JP6530667B2 - 血液浄化システム - Google Patents

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Description

本発明は、多人数用透析液供給装置(以下、「セントラル」と言うこともある。)と、複数の透析用監視装置(以下、「モニター」と言うこともある。)とを有するセントラル透析液供給方式(CDDS: Central Dialysis fluid Delivery System)の血液浄化システムに関し、とくに、その血液浄化システムにおけるモニターの濃度測定手段の監視と補正に関するものである。
血液透析療法における透析液の供給方法は、大きく分けて“個別供給方式”と”セントラル供給方式”の二つの方式がある。
個別供給方式は、患者ごとに割り当てられる個人用透析装置 (以下、「個人機」と言うこともある。) に、透析液調製機能を有する手段まで搭載されたものである。個人機に市販の透析用A原液と透析用B原液の容器を接続して、逆浸透式精製水製造装置 (以下、「RO装置」と言うこともある。) から供給されるRO水と、A原液と、B原液とを決められた比率で調合(:調製)することで、ダイアライザ等の血液浄化器に供給される透析液が得られる。
セントラル供給方式は、多人数用透析液供給装置(セントラル)で一度に大量の透析液を調製して、患者毎に割り当てられた透析用監視装置(モニター)へ供給する。 モニターは、ダイアライザ等の血液浄化器に供給される透析液の濃度や温度、患者の状態等をモニタリングする機能を有し、個人機のような透析液調製機能は持たない。
セントラル供給方式の血液浄化システムには、透析用粉末剤を溶解してA原液、B原液を作製する溶解装置が組み込まれることが多い。
個別供給方式では、患者の病状や体質等に応じて、透析液の組成を微妙に調整できるという利点はあるものの、原液タンクの人手による運搬をはじめとする医療スタッフの負荷や、多機能である個人機とモニターとの価格差およびメンテナンス性などを比較すると、セントラル供給方式の方に利点が多く存在し、セントラル供給方式が日本国内では主流のシステムとなっている(但し、海外では個別供給方式が主流)。
近年は、50床以上という多数の透析治療用ベッドを設置する医療施設も珍しくなくなり、さらにオンラインHDF(Hemo Dialysis Filtration)と称される、透析中に輸液を行いその分の液も濾過して除去していく、従来の透析よりも多くの透析液が必要な血液浄化療法も普及しており、一度に大量の透析液を作製できるセントラル供給方式は、今後も普及していくと考えられる。
セントラル供給方式では、RO装置や溶解装置から透析用水(RO水)と透析液原液を供給されたセントラルが、例えば、A原液:B原液:RO水 =1:1.26:32.74のような、製薬メーカーが指定した比率で調合して透析液にする。
医療スタッフは、セントラルで正しい組成の透析液が調製されているかどうかを、透析治療を開始する前に、浸透圧、電解質濃度等を測定して確認することが日常の業務となっている。
ところで、浸透圧や電解質濃度の測定は、サンプリングした透析液を用いて専用の測定機器で行うものであり、通常、透析治療を実施しながら連続的に測定することはできない。このため、透析液の連続的な管理を行うためには、電導度測定による濃度管理が行われることが多い。
したがって、医療スタッフの透析開始前の業務として、透析液の浸透圧・電解質濃度とともに電導度を測定し、透析治療を開始してからは、この電導度によって透析液の濃度に異常が無いかどうかを連続的に監視する。 この監視に、実際には複数の電極を接液させて抵抗値を測定する電導度計が用いられているが、この電導度計は、この分野においては一般的には“濃度計”と呼ばれている(透析液の電導度は電解質濃度、主にNaイオンの濃度と相関があるため、このような方法が採用されている。 実際には温度による影響も大きいため、液温も測定して補正を行っている)。
上記のように電導度を測定するタイプの濃度計は、基本的に精度は高いものの 本来は検査機器ではなく、また、接液した電極の劣化などにより感度が落ちることもあるため、透析液の浸透圧・電解質濃度に対して濃度計の測定値がずれていた場合は、サンプリングした透析液を用いて専用の測定機器で測定された浸透圧や電解質濃度に合わせて濃度計を補正することになる。
