JP6534598B2 - 倉庫管理システム - Google Patents

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本発明は、倉庫内で物品が入庫から出庫までどのように扱われたかを画像により詳細に解析できる倉庫管理システムに関する。
物品を倉庫に保管して要求に応じてその物品を取り出して発送をするといった処理をコンピュータで管理するために倉庫管理システムが設けられている。こうした倉庫管理システムにおいて、保管した物品を指示伝票に従ってピックアップする作業の確認のために、ピッキングした物品と容器を撮影した画像と投入指示情報とを並べて表示し、ピッキングの結果を照合する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2008−100798号 特許5719137号公報
既知の従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
顧客からの要請により顧客に届けられた物品が倉庫内でどのように扱われたかを調べたい場合がある。また、倉庫内で作業する作業員の行動が原因で問題が生じたような場合に、その原因を調査したい場合がある。
しかしながら、実際には、物品を入庫してから出庫するまでには多数の工程を経る。こうした現場を撮影したデータから、該当する物品を取り扱った作業を撮影した画像データを抽出する作業には、きわめて多くの時間と手数を要していた。特に、作業担当者が誤ってあるいは故意に指示伝票の内容と異なる処理をしたような場合に、管理データに記録された物品の識別コードだけを追っても、物品の流れやそれを撮影した画像データを漏れなく抽出することは容易でない。出荷日も出荷先も同一の同一識別コードの物品が多数存在するような場合はなおさらである。
本発明は以上の点に着目してなされたもので、いつでもすみやかに正確に、要請に応えた管理データと画像の両方を自動的に抽出することができる倉庫管理システムを提供することを目的とする。
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
<構成1>
倉庫において入出庫の対象となる物品を倉庫内部で管理するための、管理データの入力操作を受け付ける管理データ入力装置と、その管理データを記憶して処理する管理サーバとが設けられ、
上記物品の保管状態を変更する作業が行われるとき、その物品の識別コードと、その作業場所を特定するデータとが上記管理データ入力装置により取得され、作業の撮影時刻を示すデータとともに、上記管理データに含める処理が実行され、
上記の作業場所には、上記物品の保管状態を変更する作業を撮影するためのカメラが設置されており、
このカメラで撮影をして記憶装置に記憶させた画像データを含む画像データファイルには、その撮影場所を特定するロケーションコードと撮影時刻を特定するデータが属性データとして付加され、
上記カメラの設置時に、撮影した画像から自動的にロケーションコードを取得して、画像データファイルの属性データを生成するロケーションコード設定手段を備え、
任意の物品の保管状態を変更する作業の履歴を検索する検索装置は、
上記の管理データから該当する物品の保管状態を変更する作業の際に上記取得された作業場所を特定するデータと作業の撮影時刻を示すデータとを抽出して、
上記作業場所を特定するデータと上記ロケーションコードとが一致するときはそのロケーションコードを、上記作業場所を特定するデータと上記ロケーションコードとの対応関係を示す参照データが存在するときはその参照データから得られたロケーションコードをキーにして、上記作業の撮影時刻が一致しまたは近似する画像データを上記画像データファイルから抽出して、ディスプレイに表示出力する画像データ検索手段を備えたことを特徴とする倉庫管理システム。
<構成2>
作業場所を撮影した画像データに自動的に撮影時刻を示すデータを属性データとして付加する画像データ生成手段を備えたことを特徴とする構成1に記載の倉庫管理システム。
<構成3>
管理データを更新するための処理で物品の識別コードと棚番号が入力されたとき、取扱時刻と棚番号に対応するロケーションコードを自動的に取得して管理データに付加する管理データ入力装置を備えたことを特徴とする構成1に記載の倉庫管理システム。
<構成4>
作業の担当者が装着するマイクとイヤホンを備えた端末装置と、
この端末装置を通じて、音声を使用して作業の内容の指示と応答を送受信するように制御する自動音声応答手段と、
上記マイクから入力する音声を文字コードに変換する音声認識手段と、
上記文字コード化された作業の内容の指示と応答と、その作業の撮影時刻とを含む応答記録データファイルと、
上記画像データ検索手段により、画像データファイルから抽出された画像データの作業の撮影時刻を読み取って、この作業の撮影時刻の前後の一定の時間範囲か一定のデータ量を設定して、該当する抽出応答データを応答記録データファイルから取り出し、上記画像データと合成して上記ディスプレイに表示出力する画像合成手段を備えたことを特徴とする構成2に記載の倉庫管理システム。
<構成5>
作業の担当者が装着するマイクとイヤホンを備えた端末装置と、
この端末装置を通じて、音声を使用して作業の内容の指示と応答を送受信するように制御する自動音声応答手段と、
上記マイクから入力する音声を文字コードに変換する音声認識手段と、 上記文字コード化された作業の内容の指示と応答と、その作業の撮影時刻とを含む応答記録データファイルと、
上記画像データ検索手段により、画像データファイルから抽出された画像データの作業の撮影時刻を読み取って、この作業の撮影時刻の前後の一定の時間範囲か一定のデータ量を設定して、該当する抽出応答データを応答記録データファイルから取り出し、上記画像データと同期させて上記ディスプレイに表示出力する画像合成手段を備えたことを特徴とする構成2に記載の倉庫管理システム。
<構成6>
上記ディスプレイには、画像データファイルから読み出された撮影画像を表示する撮影画像表示ウインドウと、応答記録データファイルから読み出された文字データを表示する応答表示ウインドウとが表示され、
上記撮影画像と上記応答記録データの表示を同期させる手段と、
上記撮影画像の表示を固定した状態で上記応答記録データの表示をスクロールさせる手段と、
上記応答記録データの表示を固定した状態で上記撮影画像の表示をスクロールさせる手段とを備えたことを特徴とする構成5に記載の倉庫管理システム。
