いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物を調製する方法は、10以下のヨウ素価を有する脂肪酸成分を、少なくとも1種類の飼料材料と混ぜ合わせることにより、第1の混合物を調製するステップ、界面活性剤及び少なくとも1種類の液体成分を混ぜ合わせることにより、第2の混合物を調製するステップ、及び第1の混合物及び第2の混合物を混ぜ合わせて、反芻動物飼料混合物を提供するステップ、を含む。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が流動性固体の形状である。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分がルーメン安定性脂肪酸を含む。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が約40℃以上で融解する。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が約50℃以上で融解する。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が約60℃以上で融解する。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が約63℃で融解する。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、少なくとも90質量%のパルミチン酸化合物を含む。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、少なくとも98質量%のパルミチン酸化合物を含む。
いくつかの実施形態において、パルミチン酸化合物が、遊離パルミチン酸、パルミチン酸トリグリセリド、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、又はパルミチン酸アンモニウムを含む。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、少なくとも98質量%の遊離パルミチン酸を含む。
いくつかの実施形態において、遊離パルミチン酸が、プリル化ビーズ形状である。いくつかの実施形態において、遊離パルミチン酸が、フレーク形状である。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、パルミチン酸化合物及びステアリン酸化合物から本質的に成る。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分がステアリン酸化合物を含む。
いくつかの実施形態において、ステアリン酸化合物が、遊離ステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸アンモニウムを含む。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、遊離パルミチン酸及び遊離ステアリン酸から本質的に成り、この遊離パルミチン酸と遊離ステアリン酸との質量:質量比率が約10:1〜約1:10である。いくつかの実施形態において、この比率が約6:4〜約4:6である。いくつかの実施形態において、この比率が約8:2〜約2:8である。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が5質量%以下の水分レベルを有する。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が1質量%以下の水分レベルを有する。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、5質量%以下の不けん化物を含む。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、3質量%以下の不けん化物を含む。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、1.5質量%以下の不けん化物を含む。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、5以下のヨウ素価を有する。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、2以下のヨウ素価を有する。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、1以下のヨウ素価を有する。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、0.5以下のヨウ素価を有する。
いくつかの実施形態において、飼料材料が、20mm以下の平均粒子径を有する。
いくつかの実施形態において、飼料材料が、約10μm〜約10mmの平均粒子径を有する。
いくつかの実施形態において、飼料材料が、粗飼料、かいば、サイレージ、穀物、又は油種子ミールを含む。
いくつかの実施形態において、飼料材料が、多糖、オリゴ糖、セルロース、ヘミセルロース、リグノセルロース、糖、又はデンプンを含む。
いくつかの実施形態において、飼料材料が木に由来する。
いくつかの実施形態において、飼料材料が、サトウダイコンパルプ、サトウキビ、小麦ふすま、オート麦殻、穀物殻、ダイズ殻、ピーナッツ殻、醸造所副産物、酵母誘導体、草、干し草、種子、果物の皮、果物パルプ、豆類、植物系飼料原料、小麦、トウモロコシ、オート麦、ソルガム、キビ、藻類、又は大麦を含む。
いくつかの実施形態において、飼料材料が、大豆ミール、豆ミール、ナタネミール、ヒマワリミール、ココナツミール、オリーブミール、亜麻仁ミール、ブドウ種子ミール、綿実ミール、又はそれらの混合物を含む。
いくつかの実施形態において、飼料材料が、糖原性前駆体、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、アミノ酸誘導体、抗酸化剤、プレバイオティクス、プロバイオティクス、微量元素、又は抗生物質を含む。
いくつかの実施形態において、糖原性前駆体が、グリセロール、プロピレングリコール、グリセリン、プロパンジオール、プロピオン酸ナトリウム、ポリオール、又はプロピオン酸カルシウムである。
いくつかの実施形態において、ビタミンが、ビオチン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、ビタミンB12、又はビタミンBpである。
いくつかの実施形態において、ミネラルが、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム、マンガン、亜鉛、セレン、銅、ヨウ素、鉄、コバルト、モリブデン、アミノ酸キレート化ミネラル若しくはグリシン化ミネラル、又はセレン酵母である。
いくつかの実施形態において、アミノ酸が、カルニチン、ヒスチジン、アラニン、イソロイシン、アルギニン、ロイシン、アスパラギン、リシン、アスパラギン酸、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニン、グルタミン、トリプトファン、グリシン、バリン、オルニチン、プロリン、セレノシステイン、セリン、チロシン、又はセレノメチオニンである。
いくつかの実施形態において、抗酸化剤が、フラボノイド、又はフラボン、又はキノンである。
いくつかの実施形態において、抗生物質が、モネンシン、バンベルマイシン、ラサロシド、サリノマイシン、精油、アルカロイド、セスキテルペン、テルペン、又はそれらの誘導体である。
いくつかの実施形態において、第1の混合物が、12質量%以下の水分レベルを有する。
いくつかの実施形態において、第1の混合物が、10質量%以下の水分レベルを有する。
いくつかの実施形態において、第1の混合物が、約1質量%〜約10質量%の水分レベルを有する。
いくつかの実施形態において、第1の混合物が、20mm以下のサイズの粒子を有する。
いくつかの実施形態において、第1の混合物が、約10μm〜約10mmのサイズの粒子を有する。
いくつかの実施形態において、界面活性剤が非イオン乳化剤を含む。
いくつかの実施形態において、界面活性剤が、約5〜約14の親水親油バランス値を有する乳化剤を含む。
いくつかの実施形態において、界面活性剤が、約10以下の親水親油バランス値を有する乳化剤を含む。
いくつかの実施形態において、界面活性剤が、少なくとも約7の親水親油バランス値を有する乳化剤を含む。
いくつかの実施形態において、界面活性剤が、レシチン、大豆レシチン、セファリン、ヒマシ油エトキシレート、ソルビタンモノオレアート、タローエトキシレート、ラウリン酸、又はポリエチレングリコールを含む。
いくつかの実施形態において、界面活性剤が、カルシウムステアロイルジラクテート(dilaciate)、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル、ポリエチレングリコールエステル、糖エステル、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、又は乳酸化モノグリセリドを含む。
いくつかの実施形態において、界面活性剤が、ポリオキシエチレンステアレート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、アンモニウムホスファチド、脂肪酸のナトリウム塩又はカリウム塩又はカルシウム塩、脂肪酸のマグネシウム塩、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの酢酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの乳酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドのモノアセチル酒石酸エステル及びジアセチル酒石酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの酢酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの酒石酸エステル、脂肪酸のスクロースエステル、スクログリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリグリセロールポリリシノレエート、脂肪酸のプロパン−1,2−ジオールエステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドと相互作用した熱酸化大豆油、ナトリウムステアロイル−2−ラクチラート、カルシウムステアロイル−2−ラクチラート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレアート、又はソルビタンモノパルミテートを含む。
