化するだけではなく、中心偏析が助長されスラブのポロシティを大型化する。このため、Mn含有量は3.0%以下とする。Mn含有量は、好ましくは0.6〜2.0%であり、より好ましくは0.6〜1.6%である。
P:0.010%以下
本発明では、旧オーステナイト粒界のPの偏析量を一定以下に制限する必要があるため、P含有量は非常に重要である。Pが0.010%超えの場合、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性が著しく劣化するため、P含有量は0.010%以下に制限する。
S:0.0050%以下
S含有量が0.0050%超えの場合、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性が顕著に劣化するため、S含有量は0.0050%以下に制限する。本発明は、Sが含有されない場合も含む。
Cr:3.0%以下
Crは、厚鋼板の高強度化に有効な元素である。しかしながら、多量に含有すると溶接性を低下させるので、Cr含有量は3.0%以下とする。Cr含有量は、好ましくは0.1〜2.0%である。但し、Crは必ずしも含有していなくても良い。
Ni:5.0%以下
Niは、厚鋼板の強度および溶接熱影響部の靭性を向上させる有益な元素である。しかしながら、Ni含有量が5.0%超えの場合、経済性が著しく悪化するため、Ni含有量は5.0%以下とする。Ni含有量は、好ましくは0.5〜4.0%である。但し、Niは必ずしも含有していなくても良い。
Al:0.080%以下
Alは、溶鋼を十分に脱酸するために含有する。しかしながら、Al含有量が0.080%超えの場合、厚鋼板中に固溶するAl量が多くなり、厚鋼板の靭性が低下するので、Al含有量は0.080%以下とする。Al含有量は、好ましくは0.030〜0.080%であり、より好ましくは0.030〜0.060%である。
N:0.0070%以下
Nは、Tiなどと窒化物を形成することによって組織を微細化し、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性を向上させる効果を有する。しかしながら、N含有量が0.0070%超えの場合、厚鋼板中に固溶するN量が増大し、厚鋼板の靭性が著しく低下し、さらに溶接熱影響部においても粗大な炭窒化物が形成され靭性が低下するので、N含有量は0.0070%以下とする。N含有量は、好ましくは0.0010〜0.0050%であり、より好ましくは0.0010〜0.0040%である。
B:0.0030%以下
Bは、オーステナイト粒界に偏析することで粒界からのフェライト変態を抑制し、焼入性を高める効果を有する。しかしながら、B含有量が0.0030%超えの場合、Bが炭窒化物として析出し焼入性を低下させる結果、靭性が低下するので、B含有量は0.0030%以下とする。B含有量は、好ましくは0.0003〜0.0030%であり、より好ましくは0.0005〜0.0020%である。
O:0.0025%以下
O含有量が0.0025%超えの場合、厚鋼板中で硬質な酸化物を生成し、靭性が顕著に低下するので、O含有量は0.0025%以下とする。O含有量は、好ましくは0.0005〜0.0020%である。
本発明における厚鋼板は、上記の成分組成を基本成分とする。
また、上記の基本成分に加えて、強度および靭性を高める目的で、Cu、Mo、V、Ti、Mg、Ca、およびREMのうちから選ばれる1種または2種以上を含有してもよい。
Cu:0.50%以下
Cuは、靭性を損なうことなく厚鋼板の強度の向上を図れる有用元素である。しかしながら、Cu含有量が0.50%超えの場合、熱間加工時に厚鋼板表面に割れを生じるので、Cuを含有する場合、その含有量は0.50%以下が好ましい。
Mo:1.50%以下
Moは、厚鋼板の高強度化に有効な元素である。しかしながら、Mo含有量が1.50%超えの場合、合金炭化物の析出により硬度が上昇し、靭性が低下するので、Moを含有する場合、その含有量は1.50%以下が好ましい。Mo含有量は、より好ましくは0.020〜0.80%である。
V:0.200%以下