この濃度計はモニターにも設置されており、モニターからダイアライザへ透析液が供給される最終段階での濃度チェックを行う。
前述したような、セントラルの濃度計の異常確認や補正は頻繁に行われるが、透析システム内の数十台にのぼる全てのモニターの濃度計の異常確認や補正を日々実施することは、医療スタッフの業務負荷が過大になるため現実的ではない。
特許文献1には、透析システム内の複数のモニターの濃度センサによって検出された濃度を受送信して、それぞれの濃度を比較することで、濃度センサをはじめとする血液浄化手段(モニターや個人機)の異常を監視可能なシステムが開示されている。
特開2012−249749号公報
しかし、特許文献1に開示されているような従来のシステムでは、モニターの濃度計は、異常が発生してからでなければ補正が行われることは無く、一旦異常が発生すれば治療の中断を免れなかった。
また、異常とは判定しない許容範囲内のずれであっても、セントラルから同じ透析液が供給されているにも関わらず、システム内のモニター間で、表示される透析液濃度値が異なるということは、医療スタッフや患者に不安感や不信感を与えることになる。
そこで本発明の課題は、医療スタッフの負荷を増やすことなく、日常業務において、高い信頼性で補正が行われるセントラルの濃度計での測定に基づき、システム内のそれぞれのモニターの濃度計の適切な監視と補正が可能な血液浄化システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る血液浄化システムは、血液浄化要素が接続され透析液を使用して血液浄化を行う透析用監視装置(モニター)を複数有し、透析液を調製し前記複数の透析用監視装置のそれぞれに透析液を供給可能な多人数用透析液供給装置(セントラル)を有する血液浄化システムにおいて、前記複数の透析用監視装置と前記多人数用透析液供給装置のそれぞれに透析液の濃度を測定する濃度測定手段が設けられ、前記多人数用透析液供給装置の濃度測定手段による濃度測定情報を前記複数の透析用監視装置に送信する送信手段が設けられているとともに、個別の透析用監視装置に、多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報と個別の透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報とを比較する濃度比較手段が設けられていることを特徴とするものからなる。
このような本発明に係る血液浄化システムにおいては、セントラルで所定の透析液が調製されてモニターへ送液されながら、同時に、セントラルの濃度測定手段による濃度測定情報(測定値情報)がモニターに送信される。それぞれのモニターでは、受入れた透析液の濃度に関して、セントラルから送信されてきた濃度測定情報と自身の濃度測定手段による濃度測定情報とが、自身に設けられている濃度比較手段によって比較される。この比較により、厳密に管理されたセントラルの濃度測定手段による濃度測定情報が正確な測定値であり比較の基準となり得ることを前提として、各モニターにおける濃度測定手段による濃度測定情報が正確な測定値に比べどの程度異なるかを、個別のモニター側のそれぞれにおいて、実質的に連続的にかつ精度よく判定することが可能になる。したがって、この比較、判定に基づいて、各モニターの濃度測定手段の異常監視と、各モニターにおける濃度測定情報の適切な補正を行うことが可能になる。これら異常監視や濃度測定情報の適切な補正は自働で行うことが可能であり、医療スタッフの負荷を増やすことなく、血液浄化システムの信頼性の高い管理が、とくに、患者側の末端側装置である各モニターにおける透析液濃度の信頼性の高い管理が、たとえモニターの台数が多い場合にあっても、容易に行われるようになる。
