JP6535731B2 - 固縛用張力確認具 - Google Patents

Description

本発明は、固縛用帯状体の張力を確認するための固縛用張力確認具に関する。

従来より、固縛用帯状体が所定以上の張力で固縛されているかを調べるための固縛用張力確認具は知られている。

例えば、特許文献１の子供用安全シートのストラップの張力を示すための張力表示器が知られている。この張力表示器は、ストラップの張力状態では、ストラップの張力により、スプリング部材の付勢力に抗して回動部材が回動して、当接部と延出部とが整列する位置となり、ストラップが張力状態であることを表示するようになっている。

また、特許文献２のベルト張力検出装置は、ある張力がかかっているベルトを屈曲させるとともに、このベルトの張力に応じて変形するベルト屈曲機構と、この機構の変形を検知するセンサとを具備し、ベルト屈曲機構が柔構造を有し、ベルトにかかる張力がある限度を越えると、ベルトが屈曲されずにストレートとなるようにしている。

特表２００７-５３７４３５号公報 特開２００１-１８０４４１号公報

しかしながら、上記特許文献１及び２のような従来の固縛用張力確認具は、構造が簡単とまではいえず、張力測定が必要な箇所に全てに設けるのは材料費、維持費等の観点から困難である。

特に運搬物を固定する場合には、運搬物ごとに確認具を設けなければならないので、できるだけ簡単な構造とする必要がある。

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構造で簡易に所定以上の張力で固縛用帯状体が締め付けられているかを確認できるようにすることにある。

上記の目的を達成するために、この発明では、固縛用張力確認具の一部を所定以上の張力がかかったときに破断させるようにした。

具体的には、本発明では、固縛用帯状体の張力を確認する固縛用張力確認具を前提とし、
上記固縛用張力確認具は、
所定の距離を空けて配置され、上記固縛用帯状体が挿通される貫通孔をそれぞれ有する一対の挿通部と、
上記一対の挿通部を連結する連結部と、
上記連結部に設けられ、上記一対の挿通部の貫通孔を結ぶ直線から垂直に所定距離離れた位置に、上記固縛用帯状体の幅方向に延びるように設けられた張力検出部とを備えている。

そして、上記一対の挿通部に上記固縛用帯状体を挿通した状態で、該固縛用帯状体の一方の面が上記張力検出部に当接し、該固縛用帯状体に所定以上の張力を加えると、該張力検出部が破断するように構成されている。

上記の構成によると、一対の挿通部の貫通孔に固縛用帯状体を挿通するときに、その厚さ方向の一方の面が一対の挿通部間の張力検出部に当接するようにする。そして、固縛用帯状体の張力を増加させていくと、所定以上の張力で張力検出部が破断することにより、固縛用帯状体に所定以上の張力が加わったことを確認できる。固縛用張力確認具は、張力検出部が破断した後も固縛用帯状体に残るので、この破断した状態の固縛用張力確認具が固縛用帯状体に残っていることで、固縛用帯状体が所定以上の張力で固縛されていることを確認できる。

また、上記張力検出部には、所定以上の張力で破断するように脆弱部が設けられていてもよい。この構成によると、脆弱部を適切に形成することにより、破断時の張力設定を容易に制御できる。

また、固縛用張力確認具は、樹脂材料の一体成形品よりなっていてもよい。この構成によると、軽量かつ安価な固縛用張力確認具が得られる。

さらに、上記挿通部及び上記連結部は、樹脂成形品で構成され、
上記張力検出部の少なくとも破断する部分は、金属部材で構成されていてもよい。この構成によると、張力検出部を金属部材で構成することで、樹脂成形品よりも破断強度を制御しやすい。

以上説明したように、本発明によれば、一対の挿通部に固縛用帯状体を挿通した状態で、固縛用帯状体の一方の面を張力検出部に当接させ、固縛用帯状体に所定以上の張力を加えると、張力検出部が破断するようにしたことにより、簡単な構造で簡易に所定以上の張力で固縛用帯状体が締め付けられているかを確認することができる。

固縛用張力確認具に固縛用ベルトを通した状態を示す斜視図である。 図１のII−II線断面図である。 張力検出部を拡大して示す正面図である。 変形例に係る張力検出部を拡大して示す断面図である。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

図１は本発明の実施形態の固縛用張力確認具１を示し、この固縛用張力確認具１は、例えば、固縛用帯状体としての固縛用ベルトＢによって積荷を船の甲板等に固定するときの張力確認のために用いられる。固縛用ベルトＢの種類は、特に限定されないが、ポリエステルなどの布製のベルトや芯線の入ったゴム製のベルトでもよい。例えば、固縛用ベルトＢの張力は、約２ｋＮ〜２０ｋＮであり、幅は約２０〜５０ｍｍ、厚さは約２ｍｍ〜３ｍｍとなっている。

固縛用張力確認具１は、例えば、樹脂成形品よりなり、所定の距離を空けて配置された一対の挿通部２を有し、各挿通部２には、固縛用ベルトＢが挿通される、例えば長円形の貫通孔２ａが形成されている。貫通孔２ａは、固縛用ベルトＢが挿通可能な幅及び長さがあればよい。例えば、幅が５ｍｍで長さが６０ｍｍあればよい。図２にも示すように、挿通部２の断面は円形としているが、これに限定されない。

一対の挿通部２は、固縛用ベルトＢの長さ方向において、棒状の一対の連結部３で連結されている。この連結部３の形状及び断面は特に限定されないが、本実施形態では、断面が円形状となっている。