Vは、厚鋼板の強度及び靭性の向上に効果があり、また、VNとして析出することで固溶Nの低減にも有効である。しかしながら、V含有量が0.200%超えの場合、硬質なVCの析出により靭性が低下するので、Vを含有する場合、その含有量は0.200%以下とするのが好ましい。V含有量は、より好ましくは0.010〜0.100%である。
Ti:0.005〜0.020%
Tiは、加熱時にTiNを生成し、オーステナイトの粗大化を効果的に抑制し、厚鋼板および溶接熱影響部の靭性を向上させる。しかしながら、Ti含有量が0.005%未満の場合、TiNによる高温でのピニング効果がなくなるため靭性が劣化し、一方、Ti含有量が0.020%超えの場合、Ti窒化物が粗大化し厚鋼板の靭性が低下するので、Tiを含有する場合、その含有量は0.005〜0.020%の範囲とするのが好ましい。Ti含有量は、より好ましくは0.008〜0.015%である。
Mg:0.0001〜0.002%
Mgは、高温で安定な酸化物を形成し、溶接熱影響部の旧γ粒の粗大化を効果的に抑制し、溶接部の靭性を向上させるのに有効な元素である。しかしながら、Mg含有量が0.0001%未満の場合、その効果が乏しく、一方、Mg含有量が0.002%超えの場合、介在物量が増加し靭性が低下するので、Mgを含有する場合、その含有量は0.0001〜0.002%とするのが好ましい。Mg含有量は、より好ましくは0.0001〜0.015%である。
Ca:0.0005〜0.0050%
Caは、硫化物系介在物の形態制御に有用な元素であり、その効果を発揮させるためには、Ca含有量は0.0005%以上とする。しかし、Ca含有量が0.0050%超えの場合、清浄度の低下を招き靭性が劣化する。よって、Caを含有する場合、その含有量は0.0005〜0.0050%とするのが好ましい。Ca含有量は、より好ましくは0.0005〜0.0025%である。
REM:0.0005〜0.0100%
REMも、Caと同様に、厚鋼板中で酸化物および硫化物を形成して材質を改善する効果があり、その効果を得るためには、REM含有量は0.0005%以上とする。しかし、REM含有量が0.0100%超えの場合、その効果が飽和する。よって、REMを含有する場合、その含有量は0.0005〜0.0100%とするのが好ましい。REM含有量は、より好ましくは0.0005〜0.0050%である。
上記以外の残部はFeおよび不可避的不純物からなる。
f値:0.020以下
本発明者らが鋭意検討した結果、Pの粒界偏析により表層部の靭性の劣化が生じており、このPの粒界偏析を低減するためには、含有するP量および表層部での偏析度を低減することが重要であることがわかった。さらに検討した結果、Mn偏析度とP量との関係については、下記式(1)で定義されるf値が0.020を超えると、粒界のP濃化が発生しやすく、また、偏析部が硬くなるために靭性が低下することを見出した。なお、本発明において、Mn偏析度はC Mn/C Mnで表すことができる。
f=(C Mn/C Mn×C (1)
なお、上記(1)式において、
Mn:鋼板表層部でのMnの偏析量(質量%)
Mn:Mnの含有量(質量%)
:Pの含有量(質量%)
とする。
鋳造やその後の熱処理により形成されるマクロ偏析部は、C、Mn、P、S等の元素が偏析している。このマクロ偏析部のP濃度について測定を行うことで、偏析部のP量の測定は可能である。しかしながら、含有するP量は微量であるため、その局所的な量を評価することは非常に困難である。そこで本発明者らは、MnとPの偏析の度合いに相関があれば、その関係からPのマクロ偏析量が評価できると考え、Mnの偏析度の割合と材料中のP量との関係、および靭性の影響について検討を行った。その結果、上記(1)式のように、Mnの偏析度の5乗とPの含有量との積が所定の値より小さいと、靭性に優れるという相関関係を見出した。
Mn偏析度(C Mn/C Mn)については、鋳造における凝固時やその後の高温熱処理によって低減することが可能である。具体的には、凝固時に軽圧下や電磁攪拌を行うことでMn偏析度を低減することが可能である。また、熱間圧延前に1200℃以上に加熱することにより、Mnが拡散し、Mn偏析度の低減が可能である。なお、偏析を低減するための熱処理の際は、1200℃以上に加熱した後一旦冷却し、次いで後述するようにAc変態点以上1200℃以下に加熱すればよい。