いくつかの実施形態において、界面活性剤と脂肪酸成分との質量:質量比率が、約1:1000〜約1:5である。
いくつかの実施形態において、界面活性剤と脂肪酸成分との質量:質量比率が、約1:50〜約1:35である。
いくつかの実施形態において、界面活性剤と液体成分との質量:質量比率が、約1:1〜約1:100である。
いくつかの実施形態において、界面活性剤と液体成分との質量:質量比率が、約1:10である。
いくつかの実施形態において、界面活性剤と液体成分との体積:体積比率が、約1:1〜約1:100である。
いくつかの実施形態において、界面活性剤と液体成分との体積:体積比率が、約1:10〜約1:30である。
いくつかの実施形態において、液体成分が水を含む。
いくつかの実施形態において、液体成分が、90体積%以上の水を含む。
いくつかの実施形態において、液体成分が、98体積%以上の水を含む。
いくつかの実施形態において、液体成分が、99.5体積%以上の水を含む。
いくつかの実施形態において、液体成分が糖原性前駆体を含む。
いくつかの実施形態において、液体成分が、グリセロール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリオール、プロパンジオール、蒸留粕又はモラセスを含む。
いくつかの実施形態において、第2の混合物がエマルジョンである。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物が、約0.001質量%〜約10質量%の界面活性剤を含む。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物が、約0.01質量%〜約5質量%の界面活性剤を含む。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物が、約2質量%〜約50質量%の脂肪酸成分を含む。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物が、約3質量%〜約15質量%の脂肪酸成分を含む。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物が、約10質量%〜約20質量%の脂肪酸成分を含む。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物が、約10質量%の脂肪酸成分を含む。
いくつかの実施形態において、第2の混合物を調製するステップが周囲温度で実施される。
いくつかの実施形態において、第2の混合物を調製するステップが、脂肪酸成分が融解するのに十分な温度以上の温度で実施される。
いくつかの実施形態において、混合が、第2の混合物を第1の混合物内に噴霧することにより実施される。
いくつかの実施形態において、第2の混合物が、1500μm以下の粒子径を有するミストの状態で第1の混合物内に噴霧される。
いくつかの実施形態において、第2の混合物が、約1μm〜約1500μmの粒子径を有するミストの状態で第1の混合物内に噴霧される。
いくつかの実施形態において、第2の混合物が、20秒間以上の時間にわたり、第1の混合物内に噴霧される。
いくつかの実施形態において、第2の混合物が、約20秒間〜約60秒間の時間にわたり、第1の混合物内に噴霧される。
いくつかの実施形態において、第2の混合物が、約30秒間〜約40秒間の時間にわたり、第1の混合物内に噴霧される。
いくつかの実施形態において、第1の混合物と第2の混合物との混合が周囲温度で実施される。
いくつかの実施形態において、第1の混合物と第2の混合物との混合が、脂肪酸成分が融解するのに十分な温度で実施される。
いくつかの実施形態において、第1の混合物と第2の混合物との混合が室温で実施される。
いくつかの実施形態において、第1の混合物を調製するステップの前に、飼料材料が、約1mm〜約10mmの平均粒子径に粉砕される。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物がペレットに成形される。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物をペレットに成形するステップが、反芻動物飼料混合物を、コンディショニング時間の間スチームコンディショニングして、スチームコンディショニングされた反芻動物飼料混合物をスチームコンディショニング温度で提供するステップ、及びスチームコンディショニングされた反芻動物飼料混合物をペレットにプレスするステップ、を含む。
いくつかの実施形態において、コンディショニング時間が、約15秒間〜約30分間である。
いくつかの実施形態において、コンディショニング時間が、約30秒間〜約30分間である。
いくつかの実施形態において、コンディショニング時間が、約15分間〜約30分間である。
いくつかの実施形態において、スチームコンディショニング温度が、脂肪酸成分が融解するのに十分な温度以上である。
いくつかの実施形態において、スチームコンディショニング温度が、約65℃〜約75℃である。
いくつかの実施形態において、スチームコンディショニング温度が、約73℃〜約75℃である。
いくつかの実施形態において、プレスするステップの後に、ペレットが約78℃以上に達する。
いくつかの実施形態において、プレスするステップの後に、ペレットが約81℃以上に達する。
いくつかの実施形態において、プレスするステップの後に、ペレットが周囲温度に冷却される。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料を作製するためのシステムが、第1のミキサー(ここで、第1のミキサーが、10以下のヨウ素価を有する脂肪酸成分を含む第1の混合物及び少なくとも1種類の飼料材料を含む)、第2のミキサー(ここで、第2のミキサーが、界面活性剤を含む第2の混合物及び少なくとも1種類の液体成分を含み、第2のミキサーが第1のミキサーと連通している)、スチームコンディショニング容器(ここで、スチームコンディショニング容器が第1のミキサー及び第2のミキサーと連通しており、スチームコンディショニング容器が反芻動物飼料混合物を含み、この反芻動物飼料混合物が第1の混合物及び第2の混合物を含む)、及びペレットプレッサー又はエクストルーダー(ここで、ペレットプレッサー又はエクストルーダーがスチームコンディショニング容器と連通している)、を含む。
いくつかの実施形態において、システムが第3のミキサーをさらに含み、第3のミキサーが第1のミキサー及び第2のミキサーと連通しており、第1の混合物及び第2の混合物が第3のミキサーにおいて混ぜ合わせられる。
いくつかの実施形態において、第1のミキサーが、パドルミキサー又はリボンミキサーを含む。
いくつかの実施形態において、ペレットプレッサーが、リングダイプレッサーを有する。
いくつかの実施形態において、リングダイプレッサーが、約4mm〜約6mmのダイ直径を有する。
いくつかの実施形態において、リングダイプレッサーが、約40mm〜約120mmのダイチャネルを有する。
いくつかの実施形態において、反芻動物により生産されるミルクの乳脂肪含量を増加させる方法は、反芻動物飼料混合物を、摂取のために反芻動物に提供するステップであって、反芻動物飼料混合物が、説明される実施形態のうちいずれか一つの方法により作製されるステップ、及び反芻動物が反芻動物飼料混合物を摂取した後に、反芻動物からミルクを回収するステップであって、反芻動物から回収されるミルクが、反芻動物が反芻動物飼料混合物を摂取する前のミルクと比較して、より高い乳脂肪含量を有するステップを含む。
いくつかの実施形態において、反芻動物が、ウシ、ヤギ、又はヒツジである。
いくつかの実施形態において、反芻動物食餌組成物が、説明される実施形態のうちいずれか一つの方法により作製される。
いくつかの実施形態において、反芻動物食餌組成物が、乾燥粒子、ペレット、懸濁液、ペースト、又はエマルジョンである。
詳細な説明
本開示は、説明される特定のシステム、装置及び方法に限定されない。なぜなら、これらは変わってよいからである。明細書において使用される用語は、特定のバージョン又は実施形態を説明する目的のためだけのものであり、その範囲を限定することは意図されない。
この文書において使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明確に指示されない限り、複数の参照を含む。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
以下の用語は、本出願の目的のために、以下に示すそれぞれの意味を有するものとする。
「反芻動物」は一般に、複数のチャンバーのある胃を備える、ほ乳類の亜目である。この胃は、セルロース系の食物を、胃の第1のチャンバー(ルーメン)内で軟化することによって消化する能力、及び半消化された塊を逆流させる能力を動物に与える。この半消化された塊は、胃の1又は複数の他のチャンバーにおいて、消化のために反芻動物によって再び咀嚼される。反芻動物の例としては、畜牛、ヤギ及びヒツジなどの泌乳動物が含まれるが、これらに限定されない。畜牛は乳牛を含んでよく、この乳牛は一般に、ボス・タウルス種の動物である。反芻動物によって生産されるミルクは、様々な酪農系製品に幅広く使用されている。
本開示は一般に、反芻動物飼料混合物、それから作製される食餌組成物、及び反芻動物に与えることのできる食餌組成物を作製するための方法に関する。食餌組成物は、反芻動物におけるミルク生産の様々な特徴を向上させるように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態によれば、食餌組成物は、反芻動物によるミルク生産の量を増加させ得る、反芻動物によって生産されるミルクの脂肪含量を増加させ得る、又はその両方を増加させ得る。本明細書に記載される特定の組成物は、反芻動物飼料混合物、サプリメント、などを含んでよい。いくつかの実施形態によれば、食餌組成物は、液体、固体又はそれらの組み合わせを含んでよく、例えば、乾燥粒子、ペレット、懸濁液、エマルジョン、スラリーなどを含んでよい。
