JP6528924B1 - 太陽光発電パドル、その製造方法及び宇宙構造物 - Google Patents

太陽光発電パドル、その製造方法及び宇宙構造物 Download PDF

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Abstract

熱電変換素子の素子表面と素子裏面の温度差をできるだけ大きくしつつ、ブランケットがロール状に巻き取られる際の熱電変換素子の脱落や損傷を防ぐ太陽光発電パドル及びその製造方法を得る。太陽光発電パドル100は、伸展マスト5、6を用いてブランケット1をロール状に巻き取って収納及び伸展させる。ブランケット1の一方の面には太陽電池セル2が配設され、他方の面には熱電変換素子3が配設される。熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面には、伸展方向に沿って複数枚の放熱材4が熱電変換素子3を覆うように配設される。

Description

本発明は、熱電変換素子を備えた太陽光発電パドル、その製造方法及び太陽光発電パドルを備えた宇宙構造物に関する。
近年、人工衛星を活用した高速大容量通信の需要が高まっており、高機能な通信機器を搭載した通信放送衛星の開発が進められている。このような人工衛星では、通信機器の電力消費量の増大に伴い、大電力を供給することが可能な太陽光発電パドルが求められている。太陽光発電パドルには太陽電池セルが搭載され、太陽光を電気エネルギーに変換して電力を得ている。太陽光発電パドルは、通常、打ち上げ時に折り畳んだ状態でロケットの先端部分であるフェアリングに収納され、宇宙空間で所望の形状に展開される。
現在、人工衛星では一般的に、複数の連結された平板状のパネルに太陽電池セルが配設されたリジット型の太陽光発電パドルが用いられている。しかし、人工衛星が収納されるフェアリングの容積には限界があることから、リジット型の太陽光発電パドルでは、パネルのサイズや枚数に制限がある。
そこで、人工衛星の小型軽量化及び大電力化の両立を実現するものとして、平板状のパネルの代わりに、ブランケットと呼ばれる可撓性のフィルム状の基板に太陽電池セルが配設されたフレキシブル型の太陽光発電パドルが注目されている。非特許文献1には、太陽電池セルが貼り付けられたブランケットをロール状に巻き取り、伸展マストを用いて伸展する技術が開示されている。
さらに、人工衛星の大電力化を実現するその他の手段として、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子が配設された人工衛星が開発されている。熱電変換素子は、素子表面と素子裏面との温度差を利用して発電するものである。特許文献1には、ハニカムコアと表皮材で構成された構造体において、表皮材に熱電変換モジュールを埋め込み、搭載機器と接するように設けることで、熱電変換素子が脱離するのを抑制しつつ、発電を行う技術が開示されている。
国際公開第2016/031667号
Bao Hoang; Steve White; Brian Spence; Steven Kiefer, "Commercialization of Deployable Space Systems' roll-out solar array (ROSA) technology for Space Systems Loral (SSL) solar arrays" Aerospace Conference,30 June 2016
しかしながら、フレキシブル型の太陽光発電パドルにおいて、ブランケットに熱電変換素子を配設するという新規な構成について検討した場合、熱電変換素子の素子表面と素子裏面との温度差をできるだけ大きくしつつ、ブランケットをロール状に巻き取る際の熱電変換素子の脱落や損傷を抑制することが困難であるという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、熱電変換素子の素子表面と素子裏面との温度差をできるだけ大きくしつつ、ブランケットをロール状に巻き取る際の熱電変換素子の脱落や損傷を抑制する太陽光発電パドル、その製造方法及び宇宙構造物を提供することを目的とする。
本発明に係る太陽光発電パドルは、ブランケットと、ブランケットをロール状に巻き取って収納させる機能及び伸展させる機能を有する伸展マストと、ブランケットの一方の面に複数配設される太陽電池セルと、ブランケットの他方の面に複数配設される熱電変換素子と、熱電変換素子のブランケット側の面の反対の面に伸展マストの伸展方向に沿って複数枚配設される放熱材とを備える。
また本発明に係る太陽光発電パドルの製造方法は、プリプレグを複数枚積層し、軸部材に巻きつけてバギングフィルムで覆い、バギングフィルムの外部から加圧及び加熱して伸展マストを形成するステップと、ブランケットの一方の面に太陽電池セルを複数配設するステップと、ブランケットの他方の面に熱電変換素子を複数配設するステップと、熱電変換素子のブランケット側の面の反対の面に伸展マストの伸展方向に沿って放熱材を複数枚配設するステップとを備える。
また本発明に係る宇宙構造物は、太陽光発電パドルと、太陽光発電パドルが取り付けられた構造物本体とを備える。
本発明に係る太陽光発電パドルによれば、熱電変換素子のブランケット側の面の反対の面に、伸展マストの伸展方向に沿って放熱材が複数枚配設されることにより、熱電変換素子の素子表面と素子裏面との温度差をできるだけ大きくしつつ、ブランケットをロール状に巻き取る際の熱電変換素子の脱落や損傷を防ぎ、得られる電力を増大させることができる。
また、本発明に係る太陽光発電パドルの製造方法によれば、プリプレグを用いて伸展マストを形成し、ブランケットの一方の面に太陽電池セル、他方の面に熱電変換素子を配設し、熱電変換素子のブランケット側の面の反対の面に伸展方向に沿って複数枚放熱材を配設するという簡単な工程により、太陽光発電パドルを得ることができる。
