JP6533544B2 - イジングモデルの計算装置 - Google Patents

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Description

本発明はイジングモデルを光パルスにより擬似的にシミュレーションしたイジングモデルの計算装置に関する。
従来から知られているノイマン型のコンピュータでは、NP完全問題に分類される組合せ最適化問題を効率よく解くことができない。組合せ最適化問題を解く手法として、磁性材料を格子点の各サイトに配置されたスピンの相互作用として統計力学的に解析した格子模型であるイジングモデルを用いた手法が提案されている。
イジングモデルの系のエネルギー関数であるハミルトニアンHは、以下の式(1)に示す通り表わされることが知られている。
ここで、Jijは結合定数であり、イジングモデルを構成する各サイトの相互関係を示している。σi、σjは各サイトのスピンを表しており、1または−1の値をとる。
イジングモデルを用いて組合せ最適化問題を解く場合は、上記のイジングモデルのハミルトニアンにおいて、各サイトの相関関係であるJijを与えたときに、系が安定状態となってエネルギーHの値が一番小さくなるσi、σjを求めることにより、最適解が得られる。近年では、光パルスを利用して、こうしたイジングモデルを擬似的にシミュレーションすることにより、NP完全問題などの組合せ最適化問題を解くことができる計算装置が注目されている(特許文献1)。
図1は、イジングモデルの計算装置の基本構成を示す図である。イジングモデルの計算装置は、図1に示すように、リング共振器1として機能するリング状の光ファイバ内に設けられたPSA(位相感応増幅器:Phase Sensitive Amplifier)2に対して、ポンプ光パルス(pump)を注入することによりイジングモデルのサイト数に対応する数の光パルスの列を生成するように構成している(2値化OPO:Optical Parametric Oscillation:0またはπ位相の光パラメトリック発振)。2値化OPOは縮退パラメトリック発振器(DOPO:Degenerate Optical Parametric Oscillator)を用いて生成できる。リング共振器1に入力された光パルス列が1周して再びPSA2に到達すると、再びPSA2にポンプ光が入力されることにより光パルス列が増幅される。最初のポンプ光の注入により発生する光パルス列は位相が定まらない微弱なパルスであり、リング共振器1内を周回するたびにPSA2で増幅されることによって、次第にその位相状態が定まる。PSA2は各光パルスをポンプ光の位相に対し0またはπの位相のみを増幅するので、これらのいずれかの位相状態に定まることになる。
イジングモデルの計算装置では、イジングモデルにおけるスピンの1、−1を、光パルスのポンプパルスに対する相対位相0、πに対応させて実装している。光パルスの周回ごとに、リング共振器1外部の測定部3で光パルス列の位相および振幅の測定を行ない、その測定結果を、あらかじめ結合係数Jijを与えた演算器4に入力して、これらを用いてi番目のパルスに対する結合信号(フィードバック入力する信号)
(cj:j番目のサイトのOPO振幅)を演算し、外部光パルス入力部5により演算結果に応じた外部光パルスを生成してリング共振器1内に入力するフィードバックループ制御により、光パルス列を構成する各光パルス間の位相に相関関係を付与することができる。
イジングモデルの計算装置では、上記の相関関係を付与しながら光パルス列をリング共振器1内を周回増幅させて、安定状態となったときの光パルス列を構成する各光パルスの位相0、πを測定することにより、イジングモデルの解を求めることができる。
国際公開第2015/156126号パンフレット
イジングモデルの計算装置においては、リング共振器1内の光パルス列に対するフィードバック入力、すなわち外部光パルス入力部5による外部光パルスを入力する際において、入力する外部光パルスとリング共振器1内の光パルス列との間で位相同期をとる必要がある。この位相同期は、10-15秒の精度で相対時間を合わせる必要があるため高精度な位相調整が必要となる。