上記本発明に係る血液浄化システムにおいては、上記濃度比較手段によって比較される、多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報と個別の透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報との間に予め設定された許容差異を超える差異が有る場合には、透析用監視装置の濃度測定手段に異常があると判定する異常判定手段が透析用監視装置に設けられていることが好ましい。すなわち、前述したように、多人数用透析液供給装置から所定の濃度に調製された同じ透析液が複数の透析用監視装置に供給されているにもかかわらず、個別の透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報が多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報に対し変動することがある。そして、両濃度測定情報間に予め設定された許容差異を超える差異が有る場合には、その透析用監視装置側の濃度測定手段に異常があると判定される。この判定に基づき、透析の中断等の安全な処置が採られ得る。
このとき、上記異常判定手段により異常が有ると判定された場合にその異常を知らせる表示手段または/および警報手段が透析用監視装置に設けられていると、より安全性が高められるとともに、処置を施す医療スタッフの負荷も軽減される。
また、上記本発明に係る血液浄化システムにおいては、上記濃度比較手段によって比較される、多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報と個別の透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報との間に予め設定された許容差異を超える差異が無い場合には、多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報を基準に透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報を補正する補正手段が透析用監視装置に設けられていることが好ましい。すなわち、前述したように、多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報が正確な測定情報であり比較の基準となる情報であることを前提に、透析用監視装置側の濃度測定手段による濃度測定情報が補正手段によって、望ましくは自働で、補正されるのである。この補正により、各透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報は、常に、多人数用透析液供給装置から送信されてくる比較基準値としての濃度測定情報に一致され、個々の透析用監視装置における濃度測定情報の信頼性が大幅に向上されることになる。
上記のような補正が行われる構成において、上記多人数用透析液供給装置が、複数種の透析液を調製して個別の透析用監視装置に供給可能に構成されているとともに、上記送信手段が、複数種の透析液の複数の濃度測定情報を個別の透析用監視装置に送信可能に構成されていると、上記補正手段は、多人数用透析液供給装置から送信されてくる複数の濃度測定情報に基づいて透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報を補正することが可能になる。すなわち、個別の透析用監視装置において、多人数用透析液供給装置から送られてくる複数種の透析液の複数の濃度測定情報に基づいて、2点補正、あるいは多点補正が行われる。このようにすれば、より高精度に補正され、個々の透析用監視装置における濃度測定情報の信頼性が著しく向上されるとともに、透析用監視装置間の濃度測定情報のずれも極めて小さく抑えられる。
また、上記本発明に係る血液浄化システムにおいては、上記多人数用透析液供給装置には、透析液の濃度の許容範囲を設定可能な濃度許容範囲設定手段が設けられていることが好ましい。また、上記個別の透析用監視装置にも、透析液の濃度の許容範囲を設定可能な濃度許容範囲設定手段が設けられていることが好ましい。すなわち、透析液の濃度は常に一定であるとは限らず、種々の要因によって変動する可能性があるため、透析の継続に支障が生じない濃度範囲である濃度許容範囲を、多人数用透析液供給装置、個別の透析用監視装置に設定しておくことが好ましい。この濃度許容範囲から外れないようにシステムが管理、運用されることが好ましい。
このように、本発明に係る血液浄化システムによれば、医療スタッフの日常業務において高い信頼度で管理、補正が行われる多人数用透析液供給装置の濃度測定手段による濃度測定情報を基準として、システム内のそれぞれの個別の透析用監視装置の濃度測定手段を監視することができるようになり、透析治療を開始する前に個別の透析用監視装置において的確に異常を発見することができる。
