JP6526998B2 - カテーテル、およびカテーテルの製造方法 - Google Patents

カテーテル、およびカテーテルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医療機器であるカテーテル、および当該カテーテルの製造方法に関する。
生体器官内で行われる各種の治療行為を実施するに際して、可撓性を備える管状の中空部材により構成されたチューブ本体を備える医療器具が使用されている。この種の医療器具として、バルーンカテーテル等のカテーテルデバイスを生体内の所望の位置まで送達する際に使用されるガイディングカテーテル、造影剤を生体内に吐出する際に使用される造影カテーテル、薬剤の吐出等に使用されるマイクロカテーテルなどが一般的に知られている。
例えば、上記のカテーテルにおいては、蛇行や湾曲した生体管腔内における操作性や、屈曲に対する折れ曲がりの生じ難さ(耐キンク性)といった性質を備え得るように、所望の物性を備える内層や外層からなる層構造を形成し、さらに内層と外層との間に金属素線などからなる線材を編組して補強体を備えさせている。
また、補強体を備えるカテーテルでは、耐キンク性をより一層高めるために、補強体を構成する線材に剛性およびばね性の強い素材を選択することがある。ただし、このような素材で補強体を構成すると、編組した補強体の端部(例えば、先端部)がばらついてしまい、補強体の端部が外層から突出して外部へ露出してしまう虞がある。このような理由から、チューブ本体の製造工程時に補強体の端部を内層に固定する加工等を施す場合がある。
補強体の端部を内層に固定する方法として、例えば、内層の外表面上に補強体を配置した後、溶接や焼鈍し等の熱処理を補強体に施して、補強体の持つばね性を失わせる方法を採用することがある。しかしながら、この方法を採用すると、内層を構成する材料の物性によっては、補強体の熱処理により内層が損傷し、内層に穴あきが発生する虞がある。また、この内層に形成された穴あきにより、補強体がチューブ本体の内面に露出したり、チューブ本体の強度が低下したりする可能性がある。これにより、製品品質を満たさない不良品の製造数が多くなり、チューブ本体を構成部材とするカテーテルの生産効率の低下を招くことになる。
上記のような課題に対して、下記特許文献1に記載されたカテーテルチューブ(チューブ本体)の製造方法においては、接着性を備える固定テープを使用して補強体の端部を固定する試みがなされている。このような方法によれば、補強体の端部を固定する際に内層に熱的な影響が及ぶことがないため、内層に穴あきが発生することを防止し得る。
特開2001−170180号公報
ただし、固定テープを使用して内層と補強体とを固定する場合、内層と補強体との間の固定力は固定テープが備える接着性に依存することになる。固定テープの接着性は、接着層の厚みや面積を調整することにより高めることが可能であるが、チューブ本体のような細径な部材に巻き付けて使用することを考慮すると、固定テープの接着層の厚みや面積を不必要に大きく設計することは好ましくない。このため、例えば、固定テープの接着層の材質と内層の材質との関係により、内層に対して固定テープを強固に接着させることができないような場合には、補強体の端部を内層に対して固定する十分な固定力を確保し難くなる。また、このような場合、例えば、固定テープを重ねて巻き付けることによって固定テープ同士を固定することにより固定力を高めることは可能になるが、固定テープが重ねて巻き付いた部分が他の部分よりも大径化されるため、チューブ本体の外表面に段差が生じてしまう。さらに、固定テープが巻き付いた部分がチューブ本体の軸方向にある程度の長さで延在することになるため、チューブ本体の外表面に形成された段差の影響が補強体の端部だけではなく、その周辺の比較的広い範囲に亘って及ぼされることになるため、カテーテルの製品品質の低下を招くことになる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、生産効率および製品品質を低下させることなく、内層と補強体の端部(例えば、先端部)を固定する固定部の固定力の向上が図られたチューブ本体を備えるカテーテルを提供すること、および当該カテーテルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るカテーテルは、樹脂材料からなる内層と、前記内層の外表面に配置された補強体と、前記内層の外表面と前記補強体の外表面とを被覆するように配置された樹脂材料からなる外層と、前記補強体と前記内層とを固定する接合材により構成された固定部と、を有する管状のチューブ本体を備えたカテーテルであって、前記接合材は、前記内層および前記外層とは異なる材料で構成されており、前記固定部は、前記補強体の軸方向の端部のみに配置され、かつ、前記補強体の軸方向の先端部の少なくとも一部を前記内層の周方向に沿う全周に亘って被覆するとともに、前記補強体を形成する素線と前記内層との間および前記素線と前記外層との間に介在し、前記固定部は、前記補強体の軸方向の先端を含む部分に少なくとも形成されている、カテーテルである。
