JP6526850B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア(Larmor)周波数のRF(Radio Frequency)パルスによって磁気的に励起し、この励起に伴って発生する磁気共鳴信号から画像を生成する撮像法である。
この磁気共鳴イメージングの分野においては、タグパルスの印加により流体(例えば、血液、脳脊髄液(CSF:Cerebrospinal Fluid)、リンパ液等)を標識化することで、撮像領域に流入する流体の信号を描出する非造影の撮像法がある。例えば、ASL(Arterial Spin Labeling)法と呼ばれる撮像法では、タグパルスの印加により血液が標識化され、撮像領域に流入する血液の信号が描出される。また、ASL法には、タグパルスの印加後磁気共鳴信号の収集前に、領域を選択しない非選択プリパルスを印加することで、血液以外の背景信号を抑制する手法がある。かかるASL法は、パフュージョン撮像や、MRA(Magnetic Resonance Angiography)撮像等に用いられている。
特開2009−261517号公報 特開2011−183152号公報
本発明が解決しようとする課題は、プリパルスの設定を容易且つ柔軟に行うことが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することである。
実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、受付部と、設定部と、導出部とを備える。前記受付部は、磁気共鳴信号を収集する、複数の組織を含む撮像領域に含まれる複数種類の観察対象のリストを提示し、前記リストから、少なくとも1つの前記観察対象の選択を受け付ける。前記設定部は、前記受付部により受け付けられた前記観察対象に対応する、信号の抑制が所望される組織を前記複数の組織の中から設定する。前記導出部は、前記設定部による設定に応じて、前記磁気共鳴信号の収集前に印加されるプリパルスの印加タイミングを導出する。
図1は、第1の実施形態に係るMRI装置の構成を示す機能ブロック図。 図2は、第1の実施形態における処理手順を示すフローチャート。 図3は、第1の実施形態におけるプロトコル選択画面を示す図。 図4は、第1の実施形態における位置決め画像を示す図。 図5は、第1の実施形態における撮像条件の設定画面を示す図。 図6は、第1の実施形態における非選択プリパルスの設定手順を示すフローチャート。 図7は、第1の実施形態における信号値推移のグラフ表示を示す図。 図8は、第1の実施形態における信号値推移のグラフ表示を示す図。 図9は、第1の実施形態における信号値推移のグラフ表示を示す図。 図10は、第1の実施形態の変形例における非選択プリパルスの設定手順を示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置を説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、各実施形態において説明する内容は、原則として、他の実施形態においても同様に適用することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るMRI装置100の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、MRI装置100は、静磁場磁石101と、静磁場電源102と、傾斜磁場コイル103と、傾斜磁場電源104と、寝台105と、寝台制御部106と、送信コイル107と、送信部108と、受信コイル109と、受信部110と、シーケンス制御部120と、計算機130とを備える。なお、MRI装置100に、被検体P(例えば、人体)は含まれない。また、図1に示す構成は一例に過ぎない。例えば、シーケンス制御部120及び計算機130内の各部は、適宜統合若しくは分離して構成されてもよい。
静磁場磁石101は、中空の円筒形状に形成された磁石であり、内部の空間に静磁場を発生する。静磁場磁石101は、例えば、超伝導磁石等であり、静磁場電源102から電流の供給を受けて励磁する。静磁場電源102は、静磁場磁石101に電流を供給する。なお、静磁場磁石101は、永久磁石でもよく、この場合、MRI装置100は、静磁場電源102を備えなくてもよい。また、静磁場電源102は、MRI装置100とは別に備えられてもよい。
傾斜磁場コイル103は、中空の円筒形状に形成されたコイルであり、静磁場磁石101の内側に配置される。傾斜磁場コイル103は、互いに直交するX、Y、及びZの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、傾斜磁場電源104から個別に電流の供給を受けて、X、Y、及びZの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する。傾斜磁場電源104は、傾斜磁場コイル103に電流を供給する。
寝台105は、被検体Pが載置される天板105aを備え、寝台制御部106による制御の下、天板105aを、被検体Pが載置された状態で、傾斜磁場コイル103の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台105は、長手方向が静磁場磁石101の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御部106は、計算機130による制御の下、寝台105を駆動して天板105aを長手方向及び上下方向へ移動する。