<構成7>
出荷される梱包体毎に、その梱包体の前記倉庫内部での梱包作業を撮影した画像を、前記画像データファイルから抽出するための検索式もしくは検索式を特定するデータを符号化して、照会コードを生成する符号化手段と、
前記梱包体の納品書に前記照会コードを表示する納品書生成手段と、
前記照会コードを受信して前記検索式を生成する復号化手段と、
前記検索式を使用して前記画像データファイルから抽出画像データを得る画像データ検索手段と、
前記抽出画像データをダウンロードサイトにアップロードして、出荷先にそのウェブサイトを指定する情報を送信する通知手段とを備えたことを特徴とする構成1または4に記載の倉庫管理システム。
<構成8>
前記納品書は印刷されて前記梱包体に同梱されていることを特徴とする構成7に記載の倉庫管理システム。
<構成9>
上記画像データ検索手段は、作業の内容の指示と応答と、その作業の撮影時刻とを含む応答記録データファイルを検索して抽出応答データを得て、前記抽出画像データとともに前記ダウンロードサイトにアップロードすることを特徴とする構成7に記載の倉庫管理システム。
<構成10>
コンピュータを、構成1に記載の検索装置として機能させる倉庫管理システム用コンピュータプログラム。
<構成11>
構成4または5に記載の自動音声応答手段と、音声認識手段と、画像合成手段として機能させる倉庫管理システム用コンピュータプログラム。
<構成12>
コンピュータを、構成7に記載の符号化手段と、納品書生成手段と、復号化手段と、画像データ検索手段と、通知手段として機能させる倉庫管理システム用コンピュータプログラム。
<構成13>
構成10乃至12のいずれかに記載の倉庫管理システム用コンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
物品の検品処理等の作業をカメラで撮影して記録するとき、その作業時刻と作業場所とを示すデータを管理データに含めておく。同一物品について、様々な場所で行われる作業について、同様の処理をしておく。その一方で、カメラでその作業を撮影して得られた画像データに、撮影場所を特定するロケーションコードを付加しておく。作業場所とロケーションコードとを一定の関係になるように対応付けておく。これにより、例えば、特定の物品あるいは特定の梱包体について、倉庫内で行われた全ての作業内容についてこれを撮影した画像を一挙に収集できる。さらに作業時刻示すデータを付加し、作業中に作業者が発生した音声等を文字に変換しておく。そして、画像と文字を同期させて再生すると、作業の具体的な確認を効率よく行える。そして、出荷先の要求に従って、梱包体ごとに自動的に取扱状態を検索して抽出できるようにしておくと、出荷先の検収作業を効率化できる。
倉庫管理システムの主要部説明図である。 ロケーションコード設定画面の一例を示す説明図である。 検品処理操作画面の説明図である。 本発明のシステムの一例を示すブロック図である。 画像データ検索画面とその動作の説明図である。 実施例2の倉庫管理システムを示すブロック図である。 実施例3の倉庫管理システムを示すブロック図である。 実施例4の倉庫管理システムの処理手順を示すブロック図である。
物品の入庫処理や出庫処理等を行う場所には、担当者が物品を検品処理するための作業場所が多数設けられている。入庫のための検品処理を終えると、各物品はそれぞれ指定された保管場所に運搬されて保管される。検品処理では、検品対象の物品の識別データや個数その他の伝票上の諸事項や作業担当者の識別データ等を管理データに入力する。入庫処理や出庫処理で、検品を行った場所を管理データに記録することは、従来必ずしも要求されていないが、本発明では、この検品作業を撮影した画像データの検索を容易にするために、作業場所を特定するロケーションコードと作業時刻とを管理データに入力する。
本発明では、全ての検品作業をカメラにより動画等で撮影する。このとき撮影して取得された画像データファイルには、上記のように作業場所を特定するロケーションコードを付加する。作業場所を特定するデータは、カメラの設置場所を特定するデータでよい。また、撮影された画像データには、さらに、撮影時刻を属性データとして付加する。これにより、物品の入庫時や出庫時の全ての作業について、撮影時刻とロケーションコードを用いて検索をして、撮影された画像データを抽出して作業内容を確認することができる。即ち、この画像データには、その撮影時刻に、ロケーションコードで示された場所で該当する物品について所定の作業がされている状態が写っている。
一方、物品を保管場所として設けられた棚上に保管するときには、従来より、その棚を特定するための識別データを管理データに入力している。この棚を特定するための識別データは、そのまま保管作業の作業場所を特定するデータにすることもできる。しかしながら、カメラで棚を撮影すると、複数の棚と複数の物品の画像が同時に撮影されてしまうことがある。従って、カメラの設置場所を特定するロケーションコードと棚番号とを一対一で対応させることはできない。
そこで、例えば、カメラで撮影して取得された画像データファイルには、上記のロケーションコードを付加する一方、例えば、予め棚番号とロケーションコードとの対応関係を示す参照データを作成しておく。そして、物品を保管したりピッキングをしたりするとき、管理データ入力装置を使用して棚番号を入力すると、自動的に参照データが参照されて、該当するロケーションコードが管理データに入力されるようにする。
例えば、上記のような処理によって、管理データと画像データファイルとが共通のロケーションコードにより検索することが可能になる。例えば、ある物品について、その入庫から出庫までの全ての作業に関する管理データとその作業を撮影した画像データを、ロケーションデータをキーにして漏れなく一挙に抽出できる。以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
図1は倉庫管理システムの主要部説明図である。
図のように、物品を保管する倉庫12には、入荷物品受け入れ場所14と保管場所16と梱包作業場所18と出荷処理場20といった領域が設けられている。物品26が入庫すると、入荷物品受け入れ場所14で検品処理がされて、保管場所16の所定の棚に保管される。そして、出庫指示が出ると、該当する物品26が保管場所16からピックアップされて、梱包作業場所18に移される。図の下側の円内には、梱包作業場所18の一部の拡大斜視図を図示した。物品26は、検品処理の後に梱包容器24に収納されて、出荷処理場20を経て出荷される。