また、演算器4での計算中は、長距離のリング共振器1内で光パルス列を保持する必要があるため、システムサイズN(Nは光パルス列を構成する光パルスの総数)が大きくなるにつれて、リング共振器1の大きさが大きくなり、光路長のゆらぎのために安定な光発振が困難になる。
本発明はかかる従来の問題に鑑みなされたものであって、本発明の課題は、フィードバック入力をする際の光の位相同期が不要となるイジングモデルの計算装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、一実施形態に記載の発明は、イジングモデルの複数のスピンに擬似的に対応し、同一の発振周波数を有する複数の光パルスを0またはπの位相でパラメトリック発振させる位相感応増幅器と、前記位相感応増幅器から出力された前記複数の光パルスの位相および振幅を測定する、光パルス測定部と、前記光パルス測定部において測定した光パルスの位相および振幅の情報を入力として、前記イジングモデルの結合係数と前記測定した光パルスとから決定される、ある光パルスに関わる相互作用に基づいて、フィードバック値を算出する、相互作用計算部と、前記複数の光パルスと同じ数の複数の光パルスを出力する外部光源と、前記相互作用計算部において算出された前記フィードバック値に基づいて、前記外部光源から出力された前記複数の光パルスと同じ数の複数の光パルスの位相および振幅を変調することにより、前記ある光パルスに関わる相互作用を実装する相互作用実装部と、を備え、前記光パルス測定部は、前記光パルス測定部と前記相互作用計算部と前記相互作用実装部とにより構成されるフィードバックループによる制御が繰り返される過程で、前記複数の光パルスが安定状態に到達した後に測定した前記複数の光パルスの位相を、イジングモデルのスピンに変換することにより、イジングモデルのスピンの値を得ることを特徴とするイジングモデルの計算装置である。
従来のイジングモデルの計算装置の基本構成を示す図である。 本実施形態のイジングモデルの計算装置の概略構成を示す図である。 バランスドホモダイン検波器の構成例を示す図である。 イジングモデルの計算装置の基本構成における処理フローである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明のイジングモデルの計算装置では、次式(1)のハミルトニアンで表されるイジングモデルのスピン方向σi、σj(±1)を光パルスの位相(0、π)に置き換える(擬似的にシミュレーションする)ことにより、イジングモデルにマッピングされた問題を計算することができる。
図2は本実施形態のイジングモデルの計算装置の概略構成を示す図である。図2において、イジングモデルの計算装置は、光ファイバ導波路10上に設けられた外部光源6と光変調器51とPSA(位相感応増幅器)2と測定器3と、測定器3の出力および光変調器51の入力に電気的に接続されたフィードバックループを構成する演算器41とを備えて構成される。
PSA2は、イジングモデルの複数のスピンに擬似的に対応し、同一の発振周波数を有する複数の光パルスの列(光パルス列)を、ポンプ光源(厳密にはポンプ光パルス生成に用いる局発光)の位相に対して0またはπの位相において効率よく増幅させる。PSA2は、例えば2次の非線形光学効果を発現するPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)などの2次の非線形光学結晶を用いて構成することができる。
PSA2は、シグナル光(信号光)とポンプ光(励起光)が入力されると、ポンプ光源の位相に対して0またはπの位相の微弱なパルス(アイドラ光)を発生する。PSA2では、最初にシグナル光が発生していない状態でポンプ光のみを入力した場合でも、自然放出光(雑音光)として微弱なパルスを発生することができる。
PSA2では、周波数ωを有する局部発振光(LO光)を第2高調波発生器により変換した2倍波である周波数2ωがポンプ光として入力されると、(これまでポンプ光がなく、まさにポンプ光を入れ始めたときには)パラメトリック下方変換過程により微弱な雑音光パルス列が発生する。さらに、PSA2では、外部光源6から出力されて光ファイバ導波路10を伝搬する光パルス列が入力されたとき、かかる光パルス列がシグナル光