また、多人数用透析液供給装置側で行っている日々の濃度測定手段の補正と同等の信頼性の高い補正を、システム内のそれぞれの個別の透析用監視装置で、実質的に同時に、しかも自動で実施することが可能になる。
また、多人数用透析液供給装置で調製された異なる複数の濃度の透析液を用いることで、より高精度の補正を、システム内のそれぞれの個別の透析用監視装置の濃度測定手段に対して、実質的に同時に、しかも自動で実施することが可能になり、透析用監視装置間で透析液濃度の表示値が大きくずれることを防止できる。
さらに、多数の透析用監視装置を有するシステムにあっても、多人数用透析液供給装置から同じ透析液が供給されるにもかかわらず各透析用監視装置で透析液濃度の表示値がばらついて患者や医療スタッフに不安や不信感を与えることがあるという問題が解消されるとともに、信頼性の高い多人数用透析液供給装置からの濃度測定情報にシステム内の各透析用監視装置での透析液濃度表示を実質的に一致させることが可能になるので、台数の多い透析用監視装置の管理に費やす労力を大幅に軽減できるようになる。
本発明の一実施態様に係る血液浄化システムの概略機器系統図である。 図1の血液浄化システムにおける多人数用透析液供給装置(セントラル) の概略機器系統図である。 図1の血液浄化システムにおける透析用監視装置(モニター)と血液浄化要素(ダイアライザ)を示す概略機器系統図である。 透析用監視装置における透析液濃度補正の一例を示す電導度と濃度の関係図である。 透析用監視装置における透析液濃度補正の別の例を示す電導度と濃度の関係図である。
以下に、本発明に係る血液浄化システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る血液浄化システム100(本実施態様では、血液透析システム)を示しており、図示の血液浄化システム100は、1台の多人数用透析液供給装置(セントラル)5と、それに接続された複数の透析用監視装置(モニター)6を有している。
図1に示す血液浄化システム100においては、給水源1から導入された原水は、逆浸透式精製水製造装置(RO装置)2で不純物を取り除き、高純度で高い清浄度のRO水にされてから、セントラル5と粉末剤溶解装置3、4に供給される。
粉末剤溶解装置は、A粉末剤溶解装置3とB粉末剤溶解装置4で構成され、医療スタッフによって供給された透析用粉末剤A、Bを、それぞれRO水と規定の比率で希釈して、透析液用のA原液およびB原液を作製して、セントラル5へ供給する。このときの原液の濃度は、溶解装置の溶解タンクにおいて容積比混合した後に、電導度を検出しながらRO水または粉末剤を少量ずつ加えて微調整して、規定の濃度の原液とするのが一般的である。
セントラル5では、A原液とB原液とRO水を、例えば、1:1.26:32.74という、製薬メーカーが定めた容積比率で調合(調製)して、所定の透析液を作製する。すなわち、図2にも示すように、A粉末剤溶解装置3からA原液ライン8を介して供給されるA原液と、B粉末剤溶解装置4からB原液ライン9を介して供給されるB原液と、RO装置2からRO水ライン7を介して供給されるRO水が、透析液調製装置21で所定の透析液に調製される。
医療スタッフは、透析治療を開始する前に、調製された透析液をセントラル5からサンプリングし、浸透圧や電解質濃度等を測定して、透析液の組成に問題が無いかどうかを確認する。
また、セントラル5には、セントラル5における濃度測定手段22(濃度計)による電導度測定によって得られた電導度(単位;mS/cm)または電導度から換算したNaイオン濃度(単位;mEq/L)が、透析液濃度として表示手段25の表示画面に表示される。
このとき、サンプルで測定された浸透圧や電解質濃度と比較して、セントラル5での濃度表示値が整合していない場合、補正手段23を介して、濃度測定手段22(濃度計)のセル定数をセントラル5の操作画面で補正し、浸透圧や電解質濃度の測定結果に合わせるという方法で補正する。
