JP6533812B2 - ポリマー物品の作成方法及び得られる物品 - Google Patents

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Description

この発明は、ポリマー物品の作成方法及び得られる物品に関し、特に、かかる物品を作成する時間及びコストを減らす方法に関する。
ポリマー物品は、様々な材料から様々な方法で作ることができる。典型的には、液体形態にある有機化合物を架橋するプロセスにおいて、かかる化合物を一緒に混合し、固体状の弾性ポリマー物品を形成する。公知のプロセスは比較的エネルギー及び時間を消費し、例えばディップコーティング及び射出成形を含みうる。特に、ポリマー物品を作成する公知のプロセスは、化合物を一緒に反応させた後、熟成工程を有し、かかる熟成工程には、通常、数日かかる。加硫工程を通じての更なる架橋は、比較的遅いことがある。更に、ポリマー物品を作成するための多くのプロセスには、表面不純物を除去する浸出(leach)工程が含まれるが、かかる工程にも比較的時間がかかることがある。これらの工程全てが、ポリマー物品を作成するために必要なコストを増大させる。
熟成、加硫及び浸出の時間を減らすことも含め、製造に必要な時間を減らすことによって、コストを低減した改良されたポリマー物品の作成方法を提供することは、望ましいことである。化学物質アレルギーへの感受性を低減するポリマー物品を供することもまた望ましいことである。
第一の態様によれば、ポリマー物品の作成方法は、カルボジイミド基を含有する第一化合物を、カルボキシラート基を含有する第二化合物と反応させることによってポリマー溶液を作成する工程;該ポリマー溶液を成形具(former)に塗布する工程であって、ポリマー溶液作成の2時間以内に行う工程;及びポリマー溶液を硬化する工程;を含む。ポリマー溶液は、水酸化アンモニウムからなるpH調節剤を有してもよい。
先の開示及び種々の実施態様に関する以下のより詳細な記述から、本発明がポリマー物品の作成技術において著しい進歩を提供することは、当業者には明らかであろう。この点に関して特に重要なことは、本発明がより低いコストで高品質のポリマー物品を提供することができるという潜在能力である。種々の実施態様の追加的特徴及び利点は、以下に供される詳細な記述からより理解されるであろう。
本明細書で開示されたポリマー物品の作成に対し、多くの用途及び設計変更が可能であることは、当業者、即ち、この技術領域における知識又は経験を有する者には明らかであろう。種々の代替特徴及び実施態様についての以下の詳細な議論によって、薄肉ポリマー物品の作成に関して、本発明の一般的原理が説明されるであろう。他の用途に対して適切な他の実施態様は、この開示の便益を与えられた当業者には明らかであろう。
本発明は、ポリマー物品の作成方法に関する。本明細書に記載されたプロセスを用いて作成することができるポリマー物品の代表的な例には、医用、外科用及び/又は実験室用の手袋及びコンドームが含まれる。他の適切なポリマー物品は、この開示の便益を与えられた当業者には容易に明らかであろう。有利なことに、本明細書で開示されたプロセスによって作成されたポリマー物品は、硫黄のような架橋剤、酸化亜鉛、ステアリン酸及び促進剤、例えばカルバメート、チアゾール、チウラム、チオ尿素、スルフェンアミド、ザンテート、グアニジン及びその誘導体などを有さなくてもよい。
一つの実施態様によれば、ポリマー物品の作成方法は、カルボジイミド基を含有する第一化合物を、カルボキシラート基を含有する第二化合物と混合することによってポリマー溶液を作成することを含む。かかるポリマー溶液は成形具に塗布され、硬化される。非常に有利な特徴によれば、ポリマー溶液は、ポリマー溶液作成の2時間以内に成形具に塗布することができ、全製造時間を大きく短縮させる。
本明細書で使用されているように、「ポリマー」という用語は、繰り返し構造単位を含む大きな分子であり、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー及びそれらの改質体を含んでおり、またポリマーの混合物も含んでいる、弾性ポリマー又はラテックスであってもよい。ポリマー溶液という用語は、少なくとも、カルボジイミド基を含有する第一化合物及びカルボキシラート基を含有する第二化合物の混合物であり、更に、その他必要な溶媒を有してもよい。ポリマー物品は、本明細書で開示されたプロセスの結果として形成される物品、例えば一対の手袋などである。