送信コイル107は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、送信部108からRFパルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。送信部108は、対象とする原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスを送信コイル107に供給する。
受信コイル109は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられる磁気共鳴信号を受信する。受信コイル109は、磁気共鳴信号を受信すると、受信した磁気共鳴信号を受信部110へ出力する。
なお、上述した送信コイル107及び受信コイル109は一例に過ぎない。送信機能のみを備えたコイル、受信機能のみを備えたコイル、若しくは送受信機能を備えたコイルのうち、1つ若しくは複数を組み合わせることによって構成されればよい。
受信部110は、受信コイル109から出力される磁気共鳴信号を検出し、検出した磁気共鳴信号に基づいてMR(Magnetic Resonance)データを生成する。具体的には、受信部110は、受信コイル109から出力される磁気共鳴信号をデジタル変換することによってMRデータを生成する。また、受信部110は、生成したMRデータをシーケンス制御部120へ送信する。なお、受信部110は、静磁場磁石101や傾斜磁場コイル103等を備える架台装置側に備えられてもよい。
シーケンス制御部120は、計算機130から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源104、送信部108及び受信部110を駆動することによってパルスシーケンスを実行し、被検体Pの撮像を行う。ここで、シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場電源104が傾斜磁場コイル103に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信部108が送信コイル107に供給するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信部110が磁気共鳴信号を検出するタイミング等が定義される。例えば、シーケンス制御部120は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサである。
なお、シーケンス制御部120は、傾斜磁場電源104、送信部108及び受信部110を駆動して被検体Pを撮像した結果、受信部110からMRデータを受信すると、受信したMRデータを計算機130へ転送する。
計算機130は、MRI装置100の全体制御や、MR画像の生成等を行う。計算機130は、インタフェース部131、記憶部132、制御部133、入力部134、表示部135、及び画像生成部136を備える。
インタフェース部131は、シーケンス情報をシーケンス制御部120へ送信し、シーケンス制御部120からMRデータを受信する。また、インタフェース部131は、MRデータを受信すると、受信したMRデータを記憶部132に格納する。記憶部132に格納されたMRデータは、制御部133によってk空間に配置される。この結果、記憶部132は、k空間データを記憶する。
記憶部132は、インタフェース部131によって受信されたMRデータや、制御部133によってk空間に配置されたk空間データ、画像生成部136によって生成された画像データ等を記憶する。例えば、記憶部132は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。
入力部134は、操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける。入力部134は、例えば、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス、キーボード等の入力デバイスである。表示部135は、制御部133による制御の下、撮像条件の入力を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、画像生成部136によって生成されたMR画像等を表示する。表示部135は、例えば、液晶モニタ等の表示デバイスである。
制御部133は、MRI装置100の全体制御を行い、撮像やMR画像の生成、MR画像の表示等を制御する。例えば、制御部133は、CPU、MPU等のプロセッサである。また、制御部133は、図1に示すように、撮像条件設定部133a(「導出部」とも呼ばれる)を有する。撮像条件設定部133aは、撮像条件の入力をGUI上で受け付け、受け付けた撮像条件に従ってシーケンス情報を生成する。また、撮像条件設定部133aは、生成したシーケンス情報をシーケンス制御部120へ送信する。
画像生成部136は、k空間データを記憶部132から読み出し、読み出したk空間データにフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、MR画像を生成する。
さて、第1の実施形態に係るMRI装置100は、ASL法を用いて被検体の頭部を非造影で撮像するケースを想定し、そのイメージングスキャンに先行して行われる撮像条件の設定において、非選択プリパルスの設定を容易且つ柔軟に行うためのGUIを提供するものである。以下では、MRI装置100による検査の処理手順に沿って、例示的な実施形態を説明する。
図2は、第1の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。検査が開始されると、まず、撮像条件設定部133aが、検査に含まれる一連のプロトコル群の選択を受け付けるためのプロトコル選択画面を表示部135に表示し、医師や技師等の操作者から、プロトコル群の選択を受け付ける(ステップS1)。