(物品の流れ)
倉庫12に入庫した物品26については、出庫するまで、保管状態を変更する作業が行われるたびにその管理データが更新される。保管状態を変更する作業というのは、入荷物品受け入れ場所14から入庫した物品を指定された保管場所16の棚上に移して保管し、その後ピックアップして梱包作業場所18に運び梱包して、出荷処理場20を経て出荷するといった、物品26を移動させる作業のことである。
取扱担当者は、倉庫12への物品26の入庫時と、保管場所16の棚への保管時と、ピッキング時と、梱包容器24への梱包時と、トラック等への積み込み時等に、例えば、バーコードスキャナ22とタブレット式コンピュータ等の管理データ入力装置23を使用して管理データ34を更新する。このときは、物品26に付された指示伝票に記載された物品の数量その他の情報に加えて、担当者の識別コード36と、物品の識別コード38と、作業場所を特定するためのデータを含める。管理データ入力装置23はネットワークを通じてこの管理データ34を管理サーバ54に入力する。
この実施例では、梱包作業のために梱包容器24を置く作業棚28に、作業場所を特定するためのロケーションコード30を印刷したラベルが貼り付けられている。このロケーションコード30はバーコードスキャナ22により光学的に読み取られて取得される。ここでは、このロケーションコード30が作業場所を特定するためのデータである。担当者は自分の作業着の胸の名札から、バーコードスキャナ22を用いて担当者の識別コード36を取得する。物品の識別コード38は、物品26やその包装に印刷されたバーコードをバーコードスキャナ22を用いて読み取って取得する。
なお、保管場所16においては、物品26を棚に保管する場合の保管場所を特定する棚番号29とロケーションコード30とは独立させて設けることが好ましい。この例では、棚番号29から自動的に対応するロケーションコード30を取得して管理データ34に付加している。ロケーションコード30は倉庫12を大きく区分して作業場所を特定する。しかし、物品26を保管する棚は縦横に多数配置されている。そこで、例えば、同一のロケーションコード30で複数の棚番号29を対応させるように対応表を作成しておくとよい。
管理サーバ54は、バーコードスキャナ22が取得したデータを管理データ34に追記して記憶装置に記憶する。記憶装置は、例えば、管理サーバ54に内蔵されている。このとき、管理サーバ54は、自動的に管理データ34の取扱時刻50を生成して、属性データとして付加する。なお、管理データ34には、入出庫される全ての物品26について、その識別コード38と対応させて、指示伝票番号、商品名、購入元、製造番号、ロット番号、賞味期限、出荷先等のデータが含まれている。従って、物品26が倉庫12内を移動すると、その物品26がいつどこからどこに保管されてどのように移動して出荷されたかを示す詳細なデータが管理サーバ54に蓄積される。
この倉庫管理システムにおいては、倉庫12への物品26の入庫から出庫までの全ての操作をカメラ39で撮影する。動画撮影が好ましい。物品26の保管状態を変更する全ての作業場所に、その物品26の取扱作業を連続的に撮影するカメラ39を設置する。これらのカメラ39で撮影したデータが画像データファイル40である。この画像データファイル40には、カメラ39による撮影場所を示すロケーションコード30ま撮影時刻42が属性データとして付加されている。
例えば、カメラ39の設置場所全てに、それぞれの設置場所を区別できるロケーションコード30を設定しておく。ロケーションコード30は、倉庫12内を、それぞれ一台のカメラ39で撮影できる広さの領域で区切って、各領域を区別できるようにしたデータである。
本発明では、画像データファイル40の属性データであるロケーションコード30と管理データ34に含まれるロケーションコード30とを照合することにより、管理データと撮影画像データとをリンクさせる。従って、担当者が管理データ入力装置23を使用して管理データ34を入力するときには、必ずロケーションコード30が入力されるように制御する。また、カメラ39を設置するときには、これにより撮影された画像データファイル40に必ずロケーションコード30が付加されるように制御する。
図2は、ロケーションコード設定画面44の一例を示す説明図である。
この図2を参照しながら図1の説明を続ける。ロケーションコード設定手段46は、管理サーバ54(図1)のコンピュータプログラムにより起動される。ロケーションコード設定手段46は、ロケーションコード設定画面44を、例えば、担当者の所持する管理データ入力装置23に表示する機能を持つ。ロケーションコード設定画面44には、カメラ39の撮影した画像データファイル名45を入力する欄と、ロケーションコード30を入力する欄とが設けられている。これらのデータは入力が必須とされており、両方を入力した後にオーケーボタン48を操作すると、管理サーバ54の記憶装置に画像データファイル40が保存できる。
ロケーションコード30は、例えば、作業棚28(図1)等に貼り付けられたラベルやICタグ等を読み取って自動的に入力されてもよいし、カメラ39を設置する担当者により手入力されてもよい。ロケーションコード30は、カメラ39の撮影した画像データファイル40の属性データだから、カメラ39を倉庫内の特定の領域に設置したときに一回だけ実行されればよい。そのカメラ39を別の領域に移したときには、再度この処理を実行する。例えば、画像データファイル名45をロケーションコード30に設定すればよい。あるいは、画像データファイル名45とロケーションコード30の対応表を設けてもよい。
一方、カメラ39によりその領域内で作業する担当者や物品の画像を撮影すると、画像データ生成手段47が、取得された画像データ43と撮影時刻42とを、自動的に属性データとして付加する。図では画像データ43を画像データ群と表示した。これは例えば、一区切りの作業を撮影した動画あるいは多数の静止画により構成される。撮影時刻42は撮影開始時刻であって、画像データ群を構成する各画像データの撮影時刻は換算により取得することができる。また、コンピュータの内蔵時計を使用して、全ての画像データ一枚ずつに自動的に撮影時刻を示すデータが付加されるようにしてもよい。