また、本発明に係る宇宙構造物によれば、ブランケットが伸展マストによりロール状に巻き取られて収納及び伸展され、熱電変換素子のブランケット側の面の反対の面に、伸展マストの伸展方向に沿って放熱材が複数枚配設される太陽光発電パドルを備えることにより、ブランケットがロール状に巻き取られる際の熱電変換素子の脱落や損傷を防ぎつつ、打ち上げ時にロケットのフェアリングに容易に収納されることができる。
本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの一部を拡大した概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの伸展マストを説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルを製造する一工程を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルを製造する一工程を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルを製造する一工程を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの一部を拡大した概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る太陽光発電パドルの一部を拡大した概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態2に係る太陽光発電パドルの放熱材の概略構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態2に係る太陽光発電パドルの放熱材を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態3に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4に係る太陽光発電パドルの熱電変換素子の配置を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態4に係る太陽光発電パドルの熱電変換素子の充填率と、単位面積当たりに発生する電力及び素子表裏面との温度差との関係図である。 本発明の実施の形態5に係る太陽光発電パドルを備えた宇宙構造物の概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5に係る太陽光発電パドルを備えた宇宙構造物を示す概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係る太陽光発電パドルを備えた宇宙構造物の他の例を示す概略構成図である。
実施の形態1.
図1は、本発明を実施するための実施の形態1に係る太陽光発電パドルの収納状態における概略構成を示す側面図である。図2、図3は、本発明を実施するための実施の形態1に係る太陽光発電パドルの伸展状態における概略構成を示す平面図である。図2は、太陽電池セルが配設された面を示す。図3は、熱電変換素子及び放熱材が配設された面を示し、破線部分は放熱材を取り除いた状態を示す。図1に示すように、太陽光発電パドル100は、ブランケット1と、ブランケット1の一方の面に複数配設された太陽電池セル2と、ブランケット1の他方の面に複数配設された熱電変換素子3とを備える。そして熱電変換素子3のブランケット1側の反対の面には、熱電変換素子3を覆うように放熱材4が複数枚配設されている。
また図2、図3に示すように、太陽光発電パドル100は、ブランケット1をロール状に巻き取って収納し、平面状に伸展させる機能を有する第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6を備える。第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6は、例えば伸展方向Pに沿ってブランケット1の両側に配置される。ブランケット1の巻き取られる起点となる側の端部には、略円柱形状の第1支持部材7が取り付けられている。またブランケット1の巻き取られる終点となる、図示しない衛星構造体と接続される側の端部には、略多角柱形状の第2支持部材8が取り付けられている。
ブランケット1は、例えば太陽電池セル2が配設された面が径方向内側、熱電変換素子3が配設され、放熱材4で覆われた面が径方向外側となるように、第1支持部材7を軸にロール状に巻き取られる。太陽電池セル2が配設された面が径方向内側となるように巻き取られることで、例えばカバーガラスで覆われた太陽電池セル2を用いる場合に、外部からの衝撃によってカバーガラスが破損することを抑制することができる。ブランケット1は、例えば厚さが0.1mmのポリイミドフィルムに、太陽電池セル2及び熱電変換素子3で発電された電力を送る配線が実装されたものである。
図4は、本発明を実施するための実施の形態1に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す側面図である。図5は、図4の破線Aの部分を拡大した概略構成を示す断面図である。図4、図5に示すように、太陽電池セル2は、接着層9を介してブランケット1の一方の面に接着されている。ブランケット1に複数配設された太陽電池セル2は、互いに電気的に接続されて回路を形成している。太陽電池セル2で太陽光を電気エネルギーに変換して得られた電力は、図示しない衛星構造体に送られる。太陽電池セル2で電力に変換された際に生じる熱や太陽光からの熱は、ブランケット1を介して熱電変換素子3に伝えられる。
熱電変換素子3は、素子表面3aとこれに対向する素子裏面3bとを有する。素子表面3aは、太陽電池セル2から伝わる熱で高温となるブランケット1に接着層10aを介して接着されている。また素子裏面3bは、宇宙空間からの冷気で低温となる放熱材4に接着層10bを介して接着されている。熱電変換素子3は、高温側の素子表面3aと低温側の素子裏面3bとの温度差を利用して発電し、温度差が大きいほど発生する電力が増大する。ブランケット1に複数配設された熱電変換素子3は、互いに電気的に接続されて回路を形成している。熱電変換素子3で発電された電力は、図示しない衛星構造体に送られる。