なお、「プロトコル」とは、撮像条件の設定情報を含むパルスシーケンス情報である。MRI装置100による検査には、各種準備スキャンやイメージングスキャンといった、一連のパルスシーケンス群が含まれる。また、各パルスシーケンスには、TR(Repetition Time)やTE(Echo Time)、フリップ角FA(Flip Angle)等の撮像条件が設定される。MRI装置100は、これら撮像条件の設定情報(事前に設定されたプリセット情報を含む)を含むパルスシーケンス情報を「プロトコル」として管理し、提供している。このプロトコル群には、例えば、位置決め画像を収集するためのプロトコルや、感度マップを収集するためのプロトコル、シミングのためのプロトコル、イメージングのためのプロトコル等が、それぞれ、1つ又は複数含まれる。
図3は、第1の実施形態におけるプロトコル選択画面を示す図である。例えば、図3に示すように、プロトコル選択画面上には、右から順に、プロトコル群を表示する領域1、領域1に表示されたプロトコル群の総称を表示する領域2、及び、人体模型図上で撮像対象部位毎の選択を受け付ける領域3が表示される。このようなプロトコル選択画面上で、操作者は、例えば、階層構造に従って、領域3、領域2、領域1の順に選択を行うことで、実行すべき所望のプロトコル群を指定することができる。
例えば、操作者が、領域1上で『頭部』に対応する矩形を選択すると、『頭部』に関連するプロトコルの総称の一覧が領域2に表示される。続いて、操作者が、領域2上で、例えば、プロトコルの総称である『Brain1』を選択すると、この総称に対応するプロトコル群が領域1に表示される。このプロトコル群には、例えば、位置決め画像を収集するためのプロトコルや、感度マップを収集するためのプロトコル、シミングのためのプロトコル、イメージングのためのプロトコル等が、それぞれ、1つ又は複数含まれる。そこで、操作者は、領域1に表示されたプロトコル群の中から、感度マップ用、シミング用、イメージング用等、それぞれについて、所望のプロトコルを選択し、終了ボタンを押下する。こうして、撮像条件設定部133aは、一連のプロトコル群の選択を受け付ける。なお、図3に示すプロトコル選択画面は、説明の便宜上の一例に過ぎず、例えば、各領域に表示される情報は、運用の形態に応じて、任意に変更することができる。
図2に戻り、次に、シーケンス制御部130が、ステップS1で選択された一連のプロトコル群に従って、位置決め画像を収集するための準備スキャン等、各種準備スキャンを実行する(ステップS2)。例えば、シーケンス制御部130は、位置決め画像として、サジタル像I1、アキシャル像I2、及びコロナル像I3を収集する。続いて、撮像条件設定部133aが、ASL法によるイメージングスキャンの撮像条件の設定を受け付けるための設定画面を表示部135に表示し、撮像条件の設定を受け付ける(ステップS3)。
図4は、第1の実施形態における位置決め画像を示す図である。撮像条件設定部133aは、収集されたサジタル像I1、アキシャル像I2、及びコロナル像I3を表示部135に表示し、操作者から、撮像領域やタグパルスの印加領域の設定を受け付ける。例えば、撮像条件設定部133aは、サジタル像I1、アキシャル像I2、及びコロナル像I3のうち、どの位置決め画像に対する操作を受け付けるか、また、操作を受け付ける画像において、撮像領域やタグパルスの印加領域のうち、どの領域の設定を受け付けて表示するか等の指定を、図示しないラジオボタン等によって受け付ける。例えば、図4の例では、サジタル像I1上に、撮像領域R1、タグパルスの印加領域R2が表示され、アキシャル像I2上に、撮像領域R3が表示され、コロナル像I3上に、撮像領域R4が表示されている。このように、第1の実施形態においては、撮像領域R1の上流側(図4の例では首側)に、タグパルスの印加領域R2が設定されている。
図5は、第1の実施形態における撮像条件の設定画面を示す図である。撮像条件設定部133aは、図4に示した位置決め画像とともに、あるいは、位置決め画像とは別に、図5に示す撮像条件の設定画面を表示部135に表示する。なお、図5の例では、設定画面の初期画面に、事前に設定されたプリセット情報が表示されるものとする。また、図5においては、説明の便宜上、設定画面の内容を適宜省略して示す。また、図5に示す設定画面は一例に過ぎず、実施形態はこれに限られるものではない。
図5に示すように、例えば、撮像条件設定部133aは、設定画面の最上段に、タグパルス等のタイプを選択するためのプルダウンメニューを表示する。図5の例では、「IR(Inversion Recovery) Pulse Type」として、ASTAR(Modified STAR(Signal Targeting Alternating Radio Frequency) Using Asymmetric Inversion Slabs)法と呼ばれるタイプが選択されている。
また、例えば、撮像条件設定部133aは、同じく設定画面の最上段に、タグパルスの印加タイミングから磁気共鳴信号の収集タイミング(例えば、k空間中心付近の収集タイミング)までの時間であるTI(Inversion Time)や、フリップ角FAの設定を受け付けるための入力項目を表示する。図5の例では、TI=1800ms、FA=180°が設定されている。また、例えば、撮像条件設定部133aは、設定画面の最下段に、タグパルスを印加した後に印加される、非選択プリパルスの個数の設定を受け付けるための入力項目を表示する。図5の例では、例えば、「3」が設定されている。