となり、このシグナル光に完全に位相整合したポンプ光
がさらにPSA2に入力されると、2次の非線形光学効果であるOPO(光パラメトリック発振)により、シグナル光Esの位相共役波となるアイドラ光
が発生する。
このとき、シグナル光とアイドラ光の周波数が一致する場合、以下の縮退波が出力される。
この出力される縮退波は、位相共役の関係にあるシグナル光とアイドラ光との重ね合わせなので、位相が0またはπの波が効率よく増幅されることになる。こうして、PSA2では当初発生した微弱な光パルス列のうち、0またはπの位相成分が増幅されることになる。
光ファイバ導波路10は、従来例とは異なり、リングやループなどの周回共振器構造を構成せずに、外部光源6から出力された複数の光パルス(光パルス列)を変調器51を介してPSA2まで伝搬させ、PSA2から出力された光パルス列を測定器3まで伝搬させる。光ファイバ6は、その長さは特に制限がなく、図1に示す従来のイジングモデルの計算装置よりも相当短く、例えば1mの長さに設定することができる。
測定部3は、光ファイバ導波路10より入来する複数の光パルスの位相および振幅を測定して電気信号として出力する光パルス測定部として機能する。具体的には測定部3は、PSA2から出力された後、光ファイバ導波路10を伝搬した光パルス列の振幅を含めた位相状態をコヒーレント測定する。コヒーレント測定は、バランスドホモダイン検波器を用いて被測定光として入力される光パルス列の振幅と位相を測定することができる。
図3はバランスドホモダイン検波器30の構成例を示す図である。バランスドホモダイン検波器30は、測定する光パルス列と同じ周波数の位相同期した光を基準光として、光パルス列を構成する光に干渉させて、その振幅と位相状態を測定することができる。バランスドホモダイン検波器30は、ポート1およびポート2からの光を干渉させてポート3およびポート4に出力するハーフミラー31と、ポート3から出力される光を検出する第1の光検出器32とポート4から出力される光を検出する第2の光検出器33と、第1および第2の光検出器32、33の検出結果の差分を演算する差分演算部34とを有している。
ポート1には被測定光として光パルス列Esi(ωt+θ)が入力され、ポート2には、振幅と位相が既知である基準光ELoiωtが入力される。ポート1から入力された光パルス列は、ハーフミラー31において、同位相でポート3に向けて透過する成分と、位相がπだけ変化させられてポート4に向けて反射される成分に分岐する。ポート2から入力された基準光は、ハーフミラー31において、同位相でポート4に向けて透過する成分と、同位相でポート3に向けて反射される成分に分岐する。
ポート1から入力された光パルス列の同位相成分とポート2から入力された基準光の同位相成分とが干渉した出力光
がポート3から出力され、第1の検出器32では、光強度
を示す電気信号が検出される。
ポート1から入力された光パルス列の逆位相成分とポート2から入力された基準光の同位相成分とが干渉して出力光
がポート4から出力され、第2の検出器33では、光強度
で表される電気信号が検出される。
さらに、差分演算部34では、第1の検出器32における検出信号と第2の検出器33における検出信号との差分が演算されて、2ELoscosθが出力される。
したがって、測定結果として振幅と位相のcos成分(符号のみ)との積±Eが得られることとなる。
また、振幅と位相のsin成分との積を測定するためには、基準光の位相をπ/2ずらしたもので測定することにより得ることができる。双方の測定結果から振幅と位相の双方を求めることができる。ただし、本来は双方の値を測定してフィードバックするべきであるが、先行研究のシミュレーション結果からcos成分のみのフィードバックで十分な効果が得られるため、以下ではcos成分のみのフィードバックとしている。
測定結果として得られる値は、符号つきアナログ値(±E)であり、符号(±)が位相を示し、アナログ値(E)が振幅を示すことになる。