また、本発明に係るカテーテルの製造方法は、内層及び外層を有するチューブ本体を備えるカテーテルの製造方法であって、前記内層の外表面に接合材を塗布する工程と、前記内層の外表面に補強体を配設し、前記補強体の軸方向の先端部の少なくとも一部を前記内層の周方向に沿う全周に亘って前記接合材により被覆して固定部を形成する工程と、前記内層と前記補強体と前記固定部を前記外層により被覆する工程と、前記固定部において前記外層および前記補強体を切断して除去する工程と、を含むカテーテルの製造方法である。
上記のように構成したカテーテルによれば、内層に対して補強体を固定する固定部が補強体の端部の周方向の全周を被覆しているため、補強体が内層に対してより強固に固定されたものとなる。さらに、内層および外層とは異なる材料からなる接合材により固定部が構成されているため、内層に補強体を固定して補強体が外層から露出するのを防止するに際して、内層に穴あきが形成されたり、内層の外表面に段差が形成されたりするのを防止することが可能になる。また、固定部は、補強体の端部のみに配置されているため、内層及び外層の物性に影響を与える可能性が低く、内層及び外層の柔軟性等に影響しにくい。これにより、生産効率および製品品質を低下させることなく、内層と補強体の端部(特に、先端部)を固定する固定部の固定力が向上されたチューブ本体を備えるカテーテルを提供することができる。
また、上記のように構成したカテーテルによれば、内層の外表面に接合材を塗布した後、接合材が塗布された部分に対して補強体を配設するため、製造作業時に補強体の先端部の周方向の全周を接合材により容易に被覆することが可能である。さらに、固定部において、または固定部よりも先端側の部分において補強体を切断するため、補強体の先端部がばらつくことがなく、補強体が外層から露出するのを好適に防止することが可能となる。
実施形態に係るカテーテルを示す図であって、(A)は、カテーテルの全体構成を簡略化して示す平面図、(B)は、図1(A)に示す破線部1B部分の拡大断面図である。 実施形態に係るチューブ本体を製造する製造装置を示す図であって、(A)は、製造装置の全体構成を模式的に示す図、(B)は、製造装置が備える編組機の斜視図である。 図3(A)〜(C)は、実施形態に係るチューブ本体の製造方法の各工程を説明するための断面図である。 図4(A)〜(D)は、実施形態に係るチューブ本体の製造方法の各工程を説明するための断面図である。 図5(A)〜(D)は、各製造工程における固定部の状態を示す部分拡大断面図である。
以下、各図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、実施形態に係るチューブ本体および当該チューブ本体を備えるカテーテルを示す図、図2は、チューブ本体を製造する製造装置を示す図、図3〜図5は、チューブ本体の製造方法の説明に供する図である。
本実施形態に係るチューブ本体100は、図1(A)に示すように、血管、胆管、気管、食道、尿道、またはその他の生体管腔内や体腔内に挿入されて治療や診断等を行うためのカテーテル10に用いることができる。
カテーテル10は、生体内に導入可能な長尺状のチューブ本体100と、チューブ本体100の基端部105側に連結されるハブ200と、を備えている。また、カテーテル100は、チューブ本体100とハブ200の連結部付近に、耐キンクプロテクタ(ストレインリリーフ)210を備えている。なお、カテーテル100は、図1(A)の形態に限定されず、耐キンクプロテクタ210を備えていなくてもよい。
本明細書では、チューブ本体100においてハブ200が配置される側を基端側と称し、基端側とは反対側に位置し、生体内に導入される側を先端側と称し、チューブ本体100が延伸する方向を軸方向と称する。