また、撮像条件設定部133aは、設定画面上にタイムチャート(Time Chart)を表示する。なお、撮像条件設定部133aは、タグパルス(又はコントロール用のパルス)、第1の非選択プリパルス、第2の非選択プリパルス、第3の非選択プリパルスそれぞれに対して、個別に設定を受け付けることができるように、タイムチャートの表示をタブで切り替え可能にしている。図5の例では、第2の非選択プリパルスのタブが、操作者による操作を受け付け可能な状態で表示されている。
タイムチャートには、イメージングのタイミング(即ち、磁気共鳴信号の収集タイミング、例えば、k空間中心付近の収集タイミング)を示すマークM1を起点として、左方向に時間軸上を遡るように、タグパルスの印加タイミングを示すマークM2、第1の非選択プリパルス、第2の非選択プリパルス、第3の非選択プリパルスそれぞれの印加タイミングを示すマークM3が表示されている。また、図5の例では、タグパルスの印加タイミングを白抜きの楕円マークで示す一方で、非選択プリパルスの印加タイミングを斜線の楕円マークで示す等、両者を容易に見分けることができるような工夫が施されている。勿論、マークの表現はこれに限られるものではなく、一重、二重の楕円マークで区別したり、色の異なる楕円マークで区別する等、適宜変更することができる。また、各マークの上には、各マークが示すパルスの印加タイミングから磁気共鳴信号の収集タイミングまでの時間が表示されている。図5の例では、タグパルスの印加タイミングから磁気共鳴信号の収集タイミングまでのTIが1800ms、第1の非選択プリパルスの印加タイミングから磁気共鳴信号の収集タイミングまでのTIが1278ms、第2の非選択プリパルスの印加タイミングから磁気共鳴信号の収集タイミングまでのTIが547ms、第3の非選択プリパルスの印加タイミングから磁気共鳴信号の収集タイミングまでのTIが125msである。
また、撮像条件設定部133aは、磁気共鳴信号の収集タイミングにおける信号値の調整を、撮像領域に含まれる組織のレベルで受け付けることが可能である。例えば、撮像条件設定部133aは、撮像領域に含まれる組織として、「組織A」、「組織B」、「組織C」、及び「組織D」が想定される場合に、図5の領域B1に示すように、「組織A」、「組織B」、「組織C」、及び「組織D」の選択若しくは非選択を受け付けるチェックボックスを表示し、操作者からの選択を受け付ける。第1の実施形態においては、選択された組織の信号値が、磁気共鳴信号の収集タイミングで略ゼロとなるように調整される。なお、図5の例では、「組織A」、「組織B」、及び「組織D」が選択され、「組織C」は選択されていない。また、組織とは、例えば、脂肪、白質、灰白質、脳脊髄液等である。
ここで、非選択プリパルスについて説明する。非造影撮像法の一種であるASL法等においては、非選択(NssIR:Non Slice Selective Inversion Recovery)プリパルスを用いることで、描出が望まれる血液以外の組織の信号値を抑制することが可能である。なお、必ずしも必須ではないが、第1の実施形態においては、非選択プリパルスの数と、信号値を抑制したい組織の数とを、一致させる。
この非選択プリパルスは、信号値を抑制したい組織の縦磁化が、磁気共鳴信号の収集タイミングにおいて概ねゼロになるようなタイミングで印加される。縦磁化がゼロになるタイミングは、信号値を抑制したい組織のT1値、及び、タグパルスの印加タイミングから磁気共鳴信号の収集タイミングまでのTI(以下、TagTI)によって定まる。
組織の縦磁化の最大値を「1」とした場合、タグパルスを印加した後、n個の非選択プリパルスをそれぞれT(n)のタイミングで印加した場合の縦磁化A(n)は、次の(1)式で表される。
A(n)=1−{1+A(n−1)}*exp[−{T(n)−T(n−1)}/T1]
・・・(1)
このとき、通常は、背景組織の信号値を抑制するために、タグパルスの印加タイミングの直前若しくは直後のタイミングにサチュレーションパルス(SATパルス)を撮像領域に印加するので、タグパルス印加直後のT(0)時の縦磁化A(0)は、「0」であるものとする。なお、SATパルスを印加しない場合、タグパルス印加直後のT(0)時の縦磁化A(0)は、「1」であるものとする。
以下に、TagTI=1000msの場合に、T1値250msの組織(血液以外の静止部)の信号値を抑制する場合の計算例を示す。まず、信号値を抑制したい組織の数が1つであるので、印加する非選択プリパルスの数も1個とする。非選択プリパルスを印加するタイミングをTI(1)とした場合、非選択プリパルスを印加するタイミングにおける、信号値を抑制したい組織の縦磁化A(1)は、次の(2)式及び(3)式で表される。
A(1)=1−{1+A(0)}*exp[−{TI(1)−T(0)}/250]
・・・(2)
A(1)=1−exp[−{TI(1)}]/250] ・・・(3)
TagTI=1000ms経過後、磁気共鳴信号の収集タイミングにおける、信号値を抑制したい組織の縦磁化A(2)は、次の(4)式で表される。
A(2)=1−{1+A(1)}*exp[−{1000−T(1)}/250]
・・・(4)
ここで、縦磁化A(2)を「0」とすると、次の(5)式及び(6)式で表される。
0=1−{1+A(1)}*exp[−{1000−T(1)}/250]・・・(5)
0=1−{1+(1−exp[−{TI(1)}/250])}*exp[−{1000−TI(1)}/250]・・・(6)
これを解くと、TI(1)=831msとなり、非選択プリパルスを印加するタイミングから磁気共鳴信号の収集タイミングまでの時間TInssは、TagTI−TI(1)で計算され、TInss=1000−831=169msとなる。非選択プリパルスを印加するタイミングから磁気共鳴信号の収集タイミングまでの時間TInssは、このようなアルゴリズムによって、計算することが可能である。