図2に戻ると、演算器41は、測定した光パルスの位相および振幅の情報を入力として、イジングモデルにマッピングされた結合係数および他の光パルスの位相および振幅に基づいて決定される光パルスが関わる相互作用を決定し、その相互作用を受けた後の光パルスの位相および振幅(相互作用の結合結果)をフィードバック値として演算する相互作用計算部として機能する。演算器41としては例えばFPGA(Field Programable Gate Array)などのデジタル演算器を用いることができる。
具体的には演算器41は、まず、測定部3で測定した光パルス列の振幅と位相に対して、結合係数を与える演算を行ない、相互作用を決定する。
上式(2)において、c1、c2、c3、c4、c5(ci)はそれぞれ測定部3における各光パルスについての測定結果であり、f1、f2、f3、f4、f5(fi)はそれぞれ各光パルスが他の光パルスからうける相互作用の演算結果である。行列の演算パラメータJ12、J13、J14、J15、・・・・J53、J54は、イジングモデルにマッピングされた結合係数であり、解を求めようとする問題に応じて決定される。
以下の式(3)に示すように、演算器41では、測定部3における測定結果を要素とする列ベクトルを生成し、生成した列ベクトルに対して行列を乗算する演算を行ない、相互作用を決定することができる。なお、ここでは光パルス列を構成する光パルスの数と等しいサイト数が5の場合を例に挙げて説明しているが、サイト数に応じて用いる正方行列の大きさが決まる。正方行列は(サイト数)×(サイト数)の大きさとなる。例えば、サイト数(光パルス列を構成する光パルスの数)をNとすると、相互作用計算部は、相互作用を決定するために次の行列の演算を行なう。
演算器41では、さらに以下に示す式(4)に従って演算を行ない、周回数(n+1)における各光パルスについての相互作用の結合結果Bi(n)をフィードバック値として得る。ここで周回数とは、PSA2から出力された回数をいう。
上式(4)において、Bi(n)は周回数(n)におけるi番目の光パルスについての相互作用の結合結果であり、ciはi番目の光パルスのcos成分であり、Nはサイト数である。式(4)において、第1項は、測定部3におけるi番目の光パルスについての測定結果であり、第2項は、相互作用を算出する上式(3)に基づいて得られたi番目の光パルスが他の光パルスからうける相互作用の合計値である。このように測定した光パルスの値に他のパルスからの受ける相互作用を合計することでフィードバック値となる演算結果Bi(n)を得ることができる。いいかえると、式(3)で得たi番目の光パルスが他の光パルスからうける相互作用の合計値fiを用いると、結合結果である上式(4)は、Bi(n)=Ci(n)+fiとすることができる。
このように、従来ではリング共振器内を周回伝搬する光パルス列を用いていたが、本実施形態ではリング共振器を用いず、相互作用を与えるための外部の光パルスとの合波による光干渉効果を演算器41で電子演算処理して得ることができる。また、本実施形態では、光パルス列の位相および振幅の情報は測定の都度、数値化されて演算器41のメモリに格納されるため、従来のようにフィードバック入力を受ける光パルス列を長距離のリング共振器内で周回伝搬させる必要もなくなり、リング共振器が不要になるので、光回路の簡素化・小型化が可能になる。
光変調器51は、演算器41で演算された演算結果Bi(n)を用いて、外部光源6で発生した光パルスの振幅および位相を変調することにより、光パルスが関わる相互作用の大きさおよび符号を実装する相互作用実装部として機能する。外部光源6はPSA2で発生させた光パルス列と同じ数の光パルスを出力することができる。本実施形態では、光変調器51が外部光源6の出力に設けられており、外部光源6から出力された光パルスの振幅および位相を演算器41の電器出力にしたがって変調することで、光パルス列に対するフィードバックを行なうので、2つの光パルスを合波するために光の位相同期を行なう必要がない。
実際には、光変調器51は、演算器41における演算結果Bi(n)を入力として、外部光源6から出力された光パルス列の透過率を以下のように変調する。