反芻動物が飼料を消費すると、飼料中の脂肪はルーメンによって改変されて、飼料中の脂肪のプロファイルとは異なる、乳脂肪プロファイルを提供する。ルーメン中で完全には不活性でない全ての脂肪は、飼料摂取量及び飼料材料のルーメン消化率を減少させる可能性がある。ミルクの組成と脂肪の性質は、反芻動物の食生活によって影響され得る。例えば、油の給餌(例えば、植物油の給餌)は、ルーメン機能とミルク形成の両方に、悪影響を及ぼし得る。油の給餌の結果として、ミルクタンパク質濃度が減少し、脂肪濃度が減少し、トランス脂肪酸の割合が増加し得る。これらの結果は、様々な負のミルク特性と関連している。負のミルク特性には、例えば、ミルクを消費するときのヒト血液中の、有害な低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの増加及び有益な高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの減少がある。加えて、工業的ミルク処理中に乳脂肪の特性が弱くなる可能性がある。ミルク中の高いレベルのポリ不飽和脂肪酸もまた、味の欠陥及び保存の問題を引き起こす可能性がある。乳脂肪の典型的な脂肪酸組成は、約70%を超える飽和脂肪酸を含有する可能性があり、トランス脂肪酸の総量は、約3%〜約10%である可能性がある。植物油を飼料に添加すると、トランス脂肪酸の割合が約10%を超えて上昇する可能性がある。
油及び脂肪の有害な効果を減少させるための一つの解決策は、トリグリセリドの脂肪の加水分解を防止することである。脂肪の加水分解は、例えば、脂肪をホルムアルデヒド処理カゼインで保護することにより、減少させることができる。別の代替案は、反芻動物に不溶性の脂肪酸カルシウム塩を与えることであり、それによりルーメンにおける水素化を回避することができる。しかしながら、脂肪酸塩は、典型的には、辛味を有する。この辛味は、反芻動物の飼料摂取量を減少させ得る。加えて、この塩はまた、飼料をペレットに成形するためのある特定のプロセスを妨害し得る。
本明細書に記載される脂肪酸成分は、脂肪酸を飼料から消化管を介して反芻動物の血液循環へ移動させることができる。このことにより、ミルク生産のエネルギー効率及び反芻動物によるエネルギーの利用を向上させることができる。エネルギーの利用がより有効になると、ミルク生産が増加し、ミルク中のタンパク質及び脂肪の濃度が上昇し得る。いくつかの実施形態によれば、食餌組成物は、エネルギーを消費する合成が乳腺において必要でなくなるように、乳脂肪成分を細胞に届けることによって、乳腺における脂肪合成を強化するように構成され得る。結果として、グルコースをラクトース生産のためにより効率的に使用することができ、これによりミルク生産が増加する。加えて、グルコースをアミノ酸から生産する必要がないため、ミルクタンパク質含量が増加し得る。したがって、反芻動物は、泌乳期の開始時に体重を失わず、これにより反芻動物の生殖能力を向上させることができる。
図1は、脂肪酸成分を含む反芻動物飼料混合物を調製する方法の1つの実施形態のフロー図を示す。図1に関して本明細書に記載される成分は一般に、任意の順序で混ぜ合わせてよく、より多くの又はより少ない成分を含んでよく、説明される順序に限定されない。本明細書においてより詳細に説明されるように、様々な実施形態において、反芻動物によって消費されたときに、食餌組成物が、反芻動物によって生産されるミルクの特定の性質、及び反芻動物によって生産されるミルクの量を最大化するように、食餌組成物を処方してよい。
図1に示されるように、反芻動物飼料混合物を作製する方法は、「10以下のヨウ素価を有する脂肪酸成分」を、少なくとも1種類の飼料材料と混ぜ合わせることにより、第1の混合物を調製するステップ(ブロック102)を含む。簡潔さのために、脂肪酸成分が特定のヨウ素価を有すると示されない限り、短縮されたフレーズ「脂肪酸成分」の本明細書中での使用は、10以下のヨウ素価を有すると認められる脂肪酸成分を意味する。脂肪酸成分及び飼料材料は、従来のバッチミキサーにおいて混合してよい。反芻動物飼料混合物を作製する方法はまた、界面活性剤及び少なくとも1種類の液体成分を混ぜ合わせることにより、第2の混合物を調製するステップ(ブロック104)を含む。界面活性剤及び少なくとも1種類の液体成分は、従来のバッチミキサーなどのミキサーにおいて混ぜ合わせてよい。反芻動物飼料混合物を作製する方法は、第1の混合物及び第2の混合物を混合して、反芻動物飼料混合物を提供するステップ(ブロック106)を含む。いくつかの実施形態において、第1の混合物は固体の混合物であり、第2の混合物は少なくとも1種類の液体の混合物である。しかしながら、他の実施態様において、第1の混合物は液体成分を含んでよく、第2の混合物は固体成分を含んでよい。
図1のブロック104を参照すると、10以下のヨウ素価を有する脂肪酸成分は、1又は複数の脂肪酸化合物を含んでよい。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、流動性固体の形状である。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、プリル化ビーズ形状又はフレークである。「プリル化」は、材料、この場合は脂肪酸成分、が融解されて、次いで小滴に成形されるプロセスを指す。小滴は、空気中でプリル化タワーから回収表面上に小滴を垂らすことにより、凝固させることができる。プリル化されたビーズ又はフレークに、乾燥又はサイズによる分類などの、さらなる処理を施してよい。
脂肪酸成分は、約10以下のヨウ素価を有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、約5以下のヨウ素価を有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、約2以下のヨウ素価を有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、約1以下のヨウ素価を有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、約0.5以下のヨウ素価を有することができる。文献において、ヨウ素価は時折、ヨウ素数とも呼ばれる。ヨウ素価は、化学物質の不飽和の尺度を提供する。したがって、脂肪酸成分は、いくつかの不飽和脂肪酸化合物を含み得る。ヨウ素価は、脂肪酸成分によって所与の時間内に吸収されるヨウ素の尺度である。例えば、ヨウ素価は、100グラムの脂肪酸成分によって消費されるヨウ素のグラム数を表すことができる。ヨウ素価が低いほど、不飽和度は低い。ヨウ素価を決定する周知の方法は、Wijs法である。しかしながら、本開示は、ヨウ素価を決定する任意の1つの特定の方法を使用することに限定されない。不飽和度を決定する他の方法が、ヨウ素又は別のハロゲンの使用を伴わないことも可能である。それ故に、「ヨウ素価」が不飽和度を表し、この不飽和度はどのような方法によって測定されるものであってもよいこと、及び「ヨウ素価」がヨウ素法にもっぱら限定されるものとして解釈されるべきものではないことが、本明細書において意図される。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、脂肪酸化合物の混合物を含んでよい。脂肪酸化合物の融点によって、脂肪酸化合物がルーメン環境下で不活性であることが保証されるように、脂肪酸成分の脂肪酸化合物を選択してよい。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、ルーメン安定性脂肪酸を含んでよい。いくつかの実施形態において、脂肪酸化合物は、ルーメン環境の温度未満の融点を有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が約40℃以上で融解する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が約50℃以上で融解する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が約60℃以上で融解する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が約63℃で融解する。
脂肪酸化合物は、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸無水物、又は脂肪酸アルコールを含んでよい。
脂肪酸塩は、任意の酸付加塩であってよく、この酸付加塩としては、以下のものが含まれるが、これらに限定されない:ハロゲン酸塩、例えば、臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、フッ化水素酸塩、及びヨウ化水素酸塩など;無機酸塩、例えば、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、及びリン酸塩など;有機酸塩、例えば、スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、又はp−トルエンスルホン酸塩)、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、ムチン酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、シュウ酸塩、及びマレイン酸塩など;及びアミノ酸塩、例えばアスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩など。酸付加塩は、一酸付加塩又は二酸付加塩、例えば、二ハロゲン化水素酸塩、二硫酸塩、二リン酸塩、又は二有機酸塩などであってよい。全ての場合において、酸付加塩はアキラル試薬として使用される。このアキラル試薬は、本開示の生産物の特定の光学的異性体との相互作用又は本開示の生産物の特定の光学的異性体の沈殿についての、任意の予想される又は既知の選好に基いて選択されるものではない。
