<ハードウェア構成>
図1に、本発明の表示制御装置の一例としてのデジタルカメラ10のハードウェア構成の一例を示す。
筺体100は、デジタルカメラ10の構成要素の多くを内包する外装である。各種の操作部や表示部107、外部出力部121は筺体100の表面に露出している。
交換レンズ101は、複数のレンズ群からなる撮影レンズであり、フォーカスレンズ、ズームレンズ、シフトレンズを内部に備えるほか、絞りを含む。
撮像素子102は、光電変換素子を有する画素が複数、二次元状に配列された構成を有する。撮像素子102は、交換レンズ101により結像された被写体光学像を各画素で光電変換し、さらにA/D変換回路によってアナログ・デジタル変換して、画素単位の画像信号(RAW画像データ)を出力する。本実施形態に用いる撮像素子102と、関連する測距部108の詳細は、図2とともに後述する。
NDフィルタ103はレンズに備えられた絞りとは別に入射光量を調整するためにデジタルカメラ10に設けられたものである。
画像処理部118は、撮像素子102に起因するレベル差を補正する。例えば、OB領域(optical black領域)の画素を用いて、有効領域の画素のレベルを補正するほか、欠陥画素に対して周囲画素を用いた補正を行う。また、周辺光量落ちに対する補正、色補正、輪郭強調、ノイズ除去、ガンマ補正、ディベイヤー、圧縮などの各処理を行う。画像処理部118は、撮像素子102から入力されたRAW画像データに対して上記処理を行うと、その他の制御部へ補正した画像データを出力する。
記録媒体I/F部104は、記録媒体105とデジタルカメラ10とのインターフェースであり、記録媒体105に対して、画像処理部118から入力された画像データの記録や記録した画像データの読み出しを制御する。
記録媒体105は、撮影された映像あるいは画像データを記録するための半導体メモリ等で構成される記録媒体であり、記録媒体I/F部104による制御に応じて画像データの記録や記録された画像データの読み出しを実行する。記録媒体105は、着脱可能なメモリーカード等である。なお、内蔵の記録媒体でもよい。
GPU115は、ビデオカメラの各種情報表示やメニュー画面をVRAMに描画するレンダリングエンジンである。文字列や図形の描画機能のほか、拡大縮小描画機能や、回転描画機能、レイヤ合成機能を備えている。VRAMは透過度を表すアルファチャネルを備えており、VRAMに描画された表示物を表示用I/F部106によって撮像画像や再生画像上にオンスクリーン表示することができる。
表示用I/F部106は、画像処理部118からの映像データ(撮影画像、再生画像)およびGPU115でVRAMに描画した表示物に対して、重畳合成およびリサイズ処理を行い、表示部107へ出力する(表示する)。拡大表示モードになっているときは、表示用I/F部106は映像データの部分領域に対して重畳合成およびリサイズ処理を行う。その結果、拡大表示モードでは、通常時よりも拡大された映像が表示部107に表示されるため、撮影者がマニュアルフォーカス(以下、MF)での焦点調整操作をより正確に行いやすくなる。
表示部107は、表示用I/F部106から出力された画像データを画角確認用に表示する筐体100の側から視認可能な外部モニタや、ファインダ内の表示部である。表示部107は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ(Organic Light−Emitting Diode Display)などで構成可能である。
本体マイコン119は、デジタルカメラ10の全体の動作を制御する制御部であり、マイクロコンピュータなどで構成される。本体マイコン119は、CPU119a、ROM119b、RAM119cを備える。CPU119aは、ROM119bに記憶されたプログラムを、RAM119cに展開して実行することにより、後述の各種フローチャートの動作を実行する。
以下に説明するゲイン制御部109、シャッター制御部110、ND制御部111および絞り制御部112は、いずれも露出制御のためのブロックである。これらは、それぞれ画像処理部118の出力した画像データの輝度レベルを本体マイコン119で算出した結果に基づいて、あるいは撮影者がマニュアル設定した動作パラメータに基づいて、本体マイコン119によって制御される。ゲイン制御部109は、撮像素子102のゲインを制御する。
シャッター制御部110は、撮像素子102のシャッタースピードを制御する。
ND制御部111は、NDフィルタ103を介して撮像素子102に入射する光量を制御する。
絞り制御部112は、交換レンズ101の絞りを制御する。
フォーカス制御部113は、本体マイコン119で保持されるフォーカス駆動状態がAF(オートフォーカス)かMF(マニュアルフォーカス)かによって異なる動作を行う。
AFのときは、画像処理部118から出力された画像データを参照して本体マイコン119でフォーカスの合焦情報を算出し、それをもとにフォーカス制御部113が交換レンズ101内部のフォーカスレンズを制御する。あるいは、撮像面位相差検出によって測距部108から出力されたデフォーカス量を元にフォーカス制御部113が交換レンズ101内部のフォーカスレンズを制御する。
画像データの部分領域にAF枠を設定し、AF枠内の被写体のみに基づいてフォーカス情報を算出することもできる。AFは、本体マイコン119の振る舞いによって、さらに2つの動作モードを備えている。一つはワンショットAFモードであり、ワンショットAFキー129が押下されたときだけAF制御を行い、合焦成功または合焦失敗が確定した後はフォーカス制御部113の制御を停止するモードである。もう一つはコンティニュアスAFモード(サーボAF)であり、常にAF制御を行うモードである。ただし、コンティニュアスAFモードであっても、AFロックキー130の押下によってAFロック状態になっているときは、フォーカス制御部113の制御を停止する。2つのモードの切り替えはメニュー画面内の設定変更によって行う。
MFのときは、フォーカス制御部113はAF制御を停止する。この場合、撮影者が交換レンズ101に組み込まれたフォーカスリング134を回転させることによって、任意のフォーカス調整を行うことができる。
防振制御部114は、画像処理部118から出力された画像データを参照して本体マイコン119で被写体の動きベクトルを算出し、算出した動きベクトルをもとに手ブレを相殺するように交換レンズ101内部のシフトレンズを制御する光学式防振処理を行う。あるいは、防振制御部114は手ブレによる像ブレを相殺する方向に動画の各フレームで画像を切り出す電子式防振処理を行う。
メモリI/F部116は、撮像素子102から出力された全画素分のRAW画像データをメモリ117に書き込み、また、メモリ117に保持されたRAW画像データを読み出して画像処理部118に出力する。
メモリ117は、数フレームの全画素分のRAW画像データを格納する揮発性の記憶媒体である。
画像処理部118は、メモリI/F部116から送られた全画素分のRAW画像データに対し、制御に必要な画像処理を行う。
外部出力I/F部120は、画像処理部118からの映像データにリサイズ処理を行う。また、外部出力部121の規格に適した信号変換および制御信号の付与を行い、外部出力部121へ出力する。
外部出力部121は、映像データを外部出力する端子であり、例えばSDI(Serial Digital Interface)端子やHDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)端子である。外部機器であるモニターディスプレイや、外部記録装置が接続可能である。
外部操作用I/F部122は、外部操作部123による制御指示を受信し、本体マイコン119へ通知するインターフェースである。例えば、赤外線リモコン受光部や、無線LAN(Local Area Network)インターフェースや、LANC(登録商標)(Local Application Control bus system)が相当する。
外部操作部123は、外部操作用I/F部122に対して制御指示(制御コマンド)を送信する。筺体100や交換レンズ101に組み込まれた操作部124〜135の各部の操作に相当する指示(コマンド)を送信することができるほか、表示部107で表示するメニュー画面における設定変更情報を送信することができる。
メニューキー124〜AF/MFスイッチ135は操作部であり、キー(ボタン)やダイヤル、タクトスイッチ、リング、タッチパネル等の部材からなる。いずれも撮影者の操作を受けつけ、本体マイコン119に対して制御指示を通知する役割を担っている。メニューキー124〜START/STOPキー133は筺体100に組みつけられている本体側の操作部である。フォーカスリング134とAF/MFスイッチ135は、交換レンズ101に組みつけられているレンズ側の操作部である。これらの操作部の一部は、メニュー画面内の設定によって、キーの役割を交換したり、別の機能にアサインしたりすることも可能である。
メニューキー124は、表示部107にメニュー画面を表示する指示、あるいはすでに開いているメニュー画面を閉じる指示を行う。
十字キー125およびダイヤル126は、どちらもメニュー画面内で項目を選択するためのカーソルを移動したり、フォーカスに関する枠表示を撮影者の望む方向へ移動したりする指示を行う。十字キー125は、上キー、下キー、左キー、右キーよりなる方向キーであり、それぞれ別体の操作部材であってもいいし、同一の操作部材として構成して押下する位置に応じて上下左右の何れか指示が行えるように構成しても良い。ダイヤル126は、時計回りの操作と反時計回りの操作が行える回転操作部材である。
SETキー127は、メニュー画面内でカーソルの当たっている項目を選択したり、各種の設定操作を確定したりする指示を行う。
キャンセルキー128は、メニュー画面で深い階層の選択を行っているときにひとつ前の階層へ戻ったり、各種の設定操作を破棄したりする指示を行う。
ワンショットAFキー129は、AFモードがワンショットAFであるときに、フォーカス制御部113によってAFを駆動する指示を行う。
AFロックキー130は、AFモードがコンティニュアスAFであるときに、フォーカス制御部113による制御を停止させる停止指示、制御停止状態を解除する解除指示を行う。
拡大キー131は、表示部107に表示される映像を拡大したり元に戻したりする指示を行う。
DISPLAYキー132は、本体マイコン119で保持されるDispレベルを変更する指示を行う。選択されたDispレベルに基づいて、表示部107に表示される各種情報表示が制限され、より詳細な情報を表示したり、映像をよりクリアに表示したりすることができる。
START/STOPキー133は、記録媒体I/F部104による記録の開始と停止の指示を行う。
フォーカスリング134は、フォーカス駆動状態がMFであるときに、交換レンズ101内のフォーカスレンズを移動し、フォーカス調整を行うことができる。
AF/MFスイッチ135は、フォーカス駆動状態、すなわちAFとMFを相互に切り替える指示を行う。
<撮像面位相差検出>
図2は、画像センサーとしての撮像素子102の受光面の一部を示している。
撮像素子102は、撮像面位相差AFを可能にするために、一つのマイクロレンズに対して光電変換手段として受光部であるフォトダイオードを2つ保持している画素部をアレイ状に並べている。これにより、各画素部で、交換レンズ101の射出瞳を分割した光束を受光することが可能になっている。
図2(A)は、参考として、赤(R)、青(B)、緑(Gb、Gr)のベイヤー配列例の画像センサー表面の一部の模式図である。図2(B)は、図2(A)のカラーフィルターの配列に対応させて、一つのマイクロレンズに対して光電変換手段としてのフォトダイオードを2つ保持している画素部例である。
こうした構成を有する画像センサーは、各画素部から位相差検出用の2つの信号(以下、A像信号、B像信号ともいう。)を出力できるようになっている。また、2つのフォトダイオードの信号を加算した撮像の記録用の信号(A像信号+B像信号)も出力できるようになっている。この加算した信号の場合には、図2(A)で概略説明したベイヤー配列例の画像センサーの出力と同等の信号が出力される。