図1(B)、図4(D)に示すように、チューブ本体100は、軸方向に延在するルーメン101が形成された可撓性を有する管状の部材として構成している。なお、図1(B)は、図1(A)に示す破線部1B部分で囲まれたチューブ本体100の先端部103を拡大して示す断面図である。
チューブ本体100は、樹脂材料からなる内層110と、内層110の外表面に配置された補強体120と、内層110の外表面と補強体120の外表面とを被覆するように配置された樹脂材料からなる外層130と、補強体120と内層110とを固定する接合材140aにより構成された固定部140と、先端に柔軟性を付加するために設けられた先端チップ150と、を有している。また、図1(B)に示すように、固定部140は、補強体120の先端部123に配置されており、かつ、補強体120の先端部123の少なくとも一部を内層110の周方向に沿う全周に亘って被覆している。
次に、チューブ本体100およびカテーテル10の各部の構成や材質等について説明する。
内層110の構成材料としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素エチレン性重合体やナイロン等のポリアミド、ナイロンエラストマー等のポリアミドエラストマー等の樹脂を使用することができる。上記の中でも、潤滑性の高いPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)またはPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)を好適に使用することができる。これらの材料を使用することにより、内面の摩擦抵抗を小さくすることが可能になるため、カテーテル10の使用時にチューブ本体100のルーメン101に挿入されるガイドワイヤや各種のカテーテルデバイスの操作性を向上させることができる。
補強体120は、所定の素線(線材)126を内層110の外表面に編組して構成している。素線126は、後述する編組機(補強体配設機)330を使用して内層110の外表面に編組している(図2(B)を参照)。
補強体120の編組の構造は、例えば、素線126同士が交互に交差する1オーバー1アンダーの構造、または素線126が2回おきに交差する2オーバー2アンダーの構造、複数本を1組として編み込まれた構造、または、これらを組み合わせた構造など様々形態を採用することができ、特に限定されることはない。
素線126としては、例えば、金属素線、樹脂素線、または金属素線と樹脂素線とを組合せたものなどを使用することができる。素線の加工性、補強体120の製造性の観点においては、金属素線であることが好ましく、柔軟性、伸び性、電気絶縁性の観点においては、溶融液晶ポリマーを内芯とし、屈曲性ポリマーを外層とするモノフィラメントの樹脂素線が好ましい。
上記金属素線としては、例えば、ステンレス、タングステン、銅、ニッケル、チタン、ピアノ線、コバルト−クロム系合金、ニッケル−チタン系合金(超弾性合金)、銅−亜鉛系合金、アモルファス合金等の各種金属素線を使用することができる。
素線126の断面形状は、特に限定されないが、例えば、略円形や略長方形に形成することができる。ただし、補強体120の密度を大きくすることで操作性能を向上させる観点より、素線126の断面形状は、略長方形であることが好ましい。
外層130の構成材料としては、例えば、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー、またはこれらのうちの2種以上を組み合わせたものを挙げることができる。外層130は、異なる樹脂材料を積層して構成された多層構造を有していてもよい。また、外層130の外表面に親水性高分子からなる材料を被覆して親水性コート層などを形成することも可能である。
固定部140を構成する接合材140aは、内層110および外層130とは異なる材料で構成される。接合材140aとしては、例えば、内層110に対して補強体120を固定する固定力(接着力)を有する樹脂材料からなる接着剤またはカップリング剤を使用することが可能である。
固定部140を構成する接着剤としては、例えば、シアノアクリレート系樹脂やUV接着剤であるアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等を使用することができる。
また、固定部140を構成する接着剤としては、例えば、ホットメルト型接着剤を使用してもよい。ホットメルト型接着剤の樹脂成分は、熱可塑性樹脂であればよく、例えば、ポリアミド系、アクリル系、ポリオレフィン系、エチレン−酢酸ビニル系、クロロプレン系、反応系ウレタン樹脂等の合成樹脂系のものが挙げられる。