また、透析治療中、透析液の濃度は常に一定であるとは限らず、温度変化や、放置時間や、溶解装置の原液作成濃度の誤差等、様々な影響によって変動する可能性があるため、通常は透析治療の継続に支障を及ぼす恐れが無い範囲として、濃度許容範囲を設定しておくのが一般的であり、本実施態様では、この濃度監視機能を持たせるために、セントラル5に濃度許容範囲設定手段24が搭載されている。このため、透析治療中の透析液濃度は、許容濃度範囲の上限から下限のあいだで変動することが許され、この上下限を外れた場合は、セントラル5によって、透析液濃度異常と判断され、表示手段25に表示されるとともに、透析液原液等の受入れまたは透析液の供給が停止されるようになっている。
通常は、これと並行して、サンプリングした透析液の清浄度や、配管内洗浄時に用いた洗浄剤成分が残っていないことなどを確認して、透析液を供給できる準備が完了する。
本実施態様では、セントラル5の濃度測定手段22(濃度計)の補正が終了した後、透析液が各モニター6に透析液ライン10を通して送液されるとともに、この透析液についての、補正された濃度測定情報が通信ライン11(図1)を介してセントラル濃度測定情報信号11a(図2)として個別のモニター6に送信される。
各モニター6では、図3に示すように、透析液ライン10を通して供給されてきた透析液が透析液受入要素31に受け入れられ、透析液受入要素31の透析液が透析液回路32を通して循環ポンプ33の作動により血液浄化要素(ダイアライザ)34へと供給され、ダイアライザ34で血液浄化に使用された使用済透析液が使用済透析液受入要素35に受け入れられた後、排液ライン36を通して排液される。本実施態様では、透析液回路32の使用済透析液回路側に除水ポンプ37が設けられており、必要に応じて除水できるようになっている。なお、図示は省略するが、透析液回路32には、上記機器以外にも、必要に応じて流量計や切替弁が設けられる。
血液浄化要素(ダイアライザ)34は、血液回路38に接続され、ダイアライザ34では、内部に設けられた透析膜、例えば、内部に充填された多数本の中空糸膜形態の透析膜を介して、血液回路38中に流される血液と透析液回路32中に流される透析液との間で透析処理が行われ、血液浄化が行われる。
個別のモニター6では、供給されてきた透析液の濃度が濃度測定手段39(濃度計)で電導度測定によって得られた電導度または電導度から換算したNaイオン濃度として測定され、この個別のモニター6における濃度測定手段39による濃度測定情報が、セントラル5からセントラル濃度測定情報信号11aとして受信した濃度測定情報と、濃度比較手段40によって比較される。このとき、個別のモニター6における濃度測定手段39による濃度測定情報は、セントラル濃度測定情報信号11aとして受信したセントラル5の濃度測定情報を正しい濃度測定情報として、比較される。
本実施態様では、濃度比較手段40による比較結果に対して、異常判定手段41が設けられており、異常判定手段41では、セントラル5から送信されてくる濃度測定情報と個別のモニター6の濃度測定手段39による濃度測定情報との間に予め設定された許容差異を超える差異が有る場合には、個別のモニター6側の濃度測定手段39に異常があると自動で判定される。個別のモニター6側の濃度測定手段39に異常があると判定された場合には、後述の如く、異常表示や警報発生等が個別のモニター6において適切に行われる。
後述の個別のモニター6の濃度測定手段39による濃度測定情報の補正に関しても同様であるが、上記濃度比較手段40による比較のための基準はあくまで 厳密に管理されたセントラル5の濃度測定手段22とそれによる濃度測定情報であり、このセントラル5側の管理さえ適切に行われていれば、個別のモニター6について個々に上記のような異常判定が行われることにより、台数の多いモニター6の管理に費やす労力が大幅に増えることはなく、逆に、台数の多いモニター6の管理に費やす労力は大幅に軽減されることになる。換言すれば、安全な透析治療のため、透析治療開始前にセントラル5で調製した透析液の濃度や組成を、電導度や浸透圧や電解質濃度を基準にして補正することは、日々行われている業務であるため、このセントラル5側での濃度測定情報を個別のモニター6側で利用しても、医療スタッフの作業負荷が増加することはない。
また、本実施態様では、上記異常判定手段41で、セントラル5から送信されてくる濃度測定情報と個別のモニター6の濃度測定手段39による濃度測定情報との間に予め設定された許容差異を超える差異が無いと判定された場合にあっても、セントラル5から送信されてくる濃度測定情報を基準にモニター6の濃度測定手段39による濃度測定情報を補正可能な補正手段42が個別のモニター6に設けられている。