このような画像センサーとしての撮像素子102からの出力信号を使って、測距部108が2つの像信号の相関演算を行い、デフォーカス量や各種信頼性などの情報を算出する。デフォーカス量は、A像信号、B像信号のズレに基づき、像面でのデフォーカス量を算出する。デフォーカス量は正負の値を持っており、デフォーカス量が正の値であるか負の値であるかによって、前ピンか後ピンかがわかる。また、デフォーカス量の絶対値によって、合焦までの度合いが分かり、デフォーカス量が0であれば合焦である。すなわち、測距部108は、測距位置(測距領域、焦点検出位置、焦点検出領域)について算出したデフォーカス量の正負を元に前ピンか後ピンかの情報をCPU119aなどに出力する。また、デフォーカス量の絶対値に基づいて、合焦の度合い(ピントのズレの度合い)である合焦度合い情報をCPU119aなどに出力する。前ピンか後ピンかの情報は、デフォーカス量が所定値を超える場合に出力し、デフォーカス量の絶対値が所定値以内である場合には、合焦であるという情報を出力する。なお、合焦度合い情報は、デフォーカス量を、合焦させるまでにフォーカスリング134を回転させる操作量に換算した値として出力する。
なお、本実施形態は撮像用の信号及び位相差検出用の2つの信号の2つの計3つの信号を撮像素子102から出力している。この点、このような方法に限定されない。例えば、撮像用の信号と位相差AF用の像信号の2つの信号のうちの1つの計2つ信号を出力するようにしてもよい。この場合、出力後に位相差検出用の像信号の2つの信号のうちの他の1つの信号は、撮像素子102からの2つの出力信号を利用して算出される。
また、図2では、一つのマイクロレンズに対して光電変換手段としてのフォトダイオードを2つ保持している画素部をアレイ状に並べている例を示した。この点、一つのマイクロレンズに対して光電変換手段としてのフォトダイオードを3つ以上保持している画素部をアレイ状に並べているようにしてもよい。また、マイクロレンズに対して受光部の開口位置が異なる画素部を複数有するようにしてもよい。つまり、結果としてA像信号とB像信号といった位相差検出可能な位相差検出用の2つの信号が得られるようになっていれば足りる。
図3から図6は、デジタルカメラ10が行う制御を示すフローチャートである。なお、これらフローチャートの動作は、本体マイコン119(より詳細にはCPU119a)がROM119bに記憶されたプログラムに基づいて、デジタルカメラ10の各部を制御することによって実現される。
<撮影モード処理>
図3(A),図3(B)は、デジタルカメラ10が撮影モードにあるときの全体的な動作をしたフローチャートである。デジタルカメラ10を起動して撮影モードに設定すると、図3(A)の処理を開始する。
S301では、CPU119aは、表示部107に表示する画面種別を決定する。この処理では、顔検出機能のON/OFF,フォーカスの設定がAFであるかMFであるか、AFの結果合焦したか否か、フォーカスアシストの設定のON/OFF、などの情報に基づき、AF枠、顔枠、フォーカスアシスト枠の表示要否及び表示形態を決定する。この処理の詳細は図4を用いて後述する。
S302では、CPU119aは、S301で決定した画面種別が、フォーカスアシスト表示可能な状態の画面であるか否かを判定する。より詳しくは、後述する図4の処理により、フォーカスアシスト表示:あり、となったか否かを判定する。フォーカスアシスト表示可能な状態であればS303へ進み、そうでない場合はS305へ進む。
S303では、CPU119aは、Dispレベルが情報非表示状態であるか否かを判定する。Dispレベルとは、撮影画像に重畳して表示する各種情報表示を、どの程度詳細に表示するか、どの種別の情報を表示するかがそれぞれ異なる複数段階の情報表示レベルのことである。Dispレベルが情報非表示状態に設定されている場合には、撮像画像に対してどの情報も表示されない。Dispレベルの設定については、S336で後述する。Dispレベルが情報非表示状態である場合にはS305へ進み、それ以外のDispレベルあればS304へ進む。
S304では、CPU119aは、フォーカスアシスト表示処理を行う。この処理は、撮影画像のうち特定の箇所(測距位置、焦点検出位置)の被写体について、測距部108から取得した情報に基づいて、合焦度合いと、合焦させるまでの操作方向を示す表示アイテムであるフォーカスアシストを表示する処理である。この処理の詳細は図5を用いて後述する。
S305では、CPU119aは、フォーカスアシスト表示を行わずに、ライブビュー画像を表示部107に表示する。ライブビュー画像とは、撮像素子102で撮像され、画像処理部118でライブビュー用の画像処理を施された撮像画像であり、所定のフレームレートで逐次更新される画像のことである。
S306では、CPU119aは、ダイヤル126が操作されたか否かを判定する(移動指示受付)。ダイヤル126が操作された場合はS307へ進み、そうでない場合はS308へ進む。
S307は、ダイヤル126の操作に基づいて、測距位置(測距領域、焦点検出位置、焦点検出領域)をジャンプ(複数の特定箇所の何れかに移動)する。例えば、映像を縦横に黄金比(およそ5:8)に分割した交点4箇所のうち、直前の測距位置に最も近い交点からダイヤル126の回転方向に応じた次の交点の位置へジャンプ(測距位置を変更)する。移動した測距位置で、RAM119cに保持された測距位置を更新する。測距位置が移動すると、フォーカスアシストの表示位置も測距位置に連動して移動する。一般に、映像中において主要な被写体を黄金比の交点に配置すると構図が安定するとされている。そのため、黄金比を意識した撮影を行っている場合には、上述の交点4箇所のいずれかに、焦点調節を行うべき被写体を配置している可能性が高い。このように、ダイヤル126の操作に応じて測距位置を黄金比の交点に順次ジャンプするようにすれば、黄金比の交点に配置した焦点調節を行いたい被写体の位置に素早く測距位置を変更することができる。なお、S306、S307の処理は、黄金比の補助線(グリッドライン)を表示している動作モードの場合にのみ行い、そうでない場合には黄金比を意識した撮影とは限らないのでダイヤル126を操作しても測距位置をジャンプしない構成としても良い。また、黄金比の交点に限らず、3分割線の交点や、画面中央などにジャンプするようにしても良い。さらに、表示しているグリッドラインの種別に応じて異なる位置にジャンプするようにしても良い。例えば、黄金比のグリッドラインを表示している場合にはダイヤル126の操作に応じて上述のように黄金比の交点に順次測距位置を移動させる。一方、3分割のグリッドラインを表示している場合にはダイヤル126の操作に応じて3分割線の交点に順次測距位置を移動させる。
S308では、CPU119aは、十字キー125が操作されたか否かを判定する(移動指示受付)。十字キー125が操作された場合にはS309へ進み、そうでない場合はS310へ進む。
S309は、CPU119aは、十字キー125のうち操作されたキーに対応する方向(上下左右の何れかの方向)へ測距位置を一定量移動する。移動した測距位置で、RAM119cに保持された測距位置を更新する。測距位置を移動すると、フォーカスアシスト表示の位置も連動して移動させる。十字キー125が操作され続けた場合(所定時間以上継続して押下された場合)は長さに応じて測距位置の移動速度を加速するようにしてもよい。このようにすると、移動前の測距位置から離れた位置の被写体に対しても素早く測距位置を移動することができる。ダイヤル126の操作に応じた測距位置の移動が、複数の予め定まった位置の何れかに測距位置をジャンプさせる移動であるのに対し、十字キー125の操作に応じた測距位置の移動は、ユーザー画面上の任意の位置に測距位置を移動させる操作である。また、画像処理部118で顔検出制御が行われていれば、十字キー125の操作方向に存在する、検出された顔の位置へ測距位置を移動するようにしてもよい。このようにすれば、離れた顔に対しても即座に測距位置を当てることができる。
なお、S306〜S309で説明したようにユーザーの操作に応じて測距位置を移動できるのは、S314で後述する顔検出機能がOFFとなっている場合に限るものとする。顔検出機能がONとなっている場合には、検出された顔のうち、主顔と判定されている顔の位置に測距位置を連動させる。そのため、顔検出機能がONとなっている場合はユーザーによるダイヤル126の操作や十字キー125の操作が行われても測距位置を移動しない。
S310では、CPU119aは、メニューキー124が押下されたか否かを判定する。メニューキー124が押下された場合はS311へ進み、そうでない場合は図3(B)のS324へ進む。
S311は、CPU119aは、表示部107に、デジタルカメラ10に関する設定項目(メニュー項目)を一覧したメニュー画面を表示する。メニュー画面内では、十字キー125またはダイヤル126によってメニュー項目の何れかを選択し、SETキー127で選択や確定の操作を行うことによって、デジタルカメラ10の各種機能の設定を変更することができる。
S312は、CPU119aは、フォーカスアシスト機能のON/OFF設定を切り替えるメニュー項目が選択され、その項目からフォーカスアシスト機能のON/OFFの切替操作が行われたか否かを判定する。フォーカスアシスト機能のON/OFFの切替操作が行われた場合はS313へ進み、そうでない場合はS314へ進む。
S313では、CPU119aは、フォーカスアシスト機能のON/OFF設定(アシスト表示の表示設定)を変更する。フォーカスアシスト機能がONに設定された場合は、ONに設定されていることを示す情報をROM119bに記録する。フォーカスアシスト機能がOFFに設定された場合は、OFFに設定されていることを示す情報をROM119bに記録する。このようにメニューの設定項目からフォーカスアシスト機能をOFFにした場合は、いずれの場合でもフォーカスアシスト表示を行わない。一方、メニューの設定項目からフォーカスアシスト機能をONにした場合には、常にフォーカスアシストが表示されるわけではなく、AF設定かMF設定かといった条件や、Dispレベルなどの各種条件に基づき、状況によってフォーカスアシスト表示を行う。
S314では、CPU119aは、顔検出機能のON/OFF設定を切り替えるメニュー項目が選択され、その項目から顔検出機能のON/OFFの切替操作が行われたか否かを判定する。切替操作が行われた場合はS315に進み、そうでない場合はS316へ進む。
S315では、CPU119aは、顔検出機能のON/OFF設定の切替操作に基づき、顔検出機能をONまたはOFFに設定し、設定された状態を示す情報をROM119bに記録する。顔検出機能がONになった場合は、撮像されているライブビュー画像(撮影画像)から人物の顔(特定の被写体)の領域を検出する。検出された顔の領域には顔枠を付して表示する。また、AFに設定されている場合には、検出された複数の顔のうち、サイズが大きい、画面中央に近い、登録されている特定個人であると個人認識された等の条件に基づいてもっとも主要な顔と判定された顔(主顔)にAF(顔AF)する。顔検出機能がONに設定され、顔が検出出来た場合には、測距位置を、主顔の位置で上書きする。すなわち、後述するフォーカスアシストを行う位置を、検出された主顔の位置に連動させる。
S316は、AFモード設定を変更するメニュー項目が選択され、AFモードの変更操作が行われたか否かを判定する。本実施形態においては、AFモードとしてワンショットAFとコンティニュアスAFの2つがあるものとする。ワンショットAFは、ユーザーがワンショットAFキー129を1回押下したことに応じて1回のAFを行い、それ以外の場合はフォーカス位置を動かさない動作モードである。ワンショットAFキー129の押下の度にAFを行う。一方コンティニュアスAFは、所定の被写体に対して合焦するように継続してAFを行い続ける動作モードである、ユーザーが操作を行わなくとも、合焦させるべき被写体が動いた場合やデジタルカメラ10が移動した場合にはフォーカス位置が随時調整される。なお、本実施形態ではAFモードとしてこの2種類を例に挙げるが、これに限るものではなく、他のAFモードを選択可能であっても良い。AFモードの変更操作が行われた場合にはS317へ進み、そうでない場合はS320へ進む。