また、固定部140を構成するカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤を使用することができる。シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
先端チップ150は、熱収縮性を備え、かつ、外層130よりも柔軟な樹脂製の材料により構成することができる。材質は、内層110に対して固着することが可能であれば特に限定されない。
ハブ200は、接着剤や固定具(図示せず)等によりチューブ本体100と液密に固着されている。ハブ200は、チューブ本体100のルーメン101内へのガイドワイヤの挿入口、ルーメン101内への薬液や塞栓物質、造影剤等の注入口等として機能し、また、カテーテル10を操作する際の把持部としても機能する。ハブ200の材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
なお、図1(A)のように耐キンクプロテクタ210を有する場合、耐キンクプロテクタ210は、チューブ本体100の基端部105の一部を囲むように設けられる弾性材料により構成することができる。耐キンクプロテクタ210の構成材料としては、例えば、天然ゴム、シリコーン樹脂等を使用することができる。
次に、補強体120と内層110とを固定する固定部140について説明する。
図1(B)に示すように、固定部140は、補強体120の先端部123を内層110の周方向に沿う全周に亘って被覆している。ここでいう補強体120の先端部123とは、補強体120を構成する素線126の組(126a、126b)において、チューブ本体100の先端部103側に位置する部分のことである。
各素線126a、126bは、各々が固定部140を構成する接合材140aに埋没するように配設される。具体的には、内層110の外表面に近い側に配設される素線126aと内層110の外表面との間に接合材140aが介在し、かつ、内層110の外表面から遠い側に配設される素線126bと素線126aとの間に接合材140aが介在した状態で固定がなされる。このため、各素線126a、126bの間の固定力、および各素線126a、126bと内層110の外表面との間の固定力が強固なものとなっている。また、固定部140は、補強体120の先端部123に配置されているため、内層110及び外層130の物性に影響を与える可能性が低く、内層110及び外層130の柔軟性等に影響しにくい。
また、本実施形態に係るチューブ本体100においては、固定部140は、補強体120の先端123aを含む部分に形成している。つまり、内層110の外表面上に配設された補強体120において、機械的な特性(ばね性等)が最も作用し易い部位で内層110に対して補強体120が固定されている。これにより、補強体120がばらついて外層130から露出するのを好適に防止することが可能になっている。
また、前述したように、固定部140を構成する接合材140aとして接着剤やカップリング剤を使用することができるため、後述するように固定部140の形成を容易な作業工程で行うことが可能になっている。
次に、チューブ本体100の製造装置300について説明する。
図2(A)に示すように、製造装置300は、内層110が被覆される芯線160を供給する供給ローラー310と、芯線160に内層110を構成する樹脂材料を被覆する第1押出成形機320と、内層110に素線126を配設して補強体120を編組する編組機330と、内層110および補強体120の外表面に外層130を被覆する第2押出成形機340と、製造装置300を使用した製造工程の流れに従って芯線160を移動させる引込ローラー350と、を備えている。
製造装置300は、一本の長尺な芯線160上に、内層110、補強体120、外層130を連続的に成形する連続成形装置として構成している。
製造装置300を使用した製造工程の流れを説明する。
芯線160は、例えば、供給ローラー310に巻回した状態で準備される。供給ローラー310は、芯線160を製造工程の下流側へ送り出す。芯線160としては、例えば、金属材料で形成した金属ワイヤ、又は耐熱性を有する樹脂材料で形成した樹脂ワイヤを使用するこができる。なお、金属ワイヤの金属材料としては、銅、アルミニウム、金、銀、ステンレス等を用いることが可能である。