また、この補正手段42による補正においては、前述の如く、2点補正、あるいは多点補正を行ってより高精度な補正を実現するために、セントラル5を複数種の透析液を調製して個別のモニター6に供給可能に構成しておくとともに、複数種の透析液の複数の濃度測定情報を個別のモニター6に送信可能に構成しておくことにより、上記補正手段42は、セントラル5から送信されてくる複数の濃度測定情報に基づいて個別のモニター6の濃度測定手段39による濃度測定情報を補正することが可能になる。これらの補正の具体的な例については、図4、図5を用いて後述する。
また、本実施態様では、図3に示すように、前述のセントラル5におけるのと同様に、透析治療中、透析液の濃度は常に一定であるとは限らず、様々な影響によって変動する可能性があることを考慮して、個別のモニター6にも、濃度許容範囲設定手段43が搭載されている。このため、透析治療中の透析液濃度は、許容濃度範囲の上限から下限の間で変動することが許され、この上下限を外れた場合は、個別のモニター6においても透析液濃度異常と判断され、透析液の供給、モニター6の運転が停止可能となっている。
上記濃度許容範囲設定に際しては、例えば、以下の3つの濃度を設定するのが理想的であり、これは前述のセントラル5においても適用可能な概念である。
(1)標準濃度;実際に透析療法に用いる透析液の濃度。
(2)下限濃度;予め設定される濃度範囲の下限の濃度。 この濃度を下回った場合、透析装置が下限異常の警報を発する濃度。
(3)上限濃度;この濃度を上回った場合、透析装置が上限異常の警報を発する濃度。
前述の補正手段42によって補正された透析液濃度や透析液濃度異常と判断された場合の異常判定結果は、表示手段44に表示される。このとき、必要に応じて警報を発することができるようにしておいてもよい。
次に、補正手段42による具体的な補正について、図4、図5を用いて例示する。
図4において、検量線Mが補正前のモニター6の濃度測定手段39(濃度計)の検量線であり、セントラル5から送信された、濃度表示をDと表示すべき透析液の電導度値をSとしたとき、モニター6の濃度計の検量線では濃度をDと表示するべき電導度値がSであっても、Sが正しいものとして検量線Mを検量線Nにシフトする(a点からb点にシフトする)。このような補正により、個別のモニター6においても、医療スタッフの日常業務において高い信頼度で管理、補正が行われるセントラル5の濃度測定手段による濃度測定情報と一致した検量線を得ることができる。
ただし、SとSとが、あまりにもかけ離れている場合は、モニター6の濃度計に異常があるものとして警報等を発することができるようにしておく。このときの許容範囲は、例えば、予めモニター6に設置された異常判定手段41または濃度許容範囲設定手段43で設定できるようにしておけばよい。透析液濃度異常と判定された場合には、透析液の供給または受入れが停止される。
上述したような、検量線の傾きを保ったままの一点補正方法においては、モニター6の検量線とセントラル5の検量線の傾きが一致していない場合でも、上下限濃度のずれを最小にするため、補正時に使用する透析液濃度は、実際に透析治療に用いる、前述したような標準濃度の透析液を使用することが望ましい。
また、セントラル5の濃度測定手段(濃度計)の補正が完了した後、複数の異なる濃度の透析液を作製することで、さらに高精度な補正を行うことが可能になる。
例えば、図5に示すように、セントラル5で濃度D、電導度Sの透析液を作製してモニター6へ送液し、このときのモニター6での測定値(補正前のモニター6の濃度測定手段39(濃度計)の検量線Mから求めた測定値)を記憶した後、続けて濃度D、電導度Sの透析液を作製して送液し、同様にモニター6での測定値を記憶する。 モニター6の濃度計が異常であると判断されるほどの測定値の差異が無い場合は、モニター6の元々の検量線Mに関わらず、セントラル5の濃度計と一致した検量線N(c点、d点を通る検量線)を得ることができる。このような補正により、個別のモニター6において、より高精度に、セントラル5の濃度測定手段による濃度測定情報と一致した検量線を得ることができる。