物品の識別コード38や梱包容器24の識別コードや図1中で示した標識32等が明瞭に撮影されていることが好ましい。標識32は、梱包箱24を特定するデータで、これにより出荷先も特定される。これらを画像処理により自動的に認識してコード化し、画像の属性データとして付加してもよい。コンピュータにより担当者の顔を認識できる場合には、その認識結果を属性データとして付加するとよい。
同じ場所に配置されたカメラで撮影した画像データファイル40には必ず1個のロケーションコード30が設定される。カメラを移動させて撮影した画像データが混在している画像データファイル40があってもよい。その場合には、新たなロケーションコード30を付加した画像データファイル40が生成される。カメラ39を移動させることはないという場合には、1台のカメラには1個のロケーションコード30を固定的に設定する。
カメラ39は、物品26を取り扱う全ての場所に設置されて、商品の取扱い業務を全て撮影する。就業時間中は連続運転していてよい。また、撮影範囲に移動体を検出したときに自動的に起動して撮影を開始し、もとの状態に戻ったときに撮影を終了するというように動作するとよい。数秒おきに静止画を撮影するものでもよいし、動画を撮影するものでもよい。動画は静止画の集合体とみなすことにする。
図3は、検品処理操作画面の説明図である。
物品26が倉庫12に入荷してから出庫するまでの間、物品26は倉庫12内を移動してその保管状態が変更される。その処理の前後で必ず検品処理が行われる。例えば、入荷時に、物品26がトラックから下ろされると検品を受ける。この時、物品の識別コード38と取扱担当者の識別コード36とが入力される。取扱担当者の識別コード36を入力すると、図3に示した検品処理操作画面53には、担当者名49が自動的に表示される。取扱時刻50はコンピュータの内蔵時計によって自動的に入力される。
入庫作業のときは、取扱担当者に対して、ロケーションコード30の入力を要求する。取扱担当者は、図1に示したように、作業場所に設けられたバーコードやタグをバーコードスキャナ22で読み取って、ロケーションコード30を入力する。入荷した物品26は指定された棚まで運搬されて保管される。物品26を棚に保管する時にも、入荷時と全く同じ検品処理が行なわれる。その後、ピックアップされて、梱包作業場所18に移動される。梱包が終了するとトラック等に積み込まれて出荷される。このように物品26が移動するたびに、検品処理が行なわれる。
なお、図2の例では、物品26の保管場所16を管理データ34に登録するために、棚毎に表示された棚番号29を入力する例を示した。カメラ39は複数の棚を一画面に含めて撮影することができることがある。従って、複数の棚番号と一個のロケーションコード30とを対応させた参照データ56を設けておく。即ち、検品処理操作画面53に棚番号29が入力されると、管理データ入力装置23は自動的に参照データ56を参照してロケーションコード30を取得し、検品処理操作画面53に表示する。その後、オーケーボタン52を操作すれば、管理データ34が管理サーバ54(図1)に入力される。
図4は、本発明のシステムの一例を示すブロック図である。
この図を用いて、既に説明した各データの相互関係を説明する。管理データ34は管理サーバ54の記憶装置に記憶されて管理される。既に説明したように、管理データ34は、物品の識別コード38と、出荷先(又は移動先)、製造日、商品名、賞味期限、ロット番号、製造番号、購入元等のデータを含む。これに、倉庫12内で物品26の保管状態を変更するたびに、取り扱い担当者の識別コード36、移動元や移動先のロケーションコード30、取扱時刻50といった、現場入力データ58が付加される。
カメラ39はネットワークを介して管理サーバ54に接続されている。倉庫内の多数のカメラ39が撮影した画像データ43は、管理サーバ54に転送されてその記憶装置に記憶される。図4に示すように、現場入力データ58が生成されると、物品の識別コード38をキーにして管理データ34が更新される。
この、現場入力データ58の入力操作時に、取扱時刻50が属性データとして付加されるが、この作業が、作業場所に設置されたカメラ39に撮影されていると、いずれかの画像データの撮影時刻42は、取扱時刻50と一致する。ロケーションコード30も共通する。こうして、現場入力データ58と画像データファイル40とが関連付けられる。これにより、管理サーバ54において、特定の物品26の処理過程をその管理データ34と画像データファイル40の両方で確認したいという場合に、次のようにして画像データの検索が可能になる。
図5は、画像データ検索画面とその動作の説明図である。
画像データ検索画面62には、物品の識別コード38を入力する欄が設けられており、ここに識別コード38を入力すると、物品名63が自動的に表示される。画像データ検索画面62では、取扱担当者、出荷先、出荷日、出荷数量、賞味期限、ロット番号、製造番号、購入元その他の検索キーを入力する欄が設けられている。キー選択ウインドウ74中の検索キーを選択してチェックボックス66にチェックマークを入力し、検索実行ボタン68を操作すると倉庫管理データ検索手段70が起動する。
図の例では、物品の識別コード38が「9501111」の物品26であって、出荷先76と出荷日78とが分かっているものについて、その処理経過の抽出を要求している。管理データ34を検索して、該当する物品の取扱時刻50とロケーションコード30の組を何組か出力する。画像データ検索手段72は、これらの作業を撮影した画像データを読み出す処理を実行する。
画像データ検索手段72は、ロケーションコード30の一致する画像データファイル40から、取扱時刻50と撮影時刻42が一致する画像データを選択する。完全一致でなくてもよい。一連の作業を撮影した画像データのいずれかを抽出すればよい。そして、図5に示すように、例えば、入荷時と、保管場所16への保管時、ピッキング時、出荷時等の撮影画像を一挙に表示する。取扱時刻50と撮影時刻42とが近似した画像を表示して、シフトボタン82を操作することによりその前後の状態の画像を見ることができるようにする。動画を表示させてもよい。
以上の処理は、管理サーバ54や管理サーバ54に接続された、例えば、管理データ入力装置23を操作して実行できる。管理サーバ54中の倉庫管理データ検索手段70と画像データ検索手段72とを起動することにより処理が起動される。管理データ入力装置23に表示された画像データ検索画面62により検索キーを指定することで、該当する処理履歴とその作業を撮影した画像を瞬時に一括して表示することができる。