また、Pの含有量(P量)については、脱りんを行うことで低減することが可能である。
Mnの偏析量については、EPMAを用いることにより求めることができる。本発明では、厚鋼板表面の靭性を得ることが重要であるため、厚鋼板表層域の少なくとも10mm×10mmの領域について、Mnの濃度分布について評価を行う必要がある。測定にあたり、EPMAのビーム系(ステップ幅)を少なくとも10μm以下として、この領域のMn濃度についての定量評価を行う。得られた定量値について統計処理を行い、定量値の上位5%までの領域(濃度最大値を100%としたときの、95〜100%の領域)の平均値を、Mnの偏析量(C Mn)とする。このようにして得られたMn偏析量をMn含有量(C Mn)で割ることで、Mn偏析度を求める。また、本発明ではEPMAに限定するものではないが、偏析値として、異常値や最大値を用いた場合には統計上問題がある。このため、表層部の10mm×10mm以上の面積について、少なくとも10000点以上の測定値が得られ、その上位5%の値の平均値を求める手法であれば、特に限定する必要はない。
なお、本発明において(鋼板)表層部とは、厚鋼板の表裏面から5〜20mmの範囲とする。一方、板厚中心部とは、板厚中心の位置から±5%の厚み領域を意味する。
鋼板表層部での旧オーステナイト粒界の粒界幅1nmの範囲におけるPの偏析量:0.3質量%以下
Pの粒界偏析量は、材料の靭性に大きく影響を与える。特に、本発明では厚鋼板表面の靭性の向上が必要であり、厚鋼板表面におけるPの粒界偏析量を制御することが重要である。そこで、最もPが濃化した場所である旧オーステナイト粒界のPの偏析量を制御することに着目した。すなわち、本発明におけるPの粒界偏析量は、表層部での旧オーステナイト粒界の粒界幅1nmの範囲におけるPの偏析量とし、その上限を0.3質量%とする。Pの粒界偏析量が0.3質量%を超えると、靭性が劣化する。
旧オーステナイト粒界のPの偏析量の測定は、透過電子顕微鏡を用いることで測定可能である。Pの偏析量を測定するにあたり、旧オーステナイト粒界の偏析量を測定する必要がある。そのため、サンプルは旧オーステナイト粒界を含むものを作製する必要があるが、電解研磨等では粒界部分の選択腐食等が発生するため、集束イオンビーム(FIB)法によるサンプル調整が望ましい。このとき、FIBによるサンプル厚さ50nm以下のサンプルを作製し、粒界のP分析を行う。分析はTEM−EDSによる分析を行うが、対象とするPの偏析量が微量であるため、少なくとも粒界位置において10点以上のスペクトルを集積し、そのスペクトルを足し合わせて統計精度を高めて定量計算を実施する。また、入射ビームについても、粒界幅1nmでのPの定量を行うため、試料厚さによるビームの広がりも考慮して、入射ビームはビーム径0.2nm以下に絞って測定を行い、収差補正透過電子顕微鏡を用いる。以上の条件で粒界のP量を測定し、定量計算を行い、本発明におけるPの粒界偏析量を決定する。
また、Pの粒界偏析量については、Mn偏析度やP含有量の低下といった制御に加えて、最終熱処理時の450〜300℃の温度範囲での冷却速度を調整することで制御可能である。具体的には、Mn偏析度およびP含有量が少ないほどPの粒界偏析濃度は低くなり、Pの粒界偏析を抑制できる。また、冷却については、450〜300℃の温度範囲の冷却速度を増加させることでPの粒界偏析を抑制することができ、例えば、厚鋼板表面に水をかけたり、炉内に空気や窒素等のガスを導入することで実施可能である。なお、本発明の厚鋼板は板厚120mm以上を対象とする材料であるため、板厚中心部にはこの加速冷却はほとんど影響せず、板厚中心部の材質の劣化に影響を及ぼさない。
次に、本発明の厚鋼板の組織について説明する。
強度および靭性の観点から、マルテンサイト及び/又はベイナイト組織とすることが好ましい。具体的には、マルテンサイトおよびベイナイトの合計面積率が80%以上であることが好ましい。当該合計面積率が80%未満の場合、靭性が十分に得られない。組織の残部は、フェライト、パーライト等である。
次に、本発明の厚鋼板の製造方法について説明する。なお、温度(℃)は、板厚中心部における温度を意味するものとする。
圧延用鋼素材