S317では、CPU119aは、AFモードの変更操作に応じて、ユーザーに選択されたAFモード(本実施形態ではワンショットAFとコンティニュアスAFの何れか)に設定する。そして、設定されたAFモードを示す情報を、ROM119bに記録する。
S318では、CPU119aは、画像サイズ設定のメニュー項目が選択され、画像サイズ設定の変更操作が行われたか否かを判定する。画像サイズ設定の変更が行われた場合はS319へ進み、そうでない場合はS320へ進む。
S319は、CPU119aは、ユーザーの操作に応じて画像サイズ設定を変更する。変更された画像サイズ設定の設定値を示す情報を、ROM119bに記録する。撮影・記録が行われた場合、ここで設定された画像サイズで記録される。なお、この処理の詳細は図6を用いて後述する。
S320は、CPU119aは、メニュー画面において、上述のS312〜S319で説明した設定項目以外の設定項目に関して、設定変更操作が行われたか否かを判定する。設定変更操作があった場合はS321へ進み、そうでない場合はS322へ進む。S321では、CPU119aは、S320で行われた操作に応じて設定を変更する。
S322では、CPU119aは、メニュー画面を閉じる操作が行われたか否かを判定する。メニュー画面を閉じる操作とは、メニューキー124が押下されるか、メニューの初期画面でキャンセルキー128を押下するか、もしくはメニュー終了の項目を選択した状態でSETキー127を押下するかのいずれかの操作である。メニュー画面を閉じる操作が行われた場合はS323に進み、そうでない場合はS312に戻って処理を繰り返す。
S323では、CPU119aは、メニュー画面表示を終了し、ライブビュー画面を再表示し、図3(B)のS324に進む。
図3(B)のS324では、CPU119aは、AF/MFスイッチ135によってAFとMFの切替操作が行われたか否かを判定する。AFとMFの切替が行われた場合はS325に進み、そうでない場合はS326へ進む。
S325では、CPU119aは、AF/MFスイッチ135の操作に応じてAFとMFを切り替える。AFに切り替えられた場合には、AFに切り替えられた旨を示す情報をROM119bに記録し、AF設定での動作を開始する。AF設定に切り替えられた場合は、前述のワンショットAFモードとコンティニュアスAFモードとのうち、現在のAFモードが示すモードの動作を行う。
S326では、CPU119aは、AF/MFスイッチ135でAFに設定されており、かつ、AFモードがワンショットAFモードであるか否かを判定する。真であればS327へ、そうでない場合はS329へ進む。
S327は、CPU119aは、ワンショットAFキー129が押下されたか否かを判定する(AF実行指示の受付)。ワンショットAFキー129が押下された場合はS328へ進み、そうでない場合はS329へ進む。
S328では、CPU119aは、AF枠に対応する測距位置の被写体が合焦するように、フォーカス制御部113を制御してAFを行う。
S329では、CPU119aは、AF/MFスイッチ135でAFに設定されており、かつ、AFモードがコンティニュアスAFモードであるか否かを判定する。真であればS330へ進み、そうでない場合はS335へ進む。
S330では、CPU119aは、AFロックキー130の押下によってAFロック状態にあるか否かを判定する。AFロック状態であればS331へ進み、そうでない場合はS332へ進む。AFロック状態では、コンティニュアスAFを行う動作モード中に、一時的にAFを行わずにフォーカス位置を固定している状態である。
S331では、CPU119aは、AFロックキー130が押下されたか否かを判定する(停止指示または解除指示の受付)。AFロックキー130が押下された場合はS332へ進み、そうでない場合はS335へ進む。
S332では、CPU119aは、AFロック状態を解除し、コンティニュアスAFを行い、AF枠に対応する被写体が合焦するようフォーカス制御部113を継続して制御する。
S333では、CPU119aは、AFロックキー130が押下されたか否かを判定する。AFロックキー130が押下された場合はS334へ進み、そうでない場合はS335へ進む。
S334では、CPU119aは、コンティニュアスAFを停止し、AFをロックする(AFロック状態にする)。すなわちフォーカス制御部113によるAF制御を停止する。これによってAFによるフォーカス位置の変更は停止されるが、フォーカスリング134の操作によるマニュアルフォーカスは可能である。
S335では、CPU119aは、DISPLAYキー132が押下されたか否かを判定する。DISPLAYキー132が押下された場合はS336へ進み、そうでない場合はS337へ進む。
S336では、CPU119aは、DISPLAYキー132の押下に応じてDispレベルを切り替える。変更されたDispレベルをROM119bに記録し、変更されたDispレベルに応じた情報表示を行う。
S337では、CPU119aは、拡大キー131が押下されたか否かを判定する。拡大キー131が押下された場合はS338へ進み、そうでない場合はS339へ進む。
S338では、CPU119aは、拡大処理を行う。この処理の詳細は図7を用いて後述する。
S339では、CPU119aは、START/STOPキー133が押下されたか否かを判定する。START/STOPキー133が押下された場合はS340へ進み、そうでない場合はS343へ進む。
S340では、CPU119aは、動画の記録動作中(撮影記録中)であるか否かを判定する。記録動作中あればS342へ進み、そうでない場合(撮影待機中である場合)はS341へ進む。
S341では、CPU119aは、動画記録を開始する。すなわち、撮像素子102で撮像され、画像処理部118で記録用に処理された動画を、所定のファイルフォーマットに従って記録媒体105に動画ファイルとして記録していく。
S342では、CPU119aは、動画記録を停止する。動画記録を停止すると、記録していた動画ファイルに対して属性付与を行ったり、ファイルをクローズするなどの動画終了処理を行う。
S343では、CPU119aは、上記のステップで挙げたイベント以外のイベントが発生したか否かを判定する。その他のイベントがあった場合はS344へ進み、そうでない場合はS345へ進む。S344では、CPU119aは、S343で発生したイベントに対応する処理を行う。
S345では、CPU119aは、撮影モード処理を終了するイベントがあったか否かを判定する。終了イベントがあった場合は撮影モードを終了し、そうでない場合は、S301に戻って処理を繰り返す。終了イベントには、例えば、デジタルカメラ10の電源をオフにする操作、電源電圧低下による電源オフ、撮影待機状態で所定時間無操作だったことに応じたオートパワーオフ、再生モードや通信モードなど撮影モード以外の動作モードに移行する操作などがある。
なお、ユーザーの操作に応じて測距位置を移動できるのは、S314で設定される顔検出機能がOFFとなっている場合に限るものとしたが、顔検出機能がONとなっている場合にもユーザーの操作に応じて測距位置を移動できるようにしてもよい。この場合、S306〜S309で説明したような測距位置を移動させるユーザー操作が行われる前は、測距位置は検出された主顔の位置に連動させる。そして、測距位置を移動させるユーザー操作が行われた場合は、測距位置を主顔の位置と連動することなく、ユーザーの操作に応じて移動させる。ユーザー操作に応じて移動させた後は、測距位置は主顔の位置とは連動しない。その後、測距位置と主顔の位置を連動させる状態に復帰させる復帰操作(リセット操作)が行われると、再び測距位置が主顔の位置となり、その後は測距位置を主顔の位置に連動させる。リセット操作としては、例えばキャンセルキー128を押下するなどが考えられる。この場合、後述するS312でフォーカスアシスト機能をONにしており、フォーカスアシストを表示していた場合には、測距位置と主顔の位置が連動している場合には主顔を示す顔枠は表示しない。測距位置を移動させるユーザー操作が行われた場合は、測距位置を主顔の位置と連動することなく、ユーザーの操作に応じて移動させ、フォーカスアシストの位置も合わせて移動する。それとともに、主顔の位置に主顔を示す顔枠を新たに表示させる。その後復帰操作によって測距位置を主顔の位置に再度連動させると、主顔を示す顔枠を非表示とする。
<画像種別決定処理>
図3(A)のS301で説明した画面種別決定処理の詳細について説明する。まず各種画面種別について説明する。図11(A)〜(G)に、各種表示状態(各種画面種別)の表示部107への表示例を示す。なお、図11(A)〜(G)では省略しているが、Dispレベルが情報非表示以外の場合には、フォーカスアシスト、AF枠(AF領域)、顔枠以外の、Dispレベルに応じた情報がライブビューに重畳して表示される。顔枠以外の、Dispレベルに応じた情報には、グリッドライン、電池残量、残り撮影可能時間等などがある。なお、以下では、S314、S315で説明した顔検出機能がONに設定されている場合を単に顔検出ON、OFFに設定されている場合を単に顔検出OFFと称する。
図11(A)は、顔検出OFFかつMF設定かつフォーカスアシスト機能の設定OFFの場合、及び、顔検出OFFかつAF設定かつワンショットAFモードかつフォーカスアシスト機能の設定OFFの場合の表示例である。このとき、表示部107にはライブビューが表示され、フォーカスアシスト、AF枠、顔枠は表示されない。
図11(B)は、顔検出OFFかつフォーカスアシスト機能の設定ONという条件に加え、MF設定であるか、ワンショットAFモードにおけるAF動作前か、コンティニュアスAFモードにおけるAFロック状態である場合の表示例である。表示部107には、ライブビュー画像に重畳して、フォーカスアシスト1101が表示されている。フォーカスアシスト1101は、フォーカスアシスト1101が表示されている位置(測距位置、焦点検出位置)の被写体について合焦しているか否か、前ピンか後ピンか、合焦度合い(ピントのズレの度合い)を示す表示アイテムである。ユーザーはMFの操作を行う際に、フォーカスアシスト1101を参考にして調整操作を行うことができる。フォーカスアシスト1101の詳細については図8を用いて後述する。
図11(C)は、顔検出OFFかつワンショットAFモードまたはコンティニュアスAFモードでAF動作を行っている最中、あるいは顔検出OFFかつワンショットAFモードでAF動作を行った後の表示部107における表示例である。AF制御(AF動作)の対象となる被写体領域(測距位置、AF位置、焦点検出位置)とAFの制御状態を、AF枠1102を表示することで示している。AF枠1102の位置が、AF動作の対象となる被写体領域(測距位置、AF位置)を示している。AF枠1102の色は、AFの動作状態を示しており、コンティニュアスAFの実行中(連続してAFが動作している状態)とワンショットAFの実行開始から合焦するまでの間は白色で表示され、ワンショットAFの実行により合焦した場合には緑色で表示される。
図11(D)は、AF/MF設定がAFに設定されていて、コンティニュアスAFモードでAFロック状態となった場合に、フォーカスアシスト機能の設定がOFFである場合の表示例である。ライブビュー画像に重畳してAF枠1103が灰色で表示され、AF動作が行われていないことを示している。