以上のように、本発明のシステムにより、例えば、特定商品の、特定出荷先の、特定ロット番号(製造年月日等)の特定賞味期限のものについて、といった対象の特定のしかたで、関連する画像データの検索が一挙にできる。特に、商品の識別コードが同一で同じ賞味期限の商品が、保管場所の異なる棚に散在しているような場合でも、参照データ56と画像データファイル40が共通のロケーションコード30を有するので、確実に該当する物品の処理過程とそれを撮影した全ての画像を一挙に抽出して確認処理をすることができる。
以上説明した本発明のシステムでは、ロケーションコード30を利用することにより、全ての物品26の管理データとその物品26が取り扱われた場所で撮影された画像データとをリンクさせることができる。これを利用すると、例えば、同一の識別コードの物品26が多数ある場合であっても、まず、管理データを解析することにより、それぞれ何個の物品26がどの棚に保管されて、いつどのような過程でどこに出荷されたか、あるいはまだ棚に保管されているかを調べることができる。
例えば、出荷用に梱包された商品の中に間違った商品が入っていたと、後日、顧客から連絡があったとする。しかしながら実績データを検索しても正しく出荷されているので欠品ではない、間違った商品を手配して送ってしまったかもしれない。従来はこの場合、顧客の話を信用するしかない。しかしながら、このシステムを使用すると、客先への正確な調査報告を迅速に作成できる。
即ち、ある出荷日78にある宛先に向けて出荷された物品はいつ入荷されてどの棚に保管されていたものかを調べることができる。次に、該当する物品26が出荷されるまでに更新された管理データから、取扱時刻とロケーションコードとを抽出し、これをキーにして、画像データファイルを検索する。こうして、該当する物品26または物品26群が倉庫12内を移動中に撮影された全ての画像が一挙に出力される。例えば、必要な全ての物品26が間違いなく梱包されて出荷されていれば、それらの画像のコピーを届け先に提示して説明をすることができる。
例えば、梱包時に物品の識別コード38が正しく入力されているにも関わらず、実際には梱包されなかったというような場合に、物品の識別コード38と出荷日78をキーにして撮影画像を抽出することができる。即ち、物品26の管理データには、その物品26の倉庫12内の移動履歴を示す複数のロケーションコード30が含まれている。そのロケーションコード30と取扱時刻をキーにして、該当する画像データを抽出する。例えば、担当者が梱包される物品26の一部に傷があることを発見してその物品26を抜き取ったにも関わらず補充されずに梱包して出荷してしまったようなケースを発見できる。
さらに、本発明のシステムによれば、カメラ39の撮影した画像を検索して抽出することにより、特定の商品の流れや、商品の状態、その商品を実際に取り扱った担当者と作業方法の確認、保管された棚の確認等をいつでも簡単に行うことが可能になる。
なお、上記のロケーションコード設定手段46、画像データ生成手段47、倉庫管理データ検索手段70及び画像データ検索手段72は、管理サーバ54のコンピュータプログラムにより実現されるが、管理データ入力装置23のほうに組み込まれていてもよい。また、管理データ入力装置23は単なる管理サーバ54の端末装置として機能し、実際の処理は全て管理サーバ54で実行するようにしても構わない。
図6は実施例2の倉庫管理システムを示すブロック図である。
上記の実施例に示すとおり、画像データ43を検索することにより、特定の商品の流れや、商品の状態、その商品を実際に取り扱った担当者と作業方法の確認等をいつでも簡単に行うことができる。例えば、検索の結果抽出した画面をキャプチャーして、報告書とともに関係者に送信する。報告書には、担当者の識別コード36、物品の識別コード38、ロケーションコード30、取扱時刻50等が記載され、キャプチャーした画面が添付される。
しかしながら、物品の保管状態を変更する作業が行われたとき、その作業が手順を追って確実に行われているかどうかを確認するためには、該当する画像データの前後の画面を動画で表示し、作業内容を詳細に検討することが好ましい。
一方、特許5719137号公報(特許文献2)に記載されたように、倉庫管理に音声認識ピッキングシステムを採用するケースが増えている。音声認識ピッキングシステムでは、図6に示すように、担当者84が、マイクとイヤホンを備えた端末装置86を装着して、コンピュータの自動音声応答手段88と対話しながらピッキング作業を進める。
通信装置86は自動音声応答手段88の送信した指示情報を音声で受信する。担当者84はその指示に従って作業をする。担当者84は物品を取り出すとスキャナでスキャンし、そのデータが通信装置86を通じて自動音声応答手段88に返信される。
このような作業で、自動音声応答手段88は担当者84に細かな指示を出して、音声でやりとりをし、確認をしながら作業をすすめる。自動音声応答手段88は、担当者84の音声による応答を受信するとこれを文字コードに変換して処理する音声認識手段90を備えている。作業を一つずつ音声で確認しながら進めるのでミスを防止できる。担当者84は両手が自由になり、効率よく作業をすすめられる。
こうしたシステムを採用している場合には、作業中の担当者84と自動音声応答手段88との応答内容を調べれば、詳細に具体的に作業の経過を分析することが可能である。そこで、この実施例では、自動音声応答手段88が、送受信した音声応答を全て文字コードにして応答記録データファイル92を生成する。
この応答記録データファイル92から、必要な範囲の抽出応答データ94を取り出し、図6に示すように、撮影画像と合成した合成画像データ91が表示出力されるように制御する。抽出応答データ94の、応答記録データファイル92には、図6に示すように、自動音声応答手段88から出力された音声「Q」や担当者84が発した音声「A」と、スキャナその他の機器の操作記録が含まれる(音声を含まない「A」)。しかも、それぞれ正確な処理時刻データが含まれている。
実施例1で説明した画像データ検索手段72が抽出した撮影画像も、取扱時刻50で検索できる。両者の時刻データのフォーマットを一致させておく。画像データ検索手段72が画像データファイル40を検索して、該当する撮影画像を抽出したとき、その取扱時刻50を参照して、応答記録データファイル92を検索する。