光変調器51は2アームのマッハツェンダで構成されるpush−pull変調器などを用いて構成することができる。push−pull変調器の場合、その光電界の応答関数は
で表される。ここでAは変調器の最大透過率、
であり、φは変調器のバイアスである。したがって、push−pull変調器を用いた光変調器51における実際の変調量Tは、φを変調器のバイアスとすると、θ<|π/2|の場合、
となる。特に、θ<<π/2の時は、
となる。
上式(5)、(6)によれば、サイト数が比較的小さい問題や、結合数が比較的小さい問題、また、結合係数Jijを比較的小さく設定した場合は、式(6)に従って、入力に対してほぼ線形的に変調を与えることができるので、ほぼ理想的にフィードバックを各光パルス列に与えることが可能であることが判る。したがって、光パルス変調器51として2アームのマッハツェンダで構成されるpush−pull変調器を用いる場合は、サイト数や結合数が比較的小さい問題を扱うことが好ましいといえる。
このように、光変調器51に対し、演算器41の演算結果に応じた入力を与えることにより、外部光源6内の光パルス列に擬似的な相互作用と測定部3で測定した光パルスの強度をフィードバック入力することができる。
光変調器51は外部光源6から出力された光パルス列に対し、演算器41で演算された演算結果Bi(n)に応じた変調を与えて、フィードバックされた光パルス列Bi(n)を擬似的に生成してPSA2に入力する。PSA2に入力された光パルス列Bi(n)は増幅されて、Ci(n+1)となり、再び測定部3により測定される。
光変調器51と外部光源6とで生成されるフィードバックされた光パルス列の光強度は、最初は強度が低く設定されるが、フィードバックを繰り返すたびに強くなっていき、光強度が飽和した段階で計算が終了する。
光変調器51で変調された光パルス列が再びPSA2に入力すると、入力した光パルス列は増幅される。以上の構成により、本実施形態のイジングモデルの計算装置では、増幅とフィードバックを繰り返しながら、光パルス列を問題に応じた安定状態に導いていく。
図4は、イジングモデルの計算装置の基本構成における処理フローである。図3に示すように、イジングモデルの計算装置では、最初にPSA2に対してポンプ光が注入されると、微弱な雑音光パルス列が発生し(S1)、発生した光パルス列は光ファイバ導波路10を伝搬して測定部3に入力する。(雑音)光パルス列は、測定部3によりその振幅および位相の情報が測定される(S2)。
光パルス列の測定結果が得られると、演算器41において、解を求めるべき問題に応じた結合係数がマッピングされた行列により相互作用が演算され、演算された相互作用に基づいてフィードバック値が演算される(S4)。光パルス変調器51は、フィードバック値が入力されると、外部光源6から出力された各光パルスに対して、変調器を用いてフィードバック信号にしたがった変調を与えることにより各パルスに対するフィードバックを与える(S5)。
フィードバック後の光パルス列は、光ファイバ導波路10を伝搬して再びPSA2に入力され、光パルス列に同期したポンプ光により増幅され(S6)、再び光ファイバ導波路10を伝搬して測定器3に入力する。PSA2で増幅された後、測定器3に再び入力された光パルス列に対して、再びコヒーレント測定、行列による演算およびフィードバック値の算出、フィードバック値に応じたフィードバックが施されることが繰り返される。
このような光パルス列に対する増幅とフィードバックが所定回繰り返される(S3)と、光パルス列の状態が安定状態となる。安定状態となった時に測定部3において得られた測定結果の位相状態である0またはπをイジングモデルのスピンσ状態(±1)に置き換えて、解くべき問題にマッピングし直すことによって与えられた問題に対する解が得られることとなる。
本実施形態のイジングモデルの計算装置では、フィードバック入力後の光パルス列を外部光源6と光変調器51とで生成する構成であるので、共振器が不用になり、相互作用に基づくフィードバック入力をする際の光の位相同期が不要となる。