図11(E)は、顔検出ONかつワンショットAFモードまたはコンティニュアスAFモードにおいてAF動作を行っている最中か、AF動作を行った後の表示例である。ライブビューに対して顔枠1104、1105、1106が重畳して表示されている。顔枠1104〜1106は、撮像画像から検出された顔の位置に表示される。顔枠1106は、検出された顔のうち、顔AFの対象となる顔(主顔)を示す枠であり、顔枠1104と1105は主顔以外の顔(副顔)を示す枠である。主顔の顔枠1106と副顔の顔枠1104、1105とは表示形態が異なりなり、顔枠1106が主顔を示す顔枠であることが識別できるようになっている。例えば色や、1重線か2重線かなどで表示形態を異ならせており、図示の例では、枠の左右の三角形にて主顔の枠であることを表している。枠の左右の三角形は、左右キーの押下によって(すなわちユーザーの操作に応じて)、主顔を他の顔に変更できることを示している。つまり、本実施形態では、検出された複数の顔のうち、顔AFの対象となる主顔をユーザーが指定することも可能である(複数検出された特定の被写体領域のうち、AF対象となる領域を選択可能)。AFの動作状況を表すため、AFの対象になっていない副顔の顔枠1104、1105は灰色で表示される。主顔を示す顔枠1106は、ワンショットAFまたはコンティニュアスAFでのAF実行中には白色で表示され。ワンショットAFによる顔AFで合焦した場合には緑色で表示される。
図11(F)は、顔検出ONかつフォーカスアシスト機能の設定がOFFという条件に加え、MF設定であるか、ワンショットAFモードでAFを実行する前か、コンティニュアスAFモードでAFロック状態である場合の表示例である。顔枠1104、1105は副顔を示す顔枠であり、顔枠1107は主顔を示す顔枠である。ただしこの場合、顔枠1107に対してAFの動作は行われていない。この場合、主顔を示す顔枠1107も副顔を示す顔枠1104、1105も、AF動作をしていないことを表すために灰色で表示される。ただし、顔枠1107は主顔であることがわかる表示形態になっている(顔枠1107の左右の三角形が主顔の顔枠であることを示している)。
図11(G)は、顔検出がONかつフォーカスアシスト機能の設定がONと言う条件に加え、MF設定であるか、ワンショットAFモードでAFを実行する前か、コンティニュアスAFモードでAFロック状態である場合の表示例である。この場合、主顔の位置には、図11(E)、(F)のような顔枠ではなく、フォーカスアシスト1101が表示される。AFの動作状況を表すため、副顔1104は灰色で表示し、フォーカスアシスト1101は白色で表示される。すなわち、フォーカスアシスト1101の位置である測距位置は、検出されている主顔の位置に連動する。フォーカスアシスト1101の表示位置もライブビュー上の主顔の位置に連動する。
次に、図3のS301で説明した画面種別決定処理の詳細フローついて説明する。図4に、図3のS301で説明した画面種別決定処理のフローチャートを示す。
S401では、CPU119aは、ROM119bに記憶された設定情報を参照し、顔検出機能がONに設定されているか否かを判定する。前述のS315で顔検出機能がONに設定されていた場合はここでONであると判定する。ONに設定されている場合はS413に進み、そうでない場合はS402に進む。
S402では、CPU119aは、AF/MFスイッチ135によってAFに設定されているか否かを判定する。AFに設定されている場合にはS406に進み、そうでない場合(すなわちMFに設定されている場合)はS403に進む。
S403では、CPU119aは、ROM119bに記憶された設定情報を参照し、フォーカスアシスト機能の設定がONになっているか否かを判定する。前述のS313でフォーカスアシスト機能の設定がONに設定されていた場合はここでONであると判定される。フォーカスアシストの機能の設定がONに設定されている場合はS404に進み、そうでない場合はS405に進む。
S404では、CPU119aは、顔検出OFF、MF設定、フォーカスアシストがONの場合の表示種別と決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:なし、フォーカスアシスト表示:あり、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(B)のような画面が表示される。
S405では、CPU119aは、顔検出OFF、MF設定、フォーカスアシストがOFFの場合の表示種別と決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:なし、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(A)のような画面が表示される。
S406では、CPU119aは、ROM119bに記憶された設定情報を参照し、AFモードがワンショットAFモードに設定されているか否かを判定する。前述したS317でワンショットAFモードに設定されていた場合にはここでワンショットAFに設定されていると判定される。ワンショットAFに設定されている場合にはS407に進み、そうでない場合(すなわち、AFモードがコンティニュアスAFに設定されている場合)はS415に進む。
S407では、CPU119aは、ワンショットAFによるAF動作を実行したか否かを判定する。すなわち、ワンショットAFモードにおいてワンショットAFキー129が押下された後であるか否かの判定である。ワンショットAFの実行後であると判定した場合はS408に進み、そうでない場合(ワンショットAFキー129が押下される前)はS411に進む。
S408では、CPU119aは、ワンショットAFによってAF対象に合焦したか否か(合焦成功したか否か)を判定する。合焦していればS409に進み、そうでない場合(ワンショットAFの動作を開始したが、まだ合焦に至っていない場合)はS410に進む。
S409では、CPU119aは、顔検出OFFで、ワンショットAFモード、合焦成功している状態での表示種別と決定する。そして、AF枠表示:緑(合焦を示す)、顔枠表示:なし、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(C)のような画面が表示される。なお、AF枠は緑で表示されるものとする。
S410では、CPU119aは、顔検出がOFF、ワンショットAFモード、未合焦状態(AF動作途中)での表示種別と決定する。そして、AF枠表示:白(AF動作中であることを示す)、顔枠表示:なし、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(C)のような画面が表示される。ただし、AF枠は白で表示されるものとする。
S411では、CPU119aは、S403と同様に、フォーカスアシスト機能の設定がONになっているか否かを判定する。フォーカスアシストの機能の設定がONに設定されている場合はS414に進み、そうでない場合はS412に進む。
S412では、CPU119aは、AF枠の移動操作が行われたか否かを判定する。AF枠は例えば十字キー125の押下に応じて、押下された方向キーに対応する方向に移動させることができる。AF枠の移動操作があったと判定された場合は、移動操作に応じてAF枠の位置を移動した上でS410に進み、そうでない場合はS413に進む。S412から進んだS410は、AF枠移動が行われている間、AF枠を白で表示する。AF枠の移動操作が終了した後は所定時間(数秒程度)白色でAF枠を表示した後、AF枠を非表示とする。
S413では、CPU119aは、顔検出がOFF、フォーカスアシスト機能の設定がOFF,ワンショットAFモードでワンショットAF動作の前の表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:なし、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(A)のような画面が表示される。この画面は、ワンショットAFキー129を操作する前のAF待機状態になっており、フォーカスアシスト機能の設定がOFFの場合の画面である。
S414では、CPU119aは、顔検出がOFF、フォーカスアシスト機能の設定がON,ワンショットAFモードでワンショットAF動作の前の表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:なし、フォーカスアシスト表示:あり、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(B)のような画面が表示される。この状態でもフォーカスリング134の操作によるマニュアルフォーカスが可能である。そのため、フォーカスアシスト1101を表示することで、ユーザーのMF操作をサポートすることができる。なおこの時、フォーカスアシスト1101の位置は図3のS306〜S309で説明した通りに移動可能である。フォーカスアシスト1101の位置を移動すると、測距位置、AF位置も移動する。この後、ワンショットAFキー129が押下されると、S410の表示を経て、S409の表示に変化することになる。すなわち、ワンショットAFモードにおいてフォーカスアシスト機能の設定がONである場合には、ワンショットAFキー129の押下前は測距位置にフォーカスアシストを表示する。そして、ワンショットAFキー129を押下するとその位置でAFを行い、フォーカスアシストの表示がAF枠に置き変わる。
S415では、CPU119aは、AFロック状態であるか否かを判定する。前述のS334でAFロック状態に設定されている場合には、ここでAFロック状態であると判定される。AFロック状態である場合にはS417に進み、そうでない場合にはS416に進む。
S416では、CPU119aは、顔検出OFF、コンティニュアスAFモード、AFロックがされていない(コンティニュアスAFの実行中)場合の表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:白、顔枠表示:なし、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(C)のような画面が表示される。ただしAF枠1102は白で表示される。
S417では、CPU119aは、S403と同様に、フォーカスアシスト機能の設定がONになっているか否かを判定する。フォーカスアシストの機能の設定がONに設定されている場合はS419に進み、そうでない場合はS418に進む。
S418では、CPU119aは、顔検出がOFF、フォーカスアシスト機能の設定がOFF,コンティニュアスAFモードでAFロック状態の表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:灰色、顔枠表示:なし、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(D)のような画面が表示される。
S419では、CPU119aは、顔検出がOFF、フォーカスアシスト機能の設定がON,コンティニュアスAFモードでAFロック状態の表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:なし、フォーカスアシスト表示:あり、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(B)のような画面が表示される。S334で説明した通り、AFロック状態でもフォーカスリング134の操作によるマニュアルフォーカスが可能であるため、フォーカスアシスト1101を表示することで、ユーザーのMF操作をサポートすることができる。なおこの時、フォーカスアシスト1101の位置は図3のS306〜S309で説明した通りに移動可能である。フォーカスアシスト1101の位置を移動すると、測距位置、AF位置も移動する。この後AFロック状態を解除してコンティニュアスAFを実行すると、S416の表示となり、フォーカスアシスト1101がAF枠1102に置き変わる。
S430では、CPU119aは、AF/MFスイッチ135によってAFに設定されているか否かを判定する。AFに設定されている場合はS434に進み、そうでない場合はS431に進む。
S431では、CPU119aは、S403と同様にフォーカスアシスト機能の設定がONになっているか否かを判定する。ONになっている場合はS432に進み、そうでない場合はS433に進む。