図5に戻り、撮像条件設定部133aは、例えば、事前に設定されたプリセット情報として、図5に示すような撮像条件の設定情報を表示する。即ち、図5の例では、信号値を抑制したい組織として、「組織A」、「組織B」、及び「組織D」の3つの組織が選択され、非選択プリパルスの個数が「3」に設定されて、また、上述したようなアルゴリズムの計算結果として、それぞれの印加タイミングが表示されている。
かかる設定画面において、撮像条件設定部133aは、操作者から、各種変更操作を受け付けることが可能である。例えば、撮像条件設定部133aは、図5の領域B1において、既に選択済のチェックボックスを外す操作や、反対に、選択されていないチェックボックスを入れる操作を受け付けることが可能である。操作者は、例えば、自らの好みや事前知識等に基づいて、プリセット情報とは異なる選択を行うことが可能である。例えば、操作者は、関心領域に「組織D」が少ないといった事前知識に基づいて「組織D」のチェックボックスを外し、信号値を抑制したい組織として、「組織A」及び「組織B」のみを選択することが可能である。なお、非選択プリパルスの個数の設定は、この操作と連動して「2」に変更されてもよい。そして、撮像条件設定部133aは、この操作を受け付けると、自動的に、上述した計算を再度行い、計算結果に従って、タイムチャートを更新して表示することができる。
また、例えば、撮像条件設定部133aは、TagTIや、TInss自体を変更する操作を受け付けることも可能である。例えば、撮像条件設定部133aは、設定画面の最上段、あるいは、タイムチャート上で、TagTIを変更する操作を受け付ける。操作者は、被検体の年齢や血流速度等の事前知識に基づいて、タイムチャート上で、例えば、ドラッグ&ドロップ操作によりマークM2を時間軸上でスライドさせることで、TagTIを変更する。マークM2上に表示された数字は、このドラッグ&ドロップ操作に連動して更新される。また、撮像条件設定部133aは、この操作を受け付けると、自動的に、上述した計算を再度行い、計算結果に従って、タイムチャートを更新して表示することができる。
図6は、第1の実施形態における非選択プリパルスの設定手順を示すフローチャートである。なお、撮像条件設定部133aは、必ずしも図6に示す処理手順に従って処理を行う場合に限られるものではないが、TagTIや信号値を抑制したい組織の選択に応じてTInssの設定が行われることを説明するためのものである。
撮像条件設定部133aは、まず、TagTIの設定(ステップS101)、及び、信号値を抑制したい組織の設定を行う(ステップS102)。次に、撮像条件設定部133aは、ステップS101で設定されたTagTI、及び、ステップS102で設定された組織のT1値に基づいて、上述したアルゴリズムによる計算を行い、非選択プリパルスのTInssを求めて設定する(ステップS103)。上述したように、第1の実施形態においては、非選択プリパルスの数と、信号値を抑制したい組織の数とを、一致させる。そこで、信号値を抑制したい組織が複数選択された場合には、撮像条件設定部133aは、上述した(1)式を選択した組織の数だけ作成し、選択した組織の縦磁化が「0」となるよう連立方程式を解くことで、各TInssを求める。なお、第1の実施形態においては、ここまでの処理の結果が、プロトコルのプリセット情報として既に組み込まれていた場合を説明した。
ここで、撮像条件設定部133aは、TagTIを変更する操作を受け付けたか(ステップS104)、また、信号値を抑制したい組織を変更する操作を受け付けたか(ステップS105)を、それぞれ判定している。そして、撮像条件設定部133aは、TagTIを変更する操作を受け付けた場合には(ステップS104,Yes)、ステップS101の処理に戻り、TInssを再計算、再設定する。また、撮像条件設定部133aは、組織を変更する操作を受け付けた場合には(ステップS105,Yes)、ステップS102の処理に戻り、TInssを再計算、再設定する。これを適宜繰り返し、撮像条件設定部133aは、TInssの設定を完了する(ステップS106)。
ところで、例えば、撮像条件設定部133aは、図5に示した設定画面とともに、あるいは、図5に示した設定画面とは別に、撮像領域内の信号値の時間的な推移を組織毎に表すグラフを、表示してもよい。撮像条件設定部133aは、このグラフを、撮像条件設定部133aによって設定された内容(例えば、プリセット情報に対応する内容、又は、変更操作を受け付けた内容)と連動して表示する。また、撮像条件設定部133aは、単に、操作者に対する参考情報としてこのグラフを表示してもよいし、あるいは、グラフ上で、操作者からの変更操作を受け付けてもよい。
図7〜9は、第1の実施形態における信号値推移のグラフ表示を示す図である。例えば、撮像条件設定部133aは、縦軸を縦磁化とし、横軸を時間軸とするグラフを表示する。また、撮像条件設定部133aは、描出が望まれる血液(inflow blood)、信号値を抑制したい組織毎に、縦磁化の推移を示すプロットを表示する。なお、図7〜9の例では、血液や各組織の違いが線種の違いで表現されているが、実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、色の違いで表示されてもよい。