そして、取扱時刻50を含み、その前後の例えば、5分間の抽出応答データ94を取り出す。また、あるいは、取扱時刻50を含み、その前後の例えば、20行分の抽出応答データ94を取り出す。即ち、一定の時間範囲か一定のデータ量を設定しておいて、該当する抽出応答データ94を応答記録データファイル92から取り出す。そして、画像合成手段96が、取り出した抽出応答データ94を撮影画像と合成して、合成画像データ91を生成する。
こうして、図6に示すように、抽出応答データ94を含む合成画像データ91がコンピュータのディスプレイに表示される。この画面をキャプチャして報告書を作成すると、その画像の撮影時刻の前後に行われた具体的な作業を、抽出応答データ94に含まれた文字で確認できる。
なお、上記の処理を一定の時間範囲で実行すれば、その時間範囲の合成画像データ91を連続的に表示する動画を生成することができる。これにより、音声と文字と動画とを同期させて、いわゆる字幕入りの動画を任意の範囲で再生することができる。特に、音声が聞き取りにくい場合等に、画面中に表示された文字が有効に機能する。また、音声を録音していない動画についても、文字によって作業内容を的確に解析することができる。
図7は、実施例3のシステムブロック図である。
図において、ディスプレイ100には、撮影画像表示ウインドウ102と、応答表示ウインドウ104とが表示されている。ここで、上記のシステムに、新たに、撮影画像表示制御手段106と、応答表示制御手段108と、同期制御手段110を設ける。また、これらを表示画面上で制御するために、撮影画像制御ボタン112と、応答表示制御ボタン114と、同期制御ボタン116と、キャプチャーボタン118を設ける。
撮影画像表示制御手段106は、画像データファイル40から撮影画像を読み出して、撮影画像表示ウインドウ102に表示する制御を実行する。応答表示制御手段108は、応答記録データファイル92から文字データを読み出して、応答表示ウインドウ104に表示する制御を実行する。
同期制御手段110は、撮影画像表示ウインドウ102に撮影画像が表示されると、該当する応答データ94を抽出して応答表示ウインドウ104に表示するように制御する。具体的には、同期制御手段110から応答表示制御手段108に撮影画像を識別する信号が送信される。応答表示制御手段108は、応答記録データファイル92を検索して、該当する文字データを読み出して表示する。
撮影画像制御ボタン112と応答表示制御ボタン114とは、例えば、手動でデータファイルをの表示をスクロールするための前進ボタンと後退ボタンを備える。これらは図中矢印で表示した。同期制御ボタン116は、再生ボタンと停止ボタンを備える。
以上のシステムは次のように動作する。まず、撮影画像制御ボタン112の前進あるいは後退ボタンを操作すると、撮影画像表示制御手段106が画像データファイル40から希望する撮影画像を読み出して撮影画像表示ウインドウ102に表示させる。次に、同期制御ボタン116の再生ボタンを操作すると、撮影画像表示ウインドウ102に表示されている撮影画像から、動画表示が開始される。応答表示制御手段108は、表示された撮影画像と同期させる応答データ94を検索して読み出し、応答表示ウインドウ104に連動するように表示する。以上の動作により、希望する撮影画像から動画表示が開始され、応答内容を示す文字が同期して表示される。
同期制御ボタン116の停止ボタンを操作すると、動画の再生が停止する。ここで、応答表示制御ボタン114を操作すると、撮影画像表示ウインドウ102の画像表示を固定したままで、応答表示ウインドウ104に表示された応答記録データをスクロールすることができる。従って、特定の撮影画像を見ながら、その前後の応答内容を文字で確認することができる。応答記録データ94の表示を固定したまま、撮影画像制御ボタン112を操作して、撮影画像だけを独立してスクロールすることもできる。こうして、解析に最適な情報を表示した画面をディスプレイに表示させて、キャプチャーボタン118を操作すれば、その画面を管理サーバ54(図1)の記憶装置に記憶させて、随時出力することが可能になる。
なお、上記の応答記録データファイル92には、自動音声応答手段88から出力された音声「Q」や担当者84が発した音声「A」や、スキャナその他の機器の操作記録を含める例を説明した。しかしながら、作業指示の内容をディスプレイに文字等で表示したり、応答のために「YES」ボタンと「NO」ボタンを設けてこれを操作するシステムも存在する。いずれの場合でも、作業内容を読み取ることができる文字情報にして、応答記録データファイル92を生成しディスプレイに表示すればよい。
上記の実施例により、梱包される物品の識別コード38や納品先名や取扱時刻50等をキーにして画像データファイル40を検索して、該当する作業を撮影した画面とその作業内容を容易に確認することが可能になった。従って、出荷先からの問い合わせに応じて、担当者が該当する画面を含む各種のデータをデータベースから抽出して出荷先に報告することができる。
そこで、出荷と同時に、出荷先に管理サーバ54の画像データファイル40のアクセス方法と検索キーとを通知して、画像データファイル40の閲覧を認めることが考えられる。そうすれば、出荷先ではいつでも自由に画像データファイル40を検索して、納入された物品の取扱い経過を確認することが可能になる。しかしながら、顧客が画像データファイル40にアクセスすることで、第3者の出荷データを知ることも可能になるという問題が生じる。即ち、顧客情報の守秘義務上の問題がある。
管理サーバ54に、顧客専用サイトを設けて、その顧客に納入された梱包体の取扱い経過を見せるための画像データを保存しておくことが考えられる。しかしながら、大量の出荷物全てについて、それぞれピッキングや出荷作業等を撮影した画像データをサーバに個別に保管しておくのは、記憶領域が膨大になり、現実的でない。この実施例4ではこれを解決する。
図8は実施例4のシステムの動作フローを示す。
この図に示した納品書120は、出荷される梱包体に同梱される。同じ内容の納品書が、電子化されて出荷先にメール送信されてもよい。この実施例では、納品書120が印刷されて梱包体に同梱されているから検収作業時にただちにその納品書を利用できる。この納品書120に、倉庫内部での梱包作業を撮影した画像をいつでも見ることができるように、照会コード128を表示しておく。
なお、梱包体というのは、箱や袋に詰められて出荷先に届けられるもののことである。この梱包体には、納入するべき各種の物品が収納されている。出荷先では、その梱包体の内容物品を検収し、万一欠品や間違いを発見すると、照会コード128を利用して、その原因を突き止めることができる。