S432では、CPU119aは、顔検出がON、MF設定、フォーカスアシストがONのときの表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:主顔なし、副顔は灰色、フォーカスアシスト表示:主顔の位置にあり、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(G)のような画面が表示される。
S433では、CPU119aは、顔検出がON、MF設定、フォーカスアシストがOFFのときの表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:主顔と副顔が灰色、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(F)のような画面が表示される。
S434では、CPU119aは、S406と同様に、AFモードがワンショットAFであるか否かを判定する。ワンショットAFであればS435に進み、そうでない場合はS442に進む。
S435では、CPU119aは、S407と同様に、ワンショットAFによるAF動作を実行したか否かを判定する。ワンショットAFの実行後であると判定した場合はS436に進み、そうでない場合はS439に進む。
S436では、CPU119aは、S408と同様に、ワンショットAFによってAF対象に合焦したか否か(合焦成功したか否か)を判定する。合焦していればS437に進み、そうでない場合はS438に進む。
S437では、CPU119aは、顔検出がONで、ワンショットAFモードであり、ワンショットAFを行った結果合焦している状態での表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:主顔は緑、副顔は灰色表示、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(E)のような画面が表示される。なお、顔枠1106は緑で表示される。
S438では、CPU119aは、顔検出がONで、ワンショットAFモードであり、未合焦状態(AF動作途中)での表示種別と決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:主顔は白、副顔は灰色表示、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(E)のような画面が表示される。ただし、顔枠1106は白で表示される。
S439では、CPU119aは、S403と同様に、フォーカスアシスト機能の設定がONになっているか否かを判定する。フォーカスアシストの機能の設定がONに設定されている場合はS441に進み、そうでない場合はS440に進む。
S440では、CPU119aは、顔検出がONで、フォーカスアシストの機能の設定がOFFで、ワンショットAFモードであり、ワンショットAFを行っていない状態での表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:主顔と副顔を灰色、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(F)のような画面が表示される。
S442では、CPU119aは、顔検出がON、フォーカスアシスト機能の設定がON,ワンショットAFモードでワンショットAF動作の前の表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:主顔は無し、副顔は灰色、フォーカスアシスト表示:主顔の位置にあり、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(G)のような画面が表示される。この状態でもフォーカスリング134の操作によるマニュアルフォーカスが可能である。そのため、フォーカスアシスト1101を表示することで、ユーザーのMF操作をサポートすることができる。この後、ワンショットAFキー129が押下されると、S438の表示を経て、S437の表示に変化することになる。すなわち、ワンショットAFモードにおいてフォーカスアシスト機能の設定がONである場合には、ワンショットAFキー129の押下前は測距位置にフォーカスアシストを表示する。そして、ワンショットAFキー129を押下するとその位置で顔AFを行い、フォーカスアシストの表示が合焦した顔枠に置き変わる。
S442では、CPU119aは、S415と同様に、AFロック状態であるか否かを判定する。AFロック状態である場合にはS444に進み、そうでない場合にはS443に進む。
S443では、CPU119aは、顔検出がONで、コンティニュアスAFを行っている場合の表示種別に決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:主顔は白、副顔は灰色、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(E)のような画面が表示される。ただし、顔枠1106は白で表示される。
S444では、CPU119aは、S403と同様に、フォーカスアシスト機能の設定がONになっているか否かを判定する。フォーカスアシストの機能の設定がONに設定されている場合はS446に進み、そうでない場合はS445に進む。
S445では、CPU119aは、顔検出がONで、フォーカスアシスト機能の設定がOFFで、コンティニュアスAFモードのときにAFロック状態となっている場合の表示種別に決定する。そして、AF枠:なし、顔枠表示:主顔と副顔が灰色、フォーカスアシスト表示:なし、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(F)のような画面が表示される。
S446では、CPU119aは、顔検出がON、フォーカスアシスト機能の設定がON,コンティニュアスAFモードでAFロック状態の表示種別であると決定する。そして、AF枠表示:なし、顔枠表示:主顔は無し、副顔は灰色、フォーカスアシスト表示:主顔の位置にあり、に設定する。設定された内容をRAM119cに保持する。この結果、表示部107には、前述の図11(G)のような画面が表示される。S334で説明した通り、AFロック状態でもフォーカスリング134の操作によるマニュアルフォーカスが可能であるため、フォーカスアシスト1101を表示することで、ユーザーのMF操作をサポートすることができる。この後AFロック状態を解除してコンティニュアスAFを実行すると、S443の表示となり、フォーカスアシスト1101が顔枠1106に置き変わる。
<フォーカスアシスト表示処理>
図5に、図3のS304で前述したフォーカスアシスト表示処理の詳細を示すフローチャートを図示する。
S501では、CPU119aは、RAM119cに保持された測距位置(焦点検出位置)を読みだす。
S502では、CPU119aは、S501で得られた測距位置に対応する被写体について、合焦情報および測距成否の情報を、測距部108から取得する。合焦情報は、前述のように、デフォーカス量に基づいて算出された合焦・前ピン・後ピンのいずれの状態にあるかという情報と合焦度合い情報を含む。
S503では、CPU119aは、S501とS502で得られた情報をもとに、GPU115で描画するフォーカスアシスト(アシスト表示、フォーカスガイド、焦点ガイド表示)の枠表示位置、指標角度および表示色を決定する。枠表示位置は、測距位置に決定する。指標角度は、合焦・前ピン・後ピンのいずれの状態にあるかという情報と、前ピンまたは後ピンの場合の、合焦度合い情報に基づいて決定する。表示色は、合焦・前ピン・後ピンのいずれの状態にあるかという情報と、測距成否の情報に基づいて決定する。詳細は後述する。
S504では、CPU119aは、S502で得られた測距成否の情報を参照し、測距が成功したか否か判定する。成功していればS505へ、失敗していればS510へ進む。
S505では、CPU119aは、S502で得られた情報について、被写体が合焦状態にあるか非合焦状態にあるかを判定する。合焦状態であればS507へ、非合焦状態であればS506へ進む。
S506では、CPU119aは、S502で得られた情報について、被写体が前ピン状態であるか後ピン状態であるかを判定する。前ピン状態であればS508へ、後ピンであればS509へ進む。
S507では、CPU119aは、指標パターンA、すなわち被写体が合焦状態である場合の指標表示形態に対応するフォーカスアシストのデータを選択する。この指標と枠のデータの表示例を図8(A)に示す。指標801は、合焦状態(焦点検出領域の被写体に合焦している状態)を示しており、後述する指標804と指標805が互いに重なって一体化し、さらに指標803と隣接した位置(指標803が示す位置)になっている。また、色も他の状態とは異なる緑色で表示している。このような表現とすることで、合焦状態やその付近では、他の状態に比べて指標の表示面積が小さくなるため、撮影者の映像視認への影響を小さくすることができる。枠802は、ライブビュー上におけるS501で得られた測距位置に対応する領域を示している。
S508では、CPU119aは、指標パターンB、すなわち被写体が前ピン状態である場合の指標表示形態に対応するフォーカスアシストのデータを選択する。この指標と枠のデータの表示例を図8(B−1)および図8(B−2)に示す。指標803は合焦状態へ向かうための指標804と指標805の目標地点を示しており、枠802に向かう白色の三角形で表現している。指標804と指標805は、その互いの表示距離によって、測距位置の合焦度合いを示しており、枠802から離れる側を向いた三角形で表現している。被写体とデジタルカメラ10の距離が変動すると、合焦度合いが変化するため、指標804と指標805との間隔が狭まったり広がったり動的に表示位置が変化する。指標804と指標805との距離(角度)は、合焦度合い情報に基づき、焦点検出領域において合焦からのズレが大きい場合に比べて小さい場合の方が表示距離が小さくなる(狭くなる、角度は小さくなる)ように変化する。すなわち、図8(B−1)は被写体が比較的小さくボケている(ピントのズレの度合いが小さい)場合、図8(B−2)は被写体が比較的大きくボケている(ピントのズレの度合いが大きい)場合を示している。指標803と指標804および指標805が、合焦近傍において互いに頂点が向かい合う三角形を成していることによって、合焦付近の微妙なピントずれも視認しやすいようになっている。また、各指標は枠802の近傍に表示されるため、撮影者は被写体から視線を大きくそらすことなく合焦状態を確認できる。また、フォーカスアシスト表示を複数の位置について同時に表示可能な場合でも、それぞれの枠と指標の結びつきが分かりやすくなっている。
S509では、CPU119aは、指標パターンC、すなわち被写体が後ピン状態である場合の指標表示形態に対応するフォーカスアシストのデータを選択する。この指標と枠のデータの表示例を図8(C−1)および図8(C−2)に示す。図8(B−1)や図8(B−2)と異なり、指標803が枠802から離れる側を向いた白色の三角形で表現されており、指標804および指標805が枠802に向かう三角形で表現されている。したがって、一目で前ピンか後ピンかを区別できるような表示形態となっている。図8(C−1)は被写体が比較的小さくボケている(ピントのズレの度合いが小さい)場合、図8(C−2)は被写体が比較的大きくボケている(ピントのズレの度合いが大きい)場合を示している。
S510では、CPU119aは、指標パターンD、すなわち被写体が大ボケ状態である場合の指標表示形態に対応するフォーカスアシストのデータを選択する。この指標と枠のデータの表示例を図8(D)に示す。指標803および指標804および指標805はいずれも四角形で表現されており、図8(A)、図8(B−1),図8(B−2),図8(C−1),図8(C−2)に示した指標とは形状が異なる。また、色も灰色で表示される。これによって、前ピン後ピンの判定に失敗した(すなわち、測距に失敗した)大ボケの状態であることを視覚的に示している。
S511では、CPU119aは、S507からS510のいずれかで選択された指標と枠のデータを、S503で決定した表示位置、指標角度、表示色で、GPU115によって枠表示用のVRAMへ描画する。