熱電変換素子3は、例えば縦横幅7〜8mm、高さ1mmのKELK社製の素子が用いられる。また接着層9、接着層10a及び接着層10bは、例えば室温硬化型のシリコーン接着剤が用いられる。その他にも、熱伝導率が高い熱硬化性樹脂であればよく、フィルム状の接着剤を用いてもよい。
放熱材4は、ブランケット1の伸展状態において、ブランケット1に接触せず、熱電変換素子3の素子裏面3bにのみ接着層10bを介して接着される。すなわち、ブランケット1と放熱材4との間は、熱電変換素子3が配置された箇所を除いて空隙20を有しており、この空隙20は真空中で断熱される。そのため、ブランケット1に伝わった熱の大部分は、空隙20を伝わることなく、複数の熱電変換素子3を介して放熱材4から放熱される。太陽電池セル2からの熱を逃がすことなく熱電変換素子3に伝え、無駄なく回収することができる。このように放熱材4を熱電変換素子3に設けることで、熱電変換素子3の放熱面積を増やし、素子表面3aと素子裏面3bとの温度差を大きくすることができ、得られる電力を増大させることができる。
図6は、本発明を実施するための実施の形態1に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す斜視図である。図6の破線部分は、放熱材を取り除いた状態を示す。放熱材4は、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6の伸展方向Pに沿って複数枚配設される。ここで図6では、伸展方向Pに対して垂直な方向に1列に配設された熱電変換素子3の群31に対し、放熱材4が1枚設けられた例を示しているが、例えば図7に示すように、2列に配設された熱電変換素子3の群31に対して放熱材4を1枚設けるようにしてもよい。ここで、伸展方向Pに対して垂直な方向とは、厳密に垂直でなくともよく、所定の幅を有する1枚の放熱材4に覆われる程度に垂直であればよい。
ブランケット1全体を覆うように1枚で構成された放熱材4をロール状に巻き取った場合、熱電変換素子3を挟んだ両側に位置するブランケット1と放熱材4とで曲率が異なるため、熱電変換素子3の素子表面3aと素子裏面3bとの間にせん断応力がかかる。伸展方向Pに沿って複数枚の放熱材4が配設されることにより、熱電変換素子3にせん断応力がかかるのを抑制し、熱電変換素子3の脱落や損傷を防ぐことができる。
また放熱材4は、伸展方向Pに対して垂直な方向に複数枚配設されてもよい。例えば、図8に示すように、伸展方向Pに対して垂直な方向に1列に配設された熱電変換素子3のうちの1個の熱電変換素子3に対し、1枚の放熱材4が設けられる。このように伸展方向Pに対して垂直な方向に沿って複数枚の放熱材4が設けられることにより、ブランケット1が伸展方向Pに対して垂直な方向に変形した場合でも、熱電変換素子3の素子表面3aと素子裏面3bとの間にせん断応力がかかることを抑制し、熱電変換素子3が脱落することを防ぐことができる。ここで、伸展方向Pに対して垂直な方向とは、厳密に垂直でなくともよく、少なくとも2枚の放熱材4が配設される程度に垂直であればよい。
放熱材4は、例えば厚さが0.1mmの平板状の炭素繊維強化プラスチックで形成される。放熱材4は、ブランケット1を伸展させた際に、ブランケット1に接触しない程度に剛性を有していればよく、例えば厚さが0.05mmのポリイミドフィルムを用いてもよい。
図9は、本発明を実施するための実施の形態1に係る太陽光発電パドルの第1伸展マスト及び第2伸展マストを説明するための説明図である。図9(a)は、伸展状態の第1伸展マスト及び第2伸展マスト、図9(b)は、伸展状態から収納状態へ移行中の第1伸展マスト及び第2伸展マスト、図9(c)は、収納状態の第1伸展マスト及び第2伸展マストを示す。図9(a)に示すように、ブランケット1の伸展状態において、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6は、半円筒状に丸まったブーム形状を有する。また図9(c)に示すように、ブランケット1の収納状態において、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6は、ロール状に巻き取られたロール形状を有する。第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6は、ブーム形状とロール形状とのそれぞれで形状を維持することができる。
ブランケット1が伸展状態から収納状態に移行する際、図9(b)に示すように、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6には、弾性ひずみエネルギーが蓄積される。第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6は、蓄積された弾性ひずみエネルギーを解放することで伸展する。そのため第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6は、例えばブランケット1の両側に配置されることにより、特別な駆動装置を必要とせず、ブランケット1の収納及び伸展を行うことができる。
第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6は、高弾性の部材で構成され、例えば厚さが0.2mmの炭素繊維強化プラスチックが用いられる。
ブランケット1、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6の伸展方向Pの両端部は、それぞれ略円柱形状の第1支持部材7及び略多角柱形状の第2支持部材8が取り付けられる。ここで略円柱形状とは、軸方向に垂直な平面での断面形状が真円である柱体の他、楕円である柱体を含む。また略多角柱形状とは、多角形の角が丸まった柱体を含む。ブランケット1、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6は、第1支持部材7を軸にロール状に巻き取られて収納される。