カルボジイミド基を有する第一化合物の適切な例には、例えば、カルボジイミド官能基−N=C=N−を有する、脂肪族又は芳香族及びその混合物の、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、オリゴ−又はポリカルボジイミドが含まれる。適切なモノカルボジイミドの例としては、それらに限定するものではないが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ビス(2−メチルフェニル)カルボジイミド、1,3−ジ−p−トリルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1,3−ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、N−(tert−ブチル)−N′−(2,6−ジクロロフェニル)カルボジイミド、N−(tert−ブチル)−N′−(1−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル)カルボジイミド及びN−ブチル−N′−(1−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル)カルボジイミドが挙げられる。適切なポリカルボジイミドの例としては、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式ジイソシアネート及びそれらの混合物、例えば、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,4−フェニレン−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,6−ヘキシルジイソシアネート、1,4−シクロヘキシル−ジイソシアネート、ノルボルニルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート及びメチルシクロヘキサンジイソシアネートを末端とするポリカルボジイミドが挙げられる。他の適切なカルボジイミドは、この開示の便益を与えられた当業者には容易に明らかであろう。
カルボキシラート基を含有する第二化合物の適切な例としては、例えば、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン、スチレン、クロロプレン、エチレン、塩化ビニルをベースにした合成ポリマー及びそれらのコポリマー、ブレンド物並びに混合物や、改質された天然ゴムラテックスが挙げられる。ポリマー中のカルボキシラート基としては、例えば、2−プロペン酸、2−メチルプロペン酸、2−メチリデンブタン二酸、(Z)−ブテン二酸、(E)−ブテン二酸、及び(E)−ブタ−2−エン酸などのカルボン酸;又はメチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル及び2−ヒドロキシエチルプロペン酸などの2−プロペン酸エステルを備えたその酸無水物;又はアクリルアミド及びアクリロニトリルなどのアクリルモノマー;又はα−メチルスチレン、酢酸ビニルなど;が挙げられる。一例において、第二化合物は、ベースポリマーの約1〜10乾燥重量%、好ましくは、ベースポリマーの2〜7乾燥重量%の2−メチルプロペン酸当量で、2−メチルプロペン酸ターポリマーを備えたアクリロニトリルであってもよい。カルボキシラート基を備えた他の適切なポリマーは、この開示の便益が与えられた当業者には容易に明らかであろう。
ポリマー溶液は、カルボジイミド基を有する第一化合物、カルボキシラート基を有する第二化合物及び脱塩水などの水の混合物を含む。非常に有利な特徴によれば、弱アルカリもpH調節剤としてポリマー溶液中に存在してよい。弱アルカリは、例えば、溶液の全重量の約5〜10重量%濃度で水酸化アンモニウムを含んでもよい。ポリマー溶液はまた、p−クレゾールとシクロペンタジエンとのブチル化反応生成物(BPC)などの酸化防止剤、パラフィンワックスなどのオゾン劣化防止剤、鉱物フィラー、潤滑剤、付香剤、着色剤、殺生物剤(biocides)、増粘剤、消泡剤、湿潤剤、二酸化チタンのような顔料などの添加剤を含んでいてもよい。
非常に有利な特徴によれば、ポリマー溶液は、穏やかな条件下、例えば2時間未満、あるいは1時間未満、あるいは30分未満、30〜40℃でゆっくり撹拌するという条件下で混合することができる。従って、ポリマー溶液を塗布する工程を、ポリマー溶液を作成する工程の2時間以内、1時間以内、あるいは30分以内に行う(occur)ことができる。かかる短い熟成工程によって、製造場所で複数日にわたって大量のポリマー溶液を保存する必要がなくなる。