第1押出成形機320は、芯線160の外表面に内層110を構成する樹脂層を被覆する。第1押出成形機320は、例えば、溶融した樹脂材料を供給する供給部と、樹脂材料を押出成形する金型とを備える公知の押出成形機により構成することが可能である。
編組機330は、芯線160に被覆された内層110の外表面に補強体120を編組する。また、後述するように、編組機330は、補強体120の編組に先立って、内層110の外表面上に接合材140aを塗布する(図3(A)を参照)。なお、接合材140aは、液体(液状)の接着剤や溶融した接着剤を使用することができる。
第2押出成形機340は、内層110および補強体120の外表面に外層130を構成する樹脂層を被覆する。第2押出成形機340は、第1押出成形機320と同様に、例えば、公知の押出成形機により構成することが可能である。
製造装置300を使用して、芯線160上に内層110、補強体120、外層130、固定部140を形成した後、芯線160を所定の長さに切り出す(図4(A)を参照)。その後、先端チップ150を取り付ける作業や、芯線160を内層110から抜去する作業を行うことにより、チューブ本体100を形成することができる(図4(D)を参照)。
図2(B)を参照して、編組機330について説明する。
編組機330は、同心的に回転する内側ターンテーブル331と外側ターンテーブル333とを有している。内側ターンテーブル331の中心には、内層110が被覆された芯線160が挿通される。
内側ターンテーブル331上には、素線126の供給源であるキャリア(素線126を繰り出す糸巻き状の供給部)335aが搭載されている。外側ターンテーブル333上にも、同様に、素線126の供給源であるキャリア335bが搭載されている。内側ターンテーブル331と外側ターンテーブル333とは、互いに独立して回転することができる。
内側ターンテーブル331上では、回転に伴い、半径方向に隣り合って配置された2つのキャリア335aが、中心側の位置および外周側の位置を交互に入れ替わるように移動する(図中の一点鎖線aを参照)。同様に、外側ターンテーブル333上では、回転に伴い、半径方向に隣り合って配置された2つのキャリア335bが、中心側の位置および外周側の位置を交互に入れ替わるように移動する(図中の一点鎖線bを参照)。
内層110上に補強体120を形成する際には、内層110および芯線160を前方側へ移動させつつ、内側ターンテーブル331および外側ターンテーブル333を同方向に回転させる。そして、各キャリア335a、335bから素線126を繰り出して、内層110の外表面に補強体を編組する。このとき、半径方向に隣り合う2つのキャリア335a同士、およびキャリア335b同士は、互いに中心側の位置および外周側の位置を交互に入れ替わるように移動するので、内層110の外周面に素線126が連続的に巻き付けられて、編組体となった補強体120が形成される。
なお、この編組機330を使用する場合、芯線160の移動速度や、各ターンテーブル331、333の回転速度(各速度)を適宜調整することにより、補強体120の粗密を適宜に調整することが可能となる。
また、編組機330は、接合材140aを貯留および吐出することが可能に構成されている。編組機330は、接合材140aを内部に貯留し、ノズル337を介して補強体120が形成される前の状態にある内層110上に接合材140aを滴下して塗布する。
次に、図3〜図5を参照して、本実施形態に係るチューブ本体100の製造方法を説明する。なお、図3〜図5は、製造方法を概略的に説明する図面であり、各部材の寸法比率等が図示されたものに限定されることはない。
本実施形態に係るチューブ本体100の製造方法は、芯線160に内層110を被覆する工程(内層被覆工程)と、内層110上に補強体120を配設する工程(補強体配設工程)と、内層110および補強体120の外表面に外層130を被覆する工程(外層被覆工程)と、内層110、外層130、芯線160を切断して切り出す工程(切り出し工程)と、補強体120および外層130を切断して除去する工程(除去工程)と、先端チップを取り付ける工程(取り付け工程)と、を有している。
まず、芯線160を製造工程の進行方向の上流側から下流側へ向かって移動させつつ(図2(A)を参照)、芯線160の外表面に内層110を被覆する。
次に、図3(A)に示すように、内層110の外表面に補強体120を形成する。また、内層110上には、接合材140aを塗布する。この際、接合材140aは、内層110の外周面全体に亘って塗布するようにする。