S512では、CPU119aは、OSD表示用VRAMに、フォーカスアシスト表示以外の各種表示要素を描画する。
S513では、CPU119aは、S511で描画した枠表示用のVRAMの上に、S512で描画したOSD表示用VRAMを、GPU115によって合成する。
S514では、CPU119aは、S513で合成したVRAMを、表示用I/F部106によって映像(ライブビュー画像)と重畳し、表示部107で表示する。このとき表示部107に表示される画面構成を図9(A)および図9(B)に示す。フォーカスアシスト901aおよびフォーカスアシスト901bは、いずれも図8で示した枠と指標で構成されている。アイコン902はAF/MFスイッチ135でMFに設定されていることを示している。被写体903および被写体904は撮像素子102に結像された被写体(ライブビューの一部)である。また、画面内には本発明と関係の低いその他の情報表示要素も表示されている。これらはS512で描画されたものであるが、番号は付与していない。図9(A)はS501で得られた測距位置が被写体903に対応しており、被写体903が合焦状態にある。一方、図9(B)は、図9(A)から十字キー125やダイヤル126によって測距位置を移動した場合の表示例を示している。測距位置が被写体904の位置となっており、被写体904に対して前ピンの状態にある。図9(B)は、S513による合成の影響で、フォーカスアシスト901bの指標の一部が他の表示要素の下に隠れた状態になっている(他の表示要素が上になるように重畳表示されている)。このような状態になっても、指標を3つの図形で構成しているため、他の露出している指標によってフォーカスの状態を確認することができる。
このように、フォーカスアシストは、測距位置(焦点検出位置)の被写体に合焦させるまでに、フォーカス134をどちら側にどの程度操作すれば良いかを示している。言いかえれば、フォーカスアシストは、測距位置の被写体の合焦度合い(ピントのずれの度合い)を示している。更に言いかえれば、フォーカスアシストは、測距位置の被写体に合焦させた場合の焦点距離と現在の焦点距離のずれを示している。さらに言いかえれば、フォーカスアシストは、合焦位置(現在焦点の合っている位置とデジタルカメラ10との距離)と測距位置の被写体距離(デジタルカメラ10と被写体との距離)との関係を示している。
<フォーカスアシストの表示形態の変形例>
図8で示した枠と指標の他の表示形態の例を、図10に示す。
図10(A)は図8(A)に対応する合焦状態である。指標1001は指標801に相当し、枠1002は枠802に相当する。指標1001は、後述する指標1003および指標1004および指標1005の3つが重なって一体化した表現となっており、図8(A)と同様に、合焦状態やその付近で撮影者の映像視認への影響を小さくしている。
図10(B)は図8(B−2)に相当する前ピン状態である。指標1003は指標803に、指標1004は指標804に、指標1005は指標805にそれぞれ相当する。また、矢印1006は、合焦へ向かうためにフォーカスリング134を回転すべき方向を示している。これによって、撮影者がフォーカスリング134の操作に慣れていない場合であっても、回転方向に迷うことなくスムーズに合焦方向へ操作することができる。なお、表示部107がフォーカスリング134に対する向きを変更できる場合は、その向きの状態を検出して、矢印1006の向きを変更することで、表示部107のいずれの向きにも対応することができる。
図10(C)は図8(C−2)に相当する後ピン状態である。指標1004および指標1005は、図10(B)と互いの位置が逆転している。このようにすることで、撮影者が一目で前ピンか後ピンかを区別できるような表示形態としている。また、矢印1006も図10(B)とは逆の方向を指しており、合焦方向へ操作するためのフォーカスリング134の回転方向が異なることを示している。
<画像サイズ設定切替処理(クロップ設定)>
図3のS318、S319で前述した画像サイズ設定切替処理について説明する。
デジタルカメラ10はメニュー画面におけるメニュー項目として、画像サイズ設定(解像度の設定)の項目を有している。画像サイズ設定のメニュー項目を選択すると、以下の選択肢を有するサブメニューが表示され、ユーザーはいずれかの選択肢を選択可能である。
設定1…4K:4096画素×2160画素
設定2…4K:3840画素×2160画素
設定3…2K:2048画素×1080画素
設定4…2K:1920画素×1080画素
設定5…2Kクロップ:2048画素×1080画素
設定6…2Kクロップ:1920画素×1080画素
設定1は、デジタルカメラ10で設定可能な最大サイズの設定である。撮像素子102の最大画素数は設定1の4096画素×2160画素よりもやや大きいが、画像サイズ(記録画素数)として設定可能な最大のサイズ(有効画素)は、4096画素×2160画素であるものとする。
設定3、4は、それぞれ、撮像素子102のうち、設定1、2と同じ範囲、同じ画素数の画素から読み出しを行った画像を、リサイズして縮小したサイズである。従って、それぞれ、設定1、2の場合と同じ画角の映像となる。
設定5,6は、撮像素子102のうち、中央を含む一部範囲(設定5は撮像素子102の中央から2048画素×1080画素の範囲、設定6は撮像素子102の中央から1920画素×1080画素の範囲)の画素のみから読み出しを行う設定である。すなわち、設定1〜4よりも狭い範囲の画素しか用いず、設定1〜4よりも狭い画角の映像となる。すなわち、撮像素子102の中央を含む一部範囲を切り出したサイズである。設定5、6に設定しての撮影を総称してクロップモードと称するものとする。なお、設定1〜6を同階層のメニュー項目とせず、画像サイズ設定の第1階層で、「クロップモード」という選択肢が選択された後に、クロップモードのサブメニューで2048画素×1080画素か1920画素×1080画素かを選択できるようにしてもよい。
本実施形態では、クロップモードに設定された場合に、測距位置がクロップモードでの撮影範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、測距位置を中央に変更する。この処理の概念について、図12を用いて説明する。
図12(A)は、最大サイズ(設定1)で撮像される画像の例である。撮像素子102のうち、最大サイズに相当する範囲の画素を用いて撮影が行われ、撮影範囲1201の画像が撮像される。また、クロップ範囲1202は、クロップ撮影で切り出される範囲を示している。
図12(B)は、撮像素子102のうち、図12(A)でのクロップ範囲1202に相当する範囲の画素で撮像された画像の例である。
図12(C)は、最大サイズ(設定1)に設定しており、かつ、測距位置がクロップ範囲1202の外側の領域であった場合のフォーカスアシスト1203とライブビュー画像の表示例である。
図12(D)は、図12(C)の状態から、クロップモードに切り替えた場合(画像サイズで設定5か6に設定した場合)のライブビュー画像とフォーカスアシスト1203の表示例である。図12(C)で測距位置がクロップ範囲1202の外側の領域であったため、クロップモードに変更されたことに応じて、測距位置をクロップモードでの撮影範囲の中央(撮像素子102の中央)に変更している。また、クロップモードになっても、撮像素子102上において、測距する領域の大きさ自体は変わらない。すなわち、クロップモードになったことに応じて、撮像素子102に対するライブビュー画像のサイズが小さくなる(撮影範囲が狭くなる)ため、ライブビュー画像に対する測距範囲(焦点検出範囲)は相対的に大きくなる。従って、表示部107上でライブビュー画像上に重畳して表示されるフォーカスアシスト1203も、図12(C)に比べて図12(D)の方が大きくなる。
図12(E)は、最大サイズ(設定1)に設定しており、かつ、測距位置がクロップ範囲1202の内側の領域であった場合のフォーカスアシスト1203とライブビュー画像の表示例である。
図12(F)は、図12(E)の状態から、クロップモードに切り替えた場合(画像サイズで設定5か6に設定した場合)のライブビュー画像とフォーカスアシスト1203の表示例である。図12(E)で測距位置がクロップ範囲1202の内側であったため、クロップモードに変更されても、撮像素子102における測距位置は変更しない。すなわち、デジタルカメラ10と被写体が動かなければ、フォーカスアシスト1203はクロップモードに切り替える前後で同じ被写体の位置(図示の例では犬の頭部)に設定される。
また、図12(G)のように、最大サイズ(設定1)で測距位置を示すフォーカスアシスト1203の枠が、クロップ範囲1202の内側と外側の双方に一部重なっていた場合、クロップモードに切り替わると、図12(H)に示す測距位置(測距範囲)となる。すなわち、測距範囲の全体がクロップモードでの撮影範囲内に収まるように、測距位置を移動する。この場合、中央にまでは移動しない。
また、クロップモードから、クロップモードを解除した場合(設定5または6から、設定1〜4のいずれかに切り替えた場合)は、測距位置は変更しない(保持する)。すなわち、図12(F)の状態から画像サイズの設定を設定1に変更すると、図12(E)の位置にフォーカスアシスト1203が表示される。
図6に、画像サイズ設定切替処理のフローチャートを示す。この処理は、図3のS319の処理の詳細である。
S601では、CPU119aは、クロップモードに設定されたか否かを判定する。すなわち、上述の設定1〜6のうち、設定5と設定6のいずれかに設定されたか否かを判定する。クロップモードに設定された(設定5または6に設定された)場合にはS602に進み、そうでない場合はS607に進む。
S602では、CPU119aは、センサー(撮像素子102)からの読み出し範囲を、設定されたクロップモードに対応するクロップ範囲に変更する。すなわち、設定5が設定された場合には、撮像素子102の中央を中央とする2048画素×1080画素の範囲を読み出し範囲とする。設定6が設定された場合には、撮像素子102の中央を中央とする1920画素×1080画素の範囲を読み出し範囲とする。
S603では、CPU119aは、現在の測距位置及び、測距範囲の全体が、S602で設定された読み出し範囲(クロップ範囲)の外側であるか否かを判定する。測距範囲全体がクロップ範囲外であると判定するとS604に進み、そうでない場合はS605に進む。
S604では、CPU119aは、測距位置を変更して撮像素子102の中央(撮影範囲の中央)に設定する。これによって、前述の図12(C)から図12(D)のように測距位置が変更され、フォーカスアシスト1203の表示位置も更新される。
S605では、CPU119aは、現在の測距範囲の一部がクロップ範囲外である(一部はクロップ範囲内である)か否かを判定する。測距範囲の全体ではなく一部がクロップ範囲外であると判定した場合はS606に進む。そうでない場合、すなわち測距範囲の全体がクロップ範囲内に収まっている場合は測距位置を変更することなくS608に進む。
S606では、CPU119aは、測距位置を、測距範囲全体がクロップ範囲内に収まる位置に変更する。より詳しくは、測距位置の変更前に、測距範囲の一部がクロップ範囲からX方向(横方向)にだけはみ出していた場合は、Y方向(縦方向)の位置は移動せずに、はみ出していたX方向の距離分だけ、測距位置をX軸に平行にクロップ範囲の内側方向に移動する。測距位置の変更前に、測距範囲の一部がクロップ範囲からY方向(縦方向)にだけはみ出していた場合は、X方向(横方向)の位置は移動せずに、はみ出していたY方向の距離分だけ、測距位置をY軸に平行にクロップ範囲の内側方向に移動する。測距位置の変更前に、測距範囲の一部がクロップ範囲からX方向とY方向の両方ではみ出していた場合は、変更前の測距位置に最も近いクロップ範囲の頂点に、変更後の測距範囲の頂点が一致して測距範囲がクロップ範囲に収まるように、測距位置を移動する。これによって、前述の図12(G)から図12(H)のように測距位置が変更され、フォーカスアシスト1203の表示位置も更新される。なお、S605,S606の処理を行わず、測距範囲がクリップ範囲から一部でも外側にある場合には、S604に進んで測距位置を中央に設定するようにしてもよい。