上記した成分組成に調整した溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の通常の方法で溶製したのち、連続鋳造法や造塊法等の通常の鋳造方法でスラブ、ビレットなどの圧延用の鋼素材とする。また、圧延機の荷重等の制約がある場合には、分塊圧延または鍛造を行い、鋼素材の板厚を小さくしても良い。また、鋼素材の偏析低減が重要となるため、P量が0.004%超えの場合、造塊時に電磁力による攪拌や軽圧下、熱処理を適度に行い、凝固偏析を抑制することが望ましい。
鋼素材の加熱温度:Ac変態点以上1200℃以下
続いて、鋼素材をAc変態点以上1200℃以下に加熱する。鋼素材をAc変態点以上に加熱するのは、鋼をオーステナイト組織一相に均一化するためであり、また、凝固偏析の緩和にも有効である。具体的な加熱温度としては、1000℃以上1200℃以下とすることが好ましい。なお、Ac変態点は、熱膨張測定から求めることも可能であるが、次式(2)により計算される値を用いる。
Ac=937.2−476.5[%C]+56[%Si]−19.7[%Mn]−16.3[%Cu]−26.6[%Ni]−4.9[%Cr]+38.1[%Mo]+124.8[%V]+136.3[%Ti]+198.4[%Al]+3315[%B]・・・(2)
ただし、[%M]は、鋼素材中の元素Mの含有量(質量%)を示し、含有しない場合は0とする。
熱間圧延条件
続いて、鋼素材を熱間圧延して、板厚が120mm以上の厚鋼板を得る。本発明では、熱間圧延条件については特に制限されないが、熱間圧延時に粗大な旧オーステナイト粒(旧γ粒)の形成を抑制することが好ましい。旧γ粒を微細化するためには、γ域での再結晶の促進が有効であり、特に圧延後段での再結晶が有効である。熱間圧延による加工が十分に加わりにくい板厚120mm以上の厚鋼板を製造する場合、少なくとも5パスの熱間圧延を施すことが好ましく、より好ましくは6パス以上11パス以下である。この場合には、最終パスを含む後段パスのうち少なくとも3パスでの圧下率を各々5%以上とすることにより、板厚中心部の再結晶を効果的に促進して、粗大な旧γ粒の形成を抑制することができる。また、圧下率8%以上のパスを10秒以内に行うことはさらに有効である。ただし、鋼素材の制約によって5パス以上の熱間圧延が困難な場合には、3パス又は4パスの熱間圧延を行う。この場合には、少なくとも1パスでの圧下率を8%以上とし、少なくとも他の1パスでの圧下率を15%以上とすることにより、板厚中心部の再結晶を効果的に促進して、粗大な旧γ粒の形成を抑制することができる。
熱処理条件
続いて、Ac変態点以上1050℃以下に再加熱し、その後、Ar変態点以上の温度域から350℃以下まで冷却する。再加熱温度を1050℃以下とするのは、1050℃を超える高温で厚鋼板を再加熱すると、オーステナイト粒が粗大化して厚鋼板の靭性が著しく低下するためである。また、再加熱温度がAc変態点未満の場合も、厚鋼板の靭性が低下する。冷却停止温度を350℃以下とするのは、冷却停止温度が350℃超えの場合、その後の空冷過程で不均一な炭化物の生成が起こり、焼き戻し時に粗大な炭化物が生成して、厚鋼板の靭性が劣化するからである。なお、Ar変態点は、熱膨張測定から求めることも可能であるが、次式(3)により計算される値を用いる。
Ar=910−310[%C]−80[%Mn]−20[%Cu]−15[%Cr]−55[%Ni]−80[%Mo]・・・(3)
ただし、[%M]は、鋼素材中の元素Mの含有量(質量%)を示し、含有しない場合は0とする。
また、再加熱時は、厚鋼板を300℃以下の温度まで放冷した後に再加熱することが好ましい。
板厚中心部の温度は、板厚、表面温度および冷却条件等から、計算等により求められる。例えば、差分法を用い、板厚方向の温度分布を計算することにより、板厚中心部の温度が求められる。
冷却の方法は、工業的には水冷とすることが一般的であるが、冷却速度は可能な限り速いほうが望ましいため、冷却方法は水冷以外でも良く、例えばガス冷却などの方法もある。
焼戻し条件
冷却後、厚鋼板に焼戻し処理を施して製品とする。焼戻し温度は450℃以上700℃以下とする。焼戻し温度が450℃未満の場合、低温焼もどし脆性の影響で、靭性の低下を招き、一方、焼戻し温度が700℃を超える場合、種々の炭化物が析出するとともに、厚鋼板の組織が粗大化し、強度の低下を招くためである。