ポリマー溶液を作成し、塗布準備を整えたら、かかるポリマー溶液を成形具に塗布してもよい。「成形具」という用語は、硬化の前にポリマー溶液をコーティングするエレメントのような、標準的な形をした成形具にまで言い及ぶと広義に理解され、例えば、ディップコーティングプロセスで使用する成形具を含んでもよい。所望のポリマー物品によっては、射出成形プロセスで使用する金型キャビティの表面も、成形具として機能しうる。
ディップコーティングプロセスのためには、成形具をポリマー溶液内に浸漬する工程の前に、成形具を前処理する工程が望ましい。本工程は、例えば、少なくとも界面活性剤、離型剤及びイオン溶液を含むプレコートでの成形具の前処理を含んでもよい。プレコートは、例えば、8〜20重量パーセントのカルシウムイオンの第一溶液の第一プレコート溶液、0.05〜0.25重量パーセントの非イオン性でシリコーンフリーの界面活性剤の第二溶液の第二プレコート溶液、及び0.5〜2.5重量パーセントの予め均質化された離型剤の第三溶液の第三プレコート溶液の混合物を含んでもよい。成形具は、(例えば、浸漬によって)塗布され、110〜130℃で60秒以上乾燥されたプレコートを有してもよい。ポリマー溶液が成形具に塗布されるとき、成形具は約50〜60℃の表面温度を有することが好ましい。
成形具を準備したら、ポリマー溶液を成形具に塗布すればよい。これは多くの異なる方法の一つで実行することができる。例えば、(任意にプレコートされた)成形具を、一般的な周囲条件で、ポリマー溶液内に限られた期間(5〜20秒)浸漬し、次いで乾燥すればよい。乾燥は、110〜130℃のオーブンで30〜60秒間すればよい。その結果、成形具は湿潤ゲルでコーティングされる。場合によっては、この湿潤ゲルを弱有機酸で処理し、湿潤ゲルのpHを下げる助けとしてもよい。場合によっては、事前浸出工程もまた、湿潤ゲルでコーティングされた成形具を温水中に浸漬すること、を含んでもよい。潤滑剤もまた湿潤ゲルに塗布してもよい。半乾燥された湿潤ゲルの端部を巻きながら下ろして、ビードを形成してもよい。ビードは、ポリマー物品を成形具からはがす際に役立つ。
熟成時間の短縮に加えて、ポリマー溶液の硬化工程もまた短縮することができる。ポリマー溶液を硬化すると、中間固体が生み出される。例えば、第二化合物がブタジエン−アクリロニトリルエラストマーラテックスである場合、硬化工程は加速でき、より低温で実行でき、20分未満で行うことができ、その結果、硬化されたカルボキシル化ニトリルラテックスが形成される。より好ましくは、硬化工程は、80〜130℃または80〜90℃の温度のオーブンで、8〜20分間あるいは12〜16分間、行うことができる。
中間固体又はラテックスは、次いで、表面不純物を除去するため、浸出工程におかれる。非常に有利な特徴によれば、浸出工程に要する時間もまた短縮することができる。除去されるべき促進剤、硫黄、酸化亜鉛又は他の架橋剤を一切存在させないことが可能だからである。浸出工程は、ラテックスを、50〜60℃の水中に50〜120秒間だけ、好ましくは50〜70秒間だけ浸漬することによって行うことができる。浸出工程が完了すると、ラテックスを乾燥し、得られたポリマー物品(手袋、指サック、コンドーム、風船、膀胱袋、カテーテル、チュービング、ゴムバンド、止血帯、弾性バンド、ダイアフラム、歯科用ダム、鞘などを形成する、0.03〜0.33mmの厚みの薄肉物品など)を成形具から除去すればよい。場合によっては、上記で開示されたプロセスによって形成されて得られた生成物を、湿度が制御された室内に12〜24時間、恒久的にセットしてもよい。
(実験例1〜5)
約30℃の温度で約60分間混合された表1記載の式を有する、ポリマー物品を作成した。市販品として入手可能な、カルボキシラート基含有化合物(ELx−A、ELx−B、ELx−C、ELx−E及びELx−F)を、カルボジイミド化合物(CDI)並びに水酸化アンモニウム、酸化防止剤(p−クレゾールとシクロペンタジエンのブチル化反応生成物(BPC)及び二酸化チタン(TiO)と混合する。ポリマー溶液の各成分の量を、カルボキシラート基含有化合物100乾燥重量部に基づいて明示する。脱塩水をかかる化合物に添加して、15〜20%の固形分を含む配合物(formulation)を生成した。清潔な成形具をプレコートで均一にコーティングし、次いで、表1の種々のポリマー溶液で均一にコーティングした。成形具上の湿潤ゲルを、130℃で15分間硬化した。硬化したフィルムを成形具からはがし、24時間調整した(conditioned)。
Figure 0006533812
MAA=2−メチルプロペン