S607では、ユーザーによって設定されたクロップモード以外の設定(上述の設定1〜4)に設定し、設定値を示す情報をROM119bに記録する。
上述したS604,S606の処理は、フォーカスアシスト機能の設定がONかOFFかには関わらず行われる。すなわち、フォーカスアシスト機能の設定がOFFであっても、クロップモードに設定された場合に測距範囲の全部または一部がクロップ範囲の外側となる場合にはS604、S606の処理が行われる。
このように図6で説明した処理によってクロップモードが設定されたのち、メニューを閉じてライブビュー画面に戻した場合に、図12(C)〜(H)で説明したような画面遷移が発生する。
<拡大処理>
拡大処理について説明する。本実施形態のデジタルカメラ10では、ライブビューを通常倍率(記録サイズに応じた撮影範囲のライブビュー全体が表示部107にちょうど収まる倍率)で表示中に拡大キー131(拡大ボタン)を押下することにより拡大モードに遷移する。拡大モードでは、表示部107にライブビュー画像を拡大表示する。拡大キー131を押下して拡大モードに遷移すると、最初は前回拡大モードにおいて最後に表示していた拡大倍率(2倍、4倍、8倍のいずれか)で拡大表示する。なお、初期値は2倍であり、電源投入後最初に拡大モードに遷移した場合は2倍で拡大表示する。拡大モードでは、SETキー127を押下する毎に、拡大倍率を2倍→4倍→8倍→2倍→…と順次切替えることができる。拡大モードにおいて拡大キー131が押下されると、どの倍率で表示していた場合にも拡大モードを抜け、通常倍率でのライブビュー表示に戻る。
拡大モードでは、図3の313で設定したフォーカスアシスト機能の設定がONである場合と、AF/MFスイッチ135でAFに設定されている場合は、測距位置(AFの場合はAF位置と同等)を中心として拡大する。すなわち、拡大前にフォーカスアシストを表示していた場合は、フォーカスアシストの枠内が中心となるように拡大範囲を決定する。なお、測距位置が撮影範囲の端付近にある場合には、必ずしも測距位置が拡大範囲の中心になるとは限らず、測距位置を含み、撮影範囲の外側にはみ出ない範囲を拡大する。すなわち、拡大表示した際に画像の欠落したブランク部分が生じないように拡大表示する。いずれにしても拡大前に設定されていた測距位置に基づき、測距位置(測距範囲の中心)が拡大範囲に含まれるように拡大表示する。
一方、拡大モードにおいて、図3の313で設定したフォーカスアシスト機能の設定がOFFで、かつAF/MFスイッチ135でMFに設定されている場合は、測距位置に関わらず、撮影範囲の中央を中心として拡大する。
拡大表示に関する画面遷移を、図13(A)〜図13(E)を用いて説明する。
図13(A)は、図3の313で設定したフォーカスアシスト機能の設定がONであり、かつ、AF/MFスイッチ135でMFに設定されている場合の表示部107での表示例である。ライブビュー画像に重畳して、フォーカスアシスト1301が表示されている。この状態から、拡大キー131が押下されると、図13(B)のように、測距位置(フォーカスアシスト1301の表示されていた位置)が中心となるようにライブビューが拡大表示さる。また、撮影範囲全体のうちどの範囲を拡大表示しているかを示す拡大範囲ガイド1302が表示される。
図13(A)の状態から、図3のS310〜S313で説明したように、メニュー画面を開いてフォーカスアシスト機能の設定をOFFとし、メニュー画面を閉じると、表示部107には、図13(C)のような表示がなされる。フォーカスアシスト機能の設定をOFFとしたため、ライブビュー画像に対してフォーカスアシスト1301は表示されない。この状態で、拡大キー131が押下されると、図13(D)のように、測距位置ではなく、撮影範囲の中央を中心としてライブビューが拡大表示される。本実施形態ではこのとき、RAM119cに保持された測距位置を、拡大中心位置で更新する。すなわち、測距位置を撮影範囲の中央に変更して記憶する。この図13(D)の状態で更に拡大キー131が押下されると拡大モードを解除し、さらに、図3のS310〜S313で説明したように、メニュー画面を開いてフォーカスアシスト機能の設定をONとすると、図13(E)の表示となる。この際、測距位置が撮影範囲の中央に変更されているため、フォーカスアシスト1301の位置は、図13(A)とは異なり、撮影範囲の中央となる。このように、本実施形態では、フォーカスアシスト機能の設定がOFFでMF設定の場合にライブビューの拡大表示を行うと、フォーカスアシスト1301でフォーカスについてアシストするべき測距位置を、拡大範囲に基づいて変更する。
一方、Dispレベルを、情報非表示のレベルに設定したことによってフォーカスアシストを表示していない場合に拡大表示を行っても、フォーカスアシスト機能の設定がONであれば、測距位置は拡大範囲に連動させない。
図14(A)〜(C)を用いて、Dispレベルの切替えによる画面遷移について説明する。図14(A)は、図13(A)と同じく、図3の313で設定したフォーカスアシスト機能の設定がONであり、かつ、AF/MFスイッチ135でMFに設定されている場合の表示部107での表示例である。この状態から拡大キー131が押下されると、図14(B)のように表示され、その後拡大を解除すると、図14(A)の表示に戻る。この画面遷移は図13(A)から図13(B)、図13(B)から図13(A)と同様である。一方、図14(A)の状態から、Dispレベルを切替え、情報非表示の状態とすると、図14(C)のような表示となり、フィーカスアシスト1301は表示されない。この状態から拡大表示した場合には、RAM119cに保持された測距位置に基づき、測距位置を中心とした範囲を拡大するため、図14(B)のような表示となる。その後拡大を解除すると、図14(C)のように表示され、その後さらにフォーカスアシスト機能の設定をONに変更すると、図14(A)の表示となる。すなわち、情報非表示のレベルに設定したことによってフォーカスアシストを表示していない場合に拡大表示を行っても、フォーカスアシスト機能の設定がONであれば、測距位置は拡大範囲に連動しない。
図7に、上述の拡大表示処理のフローチャートを示す。この処理は、前述した図3のS338の処理の詳細である。
S701では、CPU119aは、RAM119cに記憶された前回拡大モードだった時の拡大倍率を読込む。
S702では、CPU119aは、読込んだ拡大倍率が2倍であるか否かを判定する。2倍である場合にはS703に進み、そうでない場合はS722に進む。
S703では、CPU119aは、ROM119bに記憶された設定情報を参照し、フォーカスアシスト機能の設定がONになっているか否かを判定する。前述のS313でフォーカスアシスト機能の設定がONに設定されていた場合はここでONであると判定される。フォーカスアシストの機能の設定がONに設定されている場合はS704に進み、そうでない場合はS705に進む。
S704では、CPU119aは、RAM119cに保持された現在の測距位置に基づいて拡大範囲を決定し、ライブビュー画像を、通常倍率よりも2倍に拡大して表示部107に表示する。基本的には、測距位置が拡大範囲の中心となるように拡大範囲を決定する。測距位置が撮影範囲の端付近にあり、測距位置を拡大範囲の中心とすると拡大範囲が撮影範囲を超えてしまう場合には、測距位置を含み、撮影範囲の外側にはみ出ない範囲を拡大範囲として決定する。いずれにしても測距位置に基づき、測距位置(測距範囲の中心)が拡大範囲に含まれるように拡大表示する。このときの表示例が、前述した図13(B)である。図示のように、拡大モード(拡大処理)における拡大されたライブビュー画像には、フォーカスアシスト機能の設定がONであってもフォーカスアシストは表示しない。このようにすることで、拡大してピントを詳細に確認したい場合に、フォーカスアシストが拡大されたライブビューの視認の妨げとなることを防止することができる。
S705では、CPU119aは、AF/MFスイッチ135によってMFに設定されているか否かを判定する。MFに設定されている場合にはS706に進み、そうでない場合、すなわちAFに設定されている場合にはS704に進む。
S706では、CPU119aは、撮影範囲の中央(通常倍率でのライブビュー画像の中央)を中心とする拡大範囲を決定し、ライブビュー画像を、通常倍率よりも2倍に拡大して表示部107に表示する。このときの表示例が、前述した図13(D)である。
S707では,CPU119aは、RAM119cに保持された測距位置を拡大位置に合わせて更新する。すなわち、測距位置を撮影範囲の中央(通常倍率でのライブビュー画像の中央)とする(測距範囲を、撮影範囲の中央を中心とする範囲に設定する)。この結果、この後に拡大モードを解除してフォーカスアシストを表示させる設定とした場合、フォーカスアシストが表示される位置は、図13(E)に図示したとおり、拡大処理が行われる前の図13(A)とは異なる位置となる。
S708では、CPU119aは、十字キー125の操作が行われたか否かを判定する(拡大範囲移動指示受付)。十字キー125の操作が行われた場合にはS709に進み、そうでない場合にはS712に進む。
S709では、CPU119aは、十字キー125のうち操作された方向キーに対応する方向に、拡大中心位置を移動する。すなわち、撮影範囲のうち、表示部107に拡大表示される範囲を、拡大表示中に行われた十字キー125の操作に応じて変更する。
S710では、CPU119aは、AF/MFスイッチ135によってMFに設定されているか否かを判定する。MFに設定されている場合にはS711に進み、そうでない場合、すなわちAFに設定されている場合にはS712に進む。
S711では、CPU119aは、S709で移動した拡大中心位置に合わせて、RAM119cに保持された測距位置を更新する。すなわち、測距位置を、移動後の拡大範囲の中心とする(測距範囲を、移動後の拡大範囲の中央を中心とした範囲に変更する)。
S712では、CPU119aは、その他のイベントが発生したか否かを判定する、その他のイベントとしては例えば、メニューキー124の押下、START/STOPキー133の押下、各種撮影パラメータの設定操作などがある。その他のイベントが発生した場合はS713に進み、そうでない場合はS714に進む。
S713では、発生したその他のイベントに応じた処理を行う。例えば、START/STOPキー133が押下された場合には動画の記録を開始する。すなわち、拡大中であっても動画の記録が行える。
S714では、CPU119aは、SETキー127が押下されたか否かを判定する。SETキー127が押下されたと判定した場合はS716に進み、そうで内場合はS715に進む。
S715では、CPU119aは、拡大キー131が押下されたか否かを判定する。拡大キー131が押下された場合はS717に進み、そうでない場合はS708に戻って処理を繰り返す。
S717では、現在の拡大倍率をRAM119cに記憶し、拡大を解除(通常倍率に戻す)して処理を終了する。なお、現在の拡大倍率はRAM119cではなく、不揮発性メモリであるROM119bに記録しても良い。このようにすれば電源オフを経由した後でも前回使用した拡大倍率から拡大モードを開始することができる。
S716では、CPU119aは、現在の拡大位置を基準にして、拡大倍率を2倍から4倍に変更してライブビュー画像を表示部107に表示する。
S722では、CPU119aは、S701で読込んだ拡大倍率が4倍であるか否かを判定する。4倍である場合にはS703に進み、そうでない場合(すなわち8倍の場合)はS722に進む。
S723〜S735は、拡大する倍率が2倍でなく4倍であること以外はS703〜S715と同様の処理であるため、説明を省略する。S736では、CPU119aは、現在の拡大位置を基準にして、拡大倍率を4倍から8倍に変更してライブビュー画像を表示部107に表示する。
S743〜S755は、拡大する倍率が2倍でなく8倍であること以外はS703〜S715と同様の処理であるため、説明を省略する。S756では、CPU119aは、現在の拡大位置を基準にして、拡大倍率を8倍から2倍に変更してライブビュー画像を表示部107に表示する。