焼戻し後の冷却
Pの粒界偏析を防止するために、焼戻し処理後の冷却過程が重要である。450〜300℃の温度域での冷却速度が遅い場合、Pの偏析が助長される。このため、450〜300℃の温度域においては急冷として、冷却速度を早くする必要がある。急冷の方法は、水冷やガス冷却を行うことが好適である。なお、本発明では板厚が厚いため、表層部の冷却速度が0.02℃/s以上40℃/s以下であれば、板厚中心部の材質に大きな影響は与えない。
なお、工業的には、鋼の強靭化を目的として、繰返し焼入れする場合があるが、本発明においても繰返し焼入れを行っても良い。その際、最終の焼入れの際には、上述したように、Ac変態点以上1050℃以下に加熱後、Ar点以上の温度域から350℃以下になるまで冷却し、その後450℃以上700℃以下の温度で焼戻しを施した後、急冷することが必要である。
以上より、本発明の厚鋼板は、板厚が120mm以上であっても、厚鋼板全体の強度と靭性に優れる。具体的には、降伏強度が690MPa以上で、かつ、−40℃の試験温度でシャルピー衝撃試験を行ったときの吸収エネルギー(vE−40)が100J以上を実現できる。板厚の上限は特に限定されないが、通常の厚鋼板の場合、板厚は300mm以下である。
表1に示す成分組成を有する鋼を溶製し、連続鋳造または造塊によりスラブを得た。表2に示すように、一部の材料は、電磁攪拌、軽圧下、もしくは熱処理を施してその偏析形態を変化させた。その後、表2に示す加熱温度に加熱し、熱間圧延を実施した。圧延はオーステナイト領域で行い、表2に示す板厚に加工した。その後、表2に示す温度に再加熱して30分保持した後、水冷にて急冷し、100〜150℃の間で冷却停止した。その後、焼戻し処理を実施した。焼戻し処理は表2に示す温度に3時間保持し、焼戻し後に冷却した。一部の材料では、焼戻し後に、冷却を早めるために厚鋼板表面が300℃以下になるまで、水冷により急冷を行った(表2には水冷と記載)。なお、表2における徐冷とは、炉から材料を出したままの空冷もしくは炉の出力を切って冷却する炉冷のいずれかである。
Figure 0006536459
Figure 0006536459
得られた厚鋼板について、下記の要領で強度および靭性を評価した。また、f値およびPの粒界偏析量を算出した。
<引張試験>
各鋼板の板厚中心部から、圧延方向と直角方向に丸棒引張試験片(Φ=12.5mm、GL=50mm)を採取し、降伏強度(YS)、引張強度(TS)を測定した。降伏強度は690MPa以上、引張強度は720MPa以上を合格とした。
<シャルピー衝撃試験>
各鋼板の板厚中心部および表面15mm位置から圧延方向を長手方向とする2mmVノッチシャルピー試験片を各3本ずつ採取し、各試験片について−40℃の試験温度でシャルピー衝撃試験を行ったときの吸収エネルギーvE−40(J)を測定し、それらの平均値を求めた。−40℃における吸収エネルギー(vE−40)が100J以上を合格とした。
<f値の計算(偏析度調査)>
各鋼板の表面のC断面(圧延方向に直角方向の断面)について、厚鋼板表面から15mm位置を中心とし、厚み方向10mm、幅方向20mmの位置をEPMA分析を行った。分析は、20μmのステップサイズを用いて、500×1000点についてMnの定量値を計算した。このMnの定量値について、上位5%までの値の平均値をMn偏析量として算出し、Mn偏析量をMn含有量で割り、Mn偏析度を計算した。そして、式(1)を用いてf値を決定した。
<Pの粒界偏析量>
得られた厚鋼板の表層15mmの位置からFIB法により、旧オーステナイト粒界を含むTEM用サンプル(厚さ50nm以下)を作成した。該TEMサンプルにおいて旧オーステナイト粒の粒界を20ヶ所選び、粒界位置でTEM−EDSによるP分析を行い、それら20点の平均値をPの粒界偏析量とした。
結果を表3に示す。
Figure 0006536459
以上の結果の測定から、本発明例はいずれも、YSが690MPa以上、TSが720MPa以上、−40℃における靭性(vE−40)が100J以上であり、強度および靭性に優れていることが確認された。なお、表3の値は、表層部の評価結果であるが、板厚中心部においても表層部と同様に、本発明例はいずれも強度および靭性が所定の値を満足した。