実験例1〜5で作成したフィルムについて、引張強さ(TS)、伸び、ASTMD−412に基づく300%モジュラス及び500%モジュラス、破断伸び(Eb)、トルエン(LS−t)及びシクロヘキサノン(LS−c)中での耐溶剤性を、各々試験した。これらの試験結果を表2に示す。かかる結果は、カルボキシル化化合物が、カルボジイミド化合物を用いて効果的に架橋され、高い引張強さと非極性トルエン(<85%の線形膨潤)及び極性シクロヘキサノン(<123%の線形膨潤)に対する良好な耐薬品性とを有するポリマー物品が生成されたことを示している。
Figure 0006533812
フィルムの線形膨潤:トルエン中(LS−t);シクロヘキサノン中(LS−c)
(実験例6〜9)
実験例1と同じ方法を用いて、ただし、表3に示すようにカルボキシル化化合物100に対して種々のカルボジイミド化合物(CDI)5部を備えた配合物から、薄肉ポリマー物品を作成した。フィルム特性は表4で示す通りである。これらの結果は、カルボジイミド化合物がカルボキシラート基含有化合物と効果的に架橋して、高い引張強さを備えた薄肉ポリマー物品が生成されることを示している。ポリマー物品は、実験例1〜5に比してCDI用量(dosage)が多く、極性及び非極性の溶媒の両方に対して化学的により強い。
Figure 0006533812
Eq=カルボジイミド当量、1モルのカルボジイミド基に対する化学式の重量。例えば、CDIeq.430は、ポリカルボジイミドポリマー鎖中の1モルのカルボジイミド基が、430gの平均重量を有することを意味する。
Figure 0006533812
フィルムの線形膨潤:トルエン中(LS−t);シクロヘキサノン中(LS−c)
(実験例10〜15)
実験例1と同じ方法を用いて、ただし、表5に示すようにEq430を有するCDIの用量を変えた配合物から、薄いフィルム状のポリマー物品を作成した。ポリマー物品特性は表6に示す通りである。これらの結果は、種々のレベルの耐薬品性を備えた薄肉フィルムを生成するため、カルボキシル化化合物100部当たりCDIを約1〜15部使用できることを示している。かかるデータは、また、極性溶媒が弾性フィルムを通った破過リーク時間(break through leak time)が330分を超えたことも示している。
Figure 0006533812
Figure 0006533812
フィルムの線形膨潤:トルエン中(LS−t);シクロヘキサノン中(LS−c);ヘキサン中(LS−h);アセトン中(LS−a)、BT−c=シクロヘキサノンが弾性フィルムを通った破過時間(breakthrough time)。
比較例
(実験例16)
表7に示す通り、米国特許公開2002/0114943A1の実施例を採用し、促進剤フリー且つ硫黄フリーの配合物を使用して弾性フィルムを作成した。カルボキシル化ラテックスを架橋するために酸化亜鉛(ZnO)を使用した。化合物のpHを約9.5に調節するために、水酸化カリウム(KOH)溶液を使用した。
(実験例17)
表7に示す通り、米国特許第6,451,893号の実施例を採用し、亜鉛フリーの配合物を使用して弾性フィルムを作成した。促進剤ジ−n−ブチルジチオカルバミド酸亜鉛(ZDBC)及び亜鉛メルカプトベンゾチアゾール(ZMBT)並びに硫黄を、カルボキシル化ラテックスを架橋するために使用した。酸化防止剤2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−ブチルフェノール)(MBPC)を組み込んだ。
(実験例18)
表7に示す通り、促進剤、硫黄及び酸化亜鉛から成る従来の配合物を使用して弾性フィルムを作成した。
(実験例19)
表7に示す通り、WO2011/068394を採用し、自己架橋カルボキシル化ニトリルラテックス(X−NBR−SXL)を使用して弾性フィルムを作成した。
フィルム特性は表8に示す通りである。フィルムの物性は良好であったが、フィルムの耐薬品性は、本発明のポリマー物品の実施態様よりも劣っていた。フィルムを通過するシクロヘキサノンの破過リーク時間(breakthrough leak time)は比較例の方が著しく短かった。
Figure 0006533812
Figure 0006533812
フィルムの線形膨潤:トルエン中(LS−t);シクロヘキサノン中(LS−c);BT−c=弾性フィルムを通ったシクロヘキサノンの破過時間(breakthrough time)。
(実験例20〜23)
実験例11と同じ配合物を用いて、但し、80〜130℃の種々の温度で15分間硬化して、弾性手袋を作成した。得られた特性は表9に示す通りである。かかる結果は、良好な物理的耐性及び耐薬品性を備えた手袋を示している。耐久性の課題は、CDI架橋された手袋が、実際の実験室の作業条件下で、ヒトの汗で崩壊(break down)することなく3時間を超えて着用できることを示している。