図7を用いて各組織の縦磁化について簡単に説明すると、第1の実施形態において、シーケンス制御部120は、フリップ角FA=90°のSATパルスを、印加領域R2に印加されるタグパルスの印加タイミングの直前若しくは直後のタイミングに撮像領域R1に印加する。このため、撮像領域R1内の組織(撮像領域R1内に流入する血液を除く)については、縦磁化の初期値が「0」となっている。また、シーケンス制御部120は、タグパルスとして、フリップ角FA=180°のIRパルスを、印加領域R2を選択して2回印加する。撮像領域R1に流れ込む血液は、このタグパルスを2回印加された血液であるので、その縦磁化の初期値は「1」となっている。
例えば、撮像条件設定部133aは、プリセット情報に対応するグラフとして、図7に示すグラフを表示する。即ち、図7の例では、信号値を抑制したい組織として、「組織A」、「組織B」、及び「組織D」の3つの組織が選択され、非選択プリパルスの個数が「3」に設定されている状態である。この図7の例では、「組織A」、「組織B」、及び「組織D」の3つの組織に加えて、結果的に「組織C」の縦磁化も、磁気共鳴信号の収集タイミングにおいて、概ね「0」となっている。
ここで、非選択プリパルスの数が多ければ多いほど、収集された磁気共鳴信号において、信号値は低下してしまう。そこで、例えば、操作者が、非選択プリパルスの数を減らすことを試みたとする。例えば、操作者は、図5に示した設定画面上の領域B1で「組織D」のチェックボックスを外し、「組織A」及び「組織B」のみを選択したとする。すると、撮像条件設定部133aは、TagTI=1800ms、組織AのT1値250ms、組織BのT1値800msに基づいて、再計算を行い、新たに、TInss1=152ms、TInss2=774msを求める。そして、撮像条件設定部133aは、これを図5のタイムチャート上に反映するとともに、例えば、図8に示すように、グラフに反映する。また、図8に示すように、撮像条件設定部133aは、例えば、領域B1の各組織の下に、磁気共鳴信号の収集タイミングにおける信号値を、数字で表示してもよい。操作者は、このグラフを見ることで、あるいは、領域B1の数字を見ることで、各組織の縦磁化がどの程度抑制されたかを確認することができる。
また、例えば、撮像条件設定部133aは、このグラフ上で直接、操作者から、非選択プリパルスの印加タイミングの変更操作を受け付ける。操作者は、グラフ上で、例えば、ドラッグ&ドロップ操作によりプロットされた線を移動させることで、非選択プリパルスの印加タイミングを、TInss2=774msからTInss2=790msに変更する。撮像条件設定部133aは、操作者の操作に応じて随時計算を行い、その計算結果を反映するように各組織の縦磁化の推移を更新して表示し続ける。このため、操作者は、自らの変更操作の結果、各組織の縦磁化がどのように変化するかをリアルタイムに確認しながら、この操作を行うことができる。この結果、「組織B」の信号値は若干上がるが、「組織C」及び「組織D」の信号値は下がる。このことは、グラフ上のみならず、領域B1の数字を見ることでも確認することが可能である。なお、ここでは、図7から図9へと、順次表示されるグラフが切り替わる例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、撮像条件設定部133aは、図7〜図9のうち、2つ又は3つのグラフを表示部135上に並べて表示してもよい。
このように、撮像条件設定部133aは、撮像領域に含まれる複数種類の組織の選択若しくは非選択、又は個数を受け付けるGUIを提供する。また、撮像条件設定部133aは、タイムチャートやグラフの形式でもGUIを提供し、操作者から、組織の選択若しくは非選択、又は個数や、TagTI、TInssの設定を受け付ける。特にグラフの形式のGUIの場合、例えば、血液以外の背景組織の信号がどの程度残りそうかを可視化することができる。そして、操作者は、変更操作が各組織の縦磁化にどのような影響を与えるかを確認しながら、各種設定を行うことが可能である。なお、上述した実施形態では、プリセット情報に対する変更操作を受け付けるものとして説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、初期設定としての操作を受け付けてもよい。
こうして、撮像条件設定部133aによる、イメージングスキャンの撮像条件の設定が完了した。図2に戻り、シーケンス制御部120は、撮像条件設定部133aによる設定に従って、パルスシーケンスを実行する(ステップS4)。シーケンス制御部120は、ステップS3で設定されたタグパルスの印加領域に、TagTI=1800msのタイミングでタグパルスを印加する。次に、シーケンス制御部120は、領域を選択せずに、TInss2=790msのタイミングで第1の非選択プリパルスを印加する。また、シーケンス制御部120は、領域を選択せずに、TInss1=152msのタイミングで第2の非選択プリパルスを印加する。そして、シーケンス制御部120は、撮像領域内の磁気共鳴信号を収集する。この収集には、例えば、SSFP(Steady State Free Precession)、GRE(Gradient Echo)、FSE(Fast Spin Echo)、EPI(Echo Planar Imaging)等が用いられる。なお、シーケンス制御部120は、各パルスの印加タイミングや磁気共鳴信号の収集タイミングを、心電同期信号、脈波同期信号等の生体信号や、MRI装置100のクロック信号等をトリガ信号として制御する。
その後、必要に応じて、画像生成部136が、ステップS4で収集された磁気共鳴信号を用いて、MR画像を生成したり、表示部135に表示したりする(ステップS5)。
上述してきたように、第1の実施形態によれば、信号値の調整を組織のレベルで受け付けるためのGUIが提供され、このGUI上で受け付けられた設定内容に従って、非選択プリパルスの印加タイミングが自動的に導出されるので、操作者は、非選択プリパルスの設定を、容易且つ柔軟に行うことが可能である。ひいては、非選択パルスの印加タイミングとして、最適なタイミングを設定することも可能である。