サンプルNo.1は、P量は発明範囲内であるものの、P量が多く、かつ偏析対策を行っていないため、f値が発明範囲外となった。また、偏析対策を行っていないために、Pの粒界偏析量も本発明範囲外となり、靭性に劣った。サンプルNo.4およびNo.11は、焼戻し処理後に急冷ではなく徐冷したために、Pの粒界偏析量が本発明範囲外となり、靭性に劣った。サンプルNo.5は、P量は発明範囲内であるものの、P量が多く、かつ偏析対策を行っていないために、f値およびPの粒界偏析量が発明範囲外となり、靭性に劣った。サンプルNo.13は、C量が発明範囲外であるために強度に劣った。サンプルNo.14、15は、P量が発明範囲外であるため、靭性に劣った。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.08〜0.20%、Si:0.40%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.010%以下、S:0.0050%以下、Cr:0.1〜3.0、Ni:0.5〜5.0、Al:0.080%以下、N:0.0070%以下、B:0.0030%以下、O:0.0025%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる成分組成であり、
    下記式(1)で定義されるfの値が0.020以下であり、
    鋼板表層部での旧オーステナイト粒界の粒界幅1nmの範囲におけるPの偏析量が0.25質量%以下であり、
    降伏強度が690MPa以上であり、−40℃における靭性(vE −40 )が100J以上であることを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板。
    f=(C Mn/C Mn×C (1)
    なお、上記(1)式において、
    Mn:鋼板表層部でのMnの偏析量(質量%)
    Mn:Mnの含有量(質量%)
    :Pの含有量(質量%)
    とする。
  2. 質量%で、C:0.08〜0.20%、Si:0.15〜0.40%、Mn:0.5〜3.0%、P:0.010%以下、S:0.0050%以下、Cr:0.1〜3.0%、Ni:0.5〜5.0%、Al:0.080%以下、N:0.0070%以下、B:0.0030%以下、O:0.0025%以下を含有し、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Mo:1.50%以下、V:0.200%以下、Ti:0.005〜0.020%、Mg:0.0001〜0.002%、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる成分組成であり、下記式(1)で定義されるfの値が0.020以下であり、鋼板表層部での旧オーステナイト粒界の粒界幅1nmの範囲におけるPの偏析量が0.25質量%以下であり、降伏強度が690MPa以上であり、−40℃における靭性(vE −40 )が100J以上であることを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板。
    f=(C Mn /C Mn ×C (1)
    なお、上記(1)式において、
    Mn :鋼板表層部でのMnの偏析量(質量%)
    Mn :Mnの含有量(質量%)
    :Pの含有量(質量%)
    とする。
  3. 請求項1または2に記載の厚鋼板の製造方法であって、請求項1または2に記載の成分組成を有する鋼素材をAc変態点以上1200℃以下に加熱し、次いで前記鋼素材を熱間圧延し、次いでAc変態点以上1050℃以下に再加熱し、その後、Ar変態点以上の温度域から350℃以下まで冷却し、その後、450℃以上700℃以下の温度で焼戻しを施し、焼戻し後に急冷することを特徴とする板厚120mm以上の厚鋼板の製造方法。
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