第1支持部材7及び第2支持部材8でブランケット1の両端を支持することで、太陽光発電パドル100の姿勢制御を安定的に行うことができる。第1支持部材7及び第2支持部材8は、例えば炭素繊維強化プラスチックが用いられる。
上述のとおり、本実施の形態に係る太陽光発電パドル100は、ブランケット1と、ブランケット1をロール状に巻き取って収納させる機能及び伸展させる機能を有する第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6と、ブランケット1の一方の面に配設された太陽電池セル2と、ブランケット1の他方の面に配設された熱電変換素子3と、熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面に第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6の伸展方向Pに沿って複数枚配設された放熱材4とを備える。これにより、熱電変換素子3の放熱面積を増やし、素子表面3aと素子裏面3bとの温度差をできるだけ大きくしつつ、ブランケット1と放熱材4との間に配設された熱電変換素子3にせん断応力がかかるのを抑制して、ブランケット1からの脱落や損傷を防ぎ、発生する電力を増大させることができる。
次に、本発明を実施するための実施の形態1における太陽光発電パドル100の製造方法について説明する。図10は、本発明を実施するための実施の形態1に係る製造工程を示すフローチャートである。図11から図13は、本発明を実施するための実施の形態1に係る太陽光発電パドルを製造する一工程を示す説明図である。
ステップS1では、太陽光発電パドル100の第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6を作製する。まず炭素繊維に樹脂を含浸して作製された半硬化状態のシートであるプリプレグを複数枚重ね、第1伸展マスト用プリプレグ積層体11及び第2伸展マスト用プリプレグ積層体12を形成する。
第1伸展マスト用プリプレグ積層体11及び第2伸展マスト用プリプレグ積層体12を、略円柱形状の軸部材13に巻きつける。このとき、軸部材13に巻きつける方向は、伸展方向Pに対して垂直な方向である。
次に、図11に示すように、第1伸展マスト用プリプレグ積層体11及び第2伸展マスト用プリプレグ積層体12を、軸部材13に巻きつけた状態で、バギングフィルム14で全体を覆い、シール材15で密閉する。シール材15で密閉した後、ポンプ(図示せず)を動作させることで、バギングフィルム14で覆った内部の空気を排出し、第1伸展マスト用プリプレグ積層体11及び第2伸展マスト用プリプレグ積層体12を減圧状態にする。
続いて、第1伸展マスト用プリプレグ積層体11及び第2伸展マスト用プリプレグ積層体12をオートクレーブ内に設置し、バギングフィルム14の外部から加圧して加熱する。例えば3気圧下で120℃の温度を3時間保持する。
オートクレーブ内から第1伸展マスト用プリプレグ積層体11及び第2伸展マスト用プリプレグ積層体12を取り出し、軸部材13、バギングフィルム14及びシール材15を取り外す。これにより第1伸展マスト5と第2伸展マスト6とをそれぞれ作製することができる。
ここで、第1伸展マスト用プリプレグ積層体11及び第2伸展マスト用プリプレグ積層体12を加圧下で加熱する条件は、第1伸展マスト用プリプレグ積層体11及び第2伸展マスト用プリプレグ積層体12を構成する樹脂の種類によって異なる。
ステップS2では、放熱材4を作製する。第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6を作製した際と同様に、プリプレグを複数枚重ね、放熱材用プリプレグ積層体16を形成する。さらに、図12に示すように、放熱材用プリプレグ積層体16をバギングフィルム14で覆い、シール材15で密閉した後、ポンプ(図示せず)を動作させることで減圧状態にする。続いてバギングフィルム内の減圧状態を維持したまま、放熱材用プリプレグ積層体16をオートクレーブ内に設置し、バギングフィルム14の外部から加圧して加熱する。例えば3気圧下で120℃の温度を3時間保持する。
オートクレーブ内から放熱材用プリプレグ積層体16を取り出し、バギングフィルム14及びシール材15を取り外す。これにより放熱材4を作製することができる。ここで、放熱材4がプリプレグを用いた繊維強化プラスチックである例を示したが、放熱材4として、例えばポリイミドフィルムを用いる場合は、ステップS2を省略することができる。
ステップS3では、ブランケット1の一方の面に、接着層9を介して複数の太陽電池セル2を配設する。
ステップS4では、ブランケット1の他方の面に接着層10aを介して熱電変換素子3を配設する。例えば図13に示すように、熱電変換素子3と同程度の厚みの溝が複数形成された枠部材17をブランケット1上に設置し、枠部材17の溝に接着層10aとして室温硬化型のシリコーン接着剤を塗布する。接着層10a上に複数の熱電変換素子3を配設する。
ステップS5では、熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面に接着層10bを介して、熱電変換素子3を覆うように伸展方向Pに沿って放熱材4を複数枚配設する。ブランケット1に設置された枠部材17内の熱電変換素子3の上面に接着層10bを塗布し、枠部材17を取り除く。ブランケット1上に配設された熱電変換素子3の接着層10b上に、放熱材4を水平に載置し、接着層10bを介して熱電変換素子3と放熱材4とを接着する。このとき、ブランケット1に熱電変換素子3と同じ厚みの複数のスペーサー(図示せず)を所定の間隔で取り付け、ブランケット1と放熱材4との間が空隙20を有するようにする。
このようにして作製されたブランケット1、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6の伸展方向Pの両端に第1支持部材7及び第2支持部材8を取り付け、太陽光発電パドル100が得られる。