図3(B)に示すように、接合材140aが塗布された部分に対して素線126を配設する。素線126により構成された補強体120は、接合材140aにより全周が覆われる。
図5(A)〜図5(C)には、補強体120が形成される前後における接合材140a(固定部140)の様子を示している。
図5(A)に示すように接合材140aが内層110に塗布された状態で、補強体120を構成する素線126aは、接合材140aの内部へ投入される。これにより、素線126aは、図5(B)に示すように、接合材140aに埋設される。同様に、補強体120を構成する素線126bは、接合材140aの内部へ投入されることにより、図5(C)に示すように、接合材140a内に埋設される。したがって、補強体120を構成する各素線126a、126bは、その全周が接合材140aにより被覆された状態となる。
内層110に塗布した接合材140aは、所定の時間が経過して硬化することにより、固定部140を構成する。なお、補強体120が形成された後、接合材140aを冷却等して硬化を促進させてもよい。
次に、図3(C)に示すように、芯線160および内層110を移動させつつ、接合材140aの塗布と補強体120の編組を引き続き実施する。
次に、図4(A)に示すように、内層110および補強体120の外表面に外層130を形成する。その後、芯線160とともに、内層110、補強体120、外層130を所定の長さに切り出す。切り出し位置c1は、特に限定されないが、少なくとも、製造されるチューブ本体100の先端部103側に固定部140(先端部側に形成された固定部140)が含まれるような位置に設定する。切断方法としては、例えば、切断具を使用した方法、レーザーやアーク溶接による方法、薬剤を使用した方法などを採用することが可能である。なお、内層110および補強体120の外表面に外層130を形成する前に、内層110、補強体120を所定の長さに切り出してもよい。そして、切り出した後に、内層110および補強体120の外表面に外層130を形成してもよい。これにより、固定部140の位置をより正確に把握しつつ、内層110、補強体120を所定の長さに切り出すことができる。
次に、図4(B)に示すように、補強体120の先端部123を固定する固定部140において、外層130および補強体120を切断する。そして、図4(C)に示すように、切断した外層130および補強体120を内層110の外表面から除去し、内層110の先端部113を露出させる。
上記の作業を終えた段階で、図5(D)に示すように、補強体120の先端部123の先端面124は固定部140から露出した状態になるが、先端部123の外周面が固定部140により被覆された状態は維持されているため、除去作業に伴って補強体120がばらついて、外層130から露出するのを好適に防止することができる。
次に、図4(D)に示すように、内層110の先端部113に先端チップ150を固着させる。先端チップ150は、例えば、接着剤を使用して内層110に固着させたり、先端チップ150を熱収縮させて内層110に固着させたりすることができる。
なお、補強体120および外層130を切断する位置(除去する部分)は、先端チップ150を取り付ける位置に応じて適宜変更することが可能であり、例えば、補強体120の先端部123を被覆する固定部140よりも先端側の位置に設定してもよい。また、補強体120、外層130とともに内層110を切断して除去し、内層110の先端部113を残さずに先端チップ150を取り付けてもよい。また、内層110上に補強体120を形成した後、外層130を被覆する前に、補強体120を除去することも可能である。
次に、内層110から芯線160を抜去することにより、内層110、補強体120、外層130、固定部140、先端チップ150を備えるチューブ本体100を得る。その後、チューブ本体100に対して耐キンクプロテクタ210およびハブ200を取り付ける作業を行うことにより、図1(A)に示すカテーテル10の製造が完了する。
上述したように本実施形態に係るカテーテル10の製造方法においては、内層110の外表面に接合材140aを塗布した後、接合材140aが塗布された部分に対して補強体120を配設しているため、製造作業時に補強体120の先端部123の全周を接合材140aにより容易に被覆することが可能である。また、固定部140が形成された部分で補強体120を切断するため、切断した補強体120の先端部123がばらつくことがなく、補強体120が外層130から露出するのを好適に防止することが可能となる。また、固定部140が補強体120の先端部123のみに配置される場合、補強体120の軸方向における全周に亘って固定部140を設ける場合と比較してコストが低減でき、かつ、補強体120の軸方向における全周に亘って固定部140を設ける場合と比較して作業も簡便に行うことができる。