Figure 0006533812
シクロヘキサノン中のフィルムの線形膨潤(LS−c)。
耐久性=実際の作業条件下での着用後における、手袋の(特に股での)、分解、解体(break up)又は引き裂きにかかる時間
(実験例24〜27)
実験例11と同じ配合物を用いて、但し、ラテックス内にカルボジイミドを添加後、1〜168時間にわたるポットライフの種々の段階で浸漬して、薄いフィルム状のポリマー物品を作成した。フィルム特性は表10に示す通りである。
Figure 0006533812
シクロヘキサノン中のフィルムの線形膨潤(LS−c);
耐久性=実際の作業条件下での着用後における、手袋の(特に股での)、分解、解体又は引き裂きにかかる時間
先の開示及びある実施態様についての詳細な記述から、本発明の真の範囲及び精神から逸脱することなく、種々の修正、追加及び他の代替実施態様が可能であることが明らかであろう。例えば、ある実施態様において、得られるポリマー物品に著しい影響を及ぼすことなく、酸化亜鉛を第一化合物及び第二化合物と組み合わせて使用することができる。論じられた実施態様は、発明の原理及びその実際の適用についての最良の説明を提供するために、選ばれ、論じられたのであり、そうすることによって当業者が本発明を種々の実施態様において、そして考えられる特別な用途に合わせて種々の変更を加えて使用することが可能となっている。そのような修正及び変更のすべては、それらが公正に、合法的にそして公平に権利を与えられる幅に従って解釈されるとき、添付された請求項によって定められる本発明の範囲内にある。

Claims (16)

  1. ラテックス物品の作成方法であって:
    ポリマーを構成する成分として、カルボジイミド基を含有する第一化合物およびカルボキシラート基を含有する第二化合物混合することによってポリマー溶液を作成する工程;
    成形具をプレコートで前処理する工程であって、該プレコートが、少なくとも界面活性剤、離型剤及びイオン溶液を含んでいる工程;
    該ポリマー溶液を成形具(former)に塗布する工程であって、該ポリマー溶液の作成の2時間以内に行う工程;
    該ポリマー溶液を硬化する工程;及び
    成形具からラテックス物品をはがす工程;
    を組み合わせて含む、外部架橋剤を含まないラテックス物品の作成方法。
  2. ポリマー溶液を成形具に塗布する工程が、成形具をポリマー溶液内に浸すことを含んでいる、請求項1に記載の方法。
  3. ポリマー溶液が更に脱塩水を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  4. ポリマー溶液を作成する工程が、硫黄、酸化亜鉛及び/又は促進剤を使用せずに行われる、請求項1に記載の方法。
  5. 塗布工程を、ポリマー溶液を作成する工程の1時間以内に行う、請求項1に記載の方法。
  6. 塗布工程を、ポリマー溶液を作成する工程の30分以内に行う、請求項5に記載の方法。
  7. 硬化工程が8〜20分継続する、請求項1に記載の方法。
  8. 硬化工程が12〜16分継続する、請求項7に記載の方法。
  9. 硬化工程が、ポリマー溶液を硬化して、硬化されたカルボキシル化ニトリルラテックスを形成し、そして更に硬化工程の後、50〜120秒間、該ラテックスを浸出する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  10. ラテックスを浸出する工程を、硬化工程の後50〜70秒間行う、請求項9に記載の方法。
  11. 硬化工程が80〜90℃の温度で実行される、請求項1に記載の方法。
  12. カルボジイミド基を含有する第一化合物、カルボキラート基を含有する第二化合物及び水酸化アンモニウムからなるpH調節剤を互いに反応させて硬化されたカルボキシル化ニトリルラテックスであって、そのラテックスは、外部架橋剤および促進剤の何れをも含まない、硬化されたカルボキシル化ニトリルラテックスから形成されるポリマー物品。
  13. 前記促進剤が、カルバメート、チアゾール、チウラム、チオ尿素、スルフェンアミド、ザンテート、グアニジン又はその誘導体を含む、請求項12に記載のポリマー物品。
  14. 前記ラテックスが更に少なくとも一つの顔料を含む、請求項12に記載のポリマー物品。
  15. 前記ラテックスが更に酸化防止剤及びオゾン劣化防止剤を含む、請求項12に記載のポリマー物品。
  16. ポリマー物品が、0.03mm〜0.33mmの厚みを有する薄肉物品である、請求項12に記載のポリマー物品。
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