ここで、上述の工程は一部前後してもよく、ブランケット1に熱電変換素子3を配設してから、太陽電池セル2を配設してもよい。また例えば放熱材4に枠部材17を設置して熱電変換素子3を配設し、そのあとブランケット1を取り付けてもよい。
上述のとおり、太陽光発電パドル100の製造方法は、プリプレグを複数枚積層し、軸部材に巻きつけてバギングフィルム14で覆い、バギングフィルム14の外部から加圧及び加熱して第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6を形成するステップと、ブランケット1の一方の面に太陽電池セル2を配設するステップと、ブランケット1の他方の面に熱電変換素子3を配設するステップと、熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面に伸展方向Pに沿って放熱材4を複数枚配設するステップとを備えることにより、簡単な工程で太陽光発電パドル100を製造することができる。
なお、太陽光発電パドル100は、図14に示すように、ブランケット1の太陽電池セル2が配設された面の反対の面のうち、熱電変換素子3が配置されていない面に、放射断熱材18が設けられるとさらに好ましい。
ブランケット1に放射断熱材18が設けられることで、太陽電池セル2から伝わる熱が、ブランケット1の熱電変換素子3が配設されていない面で、放射により放熱されることを防ぐことができる。放射断熱材18は、放射率が放熱材4より小さい材料で形成されるものであればよく、例えば3M社製のアルミ箔テープを用いることができる。
また、太陽光発電パドル100は、図15に示すように、ブランケット1及び放熱材4の少なくとも一方に、高熱伝導シート19が設けられるとさらに好ましい。高熱伝導シート19は、ブランケット1の熱電変換素子3が配設される面及び放熱材4の熱電変換素子3が配設される面の反対の面の少なくとも一方に設けられる。これにより、ブランケット1及び放熱材4の面内の熱伝導性を高め、複数配設された熱電変換素子3に、それぞれ熱を分配することができる。高熱伝導シート19は、熱伝導率がブランケット1及び放熱材4より大きい材料で形成されるものであればよく、例えばPanasonic社製グラファイトシートを用いることができる。
実施の形態2.
本発明を実施するための実施の形態2に係る太陽光発電パドルについて、図16から図18を参照して説明する。図16から図18中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。以下では、実施の形態1と同様である点の説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図16は、本発明を実施するための実施の形態2に係る太陽光発電パドルを示す概略構成を示す側面図である。図16に示すように、太陽光発電パドル100は、ブランケット1の一方の面に太陽電池セル2が複数配設され、ブランケット1の他方の面に熱電変換素子3が複数配設されている。放熱材4は、熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面に伸展方向Pに沿って複数枚配設されている。また放熱材4は、ブランケット1がロール状に巻き取られた収納状態において熱電変換素子3を挟んだ両端がブランケット1側に屈折されている。
図17は、本発明を実施するための実施の形態2に係る太陽光発電パドルの放熱材の概略構成を示す側面図である。放熱材4は、例えば図17に示すように、熱膨張率の異なる層4a、4bが厚み方向に積層されて構成され、温度変化を与えると熱膨張率の差により凸状に反りが発生する。放熱材4は、例えば炭素繊維強化プラスチックであり、熱電変換素子3側の面の熱膨張率が、熱電変換素子3側の面の反対の面の熱膨張率よりも大きくなるように炭素繊維が配向される。ここで、図17では放熱材4が2層材である例を示したが、反りが発生する程度に厚み方向に熱膨張率が異なっていればよく、例えば3層材、4層材でもよい。
図18は、本発明を実施するための実施の形態2に係る太陽光発電パドルの放熱材を説明するための説明図である。図18(a)は、室温下における放熱材を示す。図18(b)は、低温下における放熱材を示す。図18(a)に示すように、放熱材4は例えば約25℃の室温下で、熱電変換素子3を挟んだ両端がブランケット1側に向かって屈折された形状で設けられる。また図18(b)に示すように、放熱材4は例えば約0℃の低温下では、反りが戻り平坦な形状となって、両端がブランケット1から離れる。ここで図18では、1個の熱電変換素子3を1枚の放熱材4で挟んだ例を示しているが、例えば2個、3個の熱電変換素子3を1枚の放熱材4が挟むように設けられてもよい。
放熱材4は、室温下で熱電変換素子3を挟んだ両端がブランケット1側に屈折された形状となることで、収納時の熱電変換素子3の脱落や損傷をより防ぐとともに巻き取りが容易となる。また、放熱材4は、低温下の宇宙空間でブランケット1が伸展された際に平坦な形状となり、ブランケット1に接触せず、熱電変換素子3の素子裏面3bのみと接着されることで、良好な放熱性を確保することができる。
上述のとおり、熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面に、伸展方向Pに沿って放熱材4を複数枚配設することで、素子表面3aと素子裏面3bとの温度差を確保しつつ、熱電変換素子3の脱落や損傷を防ぐことができる。さらに本実施の形態では、厚み方向に対して熱膨張率の異なる層が積層された放熱材4を用いることで、室温下で収納する際の巻取りが容易となるとともに、伸展後の良好な放熱性を確保し、熱電変換素子3からより大きな電力を得ることができる。
なお、放熱材4は、室温下で放熱材4の両端がブランケット1側に向けて屈折された形状において、ブランケット1に接触して裂け目や破れ目が生じない程度に柔軟性を有していると好ましい。このとき放熱材4は、例えば0℃近傍にガラス転移温度を持つポリプロプレン樹脂が含まれる。これにより、ブランケット1は巻き取り後に低温に曝されてもロール形状を維持することができる。
実施の形態3.