このシステムを実現するために、この実施例では、管理サーバ54(図1)に、梱包体毎の検索式生成手段132と、符号化手段134と、納品書生成手段129と、認証処理手段138と復号化手段142とURL通知手段148とを新たに設ける。画像データ検索手段72は既に説明した実施例のものを利用する。
梱包が終了すると、例えば、図8に示すように、符号化手段134は、管理データ34から照会コード生成に必要な事項を読み出して、照会コード128を生成する。照会コード128は、梱包体の倉庫内部での梱包作業を撮影した画像を、画像データファイル40から抽出するための検索式を、例えば、そのまま符号化したものである。なお、照会コード128は、梱包体を識別して、いずれかの手段で該当する検索式を特定することができる記号であればよい。検索式は、画像データ検索手段72が動作できる検索キーを並べたようなもので構わない。
この実施例の照会コード128は、会員番号131と検索式130とを、例えば、圧縮暗号化等の演算処理によって数字に変換したものである。単なる数字を列挙したものでよいし、英数字でも構わない。なお、納品書120には、照会コード128を携帯電話で読み取れる2次元コード126を印刷しておくことが好ましい。
出荷先の担当者は、管理サーバ中のデータファイルをアクセスすることができないから、検索式を知っても利用することはできない。だから、照会コード128は検索式そのままでも構わない。しかし、検索式は一般に複雑な構造になる。そこで、符号化手段134を使用して簡単な構造の照会コード128を生成して出荷先に通知するようにした。
出荷先の担当者は、梱包体を開封して、納品書を見ながら検収処理を行う。全品目が間違いなく納入されていればよいが、例えば、欠品等があった場合には、携帯電話やスマートホンを使用して、出荷元の運用するサイトにログインする。図8に示す納品書の2次元コード126をスマートホンで読み取って送信操作をすると、管理サーバ54(図1)の認証処理手段138が、電話番号から自動的に認証処理をして照会コード128を取得する。
照会コード128が取得されると、復号化手段142は管理データ34を参照して、会員番号131と検索式130とを復元する。照会コード128が、単に梱包体を識別するためだけのコードであれば、復号化手段142は、管理データ34を利用して、該当する検索式を生成して、画像データ検索手段72に渡せばよい。
管理サーバの画像データ検索手段72は、この検索式130を使用して、画像データファイル40と応答記録データファイル92とを検索する。こうして、抽出画像データ144と抽出応答データ94とが得られる。これらのデータを管理サーバ54(図1)のダウンロードサイト146にアップする。特定の梱包体のみについて該当データを抽出するからそのデータ量は大きくない。従って、ダウンロードサイト146の記憶容量も少なくて済む。
URL通知手段148は、照会コード128に含まれた会員番号131を参照して、管理データ34から顧客の登録メールアドレスを取り出す。そして、検索処理終了後に、その登録メールアドレス宛てに、ダウンロード用URLを送信する。以上の処理が全て自動的に実行されるから、出荷先の担当者はいつでもその梱包体の倉庫での梱包作業の状態を確認できる。
専用のダウンロードサイトにアップロードされた抽出画像データ144と抽出応答データ94とは、例えば、図7のディスプレイ100に示したような画面で表示できる。従って、スクロールをすることにより、全ての梱包工程を詳細に確認することができる。これらの抽出データは、ダウンロードサイトで閲覧をしてもよいし、出荷先のパーソナルコンピュータ等にダウンロードして利用してもよい。
連日、多量の梱包作業や出荷作業を行っている流通センター等で、トラブルの発生により梱包体の取扱い経過を確認しなければならないケースはそのごく一部である。しかしながら、その対応のために専用の担当者を配置するのはコストアップを招く。この実施例のように、出荷先の担当者が、いつでも受け取った部品の取扱い経過を、自動的に見ることができるシステムは、顧客の便宜と信頼を得る効果もある。
12 倉庫
14 入荷物品受け入れ場所
16 保管場所
18 梱包作業場所
20 出荷処理場
22 バーコードスキャナ
23 管理データ入力装置
24 梱包容器
26 物品
28 作業棚
29 棚番号
30 ロケーションコード
32 標識
34 管理データ
36 担当者の識別コード
38 物品の識別コード
39 カメラ
40 画像データファイル
42 撮影時刻
43 画像データ
44 ロケーションコード設定画面
45 画像データファイル名
46 ロケーションコード設定手段
47 画像データ生成手段
48 オーケーボタン
49 担当者名
50 取扱時刻
52 オーケーボタン
53 検品処理操作画面
54 管理サーバ
56 参照データ
58 現場入力データ
62 画像データ検索画面
63 物品名
66 チェックボックス
68 検索実行ボタン
70 倉庫管理データ検索手段
72 画像データ検索手段
74 キー選択ウインドウ
76 出荷先
78 出荷日
82 シフトボタン
84 担当者
86 端末装置
88 自動音声応答手段
90 音声認識手段
91 合成画像データ
92 応答記録データファイル
94 抽出応答データ
96 画像合成手段
100 ディスプレイ
102 撮影画像表示ウインドウ
104 応答表示ウインドウ
106 撮影画像表示制御手段
108 応答表示制御手段
110 同期制御手段
112 撮影画像制御ボタン
114 応答表示制御ボタン
116 同期制御ボタン
118 キャプチャーボタン
120 納品書
126 2次元コード
128 照会コード
129 納品書生成手段
130 検索式
131 会員番号
132 梱包体毎の検索式生成手段
134 符号化手段
138 認証処理手段
142 復号化手段
144 抽出画像データ
146 ダウンロードサイト
148 URL通知手段

Claims (13)

  1. 倉庫において入出庫の対象となる物品を倉庫内部で管理するための、管理データの入力操作を受け付ける管理データ入力装置と、その管理データを記憶して処理する管理サーバとが設けられ、
    上記物品の保管状態を変更する作業が行われるとき、その物品の識別コードと、その作業場所を特定するデータとが上記管理データ入力装置により取得され、作業の撮影時刻を示すデータとともに、上記管理データに含める処理が実行され、