脂肪酸エステルは、例えば、RCOOR'の形の脂肪酸エステルを含む。Rは、任意の飽和又は不飽和アルキル基であってよく、これには、C10、C12、C14、C16、C18、C20、及びC24が含まれるがこれらに限定されない。R'は、約1〜約1000の炭素原子を有し、ヘテロ原子を有する又は有しない、任意の基であってよい。いくつかの実施形態において、R'は、約1〜約20、約3〜約10、及び約5〜約15の炭素原子を有してよい。ヘテロ原子は、N、O、S、P、Se、ハロゲン、Si、及びBを含んでよいが、これらに限定されない。例えば、R'は、C1−6アルキル、例えばメチル、エチル又はt−ブチルなど;C1−6アルコキシC1−6アルキル;ヘテロシクリル、例えばテトラヒドロフラニルなど;C6−10アリールオキシC1−6アルキル、例えばベンジルオキシメチル(BOM)など;シリル、例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル及びt−ブチルジフェニルシリルなど;シンナミル;アリル;ハロゲン、シリル、シアノ又はC1−6アリール(ここで、このアリール環は、非置換であるか、又はC1−7アルキル、C1−7アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ及びCF3からなる群より選択される1、2又は3の残基によって置換されている)によって一、二又は三置換されたC1−6アルキル;又は9−フルオレニルによって置換されたC1−2アルキルであってよい。
本明細書で使用されるように、脂肪酸アミドは一般に、脂肪酸がアミド基に結合している脂肪酸のアミドを含んでよい。例えば、脂肪酸アミドは、RCONR'R''の式を有してよい。Rは、任意の飽和又は不飽和アルキル基であってよく、これには、C10、C12、C14、C16、C18、C20、及びC24が含まれるがこれらに限定されない。R'及びR''は、約1〜約1000の炭素原子を有し、ヘテロ原子を有する又は有しない、任意の基であってよい。いくつかの実施形態において、R'は、約1〜約20、約3〜約10、及び約5〜約15の炭素原子を有してよい。ヘテロ原子は、N、O、S、P、Se、ハロゲン、Si、及びBを含んでよいがこれらに限定されない。例えば、R'及びR''はそれぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ハロゲン化アルキル、又はヘテロシクロアルキル基であってよい。
脂肪酸無水物は一般に、脂肪酸とカルボン酸との縮合から生じる化合物を指し得る。脂肪酸無水物を形成するのに使用することができるカルボン酸の例示的な例としては、酢酸、プロピオン酸、安息香酸などが含まれる。
脂肪酸アルコールは、3−30の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和ラジカル基、及び1又は複数のヒドロキシ基を有する脂肪酸を指す。このアルコール成分のアルキル部分は、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、などが可能である。当業者は、他のアルコール基もまた本開示において有用であり得ることを理解するだろう。
脂肪酸成分は、パルミチン酸化合物を含んでよい。パルミチン酸化合物は本開示によって限定されず、共役パルミチン酸、非共役パルミチン酸、遊離パルミチン酸、及びパルミチン酸誘導体のうち1又は複数を含んでよい。パルミチン酸は、ヘキサデカン酸としても知られ、CH3(CH2)14CO2Hの分子式を有する。パルミチン酸誘導体の非限定的な例としては、パルミチン酸エステル、パルミチン酸アミド、パルミチン酸塩、パルミチン酸カーボネート、パルミチン酸カルバメート、パルミチン酸イミド、及びパルミチン酸無水物が含まれる。いくつかの実施形態によれば、パルミチン酸化合物は、遊離パルミチン酸、パルミチン酸トリグリセリド、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、又はパルミチン酸アンモニウムを含んでよい。
パルミチン酸化合物は、脂肪酸成分中に、脂肪酸成分の少なくとも約90質量%の量で、存在してよい。いくつかの実施形態において、パルミチン酸化合物は、脂肪酸成分中に、脂肪酸成分の少なくとも約98質量%の量で、存在してよい。一実施形態において、脂肪酸成分は、少なくとも98質量%の遊離パルミチン酸を含んでよい。一実施形態において、脂肪酸成分は、約100%のパルミチン酸化合物から成ってよい。言い換えれば、脂肪酸成分はパルミチン酸である。一実施形態において、遊離パルミチン酸が、プリル化ビーズ形状である。別の実施形態において、遊離パルミチン酸が、フレーク形状である。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、ステアリン酸化合物を含んでよい。ステアリン酸化合物は本開示によって限定されず、共役ステアリン酸、非共役ステアリン酸、遊離ステアリン酸、及びステアリン酸誘導体を含んでよい。ステアリン酸は、オクタデカン酸としても知られ、CH3(CH2)16CO2Hの分子式を有する。ステアリン酸誘導体の特定の例は、ステアリン酸エステル、ステアリン酸アミド、ステアリン酸塩、ステアリン酸カーボネート、ステアリン酸カルバメート、ステアリン酸イミド、及びステアリン酸無水物を含んでよい。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分はステアリン酸化合物を実質的に含有しない。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、パルミチン酸化合物及びステアリン酸化合物から本質的に成る。いくつかの実施形態において、ステアリン酸化合物が、遊離ステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸アンモニウムを含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が、遊離パルミチン酸及び遊離ステアリン酸から本質的に成り、この遊離パルミチン酸と遊離ステアリン酸との質量:質量比率が約10:1〜約1:10である。いくつかの実施形態において、この比率が約6:4〜約4:6である。いくつかの実施形態において、この比率が約8:2〜約2:8である。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が5質量%以下の水分レベルを有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が1質量%以下の水分レベルを有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が0.01質量%以下の水分レベルを有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が0.01質量%以上の水分レベルを有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が5質量%以下の不けん化物を含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が3質量%以下の不けん化物を含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸成分が1.5質量%以下の不けん化物を含む。
いくつかの実施形態において、脂肪酸成分は、1又は複数の遊離脂肪酸及び/又は糖脂質を含んでよい。
図1のブロック102を参照すると、飼料材料は、1又は複数の炭水化物成分、1又は複数の窒素成分、又は炭水化物成分と窒素成分の両方を含んでよい。飼料材料の炭水化物成分は一般に、糖、デンプン、又は穀物のうち少なくとも1種類を含んでよい。炭水化物飼料材料の非限定的な例としては、モラセス、サトウダイコンパルプ、サトウキビ、小麦ふすま、オート麦殻、穀物殻、ダイズ殻、ピーナッツ殻、木、醸造所副生産物、飲料工業副生産物、かいば、粗飼料、サイレージ、モラセス、糖、デンプン、セルロース、ヘミセルロース、小麦、トウモロコシ、オート麦、ソルガム、キビ、大麦、大麦繊維、大麦殻、大麦ミドリング粉、大麦ふすま、麦芽用大麦ふるいかす、麦芽用大麦及び微粉、モルト細根、トウモロコシふすま、トウモロコシミドリング粉、トウモロコシの穂軸、トウモロコシふるいかす、トウモロコシ繊維、キビ、コメ、米ぬか、コメミドリング粉、ライ麦、ライコムギ、醸造用穀物、コーヒー粉砕物、茶葉微粉、柑橘果物パルプ、外皮残渣、藻類、藻類ミール、及び微細藻類が含まれる。窒素飼料材料の非限定的な例としては、微細藻類、油種子ミール、大豆ミール、豆ミール、ナタネミール、ヒマワリミール、ココナツミール、オリーブミール、亜麻仁ミール、ブドウ種子ミール、乾燥醸造かす固体、カメリナミール、カメリナ圧搾物、綿実ミール、綿実圧搾物、亜麻仁圧搾物、パームミール、パーム核ミール、パーム圧搾物、ナタネ圧搾物、ジャガイモタンパク質、オリーブパルプ、ソラマメ、エンドウ、小麦胚、トウモロコシ胚、トウモロコシ胚圧縮繊維ミール残渣、トウモロコシ胚タンパク質ミール、ホエータンパク質濃縮物、ミルクタンパク質スラリー、ミルクタンパク質粉末、及び動物タンパク質が含まれる。いくつかの実施形態において、飼料材料は、粗飼料、サイレージ、穀物、又は油種子ミールを含んでよい。いくつかの実施形態において、飼料材料は、多糖、オリゴ糖、セルロース、ヘミセルロース、リグノセルロース、糖、又はデンプンを含んでよい。いくつかの実施形態において、飼料材料が木に由来する。いくつかの実施形態において、飼料材料は、サトウダイコンパルプ、サトウキビ、小麦ふすま、オート麦殻、穀物殻、ダイズ殻、ピーナッツ殻、醸造所副産物、酵母誘導体、草、干し草、種子、果物の皮、果物パルプ、豆類、植物系飼料原料、小麦、トウモロコシ、オート麦、ソルガム、キビ、藻類、又は大麦を含む。いくつかの実施形態において、飼料材料は、大豆ミール、豆ミール、ナタネミール、ヒマワリミール、ココナツミール、オリーブミール、亜麻仁ミール、ブドウ種子ミール、綿実ミール、又はそれらの混合物を含む。
図1のブロック104を参照すると、界面活性剤は、少なくとも1種類の乳化剤を含んでよい。乳化剤は、反芻動物飼料混合物をペレットに成形するステップを、容易にするように又は妨害しないように、構成してよい。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、少なくとも1種類の非イオン乳化剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、乳化剤の親水親油バランス(HLB)値は、約5、約7、約10、約14、又はこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値又は範囲(終点を含む)であってよい。HLB値のサンプル範囲は、約5〜約10、約5〜約14、約7〜約10、約7〜約14、少なくとも約7、及び約10以下を含む。