本発明を実施するための実施の形態3に係る太陽光発電パドルについて、図19を参照して説明する。図19中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。以下では、実施の形態1と同様である点の説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図19は、本発明を実施するための実施の形態3に係る太陽光発電パドルの概略構成を示す斜視図である。図19に示すように、放熱材4は、伸展方向Pに沿って複数枚配設されている。そして、巻き取られる起点となる第1支持部材7側に配置された放熱材41の伸展方向Pに沿った幅L1は、巻き取られる終点となる第2支持部材8側に配置された放熱材42の伸展方向Pに沿った幅L2よりも小さい。すなわち、ブランケット1がロール状に巻き取られた際に、曲率の変化が大きい径方向内側の位置に幅が小さい放熱材41が配置され、曲率の変化が小さい径方向外側の位置に幅が大きい放熱材42が配置される。
上述のとおり、熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面に、伸展方向Pに沿って放熱材4を複数枚配設することで、素子表面3aと素子裏面3bとの温度差を確保しつつ、熱電変換素子3の脱落や損傷を防ぐことができる。さらに本実施の形態では、巻き取られる起点となる第1支持部材7側の放熱材41の伸展方向Pに沿った幅L1が第2支持部材8側の放熱材42の伸展方向Pに沿った幅L2よりも小さい形状とすることで、曲率の異なるブランケット1と放熱材4との間に挟まれた熱電変換素子3にせん断応力がかかるのを抑制しながら放熱面積を大きくすることができる。
実施の形態4.
本発明を実施するための実施の形態4に係る太陽光発電パドル100について、図20を参照して説明する。図20は、本発明を実施するための実施の形態4に係る太陽光発電パドルの熱電変換素子の配置を説明するための説明図である。図20中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
実施の形態1で複数の熱電変換素子3は、ブランケット1上に任意に配設されているのに対して、本実施の形態では、ブランケット1を均等な面積を有する複数の領域21に分け、この領域21ごとに少なくとも1個の熱電変換素子3が配設される。
例えば、図20に示すように、ブランケット1を面積aとする均等な複数の領域21に分け、領域21の中心位置にそれぞれ素子面積bとする1個の熱電変換素子3が配設される。太陽光発電パドル100では、太陽光がブランケット1に配設された複数の太陽電池セル2に一様に入射して電力に変換された際に生じる熱が、ブランケット1に一様に伝わる。このように、均等な領域21ごとに少なくとも1個の熱電変換素子3を設けることで、ブランケット1に一様に伝わった熱が、熱電変換素子3へ均等に分配され効率よく電力に変換することができる。ここで、均等とは厳密に均等でなくてもよく、例えば1つの領域21の面積が他の領域21の面積よりも大きくてもよい。
また複数の熱電変換素子3は、素子表面3aの温度と素子裏面3bの温度との間に十分な温度差を確保するために、ブランケット1に対し、適切な充填率で配設される必要がある。ここで充填率とは、ブランケット1の面積に対する複数の熱電変換素子3の素子表面3a又は素子裏面3bの合計面積の比率をいう。
熱電変換素子3の数は、多いほど電力を増大させることができる。一方、太陽光の熱は1289W/mから1421W/mとほぼ一定であるため、熱電変換素子3の数を増やし、ブランケット1の面積に対する熱電変換素子3の接触面積が大きくなると、1個の熱電変換素子3を通過するときの単位面積あたりの熱が小さくなり、素子表面3aの温度と素子裏面3bの温度との間で温度差が生じにくくなる。
適切な充填率の検証として、太陽光発電パドル100を用いて、ブランケット1の面積Aに対する複数の熱電変換素子3の素子表面3aの合計面積Bの比率B/Aを変化させたときの複数の熱電変換素子3が発生する電力を測定した。具体的には、真空(例えば、0.001Pa以下)かつ低温を維持できる真空容器内に、太陽光発電パドル100を設置し、キセノンランプを光源として光を太陽電池セル2に入射させ、アドバンテスト社製直流電圧電流源モニタにより熱電変換素子3の電力を測定した。また、熱電対を用いて素子表面3aと素子裏面3bとの温度差を測定した。
図21は、本発明を実施するための実施の形態4に係る太陽光発電パドルの熱電変換素子の充填率と、単位面積当たりに発生する電力及び素子表面と素子裏面との温度差との関係図である。図21より、充填率が0.3以下のとき、温度差は増大し、これとともに電力が増大することがわかった。また充填率が、0.006以上0.03以下の場合、さらに著しく温度差を増大させることができ、電力を増大できることがわかった。さらに充填率が0.008以上0.01以下のとき、電力が極大となることがわかった。
例えば、ブランケット1の領域21の面積aを30cm、熱電変換素子3の1個の素子面積bを0.27cmとしたとき、ブランケット1に対する熱電変換素子3の充填率は、0.009となり、熱電変換素子3の単位面積当たりに発生する電力は5.8W/mとなった。