<拡大モードにおけるフォーカスアシスト表示処理(変形例)>
図7、13,14で説明した拡大モード(拡大処理)における拡大されたライブビュー画像には、フォーカスアシストは表示しない例を説明したが、これに限るものではない。拡大モードにおいてもフォーカスアシストを表示してもよい。以下に、ライブビューの拡大表示においてフォーカスアシストを表示する場合の処理について説明する。
[変形例1]
図15(A)〜(D)を用いて、拡大モードにおけるフォーカスアシストの表示に関する変形例1について説明する。
図15(A)は通常倍率(通常画角)でのライブビュー表示において、フォーカスアシスト機能の設定をONにしてフォーカスアシスト1501を表示した場合の表示部107における表示例である。フォーカスアシスト1501のうち、四角く囲われた枠部分が測距位置(測距範囲)を示しており、円環上部にある三角形の表示が合焦状態に対してのフォーカスのずれ量とフォーカス移動に伴う焦点状態の変化を示すものである。また、円環下部にある矢印表示がリングの操作方向を示している。
図15(B)は、拡大モードにおいて、拡大倍率を2倍として拡大ライブビュー表示を行っている際の表示例であり、前述した図7でのS704における表示の変形例である。通常倍率に比べて被写体(ライブビュー画像)が2倍になるとともに、フォーカスアシスト1501の全体も2倍のサイズで表示される。フォーカスアシスト1501の表示サイズが2倍となっても、ライブビューも同じく2倍となっているため、フォーカスアシスト1501の矩形枠部分が示す測距範囲の撮像素子102に占める領域は、通常倍率の時と同じである。
図15(C)は拡大モードにおいて拡大倍率を4倍として拡大ライブビュー表示を行っている際の表示例であり、前述した図7でのS724で行われる表示例である。被写体(ライブビュー画像)が4倍になるとともに、フォーカスアシスト1501は非表示となる。
図15(D)は拡大モードにおいて拡大倍率を8倍として拡大ライブビュー表示を行っている際の表示例であり、前述した図7でのS744で行われる表示例である。被写体(ライブビュー画像)が8倍の場合、フォーカスアシスト1501は非表示となる。
変形例1ではこのように、拡大倍率が2倍以下の場合はフォーカスアシストを表示し、拡大倍率が2倍を超える場合はフォーカスアシストを非表示としている。上述の通り、ライブビュー画像を拡大した場合、測距範囲の表示上のサイズも大きくなる。そのため、フォーカスアシストの表示を測距範囲に対応させると、フォーカスアシストの表示サイズもライブビューの拡大倍率に合わせて拡大しなければならない。しかしこのようにすると、拡大倍率が大きくなると、フォーカスアシストのくさびと円環部分が表示部107の表示領域外になってしまい、さらに拡大するとフォーカスアシストの矩形枠部分も表示領域外となってしまう。そうするとフォーカスアシストを適切に表示することができなくなってしまう。また、くさびと円環の大きさが変わることで、ユーザーのマニュアルフォーカスの操作時に違和感を発生させてしまう可能性もある。変形例1では、拡大倍率が2倍を超える場合はフォーカスアシストを非表示とすることで、このような状況になることを防止することができる。
変形例1では2倍を閾値としてフォーカスアシストの表示/非表示を切り替えるものとしたが、これに限るものではない。拡大倍率を2倍、4倍、8倍だけでなく、より細かく任意の倍率に設定できる場合は、以下に説明する計算式を使用して表示、非表示を切り替えることが可能である。
フォーカスアシストの枠部分の矩形領域で切り出した時の左上座標の水平アドレスをx1、垂直アドレスをy1とし、水平サイズをWidth1、垂直サイズをHeight1とし、拡大倍率をNとする。その時、拡大後の左上座標(x2、y2)及びサイズ(Width2、Height2)は以下のように求めることが可能である。
x2=x1−(Width1×N−Width1)÷N
y2=y1−(Height1×N−Height1)÷N
Width2=Width1×N
Height2=Height1×N
このとき、x2、y2のいずれかが表示領域外となる、またはx2+Width2、y2+Height2のいずれかが表示領域外となるか否かを判断し、表示領域外となる場合に非表示とすることで、任意の倍率が設定された場合でも対応が可能となる。
[変形例2]
図16(A)〜(D)を用いて、拡大モードにおけるフォーカスアシストの表示に関する変形例2について説明する。
図16(A)は通常倍率(通常画角)でのライブビュー表示において、フォーカスアシスト機能の設定をONにしてフォーカスアシスト1601を表示した場合の表示部107における表示例である。
図16(B)は、拡大モードにおいて、拡大倍率を2倍として拡大ライブビュー表示を行っている際の表示例であり、前述した図7でのS704における表示の変形例である。通常倍率に比べて被写体(ライブビュー画像)が2倍になるとともに、フォーカスアシスト1601のうち、矩形枠部分1601a(測距範囲を示す)が2倍サイズの表示となる。合焦状態に対してのフォーカスのずれ量とフォーカス移動に伴う焦点状態の変化を示す円環、リングの操作方向を示す矢印、及びくさびの部分1601bは、通常倍率の場合からサイズを変更せず、背景のライブビュー画像が視認できるよう半透過色で表示する。
図16(C)は、拡大モードにおいて、拡大倍率を4倍として拡大ライブビュー表示を行っている際の表示例であり、前述した図7でのS7024における表示の変形例である。通常倍率に比べて被写体(ライブビュー画像)が4倍になるとともに、フォーカスアシスト1601bのうち、矩形枠部分1601aのみ4倍表示となる。円環・矢印・くさびの部分1601bは、通常倍率の場合からサイズを変更せず、背景のライブビュー画像が視認できるよう半透過色で表示する。
図16(D)は、拡大モードにおいて、拡大倍率を8倍として拡大ライブビュー表示を行っている際の表示例であり、前述した図7でのS744における表示の変形例である。通常倍率に比べて被写体(ライブビュー画像)が8倍になるとともに、フォーカスアシスト1601のうち、矩形枠部分1601aは非表示となる。また、円環・矢印・くさびの部分1601bは、通常倍率の場合からサイズを変更せず、背景のライブビュー画像が視認できるよう半透過色で表示する。変形例2によれば、ライブビュー画像における測距範囲の大きさが表示部107の表示領域を超えない限りは、矩形枠部分1601aを拡大倍率に応じて拡大して表示するため、測距範囲を正確にユーザーに認識させることができる。一方、その他の部分1601bはライブビューを拡大しても表示サイズを変更せずに半透過で表示する。そのため、ライブビュー表示の視認を妨げることなく、合焦度合い、前ピンか後ピンか、フォーカスリング134を回転させるべき方向などを、ユーザーに認識させることができ、ユーザーのマニュアルフォーカス操作をアシストすることができる。拡大表示は、マニュアルフォーカスでピントを厳密に調整したい場合に利用されることが多いため、変形例2のように、拡大表示時にもマニュアルフォーカス操作のアシストがなされることは、ユーザーにとって利便性が高い。
[変形例3]
図17(A)〜(D)を用いて、拡大モードにおけるフォーカスアシストの表示に関する変形例3について説明する。
図17(A)は通常倍率(通常が各)でのライブビュー表示において、フォーカスアシスト機能の設定をONにしてフォーカスアシスト1701を表示した場合の表示部107における表示例である。
図17(B)は、拡大モードにおいて、拡大倍率を2倍として拡大ライブビュー表示を行っている際の表示例であり、前述した図7でのS704における表示の変形例である。通常倍率に比べて被写体(ライブビュー画像)が2倍になるとともに、フォーカスアシスト1701のうち、矩形枠部分1701a(測距範囲を示す)が2倍サイズの表示となる。矩形枠部分1701a以外の部分、すなわち、円環、リングの操作方向を示す矢印、くさびの部分1701bは、通常倍率の場合からサイズを変更せず、表示位置を測距位置と関係のない表示部107の表示領域の左下隅に変更している。このように測距範囲を示す矩形枠部分1701a以外の部分1701bの表示位置を変更することで、背景のライブビュー画像の中心部分(特に測距範囲中心部分)の視認の妨げとならないようにしている。
図17(C)は、拡大モードにおいて、拡大倍率を4倍として拡大ライブビュー表示を行っている際の表示例であり、前述した図7でのS7024における表示の変形例である。通常倍率に比べて被写体(ライブビュー画像)が4倍になるとともに、フォーカスアシスト1701bのうち、矩形枠部分1701aのみ4倍表示としている。円環・矢印・くさびの部分1601bは、通常倍率の場合からサイズを変更せず、表示位置を測距位置と関係のない表示部107の表示領域の左下隅に変更している。
図17(D)は、拡大モードにおいて、拡大倍率を8倍として拡大ライブビュー表示を行っている際の表示例であり、前述した図7でのS7044における表示の変形例である。通常倍率に比べて被写体(ライブビュー画像)が8倍になるとともに、フォーカスアシスト1701のうち、矩形枠部分1701aは非表示となる。また、円環・矢印・くさびの部分1701bは、通常倍率の場合からサイズを変更せず、表示位置を測距位置と関係のない表示部107の表示領域の左下隅に変更している。
変形例3によれば、ライブビュー画像における測距範囲の大きさが表示部107の表示領域を超えない限りは、矩形枠部分1701aを拡大倍率に応じて拡大して表示するため、測距範囲を正確にユーザーに認識させることができる。一方、その他の部分1701bはライブビューを拡大しても表示サイズを変更せずに、表示位置を変更して測距範囲の中心に重ならない位置に移動して表示する。そのため、ライブビュー表示の視認を妨げることなく、合焦度合い、前ピンか後ピンか、フォーカスリング134を回転させるべき方向などを、ユーザーに認識させることができ、ユーザーのマニュアルフォーカス操作をアシストすることができる。変形例2と比べて、位置を移動しているため半透過にする必要がなく、部分1701bの視認性を高めることもできる。拡大表示は、マニュアルフォーカスでピントを厳密に調整したい場合に利用されることが多いため、変形例3のように、拡大表示時にもマニュアルフォーカス操作のアシストがなされることは、ユーザーにとって利便性が高い。
なお、変形例1〜3で説明したフォーカスアシストの表示形態はこれに限るものではなく、図8〜10で説明したいずれの表示形態を用いてもよい。また、変形例1〜3に限るものではなく、前述のフォーカスアシスト機能の設定のON/OFFに基づいて、拡大できる倍率に制限を設けてもよい。例えば、フォーカスアシスト機能の設定がOFFである場合には、前述の通り、ライブビューの拡大倍率として、2倍、4倍、8倍を利用できるものとする。一方、フォーカスアシスト機能の設定がOFFである場合には、4倍、8倍には拡大出来ないようにする(SETキー127の押下のような倍率変更の操作が行われても、4倍、8倍には変倍しない)ことも可能である。
<その他の実施例>
なお、CPU119aが行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラ10に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず測距位置に関してフォーカスの情報を表示することができるである表示制御装置であれば適用可能である。上述のように撮像素子を本体に有するデジタルカメラに限らず、撮像センサー自体を本体に有しておらず、外部の撮像装置で撮像したライブビュー画像をリモートで受信し、測距位置に関してフォーカスの状態を表示することのできる装置にも適用可能である。例えば、撮像装置と無線または有線で接続したスマートフォン、タブレットPCなどでのリモート撮影の際の表示制御に適用可能である。このように、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。