HLB値は、界面活性剤の親水性又は親油性の程度の指標を提供する。HLB値は、界面活性剤分子のある特定の領域に値を割り当てることによって、公式により決定することができる。HLB値は、例えば、グリフィン法を含むいくつかの周知の方法のうちの1つによって決定することができる。
界面活性剤は、以下のものを含んでよいがこれらに限定されない:レシチン、大豆レシチン、セファリン、ヒマシ油エトキシレート、ソルビタンモノオレアート、タローエトキシレート、ラウリン酸、ポリエチレングリコール、カルシウムステアロイルジラクテート、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル、ポリエチレングリコールエステル、糖エステル、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、又は乳酸化モノグリセリド、ポリオキシエチレンステアレート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、アンモニウムホスファチド、脂肪酸のナトリウム塩又はカリウム塩又はカルシウム塩、脂肪酸のマグネシウム塩、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの酢酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの乳酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドのモノアセチル酒石酸エステル及びジアセチル酒石酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの酢酸エステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの酒石酸エステル、脂肪酸のスクロースエステル、スクログリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリグリセロールポリリシノレエート、脂肪酸のプロパン−1,2−ジオールエステル、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドと相互作用した熱酸化大豆油、ナトリウムステアロイル−2−ラクチラート、カルシウムステアロイル−2−ラクチラート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノパルミテート、又はそれらの任意の誘導体若しくは組み合わせ。
図1のブロック104を参照すると、少なくとも1種類の液体成分が第2の混合物中で使用される。いくつかの実施形態において、液体成分は水を含む。いくつかの実施形態において、液体成分は、90体積%以上の水を含む。いくつかの実施形態において、液体成分は、98体積%以上の水を含む。いくつかの実施形態において、液体成分は、99.5体積%以上の水を含む。いくつかの実施形態において、液体成分は糖原性前駆体を含む。いくつかの実施形態において、液体成分が、グリセロール、プロピレングリコール、グリセリン、プロパンジオール、ポリオール、蒸留粕又はモラセスを含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤と脂肪酸成分との質量:質量比率が、約1:1000〜約1:5である。いくつかの実施形態において、界面活性剤と脂肪酸成分との質量:質量比率が、約1:50〜約1:35である。いくつかの実施形態において、界面活性剤と液体成分との質量:質量比率が、約1:1〜約1:100である。いくつかの実施形態において、界面活性剤と液体成分との質量:質量比率が、約1:10である。いくつかの実施形態において、界面活性剤と液体成分との体積:体積比率が、約1:1〜約1:100である。いくつかの実施形態において、界面活性剤と液体成分との体積:体積比率が、約1:10〜約1:30である。
図1に示される方法に従って調製された反芻動物飼料混合物は、ブロック102及び104に記載される成分に限定されない。他の成分が、本明細書に記載されるいくつかの実施形態に係る反芻動物飼料混合物中に含まれてよい。例えば、1又は複数の栄養物成分が、混合ステップ(ブロック106)の前、最中、又は後に反芻動物飼料混合物に添加されてよい。いくつかの実施形態において、栄養物が液体である場合にはブロック104において、又は栄養物が固体成分である場合にはブロック102において、1又は複数の栄養物成分を混ぜ合わせてよい。しかしながら、固体及び液体は、いずれのステップにおいても添加することができる。代替的に、ブロック106において、栄養物をミキサーに別々に添加してよい。
加えて、飼料材料は以下のものを含み得るが、これらに限定されない:カルニチン、少なくとも1種類の糖原性前駆体、少なくとも1種類のビタミン、少なくとも1種類のミネラル、少なくとも1種類のアミノ酸、少なくとも1種類のアミノ酸誘導体、少なくとも1種類の抗酸化剤、少なくとも1種類のプレバイオティクス、少なくとも1種類のプロバイオティクス、少なくとも1種類の微量元素、少なくとも1種類の抗生物質、又はそれらの任意の組み合わせ。いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、ある量のカルニチンを含んでよい。カルニチンは、反芻動物において脂肪酸の分解を助けて、代謝エネルギーを発生するために、飼料材料中に含まれてよい。いくつかの実施形態において、カルニチンは、予混合組成物中に存在してよい。
糖原性前駆体の非限定的な例は、グリセロール、プロピレングリコール、モラセス、プロピオン酸ナトリウム、グリセリン、プロパンジオール、ポリオール、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸、オクタン酸、水蒸気爆砕おがくず、水蒸気爆砕木材チップ、水蒸気爆砕麦かん、藻類、藻類ミール、微細藻類、又はそれらの組み合わせのうち、少なくとも1種類を含んでよい。糖原性前駆体は、一般に、反芻動物飼料混合物に含まれて、エネルギー源を反芻動物に提供してよい。これにより、反芻動物の体内で糖新生が起こることが防止される。反芻動物飼料混合物中の糖原性前駆体の量は、変えてよい。
ビタミンは、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンC、及びビタミンKのうちの1つ又は任意の組み合わせを含んでよいが、これらに限定されない。ビタミンBの特定の例としては、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ビオチン(ビタミンB7)、葉酸(ビタミンB9)、コバラミン(ビタミンB12)、及びコリン(ビタミンBp)が含まれる。反芻動物飼料混合物中のビタミンの量は、変えてよい。
いくつかの実施形態において、アミノ酸は、一般的、非一般的、必須アミノ酸、非必須アミノ酸の任意の組み合わせを含んでよく、このようなアミノ酸には以下のものが含まれるがこれらに限定されない:カルニチン、ヒスチジン、アラニン、イソロイシン、アルギニン、ロイシン、アスパラギン、リシン、アスパラギン酸、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニン、グルタミン、トリプトファン、グリシン、バリン、オルニチン、プロリン、セレノシステイン、セリン、チロシン、セレノメチオニン、及び/又はそれらの任意の誘導体。アミノ酸は、一般に、反芻動物飼料混合物中に含まれて、反芻動物の様々な生理的プロセスにおいて栄養的補助機能を提供してよく、栄養的補助機能としては、例えば、筋肉質量を増加させる、エネルギーを提供する、又は回復を補助するなどがある。いくつかの実施形態において、アミノ酸は、予混合組成物中に存在してよい。反芻動物飼料混合物中のアミノ酸の量は、変えてよい。
いくつかの実施形態において、ミネラルは、安全であると一般に認識されている(GRAS)ミネラルである任意のミネラル又はそのようなミネラルの組み合わせであってよい。ミネラルはさらに、生体利用可能なミネラルを提供する任意のミネラル源から得てもよい。いくつかの実施形態において、ミネラルは、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、リン、亜鉛、セレン、マンガン、鉄、コバルト、銅、ヨウ素、及びモリブデンのうち1又は複数であってよい。ミネラルは、アミノ酸キレート化ミネラル若しくはグリシン化ミネラル又はセレン酵母を含んでよい。いくつかの実施形態において、ミネラルは、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、カリウム塩、鉄塩、亜鉛塩、硫酸銅、酸化銅、セレン、及びキレート化ミネラルのうち1又は複数から選択してよい。ナトリウム塩の例示的な例としては、リン酸一ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、及び亜セレン酸ナトリウムが含まれる。カルシウム塩の例示的な例としては、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、ヨウ素酸カルシウム、ヨードベヘン酸カルシウム、酸化カルシウム、無水硫酸カルシウム、硫酸カルシウム無水物、リン酸二カルシウム、リン酸一カルシウム、及びリン酸三カルシウムが含まれる。例示的なマグネシウム塩としては、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムが含まれる。例示的なコバルト塩としては、酢酸コバルト、炭酸コバルト、塩化コバルト、酸化コバルト、及び硫酸コバルトが含まれる。マンガン塩の例示的な例としては、炭酸マンガン、塩化マンガン、クエン酸マンガン、グルコン酸マンガン、オルトリン酸マンガン、酸化マンガン、リン酸マンガン、及び硫酸マンガンが含まれる。カリウム塩の例示的な例としては、酢酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ化カリウム、及び硫酸カリウムが含まれる。鉄塩の例示的な例としては、クエン酸鉄アンモニウム、炭酸鉄、塩化鉄、グルコン酸鉄、酸化鉄、リン酸鉄、ピロリン酸鉄、硫酸鉄、及び還元鉄が含まれる。亜鉛塩の例示的な例としては、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛、及び硫酸亜鉛が含まれる。反芻動物飼料混合物中のミネラルの量は、変えてよい。ミネラル、ビタミン、及びアミノ酸の源として、酵母を提供することができる。反芻動物飼料混合物中の酵母の量は、変えてよい。