このように異なる複数の濃度の透析液を作製する場合には、標準濃度に加え、濃度設定範囲の上限あるいは下限の濃度の透析液を使用することが望ましく、さらにこれら全ての濃度の透析液を使用することで、測定レンジの全領域において高精度な、多点補正を行うことも可能となる。
本発明に係る血液浄化システムは、あらゆるセントラル透析液供給方式の血液浄化システムに適用できる。
1 給水源
2 逆浸透式精製水製造装置(RO装置)
3 A粉末剤溶解装置
4 B粉末剤溶解装置
5 多人数用透析液供給装置(セントラル)
6 透析用監視装置(モニター)
7 RO水ライン
8 A原液ライン
9 B原液ライン
10 透析液ライン
11 通信ライン
11a セントラル濃度測定情報信号
21 透析液調製装置
22 濃度測定手段
23 補正手段
24 濃度許容範囲設定手段
25 表示手段
31 透析液受入要素
32 透析液回路
33 循環ポンプ
34 血液浄化要素(ダイアライザ)
35 使用済透析液受入要素
36 排液ライン
37 除水ポンプ
38 血液回路
39 濃度測定手段
40 濃度比較手段
41 異常判定手段
42 補正手段
43 濃度許容範囲設定手段
44 表示手段
100 血液浄化システム

Claims (6)

  1. 血液浄化要素が接続され透析液を使用して血液浄化を行う透析用監視装置を複数有し、透析液を調製し前記複数の透析用監視装置のそれぞれに透析液を供給可能な多人数用透析液供給装置を有する血液浄化システムにおいて、前記複数の透析用監視装置と前記多人数用透析液供給装置のそれぞれに透析液の濃度を測定する濃度測定手段が設けられ、前記多人数用透析液供給装置の濃度測定手段による濃度測定情報を前記複数の透析用監視装置に送信する送信手段が設けられているとともに、個別の透析用監視装置に、多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報と個別の透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報とを比較する濃度比較手段が設けられており、前記濃度比較手段によって比較される、多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報と個別の透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報との間に予め設定された許容差異を超える差異が無い場合には、多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報を基準に透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報を補正する補正手段が透析用監視装置に設けられていることを特徴とする血液浄化システム。
  2. 前記濃度比較手段によって比較される、多人数用透析液供給装置から送信されてくる濃度測定情報と個別の透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報との間に予め設定された許容差異を超える差異が有る場合には、透析用監視装置の濃度測定手段に異常があると判定する異常判定手段が透析用監視装置に設けられている、請求項1に記載の血液浄化システム。
  3. 前記異常判定手段により異常が有ると判定された場合にその異常を知らせる表示手段または/および警報手段が透析用監視装置に設けられている、請求項2に記載の血液浄化システム。
  4. 前記多人数用透析液供給装置は、複数種の透析液を調製して個別の透析用監視装置に供給可能に構成されているとともに、前記送信手段は、前記複数種の透析液の複数の濃度測定情報を個別の透析用監視装置に送信可能に構成されており、前記補正手段は、多人数用透析液供給装置から送信されてくる複数の濃度測定情報に基づいて透析用監視装置の濃度測定手段による濃度測定情報を補正する、請求項1〜3のいずれかに記載の血液浄化システム。
  5. 前記多人数用透析液供給装置に、透析液の濃度の許容範囲を設定可能な濃度許容範囲設定手段が設けられている、請求項1〜のいずれかに記載の血液浄化システム。
  6. 前記個別の透析用監視装置に、透析液の濃度の許容範囲を設定可能な濃度許容範囲設定手段が設けられている、請求項1〜のいずれかに記載の血液浄化システム。
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