上述の結果から、複数の熱電変換素子3は、充填率が0より大きく0.3以下の範囲となるように配設されることにより、素子表面3aの温度と素子裏面3bの温度との間の温度差を大きくでき、発生する電力を増大させることができる。ここで、熱電変換素子3の数が減少して充填率が小さくなると、温度差が確保できても発生する電力は減少するので、熱電変換素子3の充填率は0.006以上0.03以下の範囲とするのが好ましい。
上述のとおり、熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面に伸展方向Pに沿って複数枚放熱材4を配設することで、熱電変換素子3の素子表面3aと素子裏面3bとの温度差を確保しつつ、熱電変換素子3の脱落や損傷を抑制できる。さらに本実施の形態では、均等な面積を有する複数の領域21ごとに少なくとも1個の熱電変換素子3が配設されることにより、太陽電池セル2からの熱を均等に複数の熱電変換素子3に伝えることができ、熱電変換素子3が発生させる電力を増大させることができる。また、熱電変換素子3は、充填率が0より大きく0.3以下の範囲となるように配置されることで素子表面3aと素子裏面3bとの温度差を確保し、発生する電力を増大できる。さらに、熱電変換素子3は、充填率が0.006以上0.03以下の範囲となるように配置されることで得られる電力をさらに増大できる。
実施の形態5.
本発明を実施するための実施の形態5に係る宇宙構造物について、図22から図24を参照して説明する。図22から図24中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。以下では、実施の形態1と同様である点の説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図22は、本発明の実施の形態5に係る太陽光発電パドルを備えた宇宙構造物を示す概略構成図である。図22に示すように、宇宙構造物200は例えば人工衛星であり、太陽光発電パドル100と、構造物本体110と、アンテナ120とを備える。構造物本体110は、例えば衛星構造体であり、太陽光発電パドル100は、例えば構造物本体110の両側に接続されている。アンテナ120は、例えば構造物本体110の上面や正面に取り付けられている。
太陽光発電パドル100は、ブランケット1の一方の面に太陽電池セル2が複数配設され、ブランケット1の他方の面に熱電変換素子3が複数配設されている。熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面に伸展方向に沿って放熱材4が複数枚配設されている。太陽電池セル2及び熱電変換素子3で発生した電力は、図示していない配線を経由して取り出され、構造物本体110へ送られる。ブランケット1の両側には、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6が設けられ、ブランケット1をロール状に収納及び伸展させる。
図23は、本発明の実施の形態5に係る太陽光発電パドルを備えた宇宙構造物を示す概略構成図である。図23は、ロケットの先端部分であるフェアリングP1に収納されている際の人工衛星を示す。図23に示すように、ロケット打ち上げ時に、太陽光発電パドル100は、ブランケット1がロール状に巻き取られた状態でロケットのフェアリングP1内に収納される。太陽光発電パドル100は、宇宙構造物200が宇宙空間に暴露された後に、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6とともにブランケット1を伸展させる。ブランケット1が伸展された後、太陽電池セル2が太陽光を受けて発電を開始する。
上述のとおり、本実施の形態に係る宇宙構造物200は、熱電変換素子3のブランケット1側の面の反対の面に伸展方向Pに沿って複数枚放熱材4が配設された太陽光発電パドル100を備えることにより、太陽光発電パドル100がロール状に巻き取られた状態で収納される場合でも、熱電変換素子3の脱落や損傷を抑制できる。また、放熱材4を備えることで、宇宙空間でブランケット1が伸展された際に、熱電変換素子3の素子表面3aと素子裏面3bとの温度差を確保し、発生する電力を増大させることができる。さらに、宇宙構造物200は、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6を用いてブランケット1をロール状に巻き取ることができる太陽光発電パドル100を備えるため、打ち上げ時にロケットのフェアリングP1に容易に収納されることができる。
なお、宇宙構造物200が人工衛星である例を示したが、その他の宇宙構造物であってもよい。図24は、本発明の実施の形態5に係る太陽光発電パドルを備えた宇宙構造物の他の例を示す概略構成図である。図24に示すように、宇宙構造物200は、例えば宇宙ステーションである。宇宙ステーションの構造物本体110は、例えばトラスと呼ばれる構造フレームを備え、少なくとも1つの太陽光発電パドル100が取り付けられている。図24では、太陽光発電パドル100が例えば4つである例を示したが、1つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