いくつかの実施形態において、抗酸化剤は、エトキシキン(1,2−ジヒドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、安息香酸、アスコルビン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、クエン酸、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、エリソルビン酸、ギ酸、メチルパラベン、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、プロピルパラベン、グアヤク脂(resin guaiae)、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、塩化第一スズ、二酸化硫黄、THBP(トリヒドロキシ−ブチロフェノン)、TBHQ(第3級−ブチルヒドロキノン)、チオジピン酸、トコフェロール、ポリフェノール、カロテノイド、フラボノイド、フラボン、キノン、又はそれらの誘導体を含む。
いくつかの実施形態において、抗酸化剤は、フラボノイド、フラボン、又はキノンを含んでよい。
いくつかの実施形態において、プレバイオティクス薬剤は、フラクトオリゴ糖、イヌリン、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、酵母、酵母の成分、酵母エキス、又はそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、プロバイオティクス薬剤は、乳酸生産細菌、生酵母細胞、酵母培養物、又はプロテアーゼ及びアミラーゼなどの酵素を含む。
いくつかの実施形態において、抗生物質は、モネンシン、バンベルマイシン、ラサロシド、サリノマイシン、精油、アルカロイド、セスキテルペン、テルペン、又はそれらの誘導体を含む。いくつかの実施形態において、抗生物質は、モネンシンを含んでよい。
図1のブロック102を参照すると、第1の混合物は、脂肪酸成分及び飼料材料を、従来のバッチミキサーなどで混ぜ合わせて作製される。いくつかの実施形態において、第1の混合物は固体から形成される。いくつかの実施形態において、第1の混合物が、12質量%以下の水分レベルを有する。いくつかの実施形態において、第1の混合物が、10質量%以下の水分レベルを有する。いくつかの実施形態において、第1の混合物が、約1質量%〜約12質量%の水分レベルを有する。いくつかの実施形態において、第1の混合物が、10mm以下、又は約20mm以下の粒子径を有する固体を含む。いくつかの実施形態において、第1の混合物が、約10μm〜約8mm、又は約10μm〜約10mmの粒子径を有する固体を含む。
図1のブロック104を参照すると、第2の混合物は、界面活性剤及び少なくとも1種類の液体成分を混ぜ合わせて作製される。いくつかの実施形態において、界面活性剤及び液体の最初に形成される混合物は、その混合物をホモジナイザーに1又は複数回通すことによって、又はインライン投与装置を使用することによって、ホモジナイズしてよい。いくつかの実施形態において、第2の混合物がエマルジョンである。いくつかの実施形態において、界面活性剤及び水を噴霧混合物として使用することができ、この噴霧混合物は、第1の混合物を含むミキサー内に噴霧される。噴霧混合物は、界面活性剤及び水から本質的に成ることができる。又は噴霧混合物は、界面活性剤及び水から成ることができる。すなわち、噴霧混合物は、界面活性剤及び水のみを含むことができる。しかしながら、追加の液体成分が存在する場合、追加の液体成分を第2の混合物中に混ぜ合わせることができる。いくつかの実施形態において、第2の混合物は周囲温度で調製される。いくつかの実施形態において、第2の混合物は、脂肪酸成分が融解するのに十分な温度以上の温度で調製される。
図1のブロック106を参照すると、反芻動物飼料混合物は、第1の混合物を第2の混合物と混ぜ合わせることにより調製してよい。例えば、第1の混合物及び第2の混合物は、ミキサーで、例えば従来のバッチミキサーで混ぜ合わせてよい。第1の混合物はバッチミキサーで生成することができ、次いで、第2の混合物を、バッチミキサー中の第1の混合物に適用する。代替的に、第1の混合物及び第2の混合物は、それぞれの別々のミキサーで調製される。次いで、第1の混合物及び第2の混合物を、第3のミキサーで混ぜ合わせる。
いくつかの実施形態において、第1の混合物と第2の混合物との混合は、液体として形成される第2の混合物を第1の混合物上に噴霧することを含む。いくつかの実施形態において、第2の混合物が、1500μm以下の粒子径を有するミストの状態で第1の混合物内に噴霧される。いくつかの実施形態において、第2の混合物が、約1μm〜約1500μmの粒子径を有するミストの状態で第1の混合物内に噴霧される。いくつかの実施形態において、第2の混合物が、20秒間以上の時間にわたり、第1の混合物内に噴霧される。いくつかの実施形態において、第2の混合物が、約20秒間〜約60秒間の時間にわたり、第1の混合物内に噴霧される。いくつかの実施形態において、第2の混合物が、約30秒間〜約40秒間の時間にわたり、第1の混合物内に噴霧される。いくつかの実施形態において、混合(ブロック106)が周囲温度で実施される。いくつかの実施形態において、混合が、脂肪酸成分が融解するのに十分な温度で実施される。いくつかの実施形態において、混合が室温で実施される。脂肪酸成分が融解する温度以上の温度で反芻動物飼料混合物を調製することによって、脂肪酸成分はゆっくりと融解し、界面活性剤の助けにより飼料材料の表面に均一に広がることができる。いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、室温で又はほぼ室温で(例えば、約20℃)調製し、それに続いて、脂肪酸成分が融解する温度以上の温度に加熱してよい。
第1の混合物及び第2の混合物の混合(ブロック106)は、反芻動物飼料混合物をもたらす。いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、約0.001質量%〜約10質量%の界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、約0.01質量%〜約5質量%の界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、約2質量%〜約50質量%の脂肪酸成分を含む。いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、約3質量%〜約15質量%の脂肪酸成分を含む。いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、約10質量%〜約20質量%の脂肪酸成分を含む。いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、約10質量%の脂肪酸成分を含む。
図1に示される方法などの本明細書に記載される実施形態にしたがって調製される反芻動物飼料混合物は、より安定性であり且つ反芻動物によってより消化されやすいものであることができ、そのためにミルク生産、乳脂肪含量、又はそれらの両方が向上する。このようにして、反芻動物は、反芻動物飼料混合物を摂取して、ミルク生産及び/又は乳脂肪含量を向上させることができる。
図1のブロック108を参照すると、反芻動物飼料混合物を調製する方法は、任意選択的に、ブロック102において飼料材料を脂肪酸成分と混ぜ合わせる前に、飼料材料を粉砕するステップを含んでよい。飼料材料を粉砕するステップは、飼料材料のサイズを約1mm〜約10mmの平均粒子径に減少させてよい。飼料材料は、約0.001mm、0.01mm、0.1mm、1mm、2mm、7mm、又は10mmの粒子径、又はこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の範囲(終点を含む)、例えば0.1mm〜7mm、又は0.1mm〜10mm、又は1mm〜1.5mmの粒子径に粉砕してよい。脂肪酸成分の粉砕は任意選択である。
ブロック106の後、反芻動物飼料混合物は、ペレットに成形してよい。図2を参照すると、反芻動物飼料混合物をペレットに成形するためのプロセスは、反芻動物飼料混合物を、コンディショニング時間の間スチームコンディショニングして、スチームコンディショニングされた反芻動物飼料混合物をスチームコンディショニング温度で提供するステップ(ブロック110)、及びスチームコンディショニングされた反芻動物飼料混合物をペレットにプレスする又は押し出すステップ(ブロック112)を含む。いくつかの実施形態において、コンディショニング時間が、約15秒間〜約30分間である。いくつかの実施形態において、コンディショニング時間が、約30秒間〜約30分間である。いくつかの実施形態において、コンディショニング時間が、約15分間〜約30分間である。いくつかの実施形態において、スチームコンディショニング温度が、脂肪酸成分が融解するのに十分な温度以上である。いくつかの実施形態において、スチームコンディショニング温度が、約65℃〜約75℃である。いくつかの実施形態において、スチームコンディショニング温度が、約73℃〜約75℃である。いくつかの実施形態において、プレスする又は押し出すステップ(ブロック112)の後に、ペレットが、約78℃以上に達する。いくつかの実施形態において、プレスする又は押し出すステップ(ブロック112)の後に、ペレットが、約81℃以上に達する。
図2のブロック114を参照すると、ペレットにプレスする又は押し出すステップ(ブロック112)の後に、ペレットを、ブロック114において、周囲温度に冷却してよい。