連結部３のベルト長さ方向中央には、一対の挿通部２の貫通孔２ａを結ぶ直線から垂直に所定距離離れた位置に、固縛用ベルトＢの幅方向に延びるように張力検出部４（図３参照）が一体に設けられている。

そして、本実施形態では、張力検出部４は、ある程度固縛用ベルトＢを折り曲げる高さを稼ぐために、例えば固縛用ベルトＢの長手方向から見て門形状かつ断面円形状であり、連結部３に一体に成形されている。張力検出部４には、所定以上の張力で破断するように例えば、固縛用ベルトＢの幅方向に間隔を空けて切り込み状の脆弱部５が設けられている。脆弱部５は、貫通孔等でもよい。

このように構成した固縛用張力確認具１を使用する際には、まず、図１に示すように、一対の挿通部２に固縛用ベルトＢを挿通する。このとき、固縛用ベルトＢの背面（正面でもよい）が張力検出部４に当接するようにする。

次いで、図２に断面を示すように、固縛用ベルトＢに図示しない荷締め機を取り付け、徐々に締め込んでいく。すると、ベルト張力Ｔが大きくなるにつれ、張力検出部４に加わる分力Ｆが徐々に大きくなっていく。このとき、固縛用張力確認具１は、荷締め機のすぐ上にあると、作業がしやすい。

そして、荷締め機により固縛用ベルトＢに所定以上の張力Ｔが加わると、張力検出部４が分力Ｆによって脆弱部５から破断する。所定の張力は、搬送物の大きさ、重さ、搬送時に加わる荷重などにより設定される。

このように、所定以上の張力で張力検出部４が破断することにより、固縛用ベルトＢに所定以上の張力が加わったことを確認できる。固縛用張力確認具１は、張力検出部４が破断した後も固縛用ベルトＢに残るので、この破断した状態の固縛用張力確認具１が固縛用ベルトＢに残っていることで、固縛用ベルトＢが所定以上の張力で固縛されていることを確認できる。

また、脆弱部５を適切な位置に適切に形成することにより、破断時の張力設定を容易に制御できる。

さらに、固縛用張力確認具１を樹脂材料の一体成形品で形成したので、軽量かつ安価な固縛用張力確認具１が得られる。安価であるので、所定の張力ごとに複数種類の固縛用張力確認具１を用意しておくことができる。所定の張力ごとに固縛用張力確認具１の色を変えたり、表示を変えたりすることで、使い分けを容易にするとよい。

したがって、本実施形態に係る固縛用張力確認具１によると、簡単な構造で簡易に所定以上の張力で固縛用ベルトＢが締め付けられているかを確認することができる。

−変形例−
図４は本発明の実施形態の変形例を示し、張力検出部１０４の構成が異なる点で上記実施形態と異なる。なお、図１〜図３と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。

本変形例では、挿通部２及び連結部３は、樹脂成形品で構成されているが、張力検出部１０４の垂直に延びる垂直部１０４ａは、樹脂成形品で連結部３に一体に成形されている。

一方、一対の垂直部１０４ａをつなぐ例えば丸パイプ状の破断部１０４ｂは金属部材で構成されている。金属部材は、例えばアルミニウム合金などの軽金属の丸パイプで構成されている。本変形例では、張力検出部１０４の長手方向中央に貫通孔よりなる脆弱部１０５が形成されている。脆弱部１０５は、スリットでもよく、また、複数箇所設けてもよい。

このように構成すれば、張力検出部１０４の破断部１０４ｂを仕上げ精度の高い金属部材で構成することができるので、樹脂成形品よりも破断強度を制御しやすくなる。

（その他の実施形態）
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。

すなわち、上記実施形態では、脆弱部５，１０５を設けているが、この脆弱部５，１０５を設けなくても、張力検出部４全体の強度を弱めて所定の張力以上の張力で破断するようにしてもよい。

上記実施形態では、張力検出部４は、両端が支持された両持ち構造としているが、一端のみが支持された片持ち構造としてもよい。

なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。

１ 固縛用張力確認具
２ 挿通部
２ａ 貫通孔
３ 連結部
４ 張力検出部
５ 脆弱部
１０４ 張力検出部
１０４ａ 垂直部
１０４ｂ 破断部
１０５ 脆弱部

Claims (4)

1. 固縛用帯状体の張力を確認する固縛用張力確認具において、
   所定の距離を空けて配置され、上記固縛用帯状体が挿通される貫通孔をそれぞれ有する一対の挿通部と、
   上記一対の挿通部を連結する連結部と、
   上記連結部に設けられ、上記一対の挿通部の貫通孔を結ぶ直線から垂直に所定距離離れた位置に、上記固縛用帯状体の幅方向に延びるように設けられた張力検出部とを備え、
   上記一対の挿通部に上記固縛用帯状体を挿通した状態で、該固縛用帯状体の一方の面が上記張力検出部に直接当接し、該固縛用帯状体に所定以上の張力を加えると、該張力検出部が破断するように構成されている
   ことを特徴とする固縛用張力確認具。
2. 請求項１に記載の固縛用張力確認具において、
   上記張力検出部には、所定以上の張力で破断するように脆弱部が設けられている
   ことを特徴とする固縛用張力確認具。
3. 請求項１又は２に記載の固縛用張力確認具において、
   上記一対の挿通部、上記連結部及び上記張力検出部は、全て樹脂材料の一体成形品よりなる
   ことを特徴とする固縛用張力確認具。
4. 請求項１又は２に記載の固縛用張力確認具において、
   上記挿通部及び上記連結部は、一体の樹脂成形品で構成され、
   上記張力検出部の少なくとも破断する部分は、金属部材で構成されている
   ことを特徴とする固縛用張力確認具。

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