なお、実施の形態1から5において、放熱材4、第1伸展マスト5、第2伸展マスト6、第1支持部材7及び第2支持部材8として、炭素繊維強化プラスチックである場合を例示したが、強化繊維と樹脂との組合せから構成されていれば、例えばガラス繊維強化プラスチック等、他の強化繊維プラスチックであってもよい。
また、実施の形態1から5において、第1伸展マスト5及び第2伸展マスト6の2本の伸展マストを用いた例を示したが、伸展マストは少なくとも1本あればよく、例えばブランケット1の中央に、1本の伸展マストを配置してもよい。
また、実施の形態1から4において、太陽電池セル2が径方向内側、熱電変換素子3が径方向外側となるようにブランケット1がロール状に巻き取られた例を示しているが、太陽電池セル2が径方向外側、熱電変換素子3が径方向内側であってもよい。
また、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で、実施の形態1から5に開示されている複数の構成要素の適宜組み合わせてもよい。
1 ブランケット、2 太陽電池セル、3 熱電変換素子、3a 素子表面、3b 素子裏面、4 放熱材、5 第1伸展マスト、6 第2伸展マスト、7 第1支持部材、8 第2支持部材、9 接着層、10a 接着層、10b 接着層、11 第1伸展マスト用プリプレグ積層体、12 第2伸展マスト用プリプレグ積層体、13 軸部材、14 バギングフィルム、15 シール材、16 放熱材用プリプレグ積層体、17 枠部材、18 放射断熱材、19 高熱伝導シート、20 空隙、21 領域、100 太陽光発電パドル。

Claims (10)

  1. ブランケットと、
    前記ブランケットをロール状に巻き取って収納させる機能及び伸展させる機能を有する伸展マストと、
    前記ブランケットの一方の面に複数配設される太陽電池セルと、
    前記ブランケットの他方の面に複数配設される熱電変換素子と、
    前記熱電変換素子の前記ブランケット側の面の反対の面に前記伸展マストの伸展方向に沿って複数枚配設される放熱材と
    を備えることを特徴とする太陽光発電パドル。
  2. 前記放熱材は、前記伸展マストの伸展方向に対して垂直な方向に沿って複数枚配設されることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電パドル。
  3. 前記ブランケットの巻き取られる起点となる側に配設される前記放熱材の前記伸展マストの伸展方向に沿った幅は、前記ブランケットの巻き取られる終点となる側に配設される前記放熱材の前記伸展マストの伸展方向に沿った幅よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽光発電パドル。
  4. 前記放熱材は、前記熱電変換素子側の面の熱膨張率が、前記熱電変換素子側の面の反対の面の熱膨張率よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽光発電パドル。
  5. 前記ブランケットは、複数の均等な面積を有する領域ごとに1個の前記熱電変換素子が配設されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の太陽光発電パドル。
  6. 複数の前記熱電変換素子の前記ブランケットとの接触面積の合計は、前記ブランケットの面積に対して0より大きく0.3以下の範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の太陽光発電パドル。
  7. 前記ブランケットの前記太陽電池セル側の面の反対の面のうち、前記熱電変換素子が配置されていない面に、放射断熱材が設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の太陽光発電パドル。
  8. 前記ブランケットの前記熱電変換素子側の面及び前記放熱材の前記熱電変換素子側の面の反対の面の少なくとも一方に、高熱伝導シートが設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽光発電パドル。
  9. プリプレグを複数枚積層し、軸部材に巻きつけてバギングフィルムで覆い、前記バギングフィルムの外部から加圧及び加熱して伸展マストを形成するステップと、
    ブランケットの一方の面に太陽電池セルを複数配設するステップと、
    前記ブランケットの他方の面に熱電変換素子を複数配設するステップと、
    前記熱電変換素子の前記ブランケット側の面の反対の面に前記伸展マストの伸展方向に沿って放熱材を複数枚配設するステップと
    を備えることを特徴とする太陽光発電パドルの製造方法。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載の太陽光発電パドルと、
    前記太陽光発電パドルが取り付けられる構造物本体と
    を備えることを特徴とする宇宙構造物。
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