図3を参照すると、反芻動物飼料混合物及びペレットを作製するためのシステムの1つの実施形態が示されている。いくつかの構成要素は示されていないことを理解されたい。反芻動物飼料混合物及び食餌組成物を作製するという目的を達成するために、いくつかのシステム構成要素を再配置し、他の構成要素で置換し、又は完全に省くことができることも理解されたい。このシステムは、第1のミキサー(ブロック304)を含む。ここで、第1のミキサーは、10以下のヨウ素価を有する脂肪酸成分を含む第1の混合物及び少なくとも1種類の飼料材料を含む。いくつかの実施形態において、第1のミキサーは、パドルミキサー又はリボンミキサーを含むことができる。このシステムは、第2のミキサー(ブロック302)を含む。ここで、第2のミキサーは、界面活性剤を含む第2の混合物及び少なくとも1種類の液体成分を含み、ここで第2のミキサーが第1のミキサーと連通している。代替的に、システムは、第1の混合物を混合するための追加のミキサー(ブロック330)を含んでよい。第1の混合物は次いで、第1のミキサー(ブロック304)内に移動され、ここで第1の混合物を第2の混合物と混ぜ合わせる。システムは、スチームコンディショニング容器(ブロック306)を含んでよく、このスチームコンディショニング容器は第1のミキサーと連通している。ここで、スチームコンディショニング容器は、反芻動物飼料混合物を含み、この反芻動物飼料混合物は第1の混合物及び第2の混合物を含む。システムは、ペレットプレッサー、エクストルーダー、又はエキスパンダー(ブロック308)を含んでよく、このペレットプレッサー、エクストルーダー、又はエキスパンダーは、スチームコンディショニング容器(ブロック306)と連通している。いくつかの実施形態において、ペレットプレッサーが、リングダイプレッサーを有する。いくつかの実施形態において、ペレットプレッサーが、フラットダイプレッサーを有する。
図4を参照すると、リングダイプレッサーが概略的に示されている。リングダイを利用するリングダイプレッサーが、示されていない他の構成要素を含むことができることを理解されたい。一般に、リングダイ402は内径及び外径を有し、それらの差が個々のダイチャネル406の厚さを確定する。リングダイ402は中空の中心を有し、この中空の中心に1又は複数のギヤ404が存在することができる。ギヤ404は、リングダイ402の内部で回転し、反芻動物飼料混合物410をプレスして複数のダイチャネル406の外に押し出す。ナイフ412は、ダイチャネルから押し出される反芻動物飼料混合物を削り取り、個々のペレット408を生産することができる。いくつかの実施形態において、リングダイ402は、直径が約4mm〜約6mmのダイチャネル406を有する。いくつかの実施形態において、リングダイは、約40mm〜約120mm厚のダイチャネル406を有する。
再び図3を参照すると、システムは、1又は複数の飼料材料を貯蔵するための貯蔵サイロ(ブロック316)を含んでよい。それぞれ異なる飼料材料は、異なるサイロに別々に貯蔵してよい。サイロは、飼料材料を正確な割合でサイロの外に適切に計量するための、計量器を備えてよい。サイロに貯蔵される(ブロック316)前に、穀物の形態の飼料材料を、予備粉砕機によって予備粉砕してよい(ブロック318)。ブロック318の予備粉砕機は、飼料材料成分を一つずつ、それらを貯蔵する前に、別々に粉砕するように構成してよい。例えば、予備粉砕機は、窒素成分を単独で、且つ炭水化物成分を単独で粉砕するように構成してよい。代替的に、全ての飼料材料を予備粉砕機で共に粉砕することができる。
貯蔵場所(ブロック316)から、飼料材料を、粉砕機(ブロック304)、ミキサー(ブロック330)、又はミキサー(ブロック304)内に計量してよい。
脂肪酸成分(ブロック312)は、飼料材料とは別々に貯蔵し計量することができる。脂肪酸成分は、正確な割合で、ミキサー(ブロック330)、粉砕機(ブロック314)、又はミキサー(ブロック304)内に計量することができる。
いくつかの実施形態において、第1の混合物を第2の混合物と混ぜ合わせる前に、第1の混合物を粉砕することが望ましい場合がある。そのような場合において、ミキサー(ブロック330)において、脂肪酸成分を飼料材料と混ぜ合わせて、第1の混合物を形成することができ、次いで、第1の混合物を粉砕機(ブロック314)内に供給する。代替的に、ミキサー(ブロック330)を省くことができ、粉砕機(ブロック314)に入る際に、飼料材料とは別々に、脂肪酸成分を計量することができる。脂肪酸成分は粉砕されないが、飼料材料は粉砕されることが望まれる別の構成において、ミキサー(ブロック330)は省かれる。そのため、飼料材料は貯蔵サイロ(ブロック316)から粉砕機(ブロック314)に入る。粉砕機(ブロック314)から出た飼料材料は、次いでミキサー(ブロック304)において脂肪酸成分と混合されて、第1の混合物を提供する。
予備粉砕機(ブロック318)は、飼料材料を様々なサイズに、例えば、粒子径(例えば、ミリメートルで測定される粒子径)、メッシュサイズ、表面積、などに粉砕するように構成してよい。飼料材料は、約1ミリメートル、約2ミリメートル、約5ミリメートル、約7ミリメートル、約10ミリメートル、及びこれらの値のうちの任意の2つの間の値又は範囲(終点を含む)の粒子径に粉砕してよい。第1の混合物も粉砕機(ブロック314)において粉砕される場合、第1の混合物は、約1ミリメートル、約2ミリメートル、約5ミリメートル、約7ミリメートル、約10ミリメートル、及びこれらの値のうちの任意の2つの間の値又は範囲(終点を含む)の粒子径に粉砕してよい。いくつかの実施形態において、様々な固体成分は、飼料材料に基づいて、様々な粒度分布を有してよい。
予備粉砕及び粉砕(ブロック318及び314)は、当業者に公知の様々な粉砕装置、例えばハンマーミル、ローラーミル、ディスクミル、などによって実施してよい。粉砕機(ブロック318、314)は、材料の粒子径を減少させる及び/又は材料を細かく砕くための任意のプロセス、例えば、破砕、マッシュ、衝撃付与、ハンマー打ち、切断、などを含んでよい。粉砕は、様々な利益を提供し得る、例えば、反芻動物飼料混合物のある特定の特性を向上し得る。例えば、均一且つ微細な粒子径は、様々な飼料材料の混合及びペレット化を向上し得る。ある特定の実施形態によれば、粉砕は、飼料材料の粒子径を減少させるように、例えば、消化管内の酵素に対して開かれた表面積を増加させるように、構成してよい。このことは、栄養物の消化率を向上させ、飼料の嗜好性を増加させ得る。
ミキサー(ブロック302)を参照すると、界面活性剤(ブロック310)及び液体(ブロック311)を混ぜ合わせて第2の混合物を提供する。液体原材料は、1又は複数の液体成分タンクに貯蔵してよい。一つの実施形態において、第2の混合物は、噴霧によりミキサー(ブロック304)に送達される。この目的のために、第2の混合物は、ミキサー(ブロック302)から、ミキサー(ブロック304)に配置された様々な噴霧ノズルを通してポンプで送られてよい。噴霧ノズルの設計及び十分量の圧力は、混合物が噴霧されるときにミストを生じることができる。
いくつかの実施形態において、ミスト小滴は、約1μm、約2μm、約5μm、約10μm、約20μm、約25μm、約50μm、約60μm、約80μm、約100μm、約500μm、約1000μm、及び約1500μmの平均直径を有してよい。いくつかの実施形態において、流体小滴は、約1μm〜約2μm、約1μm〜約5μm、約1μm〜約10μm、約10μm〜約20μm、約10μm〜約50μm、約20μm〜約60μm、約25μm〜約80μm、約1μm〜約100μm、約10μm〜約100μm、約50〜約100μm、約25μm〜約100μm、約1μm〜約200μm、約50μm〜約200μm、約1μm〜約500μm、約50μm〜約500μm、約100μm〜約500μm、約1μm〜約1000μm、約100μm〜約1000μm、約500μm〜約1000μm、約1μm〜約1500μm、約500μm〜約1500μm、約1000μm〜約1500μm及びこれらの値のうち任意のものの間の任意の範囲(終点を含む)の平均直径を有してよい。
ミキサー(ブロック304)を参照すると、そこで生産される反芻動物飼料混合物を回収して(ブロック332)、様々な反芻動物食餌組成物の作製に使用することができる。
いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、ペレットを作製するために使用される。そのような場合において、システムは、ブロック306、308、322、324、326、及び328をさらに含んでよい。ミキサー(ブロック304)の後、反芻動物飼料混合物は、ペレット化槽(示されず)に貯蔵してよく、このペレット化槽では、温度及び相対湿度を制御することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、反芻動物飼料混合物は、ペレット化槽を迂回して、直接スチームコンディショニング容器(ブロック306)に移動してよい。スチームコンディショニング容器は、ボイラー(ブロック326)からスチームを受け取る。このスチームは、ペレット化プロセスの前に反芻動物飼料混合物をコンディショニングするのに使用される。
スチームコンディショニングされた反芻動物飼料混合物は、ペレットプレッサー又はエクストルーダー(ブロック308)を使用して、ペレットにプレスして又は押し出してよい。結果として得られるプレスされたペレットは、約5〜約6mmの直径及び約60mmの厚さを有してよい。しかしながら、他のサイズを使用することもできる。
プレスの後に、ペレットをペレットドライヤー(ブロック322)中に置いてよい。ブロワ(ブロック328)は、ペレットドライヤーにおいて使用される周囲空気又は冷却除湿空気を吹き付けることができる。
乾燥されたペレットを次いで、複数の篩を介してサイズにより分類して、特定のサイズのペレットを選択してよい。完成したペレットは、サイロ(ブロック324)に貯蔵し、その後出荷のためにバルク積み又はバッグ積みしてよい。バルク積みは、例えば、ペレットを直接輸送車両に積むことを含み得る。バッグ積みは、バッグに反芻動物飼料混合物ペレットを充填することを含み得る。