    上記の作業場所には、上記物品の保管状態を変更する作業を撮影するためのカメラが設置されており、
    このカメラで撮影をして記憶装置に記憶させた画像データを含む画像データファイルには、その撮影場所を特定するロケーションコードと撮影時刻を特定するデータが属性データとして付加され、
    上記カメラの設置時に、撮影した画像から自動的にロケーションコードを取得して、画像データファイルの属性データを生成するロケーションコード設定手段を備え、
    任意の物品の保管状態を変更する作業の履歴を検索する検索装置は、
    上記の管理データから該当する物品の保管状態を変更する作業の際に上記取得された作業場所を特定するデータと作業の撮影時刻を示すデータとを抽出して、
    上記作業場所を特定するデータと上記ロケーションコードとが一致するときはそのロケーションコードを、上記作業場所を特定するデータと上記ロケーションコードとの対応関係を示す参照データが存在するときはその参照データから得られたロケーションコードをキーにして、上記作業の撮影時刻が一致しまたは近似する画像データを上記画像データファイルから抽出して、ディスプレイに表示出力する画像データ検索手段を備えたことを特徴とする倉庫管理システム。
  2. 作業場所を撮影した画像データに自動的に撮影時刻を示すデータを属性データとして付加する画像データ生成手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の倉庫管理システム。
  3. 管理データを更新するための処理で物品の識別コードと棚番号が入力されたとき、取扱時刻と棚番号に対応するロケーションコードを自動的に取得して管理データに付加する管理データ入力装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の倉庫管理システム。
  4. 作業の担当者が装着するマイクとイヤホンを備えた端末装置と、
    この端末装置を通じて、音声を使用して作業の内容の指示と応答を送受信するように制御する自動音声応答手段と、
    上記マイクから入力する音声を文字コードに変換する音声認識手段と、
    上記文字コード化された作業の内容の指示と応答と、その作業の撮影時刻とを含む応答記録データファイルと、
    上記画像データ検索手段により、画像データファイルから抽出された画像データの作業の撮影時刻を読み取って、この作業の撮影時刻の前後の一定の時間範囲か一定のデータ量を設定して、該当する抽出応答データを応答記録データファイルから取り出し、上記画像データと合成して上記ディスプレイに表示出力する画像合成手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の倉庫管理システム。
  5. 作業の担当者が装着するマイクとイヤホンを備えた端末装置と、
    この端末装置を通じて、音声を使用して作業の内容の指示と応答を送受信するように制御する自動音声応答手段と、
    上記マイクから入力する音声を文字コードに変換する音声認識手段と、 上記文字コード化された作業の内容の指示と応答と、その作業の撮影時刻とを含む応答記録データファイルと、
    上記画像データ検索手段により、画像データファイルから抽出された画像データの作業の撮影時刻を読み取って、この作業の撮影時刻の前後の一定の時間範囲か一定のデータ量を設定して、該当する抽出応答データを応答記録データファイルから取り出し、上記画像データと同期させて上記ディスプレイに表示出力する画像合成手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の倉庫管理システム。
  6. 上記ディスプレイには、画像データファイルから読み出された撮影画像を表示する撮影画像表示ウインドウと、応答記録データファイルから読み出された文字データを表示する応答表示ウインドウとが表示され、
    上記撮影画像と上記応答記録データの表示を同期させる手段と、
    上記撮影画像の表示を固定した状態で上記応答記録データの表示をスクロールさせる手段と、
    上記応答記録データの表示を固定した状態で上記撮影画像の表示をスクロールさせる手段とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の倉庫管理システム。
  7. 出荷される梱包体毎に、その梱包体の前記倉庫内部での梱包作業を撮影した画像を、前記画像データファイルから抽出するための検索式もしくは検索式を特定するデータを符号化して、照会コードを生成する符号化手段と、
    前記梱包体の納品書に前記照会コードを表示する納品書生成手段と、
    前記照会コードを受信して前記検索式を生成する復号化手段と、
    前記検索式を使用して前記画像データファイルから抽出画像データを得る画像データ検索手段と、
    前記抽出画像データをダウンロードサイトにアップロードして、出荷先にそのウェブサイトを指定する情報を送信する通知手段とを備えたことを特徴とする請求項1または4に記載の倉庫管理システム。
  8. 前記納品書は印刷されて前記梱包体に同梱されていることを特徴とする請求項7に記載の倉庫管理システム。
  9. 上記画像データ検索手段は、作業の内容の指示と応答と、その作業の撮影時刻とを含む応答記録データファイルを検索して抽出応答データを得て、前記抽出画像データとともに前記ダウンロードサイトにアップロードすることを特徴とする請求項7に記載の倉庫管理システム。
  10. コンピュータを、請求項1に記載の検索装置として機能させる倉庫管理システム用コンピュータプログラム。
  11. 請求項4または5に記載の自動音声応答手段と、音声認識手段と、画像合成手段として機能させる倉庫管理システム用コンピュータプログラム。
  12. コンピュータを、請求項7に記載の符号化手段と、納品書生成手段と、復号化手段と、画像データ検索手段と、通知手段として機能させる倉庫管理システム用コンピュータプログラム。
  13. 請求項10乃至12のいずれかに記載の倉庫管理システム用コンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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