以上、実施形態を通じて本発明に係るカテーテルおよびカテーテルの製造方法を説明したが、本発明は実施形態において説明した内容のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、チューブ本体に形成する固定部は、補強体の端部(先端部または基端部)を固定する位置に少なくとも形成されていればよく、一つのチューブ本体に対して複数箇所に設けることも可能であり、チューブ本体の基端部側に配置される補強体の基端部や基端などに固定部を形成することも可能である。この場合、補強体の先端部に形成した固定部と、補強体の基端部に形成した固定部とにおいてチューブ本体を切り出して、一つの単位長さとして構成してもよい。補強体の両端部において固定部を形成することにより、内層に対する補強体の固定力をより一層高めることが可能になる。
また、実施形態においては、チューブ本体の先端部に先端チップを取り付けた構成のカテーテルを示したが、先端チップの設置は適宜省略することが可能である。
また、実施形態においては、一つの芯線上に内層、補強体、外層を連続的に形成した後、所定の長さに切り出して一つのチューブを形成する連続成形方法によりチューブ本体を製造する方法を説明したが、例えば、予め所定の長さで切り出した芯線上に一つのチューブ本体を成形する製造方法を採用することも可能である。このような製造方法にすることにより、カテーテルに不透明な外層を被覆した場合でも、接合材により構成された固定部の位置を把握しやすくなる。
また、チューブ本体の製造に使用される製造装置の各部の構成は、一例であり、補強体の先端部の全周を被覆する固定部を形成し得る限りにおいて適宜変更することが可能である。
10 カテーテル、
100 チューブ本体、
103 チューブ本体の先端部、
105 チューブ本体の基端部、
110 内層、
120 補強体、
123 補強体の先端部、
123a 補強体の先端、
126、126a、126b 素線、
130 外層、
140 固定部、
140a 接合材、
150 先端チップ、
160 芯線、
200 ハブ、
210 ストレインリリーフ、
300 チューブ本体の製造装置。

Claims (4)

  1. 樹脂材料からなる内層と、前記内層の外表面に配置された補強体と、前記内層の外表面と前記補強体の外表面とを被覆するように配置された樹脂材料からなる外層と、前記補強体と前記内層とを固定する接合材により構成された固定部と、を有する管状のチューブ本体を備えたカテーテルであって、
    前記接合材は、前記内層および前記外層とは異なる材料で構成されており、
    前記固定部は、前記補強体の軸方向の端部のみに配置され、かつ、前記補強体の軸方向の先端部の少なくとも一部を前記内層の周方向に沿う全周に亘って被覆するとともに、前記補強体を形成する素線と前記内層との間および前記素線と前記外層との間に介在し、
    前記固定部は、前記補強体の軸方向の先端を含む部分に少なくとも形成されている、カテーテル。
  2. 前記接合材は、樹脂材料からなる接着剤、またはカップリング剤である、請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記補強体は、前記内層の外表面と前記外層との間に編組された複数の前記素線を有し、
    前記固定部は、複数の前記素線の各々の間に介在している、請求項1または請求項2に記載のカテーテル。
  4. 内層および外層を有するチューブ本体を備えるカテーテルの製造方法であって、
    前記内層の外表面に接合材を塗布する工程と、
    前記内層の外表面に補強体を配設し、前記補強体の軸方向の先端部の少なくとも一部を前記内層の周方向に沿う全周に亘って前記接合材により被覆して固定部を形成する工程と、
    前記内層と前記補強体と前記固定部を前記外層により被覆する工程と、
    前記固定部において前記外層および前記補強体を切断して除去する工程と、を含むカテーテルの製造方法。
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