以上の実施形態において説明したイジングモデルの計算装置において、外部光源6、光変調器51、PSA2、および測定器3で構成される系を複数用意し、これらの複数の系の測定器3において測定した光パルス列の位相および振幅を1つの演算器41でまとめて演算して、フィードバック値を求めて、複数の系の光変調器51に入力することにより、より大きな規模の計算を行うことができるようになる。
また、PSA2に代えて、非線形なゲイン特性を有する光増幅器を用いることもできる。
以上の実施形態において説明したイジングモデルの計算装置は、PSAとして2次の非線形光学効果を発現するPPLNなどの非線形光学結晶によって構成される場合を例に挙げて説明したが、非線形光ファイバなどにより3次の非線形光学効果を発現する構成でもよい。
1 リング共振器
10 光ファイバ導波路
2 PSA(位相感応増幅器)
3 測定部
4、41 演算器
5 外部光パルス入力部
51 光変調器
30 バランスドホモダイン検波器
31 ハーフミラー
32 第1の光検出器
33 第2の光検出器
34 差分演算部

Claims (5)

  1. イジングモデルの複数のスピンに擬似的に対応し、同一の発振周波数を有する複数の光パルスを0またはπの位相でパラメトリック発振させる位相感応増幅器と、
    前記位相感応増幅器から出力された前記複数の光パルスの位相および振幅を測定する、光パルス測定部と、
    前記光パルス測定部において測定した光パルスの位相および振幅の情報を入力として、前記イジングモデルの結合係数と前記測定した光パルスとから決定される、ある光パルスに関わる相互作用に基づいて、フィードバック値を算出する、相互作用計算部と、
    前記複数の光パルスと同じ数の複数の光パルスを出力する外部光源と、
    前記相互作用計算部において算出された前記フィードバック値に基づいて、前記外部光源から出力された前記複数の光パルスと同じ数の複数の光パルスの位相および振幅を変調することにより、前記ある光パルスに関わる相互作用を実装する相互作用実装部と、を備え、
    前記光パルス測定部は、前記光パルス測定部と前記相互作用計算部と前記相互作用実装部とにより構成されるフィードバックループによる制御が繰り返される過程で、前記複数の光パルスが安定状態に到達した後に測定した前記複数の光パルスの位相を、イジングモデルのスピンに変換することにより、イジングモデルのスピンの値を得ることを特徴とするイジングモデルの計算装置。
  2. 前記相互作用計算部は、測定したN個の光パルスの位相および振幅c1、c2、c3、c4、・ci・cN-1、cNを要素とする列ベクトルに対し、イジングモデルの結合係数を演算パラメータとする以下に示す行列を乗算して、得られた列ベクトルの要素f1、f2、f3、f4、・fi・fN-1、fNを前記個の光パルスに対応するN個のある光パルスに関わる相互作用として演算することを特徴とする請求項1に記載のイジングモデルの計算装置。
  3. 前記相互作用計算部は、前記演算した相互作用において得られたfiとi番目の光パルスのcos成分ciを用いて、Bi(n)=Ci+fiにより、周回数(n)における各光パルスが相互作用を受けた後の位相および振幅Bi(n)をフィードバック値として算出することを特徴とする請求項2に記載のイジングモデルの計算装置。
  4. 前記位相感応増幅器は、周波数が2ωのポンプ光を入力されて、光パラメトリック過程により周波数がωの微弱な雑音光パルス列を発生し、光パルス列と、該光パルス列に完全に位相整合した周波数が2ωのポンプ光とが入力されて、前記光パルス列を0またはπの位相で増幅することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のイジングモデルの計算装置。
  5. 前記光パルス測定部は、前記位相感応増幅器に入力される前記ポンプ光を生成するための局部発振光を基準光としたバランスドホモダイン検波器によるホモダイン検波により光パルスの位相および振幅を測定することを特徴とする請求項4に記載のイジングモデルの計算装置。
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