なお、上述した第1の実施形態においては、撮像条件設定部133aが、プリセット情報や、GUI上で受け付けた設定内容に従って、その都度、上述したアルゴリズムによる計算を行い、非選択プリパルスの印加タイミングを求める例を説明した。しかしながら、実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、TagTIと、組織のT1値と、非選択プリパルスの印加タイミングとの組み合わせを、固定的に定めておいてもよい。
この場合、例えば、撮像条件設定部133aは、TagTIが「950〜1050ms」で、組織のT1値が「250ms」の場合には、TInssを「169ms」とすることを定めたテーブルをプリセット情報として記憶しておく。また、例えば、撮像条件設定部133aは、TagTIが「950〜1050ms」で、組織のT1値が「250ms」及び「800ms」の場合には、TInssを「130ms」、「565ms」とすることを定めたテーブルをプリセット情報として記憶しておく。そして、撮像条件設定部133aは、このテーブルに基づいて、TInssを導出すればよい。
図10は、第1の実施形態の変形例における非選択プリパルスの設定手順を示すフローチャートである。図10と図6とで異なる点は、ステップS203及びステップS103である。即ち、第1の実施形態の変形例において、撮像条件設定部133aは、ステップS201で設定されたTagTI、及び、ステップS202で設定された組織のT1値に基づいて非選択プリパルスのTInssを求める際に、アルゴリズムによる計算を行うのではなく、プリセットされたテーブルを参照して、これを求める。
(その他の実施形態)
なお、実施形態は、上述した実施形態に限られるものではない。
(組織選択のGUIについて)
上述した第1の実施形態においては、撮像条件設定部133aが、撮像領域に含まれる組織の選択若しくは非選択を受け付けるチェックボックスを表示する例を説明した。このとき表示する組織の種類や数は、撮像対象部位に応じて変化してもよい。例えば、撮像条件設定部133aは、GUI上に表示する組織の種類及び数のうち、少なくとも1つを、撮像対象部位に応じて変更することが可能である。
例えば、撮像条件設定部133aは、撮像対象部位が「頭部」の場合は、撮像領域に含まれる組織として、脂肪、白質、灰白質、脳脊髄液が想定されること、一方、撮像対象部位が「腹部」の場合は、撮像対象部位に含まれる組織として、脂肪、肝臓、脾臓が想定されること等、撮像対象部位毎に、想定され得る組織の種類及び数を予め記憶しておく。そして、例えば、撮像条件設定部133aは、図2を用いた処理手順のうち、ステップS1で選択された撮像対象部位に応じて、ステップS3の設定画面に表示される組織の種類及び数を変更する。
また、上述した第1の実施形態においては、撮像条件設定部133aが、撮像領域に含まれる複数種類の組織のうち、信号値の抑制が所望されるであろう組織のリストをGUIとして表示し、そのリスト上で、信号値の抑制が所望される組織の選択を直接受け付ける例を説明した。しかしながら実施形態はこれに限られるものではなく、結果的に、信号値の抑制が所望されるであろう組織の種類と数が判明すればよい。即ち、どのようなリストの形態でGUIを提供するかは、任意に変更することができる。
例えば、撮像条件設定部133aは、信号値の抑制が所望される組織のリストの替わりに、撮像領域に含まれる複数種類の組織のうち、信号値の強調が所望されるであろう組織のリストをGUIとして表示し、そのリスト上で、信号値の強調が所望される組織の選択を受け付けてもよい。この場合、撮像条件設定部133aは、例えば、別途、撮像領域に含まれると想定される組織のリストを記憶しておき、強調が所望された組織以外の組織が、信号値の抑制が所望される組織であると判定すればよい。なお、強調が所望される組織としては、例えば、血液、脳脊髄液、肝臓、脾臓等が考えられる。
あるいは、例えば、撮像条件設定部133aは、信号値を抑制若しくは強調したい対象を組織のレベルで区分してGUIを表示するのではなく、観察対象のレベルで区分してもよい。例えば、同じ「腹部」の「血液」であっても、観察対象のレベルとしては、「肝動脈」や「肝静脈」、「門脈」等の区分が想定され得る。そこで、撮像条件設定部133aは、観察対象のレベルのリストを表示して、操作者から、観察対象の選択を受け付ける。そして、撮像条件設定部133aは、選択された観察対象から、信号値の抑制が所望される組織を判定すればよい。例えば、「肝動脈」や「肝静脈」が選択された場合には、信号値の抑制が所望される組織として「肝臓」や「脂肪」を特定するが、「門脈」が選択された場合には、信号値の抑制が所望される組織から「肝臓」や「脂肪」を外す等する。
(撮像法)
また、上述した第1の実施形態において例示した、図4の各領域の設定や、タグパルスやSATパルス、非選択プリパルスの数、組み合わせ等は、一例に過ぎない。例えば、ASL法には、複数のTI毎にタグ画像とコントロール画像とをペアで収集して各画像の差分画像を生成する「N−N差分方式」や、一方の画像のみを用いて血流画像を生成する「mIR(Multiple IR)差分レス方式」、両者を併用する「mIR N−N差分方式」等がある。例えば、上述した実施形態は、「N−N差分方式」、「mIR差分レス方式」、あるいは「mIR N−N差分方式」にも適用することができる。また、ASL法に限られるものではなく、上述した実施形態は、磁気共鳴信号の収集タイミングの前に、設定されたタイミングでプリパルスを印加する撮像法であれば、同様に適用することができる。