反芻動物飼料混合物から作製される反芻動物食餌組成物は、反芻動物に給餌するときに使用することができる。いくつかの実施形態において、反芻動物において乳脂肪含量又はミルク生産を増加させる方法は、本明細書に記載される反芻動物飼料混合物を含む食餌組成物を、摂取のために反芻動物に、ペレットの形態で又は他の方法で、提供するステップを含んでよい。反芻動物食餌組成物は、乾燥粒子、ペレット、懸濁液、ペースト、又はエマルジョンの形態であることができる。いくつかの実施形態において、反芻動物に消費させるために、食餌組成物を反芻動物に提供することによって、ミルクの生産の増加、又は生産されるミルクの脂肪含量の増加、又はそれらの両方がもたらされ得る。これらの増加は、一般に、食餌組成物を受け取らない同様の反芻動物、食餌組成物を受け取らない同様の反芻動物の平均、又は食餌組成物が提供されない場合の同じ反芻動物のミルク生産量及び脂肪含量の平均と関連し得る。いくつかの実施形態において、ミルク生産は、質量パーセント又は体積パーセントで、約0.2%〜約10%(例えば、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、又はこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値又は範囲(終点を含む)を含む)の量だけ増加し得る。いくつかの実施形態において、乳脂肪含量は、食餌組成物を摂取していない反芻動物と比較して、質量パーセント又は体積パーセントで、約0.1%〜約5%(例えば、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、約1%、約2%、又はこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値又は範囲(終点を含む)を含む)の量だけ増加し得る。
反芻動物により生産されるミルクの乳脂肪含量を増加させる方法は、反芻動物飼料混合物を、摂取のために反芻動物に提供するステップ、及び反芻動物が反芻動物飼料混合物を摂取した後に、反芻動物からミルクを回収するステップであって、反芻動物から回収されるミルクが、反芻動物が反芻動物飼料混合物を摂取する前のミルクと比較して、より高い乳脂肪含量を有するステップ、を含んでよい。反芻動物は、ウシ、ヤギ、又はヒツジが可能である。
反芻動物によるミルク生産を増加させる方法は、反芻動物飼料混合物を、摂取のために反芻動物に提供するステップ、及び反芻動物が反芻動物飼料混合物を摂取した後に、反芻動物からミルクを回収するステップであって、反芻動物からのミルク生産が、反芻動物が反芻動物飼料混合物を摂取する前のミルク生産と比較して、より高い、ステップ、を含んでよい。反芻動物は、ウシ、ヤギ、又はヒツジが可能である。
本明細書の説明では、添付の図面が参照され、この添付の図面は本明細書の一部を形成する。図面において、文脈により別途指示されない限り、同様のシンボルは、典型的には、同様の構成要素を特定する。詳細な説明、図面、及び請求項において説明される例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本明細書に提示される発明の内容の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用してよく、他の変更を行ってよい。本明細書に一般的に記載され、図面に示される本開示の態様は、幅広い様々な構成で配置し、置換し、組み合わせ、分離し、設計することができ、これらの全てが本明細書において明示的に企図されることが、容易に理解されるだろう。
本開示は、本出願において記載された特定の実施形態に関して限定されるものではなく、このような実施形態は、様々な態様の例示として意図される。当業者には明らかであるように、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの改変及び変形を行うことができる。本明細書中で列挙したものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価な方法及び装置が、先の説明から当業者には明らかであろう。このような改変及び変形は、添付の請求項の範囲内に入ることが意図される。本開示は、添付の請求項、及び当該請求項が権利を与えられるものと同等のものの範囲全体によってのみ限定されるべきものである。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物又は生物学的システムに限定されず、当然変化し得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
本明細書における、複数形、単数形、又はそれらの両方の使用に関して、当業者は、文脈に応じて、複数形を単数形へ変換し、単数形を複数形へ変換し、又はそれらの両方を行うことができる。明確にするために、様々な単数形/複数形の並べ替えを、本明細書に明示的に記載することができる。
一般に、本明細書で使用される用語、及び特に添付の請求項(例えば、添付の請求項の本文)において使用される用語は、「オープンな」用語として一般に意図されることが、当業者に理解されるであろう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むが、これらに限定されない」として解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する」として解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むが、これらに限定されない」として解釈されるべきである、など)。様々な組成物、方法、及び装置は、様々な構成要素又はステップを「含む(comprising)」として説明されている(「含むが、これらに限定されない」という意味として解釈される)一方で、組成物、方法、及び装置はまた、様々な構成要素及びステップ「から本質的に成る(consist essentially of)」又は「から成る(consist of)」ことも可能であり、このような用語は、本質的に閉じたメンバー群を定義するものと解釈されるべきである。導入された請求項の発明特定事項について、特定の数が意図される場合、そのような意図は明示的に請求項中で特定され、そのような特定の非存在下では、そのような意図は存在しない、と当業者は理解するであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項は、請求項の発明特定事項を導入するために、導入フレーズ「少なくとも1種類の」及び「1又は複数の」の使用を含んでよい。しかしながら、このようなフレーズの使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の発明特定事項の導入が、そのような導入された請求項の発明特定事項を含む任意の特定の請求項を、そのような発明特定事項を1つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではない。これは、同じ請求項が、導入フレーズ「1又は複数の」又は「少なくとも1種類の」及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含むときでさえそうである(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1種類の」又は「1又は複数の」を意味すると解釈されるべきである。)。またこれは、請求項の発明特定事項を導入するために定冠詞が使用される場合についても同様である。加えて、導入された請求項の発明特定事項について特定の数が明示的に特定されている場合であっても、当業者は、そのような発明特定事項が、少なくともその特定された数存在することを意味すると解釈されるべきであることを認識するだろう(例えば、他の修飾語のない「2の『発明特定事項』」という特定は、その発明特定事項が少なくとも2存在すること、又はその発明特定事項が2以上存在することを意味する。)。「A、B、又はC、などのうち少なくとも1種類」に類似した表現法が使用される場合に、一般に、このような構成の意図する意味は、当業者によってこの表現法が理解されるときの意味と同じである(例えば、「A、B、又はCのうち少なくとも1種類を有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、A及びB、A及びC、B及びC、及び/又はA、B、及びC、などを有するシステムを含むが、これらに限定されない。)。明細書、特許請求の範囲、又は図面のいずれにおいても、2以上の選択的な用語を提示する任意の離接的な語及び/又はフレーズは、事実上、用語のうち1つ、いずれかの用語、又は両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきである、ということが当業者にさらに理解されるだろう。例えば、フレーズ「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解される。
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群により説明されている場合、これにより本開示が、マーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバー又はサブグループによっても説明される、ということを当業者は認識するだろう。
当業者により理解されるように、説明を記載することなどの任意の及び全ての目的のために、本明細書中に開示される全ての範囲はまた、任意の及び全ての可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組み合わせを包含する。任意の列挙された範囲が、十分に説明を提供するものであり、その同じ範囲が少なくとも2等分、3等分、4等分、5等分、10等分、などに分割できるものであると、容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書中で論じられる各範囲は、下位3分の1、中位3分の1及び上位3分の1、などに容易に分割することができる。これも当業者により理解されるように、「最大」、「少なくとも」、などのすべての言葉は、特定された数を含み、上で論じられるような部分範囲に後で分割することができる範囲を指す。最後に、当業者により理解されるように、ある範囲は、それぞれの個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1−3のセルを有する群は、1、2、又は3のセルを有する群を指す。同様に、1−5のセルを有する群は、1、2、3、4、又は5のセルを有する群を指す、などとなる。
上記に開示される様々な特徴及び機能、並びに他の様々な特徴及び機能、又はそれらの代替物は、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わせてよい。当業者は後で、様々な現在予期せぬ又は不測の代替、改変、変形又は改良を本発明に行ってよい。これらの代替、改変、変形又は改良のそれぞれもまた、開示される実施形態によって包含されることが意図される。