また、例えば、上述した第1の実施形態においては、シーケンス制御部120が、タグパルスとして、フリップ角FA=180°のIRパルスを、印加領域R2を選択して2回印加する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、タグパルスを印加しない手法を用いることもできる。また、例えば、シーケンス制御部120が、タグパルスとして、フリップ角FA=180°のIRパルスを、印加領域R2を選択して1回印加してもよい。この場合、撮像領域R1に流れ込む血液は、このタグパルスを1回印加された血液であるので、その縦磁化の初期値は「−1」となる。
(具体的な数値、処理の順序)
また、上述した実施形態において例示した具体的な数値(例えば、1800ms)や、処理の順序(例えば、図2、6、10に示す処理手順)は、原則として一例に過ぎない。また、図5に示した設定画面や、図7〜9に示したグラフ形式のGUIも、一例に過ぎない。例えば、図5においては、組織の選択若しくは非選択を受け付けるGUIとして、チェックボックス形式のGUIを提供する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、プルダウンメニュー形式で選択させるGUI等、その形式については任意に変更することができる。
また、上述した実施形態においては、描出が所望される信号が、撮像領域に流入する血液の信号である例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、脳脊髄液や、リンパ液等の他の流体であってもよい。
(プログラム)
また、上述した実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいて実行されることが可能である。上述した実施形態で記述された指示は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ、又はこれに類する記録媒体に記録される。コンピュータは、この記録媒体からプログラムを読み込み、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させれば、上述した実施形態のMRI装置100や画像処理装置と同様の動作を実現することができる。また、コンピュータがプログラムを取得する場合又は読み込む場合は、ネットワークを通じて取得又は読み込んでもよい。
以上述べた少なくとも1つの実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置によれば、プリパルスの設定を容易且つ柔軟に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 MRI装置
120 シーケンス制御部
133 制御部
133a 撮像条件設定部

Claims (6)

  1. 磁気共鳴信号を収集する、複数の組織を含む撮像領域に含まれる複数種類の観察対象のリストを提示し、前記リストから、少なくとも1つの前記観察対象の選択を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた前記観察対象に対応する、信号の抑制が所望される組織を前記複数の組織の中から設定する設定部と、
    前記設定部による設定に応じて、前記磁気共鳴信号の収集前に印加されるプリパルスの印加タイミングを導出する導出部と、
    を備えた磁気共鳴イメージング装置。
  2. 磁気共鳴信号を収集する、複数の組織を含む撮像領域に含まれる複数種類の観察対象のリストを提示し、前記リストから、少なくとも1つの前記観察対象の選択を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた前記観察対象に対応する、信号の強調が所望される組織を前記複数の組織の中から設定する設定部と、
    前記設定部による設定に応じて、前記磁気共鳴信号の収集前に印加されるプリパルスの印加タイミングを導出する導出部と、
    を備えた磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記プリパルスの印加タイミングに従ってプリパルスを印加し、磁気共鳴信号を収集するシーケンス制御部を更に備えた、
    請求項1またはに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記観察対象は血管であり、前記受付部は、複数種類の血管の区分を前記リストとして提示する、請求項1ないしのうちいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記設定部は、前記受付部により選択された前記観察対象に応じて、特定の臓器に含まれる組織を、前記信号の抑制が所望される組織として設定し、
    前記導出部は、前記臓器からの磁気共鳴信号が抑制されるように、前記プリパルスの印加タイミングを導出する、
    請求項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記設定部は、前記受付部により選択された前記観察対象に応じて、特定の臓器に含まれる組織を、前記信号の強調が所望される組織として設定し、
    前記導出部は、前記臓器からの磁気共鳴信号が強調されるように、前記プリパルスの印加タイミングを導出する、
    請求項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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